JPWO2008111579A1 - レンチキュラーレンズ、画像表示方法、画像表示装置、およびレンチキュラーレンズの製造方法 - Google Patents

レンチキュラーレンズ、画像表示方法、画像表示装置、およびレンチキュラーレンズの製造方法 Download PDF

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Abstract

解像度が高く、かつ、視野角が大きい立体画像を表示できるレンチキュラーレンズには、屈折率が高いガラスが必要であった。しかしながら、ガラスを用いるレンチキュラーレンズは製造コストが高く、割れる可能性がある。透明板の上に凸レンズ部をアレイ状に形成し、透明板の屈折率をn1、凸レンズ部の屈折率をn2とする場合、n2>n1とする。その高屈折率の凸レンズ部は、微粒子を分散させた樹脂から成る。樹脂を用いるために、製造コストが低く、割れにくい。また、樹脂内の微粒子による光散乱が生じても、凸レンズ部のみに高屈折率樹脂を用いるので透過率の低下を防ぐ事ができる。また、透明板と、レンズアレイを形成した金型を対向させ、それらの間に高屈折率の紫外線硬化樹脂を挿入し、紫外線を照射して高屈折率の紫外線硬化樹脂を硬化させる。この製造方法により、凸レンズ部の屈折率が高いレンチキュラーレンズを安価に製造する事ができる。

Description

本発明は、立体画像を表示するレンチキュラーレンズ、画像表示方法、画像表示装置、およびレンチキュラーレンズの製造方法に関する。
立体画像表示装置には、眼鏡を必要とする方式と必要としない方式がある。眼鏡を必要としない方式としてレンチキュラーレンズを用いる立体画像表示装置が知られている。図24はレンチキュラーレンズの斜視図、図25は多視点画像の撮像方法を示す図、図26は多視点画像の作成方法を示す図、図27および図28はレンチキュラーレンズによる立体視の原理図である。
図24において、2401はシリンドリカルレンズであり、多くのシリンドリカルレンズを平行に並べてレンチキュラーレンズを構成している。そのレンチキュラーレンズの平面部2402は画像面である。画像面2402に印刷あるいは表示された多視点画像を、シリンドリカルレンズ2401を通して左右の眼で見る事で画像を立体的に認識する。
多視点画像を撮像する一つの方法は、被写体の画像を多くの方向から撮像する事である。図25は5台のカメラを用いた多視点画像を撮像する図である。図25において、被写体2501を5台のカメラ2502ないし2506を用いて撮像する。これらの複数の撮像画像は互いに視差を持つ。
図26を用いて、多視点画像を作成する方法を説明する。図26において、2602ないし2606は図25のカメラ2502ないし2506により撮像された画像である。これらの撮像画像を短冊画像に分割し、図26の様に一つに合成して多視点画像2601を作成する。図25および図26の様な5視点の例では、各々の短冊画像は横方向に5分の1に圧縮されて、2601に合成される。
図27および図28において、2701はシリンドリカルレンズ、2702は画像面である。画像面2702に印刷あるいは表示された画像2703は、図26の多視点画像2601の一つのシリンドリカルレンズに対応する部分である。図27および図28の例では、一つのシリンドリカルレンズに対応する画像面のみに多視点画像2703を示している。実際は全てのシリンドリカルレンズに対応する画像面に多視点画像を表示する。画像面の各点から出る光はシリンドリカルレンズにより略平行光になり、右眼あるいは左眼に入射する。図27の様な右眼2704と左眼2705の位置では、右眼2704には略非行光2706が入射し、左眼2705には略平行光2707が入射して、右眼と左眼は互いに視差のある画像を見て立体的に認識する。
また、頭の位置を移動させて、図28の様に右眼2704と左眼2705の位置が変化した場合は、右眼2704には略平行光2708が入射し、左眼2705には略平行光2709が入射して画像を立体的に認識する。頭を移動する事で立体的に見える方向が変わり、図27では見えなかった物が図28では見える様になり、臨場感が高くなる。この様な多視点画像とレンチキュラーレンズによる立体画像は、最近の学会において報告されている(例えば非特許文献1を参照)。
図27および図28の様なレンチキュラーレンズでは、画像面の異なる点から出る光が方向の異なる略平行光になる事により、右眼と左眼で異なる画像を見て立体画像を認識する。この様な略平行光になる原理について図29を用いて解析的に説明する。
図29において、2901はシリンドリカルレンズで、2902は画像面である。一般に球面レンズを用いるが、楕円レンズも提案されている(例えば特許文献1を参照)。レンズ頂部を通るレンズ中心線近傍の曲率半径をRとする。画像面2902からレンズ頂部までの距離をTとし、レンズ媒質の屈折率をnとし、一つのシリンドリカルレンズの幅をWとする。レンズ中心線2903から画像面の注目している点までの距離をδとする。この画像面の点から出てレンズ表面の点Pに達した光は、レンズ表面で屈折して角度βを持ってシリンドリカルレンズ2901から出射される。
点Pのレンズ中心線2903からの距離をXとし、レンズ形状は(数1)で表される。ここでmを楕円係数と呼ぶ事にする。m=1の時は球面を表し、球面は楕円の特殊な場合である。また、このレンズ形状では、レンズ中心における曲率半径はRである。
(数1) F(X)=T−mR+〔(mR)−mX1/2
画像面の注目している点から点Pに向かう光線の角度θは(数2)で求められる。点Pにおけるレンズ曲面の勾配は関数F(X)の微分係数であり(数3)で求められる。レンズ面への入射角αは(数4)で求められ、レンズ面における屈折の法則より角度βは(数5)で求められる。ここで、点PにおけるF(X)の微分係数は、Xが正の値ならば負になる(代数的角度が負、φ<0)。幾何学的角度を正の値で示すため、図29では点Pにおける接線の傾きを(−φ)と表している。
(数2) tanθ = (δ−X)/F(X)
(数3) tanφ=−m・X/〔(mR)−mX1/2
(数4) α=θ+(−φ)
(数5) sin〔β+(−φ)〕=n・sinα
画像面の点(レンズ中心線2903から距離δ)と、レンズ面の屈折点P(レンズ中心線2903から距離X)が与えられれば、(数1)ないし(数5)より、順にθ、φ、α、βが求まり、シリンドリカルレンズ2901からの出射光の方向が求められる。
画像面2902の異なる点から出る光は、シリンドリカルレンズ2901から異なる出射角度を持つ平行光として出射される事が理想である。図30にその理想的な振る舞いを示す。横軸は画像面の点から出る光がレンズ表面に入射する位置(X)、縦軸はシリンドリカルレンズからの出射角度(β)である。画像面の点(レンズ中心線2903から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面の点から出る光である。例えば、画像面の点(δ=W/4)から出た光はレンズ表面のどの位置に入射しても出射角度が一定の平行光となる。言い換えれば、その出射角度からレンチキュラーレンズを見れば点(δ=W/4)の画像のみを見る事になる。この様に、画像面の点から出た光が、レンズ面の入射位置によらず出射角度が一定の平行光になる事をレンチキュラー効果と名付ける。現実にはこの様な理想的な出射光は得られず、以下に現実的な場合を示す。
まず、光線の角度が小さい近軸近似を考える。この近軸近似では、(数1)ないし(数5)が各々(数6)ないし(数10)と表される。近軸近似では楕円係数mに依存せず、レンズ中心線近傍では楕円は球面と殆ど同じである。
(数6) F(X)=T
(数7) θ=(δ−X)/T
(数8) φ=−X/R
(数9) α=θ−φ
(数10) β−φ = nα
これらの(数6)ないし(数10)より、近軸近似における出射角βは(数11)で表される。レンチキュラーレンズ効果、即ち、画像面の点(レンズ中心線2903から距離δ)から出る光が出射角一定の略平行光となる条件は、βがθに依存しない事であり、それは(数12)の場合である。また、その時の出射角βは(数13)で表される。
(数11) β=(n−1)(δ/R)−〔(n−1)(T/R)−n〕θ
(数12) T=Rn/(n−1)
(数13) β=(n−1)(δ/R)
レンズ媒質が一般的なガラスや樹脂の場合は、屈折率nは約1.5であり、画像面からシリンドリカルレンズ頂部までの距離Tは(数14)となり、略平行光の出射角βは(数15)となる。
(数14) T=3R
(数15) β=δ/(2R)
次に、一般的な場合を(数1)ないし(数5)を用いてシミュレーションする。例として、球面レンズの場合を示す。図29においてm=1、R=1、T=3、n=1.5、W=1.5とする。これらの条件は(数12)を満足する。図31はそのシミュレーションの結果である。横軸は画像面の点から出る光がレンズ表面に入射する位置(X)、縦軸はシリンドリカルレンズから出る出射角(β)である。画像面の点(レンズ中心線2903から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面の点から出る光である。
図31より以下の事が分かる。画像面のレンズ中心(δ=0)から出る光は、その殆どは角度β=0の略平行光としてシリンドリカルレンズから出射され、周辺部の光は若干の集束光になる。レンズ中心線から距離W/4にある画像面の点(δ=W/4)から出る光は、レンズ面の範囲(−0.75から+0.5)に入射する場合は角度β=0.19ラジアンを持つ略平行光としてシリンドリカルレンズから出射され、レンズ面の範囲(+0.5から+0.75)に入射する場合は非平行光となる。また、互いに隣接するシリンドリカルレンズの境界に対応する画像面の点(δ=W/2)から出る光は、レンズ面の範囲(−0.75から+0.3)に入射する場合は角度β=0.37ラジアンを持つ略平行光としてシリンドリカルレンズから出射され、レンズ面の範囲(+0.3から+0.6)に入射する場合は非平行光となる。境界点(δ=W/2)からレンズ面の範囲(+0.6以上)に入射する場合は全反射によりシリンドリカルレンズから出射されない。図30と図31を比較すれば、多くの光は比較的に理想に近いが、理想から外れる光もある。
品質の高い立体画像を認識するには、レンチキュラーレンズを一つの方向から見た場合に、画像面の一点近傍の画像のみが見える事が重要である。多くの点からの光が混入して見えれば複数の画像が混ざり合い画質が劣化する。図32を用いて、レンチキュラーレンズを角度0.19ラジアンの方向から見る場合を説明する。図32において、図29と同じ構成要素は同じ符号を付け説明を省略する。2904は角度0.19ラジアンの方向に有る眼である。図31から分かる様に、画像面の点(δ=W/4)から出た光の多くが出射角0.19ラジアンを持つ略平行光となる。それらは図32の光線2905(実線)と光線2906(実線)に囲まれた領域の光であり、この略平行光が眼2904から見える事になる。画像面の点(δ=W/4)から出た光線2907(波線)の様な光は出射角が0.19ラジアンより大きく、眼2904から見えない。
次に、図33を用いて、レンチキュラーレンズを角度0.37ラジアンの方向から見る場合を説明する。図33において、図29および図32と同じ構成要素は同じ符号を付け説明を省略する。眼2904は角度0.37ラジアンの方向に有る眼である。図31から分かる様に、画像面の点(δ=W/2)から出た光の多くが出射角0.37ラジアンを持つ略平行光となる。それらは図33の光線2908(実線)と光線2909(実線)に囲まれた領域の光であり、この略平行光が眼2904から見える事になる。一方、画像面の他の点からの光の一部も出射角0.37ラジアンを持つ。例えば、光線2910(波線)はδ=W/4の点から出て出射角0.37ラジアンを持って出射される。この光線2910は、光線2908と光線2909に囲まれた領域に比べれば非常に狭い範囲で生じ、光量は小さい。すなわち、レンチキュラーレンズを角度0.37ラジアンの方向から見た場合は、殆どδ=W/2の点近傍の画像のみを見る事になる。
図31において、横軸(レンズ面への入射位置X)に対して出射角度βの変化が大きい場合は、すなわち、出射角度を表す曲線の勾配が大きい場合は、図32の光線2907(波線)および図33の光線2910(波線)の様に、ある特定の出射角度から見た場合は光量が小さい。
一つのシリンドリカルレンズに対応する画像面には、多数の視点からの画像が表示されている。それらの多視点画像のうち、隣り合う画像は図25の隣り合うカメラにより撮像した画像であり、互いに相関が強く、混じり合っても画質の劣化には大きな問題にはならない。しかし、隣接するシリンドリカルレンズの境界付近の画像は、例えば図25のカメラ2502と2506により撮像した画像であり、相関は低く、それらが混じり合うと画質の劣化になる。
従って、隣接するシリンドリカルレンズの境界点(δ=W/2)から出てシリンドリカルレンズから出射する光のうち、比較的高い強度を持ち、かつ、最も小さい出射角度が立体画像の視野角を決定する事になる。図31の場合の視野角は±0.37ラジアン(±21度)となる。この視野角が大きいほど安定な立体画像を得る事ができる。
図31に示される様に、隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面から出る光(δ>W/2)も、その多くは略平行光になるが、画像面の点がレンズ中心線より離れるに従って非平行光となる割合が多くなる。これらの隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面から出る光は視野角の外であり、視野角内の立体画像には影響しない。
より安定な立体画像を得るには、より広い視野角が望まれる。視野角を大きくする一つの方法は、シリンドリカルレンズの幅(W)を大きくする事である。
球面レンズでは、レンズ幅Wを大きくすればレンズ周辺の勾配が大きくなり、レンズ表面で屈折した光線の角度が急激に変化する。出射光が略平行光ではなくなり、レンズ幅を大きくする効果が現れない。レンズ形状として楕円形状が提案されている(特許文献1参照)。レンズ形状を楕円にする事で、勾配をそれ程大きくせずに、レンズ幅Wを大きくできる。
レンズ形状が楕円であるレンチキュラーレンズの場合を、(数1)ないし(数5)を用いてシミュレーションする。例として、図29において、m=3、R=1、T=3、n=1.5、W=2とする。これらの条件は(数12)を満足する。この例では、視野角を大きくするためにW=2としている。図34はそのシミュレーションの結果である。横軸は画像面の点から出た光がシリンドリカルレンズ面に入射する位置(X)、縦軸はシリンドリカルレンズからの出射角度(β)である。画像面の点(レンズ中心線から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面の点からの光である。
図34より以下の事が分かる。画像面のレンズ中心(レンズ中心、δ=0)からの光は、殆どは角度β=0を持つ略平行光としてシリンドリカルレンズから出射され、レンズ周辺に入射する光は僅かに非平行光になる。レンズ中心線から距離W/4にある画像面の点(δ=W/4)から出る光は完全な平行光ではないが、出射角度が0.25ラジアンから0.37ラジアンの範囲内で緩やかに変化する出射光となり、近似的にレンチキュラー効果を満足する。互いに隣接するシリンドリカルレンズの境界付近の画像面の点(δ=W/2)から出る光も、出射角度が緩やかに変化し、レンズ面の範囲が+0.6以上に入射する光は全反射によりシリンドリカルレンズからは出射されない。境界点からの光の中で最も小さい出射角度は0.47ラジアンである。
一つのシリンドリカルレンズに対応する画像面には、多数の視点からの画像が表示されている。それらの多視点画像のうち、隣り合う画像は互いに相関が強く、混じり合っても画質の劣化には大きな問題にはならない。しかし、隣接するシリンドリカルレンズの境界付近の画像は相関が低く、それらが混じり合うと画質の劣化になる。従って、隣接するシリンドリカルレンズの境界点(δ=W/2)から出てシリンドリカルレンズから出射する光のうち、比較的高い強度を持ち、かつ、最も小さい出射角度が視野角を決定する事になる。図34の場合の視野角は±0.47ラジアン(±27度)となる。楕円レンズを用いれば、シリンドリカルレンズの幅を大きくでき、視野角が大きく安定な立体画像を得る事ができる。
参考に、楕円形状のシリンドリカルレンズ幅を大きくしない場合について、(数1)ないし(数5)を用いたシミュレーション結果を図35に示す。ここで、(数12)を満足する様に、m=3、R=1,T=3、n=1.5、W=1.5とする。隣接するシリンドリカルレンズの境界点(δ=W/2)からの光の出射角度、すなわち視野角は±0.36ラジアン(±21度)である。楕円レンズを用いるだけでは視野角は大きくならない。楕円レンズを用いれば、シンドリカルレンズの幅を大きくする事ができて、視野角を大きくできる事が分かる。
レンチキュラーレンズをある方向から見る場合、右あるいは左の眼は一つのシリンドリカルレンズの幅に含まれる多視点画像のうち、一つの視点からの画像のみを見て立体画像を認識する。例えば、図27および図28の場合は、5つの多視点画像(2703)のうち一つだけの視点からの画像を見る。従って、幅Wに対して一つの画像が割り当てられるので、シリンドリカルレンズの幅Wが大きければ立体画像が粗くなり、Wが小さいほど解像度が高くなる。出来るだけ、シリンドリカルレンズ幅Wを大きくしないで、視野角を大きくしたい。
視野角を大きくするもう一つの方法は、レンズ媒質の屈折率を大きくする事である。屈折率を大きくすれば、シリンドリカルレンズ幅Wを大きくする事なく視野角を大きくできる。この事は、近軸近似における出射角の式(数13)からも分かる様に、媒体の屈折率nが大きい程出射角が大きい。最近では高屈折率で、かつ、成形できるガラスが開発されている。屈折率が1.65くらいのガラスは入手が比較的容易である(例えば非特許文献2を参照)。
図36は、屈折率n=1.65の球面レンズの場合について、(数1)ないし(数5)を用いてシミュレーションした結果である。ここで、m=1、R=1、T=2.54、n=1.65、W=1.5とし、これらの条件は(数12)を満足する。横軸は画像面の点から出る光がレンズ表面に入射する位置(X)、縦軸はシリンドリカルレンズからの出射角度(β)である。画像面の点(図29のレンズ中心線2903から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面の点からの光である。
図36より、屈折率n=1.65,レンズ幅W=1.5の球面シリンドリカルレンズでは視野角は±0.45ラジアン(±26度)まで拡大できる事が分かる。
図37は、屈折率n=1.65の楕円レンズの場合について、(数1)ないし(数5)を用いてシミュレーションした結果である。ここで、m=3、R=1、T=2.54、n=1.65、W=1.5とし、これらの条件は(数12)を満足する。横軸は画像面の点から出る光がレンズ表面に入射する位置(X)、縦軸はシリンドリカルレンズからの出射角度(β)である。画像面の点(図29のレンズ中心線2903から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接するシリンドリカルレンズに対応する画像面の点からの光である。
図37から、楕円レンズの場合は球面レンズと若干の違いはあるが、非常に似た振る舞いをし、視野角は±0.47ラジアン(±27度)となる。
図36および図37から分かる様に、屈折率が1.65くらいのガラスを用いれば、シリンドリカルレンズ幅Wを大きくせずに、幅Wを大きくした場合(W=2)と同程度に視野角を拡大できる。すなわち、解像度が高く、かつ、視野角が大きいレンチキュラーレンズを構成できる。
図38の様に、画像面をレンズ側に配置し、観察する側を平面とする場合も、図27および図28と同様に立体画像を認識できる(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。図38において、3801はシリンドリカルレンズ、3802は画像面である。画像面3802に印刷あるいは表示された画像3803は、図26の多視点画像2601の一つのシリンドリカルレンズに対応する部分である。図38の例では、一つのシリンドリカルレンズに対応する画像面のみに多視点画像3803を示している。実際は全てのシリンドリカルレンズに対応する画像面に多視点画像を印刷あるいは表示する。画像面の各点から出る光はシリンドリカルレンズにより略平行光になり、右眼あるいは左眼に入射する。右眼3804には略非行光3806が入射し、左眼3805には略平行光3807が入射して、右眼と左眼は互いに視差のある画像を見て立体的に認識する。
図38の様なレンチキュラーレンズを倒立レンチキュラーレンズと呼び、図27および図28の様なレンチキュラーレンズを正立レンチキュラーレンズと呼ぶ事にする。倒立レンチキュラーレンズの場合も、正立レンチキュラーレンズと同様に、画像面の異なる点から出る光は、方向の異なる略平行光になる事により、右眼と左眼で異なる画像を見て立体画像を認識できる。
ここでは詳細なシミュレーションは示さないが、図38の様な倒立レンチキュラーレンズについても同様の事が言える。すなわち、高屈折率のガラスを用いてれば、シリンドリカルレンズ幅を大きくせずに視野角を拡大でき、解像度が高く、かつ、視野角が大きい倒立レンチキュラーレンズを構成できる。
特開平6−308634号公報 特開平7−199382号公報 特開平9−189883号公報 3次元画像コンファレンス 2005 講演論文集 (July 7−8, 2005, 東京) 日経エレクトロニクス 2004年9月13日号 79頁
屈折率が高いガラスを用いれば、解像度が高く、かつ、視野角も大きい立体画像を表示できるレンチキュラーレンズを実現できる。一般に、レンチキュラーレンズは成形などのプロセスで製造する事ができる。しかしながら、ガラスを用いた製造プロセスは量産性が低くコストが高くなる。また、ガラスは割れる可能性が高い。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、視野角が大きく、解像度が高い立体画像を表示でき、かつ、量産性が高く、割れにくいレンチキュラーレンズを提供する事を目的とする。また、レンチキュラーレンズを用いた画像表示方法、画像表示装置、および量産性の高いレンチキュラーレンズの製造方法を提供する事を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のレンチキュラーレンズは、透明板の上に凸レンズ部をアレイ状に形成し、前記透明板の屈折率をn1、前記凸レンズ部の屈折率をn2とする場合、n2>n1である事を特徴とする。この事により、視野角が大きく、かつ、解像度が高い立体画像を実現するレンチキュラーレンズを得る。
また、本発明のレンチキュラーレンズにおいては、前記透明板と前記凸レンズ部の間に樹脂層を形成する事が好ましい。この事により前記凸レンズ部と前記透明板の密着性を向上できる。
本発明のレンチキュラーレンズにおいては、画像面の上にN層の透明層を有し、前記N層の透明層の上に凸レンズ部をアレイ状に形成し、前記画像面からi番目の透明層の屈折率をniとし、前記画像面からi番目の透明層の厚さをdiとし、前記凸レンズ部の屈折率をn(N+1)とし、前記凸レンズ部のレンズ中心の厚さをd(N+1)とし、前記iは1ないしNの値を持ち、前記凸レンズのレンズ中心近傍の曲率半径をRとする時、
d1/n1+d2/n2+・・・+dN/nN+d(N+1)/n(N+1)
=R/〔n(N+1)−1〕
の関係を近似的に満足する事を特徴とする。この事により、視野角が大きく、かつ、解像度が高い立体画像を実現するレンチキュラーレンズを得る。
また、本発明のレンチキュラーレンズにおいては、前記凸レンズ部が、微粒子を分散させた樹脂から成る事が好ましい。樹脂を用いる事により、成形などの量産性を向上し製造コストを低下し、かつ、割れにくいレンチキュラーレンズを得る。また、微粒子による光散乱が生じても、前記凸レンズ部のみに前記樹脂を用いる事により透過率の低下を防ぐ。
また、本発明のレンチキュラーレンズにおいては、前記凸レンズ部が非球面である事が好ましい。この事によりレンズ面の勾配を小さくして、前記樹脂でできた前記凸レンズ部の厚さを小さくして、より透過率の低下を防ぐ。
本発明の第一の画像表示方法は、片側に凸レンズをアレイ状に形成した透明板を有し、画像面を有し、前記画像面に多視点画像を印刷あるいは表示するに際し、隣接する前記凸レンズの境界に対応する画像面には画像を表示しない事を特徴とする。この事により、隣接する凸レンズに相当する画像面の影響を低下させて、安定な立体画像を得る。
また、本発明の第二の画像表示方法は、片側に凸レンズをアレイ状に形成した透明板を有し、画像面を有し、前記画像面に多視点画像を印刷あるいは表示するに際し、前記透明板の外周部は前記凸レンズの中心から外周側を中心に前記多視点画像を表示する事を特徴とする。この事により安定な立体画像を得る眼の位置を拡大できる。
本発明の画像表示装置は、立体画像を表示する部分と、平面画像を表示する部分を有する事を特徴とする。この事により常に解像度の高い平面画像を表示して立体画像に関する説明文字などを表示できる。
本発明のレンチキュラーレンズの第一の製造方法は、透明板と、レンズアレイ形状を形成した金型を対向させ、前記透明板と前記金型の間に第一の紫外線硬化樹脂を挿入し、紫外線を照射して前記第一の紫外線硬化樹脂を硬化させる事を特徴とする。この製造方法により、解像度が高く、視野角が大きく、割れにくいレンチキュラーレンズを低コストで製造できる。
本発明のレンチキュラーレンズの第二の製造方法は、透明板の上に第二の紫外線硬化樹脂層を形成し、レンズアレイ形状を形成した金型を前記第二の紫外線硬化樹脂層に対向させ、前記第二の紫外線硬化樹脂層と前記金型の間に第一の紫外線硬化樹脂を挿入し、紫外線を照射して前記第一および第二の紫外線硬化樹脂を硬化させる事を特徴とする。この製造方法により、解像度が高く、視野角が大きく、割れにくく、かつ、前記凸レンズ部と前記透明板の密着性が向上したレンチキュラーレンズを低コストで製造できる。
本発明のレンチキュラーレンズの第三の製造方法は、レンズアレイ形状を形成した金型を樹脂シートに押圧して、片側にレンズアレイが形成された樹脂シートを作製し、透明板の上に第三の紫外線硬化樹脂層を形成し、前記第三の紫外線硬化樹脂層の上に前記レンズアレイが形成された樹脂シートを重ね、紫外線を照射して前記第三の紫外線硬化樹脂を硬化させる事を特徴とする。この製造方法により、解像度が高く、視野角が大きく、割れにくく、かつ、前記凸レンズ部と前記透明板の密着性が向上したレンチキュラーレンズを低コストで製造できる。
また、本発明のレンチキュラーレンズの第一あるいは第二の製造方法においては、前記第一あるいは第二の紫外線硬化樹脂が、微粒子を分散させた樹脂である事が好ましい。この事により屈折率の高い樹脂を用いたレンチキュラーレンズを製造できる。
また、本発明のレンチキュラーレンズの第三の製造方法においては、前記レンズアレイが形成された樹脂シートが、微粒子を分散させた樹脂である事が好ましい。の事により屈折率の高い樹脂を用いたレンチキュラーレンズを製造できる。
本発明のレンチキュラーレンズによれば、解像度が高く、視野角が大きい立体画像を提供する事ができる。また、そのレンチキュラーレンズの量産性が高く、割れにくいので、安価で安全な立体画像を提供する事ができる。本発明の画像表示方法によれば、立体画像を見る範囲を拡大できて、安定な立体画像を提供できる。また、本発明の画像表示装置によれば、平面画像を表示する部分を有し、細かい文字などを表示できる画像表示装置を提供できる。更に、本発明のレンチキュラーレンズの製造方法によれば、解像度が高く、視野角が大きく、割れにくいレンチキュラーレンズを低コストで製造できる。
立体画像の印刷物の断面図。 立体画像のディスプレイの断面図。 本発明における、レンズ部のみの屈折率が高い場合の解析的説明図。 本発明における、透明板が多層構造の場合の解析的説明図。 本発明の実施形態1における、球面シリンドリカルレンズのシミュレーション結果。 非球面のシリンドリカルレンズ形状の説明図。 本発明の実施形態2における、楕円シリンドリカルレンズのシミュレーション結果。 本発明の実施形態3における、双曲線シリンドリカルレンズのシミュレーション結果。 本発明の実施形態3を基にした具体的なレンチキュラーレンズの断面図。 本発明の実施形態7における、本発明の実施形態1ないし6のレンチキュラーレンズを用いた画像表示方法の説明図。 本発明の実施形態7における、従来のレンチキュラーレンズを用いた画像表示方法の説明図。 本発明の実施形態1ないし6のレンチキュラーレンズを用いた立体画像を鑑賞する場合の眼の位置と光線の関係を示す図。 本発明の実施形態8における、本発明の実施形態1ないし6のレンチキュラーレンズを用いた立体画像を鑑賞する場合の眼の位置と光線の関係を示す図。 本発明の実施形態8における、従来のレンチキュラーレンズを用いた立体画像を鑑賞する場合の眼の位置と光線の関係を示す図。 本発明の実施形態9における、より屈折率の高い樹脂を用いた双曲線シリンドリカルレンズのシミュレーション結果。 本発明の実施形態10における、より屈折率の高い樹脂、および、より大きいレンズ幅の場合の双曲線シリンドリカルレンズのシミュレーション結果。 本発明の実施形態11における、レンズ部のみが高屈折率の樹脂でできた倒立レンチキュラーレンズの断面図。 本発明の実施形態12における、平面画像を表示する部分、および、立体画像を表示する部分を有する画像表示装置の構成図。 本発明の実施形態13における、ハエの眼レンズの斜視図。 本発明の実施形態14における、レンチキュラーレンズの第一の製造方法の説明図。 本発明の実施形態15における、レンチキュラーレンズの第二の製造方法の説明図。 本発明の実施形態16における、レンチキュラーレンズの第三の製造方法の説明図。 本発明の実施形態17における、樹脂シートの片面にローラーを用いてレンズアレイを形成する説明図。 従来のレンチキュラーレンズの斜視図。 従来の多視点からの画像撮像の構成図。 多視点画像の作成方法を示す図。 従来のレンチキュラーレンズを用いた、左右の眼の位置に対する立体視の原理図。 従来のレンチキュラーレンズを用いた、左右の眼の位置が変化した場合の立体視の原理図。 従来のシリンドリカルレンズの解析的説明図。 理想的な出射光の角度を示す図。 従来の球面シリンドリカルレンズのシミュレーション結果。 従来の球面シリンドリカルレンズを用いた場合の、画像面の点から出た光の説明図。 従来の球面シリンドリカルレンズを用いた場合の、隣接するレンズの境界に相当する画像面の点から出た光の説明図。 従来の楕円シリンドリカルレンズを用い、レンズ幅を大きくした場合のシミュレーション結果。 従来の楕円シリンドリカルレンズを用い、レンズ幅を大きくしない場合のシミュレーション結果。 従来の球面シリンドリカルレンズを用い、屈折率を大きくした場合のシミュレーション結果。 従来の楕円シリンドリカルレンズを用い、屈折率を大きくした場合のシミュレーション結果。 従来の倒立レンチキュラーレンズを用いた、左右の眼の位置に対する立体視の原理図。
符号の説明
101 透明板
102 高屈折率レンズ部
103 画像表示部
201 透明板
202 高屈折率レンズ部
203 画像表示部
204 透明パネル
301 透明板
302 高屈折率レンズ部
303 画像面
401 多層透明板
402 高屈折率レンズ部
403 画像面
601 球面
602 非球面
603 画像面
901 透明板
902 高屈折率レンズ部
903 画像面
904 レンズ中心(母線)
905 透明板とレンズ部の境界
1001 透明板
1002 高屈折率レンズ部
1003 画像面
1006 表示された画像
1101 レンチキュラーレンズ
1102 画像面
1103 表示された画像
1201 透明板
1202 高屈折率レンズ部
1203 画像面
1204 眼
1205 中央の画像
1208 左端の画像
1209 右端の画像
1401 レンチキュラーレンズ
1402 画像面
1403 眼
1404 中央の画像
1405 左端の画像
1406 右端の画像
1701 透明板
1702 高屈折率レンズ部
1703 画像面
1801 画像表示装置
1802 レンチキュラーレンズ
1803 平面画像
1901 単レンズ
1902 ハエの眼レンズ
2001 透明板
2002 金型
2003 第一の紫外線硬化樹脂
2004 紫外線ランプ
2005 紫外線
2006 第二の紫外線硬化樹脂
2201 樹脂シート
2202 金型
2203 透明板
2204 第三の紫外線硬化樹脂
2205 紫外線ランプ
2206 紫外線
2301 樹脂シート
2302 ローラー
2401 シリンドリカルレンズ
2402 画像面
2501 被写体
2502 カメラ
2503 カメラ
2504 カメラ
2505 カメラ
2506 カメラ
2601 多視点画像
2602 撮像画像
2603 撮像画像
2604 撮像画像
2605 撮像画像
2606 撮像画像
2701 シリンドリカルレンズ
2702 画像面
2703 多視点画像
2704 右眼
2705 左眼
2706 略平行光
2707 略平行光
2708 略平行光
2709 略平行光
3801 シリンドリカルレンズ
3802 画像面
3803 多視点画像
3804 右眼
3805 左眼
3806 略平行光
3807 略平行光
以下、本発明のレンチキュラーレンズの基本構成および実施形態を図面を参照しながら説明する。その際、従来例と同様の解析手法を用いる。
従来例で説明した様に、屈折率が1.5位の一般のレンズ媒質を用いれば、視野角を拡大するためにはシリンドリカルレンズ幅を大きくする必要があった。しかし、レンズ幅を大きくすれば、解像度が低下する。高屈折率のレンズ媒質を用いれば、レンズ幅を大きくせずに、解像度が高く、視野角が大きい立体画像を提供できる。高屈折率のレンズ媒質としてガラスを用いれば、量産性が低く、製造コストが高くなり、また、割れる可能性もある。
そこで、屈折率の高い樹脂として、高屈折率の微粒子を分散させた「ナノコンポジット樹脂」を用いる。母材となる樹脂として紫外線硬化樹脂を用い、微粒子として直径が10ナノメートル以下の酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、あるいは酸化アルミニウムなどの誘電体の微粒子が用いられる。1種類あるいは2種類以上のこれらの誘電体の微粒子を分散させて、屈折率が1.65以上の樹脂を合成できる。樹脂に微粒子を混合すれば、微粒子による散乱で透過率が低下する。従って、ナノコンポジット樹脂を用いる場合は、出来る限り薄い樹脂厚みが望まれる。
図1に、立体画像の印刷物の断面図を示す。図1において、透明板101の上にシリンドリカルレンズ部102を形成し、透明板101のシリンドリカルレンズ形成側と反対の平面部に多視点画像(図26の2601)を印刷する。シリンドリカルレンズ部のみに高屈折率の樹脂を用いる。
図2に、立体画像のディスプレイの断面図を示す。透明板201の上にシリンドリカルレンズ部202を形成し、透明板201のシリンドリカルレンズ形成側と反対側にディスプレイを配置する。203はディスプレイの画像表示部であり、204は透明パネルである。画像表示部203として液晶層、プラズマ放電部、有機EL層などがある。画像表示部203に多視点画像(図26の2601)を表示する。シリンドリカルレンズ部のみに高屈折率の樹脂を用いる。
図1および図2の様に、シリンドリカルレンズ部のみに高屈折率樹脂を用いれば、視野角を拡大できる事を解析的に説明する。図3は図1および図2を図式的に示す図である。図3において、301は一般の樹脂(屈折率は1.5位)でできた透明板、302は高屈折率の樹脂でできたシリンドリカルレンズ部、303は画像面、304はレンズ中心線、305は透明板301とシリンドリカルレンズ部302との境界である。
図3を用いて図1の立体画像印刷物を表す場合は、画像面303に多視点画像を印刷し、図3の透明板301は図1の透明板101に相当する。図3を用いて図2の立体画像ディスプレイを表す場合は、画像面303に多視点画像を表示する。また、透明板201および透明パネル204が、一般のガラスやプラスチックから成る場合は、それらの屈折率は同程度であり、一体に考える事ができる。従って、透明板301は透明板201および透明パネル204が一体となった板に相当する。高屈折率の樹脂としてナノコンポジット樹脂を用いる場合は、図1ないし図3の構成で、樹脂厚みを薄くして透過率の低下を防ぐ事ができる。
図3において、画像面303からシリンドリカルレンズ部302の頂部までの距離をT、画像面303から境界305までの距離をS、レンズ中心線304近傍の曲率半径をRとする。また、透明板301の屈折率をn1、シリンドリカルレンズ部302の屈折率をn2とし、1つのシリンドリカルレンズ部の幅をWとする。画像面303の注目する点(レンズ中心線304から距離δ)から出た光が境界305に入射する点をP1、その光がシリンドリカルレンズ部302から出射する点をP2とする。
図3の構成で、レンンチキュラー効果を得るには、透明板301およびシリンドリカルレンズ部302の屈折率や厚さを最適にする必要がある。すなわち、図3のT、S、n1、n2などの最適化が必要である。
図3において、レンズ中心線304からの距離をXとして、レンズ形状を関数F(X)で表すとする。画像面303の注目する点(レンズ中心線304からδ)から境界305上の点P1(X1、S)に向かう光線の角度θは(数16)で求められ、境界305への入射角もθである。境界305における屈折の法則より角度αは(数17)で求められ、点P1から点P2に向かう光線は(数18)の式で与えられる。点P2のレンズ中心線304からの距離X2は方程式(数19)を解いて求められる。点P2におけるレンズ曲面の勾配は関数F(X)の微分係数であり(数20)で求められ、レンズ面における屈折の法則より角度νは(数21)で求められる。ここで、点P2におけるF(X)の微分係数は、Xが正の値ならば負になる(代数的角度が負、φ<0)。幾何学的角度を正の値で示すため、図3では点P2における接線の傾きを(−φ)と表している。
(数16) tanθ=(δ−X1)/S
(数17) n1・sinθ=n2・sinα
(数18) Y−S=−cotα・(X−X1)
(数19) F(X)=S−cotα・(X−X1)
(数20) tanφ=dF(X)/dX
(数21) sin(ν−φ)=n2・sin(α−φ)
関数F(X)、画像面の点(レンズ中心線304から距離δ)、および境界305上の屈折点P1(レンズ中心線304から距離X1)が与えられれば、(数16)ないし(数21)より、順にθ、α、X2、φ、νが求まり、シリンドリカルレンズ部302からの出射光の方向が求められる。
まず、光線の角度が小さい近軸近似を考える。近軸近似ではレンズ形状F(X)は(数22)となる。また、レンズ中心線304近傍の曲率半径はRであり、レンズ曲面の勾配は(数23)で与えられる。近軸近似では(数16)、(数17)、および(数19)ないし(数21)は各々(数24)ないし(数28)と表される。
(数22) F(X)=T
(数23) dF(X)/dX=−X/R
(数24) θ=(δ−X1)/S
(数25) n1・θ=n2・α
(数26) T=S−(X2−X1)/α
(数27) φ=−X/R
(数28) ν−φ=n2・(α−φ)
これらの(数22)ないし(数28)より近軸近似における出射角νは(数29)で表される。レンチキュラーレンズ効果、即ち、画像面の点(レンズ中心線304から距離δ)から出る光が出射角一定の略平行光となる条件は、νがθに依存しない事であり、それは(数30)の場合である。また、その時の出射角νは(数31)で表される。ここで、H=T−Sである。
(数29) ν=(n2−1)(δ/R)
+〔n1−(n2−1)(n1・H+n2・S)/(n2・R)〕θ
(数30) n1・H+n2・S=n1・n2・R/(n2−1)
(数31) ν=(n2−1)(δ/R)
図3においてn1=n2=nとすれば、図3は図29と同じ構成であり、(数29)ないし(数31)は(数11)ないし(数13)と同じになる。ここで、図3の角度νは図29の角度βと同じである。
また、隣接するシリンドリカルレンズの境界線と画像面303との距離が透明板301の厚さSより大きい必要がある。そうでなければ、隣接するシリンドリカルレンズの境界部が高屈折率ではなくなってしまう。その条件は(数32)で与えられる。
(数32) F(W/2)>S
図2の透明板201と透明パネル204の屈折率が同程度ならば、それらを図3の透明板301の様に一体に扱う事ができる。しかし、図2の透明板201と透明パネル204の屈折率が異なれば、図3の透明板301は多層板として扱わなければならない。また、図2において、透明板201と透明パネル204の間に空気層(屈折率が1)がある場合も、空気層を一つの層と考えた多層板になる。図4に画像面とシリンドリカルレンズ部の間に多層板を持つ場合を示す。図4において、401は多層板であり、402はシリンドリカルレンズ部であり、403は画像面である。画像403からi番目の層の厚さをdi、i番目の層の屈折率をniとする。また、i番目の層の中の光線角度をθiとし、i番目と(i+1)番目の層の境界における屈折点のレンズ中心線404からの距離をX(i+1)とする。
図3の近軸近似における(数22)ないし(数28)の関係式と同様に、図4の近軸近似では(数33)ないし(数38)の関係式が得られる。図4では3層構造を示しているが、一般の場合に拡張してN層構造の関係式を示す。
(数33) F(X)=T
(数34) dF(X)/dX=−X/R
(数35) X(i+1)=Xi−di・θi
(数36) n(i+1)・θ(i+1)=ni・θi
(数37) φ=−X(N+1)/R
(数38) ν−φ=n(N+1)・〔θ(i+1)−φ〕
(数33)ないし(数38)より、近軸近似のνは(数39)となる。レンチキュラーレンズ効果、即ち、画像面の点(レンズ中心線404から距離X1)から出る光が出射角一定の略平行光となる条件は、νがθ1に依存しない事であり、それは(数40)の場合である。また、その時の出射角νは(数41)で表される。
(数39) ν=〔n(N+1)−1〕(X1/R)
+〔1−{n(N+1)−1}(Σ/R)〕n1・θ1
(数40) Σ=R/〔n(N+1)−1〕
(数41) ν=〔n(N+1)−1〕(X1/R)
ここで、Σは(数42)で与えられる。
(数42) Σ=d1/n1+d2/n2+・・・+d(N+1)/n(N+1)
図3は、図4において透明板401が1層の場合(N=1)であり、(数39)ないし(数41)は(数29)ないし(数31)となる。この場合、d1=S、d(N+1)=d2=H、X1=δである。
どの様なレンチキュラーレンズでも、少なくとも近軸近似は満足する必要がある。各々の透明板およびシリンドリカルレンズ部の屈折率および厚さは、(数30)あるいは(数40)を満足する必要がある。
(実施形態1)
実施形態1ではレンズ形状が球面である。図3において、点P2のレンズ中心線304からの距離をXとし、レンズ形状は(数1)で表される。この(数1)は楕円を表し、mを楕円係数と呼ぶ事にする。球面は楕円の特殊な場合であり、m=1である。また、このレンズ形状では、レンズ中心における曲率半径はRである。
(数1) F(X)=T−mR+〔(mR)−mX1/2
球面の場合について、(数1)および(数16)ないし(数21)を用いてシミュレーションする。(数1)を用いれば、方程式(数19)はXの2次方程式になり、代数的に解を求める事ができる。例として、図3において、m=1、R=1、T=2.338、S=2.0、n1=1.5、n2=1.65、W=1.5とする。これらの条件は(数30)を満足する。図5はそのシミュレーションの結果である。横軸は画像面の点から出る光が境界面に入射する位置(X1)、縦軸はシリンドリカルレンズからの出射角度(ν)である。画像面の点(レンズ中心線から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接する球面シリンドリカルレンズに対応する画像面の点から出る光である。
図5の結果は、シリンドリカルレンズの幅Wを大きくしなくても、シリンドリカルレンズ部のみの屈折率を大きくすれば、視野角を±0.4ラジアン(±23度)に拡大できる事を示している。また、シリンドリカルレンズ部のみに高屈折率樹脂を用いているので、透過率の低下も小さくなる。その高屈折率樹脂の厚さはH=0.34である。
(実施形態2)
高屈折率樹脂の厚さを薄くするために、また、視野角を拡大するために、非球面のシリンドリカルレンズを用いる。図6は非球面シリンドリカルレンズ形状を説明する図である。
図6において、601(波線)は球面レンズ形状、602(実線)は非球面レンズ形状である。603は画像面、604はレンズ中心線である。レンズ中心線604付近では近軸近似を満足する必要があり、形状602は球面に近似できる。図6では、球面レンズ601および非球面レンズ602のレンズ中心線における曲率半径が同じ場合を示し、その曲面中心はO1であり、曲率半径はQ1とO1の間隔R1である。レンズ中心線604から遠ざかるにつれて、レンズ形状602の勾配は球面レンズ形状601の勾配より小さくなる。すなわち、レンズ中心線604から遠ざかるにつれてレンズ形状の曲率半径が大きくなる。点Q2付近の曲面中心はO2であり、曲率半径はQ2とO2の間隔R2である。点Q3付近の曲面中心はO3であり、曲率半径はQ3とO3の間隔R3である。点O1付近の曲率半径R1より点O2付近の曲率半径R2の方が大きく、点O2付近の曲率半径R2より点O3付近の曲率半径R3の方が大きい。
非球面形状の例として楕円および双曲線がある。双曲線の方が楕円より曲率の変化が緩やかである。あるいは、楕円と双曲線の中間の形状を持つ4次偶関数があり、更に、楕円、双曲線あるいは4次偶関数の組み合わせが考えられる。
実施形態2ではレンズ形状は近似的に楕円である。楕円の場合について、(数1)および(数16)ないし(数21)を用いてシミュレーションする。(数1)を用いれば、方程式(数19)はXの2次方程式になり、代数的に解を求める事ができる。例として、図3において、m=3、R=1、T=2.335、S=2.039、n1=1.5、n2=1.65、W=1.5とする。これらの条件は(数30)を満足する。図7はそのシミュレーションの結果である。横軸は画像面の点から出る光が境界面に入射する位置(X1)、縦軸は楕円シリンドリカルレンズからの出射角度(ν)である。画像面の点(レンズ中心線304から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接する楕円シリンドリカルレンズに対応する画像面の点から出る光である。
図7の結果は、シリンドリカルレンズの幅Wを大きくしなくても、シリンドリカルレンズ部分のみの屈折率を大きくすれば、視野角を±0.46ラジアン(±26度)に拡大できる事を示している。また、シリンドリカルレンズ部のみに高屈折率樹脂を用いているので、透過率の低下も小さくなる。その高屈折率樹脂の厚さはH=0.30であり、球面より薄くできる。
(実施形態3)
高屈折率のシリンドリカルレンズ部の厚さをより薄くするために、実施形態3ではレンズ形状は近似的に双曲線である。図3において、双曲線で近似できるレンズ形状を(数43)で表す。ここで、mは双曲線の形状を決定する双曲線係数と呼ぶ事にする。また、このレンズ形状では、レンズ中心における曲率半径はRである。
(数43) F(X)=T+mR−〔(mR)+mX1/2
双曲線の場合について、(数43)および(数16)ないし(数21)を用いてシミュレーションする。(数43)を用いれば、方程式(数19)はXの2次方程式になり、代数的に解を求める事ができる。例として、図3において、m=3、R=1、T=2.332、S=2.06、n1=1.5、n2=1.65、W=1.5とする。これらの条件は(数30)を満足する。図8はそのシミュレーションの結果である。横軸は画像面の点からの光が境界面に入射する位置(X1)、縦軸は双曲線シリンドリカルレンズからの出射角度(ν)である。画像面の点(レンズ中心線から距離δ)として、0、W/4、W/2、3W/4、Wの5つの場合を示している。δ=3W/4およびδ=Wは、隣接する双曲線シリンドリカルレンズに対応する画像面の点からの光である。
図8の結果は、双曲線シリンドリカルレンズの幅Wを大きくしなくても、レンズ部のみの屈折率を大きくすれば、視野角が±0.46ラジアン(±26度)になる事を示している。また、シリンドリカルレンズ部のみに高屈折率樹脂を用いているので、透過率の低下も小さくなる。その高屈折率樹脂の厚さはH=0.27であり、楕円より薄くできる。
(実施形態4)
実施形態2ではレンズ形状は楕円であり、実施形態3ではレンズ形状が双曲線である。実施形態4では、レンズ形状が楕円と双曲線の中間の形状である4次偶関数を選び、レンズ形状を表すF(X)を(数44)で表わす。ここで、(ρW)は4次偶関数の変曲点のX座標である。(数44)を用いれば、方程式(数19)はXの4次方程式になり、フェラリ(Ferrari)の解法を用いて代数的に解を求める事ができる。ここでは、詳細は示さないが、図7と図8の中間の結果になる。
(数44) F(X)=−〔1/{12R(ρW)}〕・X
+〔1/(2R)〕・X
(実施形態5)
今まで、レンズ形状として、球面、楕円、双曲線、4次偶感数を示した。これらを組み合わせたレンズ形状も選択する事ができる。例えば、楕円と双曲線を組み合わせた例は、(数1)と(数43)の平均として(数45)で表される。また、その他の組み合わせでもよい。
(数45) F(X)=T+〔{(mR)−mX1/2−{(mR)+mX1/2
(実施形態6)
本発明の実施形態1ないし3では、レンズ中心線近傍の曲率半径R=1として、相対的な大きさを用いて説明してきた。本発明の実施形態6では、本発明の実施形態3を基に、より具体的な例を示す。レンズ形状は双曲線である。
60LPI(1インチ当たりに60本)のレンチキュラーレンズを用い、シリンドリカルレンズの幅(W)は0.42mmである。本発明の実施形態3ではW=1.5であり、これが0.42mmに相当する。従って、レンズ中心線近傍の曲率半径(R)は0.28mmである。また、画像面から双曲線シリンドリカルレンズ頂部までの距離(T=2.332)、画像面から透明板とレンズ部との境界までの距離(S=2.065)は、T=0.66mm、S=0.58mmとなる。透明板は一般の樹脂(屈折率1.5)で作製し、レンズ部は紫外線硬化樹脂に酸化ジルコニウムを分散させた屈折率1.65のナノコンポジット樹脂で構成する。
図9は、上記の具体的な例のレンチキュラーレンズの断面図である。図9において、901は一般樹脂でできた透明板、902は高屈折率のナノコンポジット樹脂でできた双曲線シリンドリカルレンズ部、903は画像面、904は双曲線シリンドリカルレンズの中心線、905は透明板901とシリンドリカルレンズ部902との境界である。レンチキュラーレンズの全体の厚さは0.66mmであり、高屈折率ナノコンポジット樹脂は最も厚い部分でも0.08mmで透明度は十分確保できる。
(実施形態7)
次に、本発明の第一の立体画像表示方法について説明する。画像面には多視点画像が表示されている。一つのシリンドリカルレンズに対応する画像面の隣り合う画像は互いに相関が強く、混じり合っても画質の劣化には大きな問題にはならない。しかし、隣接するシリンドリカルレンズの境界付近の画像は相関が低く、それらが混じり合うと画質の劣化になる。立体画像表示の際に、隣接するシリンドリカルレンズの境界付近には画像を表示しなければ、相関の低い画像が混ざり合うのを防ぐ事ができる。
図10を用いて本発明の実施形態7を説明する。図10において、1001は透明板、1002は高屈折率樹脂でできたシリンドリカルレンズ部、1003は画像面、1004はシリンドリカルレンズの中心線、1005は透明板1001とシリンドリカルレンズ部1002との境界である。1006は表示された画像であり、画像面1003の約80%の部分のみに画像表示し、隣接するシリンドリカルレンズの境界付近には画像を表示していない。図10では、約80%の例を示したが、制限されるものではない。
本発明の実施形態7は、従来のレンチキュラーレンズに対しても有効である。図11は、従来のレンチキュラーレンズにおいて、本発明の実施形態7を適用した例である。図11において、1101はレンチキュラーレンズ、1102は画像面、1103は表示された画像である。
(実施形態8)
本発明の第二の立体画像表示方法について説明する。図12は、立体画像を鑑賞する場合の眼の位置と光線の関係を示す図である。図12において、1201は透明板、1202は高屈折率樹脂のレンズ部、1203は画像面である。一般にレンチキュラーレンズの中央から鑑賞し、1204は眼の位置である。図12にはレンチキュラーレンズの中央、左端、および右端のみを示し、1205は中央部の画像、1206は左端の画像、1207は右端の画像である。眼1204により、中央部ではレンズ中心線付近の画像が鑑賞され、左端ではレンズ中心線より左側の画像が鑑賞され、また、右端ではレンズ中心線より右側の画像が鑑賞される。従って、少し眼の位置が移動すれば、左右の端の画像は視野角から外れてしまう可能性が高い。
そこで、レンチキュラーレンズの中央から外周側になるにつれて、シリンドリカルレンズ中心線より外周側を中心に画像を表示する。その様子を図13に示す。図13において図12と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する。1208は左端の画像の位置であり、1209は右端の画像の位置である。中央部1205、左端1208、および右端1209のいずれも画像の中央部からの光線が眼に入射する様になり、少し目の位置が移動しても視野角から外れる事はなくなる。
本発明の実施形態8は、従来のレンチキュラーレンズに対しても有効である。図14は、従来のレンチキュラーレンズにおいて、本発明の実施形態8を適用した例である。図14において、1401はレンチキュラーレンズ、1402は画像面、1403は眼、1404,1405、および1406は表示された画像である。
(実施形態9)
本発明の実施形態9では、もう少し視野角を大きくするために、微粒子の混入割合を大きくして屈折率n2=1.75のナノコンポジット樹脂を合成する。双曲線シリンドリカルレンズを用い、図3において、m=3、R=1、T=2.04、S=1.77、n1=1.5、n2=1.75、W=1.5とする。(数43)および(数16)ないし(数21)を用いてシミュレーションした結果が図15である。視野角は±0.52ラジアン(±30度)まで拡大する。また、シリンドリカルレンズ部の屈折率をより高くしたので、レンズ頂部と画像面の間隔(T)がより小さくなる事が分かる。
(実施形態10)
次に、本発明の実施形態10では、解像度を若干犠牲にして視野角をより大きくする方法を示す。屈折率n2=1.75のナノコンポジット樹脂を用い、双曲線レンチキュラーレンズ幅をW=1.7に大きくする。図3において、m=3、R=1、T=2.05、S=1.71、n1=1.5、n2=1.75、W=1.7とする。(数43)および(数16)ないし(数21)を用いてシミュレーションした結果が図16である。視野角は±0.57ラジアン(±33度)まで拡大する事が分かる。
(実施形態11)
本発明の実施形態1ないし実施形態10では、正立レンチキュラーレンズについて説明してきたが、従来例の様に倒立レンチキュラーレンズにも用いる事ができる。図17は、シリンドリカルレンズ部のみが高屈折率のナノコンポジット樹脂でできた倒立レンチキュラーレンズを示す。
図17において、1701は一般の樹脂でできた透明板、1702は高屈折率のナノコンポジット樹脂でできたシリンドリカルレンズ部、1703は画像面である。倒立レンチキュラーレンズを用いても、視野角が大きく、解像度が高く、かつ、製造コストが低く、割れにくいレンチキュラーレンズを得る事ができる。
(実施形態12)
立体画像の表示の際は平面画像より解像度が低くなる事は避けられない。小さい文字の判読が困難になる。しかし、立体画像の表示の時も、表示内容の説明などに小さい文字を表示したい。そこで、画像表示装置の一部にはレンチキュラーレンズを持たず、常に平面画像を表示する部分を設ける。その他の部分は本発明の実施形態1ないし実施形態11のいずれかのレンチキュラーレンズを設けて立体画像を表示する。
図18は、常に平面画像を表示する部分を画面の下部に設置した例である。図18において、1801は画像表示装置、1802は立体画像を表示するレンチキュラーレンズ、1803は常に平面画像を表示する部分である。1803に表示内容の説明文字などを表示する。本発明の実施形態12は、従来のレンチキュラーレンズに対しても有効である。また、図18では、平面画像表示部1803を下部に配置したが、左あるいは右の端、あるいは上部でもよい。
(実施形態13)
本発明の実施形態1ないし実施形態12では、レンズにシリンドリカルレンズを用いたが、単レンズを縦横にマトリクス状に並べたハエの眼レンズを用いても同様の事ができる。その様なハエの眼レンズを図19に示す。図19において、1901は単凸レンズであり、1902は単凸レンズのアレイ、すなわちハエの眼レンズである。ハエの眼レンズを用いれば、画像装置を90度回転させても、左右の眼で立体画像を認識できる様になる。
本発明の実施形態1ないし13では、透明板の上に高屈折率のシリンドリカルレンズのアレイあるいは単レンズのアレイを形成したレンチキュラーレンズを用いる。この様なレンチキュラーレンズの製造方法を説明する。
(実施形態14)
図20を用いて、本発明の実施形態1ないし13のレンチキュラーレンズの第一の製造方法を説明する。図20において、2001は一般の樹脂でできた透明板、2002はレンズアレイを形成した金型、2003は高屈折率の第一の紫外線硬化樹脂、2004は紫外線ランプ、2005は紫外線である。透明板2001と金型2002を対向させ、それらの間に高屈折率の第一の紫外線硬化樹脂2003を挿入し、透明板2001の側から紫外線2005を照射して高屈折率の第一の紫外線硬化樹脂2003を硬化させる。レンズ部が高屈折率樹脂でできたレンチキュラーレンズが形成される。
高屈折率の第一の紫外線硬化樹脂2003として、一般の紫外線硬化樹脂(母材)に高屈折率の微粒子を分散させたナノコンポジット樹脂を用いる事ができる。高屈折率の微粒子には直径が10ナノメートル以下の酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、あるいは酸化アルミニウムなどの誘電体の微粒子が用いられる。
(実施形態15)
図21を用いて、本発明の実施形態1ないし13のレンチキュラーレンズの第二の製造方法を説明する。図21において、図20と同じ構成要素には同じ符号を付け説明を省略する、2006は第二の紫外線硬化樹脂層である。(A)透明板2001の上に第二の紫外線硬化樹脂層2006を形成する。(B)第二の紫外線硬化樹脂層2006と金型2002を対向させ、それらの間に高屈折率の第一の紫外線硬化樹脂2003を挿入し、透明板2001の側から紫外線2005を照射して第一と第二の紫外線硬化樹脂を同時に硬化させる。(C)その結果、レンズ部が高屈折率の樹脂でできたレンチキュラーレンズが形成される。
高屈折率の第一の紫外線硬化樹脂2003として、実施形態14と同様に、紫外線硬化樹脂(母材)に高屈折率の微粒子を分散させたナノコンポジット樹脂を用いる事ができる。ナノコンポジット樹脂の屈折率を高くするには、紫外線硬化樹脂に分散させる微粒子の量を多くする必要があり、その為に紫外線による硬化の度合いが低下する。実施形態14(図20)では、一般樹脂の透明板2001と凸レンズ部を構成するナノコンポジット樹脂2003の密着性が低下して剥がれる可能性がある。
第二の紫外線硬化樹脂層2006として、高屈折率の微粒子を含まない紫外線硬化樹脂、あるいは、高屈折率の微粒子の分散量の少ない紫外線硬化樹脂を用いる。この第二の紫外線硬化樹脂は紫外線による硬化の度合いが高く、透明板2001との密着性は高い。また、第一の紫外線硬化樹脂2003と第二の紫外線硬化樹脂2006を同時に硬化させるので、第一の紫外線硬化樹脂2003と第二の紫外線硬化樹脂2006が境界で混ざり合い密着性が高くなる。従って、高屈折率のレンズアレイを持つ安定なレンチキュラーレンズを得る事ができる。
第二の紫外線硬化樹脂2006として、第一の紫外線硬化樹脂2003の母材を用いれば、第一と第二の紫外線硬化樹脂の親和性がより高く、密着性がより高くなる。
第二の紫外線硬化樹脂2006の屈折率について説明する。高屈折率の微粒子を含まない紫外線硬化樹脂の屈折率は、一般樹脂の屈折率と同じ程度であり、透明板2001の屈折率(n1)と同じ程度になる。また、高屈折率の微粒子の分散量の少ない紫外線硬化樹脂は、母材である紫外線硬化樹脂より屈折率が高く、しかし、レンズアレイ部のナノコンポジット樹脂2003よりは屈折率が低く、一般樹脂の透明板2001の屈折率(n1)とナノコンポジット樹脂2003の屈折率(n2)との間の屈折率を持つ。従って、樹脂層2006の厚さを適切に選べば、透明板2001とナノコンポジット樹脂2003の間の反射防止効果も生み出す事ができる。
一般に、樹脂層2006の厚さは、透明板2001およびナノコンポジット樹脂2003の厚さに比べて非常に薄い。従って、(数40)および(数42)より分かる様に、樹脂層2006の厚さはレンチキュラーレンズ効果には殆ど影響しない。
透明板2001の上に第二の紫外線硬化樹脂層2006を形成する方法として、透明板を回転させながら硬化前の樹脂液を塗布するスピンンコート法や、硬化前の樹脂液を付着させたローラーを透明板上で回転させて樹脂を塗布する方法を用いる事ができる。
(実施形態16)
図22を用いて、本発明の実施形態1ないし13のレンチキュラーレンズの第三の製造方法を説明する。図22において、2201は樹脂シート、2202はレンズアレイを形成した金型、2203は一般の樹脂でできた透明板、2204は第三の紫外線硬化樹脂層、2205は紫外線ランプ、2206は紫外線である。(A)金型2202を樹脂シート2201に押圧して樹脂シート2201の片面にレンズアレイを形成する。(B)透明板2203の上に第三の紫外線硬化樹脂層2204を形成し、その上にレンズアレイが形成された樹脂シート2201を重ねる。(C)紫外線2206を照射して第三の紫外線硬化樹脂2204を硬化させ、レンズ部が高屈折率の樹脂でできたレンチキュラーレンズが出来る。
樹脂シート2201の材料として、紫外線硬化樹脂(母材)に高屈折率の微粒子を分散させたナノコンポジット樹脂を用いる事ができる。高屈折率の微粒子には直径が10ナノメートル以下の酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、あるいは酸化アルミニウムなどの誘電体の微粒子が用いられる。
樹脂シート2201の片面にレンズアレイを形成する第一の方法は、ナノコンポジット樹脂でできた樹脂シートに紫外線を照射して硬化させ、その後に金型2202を押圧してレンズアレイを形成する。
樹脂シート2201の片面にレンズアレイを形成する第二の方法は、ナノコンポジット樹脂でできた樹脂シートに弱い紫外線を照射して、樹脂シートを完全には硬化させず、半硬化状態の樹脂シートを準備し、その後に金型2202を押圧してレンズアレイを形成する。
第三の紫外線硬化樹脂2204として、実施形態15(図21)の第二の紫外線硬化樹脂2006と同様の材料を用いる事ができる。前述の半硬化状態の樹脂シートにレンズアレイを形成し、その後に、第三の紫外線硬化樹脂2204と半硬化の樹脂シート2201を紫外線2206で同時に硬化させれば、第三の紫外線硬化樹脂2204と樹脂シート2201の母材が若干混ざり合い密着性が高くなる。また、第三の紫外線硬化樹脂2204の屈折率についても、実施形態15の第二の紫外線硬化樹脂と同様の値を持つ。
(実施形態17)
樹脂シートの片面にレンズアレイを形成する第三の方法を、図23を用いて説明する。図23において、2301は樹脂シート、2302は表面にレンズアレイの金型を形成したローラーである。ローラー2302を樹脂シート2301に押圧しながら回転させて、樹脂シート2301の片面にレンズアレイを形成する。このレンズアレイが形成された樹脂シートは、実施形態16の樹脂シート2201と同様に用いる事ができる。
以上に開示した実施形態1ないし実施形態17は、いずれも本発明の一例を示したに過ぎず、本発明はこれらの実施形態により制限的に解釈されない。本発明の範囲は上記の実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれる事が意図される。
本発明のレンチキュラーレンズは、視野角が大きく、解像度が高い立体画像を提供する事ができ、かつ、製造コストが低く、割れにくくて安全である。従って、立体テレビ、携帯機器、パソコンのモニター、ゲーム機、立体絵本、立体写真などの用途に応用できる。
本発明のレンチキュラーレンズの製造方法は、透明板の上に高屈折率のレンズ部を形成する方法を提供する事ができる。従って、立体テレビ、携帯機器、パソコンのモニター、ゲーム機、立体絵本、立体写真などに用いるレンチキュラーレンズの製造に応用できる。
また、透明板の上に高屈折率レンズ部を形成したレンチキュラーレンズは、立体画像に限らず、今後、いろいろな用途に用いる事ができる。

Claims (24)

  1. 透明板の上に凸レンズ部をアレイ状に形成し、前記透明板の屈折率をn1、前記凸レンズ部の屈折率をn2とする場合、n2>n1である事を特徴とするレンチキュラーレンズ。
  2. 前記透明板と前記凸レンズ部の間に樹脂層を形成する事を特徴とする請求項1に記載のレンチキュラーレンズ。
  3. 前記樹脂層の屈折率がn1に近い値、あるいは、n1とn2の間の値である事を特徴とする請求項2に記載のレンチキュラーレンズ。
  4. 画像面の上にN層の透明層を有し、前記N層の透明層の上に凸レンズ部をアレイ状に形成し、前記画像面からi番目の透明層の屈折率をniとし、前記画像面からi番目の透明層の厚さをdiとし、前記凸レンズ部の屈折率をn(N+1)とし、前記凸レンズ部のレンズ中心の厚さをd(N+1)とし、前記iは1ないしNの値を持ち、前記凸レンズのレンズ中心近傍の曲率半径をRとする時、
    d1/n1+d2/n2+・・・+dN/nN+d(N+1)/n(N+1)
    =R/〔n(N+1)−1〕
    の関係を近似的に満足する事を特徴とするレンチキュラーレンズ。
  5. 前記凸レンズ部が、微粒子を分散させた樹脂から成る事を特徴とする請求項1あるいは4に記載のレンチキュラーレンズ。
  6. 前記微粒子が酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、および酸化アルミニウムから成る群から選ばれた誘電体を一または二以上含有する事を特徴とする請求項5に記載のレンチキュラーレンズ。
  7. 前記凸レンズ部が球面レンズである事を特徴とする請求項1あるいは4に記載のレンチキュラーレンズ。
  8. 前記凸レンズ部が非球面レンズである事を特徴とする請求項1あるいは4に記載のレンチキュラーレンズ。
  9. 前記非球面レンズは、表面の各点の曲率半径が前記非球面レンズの中心から周辺に向かって徐々に大きくなる事を特徴とする請求項8に記載のレンチキュラーレンズ。
  10. 前記非球面レンズの形状が楕円、双曲線、4次偶感数、あるいはそれらの組み合わせで近似される事を特徴とする請求項8に記載のレンチキュラーレンズ。
  11. 前記凸レンズ部がシリンドリカルレンズである事を特徴とする請求項1あるいは4に記載のレンチキュラーレンズ。
  12. 前記凸レンズ部が単レンズである事を特徴とする請求項1あるいは4に記載のレンチキュラーレンズ。
  13. 片側に凸レンズをアレイ状に形成した透明板を有し、画像面を有し、前記画像面に多視点画像を印刷あるいは表示するに際し、隣接する前記凸レンズの境界に対応する画像面には画像を表示しない事を特徴とする画像表示方法。
  14. 片側に凸レンズをアレイ状に形成した透明板を有し、画像面を有し、前記画像面に多視点画像を印刷あるいは表示するに際し、前記透明板の外周部は前記凸レンズの中心から外周側を中心に前記多視点画像を表示する事を特徴とする画像表示方法。
  15. 立体画像を表示する部分と、平面画像を表示する部分を有する事を特徴とする画像表示装置。
  16. 前記平面画像を表示する部分を、前記立体画像を表示する部分の周辺に配置する事を特徴とする請求項15に記載の画像表示装置。
  17. 透明板と、レンズアレイ形状を形成した金型を対向させ、前記透明板と前記金型の間に第一の紫外線硬化樹脂を挿入し、紫外線を照射して前記第一の紫外線硬化樹脂を硬化させる事を特徴とするレンチキュラーレンズの製造方法。
  18. 透明板の上に第二の紫外線硬化樹脂層を形成し、レンズアレイ形状を形成した金型を前記第二の紫外線硬化樹脂層に対向させ、前記第二の紫外線硬化樹脂層と前記金型の間に第一の紫外線硬化樹脂を挿入し、紫外線を照射して前記第一および第二の紫外線硬化樹脂を硬化させる事を特徴とするレンチキュラーレンズの製造方法。
  19. 前記第一の紫外線硬化樹脂が、微粒子を分散させた樹脂である事を特徴とする請求項17あるいは18に記載のレンチキュラーレンズの製造方法。
  20. 前記第一および第二の紫外線硬化樹脂が微粒子を分散させた樹脂であり、前記第二の紫外線硬化樹脂に分散させる微粒子の量が、前記第一の紫外線硬化樹脂に分散させる微粒子の量より少ない事を特徴とする請求項18に記載のレンチキュラーレンズの製造方法。
  21. レンズアレイ形状を形成した金型を樹脂シートに押圧して、片側にレンズアレイが形成された樹脂シートを作製し、透明板の上に第三の紫外線硬化樹脂層を形成し、前記第三の紫外線硬化樹脂層の上に前記レンズアレイが形成された樹脂シートを重ね、紫外線を照射して前記第三の紫外線硬化樹脂を硬化させる事を特徴とするレンチキュラーレンズの製造方法。
  22. 前記レンズアレイが形成された樹脂シートが、微粒子を分散させた樹脂である事を特徴とする請求項21に記載のレンチキュラーレンズの製造方法。
  23. 前記レンズアレイが形成された樹脂シートおよび前記第三の紫外線硬化樹脂が微粒子を分散させた樹脂であり、前記第三の紫外線硬化樹脂に分散させる微粒子の量が、前記レンズアレイが形成された樹脂シートに分散させる微粒子の量より少ない事を特徴とする請求項21に記載のレンチキュラーレンズの製造方法。
  24. 前記微粒子が酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、および酸化アルミニウムから成る群から選ばれた誘電体を一または二以上含有する事を特徴とする請求項19、20、22、あるいは23に記載のレンチキュラーレンズの製造方法。
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