JP2002098623A - 微小物体用撮像装置 - Google Patents

微小物体用撮像装置

Info

Publication number
JP2002098623A
JP2002098623A JP2000291136A JP2000291136A JP2002098623A JP 2002098623 A JP2002098623 A JP 2002098623A JP 2000291136 A JP2000291136 A JP 2000291136A JP 2000291136 A JP2000291136 A JP 2000291136A JP 2002098623 A JP2002098623 A JP 2002098623A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
subject
imaging device
irradiating
case
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000291136A
Other languages
English (en)
Inventor
Takaaki Arai
孝昭 新井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP2000291136A priority Critical patent/JP2002098623A/ja
Publication of JP2002098623A publication Critical patent/JP2002098623A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Investigating Or Analysing Materials By Optical Means (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 携帯性、現場志向性があり、作業性利便性の
高い、価格的にも問題のない微小物体用撮像装置を提供
する。 【解決手段】 溶液6中に微小物体Wを含む被写体1に
向かって光照射手段2により光を照射し、微小物体Wに
より反射される散乱光8による散乱光像を撮影する微小
物体用撮像装置において、微小物体Wからの反射光を受
光する受光手段3と、当該受光手段3からの信号を記録
する記録手段4と、前記被写体1及び受光手段3の各位
置をそれぞれ調整する調整手段Pと、記録手段4及び調
整手段Pを制御する制御手段Cとを、ケース10内に収
納した特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶液中に微小物体
を含む被写体に向かって照射された光が微小物体により
反射される散乱光による散乱光像を観察し、映像記録あ
るいは画像解析する微小物体用撮像装置に関する。
【0002】
【従来の技術】最近では、サブミクロンから数ミリサイ
ズに至る微生物から微小原生動物等の生命体および微細
粒子など(以下微小物体)の溶液中における挙動や物性
等の観察や記録測定は、研究分野のみならず、実用的現
場サイドの水質調査、土壌調査、微生物調査などの環境
分野や医療分野など多方面の分野においてが行われてい
る。
【0003】このような微小物体のミクロ観察や記録
は、従来から、高精度な光学式顕微鏡装置などを駆使し
て行なわれているが、光学式顕微鏡装置による観測は、
観察可能な最小サイズが光の波長によって制限されるこ
とから、サブミクロンという微小物体の観測は、実質的
に難しく、電子顕微鏡などによらなければならなかっ
た。
【0004】しかし、電子顕微鏡は、原理上、真空内に
観測対象を置かねばならず、液体のままでの観測は不可
能である。
【0005】したがって、最近では、溶液中における微
小物体の観察手段として、微小物体を含む被写体に光線
を当て、当該微小物体により反射される散乱光を利用す
る方法が開発されている。
【0006】この方法は、光を微小物体に当てたとき
の、いわゆるハレーションを利用するもので、散乱光に
よる散乱光像を観測すれば、実際の微小物体のサイズよ
りも大きな対象物を観測できるという利点があり、ま
た、対象物の具体的な形状は観測できないが、大体の大
きさ、数量、挙動等、さまざまな状態を観察測定でき、
高精度な光学式顕微鏡を駆使しなくてもよいことから、
最近では多用されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、光学顕微鏡
で観測を行う場合は、一般的にはステージに被写体を載
置し、上方から観測するので、対物レンズと試写体との
間の空間が狭い。このため、下記のような種々の不具合
が生じることになっている。
【0008】まず、被写体が光学用プレートグラス上の
物体や表面観察に限られ、断面正方形の容器からなるセ
ルを使用できない。場合によりセルを使用できても、セ
ル形状自体が制限されることになり、自由な観察ができ
ず、しかもセルの内容物を操作することも難しいので、
取り扱い性の面で問題を有するものとなっている。
【0009】特に、高倍率の観測を行う場合は、焦点距
離が短く、対物レンズと試写体との間の空間が一層狭く
なり、前記問題が一層助長されるのみでなく、液体内に
浮遊している特定の微小物体に焦点を合わせることも難
しく、微小物体の動きについての観測、例えば、方向、
速度、数量などの測定は極めて困難である。加えて、高
倍率の観測を行おうとすればするほど、顕微鏡本体及び
光学レンズの値段が高くなり、総じて装置の価格が高い
ものとなる不具合もある。
【0010】また、多数の微小物体は、全て同じ動きを
するわけではなく、それぞれが独特の動き方をするが、
その動きから、物体の性質を知るには、動態観察する必
要がある。しかし、前述のようにセル形状が限定される
と、深型セルの使用やセル側面からの観察は難しく、前
記動態観察は実質的に不可能である。
【0011】このような動態観察においては、顕微鏡鏡
筒部にカメラを設置すれば、微小物体の動態を撮影でき
るが、セル形状が制限されると、セルの内部空間が狭
く、十分な量の被写体が確保できず、微小物体の真の動
静を観察できない虞がある。
【0012】前記セルの外形における不具合のみでな
く、セルの内部に関しても問題がある。セル内の液体
は、時間とともに性質が変化することがある。このた
め、採取現場での観測、解析が重要な意味を持つが、前
述の光学顕微鏡は、研究室、測定室内での観測用として
開発されているものが大部分であり、携帯性、現場志向
性はなく、装置の膨大さ、セルの操作、電源の準備など
から、液体採取の現場での解析は殆ど不可能である。
【0013】本発明は、上述した課題を解決するために
なされたもので、携帯性、現場志向性があり、作業性利
便性の高い、価格的にも問題のない微小物体用撮像装置
を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、下記の手
段により達成される。
【0015】(1) 溶液中に微小物体を含む被写体に
向かって光照射手段により光を照射し、前記微小物体に
より反射される散乱光による散乱光像を撮影する微小物
体用撮像装置において、前記微小物体からの反射光を受
光する受光手段と、当該受光手段からの信号を記録する
記録手段と、前記被写体及び受光手段の各位置をそれぞ
れ調整する調整手段と、前記記録手段及び調整手段を制
御する制御手段とを、ケース内に収納したことを特徴と
する微小物体用撮像装置。
【0016】(2) 前記ケースは、6面体であり、こ
の6面の内の1面に前記被写体を支持する支持板を設
け、当該支持板は、前記ケースを横倒ししたとき前記被
写体を支持するサブ支持板を有することを特徴とする
(1)の微小物体用撮像装置。
【0017】(3) 前記光照射手段は、白色光を微小
物体に向かって照射する第1光照射手段と、前記受光手
段の光軸と直角のレーザ光を前記被写体に照射する第2
光照射手段とからなる(1)又は(2)の微小物体用撮
像装置。
【0018】(4) 前記光照射手段は、前記受光手段
の光軸に対する所定の照射角度、被写体に対する照射光
量及び照射光種の内少なくとも1つを前記制御手段によ
り制御するようにしたことを特徴とする(3)の微小物
体用撮像装置。
【0019】(5) 前記第1光照射手段は、複数のラ
ンプを環状に配置し、これらランプの個々あるいは複数
個ずつ前記制御手段により制御するようにしたことを特
徴とする(3)又は(4)の微小物体用撮像装置。
【0020】(6) 前記第2光照射手段は、レーザ光
の形状を扁平状とし、前記受光手段に入射する光の光軸
に対して直角にレーザ光が照射されるように配置したレ
ーザ光発振器を、前記調整手段により被写体の範囲内で
前記受光手段の光軸と平行に移動できるようにしたこと
を特徴とする(3)又は(4)の微小物体用撮像装置。
【0021】(7) 前記ケースは、内部に前記第1光
照射手段も一緒に収納したことを特徴とする(3)〜
(5)の微小物体用撮像装置。
【0022】(8) 前記ケースは、内部に電源が収納
された(1)〜(7)の微小物体用撮像装置。
【0023】(9) 前記受光手段は、前記記録手段と
一体化されたCCDカメラである特徴とする(1)の微
小物体用撮像装置。
【0024】(10) 前記CCDカメラは、10〜2
0倍の低倍率の対物レンズとしたことを特徴とする
(9)の微小物体用撮像装置。
【0025】(11) 前記CCDカメラは、10〜2
0倍の低倍率の対物レンズと接眼レンズとを有すること
を特徴とする(9)又は(10)の微小物体用撮像装
置。
【0026】(12) 前記記録手段は、前記ケースの
外部に設けられた外部処理手段と接続されていることを
特徴とする(1)の微小物体用撮像装置。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳細に説明する。
【0028】図1は本発明の実施形態を示すブロック
図、図2は一例の被写体における内部の状態を示す説明
図、図3は同実施形態を示す概略斜視図、図4は図3の
4−4線に沿う断面図、図5は図4の5−5線に沿う矢
視説明図である。
【0029】本実施形態に係る微小物体用撮像装置につ
いて概説すれば、図1に示すように、被写体1に向かっ
て光照射手段2(第1光照射手段2aと第2光照射手段
2bの総称)により光を照射し、図2に示すように、微
小物体Wで反射された反射光乃至散乱光8により肥大化
して見える散乱光像を受光手段3及び記録手段4により
撮影するものである。
【0030】前記光照射手段2や受光手段3にはそれぞ
れ各位置を調整する調整手段Pが設けられているが、こ
の調整手段Pは、制御手段Cにより制御される。
【0031】この制御手段Cは、前記第1光照射手段2
a、受光手段3、記録手段4、調整手段Pの他に、コン
ピュータ等からなる外部処理手段5とも接続されている
が、これらは、ケース10内に収納され、同ケース10
内に収納された電源(図示せず)から給電を受けるよう
になっているので、携帯し現場での観察が可能である。
【0032】ここに、被写体1としては、例えば、微小
物体Wを含む溶液6をプレパラート上に滴下したもの、
プレパラート上に滴下した液体を抑え板により覆ったも
のあるいは該溶液6が貯留された立方体状の容器である
セル7等が使用できるが、セル7やプレパラートという
形態を特に用いず、微小物体Wが内部に存在する液体4
を後述の支持板12上に直接滴下し、液体のまま観測す
ることも可能であり、どのような形態乃至状態ものでも
よい。
【0033】さらに具体的に説明すれば、前記撮像装置
は、図1,3に示すように、6面体、つまり直方体のケ
ース10を有し、このケース10の頂板11の上面に、
被写体1が載置される支持板12が摺動自在に設けられ
ている。これら頂板11及び支持板12は、いずれも透
明なガラス板あるいはアクリル板などにより構成されて
いる。
【0034】このようにケース10の上面が、何もない
空間であれば、被写体1の設置取外しなどが容易にかつ
迅速に行うことができるのみでなく、セル7の内容を操
作することが容易となり、取り扱い性の面で極めて有利
となる。なお、この支持板12の上面には、被写体1が
所定位置に置かれるように位置決め凹所(図示せず)を
形成してもよい。
【0035】前記被写体1の直下には、被写体1に光を
照射する第1光照射手段2aと、微小物体Wからの反射
光乃至散乱光8を受光する受光手段3が設けられ、前記
被写体1の側部頂板11上には、第2光照射手段2bが
設けられている。
【0036】被写体1下部の第1光照射手段2aは、白
色光を被写体1に向かって斜め方向から照射するもので
あり、側部の第2光照射手段2bは、前記受光手段11
の光軸と直角のレーザ光を被写体1に照射するものであ
る。
【0037】これら第1光照射手段2a及び第2光照射
手段2bは、いずれか一方あるいは両方有していてもよ
いが、第1光照射手段2aが照射する白色光は、波長が
長いので、主として、微生物や微小原生動物などの生命
体の観測に使用され、第2光照射手段2bが照射するレ
ーザ光は、波長が短いので、主として、土壌粒子等の、
より微細な微小物体Wの観測に使用される。
【0038】ただし、例えば、分散−凝集性粒子、微生
物体のコロニー(集合体)等の観察を行う場合には、第1
光照射手段2aの白色光と、第2光照射手段2bのレー
ザ光を同時に使用し被写体1に照射してもよい。
【0039】前記第1光照射手段2aは、図4,5に示
すように、中心孔Oを有する逆円錐台状の遮蔽体13の
内周面に等間隔に6〜8つのランプLが設けられ、これ
らランプLは、例えば、個々独立、2〜3つずつあるい
は左右独立に、照射角度、被写体1に対する照射光量及
び照射光種が制御手段Cにより適宜制御される。このよ
うにすれば、被写体1により種々の光を選択でき、より
正確な観測が可能となる。
【0040】この白色光は、ガラス、石英、アクリル樹
脂などにより形成された透明の前記頂板11及び支持板
12を透過して被写体1に照射されるが、この場合の照
射角は、特に限定されるものではないが、反射光乃至散
乱光8を受光する受光手段3の光軸に対し45度程度で
あることが好ましい。
【0041】したがって、当該第1光照射手段2aに設
けられた遮蔽体13の傾斜角も、45度程度とされてい
る。斜め方向から光を照射することにより、微小物体W
より散乱光が生じ易くなり、実物よりも数倍〜数100
程度大きな散乱光像を観察することができる。なお、前
記頂板11及び/又は支持板12には、微小物体Wから
の散乱光がより通過しやすいように、通孔14を開設し
ておくことが好ましい。
【0042】第2光照射手段2bは、レーザ光発振器
(図示せず)からレーザ光が照射されるが、前記被写体
1に対し確実にレーザ光が照射されるようにレーザ光発
振器の位置を調整する位置調整手段Pが設けられ、ま
た、レーザ光を幅に対して厚みが少ない薄板状に成形す
るスリット調整手段(図示せず)も設けられている。
【0043】断面正方形のセル7を被写体1とすると
き、撮影の光軸に対して直角の方向からレーザ光を照射
することにより、微小物体に当たったレーザ光は、散乱
され実際のサイズよりも10〜50倍程度大きい光の輪
郭が撮影される。
【0044】この場合、後述のCCDカメラの焦点深度
を深くしておき、ある範囲では焦点がボケないものと
し、レ―ザ光の照射される範囲を変化させれば、観察で
きる範囲が決定される。したがって、スリット調整手段
によりレーザ光を幅に対して厚みが少ない薄板状に成形
すると、セル7の上下方向所定断面に含まれる微小物体
Wを撮影できる。
【0045】前記被写体1の直下に設けられた受光手段
3は、本実施形態ではCCDカメラが使用され、記録手
段4は、当該CCDカメラに設けられたRAMあるいは
メモリスチック等のメモリ部である。なお、場合によっ
ては、前記メモリ部に記録されたデータは、フレキシブ
ルディスクあるいはDVD等に記録して使用することも
できることはいうまでもない。
【0046】また、前記記録手段4をメモリ部とすれ
ば、前記ケース10の外部に接続されたコンピュータ等
の画像解析機器、プリンタなどの画像表示機器等からな
る外部処理手段5にデータを出力することができ、これ
により被写体1の画像解析を直ちに現場にて行うことが
できる。
【0047】前記CCDカメラは、10〜20倍の低倍
率の対物レンズ15が使用されている。これは、焦点距
離を10〜20mmと長くし、対物レンズ15と被写体
1との距離を十分とることができるようにしている。こ
のようにすれば、偏向板、ズームレンズ、フィルターな
どの挿入が可能となり、種々の目的に応じた微小物体W
の画像を観察乃至撮影できる。
【0048】また、低倍率の対物レンズ15を使用すれ
ば、焦点深度も深くなり、深度方向に焦点が合うことに
なり、微小物体Wに対する焦点合わせが容易となるのみ
でなく、深さ方向での情報が得られることにもなる。
【0049】また、前記CCDカメラは、前記対物レン
ズ15の他に接眼レンズ16を設けてもよい。このよう
にすればズームが可能となり、観測がより一層容易とな
る。
【0050】なお、CCDカメラの観測をより行いやす
くするために、当該CCDカメラの光軸の延長線上に前
記セル7の上方を覆い17により覆ってもよい。
【0051】このようにCCDカメラによる撮影は、光
学系による被写体,結像サイズの撮影倍率と、CCDの
サイズ・モニタサイズの表示倍率の積が、実効倍率が決
定される。よって、実質的には、光散乱効果と、微小物
体を含んだ溶液とCCDカメラ間の倍率と、CCDカメ
ラとモニタ間の倍率の積が、実効的な倍率となり、撮影
部分から、モニタに表示するまでの倍率は実質的に30
0〜1000倍程度となる。
【0052】前記被写体1及び受光手段11の各位置
は、それぞれ調整手段Pにより調整することができる
が、これら調整手段Pは、具体的にはねじ機構である。
このねじ機構は、基本的には手動で操作されるが、場合
によってはモータ等の駆動源により回転駆動され、軸方
向に進退することによりかなり精密に位置調整できる
が、この位置制御は制御手段Cにより電気的に制御され
る。
【0053】特に、本実施形態では、6面体のケース1
0を使用し、該ケース10を横倒した状態でも観察でき
るようにしている。この場合、図6に示すように、前記
支持板12より垂直にサブ支持板18を設け、これによ
りケース10を横倒したとき、セル7をサブ支持板18
で支持し、観察できるようにしている。
【0054】このように受光手段3に対する被写体1で
あるセル7の設置位置を変えることができれば、セル7
の底辺部、上面部に加え、側面部からも観察ができるこ
とから、溶液6中で微小物体Wが分散している状態の被
写体1はもちろん、凝集性の被写体1についても各方面
からの動態観察が可能となる。また、照射光の被写体1
に対する角度、光量などが変換できるため、容易に落射
光、位相差光、散乱光などを発生でき、鮮明な像を捉え
ることもできる。
【0055】この横倒し状態でも支持板12を調整手段
Pにより位置調整できるが、場合によっては調整手段P
のストロークが不足することもあるので、図6に示すよ
うに、スペーサ19によりセル7の高さ調整を行っても
よい。なお、図6において、符号「B」は、ケース10
の底面と側面に設けられた受台である。
【0056】ここに、セル7は、種々のセルと互換でき
ることになり、セル7の工夫により、溶液6中の溶質物
質、乳化物質、縣濁物質および微生物、水生微小生物な
どの実体観察、動態観察も可能となる。
【0057】次に、上記実施の形態の作用を説明する。
【0058】例えば、ミジンコ等の微小原生動物を観測
する場合には、まず、本実施形態に係る微小物体用撮像
装置を、微小物体Wを採取する現場まで携帯する。
【0059】観察しようとする微小物体Wを採取し、そ
の溶液6をセル7に入れ、当該セル7を、ケース10の
頂部に位置する支持板12上に載置する。この場合、ケ
ース10の上部は、何もない空間であるため、セル7等
を容易にセットできるのみでなく、セル7の大きさも特
定されず、5〜10mm深度の深型光学セルであっても
何ら問題なく使用できる。このため、従来では表面観察
のみに限られる場合であっても、深型セルの使用やセル
側面からの観察も簡単にできることになる。
【0060】電源を入れ、第1光照射手段2aを点灯
し、白色光を斜め45度の方向から照射し、微小物体W
より散乱光が生ぜしめる。この散乱光は、実物よりも1
0〜50倍程度大きな散乱光像を作り出す。なお、当該
白色光は、被写体1に対して平行光線となるようにビー
ム状に成形してもよい。
【0061】次に、微小物体Wが十分観察可能となるま
で制御手段Cにより支持板12、CCDカメラ、第2光
照射手段2b等の位置、第1光照射手段2aの光量を調
整し、CCDカメラの焦点が微小物体Wを含んだ溶液6
のほぼ中心部に焦点を結ぶように調整した後、受光手段
3であるCCDカメラを作動し、微小物体Wの撮影を開
始する。
【0062】このCCDカメラによる撮影は、光学系に
よる被写体1の撮影倍率とCCDカメラの表示倍率の積
が実効倍率となり、実質的に、撮影部分が300〜10
00倍程度拡大される。
【0063】しかも、CCDカメラは、10〜20倍の
低倍率対物レンズを使用しているので、焦点距離も10
〜20mmと長く、前述のように、対物レンズと被写体
1との間の距離を十分とることができ、セル7の設置が
容易となるのみでなく、被写体1に対するピントを合わ
せ易く、セル7内部の被写体1を白色光により観察でき
る。セル内の観察ができれば、セル内の微小生物、微生
物の動態も観察できる。
【0064】この場合、照射光の被写体に対する角度、
光量など適宜調整すれば、容易に落射光、位相差光、散
乱光などを発生させることができるため、透過像、反射
像、散乱光像などが観察でき、鮮明な像を捉えることが
できる。
【0065】本実施形態では、CCDカメラとレンズの
組み合わせで総合倍率400倍までは確保できるので、
5μmまでの被写体1は透過実写像、反射実写像、いず
れにても観察可能となる。
【0066】次に、ケース10を横倒しし、CCDカメ
ラと被写体1の設置位置を変えると、セル7の底辺部、
上面部に加え、側面部からも観察ができることになり、
溶液中における分散状態の被写体1は勿論のこと、沈降
性、凝集性の被写体1についても各方面からの動態観察
が可能となる。
【0067】このように本実施形態に係る微小物体用撮
像装置は、受光手段3であるCCDカメラ、光照射手段
2、制御手段C、バッテリー電源等をコンパクトにケー
ス10内に―体化しており、また、電源に関しても、例
えば、直流12V用あるいは交流100V用等の変換器
を設けていると、屋外での使用にも何ら問題なく対応で
きる。
【0068】この観測結果乃至データは、記録手段4の
メモリ部に蓄えられ記録できるので、研究室に持ち帰り
検討することもできるが、場合によっては、液晶ビデオ
装置等の映像記録機器、コンピュータ等の画像解析機器
という外部処理手段5を接続することにより、当該被写
体1に関する多様な画像乃至データを、直ちに現場で動
態画像表示、物性測定、記録処理することもできる。
【0069】また、例えば、5μm以下の微小物体Wを
観測する場合も同様に採取現場に携帯し観察できる。
【0070】この場合も、観察しようとする微小物体W
を採取し、その溶液6をセル7に入れ、当該セル7を、
ケース10の頂部に位置する支持板12上に載置する。
【0071】次に、微小物体Wが十分観察可能となるま
で制御手段Cにより支持板12、CCDカメラ、第2光
照射手段2b等の位置を調整し、CCDカメラの焦点が
微小物体Wを含んだ溶液6のほぼ中心部に焦点を結ぶよ
うに調整する。
【0072】そして、電源を入れ、CCDカメラの撮影
光軸に対し、直角に第2光照射手段2bからレーザ光を
照射し、受光手段3であるCCDカメラを作動し、微小
物体Wの撮影を開始する。なお、必要に応じて第1光照
射手段2aを点灯してもよい。
【0073】このようにしてレーザ光を微小物体Wに照
射すると、サブミクロンサイズの微小物体Wであっても
増幅された散乱光が放射されるので、散乱光像は実物の
10〜50倍程度の大きさとなり、低倍率レンズでも微
小物体Wの動向や状態が観察できる。
【0074】この場合、照射光の被写体に対する角度、
光量など適宜調整すれば、容易に落射光、位相差光、散
乱光などを発生させることができ、このため、透過像、
反射像、散乱光像などが観察でき、鮮明な像を捉えるこ
とができるが、本実施形態では、5μm以下0.1μm
程度までのミクロン、サブミクロンサイズの被写体1で
も、レーザ光照射により散乱光を発生させ、実体像より
l0〜50倍に増幅された散乱光像を生じさせることが
でき、CCDカメラによる撮影の倍率は、前記同様実質
的に300〜1000倍程度までは確保できるので、C
CDカメラでも被写体1の動態を観察、測定できる。
【0075】なお、ケース10を横倒しして、セル7の
底辺部、上面部に加え、側面部からも観察でき、溶液中
における微小物体Wの分散状態、沈降性、凝集性も各方
面からの動態観察できる。
【0076】本発明は、上述した実施態様に限定される
ものではなく、セル部分は、光路長の短い浅型セルから
光路長の長い深型セルまで多種目なセルと互換性があ
り、セル部の工夫により、液体中の溶質物質、乳化物
質、縣濁物質および微生物、水生微小生物などの実体観
察、動態観察が可能となり、多彩なセルの使用により、
微小粒子の凝集、乳化過程、反応過程等ミクロ物性が測
定でき、多様なニーズに対応できる。
【0077】また、本発明の光照射手段は、必ずしも白
色光あるいはレーザ光のみに限定されるものではなく、
他の光線、例えば、紫外線等であってもよく、受光手段
及び記録手段は、前記CCDカメラに限定されるもので
はなく、アナログカメラあるいはデジタルカメラででも
よい。
【0078】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、次
の効果が得られる。
【0079】請求項1に記載の発明は、受光手段、記録
手段、調整手段及び制御手段をケース内に収納したした
ので、汎用性、利便性の高い微小物体用撮像装置とな
る。
【0080】請求項2に記載の発明は、6面体のケース
の1面に支持板を設け、ケースを横倒ししたとき前記被
写体を支持するサブ支持板を前記支持板に設けたので、
微小物体の観測が多様化し、より正確に微小物体を観測
できる。
【0081】請求項3に記載の発明は、白色光を微小物
体に向かって照射する第1光照射手段と、レーザ光を照
射する第2光照射手段とから光照射手段としたので、種
々の微小物体をより正確に微小物体を観測できる。
【0082】請求項4に記載の発明は、受光手段の光軸
に対する照射角度、光量及び光種を制御手段により制御
するようにしたので、より正確に微小物体を観測でき
る。
【0083】請求項5,6に記載の発明は、ケース内に
第1光照射手段や電源も収納したので、より汎用性、利
便性の高い微小物体用撮像装置となる。特に、バッテリ
ー内蔵すれば、3電源(通常電源、車両電源、携帯電
源)が使用でき、屋外での観察が可能となり、汎用性、
携帯性がより向上する。
【0084】請求項7に記載の発明は、第2光照射手段
により照射されるレーザ光の形状や位置を制御できるの
で、サブミクロン以下の微小物体でもより正確に観測で
きる。
【0085】請求項8に記載の発明は、受光手段と記録
手段をCCDカメラとしたので、受光や記録が容易で、
観測の迅速化、精度の向上を図ることができる。
【0086】請求項9に記載の発明は、CCDカメラを
低倍率の対物レンズとしたので、観測時の焦点距離を長
くし、対物レンズと被写体との距離を十分とることがで
き、観測の容易化、迅速化を図ることができる。
【0087】請求項10に記載の発明は、CCDカメラ
に低倍率の対物レンズと接眼レンズを設けたので、ズー
ムが可能となり、観測がより一層容易となる。
【0088】請求項11に記載の発明は、記録手段を、
ケースの外部部処理手段と接続したので、現場観測によ
る汎用性、利便性の向上に加え、観測結果の処理も容易
かつ迅速にできる。
【0089】請求項12に記載の発明は、記録手段を、
ケースの外部部処理手段と接続したので、現場観測によ
る汎用性、利便性の向上に加え、観測結果の処理も容易
かつ迅速にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施形態を示すブロック図である。
【図2】 一例の被写体における内部の状態を示す説明
図である。
【図3】 同実施形態を示す概略斜視図である。
【図4】 図3の4−4線に沿う断面図である。
【図5】 図4の5−5線に沿う矢視説明図である。
【図6】 同実施形態の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
1…被写体、 2…光照射手段、 2a…第1光照射手段、 2b…第2光照射手段、 3…受光手段、 4…記録手段、 5…外部処理手段、 6…溶液、 8…散乱光、 10…ケース、 12…支持板、 15…対物レンズ、 16…接眼レンズ、 18…サブ支持板、 C…制御手段、 P…調整手段、 W…微小物体。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶液中に微小物体を含む被写体に向かっ
    て光照射手段により光を照射し、前記微小物体により反
    射される散乱光による散乱光像を撮影する微小物体用撮
    像装置において、 前記微小物体からの反射光を受光する受光手段と、当該
    受光手段からの信号を記録する記録手段と、前記被写体
    及び受光手段の各位置をそれぞれ調整する調整手段と、
    前記記録手段及び調整手段を制御する制御手段とを、ケ
    ース内に収納したことを特徴とする微小物体用撮像装
    置。
  2. 【請求項2】 前記ケースは、6面体であり、この6面
    の内の1面に前記被写体を支持する支持板を設け、当該
    支持板は、前記ケースを横倒ししたとき前記被写体を支
    持するサブ支持板を有することを特徴とする請求項1に
    記載の微小物体用撮像装置。
  3. 【請求項3】 前記光照射手段は、白色光を微小物体に
    向かって照射する第1光照射手段と、前記受光手段の光
    軸と直角のレーザ光を前記被写体に照射する第2光照射
    手段とからなる請求項1又は2に記載の微小物体用撮像
    装置。
  4. 【請求項4】 前記光照射手段は、前記受光手段の光軸
    に対する所定の照射角度、被写体に対する照射光量及び
    照射光種の内少なくとも1つを前記制御手段により制御
    するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の微小
    物体用撮像装置。
  5. 【請求項5】 前記第1光照射手段は、複数のランプを
    環状に配置し、これらランプの個々あるいは複数個ずつ
    前記制御手段により制御するようにしたことを特徴とす
    る請求項3又は4に記載の微小物体用撮像装置。
  6. 【請求項6】 前記第2光照射手段は、レーザ光の形状
    を扁平状とし、前記受光手段に入射する光の光軸に対し
    て直角にレーザ光が照射されるように配置したレーザ光
    発振器を、前記調整手段により被写体の範囲内で前記受
    光手段の光軸と平行に移動できるようにしたことを特徴
    とする請求項3又は4に記載の微小物体用撮像装置。
  7. 【請求項7】 前記ケースは、内部に前記第1光照射手
    段も一緒に収納したことを特徴とする請求項3〜5のい
    ずれかに微小物体用撮像装置。
  8. 【請求項8】 前記ケースは、内部に電源が収納された
    請求項1〜7のいずれかに記載の微小物体用撮像装置。
  9. 【請求項9】 前記受光手段は、前記記録手段と一体化
    されたCCDカメラである請求項1に記載の微小物体用
    撮像装置。
  10. 【請求項10】 前記CCDカメラは、10〜20倍の
    低倍率の対物レンズとしたことを特徴とする請求項9に
    記載の微小物体用撮像装置。
  11. 【請求項11】 前記CCDカメラは、10〜20倍の
    低倍率の対物レンズと接眼レンズとを有することを特徴
    とする請求項9又は10に記載の微小物体用撮像装置。
  12. 【請求項12】 前記記録手段は、前記ケースの外部に
    設けられた外部処理手段と接続されていることを特徴と
    する請求項1に記載の微小物体用撮像装置。
JP2000291136A 2000-09-25 2000-09-25 微小物体用撮像装置 Withdrawn JP2002098623A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000291136A JP2002098623A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 微小物体用撮像装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000291136A JP2002098623A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 微小物体用撮像装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002098623A true JP2002098623A (ja) 2002-04-05

Family

ID=18774266

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000291136A Withdrawn JP2002098623A (ja) 2000-09-25 2000-09-25 微小物体用撮像装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002098623A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005172814A (ja) * 2003-11-19 2005-06-30 Kansai Paint Co Ltd 反射紫外線測定装置
DE112014004355B4 (de) 2013-09-24 2022-05-05 Sumitomo Riko Company Limited Rohrförmige Schwingungsdämpfungsvorrichtung

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005172814A (ja) * 2003-11-19 2005-06-30 Kansai Paint Co Ltd 反射紫外線測定装置
DE112014004355B4 (de) 2013-09-24 2022-05-05 Sumitomo Riko Company Limited Rohrförmige Schwingungsdämpfungsvorrichtung

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1530073B1 (en) Optical projection tomography apparatus with rotary stage for imaging a specimen
JP6895284B2 (ja) 光シート顕微鏡および光シート顕微鏡を作動するための方法
TWI401472B (zh) 顯微鏡裝置及使用該顯微鏡裝置的螢光觀察方法
JP6538041B2 (ja) 光学的伝達システムおよびそのような伝達システムを備える顕微鏡
AU2010200554B2 (en) Microscope with a viewing direction perpendicular to the illumination direction
JP6513802B2 (ja) ナノ粒子検出のためのレーザー光結合
CN102313982A (zh) 显微镜及区域确定方法
US6166761A (en) Method and apparatus for monitoring a biological sample
JP5142315B2 (ja) 顕微鏡及びその観測方法
JP2021502552A (ja) スライドラックカルーセル
US6215586B1 (en) Active optical image enhancer for a microscope
CN108700520A (zh) 用于高吞吐量成像的方法和设备
WO2004048970A1 (en) Uses of optical projection tomography methods and apparatus
WO1996037797A1 (en) Wide field of view microscope and scanning system useful in the microscope
JP2002098623A (ja) 微小物体用撮像装置
JP2020046670A (ja) 調整可能な角度付照明を備えたハイスループット光シート顕微鏡
JP3461448B2 (ja) 特定物質の導入装置及びこれを用いた観察装置、及び、物質導入方法
US20220050280A1 (en) Apparatuses, systems and methods for microscope sample holders
JP2002544560A (ja) 機械的にサンプルに振動を加えながら固体粒子サスペンションの抽出されたサンプルを測定するための高い分解能のビデオ顕微鏡
EP4283372A2 (en) Digital pathology apparatus housing with rail system, speakerless audio system, and electromagnetic radiation shielding
RU2145706C1 (ru) Аналитическая система комплексного анализа и отбора проб биофизических аэрозолей
AU2002256798B2 (en) Rotary stage for imaging a specimen
RU2129266C1 (ru) Устройство для автоматической регистрации динамических характеристик протекания процесса
Malý et al. A new light microscopic method for the synchronous bidirectional illumination and viewing of living cells in different contrast modes, and/or at different focal levels or magnifications
Kit Introducing the MaxView Plus

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204