JPWO2008105188A1 - 再生装置、再生方法、システムlsi - Google Patents

再生装置、再生方法、システムlsi Download PDF

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Abstract

再生装置は、アプリケーションを実行するプラットフォーム、AV再生を行う再生エンジン、再生制御エンジンとを備える。この再生制御エンジンは、ユーザによる操作を受け付けた際、その受け付け時点における再生装置の状態が、何であるかの判定を行い、再生装置の状態がAV再生中であれば、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生エンジンに命じる。ユーザ操作に応じたキーイベントは、その後にプラットフォーム上のアプリケーションに出力される。

Description

本発明は、AV再生と連動したアプリケーション制御技術の技術分野に属する発明である。
上述したアプリケーション制御技術は、AVストリームのデコード処理と、アプリケーションの実行処理とを並行して実行する技術である。
AV再生との連動を意図したインタラクティブアプリケーションには、映画の本編中の映像や音声と同期したゲームを実現するものや、映画の本編の再生中に電話回線・インターネット等で外部サーバと接続することにより、オンラインショッピングを実現するものがある。インタラクティブアプリケーションを、実行の対象として選ぶことで、再生装置の付加価値は一段と高まる。
こうしたインタラクティブアプリケーションを実行対象とすることで、リモートコントローラ等によってアプリケーションプログラムの操作を行う機会が、従来に比べて増加している。そしてゲームやオンラインショッピングなど多種多様なアプリケーションプログラムを操作するためには、従来に比べてより複雑な操作が要求される。
再生装置における操作性を高める技術として、以下の特許文献1、2に記載された文献公知発明が存在する。
特開2003-134472号公報 特開2002-223408号公報
インタラクティブアプリケーションによるGUIの処理には、AV再生の時間軸において、関連する商品がフレームインしている期間内のみに、有効になるように、作られているものがある。このようなGUIは、オンラインショッピングを行うような事業主体と連携して、コンテンツの映像内容に関連するような商品を販売することを意図している。ここで、GUIにおける操作の対象が、商品購入等、慎重な判断を要するものである場合、かかるGUIに対する処理が有効となる区間がたまたま短く設定されていれば、ユーザの焦燥心をいたずらに煽ることがある。その結果、ユーザは、商品購入の判断を慎重に行うことができず、本心に反して購入を行ったり、また、購入する機会を逸することが多々ある。これらは、何れも消費者トラブルの火種になり得る。
もっとも、商品購入を受け付ける際、購入操作を受け付ける期間を長くするような配慮がアプリケーションの制作者によってなされていれば、上述したような購入に関するトラブルの発生を避けることができる。しかし、再生装置本体は、メーカーにて製造されているのに対して、アプリケーション自身は、ソフトハウスやコンテンツの制作者側で作成されている。そしてそのようなソフトハウス等には、品質に対する意識が低いものが存在する。
再生装置は、様々なアプリケーションを実行するものでなければならず、ユーザに対する操作性が配慮されていないアプリケーションを実行の対象から排除しえない以上、上述したような消費者トラブルの火種を完全に絶つことはできない。
以上のように再生装置は、ユーザに対する配慮に乏しいアプリケーションをも実行の対象から排除しないので、再生装置の製造開発を行うメーカーは、アプリケーションの実行にあたって、アプリケーション側のGUIの作りの巧拙に起因するトラブルに巻き込まれる立場にたたされているといえる。
本発明の目的は、アプリケーションにおける操作性の巧拙を補完することができる再生装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明にかかる再生装置は、アプリケーションを実行する実行手段と、再生手段と、ユーザ操作を受け付ける受付手段と、制御手段とを備え、前記制御手段は、再生手段によるAV再生中に、受付手段がユーザによる操作を受け付けた場合、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じた上で、ユーザ操作に応じたキーイベントを、アプリケーションに出力することを特徴としている。
1.上述した構成において制御手段は、再生装置の状態がAV再生中であれば、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じる。一方、アプリケーションの動作は、AV再生と同期しており、そのAV再生の速度に従って遅くなったり、又は、停止するので、上述したような指示が制御手段によりなされれば、アプリケーションの動作は、遅くなるか、或は、停止することになる。
こうしてアプリケーションの動作を遅くするか、停止した上で、ユーザ操作に応じたキーイベントを、アプリケーションに出力するので、アプリケーションにてなされる対話制御の速度は、AV再生の制御を通じて間接的に調整されたものになる。アプリケーションによる対話制御は、そのような速度調整の上で実現されるので、商品を購入するかどうか、慎重に検討する心理的余裕がユーザに生まれる。
慎重な判断を促すような心理的余裕を、ユーザに与えるので、再生装置を開発するメーカーは、商品購入に関するトラブル発生に巻き込まれることがなくなる。
このように、たとえアプリケーションにおけるGUIの作りが、ユーザに対する配慮を欠いたものであっても、アプリケーション側のGUIの巧拙を、アプリケーションのプラットフォームたる再生装置側から補完するので、アプリケーション側のGUIの巧拙に左右されない、安定したユーザ操作を実現することができる。
2.任意的であるが、上述した再生装置の発明特定事項に、以下の発明特定事項を加え、再生装置を具体的な構成にすることにより、更なる効果をもたらすことができる。
再生装置は、ユーザによるセットアップ設定を受け付けるセットアップ手段を備え、前記再生速度レベルは、通常の速度レベルより低い速度レベル、及び、AV再生をポーズさせる速度レベルを含む。
アプリケーションの操作性を補完するという機能は、通常の速度レベルより低い速度レベル、及び、AV再生をポーズさせる速度レベルを、ユーザがセットアップ時にまたは再生装置に予め設定することで実現されることになる。ある一定の速度レベルで、AV再生を行わせるという機能は、BD-ROM再生装置が一般的に具備しているものなので、アプリケーションの操作性の補完のための再生装置に対する改良は極僅かなものとなる。
3.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記実行手段は、再生手段が、予め定められた速度レベルで再生を行ったとしても、アプリケーションの実行速度を維持する。
AV再生がスローにされたとしても、実行手段は、AV再生と同様のスローな動作を行うことはない。通常の動作速度にて、アプリケーションを実行する。こうすることで、ユーザからの入力に対する応答性を高くすることができる。
4.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記セットアップ手段は、セットアップ操作の受け付け時において、0(ゼロ)から、Nまでの数値入力を受け付け、通常の速度レベルより低い速度レベルとは、1からNまでの数値によって表現され、AV再生をポーズさせる速度レベルとは、0の数値によって表現され、前記速度レベルは、速度レベルに対応する数値を再入力することで、変更可能となる。
本発明にかかる再生装置の特定に、上述したような技術的事項が追加されることにより、AV再生の速度レベルの入力及び変更は、0からNまでの任意の整数を入力することで可能となるので、アプリケーションの操作性補完のための特別な手間を、ユーザが払うことはない。
5.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記再生装置は、タイマと、前記タイマを管理するタイマ管理部を備え、前記タイマ管理部は、前記タイマを用いて、ユーザからの操作入力を受け取ってからの経過時間を計測し、計測した経過時間が所定時間になると、タイムアウトの通知を行い、制御手段による所定の速度レベルでのAV再生は、前記タイマ管理部からのタイムアウト通知により解除される。
本発明にかかる再生装置の特定に、上述したような技術的事項が追加されることにより、アプリケーションの操作性補完と、所定の速度レベルでのAV再生は、ある一定の時間が経過すれば、自動的に解除される。よってかかる補完機能の導入によりユーザの手間が、余計に増えることはない。
6.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記再生装置は、プレーヤ状態レジスタを備え、プレーヤ状態レジスタは、現在の再生時点に関するパラメータを格納しており、前記再生装置は、受付手段がユーザ操作を受け付けた際、プレーヤ状態レジスタにおけるパラメータを参照することで、その受け付け時点における再生装置の状態が、AV再生中であるか否かの判定を行う状態判定手段を備え、制御手段が所定の速度レベルでのAV再生を再生手段に命じるのは、状態判定手段がAV再生中であると判定した場合のみである。
プレーヤ状態レジスタは、BD-ROM再生装置が一般的に具備している構成要素であり、アプリケーションの操作性補完は、かかるプレーヤ状態レジスタを参照して、再生装置がAV再生中であることを確認してから行うので、既存のBD-ROM再生装置に対して、大きな改変を加えることなく、アプリケーションの操作性補完を実現することができる。
7.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記アプリケーションは、イベントリスナを備え、イベントリスナには、複数のキーイベントのうち、速度制御の対象となるものが予め登録されており、予め定められた速度レベルでのAV再生は、受付手段が受け付けたキーイベントが速度制御の対象となるものとして、予め登録されている場合のみなされる。
イベントリスナには、複数のキーイベントのうち、速度制御の対象となるものが予め登録されているので、例えば、リモコンの特別なキーが押された場合に、所望のアプリケーションを起動しつつも、所定の速度レベルでのAV再生を実現するという、連携動作が可能になる。特別キーを押下するというワンアクションで、アプリケーション起動と、所定の速度レベルでのAV再生とを同時に実行することができるので、アプリケーションの使い勝手が更に高まる。
8.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記実行手段は、記録媒体に記録されたクラスファイルからインスタンスを生成することで、アプリケーションの実行を行い、前記記録媒体には、再生速度指示プログラムのクラスファイルが記録されており、予め定められた速度レベルでのAV再生とは、再生速度指示プログラムにより指示される速度にて、再生を行うことである。
アプリケーションの操作性を高めるため都合が良い速度レベルを、再生速度指示プログラムは指示するので、アプリケーションの作り手は、どの速度レベルでの再生が望ましいかを、再生装置に対して予め指定しておくことができる。
9.10.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
再生手段によるAV再生の対象は、記録媒体に記録されたデジタルストリームであり、前記デジタルストリームは速度制御情報を有しており、予め定められた速度レベルとは、速度制御情報にて規定された速度レベルである。
速度制御情報は、開始時間及び終了時間を示し、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じるのは、再生装置の状態がAV再生中であって、現在の再生時点が、速度制御情報に示される開始時間に到達した時点以降であり、前記再生手段が、予め定められた速度レベルでのAV再生の終了を再生手段に命じるのは、再生装置の状態がAV再生中であって、現在の再生時点が、速度制御情報に示される終了時間に到達した時点以降である。
デジタルストリーム内に存在する速度制御情報に基づき、アプリケーションの操作性補完を実行するので、デジタルストリームの再生と緻密に同期した、補完を実現することができる。
11.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記AV再生の対象は、記録媒体に記録されたタイトルであり、前記記録媒体には、アプリケーションについてのクラスファイルが記録されていて、前記実行手段は、仮想マシンのプラットフォームであり、ヒープメモリと、クラスローダと、アプリケーションマネージャとを含み、前記アプリケーションマネージャは、プラットフォーム上でタイトルバウンダリのアプリケーションシグナリングを実行するものであり、記録媒体における何れかのタイトルの再生が開始されれば、記録媒体に存在するクラスファイルのうち、当該タイトルを生存区間とするもののインスタンスをヒープメモリ上に生成するようクラスローダに命じることで、前記アプリケーションを実行可能な状態とし、前記受付手段は、ユーザイベントマネージャを含み、前記ユーザイベントマネージャは、ユーザによってなされた操作のうち、タイトルにおいて有効とされているものに対応するキーイベントを生成して、実行可能な状態にあるアプリケーションに送信するものであり、前記制御手段による所定の速度レベルでのAV再生の指示はユーザによって操作がなされてから、キーイベントが送信されるまでの期間内になされる。
タイトルシグナリングを前提にして、動作を行うようなプラットフォーム上で、アプリケーションの操作性補完を実現できるので、BD-ROMを前提にした再生装置であるなら、容易に、本発明にかかる補完機能を実現することができる。
また本発明の構成要素たる制御手段は、このユーザイベントマネージャに対する追加モジュールとして、再生装置に実装することができるので、BD-J Terminalの標準モデルに対して大幅な改変を加えることなく、当該標準モデルにモジュール追加を施す形で、実現することができる。本発明の実装は、このような、モジュール追加という形態で、実現されるので、再生装置の製造開発を行うメーカーは、かかる速度機能を、容易に自社の製品に取り入れることが可能になる。
12.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記記録媒体には、動作モードオブジェクトが記録されており、動作モードオブジェクトは、タイトルの再生が開始された際、どのような動作モードで、タイトルにおける動的な制御を実現するかを規定するテーブルであり、アプリケーション管理テーブルと、当該タイトルにおいて有効となるキーを指定するキーインタレストテーブルとを含み、前記アプリケーションマネージャは、タイトルの再生が開始された際、そのタイトルに対応付けた動作モードオブジェクトから、アプリケーション管理テーブルを受け取り、このアプリケーション管理テーブルに基づき、アプリケーションシグナリングを実現するものであり、前記ユーザイベントマネージャは、タイトルの再生が開始された際、そのタイトルに対応付けた動作モードオブジェクトから、キーインタレストテーブルを受け取り、ユーザにて操作されたキーが、キーインタレストテーブルにおいて、有効とされているキーであるか否かの判定を行い、前記前記アプリケーションに送信されるキーイベントは、キーインタレストテーブルにおいて有効とされているキーに対応するキーイベントである。
ユーザイベントマネージャは、BD-J応用層規格に規定されたプレーヤモデルの必須の構成要素であり、かかるプレーヤモデデルに準じた形で、本発明にかかる補完機能を実現することができる。
13.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記記録媒体には、AVストリームを参照したプレイリスト情報が記録されており、前記動作モードオブジェクトは、タイトルの再生が命じられた際、自動的に開始すべきプレイリストを指示するアクセスブルプレイリスト情報を含み、再生手段によるAV再生は、動作モードオブジェクトにおけるアクセスブルプレイリスト情報にて指示されたプレイリスト情報に基づいてAVストリームを再生することでなされ、前記所定の速度レベルが、通常の再生速度よりも低い速度を意味するものである場合、AVストリームの再生時間長が長くなり、それに伴いタイトルの時間長も長くなる。
プレイリスト情報に従って再生されるようなAVストリームの再生時間を長くすることで、このAVストリームと同期するようなアプリケーションの動作期間を長くする。こうした、AVストリームの再生時間の調整を介して、間接的にAVストリームの操作性の改善を図るので、一般的なBD-ROM再生装置において、簡易にアプリケーションの操作性補完を実現することができる。
(a)本実施の形態に用いる記録媒体の一例であるBD-ROM100の構成を示した図である。 (b)Index.bdmvの内部構成を示す図である。 (a)JARファイルの中のファイル構造の一例を示す図である。
(b)BD-Jオブジェクトの内部構成を示す図である。
本実施形態に係る再生装置が実行対象としているインタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションのGUI仕様を示す図である。 再生装置が想定しているアプリケーションの動作仕様を示す図である。 再生装置のハードウェア構成を示す図である。 再生装置のソフトウェア構成のレイヤモデルを示した図である。 再生装置の特徴にてもたらされる、アプリケーション動作仕様の改善を模式的に示す図である。 (a)プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報の内部構成を示す図である。
(b)プレーヤ設定情報の内部構成を示す図である。
再生装置によるセットアップメニューを示す図である。 再生制御エンジン2における機能的な構成要素を示す図である。 再生制御エンジン2におけるメインルーチンにあたる処理手順を記述したフローチャートである。 動作状態判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。 図4にて説明した制御情報設定処理の処理手順を示すフローチャートである。 (a)インタラクティブアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。
(b)オンラインショッピングアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。
第2実施形態に係るJARファイルの内部構成を示す図である。 第2実施形態における、クラスファイルインスタンスが生成された際、このインスタンスがどのように動作するかを示す図である。 第2実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。 再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。 速度制御のための情報が組み込まれたAVストリームを示す図である。 第1実施形態に示した再生装置の内部構成のうち、本実施形態の改良に深く係る部分(ストリームデコーダ105、再生制御エンジン2、制御情報設定部13)を描いた図である。 第3実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る動作モードオブジェクト(BD-Jオブジェクト)の内部構成を示す図である。 ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、RAM108、ROM109、CPU110、操作受付部112を組込んだシステムLSIを模式的に示す図である。 再生装置に対する、システムLSIの組み込み方を示す図である。
符号の説明
1 再生エンジン
2 再生制御エンジン
3 BD-Jモジュール
4 Java(TM)仮想マシン
5 ヒープメモリ
6 アプリケーションキャッシュ
7 クラスローダ
8 アプリケーションマネージャ
9 ユーザオペレーションマネージャ
11 動作状態判定部
12 再生速度指示部
13 制御情報設定部
14 タイマ管理部
以下、本発明にかかる再生装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。この再生装置は、BD-ROMにて供給されるJava(TM)アプリケーションを、仮想マシンによる実行に供する。BD-ROMは、再生装置の実行対象に該当するものなので、再生装置の説明に先立ち、BD-ROMの内部構成について説明を行う。
図1(a)は、本実施の形態に用いる記録媒体の一例であるBD-ROM100の構成を示した図である。BD-ROMにはAVデータ、アプリケーションプログラムが記録されている。
本図の第1段目は、BD-ROMの外観を示す。BD-ROMは、例えばDVDやCDなどと同様にその内周から外周に向けて形成された螺旋状の記録領域を持つ。
第2段目は、螺旋状の記録領域を横方向に引き伸ばして描いている。この第2段目において、記録領域は、内周のリード・インと外周のリード・アウトの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有している。リード・インの内側にはBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれるドライブでしか読み出せない特別な領域がある。この領域はアプリケーションから読み出せないため、例えば著作権保護技術などに利用されることがよくある。
論理アドレス空間には、ファイルシステム情報を先頭にAVストリームなどが記録される。ファイルシステムには、UDFやISO9660などの方式がある、このファイルシステムを介することで、上記のような記録領域に記録されている論理データの読み出しが可能になる。
第3段目は、記録領域のディレクトリ及びファイル構造を示す。BD-ROMにおけるディレクトリ及びファイル構造は、ルートディレクトリ(ROOT)直下にBDMVディレクトリが置かれ、その配下にSTREAMディレクトリ、MPLSディレクトリ、JARディレクトリ、BDJOディレクトリが存在する。
<BD-ROMの構成その1.AVストリーム>
AVストリームについて説明する。AVストリームは、デジタル化された動画像、字幕、音声を時分割多重することで得られる、MPEG2-TS形式のトランスポートストリームであり、STREAMディレクトリに配置されている。
<BD-ROMの構成その2.プレイリスト情報>
プレイリスト情報は、AVストリームの再生時間軸のうち、In_Timeとなる時点と、Out_Timeとなる時点の組みを1つ以上定義することにより、論理的な再生区間や再生経路を定義する情報である。プレイリスト情報は、AVストリームに多重化されているエレメンタリストリームのうち、どれの再生を有効とするかを規定するストリーム番号テーブルを有しており、AVストリーム内のエレメンタリストリームのうち、どれの再生を許可し、どれの再生を許可しないかを規定する役割をもつ。Java(TM)アプリケーションが、このプレイリスト情報を再生するJMFプレーヤインスタンスの生成をJava(TM)仮想マシンに命じることで、AV再生を開始させることができる。JMFプレーヤインスタンスとは、JMFプレーヤクラスを基にして仮想マシンのヒープメモリ上に生成される実際のデータのことである。
AVストリームと、プレイリスト情報との組みは、“タイトル”という再生単位を構成する。BD-ROMにおけるAV再生は、このタイトルを一単位としてなされる。
<BD-ROMの構成その3.Index.bdmv>
Index.bdmvについて説明する。図1(b)は、Index.bdmvの内部構成を示す図である。Index.bdmvとは、AVストリームと、プレイリスト情報とを含む再生単位であるタイトルに対して、動作モードオブジェクトを対応付けるテーブルである。動作モードオブジェクトとは、Index.bdmvに基づき、タイトルの再生を行う際、そのタイトルにおける動的な制御を、どのような動作モードで規定する情報である。動作モードオブジェクトには、コマンドインタラプタを主体とする動的制御を規定する動作モードオブジェクト(Movieオブジェクト)と、Java(TM)仮想マシンを主体とした動的制御を規定する動作モードオブジェクト(BD-Jオブジェクトと呼ばれる)とがある。
BD-ROMには、様々な種類のタイトルが存在しており、図1(b)の左側におけるIndex.bdmvには、それら様々な種類のタイトルに対して規定されたインデックスを含む。具体的には、BD-ROMディスクに格納されるFirstPlaybackについてのIndex Table Entry、TopMenuについてのIndex Table Entry、Title#1についてのIndex Table Entry、Title#2についてのIndex Table Entry,・・・・#Nを含む。このテーブルには、全てのタイトル、TopMenu、FirstPlaybackから最初に実行されるMovieオブジェクトもしくはBD-Jオブジェクトが指定されている。BD-ROMの再生装置は、タイトルあるいはメニューが呼び出されるたびにIndex.bdmvを参照して、所定のBD-Jオブジェクトを実行する。ここで、"FirstPlayback"とは、コンテンツプロバイダによって設定されるもので、ディスク投入時に自動実行されるMovieオブジェクトもしくはBD-Jオブジェクトが設定されている。また、TopMenuは、リモコンでのユーザ操作で、"MenuCall"のようなコマンドが実行されるときに、呼び出されるMovieオブジェクトもしくはBD-Jオブジェクトが指定されている。
引き出し線h1は、Index Table Entryの共通のデータ構造をクローズアップしている。Index Table Entryは、この共通のデータ構造で定義される。この共通のデータ構造は、『Title_object_type』と、『Title_mobj_id_ref』と、『Title_bdjo_file_name』とを含む。
『Title_object_type』は、"該当するタイトルに関付けられている動作モードオブジェクトが、MovieオブジェクトであるかBD-Jオブジェクトであるかを示す。
『Title_bdjo_file_name』は、タイトルに関連付けられたMovieオブジェクト又はBD-J オブジェクトのファイル名を示す。
このようなIndex.bdmvにより、タイトルと、動作モードオブジェクトとの対応が図られることになる。
<BD-ROMの構成その4.XXXXX.JAR>
XXXXX.JAR(「XXX」は可変、拡張子「JAR」は固定)は、Java(TM)アーカイブファイルである。Java(TM)アーカイブファイルは、ZIPファイルの形式を、Java(TM)に特化したものであり、市販されているZIP展開ソフトウェアにより中身を確認することができる。ここで「XXXXX」は可変、拡張子「JAR」は固定である(以下JARファイルと称する)。JARファイルは複数のファイルをディレクトリ構造の形で格納している。一つのJARファイルは一つ以上のクラスファイル、JARファイルの属性を示すメタファイル、画像などのデータが格納されている。基本的に一つのJARファイルに一つのJava(TM)アプリケーションが格納されており、Java(TM)アプリケーションはJava(TM)仮想マシン上で実行することができる。
図2(a)は、JARファイルの中のファイル構造の一例を示す図である。JARファイルのファイル構造は、ルートディレクトリの配下に、「インタラクティブアプリケーションについてのクラスファイル」、「オンラインショッピングアプリケーションについてのクラスファイル」が存在するというものである。このクラスファイルにて定義されるJava(TM)アプリケーションは、Xletインターフェイスを通じて制御されるJava(TM) Xletである。Xletインターフェイスは、"loaded","paused"、"active","destroyed"といった4つの状態をもつ。本明細書でいうアプリケーションとは、こうしてBD-ROM等の記録媒体に記録されているクラスファイルについてのインスタンスのことをいう。
<BD-ROMの構成その5.ZZZZZ.BDJO>
ZZZZZ.BDJO(「ZZZZZ」は可変、拡張子「BDJO」は固定)は、上述したBD-Jオブジェクトを格納したファイルである。図2(b)は、BD-Jオブジェクトの内部構成を示す図である。本図の左側に示すように、BD-Jオブジェクトは、アプリケーション管理テーブルと、KeyInterestテーブルとを含む。
アプリケーション管理テーブル(AMT)とは、“アプリケーションシグナリング”を実現するテーブルである。“アプリケーションシグナリング”とは、BD-ROMにおける“タイトル”をアプリケーションの生存区間として管理し、アプリケーションの起動及び終了を司る制御をいう。ここで生存区間とは、BD-ROMに記録されたコンテンツ全体の時間軸において、仮想マシンのヒープメモリ上でアプリケーションが生存し得る区間を示す。“生存”とは、そのアプリケーションが、ヒープメモリに読み出され、仮想マシンによる実行が可能になっている状態をいう。この生存区間に対して、アプリケーションが実際に動作している区間を、“動作区間”という。
引出線h2は、アプリケーション管理テーブルの内部構成をクローズアップしている。引出線h2に示すように、アプリケーション管理テーブルは複数のアプリケーションエントリー#1〜#nからなる。引出線h3は、アプリケーションエントリーの共通のデータ構造を示す。この引出線h3に示すように、アプリケーションエントリーは、タイトルにおいて、アプリケーションを自動的に起動させるべきか(AutoStart)、他のアプリケーションからの呼出しを待って起動すべきか(Present)という起動の仕方を示す「制御コード」、JARファイルのファイル名となる5桁の数値を用いて、対象となるアプリケーションを示す「アプリケーションID」を含む。
引出線h4は、KeyInterestテーブルの構成をクローズアップしている。引出線h4に示すように、KeyInterestテーブルは再生キーエントリー、停止キーエントリー、早送りキーエントリー、巻戻しキーエントリー、上方向キーエントリー、下方向キーエントリー、右方向キーエントリー、左方向キーエントリーからなる。これらは、再生装置におけるリモコンに備え付けられているそれぞれのキーについてのエントリである。引出線h5は、キーエントリーの設定内容をクローズアップしている。具体的にいうと、これらのキーエントリーは、対象となるキーが押下された際、キーイベントを発生させるか、発生させないかが設定される。
以上がBD-Jオブジェクトについての説明である。
上述したようなAVストリーム、Index.bdmv、JARファイル、BD-Jオブジェクトは、ファイル構造、ディレクトリ構造に従ってBD-ROMに記録されているので、再生装置は、ファイルオープンのためのシステムコールを行うことで、これらをメモリに読み出すことができる。
ファイルオープンとは、システムコール時に与えられたファイル名によってディレクトリを検索し、ファイルが存在すればFCB(File Control Block)を確保して、ファイルハンドルの番号を返す処理をいう。FCBは、目的のファイルのディレクトリエントリーの内容がメモリ上にコピーされることにより生成される。
以上が、再生装置が前提としている記録媒体についての説明である。
(アプリケーションのGUI仕様)
続いて、再生装置が対象としているアプリケーションについて説明する。
上述したようにアプリケーションは、タイトルという単位でシグナリングがなされる。このタイトルは、プレイリスト、AVストリームといった再生単位を含むものであり、相応の時間長をもつものなので、このタイトルという単位でシグナリングを行っている限り、アプリケーションの動作区間が短くなり過ぎることはない。
しかし、他のアプリケーションからの呼び出しを待って起動するようなアプリケーションであって、その呼び出しの時点が、タイトル終了間際であるようなアプリケーションは、往々にしてその動作期間は短くなりがちとなる。更に、他のアプリケーションからの呼び出しを待って起動され、他のアプリケーションの呼び出しによって動作が終了させられるアプリケーションも、その動作区間は短くなることがある。
特に、AV再生において、特定の人物像がフレームインした際、他のアプリケーションから起動され、その特定の人物像がフレームアウトした際、その他のアプリケーションによって終了させられるアプリケーションは、その動作区間の長さが、その特定の人物像がどれだけ長く現れているかによって左右される。そしてその特定の人物像の出現期間が短ければ、呼び出されて起動するアプリケーションの動作区間が、極端に短くなる。
以降、動作区間が極端に短くなるアプリケーションとして、特定の人物像がフレームインした際、他のアプリケーションから起動されるアプリケーションを説明の題材に選ぶ。
図3は、本実施形態に係る再生装置が実行対象としているインタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションのGUI仕様を示す図である。
「インタラクティブアプリケーション」は、映像中の複数の選択対象の中から1つを選択するという、映像操作の機能を具備したアプリケーションプログラムであり、GUIとしてポインタp1の表示を行う。このポインタは、ユーザによるリモコンの方向キー操作によって移動するものであり、動画像中の特定の対象物(ここでは、女性ゴルファーの人物像)を選択することができる。
「オンラインショッピングアプリケーション」は、画面に表示される映像の中から品物を選択し、それを購入するアプリケーションであり、GUIとして購入画面p2の表示を行う。この購入画面p2は、オンラインサービスの事業主(==ABC Store==)、商品の題号(xxx Putter)、価格の表示(Price:$500.00)を含み、ボタンGUI(BUY)を含む。このボタンGUIは、購入の確定操作を受け付けるものであり、このボタンを確定する操作がユーザによってなされれば、ネットワーク上で電子決済を行う。
(アプリケーションの動作仕様)
図4は、再生装置が想定しているアプリケーションの動作仕様を示す図である。第1段目は、アプリケーションによるGUI仕様であり、第2段目は、オンラインショッピングアプリケーションが実行される期間、第3段目は、インタラクティブアプリケーションが実行される期間を示す。
インタラクティブアプリケーションは、AV再生と同期して、対話的な処理を実行するアプリケーションであり、その動作区間は、同図の第3段目に示す通りである。具体的には、AV再生がなされている期間において、終始動作を行っている。そして画面中にポインタp1を表示して、ユーザ操作に従って、このポインタp1を移動させつつも、ユーザによる確定操作に応じてAV再生画面に存在する人物像等にフォーカスを設定することができる。
オンラインショッピングアプリケーションは、AV画面内に現れる人物像等に対応付けられたアプリケーションであり、その動作区間は、同図の第2段目のように設定されている。つまり、かかる人物像がフレームインして、リモコンにより確定されたタイミングで起動され(図中のタイミングt1)、かかる人物像がフレームアウトしたタイミングで終了する(図中のタイミングt2)。起動中において、オンラインショッピングアプリケーションは購入画面p2を表示して、その人物に関連した商品の細目を提示し、その関連商品を購入する操作を受け付ける。
これらのインタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションによるGUIは、第1段目に示すようなものになる。つまり、動作中のインタラクティブアプリケーションは、ユーザ操作に従いポインタp1をAV画面上に表示する。
一方、AV画面において、所望の人物像(ここでは、女性ゴルファーの人物像)がフレームインして、この人物像に対する確定操作がなされた場合、オンラインショッピングアプリケーションが起動される。このオンラインショッピングアプリケーションは、人物像と、購入画面p2とを合成した合成画像を表示に供し、その人物に関連した商品の細目を提示し、その関連商品を購入する操作を受け付ける。
一方、AV再生が進行して、上述したような人物像がフレームアウトすれば、オンラインショッピングアプリケーションの動作は終了する。上述したようなアプリケーション仕様において、オンラインショッピングアプリケーションは、関連付けられている人物像が表示されている期間においてのみ、動作を行うことになる。関連付けられている人物像がAV画面上に現れている期間が短ければ、オンラインショッピングアプリケーションが商品購入を受け付ける期間は、すこぶる短くなる。
以上で、再生装置が実行対象としているアプリケーションの動作仕様についての説明を終える。
(再生装置)
次に、本発明にかかる再生装置の実施形態について説明する。この再生装置は、リモコンを通じて操作される。
リモコンは、再生、停止、一時停止(ポーズ)、スキップ等のAV機器特有の操作や階層化されたGUIに対する操作をユーザから受け付ける機器であり、再生キー、停止キー、ポーズキー、スキップキー、セットアップメニューを呼び出すメニューキー、メニューを構成するGUI部品のフォーカスを移動させる方向キー、メニューを構成するGUI部品に対して確定操作を行うENTERキー、階層化されたメニューをより上位のものにもどってゆくためのCANCELキー、数値キーを備える。これらのキーは、キーマトリックスを構成しており、かかるキーマトリックに対するキーセンスにより、押下されたキーの行位置、列位置を特定して、その行位置、列位置をエンコードすることによりキーコードを発生する。そうして発生したキーコードを含むリモコン信号を、送信する。
送信されるリモコン信号は、数ミリ秒のフレームからなり、このフレームのビット系列における1/0のビットは、数KHz程度のキャリア信号がある期間と、キャリアがない期間とから構成される。再生装置側では、キャリアにおける周波数及びディーティ比と、同じ周波数及びディーティ比のクロックパルスを生成して、データ部の、ビット系列に対するキャプチャ動作を行うことで、リモコン信号を受信することができる。再生装置は、パソコンとは異なり、リモコンを介して、ユーザからの操作を受け付けるものなので、再生装置やアプリケーションにおけるGUIは、リモコンを介した操作に特化したものになっている。
図5は、再生装置のハードウェア構成を示す図である。本図に示すように、再生装置は、BD-ROMドライブ101、HDD102、メモリカードドライブ103、スイッチ104、ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、ビデオフレームバッファ107、RAM108、ROM109、CPU110、グラフィクスフレームバッファ111、操作受付部112、ネットワークインターフェイス113を備える。
(BD-ROMドライブ101)
BD-ROMドライブ101は、図1(a)に示すような内部構成を有するBD-ROMのローディング/イジェクトを行い、BD-ROMに対するアクセスを実行する。
(HDドライブ102)
HDドライブ102は、BD-ROMにて供給されるクラスファイルと、同等のクラスファイルを格納しておくことができるハードディスクドライブである。
(メモリカードドライブ103)
メモリカードドライブ103は、BD-ROMにて供給されるクラスファイルと、同等のクラスファイルが書き込まれた半導体メモリカードを、装填することができるドライブ装置である。
(スイッチ104)
スイッチ104は、BD-ROMドライブ101、HDD102、メモリカードドライブ103から読み出されたクラスファイル、AVストリームを、選択的にストリームデコーダ105、RAM108に出力する。
(ストリームデコーダ105)
ストリームデコーダ105は、BD-ROM100に記録されているAVストリームを、ビデオストリーム、オーディオストリームに分離する。
(AVデコーダ106)
AVデコーダ106は、ストリームデコーダ105にてデコードされたストリームから分離抽出されたビデオデータと、オーディオデータとを同期をとりながら復号し、復号したビデオデータをディスプレイに出力し、復号したオーディオデータをスピーカーに出力する。またAVデコーダ106は、ビデオデータにおけるフレームの出力を所定数だけ繰り返すことでスロー再生を実現する。例えば、通常再生の1/2の再生速度での再生が命じられ、第1フレームに相当するビデオデータ、第2フレームに相当するビデオデータ、....、第15フレームに相当するビデオデータを順次AVデコーダ106が受け取ったとすると、AVデコーダ106は、各フレームに相当するビデオデータを、重複して出力する。具体的には、第1フレームに相当する復号したビデオデータ、第1フレームに相当する復号したビデオデータ、第2フレームに相当する復号したビデオデータ、第2フレームに相当する復号したビデオデータ、...第15フレームに相当する復号したビデオデータ、第15フレームに相当する復号したビデオデータを1秒間に出力する。同じフレームのビデオデータが、2回重複して出力されるので、AVストリームが2倍の時間をかけて再生されることになる。その結果、通常再生の1/2の速度でスロー再生することが可能になる。
(ビデオフレームバッファ107)
ビデオフレームバッファ107は、AVデコーダ106のデコードにより得られた非圧縮のフレーム画像を格納する。本実施形態では、1秒間におけるビデオフレームバッファの更新頻度を、1秒間に30回とする。これは、1秒間に30フレームに相当するAVストリームを、AVデコーダ106からビデオフレームバッファに出力し、そして、アプリケーションが描画した30フレームに相当するグラフィクスを、1秒間に、グラフィックスフレームバッファ111に出力することを意味する。
この場合、通常再生においては1秒間で、30フレームに相当するAVストリームをデコードして、デコードしたAVストリームに含まれるビデオデータ、オーディオデータを分離抽出するようにストリームデコーダ105を制御せねばならない。
(RAM108)
RAM108は、CPU110がデータ処理を行うにあたって、必要なデータが格納される。
(組込みプログラム用ROM109)
ROM109には、インタプリタ、ネィティブライブラリ、クラスラィブラリ等、再生装置に予め組み込まれている組込みプログラムが格納される。
(CPU110)
CPU110は、組込みプログラム用ROM9に格納されたネィティブコードを実行する。
(グラフィクスフレームバッファ111)
グラフィクスフレームバッファ111は、CPU110が対話的な制御を実行する際、GUI描画に用いられる。このグラフィクスフレームバッファ111で実現されるグラフィクス描画には、アプリケーションによるGUI表示、セットアップ時におけるメニュー表示がある。アプリケーションにより描画される購入画面p2、ポインタp1といったグラフィクスは、GUIの1つなので、このグラフィクスフレームバッファ111に描画される。グラフィクスフレームバッファ111上のグラフィクスは、グラフィクス管理のための数値にて管理されており、この数値に対応するグラフィックスデータの画像は、画面上に一定時間だけ表されることになる。一方、その一定時間のあいだ、アプリケーションの側では、新たなグラフィクスの生成がなされている。一定時間が経過すれば、グラフィクスフレームバッファ111の格納内容は、新たに生成されたグラフィックスデータを用いて上書きされることになる。かかる上書きにおいて、グラフィクス管理のための数値は更新される。こういった動作、つまり、“アプリケーションによるグラフィクスの生成”、“生成されたグラフィクスの更新”、“グラフィクスの上書き”、“グラフィクス管理のための数値の更新”という一連の動作の繰り返しにより、アプリケーションによるGUI表示は、AV再生のフレーム進行に伴って、変化することになる。また単位時間(例えば一秒間など)における上述の一連の動作の繰り返しの回数(以後アプリケーションの実行速度と称す)を変えることにより、グラフィックスバッファ111の格納内容が単位時間あたりに更新されるタイミングの数を増減させることが可能となる。これにより結果として、入力に対するアプリケーションによるグラフィックスデータ(GUI表示)の応答性を高くしたり、低くしたりすることが可能となる。このグラフィクスフレームバッファ111の格納内容は、ビデオフレームバッファ107の格納内容と合成して出力されるので、ディスプレイには、グラフィックスフレームバッファ111に書き込まれたデータに対応するグラフィックス画像と、ビデオフレームバッファ107に書き込まれたAVストリームに対応する再生画像とを重ね合わせたものが表示される。
(操作受付部112)
操作受付部112は、リモコンや再生装置のフロントパネルといった入力機器に対してなされたユーザ操作を検知して、通知する。この通知は、これらの入力機器に対応するデバイスドライバ内の割込みハンドラが発生する割込みに従い、UOPを生成することでなされる。UOPとは、リモコンやフロントパネルに設けられたキーマトッリクスによるキー押下を検知した際、発生するイベント(UOPイベント)であり、押下されたキーに対応したキーコードを含んでいる。具体的には、リモコンやフロントパネルに対応するデバイスドライバの割込みハンドルが、キーマトリックスに対するキーセンスでキー押下を検出した際、そのキー押下に基づき割込み信号を発生することで、UOPイベントは、生成される。
(ネットワークインターフェイス113)
ネットワークインターフェイス113は、ネットワーク接続のためのプロトコルスタックを実行するものであり、ネットワーク上のサーバコンピュータが具備しているドライブを、ネットワークドライブとして、再生装置に認識させる。そして、ネットワークドライブからデータをダウンロードしたり、データをアップロードすることができる。このネットワークインターフェイス113を通じて、外部のサーバと、データ通信することができるので、オンラインショッピングアプリケーションの実行時においては、アプリケーションを構成するバイトコードに従って、ネットワークインターフェイス113を介して、ネットワーク上の決済サーバと、電子的な決済処理を行ことができる。
以上が、再生装置のハードウェア構成である。続いて、このハードウェア構成を前提にしたソフトウェア構成について説明する。
図5の再生装置は、Java(TM)2Micro_Edition(J2ME) Personal Basis Profile(PBP 1.0)と、Globally Executable MHP specification(GEM1.0.2)for package media targetsとをフル実装することで構成されるJava(TM)プラットフォームであり、図6のようなレイヤモデルをを有する。
図6は、再生装置のソフトウェア構成のレイヤモデルを示した図である。このレイヤモデルは、大きく分けて、以下の3つのレイヤから構成されている。
i)BD-ROM Resident System Software
BD-ROM再生装置に組み込まれ、常駐ソフトウェアとして動作するもののレイヤであり、ユーザイベントマネージャ9を含む。
ii)BD-J Application Enviroment
BD-Jモジュール3と呼ばれ、アプリケーションの実行環境となるレイヤであり、Javaプラットフォーム(BD-Jモジュールと呼ばれる)に該当する。
iii)BD-ROM Player Model
BD-ROMプレーヤとしての機能を実現するソフトウェアのレイヤであり、再生エンジン1、再生制御エンジン2を含む。
(再生エンジン1)
再生エンジン1は、AV再生機能を実行する。再生装置のAV再生機能とは、DVDプレーヤ、CDプレーヤから踏襲した伝統的な機能群であり、再生開始(Play)、再生停止(Stop)、一時停止(Pause On)、一時停止の解除(Pause Off)、Still機能の解除(still off)、速度指定付きの早送り(Forward Play(speed))、速度指定付きの巻戻し(Backward Play(speed))、音声切り換え(Audio Change)、副映像切り換え(Subtitle Change)、アングル切り換え(Angle Change)といった機能である。
(再生制御エンジン2)
再生制御エンジン2は、プレイリストの再生機能(i)、再生装置における状態取得/設定機能(ii)といった諸機能を実行する。プレイリストの再生機能とは、再生エンジン1のAV再生機能のうち、再生開始や再生停止を、プレイリストに従って行うことをいう。また再生制御エンジン2は、再生装置の状態を示すプレーヤ状態レジスタ2a、メーカーやユーザによる再生装置の設定を示すプレーヤ設定レジスタ2bを含み、これらプレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報、プレーヤ設定情報2bにおけるプレーヤ設定情報に基づき、再生装置における状態取得/設定機能を実行する。特徴的なのは、プレーヤ設定レジスタ2bに、「速度自動制御」、「速度レベル」という設定内容があり、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度自動制御がONに設定されていると、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度レベルでの再生が実現される点である。
(BD-Jモジュール3)
BD-Jモジュール3は、再生装置におけるプラットフォームであり、Java(TM)仮想マシン4、ヒープメモリ5、アプリケーションキャッシュ6、クラスローダ7、アプリケーションマネージャ8を備える。
(Java(TM)仮想マシン4)
Java(TM)仮想マシン4はインタプリタであり、ヒープメモリ5に格納されたアプリケーションを構成するバイトコードを、CPU110が解読可能なネィティブコードに変換して、CPU110に供する。こうすることで、バイトコード状態のアプリケーションをCPU110に実行させる。
(ヒープメモリ5)
ヒープメモリ5は、クラスファイルのインスタンスである、バイトコード状態のアプリケーションが格納されるメモリである。
(アプリケーションキャッシュ6)
アプリケーションキャッシュ6は、アプリケーションが格納されるキャッシュメモリである。
(クラスローダ7)
クラスローダ7は、アプリケーションのクラスファイルをBD-ROM100から読み出して、バイトコードに変換する。かかる変換を経て得られたバイトコードは、ヒープメモリ55に格納される。こうすることで、ヒープメモリ55には、バイトコード状態のアプリケーションが得られることになり、Java(TM)仮想マシン4による実行に供される。
(アプリケーションマネージャ8)
アプリケーションマネージャ8は、再生装置において再生対象となるタイトルの切り替わりが発生した場合、BD-ROM100からアプリケーションプログラムを読み出してアプリケーションキャッシュ6に格納する。そして、各アプリケーションについての制御コードを参照し、制御コードがAutoStart(自動起動)であるなら、アプリケーションのうち自動起動すべきものをJava(TM)Java(TM)仮想マシン44に実行させる。この変換は、クラスローダ7に指示をだすことでなされる。
上述したアプリケーションのうち、インタラクティブアプリケーションについては、AV再生時に自動的に起動すべきものなので、こうした自動起動に供される。
一方、他のアプリケーションからの呼出や、ユーザからの起動要求を待って起動するアプリケーションプログラムについてはアプリケーションキャッシュ6にキャッシュされた状態で、他のアプリケーションからの呼出しを待つ。上述したようなオンラインショッピングアプリケーションは、ユーザからの起動要求と、他のアプリケーションからの呼出しとを待って起動すべきものなので、当該オンラインショッピングアプリケーションがアプリケーションキャッシュ6に格納され、ユーザからの起動要求及び他のアプリケーションからの呼出しを待っている状態において、リモコンの方向キーが押下されると、オンラインショッピングアプリケーションは、実行可能なコードに変換されてヒープメモリ5に格納されることになる。Java(TM)仮想マシン4は、ヒープメモリ5に記憶されたコードを解釈実行することにより、アプリケーションプログラムを実行する。
(ユーザイベントマネージャ9)
ユーザイベントマネージャ9は、UOPイベントが発生した際、そのUOPイベントに対応するキーイベント(アプリケーションが受け取ることができるイベント)を発生させるかどうかを判定して、発生させるべきと判定した場合、キーイベントをアプリケーションに出力する。BD-JオブジェクトのKeyInterestテーブルには、キー毎に、キーイベントを発生させるかどうかが規定されているので、キーイベントを発生させるかどうかの判断は、BD-JオブジェクトのKeyInterestテーブルにおけるエントリーの記載を基準とする。図中の矢印☆1,2,3,5は、このレイヤモデルにおいて、特徴的な処理の流れを模式的に示している。上述したように、アプリケーションへのキーイベントの発生及び送信は、UOPイベントが発生した際なされる(☆5)。ユーザイベントマネージャ9の特徴的な処理とは、このキーイベントの送信に先立ち、発生したキーイベントを再生制御エンジン2に送信することであり(☆1)、このキーイベントの送信を契機として、プレーヤ設定レジスタ2bに格納されている、速度自動制御及び速度レベルに基づき、再生制御がなされる。この再生制御の結果、アクセス装置6のスロー再生、又は、一時停止(ポーズ)がなされることになる。以上が、再生装置におけるソフトウェアのレイヤモデルである。
以上のレイヤモデルの説明では、キーイベントの送信を契機として、速度自動制御及び速度レベルに基づき、再生制御を行うことが特徴的であると述べた。これらの特徴により、アプリケーションに対する操作がどのように改善されるかについて説明する。
本図における各ソフトウェア要素の動作は以下の通りとなる。インタラクティブアプリケーションは、複数の選択対象の中から1つ選択することにより、再生中の映像等を操作するものなので、AV画面には、ポインタp1の表示が現れる。ユーザがリモコンの方向キーを押下して、このポインタp1表示で購入したい品物の選択を行い、購入したい品物にカーソルを合わせてリモコンのENTERキーが押下されると、クラスローダ7は、アプリケーションキャッシュ6に格納したオンラインショッピングアプリケーションのアプリケーションプログラムを実行可能なバイトコードに変換して、ヒープメモリ5に記憶する。Java(TM)仮想マシン4がヒープメモリ5に記憶したコードを実行すれば、オンラインショッピングアプリケーションのアプリケーションプログラムが起動し、ディスプレイに購入画面p2が現れ、ユーザは所定の手続きを行うと、品物を購入することができる。
このとき、オンラインショッピングアプリケーションの実行期間において、速度自動制御がONであれば、あらかじめ設定された速度レベルとなるようにAV再生が制御される。このようにユーザがインタラクティブなアプリケーションプログラムを操作している間、AVストリームはスロー再生または一時停止がなされるが、ユーザがインタラクティブなアプリケーションプログラムを操作しなくなって所定時間(この例では30秒)が経過するか、またはユーザがリモコンで通常再生を要求すると、再生速度は通常速度に戻る。
Java(TM)仮想マシン4は、AVストリームがスロー再生されたとしても、AVストリームのスロー再生と同期するようにスローな動作を行うことはない(つまり、“アプリケーションによるグラフィクスの生成”、“生成されたグラフィクスの更新”、“グラフィクスの上書き”、“グラフィクス管理のための数値の更新”という一連の動作を単位時間当たりに繰り返す回数(つまり実行速度)をAVストリームの再生速度に応じて変化させることはない)。本実施の形態においては、AVストリームがスロー再生中であったとしても、AVストリームを通常再生しているときのアプリケーションの実行速度(通常の動作速度)にて、アプリケーションを実行する。仮に、AVストリームがスロー再生された場合に、アプリケーションの動作も遅くすると、ユーザ操作に対するレスポンス性が遅くなり不都合が生じる。AV再生と同期したスロー動作を避けるのは、実行中のインタラクティブアプリケーションプログラムへの入力に対する応答性を高くするためである。
一方アプリケーションは、アプリケーションマネージャ8により、アプリケーション管理テーブルに基づきタイトルという単位でシグナリングされる。たとえJava(TM)仮想マシン4が通常の速度で動作していたとしても、AV再生がスロー再生されれば、それに伴い、一個のタイトルの再生が継続している期間が長くなるので、アプリケーションは、通常の動作速度を維持したまま長期間にわたり、動作を継続することになる。そのためアプリケーションは、通常のレスポンス速度を保ったまま、その動作区間が長期に引き伸ばされることになる。
図7は、再生装置の特徴にてもたらされる、アプリケーション動作仕様の改善を模式的に示す図である。第1段目は、再生装置のAV再生にて表示に供される、複数のフレーム画像を示し、第2段目は、インタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションの動作期間を示す。第3段目は、オンラインショッピングアプリケーションによるGUI表示を示す。
ユーザによる操作がなされて、人物像が選択されたことを示すキーイベントが発生した際、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度自動制御がONに設定されていたとすると、その設定に応じたスロー再生が命じられることになる。このスロー再生では、同じフレームが、2回以上重複して表示されるので、第1段目に示すように、人物像が表示されている期間が2倍、4倍の長さになる。スロー再生により、人物像が表示されている期間が、2倍、4倍になるので、この人物像に対する操作で動作状態となるオンラインショッピングアプリケーションの動作期間は、2倍、4倍の長さとなる。
こうしてオンラインショッピングアプリケーションの動作期間が長くなれば、第3段目に示すように、オンラインショッピングアプリケーションによりGUIが表示された場合、表示されるGUIに対して、操作を行い得るような余裕が生まれる。以上のように、速度自動制御がONであれば、ユーザが速度レベルであらかじめ設定した速度レベルとなるようにAVデータの再生を制御することで、特定の人物像と関連付けられているようなオンラインショッピングアプリケーションの動作期間を長くすることができ、それに伴い、当該オンラインショッピングアプリケーションにより表示されるGUIに対する操作を行い易くすることができる。以上が、再生装置の特徴点によりもたらされる、アプリケーション動作仕様の改善である。
再生装置は、速度レベルの制御により、アプリケーションの動作仕様を改善する動作モードをもつ。このように、AV再生の速度をスローにするか、ポーズすることにより、アプリケーションの動作期間を長くして、ユーザによる操作性を改善するモードを、“アプリケーションEASYモード”という。
アプリケーションEASYモードが導入されているので、再生装置内のプレーヤ状態レジスタ2aは、かかるアプリケーションEASYモードの設定を受け付けるようになっている。
先ず、始めに、再生制御エンジンの一般的構成として、プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報に格納されている情報(プレーヤ状態情報という)について説明する。
(プレーヤ状態レジスタ2a)
プレーヤ状態レジスタ2aは、再生装置上のコンテンツの再生状況を示すものであり、BD-ROM100に記録されたコンテンツの再生状況の変化に応じて動的に変化する。ここで、コンテンツの再生状況は、カレントタイトル番号、カレントチャプタ番号、カレントアングル番号、カレントオーディオ番号といったパラメータにて特定される。プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報は、こうしたパラメータを個別に管理している。図8(a)は、プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報の内部構成を示す図である。プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報は、「カレントタイトル番号」、「カレントチャプタ番号」、「カレントアングル番号」、「カレントオーディオ番号」から構成される。
「カレントタイトル番号」は、有効なタイトル番号(1以上の数値)が設定されることで、現在再生中のタイトルがどれであるかを示す。逆に再生中でないときは無効なタイトル番号(例えば、0)を表す。
「カレントチャプタ番号」は、カレントタイトルで表されるタイトル内で定義されたチャプタ番号であって、有効なチャプタ番号(1以上の数値)が設定されることで、現在再生されているチャプターがどれであるかを示す。逆に再生中でないときは無効値(例えば、0)を表す。
「カレントアングル番号」は、有効なアングル番号(1以上の数値)が設定されることで、現在選択されているアングル映像がどれであるかを表す。逆に、再生中でないときは無効値(例えば、0)を表す。
「カレントオーディオ番号」も、カレントアングル同様、有効な音声番号(1以上の有効な数値)が設定されることで、現在選択されているオーディオがどれであるかを示す。逆に、コンテンツが再生中でないときは無効値(例えば、0)で表される。
(プレーヤ設定レジスタ2b)
次に、プレーヤ設定レジスタ2bに格納されている情報(プレーヤ設定情報)について説明する。プレーヤ設定情報は、再生状態によって、動的に変化するものではなく、予め対象となるBD-ROM100のコンテンツをどのように再生させたいのかというユーザの意図を保持しておくものである。プレーヤ設定情報における一部の情報は、ユーザからの入力によって、その値を変えることが可能である。図8(b)は、プレーヤ設定情報の内部構成を示す図である。本図に示すように、プレーヤ設定情報は、「Regionコード」、「音声言語」、「字幕言語」、「速度自動制御」、「速度レベル」を含む。
「Regionコード」は、再生装置の販売や使用が可能となる地域を示すものであり、このRegionコードは例えば、ユーザからの入力によって変更をすることが出来ないように設定されている。
「音声言語」は、音声言語のデフォルト設定を表す情報である。
「字幕言語」は、字幕言語のデフォルト設定を表す情報である。プレーヤ設定レジスタ2bおける以上の情報要素は、BD-ROMの再生装置が一般的に具備しているものである。以下の2つは、再生装置のために、新たに導入されたものである。
「速度自動制御」は、アプリケーションが実行可能となるように定義された“アプリケーションの操作に関する入力”がユーザによってなされた場合、AVストリームの再生速度を変更することを許可されているかどうか示す情報である。“アプリケーションの操作に関する入力”とは例えば、アプリケーションを起動するように設定されているカーソル又はENTER等のキー入力である。特に、かかるアプリケーションが、画面上に表示されている人物像、物体像の中から1つを選択するようなアプリケーションであるなら、その人物像、物体像の動きと連動して、速度自動制御が開始されることになる。
「速度レベル」は、速度自動制御で自動制御が許可されている場合(ON)、制御対象となるAVストリームの再生を、どのようなレベルにするかを表す情報である。本実施の形態では、速度自動制御は例えば、ON(許可)/OFF(不許可)のいずれかを示す情報、速度レベルは、例えば0〜5までの6段階のいずれかの数値で示される情報であるものとする。
アプリケーションEASYモードの導入のため、プレーヤ設定レジスタ2bが改良されているので、再生装置は、セットアップの表示時において、かかるアプリケーションEASYモードの設定を受け付けるようになっている。
図9は、再生装置によるセットアップメニューを示す図である。本図においてルートメニューmn1は、本階層構造のうち最上位に位置するものであり、画面アスぺクト設定、音声出力設定といった設定項目、つまり、再生装置における一般的な設定項目が、羅列されている。本実施形態で特徴なのは、これらの設定項目の中に、アプリケーションEASYモードが存在する点である。図中のモード設定メニューmn2は、このアプリケーションEASYモードを選択することで表示されるメニューである。
アプリケーションEASYモードのためのモード設定メニューmn2は、当該設定についての解説文、“設定する”“設定しない”という二者の選択を受け付ける2つのボタン部材bn1,bn2を含む。そして、“設定する”とのボタン部材が確定された場合、レベル設定メニューmn3のポップアップ表示がなされる。
レベル設定メニューmn3は、“0”から“5”までの速度のそれぞれに対応する6つのボタン部材を含む。これらのボタン部材のどれかを確定することにより、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるレベルを設定することができる。
特定の人物像がフレームインしている期間にのみ、操作を行うことができるアプリケーションについては、かかるアプリケーションEASYモードにおける速度レベルを、“1(非常に遅い)”か、“0(一時停止)”に設定して、その特定の人物像がフレームインしている期間を、長引かせることにより、そのようなアプリケーションに対するGUI操作を行い易くすることができる。
以上がアプリケーションEASYモード設定のための再生装置におけるGUIの改良である。続いて、再生装置における特徴点を実現するための、具体的なソフトウェア構成について説明する。
アプリケーションEASYモードを実現するため、再生装置における再生制御エンジン2の内部には、図10に示すような機能的な構成要素が設けられている。図10は、再生制御エンジン2における機能的な構成要素を示す図である。本図に示すように、再生制御エンジン2は、動作状態判定部11、再生速度指示部12、制御情報設定部13、タイマ管理部14から構成される。
(動作状態判定部11)
動作状態判定部11は、キーイベントが発生した際、再生装置の状態がAV再生中であるかどうか、発生したキーイベントがアプリケーションを操作するためのキーイベントであるかどうかの判定を行う。そしてAV再生中であり、発生したキーイベントがアプリケーションを操作するキーイベントであるなら、再生速度指示部12へ、受け取ったキーイベントを通知する。
AV再生かどうかの判定は、プレーヤ状態レジスタ2aに格納されているカレントタイトル番号が、有効なタイトル番号であるかどうかを判定することでなされる。そして有効なタイトル番号が格納されていれば、BD-ROM100に記録されたコンテンツが再生中であると判定する。一方、プレーヤ状態レジスタ2aに格納されたカレントタイトル番号が無効値であれば、動作状態判定部11は、再生中ではないと判定する。
ここで、アプリケーションを操作するためのキーイベントとは、タイトル内で実行可能なアプリケーションによって、受信されるキーイベントとしてKeyInterestテーブルに予め定義されているキーイベントである。操作受付部112より受け取ったキーイベントが、KeyInterestテーブルに予め定義されたキーイベントであれば、受け取ったキーイベントがアプリケーションを操作するためのキーイベントであると判定する。
(再生速度指示部12)
再生速度指示部12は、グラフィクスフレームバッファ111がキーイベントの通知を受けると、プレーヤ設定レジスタ2bに設定される情報を参照して、ここに設定されている速度レベルでAV再生を行うよう、再生エンジン1を制御する。ここで、通常再生の半分にまで、再生速度を下げる場合を例にして説明する。例えば再生速度を通常再生の半分にする場合、1秒当たりに表示される30フレームのAVデータのうち、15フレーム分に相当するAVデータを分離抽出するようにストリームデコーダ105を制御する。また、タイマ管理部14に対して、タイマでの計時を開始させる。
(制御情報設定部13)
制御情報設定部13は、AVストリームの再生速度の自動制御機能のON/OFFや自動制御される再生速度の情報をプレーヤ設定レジスタ2bに格納する。例えばAV再生がなされていない状態で、リモコンのメニューキーが押下され、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2が選択された場合、図9のアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2を表示する。このモード設定メニューmn2が表示された状態で、リモコンの方向キーが操作され、モード設定メニューmn2における速度自動制御で“設定される”が設定され、レベル設定メニューmn3における速度レベル設定で“1”が選択されたものとする。そうしてリモコンのENTERキーが押下されれば、制御情報設定部13は、モード設定メニューmn2で設定された情報(この例ではON)、レベル設定メニューで設定された速度レベル(この例では速度レベルが1)を読み込む。その結果、プレーヤ設定レジスタ2bに記憶されるプレーヤ設定情報の再生速度自動制御がONに設定されて、AVストリームの自動制御が許可される。一方、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度レベルが“1”に設定される。
(タイマ管理部14)
タイマ管理部14は、再生装置が備えるタイマを管理する。ユーザからアプリケーションの操作入力を操作受付部112にて受け付けた際、このタイマでの計時を開始させる。そしてタイマが所定時間(例えば30秒)の計時を完了すれば、タイムアウトの通知を行う。具体的には、再生速度指示部12からタイマの計測開始を指示するメッセージを受け取ると、タイマでの計時を開始して、所定時間(この例では30秒)が経過すると、再生速度指示部12にタイムアウトのメッセージを通知する。
タイマ管理部14はタイマの計測開始を指示するメッセージを受け取ったのち、所定時間(この例では30秒)以内に再度、タイマの計測開始を指示するメッセージを受け取った場合、タイマ管理部14は、タイマの計測をリセットし、再度計測を行うようにする。上述したように、所定の時間内に、タイマの継続開始を指示するメッセージを受け取ったということは、ユーザが継続してアプリケーションの操作入力を行っている状態であると考えられるので、この場合、タイマ継続のリセットを行えば、操作のタイミングを逸する事態がより少なくなる。
上述したようなAV再生の速度制御の実装面を考えると、図6に示すようなBD-Jアプリケーションを実行する装置のプレーヤ標準モデルには、ユーザが何等かの操作を行うことによりユーザイベントが発生した際、このユーザイベントを、アプリケーションに出力すべきかどうかを判定して、もし出力すべきであるなら、かかるアプリケーションに、キーイベントを出力するというモジュール(ユーザイベントマネージャ9)が存在する。
以上の機能的な構成要素の実装は、図11〜図14のフローチャートに示される処理をコンピュータ記述言語で記述して、CPUに実行させることでなされる。以降、これらのフローチャートを参照して、上述したような機能的構成要素を実現するための処理手順を述べる。図11は、再生制御エンジン2におけるメインルーチンにあたる処理手順を記述したフローチャートである。
ステップS1において操作受付部112は、ユーザによるリモコンからの操作入力を受信待ち状態になっている。操作入力があれば、ステップS1がYesとなってステップS2に移行する。ステップS2は、受信した操作入力が再生制御要求(再生、一時停止など)であるかどうかの判定である。ステップS2がYesであれば、ユーザから要求された再生速度での再生を指示する(ステップS3)。つまりストリームデコーダ105に、入力されたストリームをデコードしてビデオデータ、オーディオデータの分離を行わせ、ビデオデータ、オーディオデータをAVデコーダ106に出力する(ステップS4)。
BD-ROMから読み出されたクラスファイルは、実行可能なコードに変換され、ヒープメモリ5に記憶される。Java(TM)仮想マシン4は、ヒープメモリ5に記憶されたアプリケーションプログラムを起動し、実行可能なコードを解釈実行し、必要に応じてグラフィックス画像を生成して出力する。AVデコーダ106は、AVストリームに含まれるビデオデータを、オーディオデータと同期をとりながら復号し、オーディオデータの復号音声をスピーカーに出力し、ビデオデータの復号映像をディスプレイに出力する(ステップS5)。その後、ステップS1における受信待ち状態に戻る。
ステップS2がNoであれば、動作状態判定部11に、受信したキーイベントを通知して(ステップS6)、動作状態判定処理を行わせ(ステップS7)、その結果に応じて、処理の分岐を行う。この動作状態得判定処理は、AV再生中である場合であるかどうか、受け取ったキーイベントがタイトルの再生区間中に実行が可能なアプリケーションを操作するためのものであるかどうかを判定するものである。再生装置の状態がAV再生中で、押下されたのが方向キー、ENTERキーであるなら、再生速度指示処理(ステップS8)を実行してステップS4に移行する。
非再生中で、押下されたのがセットアップメニューを呼び出すメニューキーであるなら、セットアップメニュー処理(ステップS9)を実行した上で、ステップS1における受信待ち状態に戻る。AV再生中であっても、通知を受けたキーイベントがアプリケーション操作に関するキーイベントではなく、メニューキーでもない場合、通知を受けたキーイベントを廃棄し(ステップS10)、ステップS1における受信待ち状態に戻る。
図12は、動作状態判定処理の処理手順を示すフローチャートである。操作入力に対応するキーイベントを受け取ると、ステップS12において、プレーヤ状態レジスタ2a2aにおけるプレーヤ状態情報からプレーヤ状態情報を読み出して取得して、ステップS13においてプレーヤ状態情報内のカレントタイトル番号、カレントチャプター番号が有効な番号であるか、又は無効な番号であるかを調べる。
カレントタイトル番号が有効な番号であれば、ステップS13からステップS14に移行する。
ステップS14は、受け取ったキーイベントがアプリケーションの操作に関するキー(例えば方向キーまたはENTERキーなど)であるかどうかを判定する判定ステップであり、本ステップがYesであれば、再生速度指示部12に受け取ったキーイベントを通知した上で(ステップS15)、メインフロ−チャ−トにリターンする。ステップS14において、受け取ったキーイベントがアプリケーションの操作に関するキーでないと判定した場合は、受け取ったキーイベントを廃棄(ステップS16)し、メインフロ−チャ−トにリターンする。
ステップS13において、カレントタイトル番号、カレントチャプター番号が無効な番号である場合、操作受付部112より受け取ったキーイベントを制御情報設定部13に通知して(ステップS17)、メインフロ−チャ−トにリターンする。
図13は、再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS21は、動作状態判定部11からのメッセージが、動作状態判定部11からのキーイベントの通知であるか、タイムアウト通知であるか否かの判定である。
受け取ったメッセージが動作状態判定部11からのキーイベントの通知である場合、プレーヤ設定情報を取得して(ステップS22)、ステップS23に移行する。ステップS23は、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるプレーヤ設定情報では、自動速度制御が許可されているかどうか(つまり、ONまたはOFFのいずれであるのか)の判定である。ステップS23がYesなら、ステップS24〜ステップS26の処理を実行する。自動速度制御が許可されておらず(OFF)、ステップS23がNoなら、ステップS24〜ステップS26の処理をスキップする。
ステップS24は、プレーヤ設定情報203における速度レベルが0であるか否かの判定である。Yesであれば、再生制御部110に一時停止を指示する(ステップS26)。Noであれば、速度レベルに応じた再生速度での再生(スロー再生)を指示する(ステップS27)。
例えば、速度レベル“1”が通常再生に比べ非常に遅く、速度レベル“5”はやや遅いなどのように再生速度を5段階で調節することができる。
以上の処理の後、タイマ管理部14にタイマによる所定時間の計測の開始を指示するメッセージを通知して(ステップS28)。その後、メインルーチンにリターンする。
続いて、ステップS21においてタイムアウト通知を受信した場合について説明する。このタイムアウト通知は、タイマ管理部14からの最後のキー入力から所定時間(この例では30秒)が経過したことを示すものである。受け取ったメッセージがタイマ管理部14からのタイムアウト通知であれば、再生エンジン1に通常速度で再生するよう指示して(ステップS29)、メインルーチンにリターンする。
図14は、図4にて説明した制御情報設定処理の処理手順を示すフローチャートである。
本フローチャートは、3つの判定ステップを含み、これらの判定ステップの判定結果の組合せで、実行すべき処理が切り替わる構成になっている。
ステップS31は、キーイベントの種類がセットアップキーかどうかの判定であり、ステップS32は、セットアップメニューの表示中かどうかの判定である。ステップS33は、キーイベントの種類が、ENTERキー又は方向キーであるかの判定である。
方向キーは、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2を操作するものであり、ENTERキーは、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2における設定を、プレーヤ設定情報203に格納させるものである。
つまり、ディスプレイにアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2が表示されていれば、発生したキーイベントが、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2を操作するものかどうか、又は、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2における設定を、プレーヤ設定レジスタ2bに格納させるものなのかどうかがこのステップS33にて判定されることになる。
ステップS31がYesであれば、ステップS34においてセットアップメニューを表示する。この際、図9で示したようなアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2が表示される。図9のアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2は、例えば、速度自動制御の設定画面と速度レベルの設定画面とを有するものであり、速度自動制御でONを設定したとき、速度レベル設定画面が表示され、速度レベルの設定が可能となるように構されている。
ステップS31でNo、ステップS32がYes、ステップS33で“キーイベントの種類=ENTERキー”と判定されれば、ステップS35においてセットアップメニューにて設定された設定情報をプレーヤ設定レジスタ2bに書き込み、ステップS36においてセットアップメニューを閉じる。その後、メインルーチンにリターンする
ステップS32がYes、ステップS33で“キーイベントの種類=方向キー”と判定されれば、セットアップメニューにおけるフォーカス状態を、方向キーイベントに示される方向に移動する(ステップS37)。その後、メインルーチンにリターンする。
図9におけるモード設定メニューmn2の表示中であると、ENTERキーが押下されることで、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるプレーヤ設定情報内の速度自動制御にON(許可)が格納され、速度レベルに1が格納されることになる。この上で、メインルーチンにリターンする。
ステップS32がNoであれば、ステップS38においてキーイベントを廃棄した上でメインルーチンにリターンする。
以上のように本実施形態によれば、AVストリームの再生中に、並行して動作するようなアプリケーションを、ユーザ操作に応じて起動する場合、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるプレーヤ設定情報内の速度自動制御がON(許可)であれば、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度レベルに設定された速度レベルに従ってAVストリームの再生速度を通常再生よりも遅い再生速度にて再生するか、またはAVストリームをポーズさせるので、インタラクティブなアプリケーションを操作するユーザに、操作するための時間をより長く与えることができるようになる。そのためAV再生中における、通常速度での再生時間が極短い場合であっても、AV再生と同期して実行されるアプリケーションに対する操作期間が確保されることになる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、制御情報設定部13を、再生装置に組込まれた組込み型のプログラムとして説明した。本実施形態は、この制御情報設定部13をBD-ROM100から供給する改良に関する。
本実施形態において、説明の題材にとりあげるアプリケーションの仕様について説明する。図15(a)は、インタラクティブアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。インタラクティブアプリケーションは、方向キーの押下時には、方向キーに対応するキーイベントに対応する処理を実行するものである。このキーイベント処理により、ディスプレイ内の映像フレーム中にポインタp1が表示され、映像フレームに表示されている映像の中から選択可能な映像が選択される。こういった、ポインタp1を用いた映像の操作が可能になる。そして、このポインタp1を用いて映像フレーム中の物体像をクリックすることができる。本図では、物体像としてF1マシンが描かれている。このF1マシンがクリックされることで、情報画面p3がポップアップ表示される。この情報画面は、映像フレーム中の物体像のうち、クリックされた部位の解説を示す。本図の場合、F1マシンのタイヤ部位がクリックされたので、F1マシンのスペックとして、その部位の細目が表示される。この例では、タイヤのメーカ名(Stonebridge)が表示される。
オンラインショッピングアプリケーションのアプリケーションプログラムは、リモコンにおいて、特定の役割が与えられている赤色のキーを押下されれば、起動されて、オンラインでのチケットを購入を可能とせしめる。つまり、本実施形態におけるオンラインショッピングアプリケーションは、リモコンにおけるキーのうち、特定の役割をもったものが押下された際、起動するような仕様になっている。図15(b)は、オンラインショッピングアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。本図における映像フレームは、チケットを購入できるオンラインショッピングアプリケーションの購入画面p2を含む。この購入画面p2は、オンラインショッピングアプリケーションの事業主体の表示(=Ticket Store=)、商品の表示(xxx.Ticket)、価格の表示(Price:$500.00)、商品購入を受け付けるためのボタン(Buy)を含む。こうした購入画面p2を表示させるにあたっては、第1実施形態同様、AVストリームの再生速度を制御するのが望ましい。
図16は、第2実施形態に係るJARファイルの内部構成を示す図である。本図は、図2(a)をベースとして作図されており、本図におけるハッチングは、このベースとなる内部構成に対して異なる部分を強調して示している。つまり、再生速度指示アプリケーション12aのクラスファイルが記録されている点と、この再生速度指示アプリケーション12aを起動するためのキーイベントを選別するイベントリスナ15がインタラクティブアプリケーションのクラスファイルに存在する点とが、本実施形態特有の改良になる。
図17は、第2実施形態における、クラスファイルのインスタンスが生成された際、このインスタンスがどのように動作するかを示す図である。本図は、図6をベースとして作図されており、このベースとなるレイヤモデルのうち、ヒープメモリ5の内部に、再生速度指示アプリケーション12aを記述している。また再生制御エンジン2の内部に、プレーヤ状態レジスタ2a、プレーヤ設定レジスタ2b、動作状態判定部11、再生速度指示部12、タイマ管理部14を書き加えている。以降、新規な構成要素たるイベントリスナ15、再生速度指示アプリケーション12aについて説明する。
(イベントリスナ15)
イベントリスナ15は、キーイベント予約情報を保持している。キーイベント予約情報とは、アプリケーションが受付可能なキーイベントのうち、再生速度の変更を併せて行うものはどれであるかを示す情報であり、再生速度の変更を併せて行うキーイベントを操作受付部112から受け取ると、受け取ったキーイベントに対応する処理をアプリケーションに実行させるとともに、再生速度の制御を再生速度指示アプリケーション12aへ指示する。逆に、速度変更が不要なキーイベントを受け取ると、受け取ったキーイベントに対応する処理をアプリケーションを実行させ、再生速度指示アプリケーション12aへの指示は行わない。
(再生速度指示アプリケーション12a)
再生速度指示アプリケーション12aは、受け取った再生速度の制御の指示を受け取ると、指示に従い再生速度を制御するように再生エンジン1へ指示する。再生速度指示アプリケーション12aは、BD-ROM100のクラスファイルからBD-Jモジュール3に供給され、BD-Jモジュール3上で動作するので、再生速度指示アプリケーション12aは、再生制御エンジン2内のプレーヤ状態レジスタ2aからカレントタイトル番号、カレントチャプター番号を読み出し、再生制御エンジン2のプレーヤ設定レジスタ2bから速度自動制御、速度レベルを読み出す。また再生制御エンジン2内のタイマ管理部14に対して計時開始を指示し、タイマ管理部14からタイムアウトの通知を受ける。
図18は、第2実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。本図は、図11のフローチャートをベースとして作図されており、このベースとなるフローチャートと同一のステップについては、同一の参照符号を付している。
ステップS1は、ユーザによるリモコンからの操作入力を受信待ちステップである。操作入力があれば、ステップS1がYesとなってステップS2に移行する。ステップS2は、受信した操作入力が再生制御要求(再生、一時停止など)であるかどうかの判定である。ステップS2がYesであれば、ユーザから要求された再生速度での再生を指示して(ステップS3)、ステップS4に移行する。
ステップS2がNoであれば、受信したキーイベントをアプリケーションに通知して(ステップS41)、再生速度指示処理(ステップS8)を実行してステップS4に移行する。
ステップS4においてストリームデコーダ105は、入力されたストリームをデコードしてビデオデータ、オーディオデータに分離し、AVデコーダ106に出力する。ステップS5においてアプリケーションプログラムは、必要に応じてグラフィックス画像を生成する。それと共にAVデコーダ106は、ビデオデータとオーディオデータとを同期をとりながら復号する。オーディオデータの復号音声はスピーカーに、ビデオデータの復号映像はディスプレイにそれぞれ出力される。
図19は、再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS51は、アプリケーションによるキーイベントの通知待ちであり、もしキーイベントが通知されれば、イベントリスナに、キーイベントを解析させる(ステップS52)。ステップS53は、キーイベントが速度制御の対象としてキーイベント予約情報に登録されているかどうかの判定であり、ステップS53がNo(未登録)であるなら、ステップS54をスキップしてステップS55に移行する。
ステップS54がYes(登録有)であるなら、再生速度の指示を行った上で(ステップS54)、アプリケーションにキーイベントに応じた処理を行わせ(ステップS55)、メインルーチンにリターンする
次に、AVストリーム再生中にユーザがインタラクティブなアプリケーションプログラムを操作した場合の例について説明する。
赤色のキーが押下されると、イベントリスナは、受け取ったキーイベントに対応する処理、つまり、表示画面に購入画面p2を表示する処理を実行する。それと共に、このキーイベントが再生速度制御の対象キーであると判定し、再生速度指示アプリケーション12aに、再生中のAVストリームの再生を制御するよう指示する。再生速度指示アプリケーション12aは、この指示を受けてAV再生中をポーズした状態で表示するよう再生エンジン1に指示する。
再生エンジン1は、ポーズの指示を受けると再生中のAVストリームが一時停止した状態で表示されるとともに、購入画面p2が映像フレームに重ねて表示される。この状態を示したのが図15(b)である。この状態でユーザが所定の処理を行い、購入処理をした後、購入画面p2が閉じられた後、AV再生を通常速度に戻す。
以上のように本実施形態によれば、イベントリスナ15を有したアプリケーションと、再生速度指示アプリケーション12aとを作成し、そのクラスファイルをBD-ROM100に記録しておくことで、操作入力に応じて、アプリケーションプログラムを起動できるようになる。こうすることで、ユーザが特定のキーを押下したとき等、AVストリーム作成者側が意図するアプリケーションプログラムを意図したタイミングにおいて、意図する再生速度でAVストリームを再生することができる。
再生速度指示アプリケーション12aを生成するようなライブラリィを、再生装置のメーカーが、AVストリームプロバイダに提供することにより、第1実施形態で説明したような再生速度指示部13と同様の機能を再生装置に行わせることができる。こうすることで、再生速度指示部13のプログラムが組込プログラムとして組込まれていない、旧製品の再生装置に対しも、第1実施形態同様の処理を実現させることができる。
(第3実施形態)
第2実施形態は、速度制御のためのアプリケーションを記録媒体から供給する改良であったが、本実施形態は、速度制御のための情報を、AVストリームの内部に組み込んでおく改良に関する。図20は、速度制御のための情報が組み込まれたAVストリームを示す図である。本図の上側には、BD-ROMにおいてYYYYY.M2TSというファイル名で格納されているAVストリームが配置されている。このAVストリームには、ハッチング部に示すように、ストリームテーブル情報が組込まれている。引き出し線y51は、ストリームテーブル情報の構成をクローズアップしている。引き出し線h1に示すようにストリームテーブル情報は、「セクション制御情報」、「ストリーム制御情報」からなる。
引出線y52は、「セクション制御情報」の内部構成をクローズアップしている。この引出線に示すように、セクション制御情報は、AVストリームにおけるセクション種別(図中では“8”に設定)、セクション識別子(図中では“16”に設定)、セクション番号(図中では“1”に設定)からなる。
引出線y53は、「ストリーム制御情報」の内部構成をクローズアップしている。引出線に示すように、ストリーム制御情報は、ストリーム種別(図中では“2”)、プログラム種別(図中では“150”)、速度制御情報の数(図中では“1”)、速度制御情報からなる。引出線y54は、速度制御情報の内部構成をクローズアップしている。引出線に示すように、速度制御情報は、開始時間情報(図中では、“2:24:43.09”)、終了時間情報(図中では“2:34:43.09”)、速度情報(図中では“5”)に設定されている。
以上が、本実施形態におけるBD-ROM側の改良についての説明である。続いて、再生装置側の改良について説明する。
図21は、第1実施形態に示した再生装置の内部構成のうち、本実施形態の改良に深く係る部分(ストリームデコーダ105、再生制御エンジン2、制御情報設定部13)を描いた図である。
以降、これらの改良部分について説明する。
ストリームデコーダ105は、AVストリームからストリーム制御情報を分離して、制御情報設定部13に引き渡す。
制御情報設定部13は、ストリームデコーダ105から引き渡されたストリーム制御情報内の速度制御情報を、速度レベルとしてプレーヤ設定レジスタ2bに書き込む。
以上のストリームデコーダ105、制御情報設定部13により、AVストリーム内の速度制御情報が、プレーヤ設定レジスタ2bに書き込まれることになる。以上が、本実施形態における再生装置の内部構成の改良である。続いて、本実施形態における再生装置の処理手順の改良について説明する。
図22は、第3実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。
ステップS61は、AVストリームからストリーム制御情報が分離されたかどうかを待つ事象待ちステップであり、ストリーム制御情報が分離されれば、ストリーム制御情報における速度制御情報をプレーヤ設定レジスタ2bに書き込んで(ステップS62)、ステップS63に移行する。ステップS63は、その速度制御情報内の開始時間情報と、タイマの時刻とが一致するという事象の成立を待つ事象成立待ちステップである。もし一致すれば、プレーヤ設定レジスタ2bから速度情報を取得して、その速度での再生を行い(ステップS64)、ストリームデコーダ105に、ストリームの分離及び出力を行わせる(ステップS65)。そして、AVデコーダ106によるAV再生と、アプリケーションGUIとをそれぞれ出力する(ステップS66)。
ステップS67は、速度制御情報内の終了時間情報と、タイマの時刻とが一致するという事象の成立を待つ事象成立待ちステップである。もし一致すれば、通常の再生速度での再生を行わせ(ステップS68)、ストリームデコーダ105に、ストリームの分離及び出力を行わせる(ステップS69)。そして、AVデコーダ106によるAV再生と、アプリケーションGUIとをそれぞれ出力して(ステップS70)、ステップS61に戻る。
以上のように本実施形態によれば、AVストリームに組込まれたストリーム制御情報に基づき、アプリケーションの動作速度の調整を実現するので、より細かな時間精度での速度制御を実現することができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態に述べたAV再生をどのように実現するかを述べる実施形態である。図23は、第4実施形態に係る動作モードオブジェクト(BD-Jオブジェクト)の内部構成を示す図である。本図は、図2(b)をベースとして作図されており、このベースとなる構成と比較して、BD-JオブジェクトにAccessbleプレイリストテーブルが存在する点が異なる。Accessbleプレイリストテーブルとは、アプリケーションの生存区間において、各アプリケーション実行と同時に行うべき再生制御を示すテーブルである。アプリケーションの動作というのは不安定であり、起動の失敗や異常終了がありうる。そこで起動失敗、異常終了があった場合のFail Safe機構として、本実施形態ではアプリケーションの生存区間毎に、Accessbleプレイリストテーブルを設けている。Accessbleプレイリストテーブルは、あるアプリケーションの生存区間が開始した際、これと同時に行うべき再生制御を規定する情報である。この再生制御とは、プレイリスト情報に基づくAVストリーム再生であり、プレイリスト情報による再生制御を再生エンジン1に実行させることで、アプリケーション実行と、プレイリスト再生とが同時になされることになる。
本実施形態でのAV再生は、動作モードオブジェクトのAccessbleプレイリストテーブルで指定されたプレイリスト情報に基づきなされるので、再生速度指示部12又は再生速度指示アプリケーション12aにより指示される速度レベルが、通常の再生速度よりも低い速度を意味するものである場合、AVストリームの再生時間長が長くなり、それに伴いタイトルの時間長も長くなる。こうして、速度レベルの指示を通じて、間接的にタイトルの時間長を長くすることで、アプリケーションの動作期間を長くすることができ、GUIに対して、操作を行いうる余裕を作り出すことができる。
(備考)
以上、本願の出願時点において、出願人が知り得る最良の実施形態について説明したが、以下に示す技術的トピックについては、更なる改良や変更実施を加えることができる。各実施形態に示した通り実施するか、これらの改良・変更を施すか否かは、何れも任意的であり、実施する者の主観によることは留意されたい。
(アプリケーションシグナリングの単位)
各実施形態では、BD-ROMにおけるタイトルを生存区間としてアプリケーションシグナリングをアプリケーションマネージャ8に実現させたが、オーディオストリームをスロー再生にすることで、その生存区間が長くなるものであれば、タイトル以外の再生単位でアプリケーションシグナリングを実現してもよい。例えば、デジタル放送規格におけるサービスを生存区間としてアプリケーションシグナリングを実現してもよい。また、プレイリストやチャプターという単位でもアプリケーションシグナリングを実現してもよい。
(プレーヤ情報テーブルの形式)
プレーヤ設定レジスタにおけるプレーヤ情報テーブルの形式は、第1実施形態に示した形式のデータに限定される必要は無く、記録媒体に記録されたAVストリーム再生に関する情報を、プレーヤ設定レジスタに格納できる形式のデータであればどのような形式であってもよい。
同様に、プレーヤ設定情報の形式は、第1実施形態に示した形式のデータに限定される必要は無く、再生装置100に設定されている情報をプレーヤ設定レジスタ2b(例えばレジスタ)内に格納できるものであればどのような形式のデータであってもよい。
(AV再生中状態の判定基準)
AV再生中状態とは、早送り等の特殊再生をしている状態を含むとしてもよい。この場合、再生速度指示処理中の中で、タイマ管理部からタイムアウトが通知されれば、特殊再生に戻るような動作を行ってもよい。
(速度レベル)
本実施の形態においては、速度レベルを0〜5までの6段階としたものを例に説明をしたが、これ限られず、何段階にしてもよい。
ま本実施の形態においては、速度レベルが“0”の場合を一時停止としたが、これに限られず、例えば速度レベルが“5”である場合を一時停止としてもよい。つまり、設定可能な速度レベルのうちのいずれかの速度レベルが一時停止となるように対応付けられていれば良い。
(システムLSI化)
図5に示したハードウェアの構成要素のうち、ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、RAM108、ROM109、CPU110、操作受付部112のみを1つのシステムLSIとして構成してもよい。このROM109の中には、図10に示したソフトウェア要素のうち、再生エンジン1、再生制御エンジン2内の動作状態判定部11、再生速度指示部12が存在する。図24は、ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、RAM108、ROM109、CPU110、操作受付部112を組込んだシステムLSIを模式的に示す図である。
システムLSIとは、高密度基板上にベアチップを実装し、パッケージングしたものをいう。複数個のベアチップを高密度基板上に実装し、パッケージングすることにより、あたかも1つのLSIのような外形構造を複数個のベアチップに持たせたものも、システムLSIに含まれる(このようなシステムLSIは、マルチチップモジュールと呼ばれる。)。
ここでパッケージの種別に着目するとシステムLSIには、QFP(クッド フラッド アレイ)、PGA(ピン グリッド アレイ)という種別がある。QFPは、パッケージの四側面にピンが取り付けられたシステムLSIである。PGAは、底面全体に、多くのピンが取り付けられたシステムLSIである。
これらのピンは、他の回路とのインターフェイスとしての役割を担っている。システムLSIにおけるピンには、こうしたインターフェイスの役割が存在するので、システムLSIにおけるこれらのピンに、他の回路を接続することにより、システムLSIは、再生装置の中核としての役割を果たす。
かかるシステムLSIは、再生装置は勿論のこと、TVやゲーム、パソコン、ワンセグ携帯等、映像再生を扱う様々な機器に組込みが可能であり、本発明の用途を多いに広げることができる。図25は、再生装置に対する、システムLSIの組み込み方を示す図である。
上述したようなシステムLSIは、再生装置の機能を実現するものなので、システムLSIは、Uniphierアーキテクチャに準拠させるのが望ましい。
Uniphierアーキテクチャに準拠したシステムLSIは、以下の回路ブロックから構成される。
・データ並列プロセッサDPP
これは、複数の要素プロセッサが同一動作するSIMD型プロセッサであり、各要素プロセッサに内蔵されている演算器を、1つの命令で同時動作させることで、ピクチャを構成する複数画素に対するデコード処理の並列化を図る。
・命令並列プロセッサIPP
これは、命令RAM、命令キャッシュ、データRAM、データキャッシュからなる「Local Memory Contoroller」、命令フェッチ部、デコーダ、実行ユニット、レジスタファイルからなる「Processing Unit部」、複数アプリケーションの並列実行をProcessing Unit部に行わせる「Virtual Multi Processor Unit部」で構成される。
・CPUブロック
これは、ARMコア、外部バスインターフェイス(Bus Control Unit:BCU)、DMAコントローラ、タイマー、ベクタ割込コントローラといった周辺回路、UART、GPIO(General Purpose Input Output)、同期シリアルインターフェイスなどの周辺インターフェイスで構成される。先に述べたコントローラは、このCPUブロックとしてシステムLSIに実装される。
・ストリームI/Oブロック
これは、USBインターフェイスやATA Packetインターフェイスを介して、外部バス上に接続されたドライブ装置、ハードディスクドライブ装置、SDメモリカードドライブ装置とのデータ入出力を行う。
・AVI/Oブロック
これは、オーディオ入出力、ビデオ入出力、OSDコントローラで構成され、テレビ、AVアンプとのデータ入出力を行う。
・メモリ制御ブロック
これは、外部バスを介して接続されたSD-RAMの読み書きを実現するブロックであり、各ブロック間の内部接続を制御する内部バス接続部、システムLSI外部に接続されたSD-RAMとのデータ転送を行うアクセス制御部、各ブロックからのSD-RAMのアクセス要求を調整するアクセススケジュール部からなる。
具体的な生産手順の詳細は以下のものになる。まず各実施形態に示した構成図を基に、システムLSIとすべき部分の回路図を作成し、回路素子やIC,LSIを用いて、構成図における構成要素を具現化する。
そうして、各構成要素を具現化してゆけば、回路素子やIC,LSI間を接続するバスやその周辺回路、外部とのインターフェイス等を規定する。更には、接続線、電源ライン、グランドライン、クロック信号線等も規定してゆく。この規定にあたって、LSIのスペックを考慮して各構成要素の動作タイミングを調整したり、各構成要素に必要なバンド幅を保証する等の調整を加えながら、回路図を完成させてゆく。
回路図が完成すれば、実装設計を行う。実装設計とは、回路設計によって作成された回路図上の部品(回路素子やIC,LSI)を基板上のどこへ配置するか、あるいは、回路図上の接続線を、基板上にどのように配線するかを決定する基板レイアウトの作成作業である。
こうして実装設計が行われ、基板上のレイアウトが確定すれば、実装設計結果をCAMデータに変換して、NC工作機械等の設備に出力する。NC工作機械は、このCAMデータを基に、SoC実装やSiP実装を行う。SoC(System on chip)実装とは、1チップ上に複数の回路を焼き付ける技術である。SiP(System in Package)実装とは、複数チップを樹脂等で1パッケージにする技術である。以上の過程を経て、本発明に係るシステムLSIは、各実施形態に示した再生装置の内部構成図を基に作ることができる。
尚、上述のようにして生成される集積回路は、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
FPGAを用いてシステムLSIを実現した場合は、多数のロジックエレメントが格子状に配置されており、LUT(Look Up Table)に記載されている入出力の組合せに基づき、縦・横の配線をつなぐことにより、各実施形態に示したハードウェア構成を実現することができる。LUTは、SRAMに記憶されており、かかるSRAMの内容は、電源断により消滅するので、かかるFPGAの利用時には、コンフィグ情報の定義により、各実施形態に示したハードウェア構成を実現するLUTを、SRAMに書き込むませる必要がある。
(ディレクトリ構成)
HDD102、メモリカードドライブ103は、Java(TM) IO Packageからのメソッドを用いることにより、アクセスすることができるローカルストレージであってもよい。HDD102、メモリカードドライブ103をローカルストレージとして構成することにより、HDD102、メモリカードドライブ103は、いわゆるバーチャルパッケージを構成することになる。
ここでローカルストレージは、複数のドメイン領域を有する。ここでドメイン領域とは、BD-ROMに固有なディスクルート証明書に対応するディレクトリのことであり、これらのディレクトリの配下に、組織毎のディレクトリを格納するというものである。
ディスクルート証明書とは、このBD-ROMを作成した作成者が、ルート認証局から配布を受けたルート証明書を、BD-ROMに割り当てたものである。ディスクルート証明書はたとえばX.509の形式で符号されている。X.509の仕様は国際電信電話諮問委員会より発行されており、CCITT Recommendation X.509 (1988), "The Directory - Authentication Framework"に記載されている。
組織のアプリケーション毎のディレクトリは、MHPのものと同じである。つまりローカルストレージでは、MHPに規定された各組織のアプリケーション毎のディレクトリを、ルート証明書に対応したディレクトリの配下に配置した構成になっている。こうすることで、MHPの格納方式と、互換を維持することができる。ここでローカルストレージのディレクトリ構成をアクセスするためのファイルパスのうち、ルート証明書に対応した部分までを、"ローカルストレージルート"という。
そして、BD-ROMにおけるディスクルート証明書に対応するディレクトリから、ローカルストレージルートを用いてクラスファイルを読み出し、このクラスファイルに基づきクラスオブジェクトを生成して、Java(TM)仮想マシン4による実行に供するのが望ましい。
またBD-ROM、ローカルストレージの記録内容は、Advancend Access Content System(AACS)にて暗号化され、署名情報が付されて、利用権限が、パーミッションファイルに規定されているのが望ましい。
例えば、ファイルパス「/Persistent/1/1/streams/に、所望のファイルが存在するか否かの確認は、java(TM).ioのexits()メソッドを用いることで行われる。所望のファイルがO.m2tsである場合の、
(TM).ioのexits()メソッドの用例を以下に示す。
例:
new java(TM).io.File("/Persistent/1/1/streams/0.m2ts").exists();
(アプリケーションキャッシュ6への格納)
各実施形態で説明した動作モードオブジェクトであるBD-Jオブジェクトに、キャッシュ管理情報を含ませておき、このキャッシュ管理情報に基づき、アプリケーションキャッシュ6への格納を行わせるのが望ましい。キャッシュ管理情報は、BD-Jオブジェクトに対応するタイトルがカレントタイトルになった際、当該タイトルにおけるAV再生が開始されるまでに、どのアプリケーションを構成するファイルを、アプリケーションキャッシュ6に読み込むべきかを示すものである。
BD-Jモジュール3は、カレントタイトルの選択があった場合、当該タイトルにおけるAV再生が開始されるまでに、カレントタイトルに対応するBD-Jオブジェクト内のキャッシュ管理情報に示されているファイルを、アプリケーションキャッシュ6に読み込む
またキャッシュ管理情報は、その内部にアプリケーションのそれぞれに対応付けられたエントリーを含む。各エントリーは、対応するアプリケーションをアプリケーションキャッシュ6に読み込ませる旨を再生装置に指示する情報であり、所定の順位が付与されている。BD-Jモジュール3は、その付与された順位がもっとも高いエントリーに対応するアプリケーションを最初にアプリケーションキャッシュ6に読み込み、それ以降、順位が高い順に、残りのエントリーに対応するアプリケーションを、順次アプリケーションキャッシュ6に読み込む。
キャッシュ管理情報に示されているアプリケーションには、グループ属性が付与されているので、ミニマムスタンダードたるメモリ規模に応じたアプリケーション、より大きいメモリ規模の動作環境に応じたアプリケーションのうちどちらかを、再生装置のメモリ規模に応じて、再生装置のアプリケーションキャッシュ6にロードすることができる。かかるロードにより、ミニマムスタンダードでの動作を保証しつつも、オーサリング担当者の制作意欲を如何なく発揮できるような土壌を提供することができる。
アプリケーションキャッシュ6の規模に基づいて、グループ属性をもった複数のアプリケーションのうち1つを排他的にキャッシュに配置するように制御を行うことが可能になり、複数アプリケーションのうち、メモリ規模に応じた唯一のものがアプリケーションキャッシュ6にロードされるので、再生装置のグレードに応じて、より高品位のアプリケーションを動作させることができ、タイトル制作の幅が広がる。
また、個々のエントリーに、当該アプリケーションが属する言語グループを識別するための言語属性をもうけておいてもよい。BD-Jモジュール3は、カレントタイトルの選択があった場合、当該タイトルにおけるAV再生が開始されるまでに、そのカレントタイトルに対応するBD-Jオブジェクト内のキャッシュ管理情報に示されているファイルを、アプリケーションキャッシュ6に読み込み、様々な言語属性をもつアプリケーションのうち、自身の言語設定にあったものを、アプリケーションキャッシュ6に配置する制御を行う。
(未登録であったイベントの処理)
ユーザイベントマネージャ9は、ユーザ操作に応じてイベントが発生した場合、当該イベントがKeyInterestテーブルにおいて有効とされているか否かを判定して、判定結果が肯定的であるなら、キーイベントをアプリケーションに出力した。ここで、ユーザ操作にて発生したイベントがKeyInterestテーブルに登録されていなかった場合、そのイベントに対応するオペレーションを、再生制御エンジン2に処理させてもよい。
こうすることで、アプリケーションのイベントリスナにイベントの対応漏れや、バグがあったとしても、ユーザイベントマネージャ9により、再生制御エンジン2に対する再生制御が行われることになる。アプリケーションにバグがあったとしても違和感がない制御がなされることは、再生装置側から保証されているので、アプリケーションを開発するソフトハウスは、バグの発生等に躊躇することなく、他社にはない再生制御を実現することができる。
(GUI画面の実現)
各実施形態で述べたGUI画面は、OSD(On Screen Display)イメージデータ、Look Up Tebleから構成するのが望ましい。ここでOSDイメージデータとは、所定ビットのコードが各画素に割り当てられており、それらの所定ビットのコードの設定により画像内容を表現したデータである。この所定ビットのビット長の長さは、画素を描画する際の色数を表す、例えば、この所定ビットが1ビットなら、2色を用いてOSDイメージデータの各画素は着色されることになり、所定ビットが2ビットなら4色を用いて、所定ビットが4ビットなら16色を用いてOSDイメージデータの各画素は着色されることになる。
LUTとは、画素コードのそれぞれに対応した複数のエントリデータを含む。各エントリデータは、OSDにおける一画素に割り当てるべき輝度データと、当該一画素に割り当てるべき赤色差データと、当該一画素に割り当てるべき青色差データと、OSDを表示映像としてどのような割合で混合し、出力するかを示す混合率αとを含む。LUTにおけるそれぞれのエントリデータは、赤、青、緑、黄等の固有色を表現するよう輝度データ、青色差データ、赤色差データの値が設定されており、それぞれの値は互いに異なる。
これらから構成されたGUI画面における対話制御は、以下のような複数のアイテム情報からなるマークアップ情報に基づき実現される。
マークアップ情報における個々のアイテム情報は、GUI画面における個々の選択アイテムに対応するものである。具体的にいうと、対応する選択アイテムにフォーカスが存在する状態において、リモコンに存在する各キーが押下された場合、どの選択アイテムにフォーカスを移動させるかを示す『フォーカス移動先情報』と、対応する選択アイテムがノーマル状態及びフォーカス状態になった際、かかる選択アイテムを、どのような輝度及び色彩のLUTを用いて表示するかを示す『パレット情報』と、対応する選択アイテムの確定時において、再生装置に実行させるべき『コマンド』とからなる。
以上が、GUI画面を実現するためのデータ構造である。一方、記録再生装置における構成としては、複数ライン分の画素データとOSDデータ及びLUTのエントリーを入力し、所定の拡大率と、各データの混合率αとに応じてフィルタリングを行うことにより、映像信号に変換して外部に接続されたテレビ受像器等の表示部に出力する。そして、ユーザ操作と、対話制御情報とに応じて、表示に用いるLUTを変化させることで、アイテム間のフォーカス移動を実現する。
本発明に係る再生装置は、インタラクティブなサービスを提供するアプリケーションプログラムを含むAVストリームを再生する端末に適用でき、映像の再生中に並行して実行が可能なアプリケーションプログラムの操作を容易にし、操作の煩わしさを軽減することができる。
本発明は、AV再生と連動したアプリケーション制御技術の技術分野に属する発明である。
上述したアプリケーション制御技術は、AVストリームのデコード処理と、アプリケーションの実行処理とを並行して実行する技術である。
AV再生との連動を意図したインタラクティブアプリケーションには、映画の本編中の映像や音声と同期したゲームを実現するものや、映画の本編の再生中に電話回線・インターネット等で外部サーバと接続することにより、オンラインショッピングを実現するものがある。インタラクティブアプリケーションを、実行の対象として選ぶことで、再生装置の付加価値は一段と高まる。
こうしたインタラクティブアプリケーションを実行対象とすることで、リモートコントローラ等によってアプリケーションプログラムの操作を行う機会が、従来に比べて増加している。そしてゲームやオンラインショッピングなど多種多様なアプリケーションプログラムを操作するためには、従来に比べてより複雑な操作が要求される。
再生装置における操作性を高める技術として、以下の特許文献1、2に記載された文献公知発明が存在する。
特開2003-134472号公報 特開2002-223408号公報
インタラクティブアプリケーションによるGUIの処理には、AV再生の時間軸において、関連する商品がフレームインしている期間内のみに、有効になるように、作られているものがある。このようなGUIは、オンラインショッピングを行うような事業主体と連携して、コンテンツの映像内容に関連するような商品を販売することを意図している。ここで、GUIにおける操作の対象が、商品購入等、慎重な判断を要するものである場合、かかるGUIに対する処理が有効となる区間がたまたま短く設定されていれば、ユーザの焦燥心をいたずらに煽ることがある。その結果、ユーザは、商品購入の判断を慎重に行うことができず、本心に反して購入を行ったり、また、購入する機会を逸することが多々ある。これらは、何れも消費者トラブルの火種になり得る。
もっとも、商品購入を受け付ける際、購入操作を受け付ける期間を長くするような配慮がアプリケーションの制作者によってなされていれば、上述したような購入に関するトラブルの発生を避けることができる。しかし、再生装置本体は、メーカーにて製造されているのに対して、アプリケーション自身は、ソフトハウスやコンテンツの制作者側で作成されている。そしてそのようなソフトハウス等には、品質に対する意識が低いものが存在する。
再生装置は、様々なアプリケーションを実行するものでなければならず、ユーザに対する操作性が配慮されていないアプリケーションを実行の対象から排除しえない以上、上述したような消費者トラブルの火種を完全に絶つことはできない。
以上のように再生装置は、ユーザに対する配慮に乏しいアプリケーションをも実行の対象から排除しないので、再生装置の製造開発を行うメーカーは、アプリケーションの実行にあたって、アプリケーション側のGUIの作りの巧拙に起因するトラブルに巻き込まれる立場にたたされているといえる。
本発明の目的は、アプリケーションにおける操作性の巧拙を補完することができる再生装置を提供することである。
上記課題を解決するため、本発明にかかる再生装置は、 アプリケーションを実行する実行手段と、
所定の再生速度でAV再生をする再生手段と、
ユーザ操作を受け付ける受付手段と、
制御手段とを備え、
前記制御手段は、前記再生手段によるAV再生中に、前記受付手段がユーザによる操作を受け付けた場合、前記所定の再生速度を、予め定められた速度レベルに対応する速度に変更し、前記受付手段で受け付けたユーザ操作に応じたキーイベントを、前記アプリケーションに出力し、
前記予め定められた速度レベルは、通常の速度レベルより遅い速度レベル、または、AV再生をポーズさせる速度レベルであることを特徴としている。
1.上述した構成において制御手段は、再生装置の状態がAV再生中であれば、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じる。一方、アプリケーションの動作は、AV再生と同期しており、そのAV再生の速度に従って遅くなったり、又は、停止するので、上述したような指示が制御手段によりなされれば、アプリケーションの動作は、遅くなるか、或は、停止することになる。
こうしてアプリケーションの動作を遅くするか、停止した上で、ユーザ操作に応じたキーイベントを、アプリケーションに出力するので、アプリケーションにてなされる対話制御の速度は、AV再生の制御を通じて間接的に調整されたものになる。アプリケーションによる対話制御は、そのような速度調整の上で実現されるので、商品を購入するかどうか、慎重に検討する心理的余裕がユーザに生まれる。
慎重な判断を促すような心理的余裕を、ユーザに与えるので、再生装置を開発するメーカーは、商品購入に関するトラブル発生に巻き込まれることがなくなる。
このように、たとえアプリケーションにおけるGUIの作りが、ユーザに対する配慮を欠いたものであっても、アプリケーション側のGUIの巧拙を、アプリケーションのプラットフォームたる再生装置側から補完するので、アプリケーション側のGUIの巧拙に左右されない、安定したユーザ操作を実現することができる。
2.また再生装置は、ユーザによるセットアップ設定を受け付けるセットアップ手段を備え、前記再生速度レベルは、通常の速度レベルより低い速度レベル、及び、AV再生をポーズさせる速度レベルを含んでいる。
アプリケーションの操作性を補完するという機能は、通常の速度レベルより低い速度レベル、及び、AV再生をポーズさせる速度レベルを、ユーザがセットアップ時にまたは再生装置に予め設定することで実現されることになる。ある一定の速度レベルで、AV再生を行わせるという機能は、BD-ROM再生装置が一般的に具備しているものなので、アプリケーションの操作性の補完のための再生装置に対する改良は極僅かなものとなる。
3.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記実行手段は、再生手段が、予め定められた速度レベルで再生を行ったとしても、アプリケーションの実行速度を維持する。
AV再生がスローにされたとしても、実行手段は、AV再生と同様のスローな動作を行うことはない。通常の動作速度にて、アプリケーションを実行する。こうすることで、ユーザからの入力に対する応答性を高くすることができる。
4.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記セットアップ手段は、セットアップ操作の受け付け時において、0(ゼロ)から、Nまでの数値入力を受け付け、通常の速度レベルより低い速度レベルとは、1からNまでの数値によって表現され、AV再生をポーズさせる速度レベルとは、0の数値によって表現され、前記速度レベルは、速度レベルに対応する数値を再入力することで、変更可能となる。
本発明にかかる再生装置の特定に、上述したような技術的事項が追加されることにより、AV再生の速度レベルの入力及び変更は、0からNまでの任意の整数を入力することで可能となるので、アプリケーションの操作性補完のための特別な手間を、ユーザが払うことはない。
5.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記再生装置は、タイマと、前記タイマを管理するタイマ管理部を備え、前記タイマ管理部は、前記タイマを用いて、ユーザからの操作入力を受け取ってからの経過時間を計測し、計測した経過時間が所定時間になると、タイムアウトの通知を行い、制御手段による所定の速度レベルでのAV再生は、前記タイマ管理部からのタイムアウト通知により解除される。
本発明にかかる再生装置の特定に、上述したような技術的事項が追加されることにより、アプリケーションの操作性補完と、所定の速度レベルでのAV再生は、ある一定の時間が経過すれば、自動的に解除される。よってかかる補完機能の導入によりユーザの手間が、余計に増えることはない。
6.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記再生装置は、プレーヤ状態レジスタを備え、プレーヤ状態レジスタは、現在の再生時点に関するパラメータを格納しており、前記再生装置は、受付手段がユーザ操作を受け付けた際、プレーヤ状態レジスタにおけるパラメータを参照することで、その受け付け時点における再生装置の状態が、AV再生中であるか否かの判定を行う状態判定手段を備え、制御手段が所定の速度レベルでのAV再生を再生手段に命じるのは、状態判定手段がAV再生中であると判定した場合のみである。
プレーヤ状態レジスタは、BD-ROM再生装置が一般的に具備している構成要素であり、アプリケーションの操作性補完は、かかるプレーヤ状態レジスタを参照して、再生装置がAV再生中であることを確認してから行うので、既存のBD-ROM再生装置に対して、大きな改変を加えることなく、アプリケーションの操作性補完を実現することができる。
7.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記アプリケーションは、イベントリスナを備え、イベントリスナには、複数のキーイベントのうち、速度制御の対象となるものが予め登録されており、予め定められた速度レベルでのAV再生は、受付手段が受け付けたキーイベントが速度制御の対象となるものとして、予め登録されている場合のみなされる。
イベントリスナには、複数のキーイベントのうち、速度制御の対象となるものが予め登録されているので、例えば、リモコンの特別なキーが押された場合に、所望のアプリケーションを起動しつつも、所定の速度レベルでのAV再生を実現するという、連携動作が可能になる。特別キーを押下するというワンアクションで、アプリケーション起動と、所定の速度レベルでのAV再生とを同時に実行することができるので、アプリケーションの使い勝手が更に高まる。
8.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記実行手段は、記録媒体に記録されたクラスファイルからインスタンスを生成することで、アプリケーションの実行を行い、前記記録媒体には、再生速度指示プログラムのクラスファイルが記録されており、予め定められた速度レベルでのAV再生とは、再生速度指示プログラムにより指示される速度にて、再生を行うことである。
アプリケーションの操作性を高めるため都合が良い速度レベルを、再生速度指示プログラムは指示するので、アプリケーションの作り手は、どの速度レベルでの再生が望ましいかを、再生装置に対して予め指定しておくことができる。
9.10.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
再生手段によるAV再生の対象は、記録媒体に記録されたデジタルストリームであり、前記デジタルストリームは速度制御情報を有しており、予め定められた速度レベルとは、速度制御情報にて規定された速度レベルである。
速度制御情報は、開始時間及び終了時間を示し、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じるのは、再生装置の状態がAV再生中であって、現在の再生時点が、速度制御情報に示される開始時間に到達した時点以降であり、前記再生手段が、予め定められた速度レベルでのAV再生の終了を再生手段に命じるのは、再生装置の状態がAV再生中であって、現在の再生時点が、速度制御情報に示される終了時間に到達した時点以降である。
デジタルストリーム内に存在する速度制御情報に基づき、アプリケーションの操作性補完を実行するので、デジタルストリームの再生と緻密に同期した、補完を実現することができる。
11.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記AV再生の対象は、記録媒体に記録されたタイトルであり、前記記録媒体には、アプリケーションについてのクラスファイルが記録されていて、前記実行手段は、仮想マシンのプラットフォームであり、ヒープメモリと、クラスローダと、アプリケーションマネージャとを含み、前記アプリケーションマネージャは、プラットフォーム上でタイトルバウンダリのアプリケーションシグナリングを実行するものであり、記録媒体における何れかのタイトルの再生が開始されれば、記録媒体に存在するクラスファイルのうち、当該タイトルを生存区間とするもののインスタンスをヒープメモリ上に生成するようクラスローダに命じることで、前記アプリケーションを実行可能な状態とし、前記受付手段は、ユーザイベントマネージャを含み、前記ユーザイベントマネージャは、ユーザによってなされた操作のうち、タイトルにおいて有効とされているものに対応するキーイベントを生成して、実行可能な状態にあるアプリケーションに送信するものであり、前記制御手段による所定の速度レベルでのAV再生の指示はユーザによって操作がなされてから、キーイベントが送信されるまでの期間内になされる。
タイトルシグナリングを前提にして、動作を行うようなプラットフォーム上で、アプリケーションの操作性補完を実現できるので、BD-ROMを前提にした再生装置であるなら、容易に、本発明にかかる補完機能を実現することができる。
また本発明の構成要素たる制御手段は、このユーザイベントマネージャに対する追加モジュールとして、再生装置に実装することができるので、BD-J Terminalの標準モデルに対して大幅な改変を加えることなく、当該標準モデルにモジュール追加を施す形で、実現することができる。本発明の実装は、このような、モジュール追加という形態で、実現されるので、再生装置の製造開発を行うメーカーは、かかる速度機能を、容易に自社の製品に取り入れることが可能になる。
12.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記記録媒体には、動作モードオブジェクトが記録されており、動作モードオブジェクトは、タイトルの再生が開始された際、どのような動作モードで、タイトルにおける動的な制御を実現するかを規定するテーブルであり、アプリケーション管理テーブルと、当該タイトルにおいて有効となるキーを指定するキーインタレストテーブルとを含み、前記アプリケーションマネージャは、タイトルの再生が開始された際、そのタイトルに対応付けた動作モードオブジェクトから、アプリケーション管理テーブルを受け取り、このアプリケーション管理テーブルに基づき、アプリケーションシグナリングを実現するものであり、前記ユーザイベントマネージャは、タイトルの再生が開始された際、そのタイトルに対応付けた動作モードオブジェクトから、キーインタレストテーブルを受け取り、ユーザにて操作されたキーが、キーインタレストテーブルにおいて、有効とされているキーであるか否かの判定を行い、前記前記アプリケーションに送信されるキーイベントは、キーインタレストテーブルにおいて有効とされているキーに対応するキーイベントである。
ユーザイベントマネージャは、BD-J応用層規格に規定されたプレーヤモデルの必須の構成要素であり、かかるプレーヤモデデルに準じた形で、本発明にかかる補完機能を実現することができる。
13.以下の発明特定事項を加え、再生装置を更に具体的な構成にすることができる。
前記記録媒体には、AVストリームを参照したプレイリスト情報が記録されており、前記動作モードオブジェクトは、タイトルの再生が命じられた際、自動的に開始すべきプレイリストを指示するアクセスブルプレイリスト情報を含み、再生手段によるAV再生は、動作モードオブジェクトにおけるアクセスブルプレイリスト情報にて指示されたプレイリスト情報に基づいてAVストリームを再生することでなされ、前記所定の速度レベルが、通常の再生速度よりも低い速度を意味するものである場合、AVストリームの再生時間長が長くなり、それに伴いタイトルの時間長も長くなる。
プレイリスト情報に従って再生されるようなAVストリームの再生時間を長くすることで、このAVストリームと同期するようなアプリケーションの動作期間を長くする。こうした、AVストリームの再生時間の調整を介して、間接的にAVストリームの操作性の改善を図るので、一般的なBD-ROM再生装置において、簡易にアプリケーションの操作性補完を実現することができる。
(第1実施形態) 以下、本発明にかかる再生装置の実施形態について、図面を参照しながら説明する。この再生装置は、BD-ROMにて供給されるJava(登録商標)アプリケーションを、仮想マシンによる実行に供する。BD-ROMは、再生装置の実行対象に該当するものなので、再生装置の説明に先立ち、BD-ROMの内部構成について説明を行う。
図1(a)は、本実施の形態に用いる記録媒体の一例であるBD-ROM100の構成を示した図である。BD-ROMにはAVデータ、アプリケーションプログラムが記録されている。
本図の第1段目は、BD-ROMの外観を示す。BD-ROMは、例えばDVDやCDなどと同様にその内周から外周に向けて形成された螺旋状の記録領域を持つ。
第2段目は、螺旋状の記録領域を横方向に引き伸ばして描いている。この第2段目において、記録領域は、内周のリード・インと外周のリード・アウトの間に論理データを記録できる論理アドレス空間を有している。リード・インの内側にはBCA(Burst Cutting Area)と呼ばれるドライブでしか読み出せない特別な領域がある。この領域はアプリケーションから読み出せないため、例えば著作権保護技術などに利用されることがよくある。
論理アドレス空間には、ファイルシステム情報を先頭にAVストリームなどが記録される。ファイルシステムには、UDFやISO9660などの方式がある、このファイルシステムを介することで、上記のような記録領域に記録されている論理データの読み出しが可能になる。
第3段目は、記録領域のディレクトリ及びファイル構造を示す。BD-ROMにおけるディレクトリ及びファイル構造は、ルートディレクトリ(ROOT)直下にBDMVディレクトリが置かれ、その配下にSTREAMディレクトリ、MPLSディレクトリ、JARディレクトリ、BDJOディレクトリが存在する。
<BD-ROMの構成その1.AVストリーム>
AVストリームについて説明する。AVストリームは、デジタル化された動画像、字幕、音声を時分割多重することで得られる、MPEG2-TS形式のトランスポートストリームであり、STREAMディレクトリに配置されている。
<BD-ROMの構成その2.プレイリスト情報>
プレイリスト情報は、AVストリームの再生時間軸のうち、In_Timeとなる時点と、Out_Timeとなる時点の組みを1つ以上定義することにより、論理的な再生区間や再生経路を定義する情報である。プレイリスト情報は、AVストリームに多重化されているエレメンタリストリームのうち、どれの再生を有効とするかを規定するストリーム番号テーブルを有しており、AVストリーム内のエレメンタリストリームのうち、どれの再生を許可し、どれの再生を許可しないかを規定する役割をもつ。Java(登録商標)アプリケーションが、このプレイリスト情報を再生するJMFプレーヤインスタンスの生成をJava(登録商標)仮想マシンに命じることで、AV再生を開始させることができる。JMFプレーヤインスタンスとは、JMFプレーヤクラスを基にして仮想マシンのヒープメモリ上に生成される実際のデータのことである。
AVストリームと、プレイリスト情報との組みは、“タイトル”という再生単位を構成する。BD-ROMにおけるAV再生は、このタイトルを一単位としてなされる。
<BD-ROMの構成その3.Index.bdmv>
Index.bdmvについて説明する。図1(b)は、Index.bdmvの内部構成を示す図である。Index.bdmvとは、AVストリームと、プレイリスト情報とを含む再生単位であるタイトルに対して、動作モードオブジェクトを対応付けるテーブルである。動作モードオブジェクトとは、Index.bdmvに基づき、タイトルの再生を行う際、そのタイトルにおける動的な制御を、どのような動作モードで行うかを規定する情報である。動作モードオブジェクトには、コマンドインタラプタを主体とする動的制御を規定する動作モードオブジェクト(Movieオブジェクト)と、Java(登録商標)仮想マシンを主体とした動的制御を規定する動作モードオブジェクト(BD-Jオブジェクトと呼ばれる)とがある。
BD-ROMには、様々な種類のタイトルが存在しており、図1(b)の左側におけるIndex.bdmvには、それら様々な種類のタイトルに対して規定されたインデックスを含む。具体的には、BD-ROMディスクに格納されるFirstPlaybackについてのIndexTable Entry、TopMenuについてのIndex Table Entry、Title#1についてのIndex Table Entry、Title#2についてのIndexTable Entry,・・・・#Nを含む。このテーブルには、全てのタイトル、TopMenu、FirstPlaybackから最初に実行されるMovieオブジェクトもしくはBD-Jオブジェクトが指定されている。BD-ROMの再生装置は、タイトルあるいはメニューが呼び出されるたびにIndex.bdmvを参照して、所定のBD-Jオブジェクトを実行する。ここで、"FirstPlayback“とは、コンテンツプロバイダによって設定されるもので、ディスク投入時に自動実行されるMovieオブジェクトもしくはBD-Jオブジェクトが設定されている。また、TopMenuは、リモコンでのユーザ操作で、“MenuCall“のようなコマンドが実行されるときに、呼び出されるMovieオブジェクトもしくはBD-Jオブジェクトが指定されている。
引き出し線h1は、Index Table Entryの共通のデータ構造をクローズアップしている。Index Table Entryは、この共通のデータ構造で定義される。この共通のデータ構造は、『Title_object_type』と、Title_bdjo_file_name』とを含む。
『Title_object_type』は、当するタイトルに関付けられている動作モードオブジェクトが、MovieオブジェクトであるかBD-Jオブジェクトであるかを示す。
『Title_bdjo_file_name』は、タイトルに関連付けられたMovieオブジェクト又はBD-J オブジェクトのファイル名を示す。
このようなIndex.bdmvにより、タイトルと、動作モードオブジェクトとの対応が図られることになる。
<BD-ROMの構成その4.XXXXX.JAR>
XXXXX.JAR(「XXX」は可変、拡張子「JAR」は固定)は、Java(登録商標)アーカイブファイルである。Java(登録商標)アーカイブファイルは、ZIPファイルの形式を、Java(登録商標)に特化したものであり、市販されているZIP展開ソフトウェアにより中身を確認することができる。ここで「XXXXX」は可変、拡張子「JAR」は固定である(以下JARファイルと称する)。JARファイルは複数のファイルをディレクトリ構造の形で格納している。一つのJARファイルは一つ以上のクラスファイル、JARファイルの属性を示すメタファイル、画像などのデータが格納されている。基本的に一つのJARファイルに一つのJava(登録商標)アプリケーションが格納されており、Java(登録商標)アプリケーションはJava(登録商標)仮想マシン上で実行することができる。
図2(a)は、JARファイルの中のファイル構造の一例を示す図である。JARファイルのファイル構造は、ルートディレクトリの配下に、「インタラクティブアプリケーションについてのクラスファイル」、「オンラインショッピングアプリケーションについてのクラスファイル」が存在するというものである。このクラスファイルにて定義されるJava(登録商標)アプリケーションは、Xletインターフェイスを通じて制御されるJava(登録商標)Xletである。Xletインターフェイスは、"loaded“,"paused“、"active“,"destroyed“といった4つの状態をもつ。本明細書でいうアプリケーションとは、こうしてBD-ROM等の記録媒体に記録されているクラスファイルについてのインスタンスのことをいう。
<BD-ROMの構成その5.ZZZZZ.BDJO>
ZZZZZ.BDJO(「ZZZZZ」は可変、拡張子「BDJO」は固定)は、上述したBD-Jオブジェクトを格納したファイルである。図2(b)は、BD-Jオブジェクトの内部構成を示す図である。本図の左側に示すように、BD-Jオブジェクトは、アプリケーション管理テーブルと、KeyInterestテーブルとを含む。
アプリケーション管理テーブル(AMT)とは、“アプリケーションシグナリング”を実現するテーブルである。“アプリケーションシグナリング”とは、BD-ROMにおける“タイトル”をアプリケーションの生存区間として管理し、アプリケーションの起動及び終了を司る制御をいう。ここで生存区間とは、BD-ROMに記録されたコンテンツ全体の時間軸において、仮想マシンのヒープメモリ上でアプリケーションが生存し得る区間を示す。“生存”とは、そのアプリケーションが、ヒープメモリに読み出され、仮想マシンによる実行が可能になっている状態をいう。この生存区間に対して、アプリケーションが実際に動作している区間を、“動作区間”という。
引出線h2は、アプリケーション管理テーブルの内部構成をクローズアップしている。引出線h2に示すように、アプリケーション管理テーブルは複数のアプリケーションエントリー#1〜#nからなる。引出線h3は、アプリケーションエントリーの共通のデータ構造を示す。この引出線h3に示すように、アプリケーションエントリーは、タイトルにおいて、アプリケーションを自動的に起動させるべきか(AutoStart)、他のアプリケーションからの呼出しを待って起動すべきか(Present)という起動の仕方を示す「制御コード」、JARファイルのファイル名となる5桁の数値を用いて、対象となるアプリケーションを示す「アプリケーションID」を含む。
引出線h4は、KeyInterestテーブルの構成をクローズアップしている。引出線h4に示すように、KeyInterestテーブルは再生キーエントリー、停止キーエントリー、早送りキーエントリー、巻戻しキーエントリー、上方向キーエントリー、下方向キーエントリー、右方向キーエントリー、左方向キーエントリーからなる。これらは、再生装置におけるリモコンに備え付けられているそれぞれのキーについてのエントリである。引出線h5は、キーエントリーの設定内容をクローズアップしている。具体的にいうと、これらのキーエントリーは、対象となるキーが押下された際、キーイベントを発生させるか、発生させないかが設定される。
以上がBD-Jオブジェクトについての説明である。
上述したようなAVストリーム、Index.bdmv、JARファイル、BD-Jオブジェクトは、ファイル構造、ディレクトリ構造に従ってBD-ROMに記録されているので、再生装置は、ファイルオープンのためのシステムコールを行うことで、これらをメモリに読み出すことができる。
ファイルオープンとは、システムコール時に与えられたファイル名によってディレクトリを検索し、ファイルが存在すればFCB(File Control Block)を確保して、ファイルハンドルの番号を返す処理をいう。FCBは、目的のファイルのディレクトリエントリーの内容がメモリ上にコピーされることにより生成される。
以上が、再生装置が前提としている記録媒体についての説明である。
(アプリケーションのGUI仕様)
続いて、再生装置が対象としているアプリケーションについて説明する。
上述したようにアプリケーションは、タイトルという単位でシグナリングがなされる。このタイトルは、プレイリスト、AVストリームといった再生単位を含むものであり、相応の時間長をもつものなので、このタイトルという単位でシグナリングを行っている限り、アプリケーションの動作区間が短くなり過ぎることはない。
しかし、他のアプリケーションからの呼び出しを待って起動するようなアプリケーションであって、その呼び出しの時点が、タイトル終了間際であるようなアプリケーションは、往々にしてその動作期間は短くなりがちとなる。更に、他のアプリケーションからの呼び出しを待って起動され、他のアプリケーションの呼び出しによって動作が終了させられるアプリケーションも、その動作区間は短くなることがある。
特に、AV再生において、特定の人物像がフレームインした際、他のアプリケーションから起動され、その特定の人物像がフレームアウトした際、その他のアプリケーションによって終了させられるアプリケーションは、その動作区間の長さが、その特定の人物像がどれだけ長く現れているかによって左右される。そしてその特定の人物像の出現期間が短ければ、呼び出されて起動するアプリケーションの動作区間が、極端に短くなる。
以降、動作区間が極端に短くなるアプリケーションとして、特定の人物像がフレームインした際、他のアプリケーションから起動されるアプリケーションを説明の題材に選ぶ。
図3は、本実施形態に係る再生装置が実行対象としているインタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションのGUI仕様を示す図である。
「インタラクティブアプリケーション」は、映像中の複数の選択対象の中から1つを選択するという、映像操作の機能を具備したアプリケーションプログラムであり、GUIとしてポインタp1の表示を行う。このポインタは、ユーザによるリモコンの方向キー操作によって移動するものであり、動画像中の特定の対象物(ここでは、女性ゴルファーの人物像)を選択することができる。
「オンラインショッピングアプリケーション」は、画面に表示される映像の中から品物を選択し、それを購入するアプリケーションであり、GUIとして購入画面p2の表示を行う。この購入画面p2は、オンラインサービスの事業主(==ABCStore==)、商品の題号(xxx Putter)、価格の表示(Price:$500.00)を含み、ボタンGUI(BUY)を含む。このボタンGUIは、購入の確定操作を受け付けるものであり、このボタンを確定する操作がユーザによってなされれば、ネットワーク上で電子決済を行う。
(アプリケーションの動作仕様)
図4は、再生装置が想定しているアプリケーションの動作仕様を示す図である。第1段目は、アプリケーションによるGUI仕様であり、第2段目は、オンラインショッピングアプリケーションが実行される期間、第3段目は、インタラクティブアプリケーションが実行される期間を示す。
インタラクティブアプリケーションは、AV再生と同期して、対話的な処理を実行するアプリケーションであり、その動作区間は、同図の第3段目に示す通りである。具体的には、AV再生がなされている期間において、終始動作を行っている。そして画面中にポインタp1を表示して、ユーザ操作に従って、このポインタp1を移動させつつも、ユーザによる確定操作に応じてAV再生画面に存在する人物像等にフォーカスを設定することができる。
オンラインショッピングアプリケーションは、AV画面内に現れる人物像等に対応付けられたアプリケーションであり、その動作区間は、同図の第2段目のように設定されている。つまり、かかる人物像がフレームインして、リモコンにより確定されたタイミングで起動され(図中のタイミングt1)、かかる人物像がフレームアウトしたタイミングで終了する(図中のタイミングt2)。起動中において、オンラインショッピングアプリケーションは購入画面p2を表示して、その人物に関連した商品の細目を提示し、その関連商品を購入する操作を受け付ける。
これらのインタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションによるGUIは、第1段目に示すようなものになる。つまり、動作中のインタラクティブアプリケーションは、ユーザ操作に従いポインタp1をAV画面上に表示する。
一方、AV画面において、所望の人物像(ここでは、女性ゴルファーの人物像)がフレームインして、この人物像に対する確定操作がなされた場合、オンラインショッピングアプリケーションが起動される。このオンラインショッピングアプリケーションは、人物像と、購入画面p2とを合成した合成画像を表示に供し、その人物に関連した商品の細目を提示し、その関連商品を購入する操作を受け付ける。
一方、AV再生が進行して、上述したような人物像がフレームアウトすれば、オンラインショッピングアプリケーションの動作は終了する。上述したようなアプリケーション仕様において、オンラインショッピングアプリケーションは、関連付けられている人物像が表示されている期間においてのみ、動作を行うことになる。関連付けられている人物像がAV画面上に現れている期間が短ければ、オンラインショッピングアプリケーションが商品購入を受け付ける期間は、すこぶる短くなる。
以上で、再生装置が実行対象としているアプリケーションの動作仕様についての説明を終える。
(再生装置)
次に、本発明にかかる再生装置の実施形態について説明する。この再生装置は、リモコンを通じて操作される。
リモコンは、再生、停止、一時停止(ポーズ)、スキップ等のAV機器特有の操作や階層化されたGUIに対する操作をユーザから受け付ける機器であり、再生キー、停止キー、ポーズキー、スキップキー、セットアップメニューを呼び出すメニューキー、メニューを構成するGUI部品のフォーカスを移動させる方向キー、メニューを構成するGUI部品に対して確定操作を行うENTERキー、階層化されたメニューをより上位のものにもどってゆくためのCANCELキー、数値キーを備える。これらのキーは、キーマトリックスを構成しており、かかるキーマトリックに対するキーセンスにより、押下されたキーの行位置、列位置を特定して、その行位置、列位置をエンコードすることによりキーコードを発生する。そうして発生したキーコードを含むリモコン信号を、送信する。
送信されるリモコン信号は、数ミリ秒のフレームからなり、このフレームのビット系列における1/0のビットは、数KHz程度のキャリア信号がある期間と、キャリアがない期間とから構成される。再生装置側では、キャリアにおける周波数及びデーティ比と、同じ周波数及びディーティ比のクロックパルスを生成して、データ部の、ビット系列に対するキャプチャ動作を行うことで、リモコン信号を受信することができる。再生装置は、パソコンとは異なり、リモコンを介して、ユーザからの操作を受け付けるものなので、再生装置やアプリケーションにおけるGUIは、リモコンを介した操作に特化したものになっている。
図5は、再生装置のハードウェア構成を示す図である。本図に示すように、再生装置は、BD-ROMドライブ101、HDD102、メモリカードドライブ103、スイッチ104、ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、ビデオフレームバッファ107、RAM108、ROM109、CPU110、グラフィクスフレームバッファ111、操作受付部112、ネットワークインターフェイス113を備える。
(BD-ROMドライブ101)
BD-ROMドライブ101は、図1(a)に示すような内部構成を有するBD-ROMのローディング/イジェクトを行い、BD-ROMに対するアクセスを実行する。
(HDドライブ102)
HDドライブ102は、BD-ROMにて供給されるクラスファイルと、同等のクラスファイルを格納しておくことができるハードディスクドライブである。
(メモリカードドライブ103)
メモリカードドライブ103は、BD-ROMにて供給されるクラスファイルと、同等のクラスファイルが書き込まれた半導体メモリカードを、装填することができるドライブ装置である。
(スイッチ104)
スイッチ104は、BD-ROMドライブ101、HDD102、メモリカードドライブ103から読み出されたクラスファイル、AVストリームを、選択的にストリームデコーダ105、RAM108に出力する。
(ストリームデコーダ105)
ストリームデコーダ105は、BD-ROM100に記録されているAVストリームを、ビデオストリーム、オーディオストリームに分離する。
(AVデコーダ106)
AVデコーダ106は、ストリームデコーダ105にてデコードされたストリームから分離抽出されたビデオデータと、オーディオデータとを同期をとりながら復号し、復号したビデオデータをディスプレイに出力し、復号したオーディオデータをスピーカーに出力する。またAVデコーダ106は、ビデオデータにおけるフレームの出力を所定数だけ繰り返すことでスロー再生を実現する。例えば、通常再生の1/2の再生速度での再生が命じられ、第1フレームに相当するビデオデータ、第2フレームに相当するビデオデータ、....、第15フレームに相当するビデオデータを順次AVデコーダ106が受け取ったとすると、AVデコーダ106は、各フレームに相当するビデオデータを、重複して出力する。具体的には、第1フレームに相当する復号したビデオデータ、第1フレームに相当する復号したビデオデータ、第2フレームに相当する復号したビデオデータ、第2フレームに相当する復号したビデオデータ、...第15フレームに相当する復号したビデオデータ、第15フレームに相当する復号したビデオデータを1秒間に出力する。同じフレームのビデオデータが、2回重複して出力されるので、AVストリームが2倍の時間をかけて再生されることになる。その結果、通常再生の1/2の速度でスロー再生することが可能になる。
(ビデオフレームバッファ107)
ビデオフレームバッファ107は、AVデコーダ106のデコードにより得られた非圧縮のフレーム画像を格納する。本実施形態では、1秒間におけるビデオフレームバッファの更新頻度を、1秒間に30回とする。これは、1秒間に30フレームに相当するAVストリームを、AVデコーダ106からビデオフレームバッファに出力し、そして、アプリケーションが描画した30フレームに相当するグラフィクスを、1秒間に、グラフィックスフレームバッファ111に出力することを意味する。
この場合、通常再生においては1秒間で、30フレームに相当するAVストリームをデコードして、デコードしたAVストリームに含まれるビデオデータ、オーディオデータを分離抽出するようにストリームデコーダ105を制御せねばならない。
(RAM108)
RAM108は、CPU110がデータ処理を行うにあたって、必要なデータが格納される。
(組込みプログラム用ROM109)
ROM109には、インタプリタ、ネィティブライブラリ、クラスラィブラリ等、再生装置に予め組み込まれている組込みプログラムが格納される。
(CPU110)
CPU110は、組込みプログラム用ROM109に格納されたネィティブコードを実行する。
(グラフィクスフレームバッファ111)
グラフィクスフレームバッファ111は、CPU110が対話的な制御を実行する際、GUI描画に用いられる。このグラフィクスフレームバッファ111で実現されるグラフィクス描画には、アプリケーションによるGUI表示、セットアップ時におけるメニュー表示がある。アプリケーションにより描画される購入画面p2、ポインタp1といったグラフィクスは、GUIの1つなので、このグラフィクスフレームバッファ111に描画される。グラフィクスフレームバッファ111上のグラフィクスは、グラフィクス管理のための数値にて管理されており、この数値に対応するグラフィックスデータの画像は、画面上に一定時間だけ表されることになる。一方、その一定時間のあいだ、アプリケーションの側では、新たなグラフィクスの生成がなされている。一定時間が経過すれば、グラフィクスフレームバッファ111の格納内容は、新たに生成されたグラフィックスデータを用いて上書きされることになる。かかる上書きにおいて、グラフィクス管理のための数値は更新される。こういった動作、つまり、“アプリケーションによるグラフィクスの生成”、“生成されたグラフィクスの更新”、“グラフィクスの上書き”、“グラフィクス管理のための数値の更新”という一連の動作の繰り返しにより、アプリケーションによるGUI表示は、AV再生のフレーム進行に伴って、変化することになる。また単位時間(例えば一秒間など)における上述の一連の動作の繰り返しの回数(以後アプリケーションの実行速度と称す)を変えることにより、グラフィックスバッファ111の格納内容が単位時間あたりに更新されるタイミングの数を増減させることが可能となる。これにより結果として、入力に対するアプリケーションによるグラフィックスデータ(GUI表示)の応答性を高くしたり、低くしたりすることが可能となる。このグラフィクスフレームバッファ111の格納内容は、ビデオフレームバッファ107の格納内容と合成して出力されるので、ディスプレイには、グラフィックスフレームバッファ111に書き込まれたデータに対応するグラフィックス画像と、ビデオフレームバッファ107に書き込まれたAVストリームに対応する再生画像とを重ね合わせたものが表示される。
(操作受付部112)
操作受付部112は、リモコンや再生装置のフロントパネルといった入力機器に対してなされたユーザ操作を検知して、通知する。この通知は、これらの入力機器に対応するデバイスドライバ内の割込みハンドラが発生する割込みに従い、UOPを生成することでなされる。UOPとは、リモコンやフロントパネルに設けられたキーマトッリクスによるキー押下を検知した際、発生するイベント(UOPイベント)であり、押下されたキーに対応したキーコードを含んでいる。具体的には、リモコンやフロントパネルに対応するデバイスドライバの割込みハンドルが、キーマトリックスに対するキーセンスでキー押下を検出した際、そのキー押下に基づき割込み信号を発生することで、UOPイベントは、生成される。
(ネットワークインターフェイス113)
ネットワークインターフェイス113は、ネットワーク接続のためのプロトコルスタックを実行するものであり、ネットワーク上のサーバコンピュータが具備しているドライブを、ネットワークドライブとして、再生装置に認識させる。そして、ネットワークドライブからデータをダウンロードしたり、データをアップロードすることができる。このネットワークインターフェイス113を通じて、外部のサーバと、データ通信することができるので、オンラインショッピングアプリケーションの実行時においては、アプリケーションを構成するバイトコードに従って、ネットワークインターフェイス113を介して、ネットワーク上の決済サーバと、電子的な決済処理を行ことができる。
以上が、再生装置のハードウェア構成である。続いて、このハードウェア構成を前提にしたソフトウェア構成について説明する。
図5の再生装置は、Java(登録商標)2Micro_Edition(J2ME) Personal Basis Profile(PBP 1.0)と、GloballyExecutable MHP specification(GEM1.0.2)for package media targetsとをフル実装することで構成されるJava(登録商標)プラットフォームであり、図6のようなレイヤモデルをを有する。
図6は、再生装置のソフトウェア構成のレイヤモデルを示した図である。このレイヤモデルは、大きく分けて、以下の3つのレイヤから構成されている。
i)BD-ROM Resident System Software
BD-ROM再生装置に組み込まれ、常駐ソフトウェアとして動作するもののレイヤであり、ユーザイベントマネージャ9を含む。
ii)BD-J Application Enviroment
BD-Jモジュール3と呼ばれ、アプリケーションの実行環境となるレイヤであり、Java(登録商標)プラットフォーム(BD-Jモジュールと呼ばれる)に該当する。
iii)BD-ROM Player Model
BD-ROMプレーヤとしての機能を実現するソフトウェアのレイヤであり、再生エンジン1、再生制御エンジン2を含む。
(再生エンジン1)
再生エンジン1は、AV再生機能を実行する。再生装置のAV再生機能とは、DVDプレーヤ、CDプレーヤから踏襲した伝統的な機能群であり、再生開始(Play)、再生停止(Stop)、一時停止(PauseOn)、一時停止の解除(Pause Off)、Still機能の解除(still off)、速度指定付きの早送り(Forward Play(speed))、速度指定付きの巻戻し(BackwardPlay(speed))、音声切り換え(Audio Change)、副映像切り換え(Subtitle Change)、アングル切り換え(AngleChange)といった機能である。
(再生制御エンジン2)
再生制御エンジン2は、プレイリストの再生機能(i)、再生装置における状態取得/設定機能(ii)といった諸機能を実行する。プレイリストの再生機能とは、再生エンジン1のAV再生機能のうち、再生開始や再生停止を、プレイリストに従って行うことをいう。また再生制御エンジン2は、再生装置の状態を示すプレーヤ状態レジスタ2a、メーカーやユーザによる再生装置の設定を示すプレーヤ設定レジスタ2bを含み、これらプレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報、プレーヤ設定情報2bにおけるプレーヤ設定情報に基づき、再生装置における状態取得/設定機能を実行する。特徴的なのは、プレーヤ設定レジスタ2bに、「速度自動制御」、「速度レベル」という設定内容があり、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度自動制御がONに設定されていると、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度レベルでの再生が実現される点である。
(BD-Jモジュール3)
BD-Jモジュール3は、再生装置におけるプラットフォームであり、Java(登録商標)仮想マシン4、ヒープメモリ5、アプリケーションキャッシュ6、クラスローダ7、アプリケーションマネージャ8を備える。
(Java(登録商標)仮想マシン4)
Java(登録商標)仮想マシン4はインタプリタであり、ヒープメモリ5に格納されたアプリケーションを構成するバイトコードを、CPU110が解読可能なネィティブコードに変換して、CPU110に供する。こうすることで、バイトコード状態のアプリケーションをCPU110に実行させる。
(ヒープメモリ5)
ヒープメモリ5は、クラスファイルのインスタンスである、バイトコード状態のアプリケーションが格納されるメモリである。
(アプリケーションキャッシュ6)
アプリケーションキャッシュ6は、アプリケーションが格納されるキャッシュメモリである。
(クラスローダ7)
クラスローダ7は、アプリケーションのクラスファイルをBD-ROM100から読み出して、バイトコードに変換する。かかる変換を経て得られたバイトコードは、ヒープメモリに格納される。こうすることで、ヒープメモリには、バイトコード状態のアプリケーションが得られることになり、Java(登録商標)仮想マシン4による実行に供される。
(アプリケーションマネージャ8)
アプリケーションマネージャ8は、再生装置において再生対象となるタイトルの切り替わりが発生した場合、BD-ROM100からアプリケーションプログラムを読み出してアプリケーションキャッシュ6に格納する。そして、各アプリケーションについての制御コードを参照し、制御コードがAutoStart(自動起動)であるなら、アプリケーションのうち自動起動すべきものをJava(登録商標)仮想マシン44に実行させる。この実行は、クラスローダ7に指示をだすことでなされる。
上述したアプリケーションのうち、インタラクティブアプリケーションについては、AV再生時に自動的に起動すべきものなので、こうした自動起動に供される。
一方、他のアプリケーションからの呼出や、ユーザからの起動要求を待って起動するアプリケーションプログラムについてはアプリケーションキャッシュ6にキャッシュされた状態で、他のアプリケーションからの呼出しを待つ。上述したようなオンラインショッピングアプリケーションは、ユーザからの起動要求と、他のアプリケーションからの呼出しとを待って起動すべきものなので、当該オンラインショッピングアプリケーションがアプリケーションキャッシュ6に格納され、ユーザからの起動要求及び他のアプリケーションからの呼出しを待っている状態において、リモコンの方向キーが押下されると、オンラインショッピングアプリケーションは、実行可能なコードに変換されてヒープメモリ5に格納されることになる。Java(登録商標)仮想マシン4は、ヒープメモリ5に記憶されたコードを解釈実行することにより、アプリケーションプログラムを実行する。
(ユーザイベントマネージャ9)
ユーザイベントマネージャ9は、UOPイベントが発生した際、そのUOPイベントに対応するキーイベント(アプリケーションが受け取ることができるイベント)を発生させるかどうかを判定して、発生させるべきと判定した場合、キーイベントをアプリケーションに出力する。BD-JオブジェクトのKeyInterestテーブルには、キー毎に、キーイベントを発生させるかどうかが規定されているので、キーイベントを発生させるかどうかの判断は、BD-JオブジェクトのKeyInterestテーブルにおけるエントリーの記載を基準とする。図中の矢印☆1,2,3,5は、このレイヤモデルにおいて、特徴的な処理の流れを模式的に示している。上述したように、アプリケーションへのキーイベントの発生及び送信は、UOPイベントが発生した際なされる(☆5)。ユーザイベントマネージャ9の特徴的な処理とは、このキーイベントの送信に先立ち、発生したキーイベントを再生制御エンジン2に送信することであり(☆1)、このキーイベントの送信を契機として、プレーヤ設定レジスタ2bに格納されている、速度自動制御及び速度レベルに基づき、再生制御がなされる。この再生制御の結果、ロー再生、又は、一時停止(ポーズ)がなされることになる。以上が、再生装置におけるソフトウェアのレイヤモデルである。
以上のレイヤモデルの説明では、キーイベントの送信を契機として、速度自動制御及び速度レベルに基づき、再生制御を行うことが特徴的であると述べた。これらの特徴により、アプリケーションに対する操作がどのように改善されるかについて説明する。
本図における各ソフトウェア要素の動作は以下の通りとなる。インタラクティブアプリケーションは、複数の選択対象の中から1つ選択することにより、再生中の映像等を操作するものなので、AV画面には、ポインタp1の表示が現れる。ユーザがリモコンの方向キーを押下して、このポインタp1表示で購入したい品物の選択を行い、購入したい品物にカーソルを合わせてリモコンのENTERキーが押下されると、クラスローダ7は、アプリケーションキャッシュ6に格納したオンラインショッピングアプリケーションのアプリケーションプログラムを実行可能なバイトコードに変換して、ヒープメモリ5に記憶する。Java(登録商標)仮想マシン4がヒープメモリ5に記憶したコードを実行すれば、オンラインショッピングアプリケーションのアプリケーションプログラムが起動し、ディスプレイに購入画面p2が現れ、ユーザは所定の手続きを行うと、品物を購入することができる。
このとき、オンラインショッピングアプリケーションの実行期間において、速度自動制御がONであれば、あらかじめ設定された速度レベルとなるようにAV再生が制御される。このようにユーザがインタラクティブなアプリケーションプログラムを操作している間、AVストリームはスロー再生または一時停止がなされるが、ユーザがインタラクティブなアプリケーションプログラムを操作しなくなって所定時間(この例では30秒)が経過するか、またはユーザがリモコンで通常再生を要求すると、再生速度は通常速度に戻る。
Java(登録商標)仮想マシン4は、AVストリームがスロー再生されたとしても、AVストリームのスロー再生と同期するようにスローな動作を行うことはない(つまり、“アプリケーションによるグラフィクスの生成”、“生成されたグラフィクスの更新”、“グラフィクスの上書き”、“グラフィクス管理のための数値の更新”という一連の動作を単位時間当たりに繰り返す回数(つまり実行速度)をAVストリームの再生速度に応じて変化させることはない)。本実施の形態においては、AVストリームがスロー再生中であったとしても、AVストリームを通常再生しているときのアプリケーションの実行速度(通常の動作速度)にて、アプリケーションを実行する。仮に、AVストリームがスロー再生された場合に、アプリケーションの動作も遅くすると、ユーザ操作に対するレスポンス性が遅くなり不都合が生じる。AV再生と同期したスロー動作を避けるのは、実行中のインタラクティブアプリケーションプログラムへの入力に対する応答性を高くするためである。
一方アプリケーションは、アプリケーションマネージャ8により、アプリケーション管理テーブルに基づきタイトルという単位でシグナリングされる。たとえJava(登録商標)仮想マシン4が通常の速度で動作していたとしても、AV再生がスロー再生されれば、それに伴い、一個のタイトルの再生が継続している期間が長くなるので、アプリケーションは、通常の動作速度を維持したまま長期間にわたり、動作を継続することになる。そのためアプリケーションは、通常のレスポンス速度を保ったまま、その動作区間が長期に引き伸ばされることになる。
図7は、再生装置の特徴にてもたらされる、アプリケーション動作仕様の改善を模式的に示す図である。第1段目は、再生装置のAV再生にて表示に供される、複数のフレーム画像を示し、第2段目は、インタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションの動作期間を示す。第3段目は、オンラインショッピングアプリケーションによるGUI表示を示す。
ユーザによる操作がなされて、人物像が選択されたことを示すキーイベントが発生した際、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度自動制御がONに設定されていたとすると、その設定に応じたスロー再生が命じられることになる。このスロー再生では、同じフレームが、2回以上重複して表示されるので、第1段目に示すように、人物像が表示されている期間が2倍、4倍の長さになる。スロー再生により、人物像が表示されている期間が、2倍、4倍になるので、この人物像に対する操作で動作状態となるオンラインショッピングアプリケーションの動作期間は、2倍、4倍の長さとなる。
こうしてオンラインショッピングアプリケーションの動作期間が長くなれば、第3段目に示すように、オンラインショッピングアプリケーションによりGUIが表示された場合、表示されるGUIに対して、操作を行い得るような余裕が生まれる。以上のように、速度自動制御がONであれば、ユーザが速度レベルであらかじめ設定した速度レベルとなるようにAVデータの再生を制御することで、特定の人物像と関連付けられているようなオンラインショッピングアプリケーションの動作期間を長くすることができ、それに伴い、当該オンラインショッピングアプリケーションにより表示されるGUIに対する操作を行い易くすることができる。以上が、再生装置の特徴点によりもたらされる、アプリケーション動作仕様の改善である。
再生装置は、速度レベルの制御により、アプリケーションの動作仕様を改善する動作モードをもつ。このように、AV再生の速度をスローにするか、ポーズすることにより、アプリケーションの動作期間を長くして、ユーザによる操作性を改善するモードを、“アプリケーションEASYモード”という。
アプリケーションEASYモードが導入されているので、再生装置内のプレーヤ状態レジスタ2aは、かかるアプリケーションEASYモードの設定を受け付けるようになっている。
先ず、始めに、再生制御エンジンの一般的構成として、プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報に格納されている情報(プレーヤ状態情報という)について説明する。
(プレーヤ状態レジスタ2a)
プレーヤ状態レジスタ2aは、再生装置上のコンテンツの再生状況を示すものであり、BD-ROM100に記録されたコンテンツの再生状況の変化に応じて動的に変化する。ここで、コンテンツの再生状況は、カレントタイトル番号、カレントチャプタ番号、カレントアングル番号、カレントオーディオ番号といったパラメータにて特定される。プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報は、こうしたパラメータを個別に管理している。図8(a)は、プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報の内部構成を示す図である。プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報は、「カレントタイトル番号」、「カレントチャプタ番号」、「カレントアングル番号」、「カレントオーディオ番号」から構成される。
「カレントタイトル番号」は、有効なタイトル番号(1以上の数値)が設定されることで、現在再生中のタイトルがどれであるかを示す。逆に再生中でないときは無効なタイトル番号(例えば、0)を表す。
「カレントチャプタ番号」は、カレントタイトルで表されるタイトル内で定義されたチャプタ番号であって、有効なチャプタ番号(1以上の数値)が設定されることで、現在再生されているチャプターがどれであるかを示す。逆に再生中でないときは無効値(例えば、0)を表す。
「カレントアングル番号」は、有効なアングル番号(1以上の数値)が設定されることで、現在選択されているアングル映像がどれであるかを表す。逆に、再生中でないときは無効値(例えば、0)を表す。
「カレントオーディオ番号」も、カレントアングル同様、有効な音声番号(1以上の有効な数値)が設定されることで、現在選択されているオーディオがどれであるかを示す。逆に、コンテンツが再生中でないときは無効値(例えば、0)で表される。
(プレーヤ設定レジスタ2b)
次に、プレーヤ設定レジスタ2bに格納されている情報(プレーヤ設定情報)について説明する。プレーヤ設定情報は、再生状態によって、動的に変化するものではなく、予め対象となるBD-ROM100のコンテンツをどのように再生させたいのかというユーザの意図を保持しておくものである。プレーヤ設定情報における一部の情報は、ユーザからの入力によって、その値を変えることが可能である。図8(b)は、プレーヤ設定情報の内部構成を示す図である。本図に示すように、プレーヤ設定情報は、「Regionコード」、「音声言語」、「字幕言語」、「速度自動制御」、「速度レベル」を含む。
「Regionコード」は、再生装置の販売や使用が可能となる地域を示すものであり、このRegionコードは例えば、ユーザからの入力によって変更をすることが出来ないように設定されている。
「音声言語」は、音声言語のデフォルト設定を表す情報である。
「字幕言語」は、字幕言語のデフォルト設定を表す情報である。プレーヤ設定レジスタ2bおける以上の情報要素は、BD-ROMの再生装置が一般的に具備しているものである。以下の2つは、再生装置のために、新たに導入されたものである。
「速度自動制御」は、アプリケーションの操作に関する入力”がユーザによってなされた場合、AVストリームの再生速度を変更することを許可されているかどうか示す情報である。“アプリケーションの操作に関する入力”とは例えば、アプリケーションを起動するように設定されているカーソル又はENTER等のキー入力である。特に、かかるアプリケーションが、画面上に表示されている人物像、物体像の中から1つを選択するようなアプリケーションであるなら、その人物像、物体像の動きと連動して、速度自動制御が開始されることになる。
「速度レベル」は、速度自動制御で自動制御が許可されている場合(ON)、制御対象となるAVストリームの再生を、どのようなレベルにするかを表す情報である。本実施の形態では、速度自動制御は例えば、ON(許可)/OFF(不許可)のいずれかを示す情報、速度レベルは、例えば0〜5までの6段階のいずれかの数値で示される情報であるものとする。
アプリケーションEASYモードの導入のため、プレーヤ設定レジスタ2bが改良されているので、再生装置は、セットアップの表示時において、かかるアプリケーションEASYモードの設定を受け付けるようになっている。
図9は、再生装置によるセットアップメニューを示す図である。本図においてルートメニューmn1は、本階層構造のうち最上位に位置するものであり、画面アスぺクト設定、音声出力設定といった設定項目、つまり、再生装置における一般的な設定項目が、羅列されている。本実施形態で特徴なのは、これらの設定項目の中に、アプリケーションEASYモードが存在する点である。図中のモード設定メニューmn2は、このアプリケーションEASYモードを選択することで表示されるメニューである。
アプリケーションEASYモードのためのモード設定メニューmn2は、当該設定についての解説文、“設定する”“設定しない”という二者の選択を受け付ける2つのボタン部材bn1,bn2を含む。そして、“設定する”とのボタン部材が確定された場合、レベル設定メニューmn3のポップアップ表示がなされる。
レベル設定メニューmn3は、“0”から“5”までの速度のそれぞれに対応する6つのボタン部材を含む。これらのボタン部材のどれかを確定することにより、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるレベルを設定することができる。
特定の人物像がフレームインしている期間にのみ、操作を行うことができるアプリケーションについては、かかるアプリケーションEASYモードにおける速度レベルを、“1(非常に遅い)”か、“0(一時停止)”に設定して、その特定の人物像がフレームインしている期間を、長引かせることにより、そのようなアプリケーションに対するGUI操作を行い易くすることができる。
以上がアプリケーションEASYモード設定のための再生装置におけるGUIの改良である。続いて、再生装置における特徴点を実現するための、具体的なソフトウェア構成について説明する。
アプリケーションEASYモードを実現するため、再生装置における再生制御エンジン2の内部には、図10に示すような機能的な構成要素が設けられている。図10は、再生制御エンジン2における機能的な構成要素を示す図である。本図に示すように、再生制御エンジン2は、動作状態判定部11、再生速度指示部12、制御情報設定部13、タイマ管理部14から構成される。
(動作状態判定部11)
動作状態判定部11は、キーイベントが発生した際、再生装置の状態がAV再生中であるかどうか、発生したキーイベントがアプリケーションを操作するためのキーイベントであるかどうかの判定を行う。そしてAV再生中であり、発生したキーイベントがアプリケーションを操作するキーイベントであるなら、再生速度指示部12へ、受け取ったキーイベントを通知する。
AV再生かどうかの判定は、プレーヤ状態レジスタ2aに格納されているカレントタイトル番号が、有効なタイトル番号であるかどうかを判定することでなされる。そして有効なタイトル番号が格納されていれば、BD-ROM100に記録されたコンテンツが再生中であると判定する。一方、プレーヤ状態レジスタ2aに格納されたカレントタイトル番号が無効値であれば、動作状態判定部11は、再生中ではないと判定する。
ここで、アプリケーションを操作するためのキーイベントとは、タイトル内で実行可能なアプリケーションによって、受信されるキーイベントとしてKeyInterestテーブルに予め定義されているキーイベントである。操作受付部112より受け取ったキーイベントが、KeyInterestテーブルに予め定義されたキーイベントであれば、受け取ったキーイベントがアプリケーションを操作するためのキーイベントであると判定する。
(再生速度指示部12)
再生速度指示部12は、グラフィクスフレームバッファ111がキーイベントの通知を受けると、プレーヤ設定レジスタ2bに設定される情報を参照して、ここに設定されている速度レベルでAV再生を行うよう、再生エンジン1を制御する。ここで、通常再生の半分にまで、再生速度を下げる場合を例にして説明する。例えば再生速度を通常再生の半分にする場合、1秒当たりに表示される30フレームのAVデータのうち、15フレーム分に相当するAVデータを分離抽出するようにストリームデコーダ105を制御する。また、タイマ管理部14に対して、タイマでの計時を開始させる。
(制御情報設定部13)
制御情報設定部13は、AVストリームの再生速度の自動制御機能のON/OFFや自動制御される再生速度の情報をプレーヤ設定レジスタ2bに格納する。例えばAV再生がなされていない状態で、リモコンのメニューキーが押下され、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2が選択された場合、図9のアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2を表示する。このモード設定メニューmn2が表示された状態で、リモコンの方向キーが操作され、モード設定メニューmn2における速度自動制御で“設定される”が設定され、レベル設定メニューmn3における速度レベル設定で“1”が選択されたものとする。そうしてリモコンのENTERキーが押下されれば、制御情報設定部13は、モード設定メニューmn2で設定された情報(この例ではON)、レベル設定メニューで設定された速度レベル(この例では速度レベルが1)を読み込む。その結果、プレーヤ設定レジスタ2bに記憶されるプレーヤ設定情報の再生速度自動制御がONに設定されて、AVストリームの自動制御が許可される。一方、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度レベルが“1”に設定される。
(タイマ管理部14)
タイマ管理部14は、再生装置が備えるタイマを管理する。ユーザからアプリケーションの操作入力を操作受付部112にて受け付けた際、このタイマでの計時を開始させる。そしてタイマが所定時間(例えば30秒)の計時を完了すれば、タイムアウトの通知を行う。具体的には、再生速度指示部12からタイマの計測開始を指示するメッセージを受け取ると、タイマでの計時を開始して、所定時間(この例では30秒)が経過すると、再生速度指示部12にタイムアウトのメッセージを通知する。
タイマ管理部14はタイマの計測開始を指示するメッセージを受け取ったのち、所定時間(この例では30秒)以内に再度、タイマの計測開始を指示するメッセージを受け取った場合、タイマ管理部14は、タイマの計測をリセットし、再度計測を行うようにする。上述したように、所定の時間内に、タイマの計測開始を指示するメッセージを受け取ったということは、ユーザが継続してアプリケーションの操作入力を行っている状態であると考えられるので、この場合、タイマ継続のリセットを行えば、操作のタイミングを逸する事態がより少なくなる。
上述したようなAV再生の速度制御の実装面を考えると、図6に示すようなBD-Jアプリケーションを実行する装置のプレーヤ標準モデルには、ユーザが何等かの操作を行うことによりユーザイベントが発生した際、このユーザイベントを、アプリケーションに出力すべきかどうかを判定して、もし出力すべきであるなら、かかるアプリケーションに、キーイベントを出力するというモジュール(ユーザイベントマネージャ9)が存在する。
以上の機能的な構成要素の実装は、図11〜図14のフローチャートに示される処理をコンピュータ記述言語で記述して、CPUに実行させることでなされる。以降、これらのフローチャートを参照して、上述したような機能的構成要素を実現するための処理手順を述べる。図11は、再生制御エンジン2におけるメインルーチンにあたる処理手順を記述したフローチャートである。
ステップS1において操作受付部112は、ユーザによるリモコンからの操作入力を受信待ち状態になっている。操作入力があれば、ステップS1がYesとなってステップS2に移行する。ステップS2は、受信した操作入力が再生制御要求(再生、一時停止など)であるかどうかの判定である。ステップS2がYesであれば、ユーザから要求された再生速度での再生を指示する(ステップS3)。つまりストリームデコーダ105に、入力されたストリームをデコードしてビデオデータ、オーディオデータの分離を行わせ、ビデオデータ、オーディオデータをAVデコーダ106に出力する(ステップS4)。
BD-ROMから読み出されたクラスファイルは、実行可能なコードに変換され、ヒープメモリ5に記憶される。Java(登録商標)仮想マシン4は、ヒープメモリ5に記憶されたアプリケーションプログラムを起動し、実行可能なコードを解釈実行し、必要に応じてグラフィックス画像を生成して出力する。AVデコーダ106は、AVストリームに含まれるビデオデータを、オーディオデータと同期をとりながら復号し、オーディオデータの復号音声をスピーカーに出力し、ビデオデータの復号映像をディスプレイに出力する(ステップS5)。その後、ステップS1における受信待ち状態に戻る。
ステップS2がNoであれば、動作状態判定部11に、受信したキーイベントを通知して(ステップS6)、動作状態判定処理を行わせ(ステップS7)、その結果に応じて、処理の分岐を行う。この動作状態定処理は、AV再生中である場合であるかどうか、受け取ったキーイベントがタイトルの再生区間中に実行が可能なアプリケーションを操作するためのものであるかどうかを判定するものである。再生装置の状態がAV再生中で、押下されたのが方向キー、ENTERキーであるなら、再生速度指示処理(ステップS8)を実行してステップS4に移行する。
非再生中で、押下されたのがセットアップメニューを呼び出すメニューキーであるなら、セットアップメニュー処理(ステップS9)を実行した上で、ステップS1における受信待ち状態に戻る。AV再生中であっても、通知を受けたキーイベントがアプリケーション操作に関するキーイベントではなく、メニューキーでもない場合、通知を受けたキーイベントを廃棄し(ステップS10)、ステップS1における受信待ち状態に戻る。
図12は、動作状態判定処理の処理手順を示すフローチャートである。操作入力に対応するキーイベントを受け取ると、ステップS12において、プレーヤ状態レジスタ2aからプレーヤ状態情報を読み出して取得して、ステップS13においてプレーヤ状態情報内のカレントタイトル番号、カレントチャプター番号が有効な番号であるか、又は無効な番号であるかを調べる。
カレントタイトル番号が有効な番号であれば、ステップS13からステップS14に移行する。
ステップS14は、受け取ったキーイベントがアプリケーションの操作に関するキー(例えば方向キーまたはENTERキーなど)であるかどうかを判定する判定ステップであり、本ステップがYesであれば、再生速度指示部12に受け取ったキーイベントを通知した上で(ステップS15)、メインフロ−チャ−トにリターンする。ステップS14において、受け取ったキーイベントがアプリケーションの操作に関するキーでないと判定した場合は、受け取ったキーイベントを廃棄(ステップS16)し、メインフロ−チャ−トにリターンする。
ステップS13において、カレントタイトル番号、カレントチャプター番号が無効な番号である場合、操作受付部112より受け取ったキーイベントを制御情報設定部13に通知して(ステップS17)、メインフロ−チャ−トにリターンする。
図13は、再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS21は、動作状態判定部11からのメッセージが、動作状態判定部11からのキーイベントの通知であるか、タイムアウト通知であるか否かの判定である。
受け取ったメッセージが動作状態判定部11からのキーイベントの通知である場合、プレーヤ設定情報を取得して(ステップS22)、ステップS23に移行する。ステップS23は、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるプレーヤ設定情報では、自動速度制御が許可されているかどうか(つまり、ONまたはOFFのいずれであるのか)の判定である。ステップS23がYesなら、ステップS24〜ステップS26の処理を実行する。自動速度制御が許可されておらず(OFF)、ステップS23がNoなら、ステップS24〜ステップS26の処理をスキップする。
ステップS24は、プレーヤ設定情における速度レベルが0であるか否かの判定である。Yesであれば、再生速度指示部12に一時停止を指示する(ステップS26)。Noであれば、速度レベルに応じた再生速度での再生(スロー再生)を指示する(ステップS27)。
例えば、速度レベル“1”が通常再生に比べ非常に遅く、速度レベル“5”はやや遅いなどのように再生速度を5段階で調節することができる。
以上の処理の後、タイマ管理部14にタイマによる所定時間の計測の開始を指示するメッセージを通知して(ステップS28)。その後、メインルーチンにリターンする。
続いて、ステップS21においてタイムアウト通知を受信した場合について説明する。このタイムアウト通知は、タイマ管理部14からの最後のキー入力から所定時間(この例では30秒)が経過したことを示すものである。受け取ったメッセージがタイマ管理部14からのタイムアウト通知であれば、再生エンジン1に通常速度で再生するよう指示して(ステップS29)、メインルーチンにリターンする。
図14は、セットアップ処理の処理手順を示すフローチャートである。
本フローチャートは、3つの判定ステップを含み、これらの判定ステップの判定結果の組合せで、実行すべき処理が切り替わる構成になっている。
ステップS31は、キーイベントの種類がセットアップキーかどうかの判定であり、ステップS32は、セットアップメニューの表示中かどうかの判定である。ステップS33は、キーイベントの種類が、ENTERキー又は方向キーであるかの判定である。
方向キーは、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2を操作するものであり、ENTERキーは、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2における設定を、プレーヤ設定レジスタ2bに格納させるものである。
つまり、ディスプレイにアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2が表示されていれば、発生したキーイベントが、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2を操作するものかどうか、又は、アプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2における設定を、プレーヤ設定レジスタ2bに格納させるものなのかどうかがこのステップS33にて判定されることになる。
ステップS31がYesであれば、ステップS34においてセットアップメニューを表示する。この際、図9で示したようなアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2が表示される。図9のアプリケーションEASYモードを設定するためのモード設定メニューmn2は、例えば、速度自動制御の設定画面と速度レベルの設定画面とを有するものであり、速度自動制御でONを設定したとき、速度レベル設定画面が表示され、速度レベルの設定が可能となるように構されている。
ステップS31でNo、ステップS32がYes、ステップS33で“キーイベントの種類=ENTERキー”と判定されれば、ステップS35においてセットアップメニューにて設定された設定情報をプレーヤ設定レジスタ2bに書き込み、ステップS36においてセットアップメニューを閉じる。その後、メインルーチンにリターンする
ステップS32がYes、ステップS33で“キーイベントの種類=方向キー”と判定されれば、セットアップメニューにおけるフォーカス状態を、方向キーイベントに示される方向に移動する(ステップS37)。その後、メインルーチンにリターンする。
図9におけるモード設定メニューmn2の表示中であると、ENTERキーが押下されることで、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるプレーヤ設定情報内の速度自動制御にON(許可)が格納され、速度レベルに1が格納されることになる。この上で、メインルーチンにリターンする。
ステップS32がNoであれば、ステップS38においてキーイベントを廃棄した上でメインルーチンにリターンする。
以上のように本実施形態によれば、AVストリームの再生中に、並行して動作するようなアプリケーションを、ユーザ操作に応じて起動する場合、プレーヤ設定レジスタ2bにおけるプレーヤ設定情報内の速度自動制御がON(許可)であれば、プレーヤ設定レジスタ2bにおける速度レベルに設定された速度レベルに従ってAVストリームの再生速度を通常再生よりも遅い再生速度にて再生するか、またはAVストリームをポーズさせるので、インタラクティブなアプリケーションを操作するユーザに、操作するための時間をより長く与えることができるようになる。そのためAV再生中における、通常速度での再生時間が極短い場合であっても、AV再生と同期して実行されるアプリケーションに対する操作期間が確保されることになる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、制御情報設定部13を、再生装置に組込まれた組込み型のプログラムとして説明した。本実施形態は、この制御情報設定部13をBD-ROM100から供給する改良に関する。
本実施形態において、説明の題材にとりあげるアプリケーションの仕様について説明する。図15(a)は、インタラクティブアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。インタラクティブアプリケーションは、方向キーの押下時には、方向キーに対応するキーイベントに対応する処理を実行するものである。このキーイベント処理により、ディスプレイ内の映像フレーム中にポインタp1が表示され、映像フレームに表示されている映像の中から選択可能な映像が選択される。こういった、ポインタp1を用いた映像の操作が可能になる。そして、このポインタp1を用いて映像フレーム中の物体像をクリックすることができる。本図では、物体像としてF1マシンが描かれている。このF1マシンがクリックされることで、情報画面p3がポップアップ表示される。この情報画面は、映像フレーム中の物体像のうち、クリックされた部位の解説を示す。本図の場合、F1マシンのタイヤ部位がクリックされたので、F1マシンのスペックとして、その部位の細目が表示される。この例では、タイヤのメーカ名(Stonebridge)が表示される。
オンラインショッピングアプリケーションのアプリケーションプログラムは、リモコンにおいて、特定の役割が与えられている赤色のキーを押下されれば、起動されて、オンラインでのチケットを購入を可能とせしめる。つまり、本実施形態におけるオンラインショッピングアプリケーションは、リモコンにおけるキーのうち、特定の役割をもったものが押下された際、起動するような仕様になっている。図15(b)は、オンラインショッピングアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。本図における映像フレームは、チケットを購入できるオンラインショッピングアプリケーションの購入画面p2を含む。この購入画面p2は、オンラインショッピングアプリケーションの事業主体の表示(=TicketStore=)、商品の表示(xxx.Ticket)、価格の表示(Price:$500.00)、商品購入を受け付けるためのボタン(Buy)を含む。こうした購入画面p2を表示させるにあたっては、第1実施形態同様、AVストリームの再生速度を制御するのが望ましい。
図16は、第2実施形態に係るJARファイルの内部構成を示す図である。本図は、図2(a)をベースとして作図されており、本図におけるハッチングは、このベースとなる内部構成に対して異なる部分を強調して示している。つまり、再生速度指示アプリケーション12aのクラスファイルが記録されている点と、この再生速度指示アプリケーション12aを起動するためのキーイベントを選別するイベントリスナ15がインタラクティブアプリケーションのクラスファイルに存在する点とが、本実施形態特有の改良になる。
図17は、第2実施形態における、クラスファイルのインスタンスが生成された際、このインスタンスがどのように動作するかを示す図である。本図は、図6をベースとして作図されており、このベースとなるレイヤモデルのうち、ヒープメモリ5の内部に、再生速度指示アプリケーション12aを記述している。また再生制御エンジン2の内部に、プレーヤ状態レジスタ2a、プレーヤ設定レジスタ2b、動作状態判定部11、再生速度指示部12、タイマ管理部14を書き加えている。以降、新規な構成要素たるイベントリスナ15、再生速度指示アプリケーション12aについて説明する。
(イベントリスナ15)
イベントリスナ15は、キーイベント予約情報を保持している。キーイベント予約情報とは、アプリケーションが受付可能なキーイベントのうち、再生速度の変更を併せて行うものはどれであるかを示す情報であり、再生速度の変更を併せて行うキーイベントを操作受付部112から受け取ると、受け取ったキーイベントに対応する処理をアプリケーションに実行させるとともに、再生速度の制御を再生速度指示アプリケーション12aへ指示する。逆に、速度変更が不要なキーイベントを受け取ると、受け取ったキーイベントに対応する処理をアプリケーションを実行させ、再生速度指示アプリケーション12aへの指示は行わない。
(再生速度指示アプリケーション12a)
再生速度指示アプリケーション12aは、受け取った再生速度の制御の指示を受け取ると、指示に従い再生速度を制御するように再生エンジン1へ指示する。再生速度指示アプリケーション12aは、BD-ROM100のクラスファイルからBD-Jモジュール3に供給され、BD-Jモジュール3上で動作するので、再生速度指示アプリケーション12aは、再生制御エンジン2内のプレーヤ状態レジスタ2aからカレントタイトル番号、カレントチャプター番号を読み出し、再生制御エンジン2のプレーヤ設定レジスタ2bから速度自動制御、速度レベルを読み出す。また再生制御エンジン2内のタイマ管理部14に対して計時開始を指示し、タイマ管理部14からタイムアウトの通知を受ける。
図18は、第2実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。本図は、図11のフローチャートをベースとして作図されており、このベースとなるフローチャートと同一のステップについては、同一の参照符号を付している。
ステップS1は、ユーザによるリモコンからの操作入力を受信待ちステップである。操作入力があれば、ステップS1がYesとなってステップS2に移行する。ステップS2は、受信した操作入力が再生制御要求(再生、一時停止など)であるかどうかの判定である。ステップS2がYesであれば、ユーザから要求された再生速度での再生を指示して(ステップS3)、ステップS4に移行する。
ステップS2がNoであれば、受信したキーイベントをアプリケーションに通知して(ステップS41)、再生速度指示処理(ステップS8)を実行してステップS4に移行する。
ステップS4においてストリームデコーダ105は、入力されたストリームをデコードしてビデオデータ、オーディオデータに分離し、AVデコーダ106に出力する。ステップS5においてアプリケーションプログラムは、必要に応じてグラフィックス画像を生成する。それと共にAVデコーダ106は、ビデオデータとオーディオデータとを同期をとりながら復号する。オーディオデータの復号音声はスピーカーに、ビデオデータの復号映像はディスプレイにそれぞれ出力される。
図19は、再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。
ステップS51は、アプリケーションによるキーイベントの通知待ちであり、もしキーイベントが通知されれば、イベントリスナに、キーイベントを解析させる(ステップS52)。ステップS53は、キーイベントが速度制御の対象としてキーイベント予約情報に登録されているかどうかの判定であり、ステップS53がNo(未登録)であるなら、ステップS54をスキップしてステップS55に移行する。
ステップS54がYes(登録有)であるなら、再生速度の指示を行った上で(ステップS54)、アプリケーションにキーイベントに応じた処理を行わせ(ステップS55)、メインルーチンにリターンする
次に、AVストリーム再生中にユーザがインタラクティブなアプリケーションプログラムを操作した場合の例について説明する。
赤色のキーが押下されると、イベントリスナは、受け取ったキーイベントに対応する処理、つまり、表示画面に購入画面p2を表示する処理を実行する。それと共に、このキーイベントが再生速度制御の対象キーであると判定し、再生速度指示アプリケーション12aに、再生中のAVストリームの再生を制御するよう指示する。再生速度指示アプリケーション12aは、この指示を受けてAVストリームをポーズした状態で表示するよう再生エンジン1に指示する。
再生エンジン1は、ポーズの指示を受けると再生中のAVストリームが一時停止した状態で表示されるとともに、購入画面p2が映像フレームに重ねて表示される。この状態を示したのが図15(b)である。この状態でユーザが所定の処理を行い、購入処理をした後、購入画面p2が閉じられた後、AV再生を通常速度に戻す。
以上のように本実施形態によれば、イベントリスナ15を有したアプリケーションと、再生速度指示アプリケーション12aとを作成し、そのクラスファイルをBD-ROM100に記録しておくことで、操作入力に応じて、アプリケーションプログラムを起動できるようになる。こうすることで、ユーザが特定のキーを押下したとき等、AVストリーム作成者側が意図するアプリケーションプログラムを意図したタイミングにおいて、意図する再生速度でAVストリームを再生することができる。
再生速度指示アプリケーション12aを生成するようなライブラリィを、再生装置のメーカーが、AVストリームプロバイダに提供することにより、第1実施形態で説明したような再生速度指示部13と同様の機能を再生装置に行わせることができる。こうすることで、再生速度指示部13のプログラムが組込プログラムとして組込まれていない、旧製品の再生装置に対しも、第1実施形態同様の処理を実現させることができる。
(第3実施形態)
第2実施形態は、速度制御のためのアプリケーションを記録媒体から供給する改良であったが、本実施形態は、速度制御のための情報を、AVストリームの内部に組み込んでおく改良に関する。図20は、速度制御のための情報が組み込まれたAVストリームを示す図である。本図の上側には、BD-ROMにおいてYYYYY.M2TSというファイル名で格納されているAVストリームが配置されている。このAVストリームには、ハッチング部に示すように、ストリームテーブル情報が組込まれている。引き出し線y51は、ストリームテーブル情報の構成をクローズアップしている。トリームテーブル情報は、「セクション制御情報」、「ストリーム制御情報」からなる。
引出線y52は、「セクション制御情報」の内部構成をクローズアップしている。この引出線に示すように、セクション制御情報は、AVストリームにおけるセクション種別(図中では“8”に設定)、セクション識別子(図中では“16”に設定)、セクション番号(図中では“1”に設定)からなる。
引出線y53は、「ストリーム制御情報」の内部構成をクローズアップしている。引出線に示すように、ストリーム制御情報は、ストリーム種別(図中では“2”)、プログラム種別(図中では“150”)、速度制御情報の数(図中では“1”)、速度制御情報からなる。引出線y54は、速度制御情報の内部構成をクローズアップしている。引出線に示すように、速度制御情報は、開始時間情報(図中では、“2:24:43.09”)、終了時間情報(図中では“2:34:43.09”)、速度情報(図中では“5”)に設定されている。
以上が、本実施形態におけるBD-ROM側の改良についての説明である。続いて、再生装置側の改良について説明する。
図21は、第1実施形態に示した再生装置の内部構成のうち、本実施形態の改良に深く係る部分(ストリームデコーダ105、再生制御エンジン2、制御情報設定部13)を描いた図である。
以降、これらの改良部分について説明する。
ストリームデコーダ105は、AVストリームからストリーム制御情報を分離して、制御情報設定部13に引き渡す。
制御情報設定部13は、ストリームデコーダ105から引き渡されたストリーム制御情報内の速度制御情報を、速度レベルとしてプレーヤ設定レジスタ2bに書き込む。
以上のストリームデコーダ105、制御情報設定部13により、AVストリーム内の速度制御情報が、プレーヤ設定レジスタ2bに書き込まれることになる。以上が、本実施形態における再生装置の内部構成の改良である。続いて、本実施形態における再生装置の処理手順の改良について説明する。
図22は、第3実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。
ステップS61は、AVストリームからストリーム制御情報が分離されたかどうかを待つ事象待ちステップであり、ストリーム制御情報が分離されれば、ストリーム制御情報における速度制御情報をプレーヤ設定レジスタ2bに書き込んで(ステップS62)、ステップS63に移行する。ステップS63は、その速度制御情報内の開始時間情報と、タイマの時刻とが一致するという事象の成立を待つ事象成立待ちステップである。もし一致すれば、プレーヤ設定レジスタ2bから速度情報を取得して、その速度での再生を行い(ステップS64)、ストリームデコーダ105に、ストリームの分離及び出力を行わせる(ステップS65)。そして、AVデコーダ106によるAV再生と、アプリケーションGUIとをそれぞれ出力する(ステップS66)。
ステップS67は、速度制御情報内の終了時間情報と、タイマの時刻とが一致するという事象の成立を待つ事象成立待ちステップである。もし一致すれば、通常の再生速度での再生を行わせ(ステップS68)、ストリームデコーダ105に、ストリームの分離及び出力を行わせる(ステップS69)。そして、AVデコーダ106によるAV再生と、アプリケーションGUIとをそれぞれ出力して(ステップS70)、ステップS61に戻る。
以上のように本実施形態によれば、AVストリームに組込まれたストリーム制御情報に基づき、アプリケーションの動作速度の調整を実現するので、より細かな時間精度での速度制御を実現することができる。
(第4実施形態)
本実施形態は、第1実施形態〜第3実施形態に述べたAV再生をどのように実現するかを述べる実施形態である。図23は、第4実施形態に係る動作モードオブジェクト(BD-Jオブジェクト)の内部構成を示す図である。本図は、図2(b)をベースとして作図されており、このベースとなる構成と比較して、BD-JオブジェクトにAccessibleプレイリストテーブルが存在する点が異なる。Accessibleプレイリストテーブルとは、アプリケーションの生存区間において、各アプリケーション実行と同時に行うべき再生制御を示すテーブルである。アプリケーションの動作というのは不安定であり、起動の失敗や異常終了がありうる。そこで起動失敗、異常終了があった場合のFailSafe機構として、本実施形態ではアプリケーションの生存区間毎に、Accessibleプレイリストテーブルを設けている。の再生制御とは、プレイリスト情報に基づくAVストリーム再生であり、プレイリスト情報による再生制御を再生エンジン1に実行させることで、アプリケーション実行と、プレイリスト再生とが同時になされることになる。
本実施形態でのAV再生は、動作モードオブジェクトのAccessibleプレイリストテーブルで指定されたプレイリスト情報に基づきなされるので、再生速度指示部12又は再生速度指示アプリケーション12aにより指示される速度レベルが、通常の再生速度よりも低い速度を意味するものである場合、AVストリームの再生時間長が長くなり、それに伴いタイトルの時間長も長くなる。こうして、速度レベルの指示を通じて、間接的にタイトルの時間長を長くすることで、アプリケーションの動作期間を長くすることができ、GUIに対して、操作を行いうる余裕を作り出すことができる。
(備考)
以上、本願の出願時点において、出願人が知り得る最良の実施形態について説明したが、以下に示す技術的トピックについては、更なる改良や変更実施を加えることができる。各実施形態に示した通り実施するか、これらの改良・変更を施すか否かは、何れも任意的であり、実施する者の主観によることは留意されたい。
(アプリケーションシグナリングの単位)
各実施形態では、BD-ROMにおけるタイトルを生存区間としてアプリケーションシグナリングをアプリケーションマネージャ8に実現させたが、オーディオストリームをスロー再生にすることで、その生存区間が長くなるものであれば、タイトル以外の再生単位でアプリケーションシグナリングを実現してもよい。例えば、デジタル放送規格におけるサービスを生存区間としてアプリケーションシグナリングを実現してもよい。また、プレイリストやチャプターという単位でもアプリケーションシグナリングを実現してもよい。
(プレーヤ情報テーブルの形式)
プレーヤ設定レジスタにおけるプレーヤ情報テーブルの形式は、第1実施形態に示した形式のデータに限定される必要は無く、記録媒体に記録されたAVストリーム再生に関する情報を、プレーヤ設定レジスタに格納できる形式のデータであればどのような形式であってもよい。
同様に、プレーヤ設定情報の形式は、第1実施形態に示した形式のデータに限定される必要は無く、再生装置100に設定されている情報をプレーヤ設定レジスタ2bに格納できるものであればどのような形式のデータであってもよい。
(AV再生中状態の判定基準)
AV再生中状態とは、早送り等の特殊再生をしている状態を含むとしてもよい。この場合、再生速度指示処理中の中で、タイマ管理部からタイムアウトが通知されれば、特殊再生に戻るような動作を行ってもよい。
(速度レベル)
本実施の形態においては、速度レベルを0〜5までの6段階としたものを例に説明をしたが、これ限られず、何段階にしてもよい。
ま本実施の形態においては、速度レベルが“0”の場合を一時停止としたが、これに限られず、例えば速度レベルが“5”である場合を一時停止としてもよい。つまり、設定可能な速度レベルのうちのいずれかの速度レベルが一時停止となるように対応付けられていれば良い。
(システムLSI化)
図5に示したハードウェアの構成要素のうち、ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、RAM108、ROM109、CPU110、操作受付部112のみを1つのシステムLSIとして構成してもよい。このROM109の中には、図10に示したソフトウェア要素のうち、再生エンジン1、再生制御エンジン2内の動作状態判定部11、再生速度指示部12が存在する。図24は、ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、RAM108、ROM109、CPU110、操作受付部112を組込んだシステムLSIを模式的に示す図である。
システムLSIとは、高密度基板上にベアチップを実装し、パッケージングしたものをいう。複数個のベアチップを高密度基板上に実装し、パッケージングすることにより、あたかも1つのLSIのような外形構造を複数個のベアチップに持たせたものも、システムLSIに含まれる(このようなシステムLSIは、マルチチップモジュールと呼ばれる。)。
ここでパッケージの種別に着目するとシステムLSIには、QFP(クッド フラッド パッケージ)、PGA(ピン グリッド アレイ)という種別がある。QFPは、パッケージの四側面にピンが取り付けられたシステムLSIである。PGAは、底面全体に、多くのピンが取り付けられたシステムLSIである。
これらのピンは、他の回路とのインターフェイスとしての役割を担っている。システムLSIにおけるピンには、こうしたインターフェイスの役割が存在するので、システムLSIにおけるこれらのピンに、他の回路を接続することにより、システムLSIは、再生装置の中核としての役割を果たす。
かかるシステムLSIは、再生装置は勿論のこと、TVやゲーム、パソコン、ワンセグ携帯等、映像再生を扱う様々な機器に組込みが可能であり、本発明の用途を多いに広げることができる。図25は、再生装置に対する、システムLSIの組み込み方を示す図である。
上述したようなシステムLSIは、再生装置の機能を実現するものなので、システムLSIは、Uniphierアーキテクチャに準拠させるのが望ましい。
Uniphierアーキテクチャに準拠したシステムLSIは、以下の回路ブロックから構成される。
・データ並列プロセッサDPP
これは、複数の要素プロセッサが同一動作するSIMD型プロセッサであり、各要素プロセッサに内蔵されている演算器を、1つの命令で同時動作させることで、ピクチャを構成する複数画素に対するデコード処理の並列化を図る。
・命令並列プロセッサIPP
これは、命令RAM、命令キャッシュ、データRAM、データキャッシュからなる「Local Memory Contoroller」、命令フェッチ部、デコーダ、実行ユニット、レジスタファイルからなる「ProcessingUnit部」、複数アプリケーションの並列実行をProcessing Unit部に行わせる「Virtual Multi Processor Unit部」で構成される。
・CPUブロック
これは、ARMコア、外部バスインターフェイス(Bus Control Unit:BCU)、DMAコントローラ、タイマー、ベクタ割込コントローラといった周辺回路、UART、GPIO(GeneralPurpose Input Output)、同期シリアルインターフェイスなどの周辺インターフェイスで構成される。先に述べたCPU110は、このCPUブロックとしてシステムLSIに実装される。
・ストリームI/Oブロック
これは、USBインターフェイスやATA Packetインターフェイスを介して、外部バス上に接続されたドライブ装置、ハードディスクドライブ装置、SDメモリカードドライブ装置とのデータ入出力を行う。
・AVI/Oブロック
これは、オーディオ入出力、ビデオ入出力、OSDコントローラで構成され、テレビ、AVアンプとのデータ入出力を行う。
・メモリ制御ブロック
これは、外部バスを介して接続されたSD-RAMの読み書きを実現するブロックであり、各ブロック間の内部接続を制御する内部バス接続部、システムLSI外部に接続されたSD-RAMとのデータ転送を行うアクセス制御部、各ブロックからのSD-RAMのアクセス要求を調整するアクセススケジュール部からなる。
具体的な生産手順の詳細は以下のものになる。まず各実施形態に示した構成図を基に、システムLSIとすべき部分の回路図を作成し、回路素子やIC,LSIを用いて、構成図における構成要素を具現化する。
そうして、各構成要素を具現化してゆけば、回路素子やIC,LSI間を接続するバスやその周辺回路、外部とのインターフェイス等を規定する。更には、接続線、電源ライン、グランドライン、クロック信号線等も規定してゆく。この規定にあたって、LSIのスペックを考慮して各構成要素の動作タイミングを調整したり、各構成要素に必要なバンド幅を保証する等の調整を加えながら、回路図を完成させてゆく。
回路図が完成すれば、実装設計を行う。実装設計とは、回路設計によって作成された回路図上の部品(回路素子やIC,LSI)を基板上のどこへ配置するか、あるいは、回路図上の接続線を、基板上にどのように配線するかを決定する基板レイアウトの作成作業である。
こうして実装設計が行われ、基板上のレイアウトが確定すれば、実装設計結果をCAMデータに変換して、NC工作機械等の設備に出力する。NC工作機械は、このCAMデータを基に、SoC実装やSiP実装を行う。SoC(Systemon chip)実装とは、1チップ上に複数の回路を焼き付ける技術である。SiP(System in Package)実装とは、複数チップを樹脂等で1パッケージにする技術である。以上の過程を経て、本発明に係るシステムLSIは、各実施形態に示した再生装置の内部構成図を基に作ることができる。
尚、上述のようにして生成される集積回路は、集積度の違いにより、IC、LSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
FPGAを用いてシステムLSIを実現した場合は、多数のロジックエレメントが格子状に配置されており、LUT(Look Up Table)に記載されている入出力の組合せに基づき、縦・横の配線をつなぐことにより、各実施形態に示したハードウェア構成を実現することができる。LUTは、SRAMに記憶されており、かかるSRAMの内容は、電源断により消滅するので、かかるFPGAの利用時には、コンフィグ情報の定義により、各実施形態に示したハードウェア構成を実現するLUTを、SRAMに書き込むませる必要がある。
(ディレクトリ構成)
HDD102、メモリカードドライブ103は、Java(登録商標) IO Packageからのメソッドを用いることにより、アクセスすることができるローカルストレージであってもよい。HDD102、メモリカードドライブ103をローカルストレージとして構成することにより、HDD102、メモリカードドライブ103は、いわゆるバーチャルパッケージを構成することになる。
ここでローカルストレージは、複数のドメイン領域を有する。ここでドメイン領域とは、BD-ROMに固有なディスクルート証明書に対応するディレクトリのことであり、これらのディレクトリの配下に、組織毎のディレクトリを格納するというものである。
ディスクルート証明書とは、このBD-ROMを作成した作成者が、ルート認証局から配布を受けたルート証明書を、BD-ROMに割り当てたものである。ディスクルート証明書はたとえばX.509の形式で符号されている。X.509の仕様は国際電信電話諮問委員会より発行されており、CCITTRecommendation X.509 (1988), "The Directory - Authentication Framework“に記載されている。
組織のアプリケーション毎のディレクトリは、MHPのものと同じである。つまりローカルストレージでは、MHPに規定された各組織のアプリケーション毎のディレクトリを、ルート証明書に対応したディレクトリの配下に配置した構成になっている。こうすることで、MHPの格納方式と、互換を維持することができる。ここでローカルストレージのディレクトリ構成をアクセスするためのファイルパスのうち、ルート証明書に対応した部分までを、“ローカルストレージルート“という。
そして、BD-ROMにおけるディスクルート証明書に対応するディレクトリから、ローカルストレージルートを用いてクラスファイルを読み出し、このクラスファイルに基づきクラスオブジェクトを生成して、Java(登録商標)仮想マシン4による実行に供するのが望ましい。
またBD-ROM、ローカルストレージの記録内容は、Advancend Access Content System(AACS)にて暗号化され、署名情報が付されて、利用権限が、パーミッションファイルに規定されているのが望ましい。
例えば、ファイルパス「/Persistent/1/1/streams/に、所望のファイルが存在するか否かの確認は、java(登録商標).ioのexits()メソッドを用いることで行われる。所望のファイルがO.m2tsである場合の、
(TM).ioのexits()メソッドの用例を以下に示す。
例:
new java(登録商標).io.File(“/Persistent/1/1/streams/0.m2ts“).exists();
(アプリケーションキャッシュ6への格納)
各実施形態で説明した動作モードオブジェクトであるBD-Jオブジェクトに、キャッシュ管理情報を含ませておき、このキャッシュ管理情報に基づき、アプリケーションキャッシュ6への格納を行わせるのが望ましい。キャッシュ管理情報は、BD-Jオブジェクトに対応するタイトルがカレントタイトルになった際、当該タイトルにおけるAV再生が開始されるまでに、どのアプリケーションを構成するファイルを、アプリケーションキャッシュ6に読み込むべきかを示すものである。
BD-Jモジュール3は、カレントタイトルの選択があった場合、当該タイトルにおけるAV再生が開始されるまでに、カレントタイトルに対応するBD-Jオブジェクト内のキャッシュ管理情報に示されているファイルを、アプリケーションキャッシュ6に読み込む
またキャッシュ管理情報は、その内部にアプリケーションのそれぞれに対応付けられたエントリーを含む。各エントリーは、対応するアプリケーションをアプリケーションキャッシュ6に読み込ませる旨を再生装置に指示する情報であり、所定の順位が付与されている。BD-Jモジュール3は、その付与された順位がもっとも高いエントリーに対応するアプリケーションを最初にアプリケーションキャッシュ6に読み込み、それ以降、順位が高い順に、残りのエントリーに対応するアプリケーションを、順次アプリケーションキャッシュ6に読み込む。
キャッシュ管理情報に示されているアプリケーションには、グループ属性が付与されているので、ミニマムスタンダードたるメモリ規模に応じたアプリケーション、より大きいメモリ規模の動作環境に応じたアプリケーションのうちどちらかを、再生装置のメモリ規模に応じて、再生装置のアプリケーションキャッシュ6にロードすることができる。かかるロードにより、ミニマムスタンダードでの動作を保証しつつも、オーサリング担当者の制作意欲を如何なく発揮できるような土壌を提供することができる。
アプリケーションキャッシュ6の規模に基づいて、グループ属性をもった複数のアプリケーションのうち1つを排他的にキャッシュに配置するように制御を行うことが可能になり、複数アプリケーションのうち、メモリ規模に応じた唯一のものがアプリケーションキャッシュ6にロードされるので、再生装置のグレードに応じて、より高品位のアプリケーションを動作させることができ、タイトル制作の幅が広がる。
また、個々のエントリーに、当該アプリケーションが属する言語グループを識別するための言語属性をもうけておいてもよい。BD-Jモジュール3は、カレントタイトルの選択があった場合、当該タイトルにおけるAV再生が開始されるまでに、そのカレントタイトルに対応するBD-Jオブジェクト内のキャッシュ管理情報に示されているファイルを、アプリケーションキャッシュ6に読み込み、様々な言語属性をもつアプリケーションのうち、自身の言語設定にあったものを、アプリケーションキャッシュ6に配置する制御を行う。
(未登録であったイベントの処理)
ユーザイベントマネージャ9は、ユーザ操作に応じてイベントが発生した場合、当該イベントがKeyInterestテーブルにおいて有効とされているか否かを判定して、判定結果が肯定的であるなら、キーイベントをアプリケーションに出力した。ここで、ユーザ操作にて発生したイベントがKeyInterestテーブルに登録されていなかった場合、そのイベントに対応するオペレーションを、再生制御エンジン2に処理させてもよい。
こうすることで、アプリケーションのイベントリスナにイベントの対応漏れや、バグがあったとしても、ユーザイベントマネージャ9により、再生制御エンジン2に対する再生制御が行われることになる。アプリケーションにバグがあったとしても違和感がない制御がなされることは、再生装置側から保証されているので、アプリケーションを開発するソフトハウスは、バグの発生等に躊躇することなく、他社にはない再生制御を実現することができる。
(GUI画面の実現)
各実施形態で述べたGUI画面は、OSD(On Screen Display)イメージデータ、Look Up Tebleから構成するのが望ましい。ここでOSDイメージデータとは、所定ビットのコードが各画素に割り当てられており、それらの所定ビットのコードの設定により画像内容を表現したデータである。この所定ビットのビット長の長さは、画素を描画する際の色数を表す、例えば、この所定ビットが1ビットなら、2色を用いてOSDイメージデータの各画素は着色されることになり、所定ビットが2ビットなら4色を用いて、所定ビットが4ビットなら16色を用いてOSDイメージデータの各画素は着色されることになる。
LUTとは、画素コードのそれぞれに対応した複数のエントリデータを含む。各エントリデータは、OSDにおける一画素に割り当てるべき輝度データと、当該一画素に割り当てるべき赤色差データと、当該一画素に割り当てるべき青色差データと、OSDを表示映像としてどのような割合で混合し、出力するかを示す混合率αとを含む。LUTにおけるそれぞれのエントリデータは、赤、青、緑、黄等の固有色を表現するよう輝度データ、青色差データ、赤色差データの値が設定されており、それぞれの値は互いに異なる。
これらから構成されたGUI画面における対話制御は、以下のような複数のアイテム情報からなるマークアップ情報に基づき実現される。
マークアップ情報における個々のアイテム情報は、GUI画面における個々の選択アイテムに対応するものである。具体的にいうと、対応する選択アイテムにフォーカスが存在する状態において、リモコンに存在する各キーが押下された場合、どの選択アイテムにフォーカスを移動させるかを示す『フォーカス移動先情報』と、対応する選択アイテムがノーマル状態及びフォーカス状態になった際、かかる選択アイテムを、どのような輝度及び色彩のLUTを用いて表示するかを示す『パレット情報』と、対応する選択アイテムの確定時において、再生装置に実行させるべき『コマンド』とからなる。
以上が、GUI画面を実現するためのデータ構造である。一方、記録再生装置における構成としては、複数ライン分の画素データとOSDデータ及びLUTのエントリーを入力し、所定の拡大率と、各データの混合率αとに応じてフィルタリングを行うことにより、映像信号に変換して外部に接続されたテレビ受像器等の表示部に出力する。そして、ユーザ操作と、対話制御情報とに応じて、表示に用いるLUTを変化させることで、アイテム間のフォーカス移動を実現する。
本発明に係る再生装置は、インタラクティブなサービスを提供するアプリケーションプログラムを含むAVストリームを再生する端末に適用でき、映像の再生中に並行して実行が可能なアプリケーションプログラムの操作を容易にし、操作の煩わしさを軽減することができる。
(a)本実施の形態に用いる記録媒体の一例であるBD-ROM100の構成を示した図である。 (b)Index.bdmvの内部構成を示す図である。 (a)JARファイルの中のファイル構造の一例を示す図である。 (b)BD-Jオブジェクトの内部構成を示す図である。 本実施形態に係る再生装置が実行対象としているインタラクティブアプリケーション、オンラインショッピングアプリケーションのGUI仕様を示す図である。 再生装置が想定しているアプリケーションの動作仕様を示す図である。 再生装置のハードウェア構成を示す図である。 再生装置のソフトウェア構成のレイヤモデルを示した図である。 再生装置の特徴にてもたらされる、アプリケーション動作仕様の改善を模式的に示す図である。 (a)プレーヤ状態レジスタ2aにおけるプレーヤ状態情報の内部構成を示す図である。 (b)プレーヤ設定情報の内部構成を示す図である。 再生装置によるセットアップメニューを示す図である。 再生制御エンジン2における機能的な構成要素を示す図である。 再生制御エンジン2におけるメインルーチンにあたる処理手順を記述したフローチャートである。 動作状態判定処理の処理手順を示すフローチャートである。 再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。 セットアップ処理の処理手順を示すフローチャートである。 (a)インタラクティブアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。 (b)オンラインショッピングアプリケーションにおけるGUI仕様を示す図である。 第2実施形態に係るJARファイルの内部構成を示す図である。 第2実施形態における、クラスファイルインスタンスが生成された際、このインスタンスがどのように動作するかを示す図である。 第2実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。 再生速度指示処理の処理手順を示すフローチャートである。 速度制御のための情報が組み込まれたAVストリームを示す図である。 第1実施形態に示した再生装置の内部構成のうち、本実施形態の改良に深く係る部分(ストリームデコーダ105、再生制御エンジン2、制御情報設定部13)を描いた図である。 第3実施形態におけるメインフローの処理手順を示すフローチャートである。 第4実施形態に係る動作モードオブジェクト(BD-Jオブジェクト)の内部構成を示す図である。 ストリームデコーダ105、AVデコーダ106、RAM108、ROM109、CPU110、操作受付部112を組込んだシステムLSIを模式的に示す図である。 再生装置に対する、システムLSIの組み込み方を示す図である。
1 再生エンジン
2 再生制御エンジン
3 BD-Jモジュール
4 Java(登録商標)仮想マシン
5 ヒープメモリ
6 アプリケーションキャッシュ
7 クラスローダ
8 アプリケーションマネージャ
9 ユーザオペレーションマネージャ
11 動作状態判定部
12 再生速度指示部
13 制御情報設定部
14 タイマ管理部

Claims (15)

  1. 再生装置であって、
    アプリケーションを実行する実行手段と、
    再生手段と、
    ユーザ操作を受け付ける受付手段と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    再生手段によるAV再生中に、受付手段がユーザによる操作を受け付けた場合、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じた上で、ユーザ操作に応じたキーイベントを、アプリケーションに出力する
    ことを特徴とする再生装置。
  2. 再生装置は、ユーザによるセットアップ設定を受け付けるセットアップ手段を備え、
    前記再生速度レベルは、
    通常の速度レベルより低い速度レベル、及び、AV再生をポーズさせる速度レベルを含む
    ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
  3. 前記実行手段は、再生手段が、予め定められた速度レベルで再生を行ったとしても、アプリケーションの実行速度を維持する
    ことを特徴とする請求項1記載の再生装置。
  4. 前記セットアップ手段は、セットアップ操作の受け付け時において、0(ゼロ)から、Nまでの数値入力を受け付け、
    通常の速度レベルより低い速度レベルとは、1からNまでの数値によって表現され、
    AV再生をポーズさせる速度レベルとは、0の数値によって表現され、
    前記速度レベルは、速度レベルに対応する数値を再入力することで、変更可能となる、請求項3記載の再生装置。
  5. 前記再生装置は、
    タイマと、前記タイマを管理するタイマ管理部を備え、
    前記タイマ管理部は、前記タイマを用いて、ユーザからの操作入力を受け取ってからの経過時間を計測し、計測した経過時間が所定時間になると、タイムアウトの通知を行い、
    制御手段による所定の速度レベルでのAV再生は、前記タイマ管理部からのタイムアウト通知により解除される
    請求項3記載の再生装置。
  6. 再生装置は、プレーヤ状態レジスタを備え、
    プレーヤ状態レジスタは、現在の再生時点に関するパラメータを格納しており、
    前記再生装置は、受付手段がユーザ操作を受け付けた際、プレーヤ状態レジスタにおけるパラメータを参照することで、その受け付け時点における再生装置の状態が、AV再生中であるか否かの判定を行う状態判定手段を備え、
    制御手段が所定の速度レベルでのAV再生を再生手段に命じるのは、状態判定手段がAV再生中であると判定した場合のみである
    ことを特徴とする請求項3記載の再生装置。
  7. 前記アプリケーションは、イベントリスナを備え、
    イベントリスナには、複数のキーイベントのうち、速度制御の対象となるものが予め登録されており、
    予め定められた速度レベルでのAV再生は、
    受付手段が受け付けたキーイベントが速度制御の対象となるものとして、予め登録されている場合のみなされる
    請求項3記載の再生装置。
  8. 前記実行手段は、記録媒体に記録されたクラスファイルからインスタンスを生成することで、アプリケーションの実行を行い、
    前記記録媒体には、再生速度指示プログラムのクラスファイルが記録されており、
    予め定められた速度レベルでのAV再生とは、
    再生速度指示プログラムにより指示される速度にて、再生を行うことである
    請求項3記載の再生装置。
  9. 再生手段によるAV再生の対象は、記録媒体に記録されたデジタルストリームであり、
    前記デジタルストリームは速度制御情報を有しており、
    予め定められた速度レベルとは、
    速度制御情報にて規定された速度レベルである
    ことを特徴とする請求項3記載の再生装置。
  10. 速度制御情報は、開始時間及び終了時間を示し、
    予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じるのは、
    再生装置の状態がAV再生中であって、現在の再生時点が、速度制御情報に示される開始時間に到達した時点以降であり、
    前記再生手段が、予め定められた速度レベルでのAV再生の終了を再生手段に命じるのは、
    再生装置の状態がAV再生中であって、現在の再生時点が、速度制御情報に示される終了時間に到達した時点以降である
    ことを特徴とする請求項9記載の再生装置。
  11. 前記AV再生の対象は、記録媒体に記録されたタイトルであり、
    前記記録媒体には、アプリケーションについてのクラスファイルが記録されていて、
    前記実行手段は、仮想マシンのプラットフォームであり、ヒープメモリと、クラスローダと、アプリケーションマネージャとを含み、
    前記アプリケーションマネージャは、プラットフォーム上でタイトルバウンダリのアプリケーションシグナリングを実行するものであり、記録媒体における何れかのタイトルの再生が開始されれば、記録媒体に存在するクラスファイルのうち、当該タイトルを生存区間とするもののインスタンスをヒープメモリ上に生成するようクラスローダに命じることで、前記アプリケーションを実行可能な状態とし、
    前記受付手段は、ユーザイベントマネージャを含み、
    前記ユーザイベントマネージャは、ユーザによってなされた操作のうち、タイトルにおいて有効とされているものに対応するキーイベントを生成して、実行可能な状態にあるアプリケーションに送信するものであり、
    前記制御手段による所定の速度レベルでのAV再生の指示は
    ユーザによって操作がなされてから、キーイベントが送信されるまでの期間内になされる
    ことを特徴とする請求項3記載の再生装置。
  12. 前記記録媒体には、動作モードオブジェクトが記録されており、
    動作モードオブジェクトは、タイトルの再生が開始された際、どのような動作モードで、タイトルにおける動的な制御を実現するかを規定するテーブルであり、アプリケーション管理テーブルと、当該タイトルにおいて有効となるキーを指定するキーインタレストテーブルとを含み、
    前記アプリケーションマネージャは、
    タイトルの再生が開始された際、そのタイトルに対応付けた動作モードオブジェクトから、アプリケーション管理テーブルを受け取り、このアプリケーション管理テーブルに基づき、アプリケーションシグナリングを実現するものであり、
    前記ユーザイベントマネージャは、
    タイトルの再生が開始された際、そのタイトルに対応付けた動作モードオブジェクトから、キーインタレストテーブルを受け取り、ユーザにて操作されたキーが、キーインタレストテーブルにおいて、有効とされているキーであるか否かの判定を行い、
    前記前記アプリケーションに送信されるキーイベントは、キーインタレストテーブルにおいて有効とされているキーに対応するキーイベントである
    ことを特徴とする請求項11記載の再生装置。
  13. 前記記録媒体には、AVストリームを参照したプレイリスト情報が記録されており、
    前記動作モードオブジェクトは、
    タイトルの再生が命じられた際、自動的に開始すべきプレイリストを指示するアクセスブルプレイリスト情報を含み、
    再生手段によるAV再生は、動作モードオブジェクトにおけるアクセスブルプレイリスト情報にて指示されたプレイリスト情報に基づいてAVストリームを再生することでなされ、
    前記所定の速度レベルが、通常の再生速度よりも低い速度を意味するものである場合、AVストリームの再生時間長が長くなり、それに伴いタイトルの時間長も長くなる
    ことを特徴とする請求項12記載の再生装置。
  14. システムLSIであって、
    アプリケーションを実行する実行手段と、
    再生手段と、
    ユーザ操作を受け付ける受付手段と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    再生手段によるAV再生中に、受付手段がユーザによる操作を受け付けた場合、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生手段に命じた上で、ユーザ操作に応じたキーイベントを、アプリケーションに出力する
    ことを特徴とするシステムLSI。
  15. 再生方法であって、
    アプリケーションを実行する実行ステップと、
    再生ステップと、
    ユーザ操作を受け付ける受付ステップと、
    制御ステップとを備え、
    前記制御ステップは、
    再生ステップによるAV再生中に、受付ステップがユーザによる操作を受け付けた場合、予め定められた速度レベルでのAV再生を再生ステップに命じた上で、ユーザ操作に応じたキーイベントを、アプリケーションに出力する
    ことを特徴とする再生方法。
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