JPWO2008111296A1 - 角化の亢進に起因する皮膚疾患の予防及び治療のための医薬 - Google Patents

角化の亢進に起因する皮膚疾患の予防及び治療のための医薬 Download PDF

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Abstract

角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば非遺伝性の炎症性角化症又は遺伝性の先天性角化症などの予防及び治療のための医薬であって、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬。

Description

本発明は皮膚疾患の予防及び/又は治療のための医薬に関する。より具体的には、本発明は、角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば非遺伝性の炎症性角化症又は遺伝性の先天性角化症などの予防及び/又は治療に有効な医薬に関するものである。
ダリエー病は優性遺伝性の皮膚疾患であり、Serca2遺伝子に生じた遺伝子変異によりATP2A2カルシウムポンプ(小胞体に存在して細胞質内から小胞体内へのカルシウムイオンの輸送を行なうポンプである)の発現量が表皮角化細胞において健常人の約半分近くに減少する。その結果、表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常をきたし、正常な角化過程が障害されて個別角化や異常角化、棘融解といった皮膚症状をきたす。この疾患では、Serca2遺伝子の正常な対立遺伝子が1本残存しており、その遺伝子から正常に発現するATP2A2蛋白が健常人の半分量近く存在しているが、生理的なカルシウム代謝を遂行する蛋白量には満たないために発症する。この発症メカニズムはハプロ・インサフィシェンシー(haplo-insufficiency)と呼ばれ、ダリエー病以外のいくつかのヒト優性遺伝性疾患の発症機序として知られている。例えば、ヘイリー・ヘイリー病でもSpca1遺伝子のハプロ・インサフィシェンシーによりゴルジ装置に存在するカルシウムポンプが不足して角化細胞内のカルシウム代謝異常が生じることが知られている。
ダリエー病は優性遺伝性の皮膚疾患ながら、思春期以降に突然発症し、夏に増悪、冬季に軽快する特徴を持つ。顔面や胸部などの脂漏部位に広く角化性のびらん、皮膚潰瘍を生じ、多くの場合悪臭を伴う。現在、ダリエー病の治療には外用の副腎皮質ステロイド剤、内服のレチノイン酸、及び外用の活性型ビタミンD3製剤などが用いられているが、これらはもっぱらびらんや炎症・感染などの二次的な皮膚の変化を改善するための治療剤であり、ダリエー病を根本的に治療できる薬剤ではない。このような状況から、ダリエー病の根治を可能にする医薬の提供が切望されている。
カンナビノイドはマリファナを含む多数の生理活性物質の総称であり、カンナビノイド受容体としてCB1受容体及びCB2受容体が知られている。CB1受容体は中枢及び末梢神経に発現して、記憶及び学習などの中枢作用並びに炎症応答及び鎮痛などの末梢作用に関与しており、CB2受容体は免疫細胞、肥満細胞、及び表皮角化細胞に発現し炎症応答及び鎮痛などの末梢作用に関与していることが知られている。カンナビノイドアゴニストとしては、例えばインドメタシンモルフォルニルアミド、パルミドロールなどのCB2受容体アゴニストのほか、アナンダミドやテトラヒドロカンナビノイドなどの非選択型アゴニストが知られている。
カンナビノイドアゴニストについては、特開2000-256323号公報には免疫調節作用、抗炎症作用、および抗アレルギー作用を有するカンナビノイドアゴニストが開示されており、特表平11-500411号公報には、カンナビノイドが末梢カンナビノイドレセプターの変調に関連する病気の治療に有用であり、具体的には痛覚変性を伴う病気、多発性硬化症、眼圧の圧力変調を伴う病気、慢性呼吸器障害、老人性痴呆、アルツハイマーなどの慢性変性病に使用できることが開示されている。また、特開平5-345722号公報には、カンナビノイドアゴニストであるN-パルミトイル-エタノ−ルアミド(パルミドロール)などがアトピー性皮膚炎や皮膚筋炎などの自己免疫疾患の治療剤として有用であることが開示されている。 さらに、特開2003-201250号公報には、カンナビノイドアゴニストが優れた掻痒作用を有しており、眼掻痒、皮膚掻痒、及び全身性掻痒などの掻痒の治療薬として有用であることが開示されている。
また、バニロイドの代表例は唐辛子成分であるカプサイシンであり、バニロイド受容体は感覚神経や外来の刺激に直接接する表皮組織に広く発現して侵害刺激受容に関わる陽イオンチャネル型受容体である。バニロイド受容体としてはTRPV (transient receptor potential vanilloid)スーパーファミリーが知られており、現在までに6種類のサブタイプが報告されている。それらのうち、皮膚に発現しているのはTRPV1、TRPV3、TRPV4、TRPV5、及びTRPV6の5種類であり、TRPV1は痛み刺激に関与し、TRPV3及びTRPV4は温熱刺激、機械的ストレス、浸透圧などにより活性化されることが分かっている。
バニロイドアゴニストに関しては、バニロイドアゴニストを皮膚に作用させて疼痛、炎症性痛覚過敏症、膀胱炎、前立腺過形成、ヘルペス、皮膚炎、掻痒、乾癬、皮膚がん、しわなどを治療する方法(WO2004/091521)、糖尿病による四肢の痛みや異常感覚を呈する患者での四肢に生じる潰瘍や壊疽などに対するカプサイシンの治療用途(特開2006-160644号公報)が知られている。
しかしながら、従来、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストがダリエー病などの角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する皮膚疾患に有効であることは知られていない。なお、WO2003/075908 にはレチノイドの1種であるアドパレン(商品名:Differin)が乾癬、魚麟癬、ダリエー病、毛孔性角化症、及び炎症性皮膚疾患などに有効であると記載されているが、ダリエー病に対しての有効性を示す試験結果は具体的に開示されていない。
特開2000-256323号公報 特表平11-500411号公報 特開平5-345722号公報 特開2003-201250号公報 WO2004/091521 特開2006-160644号公報
本発明の課題は、角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば非遺伝性の炎症性角化症又は遺伝性の先天性角化症などの予防及び/又は治療に有効な医薬を提供することにあり、より具体的には、例えば、表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に直接的に起因する先天性の皮膚疾患であるダリエー病及びヘイリー・ヘイリー病や、ダリエー病及びヘイリー・ヘイリー病以外の先天性角化症や尋常性乾癬などを含む角化の亢進に起因する皮膚疾患の予防及び/又は治療に有効な医薬を提供するが本発明の課題である。
本発明者らは上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、表皮角化細胞にはこのCB1受容体とCB2受容体の両者が発現することを見出した。また、カンナビノイドアゴニスト又はバニロイドアゴニストが表皮角化細胞においてSerca2遺伝子の発現を亢進させ、表皮基底層におけるATP2A2カルシウムポンプの発現量を増大させること、及びその作用によってダリエー病などの表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する皮膚疾患の予防及び/又は治療に有用であることを見出した。本発明は上記の知見を基にして完成されたものである。
すなわち、本発明により、角化の亢進に起因する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための医薬であって、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬が提供される。
本発明の好ましい態様によれば、角化の亢進に起因する皮膚疾患が炎症性角化症(非遺伝性)又は先天性角化症(遺伝性)である上記の医薬;角化の亢進に起因する皮膚疾患が表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する先天性の皮膚疾患である上記の医薬;表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する先天性の皮膚疾患がダリエー病又はヘイリー・ヘイリー病である上記の医薬;及びバニロイドアゴニストを有効成分として含む上記の医薬が提供される。
別の観点からは、上記の医薬の製造のためのカンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質の使用;角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する先天性の皮膚疾患の予防及び/又は治療方法であって、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質を投与する工程を含む方法が本発明により提供される。
本発明の医薬は、小胞体のATP2A2カルシウムポンプの発現を亢進し、細胞内カルシウム濃度を低下させることにより、角化の異常亢進を制御して正常な角化を進行させることができる。従って、本発明の医薬は、角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば炎症性角化症(非遺伝性)又は先天性角化症(遺伝性)、好ましくは表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する先天性の皮膚疾患であるダリエー病やヘイリー・ヘイリー病に対して極めて高い有効性を示す。本発明の医薬を用いることにより、従来は対症療法しか治療手段がなかったダリエー病やヘイリー・ヘイリー病を含む難治性の先天性角化症に対して根治治療が可能になるので、本発明の医薬は極めて有用である。
表皮角化細胞にWiN55,212-2を添加後、RNAを抽出してSerca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。左より0、3、6、12、18、24、及び48時間後の結果を示す。 表皮角化細胞に各種の濃度のWiN55,2,2-2及びコントロールとしてDMSOを添加後、6時間でRNAを抽出し、SERCA2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。右より10-5、10-6、10-7、3x10-8、10-8、3x10-9、10-9モルの結果を示し、左端はコントロールの結果を示す。 表皮角化細胞に各種のバニロイドアゴニストを添加し、6時間後にRNAを抽出してSerca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。左より順に、それぞれ10-5モルのパルミトイルドーパミン、オレオイルドーパミン、リノレオイルドーパミン、γ-リノレノイルドーパミン、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、アラキドノイルドーパミン、エイコサペンタエノイルドーパミン、ドコサテトラ-7Z,10Z,13Z,16Z-エノイルドーパミン、ドコサヘキサエノイルドーパミン、及びDMSO(コントロール)の結果を示す。 表皮角化細胞に各種のバニロイドアゴニストを添加し、6時間後にRNAを抽出してSerca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。左より順に、それぞれ10-7モルのパルミトイルドーパミン、オレオイルドーパミン、リノレオイルドーパミン、γ-リノレノイルドーパミン、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、アラキドノイルドーパミン、エイコサペンタエノイルドーパミン、ドコサテトラ-7Z,10Z,13Z,16Z-エノイルドーパミン、ドコサヘキサエノイルドーパミン、及びDMSO(コントロール)の結果を示す。 表皮角化細胞にバニロイドアゴニストであるジホモ-γ-リノレノイルドーパミンとDMSO(コントロール)を添加し、6時間後にRNAを抽出してSerca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。左より10-5、10-6、10-7、10-8、及び10-9モルの濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、及びDMSO(右端)の結果を示す。 表皮角化細胞にバニロイドアゴニストであるエイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミンとDMSO(コントロール)を添加し、6時間後にRNAを抽出してSerca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。左より10-5、10-6、10-7、10-8、及び10-9モルの濃度のエイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、及びDMSO(右端)の結果を示す。 表皮角化細胞にバニロイドアゴニスト又はバニロイドアンタゴニストを添加し、6時間後にRNAを抽出してSerca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した結果を示す。左よりDMSO(コントロール)、それぞれ至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、2-アミノエトキシジフェニルボレート(2-APB)、4-α-フォルボール12,13-ジデカノエート(4α-PDD、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン+DPTHF(バニロイド阻害薬)の結果を示す。 ヒトの皮膚を器官培養した状態で至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン及びDMSO(コントロール)を添加し、24時間に固定後、ダリエー病の原因蛋白であるATP2A蛋白の局在を免疫染色により同定した結果を示した図である。右図はジホモ-γ-リノレノイルドーパミンを添加した表皮切片、左図はDMSOの結果を示す。 健常人の皮膚をヌードマウスに移植し、生着後、至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、WIN55,212-2、バニロイドのアンタゴニストであるDPTHF、又はDMSO(コントロール)を5日間連日塗布し、ATP2A蛋白の局在を免疫染色により同定した結果を示した図である。ATP2A2蛋白はそれぞれ上段の緑色に、表皮部分を示すケラチン蛋白の局在は下段の赤色で示す。 健常人の皮膚を器官培養した状態で、至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、WIN55,212-2、バニロイドのアンタゴニストであるDPTHF、又はDMSO(コントロール)を添加し、24-48時間後に固定し、HE染色により病理変化を観察した結果を示した図である。 ダリエー病患者の皮膚をヌードマウスに移植し、1週間して生着した状態で至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、WIN55,212-2、又はDMSO(コントロール)を5日間連日塗布し、HE染色により病理変化を観察した結果を示した図である。 カンナビノイド受容体であるCB1及びCB2受容体にそれぞれ特異的な抗体を用いて、正常な培養表皮角化細胞(NHEK)、高カルシウム濃度でのNHEK細胞、それぞれヒトの表皮角化細胞株であるHaCaT細胞及びHSC-1細胞、ヒトの線維芽細胞(fibro)、色素細胞株(MEWO)におけるCB1及びCB2蛋白の発現をウエスタンブロットにより解析した結果を示した図である。NHEK細胞、HaCaT細胞、HSC-1細胞においてCB1及びCB2受容体蛋白が発現している。 ダリーエ病患者の病変部皮膚より樹立した表皮角化細胞をWIN55,212-2、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、又はエイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミンで処理し、RNAを抽出してATP2A2 mRNAの発現をノザンブロット法により確認した結果を示した図である。上段はWIN55,212-2、中段はジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、下段はエイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミンの結果を示し、レーンは左側から薬剤濃度10-6 mol、10-7 mol、10-8 mol、10-9 mol、及びO mol(対照)の結果を示す。 ダリエー病患者の皮膚をヌードマウスに移植し、生着後にWIN55,212-2を9日間塗布した場合の病理像である。 ダリエー病患者の皮膚をヌードマウスに移植し、生着後にジホモ-γ-リノレノイルドーパミンを9日間塗布した場合の病理像である。 ダリエー病患者の皮膚をヌードマウスに移植し、生着後に溶媒(DMSO)を塗布した対照の病理像である。 健常人の培養表皮角化細胞と線維芽細胞又は間質成分とを組合わせた3次元培養の手法及び重層化の経時変化を示した正常コントロールのモデル図である。 ダリエー病患者の培養表皮角化細胞と線維芽細胞とを組合わせた3次元培養皮膚モデルにおける薬剤の作用を示した図である。上段は5日後、下段は10日後の結果を示し、左側は対照(DMSO)、中央はWIN55,212-2、右側はジホモ-γ-リノレノイルドーパミンの結果を示す。 ダリエー病患者の培養表皮角化細胞と間質成分とを組合わせた3次元培養皮膚モデルにおける薬剤の作用を示した図である。上段は5日後、中段は8日後、下段は11日後の結果を示し、左側は対照(DMSO)、中央はWIN55,212-2、右側はジホモ-γ-リノレノイルドーパミンの結果を示す。
本発明の医薬は、角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための医薬であって、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質を有効成分として含むことを特徴としている。
カンナビノイドアゴニストとしては表皮角化細胞が発現するCB1受容体及びCB2受容体のいずれか一方、又は両方の受容体に対してアゴニストとして作用するものを用いることができる。例えば、インドメタシンモルフォルニルアミド、特開平5-345722号公報に記載されているパルミドロールなどのアミノアルコールのN-アシル誘導体、特開2000-256323号公報に記載されている2-オキソキノリン誘導体、国際公開WO01/19807号に記載されている2-イミノ-1,3-チアジン誘導体、国際公開WO02/53543号に記載されているピリドン誘導体、国際公開WO02/10135号に記載されている3,4-ジヒドロイソキノリン誘導体、特表2001-516361号公報に記載されているピラゾール誘導体などを挙げることができる。好ましくはパルミドロール、インドメタシンモルフォルニルアミド、2−オキソキノリン誘導体が用いられる。非選択的アゴニストとしては、例えば、アナンダミド、テトラヒドロカンナビノイドなどが挙げられる。好ましくは合成カンナビノイド作動薬であるWIN55,212-2(Drug Discovery Today, Volume 10, Issue 10, pp.693-702, 2005)などを用いることができる。
バニロイドアゴニストとしては、6種類のサブタイプのいずれか又は複数の受容体に対して選択的アゴニストとして作用するもの、あるいはサブタイプ受容体に対して非選択的に作用するアゴニストのいずれであってもよい。好ましくは皮膚に発現しているTRPV1、TRPV3、TRPV4、TRPV5, 及び TRPV6 のうちのいずれか1種又は2種以上の受容体に対してアゴニストとして作用するものを用いることができ、より好ましくはTRPV3及び/又はTRPV4に対してアゴニストとして作用するものを用いることができる。最も好ましくはRPV3及び/又はTRPV4に対して選択的アゴニストとして作用し、かつTRPV1を活性化しないか、TRPV1に対してのアゴニスト作用が弱いものが好ましい。バニロイドアゴニストしては、例えば、内因性バニロイドアゴニスト又は非内因性バニロイドアゴニストのいずれを用いてもよい。内因性バニロイドアゴニストとしては、脂溶性ドーパミン、例えば、パルミトイルドーパミン、オレオイルドーパミン、リノレオイルドーパミン、γ-リノレノイルドーパミン、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、アラキドノイルドーパミン、エイコサペンタエノイルドーパミン、ドコサテトラ-7Z,10Z,13Z,16Z-エノイルドーパミン、ドコサヘキサエノイルドーパミンなどを挙げることができ、これらのうち、リノレオイルドーパミン、γ-リノレノイルドーパミン、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、アラキドノイルドーパミンを好ましく用いることができる。また、2-アミノエトキシジフェニルボレート(2-APB)又は4-α-フォルボール12,13-ジデカノエート(4α-PDD)などの合成TRPVアゴニストを用いることもできる。これらのうち、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、及び4-α-フォルボール12,13-ジデカノエートが好ましいが、これらに限定されることはない。
本発明の医薬は、Serca2遺伝子の発現を亢進する作用を有しており、Serca2遺伝子がコードするATP2A2蛋白(カルシウムポンプ)の発現量を増大させ、細胞内カルシウム濃度を低下させる作用を有する。角化ステップには角化細胞内のカルシウムイオン濃度が大きく影響することが知られており、角化細胞内のカルシウムイオン濃度が上昇することにより角化が異常亢進して過角化の状態となり、種々の疾患が発症することが知られている。本発明の医薬は、角化細胞内のカルシウムイオン濃度を低下させることにより、角化の異常亢進を制御して正常な角化を進行させることができる。従って、本発明の医薬は、角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば炎症性角化症(非遺伝性)又は先天性角化症(遺伝性)に対して有効性を示す。本発明の医薬は、例えば、表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に直接的に起因する先天性の皮膚疾患であるダリエー病及びヘイリー・ヘイリー病や、ダリエー病及びヘイリー・ヘイリー病以外の先天性角化症や尋常性乾癬などを含む角化の亢進に起因する皮膚疾患に対して適用可能である。
特に、ダリエー病ではATP2A2蛋白の発現量が健常人の半分程度になっていることが知られているが、本発明の医薬をダリエー病の患者に投与することにより角化細胞の基底層から有棘層下層におけるATP2A2蛋白の発現量を増大することができ、その結果、ダリエー病の発症を予防し、あるいはダリエー病の症状の改善や緩解などの治療を行なうことができる。本発明の医薬は特にダリエー病に対して高い有効性を有するが、角化細胞内におけるカルシウムポンプの発現異常に起因する角化細胞内のカルシウム代謝異常により引き起こされる皮膚角化異常疾患、例えば、ヘイリー・ヘイリー病などに対しても有効性を示す。
本発明の医薬は、上記のカンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質を含む医薬として調製されるが、有効成分としてはカンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質の生理学的に許容される塩、あるいはそれらの水和物又は溶媒和物などを用いてもよい。本発明の医薬には2種以上の上記有効成分を組み合わせて用いてもよい。本発明の医薬は、好ましくは、当業者に周知の方法によって製造可能な経口用又は非経口用の医薬組成物として投与することができる。経口投与に適する医薬用組成物としては、例えば、錠剤、カプセル剤、散剤、細粒剤、顆粒剤、液剤、及びシロップ剤等を挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、坐剤、吸入剤、軟膏剤、クリーム剤、液剤、及び貼付剤等を挙げることができ、有効成分の種類に応じて適宜選択することができる。本発明の医薬は皮膚疾患適用を目的としていることから、軟膏剤、クリーム剤、液剤、及び貼付剤などの皮膚外用剤として調製されることも好ましい。
上記の医薬組成物は、薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物を加えて製造することができる。薬理学的、製剤学的に許容しうる添加物の例としては、例えば、賦形剤、崩壊剤ないし崩壊補助剤、結合剤、滑沢剤、コーティング剤、色素、希釈剤、基剤、溶解剤ないし溶解補助剤、等張化剤、pH調節剤、安定化剤、噴射剤、及び粘着剤等を挙げることができる。
本発明の医薬の投与量は特に限定されず、有効成分の種類、患者の体重や年齢、症状、投与経路など通常考慮すべき種々の要因に応じて、適宜増減することができる。一般的には、経口投与の場合には成人一日あたり 0.01〜1,000 mg程度の範囲で用いることができるが、上記の投与量は適宜増減することができる。本発明の医薬の適用時期も特に限定されないが、ダリエー病に適用する場合には、皮疹の悪化する夏期に入る前やダリエー病を発症する思春期に適用を開始することで、発症を抑制し、あるいは症状の進行を抑制して重篤な皮疹に至らずに軽症で済ませることも可能である。
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
例1
正常ヒト表皮角化細胞(NHEK)をハイドロコーチゾンのみを除いた血清不含培地(KGM培地)で培養し、培地中へジメチルスルホキシド(DMSO)を溶媒として溶解した被検物質を添加して培養し、3,6,及び9時間後の表皮角化細胞内でのSerca2遺伝子のmRNA量をノザンブロットにより定量した。数百種類の被検物質のうちWIN 55,212-2、メタンアンダミド(methanandamide)、BML-190(FEBS Lett., 536, pp.157-160, 2003)などの数種類の合成カンナビノイドアゴニストによりSerca2遺伝子の誘導が生じることが確認された。表皮角化細胞にWiN55,212-2を添加後、0、3、6、12、18、24、及び48時間後にRNAを抽出し、Serca2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した。結果を図1に示す。また、表皮角化細胞に各種の濃度(10-5、10-6、10-7、3x10-8、 10-8、3x10-9、10-9モル)のWiN55,212-2及びコントロールとしてDMSOを添加後、6時間でRNAを抽出し、SERCA2遺伝子の発現をノザンブロットで確認した。結果を図2に示す。
例2
例1と同様にして各種のバニロイドアゴニストを含む被検物質について試験を行なったところ、内因性バニロイドアゴニストであるオレオイルドーパミン、リノレオイルドーパミン、γ-リノレノイルドーパミン、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、アラキドノイルドーパミン、エイコサペンタエノイルドーパミン、ドコサテトラ-7Z,10Z,13Z,16Z-エノイルドーパミン、及びドコサヘキサエノイルドーパミン、並びに合成TRPVアゴニストである2-アミノエトキシジフェニルボレート(2-APB)及び4-α-フォルボール12,13-ジデカノエート(4α-PDD)によりSerca2遺伝子の誘導が生じることが確認された。これらのうち、リノレオイルドーパミン、γ-リノレノイルドーパミン、エイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、及びアラキドノイルドーパミンには強い誘導作用が認められた。
このSerca2 mRNAの誘導作用は被検物質の添加後3時間経過後に観察され、6ないし9時間において最大となった。バニロイドアゴニストは、例1におけるカンナビノイドアゴニストに比べてより低濃度でSerca2遺伝子発現を誘導しており、バニロイドアゴニストの作用濃度は細胞内における生理学的な濃度とおおむね一致していた。従って、本発明の医薬は表皮角化細胞に発現するバニロイド受容体に作用するものと考えられる。バニロイドアンタゴニストであるDPTHF (diphenyltetrahydrofuran: J. Biol. Chem.,280, pp.15928-15941, 2005)を共存させるとバニロイドアゴニストのSerca2遺伝子発現を誘導作用は消失した(図7)。また、ヒトの代表的な表皮角化細胞株であるHaCaT細胞においても、同様にバニロイドアゴニストによりSerca2遺伝子発現が亢進することを確認した。
例3
ヒトの皮膚を器官培養した状態で至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、及びDMSO(コントロール)を添加し、24時間に固定後、ダリエー病の原因蛋白であるATP2A蛋白の局在を免疫染色により同定した。ジホモ-γ-リノレノイルドーパミンを添加した表皮切片においてATP2A蛋白の局在を示す基底層での発現の亢進が認められた。(図8)。
例4
健常人の皮膚をヌードマウスに移植し、1週間して生着した状態で、至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、WIN55,212-2、又はバニロイドのアンタゴニストであるDPTHF及びDMSO(コントロール)を5日間連日塗布し、塗布部の皮膚を生検後に固定し、ATP2A蛋白の局在を免疫染色により同定した。結果を図9に示す。ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン又はWIN55,212-2を塗布した表皮切片においてATP2A蛋白の局在を示す基底層での発現の亢進が認められた。一方、DPTHFの塗布によりATP2A2の発現の低下が観察された。
例5
例3と同様に健常人の皮膚を器官培養した状態で至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、WIN55,212-2、又はバニロイドのアンタゴニストであるDPTHF、あるいはDMSO(コントロール)を添加し、24-48時間後に固定し、HE染色により病理変化を観察した。結果を図10に示す。ジホモ-γ-リノレノイルドーパミンやWIN55,212-2を添加した表皮切片においてはコントロールのDMSO添加と同様に健常皮膚とかわりのない生理的な皮膚となったが、バニロイドのアンタゴニストであるDPTHFの添加により、個別角化や棘融解などのダリエー病に類似した病理像が観察された。
例6
ダリエー病患者の皮膚を患者の同意を得て採取し、ヌードマウスに移植して1週間して生着した状態で、至適濃度のジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、WIN55,212-2、又はDMSO(コントロール)を5日間連日塗布し、塗布部の皮膚を生検後に固定し、HE染色により病理変化を観察した。結果を図11に示す。コントロールのDMSO 塗布では基底層での棘融解や個別角化が観察され、顆粒層の形成が認められないなどダリエー病に特有の病理変化が残存していたが、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン又はWIN55,212-2の塗布によりこれらのダリエー病特有の病理変化が消失した。
例7
3名のダリーエ病患者の病変部皮膚より表皮角化細胞を採取して培養して株化細胞を樹立した。WIN55,212-2、又はバニロイドアゴニスト(ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン又はエイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン)で処理し、6時間後にRNAを抽出してATP2A2 mRNAの発現をノザンブロット法により確認した。この結果、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストのそれぞれにおいて濃度依存的にATP2A2の発現促進が認められた。3名の患者の中で代表的な結果を図13に示す。ほかの2名のダリエー病患者の表皮角化細胞を用いた結果でも同様の結果が得られた。
例8
ダリエー病患者の皮膚を約1〜2 cm角の大きさでヌードマウスに移植し、7日後に生着を確認し、それ以降、溶媒としてジメチルスルホキシド(DMSO)を用いてWIN55,212-2又はジホモ-γ-リノレノイルドーパミンを5〜9日間塗布し、薬剤の効果を病理像で判定した。この方法は最も病態皮膚に近い状態で薬剤の効果を判定できる有効な方法である。カンナビドアゴニストであるWIN55,212-2の9日間塗布により異常角化、不全角化、及び水疱形成が消失するとともに顆粒層が回復した正常な角化が認められ、ダリエー病の病理像が健常な皮膚に回復していることが確認された。また、バニロイドアゴニストであるジホモ-γ-リノレノイルドーパミンの9日間塗布により、異常角化及び水疱形成が消失し、顆粒層も軽度に回復したが、角化不全を伴う角化が若干残存した。対照として溶媒(DMSO)を塗布した場合には、異常角化、不全角化、及び水疱形成が残存し、顆粒層は消失しており、移植後にもダリエー病の病理像が再確認されていた。結果を図14〜16に示す。また、カンナビドアゴニストを塗布した場合には、正常な顆粒層の形成も回復する強い治療効果が認められたことから、本発明の医薬はダリエー病のみならず尋常性乾癬などの炎症性角化症に対して十分な有効性を示すものと考えられる。
例9
より再現が容易で繰り返しアッセイ可能なダリエー病のモデル皮膚を構築するため、ダリエー病患者の培養表皮角化細胞と線維芽細胞とを組合わせた3次元培養、又はダリエー病患者の培養表皮角化細胞と間質成分とを組合わせた3次元培養によるダリエー病モデル皮膚を構築した。このモデル皮膚の培地にWIN55,212-2又はジホモ-γ-リノレノイルドーパミンを添加して作用を確認した。結果を図18及び19に示す。この結果、各薬剤の添加により個別角化や皮膚間の乖離(棘融解)の病理像は消失し、健常な皮膚と同質の3次元皮膚の回復が認められた。コントロールのDMSO処理では個別角化や棘融解が残存し、ダリエー病の病理像に合致する病態が認められた。この結果は、本発明の医薬はダリエー病のみならず尋常性乾癬などの炎症性角化症に対して十分な有効性を示すことを示している。
本発明の医薬は、角化の亢進に起因する皮膚疾患、例えば非遺伝性の炎症性角化症又は遺伝性の先天性角化症などの予防及び/又は治療のために有用である。

Claims (6)

  1. 角化の亢進に起因する皮膚疾患の予防及び/又は治療のための医薬であって、カンナビノイドアゴニスト及びバニロイドアゴニストからなる群から選ばれる物質を有効成分として含む医薬。
  2. 角化の亢進に起因する皮膚疾患が炎症性角化症(非遺伝性)又は先天性角化症(遺伝性)である請求項1に記載の医薬。
  3. 角化の亢進に起因する皮膚疾患が表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する先天性の皮膚疾患である請求項1に記載の医薬。
  4. 表皮角化細胞内のカルシウム代謝に異常に起因する先天性の皮膚疾患がダリエー病又はヘイリー・ヘイリー病である請求項3に記載の医薬。
  5. バニロイドアゴニストを有効成分として含む請求項1ないし4のいずれか1項に記載の医薬。
  6. バニロイドアゴニストがエイコサ-11Z,14Z-ジエノイルドーパミン、ジホモ-γ-リノレノイルドーパミン、又は4-α-フォルボール12,13-ジデカノエートである請求項5に記載の医薬。
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