JPWO2008078475A1 - 可視下遠心装置及び観察装置 - Google Patents

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Abstract

分離あるいは合成の反応中におけるサンプルの状態を、高フレームレートで安定した高画質の映像でリアルタイムに確認することが可能な可視下遠心装置を開示する。可視下遠心装置Aは、回転軸2を中心に回転する回転盤4と、回転盤に配設され、サンプルを収容して回転盤とともに回転する反応器6と、反応器内におけるサンプルの状態を観察するための顕微鏡8とを具備し、反応器内のサンプルに対して遠心力を作用させることで、サンプルから所定の物質を分離あるいは合成させる。顕微鏡は、反応器内のサンプル状態を観察可能となるように回転盤の所定位置へ固定されており、回転盤には、顕微鏡で捉えた反応器内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影するための撮像デバイス10と、撮像デバイスで撮影された顕微鏡画像の撮映像をリアルタイムで動画として無線伝送するための映像無線伝送デバイス12とが取り付けられている。

Description

本発明は、サンプルに対して遠心力を作用させることで、当該サンプルから所定の物質を分離あるいは合成させる遠心装置に関し、特に、分離反応中あるいは合成反応中におけるサンプルの状態をリアルタイムで目視により確認することが可能な可視下遠心装置及び観察装置に関する。
従来から、反応器内のサンプルに遠心力を作用させることにより、当該サンプルから所定の物質(液体、固体および気体、若しくはこれらの混合体など)を分離あるいは合成させるための各種の遠心装置(例えば、遠心分離装置)や方法が知られており、これらの遠心装置や方法により、様々な工業製品や医薬品などの精製、あるいは半製品や試薬からの不純物の除去などが行われている。
例えば、特許文献1には、遠心分離装置上で血液から血漿または血清を分離して精製し、当該血漿または血清を各種の試薬と混合する血液分析装置(チップ型反応器)が一例として開示されている。
また、特許文献2には、液体の流れが、回転によって生じる求心力によって動かされることを利用して、液体を混合するミクロシステム(ミクロ分析を行うための遠心装置および方法)が一例として開示されている。
また、特許文献3には、臨床診断のための血液サンプルを処理し、例えば、血球量(赤血球数や白血球数など)を測定するために、流体回路が設けられた回転型光バイオディスクが一例として開示されている。なお、かかる回転型光バイオディスクは、所定の光読取装置にロードされ、所定回転速度で所定時間だけ回転処理される。
また、特許文献4には、生体サンプル混合物から負に帯電した小さい有機分子を除去するための方法および当該方法に使用される回転ディスク型反応器(デバイス)が一例として開示されている。
ここで、これらの回転型の反応器を用いてサンプルに対する分離作業などを行う場合、当該反応器を回転させると同時に、かかる作業中、当該反応器内の物質移動状態や、反応状態を観察(確認)しておく必要がある。
このような観察機構が備えられた遠心装置として、例えば、特許文献5には、回転ディスク上の試料室(反応器)が、その光軸を横切るように配置される対物レンズを有する偏光観察用光学系(偏光観察用光学機構)と、試料室が対物レンズの光軸を横切るタイミングでレーザを偏光観察用光学系へ発光する光源とが備えられた遠心顕微鏡が一例として開示されている。
特開2004−109099号公報 特表2003−533682号公報 特表2005−509882号公報 特表2006−501805号公報 特開平11−109245号公報
しかしながら、特許文献5に開示された遠心顕微鏡(遠心装置)においては、回転ディスクの外に偏光観察用光学機構を配置し、当該回転ディスクの回転に同期して発光する発光源によってサンプルの状態を観察する場合、当該回転ディスクの回転に応じたコマの観察しかできないことになる。すなわち、回転ディスクが1秒間に1回転する構成の遠心顕微鏡(遠心装置)の場合、1秒間に1コマの観察が限界であるという問題があった。
また、回転ディスク上へ顕微鏡を配置すると、当該顕微鏡の鏡筒に遠心力が作用されるため、当該鏡筒の振動が大きくなり、安定した観察を行うことが困難となる他、画像を撮影するためのCCD(Charge Coupled Devices:電荷結合素子)カメラに対しても、反応器と同様の遠心力が作用されるため、当該CCDカメラの動作が不安定となるという問題があった。さらに、この場合、回転するCCDカメラから映像信号を出力するためのケーブルの接続が困難となり、例えば、スリップリングなどのようにブラシと導電板とを接触させることで回転導通を得る方法を用いた場合であっても、映像信号にノイズが紛れて映像が乱れるなど安定した観察が困難となってしまう虞があった。
本発明は、このような課題を解決するためになされており、その第1の目的は、分離あるいは合成の反応過程におけるサンプルの状態を、高フレームレート(コマ数)で安定した画質の映像でリアルタイムに確認することが可能な可視下遠心装置を提供することにある。
さらに、第2の目的は、より倍率及び解像度を向上可能な可視下遠心装置及び観察装置を提供することにある。
このような目的を達成するために、本発明に係る可視下遠心装置は、回転する回転盤と、前記回転盤に配設され、サンプルを収容して前記回転盤とともに回転する反応器と、前記反応器内におけるサンプルの状態を目視により観察するための顕微鏡とを具備し、前記反応器内のサンプルに対して遠心力を作用させることで、前記サンプルから所定の物質を分離あるいは合成させている。かかる可視下遠心装置において、顕微鏡は、前記反応器内のサンプル状態を観察可能となるように前記回転盤の所定位置へ固定されており、回転盤には、前記顕微鏡で捉えた前記反応器内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影するための撮像デバイスと、前記撮像デバイスで撮影された前記顕微鏡画像の撮影像をリアルタイムで動画として無線伝送するための映像無線伝送デバイスが取り付けられている。これにより、反応器内のサンプル状態をリアルタイム映像で確認しながら、サンプルに対する分離反応あるいは合成反応を進行させることができる。
この場合、顕微鏡は、鏡筒内において、前記顕微鏡の光路が前記回転盤の盤面に対して所定の角度で部分的に屈折されており、撮像デバイスは、前記所定角度で屈折された顕微鏡の光路上で、前記顕微鏡画像を撮影可能となるように、前記回転盤の回転中心の近傍に位置付けられている。このような構成とすることで、回転盤が回転することによって遠心力が生じた場合であっても、撮像デバイスに対して作用する遠心力を軽減させることができ、前記撮像デバイスにおいて常に安定した顕微鏡画像の撮影を行うことが可能となる。
なお、回転盤の回転軸は、各種の軸受によって回転自在に支持すればよいが、回転軸をエア軸受によって回転自在に支持することで、回転盤が回転する際に生ずる回転振動を格段に軽減させることができ、ひいては、顕微鏡や撮像デバイスの回転振動を抑制させ、分離反応中あるいは合成反応中におけるサンプル状態の安定した観察ならびに撮影が可能となる。この場合、エア軸受は、噴出エアによって前記回転軸とは非接触状態に維持されている。
また、顕微鏡の対物レンズと前記反応器とは、同一部品で一体的に前記回転盤へ固定することで、前記対物レンズならびに反応器の回転振動による相対変位を極小化させることができる。
また、映像無線伝送デバイスは、一例として、前記撮像デバイスで撮影された前記顕微鏡画像の撮影像のデータを非圧縮のデジタル信号に変換し、外部の受信装置に対して無線により送信すればよい。これにより、映像無線伝送デバイスから送信された映像信号を欠落させることなく、外部の受信装置に対して送信することができ、当該受信装置においてサンプル状態をクリアで安定した映像で確認しながら、分離反応あるいは合成反応を進行させることができる。
また、前記反応器内のサンプルに対して落射照明を行う落射照明装置を備えることにより、サンプルの光学的透過率が背景と同程度でもサンプル表面の反射による陰影(コントラスト)を得ることができるので、サンプルの挙動を明瞭に観察できる。
また、前記回転盤はダイレクトドライブモータにより回転駆動されるように構成することで、可視下遠心装置をモータビルトインタイプに構成でき、小型化できる。
また、前記反応器内のサンプルに対してバックライト照明を行う照明装置を備えることが好ましい。この場合、前記反応器を装着する試料装着部を備え、前記試料装着部は前記反応器を支持しピンホールを有する試料台を有し、前記照明装置からのバックライト照明光が前記ピンホールを透過して前記試料台に支持された反応器内のサンプルに照明されるように構成することが好ましい。かかる試料台に設けたピンホールを透過した透過光により反応器内のサンプルを照明することにより、像のコントラストが向上し、解像度の高い画像を得ることができ、このため、より倍率及び解像度を向上可能な可視下遠心装置を実現できる。
また、前記試料装着部は、前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料台のピンホールとの相対位置を調整するためのアライメント機構を備えることで、試料台のピンホールの位置を対物レンズの光軸に簡単に合わせることができる。
また、前記試料装着部は、前記試料台において前記反応器を保持する試料ホルダと、前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料ホルダに保持された反応器との相対位置を調整するための位置調整機構と、を備えることで、反応器内の目的の観察領域を対物レンズの光軸に簡単に合わせることができる。
また、前記試料装着部は、前記顕微鏡の対物レンズを前記回転盤に固定する固定部品内に設けられ、前記アライメント機構、前記位置調整機構及び前記固定部品により前記試料台及び前記試料ホルダが前記回転盤側に固定されることが好ましい。
本発明に係る可視下遠心装置によれば、回転盤上に反応器内部の状態を観察するための顕微鏡を設けるとともに、前記顕微鏡の画像を撮影するための撮像デバイスと当該撮像デバイスからの撮影像をリアルタイムで無線により伝送するための映像無線伝送デバイスを、いずれも前記回転盤の回転中心の近傍に取り付けることで、各デバイスに作用する遠心力を極小化でき、遠心力によってデバイスの性能が阻害されることがないため、分離反応中あるいは合成反応中の反応過程におけるサンプルの状態を、高フレームレート(コマ数)で安定した画質の映像でリアルタイムに確認することができる。また、反応器を支持する試料台にピンホールを設け、ピンホールを透過した透過光によりサンプルをバックライト照明することで、より倍率及び解像度を向上できる。
本発明に係る観察装置は、観察対象物を観察するための顕微鏡と、前記観察対象物を支持する試料台と、前記観察対象物に対してバックライト照明を行う照明装置と、を備える観察装置であって、前記試料台がピンホールを有し、前記照明装置からのバックライト照明光が前記ピンホールを透過して前記試料台に支持された観察対象物に照明されることを特徴とする。
この観察装置によれば、試料台に設けたピンホールを透過した透過光により観察対象物をバックライト照明することにより、像のコントラストが向上し、解像度の高い画像を得ることができる。このため、より倍率及び解像度を向上できる。
上記観察装置において前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料台のピンホールとの相対位置を調整するためのアライメント機構を備えることで、試料台のピンホールの位置を対物レンズの光軸に簡単に合わせることができる。
また、前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料台に支持された観察対象物との相対位置を調整するための位置調整機構を備えることで、観察対象物の目的の観察領域を対物レンズの光軸に簡単に合わせることができる。
第1の実施の形態に係る可視下遠心装置の全体構成例を示す斜視図である。 図1の固定部品の内部の構成を説明するための部分構成図である。 図1の可視下遠心装置の全体構成例を上から見た上面図である。 図1の回転盤に対してスピンドルユニットを装着させた状態の可視下遠心装置の縦断面図である。 スピンドルユニットとしてエアスピンドルユニット28を装着させた状態の可視下遠心装置の全体斜視図である。 可視下遠心装置Aに落射照明装置を付加した第2の実施の形態に係る構成を示す図4と同様の縦断面図である。 実施例1で使用した流路形成チップの流路パターンを概略的に示す平面図である。 実施例1において直径の異なるポリスチレンビーズが直線流路内を移動するときの遠心加速度と移動速度の関係を示すグラフである。 実施例2において流路デバイスを回転させて遠心力を負荷した場合と、回転なしで遠心力を負荷していない場合の反遠心側溶液槽へのゾウリムシの出現確率を示す図である。 可視下遠心装置Aの回転盤4をダイレクトドライブモータで駆動するようにした変形例を示す図4と同様の縦断面図である。 従来の試料装着部を示す要部側断面図である。 第3の実施の形態における可視下遠心装置Aの試料装着部を示す要部側断面図である。 図4の可視下遠心装置Aの固定部品16と固定部品16の内部に設けられる試料装着部60とを説明するために破断して示す断面斜視図である。 図12の固定部品の平面図である。 図13Aの固定部品を方向Bからみた側面図である。 図13Aの固定部品を方向Cからみた側面図である。 図12の試料台の平面図である。 図12の試料台の側面図である。 図12の試料ホルダの平面図である。 図12の試料ホルダの側面図である。 図12の試料ホルダと試料台とを組み合わせた側面図である。 図12の試料台のアライメント機構及び試料ホルダの位置調整機構を説明するために図12の試料台及び試料ホルダを上部(対物レンズ側)からみた概略図である。 図16Aの試料台及び試料ホルダを上部(対物レンズ側)からみた概略図である。 図12の試料台のアライメント機構及び試料ホルダの位置調整機構に適用可能なスプリングプランジャの側断面図である。 図12の試料台のアライメント機構及び試料ホルダの位置調整機構に適用可能な調整用ねじの側面図である。 図12の試料台のアライメント機構及び試料ホルダの位置調整機構に適用可能なボールプランジャの側断面図である。
符号の説明
2 回転軸
4 回転盤
6 反応器
8 顕微鏡
8a 対物レンズ
10 撮像デバイス
12 映像無線伝送デバイス
14 ミラー
14a ハーフミラー
16 固定部品
18 アンテナ
20 Z軸ガイド
22 照明装置
24 電源装置
28 スピンドルユニット
30 バランスウェイト
60 試料装着部
61 試料台
61a ピンホール
64 試料ホルダ
66a〜69a ボールプランジャ
66b〜69b 調整用ねじ
6a 観察領域
A 可視下遠心装置
〈第1の実施の形態〉
以下、第1の実施の形態に係る可視下遠心装置について、添付図面を参照して説明する。図1〜図5には、本実施の形態に係る可視下遠心装置(以下、単に「装置」ともいう)Aが示されており、装置Aには、所定の回転軸2を中心に回転する回転盤4と、回転盤4に配設され、サンプルを収容して回転盤4とともに回転する反応器6と、反応器6内におけるサンプルの状態を目視により観察するための顕微鏡8とが備えられている。そして、装置Aは、反応器6内のサンプルに対して遠心力を作用させることで、当該サンプルから所定の物質(液体、固体および気体、若しくはこれらの混合体など)を分離、あるいは合成させている。
なお、装置Aの大きさや形状、具体的には、回転盤4の大きさや形状は、遠心分離あるいは遠心合成させるサンプルの性質や数などに応じて任意に設定すればよいが、本実施の形態においては、回転盤4が直径220mmの円盤として構成されている場合を、一例として想定する。また、反応器6は、その内部に所定のサンプルを収容し、当該サンプルを遠心分離反応あるいは遠心合成反応させることが可能であれば、その形態は特に限定されず、任意の形態を成す反応器6を選択して適用することができるが、本実施の形態においては、チップ型の反応器6が適用されている場合を、一例として想定する。そして、反応器6は、内部にサンプルを収容した状態で、回転盤4に対して固定され、回転盤4とともに回転している。
かかる装置Aにおいて、顕微鏡8は、反応器6内におけるサンプルの状態を観察可能となるように回転盤4の所定位置へ固定されており、回転盤4には、顕微鏡8で捉えた反応器6内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影するための撮像デバイス10と、撮像デバイス10で撮影された顕微鏡画像の撮影像を、リアルタイムで動画として無線により伝送するための映像無線伝送デバイス12が取り付けられている。なお、本実施の形態において、顕微鏡8は、一例として、反応器6内におけるサンプルの状態を捉える対物レンズ8aと、対物レンズ8aが捉えた顕微鏡画像を撮像デバイス10まで伝達するための光路が内部に形成された鏡筒8bとを備えて構成されている。また、撮像デバイス10には、顕微鏡8で捉えた反応器6内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影することが可能な各種の撮像装置を適用することができるが、本実施の形態においては、撮像デバイス10としてCCDカメラを適用した場合を一例として想定する。
この場合、顕微鏡8は、鏡筒8b内において、顕微鏡8の光路が回転盤4の盤面(図4の上側の面)4aに対して所定の角度で部分的に屈折されており、撮像デバイス(以下、CCDカメラという)10は、前記所定角度で屈折された顕微鏡8の光路上で、上述した顕微鏡画像を撮影可能となるように、回転盤4の回転中心の近傍に位置付けられている。なお、以下の説明においては、上述した顕微鏡8の光路を観察光路と呼び、当該観察光路を進む光を観察光と呼ぶ。
本実施の形態においては、一例として、図4に示すように、顕微鏡8の鏡筒8b内へミラー14を観察光路の屈折角に応じて任意に設定される所定角度だけ観察光路に対して傾斜して配設している。なお、図4に示す構成において、装置Aは、顕微鏡8の対物レンズ8aが反応器6内のサンプル状態を垂直方向(同図の上下方向)の上方から捉えるとともに、回転盤4の回転中心の近傍で回転盤4の盤面4aに対して平行する方向(水平方向)から対物レンズ8aが捉えた顕微鏡画像をCCDカメラ10で撮影する構造を成している。このため、ミラー14を図4の観察光nの進入方向に対して約135°の角度で後傾させて顕微鏡8の鏡筒8b内に配設することで、進入した観察光nを約90°だけ屈折させ、回転盤4の盤面4aに対して平行となるようにさらに進行させている。なお、顕微鏡8は、その鏡筒8bを略直角に屈折させることで、鏡筒8b内に略直角に屈折した観察光路を形成した構成とすればよい。
この場合、顕微鏡8を回転盤4の周縁部へ位置付けることで、垂直方向から進入した観察光nがミラー14によって回転盤4の周方向から中心方向へ向けて回転盤4の盤面4aと平行して屈折するように、その進行方向を変化させる構成とすることができる。この結果、顕微鏡8は、その観察光n(すなわち、顕微鏡画像)が回転盤4の中心部、すなわち回転盤4の回転中心の方向へ向けて到達(収束)される構造となり、CCDカメラ10を観察光路の到達(収束)先へ位置付けることで、CCDカメラ10が回転盤4の回転中心の近傍で顕微鏡の観察光nを捉えること、具体的には、顕微鏡画像を撮影することが可能な構成とすることができる。
このため、CCDカメラ10を回転盤4の回転中心の近傍に位置付けることができ、回転盤4が回転することによって遠心力が生じた場合であっても、CCDカメラ10に対して作用する遠心力を軽減させることができ、遠心力によってCCDカメラ10の性能が阻害されることや撮影時の顕微鏡画像がブレることがなく、CCDカメラ10において常に安定した顕微鏡画像の撮影を行うことが可能となる。
また、上述したように顕微鏡8を観察光路がミラー14によって屈折される構造とすることで、顕微鏡8の鏡筒8bの高さ(図4の上下方向の距離)を抑えることができる。これにより、回転盤4が回転することで回転振動が発生した場合であっても、回転振動に対する顕微鏡8の剛性を高めることができ、顕微鏡8において常に安定した反応器6内におけるサンプル状態の観察を行うことが可能となる。ただし、鏡筒8bの高さを抑えるためには、顕微鏡8を観察光路の屈折角度が0°より大きく90°以下となる構造とすることが好ましい。
なお、顕微鏡8は、その鏡筒8bが反応器6に対して垂直方向(鉛直方向(図4の上下方向))へ上下動可能な構造を成しており、このような構造を成すことにより、反応器6(具体的には、サンプル)と対物レンズ8aとの間の距離(焦点距離)を調整することができるようになっている。この場合、回転盤4には、その盤面4aに対して垂直方向へ所定の長さで延出したガイド(以下、Z軸ガイドという)20が設けられており、鏡筒8bをZ軸ガイド20に沿ってスライドさせることで、顕微鏡8は、サンプルと対物レンズ8aとの焦点距離を調整する構造となっている。
また、本実施の形態においては、顕微鏡8の対物レンズ8aと反応器6とを同一部品(以下、固定部品という)16の内部に収容するとともに、収容された対物レンズ8aおよび反応器6を固定部品16と一体的に回転盤4へ固定することで、対物レンズ8aと反応器6との間の外部振動(具体的には、回転盤4の回転によって生ずる回転振動)による相対変位を極小化させている。これにより、顕微鏡8は、常に安定して反応器6内のサンプル状態をブレのないクリアな画像として捉えることができ、分離過程あるいは合成過程におけるサンプルの状態を正確且つ確実に観察することが可能となる。
この場合、固定部品16の内部には、図2に示すように、所定の照明装置(例えば、エッジ式のLED(Light Emitting Diode)バックライト)22が設けられており、サンプルを顕微鏡8の対物レンズ8aとは反対側から照明装置22で照らして透過させた状態で観察できるようにしている。これにより、反応器6内におけるサンプルの状態をより鮮明に観察することができ、対物レンズ8aによって当該サンプル状態を、よりクリアな顕微鏡画像として捉えることができる。なお、照明装置(エッジ式のLEDバックライト)22の光源であるLED22aは、上述したCCDカメラ10と同様に、回転盤4の回転によって生じる遠心力の作用を軽減させるため、回転盤4の回転中心の近傍に位置付けられている。
ここで、照明装置22は、サンプルを照らして透過させた状態で観察することが可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、サンプルの性質や種類などに応じて、任意の照明装置を選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、株式会社モリテックス製のLED照明(エッジ式バックライト)MEBL−CW25を用いている。ただし、例えば、かかる照明装置22と同等、若しくはそれ以上の性能を有する照明装置であってもよい。
また、固定部品16は、顕微鏡8の対物レンズ8aとサンプルとの焦点距離を調整し、適正距離に設定された状態で、対物レンズ8aとサンプルとの相対位置、具体的には、対物レンズ8aのサンプルに対する高さを固定している。これにより、分離反応中あるいは合成反応中、サンプルに対する顕微鏡8の対物レンズ8aの高さを一定に維持することができ、当該サンプルの状態を安定して観察することが可能となる。
また、本実施の形態においては、回転盤4に対し、上述した顕微鏡画像を動画として撮影するCCDカメラ10とともに、CCDカメラ10で撮影された顕微鏡画像のカメラ映像(撮影像)をリアルタイムで動画として無線伝送するための映像無線伝送デバイス12が取り付けられている。
このように、CCDカメラ10で撮影された映像を外部受信機(図示しない)に対して伝送する方式として、有線方式ではなく無線方式を採用することで、回転盤4とともにCCDカメラ10ならびに映像無線伝送デバイス12を回転させた場合であっても、これらから直接信号線を取り出す必要がなく、当該信号線の取り回しを考慮する必要が全くない。この結果、CCDカメラ10および映像無線伝送デバイス12の周辺構造を容易に簡略化させることができる。
また、信号線の取り回しを考慮する必要がないため、CCDカメラ10ならびに映像無線伝送デバイス12を回転盤4(具体的には、顕微鏡8および反応器6内のサンプル)とともに回転させる構造とすることができ、回転盤4の回転数による制約を受けることなく、任意の高フレームレート(コマ数)でCCDカメラ10によって顕微鏡画像を撮影することができ、撮影した顕微鏡画像のカメラ映像を外部の受信装置(図示しない)に対して伝送することができる。
これにより、かかる外部受信装置として、例えば、液晶パネルやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示器を設けることで、上述したカメラ映像(すなわち、反応器6の内部におけるサンプルの状態)を、かかる表示器においてリアルタイムに確認しながらサンプルの分離反応あるいは合成反応を進行させることができる。また、パソコンなどを介して収録したカメラ映像を解析することにより、サンプル(具体的には、その内部物質や、分離物質あるいは合成物質など)の挙動をモニタし、回転盤4の最適な回転条件(別の捉え方をすれば、サンプルに作用させる遠心力の最適な大きさ)を推定するとともに、当該推定された最適条件(例えば、回転速度や回転時間など)で回転盤4を回転制御することも可能となる。
この場合、映像無線伝送デバイス12は、上述したCCDカメラ10と同様に、回転盤4の回転によって生じる遠心力の作用を軽減させるため、回転盤4の回転中心の近傍に位置付けられており、CCDカメラ10によって撮影されたカメラ映像の映像データを所定のアンテナ18から外部受信装置(受信機に接続された液晶パネルやCRTディスプレイなどの表示器)に対して無線伝送している。また同様に、アンテナ18も回転盤4の回転によって生じる遠心力の作用を軽減させるため、回転盤4の回転中心の近傍、具体的には、回転盤4の回転中心の延長線上に立ち上がる構成としている。
なお、映像無線伝送デバイス12がカメラ映像の映像データ(映像信号)を外部受信装置(図示しない)へ無線伝送する際、映像データの伝送速度(ビットレート)やデータ形式(周波数や圧縮・非圧縮の有無など)は、装置Aの使用態様や使用条件などに応じて任意に設定すればよい。例えば、本実施の形態においては、一例として、CCDカメラ10が撮影した顕微鏡画像のカメラ映像を、映像無線伝送デバイス12によって周波数が2.4GHzの非圧縮デジタル信号の映像テータに変換し、当該映像データを外部受信装置に対して無線伝送している。これにより、映像無線伝送デバイスから送信された映像信号を欠落させることなく、外部受信装置に対して送信することができ、当該外部受信装置においてサンプル状態をクリアで安定した映像で確認しながら、分離反応あるいは合成反応を進行させることができる。ただし、映像無線伝送デバイス12から外部受信装置へ伝送する映像データは、上述した非圧縮のデジタル信号に代えて、圧縮信号であってもよいし、アナログ信号としてあってもよい。
ここで、CCDカメラ10は、顕微鏡8で捉えた反応器6内におけるサンプル状態の顕微鏡画像を撮影することが可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、装置Aの使用態様や使用条件などに応じて、任意のCCDカメラを選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、株式会社モスウェル製のカラーボードカメラMSC−90を用いている。ただし、例えば、かかるCCDカメラ10と同等、若しくはそれ以上の性能を有するCCDカメラであってもよい。
また、映像無線伝送デバイス12は、CCDカメラ10が撮影した顕微鏡画像のカメラ映像を外部受信装置(図示しない)に対して無線伝送することが可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、装置Aの使用態様や使用条件などに応じて、任意の映像無線伝送デバイスを選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、株式会社アイデンビデオトロニクス製のTRX24miniを用いている。ただし、例えば、かかる映像無線伝送デバイス12と同等、若しくはそれ以上の性能を有する映像無線伝送デバイスであってもよい。
なお、上述したCCDカメラ10、映像無線伝送デバイス12、ならびに照明装置22など、装置Aに設けられた各種の電装部品は、図1および図3に示すように、所定の電源装置(例えば、バッテリー)24によって駆動されている。この場合、電源装置24は、かかる各種の電装部品(CCDカメラ10、映像無線伝送デバイス12、ならびに照明装置22など)を正常に動作させることが可能な電力を、サンプルに対する分離反応中あるいは合成反応中、安定して供給可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、上述した各種の電装部品が要する電力の大きさなどに応じて、任意の電源装置を選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、ULTRA LIFE株式会社製のバッテリーであるUBBP01(電圧3.7v、バッテリー容量1.8Ah)を用いている。ただし、例えば、かかる電源装置24と同等、若しくはそれ以上の性能を有する電源装置であってもよい。
本実施の形態においては、かかる電源装置(バッテリー)24を4個直列で使用し、これら4つのバッテリー24を、回転盤4の回転中心に対して対称となる位置へ(180°の位相差で)2つずつ均等に配置しているとともに、顕微鏡8、反応器6および固定部品16に対して90°の位相差で配置している(図3参照)。この場合、バッテリー24は、一例として、回転盤4の盤面4aを凹状に窪ませて成る取付部へ埋設され、板状部材26で固定されて回転盤4に対して取り付けられている。
ここで、かかる装置Aにおいて、回転盤4の回転軸2は、図示しない所定の駆動装置(例えば、スピンドルモータなど)によって回転されているとともに、各種の軸受27によって回転自在に支持されており、図4には、一例として、転動体として玉を適用した転がり軸受27によって回転軸2を支持した構成が示されている。この場合、転がり軸受27は、転動体として玉を適用した各種の玉軸受の他、転動体として各種のころ(円筒ころ、円すいころおよび球面ころなど)を適用したころ軸受であってもよい。また、図4に示す構成においては、回転軸2を2つの軸受27で支持する構造としているが、回転軸2は、1つの軸受27で支持してもよいし、3つ以上の軸受27で支持してもよい。
なお、軸受27として、上述した各種の転がり軸受に代えてエア軸受を適用し、回転軸2を当該エア軸受によって回転自在に支持することで、回転盤4が回転する際に生ずる回転振動を格段に軽減させることができ、ひいては、顕微鏡8やCCDカメラ10の回転振動を抑制させ、分離反応中あるいは合成反応中におけるサンプル状態の安定した観察ならびに撮影を行うことが可能となり、さらに好ましい。ここで、一例として、エア軸受は、回転軸2の外周面を全周に亘って覆うように位置付けられた筒状のハウジングによって回転軸2を回転自在に支持する構造を成し、当該ハウジングの内周面(回転軸2の外周面に対する対向面)に設けた複数の噴出口(噴出孔)から回転軸2の外周面へ向けてエアを吹き付け、ハウジングの内周面と回転軸2の外周面とを非接触状態に保つことで、回転軸2を非常に滑らかに回転させることができる。
また、本実施の形態において、回転軸2および回転軸2を回転自在に支持する軸受27は、これらがハウジングとともに一体を成すスピンドルユニット28として構成されており、スピンドルユニット28が回転盤4に装着されることで、回転盤4が回転軸2を中心として回転される構造となっている。この場合、回転盤4には、その中央部が上側(顕微鏡8、反応器6、CCDカメラ10、および映像無線伝送デバイス12などが配設されている側)へ所定の大きさで凸状に突出し、回転盤4の下側(上述した各部品などが配設されている側とは反対側)を当該凸状に窪ませて形成されたスピンドルユニット取付部4bが設けられており、スピンドルユニット28は、回転盤4の下側からスピンドルユニット取付部4bへ挿入されて、回転盤4に対して取り付けられている。
このように、装置Aをスピンドルユニット28に対して回転盤4が被さるような構造とすることで、顕微鏡8、反応器6、CCDカメラ10、および映像無線伝送デバイス12などが配設された回転盤4の回転時における回転重心と、回転軸2が軸受27によって回転自在に支持された軸支部分との距離を狭めることができ、当該軸支部分に生じる回転モーメントを有効に軽減させることができる。
なお、上述した本実施の形態において、装置Aの構成部材の材料については特に言及しなかったが、装置Aの使用態様や使用目的などに応じて各種の素材を任意に選択して使用すればよい。一例として、本実施の形態においては、回転盤4の材料、ならびに顕微鏡8、反応器6、CCDカメラ10、および映像無線伝送デバイス12などを回転盤4に対して取り付けるための各種の取付部材を高強度アルミニウム合金(A2017)製とすることで、回転時における剛性を十分に確保しながら、これらの部材の軽量化を図っている。
また、本実施の形態においては、回転時における装置Aの重量バランスを均等にし、回転時に生じるスピンドルユニット28に対する振れ回り応力を減少させるため、回転盤4に対し、顕微鏡8および反応器6の配設位置と回転中心に対して略対称となる位置(回転中心に対して反対側)へ所定のバランスウェイト30を設けている。バランスウェイト30の重量、および配設位置は、回転盤4に配設された顕微鏡8、反応器6、CCDカメラ10、および映像無線伝送デバイス12などの各種の部材重量やそのバランス(重心)などに応じて、上述したスピンドルユニット28に対する振れ回り応力が小さくなるように調整すればよい。
なお、装置Aにおいて、より高精度にサンプルの分離反応あるいは合成反応を観察する場合、スピンドルユニット28として、回転軸2が上述したエア軸受によって回転自在に支持されたエアスピンドルユニットを回転盤4に対して装着する構成としてもよい。これにより、回転盤4が回転する際に生じる回転振動を格段に軽減させることができ、分離反応中あるいは合成反応中におけるサンプル状態をさらに安定した高画質のカメラ映像により観察することが可能となる。この場合、エアスピンドルユニットとしては、例えば、日本精工株式会社製のGBS100Hなどを用いることができる。
次に、上述のように反応器6を可視下遠心装置Aに装着し回転させて発生する遠心力を流体に作用させて流体を駆動し流動させることによる作用効果について説明する。
反応器6に外部機器との流体接続(流体駆動にポンプを利用する場合)、及び、電気的接続(流体駆動に例えば電気浸透流などを利用する場合)が不要となり、反応器6の構造が簡素化できる。この効果として、反応器6の取り扱いが容易となり、自動化しやすく、解析速度も向上する。また、反応器6をさらに小型化することができ、より微小サンプルでの解析が可能となる。この場合は、細胞は電気的に破砕することができないので、力学的な衝突によって破砕させる。また、周辺機器も小型化できるため、測定系全体を小型化できる。
また、サンプルの化学的な特性に影響されず、流体を駆動させることができる。特に、電界印加により電気分解し易い溶液を主体とするサンプルでも、駆動(解析)が可能である。また、電気的な刺激によって、変化する可能性のあるサンプルに対しても、これらの影響を気にせず利用でき、適用範囲が広がり好ましい。
また、サンプルの遠心分離効果を同時に発生させることができ、サンプルの比重による分離が可能である。
さらに、本実施の形態の可視下遠心装置を利用することによって、低回転数(低遠心力)の領域での反応であっても、情報が欠落(コマ落ち)することなく、検出状態を把握することができる。
〈第2の実施の形態〉
次に、図1〜図5の可視下遠心装置Aにサンプルに対し上方から照明をあてる落射照明装置を付加した第2の実施の形態による構成について図6を参照して説明する。図6は可視下遠心装置Aに落射照明装置を付加した第2の実施の形態による構成を示す図4と同様の縦断面図である。
溶液中の細胞やガラスビーズなど、背景と光学的な透過率が同程度(透明)の物質を観察する場合、照明装置22によるバックライトによる投下照明では、形状による陰影(コントラスト)が得難く、観察が困難である。この対策として、本実施の形態では図6のように、可視下遠心装置Aに落射照明装置を設けた。
すなわち、対物レンズ8aの上部のミラーをハーフミラー14aとし、ハーフミラー14aの上方にLED照明部40を設けることで同軸(落射)照明装置を構成した。LED照明部40からの照明光mがハーフミラー14aを透過し対物レンズ8aを通して反応器6内のサンプルを照射する。また、サンプルからの反射光(観察光)nは対物レンズ8aを通してハーフミラー14aで反射しCCDカメラ10へ到達する。なお、図6では照明装置22を省略してもよい。
LED照明部40には、例えば、市販の高輝度緑色LED(OPTSOURCE社製 100047シリーズ、φ3mm、光度6800mcd)を利用できるが、対象サンプルによって色調、輝度を選択することができる。また、遠心強度(回転数、時間)によってLEDの破損が懸念される場合には、光源(LED)を回転中心付近に配置して光ファイバで顕微鏡に誘導することもできる。
図6の落射照明装置を付加した構成によれば、反応器6内のサンプルからの反射光を観察することによって、サンプルの光学的透過率が背景と同程度でもサンプル表面の反射による陰影(コントラスト)を得ることができるので、サンプルの挙動を明瞭に観察することができる。
なお、上述の可視下遠心装置Aにおいて、微小生物の重力走性挙動などを測定する目的で、比較的低遠心力(重力の数倍程度の過重力)を発生させるために特に低速域での可視下性を要求されるが、第1及び第2の実施の形態では、可視下遠心装置Aが回転盤上へ顕微鏡システムを搭載しているため、回転数に関係なく高フレームレートの動画撮影が可能であり、特に動きの早い微小生物の挙動観察装置として最適である。同用途では、重力環境の急激な変化を再現するため、回転数変化応答の速い装置が要求されている。そこで、可視下遠心装置Aを、図10のように、ダイレクトドライブモータにより回転盤4を直接駆動するようにしてもよい。すなわち、図10のように、ダイレクトドライブモータ50の外周側に位置する回転部51を回転盤4に取り付けてモータビルトインタイプに構成する。これにより、回転数変化の応答性を向上できるとともに装置の小型化を達成できる。なお、ダイレクトドライブモータ50としては、例えば、日本精工株式会社製のPSモータ(1006シリーズ)を用いることができる。
さらに、図10のダイレクトドライブモータ50の内側の固定部52の上方の取付部4bにスリップリング53を設け、例えば、画像のサンプリング間隔が長く画像がみえない場合や重力反応の著しく遅いサンプルを対象として長時間の連続観察が必要な場合等にはスリップリング53を介して映像信号を外部に伝送したり、電源を供給するようにしてもよい。また、スリップリング53を用いることにより、外部機器や、生体応用の場合に生体サンプルへの電波の影響を抑制した上で、遠心負荷テストを実施することができる。
〈第3の実施の形態〉
次に、図1〜図5の可視下遠心装置Aにおいて、微小生物やポリスチレン等のマイクロビーズなどよりもさらに微小な対象物を観察可能にするために、より倍率及び解像度を向上させた第3の実施の形態による構成について図11A〜図17Cを参照して説明する。
図11Aは従来の試料装着部の例を示す要部側断面図であり、図11Bは、第3の実施の形態における可視下遠心装置Aの試料装着部を示す要部側断面図である。
図11Aのように、従来、例えば、観察対象物160とバックライト式の照明装置22との間に試料台230が設けられており、試料台230は、観察対象物160を載せて装着するガラス板や樹脂板等からなる透光性部材23aと、照明装置22の表面に立設した台部23bと、を有する。照明装置22からのバックライト照明光pが透光性部材23aを介して観察対象物160に背面側から照射され、その透過光が観察光nとして対物レンズ8aに入射し、観察対象物160内のサンプルを観察できる。
ところで、上述の可視下遠心装置Aに図11Aのような試料台230が配置された場合、試料台230に遠心過重力を発生させるが、このため、試料台230は小型、軽量に設計される必要があり、特に、光学系はできるだけシンプルに構築する必要がある。従来、分解能を向上するための対策として、一般の顕微鏡などに実用されているようなケラー照明系やクリティカル照明系が知られているが、これらは、照明光を集光するために集光レンズが必要となり、本実施の形態の用途には適切ではない。そこで、本実施の形態では、より簡易的に解像度を向上するため、可視下遠心装置Aの試料装着部を図11Bのような構造としている。
図11Bに示す試料装着部60は、ほぼ中心にピンホール61aを有する試料台61と、試料台61の表面61b上にピンホール61aを覆うように配置されたガラス板や樹脂板等からなるカバー部材62と、を備え、観察対象物である反応器6とバックライト式の照明装置22との間に設けられる。カバー部材62上には反応器6が載置されて装着される。
試料台61は、平坦な表面61bに対し照明装置22側の裏面は、ピンホール61aを中心としたすり鉢状に、すなわち、ピンホール61aに向けて傾斜した略円錐状凹面61cに構成されており、略円錐状凹面61cの外周部が照明装置22上に載る構成である。試料台61は、アルミニウム等の軽金属材料や樹脂材料から構成できる。試料台61の内部の略円錐状凹面61cは、例えば、黒色処理されている。
図11Bの試料装着部60によれば、照明装置22の上にピンホール61aを設けた試料台61を設置することで、照明装置22からのバックライト照明光pの一部がピンホール61aを透過し、その透過光が観察対象物(反応器6)の観察領域6aに背面側から照射され、観察領域6aを透過した光が観察光nとして対物レンズ8aに入射し、反応器6内のサンプルを観察できる。このように、ピンホール61aを透過した透過光がほとんど観察領域6aのみに照射されるので、像のコントラストが向上し、解像度の高い画像が得られる。
図11Aのような従来のバックライト照明では、観察対象物の全体に照明光pが照射される構造となっているため、観察部位(領域)以外からの光(迷光)も対物レンズ8aに入ってしまい易い。低倍観察であれば、観察領域が広いためこれらの不要な光の影響は小さいが、上述の用途のように微小な物質を観察する場合には、像の分解能やコントラストに大きな影響を及ぼす。これに対し、図11Bのように、試料台61にピンホール61aを設け、バックライト照明光pの内のピンホール61aを透過した透過光が観察領域6aのみに照射されるように改良することで、コントラスト及び解像度の向上を実現できるのである。
また、試料台61の内部の略円錐状凹面61cがピンホール61aを中心とするすり鉢状に構成されることで、照明装置22からの照明光を効率よくピンホール61aに導入できるとともに、略円錐状凹面61cの黒色処理により散乱光の発生を防止している。
次に、図11Bの試料装着部60の具体的な構成について図12〜図17Cを参照して説明する。
図12は、図4の可視下遠心装置Aの固定部品16と固定部品16の内部に設けられる試料装着部60とを説明するために破断して示す断面斜視図である。図13Aは図12の固定部品の平面図であり、図13Bは方向Bからみた側面図であり、図13Cは方向Cからみた側面図である。
図12,図13A〜図13Cのように、固定部品16は、全体として略円筒状に構成され、対物レンズ8a(図4)の観察方向が図12の縦方向矢印となるように、上部の対物レンズ取付部16aに図4の対物レンズ8aが取り付けられ、複数のねじ孔16bにねじ込まれたねじ(図示省略)で固定される。また、固定部品16は、外周側に張り出した円形状の底部16cを有し、底部16cの複数のねじ孔16dに挿入されたねじ16e(図3)により回転盤4(図3)に取り付け固定される。
図12のように、固定部品16の内部にはその底部に試料装着部60が配置される。試料装着部60は、試料台61と試料ホルダ64とを有し、試料台61と試料ホルダ64は図12の横方向矢印で示すようにそれぞれ4箇所で2軸方向に位置決めされて保持されるようになっている。すなわち、図13A〜図13Cのように、固定部品16の下方の外周面には、試料ホルダ64の位置決めのための複数のねじ孔16fが設けられ、ねじ孔16fのさらに下方の外周面には試料台61の位置決めのための複数のねじ孔16gが設けられている。
図14Aは図12の試料台の平面図であり、図14Bは側面図である。図15Aは図12の試料ホルダの平面図であり、図15Bは側面図であり、図15Cは試料ホルダと試料台とを組み合わせた側面図である。
図14A、図14Bの試料台61は、円錐台形状に構成され、表面61bの中心にはピンホール61aが形成されており、裏面側が略円錐状凹面61cになっている。試料台61の外径面は表面61bから底部に向けて傾斜した傾斜面61dになっている。
上述のような試料台61は、円錐部材(例えば、上部直径21mm,下部直径24mm,厚さ6mm)の内部を開口角度120°で削り、上部面に径0.400mmの微細孔(ピンホール)を設けることで作製することができる。試料台61は、例えばA5052アルミニウム合金で作製し、散乱光を防止するために黒アルマイト処理により全体が黒色に着色されている。
図15A、図15Bのように、試料ホルダ64は、円錐台形状に構成され、内部に円筒面状の内周部64aが形成され、外径面が図15Bの上から下に向けて傾斜した傾斜面64bになっている。図15Cのように、試料ホルダ64は、試料台61の表面61b上に配置され、試料台61に対し横方向wにスライド可能になっている。カバー部材62が試料台61の表面61b上で試料ホルダ64の内周部64aで保持されている。
上述のような試料ホルダ64は、円錐部材(例えば、上部直径18mm、下部直径21mm、厚さ6mm)の内部を径15mmの円筒状にくりぬいた形状に作製することができる。
図16Aは図12の試料台のアライメント機構及び試料ホルダの位置調整機構を説明するために図12の試料台及び試料ホルダを上部(対物レンズ側)からみた概略図であり、図16Bは側面からみた概略図である。図17Aは図12の試料台のアライメント機構及び試料ホルダの位置調整機構に適用可能なスプリングプランジャの側断面図であり、図17Bは調整用ねじの側面図であり、図17Cはボールプランジャの側断面図である。
試料台61を図11B、図14A、図14Bのようにピンホール構造としたことで、観察のときにピンホール61aの位置と対物レンズ8aの光軸とを合わせる(アライメント)ことが必要となるが、このため、試料装着部60の試料台61にアライメント機構を設けている。
すなわち、試料台61のアライメント機構は、図16A、図16Bのように、スプリング付きボールプランジャ66aと調整用ねじ66bとが中心のピンホール61aを間にして対向して図の横方向に延びるように配置され、それらの先端のボール70が試料台61の傾斜面61dに当接し、さらに、もう1組のスプリング付きボールプランジャ67aと調整用ねじ67bとが中心のピンホール61aを間にして対向して図の横方向に延びるように配置され、それらの先端のボール71が試料台61の傾斜面61dに当接するようにしたものである。
ボールプランジャ66a,67aは、図17Cのように、それらの外周面70aにねじが形成され、内部の空洞の長手方向にコイルばね70bが内蔵されている。ボールプランジャ66a,67aは、図16A、図16Bのように、先端のボール70が試料台61の傾斜面61dに当接するように外周面70aから固定部品16のねじ孔16f(図13A)にねじ込まれて、方向jに押し付けられると、コイルばね70bが圧縮され、その復元力により反対方向j’に付勢力を与えながら傾斜面61dに当接する。
また、調整用ねじ66b,67bは、図17Bのように、それらの外周面71aにねじが形成され、先端のボール71が試料台61の傾斜面61dに当接するように外周面71aから固定部品16のねじ孔16g(図13A)にねじ込まれる。
図16Aのように、ボールプランジャ66aと調整用ねじ66bは、中心のピンホール61aを通る直線s上に配置され、また、もう1組のボールプランジャ67aと調整用ねじ67bは、中心のピンホール61aを通り直線sと直交する直線t上に配置され、調整用ねじ66b、67bを背面の六角ボルト穴71bを利用して回転させて直線s,t上で移動させることで、試料台61を2軸方向に位置決めできる。
試料台61を調整用ねじ66b、67bの回転により、図15Cの横方向w及び紙面垂直方向にスライドさせることで、試料台61のピンホール61aを、顕微鏡画像を見ながら視野中心に位置するように位置調整し、これにより、ピンホール61aと対物レンズ8aの光軸kとの位置決め(アライメント)が完了する。
上述のように、試料台61は、対物レンズ8aを保持する固定部品16内に収納され、固定部品16にねじ込まれたばね式のプランジャ66a,67aと位置決め調整用ねじ66b、67bとの組み合わせにより、2軸方向から位置決め自在に固定される。このとき、試料台61は、外径面が傾斜面61dとなっているので、図16Bのように、ボールプランジャ66a,67aの方向j’(図17C)への付勢力により図の横方向から位置決め応力を受けたとき、各応力点で下向きuの成分が生じ、かかる下向きuの分力により、試料台61が傾くのを防ぐことができ、試料台61の固定を安定化でき、遠心過重力下でも試料台61の位置ずれを防止することができる。
次に、試料ホルダ64の位置調整機構について説明する。試料ホルダ64は、試料台61上に載置され、試料台61のアライメント機構と同様にして位置決め自在に固定可能である。
すなわち、試料ホルダ64の位置調整機構は、図16A、図16Bのように、スプリング付きボールプランジャ68aと調整用ねじ68bとがその中心を間にして対向して図の横方向に延びるように配置され、それらの先端のボール70が試料ホルダ64の傾斜面64bに当接し、さらに、もう1組のスプリング付きボールプランジャ69aと調整用ねじ69bとがその中心を間にして対向して図の横方向に延びるように配置され、それらの先端のボール71が試料ホルダ64の傾斜面64bに当接するようにしたものである。
ボールプランジャ68a,69aは、図17Cと同様の構成であり、図16A、図16Bのように、先端のボール70が試料ホルダ64の傾斜面64bに当接するように外周面70aから固定部品16のねじ孔16f(図13A)にねじ込まれて、方向jに押し付けられると、コイルばね70bが圧縮され、その復元力により反対方向j’に付勢力を与えながら傾斜面64bに当接する。
また、調整用ねじ68b,69bは、図17Bと同様の構成であり、先端のボール71が試料ホルダ64の傾斜面64bに当接するように外周面71aから固定部品16のねじ孔16f(図13A)にねじ込まれる。
図16Aのように、ボールプランジャ68aと調整用ねじ68bは、その中心を通る直線g上に配置され、また、もう1組のボールプランジャ69aと調整用ねじ69bは、その中心を通り直線gと直交する直線h上に配置され、調整用ねじ68b、69bを回転させて直線g,h上で移動させることで、試料ホルダ64を2軸方向に位置決めできる。
試料ホルダ64を調整用ねじ68b、69bの回転により、図15Cの横方向w及び紙面垂直方向にスライドさせることで、試料ホルダ64を対物レンズ8aの光軸kに対し位置調整することにより、試料ホルダ64内の反応器6の位置を調整することで、反応器6内の観察領域を調整することができる。
上述のように、試料ホルダ64は、固定部品16にねじ込まれたばね式のプランジャ68a,69aと位置決め調整用ねじ68b、69bとの組み合わせにより、2軸方向から位置決め自在に固定される。これにより、試料ホルダ64は、外径面が傾斜面64bとなっているので、図16Bのように、ボールプランジャ68a,69aの方向j’(図17C)への付勢力により図の横方向から位置決め応力を受けたとき、各応力点で下向きuの成分が生じ、かかる下向きuの分力により、試料ホルダ64が傾くのを防ぐことができ、試料ホルダ64の固定を安定化でき、遠心過重力下でも試料ホルダ64の位置ずれを防止することができる。
なお、上述のアライメント機構及び位置調整機構に用いたボールプランジャ66a〜69aは、図17Aのようなスプリングプランジャ72を用いてもよい。すなわち、図17Aのスプリングプランジャ72は、外周面73aにねじが形成され、内部の空洞の長手方向にコイルばね73bが内蔵されている。スプリングプランジャ72は、図16A、図16Bのように、先端が曲面状の軸73が試料台61の傾斜面61dや試料ホルダ64の傾斜面64bに当接するように外周面73aから固定部品16のねじ孔16f,16g(図13A)にねじ込まれて、方向jに押し付けられると、コイルばね73bが圧縮され、その復元力により反対方向j’に付勢力を与えながら傾斜面61d、64bに当接する。
また、図16Aのように、可視下遠心装置Aの回転盤4の回転により試料装着部60に遠心力Fが加わる場合、アライメント機構及び位置調整機構の各プランジャ66a〜69aは、遠心力Fの影響を受け難い位置に配置することが好ましい。
本実施の形態では、より倍率及び解像度の向上のために、対物レンズ8aとして、オリンパス製SLMPL50×(開口数0.45,作動距離15.0mm,質量91g)を用い、撮像デバイス(カメラ)として、センサーテクノロジー社製 STC-172C(40万画素、最低被写体照度0.13Lux at F1.2)を用いている。
以上のように、本実施の形態によれば、バックライト照明光が試料台61のピンホール61aを透過し、その透過光が観察対象物のほとんど観察領域6aのみに照射されることで、像のコントラストが向上し、解像度の高い画像が得られ、高倍率観察が可能になるので、微小生物やポリスチレン等のマイクロビーズなどよりもさらに微小な対象物、例えば、数μm以下の植物細胞内の微小器官(例えば、アミロプラストと呼ばれるデンプン粒)が観察可能になる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
実施例1は、上述の可視下遠心装置Aをポリスチレンビーズのサイズ選別に利用したものである。
反応器6として図7のようなダンベル型の微細流路パターン(両端に円形の溶液槽を設け、溶液槽同士を直線流路で接続した形状の流路)を形成した流路デバイスを作製し、可視下遠心装置Aに設置し、流路デバイス内を溶液で満たした状態で反遠心側ヘサイズの異なるポリスチレンビーズ溶液を導入しビーズが遠心力によって流路内を通過する速度を測定した。
流路デバイスは、図7のような微細流路パターンを形成したPDMS樹脂をガラス基板上へ貼り付けた構造である。流路パターンは、直径3mmの円形の溶液層を700μm幅の直線流路で接続した形状で、深さ約120μmである。溶液層の片側には溶液導入用の孔が空けてあり、ここからビーズ溶液を導入することができる。
流路デバイスを溶液導入用の孔を反遠心側にして直線流路部分がCCDカメラ10で観察できるように可視下遠心装置Aに取り付ける。このとき、流路内はテスト溶液(0.1Mマンニトール水溶液)で満たされている。溶液導入孔からポリスチレン溶液を導入し、可視下遠心装置Aを駆動すると、遠心力によってポリスチレンビーズが直線流路を介して遠心側の溶液槽へ移動する。可視下遠心装置Aでは、ポリスチレンビーズが直線流路内を移動する速度を任意の回転数(遠心力)で測定できるため、ポリスチレンビーズの移動速度vを正確に測定することができる。
直径10μmと直径40μmのポリスチレンビーズ(モリテックス社製 4000シリーズ)をサンプルとして、各遠心力下における移動(沈降)速度vの違いを測定した。その測定結果を図8に示す。図8から理解されるように、直径の大きいビーズの方が移動速度が大きく、各ビーズの挙動を観察しながらサイズ選別が可能なことが実証された。
〈実施例2〉
実施例2は、上述の可視下遠心装置Aにより微小生物の重力走性挙動を測定したものである。すなわち、本実施例では、図7のダンベル型の流路デバイスの遠心側溶液槽ヘゾウリムシを導入して重力走性挙動を観察した。その結果、回転させて遠心力を負荷した本実施例によれば、図9のように、反遠心側溶液槽へのゾウリムシの出現確率は、回転なしで遠心力を負荷していない場合に比べて30%程度増加した。
以上のように本発明を実施するための最良の形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能である。
以上のように、本発明にかかる可視下遠心装置は、分離あるいは合成の反応過程におけるサンプルの状態を、高フレームレート(コマ数)で安定した画質の映像でリアルタイムに確認することが可能であり、また、より倍率及び解像度を向上可能であるものとして有用である。また、観察装置は、より倍率及び解像度を向上可能であるものとして有用である。

Claims (15)

  1. 回転する回転盤と、前記回転盤に配設され、サンプルを収容して前記回転盤とともに回転する反応器と、前記反応器内におけるサンプルの状態を目視により観察するための顕微鏡とを具備し、前記反応器内のサンプルに対して遠心力を作用させることで、前記サンプルから所定の物質を分離あるいは合成させる可視下遠心装置であって、
    前記顕微鏡は、前記反応器内のサンプル状態を観察可能となるように前記回転盤の所定位置へ固定されており、
    前記回転盤には、前記顕微鏡で捉えた前記反応器内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影するための撮像デバイスと、前記撮像デバイスで撮影された前記顕微鏡画像の撮影像をリアルタイムで動画として無線伝送するための映像無線伝送デバイスとが取り付けられていることを特徴とする可視下遠心装置。
  2. 前記顕微鏡は、鏡筒内において、前記顕微鏡の光路が前記回転盤の盤面に対して所定の角度で部分的に屈折されており、前記撮像デバイスは、前記所定角度で屈折された顕微鏡の光路上で、前記顕微鏡画像を撮影可能となるように、前記回転盤の回転中心の近傍に位置付けられていることを特徴とする請求項1に記載の可視下遠心装置。
  3. 前記回転盤の回転軸は、噴出エアによって前記回転軸とは非接触状態に維持されるエア軸受によって回転自在に支持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の可視下遠心装置。
  4. 前記顕微鏡の対物レンズと前記反応器とは、同一部品で一体的に前記回転盤へ固定され、前記対物レンズならびに反応器の回転振動による相対変位を極小化させていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の可視下遠心装置。
  5. 前記映像無線伝送デバイスは、前記撮像デバイスで撮影された前記顕微鏡画像の撮影像のデータを非圧縮のデジタル信号に変換し、外部の受信装置に対して無線により送信していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の可視下遠心装置。
  6. 前記反応器内のサンプルに対して落射照明を行う落射照明装置を備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の可視下遠心装置。
  7. 前記回転盤は、ダイレクトドライブモータにより回転駆動されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の可視下遠心装置。
  8. 前記反応器内のサンプルに対してバックライト照明を行う照明装置を備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の可視下遠心装置。
  9. 前記反応器を装着する試料装着部を備え、
    前記試料装着部は前記反応器を支持しピンホールを有する試料台を有し、
    前記照明装置からのバックライト照明光が前記ピンホールを透過して前記試料台に支持された反応器内のサンプルに照明されることを特徴とする請求項8に記載の可視下遠心装置。
  10. 前記試料装着部は、前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料台のピンホールとの相対位置を調整するためのアライメント機構を備える請求項9に記載の可視下遠心装置。
  11. 前記試料装着部は、前記試料台において前記反応器を保持する試料ホルダと、前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料ホルダに保持された反応器との相対位置を調整するための位置調整機構と、を備える請求項9または10に記載の可視下遠心装置。
  12. 前記試料装着部は、前記顕微鏡の対物レンズを前記回転盤に固定する固定部品内に設けられ、
    前記アライメント機構、前記位置調整機構及び前記固定部品により前記試料台及び前記試料ホルダが前記回転盤側に固定される請求項11に記載の可視下遠心装置。
  13. 観察対象物を観察するための顕微鏡と、前記観察対象物を支持する試料台と、前記観察対象物に対してバックライト照明を行う照明装置と、を備える観察装置であって、
    前記試料台がピンホールを有し、
    前記照明装置からのバックライト照明光が前記ピンホールを透過して前記試料台に支持された観察対象物に照明されることを特徴とする観察装置。
  14. 前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料台のピンホールとの相対位置を調整するためのアライメント機構を備える請求項13に記載の観察装置。
  15. 前記顕微鏡の対物レンズの光軸と前記試料台に支持された観察対象物との相対位置を調整するための位置調整機構を備える請求項13または14に記載の観察装置。
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