JPWO2008139754A1 - 2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体及び2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体を有効成分とするメラニン生成抑制剤 - Google Patents
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体及び2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体を有効成分とするメラニン生成抑制剤 Download PDFInfo
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Abstract
皮膚外用剤に含有することができる、新規母核を有するメラニン生成抑制剤を提供する。具体的には、下記一般式(A)で表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするメラニン生成抑制剤。但し、式中、Ra1、Ra2はそれぞれ独立に、水素原子またはアルキル基を表し、Ra3は芳香族性を有する基をあらわす。
Description
本発明は、2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体を有効成分とするメラニン生成抑制剤に関し、さらには該メラニン生成抑制剤を含む皮膚外用剤、詳しくは化粧料等に関する。また更には、新規の2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体に関する。
皮膚におけるシミ、ソバカスや日焼け後の色素沈着は、皮膚内に存在する色素細胞(メラノサイト)の活性化によりメラニン生成が著しく亢進した状態である。これらの皮膚色素トラブルを防止又は改善する目的で、アスコルビン酸類、過酸化水素、コロイド硫黄、グルタチオン、ハイドロキノン、又はカテコ-ル等を配合した皮膚外用剤(特に美白剤)が知られている(例えば、非特許文献1及び2を参照)。しかしながら、これらの美白剤は何れも、美白効果、安定性等の面から問題を有する場合が存したり、或いは、その効果が限られた症状にしか有効でなかったりする場合が存しており、これらの効果のみでは充分とは言えない状況にあると言える。又、美白作用の機作としては、チロシナ−ゼ阻害効果、チロシナ−ゼ関連蛋白の分解、メラノサイトのデンドライトの伸長抑制によるメラニンの移送阻害など種々のものが存する。そのため阻害点が多数存すると同時に阻害の回避経路も存し、単一の阻害では充分には効果を奏さない場合があった。また、それぞれの阻害に適した化学構造が存すると考えられる。更に、複数の機作の阻害はより高いメラニンの産生阻害に通じるものであり、従って、新規母核のメラニン産生抑制作用を有する物質を見いだすことは、美白の効果を高める点と、新規機作のメラニン産生抑制作用を見いだす点で、有用であると考えられる。この意味で、新規母核のメラニン産生抑制作用を有する物質の探索が求められていると言える。
安定性等の面について述べれば、色素沈着症の予防又は改善に関し、アスコルビン酸類は、含水化粧料の如き水分を多く含む系においては、酸化されやすく不安定化する場合が存し、皮膚外用剤(美白剤)を変色させる原因となり得る。また、過酸化水素は保存上の安定性の問題があり、グルタチオンやコロイド硫黄は著しい異臭を放つ場合が存するため美白剤の成分として使用することは制約される。さらに、ハイドロキノン、カテコ−ルは、皮膚刺激性、アレルギ−性等に問題がある場合がある。また、これらの美白剤は何れも、有効に作用する場合があると同時に、作用しない場合があることが知られている。さらに、その原因については、詳細に知られていないのが現状である。
ジ−tert-ブチルフェノ−ル誘導体の特定の化合物は、有機感光体に代表される電子輸送機能に優れた機能性有機化合物合成における重要中間体(例えば、特許文献3を参照)として利用されている。また、ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体の特定の化合物は、その抗酸化作用により工業的な酸化防止剤(例えば、特許文献4を参照)としても一般的に使用されている。又、スリソベンゾンやベンゾンと言ったベンゾフェノン類は紫外線吸収剤として化粧料などの皮膚外用剤で汎用されている原料である。(例えば、特許文献5を参照)
また、ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体に代表されるフェノ−ル誘導体は、抗酸化作用(非特許文献1)や抗炎症作用(非特許文献2)等の生物活性を示すことが知られている。また、ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体に代表されるフェノ−ル誘導体は、抗酸化作用(非特許文献1)や抗炎症作用(非特許文献2)等の生物活性を示すことが知られている。
本発明は、上記した状況に鑑みてなされたものであり、皮膚外用剤の成分として好適な、新規母核を有するメラニン生成抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者らは、メラニン生成抑制作用を有する新規母核を求めて、鋭意研究を重ねた結果、後記一般式(A)に表される化合物又はその塩が、色素細胞のメラニン生成に対して優れた抑制効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。即ち、本発明は以下の通りである。
(1)下記一般式(A)で表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とするメラニン生成抑制剤。
(2)前記一般式(A)で表される化合物が、下記一般式(I)に表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩である、(1)に記載のメラニン生成抑制剤。
Ra3は
但し、式中、R1は独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、水酸基、メルカプト基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキルアミド基、スルフェニル基、スルホニル基乃至はハロゲン原子を表す。
(3)前記一般式(I)で表される化合物が、3,5−ジ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2',4',6'−トリメチルベンゾフェノン、(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フルオロベンゾフェノン、3,3',5,5'−テトラ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択されるものである、(2)に記載のメラニン生成抑制剤。
(4)前記一般式(A)に表される化合物が、下記一般式(II)に表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩である、(1)に記載のメラニン生成抑制剤。
(5)前記一般式(II)で表される化合物が、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メタノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フェニルベンゾフェノン、及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択されるものである、(4)に記載のメラニン生成抑制剤。
(6)前記一般式(A)に表される化合物が、下記一般式(III)で表される化合物またはそれらの薬理学的に許容される塩である、(1)に記載のメラニン生成抑制剤。
(7)前記一般式(III)で表される化合物が、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジフェニルメタノンまたはその薬理学的に許容される塩である、(6)に記載のメラニン生成抑制剤。
(8)(1)〜(7)のいずれかに記載のメラニン生成抑制剤を含有する、皮膚外用剤。
(10)下記式で表される3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フェニルベンゾフェノンまたはその塩。
(11)下記式で表される(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メタノンまたはその塩。
(13)下記式で表される1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジフェニルメタノンまたはその塩。
(14)メラニン生成抑制方法であって、下記一般式(A)で表される化合物を用いることを特徴とする方法。
(15)メラニン生成抑制のための、下記一般式(A)で表される化合物の使用。
本発明によれば、皮膚外用剤の成分として好適な、新規母核を有するメラニン生成抑制剤を提供することができる。
(1) 本発明のメラニン生成抑制剤の有効成分である2,6−ジ−tert-ブチルフェノ−ル誘導体
本発明のメラニン生成抑制剤は、下記一般式(A)で表される化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とすることを特徴とする。
本発明のメラニン生成抑制剤は、下記一般式(A)で表される化合物又はそれらの薬理学的に許容される塩を有効成分とすることを特徴とする。
この様な一般式(A)に表される化合物としては、大別して、以下に示す一般式(I)で表わされる化合物、一般式(II)に表される化合物及び一般式(III)に表される化合物が好適なものとして例示できる。
勿論、一般式(A)に包含される化合物であって、一般式(I)、(II)及び(III)で表される化合物の何れにも包含されない化合物を有効成分とするメラニン生成抑制剤も本発明の範囲である。かかる化合物は何れも文献記載の化合物であり、具体的には、3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジメチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノンが例示できる。これらの化合物は、文献に記載の方法に従って、製造することが出来る。
一般式(I)に表される化合物は、一般式(I)においてR1は独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキルオキシ基、水酸基、メルカプト基、トリフルオロメチル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、カルボニル基、カルボキシル基、アルキルアミド基、スルフェニル基、スルホニル基乃至はハロゲン原子を表す。前記アルキル基は炭素数1〜6のものが好ましく、より好ましくは1〜4のものであり、例えば、メチル基 、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec-ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基等が好適に例示でき、前記アルケニル基は炭素数2〜6のものが好ましく、例えば、エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等が好ましく例示でき、アルキルアミノ基におけるアルキル基は炭素数1〜4のものが好ましく、例えば、メチル基 、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基等が好適に例示でき、アルキルアミド基におけるアルキル基は炭素数1〜4のものが好ましく、例えば、メチル基、エチル基等が好適に例示できる。ハロゲン原子としては、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子が好ましく例示でき、特に塩素原子が好ましく例示できる。
一般式(I)に表される化合物のうち、好ましいものを具体的に例示すれば、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フルオロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2',4',6'−トリメチルベンゾフェノン、 3,5−ジ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,3',5,5'−テトラ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノンが好適に例示できる。これらの内、特に好ましいものは3,5−ジ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノンである。これはかかる化合物が特にメラニン産生抑制作用に優れるためである。一般式(I)で表される2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体はそのままで本発明のメラニン生成抑制剤に使用することもできるが、アルカリを用いて塩とし、使用することも可能である。たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マググシウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましく例示できる。
一般式(II)に表わされる化合物は何れも新規化合物である。ここで、一般式(II)においてR2は、水素原子、アルキル基、アルコキシ基を表す。かかるアルキル基における炭素数は1〜4が好ましく、例えば、メチル基 、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基等が好適に例示でき、アルコキシ基における炭素数は1〜4が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が具体的に好ましく例示できる。
一般式(II)に表される化合物のうち、好ましいものを具体的に例示すれば、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フェニルベンゾフェノン、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メタノンが好適に例示できる。これらの内、特に好ましいものは(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メタノンである。これはかかる化合物が特にメラニン産生抑制作用に優れるためである。一般式(II)で表される2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体はそのままで本発明のメラニン生成抑制剤に使用することもできるが、アルカリを用いて塩とし、使用することも可能である。たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マググシウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましく例示できる。
一般式(III)で表わされる化合物は何れも新規化合物である。ここで、一般式(III)においてR3は独立に、水素原子、アルキル基、アルコキシ基又はハロゲン原子を表す。かかるアルキル基における炭素数は1〜4が好ましく、例えば、メチル基 、エチル基、プロピル基、シクロプロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、シクロプロピルメチル基等が好適に例示でき、アルコキシ基における炭素数は1〜4が好ましく、例えば、メトキシ基、エトキシ基等が具体的に好ましく例示でき、ハロゲン原子としては、ヨウ素原子、塩素原子、臭素原子、フッ素原子などが好ましく例示でき、塩素原子が特に好ましく例示できる。
一般式(III)に表される化合物のうち、好ましいものを具体的に例示すれば、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジフェニルメタノンが好適に例示できる。これはかかる化合物が特にメラニン産生抑制作用に優れるためである。一般式(III)で表される2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体はそのままで本発明の化粧料に使用することもできるが、アルカリを用いて塩とし、使用することも可能である。たとえば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩、マググシウム塩等のアルカリ土類金属塩が好ましく例示できる。
一般式(I)に表される2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体は、例えば、以下のような手順で合成することができる。
まず、2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル(Aldrich)と、所望の化合物に対応するベンゾイルクロリド(和光純薬)をモル比2:1で塩化メチレン等の溶媒に溶解する。溶媒は、有機溶媒であれば特に限定されない。その後、塩化アルミニウム等のルイス酸を触媒として加える。ルイス酸として塩化アルミニウムの他、例えば、塩化鉄、三フッ化ホウ素等を使用することができる。その後、室温(0℃〜40℃)にて1時間〜24時間攪拌し、反応液を有機溶剤にて抽出する。抽出した有機層を乾燥させ、溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで所望の化合物を得ることができる。
まず、2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル(Aldrich)と、所望の化合物に対応するベンゾイルクロリド(和光純薬)をモル比2:1で塩化メチレン等の溶媒に溶解する。溶媒は、有機溶媒であれば特に限定されない。その後、塩化アルミニウム等のルイス酸を触媒として加える。ルイス酸として塩化アルミニウムの他、例えば、塩化鉄、三フッ化ホウ素等を使用することができる。その後、室温(0℃〜40℃)にて1時間〜24時間攪拌し、反応液を有機溶剤にて抽出する。抽出した有機層を乾燥させ、溶媒を減圧蒸留し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することで所望の化合物を得ることができる。
一般式(II)、(III)に表される2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル誘導体も、それぞれ一般式(I)に表される化合物の製造手順と同様に製造することができる。
斯くして得られた一般式(A)に表される化合物又はその塩は、皮膚の細胞において優れたメラニン生成抑制作用を発揮する。この為、メラニン生成抑制剤の有効成分として使用することができる。かかる有効成分の薬効としては、メラニンの生成を抑制し、以て、美白効果を奏することが好ましく例示できる。この様な作用を奏するには、一般式(A)で表される化合物及びその塩を、メラニン生成抑制剤中に、総量で0.01〜10質量%含有する。より好ましくは0.3〜3質量%含有することが好ましい。
本発明のメラニン生成抑制剤のメラニン生成抑制効果は、メラニン合成過程において特異的に細胞に取り込まれるチオウラシルを用いて測定することができる。例えば、放射線ラベルをしたチオウラシルを細胞内に取り込んだ量を測定することで、検出される放射線量が少ないほどメラニン生成量が少なく、メラニン抑制作用が大きいと判断することができる。
この様な、一般式(A)に表される化合物及びその塩には、抗菌作用、溶剤作用、紫外線吸収作用などのメラニン生成抑制作用以外の作用を奏するものも存在する。一般式(A)に表される化合物及びその塩は、紫外部に広範囲且つ吸収係数が高く吸収ピークを有するので、これを利用して紫外線吸収剤としても応用できる。紫外部吸収作用とメラニン生成抑制作用とを有することは、黒化の予防と改善の2つの作用を兼ね備えることであり、本発明のメラニン生成抑制剤は、化粧料などの皮膚外用剤として使用することが好ましい。なお本発明において、皮膚外用剤におけるメラニン生成抑制剤の含有量は、0.01質量%〜10質量%。好ましくは、0.3質量%〜3質量%である。
本発明の皮膚外用剤においては、前記メラニン生成抑制剤以外に、通常皮膚外用剤で使用される、任意の成分を含有することが出来る。この様な任意の成分としては、例えば、マカデミアナッツ油、アボガド油、トウモロコシ油、オリーブ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、サフラワー油、綿実油、ホホバ油、ヤシ油、パーム油、液状ラノリン、硬化ヤシ油、硬化油、モクロウ、硬化ヒマシ油、ミツロウ、キャンデリラロウ、カルナウバロウ、イボタロウ、ラノリン、還元ラノリン、硬質ラノリン、ホホバロウ等のオイル、ワックス類;流動パラフィン、スクワラン、プリスタン、オゾケライト、パラフィン、セレシン、ワセリン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素類;オレイン酸、イソステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸等の高級脂肪酸類;セチルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オクチルドデカノール、ミリスチルアルコール、セトステアリルアルコール等の高級アルコール等;イソオクタン酸セチル、ミリスチン酸イソプロピル、イソステアリン酸ヘキシルデシル、アジピン酸ジイソプロピル、セバチン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタンエリトリット等の合成エステル油類;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン等の鎖状ポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサンシロキサン等の環状ポリシロキサン;アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等の変性ポリシロキサン等のシリコーン油等の油剤類;脂肪酸セッケン(ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等)、ラウリル硫酸カリウム、アルキル硫酸トリエタノールアミンエーテル等のアニオン界面活性剤類;塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、ラウリルアミンオキサイド等のカチオン界面活性剤類;イミダゾリン系両性界面活性剤(2−ココイル−2−イミダゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等)、ベタイン系界面活性剤(アルキルベタイン、アミドベタイン、スルホベタイン等)、アシルメチルタウリン等の両性界面活性剤類;ソルビタン脂肪酸エステル類(ソルビタンモノステアレート、セスキオレイン酸ソルビタン等)、グリセリン脂肪酸類(モノステアリン酸グリセリン等)、プロピレングリコール脂肪酸エステル類(モノステアリン酸プロピレングリコール等)、硬化ヒマシ油誘導体、グリセリンアルキルエーテル、POEソルビタン脂肪酸エステル類(POEソルビタンモノオレエート、モノステアリン酸ポリオキエチレンソルビタン等)、POEソルビット脂肪酸エステル類(POE−ソルビットモノラウレート等)、POEグリセリン脂肪酸エステル類(POE−グリセリンモノイソステアレート等)、POE脂肪酸エステル類(ポリエチレングリコールモノオレート、POEジステアレート等)、POEアルキルエーテル類(POE2−オクチルドデシルエーテル等)、POEアルキルフェニルエーテル類(POEノニルフェニルエーテル等)、プルロニック型類、POE・POPアルキルエーテル類(POE・POP2−デシルテトラデシルエーテル等)、テトロニック類、POEヒマシ油・硬化ヒマシ油誘導体(POEヒマシ油、POE硬化ヒマシ油等)、ショ糖脂肪酸エステル、アルキルグルコシド等の非イオン界面活性剤類;ポリエチレングリコール、グリセリン、1,3−ブチレングリコール、エリスリトール、ソルビトール、キシリトール、マルチトール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジグリセリン、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、2,4−ヘキサンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の多価アルコール類;ピロリドンカルボン酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム等の保湿成分類;表面を処理されていても良い、マイカ、タルク、カオリン、合成雲母、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、無水ケイ酸(シリカ)、酸化アルミニウム、硫酸バリウム等の粉体類、;表面を処理されていても良い、ベンガラ、黄酸化鉄、黒酸化鉄、酸化コバルト、群青、紺青、酸化チタン、酸化亜鉛の無機顔料類;表面を処理されていても良い、雲母チタン、魚燐箔、オキシ塩化ビスマス等のパール剤類;レーキ化されていても良い赤色202号、赤色228号、赤色226号、黄色4号、青色404号、黄色5号、赤色505号、赤色230号、赤色223号、橙色201号、赤色213号、黄色204号、黄色203号、青色1号、緑色201号、紫色201号、赤色204号等の有機色素類;ポリエチレン末、ポリメタクリル酸メチル、ナイロン粉末、オルガノポリシロキサンエラストマー等の有機粉体類;パラアミノ安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤、;桂皮酸系紫外線吸収剤、;ベンゾフェノン系紫外線吸収剤;糖系紫外線吸収剤;2−(2'−ヒドロキシ−5'−t−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−メトキシ−4'−t−ブチルジベンゾイルメタン等の紫外線吸収剤類;エタノール、イソプロパノール等の低級アルコール類;ビタミンA又はその誘導体、ビタミンB6塩酸塩、ビタミンB6トリパルミテート、ビタミンB6ジオクタノエート、ビタミンB2又はその誘導体、ビタミンB12、ビタミンB15又はその誘導体等のビタミンB類;α−トコフェロール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、ビタミンEアセテート等のビタミンE類、ビタミンD類、ビタミンH、パントテン酸、パンテチン、ピロロキノリンキノン等のビタミン類等;フェノキシエタノール等の抗菌剤などが好ましく例示できる。
これらの必須成分、任意成分を常法に従って処理し、ローション、乳液、エッセンス、クリーム、パック化粧料、洗浄料などに加工することにより、本発明の皮膚外用剤は製造できる。本発明の皮膚外用剤としては、皮膚に外用で適用されるものであれば特段の限定はなく応用でき、例えば、医薬部外品を含む化粧料、皮膚外用医薬、皮膚外用雑貨等が好ましく例示できる。
以下に、本発明について、実施例を挙げて更に詳細に説明を加えるが、本発明がかかる実施例にのみ、限定されないことは言うまでもない。
<製造例1>化合物1の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル(2.06g, 10.0mmol)(Aldrich)及びベンゾイルクロリド(1.45g,10.3mmol)(和光純薬)を塩化メチレン(12 mL)(和光純薬)に溶解し、塩化アルミニウム(1.40g,10.5mmol)(和光純薬)を加えた後、室温にて3時間撹拌した。攪拌後の反応液を氷水に注ぎ、塩化メチレン(和光純薬)にて抽出した。抽出した有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥させた後、残った溶媒を減圧留去した。乾燥物及び溶媒の残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液:クロロホルム)で精製し、得られた分画から、化合物1(収量1.74g,収率56%)を得た。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.124−126℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45(18H、s)、5.73(1H、s)、7.42−7.60(3H、m)、7.73(2H、s)、7.75(2H、d、J=8.1Hz)
IR(cm-1):3484、2950、1643、1107.
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン(化合物1)
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル(2.06g, 10.0mmol)(Aldrich)及びベンゾイルクロリド(1.45g,10.3mmol)(和光純薬)を塩化メチレン(12 mL)(和光純薬)に溶解し、塩化アルミニウム(1.40g,10.5mmol)(和光純薬)を加えた後、室温にて3時間撹拌した。攪拌後の反応液を氷水に注ぎ、塩化メチレン(和光純薬)にて抽出した。抽出した有機層を無水硫酸ナトリウム(和光純薬)にて乾燥させた後、残った溶媒を減圧留去した。乾燥物及び溶媒の残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液:クロロホルム)で精製し、得られた分画から、化合物1(収量1.74g,収率56%)を得た。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.124−126℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45(18H、s)、5.73(1H、s)、7.42−7.60(3H、m)、7.73(2H、s)、7.75(2H、d、J=8.1Hz)
IR(cm-1):3484、2950、1643、1107.
<製造例2>化合物2の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−フルオロベンゾイルクロリドを用い、化合物1の製造と同様の方法により、化合物2を得た(収率9%)。示性値及び構造式を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3):δ1.45(18H、s)、5.73(1H、s)、7.10−7.18(2H、m)、7.68(2H、s)、7.78−7.83(2H、m)
IR(cm-1):3485、2956、1642、1597、1106
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−フルオロベンゾイルクロリドを用い、化合物1の製造と同様の方法により、化合物2を得た(収率9%)。示性値及び構造式を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3):δ1.45(18H、s)、5.73(1H、s)、7.10−7.18(2H、m)、7.68(2H、s)、7.78−7.83(2H、m)
IR(cm-1):3485、2956、1642、1597、1106
<製造例3>化合物3の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−クロロベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物3を得た(収率5%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.163−165℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45 (18H、s)、5.78(1H、s)、 7.47(2H、d、J=7.2Hz)、7.69(2H、s)、7.72(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm-1): 3528、2958、1643、1594、1108.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−クロロベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物3を得た(収率5%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.163−165℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45 (18H、s)、5.78(1H、s)、 7.47(2H、d、J=7.2Hz)、7.69(2H、s)、7.72(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm-1): 3528、2958、1643、1594、1108.
<製造例4>化合物4の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−メチルベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物4を得た(収率15%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.144−146℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45 (18、s)、2.44(3H、s)、7.26(2H、d、J=7.2Hz)、7.07(2H、s)、7.09(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm-1):3523、2958、1642、1111.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−メチルベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物4を得た(収率15%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.144−146℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45 (18、s)、2.44(3H、s)、7.26(2H、d、J=7.2Hz)、7.07(2H、s)、7.09(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm-1):3523、2958、1642、1111.
<製造例5>化合物5の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−メトキシベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物5を得た(収率36%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.107−108℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.46(18H、s)、3.89(3H、s)、5.68(1H、s)、6.97(2H、d、J=7.2Hz)、7.69(2H、s)、7.83(2H、d、J=7.2Hz).
IR(cm-1):3527、2958、1635、1116.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−メトキシベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物5を得た(収率36%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.107−108℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.46(18H、s)、3.89(3H、s)、5.68(1H、s)、6.97(2H、d、J=7.2Hz)、7.69(2H、s)、7.83(2H、d、J=7.2Hz).
IR(cm-1):3527、2958、1635、1116.
<製造例6>化合物6の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び2,4,6−トリメチルベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物6を得た(収率6%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.135−137℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.43(18H、s)、2.09(6H、s)、2.32(3H、s)、5.75(1H、s)、6.88(2H、s)、6.78(2H、s).
IR(cm-1):3519、2957、1644、1105.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び2,4,6−トリメチルベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物6を得た(収率6%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.135−137℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.43(18H、s)、2.09(6H、s)、2.32(3H、s)、5.75(1H、s)、6.88(2H、s)、6.78(2H、s).
IR(cm-1):3519、2957、1644、1105.
<製造例7>化合物7の合成
ジメチルホルムアミド(3mL)(和光純薬)にナトリウムエタンチオレ−ト(0.34g,4.04mmol)(Fluka)を氷冷下撹拌しながら加えた。化合物5(0.53g,1.56mmol)を加え、4時間還流した後、室温にて一晩撹拌した。反応液を1.0(N)希塩酸に注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を希塩酸及び水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液:n−へキサン:酢酸エチル=7:3)に付し、化合物7を0.24 g(収率47%)得た。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.165−167℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45(18H、s)、5.69(1H、s)、6.93(2H、d、J=7.2Hz)、7.68(2H、s)、7.76(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm-1):3588、2956、1597、1236、1107.
ジメチルホルムアミド(3mL)(和光純薬)にナトリウムエタンチオレ−ト(0.34g,4.04mmol)(Fluka)を氷冷下撹拌しながら加えた。化合物5(0.53g,1.56mmol)を加え、4時間還流した後、室温にて一晩撹拌した。反応液を1.0(N)希塩酸に注ぎ、塩化メチレンにて抽出した。有機層を希塩酸及び水にて洗浄した後、無水硫酸ナトリウムにて乾燥した。溶媒を減圧留去した。残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ−(展開液:n−へキサン:酢酸エチル=7:3)に付し、化合物7を0.24 g(収率47%)得た。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.165−167℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.45(18H、s)、5.69(1H、s)、6.93(2H、d、J=7.2Hz)、7.68(2H、s)、7.76(2H、d、J=7.2Hz)
IR(cm-1):3588、2956、1597、1236、1107.
<製造例8>化合物8の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物8を得た(収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.224−227℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.47(36H、s)、5.66(2H、s)、7.70(4H、s).
IR(cm-1):3570、2957、1639、1108.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾイルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物8を得た(収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.224−227℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.47(36H、s)、5.66(2H、s)、7.70(4H、s).
IR(cm-1):3570、2957、1639、1108.
<製造例9>化合物9の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び2−ナフチルクロリド用い、化合物1と同様の方法により、化合物9を得た(収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.166−168℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.46(18H、s)、5.75(1H、s)、7.52−7.65(2H、m)、7.78(2H、s)、7.90−7.98(4H、m)、8.27(1H、s).
IR(cm-1):3632、2954、1651、1225.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び2−ナフチルクロリド用い、化合物1と同様の方法により、化合物9を得た(収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.166−168℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.46(18H、s)、5.75(1H、s)、7.52−7.65(2H、m)、7.78(2H、s)、7.90−7.98(4H、m)、8.27(1H、s).
IR(cm-1):3632、2954、1651、1225.
<実施例1>化合物10の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−ビフェニルカルボニルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物10を得た(収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3):δ1.47(18H、s)、5.73(1H、s)、7.36−7.55(3H、m)、7.64−7.75(4H、m)、7.78(2H、s)、 7.86−7.88(2H、m).
IR(cm-1): 3619、 2958、 1647、1118.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4−ビフェニルカルボニルクロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物10を得た(収率40%)。示性値及び構造式を以下に示す。
1H−NMR(CDCl3):δ1.47(18H、s)、5.73(1H、s)、7.36−7.55(3H、m)、7.64−7.75(4H、m)、7.78(2H、s)、 7.86−7.88(2H、m).
IR(cm-1): 3619、 2958、 1647、1118.
<実施例2>化合物11の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4'−メトキシビフェニルカルボン酸を用い、化合物1と同様の方法により、化合物11を得た(収率28%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.150−152℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.47(18H、s)、3.87(3H、s)、7.03(2H、d、J=7.2Hz)、7.62−7.69(4H、m)、7.74(2H、s)、7.88(2H、d、J=7.2Hz).
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及び4'−メトキシビフェニルカルボン酸を用い、化合物1と同様の方法により、化合物11を得た(収率28%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.150−152℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.47(18H、s)、3.87(3H、s)、7.03(2H、d、J=7.2Hz)、7.62−7.69(4H、m)、7.74(2H、s)、7.88(2H、d、J=7.2Hz).
<実施例3>化合物12の合成
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及びジフェニル酢酸クロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物12を得た(収率16%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.170−174℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.39 (18H、s)、5.69(1H、s)、5.98(1H、s)、7.21−7.25(10H、s)、7.89(2H、s).
IR(cm-1):3610、2955、1661、1152.
2,6−ジ−tert−ブチルフェノ−ル及びジフェニル酢酸クロリドを用い、化合物1と同様の方法により、化合物12を得た(収率16%)。示性値及び構造式を以下に示す。
mp.170−174℃
1H−NMR(CDCl3):δ1.39 (18H、s)、5.69(1H、s)、5.98(1H、s)、7.21−7.25(10H、s)、7.89(2H、s).
IR(cm-1):3610、2955、1661、1152.
<試験例1> 化合物1のメラニン生成抑制試験
メラニン合成過程において特異的に細胞に取り込まれるチオウラシル(試験では14Cラベルしたチオウラシルを使用)を用いて、化合物1のメラニン生成抑制作用を評価した。24ウェルのプレートを使用し、その内の15ウェルにメラノサイト培養用完全培地(倉敷紡績株式会社製)を2mlずつ入れ、各ウェルにそれぞれ1.5×104個/cm2の濃度でヒト正常メラノサイト(倉敷紡績株式会社製)を播種した。5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。その後、全てのウェルについて、以下の条件で培地交換した。即ち3ウェルは新しいメラノサイト培養用完全培地(コントロール)、3ウェルずつ合計9ウェルには1.0×10-3mM、2.0×10-3mM、4.0×10-3mM濃度で化合物1を含むメラノサイト培養用完全培地、さらに別の3ウェルはチロシナーゼ阻害剤として知られるフェニルチオウレアを0.1mM濃度で含むメラノサイト培養用完全培地であった。更に、これらの15ウェルに14C−チオウラシル(14Cラベルしたチオウラシル)を0.25×10-6Ci(キュリー)添加した。そして上記培養条件と同様の条件で更に3日間培養した。培養終了後、各ウェルから培養液を除去し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、トリプシン及びEDTA含有培地を使用して、ウェル底面より細胞を剥離して、細胞懸濁液とし、遠心分離にて細胞を回収した。細胞数は血球計算板を用いてカウントした。その後、各ウェルから回収した細胞における14C−チオウラシル量(放射線量)を液体シンチレーションカウンター(アロカ株式会社)にて測定した。コントロールのウェルから回収した細胞の放射線量に対する、被検物質を含む培地で培養した細胞の放射線量の百分率をそれぞれ求め、メラニン量(%)とした。すなわち、各細胞内に取り込まれた放射線量性が小さい程、メラニン量が小さく、メラニン抑制力価が大きいとすることができる。
メラニン合成過程において特異的に細胞に取り込まれるチオウラシル(試験では14Cラベルしたチオウラシルを使用)を用いて、化合物1のメラニン生成抑制作用を評価した。24ウェルのプレートを使用し、その内の15ウェルにメラノサイト培養用完全培地(倉敷紡績株式会社製)を2mlずつ入れ、各ウェルにそれぞれ1.5×104個/cm2の濃度でヒト正常メラノサイト(倉敷紡績株式会社製)を播種した。5%二酸化炭素雰囲気下、37℃で24時間培養を行った。その後、全てのウェルについて、以下の条件で培地交換した。即ち3ウェルは新しいメラノサイト培養用完全培地(コントロール)、3ウェルずつ合計9ウェルには1.0×10-3mM、2.0×10-3mM、4.0×10-3mM濃度で化合物1を含むメラノサイト培養用完全培地、さらに別の3ウェルはチロシナーゼ阻害剤として知られるフェニルチオウレアを0.1mM濃度で含むメラノサイト培養用完全培地であった。更に、これらの15ウェルに14C−チオウラシル(14Cラベルしたチオウラシル)を0.25×10-6Ci(キュリー)添加した。そして上記培養条件と同様の条件で更に3日間培養した。培養終了後、各ウェルから培養液を除去し、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)で洗浄後、トリプシン及びEDTA含有培地を使用して、ウェル底面より細胞を剥離して、細胞懸濁液とし、遠心分離にて細胞を回収した。細胞数は血球計算板を用いてカウントした。その後、各ウェルから回収した細胞における14C−チオウラシル量(放射線量)を液体シンチレーションカウンター(アロカ株式会社)にて測定した。コントロールのウェルから回収した細胞の放射線量に対する、被検物質を含む培地で培養した細胞の放射線量の百分率をそれぞれ求め、メラニン量(%)とした。すなわち、各細胞内に取り込まれた放射線量性が小さい程、メラニン量が小さく、メラニン抑制力価が大きいとすることができる。
表1の結果より、化合物1は、濃度依存的なメラニン生成抑制作用を示した。また、0.1mMのフェニルチオウレアと4.0×10-3mMの化合物1は、同等のメラニン生成抑制力価を示した。これより化合物1は、ポジティブコントロールであるフェニルチオウレアに比して、20倍以上強いメラニン生成抑制力価を有することが分かる。フェニルチオウレアは毒性の面で実用には向かないが、非常にメラニン産生抑制作用の強い物質として知られており、この様な実験ではポジティブコントロールとして使用される。ここで、組成物における化合物1の濃度に関して、4×10-3mMは、約0.00012%に相当する。
<試験例2>
試験例1と同様の手技で、フェニルチオウレアのポジティブコントロールは除いて、化合物2〜12について、メラニン産生抑制作用を検討した。結果を表2に示す。この表2より、化合物2〜12も化合物1と同様に優れたメラニン産生抑制作用を有することがわかる。
試験例1と同様の手技で、フェニルチオウレアのポジティブコントロールは除いて、化合物2〜12について、メラニン産生抑制作用を検討した。結果を表2に示す。この表2より、化合物2〜12も化合物1と同様に優れたメラニン産生抑制作用を有することがわかる。
<実施例4>
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ロ−ション)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却し、ロ−ション1を得た。同様にして、化合物1を水に置換した比較例1、アルブチンに置換した比較例2も作製した。
以下に示す処方に従って、本発明の皮膚外用剤である化粧料(ロ−ション)を作製した。即ち、処方成分を80℃に加熱し、攪拌し、溶解させ、攪拌冷却し、ロ−ション1を得た。同様にして、化合物1を水に置換した比較例1、アルブチンに置換した比較例2も作製した。
<試験例3>
ロ−ション1、比較例1及び比較例2を用いて、黒化改善作用を調べた。自由意志で参加したパネラーの上腕内側部に2cm×2cmの部位を4つ設け、1.2MEDの紫外線を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置部位とした。塗布終了後24時間にコニカミノルタ株式会社製の色彩色差計(CR300)にて標準白色板との色差を求め、これらより、無処置部位のL値に対するΔLを算出した。結果を表4に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である化粧料は優れた美白作用を有することがわかる。これは前記の優れたメラニン産生抑制作用によるものである。
ロ−ション1、比較例1及び比較例2を用いて、黒化改善作用を調べた。自由意志で参加したパネラーの上腕内側部に2cm×2cmの部位を4つ設け、1.2MEDの紫外線を1日1回、3日連続して3回照射した。照射終了後1日より、1日1回28日連続してサンプル50μLを塗布した。1部位は無処置部位とした。塗布終了後24時間にコニカミノルタ株式会社製の色彩色差計(CR300)にて標準白色板との色差を求め、これらより、無処置部位のL値に対するΔLを算出した。結果を表4に示す。これより、本発明の皮膚外用剤である化粧料は優れた美白作用を有することがわかる。これは前記の優れたメラニン産生抑制作用によるものである。
<実施例4>
実施例6と同様にローション2〜12を作製した。これらは何れも優れたメラニン生成抑制作用を示した。
実施例6と同様にローション2〜12を作製した。これらは何れも優れたメラニン生成抑制作用を示した。
本発明のメラニン生成抑制剤は、美白化粧料などの皮膚外用剤に応用できる。
Claims (13)
- 前記一般式(I)で表される化合物が、3,5−ジ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−メトキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−2',4',6'−トリメチルベンゾフェノン、(3,5−ジ−tert-ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2−ナフタレニルメタノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−クロロベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−メチルベンゾフェノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フルオロベンゾフェノン、3,3',5,5'−テトラ−tert−ブチル−4,4'−ジヒドロキシベンゾフェノン及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択されるものである、請求項2に記載のメラニン生成抑制剤。
- 前記一般式(II)で表される化合物が、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−(4'−メトキシビフェニル−4−イル)メタノン、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−4'−フェニルベンゾフェノン、及びそれらの薬理学的に許容される塩から選択されるものである、請求項4に記載のメラニン生成抑制剤。
- 前記一般式(III)で表される化合物が、1−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)−2,2−ジフェニルメタノンまたはその薬理学的に許容される塩である、請求項6に記載のメラニン生成抑制剤。
- 請求項1〜7のいずれかに記載のメラニン生成抑制剤を含有する、皮膚外用剤。
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