JPWO2009025085A1 - 透明タッチパネルとその製造方法 - Google Patents

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健二 鮎田
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Abstract

【課題】ペン入力に対してもリニアリティを長期間維持できるタッチパネルを提供する。【解決手段】透明タッチパネルは、下部透明基板と、下部透明基板上方に形成され、直交する対向辺を有する下部透明抵抗膜と、下部透明基板上方に対向配置され、可撓性を有する上部透明基板と、上部透明基板下面上に形成され、直交する対向辺と平行な対向辺を有する上部透明抵抗膜と、上部透明抵抗膜端部と下部透明基板との間に配置された積層壁と、上部透明基板と積層壁の間に配置され、積層壁より内側の上部透明抵抗膜上に延在し、積層壁内側端から第1の幅を有する一定膜厚領域と、一定膜厚領域より内側で、内側端から外側に向かって厚さがほぼ0から徐々に増大し、一定膜厚領域まで達する勾配領域とを有する絶縁保護膜と、を有し、絶縁保護膜が押圧力に対して弾性を変化させる片持ち梁構造を構成する。

Description

本発明は、透明タッチパネルとその製造方法に関し、特に位置検出のリニアリティを向上した透明タッチパネルとその製造方法に関する。
液晶表示装置等の表示装置全面に、タッチパネルを重ねて配置し、指やペン等でタッチすることで位置を指定することが広く行なわれている。抵抗膜を対向配置したアナログ抵抗膜方式のタッチパネルが広く用いられている。高分解能、高精度の表示画面にペンでタッチする場合、タッチ位置の検出も高精度であることが要求される。
図12は、アナログ抵抗膜方式の透明タッチパネルの構成例を示す。ガラス板などの透明な絶縁基材101の上面にインジウムティンオキサイド(ITO)等からなる透明な抵抗膜102および銀ペースト等からなる平行な一対の電極103を形成した下部抵抗104と、ポリエステルフィルムなどの透明な可撓性絶縁基材105の下面に前記と同様の抵抗膜106および電極107を形成した上部抵抗108とを、抵抗膜102,106間にドット状などのスペーサ109を介在させ、下部抵抗104の電極103方向と上部抵抗108の電極107方向が直交するように重ね合わせ、周縁部を両面テープなどの接着層110で接着する。なお、電極103,107と外部端子との接続は、通常、下部抵抗104または/および上部抵抗108に引き回し配線111を設けることなどで行う。
図13は、透明タッチパネルのタッチ位置検出原理を示す。上部抵抗108上から任意の点Pを指やペンなどで押圧して両抵抗膜106,102の点Pの箇所を点接触させる。上部抵抗108に電圧を印加しかつ下部抵抗104には電圧を印加しないと、上部抵抗108の抵抗膜106にはx軸方向に電位勾配が生じ、上部抵抗108の抵抗膜106上の点Pに分圧された電圧eが生じ、この電圧eは下部抵抗104の分圧出力端112から検出される。
点Pの座標を(x,y)、上部抵抗108の電極107間の距離をL1、電極107間の電圧をEとすると、e/E=x/L1という関係により、電圧eから点Pのx座標を求めることができる。また、下部抵抗104に電圧を印加し、上部抵抗108には電圧を印加しないと、下部抵抗104の抵抗膜102上の点Pに分圧された電圧eが生じ、この電圧eは、上部抵抗108の分圧出力端113から検出される。下部抵抗104の電極103間の距離をL2、電極103間の電圧をEとすると、e/E=y/L2という関係により、電圧eから点Pのy座標を求めることができる。
両面テープは表示装置の額縁領域に配置され、枠に隠されるが、枠を押した時に上部抵抗が下部抵抗に接して誤入力を行なうことがある。誤入力を防止するため、両面テープ内側に絶縁層を配置することも知られている。
特開平8−241646号は、両面テープなどの接着層の内側に隣接する枠状領域に内側に向けて厚さが薄くなる絶縁層を配置することを提案する。均一な厚さの絶縁膜を配置すると、絶縁膜近傍をペン等で摺動すると、抵抗膜が絶縁膜内側角部により局部的に強い圧力を加えられることにより傷つき導電性や均一性を損なうと指摘し、絶縁膜の厚さが内側に向けて薄くなると、絶縁膜の内側角部によって局部的に強い圧力を加えられないので上部抵抗膜が傷つかないと記載する。
特開平8−241646号公報 従来は表示装置の額縁近傍の上部に筐体を設けることにより、額縁近傍はペン入力が出来ないように保護をする構造であった。最近は機器薄型化のために上部筐体をなくしてタッチパネル全体を表面に出す構造が採用されるようになった。この場合、上部抵抗、下部抵抗をそれぞれ絶縁レジスト膜で覆って絶縁性を確保し、絶縁レジスト膜上に粘着層を形成して両部材を貼り合わせる。
動作領域周縁部上面上に筐体を持たないタッチパネルにおいて、ペン入力に対する耐性が要求されている。
本発明の目的は、ペン入力に対してもリニアリティを長期間維持できるタッチパネルを提供することである。
本発明の1観点によれば、下部透明基板と、前記下部透明基板上方に形成され、直交する対向辺を有する下部透明抵抗膜と、前記下部透明基板上方に対向配置され、可撓性を有する上部透明基板と、前記上部透明基板下面上に形成され、前記直交する対向辺と平行な対向辺を有する上部透明抵抗膜と、前記上部透明抵抗膜端部と前記下部透明基板との間に配置された積層壁と、前記上部透明基板と前記積層壁の間に配置され、前記積層壁より内側の前記上部透明抵抗膜上に延在し、前記積層壁内側端から第1の幅を有する一定膜厚領域と、前記一定膜厚領域より内側で、内側端から外側に向かって厚さがほぼ0から徐々に増大し、前記一定膜厚領域まで達する勾配領域とを有する絶縁保護膜とを有し、前記絶縁保護膜が押圧力に対して弾性を変化させる片持ち梁構造を構成する透明タッチパネルが提供される。
図1A,1B,1Cは、例1による上側基板、下側基板、貼り合わせ後の透明タッチパネルの構成を概略的に示す断面図である。 透明タッチパネルの使用時の状態を概略的に示す断面図である。 本発明者の提案する透明タッチパネルの基本的構成を示す断面図である。 図4A,4B,4Cは、例3による上側基板、下側基板、貼り合わせ後の透明タッチパネルの構成を概略的に示す断面図である。 例5による透明タッチパネルの構成を示す断面図である。 例6による透明タッチパネルの構成を示す断面図である。 例7による透明タッチパネルの構成を示す断面図である。 例8による透明タッチパネルの構成を示す平面図である。 各例の構成の特徴をまとめた表1である。 各例の評価試験1の結果をまとめた表2である。 各例の評価試験2の結果をまとめた表3である。 公知の透明タッチパネルの構成要素を分解して示す斜視図である。 位置検出の原理を示す斜視図である。 タッチパネルの変形例を示す断面図である。
本発明者は、まずタッチパネルの特性の解析を行なった。まず、公知構造に基づき、例1のサンプルを作成し、その曲げ耐久性を測定した。
例1
図1Aに示すように、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムで形成された透明基板1の一方の表面上に結晶性ITO膜(インジウム錫酸化膜)で形成された透明抵抗膜2を形成した透明基板(日東電工製エレクリスタフィルム)を上部基板として使用した。透明基板1は、厚さ200μmの可撓性を有するPETフィルムである。透明抵抗膜2の厚さは約0.2μm、抵抗率は300Ω/□である。パネル当たりの上部基板の面積は、90mm×45mmである。
以下、透明基板1を上部透明基板、透明抵抗膜2を上部透明抵抗膜と呼ぶ。マスクを用いたウェットエッチングにより上部透明抵抗膜2を、70mm×40mmの直交する対向辺を有する矩形状にパターニングした。上部透明抵抗膜2の中央部が以下に述べる下部透明抵抗膜と対向し、動作領域を構成する。矩形状透明抵抗膜2の一対の対向短辺に隣接する端部上に、動作領域から1.5mm離して、Agペーストを幅1.5mmでスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて、厚さ約10μmの上部電極3を形成した。なお、引き出し配線も同時に形成した。上部電極3外側から、上部電極3を覆い、上部電極3の内側端16から内側に0.2mm張り出す位置まで、伸び率(ASTM D638)が25%である東洋紡製ポリエステルスクリーンインクを200メッシュのスクリーン版を使用してスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて、膜厚約15umの上部絶縁レジスト膜4を形成した。
この状態で観察すると、上部絶縁レジスト膜4は、内側端で厚さがほぼ0であり、内側端から外側に向かって段差が少なくほぼ均一な傾斜角を形成して徐々に厚さが厚くなり、幅80μmの範囲で平均勾配10度の傾斜面を形成していた。この領域を勾配領域ないし傾斜領域と呼ぶ。勾配領域ないし傾斜領域の外側には膜厚15μmの一定膜厚領域が存在する。
粘着層5を絶縁レジスト膜4内側端より0.2mm〜0.3mm外側から外周までスクリーン印刷し、乾燥させた。乾燥後の粘着層の厚さは25μmであった。
図1Bに示すように、厚さ0.7mmのガラス板である下部透明基板7に下部透明抵抗膜6である結晶性ITO膜を厚さ0.2μmスパッタ法により成膜した。マスクを用いたウェットエッチングにより下部透明抵抗膜6を直交する対向辺を有する矩形状にパターニングした。電極を形成すべき領域を除き、矩形状下部透明抵抗膜6上に、絶縁性紫外線硬化樹脂をドット状にスクリーン印刷し、UV硬化させて、誤入力防止用のドットスペーサ19を形成した。ドットスペーサは、典型的には直径40μm、高さ7μmの半球状であり、ピッチ1mm程度の密度で形成する。矩形状下部透明抵抗膜6の一対の対向長辺に隣接する端部上に幅1.5mmでAgペーストをスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて、厚さ10μmの下部電極11を形成した。下部電極11を覆い、電極内側に0.2mm程度張り出す位置まで、東洋紡製ポリエステルスクリーンインクをスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて厚さ15μmの下部絶縁レジスト膜18を形成した。
下部絶縁レジスト膜18は、内側端で厚さがほぼ0で、外側に向かって段差が少なくほぼ均一な傾斜を形成して徐々に厚さが厚くなり、幅80μmの範囲で平均勾配10度の傾斜面を形成していた。
図1Cに示すように、上下透明抵抗膜2,6を対向させ、上部電極3と下部電極11が直交するように上部基板と下部基板を位置あわせし、異方導電フィルムを端部両面に貼ったFPC(フレキシブルプリントサーキット)を上下基板間に挿入して、熱圧着を行った。この様にして、アナログ型透明タッチパネルを作成した。上部透明抵抗膜2と下部透明抵抗膜6が対向する領域が動作領域9を構成する。
上部電極3、上部絶縁レジスト膜4、粘着層5、下部絶縁レジスト膜18の積層が、上部抵抗膜2を支持する積層壁LWを構成し、段差を画定している。上下絶縁レジスト膜4,18は、上下透明抵抗膜2,6、上下電極3,11間の絶縁の機能を果たし、パネル寸法にもよるが、一般的に上下各層の厚さは10μm〜20μmである。
使用の際には、上部透明基板1の上面にペン12を押し当て、上部透明基板1、上部透明抵抗膜2を押し下げ、上部抵抗膜2を下部抵抗膜6に接触させて、位置を指定する。この時の上部抵抗膜2の曲げ耐久性が問題となる。
図2は、ペン12が積層壁LW近傍を押し下げた時の状態を示す。使用者は、上部透明基板1上面の操作面をペン12で押圧する。動作領域9内においては、ペン12下方の上部透明抵抗膜2は、下部透明抵抗膜6に当接するまで押し下げられる。上部透明抵抗膜2は、積層壁LWの角から下方に曲げられ、ペン12の下方で曲げ方向を反転する。
動作領域9が、積層型壁LWから例えば1.5mm離れていても、ペン12を動作領域9より外側まで摺動することは避けがたい。積層壁LW上の上部透明抵抗膜2は高さが固定されているので、ペン12が積層壁LW上方を押し下げようとしても上部抵抗膜2は曲がらない。ペン12の先端が動作領域9と積層壁LWの間の領域を押し下げると、抵抗膜は急角度で曲がることになる。ペン12が積層壁LWに近付く程、曲げの程度は急となる。急角度の曲げは、抵抗膜にクラックなどを生じさせ、局所的な抵抗率増大の原因となるであろう。
タッチパネルにおいては、抵抗のリニアリティが求められ、規格として、
{(測定電圧Ex(y)m−理論電圧Ex(y)t)/電極間電圧E}*100(%)
として定義されるリニアリティ値が1.5%以下であることが要求される。
曲げ耐久性を試験するため、上部電極3の内側端16より1.5mm(評価試験1)および1.0mm(評価試験2)内側を上部電極3に平行方向に長さ30mmに亘って、先端0.8mmのPOMペンにて荷重4.9N(500gf)で摺動テストを行った。
評価試験1においては摺動回数10000でリニアリティ値が5.6%に達した。評価試験2においては摺動回数100でリニアリティ値が3.5%に達した。実用に耐える曲げ耐久性とは言えない。
本発明者は、積層壁の角で上部透明抵抗膜が急角度に曲げられるのを抑制するよう、上部透明抵抗膜を下側から支持する片持ち梁構造の絶縁保護膜を積層壁構造から動作領域に向かって内側に延在させることを考えた。片持ち梁構造の絶縁保護膜として、絶縁レジスト膜を内側に延長した例2のサンプルを作成し、特性を調べた。
例2
例1と異なる点は、上部絶縁レジスト膜4を、図1A中破線で示すように、上部電極3の内側端16より内側1.3mmの位置まで形成したことである。形成された上部絶縁レジスト膜4は、一定膜厚領域の厚さが約15μmで、内側端で厚さがほぼ0で、外側に向かって段差が少なくほぼ均一な傾斜角を形成して徐々に厚さが厚くなり、幅80μmの勾配領域で平均勾配10度の傾斜面を形成していた。
例1同様に、曲げ耐久性に対する評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000でリニアリティ値が4.8%に達した。評価試験2においては、摺動回数100でリニアリティ値が2.7%に達した。例1と比べると、曲げ耐久性は改善されている。片持ち梁構造の有効性を示唆すると考えられる。但し、未だ実用に耐える曲げ耐久性とは言えない。
本発明者は、上部絶縁レジスト膜4を動作領域に向かって延在させると、積層壁LW角における上部透明抵抗膜2の急角度の曲げは緩和されるが、上部絶縁レジスト膜4の柔軟性は十分でなく、内側端において上部透明抵抗膜の急角度の曲げを許容するのではないかと考えた。力Fに対する梁先端の変位ΔzをF=c*Δzと表わすと、梁の弾性係数cが強すぎると考えられる。一定膜厚領域の膜厚が厚すぎ、勾配領域の勾配が大きすぎると考えられる。一定膜厚部の膜厚を小さくし、勾配領域の勾配を小さくすることが考えられる。一定膜厚部をより柔軟にし、さらに内側端部により柔軟で押圧力に応じて弾性を変化させる片持ち梁構造を上部透明抵抗膜下面上に形成し、上部透明抵抗膜を下側から柔軟に支持することが考えられる。材料として絶縁レジストと同種類の材料を用いても、通常の上部絶縁レジスト膜の厚さよりも薄くすれば、内側端の勾配部の角度が小さくなり、より柔軟な片持ち梁構造を形成できるであろう。絶縁性が不足する場合は、絶縁保護膜の上に補助的絶縁レジスト膜を積層すればよい。上部透明抵抗膜を可撓性を有する上部透明基板と片持ち梁構造がサンドイッチすることにより、上部透明抵抗膜のクラック発生も抑制されよう。
図3に、基本構成を示す。上部透明基板1下面上に上部透明抵抗膜2が形成され、その端部上に上部電極3が形成されている。絶縁保護膜10は外側から上部電極3を覆い、さらに内側に延在し、上部透明抵抗膜3の下面上ある幅で形成される。絶縁保護膜10は上部電極3の内側端16から内側に幅d1で形成される。内側端17から外側に幅d2の領域は厚さが徐々に増大する勾配ないし傾斜領域となる。絶縁保護膜10の下面上に、上部電極3を覆うように上部絶縁レジスト膜4、粘着層5、下部絶縁レジスト膜18が積層配置され、積層壁LWを形成し、下部透明基板7に達する。
上部電極3の内側端16から積層壁LWの内側壁面までの距離をd3とすると、絶縁保護膜10が積層壁LWより内側に張り出す幅d4は、d4=d1−d3となる。片持ち梁構造の梁部分の長さに相当する。張り出し幅d4のうち、勾配ないし傾斜領域の幅d2を除いた幅、d4−d2=d5が一定厚さ領域であり、一定の弾性係数を有する板バネに近似されよう。先端の幅d2の勾配ないし傾斜領域は小さい傾斜角度を有し、内側先端はバネ力が弱く、容易にしなりを許す。内側先端から外側に向かって、次第にバネ力が強くなる。
絶縁保護膜10の内側端近傍に上方から押圧力を印加すると、まず絶縁保護膜の勾配領域内側先端が曲がりだし、次第に外側部分も曲げられる。上部透明抵抗膜2は滑らかな曲線を形成して下部透明抵抗膜に達することが期待される。積層壁LWは、上部透明保護膜2を下方から支持し、高さが変わらないようにする構造であり、必要に応じて上部電極3、絶縁保護膜10を含めてもよい。なお、上部絶縁レジスト膜4は、積層壁LWとして必ずしも必須の構成要件ではない。
絶縁保護膜10の勾配ないし傾斜領域d2のバネ特性は、勾配角度によって変化する。絶縁保護膜10は、スクリーン印刷やインクジェット印刷で形成することができる。スクリーン印刷はスクリーン版上にインクを載せ、スキージでインクをスクリーン版下方に押し出して印刷する。押し出されたインクの一部がスクリーン版に残るため印刷端部のインク量が少なくなり、完成した印刷の端面から内部に向かって徐々に印刷膜厚が厚くなり、一定距離以降は均一の膜厚になる。この印刷面の厚さの変化はスキージの動作方向により変化が生じる。一定の勾配を安定して形成するため、スキージの動作方向に平行に勾配領域が生じるようにした。勾配領域の勾配角度、幅は、スキージ角、スキージ速度、スクリーン版のメッシュ、インク粘度、インクの粘弾性、等の組み合わせにより調整した。勾配領域の幅は約0.1mmに設計した。絶縁保護膜の外周部は、上部電極の大きさより大きく印刷することにより、スクリーン印刷のダレのない、均一膜厚の膜とすることができる。インクジェット印刷の場合は、勾配領域の勾配角度の調整は、印刷回数と印刷ピッチを制御することにより行う。
絶縁保護膜10の材料として、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミドアミド樹脂、シリコン樹脂などの有機質膜を用いることができる。通常の絶縁保護膜の伸び率(ASTM D638)は、10%から40%程度であり、絶遠保護膜の伸び率としては10%以上が望ましい。また、絶遠保護膜10は、単層構造でも複数層の積層でもよい。絶遠保護膜は絶縁レジスト膜の役目も兼ねる事ができる。
絶遠保護膜10は、スクリーン印刷、グラビア印刷、凸版印刷、インクジェット印刷などの各種印刷法により形成できる。マスクなどを用いれば、スパッタ法や蒸着法によって形成することもできる。以上の考察に基づき、上部透明抵抗膜2上に、膜厚を薄く制限し、勾配領域の角度を小さくした絶遠保護膜10を形成し、その上に上部絶遠レジスト膜4を形成した例3のサンプルを作成した。
例3
図4Aに示すように、一方の表面上に上部透明抵抗膜2である結晶性ITO膜(インジウム錫酸化膜)を形成した上部透明基板1であるPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム(日東電工製エレクリスタフィルム)を上部基板として使用した。上部透明基板1は厚さ200μmの可撓性を有するPETフィルムである。上部透明抵抗膜2の厚さは約0.2μm、抵抗率は300Ω/□である。パネル当たりの上部基板の面積は、90mm×45mmである。
マスクを用いたウェットエッチングにより上部透明抵抗膜2を、70mm×40mmの直交する対向辺を有する矩形状にパターニングした。矩形状透明抵抗膜2の一対の対向辺(短辺)に隣接する端部上に、動作領域から1.5mm離して、Agペーストを幅1.5mmでスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて、厚さ10μmの上部電極3を形成した。なお、引き出し配線も同時に形成した。
伸び率(ASTM D638)が25%である、セイコウアドバンス製ポリエステルスクリーンインクに専用希釈液30%を加えた材料を絶縁保護膜原料とする。上部電極3の外側から電極内側端16より1.3mm内側までの範囲に、508メッシュのスクリーン版を使用して、絶縁保護膜原料をスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて絶縁保護膜10を形成した。絶縁保護膜10の一定膜厚領域の膜厚は5μm、内側端の厚さはほぼ0であり、外側に向かって段差が少なくほぼ均一な傾斜角を形成して徐々に厚くなる。内側端17から0.1mmの傾斜領域の平均勾配は3度であった。
伸び率20%であるポリエステル系絶縁レジスト膜4を、上部電極3内側端16より0.2mm内側までスクリーン印刷により塗布し、乾燥硬化させた。絶縁レジスト膜4の一定膜厚領域の膜厚は15μmであり、幅80μmの勾配領域に形成された傾斜面の平均勾配は10度であった。粘着層5を絶縁レジスト膜内側端より0.2mm〜0.3mm外側から外周までスクリーン印刷により塗布し、乾燥させた。粘着層5の膜厚は、25μmであった。この構成においては、d1=1.3mm、d2=0.1mm、d3=0.2mm、d4=1.1mm、d5=1.0mmである。
図4Bに示すように、厚さ0.7mmのガラス板である下部透明基板7に下部透明抵抗膜6である結晶性ITO膜を厚さ0.2μmスパッタ法により成膜した。マスクを用いたウェットエッチングにより下部透明抵抗膜6を矩形状にパターニングした。電極を形成すべき領域を除き、矩形状下部透明抵抗膜6上に、絶縁性紫外線硬化樹脂をドット状にスクリーン印刷し、UV硬化させて、誤入力防止用のドットスペーサ19を形成した。ドットスペーサは、典型的には直径40μm、高さ7μmの半球状であり、ピッチ1mm程度の密度で形成する。矩形状下部透明抵抗膜6の一対の対向辺(長辺)に隣接する端部上に幅1.5mmでAgペーストをスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて、厚さ10μmの下部電極11を形成した。下部電極11を覆い、電極内側に0.2mm張り出す位置まで、東洋紡製ポリエステルスクリーンインクをスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて厚さ15μmの下部絶縁レジスト膜18を形成した。
下部絶縁レジスト膜18は、端部で厚さがほぼ0で、外側に向かって段差が少なくほぼ均一な傾斜を形成して徐々に厚さが厚くなり、幅80μmの勾配領域で平均勾配10度の傾斜面を形成していた。
図4Cに示すように、上下透明抵抗膜2,6を対向させ、上部電極3と下部電極11が直交するように上部基板と下部基板を位置あわせし、異方導電フィルムを端部両面に貼ったFPC(フレキシブルプリントサーキット)を上下基板間に挿入して、熱圧着を行った。この様にして、アナログ型透明タッチパネルを作成した。
評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000ではリニアリティ値は製造時同様の0.5%であり、摺動回数100000でもリニアリティ値は0.7%であった。評価試験2においては、リニアリティ値は、摺動回数100では製造時同様の0.5%であり、摺動回数10000でも0.7%であった。例1と比べると、飛躍的に曲げ耐久性は改善されている。十分実用化に耐える曲げ耐久性である。絶縁保護膜の材料を変え、積層壁から張り出す長さを大幅に短くしたサンプルを作成してみた。
例4
図4Aに示すように、可撓性を有する上部透明基板1上の上部透明抵抗膜2をパターニングし、その上に、動作領域から1.5mm離して、上部電極3を形成した。ここまでは例3と同じである。
上部電極3の外側から始まり、上部電極3の内側端面16より内側0.4mmまでの範囲に、伸び率(ASTM D638)が15%である、アクリル樹脂をスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて絶縁保護膜10を形成した。絶縁保護膜10の一定膜厚領域の厚さは5μm、内側端17より0.1mmの勾配領域の平均勾配は3度であった。
絶縁レジスト膜4を上部電極3の内側端面16より内側0.1mmまでスクリーン印刷により膜厚14μmで形成し乾燥硬化させた。さらに粘着層5をスクリーン印刷にて形成し乾燥させた。この構成においては、d1=0.4mm、d2=0.1mm、d3=0.1mm、d4=0.3mm、d5=0.2mmである。
下部透明基板7は、例3と同じである。上部透明基板と下部透明基板を貼りあわせ、熱圧着を行い、アナログ型透明タッチパネルを作成した。
評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000でリニアリティ値は3.6%に達した。評価試験2においては、リニアリティ値は、摺動回数100で2.1%に達した。例2と較べると、曲げ耐久性は改善されている。絶縁保護膜の一定膜厚領域の膜厚を薄くし、勾配領域の傾斜角度を小さくした効果が見られる。但し、実用には耐えない曲げ耐久性である。一定膜厚領域の積層壁LWからの張出し幅d5が短かく、曲げ耐久性の改善が小さいと考えられる。
例3においては、例1の絶縁レジスト膜4を、絶縁保護膜10と絶縁レジスト膜4の積層で置換した。厚さを制限した単層構造の絶縁保護膜を用いた場合も調べた。
例5
図5に示すように、例3同様可撓性を有する上部透明基板1上の結晶性ITO膜の上部透明抵抗膜2をパターニングし、動作領域から1.5mm離して、上部電極3を形成した。伸び率(ASTM D638)が25%である、セイコウアドバンス製ポリエステルスクリーンインクに専用希釈液20%を加えた材料を絶縁保護膜原料とする。上部電極3の外側から電極内側端16より1.3mm内側までの範囲に、420メッシュのスクリーン版を使用して、絶縁保護膜原料をスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて絶縁保護膜10を形成した。絶縁保護膜10の一定膜厚領域の膜厚は10μm、内側端17から0.1mmまでの勾配領域の平均勾配は6度であった。絶縁レジスト膜4は形成せず、絶縁保護膜10の上に粘着層5をスクリーン印刷にて形成し、乾燥させた。
下部透明基板7は例3と同様である。上下透明抵抗膜2,6を対向させ、上部電極3と下部電極11が直交するように上部基板と下部基板を位置あわせし、異方導電フィルムを端部両面に貼ったFPC(フレキシブルプリントサーキット)を上下基板間に挿入して、熱圧着を行った。この様にして、アナログ型透明タッチパネルを作成した。
評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000ではリニアリティ値は製造時同様の0.5%であり、摺動回数100000でもリニアリティ値は0.8%であった。評価試験2においては、リニアリティ値は、摺動回数100では製造時同様の0.5%であり、摺動回数10000でも0.8%であった。例3と比べて、若干曲げ耐久性が低下しているが、ほぼ同等の曲げ耐久性が得られた。絶縁保護膜原料は上記のものに限らない。絶縁保護膜原料を変えたサンプルも作成した。
例6
図6に示すように、例3同様に、可撓性を有する上部透明基板1上の上部透明抵抗膜2をパターニングし、その上に上部電極3を形成した。
伸び率(ASTM D638)が30%である、十条ケミカル製ウレタン系スクリーンインクに専用希釈液25%を加えた材料を絶縁保護膜原料とする。上部電極3の外側から電極内側端16より1.3mm内側までの範囲に、460メッシュのスクリーン版を使用して、絶縁保護膜原料をスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて絶縁保護膜10を形成した。絶縁保護膜10の一定膜厚領域の膜厚は約5μm、内側端17から0.1mmまでの勾配領域の平均勾配は3度であった。例3同様に、絶縁保護膜10上に、厚さ15μmの絶縁レジスト膜4、粘着層5を形成した。この構成においては、d1=1.3mm、d2=0.1mm、d3=0.2mm、d4=1.1mm、d5=1.0mmである。
下部透明基板7は例3同様である。上記上部透明基板と下部透明基板を貼りあわせ、熱圧着を行い、基礎アナログ型透明タッチパネルを作成した。
最表面にハードコートが付き、裏面額縁部にグラフィック印刷がなされている厚みが125μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム20を粘着層21を介して上部透明基板1上面全面に貼り付けた。加飾付きアナログ型透明タッチパネルとなる。
この構成は、例3の応用例であり、上面外周部に筐体がないタッチパネルとして実用化される構成である。タッチパネルの動作領域外の領域をグラフィック印刷で覆い、下部の構造が見えにくくなっている。
評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000ではリニアリティ値は製造時同様の0.5%であり、摺動回数100000でもリニアリティ値は0.8%であった。評価試験2においては、リニアリティ値は、摺動回数100では製造時同様の0.5%であり、摺動回数10000でも0.8%であった。例3と比べて、若干曲げ耐久性が低下しているが、例5同等の曲げ耐久性が得られた。曲げ耐久性の若干の劣化は、絶遠保護膜の材料の差に起因すると考えられる。
例7
図7に示すように、可撓性を有する上部透明基板23として(1/4)λ位相差ノルボルネン樹脂を採用した。上部透明基板23上に、透明抵抗膜である非晶質ITO膜(インジウム錫酸化膜)をスパッタ法により成膜し、パターニングを行なって、矩形状の透明抵抗膜2を作成した。矩形状透明抵抗膜2の一対の対向辺(短辺)に隣接する端部上にAgペーストを幅1.5mmでスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて、厚さ約10μmの上部電極3を形成した。
セイコウアドバンス製ポリエステルスクリーンインクに専用希釈液25%を加えた材料を絶縁保護膜原料とする。上部電極3の外側から電極内側端16より1.3mm内側までの範囲に、420メッシュのスクリーン版を使用して、絶縁保護膜原料をスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて絶縁保護膜10を形成した。絶縁保護膜10の一定膜厚領域の膜厚は9μm、内側端17から0.1mmまでの勾配領域の平均勾配は5度であった。
例3同様に、絶縁保護膜10上に厚さ約15μmの絶縁レジスト膜4を上部電極3内側端から0.2mm内側まで形成し、その上に粘着層5を形成した。この構成においては、d1=1.3mm、d2=0.1mm、d3=0.2mm、d4=1.1mm、d5=1.0mmである。
下部透明基板24として1/4λ位相差ノルボルネン樹脂を採用し、これに下部透明抵抗膜(ITO膜)をスパッタ法により成膜し、マスクを用いたウェットエッチングにより下部透明抵抗膜6を矩形状にパターニングした。下部透明抵抗膜6上に誤入力防止用のドットスペーサ19をスクリーン印刷にて形成しUV硬化させた。下部透明抵抗膜6端部上に下部電極11をAgペーストにてスクリーン印刷にて形成し、乾燥硬化させた。さらに絶縁レジスト膜をスクリーン印刷し、乾燥・硬化させ、絶縁レジスト膜18を形成した。
上部透明基板23と下部透明基板24との間に異方導電フィルムを端部両面に貼ったFPC(フレキシブルプリントサーキット)を挿入して、熱圧着を行い、基礎アナログ型透明タッチパネルを作成した。下部透明基板24下面に粘着層25を全面に貼り、その上に光学等方性PC(ポリカーボネート)板26を貼り合せた。上部透明基板23の上面に粘着層付偏光板22を貼った。最表面ハードコート付き裏面額縁部にグラフィック印刷済み、厚み200μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム20を粘着層21を介して偏光板22全面に貼り付け、加飾付き偏光板付きインナータイプアナログ型透明タッチパネルを作成した。この構成も応用例であり、面外周部に筐体がないタッチパネルとして実用化される構成である。
評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000ではリニアリティ値は製造時同様の0.5%であり、摺動回数100000でもリニアリティ値は0.8%であった。評価試験2においては、リニアリティ値は、摺動回数100では製造時同様の0.5%であり、摺動回数10000でも0.8%であった。例5同等の曲げ耐久性が得られた。例1の上部透明基板上面に、ハードコート付きPETフイルムを粘着層を介して張り付けたサンプルも作成した。
例8
図1に示すように、例1同様に、可撓性を有する上部透明基板1上の透明抵抗膜2をパターニングし、その上に上部電極3を形成した。東洋紡製のポリエステルスクリーンインクを、200メッシュのスクリーン版を使用し、上部電極3内側端面16より内側0.2mmまでの範囲にスクリーン印刷し、乾燥・硬化させて絶縁レジスト膜4を形成した。絶縁レジスト膜4の一定膜厚領域の膜厚は15μmであり、内側端から幅80μmまでの勾配領域にほぼ均一な角度の平均勾配10度の傾斜部が形成された。絶縁レジスト膜4上に、粘着層5を形成した。
例1同様の下部透明基板7を作成した。上部透明基板と下部透明基板を貼りあわせ、熱圧着を行った。
例6同様、図6に示すように、最表面ハードコート付き、裏面額縁部にグラフィック印刷付き、厚み125μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム20を光学粘着層21を介して上部透明基板1全面に貼り付け、加飾付きアナログ型透明タッチパネルを作成した。
例1同様に、曲げ耐久性に対する評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000でリニアリティ値が4.8%に達した。評価試験2においては、摺動回数100でリニアリティ値が4.6%に達した。例1と比べると、評価試験1では曲げ耐久性が若干改善されているが、未だ実用に耐える曲げ耐久性とはいえない。評価試験2では曲げ耐久性が例1よりも悪化している。ハードコートは、曲げ耐久性の改善にあまり寄与しないと考えられる。スクリーン印刷に代え、インクジェット印刷で絶縁保護膜を形成するサンプルも作成した。
例9
図4Aに示すように、可撓性を有する上部透明基板1上の上部透明抵抗膜2をパターニングし、その上に上部電極3を形成した。
伸び率(ASTM D638)が15%である、アクリル系インクジェットインクを使用し、1440DPIのインクジェット印刷により、上部電極3の外側から電極内側端16より1.3mm内側までの範囲に、絶縁保護膜10を形成した。印刷端部より0.02mmピッチで印刷回数を増やすことによりほぼ均一の勾配を有する部分を形成した。絶縁保護膜10の一定膜厚領域の厚みは5μm、内側端面17より0.1mmまでの勾配領域の平均勾配は3度であった。
図8に示すように、絶遠保護膜10の内面端面17はピッチ50μmで、長さ20μmの波形に形成させた。なお、ピッチ、長さは任意に変更可能である。例えばピッチ100μm、長さ100μmとしてもよい。ピッチ、長さは規則的でも不規則的でもよい。
図4に示すように、例3同様、上部電極3内側端から0.2mmの位置まで、絶縁レジスト膜4、粘着層5をスクリーン印刷にて形成した。下部透明基板7は例3と同様である。上部透明基板と下部透明基板を貼りあわせ、熱圧着を行い、アナログ型透明タッチパネルを作成した。
評価試験1,2を行なった。評価試験1においては、摺動回数10000ではリニアリティ値は製造時同様の0.5%であり、摺動回数100000でもリニアリティ値は0.7%であった。評価試験2においては、リニアリティ値は、摺動回数100では製造時同様の0.5%であり、摺動回数10000では0.7%であった。例3同等の曲げ耐久性が得られた。絶縁保護膜の形状が同様であれば、製造方法による性能の差は小さいと考えられる。本例では効果が確認できなかったが、絶遠保護膜の内端を波型に整形すると、実質的な勾配領域の幅を拡げる効果が期待できる。
図9は、例1〜例9により作成した抵抗膜式透明タッチパネルにおける、絶縁保護膜10(ないし絶縁レジスト膜)の上部電極3内端より内側の幅d1、勾配領域の幅d2. 上部電極3内端から積層壁LW内壁までの距離d3、積層壁LWより内側の張り出し幅d4、d4の内一定厚部分の幅d5、勾配角度、膜厚、をまとめて示す表1である。
図10は、例1〜例9により作成した抵抗膜式透明タッチパネルに対する評価試験1の結果をまとめた表2である。例3、例5、例6、例7、例9は10万往復回後でもリニアリティー値が1%未満と実用に問題がない。例1、例2、例4、例8は1万往復回でリニアリティ値が3.6%以上となり、寿命(規格1.5%以下)になっている。その効果は10倍以上であった。
図11は、例1〜例9により作成した抵抗膜式透明タッチパネルに対する評価試験2の結果をまとめた表3である。例3、例5、例6、例7、例9は1万往復回後でもリニアリティー値が1%未満と問題がない。例1、例2、例4、例8は100往復回でリニアリティ値が2%を超えて、寿命(規格1.5%以下)になっている。その効果は100倍以上であった。
図9に戻って、例2と例5を比較する。勾配領域の幅d2は0.1mmで共通である。絶縁保護膜の一定膜厚領域の厚さが10μm、勾配領域の勾配が6度であれば、曲げ耐久性を十分発揮でき、絶縁保護膜の一定膜厚領域の厚さが15μm、勾配領域の勾配が10度であれば曲げ耐久性が大幅に不足する。絶縁保護膜の一定膜厚領域の膜厚は、12μm以下、より望ましくは10μm以下とするのが好ましいであろう。勾配領域の勾配は7度以下、より望ましくは6度以下とすることが好ましいであろう。勾配領域の勾配の下限は、実用的見地から0.5度であろう。
例4と例6を比較する。絶縁保護膜の厚さが5μm、勾配部の勾配が3度は、両者に共通である。積層壁LWからの張り出し幅d4が1.1mmの場合曲げ耐久性は十分あるが、張り出し幅d4が0.3mmの場合曲げ耐久性は大幅に不足する。積層壁LWからの張り出し幅d4は、少なくとも0.7mm以上、より望ましくは1.1mm以上とすることが好ましいであろう。
以上、実施例に沿って本発明を説明したが、本発明はこれらに限られるものではない。例えば、図14に示すように、絶縁保護膜は電極3と上部電極膜2の接点の一部より形成しても良い。タッチパネルの寸法、動作領域の寸法等は目的に応じて任意に選択できる。その他、種々の変更、置換、改良、修正、組み合わせ等が可能なことは当業者に自明であろう。

Claims (10)

  1. 下部透明基板と、前記下部透明基板上方に形成され、直交する対向辺を有する下部透明抵抗膜と、前記下部透明基板上方に対向配置され、可撓性を有する上部透明基板と、前記上部透明基板下面上に形成され、前記直交する対向辺と平行な対向辺を有する上部透明抵抗膜と、前記上部透明抵抗膜端部と前記下部透明基板との間に配置された積層壁と、前記上部透明基板と前記積層壁の間に配置され、前記積層壁より内側の前記上部透明抵抗膜上に延在し、前記積層壁内側端から第1の幅を有する一定膜厚の一定膜厚領域と、前記一定膜厚領域より内側で、内側端から外側に向かって厚さがほぼ0から徐々に増大し、前記一定膜厚まで達する勾配領域とを有する絶縁保護膜とを有し、前記絶縁保護膜が押圧力に対して弾性を変化させる片持ち梁構造を構成する透明タッチパネル。
  2. 前記一定膜厚領域の膜厚が、12μm以下である請求項1記載の透明タッチパネル。
  3. 前記一定膜厚領域の膜厚が、10μm以下である請求項2記載の透明タッチパネル。
  4. 前記勾配領域の平均勾配が7度以下である請求項1記載の透明タッチパネル。
  5. 前記絶縁保護膜が前記積層壁より内側に張り出す幅が、0.7mm以上である請求項1記載の透明タッチパネル。
  6. 上記絶縁保護膜が、伸び率(ASTM D638)10%以上の有機質膜にて形成された請求項1〜5のいずれか1項記載の透明タッチパネル。
  7. 上記絶縁保護膜の内側端がピッチ50μm以上で、振幅20μm以上の波形で形成された請求項1〜6のいずれか1項記載の透明タッチパネル。
  8. (a)上部透明抵抗膜を備え、可撓性を有する上部透明基板と、下部透明抵抗膜を備えた下部透明基板とを準備する工程と、
    (b)前記上部透明抵抗膜、前記下部透明抵抗膜を平行な直交する対向辺を有する矩形にパターニングする工程と、
    (c)前記上部透明抵抗膜端部と前記下部透明基板との間に配置された積層壁を形成する工程と、
    (d)前記上部透明基板と前記積層壁の間に配置され、前記上部透明抵抗膜上に延在し、前記積層壁内側端から第1の幅を有する一定膜厚の一定膜厚領域と、前記一定膜厚領域より内側で、内側端から外側に向かって厚さがほぼ0から徐々に増大し、前記一定膜厚まで達する勾配領域とを有する絶縁保護膜を形成する工程と、
    を含み、前記絶縁保護膜が押圧力に対して弾性を変化させる片持ち梁構造を構成する透明タッチパネルの製造方法。
  9. 前記工程(d)が、絶遠樹脂インクに希釈剤を混合した原料を、前記勾配領域と平行な方向にスキージを移動させて、スクリーン印刷することを含む請求項8記載の透明タッチパネルの製造方法。
  10. 前記工程(d)が、前記勾配領域内側端から前記一定膜厚領域に向かって一定ピッチで印刷回数を増加させて、インクジェット印刷を行なうことを含む請求項8記載の透明タッチパネルの製造方法。
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