JPWO2008117706A1 - Al−Ni−B系合金スパッタリングターゲット - Google Patents

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Abstract

本発明は、スパッタリング時のアーキングの発生を抑制したAl−Ni系合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。本発明は、Ni及びBを含有し、Al3Ni化合物が析出しているAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットにおいて、前記Al3Ni化合物の全析出量に対して、B含有粒子を内包するAl3Ni化合物の割合が2%以上であり、前記Al3Ni化合物の平均粒径が20μm以下であることを特徴とするものである。

Description

本発明は、スパッタリングターゲットに関し、特に、スパッタリング時のアーキング現象を抑制できるAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットに関する。
近年、液晶パネルなどの配線材料として、アルミニウム(以下、Alとする)系合金膜が着目されている。このAl系合金膜は、耐熱性や低抵抗性などの特性を備えた材料で、そのなかでもアルミニウムにニッケル(以下、Niとする)を含有したAl−Ni系合金は、耐熱性、低抵抗性に優れたものとして知られている(特許文献1〜3参照)。
特開2003−089864号公報 特開2004−214606号公報 国際公開第2006/117954号パンフレット
この配線材料として用いられるAl系合金膜は、通常、スパッタリングにより形成される。このスパッタリングにより成膜する際、いわゆるアーキングやスプラッシュと呼ばれる現象が生じることが知られているが、このAl系合金膜を成膜する場合、スパッタリング時にアーキングの発生が多いことが指摘されている。特に、鋳造法により製造したAl系合金スパッタリングターゲットを用いると、アーキング現象が多く発生する場合が認められている。
この鋳造法により製造したAl系合金スパッタリングターゲットは、比較的大きな結晶粒径を有する組織構造であること、また、ターゲットに添加された添加元素による生成化合物が酸化されて酸化物を形成しやすいことなどの性質があり、これらの要因によりアーキングが発生するものと考えられている。
このAl(アルミニウム)−Ni(ニッケル)−B(ホウ素)系合金スパッタリングターゲットは、従来から知られている鋳造法により製造することは可能である。しかし、如何なるターゲット組織構造がアーキングの発生を十分に抑制できるのか、また、そのようなAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットをどのような製造条件により実現できるかについては、具体的な提案をした先行技術はない。
本発明は、以上のような事情を背景になされたものであり、アーキングの発生を抑制したAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットを提供することを目的とする。
上記課題を解決すべく、本発明は、Ni及びBを含有し、AlNi化合物が析出しているAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットにおいて、前記AlNi化合物の全析出量に対して、B含有粒子を内包するAlNi化合物の割合が2%以上であり、前記AlNi化合物の平均粒径が20μm以下であることを特徴とする。尚、本発明におけるAlNi化合物の全析出量に対するB含有粒子を内包するAlNi化合物の割合とは、ターゲット表面或いは断面を走査型電子顕微鏡によって観察した際に特定されるAlNi化合物の全個数に対し、B含有粒子を内包するAlNi化合物の個数の割合を百分率で表したものである。
そして、本発明は、上記したAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により形成されたAl−Ni−B系合金膜に関する。
四端子法による抵抗値測定素子の概略図。 実施例1のターゲット表面のSEM観察写真の概略図。
以下、本発明における最良の実施形態について説明するが、本発明は下記実施形態に限定されるものではない。
本発明のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットは、Ni及びBを含有し、AlNi化合物が析出しており、ターゲット中のAlNi化合物の全析出量に対して、B含有粒子を内包するAlNi化合物の割合が2%以上であり、前記AlNi化合物の平均粒径が20μm以下であることを特徴とする。Al−Ni−B系合金においては、Al相中に金属間化合物であるAlNiが析出する性質があるが、このAl相中に析出するAlNi化合物の中で、B含有粒子を内包するAlNiが所定量存在していると、アーキングの発生が抑制されることを見出したのである。
添加元素としてNi及びBを含有するAl−Ni−B系合金の場合、ターゲットのAl相中には、AlNi化合物とB含有粒子(例えば、AlB粒子)とが生成される。Al−Ni−B系合金スパッタリングターゲットを鋳造法により製造すると、所定条件下においては、Al相中に生成されたB含有粒子を核としてAlNi化合物の成長が生じ、B含有粒子を内包するAlNi化合物が形成されることになる。このB含有粒子を内包するAlNi化合物はターゲットのAl相中に微細に析出する傾向があり、このB含有粒子を内包するAlNi化合物がAl相中に所定量存在すると、ターゲット全体の組織微細化が進行して、アーキングの発生が抑制されるものと推測している。
そして、本発明のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットはBの内包率が高く組織が微細なため、スパッタリングの際のアーキング現象が抑制される結果、安定したスパッタリングが可能となり、さらにBが均一に分散したAl−Ni−B系合金膜を成膜することができる。また、Bが均一に分散したAl−Ni−B系合金膜であると、ITO(Indium Tin Oxide)などの透明電極との直接接合を行った際に、その接合抵抗を低くすることが可能となる。
本発明において、B含有粒子を内包するAlNi化合物とは、B含有粒子がAlNi化合物の中心部分に生成しているような(取り込まれた)状態をいい、AlNi化合物の周辺部分にB含有粒子が生成している状態や、或いはB含有粒子がAlNi化合物に接した状態で生成している状態を含む。つまり、その形態にかかわらず、B含有粒子がAlNi化合物(粒子)とが何らかの形で接触した状態を示すものである。
さらに、本発明に係るAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットは、ターゲット中のAlNi化合物の全析出量に対して、B含有粒子を内包するAlNi化合物の割合が2%以上であり、前記AlNi化合物の平均粒径が20μm以下である。B含有粒子を内包するAlNi化合物の割合が2%未満であると、アーキング現象の抑制効果が小さくなる。ターゲット中のAlNi化合物の全析出量に対するB含有粒子を内包するAlNi化合物の割合は、その上限値に制限はないが、鋳造法における製造条件の制約から、実用的には10%以下、製造コストを考慮すると、6%以下が好ましい。尚、本発明におけるAlNi化合物の全析出量に対するB含有粒子を内包するAlNi化合物の割合とは、ターゲット表面或いは断面を走査型電子顕微鏡によって観察した際に特定されるAlNi化合物の全個数に対し、B含有粒子を内包するAlNi化合物の個数の割合を百分率で表したものである。
また、AlNi化合物の平均粒径は20μmを超えると、アーキングが発生しやすくなる傾向となる。このAlNi化合物の平均粒径は、B含有粒子を内包するAlNi化合物と、B含有粒子を内包しないAlNi化合物との全てのAlNi化合物より決定される。この平均粒径は、粒径が5μm以上のAlNi化合物のものにより算出するものである。そして、AlNi化合物の平均粒径は16μm以下であることが望ましい。アーキング現象をより効果的に抑制できるからである。さらに、AlNi化合物の平均粒径に下限値については特に制限はないが、鋳造法における製造条件の制約から、実用的には5μm以上、製造コストを考慮すると13μm以上である。アーキング現象の効率的な抑制と製造条件の制約とを勘案すると、AlNi化合物の平均粒径は6μm〜16μmであることがより好ましい。尚、AlNi化合物の粒径が5μm未満であると、アーキングへの影響があまり大きくないため、本発明では5μm以上の粒径のAlNi化合物を対象としている。
尚、本発明において、AlNi化合物、B含有粒子(例えば、AlB粒子)の特定及びその割合、それらの平均粒径は、製造されたターゲット表面或いはターゲット断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)及びエネルギー分散型X線分析装置(EDX)により観察して特定できる。より具体的には、倍率200倍のSEM観察の視野(0.19mm)において、確認されるAlNi化合物の析出物であってその径が5μm以上の個数を総て数える。そして、この観察を10視野で行い、10視野でカウントしたAlNi化合物の中で、B含有粒子を内包するAlNi化合物の析出物の個数を数えて、その割合を算出する。また、平均粒径は、SEM観察の視野内で確認されるAlNi化合物の析出物であってその径が5μm以上のもの全てついて、その析出物の長軸径を測定し、その平均を算出する。
上記した本発明のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットは、所定組成のAl−Ni−B系合金を750℃以上の温度にて鋳造することにより実現可能である。但し、鋳型材質、鋳込み量などの条件にあわせて、鋳造温度を含む各製造条件を適宜調整し、上記した組織構造を有する本発明のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットを製造する必要がある。
上記した本発明のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットは、Ni含有量が1.5at%以上であり、B含有量が0.80at%以下であることが好ましい。より好ましくは、Ni含有量が1.5at%〜6.0at%である。そして、B含有量は0.10at%以上、より好ましくは0.20at%〜0.80at%である。このような組成のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットであると、液晶パネルなどの製造工程における各熱履歴に対する優れた耐熱特性を備えたAl−Ni−B系合金膜となるからである。尚、本発明のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットは、低抵抗特性の観点より、Al自体を75at%以上含有していることが望ましい。さらに、本発明に係るAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットは、不可避不純物を含むことを妨げるものではなく、本願発明の効果を奏する限りにおいて、その他の添加元素を含有することができる。
続いて、本発明の実施例について説明する。本実施例では、各種組成のAl−Ni系合金のスパッタリングターゲットを作製し、そのスパッタリング時のアーキングの発生について調査した。
まず、ターゲット製造条件について説明する。原料の溶解工程では、サイリスタ式高周波加熱装置(日本サーモニクス(株)製:公称出力50kW、発振周波数3kHz)を用いた。表1に示す実施例1の合金組成はAl−5.0at%Ni−0.4at%Bであるため、この組成割合を考慮したアルミニウム、ニッケル、ホウ素の各原料を、予め空焼きしたアルミナ坩堝に投入し、サイリスタ式高周波加熱装置内に設置した。原料のアルミニウムは、インゴットより所定量を切り出したものを用い、ニッケル、ホウ素の原料はペレット状のものを用いた。そして、アルミナ坩堝を設置している空間を減圧することにより8Pa(ピラニー真空計で計測)の真空状態にし、原料の溶解加熱を開始した。坩堝内の原料は1000℃(1273K)まで昇温することで全溶解したが、さらに1200℃(1473K)まで昇温を行った。1200℃に到達した後、その温度で30分間保持した。
この温度保持後、50000Paまでアルゴンガスで加圧し、鋳造温度を800℃(1073K)に調整して、SUS製鋳型(厚み50mm、縦長さ325mm、横長さ350mmの鋳塊作製用)に注湯した。その後、自然冷却して鋳塊を得た。
得られた鋳塊は、熱間圧延処理(圧下量2mm/パス、温度500℃)を行った後、厚み10mm、縦1625mm、横350mmの大きさの圧延板とした。そして、この圧延板表面をフライス加工して、サイズはφ203.2mm×8mmのターゲット材を製造した(実施例1)。尚、表1に記載した実施例2〜実施例8、比較例1及び比較例2、比較例6、比較例7のターゲットに関しては、基本的な製造工程は上記と同様で、その合金組成或いは鋳造温度を変えて製造した。
また、表1に示す比較例3〜比較例4の別組成のターゲットについても、上記製造条件と基本的に同じ工程により製造を行った。但し、比較例4の場合は、組成割合を考慮して準備したアルミニウム(インゴット)、予め溶製したNi−C合金(ペレット)を原料として、1600℃溶解し、上記実施例1(Al−5.0at%Ni−0.4at%B)と同様な鋳造温度にてターゲットを作製した。また、比較例5の場合は、組成割合を考慮したアルミニウム(インゴット)、ニッケル(ペレット)、ネオジウム(ペレット)を原料として、1200℃で溶解し、上記実施例1(Al−5.0at%Ni−0.4at%B)と同様の鋳造温度にてターゲットを作製した。
そして、得られた各ターゲットは、次のようにしてスパッタリング時のアーキング発生頻度を調査した。ターゲット材は、銅製のバッキングプレートにボンディングし、マルチチャンバースパッタリング装置(トッキ(株)製:MSL−464型)に装着した。そして、このアーキング測定は、スパッタリング中のアーク放電時の電圧降下によって、エネルギー変化が10mJ以上のものをアーキング発生1回としてカウントしたものである(測定装置:マイクロアークモニターMAM Genesis、(株)ランドマーク・テクノロジー製)。なお、アーキングの指標としては、アーキング発生回数をスパッタによるターゲット厚み方向の掘れた深さで割ったアーキング発生頻度(回/mm)を用いた。スパッタ条件は次のとおりである。出力4000W、減圧度0.5Pa、Ar流量100sccm/min、放電時間10時間とした。測定結果を表2に示す。
また、各ターゲットにより成膜したAl−Ni系合金膜について透明電極であるITOとの接合抵抗についても測定を行った。ITOとの接合抵抗測定方法は次のようにして行った。
各組成のターゲットを使用して、スパッタリング条件を投入電力3.0W/cm、アルゴンガス流量100ccm、アルゴン圧力0.5Paとして、マグネトロン・スパッタリング装置(トッキ社製:マルチチャンバータイプスパッタ装置MSL464)を用い、厚み2000ÅのAl−Ni系合金膜をガラス基板上に形成した。
そして、Al−Ni系合金膜表面にレジスト(OFPR800:東京応化工業(株))を被覆し、20μm幅回路形成用パターンフィルムを配置して露光処理をし、濃度2.38%、液温23℃のテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドを含むアルカリ現像液(以下、TMAH現像液と略す)で現像処理をした。現像処理後、リン酸系混酸エッチング液(関東化学(株)社製:アルミ混酸エッチャント、組成(容量比)/リン酸:蓚酸:酢酸:水=16:1:2:1、液温32℃)により回路形成を行い、ジメチルスルフォキシド(以下、DMSOとする)剥離液によりレジストの除去を行って、20μm幅回路を形成した。
次に、20μm幅回路を形成した基板を、純水洗浄、乾燥処理を行い、その表面にSiNxの絶縁層(厚み4200Å)を形成した。この絶縁層の成膜は、スパッタリング装置を用い、投入電力RF3.0W/cm、アルゴンガス流量90ccm、窒素ガス流量10ccm、圧力0.5Pa、基板温度300℃のスパッタ条件により行った。
続いて、絶縁層表面にポジ型レジスト(東京応化工業(株)社製:TFR−970)を被覆し、10μm×10μm角のコンタクトホール開口用パターンフィルムを配置して露光処理をし、TMAH現像液により現像処理をした。そして、CFのドライエッチングガスを用いて、コンタクトホールを形成した。コンタクトホール形成条件は、CFガスの場合、CFガス流量50ccm、酸素ガス流量5ccm、圧力4.0Pa、出力150Wとした。コンタクトホール形成後、DMSO剥離液によりレジストの剥離を行った。レジストの剥離処理を行った各評価サンプルは、残存する剥離液を純水洗浄した後、乾燥処理を行った。
続いて、このレジストの剥離処理が終了した各サンプルに対し、ITOターゲット(組成In−10wt%SnO)を用いて、コンタクトホール内及びその周囲にITOの透明電極層を形成した。透明電極層の形成は、スパッタリング(基板温度70℃、投入電力1.8W/cm、アルゴンガス流量80ccm、酸素ガス流量0.7ccm、圧力0.37Pa)を行い、透明電極層となる厚み1000ÅのITO膜を形成した。
そして、このITO膜表面にレジスト(OFPR800:東京応化工業(株)社製)を被覆し、パターンフィルムを配置して露光処理をし、濃度2.38%、液温23℃のTMAH現像液で現像処理をし、しゅう酸系混酸エッチング液(関東化学(株)社製ITO05N)により20μm幅回路の形成を行った。ITO膜回路形成後、剥離液(DMSO 100wt%)によりレジストを除去した。
以上のような手順により、コンタクトホールを形成し、コンタクトホールを介してAl−Ni系合金膜からなる回路と透明電極層とが直接接合された評価サンプルについて、そのコンタクト抵抗値を測定した。その測定結果を表2に示す。このコンタクト抵抗値の測定は、図1に示すような四端子法に基づき、評価サンプルである素子を大気中、250℃、30分間のアニール処理後、各評価サンプルの抵抗値測定を行った。尚、この図1に示す四端子法は、熱処理後の評価サンプルの端子部分から連続通電(3mA)をして、その抵抗を測定するものである。
また、ターゲット中のAlNi化合物の全析出量に対するB含有粒子を内包するAlNi化合物の割合と、AlNi化合物については次のように特定した。まず、作成した各ターゲットについて、その中央部分の表面を走査型電子顕微鏡にて倍率200倍で観察した。図2に、実施例1の代表的なSEM観察結果の概略図を示す。
図2に示す概略図中、符号1の斜線で示す部分がターゲットのAl相である。また、符号2で示す白色の析出物がAlNi粒子である。そして、符号3で示す析出物がB含有粒子(例えば、AlB粒子)である。さらに、B含有粒子を内部に含むか、B含有粒子と接した状態のAlNiを、B含有粒子を内包するAlNiとして符号2’で示している。
ターゲット中のAlNi化合物の全析出量に対するB含有粒子を内包するAlNi化合物の割合については、図2で示すようなSEM観察視野(0.19mm)の10視野中に確認されたAlNiの析出物の個数をカウントし、そのうち符号2’で示すようなB含有粒子を内包するAlNiの個数をカウントして、それらの個数から算出した。また、平均粒径については、析出物の長軸となる部分の長さを各析出物の粒径として、視野中に確認されたAlNiの析出物であって粒径5μm以上の全ての粒径を測定しその平均を算出した。また、B含有粒子は、SEMとEDXで確認したところAlBであった。そして、倍率200倍のSEM観察で計測可能であった粒径1μm以上のものを対象として、B含有粒子を内包する粒径5μm以上のAlNiの個数をカウントした。
Figure 2008117706
Figure 2008117706
表1及び表2に、各実施例及び各比較例のデータを纏めて示した。表1における割合の欄は、ターゲット中のAlNi化合物の全析出量に対するB含有粒子を内包するAlNi化合物の割合値を示している。この表1及び表2より、割合が2.0%〜8.3%であり、AlNi化合物の平均粒径が18.5μm〜5.7μmであった各実施例のターゲットでは、アーキング現象が明らかに抑制されていることが判明した。比較例1及び2については、実施例1或いは2に比べると、アーキング頻度が低下していなかった。この理由は、AlNi化合物の粒径が大きいことに起因するものと推定され、比較例1では鋳造温度が低いため鋳造前に坩堝内で初晶AlNi(析出温度約710℃)が析出し、成長粗大化したことによるもので、また、比較例2では鋳造温度が高すぎるため凝固までに時間を要し、鋳造後に鋳型内で析出した初晶AlNiが成長粗大化したことによるものと考えられる。
成膜後のITOとの直接接合における接合抵抗値の結果では、実施例1〜3及び実施例6、7、比較例6、7の各合金組成のターゲットにより成膜したものが低接合抵抗値となり、特に実施例1〜3、6、7は非常に低い接合抵抗値であることが判明した。このアーキング現象及びITOとの直接接合における接合抵抗値の調査結果より、Al−Ni−B系合金のスパッタリングターゲットでは、Ni含有量が1.5at%以上であることが好ましいことが判明した。以上のことから、実施例1〜8のスパッタリングターゲットで成膜した場合、膜中のBも均一に分散されていることが予測された。
本発明によれば、アーキングの発生が抑制されるため、安定したスパッタリングが行えることができ、均一なAl−Ni−B系合金膜の成膜が可能となる。

Claims (2)

  1. Ni及びBを含有し、AlNi化合物が析出しているAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットにおいて、
    前記AlNi化合物の全析出量に対して、B含有粒子を内包するAlNi化合物の割合が2%以上であり、
    前記AlNi化合物の平均粒径が20μm以下であることを特徴とするAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲット。
  2. 請求項1に記載のAl−Ni−B系合金スパッタリングターゲットを用いてスパッタリング法により形成されたAl−Ni−B系合金膜。
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