JPWO2008136442A1 - 廃紙の破砕回収再生システム及び同システムに用いるシュレッダ装置並びに通信装置 - Google Patents

廃紙の破砕回収再生システム及び同システムに用いるシュレッダ装置並びに通信装置 Download PDF

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俊昭 倉岡
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Abstract

再生紙の有効利用の種別範囲を拡大することができ、細分化された廃紙が経済的価値を有しながらリサイクル過程で流通することができる、従来にない高価格の再生紙リサイクルビジネスを生成すること。廃紙排出側で、廃紙4を細分化する破砕処理手段と、破砕した細片を圧縮し紙塊片5とする固型処理手段と、紙塊片5の集合が所定重量あるいは所定容積に達すると収集業者側に通報する回収要求通報手段と、収集業者側で、通報により廃紙排出側に赴き紙塊片5の集合を回収するに際し、紙塊片5の価格を算出して、廃紙排出側に紙塊片5の価格の支払い債務を負担する紙塊片有料化手段と、回収した紙塊片5を、運搬手段を用いて再生製品生産者側に引き渡す再生側引渡し手段と、引き渡すに際し、紙塊片有料化手段による紙塊片5の価格よりも大の価格で引き渡す引渡し有料化手段と、再生製品生産者側で、紙塊片5を再生製品7に加工する再生加工手段とよりなる。

Description

この発明は、廃紙の破砕回収再生システム及び同システムに用いるシュレッダ装置並びに通信装置に関する。
近年、地球環境の保全のため、リサイクルの促進が叫ばれており、それに伴い紙のリサイクル率も高まってきている。
例えば、特許文献1には、不要になった機密文書を、その機密性を保持したまま破砕処理し、回収し、古紙として再生パルプ化し、再生紙を生産し、再生製品を生産するものであって、これらを統合した管理システムを構築し、ネットワーク上でデータの送受信を行い、機密文書のリサイクルを一元的に管理する機密古紙回収再生システムが開示されている。
特開2005−41664号公報
機密文書に関しては、機密性を確保しなければならないため、確実に溶解プロセスに搬送するか、シュレッダにより細断した紙片をリサイクルする必要がある。
細断されていない機密文書を溶解プロセスに搬送する場合は、当該機密文書が機密管理区域外を通過することになるので、搬送段階での機密漏洩がないような管理をどのように組み込むか、その信頼性をどう確保するか、確保した信頼性を機密文書の処理委託者が実感できるかが課題であるため、普及に課題が残されている。
一方、シュレッダで細断した紙片は機密性が解除されているので、機密漏洩に関する課題は克服されている。
しかしながら、切断型のシュレッダの場合は切断された紙片に残されたセルロース繊維長が3mm以下と短いため、繰り返してのリサイクルに不適で、焼却燃料として使用されるか、トイレットペーパーへのリサイクルにとどまっている。
これを解決するものと期待されている引き千切り型のシュレッダの場合、5mm程度のセルロース繊維長を確保できるので、多数回のリサイクルが期待されている。
さらに細断後の廃紙を圧縮するタイプのシュレッダも提案されており、リサイクル性とオフィスの作業環境の改善の観点から期待されている。
しかしながら、この場合においても細断された紙片の回収作業は各職場で負担せざるを得ず、また、機密性がない文書も機密性の判断を回避する理由で細断の対象とするため細断廃紙の量は増大する一方であるため、リサイクルを促進しつつ作業環境の改善がさらに望まれている。
更には、セルロース繊維長が3mm以下と短いと、再生紙製造工程におけるセルロース同士の絡み合いが不十分となり、繰返しのリサイクルが不適で再生用途も限定されるため、再生業者への渡し価格も低く、従って、廃紙を生成する廃紙排出側においては、廃紙流通過程で再生業者との間に介在する廃紙収集業者からの廃紙対価はほとんど無に近いものであり、ほとんどの廃紙は有料化を目的としたリサイクルの経済的採算性の枠外にあるものと考えられていた。
そこで、本発明は、再生紙の有効利用の種別範囲を拡大することができ、細分化された廃紙が経済的価値を有しながらリサイクル過程で流通することができる、従来にない高価格の再生紙リサイクルビジネスを生成することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の廃紙の破砕回収再生システムは、廃紙排出側で、廃紙を細分化する破砕処理手段と、破砕した細片を、一定の大きさに圧縮して固めて紙塊片とする固型処理手段と、固型処理手段で形成した紙塊片の集合が、所定重量あるいは所定容積に達すると自動的に収集業者側に通報する回収要求通報手段と、収集業者側で、回収要求通報手段による通報により廃紙排出側に赴き、紙塊片の集合を回収するに際し、紙塊片の価格を算出して、廃紙排出側に紙塊片の価格の支払い債務を負担する紙塊片有料化手段と、回収した紙塊片を、運搬手段を用いて再生製品生産者側に運搬して引き渡す再生側引渡し手段と、再生側引渡し手段で引き渡すに際し、紙塊片有料化手段による紙塊片の価格よりも大の価格で引き渡す引渡し有料化手段と、再生製品生産者側で、引渡しを受けた紙塊片を再生製品に加工し、あるいは再生製品の原料に加工する再生加工手段と、よりなることを特徴とする。
このような構成とすることにより、機密文書等の廃紙をオフィス等の廃紙排出側において破砕処理手段で細分化し、固めて紙塊片とし、収集業者側を介して再生製品生産者側に引渡されて再生加工されるので、広範囲・多種の再生紙にリサイクルすることが容易となり、再生紙の有効利用の種別範囲を拡大することができ、従って、細分化された細片が経済的価値を有しながらリサイクル過程で流通することができることになり、従来にない高価格の再生紙リサイクルビジネスを生成することができる効果があり、翻っては、有効資源の確保、自然環境の整備等に大いに貢献することができる効果がある。
また、請求項2に記載の廃紙の破砕回収再生システムでは、、回収要求通報手段は、紙塊片の集合の重量あるいは容積を計測する計測手段と、紙塊片の集合が所定重量あるいは所定容積に達した計測値を定期的に記録する記録手段と、当該記録を所定期間ごとに収集業者側に出力して通報する出力手段と、を有していることを特徴とする。
このような構成とすることにより、紙塊片の集合が所定量に達すると、その計測を定期的かつ自動的に行い、記録し、収集業者側に出力することができるので、廃紙排出側で貯溜した千切り細片の量を管理する必要がなく、リサイクルのタイミングが迅速、円滑に管理されて廃紙の回収再生の経済性を可及的に向上することができる効果がある。
また、請求項3に記載のシュレッダ装置は、廃紙を破砕するシュレッダ装置であって、廃紙を千切って細分化する破砕処理手段と、破砕した細片を、一定の大きさに圧縮して固めて紙塊片とする固型処理手段と、よりなる請求項1又は請求項2に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置とした。
このように構成することにより、廃紙の高品質な再生製品へのリサイクルが実現可能となる。
また、請求項4に記載のシュレッダ装置は、請求項3に記載のシュレッダ装置において、このシュレッダ装置に関する情報を記憶する記憶部と、記憶部に記憶された情報を他の装置へ通信経路を介して送信する通信部と、よりなることを特徴とする。
このような構成とすることにより、各シュレッダ装置に関する情報に基づき最適のメンテナンスを行うことができ、機種の改良、サービスの向上に資することができる。
また、請求項5に記載のシュレッダ装置は、請求項3又は請求項4に記載のシュレッダ装置において、通信経路は、ローカルネットワークからなる第1の通信経路と、グローバルネットワークからなる第2の通信経路とで構成されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、機密情報についてはローカルネットワークからなる第1の通信経路を介して送信することで、当該機密情報の漏洩を確実に防止することができる。
また、請求項6に記載のシュレッダ装置は、請求項3〜5の何れか1項に記載のシュレッダ装置において、破砕処理手段へ廃紙を搬送する廃紙送り手段を有し、廃紙送り手段には、廃紙を収納するための廃紙収納ケースが設けられており、廃紙収納ケースは、個人認証キーにより施錠可能に構成されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、例えば、シュレッダ装置の稼動中に紙詰まりなどの異常が発生して処理が中断した場合など、作業者がその場にいなくとも当該異常が発生したことを把握することができ、千切り破砕シュレッダを次に使用する他の作業者に迷惑を掛けることなく不具合を解消することができる。
また、請求項7に記載のシュレッダ装置は、請求項3〜6の何れか1項に記載のシュレッダ装置において、廃紙送り手段は、廃紙収納ケースに収納された廃紙を検知する廃紙検知センサを備え、通信部は、廃紙検出部により廃紙を検出すると、当該検出情報を第2の通信経路を介して送信することを特徴とする。
このような構成とすることにより、シュレッダ装置の稼動状況を外部から把握することが可能となる。
また、請求項8に記載の通信装置は、請求項3に記載のシュレッダ装置に外付けで着脱自在に構成した通信装置であって、当該通信装置を取り付けたシュレッダ装置に関する情報を取得する情報取得部と、情報取得部で取得した情報を記憶する記憶部と、情報取得部で取得した情報を他の装置へ通信経路を介して送信する通信部と、を有することを特徴とする。
このような構成とすることにより、シュレッダ装置が通信機能を有していない場合であっても、当該千切り破砕シュレッダに関する情報を他の装置へ送信することが可能となる。
また、請求項9に記載の通信装置は、請求項8に記載の通信装置において、通信経路は、ローカルネットワークからなる第1の通信経路と、グローバルネットワークからなる第2の通信経路とで構成されていることを特徴とする。
このような構成とすることにより、機密情報についてはローカルネットワークからなる第1の通信経路を介して送信することで、当該機密情報の漏洩を確実に防止することができる。
本発明によれば、機密文書等の廃紙をオフィス等の廃紙排出側において破砕処理手段で細分化し、固めて紙塊片とし、収集業者側を介して再生製品生産者側に引渡されて再生加工されるので、広範囲・多種の再生紙にリサイクルすることが容易となり、再生紙の有効利用の種別範囲を拡大することができ、従って、細分化された細片が経済的価値を有しながらリサイクル過程で流通することができることになり、従来にない高価格の再生紙リサイクルビジネスを生成することができる効果があり、翻っては、有効資源の確保、自然環境の整備等に大いに貢献することができる効果がある。
本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムの処理工程を示す概略図である。 本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムのシステム構成を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダの構成例を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダを示す側面図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダの受台用ロック機構を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダを示す平面図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダの側断面図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける搬送機構の要部を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける搬送機構の拡大側断面図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける搬送機構の要部を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける破砕装置の要部を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける破砕装置の要部を示す図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける固型処理部の平面図である。 本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダにおける固型処理部を示す図であり、図14(a)は正面図、図14(b)は平面図である。 通報受信サーバの構成例を示した図である。 データベース内に記憶されている廃紙排出側情報の一例を示した図である。 通報受信サーバのディスプレイに表示される画面の構成例である。 千切り破砕シュレッダにおける表示部の構成例である。 本実施形態における千切り破砕シュレッダ1のメイン処理フローチャートである。 本実施形態における破砕計測通報処理のフローチャートである。 本実施形態における通報受信サーバのメイン処理フローチャートである。 他の実施形態における廃紙の破砕回収再生システムのシステム構成を示す図である。 他の実施形態における千切り破砕シュレッダの構成例を示す図である。 他の実施形態における回収ボックスの構成例を示す図である。
符号の説明
S、S’ 廃紙の破砕回収再生システム
1、10 千切り破砕シュレッダ
2 通報受信サーバ
4 廃紙
5 紙塊片
7 再生製品
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳説する。図1は本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムの処理工程を示す概略図であり、図2は本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムのシステム構成を示す図である。なお、以下では、破砕処理手段の一例として、千切り破砕により廃紙の細断を行うシュレッダ装置としての千切り破砕シュレッダを用いた場合について説明するが、本発明は、これに限定するものではなく、廃紙を切断刃により切断する場合など、その他の細断方法により廃紙を細断するシュレッダ装置に対しても適用することができる。
本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムSは、千切り破砕シュレッダを用いて機密文書等をその機密性を保持しつつ細分化し、回収するとともに、高品質な再生製品としてリサイクルするためのシステムであり、図1に示すように、廃紙排出側と、収集業者側と、再生製品生産者側と、より構成される。
廃紙排出側は、例えば、経理書類や個人情報、或いは技術文書など、機密性の高い文書を日常の業務で発生させる金融会社や保険会社等のオフィス、或いはその他不要な紙が必然的に生成される工場等を指称する。かかる廃紙排出側は、千切り破砕シュレッダ1を用いて不要となった機密性文書等のうち、白黒で印刷された文書(以下、「廃紙」と称することもある。)を千切り破砕する。
千切り破砕シュレッダ1は、特に、廃紙4の破砕処理方法及び細断した廃紙4の固型処理方法に特徴を有するシュレッダであり、かかる方法によって処理された廃紙4の高品質な再生製品7へのリサイクルを実現可能とするものである。かかる千切り破砕シュレッダ1の具体的構成及び動作については、後述する。
収集業者側は、廃紙排出側により破砕、固型化された廃紙である紙塊片5を回収し、当該廃紙排出側に対価を支払うとともに、回収した紙塊片5を再生製品生産者側へと引き渡し、当該再生製品生産者側から対価を受け取ることを主な業務とするものである。
再生製品生産者側は、収集業者側から受け取った廃紙4を再生製品7に加工し、あるいは再生製品7の原料に加工して、これらを売却することで利益を得る業者である。
また、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムSは、図2に示すように、廃紙排出側の有する千切り破砕シュレッダ1a〜1dと、収集業者側の有する通報受信サーバ2とが、固定電話、PHSなどの電話回線やインターネットなどの通信ネットワーク3を介して接続される。なお、以下において、千切り破砕シュレッダ1a〜1dの任意の一つを表す場合には千切り破砕シュレッダ1と表現することがあるものとする。
なお、通信ネットワーク3は、インターネットなどのWAN(ワイド・エリア・ネットワーク)であるが、専用回線網を使用することもできる。また、各装置は、通信ネットワーク3に直接接続できないときには、ブロードバンドルータや専用機器を介して通信ネットワーク3に接続される。
上記各機関によって構成される廃紙の破砕回収再生システムSは、概括的には次の動作よりなる。
すなわち、図1に示すように、先ず、廃紙排出側が、千切り破砕シュレッダ1を用いて千切り作用により廃紙4を細分化する破砕処理手段が設けられている。
次に、廃紙排出側が、同シュレッダ1を用い、細分化した廃紙(以下、「千切り細片」ともいう。)を一定の大きさに圧縮し固めて紙塊片5とする固型処理手段が設けられている。
次に、廃紙排出側において、固型処理手段で形成した紙塊片5の集合が所定重量あるいは所定容積に達すると、同シュレッダ1を用いて収集業者側にその旨を自動的に通報する回収要求通報手段が設けられている。
なお、当該回収要求通報手段は、紙塊片5の集合の重量あるいは容積に代えて、廃紙送り手段で破砕部に搬送した破砕前の廃紙の重量、容積あるいは枚数が所定の量に達すると、同シュレッダ1を用いて収集業者側にその旨を自動的に通報するようにしてもよい。
次に、収集業者側が、千切り破砕シュレッダ1からの通報によって廃紙排出側に赴き、紙塊片5の集合を回収するに際し、紙塊片5の価格を算出して、収集業者側が廃紙排出側に紙塊片5の価格の支払い債務を負担する紙塊片有料化手段が設けられている。
次に、収集業者側が、回収した紙塊片5を運搬手段を用いて再生製品生産者側に運搬して引き渡す再生側引渡し手段が設けられている。
次に、収集業者側が、再生側引渡し手段により紙塊片5を再生製品生産者側に引き渡すに際し、紙塊片有料化手段による紙塊片5の価格よりも大の価格で引き渡す引渡し有料化手段が設けられている。
次に、再生製品生産者側が、引渡しを受けた紙塊片5を再生製品7に加工し、あるいは再生製品7の原料に加工する再生加工手段が設けられている。
そして、生成された再生製品は市場へと流通する。
次に、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムSの構成を、図面を参照してさらに詳細に説明する。
〔廃紙排出側の処理〕
廃紙排出側は、業務上発生し不要となった機密文書その他の文書を千切り破砕シュレッダ1を用いて細分化する。その際、廃紙排出側は、廃紙生成手段として、当該不要となった文書をカラー印刷文書と白黒印刷文書とに分別する。
すなわち、従来、これら不要な文書はカラー以外の活字等の印刷文書(すなわち、「白黒印刷文書」)と、カラー印刷文書とに分別されるが、カラー印刷文書は、カラー印刷インクを除去しなければ、再生紙として用いることはできない。特に、カラートナーを利用して紙面の全面に印刷した文書は、実質的にプラスチックと同等の廃棄物となり、再生紙の原料には向かないものである。カラー印刷文書の混入が少ないほど、再生紙原料として価値があるのである。そこで、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムSにおいては、予め廃紙生成手段によって、カラー印刷文書を除去分別して、白黒印刷文書のみを再生対象の廃紙4とすることとした。
〔千切り破砕処理〕
次に、廃紙排出側は、廃紙4の千切り破砕を行う。かかる処理は、廃紙排出側の有する千切り破砕シュレッダ1によってなされるものである。
ここで、千切り破砕シュレッダ1の具体的構成について、図3を参照して説明する。図3は本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダの構成例を示す図である。
図3に示すように、本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダ1は、機密性を保持しつつ、廃紙4を千切り破砕シュレッダ1内部へと搬送する廃紙送り部110と、廃紙4を千切り作用により細分化する千切り破砕処理部120と、千切り細片を圧縮、固型化し紙塊片5を形成する固型処理部130と、紙塊片5の集合の重量あるいは容積を計測し、当該計測値を記録するとともに、当該計測値が所定値に達すると通報受信サーバ2に対してその旨を通知する回収要求通報部140と、作業状況を知らせるための表示部160と、これらを制御する制御部150とより構成される。
(1)制御部
制御部150は、CPU(Central Processing Unit)、ワーキングメモリなどに使用されるRAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などから構成される。そして、制御部150は、CPUやROMに記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、千切り破砕シュレッダ1全体を制御し、かつ、後述の廃紙送り手段、破砕処理手段、固型処理手段、回収要求通報手段、料金演算手段等として機能する。
(2)廃紙送り手段
廃紙送り手段としての廃紙送り部110は、図4に示すように、廃紙収納ケース400と、搬送機構500と、廃紙検知センサと、ロック検知センサとを備えて構成される。
(i)廃紙収納ケース
廃紙4は所定枚数積層されており、一枚ずつまたは数枚ずつ下層紙より取り出されて次工程の千切り破砕処理部120へと搬入されていく。しかし、ここで重要なことは、次工程の千切り破砕処理部120へ廃紙4を一枚ずつまたは数枚ずつ下層紙より取り出して搬入する場合に、事前工程として廃紙4は廃紙収納ケース400に所定枚数積層されて待機した状態にあるということである。
かかる状態のときに、不用意に廃紙4が廃紙収納ケース400から人為的に抜取られた場合、廃紙4からの秘密漏洩が発生することになる。そのため、廃紙4が廃紙収納ケース400に所定枚数積層され千切り破砕処理部120へ搬入されるまで待機状態にあるときに、廃紙4が廃紙収納ケース400から抜取られない対策を講じなければならない。
そこで、特に本実施形態においては、破砕処理を行う際に廃紙収納ケース400に2つのロック機構が作動するようにした。
以下、かかる機能を有する廃紙収納ケース400の構造について説明する。
廃紙収納ケース400は、千切り破砕処理部120へ廃紙4を搬送するための搬送ベルト501上に積層する多数枚の廃紙4を収納するものである。そして、廃紙4の破砕処理に際して、破砕処理工程中に廃紙4が不用意に抜取られて廃紙4に印字された内容が漏洩することを防止するために廃紙収納ケース400には2つのロック機構が設けられている。すなわち、廃紙4は、一旦同ケース400中に収納されると、これらのロック機構を解錠しない限り、廃紙4はケース400外に取り出すことは不可能となる。
廃紙収納ケース400の構造は、搬送ベルト501上を覆う蓋体402と受台403とよりなる。蓋体402及び受台403は、廃紙4のサイズに応じて伸縮或は折畳み自在であり、本実施例では、A4サイズ、A3サイズの2種類に対応しているが、B5、B4サイズもA4サイズ、A3サイズで収納処理が可能である。
蓋体402は、搬送ベルト501上に積層した廃紙4の上方を密閉状に閉蓋可能に構成され、下方開放の方形箱状に形成されており、先端部を本体ケーシング450の側壁に枢支し、同枢支部404を中心に開閉蓋可能としている。
しかも、蓋体402内側には、伸縮用の補助蓋体405を重複状態に重ねて収納しており、補助蓋体405も蓋体402と同様に下方開放の箱状に形成している。
しかも、補助蓋体405を蓋体402の端部から引き出すことにより、蓋体402は伸長した形態に変化し、大サイズの廃紙4の上方を覆うことができるようにしている。
受台403は、大サイズの廃紙4を処理する場合に用いるものであり、蓋体402から補助蓋体405を伸長して蓋体402等で大サイズの廃紙4を覆う状態とした場合に、搬送ベルト位置の後方にはみ出した大サイズの廃紙4下方を支持するためのものであり、搬送ベルト501の後方側に張り出して装着される。
受台403は、先端を本体ケーシング450の側壁に枢支して垂直方向に曲折自在に構成している。
かかる構成の蓋体402と受台403は、次のように機能する。すなわち、小サイズの廃紙4を処理する場合は、搬送ベルト501上に小サイズの廃紙4が収まるため受台403は不要であり、この場合は、先端の枢支部から下方に折曲して垂直に収納した状態としておく。
他方、大サイズの廃紙4を処理する場合は、搬送ベルト501の後方において、受台403先端の枢支部を中心に水平方向に変位させて、搬送ベルト501の後方から張り出し大サイズの廃紙4後半部を支持する。
かかる蓋体402と受台403には、2つのロック機構が具備されている。まず、図4、図5に示すように、受台403の先端部と、本体ケーシング450側壁との間には、受台用ロック機構406が介設されている。
すなわち、大サイズの廃紙処理に際して受台403を水平状態にセットした場合には、仮に、受台403に受台用ロック機構406が作用しないと、受台403を強引に垂直方向に折畳むことができ、搬送ベルト501後方にはみ出した大サイズの廃紙4が露出してしまう。かかる状態で折畳み状態の受台403の上方から露出した廃紙4を外に引出せば、秘密保持のための廃紙破砕の目的に沿わず、廃紙4から秘密漏洩が生起するおそれがある。
かかる不測の事態を防止するために受台403を大サイズ廃紙処理用に水平状態にセットした場合に、蓋体402と補助蓋体405とを一体に閉蓋すると、図5に示すように、補助蓋体405の縁部に垂設した突片407,407が受台用ロック機構406のスイッチレバー408及びロックピン規制プレート409を作動させて、自動的に受台403の受台用ロック機構406が作動させる。
かかる状態では、受台403は、外的要因によって折曲することができず、収納状態とはならない。従って、不用意に大サイズの廃紙4の引出しが行えず、秘密保持目的を十分に達し得る。
なお、この受台用ロック機構406を解除するに際しては、補助蓋体405と一体の蓋体402を別途設けた蓋体用ロック機構410を解除して開蓋すると、ロック機構は自動的に解除されて、受台403は、手動により垂直の収納状態とすることができる。
また、図4に示すように、蓋体402の側壁と本体ケーシング450の側壁、すなわち、搬送ベルト501上の廃紙収容空間の側壁との間には、上記の受台用ロック機構406とは別に蓋体用ロック機構410が介設されている。
すなわち、図6に示すように、閉蓋して、本体ケーシング450の側壁に設けたロックピン411をソレノイド412により進退作動させると、ロックピン411と蓋体402の側壁とが係合し、あるいは、離脱して蓋体402の開閉ロックがなされる。
なお、ロックピン411の電動操作は、別途設けた操作スイッチ413により行うものであり、同操作スイッチ413は、作業者が有する所定の操作キー(「個人認証キー」に相当)を用いなければ操作できないように構成している。
このように、所定の操作キーを用いてスイッチ操作を行うように構成することにより、不用意に廃紙処理中に開蓋して廃紙4の抜き取りが行えないようにしている。なお、個人認証キーとして、所定の操作キーの他、指紋認証、顔認証、網膜認証などを用いることができる。
(ii)搬送機構
廃紙収納ケース400の底部には、積層した廃紙4を搬送するための始動部分たる搬送ベルト501が配設されている。すなわち、図4に示すように、廃紙送り部110の前後に駆動軸502と遊動軸503を配設し、さらに、図6に示すように、駆動軸502と遊動軸503にはそれぞれ周面スプロケット状のプーリ504,505を一定間隔を保持して多数並設し、前後の各プーリ間に内周面を凹凸上に形成した搬送ベルト501を懸架している。
駆動軸502に並設された多数の周面スプロケット状のプーリ504間には、駆動軸502と連動しないフリー状態で受けローラ506を互い違いに装着している。
図7に示すように、前プーリ504の略上方には、ワンウェイ軸507を配置している。このワンウェイ軸507には、図8に示すように、フリーローラ508とワンウェイローラ509とが互い違いに多数並列して装着されていると共に、フリーローラ508は、ワンウェイ軸507と連動しないように、大径の中心孔を形成して同中心孔中にワンウェイ軸507が挿貫された状態となっており、また、ワンウェイローラ509は、ワンウェイ軸507と一体に取付けられてワンウェイ軸507の一方間回転作動と同じ回転作動を行う。
図中、510は、フリーローラ508の前方に配設した規制軸であり、フリーローラ508が前方に過移動しないように規制している。
ワンウェイ軸507と一体に回転するワンウェイローラ509は、廃紙搬送方向には回転せず、その逆送方向にのみ回転するように構成されている。更には、各フリーローラ508は、各搬送ベルト501とそれぞれ当接するように構成されており、各ワンウェイローラ509は、その下方の各受けローラ506に廃紙一枚分の間隙を保持して対峙構成されている。
従って、搬送ベルト501上に載置された積層の廃紙4は、搬送ベルト501により最下層の廃紙4のみ前方へ送られ、その上方層の積層廃紙4は、逆転するワンウェイローラ509により受止められて、最下層の一枚の廃紙4のみワンウェイローラ509と受けローラ506の間隙、及びフリーローラ508と搬送ベルト501との圧接間を挿通して前方へ進行する。
図7に示すように、ワンウェイ軸507の略上方には平行に押圧軸511が配設されており、押圧軸511には、各フリーローラ508と当接し各フリーローラ508を下方に押圧する状態で押圧ローラ512が配設されている。
すなわち、押圧軸511は、図9に示すように、ワンウェイ軸507のフリーローラ508に押圧ローラ512が圧接するようにスプリング513を介して常に下方に付勢されている。図中、514は、押圧軸511の軸端に設けた付勢機構であり、515は、軸支持レバー、516は、同レバーの基端の枢支部を示す。
従って、フリーローラ508は、ワンウェイ軸507の作動と無関係に搬送ベルト501の先端湾曲部に圧接されており、同ベルト501の転回作動に従動して一枚の廃紙4を搬送ベルト501と間で挟圧しながら廃紙4の送り作用を果す。
各フリーローラ508は前述の通り、中心にはワンウェイ軸507の軸径よりはるかに大きな軸孔を形成し、搬送ベルト501に圧接状態であるため搬送ベルト501の搬送作動に従動して回転するもののワンウェイ軸507とは無関係に回転作動を行う。しかも、その周面には、二本のゴム製のOリングを巻回して摩擦係数増大している。
図9に示すように、搬送ベルト501の先端方向にはワンウェイ回転するガイド軸517が配設されており、図10に示すように、同軸517にはガイドローラ518と当接ローラ519とが互い違いに並設されている。しかも、ガイドローラ518は搬送ベルト501の先端の転回周面部分に圧接されて廃紙4の送り方向には回転せず、その逆方向にのみ回転する。また、当接ローラ519は、搬送ベルト501間に配設された受けローラ506と当接されている。
ガイドローラ518は、周面に二本のゴム製のOリングを巻回し、一定間隔で多数並設し多数の搬送ベルト501にそれぞれ相対して圧接されている。
また、図10に示すように、ガイド軸517の端部には、スプリング520によりガイド軸517を上方のワンウェイ軸517方向に付勢する付勢機構521が装着されている。図9に示すように、この付勢機構521によりガイドローラ518は搬送ベルト501に圧接されているが、この間に廃紙4が複数枚進入するとこの付勢機構521の付勢に抗してガイド軸517の位置が変位する。しかも、ガイド軸517の端部には、ガイド軸517の位置の変位に応じてゴムスイッチ522よりなるモータ反転スイッチ523が作動するように構成されており、同スイッチ523の作動により駆動モータが反転作動を行いそれに連動してワンウェイ軸507や搬送ベルト501など廃紙4の搬送に関わる回転部材が一斉に逆転回転を行い、ガイドローラ518と搬送ベルト501との当接間に狭持した多数の廃紙4を搬送方向と逆の方向に送り、搬送始動時の位置たる搬送ベルト501上に戻す。
多数の廃紙4が復帰したら一旦変位したガイド軸517は元の正常な位置に復帰するので所定の時間経過後に駆動モータは正常の搬送作動方向に作動し通常の一枚毎の廃紙搬送を行う。
図中、524と525は、ガイドローラ518の下方で各搬送ベルト501の転回部分の下側周面近傍に順次配設した小径ガイドローラであり、各搬送ベルト501にそれぞれ圧接して、上方のガイドローラ518から案内されてきた一枚の廃紙4を搬送ベルト501に沿って更に下方に案内するものである。
また、526は、下手の小径ガイドローラと搬送ベルトの圧接位置の直後の下手流路に配設したガイド板である。このガイド板526は、搬送ベルト501とフリーローラ508との間を挿通してきた一枚の廃紙4を下手側に配設した千切り破砕処理部120に案内するためのものである。
(iii)廃紙検知センサ
また、この廃紙送り部110は、廃紙を検出する廃紙検知センサ(図示せず)を備えている。
かかる廃紙検知センサを設けることにより、廃紙収納ケース400内に廃紙がなくなったとき、廃紙検知センサが廃紙を検知しなくなるため、当該検知結果に基づいて、廃紙送り手段、破砕処理手段、固型処理手段等の処理を自動的に停止させることができる。
(iV)ロック検知センサ
また、廃紙送り部110は、蓋体用ロック機構410のロック状態を検知するロック検知センサ(図示せず)を備えている。
かかるロック検知センサを設けることにより、ロックがかかっていない状態で処理が開始されるのを防ぐことができ、安全性、機密性を向上させることが可能となる。
(3)破砕処理手段
機密文書を含む廃紙4は、廃紙排出側において破砕処理手段により千切り状に破砕される。すなわち、千切り破砕シュレッダ1の廃紙送り部110によって搬送された廃紙4は、破砕処理手段としての千切り破砕処理部120により千切り破砕される。
図7に示すように、千切り破砕処理部120は、周面に先端先鋭状の破砕歯車を多数形成した円盤状の歯車を三本の破砕軸601,602,603にそれぞれ多数隣接状態に装着してなり、具体的には第1、第2、第3の各破砕歯車604,605,606を組み合わせてその間に廃紙4を挟んで搬送しながら千切り作用を行うように構成されている。
すなわち、破砕盤の間を廃紙4が通過する過程で各破砕ロールの破砕歯車の歯のかみ合いと歯面の滑りによって廃紙4を約5mm以上のセルロース繊維長を有した細片に千切り状に破砕する。千切り破砕手段によって、廃紙をセルロース繊維長が5mm以上の千切り細片とすることができるため、再生紙にする場合、再生紙の用途を広範囲に拡大することができ、従来の細断廃紙が3mm以下のセルロース繊維長の故にトイレットペーパー等の低品質な再生紙にしか再生できなかったことに比較して、セルロース繊維長を長くすることにより、各種の再生紙に再生が可能となり、再生紙の使用範囲が拡大し、その分廃紙の千切り細片の経済的価格が高騰して、廃紙のリサイクルビジネスの経済性を向上することができる効果があり、更には、機密文書の廃紙で廃紙の千切り細片のセルロース繊維長が5mm以上あっても、千切り状態としたため機密性を十分に保持することができる効果がある。
千切り破砕処理部120は次のように構成されている。
搬送ベルト501と小径ガイドローラ525との圧接位置より、下手流路には、仮想三角形の頂点に位置するように三本の破砕軸601,602,603を配設し、図11、図12に示すように、各軸には横方向に一定間隙を保持して多数の破砕歯車604,605,606が並設されている。
図11に示すように、第一破砕軸601には、先端先鋭状の歯を多数周縁に突設した第一破砕歯車604を一定間隔を保持して多数横方向に並設すると共に、各歯車604間には、周面に歯受用溝を円周状に刻設した第一スペーサ607を介設することにより、第一破砕歯車604と第一スペーサ607とを互い違いに並設している。
第一破砕軸601に対向する第二破砕軸602には、第一破砕軸601と同様に周縁に先端先鋭状の歯を多数突設した第二破砕歯車605を一定間隔を保持して多数並設すると共に、各歯車間には、周面に歯受用溝を円周上に設けた第二スペーサ608を介設することにより、第二破砕歯車605と第二スペーサ608とを互い違いに並設している。
しかも、第一破砕軸601のすべての第一破砕歯車604の歯部と第二破砕軸602のすべての第二破砕歯車605の歯部とは、互いに対向して噛み合っており、この間で互いの歯部が廃紙に突き刺さる。なお、直接には各歯車は紙一枚分の間隙を保持した接触しない状態として歯部の噛み合い当接による騒音の防止と歯部の摩擦を防止している。
図7に示すように、第一破砕軸601に対向する斜め下方位置には、第三破砕軸603が配設されている。
図12に示すように、第三破砕軸603にも、第一破砕軸601、第二破砕軸602と同様に、先端先鋭状の第三破砕歯車606と周面に歯受用溝を円周状に刻設した第三スペーサ609が互い違いに並設されていると共に、第三破砕歯車606は第二破砕軸602の第二スペーサ608と、第三スペーサ609は第二破砕軸602の第二破砕歯車605とそれぞれ対向していると共に、各歯車の歯部は、各スペーサの歯受用溝に紙一枚分の厚みに相当する間隙を保持して遊嵌されている。
このように、各破砕歯車を互い違いに配設し、その間に歯部を覆う状態でスペーサを介在させたことにより、各破砕歯車が廃紙4を引き千切る際の騒音を可及的に第一、第二及び第三のスペーサ間の空間に封じ込めることができる。
第一、第二、第三の各破砕歯車604,605,606は、上記のように構成されており、第一破砕歯車604と第二破砕歯車605とは、略同一径と同速で回転するように構成されており、第三破砕歯車606は、第一及び第二破砕歯車604,605よりも高速で回転するように構成されている。
従って、第一破砕歯車604と第二破砕歯車605との間に搬入された廃紙4においては、まず、第一破砕歯車604と第二破砕歯車605の各歯部が廃紙4に刺きささり、各歯車の回転によって強制的に廃紙4を引き千切り、廃紙4はある程度千切られた状態となる。
この状態で、更に、第二破砕歯車605と第三破砕歯車606との間に、ある程度引き千切られた状態の廃紙4が搬入される。
ここで、第二破砕歯車605と第三破砕歯車606との周速の差異により、更に廃紙4の引き千切り作用が行われる。
特に、周速の異なる破砕歯車により、更なる細断状の千切り作動が行われて、ほぼ5mm前後の細片に引き千切られ、かつ、廃紙4の繊維片の長さも略5mmより大きい状態で残留することになる。
このように、本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダ1は、千切り破砕手段によって、廃紙4をセルロース繊維長が5mm以上の千切り細片とすることができるため、再生紙にする場合、再生紙の用途を広範囲に拡大することができ、従来の細断廃紙が3mm以下のセルロース繊維長の故にトイレットペーパー等の低品質な再生紙にしか再生できなかったことに比較して、セルロース繊維長を長くすることにより、各種の再生紙に再生が可能となり、再生紙の使用範囲が拡大し、その分廃紙の千切り細片の経済的価格が高騰して、廃紙4のリサイクルビジネスの経済性を向上することができる効果があり、更には、機密文書の廃紙4で千切り細片のセルロース繊維長が5mm以上あっても、千切り状態としたため機密性を十分に保持することができる効果がある。
次いで、下手側に配置した固型処理手段としての固型処理部130へと搬送される。
〔固型処理手段〕
千切り破砕処理部120により千切られた廃紙4である千切り細片は、固型処理部130により圧縮されて一定容量、一定重量に固型化された紙塊片5となる。
すなわち、固型処理部130は、図7に示すように、千切り破砕処理部120の排出口に連結されており、図13に示すように、回転軸700の外周に一定空間を形成して装着した線状の螺旋スクリュー701と、その搬送先端に連設した螺旋羽根体702と、その進行方向に設けた圧縮装置703とより構成されている。
具体的には、次のように構成されている。
図13に示すように、千切り破砕処理部120の排出口に連結された固型処理部130は、断面矩形の長方形の圧縮ケースに回転軸700を軸架しており、同回転軸の外周に一定空間を設けて装着した線状の螺旋スクリュー701と、その搬送先端に連設した螺旋羽根体702と、その進行方向に設けた圧縮装置703とより構成されている。線状の螺旋スクリュー701は先端を自由端としており、先端に細片が滞溜しないようにしている。
回転軸700の基端は圧縮ケースの基端に位置する機枠704に支持され、先端に近い回転軸中間位置は機枠704に突設した保持板705に支持されており、この保持板705の前後における回転軸700の一部分には円錐カバー706が配設されて破砕細片が回転軸700を中心とした保持板の前後部分に滞溜しないようにしている。
なお、図7に示すように、この滞留紙細片を掻き落とすため、千切り破砕処理部120の排出口の最終位置に、上方向に回転するスクレーパ610を配設しており、スクレーパ610は線状の螺旋スクリューの回転軸700に沿って配設し、千切り破砕処理部120からの千切り細片を千切り破砕処理部120と圧縮固型化装置との境で滞留しないようにしている。
螺旋羽根体702の先方には圧縮装置703が連設されており、同装置703は、前後開口の箱型ケース707と、その内部中途に出入れ自在に設けた当板708,708とよりなる。当板708,708は、箱型ケース707の外部に装置された付勢装置709,709と連動連結され、常時は箱型ケース707内に収納されて箱型ケース707内を閉塞状態としているが、当板708,708に千切り細片の塊が一定の圧縮負荷としてかかると、最終的には当板708,708を付勢に抗して箱型ケース707の外部に押しやって箱型ケース707内を開放し、一定容量の紙塊片5はそのまま箱型ケース707の外部に押出し放出される。
付勢装置709は、以下のように構成されている。
図14に示すように、箱型ケース707の側壁に当板用スリット710を上下2個形成すると共に、箱型ケース707の外側壁に外方に上下プレート711,712を突設しており、上下プレート711,712の間には当板用軸713,713を垂設し、同当板用軸713,713に当板708,708,708,708を水平に連設している。従って、当板708,708,708,708は同軸713,713の中心に回動して当板用スリット710,710,710,710から箱型ケース707内外を出入する。
当板708の外縁の伸延部分には、縦軸714を挿貫している。同縦軸714には上下3枚の付勢板715を水平に連設し、付勢板715の一端と、箱型ケース707の基端に位置する機枠716との間には当板708を箱型ケース707内に位置させるように付勢するためのスプリング717を介設している。
図中、718は、機枠716のスプリング取付部を示す。従って、当板708は、スプリング717の付勢力によって当板用軸713を中心として回転し箱型ケース707内に押込まれた状態となる。箱型ケース707内において、当板708に一定容量の紙塊片5が当接して圧縮されていくと、最終的には当板708はスプリング717の付勢に抗して当板用軸713を中心にケース707外に回動し、スリット710から箱型ケース707外部に退去してしまうと、箱型ケース707内は開放され一定容量の紙塊片5はそのまま箱型ケース707の先端開放部から外部に押出し放出される。
この場合、当板用軸713と、縦軸714と、機枠716のスプリング取付部718との位置関係でスプリング717の付勢力を調整するようにしている。図中、719は、一体に作動するように上下の当板708,708,708,708を連設し補強するための連結軸である。
このように、廃紙の千切り細片は、線状の螺旋スクリュー701によって十分に攪拌されながら圧縮搬送されるため、機密性がより高く保たれるとともに、効率よく5分の1から10分の1、望ましくは20分の1の容積まで圧縮されるのである。
〔回収要求通報手段〕
回収要求通報手段は、紙塊片5の集合を貯蓄するとともに、当該紙塊片5の重量あるいは容積を計測する計測手段と、当該計測結果を記録する記録手段と、記録している計測値が所定値に達するとその旨を収集業者側の通報受信サーバ2に対して自動送信する通報手段とよりなる。
すなわち、固型処理手段により形成された紙塊片5は、千切り破砕シュレッダ1の下方に設けられた計測部141に落下し、この計測部141によって重量が計測される。この計測部141及び制御部150は、計測手段として機能するものである。
計測部141により計測された計測値は、記録手段としての記録部142内に常時記録され、当該計測値が所定値に達したとき、制御部150は、通報手段として機能する通報部143を用いて、所定の信号を収集業者側の通報受信サーバ2に対して通信ネットワーク3を介して送信する。
なお、計測値における所定値は、廃紙排出側で任意に設定可能である。かかる構成とすることにより、当該値を廃紙排出側で任意に設定することができるため、収集業者側は、紙塊片5の回収を廃紙排出側の要望に応じたタイミングで行うことが可能となる。
また、千切り破砕シュレッダ1には、内部の所定位置に紙塊片5を検知する検知センサ(図示せず)が設けられており、紙塊片5が計測部141に貯蓄、積層されることで、当該検知センサが紙塊片5を感知すると、制御部150が通報受信サーバ2へ所定の信号を送信する構成となっている。
このように、紙塊片5の集合が所定重量あるいは所定容積に達すると、制御部150は、通報手段として、所定の信号を収集業者側の通報受信サーバ2に対して自動送信することにより通報を行なう。
かかる構成とすることにより、廃紙排出側は、紙塊片5の貯蓄具合を逐一確認する必要がなくなり、収集業者側による紙塊片5の回収のタイミングが迅速、円滑に管理されて廃紙4の回収再生の経済性を可及的に向上することができる。
ここで、紙塊片5の計測値が所定値に達したときになされる通報は、千切り破砕シュレッダ1が所定の信号を通報受信サーバ2に対して通信ネットワーク3を介して送信することによってなされるものである。
この所定の信号には、千切り破砕シュレッダ1毎に異なる識別情報が含まれており、これにより、通報受信サーバ2は、千切り破砕シュレッダ1を有する複数の廃紙排出側の中から通報元である廃紙排出側を特定することが可能となる。かかる所定の信号の詳細については、後述する。
なお、紙塊片5の重量の計測値に基づいて通報するか、あるいは紙塊片5の容積の計測結果に基づいて通報するかは、廃紙排出側で任意に設定することができる。
〔通報受信手段〕
千切り破砕シュレッダ1からの通報は、収集業者側の有する通報受信サーバ2によって受信される。
ここで、通報受信サーバ2の構成について図面を参照して具体的に説明する。図15は通報受信サーバ2の構成例を示した図であり、図16はデータベース内に記憶されている廃紙排出側情報の一例を示した図であり、図17は通報受信サーバのディスプレイに表示される画面の構成例である。
通報受信サーバ2は、一般のパーソナルコンピュータあるいは専用端末を適用することができ、図15に示すように、CPU210、作業用RAM220及び各種プログラムを記録するROM230から構成された制御部200と、各種データを記憶するHDD(Hard Disk Drive)等から構成されたデータベース240と、通信ネットワーク3を介して千切り破砕シュレッダ1との間で通信を行うための通信部250と、ユーザの操作により所定の情報を入力可能なキーボード270やマウス280等の入力手段を制御する周辺機器制御チップ260と、CPU210からイメージデータを受け取り、内部のビデオメモリ(図示せず)に書き込むと共にこのビデオメモリに書き込んだデータを後述のディスプレイ300に表示するビデオチップ290、ビデオチップ290から送信される信号に応じた表示を行うディスプレイ300と、FM音源(Frequency Modulation)やWave Table音源などの音源を有する音源チップ320と、音源チップ320から出力されるオーディオ信号を音波に変換する内蔵スピーカ330とを備えて構成され、これらの各種構成要素はシステムバス340を介して相互に接続されている。
データベース240は、図16に示すように、廃紙排出側の情報(会社名、住所、電話番号等)を、千切り破砕シュレッダ1から送信される所定の信号に含まれる当該千切り破砕シュレッダ1毎に異なる識別情報と関連付けて予め記憶している。これにより、所定の信号を受信した際、当該信号に含まれる識別情報によって通報元の廃紙排出側を特定することができる。
制御部200は、CPUやROMに記憶された各種プログラムを読み出し実行することにより、通報受信サーバ2全体を制御し、かつ、後述の通報受信手段等として機能する。
通報受信手段は、千切り破砕シュレッダ1から送信された所定の信号を受信する。当該所定の信号には、上述のように、千切り破砕シュレッダ1毎に異なる識別情報が含まれており、この識別情報とデータベース240内に記憶された廃紙排出側の情報とに基づいて通報元である廃紙排出側を特定することができる。
そして、通報元である廃紙排出側を特定すると、通報受信サーバ2は図17に示すように、廃紙排出側から紙塊片5の収集の要請があった旨を当該廃紙排出側の住所及び電話番号とともにディスプレイ300に表示する。これにより、廃紙排出側から紙塊片5の収集の要請があった旨を収集業者側のスタッフに対して通知することができる。また、当該廃紙排出側の住所及び電話番号もディスプレイに表示させることで、収集業者側のスタッフは、どこへ収集に向かえばよいのか等を即座に確認することができ、スムーズに収集先に向かうことができる。
〔収集手段〕
収集業者側のスタッフは、通報受信サーバ2のディスプレイ300上に収集指示が表示されたことを確認すると、通報元である廃紙排出側に赴き、千切り細片の紙塊片5を回収する。
〔紙塊片有料化手段〕
収集業者側が千切り細片からなる紙塊片5を収集するに際しては、廃紙排出側に一定の対価支払いの債務を負担する。
〔料金演算手段〕
ここで、千切り破砕シュレッダ1の有する料金演算手段は、収集業者が廃紙排出側に対して負担する紙塊片5の収集料金を当該紙塊片5の計測値に基づいて演算する。収集料金の演算式は、[収集料金=紙塊片の重量(kg)×100×α(α<1)]であり、本実施形態においては、α=0.5としている。また、演算した収集料金は、図18に示すように、料金表示ボタン166を押下することにより、表示部160の料金表示領域163に表示される。
なお、支払い債務の内容は、金銭支払いでもよく、代位物による支払いでもよい。
要は、カラー印刷文書の混入のない、5mm以上のセルロース繊維長とした千切り細片であるため、再生工場においては、再生紙等に還元できるような用途の広い原料となっている。
従って、経済性を十分に見積もることのできる紙塊片5の価値に対応した対価の支払い債務を収集業者側に負担させて、廃紙排出側においては、千切り細片として廃紙処理を行うメリットを発生させ、かつ、千切り破砕装置を可及的早急に原価償却しうる状態を生成する。
ところで、再生紙原料の市場価格は常に変動しているので、前記した収集料金の基準価格もこれに連動して変動することとなる。さらに、回収対象の紙塊片5へのカラー印刷文書の混入度合い、ステープルやクリップ等の金属物、プラスチック物の混入度合いによっては、再生紙原料の価値が下がる虞がある。そこで、本実施形態においては、再生紙原料の市場価格を常時監視し、それを反映した収集量金の基準価格の設定を行うこともできる。
すなわち、収集料金の演算式を、[収集料金=紙塊片の重量(kg)×100×α(α<1)×r×s]として、rを古紙の市場価格の変動要素係数とし、sを収集対象の破砕紙塊片の再生紙原料価値係数として設定するのである。
このうち、sについては、収集した紙塊片の履歴をバーコードやICタグを紙塊片5の収集容器に設置するなどしてモニタリングすることにより、収集対象の個別の事業所や個別のシュレッダに対して設定することが可能である。モニタリングの結果を等級認定することにより、再生紙原料価値係数としてフィードバックすることができ、シュレッダ利用者のモチベーションを喚起し、再生紙原料の価値を向上するよう、白黒文書とカラー印刷文書の事前の選別やステープルの除去などの環境改善活動への慫慂が自律的に行われることとなる。
このことによって、従来限りなく金銭的価値が「無」に近かった廃紙排出側における廃紙が千切り破砕という特殊な処理を行うことにより、大きな経済サイクルを生起し、かつ、経済活動の活性化を促す。
〔運搬手段〕
紙塊片5の収集後における当該紙塊片5の再生製品生産者側への搬送は、運搬手段によってなされる。本実施形態において、かかる運搬手段は、トラック等の運搬車両6であり、廃紙排出側において紙塊片5を収集すると、一旦倉庫等に保管した後、あるいは直接に再生製品生産者側へ搬入する。
〔再生側引渡し手段〕
収集業者側は、廃紙排出側から紙塊片5を収集した後、これを再生製品生産者側へ引き渡す。
再生製品生産者側は、一旦収集業者側において貯溜していた紙塊片5を定期的に受け取る場合や、収集した紙塊片5をその都度受け取る場合がある。
また、収集業者側が団体を結成して収集センターをつくり、回収した紙塊片5を管理して紙相場などの経済変動を視野に入れた再生製品生産者側へ引渡しを行う場合がある。
〔引渡し有料化手段〕
収集業者側は紙塊片5を再生製品生産者側に引渡すに際しては、再生製品生産者側から対価を受け取る。
従来のシュレッダによる3mm以下の細断紙片とした処理の場合の価格と比較した場合、本発明のシステムで使用する引き千切り状の細片の価値は、少なくとも5倍以上の価値が生じる。
従って、その分、前述した廃紙排出側へ支払う紙塊片5の対価も、従来に比し高く見積もることができる。
このことは、廃紙排出側への紙塊片5の代金支払い額の増加にもつながり、廃紙リサイクルの経済性を大幅にアップし、その分廃紙リサイクルが活性化して、ひいては自然環境の保護にも貢献することができる。
ここで、再生製品生産者側から受け取る対価の額は、紙塊片有料化手段により廃紙排出側に対して支払った紙塊片5の価格よりも大の価格とする。かかる引渡し価格を算出するための演算式は、[引渡し価格=紙塊片の重量(kg)×100×β(β>1)]であり、本実施形態においては、β=1.5としている。
また、この演算式には、古紙の市場価格の変動要素係数rを含めることもできる。この場合、演算式は、[引渡し価格=紙塊片の重量(kg)×100×β(β>1)×r]となる。
このように、収集業者側は、紙塊片5を再生製品生産者側へ引き渡す際、廃紙排出側に対して支払った紙塊片の価格よりも大の価格で引き渡すことにより、その差額を自己の利益とすることができる。
以上のように、収集業者側の処理としては、紙塊片5の収集を行う収集手段と、紙塊片5を収集するに際して、廃紙排出側に一定の対価支払いの債務を負担する紙塊片有料化手段と、紙塊片を運搬する運搬手段と、収集した紙塊片5を再生製品生産者側へと引き渡す再生側引渡し手段と、紙塊片5を再生製品生産者側へと引き渡す際に、対価を受け取る引渡し有料化手段とがある。
〔再生製品生産者側の加工処理〕
次に、再生製品生産者側の有する手段について説明する。再生製品生産者側は、収集業者側から引渡しを受けた紙塊片を再生製品7に加工し、あるいは再生製品の原料に加工する再生加工手段を有する。
〔再生加工手段〕
再生製品生産者側においては、搬入された紙塊片5を所定の処理工程を経て再生紙等に還元処理する。
再生紙等は、再度、所定の手続に乗って市場に流通することになる。
〔廃紙の破砕回収再生システムSの処理フローチャートの説明〕
ここで、本実施形態における廃紙の破砕回収再生システムSの処理フローチャートの説明として、先ず、千切り破砕シュレッダ1の動作について、図面を参照して具体的に説明する。図19は本実施形態における千切り破砕シュレッダ1のメイン処理フローチャートであり、図20は本実施形態における破砕計測通報処理のフローチャートである。
まず、千切り破砕シュレッダ1の電源がONになると、千切り破砕シュレッダ1のCPUは、RAM、ROM等のアクセス許可、作業領域確保を初期化等の初期設定動作を実行し、各種プログラムをCPUによる実行状態とし、制御部150としての機能を動作させる。
次に、図19に示すように、制御部150は、千切り破砕シュレッダ1に設けられた処理開始ボタン(図18における符号164)が押下されたか否かを判定する(ステップS001)。この処理において、処理開始ボタン164が押下されたと判定すると(ステップS001:Yes)、制御部150は、廃紙検知センサが廃紙収納ケースに収納された廃紙を検知したか否かを判定する(ステップS002)。この処理において、廃紙検知センサが廃紙4を検知したと判定すると(ステップS002:Yes)、制御部150は、処理をステップS003に移行する。
一方、廃紙検知センサが廃紙4を検知していないと判定すると(ステップS002:No)、制御部150は、その旨を表示部160に表示する(ステップS007)。これは、図18に示すように、第1のランプ161を点灯させることにより行われる。
ステップS003において、制御部150は、ロック検知センサが蓋体用ロック機構が作動していることを検知したか否かを判定する。この処理において、ロック検知センサが、蓋体用ロック機構が作動していることを検知したと判定すると(ステップS003:Yes)、制御部150は、廃紙送り手段、破砕処理手段、固型処理手段、回収要求通報手段等として、破砕計測通報処理を行う(ステップS004)。この破砕計測通報処理は、図20におけるステップS010からステップS016に示す処理であり、後述する。
一方、ロック検知センサが、蓋体用ロック機構が作動していることを検知していないと判定すると(ステップS003:No)、制御部150は、その旨を表示部160に表示する(ステップS008)。これは、図18に示すように、第2のランプ162を点灯させることにより行われる。
ステップS007、ステップS008の処理を終了すると、制御部150は、処理をステップS001に移行する。
ステップS004の処理を終了すると、制御部150は、処理終了ボタン(図18における符号165)が押下されたか否かを判定する(ステップS005)。この処理において、処理終了ボタン165が押下されていないと判定すると(ステップS005:No)、制御部150は、処理をステップS002に移行し、処理終了ボタン165が押下されたと判定すると(ステップS005:Yes)、処理を停止し(ステップS006)、処理をステップS007に移行する。
ステップS007において、制御部150は、電源がOFFされたか否かを判定する。この処理において、電源がOFFされていないと判定すると(ステップS007:No)、制御部150は処理をステップS001に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS007:No)、制御部150は、メイン処理を終了する。
次に、ステップS004における破砕計測通報処理について、図20を参照して具体的に説明する。図20は破砕計測通報処理のフローチャートである。
図20に示すように、破砕計測通報処理を開始すると、制御部150は、廃紙送り手段として、廃紙収納ケース内の廃紙を千切り破砕処理部120へと搬送する(ステップS010)。
次に、制御部150は、破砕処理手段として、搬送されてきた廃紙の千切り破砕処理を行い、廃紙を細分化する(ステップS011)。
次に、制御部150は、固型処理手段として、千切り細片を圧縮固型化し、紙塊片5を形成する(ステップS012)。
次に、制御部150は、計測手段として、形成した紙塊片5の集合の重量あるいは容積を計測する(ステップS013)。
次に、制御部150は、記録手段として、計測した紙塊片5の集合の重量を記録する(ステップS014)。
次に、制御部150は、ステップS014において記録した紙塊片5の計測値が所定値に達したか否かを判定する(ステップS015)。この処理において、紙塊片5の計測値が所定値に達していないと判定すると(ステップS015:No)、制御部150は、処理をステップS010に移行する。一方、紙塊片5の計測値が所定値に達したと判定すると(ステップS015:Yes)、制御部150は、通報手段として、所定の信号を収集業者に対して通信ネットワーク3を介して送信する(ステップS016)。
ステップS016の処理が終了すると、制御部150は、破砕計測通報処理を終了する。
次に、通報受信サーバ2の動作について、図面を参照して具体的に説明する。図21は本実施形態における通報受信サーバのメイン処理フローチャートである。
図21に示すように、通報受信サーバ2の制御部200は、メイン処理を開始すると、廃紙排出側から通報を受けたか否かを判定する(ステップS100)。この判定は、千切り破砕シュレッダ1から送信された所定の信号を受信したか否かによって判定するものである。この処理において、廃紙排出側から通報を受けたと判定すると(ステップS100:Yes)、制御部200は、千切り破砕シュレッダ1から送信された所定の信号に含まれる千切り破砕シュレッダごとに異なる識別情報を取り出し(ステップS101)、取り出した識別情報に基づき、データベース240から通報元である廃紙排出側の情報を取り出して(ステップS102)、当該情報をディスプレイ300に表示する(ステップS103)。
次に、制御部200は、電源がOFFされたか否かを判定する(ステップS104)。この処理において、電源がOFFされていないと判定すると(ステップS104:No)、制御部200は、処理をステップS100に移行する。一方、電源がOFFされたと判定すると(ステップS104:Yes)、制御部200は、メイン処理を終了する。
〔本実施形態の具体例〕
ここで、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムSの一例として、廃紙排出側である「○○銀行」で発生した不要な機密文書等からなる廃紙が再生製品である「再生紙」にリサイクルされるまでの流れを具体的に説明する。
「○○銀行」の社員は、業務上発生し不要となった機密文書その他の文書を千切り破砕シュレッダ1を用いて細分化する。その際、「○○銀行」の社員は、廃紙生成手段として、当該不要となった文書をカラー印刷文書と白黒印刷文書とに分別する。
そして、分別した文書のうち、白黒印刷文書である廃紙4を千切り破砕シュレッダ1を用いて細分化する。
この際、千切り破砕シュレッダ1は、廃紙4を千切り破砕処理部120を用いて千切り細片とし、さらに、この千切り細片を固型処理部130を用いて紙塊片5とする。形成された紙塊片5は、千切り破砕シュレッダ1の下方に設けられた計測部141に落下し、この計測部141によって重量が計測される。この計測値は、記録手段によって常時記録され、当該計測値が所定値に達したとき、通報部143を用いて、所定の信号を収集業者側の通報受信サーバ2に対して通信ネットワーク3を介して送信する。
所定の信号を受信した通報受信サーバ2は、当該所定の信号に含まれる識別情報を取り出し、この識別情報とデータベース240内に記憶された廃紙排出側の情報とに基づいて通報元が「○○銀行」であることを特定する。
そして、通報元を特定すると、通報受信サーバ2は、図17に示すように、「○○銀行」から紙塊片5の収集の要請があった旨を「○○銀行」の住所及び電話番号とともにディスプレイ300に表示する。
収集業者側のスタッフは、通報受信サーバ2のディスプレイ300上に収集指示が表示されたことを確認すると、運搬車両6に乗り込み「○○銀行」へと赴き、紙塊片5を収集する。
この際、収集業者側のスタッフは、図18に示すように、千切り破砕シュレッダ1に設けられている料金表示ボタン166を押下して、料金表示領域163に収集料金を表示させ、表示された金額に従い収集料金である5000円を「○○銀行」に対して支払う。なお、古紙の市場価格の変動要素係数rおよび収集対象の破砕紙塊片の再生紙原料価値係数sを考慮した対価を支払うこととしてもよい。
次に、収集業者側のスタッフは、運搬車両6の荷台に収集した紙塊片5を積載し、再生製品生産者側へ向かう。
そして、収集業者側のスタッフは、「○○銀行」から収集した紙塊片5を再生製品生産者側へと引き渡す。その際、収集業者側のスタッフは、再生製品生産者側から、「○○銀行」に対して支払った紙塊片5の価格である5000円よりも大の価格にて当該紙塊片5を引き渡す。その金額は、演算式、[引渡し価格=紙塊片の重量(kg)×100×1.5]に基づいて算出されるため、引渡し金額は、15000円となる。すなわち、「○○銀行」に対して支払った金額と再生製品生産者側から受け取った金額の差額である10000円が収集業者側の利益となる。なお、実際の市場においては、古紙の市場価格の変動要素係数rを考慮した引渡し金額が設定されることとなる。
そして、紙塊片5を受け取った再生製品生産者側においては、紙塊片5を所定の処理工程を経て「再生紙」に還元処理する。この際、紙塊片5を形成する千切り細片は、そのセルロース繊維長が約5mmと、従来に比べて長いため、従来困難であった高品質な再生紙への再生が可能となる。
以上のように、「○○銀行」で発生した廃紙4は、本実施形態における廃紙の破砕回収再生システムSによって「再生紙」としてリサイクルされ、再度、所定の手続に乗って市場に流通することになる。
〔他の実施形態について〕
次に、本発明の他の実施の形態について、図面を用いて説明する。図22は、他の実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムの概略構成図である。なお、先に説明した実施の形態と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図22に示すように、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’は、廃紙排出側の有する千切り破砕シュレッダ10(「シュレッダ装置」に相当)、当該千切り破砕シュレッダ10を用いて廃紙の破砕作業を行う作業者の使用する端末装置11、廃紙排出側の従業員であって千切り破砕シュレッダ10の稼動状況を管理する管理者の端末装置12と、本システムS’を管理するシステム管理会社の有する端末装置20と、収集業者側の有する端末装置30と、再生製品生産者側の有する端末装置40とより構成されており、機密文書の破砕回収再生情報の管理等を可能とするものである。
また、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’において、千切り破砕シュレッダ10と端末装置11、12とは、ローカルネットワークである社内ネットワーク8(「第1の通信経路」に相当)により相互に接続されており、千切り破砕シュレッダ10と端末装置20、30、40とは、グローバルネットワークである社外ネットワーク9(「第2の通信経路」に相当)により相互に接続されている。なお、社内ネットワーク8は、LAN(Local Area Network)等を用いることができ、社外ネットワーク9は、固定電話、PHSなどの電話回線やインターネットなどの通信ネットワークを用いることができる。
なお、本実施形態において、端末装置11、12、20、30、40は、一般のパーソナルコンピュータ或いは専用装置を使用することができる。また、図1中、エンコーダとは、主モータの回転情報(回転数や回転異常など)を把握し、当該情報を通知したり千切り破砕シュレッダ10の運転制御をしたりするものである。
〔千切り破砕シュレッダ10の構成について〕
次に、千切り破砕シュレッダ10の構成について、図23及び図24を用いて説明する。図23は他の実施形態にかかる千切り破砕シュレッダ10の構成例を示す図であり、図24は他の実施形態にかかる千切り破砕シュレッダ10に設けられる回収ボックスの構成例を示す図である。
図23に示すように、本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダ10は、先に説明した実施形態における千切り破砕シュレッダ1の有する構成のほかに、自装置に関する情報を記憶する記憶部144と、記憶部144に記憶された情報を社外ネットワーク9を介してシステム管理会社の端末装置20へ送信する通信部145とを有する。
記憶部144は、フラッシュメモリ(Flash Memory)などから構成され、自装置に関する情報として、自装置の機番及び稼動時間を記憶している。また、記憶部144は、これらの情報の他、千切り破砕シュレッダ10に異常が発生したか否かの判断基準となる異常判断基準情報、千切り破砕シュレッダ10の運転履歴情報、収集業者から送信される分別成績情報等を記憶している。
通信部145は、他の装置との通信を行うことができる無線LANインターフェイスである。なお、通信部145として無線LANインターフェイスに代えて、有線LANインターフェイスやUSBインターフェイスなどを用いるようにしてもよい。
さらに、本実施形態にかかる千切り破砕シュレッダ10は、固型処理手段により形成された紙塊片5を回収する回収ボックス50を備えている。
この回収ボックス50は、千切り破砕シュレッダ10の下方に設けられた計測部141上に載置されるものであり、図24に示すように、蓋51により開閉自在に形成された開口部52を有している。また、回収ボックス50の側壁の一部は、透明フィルム53a〜53dで形成されている。かかる構成とすることにより、内部に収納された紙塊片5を視認可能となるため、例えばカラー印刷された紙など、再生処理を行うのに不適切な紙が再生処理されるのを未然に防止することができる。しかも、かかる構成とすることにより、回収ボックス50に収容された紙塊片5を廃紙検知センサを用いて検知することもできる。
この回収ボックス50を収集業者が回収する際は、蓋51により開口部52が閉鎖されるとともにシール54により封がされることとなる。ここで、このシール54にはバーコードが付されており、このバーコードによって廃紙の排出元が特定されるようにしている。かかる構成とすることにより、リサイクル品質をより高い水準で確保することができる。すなわち、廃紙排出側においては、収集業者により回収された紙塊片5が確実に再生製品生産者に引き渡され、処理されたか否かを確認することができ、また、収集業者側においては、回収した紙塊片5の中に再生処理に不適切な紙が混在していた際に、その旨を分別成績情報として廃紙排出側に対してフィードバックすることができる。
なお、シール54に付されるものは必ずしもバーコードである必要はなく、ICチップやQRコードであってもよい。
また、本実施形態において、回収ボックス50は、強化ダンボール(重量物包装用段ボール)及び透明フィルムで形成されており、再生製品生産者側において、強化ダンボールは紙塊片5とともに再生処理がなされ、透明フィルムは強化ダンボールから分離された後、廃プラスチックとして再生利用される。
千切り破砕シュレッダ10は、以上のように構成されており、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’は、以下の特徴的な機能を有するものである。
〔機番管理機能について〕
本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’では、千切り破砕シュレッダ10に関する情報をシステム管理会社の端末装置20へ送信することにより、システム管理会社による千切り破砕シュレッダ10のメンテナンス等を最適なタイミングで行うことを可能としている。
すなわち、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’において、千切り破砕シュレッダ10は、記憶部144に記憶された自装置の機番及び稼働時間の情報を、通信部145からシステム管理会社の端末装置20へ社外ネットワーク9を介して送信することとしている。
かかる構成とすることにより、システム管理会社は、各千切り破砕シュレッダ10の機番を特定することができるため、当該千切り破砕シュレッダ10がいつ製造され、どのルートで販売されたものか、メンテナンスの記録などの個別の情報を蓄積した端末装置20と照合することにより、最適のメンテナンスを行い、機種の改良、サービスの向上に資することができる。
なお、千切り破砕シュレッダ10は、自装置の稼動時間が所定の時間に達したときに定期的に送信することとする。
〔稼働状況通知機能について〕
また、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’では、廃紙排出側において、千切り破砕シュレッダ10による処理状況を、当該機密文書の千切り破砕シュレッダ10による処理を行った作業者の使用する端末装置11に送信することで、当該作業者が機密文書の処理状況を常時把握可能としている。
すなわち、先の実施形態において説明したように、作業者は、千切り破砕シュレッダ10による処理を開始する際に、操作スイッチ413を用いて当該作業者が有する所定の操作キーを入力することにより廃紙収納ケース400にロックをかけて、千切り破砕シュレッダ10による処理中に機密文書が抜き取られないようにすることとしている。
そして、千切り破砕シュレッダ10は、所定の操作キーと当該操作キーに対応する作業者が使用する端末装置11のIPアドレスとを関連付けて記憶部144に記憶しており、これにより、作業者の端末装置11を特定し、当該端末装置11に対して、千切り破砕シュレッダ10による処理の開始、終了、或いは、処理中の異常発生などの機密文書の処理状況を社内ネットワーク8を介して逐一送信する。
かかる構成とすることにより、例えば、千切り破砕シュレッダ10の稼動中に紙詰まりなどの異常が発生して処理が中断した場合など、作業者がその場にいなくとも当該異常が発生したことを把握することができるため、千切り破砕シュレッダ10を次に使用する他の作業者に迷惑を掛けることなく不具合を解消することができる。
また、千切り破砕シュレッダ10は、上記のように自装置に何らかの異常が発生した場合、当該異常が発生した旨を自装置の機番とともに通信部145及び社外ネットワーク9を介してシステム管理会社の端末装置20へ送信することとしている。かかる構成とすることにより、システム管理会社は、当該異常をオンタイムで察知することができ、当該千切り破砕シュレッダ10の修理等の対応をより迅速に行うことができる。
また、先の実施形態において説明した通り、千切り破砕シュレッダ10は、廃紙収納ケースに収納した廃紙を検知する廃紙検知センサを備えており、廃紙検知センサが廃紙を検知しなくなると、当該検知結果に基づいて、廃紙送り手段、破砕処理手段、固型処理手段等の処理を自動的に停止させることとしたが、これに加え、廃紙検知センサが廃紙を検知すると、当該検知結果を自装置の機番とともに通信部145及び社外ネットワーク9を介してシステム管理会社の端末装置20へ送信することとしてもよい。
かかる構成とすることにより、システム管理会社は、各廃紙排出側に設置された千切り破砕シュレッダ10の稼動状況を把握することができる。
〔紙塊片重量監視機能について〕
また、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’において、千切り破砕シュレッダ10の計測手段は、紙塊片5の重量を計測するものであり、また、収集業者にも、千切り破砕シュレッダ10の計測手段と同様の機能を有する計測手段が設けられている。そして、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’では、収集業者側の計測手段及び千切り破砕シュレッダ10の計測手段を用いて、紙塊片の重量を管理可能としている。
すなわち、収集業者側の計測手段は、収集業者の有する端末装置30と通信可能に接続されており、当該計測手段による計測結果が端末装置30に送信され、当該端末装置30により記憶されるように構成されている。
先ず、収集業者は、廃紙排出側から回収ボックス50に収容された紙塊片5を回収すると、計測手段を用いて当該紙塊片5の重量を計測する。そして、端末装置30は、当該計測結果を計測手段から取得するとともに、当該計測結果を回収ボックス50に貼られたシール54に付されたバーコードの情報と関連付けて記憶する。
かかる構成とすることにより、収集業者側は、千切り破砕シュレッダ10に設けられた計測手段による計測結果と収集業者側の計測手段による計測結果とを付き合わせることができるため、紙塊片5の回収情報をより正確に把握でき、千切り破砕シュレッダ10の計測手段の誤動作、或いは、廃紙排出側の不正などを監視することが可能となる。
また、上述のように、本実施形態にかかる廃紙の破砕回収再生システムS’において、通信経路は、ローカルネットワークからなる第1の通信経路と、グローバルネットワークからなる第2の通信経路とで構成されるとともに、制御系統も、ローカルネットワークからなる第1の制御系統と、グローバルネットワークからなる第2の制御系統とで構成され、これらは互いに独立して構成されている。かかる構成とすることにより、機密情報については、ローカルネットワークである社内ネットワーク8のみと送受信することで、当該機密情報の漏洩を確実に防止することができる。
ここで、上記実施形態においては、千切り破砕シュレッダ10が記憶部144及び通信部145を有する構成としたが、廃紙排出側の用途によってはこれら記憶部144及び通信部145が不要となる場合もある。そこで、記憶部144及び通信部145を有しない千切り破砕シュレッダに対して着脱自在な通信装置を取り付けることにより、必要に応じて、千切り破砕シュレッダに記憶部や通信部の機能を追加することとしてもよい。
この通信装置は、千切り破砕シュレッダから当該千切り破砕シュレッダに関する情報(当該千切り破砕シュレッダの機番や稼動時間、異常発生情報など)を取得するための情報取得インターフェイス(「情報取得部」に相当)と、情報取得インターフェイスを介して取得した情報を記憶する記憶部と、当該インターフェイスを介して取得し情報をシステム管理会社へ社外ネットワーク9を介して送信する通信インターフェイス(「通信部」に相当)と、を備えている。
かかる構成とすることにより、千切り破砕シュレッダが通信機能を有していない場合であっても、当該千切り破砕シュレッダに関する情報をシステム管理会社の端末装置20へ送信することが可能となる。
また、かかる場合であっても、通信経路は、ローカルネットワークからなる第1の通信経路と、グローバルネットワークからなる第2の通信経路とで構成されるとともに、制御系統も、ローカルネットワークからなる第1の制御系統と、グローバルネットワークからなる第2の制御系統とで構成され、これらは互いに独立して構成されている。したがって、機密情報については、ローカルネットワークである社内ネットワーク8のみと送受信することで、当該機密情報の漏洩を確実に防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施の形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
例えば、通報受信サーバ2は、GPS(Global Positioning System)により、千切り破砕シュレッダ1の位置を特定することとしてもよい。この場合、千切り破砕シュレッダ1には、GPS衛星からのデータを受信するGPSアンテナ及びGPSアンテナによる受信データを入力するGPS装置が設けられる。GPS装置は、GPSアンテナを介してGPS衛星から受信したデータに基づいて、当該千切り破砕シュレッダ1の位置を2次元若しくは3次元の座標データによって特定する装置であり、その動作は制御部150によって制御される。
かかる構成の千切り破砕シュレッダ1において、制御部150は、計測部141による紙塊片の集合の計測値が所定値に達したと判定すると、GPS装置に現在の位置情報を要求する信号を出力する。GPS装置は、制御部150からの位置情報要求信号に対し、位置情報などのデータを制御部150に出力する。そして、制御部150は、出力した位置情報などを通報受信サーバ2に対して通信ネットワークを介して送信する。
かかる構成とすることにより、例えば、廃紙排出側の所在地が変わった場合であっても、その旨を逐一収集業者側に報告する必要がなくなる。
また、上述した実施形態においては、千切り破砕シュレッダ1の計測部141により計測される紙塊片5の計測値が所定値に達したときに、所定の信号を収集業者側の通報受信サーバ2に対して通信ネットワーク3を介して送信することとしたが、当該計測値を常時収集業者側に対して送信することとしてもよい。
かかる本発明の他の実施形態において、回収要求通報手段は、紙塊片5の集合を貯蓄するとともに、当該紙塊片5の重量あるいは容積を計測する計測手段と、当該計測結果を定期的に記録する記録手段と、当該記録を所定期間ごとに収集業者側の通報受信サーバ2に対して出力して通報する出力手段とよりなる。
すなわち、千切り破砕シュレッダ1の計測部141内の紙塊片5の重量が所定重量分(例えば1kg)増加すると、記録部142が作動して、定期的に自動で当該計測値を記録するとともに収集業者側に所定の信号を出力して通報する。
この所定の信号には、計測部141により計測された紙塊片5の計測値と千切り破砕シュレッダごとに異なる識別情報とが含まれている。
そして、通報受信サーバ2は、千切り破砕シュレッダ1から出力された所定の信号を受信すると、当該所定の信号から計測部141により計測された紙塊片5の計測値と千切り破砕シュレッダごとに異なる識別情報とを取り出し、取り出した識別情報を基に通報元である廃紙排出側を特定するとともに、データベース240内に記憶されている当該廃紙排出側の情報に当該計測値を追加する。
そして、当該計測値が所定値に達したとき、通報受信サーバ2の制御部200は、計測値が所定値に達した廃紙排出側に赴くべき旨を当該廃紙排出側の住所及び電話番号とともにディスプレイ300に表示する。
かかる構成とすることにより、収集業者側で廃紙排出側における紙塊片5の貯溜状況を管理しながら回収タイミングを見計ることができる。
また、上述した各実施形態では、廃紙排出側において、廃紙生成手段として、当該不要となった文書をカラー印刷文書と白黒印刷文書とに分別したのち、白黒印刷文書のみを廃紙として千切り破砕シュレッダの廃紙収納ケース400に収納することとしたが、これに代えて、廃紙収納ケース400に光量センサを設け、当該センサにより白黒印刷文書とカラー印刷文書とを識別し、カラー印刷文書が混ざっていた場合には、処理を中断するようにすることもできる。
かかる場合、千切り破砕シュレッダ10の記憶部144には、光量センサによるカラー印刷文書を検知するための検知閾値を決定する分別判断基準情報が記憶されている。
かかる構成とすることにより、再生紙の原料に不向きなカラー印刷文書の紙塊片5への混入を未然に防ぐことができ、当該紙塊片5の品質をより高水準で維持することができる。
なお、千切り破砕シュレッダは、光量センサがカラー印刷文書を検知した場合、処理を中断するのではなくカラー印刷文書を収納する専用トレイへと搬送するように構成してもよい。かかる構成とすることにより、光量センサがカラー印刷文書を検知する度に処理が中断することがなく、よりスムーズな作業が可能となる。
本発明の実施の形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したものに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施の形態に記載されたものに限定されるものではない。

Claims (9)

  1. 廃紙排出側で、
    廃紙を細分化する破砕処理手段と、
    破砕した細片を、一定の大きさに圧縮して固めて紙塊片とする固型処理手段と、
    固型処理手段で形成した紙塊片の集合が、所定重量あるいは所定容積に達すると自動的に収集業者側に通報する回収要求通報手段と、
    収集業者側で、
    回収要求通報手段による通報により廃紙排出側に赴き、紙塊片の集合を回収するに際し、紙塊片の価格を算出して、廃紙排出側に紙塊片の価格の支払い債務を負担する紙塊片有料化手段と、
    回収した紙塊片を、運搬手段を用いて再生製品生産者側に運搬して引き渡す再生側引渡し手段と、
    再生側引渡し手段で引き渡すに際し、紙塊片有料化手段による紙塊片の価格よりも大の価格で引き渡す引渡し有料化手段と、
    再生製品生産者側で、
    引渡しを受けた紙塊片を再生製品に加工し、あるいは再生製品の原料に加工する再生加工手段と、
    よりなる廃紙の破砕回収再生システム。
  2. 回収要求通報手段は、紙塊片の集合の重量あるいは容積を計測する計測手段と、
    紙塊片の集合が所定重量あるいは所定容積に達した計測値を定期的に記録する記録手段と、
    当該記録を所定期間ごとに収集業者側に出力して通報する出力手段と、
    を有していることを特徴とする請求項1に記載の廃紙の破砕回収再生システム。
  3. 廃紙を破砕するシュレッダ装置であって、
    廃紙を千切って細分化する破砕処理手段と、
    破砕した細片を、一定の大きさに圧縮して固めて紙塊片とする固型処理手段と、よりなる請求項1又は請求項2に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置。
  4. このシュレッダ装置に関する情報を記憶する記憶部と、
    記憶部に記憶された情報を他の装置へ通信経路を介して送信する通信部と、よりなる請求項1又は請求項2に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いる
    ことを特徴とする請求項3に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置。
  5. 通信経路は、ローカルネットワークからなる第1の通信経路と、グローバルネットワークからなる第2の通信経路とで構成されていることを特徴とする請求項3又は請求項4に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置。
  6. 破砕処理手段へ廃紙を搬送する廃紙送り手段を有し、
    廃紙送り手段には、廃紙を収納するための廃紙収納ケースが設けられており、
    廃紙収納ケースは、個人認証キーにより施錠可能に構成されている
    ことを特徴とする請求項3〜5の何れか1項に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置。
  7. 廃紙送り手段は、廃紙収納ケースに収納された廃紙を検知する廃紙検知センサを備え、
    通信部は、廃紙検出部により廃紙を検出すると、当該検出情報を第2の通信経路を介して送信する
    ことを特徴とする請求項3〜6の何れか1項に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置。
  8. 請求項3に記載のシュレッダ装置に外付けで着脱自在に構成した通信装置であって、
    当該通信装置を取り付けたシュレッダ装置に関する情報を取得する情報取得部と、
    情報取得部で取得した情報を記憶する記憶部と、
    情報取得部で取得した情報を他の装置へ通信経路を介して送信する通信部と、を有することを特徴とする廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置に着脱可能な通信装置。
  9. 通信経路は、ローカルネットワークからなる第1の通信経路と、グローバルネットワークからなる第2の通信経路とで構成されていることを特徴とする請求項8に記載の廃紙の破砕回収再生システムに用いるシュレッダ装置に着脱可能な通信装置。
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