JPWO2009008503A1 - テアフラビンの選択的製造方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、テアフラビンを選択的に、大量に、高収率に、簡単に、安価に製造する方法を提供する。本発明は、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを含有する加工した植物の抽出物とペルオキシダーゼ活性を有する植物細胞培養物を混合して選択的にテアフラビンを製造する、テアフラビンの製造方法に関する。

Description

本発明は、テアフラビン(Theaflavin、TF)を選択的に製造する方法に関する。詳しくは、本発明は、植物抽出物中のエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを、ペルオキシダーゼ活性を有する植物細胞培養液の存在下に反応させて、選択的にテアフラビンを高率で製造する方法に関する。
テアフラビンは、もともと紅茶の赤色色素として知られた化合物であるが、近年あらたに、抗酸化作用、血糖降下作用、抗菌作用などさまざまな生理作用をも有することが知られるようになり、天然着色料としてだけではなく、生理活性物質としての有用性も注目され、その研究の展開が期待されている。
テアフラビンには、テアフラビン−3−O−ガレート(Theaflavin-3-O-gallate、TF3-G)、テアフラビン−3’−O−ガレート(Theaflavin-3'-O-gallate、TF3'-G)、及びテアフラビン3,3’−ジ−O−ガレート(Theaflavin-3,3'-di-O-gallate、TFDG)の3つのガロイルエステル体が存在する。これらの化学構造を以下の化学式a〜dに示す。
Figure 2009008503
紅茶中に含まれる上記4つの化合物のおよその比率は、TF;0.08重量%、TF3−G;0.3重量%、TF3’−G;0.2重量%、TFDG;0.4重量%である。
テアフラビンは、紅茶の製造工程中で茶葉中の酵素により生成されることが知られており、紅茶からの抽出操作によって取得するのが一般的であった。しかし、紅茶中の含有量は極めて少なく、例えば紅茶中には全量でも約0.08重量%しか含まれていない。よって、紅茶葉からの抽出のみで十分に利用できるほどの量を得ることは容易ではなかった。
テアフラビンの生合成経路は、以下の化学反応式(I)及び(II)に示す通りエピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)とから生合成される(非特許文献1)。
Figure 2009008503
まず、エピカテキン(EC)がポリフェノールオキシダーゼ又はペルオキシダーゼによって酸化されてEC−quinoneとなり、次いでEC−quinoneはエピガロカテキン(EGC)を酸化してEGC−quinoneを生成させる。これらの酸化過程で得られたEGC−quinoneのEC−quinoneへのマイケル付加、及びつづくカルボニル付加により、3員環中間体を生成し、続いて酸化、脱炭酸を経てトロボノイド骨格を形成し、テアフラビンが生成される。
同様に、TF3−Gは、以下に示すとおりエピカテキン(EC)とエピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCG)とから生合成される。
Figure 2009008503
同様に、TF3’−Gは、以下に示すとおりエピカテキン−3−O−ガレート(ECG)とエピガロカテキン(EGC)とから生合成される。
Figure 2009008503
同様に、TFDGは、以下に示すとおりエピカテキン−3−O−ガレート(ECG)とエピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCG)とから生合成される。
Figure 2009008503
エピカテキンとエピガロカテキンとの酸化反応によるテアフラビンの製造に関して、特許文献1は、緑茶抽出液にポリフェノール酸化酵素を含有する植物抽出液(各種植物の果実、未熟果実、葉、根茎、根、子実体、種子および芽の水抽出液)を混合して、テアフラビンおよび3つのガロイルエステル体を製造する方法を開示している。しかしながら、特許文献1の方法では、テアフラビンとその3つのガロイルエステル体が得られ、本発明のようにテアフラビンのみが選択的には得られていない。
また、特許文献2は、緑茶(グリーンリーフティー)のスラリーをタンナーゼで処理した後、当該スラリーを発酵させテアフラビンを豊富に含む茶抽出物の製造方法を開示している。
特許文献2の方法は、ガロイルエステル体(TF3−G、TF3’−G、TFDG)の生成を防ぐために、はじめにエピカテキン−3−O−ガレート(ECG)とエピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCG)をタンナーゼにより、それぞれエピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)に変換し、次いで、ドール(液体に浸して柔らかくされ、しおれた緑茶葉)のスラリーに空気または酸素を拭き込んで発酵を行い、エピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)からテアフラビンを豊富に含む茶抽出物を製造するものである。
しかしながら、特許文献2の方法は、タンナーゼにより、エピカテキン−3−O−ガレート(ECG)とエピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCG)がエピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)に変換される前に、発酵により、テアフラビンのガロイルエステル体が製造されることを防ぐために、タンナーゼによる反応を窒素下で行う必要があった。また、TFの生合成は1モルのEGCと1モルのECの反応であるけれども、酸化速度が異なるためEGC:ECのモル比が3:1である緑茶を使うことが好ましいなどの制約もあった。また、タンナーゼの添加は、テアフラビン製造のコストを引き上げる要因となっていた。
また、本発明者は、先に茶培養細胞が高いペルオキシダーゼ活性を有することを報告し、各種医薬品製造への応用を研究してきた(非特許文献2)。そして、この高いペルオキシダーゼ活性を有する茶培養細胞に代表される植物培養細胞と、エピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)を用いたテアフラビンの製造方法を開示している(特許文献3)。しかしながら、エピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)は高価なためこれらの利用は、テアフラビン製造のコストを引き上げる要因となっている。
そのため、工業的大量生産にも適した、安価に、大量に、しかも簡単にテアフラビンを製造する方法の開発が求められている。
特開2002−95415 特開平11−225672 特開2007−143461 Takahashi Tanaka, Chie Mine, Kyoko Inoue, Miyuki Matsuda and Isao kouno, J. Agric. Food Chem. 2002, 50. 2142-2148. Masumi Takemoto, Youichi Aoshima, Nikolay Stoynov and James Peter Kutney, Tetrahedron Letters, 43, 6915-6917, 2002
本発明は、テアフラビンを選択的に、大量に、高収率に、簡単に、安価に製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上述した課題に鑑み鋭意検討した結果、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを含有する加工した植物の抽出物と、ペルオキシダーゼ活性を有する植物細胞培養物を混合させたとき、テアフラビンが選択的に製造されることを見いだした。さらに、前記植物抽出物にエピカテキンを補充するだけでテアフラビンの選択的製造が高収率になることを見いだした。
すなわち、本発明は、以下の(1)〜(7)に示すテアフラビンの製造方法を提供する。
(1)エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを含有する加工した植物の抽出物と、ペルオキシダーゼ活性を有する植物細胞培養物を混合して選択的にテアフラビンを製造する、テアフラビンの製造方法。
(2)植物が、茶の葉および/または茎である、上記(1)記載のテアフラビンの製造方法。
(3)加工した植物の抽出物が、不発酵茶の抽出物である、上記(1)記載のテアフラビンの製造方法。
(4)植物細胞培養物が、茶細胞の培養物である、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載のテアフラビンの製造方法。
(5)さらに、過酸化水素を加えることを特徴とする、上記(1)〜(4)のいずれか1つに記載のテアフラビンの製造方法。
(6)さらに、エピカテキンを加えることを特徴とする、上記(1)〜(5)のいずれか1つに記載のテアフラビンの製造方法。
(7)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載のテアフラビンの製造方法のための、培養植物細胞。
本発明は、エピカテキンとエピガロカテキン以外に、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートが存在している場合においても、植物細胞培養物を使うことによりタンナーゼの添加や窒素下での処理を行うことなく、酸素の存在下で、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを原料としてTFのみを短時間に選択的に製造することができる。そのため、テアフラビン製造の材料として、番茶のような安価な材料を用いることができ、高価なタンナーゼの添加や煩雑な窒素下での処理も不要であり、選択的にテアフラビンを製造できるので、安価にテアフラビンを製造することができる。
さらに、エピカテキンを補充するだけでテアフラビンの製造量を上げることができるので、効率よく大量のテアフラビンを安価に製造することができる。
実施例1における反応開始時(0分)の反応液のHPLC分析である。HPLC分析条件は、実施例1に記載のとおりである。分析試料として、反応開始時(0分)の反応液の一部を直接HPLC分析に用いた。番茶の24時間水抽出の間に、一部のECGおよびEGCGから加水分解により生じた没食子酸が認められる。 実施例1における反応開始後356分における反応液のHPLC分析である。HPLC分析条件は、実施例1に記載のとおりである。分析試料として、反応開始後356分の反応液の一部を直接HPLC分析に用いた。 実施例2における反応開始後9分における反応液のHPLC分析である。HPLC分析条件は、実施例1に記載のとおりである。分析試料として、反応開始後9分の反応液の一部を直接HPLC分析に用いた。EC、ECG、EGC、EGCGのピークはほとんど認められないが、TFのピークが認められる。 実施例2における反応開始後28分における反応液のHPLC分析である。HPLC分析条件は、実施例1に記載のとおりである。分析試料には、反応開始後28分の反応液を酢酸エチルで抽出した抽出液を用いた。テアナフトキノンのピークが認められると供に、テアフラビンのピークの減少が認められる。 実施例5における反応開始後5分の反応液のHPLC分析である。分析試料として、反応開始後5分の反応液の一部を直接HPLC分析に用いた。 実施例5における反応終了後(12分)の反応液の酢酸エチル抽出物のHPLC分析である。分析試料には、反応終了後(12分)の反応液を酢酸エチルで抽出した抽出液を用いた。
以下に、本発明の実施の形態を説明する。
本発明で用いられる、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートとは、以下に示す化合物を意味する。
Figure 2009008503
本発明で用いられる植物は、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを含むものであれば、植物の種類は限定されないし、また、植物は、植物全体であっても各部位(実生、葉、子葉、茎、果実など)であってもよい。好ましい植物の種類は、茶(Camellia sinensis、Camellia assamica)である。好ましい植物の部位は、実生、葉、子葉、茎、果実、より好ましくは、葉、子葉、茎、特に好ましくは、葉、茎である。
加工した植物とは、植物中の酸化酵素を失活させるために、植物に加熱などの処理を施したものを意味し、限定されないが、好ましくは、熱処理を施した茶、より好ましくは飲料のために用いられる不発酵茶などの茶の加工物が挙げられる。
ここで、処理は、植物中の酸化酵素を失活させることができる処理であれば、方法や条件は限定されないが、蒸すおよび/または炒る等が好ましい。
ここで、酸化酵素とは、ECとEGCからTFを、ECとEGCGからTF3−Gを、ECGとEGCからTF3’−Gを、ECGとEGCGからTFDGを合成する酵素を意味し、限定されないが、好ましくはポリフェノールオキシダーゼおよび/ポリフェノールオキシダーゼ又はペルオキシダーゼを意味する。
不発酵茶とは、茶葉や茎などに蒸すおよび/または炒る等の熱処理を施し、茶中の酸化酵素を失活させた、茶葉や茎などを意味し、例えば、緑茶などが挙げられる。緑茶には、限定されないが、例えば、茶葉や茎などに蒸す等の熱処理を施し、茶中の酸化酵素を失活させて作る、日本で飲料用に供される日本緑茶と、茶葉や茎などに炒る等の熱処理を施して茶中の酸化酵素を失活させて作る、中国で飲料用に供される中国緑茶などがある。日本緑茶には、さらに茶原料(栽培方法、葉、茎)、製法の違いにより煎茶、かぶせ茶、玉露、抹茶、ヨンコン茶、番茶、焙じ茶などが挙げられる。エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートには、カテキン、ガロカテキン、カテキン−3−O−ガレートおよびガロカテキン−3−O−ガレート(これらを異性化体とよぶ)が存在することが知られている。テアフラビンの選択的製造のためには、これら異性化体を含まないことが好ましい。本発明に用いる好ましい緑茶は、中国緑茶、日本緑茶である。より好ましいのは、日本緑茶の煎茶や番茶である。番茶は、異性化体の含有率が低く、価格も安いことから特に好ましい緑茶である。
煎茶とは、日本で4月下旬〜5月上旬に摘み取られる茶の葉(1年のうちで最初の新芽または若葉のことを指し1番茶葉という)と、摘み取られた後に成長してくる茶の葉(新芽または若葉のことを指し2番茶葉という)のみを原料とした茶の加工物をいう。番茶とは、1番茶葉や2番茶葉以外の茶葉や茎などを原料とした茶の加工物を意味するが、1番茶葉や2番茶葉が原料に含まれていても良い。したがって、本発明で用いる茶の葉および/または茎とは、好ましくは煎茶や番茶の原料として用いられる茶の葉および/または茎を意味する。
例えば、日本で煎茶と呼ばれる緑茶は、摘み取った1番茶葉と2番茶葉のみを、茶葉中の酸化酵素が失活するまで蒸し、次いで茶葉を冷やし、茶葉を揉み、茶葉を乾燥させて作られる。日本で番茶と呼ばれる緑茶は、煎茶と同様な手順で製造されるが、原料に1番茶葉と2番茶葉以外の茶葉や茎なども用いるので、酸化酵素を失活させるための蒸しが煎茶のそれより強くなる(蒸し時間が長くなる)。なお、酸化酵素を失活させるための蒸し時間は、使用する茶の質(すなわち、新芽、若葉、成長した葉や茎)や量によって左右されるので、特に限定されない。
本発明には、煎茶や番茶と等価な緑茶も含まれる。また、本発明には、中国緑茶と等価な緑茶も含まれる。
本発明で用いられる植物の抽出物とは、植物を水性溶媒、有機溶媒またはそれらの混合溶媒を用いて抽出したものを意味する。したがって、加工した植物の抽出物とは、加工した植物を水性溶媒、有機溶媒またはそれらの混合溶媒を用いて抽出したものを意味する。
抽出に用いる水性溶媒は、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを植物から抽出できる水を含む溶媒であれば限定されないが、好ましくは、水、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等である。より好ましくは、水である。
抽出に用いる有機溶媒は、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを抽出でき、有機溶媒であれば限定されないが、好ましくは、酢酸エチル;メタノール、エタノールなどのアルコール;アセトン;ジエチルエーテルなどのエーテルである。より好ましくは酢酸エチル;メタノール、エタノールなどのアルコール;アセトンである。
抽出方法は、エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートが溶媒中に溶出される方法であれば、いずれの方法でもよく、温度、時間等の条件も限定されない。
本発明で用いられる、植物細胞培養物とは、植物成体から人工的に誘導される不均一な未分化増殖性細胞塊(カルス)を液体培養に移し、安定に且つ迅速に増殖する培養細胞の培養懸濁物(細胞及び/又は培養液)としたものである。
本発明で用いる植物細胞培養物は、植物培養細胞を継体して用いるため、反応にいつでも供給することができて機動性に優れており、しかも安価であるという利点を有する。
一般に、植物細胞には、ペルオキシダーゼが含まれており、ペルオキシダーゼ活性を有する植物細胞であればいずれも本発明の植物細胞培養物のための植物として使用することができるが、本発明で用いる植物細胞培養物において好ましい植物としては、タバコ(N. tabacum)、にんじん(D. carota)、日日草(C. roseus)、茶(Camellia sinensis、 Camellia assamica)、ポドフィルム(P. peltatum)などが挙げられる。その他に、ダイコン、キュウリ、ナス、ワサビ、大豆などを用いることもできる。
これらのうち、特にペルオキシダーゼ活性が高く本発明の方法に適しているのは茶(Camellia sinensis、Camellia assamica)由来の細胞である。さらに、茶の品種としては、やぶきた、おくひかり、山の息吹、さやまかおり、かなやみどり、するがわせなどがあり、品種によってペルオキシダーゼ活性が異なる。これらは、日本で飲料用のために栽培されている品種であり、市場より入手できる。特に好ましいのは、やぶきた子葉、さやまかおり子葉、するがわせ茎などである。
植物細胞培養物のための植物細胞は、各部位の組織(実生、葉、子葉、茎、根など)を使用できる。好ましくは、実生、葉、子葉、茎、より好ましくは実生、子葉である。
本発明で用いられる植物細胞培養物は、上記植物細胞の生組織を含む切片を用いて、従来から知られる一般的なカルス作成方法に基づいてカルスを誘導し、それを培地に移植して培養することにより、調製される。本発明の細胞培養物としては、固体培地でカルスを培養して得られる細胞培養物、及び液体培地を用いて得られる培養細胞の培養懸濁物のいずれも使用可能である。
切片の培養は、まず、切片を滅菌処理しこれを寒天培地などの固体培地上で培養してカルスを誘導させる。誘導されたカルスを同様の固体培地上又は液体培地内で十分に増殖させる。切片の滅菌は、エタノール表面殺菌、次亜塩素酸塩による処理、滅菌した蒸留イオン交換水による洗浄などにより行う。
培地は、ムラシゲ・スクーグ(Murashige-Skoog;MS)培地、またはガンボルグB5(Gamborg's B5;B5)培地、ニッチ・ニッチ(Nitch+Nitch)などのような無機塩、ビタミン類を含有する基礎培地に、炭素源としてショ糖、マルトース、グルコースなどの糖類、窒素源として硝酸アンモニウム、硝酸カリウム、硫酸アンモニウム、酒石酸アンモニウム、その他カザミノ酸、アミノ酸、ペプトン、酵母菌体、イーストエキストラクト、麦芽エキストラクト等を添加する。
また、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、サイアミン、葉酸、ビオチン等のビタミン類、イノシトール、アデニル酸、グアニル酸、シチジル酸、チミジル酸、サイクリックAMP等、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、ヨウ素、カリウム、コバルト、マグネシウム、モリブデン、リン、銅等のミネラルも添加することができる。
上記基礎培地には、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、ナフタレン酢酸、インドール酪酸、インドール酢酸、ベンジルアデニン、カイネチンなどの植物ホルモンが適宜使用される。植物ホルモンとして特に好ましいものは、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)である。
さらに、必要に応じて寒天などを添加して構成したものを用いることもできる。
培養条件は、用いる培地や添加物の種類等に応じて適宜決定されるが、暗条件下で、好ましくは15〜40℃程度、より好ましくは25〜27℃程度で約10〜14日間程度実施するのが好ましい。この場合、寒天が添加された固体培地を用いて静置状態で培養することも可能であるが、培養細胞が均一になるようにするために、液体培地を用いて50〜170rpm程度、より好ましくは100〜110rpm程度の回転数で振とうしながら培養し、培養細胞の培養懸濁物とするのが望ましい。
また、植物ホルモンや炭素源などの添加物の便用量も、用いる培地や培養条件等に応じて適宜決定されるが、植物ホルモンとして2,4−ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)を用いる場合の濃度は、好ましくは0.05〜20mg/L、より好ましくは0.2〜10mg/Lである。2,4Dの濃度が低すぎるとぺルオキシダーゼ活性が低下する傾向にある。
炭素源としてショ糖を使用する場合のショ糖濃度は、好ましくは10,000〜130,000mg/L、より好ましくは30,000〜70,000mg/Lである。ショ糖の濃度が低すぎるとペルオキシダーゼ活性が低下する傾向にある。
このようにして得られる植物細胞培養物には、上述した植物の培養細胞及び培養液が含まれる。ペルオキシダーゼは、植物培養細胞から培養液へ浸出する場合があるため、植物培養細胞と同様に、培養液もペルオキシダーゼ活性を有する。本発明では、植物細胞培養物から植物培養細胞を取り除いた培養液のみの形でもテアフラビンの製造に有効に利用することができる。このため、本発明の製造方法の工業的利用可能性が大幅に拡大される。
本発明では、培養細胞を固定化して用いることもできる。固定化培養細胞の培養物は、一般的な試薬と同様に適宜使用量を調整して反応系に添加し、且つ簡便な操作で回収し、再利用することができるという利点がある。また、固定化培養細胞の培養物を用いると、一般的には反応が遅くなる傾向にあるが、再利用するたびに酵素活性が向上し、転換率も上昇するため、最終的には収率及び選択率が向上し、純度の高いテアフラビンが得られる。
固定化担体としては、限定されないが、寒天、アガロース、κ−カラギーナン、アルギン酸、ポリアクリルアミド、ポリウレタン、光架橋性樹脂、感光性樹脂等を用いることができる。固定化担体の形状もビーズ状、ブロック状、シリンダー状、フィルム状等とすることができる。固定化方法としては、従来公知の方法を用いることができる。
固定化培養細胞のペルオキシダーゼ活性を高めるためには、固定化培養細胞を作成したのち培地中で一定期間、好ましくは5日以上振とうさせるのが望ましい。より好ましくは、ショ糖濃度を高くした培地中、具体的にはショ糖濃度0.4M以上を含む培地中で5日以上振とうさせる。また、固定化剤(Calcium Alginate)の濃度を高くし、具体的には1.1重量%以上で作成することも有効である。また、固定化剤(Calcium AlginateまたはStrontium Alginate)の濃度を0.6重量%以上で作成したのち、20容量%ジメチルスルホキシド水溶液中に一定時間(約30分間程度)放置させるごとも有効である。さらに、固定化剤の濃度を0.6重量%以上で作成したのち10容量%ジメチルスルホキシド水溶液中に一定時間(約30分間程度)放置させ、その後ヘキサン溶媒中で反応を行うことも有効である。
本発明で用いられる、ペルオキシダーゼ活性とは、以下に示すように、ピロガロールをプルプロガリンに変換する活性として定義される。
Figure 2009008503
本発明で用いる植物細胞培養物のペルオキシダーゼ活性の強さに特に制限はないが、好ましくは0.5unit/mL以上、より好ましくは6〜20unit/mLである。
本発明で用いられる、加工した植物の抽出物と植物細胞培養物を混合するとは、植物抽出物に含まれているエピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを植物細胞培養物と一緒に存在させることによりテアフラビンを選択的に製造することを意味する。
本発明で用いられる、加工した植物の抽出物と植物細胞培養物の混合は、水性溶媒中で実施されることが好ましい。植物抽出物が水性溶媒で抽出されていた場合、その植物抽出物と植物細胞培養物(細胞および/または培養液)を直接混合することができる。一方、植物抽出物が、有機溶媒で抽出されていた場合、有機溶媒を留去後、水性溶媒に溶解して、植物細胞培養物(細胞および/または培養液)と混合することができる。また、植物細胞培養物が培養液を含む場合には、有機溶媒を留去後の植物抽出物を植物細胞培養物の培養液に加えて混合してもよい。
混合後および/または混合中、混合物を振とうすることが好ましい。限定されないが、好ましい振とう数は50〜170rpm程度、より好ましくは100〜110rpm程度である。
加工した植物の抽出物と植物細胞培養物の混合における水性溶媒は、ペルオキシダーゼが活性である水性溶媒であれば限定されないが、水、植物細胞培養用培地、植物細胞を培養した培養液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液等が挙げられる。好ましくは、水、植物細胞培養用培地、植物細胞を培養した培養液、より好ましくは水である。水の場合、工業化において、廃液中のリン酸等の処理が不要となり廃液の処理が容易となるためである。なお、緩衝液の濃度は、0.3M〜0.001M、好ましくは0.2M〜0.01M、より好ましくは0.1M〜1/15M程度である。
本発明で用いられる、加工した植物の抽出物と植物細胞培養物の混合の割合は、特に限定されないが、好ましくは、植物抽出物中のECとECGの合計量6mgまたはEGCとEGCGの合計量6mgに対して、植物細胞培養物中のペルオキシダーゼ 5〜250ユニット、より好ましくは10〜100ユニット、特に好ましくは30〜40ユニットである。
本発明で用いられる混合は、好ましくは15〜70℃、より好ましくは25〜40℃の温度で、好ましくは5〜540分間、より好ましくは6〜30分間、特に好ましくは7〜15分間行うことが望ましいが、これらの混合温度及び混合時間は、原料量や酵素量などの他の条件を考慮して適宜選択することができる。なお、本発明で用いられる、混合中におけるエピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)からのテアフラビンの合成反応は、ECとEGCGからのテアフラビン−3−O−ガレート(TF3−G)合成反応、ECGとEGCからのテアフラビン−3’−O−ガレート(TF3’−G)合成反応、ECGとEGCGからのテアフラビン−3,3’−ジ−O−ガレート(TFDG)合成反応と比較して迅速であるので、反応時間を短くすることで、より選択的にテアフラビンを製造することができる。これは、本発明で用いられる茶培養細胞物が、過酸化水素の存在下において、テアフラビンガロエステル体の生成よりも、迅速にテアフラビンを生成できるペルオキシダーゼ活性を有しているからである。また、反応時間を短くすることで、生成したテアフラビンの分解も防ぐことができる。
本発明において、テアフラビンを選択的に製造するとは、材料としてエピカテキン(EC)、エピガロカテキン(EGC)、エピカテキン−3−O−ガレート(ECG)およびエピガロカテキン−3−O−ガレート(EGCG)が存在しながら、ECとEGCGとから合成されるテアフラビン−3−O−ガレート(TF3−G)、ECGとEGCとから合成されるテアフラビン−3’−O−ガレート(TF3’−G)、ECGとEGCGとから合成されるテアフラビン−3,3’−ジ−O−ガレート(TFDG)がほとんど合成されることなく、ECとEGCとから合成されるテアフラビン(TF)が特異的に合成されるということを意味する。具体的には、反応終了後の生成物(TF、TF3−G、TF3’−GおよびTFDGの合計)中に占めるTFの割合が90重量%以上、好ましくは95重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上であることを意味する。
本発明では、加工した植物の抽出物と植物細胞培養物(細胞及び/または培養液)の混合物に、必要に応じて過酸化水素を加えてもよい。
エピカテキン(EC)とエピガロカテキン(EGC)からのテアフラビンの合成は、ペルオキシダーゼによる酸化反応であるから、反応系に過酸化水素(H)を同時に存在させるのが好ましい。ただし、必ずしも過酸化水素を存在させなくてもよい場合もある。植物細胞のなかには、過酸化水素を自ら産生しているものもあるため、本発明の培養細胞としてそのような植物細胞を用いる場合は、過酸化水素を添加しなくてもテアフラビンの合成が可能となる。
植物細胞培養物とともに過酸化水素を存在させる場合、混合系に植物細胞培養物とともに、適切な濃度に調整した過酸化水素水を添加する。添加のために使用する過酸化水素水の濃度は、好ましくは0.1〜30容量%、より好ましくは0.3〜10容量%である。
また、混合中の好ましい過酸化水素の総量が、混合中の、ECとECGとの合計量0.069mmolに対して1〜30mg、より好ましくは3〜10mgとなるようにするのがよい。
本発明で用いられる、茶葉中には、エピカテキン0.9重量%、エピカテキン−3−O−ガレート0.8重量%、エピガロカテキン3.5重量%、エピガロカテキン−3−O−ガレート3.8重量%が含まれている。一方、テアフラビンが合成される際には、等モル量のエピカテキンとエピガロカテキンが反応するので、エピガロカテキンに対してエピカテキンの不足が生じる。
また、本発明においては、テアフラビン製造の原料となるエピカテキンとエピガロカテキンは植物抽出物中にはじめから存在するエピカテキンとエピガロカテキンだけでなく、スキーム1に示すようにエピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートもそれぞれのガレート基が加水分解されてエピカテキンおよびエピガロカテキンとなりテアフラビン製造のための原料になっている。
Figure 2009008503
そのため、エピカテキンとエピカテキン−3−O−ガレートの合計量(1.7重量%)は、エピガロカテキンとエピガロカテキン−3−O−ガレートの合計量(7.3重量%)に対してかなり少ないことになる。
したがって、本発明でエピカテキンを加えるのは、植物抽出物中においてエピガロカテキン(または、エピガロカテキン−3−O−ガレート)に対して不足しているエピカテキンを外から補充することで、未反応のエピガロカテキン(または、エピガロカテキン−3−O−ガレート)をテアフラビン合成に参加させ、植物抽出物からのテアフラビンの製造量を上げるためである。補充するエピカテキンの量は、植物抽出物と植物細胞培養物との混合中において、エピカテキンとエピカテキン−3−O−ガレートとの合計量が、エピガロカテキンとエピガロカテキン−3−O−ガレートとの合計量に対して、当モル量以上、好ましくは、エピカテキンとエピカテキン−3−O−ガレートとの合計量(モル量):エピガロカテキンとエピガロカテキン−3−O−ガレートとの合計量(モル量)=1.0〜2.0:1.0、より好ましくは1.1〜1.5:1.0になる量である。
合成反応が終了したのち、反応混合物から目的とするテアフラビンを分離・精製する。分離は、抽出操作により行うことができる。最初の抽出には、カフェイン類および脂質類を除去するためにクロロホルムを用い、次いでテアフラビンの抽出には、酢酸エチル等のエステル類、ジエチルエーテル等のエーテル類等の一般的に用いられる抽出溶媒を用いることができる。
抽出操作後、抽出溶媒に溶解したテアフラビンは、該溶媒を硫酸マグネシウム等により脱水後、減圧濃縮等により留去して分離する。これにより、テアフラビンを含む抽出残渣が得られる。
上記抽出操作後のテアフラビンを含む抽出残渣は、更に分子ふるいカラムクロマトグラフィーやイオン交換樹脂等を用いたカラムクロマトグラフィー等の公知の技術によって、分離精製することができる。これにより、精製されたテアフラビンを得ることができる。テアフラビンが生成したかどうかは、高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)、薄層クロマトグラフィー、ガスクロマトグラフィー、マススペクトロメトリー等を用いて分析することができる。
本発明の方法では、ほとんどテアフラビンしか生成しないため、反応液を溶媒抽出することにより、高純度で目的物を得ることができる。
以下に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例にのみ限定されるものではない。
植物細胞培養物の調製
本実験では、植物細胞として茶の成体細胞(茶の品種;さやまかおり、茶の使用部位;実生)を用い、以下のように茶細胞培養物を調製した。すなわち、寒天培地上で作成した茶培養細胞のカルスを、2,4−ジクロロフェノキシ酢酸及び蔗糖を含むGamborg's B5(B5)培地(フラスコ1個あたりに100mL)に移植した。次いで、培養細胞が均一になるまで25℃、暗条件下において約10日間、110rpmでふりまぜながら培養し、茶細胞培養物(Camellia sinensis cell culture)を調製した。この茶細胞培養物のペルオキシダーゼ活性は15.5unit/mLであった。
また、茶の代わりに、タバコ(N. tabacum)、及び、にんじん(D. carota)の成体細胞を用い、それぞれ表1に示す組成の培地で培養した他は、実施例1と同様にして該培養細胞を含む植物細胞培養物を調製した。
なお、これら細胞培養物のペルオキシダーゼ活性はタバコ(N. tabacum)=9.6unit/mL、にんじん(D. carota)=8.0unit/mLである。
B5培地の組成を表1に示す。
Figure 2009008503
ペルオキシダーゼ活性の測定
5%(W/V)ピロガロール(和光純薬(株))2ml、HO 14ml、0.5% H 1.0ml、0.1M pH6.0リン酸緩衝液2.0mlに、酵素を含む試料1mlを、約25℃の雰囲気下で加え、20秒間激しく振とう後、2M HSO 1.0mlを加えて反応をとめる。反応液を、ジエチルエーテル25mlで2回抽出し、ジエチルエーテルで100mlにする。420nmで吸光度を測定する。プルプロガリンの生成量は、あらかじめ作成しておいたプルプロガリンの検量線より求めた。この条件下でプルプロガリン1mgを生成する酵素量が、ペルオキシダーゼ活性の1ユニットとして定義されるので、生成されたプルプロガリン量から試料1ml中のペルオキシダーゼ活性(ユニット)が計算される。
EC、ECG、EGC、EGCG、TFの分析
EC、ECG、EGC、EGCG、TFの分析には、HPLC装置(JASCO(株)、PU−980、UV−970)とODS120A(TOSHO、4.6mm×250mm)カラムを用いた。分析試料には、番茶水抽出液そのもの;番茶水抽出液の酢酸エチル抽出物;番茶の酢酸エチル抽出物;反応液そのもの;反応液の酢酸エチル抽出物;またはメタノール溶出フラクションを用いた。HPLCの条件は、溶媒;アセトニトリル:酢酸エチル:0.05%HPO=21:3:76、流速;1.0ml/min、温度;25℃である。検出は、UV280nmでおこなった。標準のEC(WAKO(株))、ECG(WAKO(株))、EGC(WAKO(株))、EGCG(WAKO(株))、TF(長良サイエンス(株))を用いて、検量線を作成し、検量線から、試料中のEC、ECG、EGC、EGCG、TFの量を計算により求めた。
番茶抽出物からのテアフラビン(TF)の製造
乾燥番茶(お茶のミズイ園製の番茶)75gを1500mlの水に24時間浸して抽出後、茶葉を濾去した濾液を番茶抽出液として1840ml得た(なお、濾過の際、茶葉を洗う操作がはいったため、抽出液は1840mlとなった。)。この番茶抽出液中のEC量は488.5mg、ECG量は122.4mg、EGC量は556.5mg、EGCG量は610.5mgであった。この番茶抽出液中に、上記のように調製した茶細胞培養物45mlと3%過酸化水素水9mlを加え110rpmにて振とうしながら反応を開始した。反応開始4時間後にさらに茶細胞培養物25mlと3%過酸化水素水4.5ml、さらに反応開始5時間後に茶細胞培養物5mlと3%過酸化水素水1mlを加え、反応開始9時間後に反応を終了した。反応後酢酸エチルで3回抽出した。得られた酢酸エチル抽出液をロータリーエバポレーターレーターにて濃縮後、あらかじめメタノールで平衡化しているSepadexLH−20カラムクロマトグラフィー(GE healthcare Bio-Sciences AB)に添加してメタノールで溶出することにより、赤色のフラクションを集めた。テアフラビンは赤色しているので、肉眼によりテアフラビンのフラクションの回収が可能である。結果として、テアフラビン193mgを得た。
図1は、反応開始時(0分)の反応液のHPLC分析を示す。EC、ECG、EGC、EGCGのピークが認められるが、テアフラビン(TF)のピークは認められない。
図2は、反応開始後356分における反応液のHPLC分析を示す。テアフラビン(TF)のピークが認められるが、ガロイルエステル体のピークは認められない。これより、テアフラビン(TF)が選択的に製造されることが明らかとなった。また、反応液中のEGCGおよびECGのピークの減少、特にEGCGのピークの大きな減少が認められた。そして、没食子酸のピークの増加が認められた。没食子酸は、EGCGが加水分解を受けてEGCに変換されるとき、またはECGが加水分解を受けてECに変換されるときに生じるので、没食子酸の増加は、反応中にEGCGからEGC、およびECGからECへの変換が生じていることを示唆している。これより、テアフラビン(TF)の生成によりECとEGCが消費されていながら、ECとEGCのピークに大きな変化が認められなかったのは、消費されたECとEGCが、ECGとEGCGからそれぞれ供給されたためと推測される。
本実験では、反応開始材料を番茶の水抽出液から酢酸エチル抽出物に代え、反応開始材料の量を減らしてテアフラビンの製造を検討した。
番茶抽出液700ml(乾燥番茶5gを600mlの水で24時間抽出後、茶葉を濾去した濾液。濾過の際、茶葉を洗う操作がはいったため、抽出液は700mlとなった。)を酢酸エチルで3回抽出した。
酢酸エチル抽出液を濃縮して、1.82gの番茶抽出物を得た。番茶抽出物24.1mg(この番茶抽出物24.1mg中のEC量は4.3mg、ECG量は1.1mg、EGC量は4.9mg、EGCG量は5.4mgであった)を水18.5mlに溶解後、3%過酸化水素0.3ml、茶培養細胞1.2mlを加え28分間反応させた。
図3は、反応開始9分後の反応液のHPLC分析を示す。図4は、反応終了時(28分)の反応液のHPLC分析を示す。
反応開始9分後のHPLC分析において、テアフラビンのピークが認められた。これより、水抽出液ではなく酢酸エチル抽出物を用いても、合成反応は可能であることから、原料を濃縮することで反応容量を小さくできることが明らかとなった。また、テアフラビンの酸化により生じるテアナフトキノンのピークが、反応終了時(28分)のHPLC分析において認められた。これより、生成されたテアフラビンはさらに酸化され、テアナフトキノンに変換されることが明らかとなった。
本実験では、実施例2と比較して反応開始材料の量を10倍増やし、反応時間9分間でのテアフラビンの製造を検討した。
実施例2で得られた番茶抽出物の241mg(この番茶抽出物241mg中のEC量は43mg、ECG量は11mg、EGC量は49mg、EGCG量は54mgであった)を水185mlに溶解後、3%過酸化水素3ml、茶細胞培養物24mlを加え9分間反応させた。反応後酢酸エチルで3回抽出した。SepadexLH−20カラムクロマトグラフィーにてメタノールで溶出してテアフラビン17.2mgを得た。
これより、反応開始材料の量を増やしても、短い反応時間(9分)でテアフラビンの製造が可能であることが明らかとなった。
番茶抽出物中における、エピカテキンとエピカテキン−3−O−ガレートの合計量は、エピガロカテキンとエピガロカテキン−3−O−ガレートの合計量に対して少ないので、本実験では、番茶抽出物に、(エピカテキンとエピカテキン−3−O−ガレートの合計量):(エピガロカテキンとエピガロカテキン−3−O−ガレートの合計量)の比率が当モル量になるようにエピカテキンを補充してテアフラビンの製造を検討した。
番茶抽出液700ml(乾燥番茶5gを600mlの水で24時間抽出後、茶菓を濾去した濾液である。濾過の際、茶菓を洗う操作がはいったため、抽出液は700mlとなった。)を酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル抽出液を濃縮後、1.82gの番茶抽出物を得た。この番茶抽出物203.7mg(この番茶抽出物中のEC量は36.5mg、ECG量は9.2mg、EGC量は41.6mg、EGCG量は45.5mgであった)とエピカテキン(シグマ)16.7mgを水185mlに溶解後、3%過酸化水素3ml、茶細胞培養物12mlを加え12分間反応させた。反応後酢酸エチルで3回抽出した。SepadeLH−20カラムクロマトグラフィーにてメタノールで溶出することによりテアフラビンを52.5mg得た。
番茶抽出物中のEGC量(41.6mg)から次のように計算された収率は、68.6%であった。
番茶抽出物中のEGC量に基づく収率(%):
製造されたTFの量52.5mg÷(番茶抽出物中のEGCの含有量41.55mg÷EGCの分子量306×TFの分子量564)×100=68.6%
番茶抽出物中で不足していると考えられるエピカテキンのみを補充することで、短時間の反応でかつ高い収率で選択的にテアフラビンを得ることができた。
本実験では、(エピカテキンとエピカテキン−3−O−ガレートの合計量):(エピガロカテキンとエピガロカテキン−3−O−ガレートの合計量)の比率が1.3:1になるようにさらに補充するエピカテキンの量を増加させて、テアフラビンの製造を検討した。
番茶抽出液700ml(乾燥番茶5gを600mlの水で24時間抽出後、茶葉を濾去した濾液である。濾過の際、茶葉を洗う操作がはいったため、抽出液は700mlとなった。)を酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル抽出液を濃縮後、1.82gの番茶抽出物を得た。番茶抽出物24.1mg(この24.1mgの番茶抽出物中のEC量は4.3mg、ECG量は1.1mg、EGC量は4.9mg、EGCG量は5.4mgであった)、エピカテキン4mgを水18.5mlに溶解後、3%過酸化水素0.3ml、茶細胞培養物1.2mlを加え12分間反応させた。反応後酢酸エチルで3回抽出した。SepadexLH−20カラムクロマトグラフィーにてメタノールで溶出することによりテアフラビンを13.8mg得た。
番茶抽出物中のEGC量(4.9mg)から次のように計算された収率は、152.2%であった。これは、番茶抽出物中にはじめから存在しているEGC量から製造可能なテアフラビン量を超えてテアフラビンが製造されたことを意味しており、ECに対して不足したEGCがEGCGから供給されたことを示唆している。
番茶抽出物中のEGC量(4.9mg)に基づく収率:
製造されたTFの量13.75mg÷(番茶抽出物中のEGCの量4.9mg÷EGCの分子量306×TFの分子量564)×100)=収率152.2%
そこで、番茶抽出物中のEGCGが100%の変換効率でEGCに変換され、TFの製造に参加していると仮定した場合、収率(%)は次のように87.5%と計算された。番茶抽出物中で不足していると考えられるエピカテキンのみを過剰に補充することで、番茶抽出物中のEC、ECG、EGC、EGCGのすべてをテアフラビンの原料にすることが可能であることが示唆された。
番茶抽出液中のEGC量(4.9mg)とEGCG量(5.43mg)に基づく収率:
番茶抽出液中のEGCの含有量4.9mg÷EGCの分子量306=0.016mmol
番茶抽出液中のEGCGの含有量5.43mg÷EGCGの分子量458=0.01186mmol
製造されたTFの量13.75mg÷((番茶抽出液中のEGCの含有量0.016mmol+番茶抽出液中のEGCGの含有量0.01186mmol)×TFの分子量564)×100)=収率87.5%
図5は、反応開始後5分の反応液のHPLC分析を示す。EC、ECG、EGC、EGCGのピークと供にテアフラビン(TF)のピークも認められる。これより、テアフラビン(TF)の合成反応は非常に早い反応であることが示された。
図6は、反応終了時(12分)における反応液の酢酸エチル抽出物のHPLC分析を示す。テアフラビン(TF)の合成により、EGCおよびEGCGが消費されている。
本発明の方法によれば、種々の優れた生理活性を有するテアフラビンを高選択率・高収率で製造することができるので、紅茶からの抽出に頼ることなく効率よく取得することができる。また、番茶のような安価な材料を用いて、短時間かつ簡便な操作でテアフラビンを製造できるので、安価にテアフラビンを製造することができる。よって、本発明の方法は今後のテアフラビン研究の発展への貢献が期待されるとともに、テアフラビン類の工業的な大量生産を可能にする点でも産業への貢献が期待される。

Claims (7)

  1. エピカテキン、エピガロカテキン、エピカテキン−3−O−ガレートおよびエピガロカテキン−3−O−ガレートを含有する加工した植物の抽出物と、ペルオキシダーゼ活性を有する植物細胞培養物を混合して選択的にテアフラビンを製造する、テアフラビンの製造方法。
  2. 植物が、茶の葉および/または茎である、請求項1に記載のテアフラビンの製造方法。
  3. 加工した植物が、不発酵茶である、請求項1に記載のテアフラビンの製造方法。
  4. 植物細胞培養物が、茶細胞の培養物である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のテアフラビンの製造方法。
  5. さらに、過酸化水素を加えることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のテアフラビンの製造方法。
  6. さらに、エピカテキンを加えることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載のテアフラビンの製造方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のテアフラビン製造方法のための、培養植物細胞。
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