JPWO2008132961A1 - 通信装置、通信方法、通信プログラム及び記録媒体 - Google Patents
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Abstract
パケットを受信する通信手段10と、送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段20と、前記検知手段20にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段30と、チャンネル推定手段40と、復調手段60と、制御手段70とを備えており、前記制御手段70は、比較手段30での比較の結果、複数の既知情報が異なると判定された場合には、前記チャンネル推定手段40に対してチャンネル推定開始指示を行うとともに、通信手段10を介してパケットを送信してきた通信装置に対しチャンネル推定用パケットの送信要求を行い、前記チャンネル推定手段40は、前記制御手段70からのチャンネル推定開始指示に基づき、送信されてきたチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行う。
Description
本発明は、高速チャンネル変化及び高速チャンネル推定を必要とする通信装置、通信方法、通信プログラム及びこの通信プログラムを記録した記録媒体に関する。
データ転送を行うための一般的なネットワーク構成の一例を図5に示す。ここでは送信側通信装置(以下「送信端末」ともいう。)1000が受信側通信装置(以下「受信端末」ともいう。)1200にデータ転送を行う構成となっている。
<QoSの説明>
近時、例えばMPEG2−TS(Transport Stream)のように大容量の動画データなどをストリーミングで伝送する需要が高まっている。このようなストリーミングデータを伝送する場合には、通信にリアルタイム性が要求される。すなわち、ストリーミングデータを構成するQoS(Quality Of Service)フレームには有効期限が決まっており、この有効期限内に伝送することが必要となる。
近時、例えばMPEG2−TS(Transport Stream)のように大容量の動画データなどをストリーミングで伝送する需要が高まっている。このようなストリーミングデータを伝送する場合には、通信にリアルタイム性が要求される。すなわち、ストリーミングデータを構成するQoS(Quality Of Service)フレームには有効期限が決まっており、この有効期限内に伝送することが必要となる。
図6は、QoSフレームの伝送に成功した例と失敗した例のパケットシーケンスを模式的に示した図である。
成功事例(図6中上段)では、フレーム5は、最初に伝送された際に伝送が失敗しており、再送が行われた際に伝送が成功している。この再送の時点は、フレーム5の有効期限よりも前となっているので、フレーム5の伝送は成功したことになる。
一方、失敗事例(図6中下段)では、フレーム5は、最初に伝送された際、及び1回目の再送の際の両方で伝送を失敗している。そして、その後の2回目の再送が行われる前に、フレーム5の有効期限が経過してしまっている。この場合、有効期限内に伝送できなかったQoSフレーム5は、利用することができずに無効(フレームロス)となり、動画データによる映像が受信端末側で乱れることになる。従って、伝送エラーを補償するための再送を行う場合は、各フレームの有効期限内に再送を成功させることが重要である。
なお、上記説明では、有効期限を時間制約として説明しているが、時間に限定されるものではなく、例えば再送回数の上限としてもよい。
<HPAV規格の説明>
次に、PLC(電力線通信)のHPAV(HomePlug Audio Video)規格の送信データの生成の概要について、図7に示したHPAV規格のフォーマットを用いて説明する。
次に、PLC(電力線通信)のHPAV(HomePlug Audio Video)規格の送信データの生成の概要について、図7に示したHPAV規格のフォーマットを用いて説明する。
HPAV規格は、無線LAN(Local Area Network)やイーサーネットと同様に、MAC(Media Access Control)とPHY(物理層)の2つの層に分かれる。
データは、MAC層にフレーム(Frame)のストリームとして入力される。入力されたフレームのストリームは、セグメント(Segment)という512バイト単位に区切られる。
MAC層から物理層にデータが渡される単位がLong MPDU(MAC Protocol Data Unit)であり、最初に16バイトのAVFC(Audio Video Frame Control)、次にn個のPB(PHY Block)が続く。AVFCがPBの部分の様々な情報のヘッダである。PBは、ヘッダH、PBB(PB Body)、及びエラーチェック(C)から構成される。ヘッダHは、PBBに対する4バイトの情報である。PBBがSegmentを暗号化した内容である。CがHとPBBに対する4バイトのエラーチェックコードである。この事例では、PBは520バイトになるが、136バイトの場合もある。なお、最後のPBでフレームが丁度セグメントに入らない場合には、残りの部分にPADを入れてセグメントの長さに合わせる。
PHY層ではLong MPDUの変調を行う。最初にPreambleという送信側と受信側で既知の信号が送られる。次に、AVFCは1つの決まった変調精度のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルに変調される。続きのn個のPBは、M個のOFDMシンボルに変調されるが、OFDMシンボル数は、PB数と、PBを変調する伝送レートとに依存する。なお、OFDMや伝送レートについては次に説明する。また、Preambleは、Long MPDUの認識やAVFCを復調するために用いられる。なお、本明細書においては、物理層が扱う信号をパケットと称する。
<マルチキャリア方式によるデータ転送の説明>
図5に戻って、まず、送信端末1000が、送信する信号(TX)を作成して送信する。送信されたTX信号は、通信媒体(チャンネル)1100を介して受信端末1200でRX信号として受信される。この場合、チャンネル1100では信号は変形され、その伝達関数をHで表すと、下式(1)の関係が成立する。
図5に戻って、まず、送信端末1000が、送信する信号(TX)を作成して送信する。送信されたTX信号は、通信媒体(チャンネル)1100を介して受信端末1200でRX信号として受信される。この場合、チャンネル1100では信号は変形され、その伝達関数をHで表すと、下式(1)の関係が成立する。
RX=TX*H+n ・・・(1)
ここで、nは雑音である。
ここで、nは雑音である。
近年、データ転送を行う方式として、マルチキャリア方式が多用されている。このマルチキャリア方式の一例としてOFDMがある。図8は、OFDM信号の事例を示している。同図において、横軸が時間、縦軸が振幅、3つ目の軸(斜めの軸)が周波数である。OFDM信号は、OFDMシンボルの単位で伝送される。1つのOFDMシンボルにはN個のキャリアが割り当てられ、各キャリアが1つの周波数に対応する。そして、各キャリアが、伝送されるデータの一部を運ぶようになっている。
データを各キャリアに割り当てる場合、そのキャリアに何ビットのデータを割り当てるのかを求める必要がある。この方法については後述するが、キャリアは複素数であっても良い。
図9は、1つの複素数のキャリアに4ビットを割り当てた16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の変調精度の事例を示している。ここで、Iが実部であり、Qが虚部である。IとQにそれぞれ2ビットを割り当てることで、キャリア全体で合計4ビットが割り当てられる。この事例では、ビット値とIまたはQとの関係を下表1のように規定している。
従って、選択肢数は24=16個である。図9には、これら全ての選択肢が描かれている。
ここで、例えば「0010」を転送する場合、「00」が実部I、「10」が虚部Qに割り当てられるため、キャリア値は −3+j、j=SQRT(−1)となる。つまり、I軸では−3、Q軸では+1となる。
このように、各キャリアにデータのMビット(16QAMの場合、M=4)を割り当てることにより、データ転送が行われる。
なお、送信信号TXの複数のOFDMシンボルに渡って絶対値の平均を求めると、通常は図10に示すように、この絶対値の平均が各キャリアに対し一定になるように、OFDM信号が生成される。つまり、図9に示す16QAMの事例では16個の選択肢があるが、どの状況でも絶対値の平均は一定となる。
次に、上記(1)式をキャリア毎に書き換えると、下式(2)となる。
RX(i)=TX(i)*H(i)+n(i) ・・・(2)
ここで、iがキャリアの番号である。
ここで、iがキャリアの番号である。
図11は、送信信号TXと、チャンネルを通った後の受信信号RXとの関係の事例を示している。送信信号TXに比べ、RX信号は伝達関数Hにより、変形されたことが分かる。
このように、送信端末から伝送された信号は、そのままの形で受信端末で受信されることはない。従って、受信端末では、受信した信号を正しく復調するために、受信した信号を元の形に戻す必要がある。このため、通常、受信端末では、Hを推定するチャンネル推定処理を行っている。このチャンネル推定処理の方法については後述するが、推定結果がH’であったとすると、受信端末では、このH’を使って以下のようにチャンネル補正処理を行う。
TX(i)’ =1/H’(i)*RX(i)
=1/H’(i)*(TX(i)*H(i)+n(i))
=TX(i)+n’(i) ・・・(3)
このようにしてチャンネル補正を行うことにより、元のTXに近いTX’を受信端末で求めることができる。推定されたH’がHに近いほど、送信信号TXに近い信号を復元することができる。
=1/H’(i)*(TX(i)*H(i)+n(i))
=TX(i)+n’(i) ・・・(3)
このようにしてチャンネル補正を行うことにより、元のTXに近いTX’を受信端末で求めることができる。推定されたH’がHに近いほど、送信信号TXに近い信号を復元することができる。
図12(a)は、図11に示す信号RXに雑音の影響を加えた事例を示している。ここで、実線がRX信号の平均値(チャンネル応答の平均値)であり、点線が雑音の揺れ幅である。図示の通り、雑音の揺れ幅は周波数軸で一定とはならない。この事例では、低周波数側で揺れ幅が大きく、高周波数側で揺れ幅が小さくなっている。
図12(b)に示す信号は、図12(a)に示す信号RXに対するチャンネル補正後の信号TX’を示している。ここでも実線が平均値であり、点線が雑音の揺れ幅である。信号RXで信号の振幅が小さくかつ雑音が大きい周波数(例えば、図中の符号Aで示す部分)では、TX’の雑音量は大きくなり、信号の振幅が大きくかつ雑音量が小さい周波数(例えば図中の符号Bで示す部分)ではTX’の雑音量は小さくなる。以上のように、補正後の雑音量は元の信号RXの振幅と雑音量とに依存する。
上記の図9で説明した信号TXの16QAMの事例では、雑音がないという仮定で説明を行っているため、キャリア値のIとQは丁度3、1、−1、−3のいずれかになる。これに対し、図13a〜図13cには、雑音を考慮した信号TXの16QAMの事例を示しており、図13aは受信端末の信号の雑音量が少ない場合の事例である。ここで、キャリアの各値の雑音量の領域が●(黒塗り)で表されている。図13aに示すように、雑音量が少ない場合には、各領域が十分独立しているため、通信は十分可能である。
また、図13bは受信端末の信号の雑音量がギリギリの場合の事例である。それぞれの領域は隣の領域に触れているが、エラー訂正処理を行うことにより、通信が可能である。
これに対し、図13cは、受信端末の信号の雑音量が大きすぎる場合の事例である。この場合には、それぞれの領域が隣の領域と多くの部分で重複しているため、エラー訂正処理を行っても、信号は元に戻らない。従って、このような場合には、16QAMより低い変調精度を用いる必要がある。すなわち、この場合にはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)(4QAMに等しい)、つまり1つのキャリアに2ビットを割り当てた変調精度を用いればよい。
なお、図13aに示す事例は問題なく通信できるが、ここではもう1つ上の64QAM、つまり1つのキャリアに6ビットを割り当てることができる。すなわち、このキャリアで16QAMを用いることは帯域を無駄にしていることになる。
このように、受信端末ではキャリアの強度及び雑音量、つまりSNR(Signal To Noise Ratio)を見積もることにより、最適な変調精度を求めることができる。従って、これを送信端末に知らせることで、最速の伝送レートで通信することが可能となる。
<チャンネルの伝達関数Hを推定する方法の説明>
伝達関数Hを推定するためには、通常、送信端末と受信端末の両方で既知の信号を伝送する。HPAVの場合、Preambleは送信側と受信側で既知信号であるが、これは1つのLong MPDUに対し、1つしか伝送されない。そのため、HPAVでは、チャンネル推定のためのチャンネル推定用パケットを用いる。このパケットのPBは、送信端末と受信端末で既知であり、複数のOFDMシンボルから構成される。1つのLong MPDUには複数のOFDMシンボルが用いられるため、Preambleに対しより効率的にチャンネル推定を行うことができる。このことについて次に説明する。
伝達関数Hを推定するためには、通常、送信端末と受信端末の両方で既知の信号を伝送する。HPAVの場合、Preambleは送信側と受信側で既知信号であるが、これは1つのLong MPDUに対し、1つしか伝送されない。そのため、HPAVでは、チャンネル推定のためのチャンネル推定用パケットを用いる。このパケットのPBは、送信端末と受信端末で既知であり、複数のOFDMシンボルから構成される。1つのLong MPDUには複数のOFDMシンボルが用いられるため、Preambleに対しより効率的にチャンネル推定を行うことができる。このことについて次に説明する。
X(i)が送信端末で送信されたチャンネル推定用パケットのOFDMシンボルとすると、これは受信端末では、
Y(i)=X(i)*H(i)+n(i)
となる。受信端末は、受信した内容がXだと分かっているため、例えば以下の演算によりHxy(i)を求めることができる。
Y(i)=X(i)*H(i)+n(i)
となる。受信端末は、受信した内容がXだと分かっているため、例えば以下の演算によりHxy(i)を求めることができる。
Hxy(i)=Y(i)/X(i)
=(X(i)*H(i)+n(i))/X(i)
=H(i)+n’(i) ・・・(4)
ここで重要なことはn’の影響を小さくすることである。このため、通常、送信端末ではX(i)を多数伝送し、受信端末では例えば多数のHxy(i)の平均から推定値のH’(i)を求める。同様に、雑音量はHxy(i)の標準偏差としても良い。
=(X(i)*H(i)+n(i))/X(i)
=H(i)+n’(i) ・・・(4)
ここで重要なことはn’の影響を小さくすることである。このため、通常、送信端末ではX(i)を多数伝送し、受信端末では例えば多数のHxy(i)の平均から推定値のH’(i)を求める。同様に、雑音量はHxy(i)の標準偏差としても良い。
上記式(4)が従来から知られているチャンネルの振幅を推定する高速のLS(Least Square)アルゴリズムである。このLSアルゴリズムを用いた場合、QoSの期限内にチャンネル推定を行うことが可能であるが、現実にはあまり実装されていなかった。
一方、従来から良く用いられている簡単に実現できるアルゴリズムがLMS(Least Mean Square)であるが、このアルゴリズムは処理を完了するまでに数秒を要するため、QoSの期限内にチャンネル推定を行うことができなかった。
ところで、伝達関数Hは送信端末と受信端末間で異なる。つまり、送信端末1と受信端末2間のHと、別の送信端末3と受信端末2間のHは異なる。よって、上記の方法でチャンネル補正を行う場合、どの端末がデータを伝送したのかを識別する必要がある。このため、HPAVでは、AVFCの部分は安全な低い変調精度であるQPSKで伝送される。これにより、Preambleでチャンネル推定を行っても、AVFCを十分復調することが可能であり、AVFCを復調することにより、どのようにPBの部分のチャンネル補正(チャンネル推定終了と仮定)や復調をすれば良いのかが分かるため、PBではより効率のよいHxy(上記で説明した式(4)のHxy)で復調を行うことができる。
上記したSNRを受信端末で見積もる方式は、例えばDSL(Digital Subscriber Line)やPLCで用いられる。
なお、チャンネルの変化が生じた場合、伝達関数Hにも変化が生じる。ここで変化前がH1として、変化後はH2した場合、変化前ではH1に適切なチャンネル推定・補正を行ってH1に最適変調精度を用いるが、チャンネルがH2に変化すると、H2にH1の最適条件でデータ伝送ができなくなる。つまり、チャンネルが変化する前の状態で求まった変調精度を、チャンネルが変化した後のデータの変調に用いると、特にチャンネルの変化が大きい場合、受信端末でのデータのエラー率が高くなる可能性がある。
DSLの場合、チャンネル状況は殆ど変わらないため、SNRを見積もる処理は、通常、端末を立ち上げた際に1回のみ行う。このように1回だけ行う処理であるため、DSLの場合には、簡単でかつ時間が掛かる方法を用いている。DSLのチャンネルが変化した場合、この変化は雑音量の変化であり、かつ少しずつ変化するため(例えば、特許文献1参照)、エラー率が高くなる前に適度に調整することができる。
一方、PLCの場合、例えば非特許文献1では、チャンネルが殆ど変化しないと仮定し、従来のDSLに用いていた方法でSNRの見積もりを行っている。非特許文献2ではDSLの方法を採用していないが、ここでもチャンネルは殆ど変化しないと仮定している。
しかしながら、PLCはDSLと違い、電力線に繋いでいる様々な機器の影響を受ける。例えば電力線に家電機器を接続すると、チャンネルの振幅と雑音の特性が激しく変わる。なお、このチャンネル変化を認識している従来技術(非特許文献3参照)もあるが、この文献では、その解決法や、劇的に変化するチャンネルの影響については明確に述べられていない。PLCは、従来、インターネットの通信に用いられていた。具体的には、メールを読むことやウェブページの閲覧に用いられていたため、通信が数秒程度途切れても問題がなかった。しかし、映像のQoSになると、QoSフレームの期限は100〜200msとされている。さらに電話などの音声に用いられるVoIP(Voice Over Internet Protocol)の場合の期限は100ms以下である。従って、PLCにおいてチャンネルが劇的に変化した場合でも、このチャンネルの変化の認識や、チャンネルの振幅及び雑音の推定をQoS期限内にする必要がある。この場合、チャンネル状況の変化を高速に認識する方法として、例えばフレームやPBのエラー率を監視し、エラー率が高くなったときチャンネルが変化したと認識する方法がある。
特開2005−278150号公報
S. Morosi, D. Marabissi,E.Del Re,R.Fantacci,N.Del Santo,:"A rate adaptive bit-loading algorithm for a DMT modulation system for in-building power-line communications", in Global Telecommunications Conference, 2005. GLOBECOM '05. IEEE, Nov/Dec 2005, Vol 1, pp. 403-407
D. Anastasiadou and T. Antonakopoulos, :"Broadband communications in the indoor power line environment: The pDSL concept", in Proc. ISPLC'04, Zaragoza, Spain, March 2004, pp. 334-339
E. Biglieri, :"Coding and modulation for a horrible channel", in Communications Magazine, IEEE, May 2003, Vol 41, Issue 5, pp 92-98
しかしながら、フレームやPBにエラーが生じる原因は、必ずしもチャンネルの変化だけとは限らない。従って、エラー率が高くなることと、チャンネルが変化することとは、必ずしも一義的に結びつくものではない。従って、フレームやPBのエラー率によってチャンネル変化を認識する手法を採用した場合には、誤認識が発生しやすくなり、チャンネル推定の時間が無駄になる可能性がある。
また、エラー率を求めるためには複数のフレームまたはPBが必要となる。映像の場合、伝送レートが高いためPB数が多く、複数のPBを短い時間で送っているため、短時間でエラー率を求めることができるが、例えば音声のG.723.1の規格になると、音声は最速64Kbpsであり、これは、1秒間に1Kバイト以下である。通常、伝送を問題なく行うためのエラー率は0.01以下が好ましく、エラー率が0.1以上となると伝送速度の切り替えを行うことが望ましい。0.1のエラー率を認識する場合、10個のフレームまたはPBが必要となる。従って、1秒間に1Kバイトの伝送レートとなると、エラー率を求めるためにQoSの期限を越えてしまうといった問題が生じる。これを解決するために、1つのLong MPDUに割り当てるデータ量を数バイトにすることも可能であるが、この場合、帯域を無駄に使うことになるといった問題がある。従って、別の方法でチャンネルの変化を認識する必要がある。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、帯域を無駄にすることなく、かつ、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことのできる通信装置、通信方法、通信プログラム及び記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の通信装置は、パケットを少なくとも受信する通信手段と、送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段と、前記検知手段にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段と、チャンネル推定手段とを備え、前記比較手段の比較結果に基づいて前記チャンネル推定手段に対しチャンネル推定開始指示を行うことを特徴としている。
このような本発明の通信装置では、前記比較手段が複数の既知情報が異なると判定した場合に前記チャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする。
また、本発明の通信装置は、パケットを送受信する通信手段と、送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段と、前記検知手段にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段と、チャンネル推定手段とを備え、前記比較手段の比較結果に基づき、前記通信手段を介して前記パケットを送信してきた通信装置に対しチャンネル推定用パケットの送信要求を行うとともに、前記チャンネル推定手段に対しチャンネル推定開始指示を行うことを特徴としている。
このような本発明の通信装置では、前記比較手段が複数の既知情報が異なると判定した場合に、前記チャンネル推定用パケットの送信要求を行うとともに、前記チャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、比較手段は、送信側と受信側の両通信装置で複数の既知である情報が異なっているか否か、すなわちチャンネルが変化したか否かを判定している。具体的には、PLCのHPAV規格の場合、送信側と受信側の両通信装置で既知であるPreambleを比較する。すなわち、例えば送信されてきた隣接する2つのフレーム(Frame)に含まれる2つのPreambleを順次比較して、両Preambleの情報が異なっているか否かを判定する。そして、両Preambleの情報が異なっている場合には、チャンネルが変化したと判定する。この方法によれば、従来のようにエラー率の変化によってチャンネル変化を認識する方法に比べて、より確実性のあるチャンネル変化の認識(判定)が可能である。また、音声のように低伝送レートのデータの場合、より高速にチャンネル変化を認識することができ、高速チャンネル推定と組み合わせると、帯域を無駄にせずに、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことが可能となる。
また、本発明の通信装置によれば、前記比較手段は、複数の既知情報における各キャリア毎の差分絶対値の合計値が予め設定された基準の閾値よりも大きい場合に、前記複数の既知情報が異なると判定してもよい。
或いは、本発明の通信装置によれば、前記比較手段は、複数の既知情報における任意数のキャリア毎の差分絶対値が予め設定された基準の閾値よりも大きい場合に、前記複数の既知情報が異なると判定してもよい。
また、本発明の通信装置によれば、前記チャンネル推定手段は、送信されてきた前記チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行う構成としている。このように、チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことにより、より精度の高いチャンネル推定を行うことが可能となる。
また、本発明の通信装置は、前記パケットを送信してきた通信装置を認識する認識手段をさらに備え、前記比較手段は、前記認識手段の認識結果に基づき、同じ通信装置が送信してきた前記複数の既知情報同士の比較を行う構成とする。すなわち、パケットを送信した通信装置を認識することで、同じ通信装置が送信した複数の既知情報同士の比較を行っている。チャンネル状況は通信装置毎に異なる。従って、本発明の通信装置を用いることで、ネットワークを構成するシステムに2つ以上の通信装置があった場合でも、同じ通信装置から送信されてきた複数の既知情報同士の比較を行うことができるため、チャンネル変化の誤判定を防止することができる。
ここで、前記認識手段による認識手法としては、前記パケットに含まれる送信端末識別子に基づいて送信してきた通信装置を認識する構成とすることができる。送信端末の識別を端末識別子より行うことにより、確実に送信端末を認識することができる。
また、前記認識手段による他の認識手法としては、前記通信手段が周期的なチャンネルアクセス方式を用いて通信を行う場合において、前記認識手段は、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信してきたパケットであると認識する構成とすることができる。すなわち、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信したと認識しているので、パケットを受信し始めた時点で送信端末を認識することができ、より早い認識が可能となる。
また、本発明の通信方法は、送信側通信装置から受信側通信装置に対して複数のパケットを複数の通信チャンネルを用いて送信する通信システムにおける受信側通信装置の通信方法であって、前記両通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知ステップと、前記検知ステップにて検知した複数の既知情報を比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較の結果に基づき、チャンネル推定手段に対してチャンネル推定開始指示を行うステップとを含むことを特徴としている。
また、本発明の通信方法は、送信側通信装置から受信側通信装置に対して複数のパケットを複数の通信チャンネルを用いて送信する通信システムにおける受信側通信装置の通信方法であって、前記両通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知ステップと、前記検知ステップにて検知した複数の既知情報を比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較の結果、複数の既知情報が異なると判定した場合には、前記パケットを送信してきた送信側通信装置に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行うステップと、チャンネル推定手段に対してチャンネル推定開始指示を行うステップとを含み、前記チャンネル推定手段は前記送信側通信装置から送信されてきたチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことを特徴としている。
このような構成によれば、送信側と受信側の両通信装置で複数の既知である情報が異なっているか否か、すなわちチャンネルが変化したか否かを判定している。具体的には、PLCのHPAV規格の場合、送信側と受信側の両通信装置で既知であるPreambleを比較している。従って、従来のようにエラー率の変化によってチャンネル変化を認識する方法に比べて、より確実性のあるチャンネル変化の認識(判定)が可能である。また、音声のように低伝送レートのデータの場合、より高速にチャンネル変化を認識することができ、高速チャンネル推定と組み合わせると、帯域を無駄にせずに、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことが可能となる。さらに、チャンネル推定手段によるチャンネル推定では、送信されてきたチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行う構成としている。このように、チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことにより、より精度の高いチャンネル推定を行うことが可能となる。
また、本発明の通信方法によれば、前記パケットを送信してきた送信側通信装置を認識する認識ステップをさらに含み、前記比較ステップは、前記認識ステップでの認識結果に基づき、同じ通信装置が送信してきた前記複数の既知情報同士の比較を行う構成としている。チャンネル状況は通信装置毎に異なる。従って、本発明の通信方法を用いることで、ネットワークを構成するシステムに2つ以上の通信装置があった場合でも、同じ通信装置から送信されてきた複数の既知情報同士の比較を行うことができるため、チャンネル変化の誤判定を防止することができる。
また、本発明の通信方法によれば、前記認識ステップは、前記パケットに含まれる送信端末識別子に基づいて送信してきた通信装置を認識する構成としている。このように、送信端末の識別を端末識別子より行うことにより、確実に送信端末を認識することができる。
また、本発明の通信方法によれば、通信方式が周期的なチャンネルアクセス方式を用いて通信を行う場合において、前記認識ステップでは、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信してきたパケットであると認識する構成としている。すなわち、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信したと認識しているので、パケットを受信し始めた時点で送信端末を認識することができ、より早い認識が可能となる。
また、上記通信方法は、各ステップをコンピュータに実行させる通信プログラムとして提供することが可能であり、この通信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することが可能である。
本発明は上記のように構成したので、従来のようにエラー率の変化によってチャンネル変化を認識する方法に比べて、より確実性のあるチャンネル変化の判定を行うことができる。また、音声のように低伝送レートのデータの場合、より高速にチャンネル変化を認識することができ、高速チャンネル推定と組み合わせると、帯域を無駄にせずに、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことができる。
10 通信手段
20 検知手段
30 比較手段
40 チャンネル推定手段
50 認識手段
60 復調手段
70 制御手段
20 検知手段
30 比較手段
40 チャンネル推定手段
50 認識手段
60 復調手段
70 制御手段
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る通信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図1は、実施形態1に係る通信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
同図において、本実施形態1の通信装置は、通信手段10、検知手段20、比較手段30、チャンネル推定手段40、送信されてきた信号TXを信号RX(受信データ)に復調する復調手段60、及び通信全般を制御する制御手段70によって構成されている。なお、データ通信は送信側の通信装置と受信側通信装置との間で行われるため、本実施形態1の通信装置は送信側及び受信側の両方の通信装置に適用することが可能であるが、ここでは説明の都合上、受信側の通信装置(受信端末)に適用した場合について説明する。
通信手段10は、フレームの送受信を行う手段である。通信手段の意味は装置の構成に依存するが、ここでの通信手段10は、通常のMAC/PHY層において、検知手段20、比較手段30、チャンネル推定手段40、復調手段60及び制御手段70以外の部分を意味している。これは、例えばアナログ部、OFDMの場合は周波数軸信号を時間軸信号に変換するFFT(Fast Fourier Transform)とその逆FFTを行う部分に相当する。
検知手段20は、送信側と受信側で既知である情報を検知する手段である。HPAVの場合、既知情報はPreambleやチャンネル推定用のOFDMシンボルがある。通常のデータにはチャンネル推定用のOFDMシンボルが含まれていないため、本実施形態1では、既知情報としてPreambleを用いている。なお、実際にはPreambleに限定する必要はなく、送信側と受信側で既知の情報であれば、比較手段30での比較対象として用いることができる。
比較手段30は複数のパケット(Long MPDU)のPreambleを比較する手段である。比較手段30は、複数のPreambleの比較を行い、その比較結果を制御手段70に出力する。制御手段70は、比較手段30からの比較結果により、チャンネル推定手段40にチャンネル推定の開始を指示する指示信号を出力する。チャンネル推定手段40は、この指示信号を受け取ると、チャンネル推定処理を開始することになる。
チャンネル状況が変わると、その情報はPreambleに反映される。従って、本実施形態では、比較手段30の判定基準を、複数のパケットのPreambleが異なったか否かを判定することとしている。例えば、2つのパケットのPreambleが異なった場合、これをチャンネル情報の変化と認識することができる。
より具体的に説明すると、比較方法としては、例えば複数のPreambleの各キャリア毎の差分絶対値の合計を計算し、この合計値が予め設定された基準の閾値より大きくなった場合に、チャンネルが変化したと判定する。また、m個(mは任意)のキャリアの差分絶対値が予め設定された基準の閾値を超えた場合に、チャンネルが変化したと判定してもよい。なお、差分絶対値は対数的であってもよい。また、演算に用いるPreambleのキャリア情報として、キャリア毎の振幅、雑音、位相またはキャリア毎のSNRとしても良い。HPAVのPreambleより振幅または雑音を求めるため、Preambleの特徴を利用することができる。HPAVのPreambleは時間的に最低8つの決まったパターンの繰り返しから構成されている。このパターンの一部はAGC(Automatic Gain Control)やパケット認識に使われるが、残った数個のパターンの統計情報からチャンネルの振幅、雑音、またはSNRを求めることができる。
このように、チャンネル状況が変化すると、比較手段30はこれをPreambleで認識することができるので、送信端末に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行うことができる。
すなわち、本実施形態1では、チャンネル推定を行うために、送信端末がチャンネル推定用パケットを受信端末に伝送する構成としている。このため、比較手段30は、上記の判定処理によってチャンネル推定が必要と判断した場合、通信手段10を介して送信端末にチャンネル推定用パケットの要求情報を含んだパケットを送信する。送信端末は、この情報を受け取ると、チャンネル推定用パケットを受信端末(すなわち、要求情報を含んだパケットを送信した端末)に送信する。
チャンネル推定手段40は、比較手段30からチャンネル推定の開始を指示する指示信号を受け取り、かつ、送信端末から送信されてきたチャンネル推定用パケットを通信手段10を介して受け取ると、この受け取ったチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定処理を行う。なお、このチャンネル推定処理は従来周知の処理であるので、ここでは詳細な説明を省略するが、チャンネル推定処理を高速化するためには、チャンネルの振幅と雑音の推定を同時に行った方がよい。
なお、チャンネル推定により、各キャリアに対する最適変調精度が求まるので、受信端末は送信端末に対してこの情報を送信する。送信端末は、この情報を用いてデータの変調を行い、受信端末に対して送信する。
ここで、本実施形態1の通信装置による通信方法(具体的には、チャンネル推定処理)の処理手順について、図2に示すフローチャートを参照して再度説明する。
データ通信に際し、受信端末の検知手段20は、通信手段10を介して受信した通信データであるパケットから、両端末で既知であるPreambleを検知する(ステップS11)。そして、Preambleを検知すると(ステップS11)、その検知したPreambleの情報を比較手段30に出力する(ステップS12)。比較手段30では、入力された複数のPreambleの情報が異なっているか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、送信データの隣接する2つのフレーム(Frame)に含まれている2つのPreambleを順次比較して、両Preambleの情報が異なっているか否かを判定する。その結果、両Preambleの情報が同じである場合(ステップS13でNoと判断された場合)には、ステップS11に戻る。すなわち、この場合にはそのままデータの受信処理を継続することになる。
一方、両Preambleの情報が異なっている場合(ステップS13でYesと判断された場合)には、通信媒体であるチャンネルが変わったと判定し、その判定結果を制御手段70に出力する。制御手段70は、この判定結果に基づき、データ(パケット)を送信してきた送信端末に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行う(ステップS14)。また、制御手段70は、チャンネル推定手段40に対してチャンネル推定開始指示を行う(ステップS15)。
この後、送信端末からチャンネル推定用パケットが送信されてくると、このチャンネル推定用パケットは通信手段10を介してチャンネル推定手段40に入力される。チャンネル推定手段40は、制御手段70からのチャンネル推定開始指示の後に、チャンネル推定用パケットを受け取ると(ステップS16でYesと判断されると)、その受け取ったチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定処理を行う(ステップS17)。なお、チャンネル推定処理は複数のチャンネル推定用パケットの統計から行い、チャンネル推定処理が終了したのかの判断は受信端末が行う。この判断は本発明の対象外であるが、1つのチャンネル推定用パケットに対するチャンネル推定処理を行った後、チャンネル推定処理が終了したのかの判断をステップS18で行う。終了していない場合(ステップS18でNoと判断された場合)はステップS16に戻る。一方、終了した場合(ステップS18でYesと判断された場合)は求まった最適変調精度の情報を受信端末から送信端末に対して送信する(ステップS19)。なお、このフローチャートの事例は2つのPreambleの比較の事例であるが、2つ以上の複数のPreambleの比較であってもよい。
(本実施形態1によるチャンネル推定処理と従来のチャンネル推定処理との比較)
上記したように、チャンネルが変化した場合、受信端末では受信したPreambleの信号に変化が生じる。言い換えると、チャンネルが変化しなくても、送信端末でチャンネルが変形したかのようにPreambleの形を変形させることができる。つまり、Preambleだけではなく、PreambleとAVFCを同じように変形させ、その後のPBの部分のOFDMシンボルは変形させない状態で信号を生成することができる。
上記したように、チャンネルが変化した場合、受信端末では受信したPreambleの信号に変化が生じる。言い換えると、チャンネルが変化しなくても、送信端末でチャンネルが変形したかのようにPreambleの形を変形させることができる。つまり、Preambleだけではなく、PreambleとAVFCを同じように変形させ、その後のPBの部分のOFDMシンボルは変形させない状態で信号を生成することができる。
この場合、本実施形態1のチャンネル推定を用いると、受信端末はPreambleによりチャンネルに変化があったと認識し、送信端末にチャンネル推定用パケットを要求することになる。これに対し、エラー率をチェックする従来の方式で同じことをした場合、PreambleとAVFCは同じ様に変形されているため、AVFCは問題なく復調され、AVFCの情報を元に変形されなかったPBを問題なく復調することがきる。従って、エラー率をチェックする方式では、チャンネルに変化はなかったと判定されることになる。このように、PreambleとAVFCのみを送信端末で変形させた場合、エラー率をチェックする方式ではチャンネルの変化が無かったと認識されてしまう。これに対し、本実施形態1の場合はチャンネル推定用パケットの要求を行うことになる。なお、PreambleとAVFCを変形させる場合、比較手段30でチャンネルが十分に異なったと認識できるように変形させることが望ましい。
<実施形態2>
データ通信が2つの端末間でのみ行われる場合、比較手段30はどの端末がデータを送信したのかを認識する必要はない。しかし、複数の端末間でデータ通信が行われる場合、受信端末は同じ送信端末から伝送されてきたPreambleのみの比較を行う必要がある。すなわち、どの送信端末がデータを伝送してきたのかを認識する必要がある。これは、チャンネル状況は端末間ごとに異なるためである。そのため、本実施形態2では、図3に示すように、認識手段50をさらに備えている。その他の構成は図1に示した本実施形態1の受信端末の構成と同じである。
データ通信が2つの端末間でのみ行われる場合、比較手段30はどの端末がデータを送信したのかを認識する必要はない。しかし、複数の端末間でデータ通信が行われる場合、受信端末は同じ送信端末から伝送されてきたPreambleのみの比較を行う必要がある。すなわち、どの送信端末がデータを伝送してきたのかを認識する必要がある。これは、チャンネル状況は端末間ごとに異なるためである。そのため、本実施形態2では、図3に示すように、認識手段50をさらに備えている。その他の構成は図1に示した本実施形態1の受信端末の構成と同じである。
認識手段50は、どの送信端末がパケットを送信したのかを認識し、その認識結果を比較手段30に出力する。比較手段30は、検知手段20から受け取ったPreambleがどの送信端末からのものであるのかを、認識手段50から受け取った認識結果に基づいて確認する。これにより、比較手段30は、同じ送信端末から送信されてきた2つのPreamble同士の比較を行うことができるため、チャンネル変化の誤判定を防止することができる。
なお、認識手段50による認識手法としては、パケットに含まれる送信端末識別子(例えば、MACアドレスであってもよい。)に基づいて送信端末を認識する構成とすることができる。送信端末の識別を端末識別子より行うことにより、確実に送信端末を認識することができる。
また、HPAVはチャンネルアクセス方式として、TDMA(Time Division Multiple Access)を用いている。また、HPAVでは、データ通信の周期を電力線の電力の周期(50または60Hz)の倍としている。つまり、TDMAの周期は25または30Hzである。そして、2つの端末間のデータ伝送は、この周期内のどの部分で行われるのかが決まっている。従って、認識手段50は、TDMAの周期内で割り当てられた時間帯に伝送されたデータを、同じ送信端末から送信されてきたデータであると判定することができる。すなわち、周期の同じ時間帯に受信したデータ(パケット)を同じ送信端末が送信したパケットであると認識しているので、パケットを受信し始めた時点で送信端末を認識することができ、より早い認識が可能となる。
DSLの場合、チャンネルは劇的に変化しないが、少しずつ変化し、DSLのチャンネル推定に用いられるアルゴリズムはこの変化に対応している。PLCの場合も少しずつ変化することがあり、LSアルゴリズムとDSLに用いられるアルゴリズムを組み合わせることにより、チャンネルが劇的に変化した場合と少しずつ変化した場合に対応することができる。
ここで、本実施形態2の通信装置による通信方法(具体的には、チャンネル推定処理)の処理手順について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
データ通信に際し、送信端末から通信データであるパケットを通信手段10を介して受信すると(ステップS21)、受信端末の認識手段50は、受信した通信データであるパケットに含まれる例えば送信端末識別子(MACアドレス等)に基づいて、どの送信端末がパケットを送信してきたのかを認識し、その認識結果(同じ送信端末であるか否かの認識結果)を比較手段30に出力する(ステップS22)。
一方、受信端末の検知手段20は、通信手段10を介して受信した通信データであるパケットから、両端末で既知であるPreambleを検知すると(ステップS23)、その検知したPreambleの情報を比較手段30に出力する(ステップS24)。
比較手段30は、検知手段20から受け取ったPreambleがどの送信端末からのものであるのかを、認識手段50から受け取った認識結果に基づいて確認する。その結果、前回送信されてきた通信データ(パケット)と今回送信されてきた通信データ(パケット)とが違う送信端末から送信されてきたと判断した場合(ステップS25でNoと判断された場合)には、何もせずにステップS21に戻る。すなわち、この場合には、受信した通信データ(パケット)を無視する。
一方、前回送信されてきた通信データ(パケット)と今回送信されてきた通信データ(パケット)とが同じ送信端末から送信されてきたと判断した場合(ステップS25でYesと判断された場合)には、比較手段30は、前回送信されてきたパケットに含まれていたPreambleと、今回送信されてきたパケットに含まれているPreambleとの比較を行う(ステップS26)。その結果、両Preambleの情報が同じである場合(ステップS26でNoと判断された場合)には、ステップS21に戻る。すなわち、両通信データ(パケット)が同じ通信媒体(チャンネル)を用いて送信されてきているので、この場合にはそのままデータの受信処理を継続する。
一方、両Preambleの情報が異なっている場合(ステップS26でYesと判断された場合)には、チャンネルが変わったと判定し、その判定結果を制御手段70に出力する。制御手段70は、この判定結果に基づき、通信データ(パケット)を送信してきた送信端末に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行う(ステップS27)。また、制御手段70は、チャンネル推定手段40に対してチャンネル推定開始指示を行う(ステップS28)。
この後、送信端末からチャンネル推定用パケットが送信されてくると、このチャンネル推定用パケットは通信手段10を介してチャンネル推定手段40に入力される。チャンネル推定手段40は、制御手段70からのチャンネル推定開始指示の後に、チャンネル推定用パケットを受け取ると(ステップS29でYesと判断されると)、その受け取ったチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定処理を行う(ステップS30)。なお、チャンネル推定処理は複数のチャンネル推定用パケットの統計から行い、チャンネル推定処理が終了したのかの判断は受信端末が行う。この判断は本発明の対象外であるが、1つのチャンネル推定用パケットに対するチャンネル推定処理を行った後、チャンネル推定処理が終了したのかの判断をステップS31で行う。終了していない場合(ステップS31でNoと判断された場合)はステップS29に戻る。一方、終了した場合(ステップS31でYesと判断された場合)は、求まった最適変調精度の情報を受信端末から送信端末に対して送信する(ステップS32)。なお、このフローチャートの事例は2つのPreambleの比較の事例であるが、2つ以上の複数のPreambleの比較であってもよい。
なお、上記実施形態では、HPAVの規格を元に説明を行ったが、PLCやOFDMに限定されるものではない。例えば、ウエーブレット変換(Wavelet Transformation)の技術、またはDSL、イーサーネットや無線LANのような様々の通信規格に本発明の通信装置及び通信方法を適用することが可能である。
また、上記実施形態における通信装置の各手段や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。従って、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の通信装置の各種機能及び各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能及び各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
また、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
また、この出願は、2007年4月12日に日本で出願された特願2007−105099に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。
高速チャンネル変化及び高速チャンネル推定を必要とする通信装置、通信方法、通信プログラム、並びにそのような通信プログラムを記録した記録媒体に適用できる。
本発明は、高速チャンネル変化及び高速チャンネル推定を必要とする通信装置、通信方法、通信プログラム及びこの通信プログラムを記録した記録媒体に関する。
データ転送を行うための一般的なネットワーク構成の一例を図5に示す。ここでは送信側通信装置(以下「送信端末」ともいう。)1000が受信側通信装置(以下「受信端末」ともいう。)1200にデータ転送を行う構成となっている。
<QoSの説明>
近時、例えばMPEG2−TS(Transport Stream)のように大容量の動画データなどをストリーミングで伝送する需要が高まっている。このようなストリーミングデータを伝送する場合には、通信にリアルタイム性が要求される。すなわち、ストリーミングデータを構成するQoS(Quality Of Service)フレームには有効期限が決まっており、この有効期限内に伝送することが必要となる。
近時、例えばMPEG2−TS(Transport Stream)のように大容量の動画データなどをストリーミングで伝送する需要が高まっている。このようなストリーミングデータを伝送する場合には、通信にリアルタイム性が要求される。すなわち、ストリーミングデータを構成するQoS(Quality Of Service)フレームには有効期限が決まっており、この有効期限内に伝送することが必要となる。
図6は、QoSフレームの伝送に成功した例と失敗した例のパケットシーケンスを模式的に示した図である。
成功事例(図6中上段)では、フレーム5は、最初に伝送された際に伝送が失敗しており、再送が行われた際に伝送が成功している。この再送の時点は、フレーム5の有効期限よりも前となっているので、フレーム5の伝送は成功したことになる。
一方、失敗事例(図6中下段)では、フレーム5は、最初に伝送された際、及び1回目の再送の際の両方で伝送を失敗している。そして、その後の2回目の再送が行われる前に、フレーム5の有効期限が経過してしまっている。この場合、有効期限内に伝送できなかったQoSフレーム5は、利用することができずに無効(フレームロス)となり、動画データによる映像が受信端末側で乱れることになる。従って、伝送エラーを補償するための再送を行う場合は、各フレームの有効期限内に再送を成功させることが重要である。
なお、上記説明では、有効期限を時間制約として説明しているが、時間に限定されるものではなく、例えば再送回数の上限としてもよい。
<HPAV規格の説明>
次に、PLC(電力線通信)のHPAV(HomePlug Audio Video)規格の送信データの生成の概要について、図7に示したHPAV規格のフォーマットを用いて説明する。
次に、PLC(電力線通信)のHPAV(HomePlug Audio Video)規格の送信データの生成の概要について、図7に示したHPAV規格のフォーマットを用いて説明する。
HPAV規格は、無線LAN(Local Area Network)やイーサーネットと同様に、MAC(Media Access Control)とPHY(物理層)の2つの層に分かれる。
データは、MAC層にフレーム(Frame)のストリームとして入力される。入力されたフレームのストリームは、セグメント(Segment)という512バイト単位に区切られる。
MAC層から物理層にデータが渡される単位がLong MPDU(MAC Protocol Data Unit)であり、最初に16バイトのAVFC(Audio Video Frame Control)、次にn個のPB(PHY Block)が続く。AVFCがPBの部分の様々な情報のヘッダである。PBは、ヘッダH、PBB(PB Body)、及びエラーチェック(C)から構成される。ヘッダHは、PBBに対する4バイトの情報である。PBBがSegmentを暗号化した内容である。CがHとPBBに対する4バイトのエラーチェックコードである。この事例では、PBは520バイトになるが、136バイトの場合もある。なお、最後のPBでフレームが丁度セグメントに入らない場合には、残りの部分にPADを入れてセグメントの長さに合わせる。
PHY層ではLong MPDUの変調を行う。最初にPreambleという送信側と受信側で既知の信号が送られる。次に、AVFCは1つの決まった変調精度のOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)シンボルに変調される。続きのn個のPBは、M個のOFDMシンボルに変調されるが、OFDMシンボル数は、PB数と、PBを変調する伝送レートとに依存する。なお、OFDMや伝送レートについては次に説明する。また、Preambleは、Long MPDUの認識やAVFCを復調するために用いられる。なお、本明細書においては、物理層が扱う信号をパケットと称する。
<マルチキャリア方式によるデータ転送の説明>
図5に戻って、まず、送信端末1000が、送信する信号(TX)を作成して送信する。送信されたTX信号は、通信媒体(チャンネル)1100を介して受信端末1200でRX信号として受信される。この場合、チャンネル1100では信号は変形され、その伝達関数をHで表すと、下式(1)の関係が成立する。
図5に戻って、まず、送信端末1000が、送信する信号(TX)を作成して送信する。送信されたTX信号は、通信媒体(チャンネル)1100を介して受信端末1200でRX信号として受信される。この場合、チャンネル1100では信号は変形され、その伝達関数をHで表すと、下式(1)の関係が成立する。
RX=TX*H+n ・・・(1)
ここで、nは雑音である。
ここで、nは雑音である。
近年、データ転送を行う方式として、マルチキャリア方式が多用されている。このマルチキャリア方式の一例としてOFDMがある。図8は、OFDM信号の事例を示している。同図において、横軸が時間、縦軸が振幅、3つ目の軸(斜めの軸)が周波数である。OFDM信号は、OFDMシンボルの単位で伝送される。1つのOFDMシンボルにはN個のキャリアが割り当てられ、各キャリアが1つの周波数に対応する。そして、各キャリアが、伝送されるデータの一部を運ぶようになっている。
データを各キャリアに割り当てる場合、そのキャリアに何ビットのデータを割り当てるのかを求める必要がある。この方法については後述するが、キャリアは複素数であっても良い。
図9は、1つの複素数のキャリアに4ビットを割り当てた16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)の変調精度の事例を示している。ここで、Iが実部であり、Qが虚部である。IとQにそれぞれ2ビットを割り当てることで、キャリア全体で合計4ビットが割り当てられる。この事例では、ビット値とIまたはQとの関係を下表1のように規定している。
従って、選択肢数は24=16個である。図9には、これら全ての選択肢が描かれている。
ここで、例えば「0010」を転送する場合、「00」が実部I、「10」が虚部Qに割り当てられるため、キャリア値は −3+j、j=SQRT(−1)となる。つまり、I軸では−3、Q軸では+1となる。
このように、各キャリアにデータのMビット(16QAMの場合、M=4)を割り当てることにより、データ転送が行われる。
なお、送信信号TXの複数のOFDMシンボルに渡って絶対値の平均を求めると、通常は図10に示すように、この絶対値の平均が各キャリアに対し一定になるように、OFDM信号が生成される。つまり、図9に示す16QAMの事例では16個の選択肢があるが、どの状況でも絶対値の平均は一定となる。
次に、上記(1)式をキャリア毎に書き換えると、下式(2)となる。
RX(i)=TX(i)*H(i)+n(i) ・・・(2)
ここで、iがキャリアの番号である。
ここで、iがキャリアの番号である。
図11は、送信信号TXと、チャンネルを通った後の受信信号RXとの関係の事例を示している。送信信号TXに比べ、RX信号は伝達関数Hにより、変形されたことが分かる。
このように、送信端末から伝送された信号は、そのままの形で受信端末で受信されることはない。従って、受信端末では、受信した信号を正しく復調するために、受信した信号を元の形に戻す必要がある。このため、通常、受信端末では、Hを推定するチャンネル推定処理を行っている。このチャンネル推定処理の方法については後述するが、推定結果がH’であったとすると、受信端末では、このH’を使って以下のようにチャンネル補正処理を行う。
TX(i)’ =1/H’(i)*RX(i)
=1/H’(i)*(TX(i)*H(i)+n(i))
=TX(i)+n’(i) ・・・(3)
このようにしてチャンネル補正を行うことにより、元のTXに近いTX’を受信端末で求めることができる。推定されたH’がHに近いほど、送信信号TXに近い信号を復元することができる。
=1/H’(i)*(TX(i)*H(i)+n(i))
=TX(i)+n’(i) ・・・(3)
このようにしてチャンネル補正を行うことにより、元のTXに近いTX’を受信端末で求めることができる。推定されたH’がHに近いほど、送信信号TXに近い信号を復元することができる。
図12(a)は、図11に示す信号RXに雑音の影響を加えた事例を示している。ここで、実線がRX信号の平均値(チャンネル応答の平均値)であり、点線が雑音の揺れ幅である。図示の通り、雑音の揺れ幅は周波数軸で一定とはならない。この事例では、低周波数側で揺れ幅が大きく、高周波数側で揺れ幅が小さくなっている。
図12(b)に示す信号は、図12(a)に示す信号RXに対するチャンネル補正後の信号TX’を示している。ここでも実線が平均値であり、点線が雑音の揺れ幅である。信号RXで信号の振幅が小さくかつ雑音が大きい周波数(例えば、図中の符号Aで示す部分)では、TX’の雑音量は大きくなり、信号の振幅が大きくかつ雑音量が小さい周波数(例えば図中の符号Bで示す部分)ではTX’の雑音量は小さくなる。以上のように、補正後の雑音量は元の信号RXの振幅と雑音量とに依存する。
上記の図9で説明した信号TXの16QAMの事例では、雑音がないという仮定で説明を行っているため、キャリア値のIとQは丁度3、1、−1、−3のいずれかになる。これに対し、図13a〜図13cには、雑音を考慮した信号TXの16QAMの事例を示しており、図13aは受信端末の信号の雑音量が少ない場合の事例である。ここで、キャリアの各値の雑音量の領域が●(黒塗り)で表されている。図13aに示すように、雑音量が少ない場合には、各領域が十分独立しているため、通信は十分可能である。
また、図13bは受信端末の信号の雑音量がギリギリの場合の事例である。それぞれの領域は隣の領域に触れているが、エラー訂正処理を行うことにより、通信が可能である。
これに対し、図13cは、受信端末の信号の雑音量が大きすぎる場合の事例である。この場合には、それぞれの領域が隣の領域と多くの部分で重複しているため、エラー訂正処理を行っても、信号は元に戻らない。従って、このような場合には、16QAMより低い変調精度を用いる必要がある。すなわち、この場合にはQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)(4QAMに等しい)、つまり1つのキャリアに2ビットを割り当てた変調精度を用いればよい。
なお、図13aに示す事例は問題なく通信できるが、ここではもう1つ上の64QAM、つまり1つのキャリアに6ビットを割り当てることができる。すなわち、このキャリアで16QAMを用いることは帯域を無駄にしていることになる。
このように、受信端末ではキャリアの強度及び雑音量、つまりSNR(Signal To Noise Ratio)を見積もることにより、最適な変調精度を求めることができる。従って、これを送信端末に知らせることで、最速の伝送レートで通信することが可能となる。
<チャンネルの伝達関数Hを推定する方法の説明>
伝達関数Hを推定するためには、通常、送信端末と受信端末の両方で既知の信号を伝送する。HPAVの場合、Preambleは送信側と受信側で既知信号であるが、これは1つのLong MPDUに対し、1つしか伝送されない。そのため、HPAVでは、チャンネル推定のためのチャンネル推定用パケットを用いる。このパケットのPBは、送信端末と受信端末で既知であり、複数のOFDMシンボルから構成される。1つのLong MPDUには複数のOFDMシンボルが用いられるため、Preambleに対しより効率的にチャンネル推定を行うことができる。このことについて次に説明する。
伝達関数Hを推定するためには、通常、送信端末と受信端末の両方で既知の信号を伝送する。HPAVの場合、Preambleは送信側と受信側で既知信号であるが、これは1つのLong MPDUに対し、1つしか伝送されない。そのため、HPAVでは、チャンネル推定のためのチャンネル推定用パケットを用いる。このパケットのPBは、送信端末と受信端末で既知であり、複数のOFDMシンボルから構成される。1つのLong MPDUには複数のOFDMシンボルが用いられるため、Preambleに対しより効率的にチャンネル推定を行うことができる。このことについて次に説明する。
X(i)が送信端末で送信されたチャンネル推定用パケットのOFDMシンボルとすると、これは受信端末では、
Y(i)=X(i)*H(i)+n(i)
となる。受信端末は、受信した内容がXだと分かっているため、例えば以下の演算によりHxy(i)を求めることができる。
Y(i)=X(i)*H(i)+n(i)
となる。受信端末は、受信した内容がXだと分かっているため、例えば以下の演算によりHxy(i)を求めることができる。
Hxy(i)=Y(i)/X(i)
=(X(i)*H(i)+n(i))/X(i)
=H(i)+n’(i) ・・・(4)
ここで重要なことはn’の影響を小さくすることである。このため、通常、送信端末ではX(i)を多数伝送し、受信端末では例えば多数のHxy(i)の平均から推定値のH’(i)を求める。同様に、雑音量はHxy(i)の標準偏差としても良い。
=(X(i)*H(i)+n(i))/X(i)
=H(i)+n’(i) ・・・(4)
ここで重要なことはn’の影響を小さくすることである。このため、通常、送信端末ではX(i)を多数伝送し、受信端末では例えば多数のHxy(i)の平均から推定値のH’(i)を求める。同様に、雑音量はHxy(i)の標準偏差としても良い。
上記式(4)が従来から知られているチャンネルの振幅を推定する高速のLS(Least Square)アルゴリズムである。このLSアルゴリズムを用いた場合、QoSの期限内にチャンネル推定を行うことが可能であるが、現実にはあまり実装されていなかった。
一方、従来から良く用いられている簡単に実現できるアルゴリズムがLMS(Least Mean Square)であるが、このアルゴリズムは処理を完了するまでに数秒を要するため、QoSの期限内にチャンネル推定を行うことができなかった。
ところで、伝達関数Hは送信端末と受信端末間で異なる。つまり、送信端末1と受信端末2間のHと、別の送信端末3と受信端末2間のHは異なる。よって、上記の方法でチャンネル補正を行う場合、どの端末がデータを伝送したのかを識別する必要がある。このため、HPAVでは、AVFCの部分は安全な低い変調精度であるQPSKで伝送される。これにより、Preambleでチャンネル推定を行っても、AVFCを十分復調することが可能であり、AVFCを復調することにより、どのようにPBの部分のチャンネル補正(チャンネル推定終了と仮定)や復調をすれば良いのかが分かるため、PBではより効率のよいHxy(上記で説明した式(4)のHxy)で復調を行うことができる。
上記したSNRを受信端末で見積もる方式は、例えばDSL(Digital Subscriber Line)やPLCで用いられる。
なお、チャンネルの変化が生じた場合、伝達関数Hにも変化が生じる。ここで変化前がH1として、変化後はH2とした場合、変化前ではH1に適切なチャンネル推定・補正を行ってH1に最適変調精度を用いるが、チャンネルがH2に変化すると、H2にH1の最適条件でデータ伝送ができなくなる。つまり、チャンネルが変化する前の状態で求まった変調精度を、チャンネルが変化した後のデータの変調に用いると、特にチャンネルの変化が大きい場合、受信端末でのデータのエラー率が高くなる可能性がある。
DSLの場合、チャンネル状況は殆ど変わらないため、SNRを見積もる処理は、通常、端末を立ち上げた際に1回のみ行う。このように1回だけ行う処理であるため、DSLの場合には、簡単でかつ時間が掛かる方法を用いている。DSLのチャンネルが変化した場合、この変化は雑音量の変化であり、かつ少しずつ変化するため(例えば、特許文献1参照)、エラー率が高くなる前に適度に調整することができる。
一方、PLCの場合、例えば非特許文献1では、チャンネルが殆ど変化しないと仮定し、従来のDSLに用いていた方法でSNRの見積もりを行っている。非特許文献2ではDSLの方法を採用していないが、ここでもチャンネルは殆ど変化しないと仮定している。
しかしながら、PLCはDSLと違い、電力線に繋いでいる様々な機器の影響を受ける。例えば電力線に家電機器を接続すると、チャンネルの振幅と雑音の特性が激しく変わる。なお、このチャンネル変化を認識している従来技術(非特許文献3参照)もあるが、この文献では、その解決法や、劇的に変化するチャンネルの影響については明確に述べられていない。PLCは、従来、インターネットの通信に用いられていた。具体的には、メールを読むことやウェブページの閲覧に用いられていたため、通信が数秒程度途切れても問題がなかった。しかし、映像のQoSになると、QoSフレームの期限は100〜200msとされている。さらに電話などの音声に用いられるVoIP(Voice Over Internet Protocol)の場合の期限は100ms以下である。従って、PLCにおいてチャンネルが劇的に変化した場合でも、このチャンネルの変化の認識や、チャンネルの振幅及び雑音の推定をQoS期限内にする必要がある。この場合、チャンネル状況の変化を高速に認識する方法として、例えばフレームやPBのエラー率を監視し、エラー率が高くなったときチャンネルが変化したと認識する方法がある。
S. Morosi, D. Marabissi,E.Del Re,R.Fantacci,N.Del Santo,:"A rate adaptive bit-loading algorithm for a DMT modulation system for in-building power-line communications", in Global Telecommunications Conference, 2005. GLOBECOM '05. IEEE, Nov/Dec 2005, Vol 1, pp. 403-407
D. Anastasiadou and T. Antonakopoulos, :"Broadband communications in the indoor power line environment: The pDSL concept", in Proc. ISPLC'04, Zaragoza, Spain, March 2004, pp. 334-339
E. Biglieri, :"Coding and modulation for a horrible channel", in Communications Magazine, IEEE, May 2003, Vol 41, Issue 5, pp 92-98
しかしながら、フレームやPBにエラーが生じる原因は、必ずしもチャンネルの変化だけとは限らない。従って、エラー率が高くなることと、チャンネルが変化することとは、必ずしも一義的に結びつくものではない。従って、フレームやPBのエラー率によってチャンネル変化を認識する手法を採用した場合には、誤認識が発生しやすくなり、チャンネル推定の時間が無駄になる可能性がある。
また、エラー率を求めるためには複数のフレームまたはPBが必要となる。映像の場合、伝送レートが高いためPB数が多く、複数のPBを短い時間で送っているため、短時間でエラー率を求めることができるが、例えば音声のG.723.1の規格になると、音声は最速64Kbpsであり、これは、1秒間に1Kバイト以下である。通常、伝送を問題なく行うためのエラー率は0.01以下が好ましく、エラー率が0.1以上となると伝送速度の切り替えを行うことが望ましい。0.1のエラー率を認識する場合、10個のフレームまたはPBが必要となる。従って、1秒間に1Kバイトの伝送レートとなると、エラー率を求めるためにQoSの期限を越えてしまうといった問題が生じる。これを解決するために、1つのLong MPDUに割り当てるデータ量を数バイトにすることも可能であるが、この場合、帯域を無駄に使うことになるといった問題がある。従って、別の方法でチャンネルの変化を認識する必要がある。
本発明はかかる問題点を解決すべく創案されたもので、その目的は、帯域を無駄にすることなく、かつ、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことのできる通信装置、通信方法、通信プログラム及び記録媒体を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の通信装置は、パケットを少なくとも受信する通信手段と、送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段と、前記検知手段にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段と、チャンネル推定手段とを備え、前記比較手段が複数の既知情報が異なると判定した場合に、前記チャンネル推定手段に対しチャンネル推定開始指示を行うことを特徴としている。
また、本発明の通信装置は、パケットを送受信する通信手段と、送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段と、前記検知手段にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段と、チャンネル推定手段とを備え、前記比較手段の比較結果に基づき、前記通信手段を介して前記パケットを送信してきた通信装置に対しチャンネル推定用パケットの送信要求を行うとともに、前記チャンネル推定手段に対しチャンネル推定開始指示を行うことを特徴としている。
このような本発明の通信装置では、前記比較手段が複数の既知情報が異なると判定した場合に、前記チャンネル推定用パケットの送信要求を行うとともに、前記チャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする。
このような構成によれば、比較手段は、送信側と受信側の両通信装置で複数の既知である情報が異なっているか否か、すなわちチャンネルが変化したか否かを判定している。具体的には、PLCのHPAV規格の場合、送信側と受信側の両通信装置で既知であるPreambleを比較する。すなわち、例えば送信されてきた隣接する2つのフレーム(Frame)に含まれる2つのPreambleを順次比較して、両Preambleの情報が異なっているか否かを判定する。そして、両Preambleの情報が異なっている場合には、チャンネルが変化したと判定する。この方法によれば、従来のようにエラー率の変化によってチャンネル変化を認識する方法に比べて、より確実性のあるチャンネル変化の認識(判定)が可能である。また、音声のように低伝送レートのデータの場合、より高速にチャンネル変化を認識することができ、高速チャンネル推定と組み合わせると、帯域を無駄にせずに、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことが可能となる。
また、本発明の通信装置によれば、前記比較手段は、複数の既知情報における各キャリア毎の差分絶対値の合計値が予め設定された基準の閾値よりも大きい場合に、前記複数の既知情報が異なると判定してもよい。
或いは、本発明の通信装置によれば、前記比較手段は、複数の既知情報における任意数のキャリア毎の差分絶対値が予め設定された基準の閾値よりも大きい場合に、前記複数の既知情報が異なると判定してもよい。
また、本発明の通信装置によれば、前記チャンネル推定手段は、送信されてきた前記チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行う構成としている。このように、チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことにより、より精度の高いチャンネル推定を行うことが可能となる。
また、本発明の通信装置は、前記パケットを送信してきた通信装置を認識する認識手段をさらに備え、前記比較手段は、前記認識手段の認識結果に基づき、同じ通信装置が送信してきた前記複数の既知情報同士の比較を行う構成とする。すなわち、パケットを送信した通信装置を認識することで、同じ通信装置が送信した複数の既知情報同士の比較を行っている。チャンネル状況は通信装置毎に異なる。従って、本発明の通信装置を用いることで、ネットワークを構成するシステムに2つ以上の通信装置があった場合でも、同じ通信装置から送信されてきた複数の既知情報同士の比較を行うことができるため、チャンネル変化の誤判定を防止することができる。
ここで、前記認識手段による認識手法としては、前記パケットに含まれる送信端末識別子に基づいて送信してきた通信装置を認識する構成とすることができる。送信端末の識別を端末識別子より行うことにより、確実に送信端末を認識することができる。
また、前記認識手段による他の認識手法としては、前記通信手段が周期的なチャンネルアクセス方式を用いて通信を行う場合において、前記認識手段は、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信してきたパケットであると認識する構成とすることができる。すなわち、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信したと認識しているので、パケットを受信し始めた時点で送信端末を認識することができ、より早い認識が可能となる。
また、本発明の通信方法は、送信側通信装置から受信側通信装置に対して複数のパケットを複数の通信チャンネルを用いて送信する通信システムにおける受信側通信装置の通信方法であって、前記両通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知ステップと、前記検知ステップにて検知した複数の既知情報を比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較の結果、複数の既知情報が異なると判定した場合に、チャンネル推定手段に対してチャンネル推定開始指示を行うステップとを含むことを特徴としている。
また、本発明の通信方法は、送信側通信装置から受信側通信装置に対して複数のパケットを複数の通信チャンネルを用いて送信する通信システムにおける受信側通信装置の通信方法であって、前記両通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知ステップと、前記検知ステップにて検知した複数の既知情報を比較する比較ステップと、前記比較ステップでの比較の結果、複数の既知情報が異なると判定した場合には、前記パケットを送信してきた送信側通信装置に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行うステップと、チャンネル推定手段に対してチャンネル推定開始指示を行うステップとを含み、前記チャンネル推定手段は前記送信側通信装置から送信されてきたチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことを特徴としている。
このような構成によれば、送信側と受信側の両通信装置で複数の既知である情報が異なっているか否か、すなわちチャンネルが変化したか否かを判定している。具体的には、PLCのHPAV規格の場合、送信側と受信側の両通信装置で既知であるPreambleを比較している。従って、従来のようにエラー率の変化によってチャンネル変化を認識する方法に比べて、より確実性のあるチャンネル変化の認識(判定)が可能である。また、音声のように低伝送レートのデータの場合、より高速にチャンネル変化を認識することができ、高速チャンネル推定と組み合わせると、帯域を無駄にせずに、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことが可能となる。さらに、チャンネル推定手段によるチャンネル推定では、送信されてきたチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行う構成としている。このように、チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことにより、より精度の高いチャンネル推定を行うことが可能となる。
また、本発明の通信方法によれば、前記パケットを送信してきた送信側通信装置を認識する認識ステップをさらに含み、前記比較ステップは、前記認識ステップでの認識結果に基づき、同じ通信装置が送信してきた前記複数の既知情報同士の比較を行う構成としている。チャンネル状況は通信装置毎に異なる。従って、本発明の通信方法を用いることで、ネットワークを構成するシステムに2つ以上の通信装置があった場合でも、同じ通信装置から送信されてきた複数の既知情報同士の比較を行うことができるため、チャンネル変化の誤判定を防止することができる。
また、本発明の通信方法によれば、前記認識ステップは、前記パケットに含まれる送信端末識別子に基づいて送信してきた通信装置を認識する構成としている。このように、送信端末の識別を端末識別子より行うことにより、確実に送信端末を認識することができる。
また、本発明の通信方法によれば、通信方式が周期的なチャンネルアクセス方式を用いて通信を行う場合において、前記認識ステップでは、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信してきたパケットであると認識する構成としている。すなわち、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信したと認識しているので、パケットを受信し始めた時点で送信端末を認識することができ、より早い認識が可能となる。
また、上記通信方法は、各ステップをコンピュータに実行させる通信プログラムとして提供することが可能であり、この通信プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して提供することが可能である。
本発明は上記のように構成したので、従来のようにエラー率の変化によってチャンネル変化を認識する方法に比べて、より確実性のあるチャンネル変化の判定を行うことができる。また、音声のように低伝送レートのデータの場合、より高速にチャンネル変化を認識することができ、高速チャンネル推定と組み合わせると、帯域を無駄にせずに、QoS期限内にチャンネル変化の認識及びチャンネル推定を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<実施形態1>
図1は、実施形態1に係る通信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
図1は、実施形態1に係る通信装置の主要部の構成を示すブロック図である。
同図において、本実施形態1の通信装置は、通信手段10、検知手段20、比較手段30、チャンネル推定手段40、送信されてきた信号TXを信号RX(受信データ)に復調する復調手段60、及び通信全般を制御する制御手段70によって構成されている。なお、データ通信は送信側の通信装置と受信側通信装置との間で行われるため、本実施形態1の通信装置は送信側及び受信側の両方の通信装置に適用することが可能であるが、ここでは説明の都合上、受信側の通信装置(受信端末)に適用した場合について説明する。
通信手段10は、フレームの送受信を行う手段である。通信手段の意味は装置の構成に依存するが、ここでの通信手段10は、通常のMAC/PHY層において、検知手段20、比較手段30、チャンネル推定手段40、復調手段60及び制御手段70以外の部分を意味している。これは、例えばアナログ部、OFDMの場合は周波数軸信号を時間軸信号に変換するFFT(Fast Fourier Transform)とその逆FFTを行う部分に相当する。
検知手段20は、送信側と受信側で既知である情報を検知する手段である。HPAVの場合、既知情報はPreambleやチャンネル推定用のOFDMシンボルがある。通常のデータにはチャンネル推定用のOFDMシンボルが含まれていないため、本実施形態1では、既知情報としてPreambleを用いている。なお、実際にはPreambleに限定する必要はなく、送信側と受信側で既知の情報であれば、比較手段30での比較対象として用いることができる。
比較手段30は複数のパケット(Long MPDU)のPreambleを比較する手段である。比較手段30は、複数のPreambleの比較を行い、その比較結果を制御手段70に出力する。制御手段70は、比較手段30からの比較結果により、チャンネル推定手段40にチャンネル推定の開始を指示する指示信号を出力する。チャンネル推定手段40は、この指示信号を受け取ると、チャンネル推定処理を開始することになる。
チャンネル状況が変わると、その情報はPreambleに反映される。従って、本実施形態では、比較手段30の判定基準を、複数のパケットのPreambleが異なったか否かを判定することとしている。例えば、2つのパケットのPreambleが異なった場合、これをチャンネル情報の変化と認識することができる。
より具体的に説明すると、比較方法としては、例えば複数のPreambleの各キャリア毎の差分絶対値の合計を計算し、この合計値が予め設定された基準の閾値より大きくなった場合に、チャンネルが変化したと判定する。また、m個(mは任意)のキャリアの差分絶対値が予め設定された基準の閾値を超えた場合に、チャンネルが変化したと判定してもよい。なお、差分絶対値は対数的であってもよい。また、演算に用いるPreambleのキャリア情報として、キャリア毎の振幅、雑音、位相またはキャリア毎のSNRとしても良い。HPAVのPreambleより振幅または雑音を求めるため、Preambleの特徴を利用することができる。HPAVのPreambleは時間的に最低8つの決まったパターンの繰り返しから構成されている。このパターンの一部はAGC(Automatic Gain Control)やパケット認識に使われるが、残った数個のパターンの統計情報からチャンネルの振幅、雑音、またはSNRを求めることができる。
このように、チャンネル状況が変化すると、比較手段30はこれをPreambleで認識することができるので、送信端末に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行うことができる。
すなわち、本実施形態1では、チャンネル推定を行うために、送信端末がチャンネル推定用パケットを受信端末に伝送する構成としている。このため、比較手段30は、上記の判定処理によってチャンネル推定が必要と判断した場合、通信手段10を介して送信端末にチャンネル推定用パケットの要求情報を含んだパケットを送信する。送信端末は、この情報を受け取ると、チャンネル推定用パケットを受信端末(すなわち、要求情報を含んだパケットを送信した端末)に送信する。
チャンネル推定手段40は、比較手段30からチャンネル推定の開始を指示する指示信号を受け取り、かつ、送信端末から送信されてきたチャンネル推定用パケットを通信手段10を介して受け取ると、この受け取ったチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定処理を行う。なお、このチャンネル推定処理は従来周知の処理であるので、ここでは詳細な説明を省略するが、チャンネル推定処理を高速化するためには、チャンネルの振幅と雑音の推定を同時に行った方がよい。
なお、チャンネル推定により、各キャリアに対する最適変調精度が求まるので、受信端末は送信端末に対してこの情報を送信する。送信端末は、この情報を用いてデータの変調を行い、受信端末に対して送信する。
ここで、本実施形態1の通信装置による通信方法(具体的には、チャンネル推定処理)の処理手順について、図2に示すフローチャートを参照して再度説明する。
データ通信に際し、受信端末の検知手段20は、通信手段10を介して受信した通信データであるパケットから、両端末で既知であるPreambleを検知する(ステップS11)。そして、Preambleを検知すると(ステップS11)、その検知したPreambleの情報を比較手段30に出力する(ステップS12)。比較手段30では、入力された複数のPreambleの情報が異なっているか否かを判定する(ステップS13)。具体的には、送信データの隣接する2つのフレーム(Frame)に含まれている2つのPreambleを順次比較して、両Preambleの情報が異なっているか否かを判定する。その結果、両Preambleの情報が同じである場合(ステップS13でNoと判断された場合)には、ステップS11に戻る。すなわち、この場合にはそのままデータの受信処理を継続することになる。
一方、両Preambleの情報が異なっている場合(ステップS13でYesと判断された場合)には、通信媒体であるチャンネルが変わったと判定し、その判定結果を制御手段70に出力する。制御手段70は、この判定結果に基づき、データ(パケット)を送信してきた送信端末に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行う(ステップS14)。また、制御手段70は、チャンネル推定手段40に対してチャンネル推定開始指示を行う(ステップS15)。
この後、送信端末からチャンネル推定用パケットが送信されてくると、このチャンネル推定用パケットは通信手段10を介してチャンネル推定手段40に入力される。チャンネル推定手段40は、制御手段70からのチャンネル推定開始指示の後に、チャンネル推定用パケットを受け取ると(ステップS16でYesと判断されると)、その受け取ったチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定処理を行う(ステップS17)。なお、チャンネル推定処理は複数のチャンネル推定用パケットの統計から行い、チャンネル推定処理が終了したのかの判断は受信端末が行う。この判断は本発明の対象外であるが、1つのチャンネル推定用パケットに対するチャンネル推定処理を行った後、チャンネル推定処理が終了したのかの判断をステップS18で行う。終了していない場合(ステップS18でNoと判断された場合)はステップS16に戻る。一方、終了した場合(ステップS18でYesと判断された場合)は求まった最適変調精度の情報を受信端末から送信端末に対して送信する(ステップS19)。なお、このフローチャートの事例は2つのPreambleの比較の事例であるが、2つ以上の複数のPreambleの比較であってもよい。
(本実施形態1によるチャンネル推定処理と従来のチャンネル推定処理との比較)
上記したように、チャンネルが変化した場合、受信端末では受信したPreambleの信号に変化が生じる。言い換えると、チャンネルが変化しなくても、送信端末でチャンネルが変形したかのようにPreambleの形を変形させることができる。つまり、Preambleだけではなく、PreambleとAVFCを同じように変形させ、その後のPBの部分のOFDMシンボルは変形させない状態で信号を生成することができる。
上記したように、チャンネルが変化した場合、受信端末では受信したPreambleの信号に変化が生じる。言い換えると、チャンネルが変化しなくても、送信端末でチャンネルが変形したかのようにPreambleの形を変形させることができる。つまり、Preambleだけではなく、PreambleとAVFCを同じように変形させ、その後のPBの部分のOFDMシンボルは変形させない状態で信号を生成することができる。
この場合、本実施形態1のチャンネル推定を用いると、受信端末はPreambleによりチャンネルに変化があったと認識し、送信端末にチャンネル推定用パケットを要求することになる。これに対し、エラー率をチェックする従来の方式で同じことをした場合、PreambleとAVFCは同じ様に変形されているため、AVFCは問題なく復調され、AVFCの情報を元に変形されなかったPBを問題なく復調することがきる。従って、エラー率をチェックする方式では、チャンネルに変化はなかったと判定されることになる。このように、PreambleとAVFCのみを送信端末で変形させた場合、エラー率をチェックする方式ではチャンネルの変化が無かったと認識されてしまう。これに対し、本実施形態1の場合はチャンネル推定用パケットの要求を行うことになる。なお、PreambleとAVFCを変形させる場合、比較手段30でチャンネルが十分に異なったと認識できるように変形させることが望ましい。
<実施形態2>
データ通信が2つの端末間でのみ行われる場合、比較手段30はどの端末がデータを送信したのかを認識する必要はない。しかし、複数の端末間でデータ通信が行われる場合、受信端末は同じ送信端末から伝送されてきたPreambleのみの比較を行う必要がある。すなわち、どの送信端末がデータを伝送してきたのかを認識する必要がある。これは、チャンネル状況は端末間ごとに異なるためである。そのため、本実施形態2では、図3に示すように、認識手段50をさらに備えている。その他の構成は図1に示した本実施形態1の受信端末の構成と同じである。
データ通信が2つの端末間でのみ行われる場合、比較手段30はどの端末がデータを送信したのかを認識する必要はない。しかし、複数の端末間でデータ通信が行われる場合、受信端末は同じ送信端末から伝送されてきたPreambleのみの比較を行う必要がある。すなわち、どの送信端末がデータを伝送してきたのかを認識する必要がある。これは、チャンネル状況は端末間ごとに異なるためである。そのため、本実施形態2では、図3に示すように、認識手段50をさらに備えている。その他の構成は図1に示した本実施形態1の受信端末の構成と同じである。
認識手段50は、どの送信端末がパケットを送信したのかを認識し、その認識結果を比較手段30に出力する。比較手段30は、検知手段20から受け取ったPreambleがどの送信端末からのものであるのかを、認識手段50から受け取った認識結果に基づいて確認する。これにより、比較手段30は、同じ送信端末から送信されてきた2つのPreamble同士の比較を行うことができるため、チャンネル変化の誤判定を防止することができる。
なお、認識手段50による認識手法としては、パケットに含まれる送信端末識別子(例えば、MACアドレスであってもよい。)に基づいて送信端末を認識する構成とすることができる。送信端末の識別を端末識別子より行うことにより、確実に送信端末を認識することができる。
また、HPAVはチャンネルアクセス方式として、TDMA(Time Division Multiple Access)を用いている。また、HPAVでは、データ通信の周期を電力線の電力の周期(50または60Hz)の倍としている。つまり、TDMAの周期は25または30Hzである。そして、2つの端末間のデータ伝送は、この周期内のどの部分で行われるのかが決まっている。従って、認識手段50は、TDMAの周期内で割り当てられた時間帯に伝送されたデータを、同じ送信端末から送信されてきたデータであると判定することができる。すなわち、周期の同じ時間帯に受信したデータ(パケット)を同じ送信端末が送信したパケットであると認識しているので、パケットを受信し始めた時点で送信端末を認識することができ、より早い認識が可能となる。
DSLの場合、チャンネルは劇的に変化しないが、少しずつ変化し、DSLのチャンネル推定に用いられるアルゴリズムはこの変化に対応している。PLCの場合も少しずつ変化することがあり、LSアルゴリズムとDSLに用いられるアルゴリズムを組み合わせることにより、チャンネルが劇的に変化した場合と少しずつ変化した場合に対応することができる。
ここで、本実施形態2の通信装置による通信方法(具体的には、チャンネル推定処理)の処理手順について、図4に示すフローチャートを参照して説明する。
データ通信に際し、送信端末から通信データであるパケットを通信手段10を介して受信すると(ステップS21)、受信端末の認識手段50は、受信した通信データであるパケットに含まれる例えば送信端末識別子(MACアドレス等)に基づいて、どの送信端末がパケットを送信してきたのかを認識し、その認識結果(同じ送信端末であるか否かの認識結果)を比較手段30に出力する(ステップS22)。
一方、受信端末の検知手段20は、通信手段10を介して受信した通信データであるパケットから、両端末で既知であるPreambleを検知すると(ステップS23)、その検知したPreambleの情報を比較手段30に出力する(ステップS24)。
比較手段30は、検知手段20から受け取ったPreambleがどの送信端末からのものであるのかを、認識手段50から受け取った認識結果に基づいて確認する。その結果、前回送信されてきた通信データ(パケット)と今回送信されてきた通信データ(パケット)とが違う送信端末から送信されてきたと判断した場合(ステップS25でNoと判断された場合)には、何もせずにステップS21に戻る。すなわち、この場合には、受信した通信データ(パケット)を無視する。
一方、前回送信されてきた通信データ(パケット)と今回送信されてきた通信データ(パケット)とが同じ送信端末から送信されてきたと判断した場合(ステップS25でYesと判断された場合)には、比較手段30は、前回送信されてきたパケットに含まれていたPreambleと、今回送信されてきたパケットに含まれているPreambleとの比較を行う(ステップS26)。その結果、両Preambleの情報が同じである場合(ステップS26でNoと判断された場合)には、ステップS21に戻る。すなわち、両通信データ(パケット)が同じ通信媒体(チャンネル)を用いて送信されてきているので、この場合にはそのままデータの受信処理を継続する。
一方、両Preambleの情報が異なっている場合(ステップS26でYesと判断された場合)には、チャンネルが変わったと判定し、その判定結果を制御手段70に出力する。制御手段70は、この判定結果に基づき、通信データ(パケット)を送信してきた送信端末に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行う(ステップS27)。また、制御手段70は、チャンネル推定手段40に対してチャンネル推定開始指示を行う(ステップS28)。
この後、送信端末からチャンネル推定用パケットが送信されてくると、このチャンネル推定用パケットは通信手段10を介してチャンネル推定手段40に入力される。チャンネル推定手段40は、制御手段70からのチャンネル推定開始指示の後に、チャンネル推定用パケットを受け取ると(ステップS29でYesと判断されると)、その受け取ったチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定処理を行う(ステップS30)。なお、チャンネル推定処理は複数のチャンネル推定用パケットの統計から行い、チャンネル推定処理が終了したのかの判断は受信端末が行う。この判断は本発明の対象外であるが、1つのチャンネル推定用パケットに対するチャンネル推定処理を行った後、チャンネル推定処理が終了したのかの判断をステップS31で行う。終了していない場合(ステップS31でNoと判断された場合)はステップS29に戻る。一方、終了した場合(ステップS31でYesと判断された場合)は、求まった最適変調精度の情報を受信端末から送信端末に対して送信する(ステップS32)。なお、このフローチャートの事例は2つのPreambleの比較の事例であるが、2つ以上の複数のPreambleの比較であってもよい。
なお、上記実施形態では、HPAVの規格を元に説明を行ったが、PLCやOFDMに限定されるものではない。例えば、ウエーブレット変換(Wavelet Transformation)の技術、またはDSL、イーサーネットや無線LANのような様々の通信規格に本発明の通信装置及び通信方法を適用することが可能である。
また、上記実施形態における通信装置の各手段や各処理ステップは、CPUなどの演算手段が、ROMやRAMなどの記憶手段に記憶されたプログラムを実行し、インターフェース回路などの通信手段を制御することにより実現することができる。従って、これらの手段を有するコンピュータが、上記プログラムを記録した記録媒体を読み取り、当該プログラムを実行するだけで、本実施形態の通信装置の各種機能及び各種処理を実現することができる。また、上記プログラムをリムーバブルな記録媒体に記録することにより、任意のコンピュータ上で上記の各種機能及び各種処理を実現することができる。
この記録媒体としては、マイクロコンピュータで処理を行うために図示しないメモリ、例えばROMのようなものがプログラムメディアであっても良いし、また、図示していないが外部記憶装置としてプログラム読取り装置が設けられ、そこに記録媒体を挿入することにより読取り可能なプログラムメディアであっても良い。
また、何れの場合でも、格納されているプログラムは、マイクロプロセッサがアクセスして実行される構成であることが好ましい。さらに、プログラムを読み出し、読み出されたプログラムは、マイクロコンピュータのプログラム記憶エリアにダウンロードされて、そのプログラムが実行される方式であることが好ましい。なお、このダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納されているものとする。
また、上記プログラムメディアとしては、本体と分離可能に構成される記録媒体であり、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フレキシブルディスクやハードディスク等の磁気ディスクやCD/MO/MD/DVD等のディスクのディスク系、ICカード(メモリカードを含む)等のカード系、あるいはマスクROM、EPROM、EEPROM、フラッシュROM等による半導体メモリを含めた固定的にプログラムを担持する記録媒体等がある。
また、インターネットを含む通信ネットワークを接続可能なシステム構成であれば、通信ネットワークからプログラムをダウンロードするように流動的にプログラムを担持する記録媒体であることが好ましい。
さらに、このように通信ネットワークからプログラムをダウンロードする場合には、そのダウンロード用のプログラムは予め本体装置に格納しておくか、あるいは別な記録媒体からインストールされるものであることが好ましい。
また、本発明は、その精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいろいろな形で実施することができる。そのため、上述の実施の形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈してはならない。本発明の範囲は請求の範囲によって示すものであって、明細書本文には、なんら拘束されない。さらに、請求の範囲の均等範囲に属する変形や変更は、全て本発明の範囲内のものである。
また、この出願は、2007年4月12日に日本で出願された特願2007−105099に基づく優先権を請求する。これに言及することにより、その全ての内容は本出願に組み込まれるものである。
高速チャンネル変化及び高速チャンネル推定を必要とする通信装置、通信方法、通信プログラム、並びにそのような通信プログラムを記録した記録媒体に適用できる。
10 通信手段
20 検知手段
30 比較手段
40 チャンネル推定手段
50 認識手段
60 復調手段
70 制御手段
20 検知手段
30 比較手段
40 チャンネル推定手段
50 認識手段
60 復調手段
70 制御手段
Claims (17)
- パケットを少なくとも受信する通信手段と、
送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段と、
前記検知手段にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段と、
チャンネル推定手段とを備え、
前記比較手段の比較結果に基づいて前記チャンネル推定手段に対しチャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする通信装置。 - パケットを送受信する通信手段と、
送信側と受信側の両方の通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知手段と、
前記検知手段にて検知された複数の既知情報を比較する比較手段と、
チャンネル推定手段とを備え、
前記比較手段の比較結果に基づき、前記通信手段を介して前記パケットを送信してきた通信装置に対しチャンネル推定用パケットの送信要求を行うとともに、前記チャンネル推定手段に対しチャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする通信装置。 - 前記比較手段が複数の既知情報が異なると判定した場合に前記チャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
- 前記比較手段が複数の既知情報が異なると判定した場合に、前記チャンネル推定用パケットの送信要求を行うとともに、前記チャンネル推定開始指示を行うことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
- 前記比較手段は、複数の既知情報における各キャリア毎の差分絶対値の合計値が予め設定された基準の閾値よりも大きい場合に、前記複数の既知情報が異なると判定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の通信装置。
- 前記比較手段は、複数の既知情報における任意数のキャリア毎の差分絶対値が予め設定された基準の閾値よりも大きい場合に、前記複数の既知情報が異なると判定することを特徴とする請求項3または請求項4に記載の通信装置。
- 前記チャンネル推定手段は、送信されてきた前記チャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことを特徴とする請求項2、請求項4、請求項5、及び請求項6のいずれか1つに記載の通信装置。
- 前記パケットを送信してきた通信装置を認識する認識手段をさらに備え、
前記比較手段は、前記認識手段の認識結果に基づき、同じ通信装置が送信してきた前記複数の既知情報同士の比較を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の通信装置。 - 前記認識手段は、前記パケットに含まれる送信端末識別子に基づいて送信してきた通信装置を認識することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
- 前記通信手段が周期的なチャンネルアクセス方式を用いて通信を行う場合において、前記認識手段は、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信してきたパケットであると認識することを特徴とする請求項8に記載の通信装置。
- 送信側通信装置から受信側通信装置に対して複数のパケットを複数の通信チャンネルを用いて送信する通信システムにおける受信側通信装置の通信方法であって、
前記両通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにて検知した複数の既知情報を比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較の結果に基づき、チャンネル推定手段に対してチャンネル推定開始指示を行うステップとを含むことを特徴とする通信方法。 - 送信側通信装置から受信側通信装置に対して複数のパケットを複数の通信チャンネルを用いて送信する通信システムにおける受信側通信装置の通信方法であって、
前記両通信装置で既知である前記パケットに含まれる情報を検知する検知ステップと、
前記検知ステップにて検知した複数の既知情報を比較する比較ステップと、
前記比較ステップでの比較の結果、複数の既知情報が異なると判定した場合には、前記パケットを送信してきた送信側通信装置に対してチャンネル推定用パケットの送信要求を行うステップと、
チャンネル推定手段に対してチャンネル推定開始指示を行うステップとを含み、
前記チャンネル推定手段は前記送信側通信装置から送信されてきたチャンネル推定用パケットを用いてチャンネル推定を行うことを特徴とする通信方法。 - 前記パケットを送信してきた送信側通信装置を認識する認識ステップをさらに含み、
前記比較ステップは、前記認識ステップでの認識結果に基づき、同じ通信装置が送信してきた前記複数の既知情報同士の比較を行うことを特徴とする請求項11または請求項12に記載の通信方法。 - 前記認識ステップは、前記パケットに含まれる送信端末識別子に基づいて送信してきた通信装置を認識することを特徴とする請求項13に記載の通信方法。
- 通信方式が周期的なチャンネルアクセス方式を用いて通信を行う場合において、前記認識ステップでは、周期の同じ時間帯に受信したパケットを同じ通信装置が送信してきたパケットであると認識することを特徴とする請求項13に記載の通信方法。
- 請求項11ないし請求項15のいずれかに記載の通信方法の各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする通信プログラム。
- 請求項16に記載の通信プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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