JPWO2008156133A1 - Cfoとdcoを有するofdm信号の補償方法、プログラム、記録媒体および受信機 - Google Patents

Cfoとdcoを有するofdm信号の補償方法、プログラム、記録媒体および受信機 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2008156133A1
JPWO2008156133A1 JP2009520526A JP2009520526A JPWO2008156133A1 JP WO2008156133 A1 JPWO2008156133 A1 JP WO2008156133A1 JP 2009520526 A JP2009520526 A JP 2009520526A JP 2009520526 A JP2009520526 A JP 2009520526A JP WO2008156133 A1 JPWO2008156133 A1 JP WO2008156133A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
matrix
cfo
signal
dco
value
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2009520526A
Other languages
English (en)
Inventor
海 林
海 林
山下 勝己
勝己 山下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Osaka Prefecture University
Original Assignee
Osaka Prefecture University
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Osaka Prefecture University filed Critical Osaka Prefecture University
Publication of JPWO2008156133A1 publication Critical patent/JPWO2008156133A1/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/03Shaping networks in transmitter or receiver, e.g. adaptive shaping networks
    • H04L25/03006Arrangements for removing intersymbol interference
    • H04L25/03343Arrangements at the transmitter end
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L25/00Baseband systems
    • H04L25/02Details ; arrangements for supplying electrical power along data transmission lines
    • H04L25/06Dc level restoring means; Bias distortion correction ; Decision circuits providing symbol by symbol detection
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems
    • H04L27/2647Arrangements specific to the receiver only
    • H04L27/2655Synchronisation arrangements
    • H04L27/2657Carrier synchronisation
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems
    • H04L27/2647Arrangements specific to the receiver only
    • H04L27/2655Synchronisation arrangements
    • H04L27/2668Details of algorithms
    • H04L27/2673Details of algorithms characterised by synchronisation parameters
    • H04L27/2676Blind, i.e. without using known symbols
    • HELECTRICITY
    • H04ELECTRIC COMMUNICATION TECHNIQUE
    • H04LTRANSMISSION OF DIGITAL INFORMATION, e.g. TELEGRAPHIC COMMUNICATION
    • H04L27/00Modulated-carrier systems
    • H04L27/26Systems using multi-frequency codes
    • H04L27/2601Multicarrier modulation systems
    • H04L27/2647Arrangements specific to the receiver only
    • H04L27/2655Synchronisation arrangements
    • H04L27/2689Link with other circuits, i.e. special connections between synchronisation arrangements and other circuits for achieving synchronisation
    • H04L27/2695Link with other circuits, i.e. special connections between synchronisation arrangements and other circuits for achieving synchronisation with channel estimation, e.g. determination of delay spread, derivative or peak tracking

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Computer Networks & Wireless Communication (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Power Engineering (AREA)
  • Circuits Of Receivers In General (AREA)
  • Cable Transmission Systems, Equalization Of Radio And Reduction Of Echo (AREA)
  • Radio Transmission System (AREA)

Abstract

OFDM方式の信号では、周波数オフセット(CFO)と直流成分オフセット(DCO)が発生する。これを是正するためにパイロット信号を通信信号に混入させ補償する方法などが提案されているが、パイロット信号期間が長いと、その間の信号補償にはパイロット信号なしの補償方法が必要となる。しかし、パイロット信号なしでCFOとDCOを共に補償する方法は従来無かった。OFDM信号の直交性を利用しCDOとDCOが発生したシステムの行列を特異値分解することで、受信信号からゼロを復調できるCFO候補値とCFOチェックデータの数値列を予め求めておき、補償部(17)で受信信号にその数値を次々に乗算する。最も小さな値を復調したときのCFO代表値を推定値として出力し補償する。【選択図】 図2

Description

本発明は、OFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)方式の受信信号の補償に係わるものであり、より詳しくは、キャリア周波数オフセット(Carrier Frequency Offset)とDCオフセット(DC Offset)をパイロット信号がない状態でも補償できる技術に関する発明である。
OFDM信号は、制限された帯域内で高い転送レートを有し、送信信号のマルチパスにも強いという特徴を持っているため、近年種種の通信フォーマットとして実施されている。OFDM方式は、帯域内に多くのサブキャリアによる信号を含むため、正確な周波数の管理が必要となる。従って、ダウンコンバート時に生じるキャリア周波数と受信機の局部発振器との周波数のズレや、局部発振器による高周波が再度ダウンコンバートされる場合に生じる直流分のオフセットは復調時の障害となる。
図20には、周波数オフセット(以後「CFO」(Carrier Frequency Offset)という。)の発生原因を示す。信号の送信側には、ベースバンドの信号(P100)と、乗算器(P12)と周波数f0をキャリア周波数とするキャリア発振器(P10)とアンプ(P14)と送信アンテナ(P16)がある。信号(P100)は、乗算器(P12)とキャリア発振器(P10)からなる周波数変換器により、高周波へ変調され、アンプ(P14)で増幅された後、アンテナ(P16)から送信される。
一方受信側は、受信アンテナ(P18)と低雑音アンプ(P24)と乗算器(P22)および周波数f1を局部発振周波数とする局部発振器(P20)から構成される。送信された信号は、受信アンテナ(P18)で受信され、低雑音アンプ(P24)で増幅された後、局部発振器(P20)の発生する高周波によりダウンコンバートされ、復調信号(P110)となる。
ここで、送信側のキャリア周波数f0と受信側の局部発振周波数f1が同じであれば、CFOは生じない。しかし、f0とf1がわずかでも異なると、周波数オフセット(CFO)が発生する。例えば、図では、送信された信号(P100)は周波数がfであるが、復号信号(P110)では周波数はf+Δfとなっている。このΔfがCFOである。
図21を用いて、直流オフセット(以後「DCO」(Direct Current Offset)という)の発生原因を説明する。受信機(P30)は、受信アンテナ(P31)と、低雑音アンプ(P32)と、乗算器(P33)と、局部発振器(P34)と、ローパスフィルター(P35)と、A/D変換器(P36)と、復調器(P38)とを含む。
ここで、局部発振器(P34)の発生する高周波は、低雑音アンプ(P32)を回って乗算器(P33)に入力される場合がある(図では符号P50)。また、なんらかの影響により振幅の大きな干渉波が受信信号となり、乗算器(P33)に洩れる場合がある(図ではP40)。
これらの場合は、周波数変換のための局部発振器と同じ周波数の信号を乗算器(P33)に入力しているのと同じであるので、直流成分として再生される。これがDCOの発生原因である。このようなCFOやDCOが同時に発生してしまった信号は、CFOとDCOを共に補償しなければ元の信号を復元できない。
このようなCFOやDCOの補償に関する方法は、多く提案されている。CFOの補償ではパイロット信号を用いて補償する方法(特許文献1および2参照)がある。
また、DCOの補償では、受信した信号のプリアンブル信号を時間積分して推定する方法(特許文献3参照)や、プリアンブル信号を用いてCFOを補正した後、DCOを補正する方法(特許文献4参照)といった方法がある。また、パイロット信号を用いずにCFOを補償する方法も提案されている(非特許文献1)。
特表2004−531168号公報 特表2003−503944号公報 特開2003−32216号公報 特開2004−304507号公報 H.Liu and U.Tureli,"A high−efficiency carrier estimator for OFDM communications," IEEE Commun. Lett., vol.2, pp.104−106, Apr. 1998.
CFOとDCOを補償するには、いずれかを先に補償した後、他方を補償するという手続きをとらねばならない。しかし、CFOとDCOが同時に発生している受信信号はすでに各サブキャリア間の直交性が失われた信号であるので、CFOとDCOを正確に推定することは難しい。
特にパイロット信号がない場合において、CFOとDCOを共に推定し補償する提案は従来されていない。このような状況は、送受信システムにおいて、パイロット信号が送られてない場合はもとより、パケットの中にシンボルが多く含まれる場合に、パケットの途中でCFOとDCOを補償する場合においても発生する。従って、従来パイロット信号がない状況でCFOとDCOを推定し、補償する方法がなかったという課題があった。本発明はかかる課題を解決するために創作されたものである。
本発明は、受信したCFO及びDCOをパイロット信号を用いずに推定し、キャンセルすることで受信信号を補償する装置および方法を提供する。
すなわち、本発明では、
OFDMの受信信号の1シンボル分のデータを取り出す工程と、
予め複数組用意されたCFO候補値と前記CFO候補値に対応するCFOチェックデータの組から選択された前記CFOチェックデータを前記1シンボル分のデータに乗算する工程と、
前記乗算の結果が最小となる時の前記CFO候補値をCFO推定値として求める工程と、
前記CFO推定値に相当する周波数分だけ前記受信信号を補償する工程を有する
OFDM信号の補償方法を提供する。
本発明は、受信した信号に予め用意しておいた行列で表される数値を順次乗算し、その結果得られた行列の要素の総和を評価することで、最も確からしいCFOを推定し補償することができる。そしてその結果に基きDCOを推定し補償することができる。従って、パイロット信号が定義されていないOFDM方式の信号であっても、CFOとDCOを補償することができる。
本発明の受信装置の構成を示す図 本発明の補償部の構成を示す図 本発明の推定部の構成を示す図 CFO候補値及びCFOチェックデータを説明する図 本発明の推定部のフローを示す図 本発明の推定部のフローのバリエーションの部分を示す図 OFDM新号が作られる様子を説明する図 サブキャリアの説明する図 OFDM信号の送信受信を説明する図 サブキャリアにCFOが発生している様子を説明する図 サブキャリアにCFOとDCOが発生している様子を示す図 ME法の原理を説明する図 ANSE法のシミュレーションのフローを示す図 ME法のシミュレーションのフローを示す図 ME−TDA法のシミュレーションのフローを示す図 シミュレーションの結果を示す図 シミュレーションの結果を示す図 シミュレーションの結果を示す図 シミュレーションの結果を示す図 CFOの発生を説明する図 DCOの発生を説明する図
符号の説明
10 本願のOFDM受信機
17 補償部
21 前処理部
22 推定部
23 加算部
24 乗算部
30 演算器
31 ROM
32 RAM
33 補償データ変換器
40 CFO候補データ
44 CFOチェックデータ

図1に本発明の受信機(10)の構成を示す。アンテナ(11)で受信した信号は、低雑音アンプ(12)で増幅され、ミキサー(13)と局部発振器(14)からなる周波数変換部でキャリア帯域から、直接ベースバンド帯域へ周波数変換(ダイレクト・コンバージョン方式)を行う。ダウンコンバートされた信号はフィルター(15)によって、不要な高周波成分を除去された後、AD変換器(16)でデジタル信号に変換され受信信号(Drec)となる。
受信信号(Drec)は、補償部(17)が受信信号自体から推定したCFOとDCOを補償した補償済データ(Cdd)に加工され、復調部(18)で復調される。本発明では、受信する信号はOFDM方式の信号であるので、復調部(18)では、FFT処理でサブキャリアが分離され、サブキャリア毎に復調され、パラレル・シリアル変換処理をへて信号が復調される。本発明は特に補償部(17)で行うCFOとDCOの補償に関するものである。
図2に補償部(17)の内部構造を示す。受信信号(Drec)は、前処理部(21)に入力され、サイクリックプリフェックスの部分が取り除かれる。サイクリックプリフェックスとは、OFDM方式の信号が、シンボル期間の初めの部分に、シンボル期間のデータの一部を重複して記載しておく信号である。これはブロック間干渉の除去を行うために送信側が送信信号に付加するものである。
ここで、「取り除く」とは、単純に削除するだけでなく、これらを用いてシンボル信号を再生する処理を含む処理を意味する。従って、前処理部(21)は補償前データ(Bcd)であるシンボル信号を出力する。
補償前データ(Bcd)は、推定部(22)に入力される。この推定部(22)にて、CFOとDCOの値が推定され、CFO補償データ(Dcc)とDCO補償データ(Dcd)が出力される。
補償前データ(Bcd)は、加算器(23)でDCO補償データ(Dcd)が加算され、DCオフセットが補償される。次に乗算器(24)で、CFO補償データが乗算され、キャリアオフセット(CFO)が補償された補償済データ(Cdd)となる。なお、ここで補償するとは、受信信号から本願発明によって推定したCFOとDCOに基く補償であるので、推定の範囲で誤差を含み、誤差なく補償されるという意味ではない。
図3に推定部(22)の内部構成を示す。推定部(22)は、演算器(30)と、予め計算しておいたデータ群を記憶しておくROM(31)と、計算結果を保持しておくRAM(32)と、推定したCFOとDCOを補償する補償データに変換する補償データ変換器(33)を有している。
演算部(30)は、入力された補償前データ(Bcd)を保持し、行列データであるG(v)に補償前データ(Bcd)を次々に乗算する。ここで乗算するとは行列同士の積を求めることである。その結果をRAM(32)に記録する。そして、RAM(32)に記録された結果が最小となった時に、DCO補償データ(Dcd)とCFO補償データ(Dcc)を計算し出力する。
図4(a)には、ROM(31)に記憶するデータ内容をより具体的に示す。このデータはCFO候補値(40)とCFOチェックデータ(44)が対となって記憶されている。CFO候補値(40)は、サブキャリア間隔で正規化した周波数で−1.0から1.0までの数値となる。すなわち、CFOは、サブキャリアの間隔以上がずれることは想定しない。ただし、サブキャリアのズレがサブキャリア間隔の整数倍の場合は、本願での補償はできないが、整数倍でなければ補償は可能である。なお、図4では、CFO候補値vはp個あることを表している。
CFO候補値(40)はサブキャリアの区間を必要な分解精度が確保できるように分割する。例えば、0.01ずつにすれば−1.0から1.0までの間を200分割することになる。これに対して図4(b)にCFOチェックデータ(44)を示す。これはm番目のCFO候補値vに対するCFOチェックデータを表す。CFOチェックデータ(44)は、1つのCFO候補値(40)に対して最小1×Nから、最大(N−Q−1)×Nの行列である。Nは、1シンボルを分割した数(1シンボル中のサンプル数)であり、また全サブキャリア数でもある。CFOチェックデータ(44)は行列G(v)で表す。また、G(v)やG(v)もCFOチェックデータを表す。
このCFOチェックデータ(44)は、対象とするOFDMシステムにおける信号帯域、サブキャリア数と、CFO候補値(40)に基いて予め計算しておく。CFOチェックデータ(44)の行列の列数が増えれば、計算精度は高くなるが計算量も多くなる。従ってCFOチェックデータ(44)の大きさはシステム設計に適宜決めることとなる。
図3に戻って、演算器(30)は、補正前データ(Bcd)を保持し、行列G(v)を順次乗算していく。より具体的には、CFOチェックデータ(44)と補正前データ(Bcd)の行列同士の積を計算する。すなわちこれはベクトル量となる。得られたベクトルのノルムを結果のスカラー量とする。ノルムは具体的には、上記の行列同士の積によって得られたベクトルの各成分の2乗加算の平方根である。
この計算の目的は下記のように計算結果が最小となる時のCFO候補値を得ることであるので、単に得られたベクトルの各成分の2乗加算した値であってもよい。図3では、CFOチェックデータG(v)(44)と補正前データ(Bcd)を「*」印で連結することで行列同士の積を表し、二重縦線で囲むことで、ノルムを表した。以下同じ表現をする。ノルムを取ることで、行列G(v)*Bcdはスカラー量となる。また、「Min」は最小値を取ることを表す。
このスカラー量の中で最も小さいスカラー量を得ることができるCFOチェックデータ(44)と対になっているCFO候補値(40)を、推定するCFOの量Ecfoとする。また、このCFOに基いてDCOの推定値Edcoを求めることができる。そして補償データ変換器(33)でCFOをキャンセルするCFO補償データ(Dcc)と、DCOをキャンセルするDCO補償データ(Dcd)を求め、出力する。以後CFO補償データとDCO補償データをまとめて補償データと呼ぶ。
この後は図2で説明したように加算器(23)と乗算器(24)でCFOとDCOを補償する。なお、本願では、補償前データ(Bcd)のシンボル内の平均値をDCOと推定し、補償する場合もある。また、補償データ変換器(33)は、推定されたCFOやDCOの符号を逆転するだけなので、演算部(30)が補償データ変換器(33)の処理を行ってもよい。
このように本発明では、補正前データ(Bcd)に、予め計算し求めておいた数値データであるCFOチェックデータ(44)を順次乗算してゆき、計算結果が最小となる時のCFOチェックデータ(44)に対応するCFO候補値(40)をCFOと推定する。またDCOもこのCFOに基いて計算で求める。このようなCFOとDCOの推定値を算出する行列G(v)とDCOの算出の方法については、数学的な説明が必要であるので、後に詳細な説明を行う。
図5は、図3の演算器(30)が行う処理フローを示したものである。この処理フローは、OFDM方式の信号のシンボル期間ごとに行うことができる。もちろん、あるシンボル期間で求めた補償データを後から受信する複数のシンボル信号に作用させても構わない。
この処理フローがスタート(S1000)すると、準備処理(S1002)を行う。ここでは、vとRminとDccの値を初期化している。vは、CFO候補値(40)である。vは初期値であるvstratに設定する。Rminは、計算結果の最小を求めるための変数である。従って、最初に非常に大きな数Mを与えておく。例えば1以上の実数値であればよい。Dccはここで求めるCFO補償データである。
補償前データ(Bcd)が入力されると(S1004)、最初のCFOチェックデータであるG(v)と補償前データ(Bcd)の行列の積のノルムをRavとして計算する(S1008)。ここで説明の都合上ステップを1つスキップした。Ravは絶対値が最も小さくなる値をCFO補償データとするので、絶対値で計算する。もちろん、2乗を計算しても構わない。
なお、本発明ではいくつかの補償方法を提供するが、それらの違いによってステップ(S1005)、ステップ(S1008)とステップ(S1016)は処理内容が変わる。詳細は図6で説明するが、ここではそれを明確にするためにそれぞれのステップは点線の枠で描いた。
ここで計算したRavとRminを比較し(S1010)、Ravの方が小さければ、Ravを新たなRminとする(S1012)。また、このときのvをDccとして記録する。Ravの方が大きければこの工程をスキップする(S1010のN分岐)。vが、用意されたvのうち、最後のv(=vend)であるかどうかを調べ(S1014)最後でなければ、vをインクリメントし(S1006)、またステップ(S1008)へ戻る(S1012のN分岐)。
最後のvであるvendまで調べ終わったら、その時のDccに記録されたvがCFOをキャンセルすることのできるCFO補償データとなる。次にこのDccに基いて所定の計算を行う(S1016)。この所定の計算によって、CFOを補償した時のDCOの値が求められる。こCFOを補償した時のDCOの値は、図1で説明したDCO補償データDcdである。所定の計算の具体的な内容については後述する55式乃至57式で説明を行う。なお、ステップ(S1005)を実施した場合はこのステップ(S1016)は実施しない。
図6には、本発明で提供する補償方法によって、図5の処理で変わる部分をあらわに書き出した。本発明ではME−TDA法、CNSE法、ACNSE法の3つの補償方法を提供するが、それぞれの場合で、図5と変わる部分が図6には示されている。変更されるのはステップ(S1005)とステップ(S1008)とステップ(S1016)の3箇所である。それ以外の部分は点線矢印で省略した。
ステップ(S1005)は、補償前データ(Bcd)の各データの平均値をDCO補償データ(Dcd)とし、補償前データの各値からDcdを減算する処理である。補償前データ(Bcd)の各データの平均値であるDCO補償データ(Dcd)は、32式で詳細を説明する。ME−TDA法では、ステップ(S1005)を行い、ステップ(S1008)では行列G(v)というCFOチェックデータを用い、ステップ(S1016)は実行しない。すなわち、ME−TDA法は、補償前データ(Bcd)の各データの平均値をDCO補償データ(Dcd)とし、CFOはG(v)というCFOチェックデータに基いて推定する。なお、ステップ(S1016)で「処理なし」と記載してあるのは、「スキップする」と同義である。
CNSE法では、ステップ(S1005)を行い、ステップ(S1008)では行列G(v)というCFOチェックデータを用い、ステップ(S1016)をスキップする。すなわち、補償前データ(Bcd)の各データの平均値をDCO補償データ(Dcd)とし、CFOはG(v)というCFOチェックデータに基いて推定する。なお、行列G(v)と行列G(v)は異なる技術思想に基いて得られるCFOチェックデータであり、同一の補償方法には利用できない。
また、ACNSE法ではステップ(S1005)はスキップし、ステップ(S1008)では行列G(v)というCFOチェックデータを用い、ステップ(S1016)を実行する。すなわち、CFOはG(v)というCFOチェックデータに基いて推定し、DCO補償データ(Dcd)はステップ(S1016)によって求める。ここでxおよびyはある列ベクトルで、DCO補償データ(Dcd)はxおよびyから最小2乗法によって求められる。ステップ(S1016)は55式乃至57式で詳細を説明する。
なお、上記の処理は適当な記述言語で記載されたプログラムによってMPUがソフト的な処理で行ってもよいし、ハードウェアで論理回路を組み、ICとして実現してもよい。またプログラムは、受信機内部のメモリに保持されていてもよいし、外部記憶に保持され適宜受信機に呼び込まれて実行されてもよい。
<詳細な説明>
OFDM方式の伝送方法では、伝送したい情報を直交する多数のサブキャリアに分けて送信する。これは、数学的には、線形代数を使って表すことができる。ここで、サブキャリアがN個あるOFDMの通信システムを考える。Sk,mは、QAM若しくはPSKなどで構成されるOFDMシステムにおける、m番目のサブキャリアにおけるk番目のシンボルを表すとする。すると送信される信号s(kN+n)は1式のように表される。なお、本明細書では数式を「1式」のように記載する。
Figure 2008156133
・・・(1)

nは周波数が2π/Nのサブキャリアの1周期をN等分したもので、時間に相当する。
このような信号が通信された結果2式のような形で受信されたとする。
Figure 2008156133
・・・(2)

Hmはm番目のサブキャリアのチャンネル周波数応答で、空間を伝送された結果、歪が生じたり、時間的に遅れるなどした効果を表す。εは、正規化CFOを表し、CFOであるΔfをサブキャリア間隔fで正規化したものである。サブキャリア間隔とは、サブキャリアの中心周波数と、隣接するサブキャリアの中心周波数との間の周波数間隔をいう。右辺第2項は、中心値がゼロで分散σの白色雑音である。
これを行列表現すると以下の3式ように表すことができる。以下行列を数式中では太字で、文中では「行列A」等と「行列」という言葉を前に付けて表す。
Figure 2008156133
・・・(3)

ここで、右辺各項および各変数は以下のようである。
Figure 2008156133
・・・(4)
4式において、Ncpは、サイクリックプレフィックスの期間である。従ってφkはCFOの存在下でのサイクリックプレフィックスによる位相ずれ分に相当する。サイクリックプレックスはガードインタバルの期間に送信され、マルチパスによる遅延受信の影響を緩和させるために設けられたものである。すなわち、マルチパスによる遅延が生じても、サイクリックプレックスがあるために、各サブキャリア間の直交性は保持される。以後の説明では、φkは省略する。
Figure 2008156133
・・・(5)
5式は行列Fを表す。行列Fは、N×NのIDFT(Inverse Descrete Fourier Transform:逆離散フーリエ変換)行列である。それぞれの列は、サブキャリアに相当する。この行列Fを左からかけるという操作は、OFDM信号へ変調することを意味する。
5式の行列Fの1列目は全て1/√Nになっており、これはDC成分を表す。OFDM方式では、DC成分は、信号として送れないので、このキャリアに対応するデータは必ずゼロである。また、各列は右に行くほど指数部が大きくなるが、2π(N−1)/Nがπを超えると指数部の符号がマイナスになると考える。すなわち、5式のIDFT行列の右側の方の列は負の周波数部分を示す。
なお、行列は縦方向の並びを列と呼び、横方向の並びを行と呼ぶ。また行列のサイズを表すときには行数×列数で表す。すなわち、M×Nの行列とは、M行N列の行列である。ただし、横1列若しくは縦1行に並んだ行列は、ベクトルである。従って、1×Nの行列は、N個の要素が横に並んだ横ベクトル(行ベクトル)であり、N×1の行列はN個の要素が縦に並んだ縦ベクトル(列ベクトル)である。なお、本明細書中では、それぞれを横長行列、縦長行列と呼ぶ場合もある。
この行列Fは次の6式のようにも書ける。
Figure 2008156133
・・・(6)
それぞれの行列f(k=0からN−1)は5式の縦行列(列の要素)を表す。
特に行列fは7式のようになる。ここで行列aは要素がすべて1の列ベクトルである。
Figure 2008156133
・・・(7)
ところで、OFDMシステムは、全てのサブキャリアが使用されるのではなく、nullの信号が送信されてくるサブキャリアもある。実質的な信号を伝送するキャリアがQ個あると考えると以下の8式のように書ける。
Figure 2008156133
・・・(8)
これはN個のサブキャリアの中からnullを送信されてこないサブキャリアだけを順に並べたものであり、各行列wはN×1の縦長行列である。
残りのnull信号が送られてくるサブキャリアをあらわに記載すると以下の9式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(9)
これはnull信号を送信してくるサブキャリアを並べたものである。8式と9式をこのように定めると、6式で示した行列Fと行列Wでは、サブキャリアの並び方が異なる。なお、行列Wは行列Wと行列Wをこの順で並べた行列である。
ここで、行列wQ+1はDC部分を表すものとする。すなわち、6式で示したIDFT行列の行列fである。従って行列wQ+1は、すべて1/√Nの縦長行列である。また行列wQ+1以外は、行列wQ+iと示し、これらはnullデータを伝送するサブキャリアである。
例えば、サブキャリアの数が8個有するOFDMの伝送システムを考える。すると、6式は具体的に10式のようになる。
Figure 2008156133
・・・(10)
ここで、nullを送信するサブキャリアは、行列f、f、f、fであるとすると、行列WとWは11式、12式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(11)
Figure 2008156133
・・・(12)
Figure 2008156133
・・・(13)
13式で示す行列Γ(ε)は、キャリア周波数オフセット(CFO)であるεの行列を表す。キャリア周波数オフセット(CFO)は全てのサブキャリアについて同じだけ発生するものとする。「diag」は対角行列を表す。すなわち、行列Γ(ε)は、N×N行列の対角要素にだけ値があり、その他の要素は全てゼロである。
Figure 2008156133
・・・(14)
14式で示す行列d(k)は、送信された信号Sk,mが、チャンネル周波数応答を受けた状態を示している。H(k=0からN−1)は、それぞれのサブキャリアの周波数応答を表す係数である。右辺の中括弧の右肩にある「T」は、転置行列であることを示す(以後同じ)。
Figure 2008156133
・・・(15)
15式で示す行列z(k)は、その他のノイズ成分であり、ガウス分布に従うものとする。ノイズ成分も本願の説明には不要であるので、以後の説明では省略する。ただし、後述するシミュレーションでの評価では使用する。
3式で示された受信信号である行列r(k)は、結局1×Nの縦行列となり、以下の16式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(16)
行列r(k)は、受信機で受信したk番目のOFDMシンボルである。16式は、行列r(k)が基本波である2π/Nの1周期分のデータ(全部でN個のデータ)を持つことを示している。
以上の準備により、ノイズ、CFOなどが全く存在していない理想的な受信信号は以下の17式ように表される。
Figure 2008156133
・・・(17)
また、CFOが生じている受信信号は以下の18式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(18)
行列Wはnullのデータなので省略し、行列Wだけで表すことができる。
さらに、CFOとDCOが共に生じている受信信号は以下のように表される。
Figure 2008156133
・・・(19)
19式で、βはDCO成分である。行列aは、7式で示したが、全て1の縦行列である。
以上を図を用いて説明する。簡単のためにキャリアを8つとして説明する。図7はOFDM信号の作成を簡単に説明する図である。送りたい信号列S(50)はデジタル信号である。1つの四角が1つのデータを表している。この信号列S(50)を複数データ毎のブロックに分ける。図7では8個ずつのブロックにわけた。次にブロック毎にそれぞれのデータに対してIDFT処理を行う。なお、本明細書中で言うIDFT処理は、IFFT処理と置き換えても構わない。IFFT処理はIDFT処理を高速に計算するための処理であり、同じ結果を得ることができるからである。
ここで、k番目のデータブロックをS(51)とする。Sは8つのデータからなるブロックである。IDFT処理部(52)は8つのサブサブキャリア発振器を有している。図7では、基本波から周波数が2倍、3倍、4倍・・・、8倍の8つのサブキャリア発振器(52aから52h)を有していることを表している。
このIDFT処理部(52)の処理が、5式の行列Fである。S(51)のデータはそれぞれのサブキャリアで変調され、次の加算器(54)で加算される。加算された結果は信号(56)であり、これは1式の送信信号であるs(kN+n)となる。送信信号(56)は横軸が時間で縦軸は信号強度を表す。
整理すると、送りたい信号列S(50)は1シンボルの信号という。1シンボルの信号を構成する四角の単位は1サンプルといい、複数ビットで構成されていてもよい。各サンプルは所定の周波数に割り当てられて変調された後、IDFT処理されて送信信号(56)になる。この送信信号(56)も1シンボルの信号という。
図8は、送信信号(56)を表す図である。横軸を周波数として表した。縦軸は信号強度を表す。ここで縦軸は任意単位である。図8中、実線で示したサブキャリアは伝送情報があるサブキャリアで、点線で示したサブキャリアはnullが送られているサブキャリアを表す。
左から4番目のサブキャリア(70)が周波数ゼロであり、DC成分を表す。実際に送信される場合は搬送波周波数で周波数変換され、サブキャリア(70)は、キャリア周波数になる。隣接するサブキャリアは周波数間隔であるf(72)ずつずれている。各サブキャリアは直交しているため、高調波成分の折り返し点がそれぞれ重なっている(例えば符号74の点)。図8は1式を周波数軸で表したものになる。なお、実際はこれらの信号の加算された信号であるが、各サブキャリアを別々に表した。
図9は、伝送システム全体を示している。送信局(60)は送信信号(56)を搬送波で周波数変換した後、出力する。受信局(62)はその信号を受信し、ベースバンドへ周波数変換するが、伝送路の影響や、受信機自身の局部発振器から回りこみで、DCオフセットや、周波数オフセットという誤差を含んだ受信信号(58)として復調する。
この受信信号(58)は2式のr(kN+n)である。受信信号(58)は、チャンネル周波数応答がどのサブキャリアについても同じだけ受けたと考えると、周波数の絶対値はズレてしまっているかもしれないが、周波数軸で見た信号は図8と同じ形状の信号となる。従って、CFOもDCOもない、理想的な受信信号は、図8の送信信号と同様の周波数特性を有している。この理想的な受信信号は、17式に対応する。
図10は、理想的な受信信号にCFOだけが生じた場合を示している。周波数ゼロの点(70)からΔf(75)だけ周波数がずれている。このΔfをサブキャリア間隔fで割った値がεである。そして、理想的な受信信号17式がεだけずれる操作は13式の行列を17式に左から作用させることに該当する。
ここで、CFOは全てのサブキャリアに関して同じだけ発生すると考えている。CFOは、送信側の局部発振器と受信側の局部発振器のわずかな誤差によるものであるから、周波数変換の際に全てのサブキャリアについて同じだけ誤差が発生するからである。最終的にCFOだけ発生している受信信号は18式で表される。
図11は、さらにDCOも発生した状態を示している。横軸は周波数であり、縦軸は強度を示している。縦軸は任意である。周波数ゼロ(70)の部分にある太い実線で示した信号(78)が、DCOである。DCOを除いた部分のサブキャリアはCFOが発生し、周波数ゼロにあったサブキャリア(76)は周波数ゼロ(70)からずれている。このズレ分(75)がΔfであるのは図10で示した通りである。
実際の信号は、これらの信号の足し合わせとなる。すなわち、もともと直交していたサブキャリア同士の関係にCFOとDCOが発生して加算される。発生したDCOは直交関係を保持していたサブキャリア同士とは、ずれてしまっている。従ってCFOの発生だけでもサブキャリアの直交性は失われているが、DCOの発生によってさらに、直交関係を保持していたサブキャリア同士で成分がゼロとなるような点(74)とは異なる点にゼロとなる点(82)が発生する。従って、これらの加算となる受信信号(58)は直交性を失った信号となる。この直交性を失った信号は19式で示した信号である。
次に、若干の行列式に関する説明を行う。5式で示されるIDFT処理を表す行列Fの各列は、サブキャリアを表す。これらのサブキャリアはそれぞれ直交しているので、異なるサブキャリアの内積はゼロとなる。例えばP番目とR番目のサブキャリア同士の内積では、PとRが異なる場合は必ずゼロになる。20式にこの関係を表す。
Figure 2008156133
・・・(20)
20式において、左辺第1項の行列fの右肩にあるHは、行列fの共役転置行列を示す。共役転置行列とは、行列の要素が複素数の場合に、各要素を共役にしたうえで、転置行列にするということである。P=Rのときは21式の関係となる。
Figure 2008156133
・・・(21)
この関係を用いると、以下のことが可能である。17式で示される理想的な受信信号である行列r(k)は、複数のサブキャリアからなる。例えば、図7に示されるような信号である。これらのサブキャリアは互いに直交しているため、17式の理想的な受信信号に、いずれかのサブキャリアの信号の共役転置行列を左から乗算すると、そのサブキャリア成分だけが取り出せる。言い換えると、そのサブキャリアの成分だけを復調することができる。これは、実際のチューナの復調の動作を表したことに他ならない。
例えば、5式で示したIDFT処理を表す行列には、null信号を送信したサブキャリアがあった。これらのサブキャリアは9式で示される。そのうちの1つのサブキャリアを行列wQ+iとする。これを17式の理想的な受信信号に作用させると22式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(22)
右辺の行列Wにも行列d(k)にも、行列wQ+iの成分はないので、ゼロになるともいえるし、仮に行列Wの代わりに行列Fであったとしても、送信された信号がゼロであるので、やはり22式のように表される。すなわち、予めnullが送信されるサブキャリアを知っていれば、理想的な受信信号と、そのサブキャリアの内積を取ることで受信信号から必ずゼロを導出することができる。このような関係を利用して、以下にCFOとDCOを推定する方法を説明する。
<CFOだけがあると仮定した場合の補償(ME法)>
次に理想的な受信波に対してCFOだけが存在する場合のCFOの補償を考える。これはアンテナの技術分野において、電波の到来方向を求めるためにアンテナの角度を変えながらコスト関数を求め、コスト関数が最も小さい若しくは大きい角度を求めるいわゆるMUSIC(Multiple Signal Classification)法に似ている推定方法である(H.Liu and U.Tureli,”A high−efficiency carrier estimator for OFDM communications,” IEEE Commun. Lett., vol.2, pp.104−106, Apr. 1998.)。
従って、本推定方法をMUSIC−Like推定法(ME法)とよぶ。理想的な受信信号にCFOが重畳した信号は18式に示したようになる。図での説明は図10であった。18式を再掲する。
Figure 2008156133
・・・(18)
ここでεはΔfをサブキャリア間隔で規格化したCFOである。
18式は、εの分だけ信号全体を周波数シフトした受信信号行列r(k)を示す。CFOがあるため、22式のようにnullが送られるサブキャリアを復調してもゼロにならない。すなわち、23式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(23)
これは、各サブキャリアがεだけずれているため、サブキャリアの周波数を乗算してもHk,Q+iが正しく復調されず、nullすなわち、ゼロにならないためである。
このようなCFOを有する受信信号に対して以下の操作を考える。これは全てのサブキャリアをvだけ周波数シフトする操作で、ちょうどキャリア周波数オフセットが周波数εだけ周波数シフトする操作の逆の操作に対応する。
Figure 2008156133
・・・(24)
この24式をCFOだけがあると仮定した18式に作用させ、null信号を送ったサブキャリアの成分を調べると、ε=vになった時に以下の25式のようになる。
Figure 2008156133
・・・(25)
行列Γ(ε)と行列E(v)は同じ対角行列の形をしており、指数部の符号が異なる。行列Γ(ε)と行列E(v)の内積の各要素をあらわに示すと26式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(26)
この26式からわかるように、ε=vの時は行列E(v)と行列Γ(ε)の乗算部分にある(ε−v)がゼロになるため、CFOが打ち消され、オフセットのない理想状態の17式と同じ結果になる。この時、数学的には行列E(v)と行列Γ(ε)の内積は、対角成分がすべて1で、その他の要素がゼロの行列すなわち単位行列になることを意味する。
25式の左辺で行列wQ+iと行列E(v)は、予め異なるv毎に計算しておくことが可能である。行列wQ+iとはnullが伝送されるサブキャリアであるし、行列E(v)は一定の間隔で予め計算して用意しておくことができる。従って、受信信号行列r(k)に対し、行列wQ+iとv毎に求めた行列E(v)の内積を次々に乗算してゆき、その結果がゼロになった時、若しくは最もゼロに近くなったときのCFOをvと推定することにすれば、パイロット信号なしでCFOを推定することが可能になる。これがME法である。25式はこの場合コスト関数として用いる。
より具体的にME法の推定方法を示す。伝送システムは、10式、11式、12式に従うサブキャリアが8つのシステムであるとする。行列E(v)はこの場合、行列E(v)となる。nullを送信するサブキャリアは、行列w、行列w、行列w、行列wである。ここで、nullを送信するサブキャリアである行列wを選んで、行列E(v)との内積を求める。なお、nullを送信するサブキャリアであれば、他の行列であってもよい。27式に具体的に示す。
Figure 2008156133
・・・(27)
一方、受信信号である行列r(k)は以下の28式のような形をしている。
Figure 2008156133
・・・(28)
28式の3行目では、全ての要素にεが含まれている。すなわち、すべてのサブキャリアのシンボルに渡ってεだけ周波数がシフトしている。ここで、ある範囲のvに対して27式を下記の29式のように計算しておく。
Figure 2008156133
・・・(29)
なお、0.5や0.49等は、サブキャリア間隔で規格化したものであり、上記で示した分割幅(0.01)はシステム設計時に適宜決めるものとする。周波数オフセットの補償を考慮する場合は、サブキャリアの帯域の半分までの周波数オフセットを考慮しておけば足りる。従って、上記のように行列E(v)のvは0.5から−0.5までを必要な精度で分割すればよい。これが分割幅に対応する。
このように用意した数値を受信した信号に次々にかけてゆく。ここで「かける」というのは内積を計算するという意味である。30式に具体的な計算を示す。
Figure 2008156133
・・・(30)
そしてこれらの計算結果の中で最小の値を与えるvをCFOであると推定する。この計算は、以下の操作を行っていることになる。
図12は、図10のサブキャリアのうち、右端と真ん中のサブキャリアだけを抜き出して示している。CFOはΔf(75)として示される。この場合30式の行列wQ+iは図10の符号(77)のサブキャリアで、このサブキャリアはnullを送信しているのはわかっているものとする。
このサブキャリアの中心周波数をfnull(84)とする。すると実際のサブキャリア(77)の周波数は、fnull+Δf(86)である。従って、受信信号行列r(k)にこのサブキャリアの周波数fnull(84)を乗算して信号成分を復号しようとしても、CFOの分だけずれているために、null信号を取り出せない。
しかし、サブキャリアの中心周波数を少しずつずらしながら、受信信号に乗算を行うと、fnull+Δfの周波数で、取り出した信号がゼロになる点、若しくは最もゼロに近い点を得ることができる。30式の操作は、そのようなΔfを探す操作に他ならない。この場合の分解能は、εの分解能に対応し、例えば上記の場合、サブキャリア間隔f×0.01に相当する周波数となる。
このようにして受信信号にCFOだけが存在する場合は、上記のようにしてCFOを推定することができ、推定したCFO分を補償することで、オフセットのない受信信号を得ることができる。しかし、実際には受信信号にCFOだけが存在することはなく、DCOも同時に存在するため、次のDCOを考慮した補償を行う必要がある。
<DCOをキャンセルしたCFO推定法(ME−TDA法)>
次に、DCOを近似的にキャンセルした上で、CFOを補償する方法について説明する。オフセット量がβであるDCOがあった場合の受信信号は、19式のように表すことができる。19式を再掲載する。
Figure 2008156133
・・・(19)
さて、受信信号である行列r(k)に左からCFOを補償する操作を表す行列E(v)と、nullのキャリアである行列wQ+iをかけると以下のようになる。これはサブキャリアを少しずつずらしながら、null信号を送ってくるサブキャリアを復号する操作に当たる。
Figure 2008156133
・・・(31)
31式において、右辺第2項はDCオフセット成分を表す。行列E(v)はサブキャリアの帯域の半分より小さい周波数シフトを表し、行列wQ+iの共役転置行列は、サブキャリアの帯域より大きな周波数シフトである。さらに行列aは全て1の縦行列であるので、これらの内積である右辺第2項は一般的にゼロにはならない。従って、この成分があるために、DCOを考慮しなかった場合のCFOの推定(ME法)のように、vを変化させて31式の左辺を計算してもゼロにならない。そこでDC成分を消去することを考える。もちろん、DC成分がどれくらいあるのかはわからない。
ここでOFDM信号の特徴を考える。OFDMでは、1シンボル期間の間のデータの総和は常にゼロになる。実際に受信した信号のデータの総和がゼロにならないのは、CFOやDCOなどの影響によるものである。DCOがどの程度実際の信号のデータの総和に影響を及ぼしているかはわからないが、それでも、1シンボル期間の信号の平均は、DCO成分とそれほど大きな違いはないと考えられる。
そこで、19式の信号において、1シンボル期間のデータの平均を求め、これを差し引くことで直流成分を消去する操作を考える。1シンボル期間のデータの平均は以下の式32式で表される。
Figure 2008156133
・・・(32)
32式で左辺の項は行列r(k)の平均値を示す(以後「平均値r(k)」という。)。行列aの共役転置行列を左からかけるのは、シンボル期間に渡って信号成分を積算する操作に対応する。すなわち、要素がすべて1のN×1の行列を左からかける。行列aは、IDFTのDC成分の√N倍であるが、要素がすべて1となるので、要素が全て1のN×1行列をこの行列で代表させた。従って行列r(k)の平均はスカラー量である。すなわち、平均値r(k)はスカラー量である。また、行列aは要素がN個あることを考慮し次の33式で表される関係を使った。
Figure 2008156133
・・・(33)
次に、受信信号行列r(k)に変わって、以下のような行列Ψ(k)を定義しておく。行列Ψ(k)は受信信号から直流成分を差し引き、見かけ上CFOだけが存在する状態にしたものである。34式に具体的に示す。
Figure 2008156133
・・・(34)
ここで、行列Ωを次の35式のように定義した。
Figure 2008156133
・・・(35)
従って行列Ωは対角要素が「1−1/N」であり、その他の要素が「−1/N」であるN×Nの行列である。
34式で平均値r(k)に行列aをかけているのは、行列として扱うためである。すなわち、シンボル期間の間の全受信データから平均値r(k)を減算する。ここで行列Ωは、直流成分をなくすための行列として導入したものとなる。上記の操作を行うことでDCO成分であるβは考慮しなくてよくなっている。35式の右辺第1項で、Iは単位行列であり、N×Nの正方行列である。35式の右辺第2項は、N×1の縦長行列に1×Nの横長行列をかけているのでやはりN×Nの正方行列になる。またこれらの行列は行列aと、行列aの転置行列の積であるから、各要素がすべて1の行列である。
このような行列Ψ(k)は、直流成分の項を行列式に吸収した形になっているが、信号の帯域自体は何も変わっていない。そして行列Γ(ε)を有しているので、行列Ψ(k)は相変わらず行列r(k)とおなじCFO(=ε)を有している。
この式34式は一見するとME法を適用できるように見える。すなわち、以下の式でvを様々に変化させるとv=εの時にゼロにできそうにも見える。
Figure 2008156133
・・・(36)
36式は、シンボル期間中のデータの平均値r(k)をDCOとみなして、差し引いているので、DCOを考慮しなかった前述のME法よりも改善した方法であると言える。そこで、この方法をME−TDA(MUSIC−Like−Estimator by a Time−Domain Average)法と呼ぶ。
ME−TDA法を実際に使うために36式を以下のような形に変形しておく。
35式の行列Ωを19式の行列r(k)にかけると以下の37式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(37)
ここで右辺第2項は次の38式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(38)
よって37式は以下の39式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(39)
この関係を36式に適用する。40式に具体的に示す。
Figure 2008156133
・・・(40)
行列wQ+iは、nullが伝送されるサブキャリアであるので、予め分かっている。行列E(v)もME法で説明した通りであるので、予め定められた刻み幅で求めておくことができる。
行列Ωはデータの分割数Nがわかれば、サイズと要素は35式より簡単に分かる。行列r(k)は受信信号そのものである。従って、ME法と同様に、受信信号に予め計算しておいたデータを次々と掛け算することで実施することができる。すなわち、40式をコスト関数とすることで、図3の構成の装置は、ME−TDA法を実施することができる。
29式と同じ具体例で説明すると、行列wQ+iや行列E(v)は29式と同じであり、行列Ωは35式で求められる。従って予め計算しておくのは、以下の41式に示す計算による数値である。
Figure 2008156133
・・・(41)
なお行列ΩはN×Nの方形行列で、対角要素が「1−1/N」であり、その他の要素が「−1/N」である。従って各式の右辺の計算結果はN×1の横長行列である。これを図2乃至3の装置で実施する場合は、上記のそれぞれの式を図4のCFOチェックデータ(44)とおけばよい。すなわち、図6の処理フロー(a)で示した行列G(v)として、図5の処理フローを実行する。
このようにME法と同様にCFOを推定する処理は求められるが、40式の行列Ωはvによらず一定なので、コスト関数となる40式は基本的にゼロにはならない。すなわち、34式で一見してME法を適用できそうに見えたME−TDA法ではあるが、ME法より改善されているものの、推定の精度にはまだ十分でない点がある。
この原因は、受信信号からシンボル期間のデータの平均値r(k)をDCOに近いものとして差し引いたために、信号作成時のOFDMのサブキャリア間の直交性が壊れているにもかかわらず、無理やりME法を適用しようとした点にある。図6(a)で示したDcdは32式の平均値r(k)である。
つまり、直交性が失われた状態で、null信号を復号しようとしても、出力はゼロにはならず、またコスト関数40式が最小になるvが最もCFOに近いという保証もない点に推定精度があがらない原因がある。そこで、34式の行列Ψ(k)に対して新たな直交サブキャリアの組を求めることで、より精度の高いコスト関数を求めることを考える。
<DCOとCFOをともに推定する推定法>
<CNSE法>
ME−TDA法で、考慮していなかった点は、DCOやCFOによって、信号作成時のOFDM信号のサブキャリアに生じた直交性の喪失という点である。直交性の喪失は39式の右辺にある行列d(k)以外の項に現れている。行列d(k)は伝送中の周波数応答の影響を受けているとはいえ、送信信号そのものであるからである。そこで、直交性の喪失を考慮したうえでDCOとCFOを共に推定する方法を示す。まず、そもそもの受信信号は19式のようであった。19式を再度掲載する。
Figure 2008156133
・・・(19)
ところで、行列Γ(ε)はN×Nの行列であり、行列WはN×Qの行列である。行列d(k)とβ行列aは共にN×1の縦長ベクトルである。これをあらわに表すと以下の42式になる。
Figure 2008156133
・・・(42)
なお、行列Γ(ε)は対角行列でありCFOのずれ分を表す。各要素は数13に示したとおりである。各対角行列の要素をΓN,Nと記載した。また、行列Wは、OFDMによるサブキャリアへの変換を表す行列で、8式に示した行列である。それぞれの要素をWN,Qと記載した。
行列Γ(ε)と行列Wをあらわに書くと以下の43式および44式のようになる。
Figure 2008156133
・・・(43)
Figure 2008156133
・・・(44)
行列d(k)はもともとの送信信号である。βはDCO成分を表す。
上記の式を次の45式のように変形する。
Figure 2008156133
・・・(45)
行列[ΓW1]は、CFOが発生したOFDM伝送特性(「行列Γと行列Wの内積の部分)に、さらにDC成分(要素が1のベクトル)を新たなキャリアとして加えたものである。それに伴って、送信信号行列d(k)中にもDC成分としてβを加え、行列dQβ(k)とした。行列[ΓW1]をあらわに書くと46式になる。
Figure 2008156133
・・・(46)
言い換えると、そもそもの伝送システムからε分の周波数のズレを有するサブキャリアと、DC成分の伝送用サブキャリアを有する新たな伝送システムを考える。さらに送信信号にもDC成分を加えた新たな信号行列dQβ(k)を送る。この新たな信号行列dQβ(k)が、行列[ΓW1]の伝送システムによって、CFOもDCOも生じずに、伝送されると考えるわけである。この変形は、CFOとDCOが発生しているOFDMの伝送状態の見方を変えただけで、19式と内容は同じである。
次に、ここで行列Θ(v)を以下の47式のように定める。
Figure 2008156133
・・・(47)
この行列Θ(v)はN×(Q+1)の行列である。このような行列Θ(v)に対して、直交行列を含むいくつかの行列に分解する方法として特異値分解(SVD=Singular Value Decomposition)という方法がある。特異値分解の手法によると行列Θ(v)は以下の48式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(48)
ここで、行列U(v)はN×Nの直交正方行列である。行列U(v)はN×(Q+1)の縦長行列であり、行列U(v)はN×(N−Q−1)の縦長行列である。行列Σ(v)はN×(Q+1)の行列である。行列Σ(v)は非対角要素がゼロである対角行列である。対角要素は特異値と呼ばれる。行列Σ(v)のその他の部分は全てゼロの要素である。行列V(v)は(Q+1)×Nの横長行列であり、各行はそれぞれ直交している。すなわち、次の49式の関係が成り立つ。
Figure 2008156133
・・・(49)
この特異値分解は、固有値分解に似ているが、固有値分解が正方行列に対してでないとできないのに対して、正方行列でない行列を、直交行列と非対角要素がゼロでない対角行列とに分解する際に用いられる。
このように特異値分解をした利点は、行列U(v)の中の任意の列uZ,i(v)を抜き出し、その共役転置行列(1×Nの行)を行列Θ(v)に左側からかけると、その乗算結果をゼロにできる点にある。すなわち、以下の50式の関係が成り立つ。
Figure 2008156133
・・・(50)
詳しく追うと、行列U(v)は直交行列であるから、そのi番目の1列である行列uZ,i(v)を取り出し、共役転置にして行列U(v)に左側からかけると、自分自身の行との掛け算になった部分は1となり、それ以外はゼロである。具体的には51式に示す。
Figure 2008156133
・・・(51)
また、行列U(v)はN×(Q+1)の行列であるから、上記の値「1」は先頭からQ+2番目以後にある。この結果を行列Σ(v)にかけると以下の52式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(52)
行列Σ(v)のQ+2行目以下は全てゼロの要素であるので、51式の結果で得られた値「1」は、必ずゼロとの乗算となり、必ずゼロになる。また行列Σ(v)がN×(Q+1)の行列であることを考慮すると行列のサイズは、1×(Q+1)の行列となる。50式はこの結果に行列Vs(v)を乗算したものである。つまり、要素が全てゼロの行列をかけるので、行列Vs(v)がいかなる要素を有していても、ゼロ行列となる。
従って、入力信号行列r(k)に、行列U(v)から抜き出した行列uZ,i(v)をかけたものはv=εの条件の時に、ゼロになる。具体的には53式に示す。
Figure 2008156133
・・・(53)
行列uZ,i(v)は行列Θ(v)から求まるものであるが、その行列Θ(v)は46式で示すように、行列Γ(v)と行列Wに要素が1のベクトルを加えたものからできている。これらは伝送システムのパラメータから求められる行列であるから、行列uZ,i(v)は種種のvに対して、予め計算しておくことができる。
また、上記の変形では送信側からは新たな送信信号行列dQβ(k)が送信されたと仮定しているが、受信側では確認できるのは受信信号行列r(k)であるので、コスト関数を考える際に、新たな送信信号行列dQβ(k)については、考慮する必要がない。
結局53式は、CFOとDCOが発生している受信信号に、予め計算しておける一連の値を次々に乗算していくと、ちょうどCFOが生じているところでゼロになるコスト関数行列uZ,i(v)を得ることができたことを示している。
これは、41式で示したME−TDA法をさらに改善させた方法である。すなわち、シンボル期間のデータの平均値をDCOと見なして補償し、さらに53式をコスト関数として求めたvでCFOを補償することが可能である。この方法をCNSE(Common Null Space base Estimator)法と呼ぶ。図6(b)で示したDcdは32式の平均値r(k)を用いる。
ところで、53式を求めることができたのは、N×(Q+1)のサイズであった行列Θ(v)を特異値分解することによって得られた行列U(v)によるところである。このような行列U(v)は行列Θ(v)が正方行列でなかったからできたことである。すなわち、行列FのIDFT行列において、nullを伝送するキャリアがあったから、行列Θ(v)はN×(Q+1)の行列と見なせることができた。言い換えると、この手法はOFDMの伝送システムにおいて、null信号が送られているキャリアが存在しなければ使うことはできない。なお、行列G(v)については、次のACNS法で詳細に説明する。
<ACNSE法>
53式を用いてさらに精度の高い補償が可能になる。53式で推定したCFOは、DCOの補償をシンボル期間のデータの平均値r(k)で代用したものとはいえ、精度の高い推定である。従って、ここで推定したCFOを用いて、DCOを再度推定し直す。
19式の受信信号に対して先ほどのCFO分をδとして推定し、さらにQ+i番目のサブキャリアを復調させると以下の54式のようになる。
Figure 2008156133
・・・(54)
今δはほぼεと符号が逆で大きさが同じであるとみなせるので、右辺1行目第1項はほぼゼロになる。さて、1行目左辺は、全て計算若しくは観測(具体的には受信)することで、既知の値となる。また、1行目右辺第2項の行列w Q+i、行列E(δ)、行列aも計算することができる。
すなわち、1行目右辺第2項(=2行目)のβだけが未知数である。そこで、まず行列yi,kと行列xi,kを以下の55式および56式ように定義する。
Figure 2008156133
・・・(55)
Figure 2008156133
・・・(56)
これによって54式は「行列yi,k=β行列xi,k」と表せる。これを満足させる行列yi,kと行列xi,kは、nullを伝送するサブキャリアの数だけ存在する。つまり、(N−Q)個ある。従って、「行列yi,k=β行列xi,k」となる等式は全部で(N−Q)×K個ある。これらの行列yi,kと行列xi,kを列ベクトルy、列ベクトルxで表す。Least square法を用いると、βは以下のように推定することができる。βの推定値を「βe」と表す。あらわに書くと57式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(57)
この「βe」は、CNSE法でCFOを補正した後の受信信号の中でnullを伝送しているサブキャリアを復調した時の値をDCOとして推定しているので、シンボル期間のデータの平均値r(k)よりさらに精度の高い推定と言える。この「βe」は、図6(c)のステップ(S1016)で示したDcdである。なお、ここで推定した「βe」の値を19式の「β」の値に戻して、再度CFO、およびDCOを推定することも可能である。このようにCNSE法に基づいてさらにDCOを推定する方法をACNSE(Advanced Common Null Space base Estimator)法と呼ぶ。
次にACNSE法で用いたCFOの推定を、より具体的に説明する。53式を具体的に実施するにはvを変化させた行列U(v)を予め用意しておき、観測値である行列r(k)に次々と掛ける。すなわち、内積を計算する。53式は、行列Uz(v)の1つの列の共役転置行列を用いたが、行列U(v)の列であればどの列を用いてもよいし、いくつ用いてもよい。すなわち、下記の58式の関係が成り立つ。
Figure 2008156133
・・・(58)
行列U (v)は(N−Q−1)×Nのサイズである。ここで、行列U (v)のうち少なくとも1以上の行ベクトルを抜き出して集めた行列を図6の行列G(v)とする。59式には全ての行を集めた場合のG(v)を示す。
Figure 2008156133
・・・(59)
そして、行列G(v)と行列r(k)の内積のノルムの値がゼロになったときのvがCFOすなわちεである。53式をゼロにできるvの値が求められない場合は、53式が最も小さくなるvをCFOの推定値とすればよい。
具体的な計算を示す。vの時のG(v)は、上記に示したように(N−Q−1)×Nの行列である。あらわに書くと60式のようになる。
Figure 2008156133
・・・(60)
入力信号は16式であった。16式を再掲する。
Figure 2008156133
・・・(16)
60式と16式を58式に代入すると、58式の計算は以下の61式のように表される。
Figure 2008156133
・・・(61)
このように行列G(v)r(k)は複数個の値として求めることができるが、これらの値の総和を行列G(v)r(k)の評価値としてかまわない。すなわち、以下の値を図5で説明した行列Ravとする。また、図6(b)、(c)で示した行列Ravとなる。あらわに書くと62式のようになる。
Figure 2008156133
・・・(62)
61式においては、行列G(v)の、どの列と入力信号行列r(k)の内積をとってもよい。もともと、行列G(v)の列行列は、特異値分解によって得られた要素ゼロの行列であるからである。従って、N−Q−1個の列行列を全て使う必要はなく、使用する演算器(30)の演算速度によって適宜、列の個数を選べばよい。また、DCOは57式に基づいて計算すればよい。
なお、CNSE法、ACNSE法のいずれにおいても上記で説明した行列G(v)を用いることができる。すなわち、図2乃至3の補償部(17)ではこれらの何れかの方法を用いることができる。また、これらの方法のいくつかを有し、切り替えて用いることもできる。また、本実施の形態ではCFOはサブキャリアの幅で規格化して説明を行ったが、周波数を直接用いてもよい。また、53式の結果が最小になるように計算する際には、最小値を求めたと判断できれば、全てのCFOチェックデータについて計算しなくてもよい。
本発明の補償方法についてシミュレーションを用いてその効果を確認した。OFDMの伝送システムとして、IEEE802.11aのWLAN規格を想定した。バンド幅は20MHz、サブキャリアは、64本、サブキャリア間隔は20M/64=0.3125MHz、転送レートは12Mbpsである。変調方法はQPSKとした。シンボル長は3.2μsec、ガードインタバルは0.8μsecである。64本のサブキャリアのうち、null信号を送るサブキャリアは12本とした。vの刻み幅は0.01(無単位)である。従って、CFOのスキャンは0.01×0.3125M=3.125kHz毎になる。
サブキャリアの数Nが64であることから35式を用いて行列Ωが求められる。null以外の信号を送信するサブキャリアが52本あり、どのサブキャリアであるかを決めてあるので、11式によって行列Wも求めることができる。上記のようにサブキャリア間隔とvの刻み幅がわかっているので、13式より行列Γ(v)も求めることができる。
従って、47式によって行列Θ(v)を求めることができる。これを特異値分解することで、行列U(v)を求めることができる。CFOチェックデータである行列G(v)は59式によって行列Uz(v)の共役転置行列として求められる。行列G(v)はあらかじめ計算しておく。
受信信号は、以下のような手順で作成した。まず、OFDM方式によって送信波を作成し、周波数選択フェーディングパスの効果を与え、受信信号(CFO、DCO、ノイズが含まれていない)のパワーは1になるように調整した。その後、所定のCFOシフト、DCOの付与、そしてノイズを加算することで受信信号を作成した。
周波数選択フェーディングは、送信波の電力がレイリー分散に従い指数関数的に減少するものとした。それぞれのパスを通過した信号はガードインタバルの区間内に到達するものとした。従って、各パスでの位相シフトは、ゼロから2πの間に均等に発生するものとした。
図13に本願のシミュレーターのフローを示す。シミュレーターがスタートすると(S1050)、初期値の設定を行う(S1052)。ここでは、vをvstartに設定する。vstartは、CFOを探し始める初期値であり、通常はLOの特性に依存する。搬送波中心周波数5GHzの場合、±40PPMのLOに対して、−40ppm*5G/0.3125M=−0.64から始める。本シミュレーターでは、−0.64から始めた。
minには適当に大きな値を入れておく。Rminは計算結果の最小値を記録するための変数として使用する。従って、初期値として1以上の実数値を与えておけば足りる。Drtにはvの値を入れる。Drtはεに最も近いvが記録されることになる。CFOにあたるεとDCOにあたるβは、予め与えておく。
次にオリジナルデータODを作成する(S1054)。まず、ランダムに発生させたQPSK信号を52個づつに分け、シリアルパラレル変換を行った後、それぞれ52個をサブキャリアに対応され、IFFTでOFDM変調された後、パラレルシリアル変換を行う。ここで、作成したデジタル情報が送信データである。これにガードインタバルを付加してオリジナルデータとした。実施の形態における1式よりオリジナルデータの一つOFDMシンボル信号は、時間軸方向に64+16=80サンプルのデータとなる。
次にノイズを作成する(S1056)。ノイズは理想信号のパワーを1に規格化し、それに所望のSNRになるように白色雑音を電力として加えた。ノイズの周波数特性はフラットである。
次にシミュレーターへの入力信号rを作成する(S1058)。入力信号rは、オリジナルデータに周波数選択フェーディングパスの効果を与え、CFOにあたるεだけ周波数をシフトさせ、ノイズを加算し、そしてDCOであるβを付与することで作成した。
次に行列G(v)と入力信号rのノルムを求める(S1060)。これは行列G(v)と入力信号rの内積を計算し、その結果を2乗して総和を取り、平方根をとることを意味する。本シミュレーションでは、行列G(v)の列行列はnullデータを送信するサブキャリアを全部使った。従って、行列G(v)は11×64の行列である。すなわち、行列G(v)とrの内積は11個の要素が結果として得られるが、RCNSEは、これらの要素の2乗の総和の平方根として得られる。
次にRCNSEとRMINを比較する(S1062)。ここで、RCNSEの方がRMINより小さければ、RCNSEを新たなRMINとし、Drtにこのときのvを代入する(S1064)。RCNSEの方がRMINより大きければ、S1064をスキップする。このようにすることで、RMINには、計算した中で最も小さいRNSEが記録され、そのときのvはDrtとして記録される。
次にvが計算する最後のvか否かを判定する(S1066)。本シミュレーションではvendは0.64である。まだ計算するvが残っている場合はvをΔvだけインクリメントし(S1068)、またRCNSEを計算する。ここでΔvは、0.01刻みである。
vを最後まで計算し終わると、DCOを計算する(S1070)。DCOは55式乃至57式に従って計算される。55式と56式にはδがあり、このδがDrtにあたる。
次にεとDrtの差の絶対値を算出し、SNRとともに出力し(S1072)、終了する(S1074)。
本発明の効果を比較するために、ME法とME−TDA法についてもシミュレートを行った。それぞれのフローを図14および図15に示す。
ME法では、本願のフローとほとんど同じであるが、本願のシミュレーションのS1060で、入力信号である行列rとの内積をとる行列が異なる。そこで、ここはS1100とした。これは、ここで用いる行列は27式の具体例で示した行列である。また、ME法ではDCOを求めることはできないので、本願のシミュレーションにおけるステップ(S1070)に相当するステップはない。
ME−TDA法も、ME法と同じであるが、本願のフローS1060の工程が異なる。ME−TDA法ではステップ(S1150)とした。ここで、入力信号との内積をとるのは、行列G(v)であり、41式で例示した行列である。
以上のようなシミュレーターを用いて本願の推定方法と、ME法、およびME−TDA法の違いを計算させたのが図16である。図16で、縦軸はεとDrtの差の2乗である。NMSEはNormalized mean Sqoqre errorの略である。横軸は受信した信号すなわち、シミュレーターでは、入力信号rのSNRを示す。CFOであるεは0.32であり、DCOであるβはβの2乗が0.5になるように設定した。なお、βは複素数として与える。
εの0.32はCFOで93.848kHzに相当する。三角はME法、丸はME−TDA法、四角は本発明のACNSE法である。図ではCNSE法となっているが、CFOの推定では、CNSE法もACNSE法も全く同じである。SNRが低いところでは、3つの方法にはそれほど際はないが、SNRが高くなるに従い、まずME法でのCFOの推定は改善しなくなる。これはME法では、DCOを全く考慮していないためと考えられる。
また、ME法では、受信信号のSNRが高くなってもCFOをほとんど推定できていないことを表している。すなわち、ME法ではパイロット信号のないOFDM信号のCFO推定が不十分であることを示している。
次にME−TDA法ではSNRが15dB程度以上では推定誤差が一定になってしまう。ME−TDA法はある程度DCOを考慮に入れているものの、原理的にコスト関数をゼロにできないので、やはり推定には限界がある。
ACNSE法では、SNRがよくなるに従ってCFOの推定はどんどん真値に近づいてゆくのがわかる。本発明の推定方法も完全にCFOを推定することはできないものの、従来の方法と比較すると、その推定の精度は非常に高い。
図17は、εとβをそれぞれ0.08とβの2乗が0.5にした場合の結果を示す。すなわち、DCOは変わっていない。この場合も、ME法ではCFOを全く推定されていないといえる。一方、ME−TDA法はSNRが20dB程度までは真値に近づくことができる。しかし、それ以上推定値は真値に近づかない。CNSE法(ACNSE法)では、SNRがよくなるに従ってCFOの推定はどんどん真値に近づいてゆく。
図18には、ACNSE法のDCO推定能力を示す。図18で縦軸はDCOの真値と推定値の差の2乗を表す。横軸は入力信号のSNRである。ACNSE法では、入力信号のSNRが高くなるに従い、どんどん真値に近い推定を行うことができる。
図19には、ブロックエラーレートのシミュレーション結果を示す。縦軸はブロックエラーレートを表し、横軸は入力信号のSNRを表す。ME法では、受信信号のSNRが向上しても、ブロックエラーレートに対する改善効果は全くない。しかし、ME−TDA法やACNSE法では、受信信号のSNRが向上すると、ブロックエラーレートも改善する。ブロックエラーレートの目安は、1000byteの長さに対するブロックエラーレートが10%以下であることが望ましい。
図19では、ME−TDA法では、ブロックエラーレートは10%以下になっていはいない。しかし、図16、17から明らかなように、受信信号のSNRに対するCFOの推定精度は、CFOの大きさに依存する。従って、CFOの大きさが小さければ、ME−TDA法でもブロックエラーレートを10%以下にすることは可能である。一方、ACNSE法は、CFOの大きさが大きい場合でもブロックエラーレートに対して十分な効果を有する。以上のように本発明のME−TDA法、CNSE法、ACNSE法はパイロット信号が使えない局面で大変有用な補償方法である。

Claims (7)

  1. OFDMの受信信号の1シンボル分のデータを取り出す工程と、
    予め複数組用意されたCFO候補値と前記CFO候補値に対応するCFOチェックデータの組から選択された前記CFOチェックデータを前記1シンボル分のデータに乗算する工程と、
    前記乗算の結果が最小となる時の前記CFO候補値をCFO推定値として求める工程と、
    前記CFO推定値に相当する周波数分だけ前記受信信号を補償する工程を有する
    OFDM信号の補償方法。
  2. 前記CFOチェックデータは、
    OFDM信号への変換行列をサブキャリアの数をNとして行列F(5式)とし、
    前記行列F中でnull信号でない信号を伝送するサブキャアリアがQ個ある時に、前記サブキャリアを集めた行列を行列W(44式)とし、
    前記CFO候補値v分だけ周波数をシフトする行列をΓ(v)(43式)とし、
    前記行列Γ(v)と前記行列Wの内積の結果得られた行列に要素が全て1の列ベクトルを加えた行列を行列[Γ(v)W1](46式)とし、
    前記行列[Γ(v)W1]を特異値分解して得られる行列をΘ(v)(48式)とし、
    前記行列Θ(v)の中の行列Uz(v)から選ばれた少なくとも1以上の列ベクトルからなる行列の共役転置行列である請求範囲1記載のOFDM信号の補償方法。
    Figure 2008156133
    ・・・(5)

    Figure 2008156133
    ・・・(44)

    Figure 2008156133
    ・・・(43)


    Figure 2008156133

    ・・・(46)

    Figure 2008156133
    ・・・(48)
  3. 前記CFO推定値に相当する周波数分だけ前記受信信号を補償し、nullを伝送するサブキャリアを復調した際の値をDCO推定値として求める工程と、
    前記DCO推定値でDCOを補償する工程を含む請求範囲1記載のOFDM信号の補償方法。
  4. 前記1シンボル分のデータの加算平均をDCO推定値として求める工程と、
    前記DCO推定値でDCOを補償する工程を含む請求範囲1記載のOFDM信号の補償方法。
  5. 予め複数組用意されたCFO候補値と前記CFO候補値に対応するCFOチェックデータの組を記憶したメモリと、
    入力されたOFDMの受信信号に前記前記CFOチェックデータに乗算し、
    前記乗算の結果が最小となる時の前記CFO候補値をCFO推定値として求め、
    前記CFO推定値に相当する周波数分だけ前記受信信号を補償する補償部を有する
    OFDM信号の受信機。
  6. OFDMの受信信号の1シンボル分のデータを取り出す工程と、
    予め複数組用意されたCFO候補値と前記CFO候補値に対応するCFOチェックデータの組から選択された前記CFOチェックデータを前記1シンボル分のデータに乗算する工程と、
    前記乗算の結果が最小となる時の前記CFO候補値をCFO推定値として求める工程と、
    前記CFO推定値に相当する周波数分だけ前記受信信号を補償する工程を実行するプログラム。
  7. 請求範囲6に記載したプログラムを記録した記録媒体。
JP2009520526A 2007-06-20 2008-06-19 Cfoとdcoを有するofdm信号の補償方法、プログラム、記録媒体および受信機 Pending JPWO2008156133A1 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007162277 2007-06-20
JP2007162277 2007-06-20
PCT/JP2008/061202 WO2008156133A1 (ja) 2007-06-20 2008-06-19 Cfoとdcoを有するofdm信号の補償方法、プログラム、記録媒体および受信機

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPWO2008156133A1 true JPWO2008156133A1 (ja) 2010-08-26

Family

ID=40156291

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009520526A Pending JPWO2008156133A1 (ja) 2007-06-20 2008-06-19 Cfoとdcoを有するofdm信号の補償方法、プログラム、記録媒体および受信機

Country Status (4)

Country Link
US (1) US20100177851A1 (ja)
JP (1) JPWO2008156133A1 (ja)
KR (1) KR20100042613A (ja)
WO (1) WO2008156133A1 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100923913B1 (ko) * 2005-11-17 2009-10-28 삼성전자주식회사 다중 사용자 간섭 제거 장치 및 방법
KR20100090244A (ko) * 2007-11-05 2010-08-13 고리츠다이가쿠호징 오사카후리츠다이가쿠 Cfo,dco의 왜곡량 추정방법 및 이를 이용한 수신신호 보정방법, 수신장치
WO2010061532A1 (ja) * 2008-11-01 2010-06-03 公立大学法人大阪府立大学 Ofdm通信システムにおけるアナログ損失のハイブリッドドメイン補償パラメータの求め方と補償方法
US8824272B2 (en) 2012-10-09 2014-09-02 The Aerospace Corporation Resolving co-channel interference between overlapping users using rank selection
CN104158784B (zh) * 2014-08-28 2017-07-28 东南大学 一种dco‑ofdm系统的符号检测方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2856480B2 (ja) * 1990-02-27 1999-02-10 日本電気株式会社 信号同期方式の信号検出装置
JP2765600B2 (ja) * 1991-09-19 1998-06-18 日本電気株式会社 復調回路
JP2531118B2 (ja) * 1993-12-02 1996-09-04 日本電気株式会社 自動周波数制御装置
US6041074A (en) * 1996-05-24 2000-03-21 Ricoh Company, Ltd. Spread spectrum pulse position modulation system
JPH09321660A (ja) * 1996-05-24 1997-12-12 Ricoh Co Ltd スペクトル拡散パルス位置変調通信方法,スペクトル拡散パルス位置変調送信機及びスペクトル拡散パルス位置変調受信機
SE513768C2 (sv) * 1999-03-26 2000-11-06 Ericsson Telefon Ab L M Förfarande för effektiv synkronisering i ett kommunikationssystem
JP2002208869A (ja) * 2001-01-09 2002-07-26 Sony Corp マルチバンド無線信号送受信装置
JP2002341236A (ja) * 2001-05-21 2002-11-27 Matsushita Electric Ind Co Ltd 合焦度合表示装置
US6834260B2 (en) * 2001-12-28 2004-12-21 Intel Corporation Interference reduction by step function removal
US7038733B2 (en) * 2002-01-30 2006-05-02 Ericsson Inc. Television receivers and methods for processing signal sample streams synchronously with line/frame patterns
US7046744B2 (en) * 2002-03-15 2006-05-16 Agency For Science, Technology And Research Method and apparatus for frequency offset estimation, and system utilizing same

Also Published As

Publication number Publication date
KR20100042613A (ko) 2010-04-26
US20100177851A1 (en) 2010-07-15
WO2008156133A1 (ja) 2008-12-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110493156B (zh) 5g移动通信系统中基于星座点分集的频偏估计方法
US7609789B2 (en) Phase noise compensation for MIMO WLAN systems
CN102447656B (zh) 用于处理被接收ofdm数据符号的方法和ofdm基带接收器
EP2130343B1 (en) Frequency offset correction
WO2009099013A1 (ja) 移動通信システム、受信装置及び方法
US20040184570A1 (en) Method and apparatus for reducing interference within a communication system
US20060056554A1 (en) Adaptive IQ imbalance correction for multicarrier wireless communication systems
US20100208783A1 (en) Method for calculating cfo and i/q imbalance compensation coefficients, compensation method using the same, and method for transmitting pilot signal
EP2453587B1 (en) Method, apparatus and system for transmitting channel state information
US20080118012A1 (en) Method and apparatus for interference cancellation in a wireless communication system
JP6996496B2 (ja) Los-mimo復調装置、通信装置、los-mimo伝送システム、los-mimo復調方法及びプログラム
US8218694B2 (en) Method for transmitting a digital signal, method for receiving a digital signal, transmitter and receiver
JPWO2008156133A1 (ja) Cfoとdcoを有するofdm信号の補償方法、プログラム、記録媒体および受信機
WO2008052573A1 (en) Residual carrier frequency offset estimation and correction in ofdm multi-antenna systems
CN102130864A (zh) 一种信道估计方法和装置
JP5147089B2 (ja) Ofdm通信システムにおけるアナログ損失のハイブリッドドメイン補償パラメータの求め方と補償方法
JP4925418B2 (ja) 送信装置及び通信システム
US7606331B2 (en) Frequency offset compensation in radio receiver
Yin et al. Design and performance analysis of AFDM with multiple antennas in doubly selective channels
CN108540187B (zh) 基于mmse准则提高非线性mu mimo系统性能的方法及装置
Anand et al. A use-case efficient DFrFT-based index modulated-OFDM system in the presence of CFO
Kotzsch et al. Joint detection and CFO compensation in asynchronous multi-user MIMO OFDM systems
JP2008135888A (ja) Cfoとdcoの補償機能を有するofdm受信機
Guerreiro et al. CE-OFDM schemes: Spectral characterization and optimum performance
Masmoudi et al. Subspace-based self-interference cancellation for full-duplex MIMO transceivers