JP4126769B2 - 通信装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明はデジタル信号を伝送するための通信装置に関し、特に、雑音が混入しやすい伝送路を用いて信号を伝送するための通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
既存の電話回線を用いて高速データ伝送するためのADSL(Asymmetric Digital Subscriber Lineの略)という通信方式が注目されている。
【0003】
図10は、従来からあるADSLによるデジタル変調方式を説明するための図である。
【0004】
図11(A)と(B)は、従来のADSLにおける搬送波の周波数のSN比に応じたビット配置例を示す図である。
【0005】
図10では伝送路の帯域における複数の搬送波の配置例が示される。ADSLでは、直交する複数(図10では249波)の搬送波を用いて、所定方式でデジタル変調された信号を高速に伝送できる。
【0006】
ADSL方式が採用された伝送路における通信回線確立時には、伝送路について、その減衰特性が考慮された信号特性(S)および雑音特性(N)が計測されて、図10に示される各搬送波について、その周波数におけるSN比に基づいて変調可能なビット数が割当てられていた。
【0007】
たとえば、通信回線確立時に、図11(B)のように所定の搬送波の周波数において顕著なノイズ(図ではAMノイズ)が検出されて通信エラーが深刻となる場合には、その搬送波にビット割当が行なわれない。したがって、図11(A)のような通常のビット割当状態から図11(B)のように割当状態が変更されるようにしてデータ変調が行なわれて、伝送路に混入する雑音による通信エラーの回避が図られていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述した伝送路のノイズに基づくビット割当は、通信回線確立時点で検出されるノイズのみが考慮されているので、通信回線確立時に存在しなかった特徴的な周波数特性を持つ雑音が、データ通信の途中から混入すると、ある搬送波で伝送するデータにエラーが多発してしまう。
【0009】
たとえば、雑音が存在しない状態で通信回線が確立された場合、伝送路の減衰特性によってのみ決まるSN比に応じて各搬送波のビット配置が決まる。図12は、従来のADSLにおいて雑音が存在しない状態で通信回線を確立したときのビット配置例を示す図である。図13は、ISDNによる伝送信号のスペクトラムを示す図である。図13に示すように、ISDNによる伝送信号は特徴的な周波数特性を有する。このような信号が漏話のノイズとしてADSL方式が適用された伝送路に混入すると、ADSL方式における特定の周波数の搬送波において通信エラーが多発し、ついには通信不能に陥る。したがって、従来は、通信不能状態を回避するために、通信エラーが発生すると、再度、通信回線確立手続の後、通信再開をしていたので、その間、データ通信が途絶えてしまい、効率的なデータ伝送が行なえないという課題があった。
【0010】
それゆえにこの発明の目的は、伝送路におけるノイズのレベル変動に対しても安定して通信を継続できる通信装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の通信装置は、通信回線を介して相互に接続されて、データ通信時に直交した複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定して、決定された変調データ量に基づいてデジタル変調した信号を伝送するものであって、以下の特徴を有する。
【0012】
すなわち、データ通信のための通信回線の確立時に、データ通信の期間に通信回線において予め想定される雑音の周波数特性に基づいて、複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定する。
【0013】
したがって、データ通信期間においては想定される雑音の周波数特性に基づく変調データ量に従いデータ伝送できることになり、雑音のレベル変動に対する通信エラーの多発と、それに起因する回線断が防止されて安定通信を継続できる。
【0014】
請求項2に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置のうちデータ通信においてデジタル変調した信号を受信する側の装置である場合に、以下の特徴を有する。
【0015】
すなわち、通信回線の確立時に、想定される雑音の周波数特性を有した信号を通信回線に関して発生させる信号発生手段と、発生された信号が混入した通信回線のSN比を測定するSN比測定手段と、測定されたSN比に基づいて、複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定する変調データ量決定手段とを備える。
【0016】
したがって、受信側で信号発生手段で発生された想定雑音および該通信回線固有の雑音および減衰特性に基づくSN比が実際に測定されて、この測定SN比に基づいて安定通信のための変調データ量を決定を決定できる。
【0017】
請求項3に記載の通信装置は、請求項1に記載の通信装置が、データ通信においてデジタル変調した信号を送信する側の装置である場合に、以下の特徴を有する。
【0018】
想定される雑音の周波数特性を示す特性データが予め記憶される特性データ記憶手段と、通信回線の確立時に、記憶された特性データを少なくとも含む情報に基づいて通信回線のSN比を求めて決定するSN比決定手段と、決定されたSN比に基づいて、複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定する変調データ量決定手段とを備える。
【0019】
したがって、送信側で記憶手段中の特性データを少なくとも含む情報、すなわち通信回線に関する想定雑音のみならず該通信回線固有の雑音および減衰特性なども考慮してSN比を決定して、決定されたSN比に基づいて安定通信のための変調データ量を決定できる。
【0020】
請求項2の信号発生手段による発生信号の特性および請求項3の記憶手段中の特性データは、通信回線に関して想定される雑音の種類などに応じて可変設定されても良い。したがって、想定される雑音の種類などに応じても変調データ量を決定できて、より安定したデータ通信が可能となる。
【0021】
請求項4に記載の通信装置は、請求項1ないし3のいずれかに記載の通信装置がデータ通信において、送信信号に関して誤り訂正符号を付加してインターリーブ処理する送信時誤り修正情報付加手段と、受信信号に関してデインターリーブ処理し、付加された誤り訂正符号を用いて誤り訂正する受信時誤り修正手段とをさらに備えて構成される。
【0022】
したがって、通信データに関して誤り訂正符号を用いた誤り訂正ならびにインターリーブ処理が施されることになって、通信回線の雑音レベル変動に対する耐性に更に優れた安定通信が可能となる。
【0023】
請求項5に記載の通信装置は、請求項1ないし4のいずれかに記載の通信装置において想定される雑音の周波数特性は、ISDNによる漏話信号の周波数特性を有する。
【0024】
したがって、データ通信時にISDNによる漏話信号が通信回線に混入したとしても安定通信が可能である。
【0025】
請求項6に記載の通信装置は、請求項1ないし5のいずれかに記載の装置において、デジタル変調はADSLの方式に従う。
【0026】
したがって、通信回線においてADSLの方式に従うデータ通信が行なわれる時に、通信回線の雑音レベル変動に対してもエラー多発による回線断の起こりにくい安定通信が可能となる。
【0027】
請求項7に記載の通信装置は、請求項1ないし6のいずれかに記載の装置において、通信回線が電話回線である。
【0028】
したがって、通信回線が電話回線である場合に通信回線の雑音レベル変動に対してエラー多発による回線断の起こりにくい安定通信が可能となる。
【0029】
請求項8に記載の通信装置は、請求項7に記載の通信装置において通信回線が撚対線である。
【0030】
したがって、通信回線に特に雑音が混入しやすい撚対線が使用される場合であっても、通信回線の雑音レベル変動に対してエラー多発による回線断の起こりにくい安定通信が可能となる。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の各実施の形態のついて説明する。
【0032】
図1は、この発明の各実施の形態に適用される通信システムの構成図である。図1において通信システムでは電話局側、家庭側、およびこの両者間を通信接続するためのISDN向けの回線(以下、ISDN回線と呼ぶ)30ならびにADSL方式が適用される電話回線の伝送路40を含む。これらの回線はケーブル束からなる電話回線50である。
【0033】
電話局側はインターネット等の通信網10Aを接続する通信装置10、ISDN11Aを接続するISDN交換機11、およびスプリッタ12を含む。
【0034】
通信装置10はインターネット等の通信網10Aから入力した信号をADSL方式に従って変調してスプリッタ12を介して伝送路40に送出し、伝送路40から受信した信号をADSL方式に従って復調してインターネット等の通信網10Aに出力する。
【0035】
ISDN交換機11はISDN11Aから入力した信号を所定方式に従って変調してISDN回線30に送出するとともに、ISDN回線30から受信した信号をISDN方式に従い復調してISDN11Aに出力する。
【0036】
家庭側はパソコン(パーソナルコンピュータの略)20Aを接続するADSL方式のための通信装置20、パソコン21Aと電話器21Bを接続してISDN方式に従って信号処理するためのISDN処理部21および電話器22Aと通信装置20とを接続するスプリッタ22を含む。
【0037】
通信装置20はパソコン20Aから入力した信号をADSL方式に従って変調して、スプリッタ22を介して伝送路40に送出するとともに、スプリッタ22を介して伝送路40から受信した信号をADSL方式に従い復調してパソコン20Aに出力する。
【0038】
ISDN処理部21はパソコン21Aまたは電話器21Bから入力する信号を所定方式に従って変調してISDN回線30に送出するとともに、ISDN回線30から受信した信号をISDN方式に従い復調してパソコン21Aまたは電話器21Bに出力する。
【0039】
図1のシステムでは、伝送路40は撚対線からなる伝送路の電話回線であるので、隣接するISDN回線30からの雑音の影響を特に受けやすい。したがって、伝送路40においてこの雑音を回避することが要求される。
【0040】
図1のシステムでは、通信装置10と20は同様の構成を有する。通信装置10と20間のデータ通信に先立って行なわれる通信回線確立手順において、通信装置10(20)は通信回線確立時点に、伝送路40において隣接するISDN回線30からの漏話ノイズが既に存在すれば、伝送路40に固有の減衰特性のみならずISDN回線30からの漏話ノイズをも考慮したSN比に基づいて各搬送波に対応のビット配置が決定される。したがって、データ通信途中において、伝送路40におけるある程度のノイズレベル変動があったとしても安定した通信を継続できる。これを説明するための実験結果が以下に示される。
【0041】
図2は、この発明の実施の形態を説明するためのISDN回線による雑音が存在する状態で通信確立したときのビット配置結果をグラフにして示す図である。図2の縦軸にはADSL方式の各搬送波の周波数に対応の配置ビット数(bits/ch)が示され、横軸には図13と同じスケールの周波数(kHz)が示される。
【0042】
両図を比べてもわかるように、通信回線確立時に図13に示されるような周波数特性を有するISDN回線30からの漏話ノイズが伝送路40において存在すれば、図2のようにその漏話ノイズをも考慮したSN比に基づいてビット配置を決定できる。図2に示されるようにADSL方式の各搬送波に対応のビット配置は図13の周波数特性を有する漏話ノイズを回避できるように設定されていることがわかる。
【0043】
図3は、この発明の実施の形態を説明するためのISDNの漏話ノイズのレベル変動に対する伝送路40におけるビット誤り率をグラフにして示す図である。図3の横軸にはISDN相対ノイズレベル(dB)が取られ、横軸には伝送路40におけるビット誤り率が取られている。
【0044】
図3ではISDN回線30の漏話ノイズのレベル変動に対して測定された伝送路40における通信時のビット誤り率が示される。図において、伝送路40の通信回線確立時(接続時)にISDN回線30の漏話ノイズレベルが存在しない場合に、通信回線確立時に伝送路40に関してISDN回線30からの漏話ノイズを徐々に付加していくと、図示されるようにノイズレベル約1.7(dB)を超えるとビット誤り率1E−07以下での安定通信が不可能となる。
【0045】
一方、通信回線確立時に伝送路40に関して相対ノイズレベル0(dB)の比較的低いレベルのISDN回線30に関する漏話ノイズが存在する場合には、図示されるように漏話ノイズが約11.1(dB)以下であれば安定したデータ通信が可能であり、上述の場合に比較して約9.4(dB)もの多くのマージンが確保できる。
【0046】
さらに、ADSL方式に従うデータ通信において誤り訂正符号の付加とこれに関連のインターリーブ機能を加えることにより、図示されるようにさらにノイズレベル変動に強い通信が可能となる。
【0047】
図4は、この発明の実施の形態を説明するための通信回線確立時のISDNノイズレベルの依存性をグラフにして示す図である。図4では通信回線確立時に存在するISDN漏話ノイズレベルによって、ノイズレベル変動に対する耐性が変わるか否かを調べた結果が示される。
【0048】
図4では横軸にISDN相対ノイズレベル(dB)が取られ、縦軸にビット誤り率が取られる。図示されるように、ノイズレベル変動に対する耐性は通信回線確立時に存在するISDN回線30の漏話ノイズレベルには依存しないので、伝送路40に関して想定されるノイズの特性(周波数特性)を有した比較的低レベルのノイズを通信回線確立時に付加させておくことにより、その後のデータ通信中のノイズレベルの大きな変動に対しても安定通信が可能となる。
【0049】
なお、ここではノイズ源として、ISDN回線30の漏話ノイズを示したが、所定の周波数特性を持った任意のノイズ、たとえばADSLによるもの、HDSL(High bit rate Digital Subscriber Line の略)およびT1回線からのノイズ、AMラジオノイズ、家庭電化製品や機器のモータなどからの高周波ノイズに対しても同様に適用可能である。
【0050】
また、伝送路40は、撚対線の電話回線としているが撚対線でなくてもよい。さらに、電話回線に限定されず、他の種類の有線、または赤外線などを用いた無線によるものであってもよい。
【0051】
上述した実験結果を示すように通信回線確立時にISDN回線30に関する比較的に低レベルの漏話ノイズを伝送路40に関して想定することで、その後のデータ通信期間において漏話ノイズレベルの変動があったとしても安定通信を継続できるという特徴が得られる。これを実現するための実施形態を以下に説明する。
【0052】
(実施の形態1)
この発明の実施の形態1に係る通信装置10(20)では、伝送路40を介したデータ通信において想定されるノイズと同じ周波数特性を有した比較的低いレベルのノイズ信号を通信回線確立時に発生させておき、その後のデータ通信期間にノイズレベル変動があったとしても安定通信を継続できるよう構成される。
【0053】
図5は、この発明の実施の形態1による通信装置のブロック図である。
図5において通信装置10(20)は、該装置自体を集中的に制御および監視するCPU1、入力信号をCPU1からの制御に従いADSL方式で変調して出力する変調器2、入力信号をCPU1からの制御に従いADSL方式で復調して出力する復調器3、インターネット等の通信網10Aまたはパソコン20Aと該通信装置との信号入出力を図るネットワークI/F(インターフェイスの略)4、CPU1により制御され変調器2から与えられる信号を伝送路40に送出するとともに、伝送路40において受信する信号を復調器3に出力するADSL送受信部5、およびCUP1に制御されて通信回線確立時に所定レベルのノイズを伝送路40に関して発生させるノイズ発生部6を含む。
【0054】
図6は、この発明の実施の形態1による通信装置の通信回線確立手順における動作をフローにして示す図であり、これら一連のフローに従うプログラムはメモリに予め格納されCPU1の制御の下に実行される。
【0055】
図5の通信装置の通信回線の確立手順について図6のフローに従い説明する。図1のシステムにおいて通信装置10から通信装置20へデータの送信要求が送信されて通信装置20側でこれが受信され、両装置間で通信回線の確立手順が実行されると想定する。
【0056】
このとき、通信装置20のCPU1はADSL送受信部5を介して伝送路40からデータの送信要求を受理すると、ノイズ発生部6に対して伝送路40に関し所定レベルのノイズを発生させる(S1)。
【0057】
このとき発生されるノイズはISDN回線30による相対レベル0(dB)の比較的低レベルの漏話ノイズに相当する。
【0058】
その後、CPU1がADSL送受信部5を介して伝送路40に関して固有の減衰特性ならびにノイズ発生部6により発生されたノイズをも考慮してSN比を測定し(S2)、得られたSN比で各搬送波の周波数において変調可能なビット数の割当を決定し(S3)、決定されたビット配置に関する情報を変調器2、ADSL送受信部5および伝送路40を介して通信装置10に送信する(S4)。
【0059】
通信装置10のCPU1は伝送路40、ADSL送受信部5ならびに復調器3を介して決定されたビット配置に関する情報を受信する(S5)。
【0060】
その後、通信装置20では変調器2がパソコン20AからネットワークI/F4を介して入力する信号をCPU1から与えられるビット配置に関する情報に基づいて変調して、ADSL送受信部5を介して伝送路40に送出する(S7)。
【0061】
通信装置10の復調器3はCPU1から与えられるビット配置に関する情報に基づいて伝送路40およびADSL送受信部5を介して通信装置20から受信した信号を復調して、ネットワークI/F4を介してインターネット等の通信網10Aに出力する(S8)。
【0062】
なお、CPU1は、伝送路40に混入するノイズの種類に応じて、予めノイズ発生部6を介して発生すべきノイズのレベル(特性)などを切換えるようにしてもよい。
【0063】
(実施の形態2)
図7は、この発明の実施の形態2による通信装置のブロック図である。
【0064】
図7において通信装置10(20)の構成と図5のそれとを比較して異なる点は、図7の構成において図5のノイズ発生部6に代替してノイズ特性データNDを記憶するメモリ7が設けられ、CPU1に代替してCPU1Aが設けられている点にある。その他の図7の構成は図5のそれと同じなので説明は省略する。
【0065】
ノイズ特性データNDは、予めCPU1Aにより設定されるデータであり、データ通信において伝送路40において想定されるノイズに関する特性を示すデータである。ここでは、ノイズ特性データNDとしてISDN回線30の比較的低レベルの漏話ノイズに関するデータが設定されているものとする。
【0066】
図8は、この発明の実施の形態2による通信装置の通信回線確立手順における動作をフローにして示す図であり、これら一連のフローに従うプログラムはCPU1Aに予め格納されCPU1Aの制御の下に実行される。
【0067】
図7の通信装置の通信回線確立の手順について図8のフローに従い説明する。
図1のシステムで通信装置10から通信装置20にデータの送信要求が送信され、通信装置20側でこれが受信され、両装置間で通信回線の確立手順が実行されると想定する。
【0068】
このとき、通信装置10のCPU1Aは発信したデータの送信要求が通信装置20に受理されると、伝送路40の固有のSN比ならびにメモリ7中のノイズ特性データNDを通信装置20から受信し(S1〜S3)、そのデータに基づいてISDN回線30からの混入が予想される漏話ノイズを考慮してSN比を決定して(S4)、決定したSN比でADSL方式の各搬送波の周波数対応でビット配置を決定する(S5)。
【0069】
通信装置10のCPU1Aは決定したビット配置情報を変調器2、ADSL送受信部5および伝送路40を介して通信装置20に送信するので(S6)、通信装置20のCPU1Aは伝送路40、ADSL送受信部5および復調器3を介してこれを受信する(S7)。
【0070】
そして、通信装置10の変調器2はCPU1Aが決定したビット配置情報に基づき、インターネット等の通信網10AからネットワークI/F4を介して入力した信号を変調してADSL送受信部5を介して伝送路40に送出するので(S8)、通信装置20では復調器3が伝送路40を介して受信した信号をCPU1Aから与えられるビット配置情報に従って復調して、ネットワークI/F4を介してパソコン20Aに送出する(S9)。
【0071】
なお、CPU1Aは、伝送路40に混入するノイズの種類に応じて、予め特性データNDを設定するようにしてもよい。
【0072】
(実施の形態3)
実施の形態3では、前述した実施の形態1または2の通信装置において、伝送信号に関する誤り訂正機能を付加させることにより、図3で示されたように、ISDNノイズの変動に対する耐性をさらに高めることができる。
【0073】
図9(A)と(B)は、この発明の実施の形態3による通信装置のブロック図である。図9(A)には図5の実施の形態1に対応の通信装置10(20)に誤り訂正機能が付加された場合の構成が示され、図9(B)には図7の実施の形態2に対応の通信装置10(20)に誤り訂正機能が付加された場合の構成が示される。
【0074】
図9(A)および図9(B)のいずれの通信装置においても、送信時に送信信号に誤り訂正符号が付加されてインターリーブ処理が施された後に伝送路40に送出されるように変調器2とネットワークI/F4との間に誤り訂正符号付加回路8とインターリーブ処理回路9とが追加して設けられる。
【0075】
また、受信時には、誤り訂正符号が付加されるなどした信号を受信し、受信信号にインターリーブ処理に対応してデインターリーブ処理を行ない、さらに付加された符号を用いて誤り訂正した後に後段の各部に供給されるように、復調器3とネットワークI/F4との間にデインターリーブ回路9Aと誤り訂正回路8Aとが追加して設けられる。
【0076】
なお、実施の形態1〜3では、通信の形態は双方向通信および単方向通信のいずれであってもよく限定されない。
【0077】
上述したような実施の形態1〜3に従えば、データ通信時に伝送路40に混入が予想される雑音レベルの変動に十分に対応してデータ通信を継続できるので、このような雑音レベルの変動に起因して通信エラーが多発し回線断するという致命的な障害を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の各実施の形態に適用される通信システムの構成図である。
【図2】この発明の実施の形態を説明するためのISDN回線による雑音が存在する状態で通信回線確立したときのビット配置結果をグラフにして示す図である。
【図3】この発明の実施の形態を説明するためのISDNの漏話ノイズのレベル変動に対する伝送路におけるビット誤り率をグラフにして説明する図である。
【図4】この発明の実施の形態を説明するための通信回線確立時のISDNノイズレベルの依存性をグラフにして説明する図である。
【図5】この発明の実施の形態1による通信装置のブロック図である。
【図6】この発明の実施の形態1による通信装置の通信回線確立手順における動作をフローにして示す図である。
【図7】この発明の実施の形態2による通信装置のブロック図である。
【図8】この発明の実施の形態2による通信装置の通信回線確立手順における動作をフローにして示す図である。
【図9】(A)と(B)は、この発明の実施の形態3による通信装置のブロック図である。
【図10】従来からあるADSLによるデジタル変調方式を説明するための図である。
【図11】(A)と(B)は、従来のADSLにおける搬送波の周波数のSN比に応じたビット配置例を示す図である。
【図12】従来のADSLにおいて雑音が存在しない状態で通信回線確立したときのビット配置例を示す図である。
【図13】ISDNによる伝送信号のスペクトラムを示す図である。
【符号の説明】
1、1A CPU
2 変調器
3 復調器
6 ノイズ発生部
7 メモリ
8 誤り訂正符号付加回路
9 インターリーブ回路
8A 誤り訂正回路
9A デインターリーブ回路
10および20 通信装置
30 ISDN回線
40 伝送路
ND ノイズ特性データ
なお、各図中同一符号は、同一または相当部分を示す
Claims (3)
- データ通信時に直交した複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定して、決定された前記変調データ量に基づいてデジタル変調した信号を伝送する通信装置であって、第1の通信回線を介して相互に接続された前記通信装置のうち、前記データ通信において前記デジタル変調した信号を受信する側の前記通信装置において、
前記データ通信のための前記第1の通信回線の確立時に、
前記第1の通信回線に隣接する第2の通信回線の伝送信号による漏話信号を含み想定される雑音の周波数特性を有した信号を、前記第1の通信回線に関して発生させる信号発生手段と、
前記信号発生手段により発生された信号が混入した前記第1の通信回線のSN比を測定するSN比測定手段、
前記SN比測定手段により測定されたSN比に基づいて、前記複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定する変調データ量決定手段とを備え、
前記データ通信の期間に前記第1の通信回線において予め想定される前記雑音の周波数特性に基づいて、前記複数の搬送波のそれぞれに対応の前記変調データ量を決定する、通信装置。 - データ通信時に直交した複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定して、決定された前記変調データ量に基づいてデジタル変調した信号を伝送する通信装置であって、第1の通信回線を介して相互に接続された前記通信装置のうち、前記データ通信において前記デジタル変調した信号を送信する側の前記通信装置において、
前記第1の通信回線に隣接する第2の通信回線の伝送信号による漏話信号を含み想定される雑音の周波数特性を示す特性データが予め記憶される特性データ記憶手段と、
前記データ通信のための前記第1の通信回線の確立時に、
前記特性データ記憶手段中の前記特性データを少なくとも含む情報に基づいて前記第1の通信回線のSN比を求めて決定するSN比決定手段と、
前記SN比決定手段により決定されたSN比に基づいて、前記複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定する変調データ量決定手段とを備え、
前記データ通信の期間に前記第1の通信回線において予め想定される雑音の周波数特性に基づいて、前記複数の搬送波のそれぞれに対応の変調データ量を決定する、通信装置。 - 前記SN比決定手段は、前記特性データ記憶手段中の前記特性データおよび前記第1の通信回線に固有のSN比に基づいて、前記第1の通信回線のSN比を求めて決定する、請求項2に記載の通信装置。
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