JPWO2008155805A1 - キャッシュメモリ装置、演算処理装置及びその制御方法 - Google Patents
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Abstract
Description
そこでまず、以下に、本発明のキャッシュライン交替レジスタの搭載されていない、従来のキャッシュの構成について説明する。本発明の構成は、キャッシュライン交替レジスタの搭載されていない、従来のキャッシュの動作を、部分的に差し替える機能を追加することで実現するため、従来のキャッシュの構成について明らかにしておくためである。
図1に示した、CPU101は4つのコアCORE−0(102−0)、CORE−1(102−1)、CORE−2(102−2)、CORE−3(102−3)を備える(以下、COREを102とする)。
キャッシュは、WAY0(201)とWAY1(202)の二つのWAYからなる。アドレス信号がそれぞれのWAYに与えられると、それぞれのアドレスのデータを読み出し、データ信号線に出力する。データ線205にはWAY0のキャッシュRAM出力データが、データ線206にはWAY1のキャッシュRAM出力データが出力される。また、WAY選択回路203にWAY情報が与えられると、データ線205とデータ線206のいずれかを選択して、IU104(またはEU105)にデータを出力する(207)。
上述のような構成において、キャッシュの動作についてフロー図を用いて以下に詳細に説明する。
キャッシュメモリの読み出しにおいては、キャッシュデータ部とキャッシュタグ部およびTLB部にアクセスする。
ストア命令に対するキャッシュメモリへの書き込みにおいては、キャッシュタグ部とTLB部に1回の参照を行い、キャッシュデータ部に対しては2回の参照を行い、オペランドキャッシュパイプラインとしては2回の処理フローが実行される。
参照した次のサイクルにTLBに登録されている仮想アドレスとアクセス空間を示す情報を比較し一致した登録情報に対応した物理アドレスの取り出しを行い、その次のサイクルに1つの物理アドレスが読み出されて、仮想アドレスから物理アドレスへの変換を完了する。タグ部から読み出された2WAY分の物理アドレスとTLB部から読み出された物理アドレスを比較し、これが一致していればキャッシュメモリにストア対象のデータが存在すると判断する。(S602)
また、キャッシュタグから変更型ビットが読み出され、これが変更型であることを示していれば、キャッシュメモリが共有されておらず、ストアを実行できると判断する。また、一致したキャッシュ情報は、後のキャッシュメモリへの書き込みにおいて使用するためにストア命令処理部に記録する。それと共に、キャッシュタグにおいて一致したWAYを示す情報をキャッシュデータ部に送り、キャッシュデータ部から読み出された2WAYのデータの一方を選択する。選択されたデータは、キャッシュメモリに対してストアを実行するとき、ECC(Error Correction Code)情報を更新後のデータに対応したECCへと書き換えるために、8バイトデータ境界内におけるストア対象外のデータ保持部または部分ECC保持部へと格納される。(S603)尚、ストア対象外のECCの処理については、特許文献3および特許文献4にその詳細が述べられている。
上述したことをまとめると、従来のキャッシュライン交替レジスタの実装方式では、交替対象アドレスの比較に物理アドレスを使用し、これが一致した際に交替レジスタのデータを読み出していたが、物理アドレスは比較対象ビット数が多いためアドレス処理に時間がかかるという問題があった。また、比較対象となる物理アドレスを得るためには、TLBやキャッシュタグを参照する必要があるため、キャッシュの読み出しにおいてはキャッシュライン交替レジスタが使用できたが、キャッシュの書き込みにおいては、TLB、キャッシュタグの参照比較と書き込みのフローが通常のキャッシュ制御フローから大きく外れたものとなるため、キャッシュライン交替レジスタの使用を放棄せざるを得ず、キャッシュライン交替レジスタがストア対象となるたびに、キャッシュライン交替レジスタを無効化して主記憶参照からやりなおすなど、ストア動作時に性能低下が発生した。
本実施形態である、CPUの全体構成を図8に示す。
キャッシュRAM21、22における、キャッシュラインは64バイト単位で管理され、キャッシュRAMは64キロバイトの容量を2WAYで構成している。1WAYあたりのキャッシュライン数は512ラインとなり、キャッシュラインへのアクセスアドレスは9ビットで構成される。キャッシュデータRAMには読み出しデータ幅8バイトでライン数1024のRAM8個を採用している。
まず、図11に本実施形態におけるキャッシュの読み出し動作を説明するフロー図を示す。キャッシュの読み出しにおいては、従来通りキャッシュデータ部およびキャッシュタグ部およびTLB部を参照すると同時に、交替アドレスレジスタに対してアクセスする。図11におけるS1101〜S1112の処理は、従来のキャッシュ読み出し動作を示した図3のS301〜S312と同一の処理を行うものである。
まず、キャッシュデータ部を参照するサイクルに交替アドレスレジスタ26に格納されているインデックスアドレスとキャッシュデータ部の参照に使用したキャッシュのインデックスアドレス及びキャッシュWAYを交替アドレスレジスタ26の保持する内容と交替WAYレジスタ27の保持する内容とそれぞれ比較する(S1120)。そしてCLAAR−WAY信号とCLADRデータを取り出す(S1121)。比較結果を示すCLAAR−MCH信号と、交替WAYレジスタ27に格納された交替対象WAYを示すCLAAR−WAY信号、および交替データレジスタ25の内容を全キャッシュデータRAMへと送出する(S1122)。その次のサイクルにS1123で、CLAAR−MCH信号およびWAY−MCH信号がオンであれば、全キャッシュRAMから読み出された64バイトのデータに対して、CLARR−WAY信号が示すWAYの32バイトデータを交替データレジスタ25の内容と差し替えてキャッシュ読み出しデータとする(S1124)。S1123で、CLAAR−MCH信号がオフであれば、全キャッシュRAMから読み出された64バイトデータには操作を施さず(S1125)、キャッシュメモリから読み出されたデータをそのまま使用する。
次に図14に、キャッシュラインを無効化した後、故障キャッシュラインを使用した命令の処理を再開する動作を示す。キャッシュラインの無効化後の故障キャッシュラインを再開する動作についても、従来の処理と同様の処理を行う。すなわち図14のS1401〜S1409の処理は図7のS701〜S709に対応する。そして、図14のS1410〜S1419に示すキャッシュライン交替レジスタで行われる処理が追加されたものとなる。
次に、本実施の形態におけるストア命令に対するキャッシュへの書き込みについて図15を参照して説明する。ストア命令に対するキャッシュへの書き込み処理においても従来
通りキャッシュタグ部とTLB部に1回の参照を行い、キャッシュデータ部に対しては2回の参照を行う。また、図15のS1501〜S1512の処理は、図6に示した従来のストア命令に対するキャッシュへの書き込み処理のS601〜S612と同一の処理を行う。
すなわち、インデックスアドレスを保持する交替アドレスレジスタ26を、故障キャッシュラインのアクセスアドレスを示す9ビットと、故障ブロックを示す1ビットの合計10ビットから成るように構成した。
まず図16(a)では、交替アドレスレジスタ26の保持するビット数を11ビットとしたものを示している。故障キャッシュラインのラインアドレスであるアクセスアドレスを示すために9ビット、故障ブロックを示すために2ビットの合計11ビットを保持する。これにより、キャッシュブロック数は4ブロックとなり、キャッシュデータのリプレースを行うデータサイズが図10で示した32バイトの半分の16バイトとなる。
Claims (20)
- 複数のキャッシュラインを有するウェイを複数備え、前記キャッシュラインにデータを保持するデータ保持部と、
前記データ保持部が有するキャッシュラインの1ライン分又は前記キャッシュラインの一部のデータを保持する交替データレジスタと、
キャッシュアクセスに用いられ、前記データ保持部において故障が発生した故障キャッシュライン及び前記故障キャッシュライン内の故障発生部を指し示すインデックスアドレスを保持する交替アドレスレジスタと、
前記データ保持部の故障ビットを含む前記データ保持部におけるウェイの情報を保持する交替ウェイレジスタと、
前記データ保持部にアクセスを行う場合に、アクセスに用いられるインデックスアドレスと前記交替アドレスレジスタが保持する前記インデックスアドレスを比較するアドレスマッチ回路と、
前記データ保持部にアクセスを行う場合に、アクセスに用いられるウェイ情報と前記交替ウェイレジスタの保持するウェイ情報を比較するウェイマッチ回路と、
を備えることを特徴とするキャッシュメモリ装置。 - 前記データ保持部への読み出し参照アクセスの際、前記アドレスマッチ回路による比較結果が一致した場合に、前記交替ウェイレジスタの保持するウェイ情報に対応するウェイから読み出したデータを前記交替データレジスタの内容と差し替えて前記データ保持部からの読み出しデータとすることを特徴とする請求項1記載のキャッシュメモリ装置。
- 前記データ保持部への書き込み参照アクセスの際、前記アドレスマッチ回路および前記ウェイマッチ回路による比較結果が両方とも一致した場合に、前記データ保持部の書き込み対象ウェイにデータを書き込むと共に、前記交替データレジスタにデータを書き込み、該交替データレジスタの内容をデータ保持部の最新の状態に合わせることを特徴とする請求項1記載のキャッシュメモリ装置。
- 前記データ保持部上に故障ビットが検出された場合に、該故障ビットを含むキャッシュラインに保持していたデータを下の階層のキャッシュメモリまたは主記憶に対して必要に応じて書き戻しを行うとともに、該キャッシュラインを無効化し、無効化が完了したときに無効化対象となったキャッシュラインのアドレスを前記交替アドレスレジスタに保持し、無効化対象となったキャッシュウェイを前記交替ウェイレジスタに保持することを特徴とする請求項1乃至請求項3いずれか1項に記載のキャッシュメモリ装置。
- キャッシュメモリ装置の動作モードが、キャッシュリプレース発生時に前記交替アドレスレジスタの更新を行うキャッシュリプレースモードである場合に、キャッシュリプレース対象のキャッシュインデックスアドレスおよびキャッシュウェイで前記交替アドレスレジスタと前記交替ウェイレジスタを更新することを特徴とする請求項1記載のキャッシュメモリ装置。
- 前記データ保持部に故障ビットが発生した時ではなく、通常動作中に、前記動作モードを前記キャッシュリプレースモードに切り替え、前記交替アドレスレジスタの動作チェックおよびキャッシュメモリビットのチェックを行うことを特徴とする請求項5記載のキャッシュメモリ装置。
- 前記インデックスアドレスにおける、前記キャッシュライン内の故障ビットを含むデータブロックを示すビット数が1ビット増えるごとに、前記交替データレジスタのサイズを半減可能であることを特徴とする、請求項1乃至請求項6いずれか1項に記載のキャッシュメモリ装置。
- キャッシュメモリ装置と前記キャッシュメモリ装置に保持されたデータに対して演算を行う演算処理部とを備えた演算処理装置であって、
複数のキャッシュラインを有するウェイを複数備え、前記キャッシュラインにデータを保持するデータ保持部と、
前記データ保持部が有するキャッシュラインの1ライン分又は前記キャッシュラインの一部のデータを保持する交替データレジスタと、
キャッシュアクセスに用いられ、前記データ保持部において故障が発生した故障キャッシュライン及び前記故障キャッシュライン内の故障発生部を指し示すインデックスアドレスを保持する交替アドレスレジスタと、
前記データ保持部の故障ビットを含む前記データ保持部におけるウェイの情報を保持する交替ウェイレジスタと、
前記データ保持部にアクセスを行う場合に、アクセスに用いられるインデックスアドレスと前記交替アドレスレジスタが保持する前記インデックスアドレスを比較するアドレスマッチ回路と、
前記データ保持部にアクセスを行う場合に、アクセスに用いられるウェイ情報と前記交替ウェイレジスタの保持するウェイ情報を比較するウェイマッチ回路と、
を備えることを特徴とする演算処理装置。 - 前記データ保持部への読み出し参照アクセスの際、前記アドレスマッチ回路による比較結果が一致した場合に、前記交替ウェイレジスタの保持するウェイ情報に対応するウェイから読み出したデータを前記交替データレジスタの内容と差し替えて前記データ保持部からの読み出しデータとすることを特徴とする請求項8記載の演算処理装置。
- 前記データ保持部への書き込み参照アクセスの際、前記アドレスマッチ回路および前記ウェイマッチ回路による比較結果が両方とも一致した場合に、前記データ保持部の書き込み対象ウェイにデータを書き込むと共に、前記交替データレジスタにデータを書き込み、該交替データレジスタの内容をデータ保持部の最新の状態に合わせることを特徴とする請求項8記載の演算処理装置。
- 前記データ保持部上に故障ビットが検出された場合に、該故障ビットを含むキャッシュラインに保持していたデータを下の階層のキャッシュメモリまたは主記憶に対して必要に応じて書き戻しを行うとともに、該キャッシュラインを無効化し、無効化が完了したときに無効化対象となったキャッシュラインのアドレスを前記交替アドレスレジスタに保持し、無効化対象となったキャッシュウェイを前記交替ウェイレジスタに保持することを特徴とする請求項8乃至請求項10いずれか1項に記載の演算処理装置。
- 前記キャッシュメモリ装置の動作モードが、キャッシュリプレース発生時に前記交替アドレスレジスタの更新を行うキャッシュリプレースモードである場合に、キャッシュリプレース対象のキャッシュインデックスアドレスおよびキャッシュウェイで前記交替アドレスレジスタと前記交替ウェイレジスタを更新することを特徴とする請求項8記載の演算処理装置。
- 前記データ保持部に故障ビットが発生した時ではなく、通常動作中に、前記動作モードを前記キャッシュリプレースモードに切り替え、前記交替アドレスレジスタの動作チェックおよびキャッシュメモリビットのチェックを行うことを特徴とする請求項12記載の演算処理装置。
- 前記インデックスアドレスにおける、前記キャッシュライン内の故障ビットを含むデータブロックを示すビット数が1ビット増えるごとに、前記交替データレジスタのサイズを半減可能であることを特徴とする、請求項8乃至請求項13いずれか1項に記載の演算処理装置。
- 複数のキャッシュラインを有するウェイを複数備えるデータ保持部と、アドレスの比較を行うアドレスマッチ回路と、前記ウェイの比較を行うウェイマッチ回路と、キャッシュラインの交替を制御する第1乃至第3のレジスタを備えたキャッシュメモリの制御方法であって、
前記データ保持部の前記キャッシュラインにデータを保持するステップと、
前記第1のレジスタに、前記データ保持部が有するキャッシュラインの1ライン分又は前記キャッシュラインの一部のデータを保持するステップと、
前記第2のレジスタに、キャッシュアクセスに用いられ、前記データ保持部において故障が発生した故障キャッシュライン及び前記故障キャッシュライン内の故障発生部を指し示すインデックスアドレスを保持するステップと、
前記第3のレジスタに、前記データ保持部の故障ビットを含む前記データ保持部におけるウェイの情報を保持するステップと、
前記データ保持部にアクセスを行う場合に、前記アドレスマッチ回路により、アクセスに用いられるインデックスアドレスと前記第2のレジスタが保持する前記インデックスアドレスを比較するステップと、
前記データ保持部にアクセスを行う場合に、前記ウェイマッチ回路により、アクセスに用いられるウェイ情報と前記第3のレジスタが保持する情報を比較するステップと、
を備えることを特徴とする制御方法。 - 前記データ保持部への読み出し参照アクセスの際、前記アドレスマッチ回路による比較結果が一致した場合に、前記交替ウェイレジスタの保持するウェイ情報に対応するウェイから読み出したデータを前記第1のレジスタの内容と差し替えて前記データ保持部からの読み出しデータとするステップを備えることを特徴とする請求項15記載の制御方法。
- 前記データ保持部への書き込み参照アクセスの際、前記アドレスマッチ回路および前記ウェイマッチ回路による比較結果が両方とも一致した場合に、前記データ保持部の書き込み対象ウェイにデータを書き込むと共に、前記第1のレジスタにデータを書き込み、前記第1のレジスタの内容をデータ保持部の最新の状態に合わせるステップを備えることを特徴とする請求項15記載の制御方法。
- 前記データ保持部上に故障ビットが検出された場合に、該故障ビットを含むキャッシュラインに保持していたデータを下の階層のキャッシュメモリまたは主記憶に対して必要に応じて書き戻しを行うとともに、該キャッシュラインを無効化し、無効化が完了したときに無効化対象となったキャッシュラインのアドレスを前記第2のアドレスに保持し、無効化対象となったキャッシュウェイを前記第3のレジスタに保持するステップを備えることを特徴とする請求項15乃至請求項17いずれか1項に記載の制御方法。
- 前記キャッシュメモリの動作モードが、キャッシュリプレース発生時に前記第2のレジスタの更新を行うキャッシュリプレースモードである場合に、キャッシュリプレース対象のキャッシュインデックスアドレスおよびキャッシュウェイで前記第2のレジスタと前記第3のレジスタを更新するステップを備えることを特徴とする請求項15記載の制御方法。
- 前記データ保持部に故障ビットが発生した時ではなく、通常動作中に、前記動作モードを前記キャッシュリプレースモードに切り替え、前記第2のレジスタの動作チェックおよびキャッシュメモリビットのチェックを行うステップを備えることを特徴とする請求項19記載の制御方法。
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