JPWO2008105178A1 - リポソーム用生体成分抵抗性増強剤及びこれにより修飾されたリポソーム - Google Patents
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Abstract
正の電荷、特にポリアルギニンペプチドを表面に有するリポソームに対し、血液中の蛋白質などのような負の荷電を有する生体成分に対する抵抗性を増強させ、血液中にリポソームが投入された場合でも高い封入物輸送能を維持することのできるリポソームを提供することを目的とし、(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド、及び/又は(b)該アミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド、を有効成分とする、リポソーム用生体成分抵抗性増強剤を提供する。当該リポソーム用生体成分抵抗性増強剤は、リポソームに含ませることで、血液中の蛋白質などのような負の荷電を有する生体成分に対する抵抗性を増強させ、血液中にリポソームが投入された場合でも高い封入物輸送能を維持させることができる。
Description
薬物、核酸、ペプチド、タンパク質、糖等を標的部位に確実に送達するDDS(Drug Delivery System)の一つの手段として、リポソームベクターが注目を集めている。特にリポソームベクターは、その表面に抗体、タンパク質、糖鎖等の機能性分子を導入することにより、標的部位に対する指向性の向上その他の機能を付加することができるという利点を有している。
本発明者らも、連続した複数個のアルギニン残基を含むペプチド(以下、本発明においてポリアルギニンペプチドと称する)が、これを表面に有するリポソームに封入された物質を核に移行させる機能を有していることを明らかにしている(特許文献1)。しかし、ポリアルギニンペプチドで修飾されたリポソームや、カチオン性脂質を中心に含むリポソームは、高い正荷電を有するため、血液中に投与されると、タンパク質などの血液中に存在する負の電荷を有する生体成分と相互作用して、本来の輸送能が十分に発揮されないおそれがある。そのため、表面に正の電荷、特にポリアルギニンペプチドを有するリポソームの実用化のためには、当該リポソームが生体に投与された場合でもリポソームの封入物輸送能が損なわれないための工夫が重要な意味を有する。
一方、リポソームに有益な機能を付与することのできるペプチドとして、GALAペプチドと呼ばれるペプチドが知られている(非特許文献1〜4)。GALAペプチドは、これを脂質膜の表面に有するリポソーム同士の脂質膜融合を酸性条件下で促進させる機能を有している。また、GALAペプチドは、エンドサイトーシスによってGALAペプチドを表面に有するリポソームがエンドソームに取り込まれた後、当該エンドソームから細胞質画分にリポソームを放出させる機能も有している。しかし、先に述べた、正の電荷を有するリポソームに対して指摘される前記の問題を解消し得ることについては知られていない。
国際特許出願公開第WO2005−032593号パンフレット
T.Kakudoら、Biochemistry、2004年、第43巻、第5618-5623頁
N.K.Subbaraoら、Biochemistry、1987年、第26巻、第2964-2972頁
E. Goormaghtighら、European J. Biochemistry、1991年、第195巻、第421-429頁
R. A. Parenteら、J. Biol. Chem.、1988年、第263巻、第4724-4730頁
本発明は、正の電荷、特にポリアルギニンペプチドを表面に有するリポソームに対して、血液中のタンパク質などのような負の荷電を有する生体成分に対する抵抗性を増強させ、血液中にリポソームが投与された場合でも高い封入物輸送能を維持することのできるリポソームを提供することを目的とする。
本発明者らは、意外なことに、リポソームの脂質膜融合を酸性条件下で促進させるという機能を有するGALAペプチドを表面に有するリポソームが、血液中に投与された後も、負に荷電している生体成分の影響を受けずに高い封入物輸送能を保持しており、GALAペプチドがリポソーム用の生体成分抵抗性増強剤として利用可能であることを見いだし、下記の各発明を完成した。
(1)下記の(a)及び/又は(b)のペプチドを有効成分とするリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド。
(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド。
(2)前記(a)及び/又は(b)のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されている、(1)に記載のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
(3)前記疎水性基がコレステリル基である、(2)に記載のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
(4)生体成分が血液中に含まれる負の電荷を有する生体成分である、(1)〜(3)の何れかに記載のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
(5)下記の(a)及び/又は(b)のペプチドと(c)のペプチドとを表面に有するリポソーム。
(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド。
(c)連続した複数個のアルギニン残基を含むペプチド。
(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド。
(c)連続した複数個のアルギニン残基を含むペプチド。
(6)前記(c)のペプチドが連続した4〜20個のアルギニン残基を含む、(5)に記載のリポソーム。
(7)前記(c)のペプチドがアルギニン残基のみからなる、(5)又は(6)に記載のリポソーム。
(8)脂質二重層を構成する総脂質に対するカチオン性脂質の割合が0〜40%(モル比)である、(5)〜(7)のいずれかに記載のリポソーム。
(9)前記(a)(b)及び/又は(c)のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されており、前記疎水性基又は前記疎水性化合物が脂質膜に挿入され、前記ペプチドが前記脂質膜から露出している(5)〜(8)のいずれかに記載のリポソーム。
(10)前記疎水性基がステアリル基又はコレステリル基である、(9)に記載のリポソーム。
(11)ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンとホスファチジン酸を有する脂質膜からなるリポソームを調製することを特徴とする、生体成分抵抗性リポソームの製造方法。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤は、(a)配列番号1又は2に示されるアミノ酸配列からなるペプチド、又は(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチドからなる。配列番号1に記載のアミノ酸配列からなるペプチドは前記非特許文献1〜4において公知であり、一般にGALAペプチドと呼ばれる。配列番号2に記載のアミノ酸配列は、GALAペプチドのN末端からC末端に向かうアミノ酸配列を逆転させた配列である。GALAペプチドの公知の機能として、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性が知られている。また配列番号2に記載の配列からなるペプチド(以下、GALA-Rペプチドと表す)も、GALAペプチドと同様の機能を有している。(b)のペプチドは、GALAペプチド又はGALA-Rペプチドのアミノ酸変異体であり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチドである。この活性は、(c)のアミノ酸配列からなるペプチドを表面に有するリポソームを調製し、このリポソームを酸性条件においたときの脂質膜の融合を観察することで確認することができる。
本発明では、前記非特許文献1〜4に記載されたGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドをリポソーム用生体成分抵抗性増強剤として利用することができる。またGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドを疎水性基又は疎水性化合物で修飾し、リポソーム用生体成分抵抗性増強剤として利用してもよい。疎水性基又は疎水性化合物は、リポソームの脂質二重層に挿入され得る限り特に限定されるものではない。疎水性基としては、例えば、ステアリル基等の飽和又は不飽和の脂肪酸基、コレステロール基又はその誘導体等が挙げられる。また、疎水性化合物としては、例えば、上記に例示したリン脂質、糖脂質又はステロール、長鎖脂肪族アルコール(例えば、ホスファチジルエタノールアミン、コレステロール等)、ポリオキシプロピレンアルキル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明における好ましい態様は、疎水性基又は疎水性化合物で修飾されたGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドである。このリポソーム用生体成分抵抗性増強剤は、疎水性基又は疎水性化合物がリポソームの脂質二重層に挿入され、GALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドのペプチド部分が脂質二重層から露出しているリポソームを提供することができる。ここにいう「ペプチドが脂質二重層から露出している」には、ペプチドが脂質二重層の外表面又は内表面のいずれか一方から露出している場合、両方から露出している場合が含まれる。また露出は、一枚膜リポソームについては脂質二重層の外表面に、多重膜リポソームについては最外層の脂質二重層の外表面に露出していることが好ましい。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤は、任意のリポソームに対して利用することができるが、特に正の電荷を有するリポソームへの利用が有効である。正の電荷を有するリポソームの例としては、カチオン性脂質による正の電荷を有するリポソームや、ポリアルギニンペプチドによる正の荷電を有するリポソームなどを挙げることができる。また本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤は、リポソームの調製工程の途中に、例えば脂質二重膜の形成の際に加えて使用してもよく、また脂質二重膜を形成させた後にその表面に結合させて利用してもよい。また、リポソーム用生体成分抵抗性増強剤の配合量は特に限定されるものではないが、リポソーム膜構成物質の総配合量の通常0.1〜10%(モル比)、好ましくは0.5〜5%(モル比)、さらに好ましくは0.5〜2%(モル比)である。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤の利用に際して好適なリポソームは、脂質二重層膜構造を有する閉鎖小胞である限り、脂質二重層の数は特に限定されるものではなく、多重膜リポソーム(MLV)であってもよいし、SUV(small unilamella vesicle)、LUV(large unilamella vesicle)、GUV(giant unilamella vesicle)等の一枚膜リポソームであってもよい。また、本発明のリポソームのサイズは特に限定されるものではないが、直径50〜800nmであることが好ましく、直径80〜150nmであることがさらに好ましい。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を使用することのできるリポソームにおいて、脂質二重層を構成する脂質の種類は特に限定されるものではなく、その具体例としては、ホスファチジルコリン(例えば、ジオレオイルホスファチジルコリン、ジラウロイルホスファチジルコリン、ジミリストイルホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジルコリン、ジステアロイルホスファチジルコリン等)、ホスファチジルグリセロール(例えば、ジオレオイルホスファチジルグリセロール、ジラウロイルホスファチジルグリセロール、ジミリストイルホスファチジルグリセロール、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール、ジステアロイルホスファチジグリセロール)、ホスファチジルエタノールアミン(例えば、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)、ジラウロイルホスファチジルエタノールアミン、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン、ジステアロイルホスファチジエタノールアミン)、ホスファチジルセリン、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジン酸、カルジオリピン等のリン脂質又はこれらの水素添加物;スフィンゴミエリン、ガングリオシド等の糖脂質が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上を使用することができる。特にDOPEの使用が好ましい。リン脂質は、卵黄、大豆その他の動植物に由来する天然脂質(例えば、卵黄レシチン、大豆レシチン等)、合成脂質又は半合成脂質のいずれであってもよい。
脂質二重層には、脂質二重層を物理的又は化学的に安定させたり、膜の流動性を調節したりするために、例えば、コレステロール、コレステロールコハク酸、ラノステロール、ジヒドロラノステロール、デスモステロール、ジヒドロコレステロール等の動物由来のステロール、スチグマステロール、シトステロール、カンペステロール、ブラシカステロール等の植物由来のステロール(フィトステロール)、チモステロール、エルゴステロール等の微生物由来のステロール、グリセロール、シュクロース等の糖類、トリオレイン、トリオクタノイン等のグリセリン脂肪酸エステルのうち、1種又は2種以上を含有させることができる。その含有量は特に限定されるものでないが、脂質二重層を構成する総脂質に対して5〜40%(モル比)であることが好ましく、10〜30%(モル比)であることがさらに好ましい。
脂質二重層には、トコフェロール、没食子酸プロピル、パルミチン酸アスコルビル、ブチル化ヒドロキシトルエン等の抗酸化剤、ステアリルアミン、オレイルアミン等の正荷電を付与する荷電物質、ジセチルホスフェート等の負電荷を付与する荷電物質、膜表在性タンパク質、膜内在性タンパク質等の膜タンパク質を含有させることができ、その含有量は適宜調節することができる。
なお、リポソームの細胞内移行経路がエンドサイトーシスに依存する場合、脂質二重層はその主要成分としてカチオン性脂質を含む必要があり、本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤の利用が有益である。ただし、リポソームの細胞内移行経路は、エンドサイトーシスにのみ依存するわけではないので、脂質二重層にカチオン性脂質が含まれている必要は必ずしもない。従って、本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤が利用可能なリポソームの脂質二重層は、カチオン性脂質及び非カチオン性脂質のいずれか一方で構成されていてもよいし、両方で構成されていてもよい。但し、カチオン性脂質は細胞毒性を有するので、本発明のリポソームの細胞毒性を低減させる点からは、脂質二重層に含まれるカチオン性脂質の量を出来る限り少なくすることが好ましく、脂質二重層を構成する総脂質に対するカチオン性脂質の割合は0〜40%(モル比)であることが好ましく、0〜20%(モル比)であることがさらに好ましい。
カチオン性脂質としては、例えば、ジオクタデシルジメチルアンモニウムクロライド(dioctadecyldimethylammonium chloride、DODAC)、N-(2,3-オレイルオキシ)プロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウム(N-(2,3-dioleyloxy)propyl-N,N,N-trimethylammonium、DOTMA)、ジドデシルアンモニウムブロミド(didodecylammonium bromide、DDAB)、1,2-ジオレイルオキシ-3-トリメチルアンモニウムプロパン(1,2-dioleoyloxy-3-trimethylammonio propane、DOTAP)、3β-N-(N’,N’-ジメチルアミノエタン)カルバモールコレステロール(3β-N-(N',N',-dimethyl-aminoethane)-carbamol cholesterol、DC-Chol)、1,2-ジミリストイルオキシプロピル-3-ジメチルヒドロキシエチルアンモニウム(1,2-dimyristoyloxypropyl-3-dimethylhydroxyethyl ammonium、DMRIE)、2,3-ジオレイルオキシ-N-[2(スペルミンカルボキサミド)エチル]-N,N-ジメチル-1-プロパンアンモニウムトリフルオロアセテート(2,3-dioleyloxy-N-[2(sperminecarboxamido)ethyl]-N,N-dimethyl-1-propanaminum trifluoroacetate、DOSPA)等が挙げられる。
「非カチオン性脂質」とは、中性脂質又はアニオン性脂質を意味し、中性脂質としては、例えば、ジアシルホスファチジルコリン、ジアシルホスファチジルエタノールアミン、コレステロール、セラミド、スフィンゴミエリン、セファリン、セレブロシド等が挙げられ、アニオン性脂質としては、例えば、カルジオリピン、ジアシルホスファチジルセリン、ジアシルホスファチジン酸、N−スクシニルホスファチジルエタノールアミン(N−スクシニルPE)、ホスファチジン酸、ホスファチジルイノシトール、ホスファチジルグリセロール、ホスファチジルエチレングリコール、コレステロールコハク酸等が挙げられる。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤の利用が特に好適なリポソームとしては、特許文献1に記載されている、ポリアルギニンペプチドを表面に有するリポソームを挙げることができ、本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用して得られるGALAペプチドとポリアルギニンペプチドを有するリポソームは、本発明の一部を為す。
ポリアルギニンペプチドにおける連続したアルギニン残基の個数は、複数個である限り特に限定されるものではないが、通常4〜20個、好ましくは6〜12個、さらに好ましくは7〜10個である。上記ペプチド全体を構成するアミノ酸残基の個数は特に限定されるものではないが、通常4〜35個、好ましくは6〜30個、さらに好ましくは8〜23個である。また、ポリアルギニンペプチドは、連続した複数個のアルギニン残基のC末端及び/又はN末端に付加される任意のアミノ酸配列を含んでいてもよいが、アルギニン残基のみからなることが好ましい。もっとも好ましいポリアルギニンペプチドは、8個のアルギニン残基のみからなるオクタアルギニンペプチドである。
ポリアルギニンペプチドのC末端又はN末端に付加され得るアミノ酸配列は、剛直性を有するアミノ酸配列(例えば、ポリプロリン)であることが好ましい。ポリプロリンは、柔らかくて不規則な形をとっているポリエチレングリコール(PEG)と異なり、直線的で、ある程度の堅さを保持している。
リポソームに含まれるポリアルギニンペプチドの量は、脂質二重層を構成する総脂質に対して通常0.1〜30%(モル比)、好ましくは1〜25%(モル比)、さらに好ましくは2〜20%(モル比)である。本発明のリポソームの表面に存在するポリアルギニンペプチドの量が、脂質二重層を構成する総脂質に対して2%(モル比)未満、好ましくは1.5%(モル比)未満、さらに好ましくは1%(モル比)未満であると、リポソームは主にエンドサイトーシスを介して細胞内へ移行することができる。このときのポリアルギニンペプチドの量の下限値は、脂質二重層を構成する総脂質に対して通常0.1%(モル比)、好ましくは0.5%(モル比)、さらに好ましくは0.7%(モル比)である。本発明のリポソームの表面に存在するポリアルギニンペプチドの量が、脂質二重層を構成する総脂質に対して2%(モル比)以上、好ましくは3%(モル比)以上、さらに好ましくは4%(モル比)以上であると、このリポソームは、主にマクロピノサイトーシスを介して細胞内へ移行することができる。このときのポリアルギニンペプチド量の上限値は、脂質二重層を構成する総脂質に対して通常30%(モル比)、好ましくは25%(モル比)、さらに好ましくは20%(モル比)である。
本発明における好ましい態様としては、前記GALAペプチド及び又はGALA-Rペプチド、並びにポリアルギニンペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されており、疎水性基又は疎水性化合物が脂質二重層に挿入され、上記2種のペプチドが脂質二重層から露出しているリポソームを例示することができる。ここにいう「露出」は、ペプチドあるいはペプチド部分が脂質二重層に埋包されていない状態を意味する。また前記GALAペプチド及び又はGALA-Rペプチド、並びにポリアルギニンペプチドは、疎水性基又は疎水性化合物で修飾されている場合もいない場合も含め、脂質二重層の外表面に露出して存在していることが好ましい。また、多重膜からなるリポソームの場合、ポリアルギニンペプチドは各脂質膜の外表面に露出して存在することが好ましい。ただしいずれの場合も、前記GALAペプチド及び又はGALA-Rペプチド、並びにポリアルギニンペプチドが脂質膜の内側にも露出して存在することを妨げない。
疎水性基又は疎水性化合物は、脂質二重層に挿入され得る限り特に限定されるものでない。疎水性基としては、例えば、ステアリル基等の飽和又は不飽和の脂肪酸基、コレステロール基又はその誘導体等が挙げられるが、これらのうち特に炭素数10〜20の脂肪酸基(例えば、パルミトイル基、オレイル基、ステアリル基、アラキドイル基等)が好ましい。また、疎水性化合物としては、例えば、上記に例示したリン脂質、糖脂質又はステロール、長鎖脂肪族アルコール(例えば、ホスファチジルエタノールアミン、コレステロール等)、ポリオキシプロピレンアルキル、グリセリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用したリポソームは、例えば、水和法、超音波処理法、エタノール注入法、エーテル注入法、逆相蒸発法、界面活性剤法、凍結・融解法等の公知の方法を用いて作製することができる。例えば水和法の場合、脂質二重層の構成成分である脂質と、疎水性基又は疎水性化合物で修飾されたGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドとを有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより脂質膜を得た後、脂質膜を水和させ、攪拌又は超音波処理することにより、GALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドを表面に有するリポソームを製造することができる。この場合、疎水性基又は疎水性化合物で修飾されたポリアルギニンペプチドを疎水性基又は疎水性化合物で修飾されたGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドと共に有機溶剤に溶解してもよい。
また、脂質二重層の構成成分である脂質を有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより脂質膜を得、この脂質膜を水和させ、攪拌又は超音波処理することによりリポソームを製造し、次いで、このリポソームの外液にGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドを添加することにより、リポソームの表面にこれらのペプチドを導入することができる。ここでも、ポリアルギニンペプチドをGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチドと共にリポソームの外液に添加してもよい。
上記の方法において、有機溶媒として、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン等の炭化水素類、塩化メチレン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類、メタノール、エタノール等の低級アルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類、アセトン等のケトン類等を、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、所定のポアサイズのフィルターを通過させることにより、一定の粒度分布を持ったリポソームを得ることができる。また、公知の方法に従って、多重膜リポソームから一枚膜リポソームへの転換、一枚膜リポソームから多重膜リポソームへの転換を行うことができる。
上記のリポソームには、薬物、核酸、ペプチド、タンパク質、糖又はこれらの複合体等の種々の生理活性物質を封入することができ、診断、治療等の目的に応じて適宜選択することができる。生理活性物質が水溶性である場合には、リポソームの製造にあたり脂質膜を水和する際に使用される水性溶媒に生理活性物質を添加することにより、リポソーム内部の水相に生理活性物質を封入することができる。また、生理活性物質が脂溶性である場合には、リポソームの製造にあたり使用される有機溶剤に生理活性物質を添加することにより、リポソームの脂質二重層に生理活性物質を封入することができる。
また、本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用したリポソームは、核酸とカチオン性物質との複合体を細胞質および核に移行させるために有益である。ここにいう「カチオン性物質」とは、その分子中にカチオン性基を有する物質を意味し、静電的相互作用により核酸と複合体を形成することができる物質をいう。カチオン性物質の種類は核酸と複合体を形成し得る限り特に限定されるものではなく、例えば、カチオン性脂質(例えば、Lipofectamine(Invitrogen社製))、カチオン性基を有する高分子、ポリリジン、ポリアルギニン、リジンとアルギニンの共重合体等の塩基性アミノ酸の単独重合体若しくは共重合体又はこれらの誘導体(例えばステアリル化誘導体)、ポリエチレンイミン等のポリカチオン性ポリマー、硫酸プロタミン等が挙げられる。ポリアルギニンを構成するアルギニン残基の数は通常4〜20個であり、好ましくは6〜12個、さらに好ましくは7〜10個である。カチオン性物質が有するカチオン性基の数は特に限定されるものではないが、好ましくは2個以上である。カチオン性基は正に荷電し得る限り特に限定されるものではなく、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基等のモノアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等のジアルキルアミノ基、イミノ基、グアニジノ基等が挙げられる。核酸とカチオン性物質との複合体は、その構成比率によって全体としてプラス電荷又はマイナス電荷を帯びているので、非カチオン性脂質又はカチオン性脂質との静電的相互作用により、リポソーム内部に上記複合体を効率よく封入することができる。
先に述べた、脂質二重層の構成成分である脂質と、疎水性基又は疎水性化合物で修飾されたGALAペプチド及び又はGALA-Rペプチド並びにポリアルギニンペプチドを有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去する方法により得られる脂質膜は、カチオン性物質であるポリアルギニンペプチドを含有しているので、その組成によっては前記核酸とカチオン性物質との複合体と脂質膜との静電的相互作用が弱くなる場合がある。そのような場合には、ポリアルギニンペプチドを含有しない脂質膜を使用することが好ましい。ポリアルギニンペプチドを含有しない脂質膜は、疎水性基又は疎水性化合物で修飾されたポリアルギニンペプチドを有機溶剤に溶解することなく、脂質二重層の構成成分である脂質を有機溶剤に溶解した後、有機溶剤を蒸発除去することにより得られる。リポソーム表面へのポリアルギニンペプチドの導入は、上記複合体が封入されたリポソームの形成の後に行えばよい。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用したリポソームは、例えば、分散液の状態で使用することができる。分散溶媒としては、例えば、生理食塩水、リン酸緩衝液、クエン緩衝液、酢酸緩衝液等の緩衝液を使用することができる。分散液には、例えば、糖類、多価アルコール、水溶性高分子、非イオン界面活性剤、抗酸化剤、pH調節剤、水和促進剤等の添加剤を添加して使用してもよい。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用したリポソームは、分散液を乾燥(例えば、凍結乾燥、噴霧乾燥等)させた状態で使用することもできる。乾燥させたリポソームは、生理食塩水、リン酸緩衝液,クエン緩衝液,酢酸緩衝液等の緩衝液を加えて分散液とすることができる。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用したリポソームは、in vivo及びin vitroのいずれにおいても使用することもできる。このリポソームをin vivoにおいて使用する場合、投与経路としては、例えば、静脈、腹腔内、皮下、経鼻等の非経口投与が挙げられる。投与量及び投与回数は、リポソームに封入された生理活性物質の種類や量等に応じて適宜調節することができる。この様なリポソームは、0〜40℃という広範な温度域(効果的な温度域は4〜37℃)において細胞内移行性を発揮することができるので、目的に応じた温度条件を設定することができる。特に、ポリアルギニンペプチドを有するリポソームの製造において、その量が脂質二重層を構成する総脂質に対して2%(モル比)以上、好ましくは3%(モル比)以上、さらに好ましくは4%(モル比)以上であると、リポソームは低温(通常4〜10℃、好ましくは4〜6℃)において細胞内移行性を効果的に発揮することができる。このときのポリアルギニンペプチド量の上限値は、脂質二重層を構成する総脂質に対して通常30%(モル比)、好ましくは25%(モル比)、さらに好ましくは20%(モル比)である。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を利用したリポソームは、目的物質の細胞内送達用ベクター又は核内送達用ベクターとして使用することができる。目的物質を送達すべき細胞が由来する生物種は特に限定されるものではなく、動物、植物、微生物等のいずれであってもよいが、動物であることが好ましく、哺乳動物であることがさらに好ましい。哺乳動物としては、例えば、ヒト、サル、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、ラット、マウス、モルモット等が挙げられる。また、目的物質を送達すべき細胞の種類は特に限定されるものではなく、例えば、体細胞、生殖細胞、幹細胞又はこれらの培養細胞等が挙げられる。
<実施例1>
配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるGALAペプチドのアミド体を、非特許文献1に記載の手法に従ってペプチド合成機を用いて化学合成及び精製し、さらにC末端アミド体をコレステリル化した。64.2μlの10mM DOPE及び18.35μlの10mM PA(DOPE:PA=7:2)、及び1mMコレステリル化GALAペプチドを0%、1mol%(8.25μL)、2mol%(16.5μL)となるようにガラス試験管に分取し、200μlのクロロホルムを加えて溶解後、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。脂質膜に1.5mLのDEPC処理水を添加し、10min水和した。次にこれを約1分間、 水槽型超音波発生装置で超音波処理を行うことで多重膜リポソームを調製した。次にプローブ型超音波発生装置を用いて10分間超音波処理を行うことで小さな一枚膜リポソーム(SUV)を調製した。その後、プローブの金属(チタン)片を除去するために、遠心分離(15000rpm、20℃、5min)操作を3回繰り返すことでSUV懸濁液を得た(脂質濃度 0.55mM)。次に0.5mg/mL のsiRNA(グライナージャパン社)18μLにDEPC処理水 72μLを加えた溶液と、2mg/mLのステアリル化オクタアルギニン 9μLにDEPC処理水 171μLを加えた溶液を混合して、凝縮化siRNA懸濁液を調製した。SUV懸濁液と凝縮化siRNA懸濁液を2:1(容積比)の割合で任意の容積ずつ混合し、ボルテックス処理を行うことによって、抗ルシフェラーゼsiRNAが封入され、GALAペプチドの含有量が異なる、オクタアルギニン及びGALAペプチドを有する3種類のリポソーム(GALAR8リポソーム)を得た。
配列番号1に示されるアミノ酸配列からなるGALAペプチドのアミド体を、非特許文献1に記載の手法に従ってペプチド合成機を用いて化学合成及び精製し、さらにC末端アミド体をコレステリル化した。64.2μlの10mM DOPE及び18.35μlの10mM PA(DOPE:PA=7:2)、及び1mMコレステリル化GALAペプチドを0%、1mol%(8.25μL)、2mol%(16.5μL)となるようにガラス試験管に分取し、200μlのクロロホルムを加えて溶解後、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。脂質膜に1.5mLのDEPC処理水を添加し、10min水和した。次にこれを約1分間、 水槽型超音波発生装置で超音波処理を行うことで多重膜リポソームを調製した。次にプローブ型超音波発生装置を用いて10分間超音波処理を行うことで小さな一枚膜リポソーム(SUV)を調製した。その後、プローブの金属(チタン)片を除去するために、遠心分離(15000rpm、20℃、5min)操作を3回繰り返すことでSUV懸濁液を得た(脂質濃度 0.55mM)。次に0.5mg/mL のsiRNA(グライナージャパン社)18μLにDEPC処理水 72μLを加えた溶液と、2mg/mLのステアリル化オクタアルギニン 9μLにDEPC処理水 171μLを加えた溶液を混合して、凝縮化siRNA懸濁液を調製した。SUV懸濁液と凝縮化siRNA懸濁液を2:1(容積比)の割合で任意の容積ずつ混合し、ボルテックス処理を行うことによって、抗ルシフェラーゼsiRNAが封入され、GALAペプチドの含有量が異なる、オクタアルギニン及びGALAペプチドを有する3種類のリポソーム(GALAR8リポソーム)を得た。
24ウェルプレートに4×104cells/wellのルシフェラーゼ遺伝子で形質転換されたHeLa細胞を播き、4種類のGALAR8リポソームを0.25mL、牛胎児由来の血清を最終濃度が10%となるよう加え、37℃、5% CO2で3時間培養し、さらに血清10%を含むDMEM培地1mLを各ウェルに加えて、37℃、5% CO2で21時間培養後、細胞を回収し、ルシフェラーゼ活性及びタンパク質の定量を行った。10%血清存在条件でGALAペプチドを含まない(0mol%)R8リポソームでは、ルシフェラーゼ活性の顕著な抑制効果は認められないが、GALAペプチドを有する(1mol%、2mol%)GALAR8リポソームでは、顕著なルシフェラーゼ活性の抑制効果が認められた。特にGALAペプチドが2mol%の場合には70%以上のルシフェラーゼ活性の抑制が認められた(図1)。
<実施例2>
55μLの5mM DOPE及び275μLの1mM CL(DOPE:CL=5:5)をガラス試験管に分取し、125μLのクロロホルムを加えて混合し、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。10mM HEPES 緩衝液 1mLを脂質膜へ滴下し、室温で10分間放置することによって水和させた。水和後、プローブ型超音波発生装置で10分間超音波処理することにより1枚膜リポソーム(SUV)を調製した(SUV-A)。42.35μLの5mM DOPE及び6.05μLの10mM PA(DOPE:PA=7:2)、及び1mMコレステリル化GALAペプチドを0mol%、1mol%、2mol%、4mol%となるようにガラス試験管に分取し、125μLのクロロホルムを加えて溶解後、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。10mM HEPES 緩衝液 495μLを脂質膜へ滴下し、室温で10分間放置することによって水和させた。水和後、プローブ型超音波発生装置で10分間超音波処理することにより1枚膜リポソームを調製した(SUV-B)。
55μLの5mM DOPE及び275μLの1mM CL(DOPE:CL=5:5)をガラス試験管に分取し、125μLのクロロホルムを加えて混合し、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。10mM HEPES 緩衝液 1mLを脂質膜へ滴下し、室温で10分間放置することによって水和させた。水和後、プローブ型超音波発生装置で10分間超音波処理することにより1枚膜リポソーム(SUV)を調製した(SUV-A)。42.35μLの5mM DOPE及び6.05μLの10mM PA(DOPE:PA=7:2)、及び1mMコレステリル化GALAペプチドを0mol%、1mol%、2mol%、4mol%となるようにガラス試験管に分取し、125μLのクロロホルムを加えて溶解後、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。10mM HEPES 緩衝液 495μLを脂質膜へ滴下し、室温で10分間放置することによって水和させた。水和後、プローブ型超音波発生装置で10分間超音波処理することにより1枚膜リポソームを調製した(SUV-B)。
プロタミンを含むHEPES溶液にpEGFPLuc(BD Biosciences Clontech社)のHEPES溶液を滴下して、pEGFPLuc:プロタミン=2.2:1の凝縮化DNA懸濁液を調製した。
SUV-A(DOPE/CL)と凝縮化DNA懸濁液を2:1の割合で混合し、ボルテックス処理することにより凝縮化DNAを脂質二枚膜により被覆した(DNA封入リポソーム1)。このDNA封入リポソーム1に総脂質の20mol%に相当する量のステアリル化オクタアルギニンペプチドを添加し、室温で30分間インキュベーションを行い、ステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム1を得た。さらにこのステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム1とSUV-B(DOPE/PA/GALA)を1:2の割合で混合し、ボルテックス処理することによりステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム1を脂質二枚膜により被覆した(DNA封入リポソーム2)。
SUV-A(DOPE/CL)と凝縮化DNA懸濁液を2:1の割合で混合し、ボルテックス処理することにより凝縮化DNAを脂質二枚膜により被覆した(DNA封入リポソーム1)。このDNA封入リポソーム1に総脂質の20mol%に相当する量のステアリル化オクタアルギニンペプチドを添加し、室温で30分間インキュベーションを行い、ステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム1を得た。さらにこのステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム1とSUV-B(DOPE/PA/GALA)を1:2の割合で混合し、ボルテックス処理することによりステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム1を脂質二枚膜により被覆した(DNA封入リポソーム2)。
DNA封入リポソーム2に総脂質の10mol%に相当する量のステアリル化オクタアルギニンペプチドを添加し、室温で30分間インキュベーションを行い、ステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム2を得た。実験前日に24ウェルプレートに4×104cells/well /DMEM +10% FCSのHeLa細胞を播いておいた。PBSで洗浄後、ウェルにDMEM、DMEM +10% FCS、DMEM +40% FCSそれぞれ410 μLを添加し、4種類のステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム2を加え、37℃、5% CO2で3時間培養し、3時間後、細胞をPBSで洗浄し、培地をDMEM + 10% FCS培地500μlに交換して、37℃、5% CO2で21時間培養した。培養後、細胞を回収し、1×reporter lysis buffer 75μLを添加して、−80℃で30 分以上放置し、凍結させた。解凍後、細胞をセルスクレーパーで回収し、細胞懸濁液の上清20μLをルシフェラーゼアッセイ基質50μLと混合させ、ルミノメーターでルシフェラーゼ活性を測定した。上清のタンパク量を測定することにより、単位タンパク量あたりの活性として補正を行った。GALAペプチドを持たないステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム2では、血清濃度が増加するにつれて遺伝子発現が減少し、40%存在下では1/500にまで低下するのに対し、GALAペプチドを修飾したステアリル化オクタアルギニン修飾DNA封入リポソーム2では、血清存在下においても血清非存在下と同程度の遺伝子発現活性を示した(図2)。
<実施例3>
17.1μLの5mM DOPE及び2.44μLの10mM PA(DOPE:PA=7:2)、及び1mMコレステリル化GALAペプチドを0mol%、1mol%、2mol%、4mol%となるようにガラス試験管に分取し、125μLのクロロホルムを加えて溶解後、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。
17.1μLの5mM DOPE及び2.44μLの10mM PA(DOPE:PA=7:2)、及び1mMコレステリル化GALAペプチドを0mol%、1mol%、2mol%、4mol%となるようにガラス試験管に分取し、125μLのクロロホルムを加えて溶解後、窒素ガスを吹き付けて蒸発乾固させ、脂質膜を形成させた。
プロタミンを含むHEPES溶液にpEGFPLuc(BD Biosciences Clontech社)のHEPES溶液を滴下して、pEGFPLuc:プロタミン=2.2:1の凝縮化DNA懸濁液を調製した。
脂質膜に前記凝縮化DNA懸濁液を200μL添加し、室温で10分間放置することによって水和させた。水和後、超音波槽で超音波処理(数秒間)することにより、ルシフェラーゼ遺伝子が封入され、GALAペプチドの含有量が異なる4種類のDNA封入リポソームを得た。
このDNA封入リポソームに、総脂質の10mol%に相当する量のステアリル化オクタアルギニンペプチドを添加し、室温で30分間インキュベーションを行い、オクタアルギニンペプチド及びGALAペプチド(0〜4mol%)を有するリポソーム(GALAR8 DNA封入リポソーム)を調製した。
脂質膜に前記凝縮化DNA懸濁液を200μL添加し、室温で10分間放置することによって水和させた。水和後、超音波槽で超音波処理(数秒間)することにより、ルシフェラーゼ遺伝子が封入され、GALAペプチドの含有量が異なる4種類のDNA封入リポソームを得た。
このDNA封入リポソームに、総脂質の10mol%に相当する量のステアリル化オクタアルギニンペプチドを添加し、室温で30分間インキュベーションを行い、オクタアルギニンペプチド及びGALAペプチド(0〜4mol%)を有するリポソーム(GALAR8 DNA封入リポソーム)を調製した。
実験前日に24ウェルプレートに4×104cells/well /DMEM +10% FCSのHeLa細胞を播いておいた。PBSで洗浄後、ウェルにDMEM、DMEM +10% FCS、DMEM +40% FCSそれぞれ240μLを添加し、4種類のGALAR8 DNA封入リポソームを加え、37℃、5% CO2で3時間培養し、3時間後、細胞をPBSで洗浄し、培地をDMEM + 10% FCS培地500μlに交換して、37℃、5% CO2で21時間培養した。培養後、細胞を回収し、1×reporter lysis buffer 75μLを添加して、−80℃で30 分以上放置し、凍結させた。解凍後、細胞をセルスクレーパーで回収し、細胞懸濁液の上清20μLをルシフェラーゼアッセイ基質50μLと混合させ、ルミノメーターでルシフェラーゼ活性を測定した。上清のタンパク量を測定することにより、単位タンパク量あたりの活性として補正を行った。
GALAペプチドを持たないDNA封入リポソームにおいて、40%存在下においても血清成分によるルシフェラーゼ遺伝子発現の抑制は1/4程度であり、DOPEとPAが血清に対する抵抗性を高めることが明らかとなった。さらにGALAペプチドを修飾したDNA封入リポソームでは血清存在下においても完全に血清耐性が克服され、遺伝子発現のさらなる上昇が確認された(図3)。
GALAペプチドを持たないDNA封入リポソームにおいて、40%存在下においても血清成分によるルシフェラーゼ遺伝子発現の抑制は1/4程度であり、DOPEとPAが血清に対する抵抗性を高めることが明らかとなった。さらにGALAペプチドを修飾したDNA封入リポソームでは血清存在下においても完全に血清耐性が克服され、遺伝子発現のさらなる上昇が確認された(図3)。
本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤は、リポソームに含ませることで、血液中のタンパク質などのような負の荷電を有する生体成分に対する抵抗性を増強させ、血液中にリポソームが投与された場合でも高い封入物輸送能を維持させることができる。特にポリアルギニンペプチドを有するリポソームに本発明のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤を加えることで、血液中に当該リポソームが投与された場合でもポリアルギニンペプチドの機能を維持させることができる。
Claims (11)
- 下記の(a)及び/又は(b)のペプチドを有効成分とする、リポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド。 - 前記(a)及び/又は(b)のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されている、請求項1に記載のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
- 前記疎水性基がコレステリル基である、請求項2に記載のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
- 生体成分が血液中に含まれる負の電荷を有する生体成分である、請求項1〜3の何れかに記載のリポソーム用生体成分抵抗性増強剤。
- 下記の(a)及び/又は(b)のペプチドと(c)のペプチドとを表面に有するリポソーム。
(a)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列からなるペプチド
(b)配列番号1又は2に記載のアミノ酸配列において1又は数個のアミノ酸が欠失、置換又は付加されたアミノ酸配列からなり、酸性条件下において脂質膜融合を促進する活性を有するペプチド。
(c)連続した複数個のアルギニン残基を含むペプチド。 - 前記(c)のペプチドが連続した4〜20個のアルギニン残基を含む、請求項5に記載のリポソーム。
- 前記(c)のペプチドがアルギニン残基のみからなる、請求項5又は6に記載のリポソーム。
- 脂質二重層を構成する総脂質に対するカチオン性脂質の割合が0〜40%(モル比)である、請求項5〜7のいずれかに記載のリポソーム。
- 前記(a)(b)及び/又は(c)のペプチドが疎水性基又は疎水性化合物で修飾されており、前記疎水性基又は前記疎水性化合物が脂質膜に挿入され、前記ペプチドが前記脂質膜から露出している請求項5〜8のいずれかに記載のリポソーム。
- 前記疎水性基がステアリル基又はコレステリル基である、請求項9に記載のリポソーム。
- ジオレオイルホスファチジルエタノールアミンとホスファチジン酸を有する脂質膜からなるリポソームを調製することを特徴とする、生体成分抵抗性リポソームの製造方法。
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JPN6008003512; 運動性能研究委員会第11回シンポジウム実行委員会: 運動性能研究委員会第11回シンポジウムテキスト「耐航性理論の設計への応用」 第2編 第1章, 19941201, 第62-63頁, 社団法人日本造船学会 * |
JPN6013007609; Gene Therapy vol.8, 1998, p.955-964 * |
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WO2008105178A1 (ja) | 2008-09-04 |
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