JPWO2008096564A1 - マイクロチップ検査システム、マイクロチップ検査装置及びプログラム - Google Patents
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Abstract
本発明は、標的物質の精度良い検出を行うことのできるマイクロチップ検査システムを提供する。この発明は、少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬とを含み、標的物質と前記試薬との反応を検出するための蛍光強度の測定が行われる被検出部を有するマイクロチップと、マイクロチップの被検出部に対応して設けられ被検出部に励起光を照射するとともに被検出部からの蛍光を受光する光検出部と、光検出部による蛍光強度の測定に基づいて反応の検出を行う制御部と、を有し、光検出部は、第1の蛍光波長帯域を受光する第1受光手段と、第2の蛍光波長帯域を受光する第2受光手段とを有し、制御部は、第1受光手段で受光した第1の蛍光強度と、第2受光手段で受光した第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うことを特徴とする。
Description
本発明は、マイクロチップ検査システム、マイクロチップ検査装置及びプログラムに関する。
近年、微細流路が集積加工されたマイクロチップ上において、複数の溶液を混合して反応させ、当該反応の状態を検出して分析を行うマイクロ総合分析システム(Micro Total Analysis System;μTAS)が注目されている。
μTASでは、試料の量が少ない、反応時間が短い、廃棄物が少ない等のメリットがある。医療分野に使用した場合、検体(血液、尿、拭い液等)の量を少なくすることで患者への負担を軽減でき、試薬の量を少なくすることで検査のコストを下げることができる。また、検体、試薬の量が少ないことから、反応時間が大幅に短縮され、検査の効率化が図れる。さらに、装置が小型であるため小さな医療機関にも設置することができ、場所を選ばず迅速に検査を行うことができる。
マイクロチップ検査システムでは、マイクロポンプ等からマイクロチップに駆動液を供給することにより、マイクロチップ内に収容されている検体及び試薬が流路に沿って送液される。これにより、検体及び試薬は、流路内で混合され反応を生じる。反応液はマイクロチップ内の被検出部に送液され、被検出部において反応液内の標的物質の濃度等の検出が行われる。
例えば、特許文献1には、微細流路が集積加工されたマイクロチップを用いる標的遺伝子の検出例が記載されている。まず、マイクロチップの被検出部には、標的遺伝子をトラップする物質が予め固定化されている。次に、標的遺伝子の増幅に用いる試薬と検体とを反応させて増幅産物を生成する。これにより、検体に標的遺伝子が含まれていれば、増幅産物内に増幅された標的遺伝子が存在することになる。次に、増幅された標的遺伝子を一本鎖に変性する。これを被検出部に供給することで、被検出部に固定化されている標的遺伝子をトラップする物質に標的遺伝子をトラップさせる。次に、当該一本鎖の標的遺伝子にハイブリダイズするDNAプローブを被検出部に供給し、ハイブリダイゼーション反応により標的遺伝子とDNAプローブとを結合させる。DNAプローブは予め蛍光標識されている。次に、トラップされた標的遺伝子に結合しているDNAプローブに結合する金コロイド液を被検出部に供給し、金コロイドをDNAプローブに結合させる。次に、結合していない金コロイドを被検出部から除去するため、被検出部に洗浄液を供給する。そして、被検出部の金コロイドの濃度を光学的に検出することにより、標的遺伝子の検出を行っている。
また、特許文献2には、バイオチップ内の標的遺伝子の検出において、蛍光標識された標的遺伝子とDNAプローブとがハイブリダイズした処理液に励起光を照射し、処理液から発せられる蛍光の蛍光強度を検出することが記載されている。
また、特許文献3には、標的遺伝子の検出を高感度に行うことができる技術としてサイクリングプローブ法が記載されている。標的遺伝子を鋳型にしてDNAプローブの標的遺伝子へのハイブリダイズ、遊離をサイクル的に繰り返すことにより、少数の標的遺伝子に対して多数の蛍光標識されたDNAプローブを生成することができる方法である。
サイクリングプローブ法では、蛍光共鳴エネルギー移動を利用した蛍光色素によりDNAプローブの標識化がなされている。当該DNAプローブは、通常状態ではドナーである蛍光物質とアクセプタであるクエンチャとが対になって存在しており、励起光が照射されても蛍光物質から発せられた蛍光はクエンチャにより吸収され、ドナーの蛍光は発生しない。当該DNAプローブが標的遺伝子とハイブリダイゼーション反応を起こした状態では、蛍光物質とクエンチャとの結合が切断され、蛍光物質の蛍光が外部に発せられるようになる。蛍光物質とクエンチャとの結合が切断されると、当該DNAプローブは標的遺伝子から遊離する。そして、フリーになった標的遺伝子に通常状態のDNAプローブが再びハイブリダイゼーション反応により結合する。このように、ハイブリダイゼーション反応が繰り返されることにより、クエンチャの切断されたDNAプローブが増幅され、反応の進行に伴い、強い蛍光強度が得られる。
国際公開第2005/108571号パンフレット
特開2001−255328号公報
国際公開第2001/041931号パンフレット
蛍光強度により検出を行う際、特許文献2では、マイクロチップのバックグラウンド部分からの光成分を除去するため、バックグラウンド部分からの光の強度を測定し、蛍光強度の値から当該光の強度の値を差し引いて補正を行っている。
しかしながら、特許文献2においては、バックグラウンド部分即ちマイクロチップの基材の影響のみしか考慮されていない。
処理液に励起光を照射した場合に、検出対象の蛍光とは異なる蛍光が生じることがある。
例えば、サイクリングプローブ法を用いる場合には、蛍光物質を励起するために与えられた励起エネルギーが蛍光物質からクエンチャに移動し、クエンチャに移動したエネルギーが光エネルギーとして放出される場合には、クエンチャからの蛍光が生じる。
このため、処理液からの検出対象の蛍光とは異なる蛍光(例えば、クエンチャからの蛍光)の蛍光強度についても測定を行い、検出対象の蛍光の蛍光強度の結果に反映することは、標的物質の精度良い検出を行う上で重要である。
本発明は、このような要請に基づいてなされたものであり、標的物質の精度良い検出を行うことのできるマイクロチップ検査システム、マイクロチップ検査装置及びプログラムを提供することを目的としている。
本発明のマイクロチップ検査システムは、少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬とを含み、前記標的物質と前記試薬との反応を検出するための蛍光強度の測定が行われる被検出部を有するマイクロチップと、前記マイクロチップを収容可能なマイクロチップ収容部と、前記マイクロチップ収容部に収容されたマイクロチップの被検出部に対応して設けられ、前記被検出部に励起光を照射するとともに前記被検出部からの蛍光を受光する光検出部と、前記光検出部による前記蛍光強度の測定に基づいて前記反応の検出を行う制御部と、を有するマイクロチップ検査システムにおいて、前記光検出部は、第1の蛍光波長帯域を受光する第1受光手段と、第2の蛍光波長帯域を受光する第2受光手段とを有し、前記制御部は、前記第1受光手段で受光した第1の蛍光強度と、前記第2受光手段で受光した第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うことを特徴としている。
本発明のマイクロチップ検査装置は、少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬とを含み、前記標的物質と前記試薬との反応を検出するための蛍光強度の測定が行われる被検出部を有するマイクロチップを収容可能なマイクロチップ収容部と、前記被検出部に励起光を照射するとともに前記被検出部からの蛍光を受光する光検出部と、前記光検出部による前記蛍光強度の測定に基づいて前記反応の検出を行う制御部と、を有するマイクロチップ検査装置において、前記光検出部は、第1の蛍光波長帯域を受光する第1受光手段と、第2の蛍光波長帯域を受光する第2受光手段とを有し、前記制御部は、前記第1受光手段で受光した第1の蛍光強度と、前記第2受光手段で受光した第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うことを特徴としている。
本発明のプログラムは、少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬との反応を被検出部にて行うステップと、光検出部により前記被検出部からの第1の蛍光波長帯域の蛍光を受光し、第1の蛍光強度を測定するステップと、光検出部により前記被検出部からの第2の蛍光波長帯域の蛍光を受光し、第2の蛍光強度を測定するステップと、前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うステップと、をコンピュータに実行させることを特徴としている。
本発明によれば、検出対象とは異なる第2の蛍光の蛍光強度を用いて検出対象の第1の蛍光における実質的な蛍光強度を得ることができるので、標的物質の精度良い検出を行うことができる。
1 マイクロチップ
4 光検出部
41 励起光源
461 第1検出光フィルタ
462 第2検出光フィルタ
47 受光部
23 ヒータ
80 検査装置
90 CPU
92 ROM
120 検体収容部
124 プライマー及び蛍光標識されたDNAプローブの収容部
125、126 被検出部
4 光検出部
41 励起光源
461 第1検出光フィルタ
462 第2検出光フィルタ
47 受光部
23 ヒータ
80 検査装置
90 CPU
92 ROM
120 検体収容部
124 プライマー及び蛍光標識されたDNAプローブの収容部
125、126 被検出部
以下、図面に基づいて本実施形態について説明するが、一例であり、本実施形態に限定するものではない。
ここで、「マイクロチップ」と「検査システム」とは、DNA,RNAなど核酸やタンパク質などのバイオ分子の混合、分離、合成、抽出などの化学操作と生化学反応を小型のチップ内で行い、さらにその反応結果を検出する装置と組み合わせて成るシステムをいう。
(装置構成)
図1は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置80の外観図である。検査装置80は、マイクロチップ1に予め注入された検体と試薬とを自動的に反応させ、反応結果を自動的に出力する装置である。
図1は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置80の外観図である。検査装置80は、マイクロチップ1に予め注入された検体と試薬とを自動的に反応させ、反応結果を自動的に出力する装置である。
検査装置80の筐体82には、マイクロチップ1を装置内部に挿入するための挿入口83、表示部84、メモリカードスロット85、プリント出力口86、操作パネル87、外部入出力端子88が設けられている。
検査担当者は、図1の矢印方向にマイクロチップ1を挿入し、操作パネル87を操作して検査を開始させる。開始操作に伴って、後述するように、検査装置80内にあるマイクロチップ1内では蛍光反応が開始され、蛍光の検出結果に基づく検査結果が表示部84に表示される。検査結果は操作パネル87の操作により、プリント出力口86よりプリントを出力したり、メモリカードスロット85に挿入されたメモリカードに記憶することができる。また、外部入出力端子88から例えばLANケーブルを使って、パソコンなどにデータを保存することができる。検査終了後、検査担当者はマイクロチップ1を挿入口83から取り出す。
図2は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置80の構成図である。図2においては、マイクロチップが図1に示す挿入口83から挿入され、セットが完了している状態を示している。
検査装置80は、マイクロチップ1に予め注入された検体及び試薬を送液するための駆動液11を貯留する駆動液タンク10、マイクロチップ1に駆動液11を供給するためのマイクロポンプ5、マイクロポンプ5とマイクロチップ1とを駆動液11が漏れないように接続するパッキン6、マイクロチップ1の必要部分を温調する温度調節ユニット3、マイクロチップ1をずれないように温度調節ユニット3及びパッキン6に密着させるためのチップ押圧板2、チップ押圧板2を昇降させるための押圧板駆動部21、マイクロチップ1をマイクロポンプ5に対して精度良く位置決めする規制部材22、マイクロチップ1内の検体と試薬との反応状態等を検出する光検出部4、等を備えている。
チップ押圧板2は、初期状態においては、図2に示す位置より上方に退避している。これにより、マイクロチップ1は矢印X方向に挿抜可能であり、検査担当者は挿入口83(図1参照)から規制部材22に当接するまでマイクロチップ1を挿入する。その後、チップ押圧板2は、押圧板駆動部21により下降してマイクロチップ1に当接し、マイクロチップ1の下面が温度調節ユニット3及びパッキン6に密着される。これにより、マイクロチップ1のセットが完了する。規制部材22、押圧板2、温度調節ユニット3及びパッキン6等で本発明のマイクロチップ収容部が構成される。また、チップ押圧板2の内部には、セットされたマイクロチップ1の被検出部125、126(図3参照)を加熱するための、本発明の加熱手段としてのヒータ23が設けられている。
温度調節ユニット3は、マイクロチップ1と対向する面にペルチェ素子31を備え、マイクロチップ1が検査装置80にセットされたときに、ペルチェ素子31がマイクロチップ1に密着するようになっている。試薬が収容されている部分をペルチェ素子31で冷却して試薬が変性しないようにする。
光検出部4は、本発明の発光部としてのLED等の励起光源41、励起光源41から発せられた励起光の波長帯域を制限する励起光フィルタ42、励起光フィルタ42を透過した励起光をマイクロチップ1の被検出部125、126(図3参照)のサイズに適合したビームスポットに整形するための集光レンズ43、集光レンズ43を透過した励起光を反射してマイクロチップ1の被検出部125、126に照射するとともに当該励起光により発せられたマイクロチップ1の被検出部125、126からの蛍光を透過するダイクロイックミラー44、ダイクロイックミラー44を透過した蛍光を受光部47に導光するための受光レンズ45、受光レンズ45を透過した蛍光の波長帯域を制限する検出光フィルタ46、検出光フィルタ46を透過した蛍光を受光するフォトダイオード等からなる受光部47、等から構成されている。
検出光フィルタ46は、DNAプローブの標識蛍光物質の発光スペクトル(本発明の第1の蛍光)を選択的に透過させるための第1検出光フィルタ461及びDNAプローブのクエンチャの発光スペクトル(本発明の第2の蛍光)を選択的に透過させるための第2検出光フィルタ462から構成されている。第1検出光フィルタ461及び第2検出光フィルタ462は、検出光フィルタ切換手段463(図4参照)により切り換え可能となっている。
光検出部4は、光検出部移動手段48(図4参照)により、後述の被検出部125、126のそれぞれの位置に対向して移動することができるようになっている。
マイクロポンプ5は、ポンプ室52、ポンプ室52の容積を変化させる圧電素子51、ポンプ室52のマイクロチップ1側に位置する第1絞り流路53、ポンプ室の駆動液タンク10側に位置する第2絞り流路54、等から構成されている。第1絞り流路53及び第2絞り流路54は絞られた狭い流路となっており、また、第1絞り流路53は第2絞り流路54よりも長い流路となっている。
駆動液11を順方向(マイクロチップ1に向かう方向)に送液する場合には、まず、ポンプ室52の容積を急激に減少させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、短い絞り流路である第2絞り流路54において乱流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は、第1絞り流路53の方に支配的に押し出され送液される。
次に、ポンプ室52の容積を緩やかに増加させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵抗が小さくなり、ポンプ室52内には第2絞り流路54の方から支配的に駆動液11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより、駆動液11が順方向に送液されることになる。
一方、駆動液11を逆方向(駆動液タンク10に向かう方向)に送液する場合には、まず、ポンプ室52の容積を緩やかに減少させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて長さが短いので、第2絞り流路54の方が第1絞り流路53と比べて流路抵抗が小さくなる。これにより、ポンプ室52内の駆動液11は、第2絞り流路54の方に支配的に押し出され送液される。
次に、ポンプ室52の容積を急激に増加させるように圧電素子51を駆動する。そうすると、ポンプ室52内の容積増加に伴って駆動液11が第1絞り流路53及び第2絞り流路54から流れ込む。このとき、短い絞り流路である第2絞り流路54において乱流が発生し、第2絞り流路54における流路抵抗が長い絞り流路である第1絞り流路53に比べて相対的に大きくなる。これにより、ポンプ室52内には第1絞り流路53の方から支配的に駆動液11が流入する。以上の動作を圧電素子51が繰り返すことにより、駆動液11が逆方向に送液されることになる。
(マイクロチップの構成)
図3は、本実施形態に係るマイクロチップ1の構成図である。図3(a)は、マイクロチップ1の上面図である。図3(b)は、マイクロチップ1の側面図である。図3(c)は、図3(a)において被覆基板109を取り外した図である。一例の構成を示すものであり、これに限定されない。
図3は、本実施形態に係るマイクロチップ1の構成図である。図3(a)は、マイクロチップ1の上面図である。図3(b)は、マイクロチップ1の側面図である。図3(c)は、図3(a)において被覆基板109を取り外した図である。一例の構成を示すものであり、これに限定されない。
図3(a)において矢印は、検査装置80にマイクロチップ1を挿入する挿入方向であり、図3(a)は挿入時にマイクロチップ1の下面となる面を図示している。また、2つの被検出部125,126に示した円は励起光のビームスポットを示す。図3(b)はマイクロチップ1の側面図である。
図3(b)に示すように、マイクロチップ1は溝形成基板108と、溝形成基板108を覆う被覆基板109から構成されている。
溝形成基板108には、図3(c)に示すように、検体と試薬とをマイクロチップ1上
で混合・反応させるための微細流路及び流路エレメントが配設されている。図3(c)では、微細流路を矢印で、流路エレメントを四角形で模式的に示している。
で混合・反応させるための微細流路及び流路エレメントが配設されている。図3(c)では、微細流路を矢印で、流路エレメントを四角形で模式的に示している。
マイクロチップ1上には、以下の流路エレメントが設けられている。
駆動液注入部110a〜110eは、マイクロポンプから駆動液11を注入するための注入部である。
検体注入部113は、マイクロチップ1に検体を注入するための注入部である。
駆動液注入部110a〜110eの下流には、それぞれ、検体を収容する検体収容部120、標的遺伝子のポジティブコントロール用試薬を収容するポジティブコントロール収容部121、ネガティブコントロール用試薬を収容するネガティブコントール収容部122、標的遺伝子を増幅するための酵素及び基質の収容部123、プライマー及び蛍光標識されたDNAプローブの収容部124、が設けられている。各試薬は、予め各収容部に収容されている。標的遺伝子は、本発明の標的物質あるいは標的DNAに相当する。
ポジティブコントロール用試薬及びネガティブコントロール用試薬は、検査が正常に行われたか否かをモニタリングするための試薬である。
サイクリングプローブ法で用いる蛍光標識されたDNAプローブは、RNAとDNAからなるキメラオリゴヌクレオチドで、一方の末端が蛍光物質で、もう一方の末端がクエンチャで修飾されている。インタクトな状態では、蛍光共鳴エネルギー遷移現象により、蛍光を発しないが、標的遺伝子とハイブリダイゼーション反応を起こすと、RNA部分が切断されて蛍光を発する。
上記の各収容部は、マイクロチップ1を検査装置80にセットした際にペルチェ素子31に対向し、収容されている検体や試薬が変性しないように冷却される。
検体収容部120、ポジティブコントロール収容部121、酵素及び基質の収容部123、プライマー及び蛍光標識されたDNAプローブの収容部124の下流には、検体とポジティブコントロール用試薬との混合液に対して増幅反応及び検出を行うための被検出部125が設けられている。
また、検体収容部120、ネガティブコントール収容部122、酵素及び基質の収容部123、プライマー及び蛍光標識されたDNAプローブの収容部124の下流には、検体とネガティブコントール用の試薬との混合液に対して増幅反応及び検出を行うための被検出部126が設けられている。
被検出部125、126は、マイクロチップ1を検査装置80にセットした際にヒータ23に対向し、増幅促進のために加熱される。
被検出部125、126、及び被検出部125、126に対応する被覆基板109の部分は、光学的な検出を行うことができるよう、透明なガラスや樹脂等の材料から構成されている。
検体及び各試薬の流れについて説明する。
まず、マイクロチップ1による検査を行うに先立って、検査担当者は検体を検体注入部113から注射器等を用いて注入する。検体注入部113から注入された検体は、連通する微細流路を通って検体収容部120に収容される。
次に、検体の注入されたマイクロチップ1は、検査担当者により図1に示す検査装置80の挿入口83に挿入され、図2に示すようにセットされる。これにより、マイクロポンプ5を駆動して駆動液注入部110a〜110eから駆動液11を注入することが可能となる。
まず、駆動液注入部110aから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通って検体収容部120に収容されている検体が押し出され、被検出部125、126に検体が送り込まれる。
次に、駆動液注入部110bから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通ってポジティブコントロール収容部121に収容されているポジティブコントロール用試薬(標的遺伝子と同一のDNA配列箇所をもつ試薬)が押し出され、被検出部125にポジティブコントロール用試薬が送り込まれ、先に送液された検体と混合される。
次に、駆動液注入部110cから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通ってネガティブコントロール収容部122に収容されているネガティブコントロール用試薬(例えば純水)が押し出され、被検出部126にネガティブコントロールが送り込まれ、先に送液された検体と混合される。
次に、駆動液注入部110dと110eから駆動液11を注入すると、連通する微細流路を通って、123、124の各収容部から酵素及び基質、並びにプライマー及び蛍光標識されたDNAプローブが被検出部125、126にそれぞれ送りこまれ、先に送液された検体及びコントロール液の混合液と混合される。
次に、被検出部125,126をヒータ23により加熱すると、それぞれの被検出部において標的遺伝子(及びポジティブコントロールDNA)の増幅反応、標的遺伝子と蛍光標識されたDNAプローブのハイブリダイゼーション反応、及び蛍光物質とクエンチャとの遊離反応が同時進行し、増幅から蛍光物質生成までの反応が一括して行われる。
そして、被検出部125、126に光検出部4の励起光源41から励起光を照射し、被検出部125、126から発せられる蛍光を受光部47で受光することにより光検出を行うことが可能となる。
尚、変形例として、増幅反応、ハイブリダイゼーション反応、検出を別個の流路エレメントで行うようにしても構わない。また、装置構成上、ヒータ23やペルチェ素子31の位置は、それらの機能を満足する限り多少変動することがあっても構わない。
表1に、被検出部125、126の検出結果を基づいて検査の総合判定を行うルールの一例を示す。
ポジティブコントロールは、その試薬単独でも、標的遺伝子と同等の増幅反応、DNAプローブとのハイブリダイゼーション反応、及び蛍光物質の生成反応を起こす。ネガティブコントロールは、その試薬単独では、蛍光物質の生成反応を起こさない。
これらの試薬を検体と混合した混合液に対して反応及び検出を行うことで、表1に示した検査結果の良否判定が可能となる。
陽性すなわち検体に標的遺伝子が含まれる場合、検体とポジティブコントロール用試薬との混合液、及び検体とネガティブコントロール用試薬との混合液のいずれの混合液も蛍光発光が生じる。陰性すなわち検体に標的遺伝子が含まれない場合、検体とポジティブコントロール用試薬との混合液は、ポジティブコントロールの反応による蛍光発光が生じるが、検体とネガティブコントロール用試薬との混合液は、反応が生じず蛍光発光は生じない。これら2つのケースは、正常な反応が行われた検査結果として扱う事ができる。
一方、例えば、検体に反応の阻害物質が混入した場合等は、検体とポジティブコントロール用試薬との混合液、及び検体とネガティブコントロール用試薬との混合液のいずれの混合液も蛍光発光は生じない。また、検体とポジティブコントロール用試薬との混合液での蛍光発光無し、検体とネガティブコントロール用試薬との混合液での蛍光発光有りの場合は、マイクロチップ1に収容した試薬の失活などの異常が考えられる。これら2つのケースは、異常な反応を行った検査結果として、再検査を促すことが可能となる。
(制御構成)
図4は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置の制御構成の要部を示す図である。本発明の制御に関係する主な構成要素について示している。
図4は、本実施形態に係るマイクロチップを用いる検査装置の制御構成の要部を示す図である。本発明の制御に関係する主な構成要素について示している。
プログラムに従って検査装置80の制御を実行するCPU90を中心に、バス91により、ROM92、RAM93、不揮発性メモリ94、光検出部4、検出光フィルタ切換手段463、光検出部移動手段48、ペルチェ素子31、ヒータ23、マイクロポンプ5、表示部84、操作パネル87、等が相互に接続されている。
ROM92は、CPU90によって実行される各種制御プログラムやデータ等を記憶する。
RAM93は、CPU90によってワークエリアとして利用され、CPU90が制御を実行する際に必要なプログラムやデータを一時的に記憶する。
不揮発性メモリ94は、光検出部4による検出結果等を記憶する。
CPU90がROM92に記憶されているプログラムに基づいて制御を実行する。CPU90及びROM92に記憶されているプログラムは、本発明の制御部及びコンピュータとして機能する。
光検出部4、検出光フィルタ切換手段463、光検出部移動手段48、ペルチェ素子31、ヒータ23、マイクロポンプ5、表示部84及び操作パネル87についての説明は、前述したので省略する。
(検出制御フロー)
図5及び図6は、本実施形態に係る検出制御のフロー図である。ヒータ23による加熱が行われることによりサイクリングプローブ法による標的遺伝子の増幅反応、標的遺伝子とDNAプローブとのハイブリダイゼーション反応、及び蛍光物質とクエンチャとの遊離反応が開始される場合を一例に説明する。被検出部125及び126は共に同様の検出制御であり、以下、代表して被検出部125の検出制御について説明する。
図5及び図6は、本実施形態に係る検出制御のフロー図である。ヒータ23による加熱が行われることによりサイクリングプローブ法による標的遺伝子の増幅反応、標的遺伝子とDNAプローブとのハイブリダイゼーション反応、及び蛍光物質とクエンチャとの遊離反応が開始される場合を一例に説明する。被検出部125及び126は共に同様の検出制御であり、以下、代表して被検出部125の検出制御について説明する。
検出制御は、ROM92に記憶されている検出制御プログラムに基づいてCPU90が処理を実行することにより行われる。
尚、前提として、検査装置80の操作パネル87から検査開始の入力がされて検査が開始され、マイクロポンプ5が駆動され、既に被検出部125に、検体収容部120からの検体、ポジティブコントロール収容部121からのポジティブコントール用試薬、収容部123からの酵素及び基質、及び収容部124からのプライマー及び蛍光標識されたDNAプローブがそれぞれ送り込まれ充填されているものとする。
まず、初期設定として、CPU90は、i=0を設定する(ステップS1)。
次に、CPU90は、ヒータ23に被検出部125、126の加熱を開始させる(ステップS2)。これにより、被検出部125、126において標的遺伝子の増幅反応、標的遺伝子とDNAプローブとのハイブリダイゼーション反応、及び蛍光物質とクエンチャとの遊離反応が進行する。
次に、CPU90は、所定時間T(i)が経過したか否かを判断する(ステップS3)。所定時間T(i)により蛍光強度の測定を行うタイミングが決定される。所定時間T(i)のそれぞれの所定時間(T(0),T(1),T(2),・・・)は、ROM92に予め記憶されている。例えば、T(0)は反応開始前の蛍光強度の測定を行うタイミングであり、上記加熱開始後すぐに測定が行われる値に設定される。
所定時間T(i)が経過していないと判断すると(ステップS3;No)、CPU90は、所定時間T(i)が経過するまで待機する。
所定時間T(i)が経過したと判断すると(ステップS3;Yes)、CPU90は、光検出部移動手段48を駆動し、光検出部4を被検出部125に対向する位置に移動させる(ステップS4)。
次に、CPU90は、DNAプローブの標識蛍光物質の発光スペクトルを選択的に透過させるための第1検出光フィルタ461を受光部47の手前にセットする(ステップS5)。
次に、CPU90は、光検出部4の励起光源41を点灯させる(ステップS6)。これにより、被検出部125に励起光が照射される。
次に、CPU90は、被検出部125からの蛍光が第1検出光フィルタ461を介して光検出部4の受光部47に受光される際の蛍光強度FI1(i)を測定し、測定結果を所定時間T(i)に対応付けて不揮発性メモリ94に記憶する(ステップS7)。蛍光強度FI1(i)は、本発明の第1の蛍光強度に相当する。
次に、CPU90は、DNAプローブのクエンチャの発光スペクトルを選択的に透過させるための第2検出光フィルタ462を受光部47の手前にセットする(ステップS8)。
次に、CPU90は、被検出部125からの蛍光が第2検出光フィルタ462を介して光検出部4の受光部47に受光される際の蛍光強度FI2(i)を測定し、測定結果を所定時間T(i)に対応付けて不揮発性メモリ94に記憶する(ステップS9)。蛍光強度FI2(i)は、本発明の第2の蛍光強度に相当する。
次に、CPU90は、光検出部4の励起光源41を消灯させる(ステップS10)。
次に、CPU90は、i=Nであるか否かを判断する(ステップS11)。Nは予め定められた自然数であり、ROM92に予め記憶されている。つまり、標的遺伝子の増幅反応、標的遺伝子とDNAプローブとのハイブリダイゼーション反応、及び蛍光物質とクエンチャとの遊離反応が十分に進行するのに必要な時間が経過したか否かを判断する。
i=Nであると判断すると(ステップS11;Yes)、CPU90は、ヒータ23による加熱を停止させた後(ステップS12)、ステップS7で得られた蛍光強度FI1(i)とステップS9で得られた蛍光強度FI2(i)との比(FI1(i)/FI2(i))をそれぞれの所定時間T(i)において算出し、当該所定時間T(i)に対応付けて不揮発性メモリ94に記憶する(ステップS13)。
また、CPU90は、FI1(N)>a×FI2(N)であるか否かを判断する(ステップS14)。aは係数で、ROM92に予め記憶されている。係数aは、少なくとも1以上であり、検査の種類等により適宜決定される。これにより、当該条件式を満たせば被検出部125内に標的遺伝子が存在すると判断でき、当該条件式を満たさなければ被検出部125内に標的遺伝子が存在しないと判断することができる。
このように、蛍光強度FI1(i)と蛍光強度FI2(i)との相対的な関係に基づいて反応の検出を行うことにより、蛍光強度FI1(i)のみを用いて反応の検出を行う場合に比べて、反応状態の検出及び標的遺伝子の有無判定をより正確に行うことができる。例えば、蛍光強度FI1(i)が大きな値であっても、蛍光強度FI2(i)も同じように大きい値であり陽性反応を起こしていないことも考えられる。被検出部125に存在するDNAプローブの数が元々多く、全体的に蛍光強度が強い場合等がそうである。
また、上記のように、相対的な関係に基づいた検出を行っているので、別の検査において得られた測定結果とそのまま比較を行うことができる。
ステップS11において、i=Nでないと判断すると(ステップS11;No)、CPU90は、i=i+1というようにiを1つ増加させて(ステップS15)、ステップS3に戻る。
ステップS14において、FI1(N)>a×FI2(N)であると判断すると(ステ
ップS14;Yes)、CPU90は、表示部84に標的遺伝子が検出された旨の表示を行う(ステップS16)。
ップS14;Yes)、CPU90は、表示部84に標的遺伝子が検出された旨の表示を行う(ステップS16)。
ステップS22において、FI1(N)>a×FI2(N)でないと判断すると(ステップS14;No)、CPU90は、表示部84に標的遺伝子が検出されなかった旨の表示を行う(ステップS17)。
尚、ステップS16及びS17における表示の際に、不揮発性メモリ94に記憶されているFI1(i)、FI2(i)又は(FI1(i)/FI2(i))の時間経過グラフ等を合わせて表示するようにしてもよい。
以上のように、本実施形態によれば、蛍光強度FI1(i)と蛍光強度FI2(i)との相対的な関係に基づいて反応の検出を行うことにより、蛍光強度FI1(i)のみを用いて反応の検出を行う場合に比べて、反応状態の検出及び標的遺伝子の有無判定をより正確に行うことができる。
上記では、被検出部125における検体+ポジティブコントール用試薬の場合について示したが、被検出部126における検体+ネガティブコントール用試薬の場合についても同様である。
本実施形態では、蛍光強度FI1(i)と蛍光強度FI2(i)との比(FI1(i)/FI2(i))を用いて反応の検出を行ったが、蛍光強度FI1(i)と蛍光強度FI2(i)との差(FI1(i)−FI2(i))を用いて反応の検出を行ってもよい。あるいは、ROM92等に予め記憶した補正係数を蛍光強度FI2(i)に適用し、これに基づいて蛍光強度FI1(i)を補正し、当該補正した値により検出を行ってもよい。
本実施形態では、DNAプローブの標識蛍光物質の発光スペクトルとDNAプローブのクエンチャの発光スペクトルとを選択的に検出する際に、検出光フィルタを切り換えて検出したが、回折格子等で分光し波長分離して検出したり、分光感度の異なる受光素子で検出するようにしてもよい。
Claims (10)
- 少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬とを含み、前記標的物質と前記試薬との反応を検出するための蛍光強度の測定が行われる被検出部を有するマイクロチップと、
前記マイクロチップを収容可能なマイクロチップ収容部と、
前記マイクロチップ収容部に収容されたマイクロチップの被検出部に対応して設けられ、前記被検出部に励起光を照射するとともに前記被検出部からの蛍光を受光する光検出部と、
前記光検出部による前記蛍光強度の測定に基づいて前記反応の検出を行う制御部と、
を有するマイクロチップ検査システムにおいて、
前記光検出部は、第1の蛍光波長帯域を受光する第1受光手段と、第2の蛍光波長帯域を受光する第2受光手段とを有し、
前記制御部は、前記第1受光手段で受光した第1の蛍光強度と、前記第2受光手段で受光した第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うことを特徴とするマイクロチップ検査システム。 - 前記第1受光手段及び前記第2受光手段は、それぞれの検出対象である蛍光を透過させる第1検出光フィルタ及び第2検出光フィルタをそれぞれ有することを特徴とする請求の範囲第1項に記載のマイクロチップ検査システム。
- 前記制御部は、前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度と比又は差に基づいて前記反応の検出を行うことを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のマイクロチップ検査システム。
- 前記制御部は、前記第2の蛍光強度の検出値を基に、前記第1の蛍光強度の検出値を補正することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のマイクロチップ検査システム。
- 前記制御部は、少なくとも前記第1の蛍光強度が前記第2の蛍光強度より大きい場合に前記標的物質が存在すると判断することを特徴とする請求の範囲第1項又は第2項に記載のマイクロチップ検査システム。
- 前記反応は、加熱により反応が進行する反応であり、
前記マイクロチップ収容部に収容されたマイクロチップの前記被検出部を加熱する加熱手段を有し、
前記制御部は、前記加熱手段に前記被検出部を加熱させることにより前記反応を行わせることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第5項の何れか一項に記載のマイクロチップ検査システム。 - 前記標的物質は、標的DNAであり、
前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬は、蛍光標識したDNAプローブであり、
前記反応は、前記標的DNAと前記DNAプローブとのハイブリダイゼーションにより蛍光共鳴エネルギー遷移現象に変化を生じる反応であることを特徴とする請求の範囲第1項乃至第6項の何れか一項に記載のマイクロチップ検査システム。 - 前記検出対象である第1の蛍光は、前記DNAプローブの標識蛍光物質が発する蛍光であり、
前記検出対象とは異なる第2の蛍光は、前記DNAプローブのクエンチャ物質が発する蛍光であることを特徴とする請求の範囲第7項に記載のマイクロチップ検査システム。 - 少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬とを含み、前記標的物質と前記試薬との反応を検出するための蛍光強度の測定が行われる被検出部を有するマイクロチップを収容可能なマイクロチップ収容部と、
前記被検出部に励起光を照射するとともに前記被検出部からの蛍光を受光する光検出部と、
前記光検出部による前記蛍光強度の測定に基づいて前記反応の検出を行う制御部と、
を有するマイクロチップ検査装置において、
前記光検出部は、第1の蛍光波長帯域を受光する第1受光手段と、第2の蛍光波長帯域を受光する第2受光手段とを有し、
前記制御部は、前記第1受光手段で受光した第1の蛍光強度と、前記第2受光手段で受光した第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うことを特徴とするマイクロチップ検査装置。 - 少なくとも標的物質と前記標的物質に特異的に結合する蛍光標識された試薬との反応を被検出部にて行うステップと、
光検出部により前記被検出部からの第1の蛍光波長帯域の蛍光を受光し、第1の蛍光強度を測定するステップと、
光検出部により前記被検出部からの第2の蛍光波長帯域の蛍光を受光し、第2の蛍光強度を測定するステップと、
前記第1の蛍光強度と前記第2の蛍光強度との相対的な関係に基づいて前記反応の検出を行うステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
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JP2005300292A (ja) * | 2004-04-09 | 2005-10-27 | Hitachi High-Technologies Corp | 生体試料成分検出法及びその装置 |
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