JP2008261831A - 流路形成チップ - Google Patents
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Abstract
【課題】流路が微細であっても流路中に検出媒体を容易に設置でき、また種々の検出対象を検出可能な流路形成チップを提供する。
【解決手段】流路形成チップ1は、ガラス製の基板11に、膜状電極14及び光感応性樹脂層12を順に積層して形成されている。光感応性樹脂層12を部分的に除去することで、試料溶液を収容可能な凹部2を形成する。凹部2は、試料投入槽21、廃液槽22及び流路23を構成しており、流路23の途中には検出部24が設けられている。試料溶液を投入する前に、検出媒体であるシリカビーズ25を試料投入槽21に投入することで、検出部24にシリカビーズ25を固定する。この際、検出部24はシリカビーズ25をその下流側で受けて、拘束する形状であるので、個々のシリカビーズ25をわざわざ検出部24に固定しなくても、流路23中に設置可能である。
【選択図】図1
【解決手段】流路形成チップ1は、ガラス製の基板11に、膜状電極14及び光感応性樹脂層12を順に積層して形成されている。光感応性樹脂層12を部分的に除去することで、試料溶液を収容可能な凹部2を形成する。凹部2は、試料投入槽21、廃液槽22及び流路23を構成しており、流路23の途中には検出部24が設けられている。試料溶液を投入する前に、検出媒体であるシリカビーズ25を試料投入槽21に投入することで、検出部24にシリカビーズ25を固定する。この際、検出部24はシリカビーズ25をその下流側で受けて、拘束する形状であるので、個々のシリカビーズ25をわざわざ検出部24に固定しなくても、流路23中に設置可能である。
【選択図】図1
Description
本発明は、チップ表面に試料溶液を流動させるための流路を形成した流路形成チップに関するものである。
近年、DNA(deoxyribonucleic acid)やRNA(ribonucleic acid)、タンパク分子等の生化学的解析において、表面に微細な流路(例えば、流路幅百μm以下)を形成した流路形成チップが用いられている。このような流路形成チップは、半導体製造プロセスを適用することにより1チップに種々の素子を設置することもできるので、個々の細胞や微量検体を解析するのに有効な手段として注目されている。
ところで、微量検体を解析するのに、既にDNAチップが実用化されている。DNAチップは、チップ表面を複数の区画に分割し、検出対象のDNAと特異的に結合するプローブ(検出媒体)を各区画に固定したものであり、これに検体を載せ、この検体中のDNAが結合した区画を特定することで、検体中のDNAを検出、特定できる。しかし、プローブを各区画に固定するのには手間を要する。これに対し、特許文献1及び2には、DNAプローブアレイが開示されている。DNAプローブアレイは、互いに異なるプローブを固定した複数種の多孔質粒子(検出媒体)を、細管や微細溝に順に充填したものであり、検出対象に応じて多孔質粒子に固定するプローブを設定すればよいので、検出対象に応じたものをより簡便に作製することができる。
特開平11−243997号公報
特開2005−201849号公報
上記流路形成チップの流路中に、検体中のDNA等を検出したり、捕集したりする機能を設ける場合、特許文献1や2に示されるように、プローブを固定した多孔質粒子を流路中に配置することが考えられる。この場合、多孔質粒子を流路中で固定する方法が重要となる。
しかしながら、特許文献1では、軟質材料で形成される細管に多孔質粒子を押し込み、当該細管を弾性変形させることで多孔質粒子を細管内に固定しているため、流路の構成材料が軟質材料に限定され、多孔質粒子の大きさの許容範囲も軟質材料の弾性変形の範囲内に限定される。また、流路幅や多孔質粒子のサイズが微小化した場合は、多孔質粒子を押し込むプロセスが極端に困難になるという問題がある。
また、特許文献2では、多孔質粒子を固定するための固定部品が必要であり、部品点数が増加する上、流路や多孔質粒子の微小化によってやはり固定部品の製造や取り付けプロセスが困難になるという問題がある。
本発明は上述の課題に鑑みてなされたものであり、流路が微細であっても流路中に検出媒体を容易に設置でき、また種々の検出対象を検出可能な流路形成チップを提供することを目的とする。
また、流路形成チップの流路は微細でかつ表面に沿って延在させているため、環境条件により、例えば、顕微鏡の照明に長時間照らされる場合や、高温・乾燥時などには、流路内に導入した液体が蒸発し、必要な液量を下回ってしまう場合があった。
本発明は、上述の問題点に鑑みてなされたものであり、更にその目的は流路内の液体の乾燥を防ぐことにある。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1による流路形成チップは、試料溶液を流動させる流路が、表面に沿って延びるように形成された流路形成チップにおいて、前記流路に移動可能に配された検出媒体と、前記流路の途中に形成され、前記検出媒体をその下流側で引っ掛け、前記試料溶液の流動に伴う前記検出媒体の移動を拘束する検出部と、を備えることを特徴とする。
ここで、検出媒体は、試料溶液中の物質を検出、捕集等するために、本流路形成チップに設けられる媒体であり、後述するように、例えば多孔質粒子が挙げられる。
このように構成することで、個々の検出媒体は、試料溶液の流動に伴って下流に移動することで検出部に固定されるので、わざわざ検出媒体を検出部に固定する必要はなく、検出媒体や流路が微小化しても容易に検出媒体を設置できる。なお、試料溶液を流すことで検出部に固定する場合に限られず、検出媒体を固定するために予め流路中に液体を流してもよい。
本発明の請求項2による流路形成チップは、請求項1において、前記検出部は、上流側から下流側に向かうに従って前記流路の流路幅を徐々に小さくする構造であり、少なくとも最も流路幅の小さい最細部において、前記検出媒体の外径よりも当該流路幅が小さく設定されていることを特徴とする。
このように構成すると、検出媒体が検出部に引っ掛かるようにして固定される。特に、検出媒体が微小な場合には、質量に比し検出部に接触する表面積が大きいので、この拘束力は大きく、確実に固定できる。また、流路幅が徐々に小さくなる構成であるので、種々の大きさの検出媒体に対応でき、例えば、後述のようにシリカビーズにプローブを固定することで粒径分布がばらついても、検出部を取り替えたりすることなく固定できる。すなわち、様々な大きさの検出媒体が固定できるため種々の検出対象に対して適用可能である。
本発明の請求項3による流路形成チップは、請求項2において、前記検出部においては、前記流路の深さが前記検出媒体の外径の大きさ以上であって、かつ、2個の前記検出媒体の外径を合計した大きさ未満であることを特徴とする。
このようにすることで、検出部に固定される検出媒体の個数のバラツキを抑えることができるので、検出対象物質濃度の測定等を行う場合に、正確な測定が可能である。
本発明の請求項4による流路形成チップは、請求項1〜3のいずれか1項において、前記検出媒体は、多孔質粒子であることを特徴とする。
このように、検出媒体として多孔質粒子を用いることで、例えば、検出対象に応じてプローブを担持させることで、種々の検出対象を検出することが可能になる。
本発明の請求項5による流路形成チップは、請求項4において、前記多孔質粒子は、孔部にプローブを担持したものであることを特徴とする。
本発明の請求項6による流路形成チップは、請求項4又は5において、前記多孔質粒子は、シリカを主成分とする直径100μm以下の球形ビーズであることを特徴とする。
本発明の請求項7による流路形成チップは、請求項1〜6のいずれか1項において、基板上に光感応性樹脂層を所定パターンで形成することで、前記流路を形成したことを特徴とする。
このように、光感応性樹脂層で流路を形成することにより、検出部も流路壁の一部として連続的かつ容易に形成できる。
本発明の請求項8による流路形成チップは、請求項1〜7のいずれか1項において、前記流路の上流側及び下流側のそれぞれに前記試料溶液を流動させるための電極を形成したことを特徴とする。
本発明の請求項9による流路形成チップは、請求項1〜8のいずれか1項において、前記流路の途中であって、前記検出部よりも上流側に、前記試料溶液中の細胞を破砕する細胞破砕部を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、1チップで、細胞の破砕から、細胞を構成する物質の捕集あるいは検出までを行うことができ、簡易、迅速な操作が可能である。また、一連の操作により試料のロスを抑えることができるので、例えば、個々の細胞の発現解析など微量な物質の解析も可能である。
本発明の請求項10による流路形成チップは、請求項1〜9のいずれか1項において、前記流路を複数並設し、前記各流路に前記検出部をそれぞれ形成すると共に、前記各流路に前記検出媒体を配したことを特徴とする。
本発明の請求項11による流路形成チップは、請求項1〜10のいずれか1項において、前記流路形成チップを冷却する冷却手段を備えることを特徴とする。これによれば、流路形成チップが冷却されるので、流路内の液体の蒸発が抑えられ、長時間の作業等が可能である。
前記冷却手段は、ペルチェ素子であることが好ましい。また、前記ペルチェ素子は、その吸熱面が前記流路形成チップの底面と接するように配置されることが好ましい。また、前記ペルチェ素子の放熱面を冷却する第2の冷却手段を設けることが好ましい。
本発明の請求項15による流路形成チップは、請求項1乃至14のいずれか1項において、前記試料溶液を流動させるためにマイクロポンプを備えることを特徴とする。
前記マイクロポンプは、前記流路に連通するポンプ流路を移動可能に配置された磁性体の物体及び非磁性体の物体と、前記ポンプ流路に沿って配置された複数の電磁石と、を備え、前記磁性体の物体に近い電磁石に電力を供給することにより、発生した磁力により前記磁性体の物体を、前記非磁性体の物体と共に、前記ポンプ流路内で所定の方向に移動させることにより、前記試料溶液を前記流路において流動させることを特徴とする。
上記マイクロポンプによれば、磁性体の物体に近い電磁石に電力を供給することにより、発生した磁力により磁性体の物体を、非磁性体の物体と共に、ポンプ流路内で所定の方向に移動させることにより、試料溶液等の流体を一定方向に導くことができるので、モータやダイヤフラム等を用いることなく流体の圧送が可能であり、極めてシンプルな構造で、小型化が容易に可能で、高い耐久性を有する。かかるマイクロポンプにより、流路形成チップにおいて試料溶液を流路内で流動させることができる。
本発明の請求項17による流路形成チップは、前記試料溶液を流動させるために遠心装置に取り付けられて使用されることを特徴とする。これによれば、流路形成チップを遠心装置に取り付けて回転させて遠心力を作用させることで流路形成チップにおいて試料溶液を流路内で流動させることができる。このため電気浸透流発生のための電界印加が不要となるので、電界印加による検出対象の物質への影響がない。
前記遠心装置は、試料溶液を収容した前記流路形成チップを取り付けて所定の回転軸を中心に回転する回転盤と、前記流路形成チップ内における試料溶液の状態を目視により観察するための顕微鏡と、を具備し、前記流路形成チップ内の試料溶液または試料溶液中の物質に対して遠心力を作用させることで前記試料溶液から所定の物質を分離または合成させる可視下遠心装置であることを特徴とする。
本発明によれば、流路が微細であっても流路中に検出媒体を容易に設置でき、また種々の検出対象を検出できる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
〈第1の実施の形態〉
(流路形成チップの積層構成、積層材料等について)
(流路形成チップの積層構成、積層材料等について)
図1(a)は第1の実施の形態に係る流路形成チップ1の平面図、図1(b)は流路形成チップ1の積層構成を示す図、図2(a)は検出部24の近傍を示す平面図、図2(b)は(a)のI−I線断面図(シリカビーズ25を除く)である。
図1の流路形成チップ1は、図1(a)、(b)に示すように、膜状電極14及び光感応性樹脂層12をガラス製の基板11に順に積層して形成されている。
基板11は、膜状電極14や光感応性樹脂層12を支持する支持体である。基板11には、支持体として必要な強度を有する材料であれば用いることができるが、本実施の形態では、基板11として、長さ20mm、幅10mm、厚さ1mmの市販の硼珪酸ガラス(商品名:パイレックス(登録商標))を用いている。なお、ガラス(硼珪酸ガラス、石英ガラス等)の他、例えば、プラスチック(ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホン、ポリエステル等)やガラス繊維とプラスチックの複合材も用いることができる。
膜状電極14は、外部電極と接続して、流路形成チップ1の表面に投入される試料溶液を流動させるための電界を形成するものであり、図1(a)に示すように、基板11に所定のパターンで形成されている。図1(a)には、分かりやすくするために、膜状電極14の形成領域をハッチングで示している。このうち、破線のハッチングは光感応性樹脂層12の下部に形成されている部分を示し、実線のハッチングは膜状電極14が露出している部分を示す。本実施の形態では、レジスト等により基板11にパターンを形成した後、スパッタリングによりTiを下地として表面をPtの反応保護膜で覆った二層構造の膜状電極14を形成している。このように、Tiを下地とすることで基板11との密着性を向上させることができ、Ptで覆うことで、試料溶液にさらされた際の電極反応を抑制できる。
なお、膜状電極14には、これに限らず一般的な電極材料を用いることができるが、表面部分はPt、Au、Ag等の比較的標準電極電位の高い(正の値を持つような)材料で構成すると、試料溶液にさらした際の電解腐食を防止できるので好ましい。また、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明電極を用いると、流路形成チップ1の透明性が維持できるので、流路形成チップ1の光学的解析を行う場合等に好適である。また、スパッタリングにより形成することで、基板11との密着性を高めることができるが、これに限らず、化学蒸着やイオンプレーティングその他の物理蒸着によって形成することもできる。
光感応性樹脂層12は、光感応性樹脂を光反応させることで形成されたものであり、基板11表面に所定の2次元パターンが所定の厚みをもって形成されている。この光感応性樹脂層12の形成部分と未形成部分との間の厚みの差によって、試料溶液を収容する凹部2が流路形成チップ1表面に形成される。この凹部2の詳細な構成については後述する。
光感応性樹脂としては、光の照射によって硬化(固体化)するタイプ(ネガ型)のもの、又は、光の照射によって可溶化するタイプ(ポジ型)のいずれも用いることができる。層の厚さや強度を確保する観点からは、ネガ型のものであって、光硬化時に重合反応により架橋ポリマーとなるものが好ましい。重合反応は、ラジカル重合、アニオン重合、カチオン重合等のいずれであってもよい。架橋ポリマーを形成する光感応性樹脂としては、モノマー及び/又はオリゴマーを主成分とし、さらに光重合開始剤や各種添加剤(安定剤、フィラー、顔料等)を含有する公知の光感応性樹脂を用いることができる。このモノマーとしては、例えば、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレートやトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル系モノマーを用いることができる。また、オリゴマーとしては、例えば、エポキシ樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、ポリエーテル樹脂の(メタ)アクリル酸エステル、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有するポリウレタン樹脂を用いることができる。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン系光重合開始剤(ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等)、アセトフェノン系光重合開始剤(2−2′−ジエトキシアセトフェノン等)を用いることができる。
上記のようなネガ型の光感応性樹脂に、部分的に光を照射して当該光照射領域のみを光硬化させた後、未硬化領域を除去することで、光感応性樹脂層12の2次元パターンを形成できる。部分的な照射は、パターンマスクを用いて行ってもよいし、レーザの直描により行ってもよい。
本実施の形態では、化薬マイクロケム社製のネガ型フォトレジスト(商品名:SU−8)を基板11にスピンコータで塗布し、パターンマスクを介して紫外光を露光し、現像液で未硬化部分を溶解、除去することで、厚さ25μmの光感応性樹脂層12を形成している。
(凹部の構成について)
次に、各凹部2の構成について説明する。
次に、各凹部2の構成について説明する。
流路形成チップ1には、凹部2が4つ並んで設けられており、1つ1つの凹部2に、試料投入槽21、廃液槽22及び流路23が形成されている。図1(a)では、凹部2は、平面視で上下対称に配置される1対の略三角状の部分と、当該1対の略三角状の部分を連結するようにして上下に延在する連結部分と、からなる。このうち、紙面上側の略三角状の部分が試料投入槽21となり、紙面下側の略三角状の部分が廃液槽22となり、連通部が流路23となっている。そして、流路23の延在方向略中央部に検出部24が形成されている。
試料投入槽21及び廃液槽22は、試料溶液を投入又は回収するために用いられる。これら試料投入槽21及び廃液槽22の形成領域には、膜状電極14が互いに分離した状態で形成され、表面に露出しており、試料投入槽21及び廃液槽22の底面を夫々構成している。本実施の形態では、試料投入槽21側の膜状電極14を陽極とし、廃液槽22側の膜状電極14を陰極として直流電圧を印加することで、試料溶液に試料投入槽21側から廃液槽22側に向かう電気浸透流を発生させる。これにより、試料溶液は、試料投入槽21から流路23に流れ、当該流路23を通って廃液槽22に回収されることになる。なお、図1(a)では、陽極側の膜状電極14及び陰極側の膜状電極14はそれぞれ、4つの凹部2で共通であり、4つの凹部2で同時に試料溶液を流動させることができるようになっている。
流路23は、試料投入槽21及び廃液槽22を連結すると共に、本実施の形態においては、図2(a)、(b)のように、その延在方向の途中に検出部24及び検出媒体としてのシリカビーズ25が配置されている。その流路幅は、試料溶液に含まれる検出対象物質及びシリカビーズ25が通過できるように、検出部24の設置位置以外の部分では検出対象物質及びシリカビーズ25の径以上の大きさに設定する。本実施の形態では、平均粒径が約20μmのシリカビーズ25を用いていることから、検出部24以外の部分での流路幅を20μmとしている。また、流路深さについても、シリカビーズ25が試料溶液から露出しないようにシリカビーズ25の径よりも大きく設定する。
検出部24は、流路23の延在方向略中央部に設けられ、光感応性樹脂層12よりなる1対の流路側壁を上流側から下流側に向かうに従って互いの距離が狭まるように傾斜させることで、流路23の流路幅を徐々に小さくする構造としている。そして、最も流路幅の小さい最細部24aでは、シリカビーズ25の直径よりも流路幅が小さく設定されている。本実施の形態では15μmに設定される。この検出部24の勾配は、特に限定されず、検出部24の設置スペース等によって決まるが、例えば検出媒体の粒径分布のバラツキが大きいときは勾配を大きくするなど検出媒体の粒径分布に応じて決定してもよい。また、検出部24における流路深さは、それ以外の部分と共に光感応性樹脂層12の層厚と同じ25μmであり、1個のシリカビーズ25の外径よりも大きく、かつ、2個分の外径よりも小さく設定され、シリカビーズ25が流路23を2個同時に通過できないようになっている。
シリカビーズ25は、SiO2(シリカ)を主成分とし、表面に無数の細孔を有する多孔質の球形ビーズであり、表面に他の物質を吸着、結合し又は表面で他の物質と反応する能力(反応性)を有するものである。このシリカビーズ25を検出部24の最細部24aよりも上流側の流路空間に投入する。シリカビーズ25は、そのままでも細孔に分子を吸着できるが、検出対象物質と反応しあるいは特異的に結合するプローブを担持させることで、より対象を絞った検出を行うことができる。このようなプローブ及び検出対象物質としては、タンパク分子等の抗原と抗体、基質とこれに反応する酵素、DNAやRNAとその少なくとも一部に相補的な塩基配列を有するオリゴヌクレオチド等が挙げられる。プローブを担持させる方法としては、例えば、固相法によりシリカビーズ25の表面にオリゴヌクレオチドやポリペプチドを合成する方法や、ビオチン及びアビジンの結合を利用する方法が挙げられる。また、多孔質粒子は、シリカビーズ25に限らず、例えば、活性炭、アルミナ、プラスチック微粒子など、一般的に固定相として用いられ、反応性を有する微粒子を用いることができる。
(作用及び効果について)
次に、流路形成チップ1の使用例について説明することで、上記構成の作用及び効果について説明する。
次に、流路形成チップ1の使用例について説明することで、上記構成の作用及び効果について説明する。
まず、流路形成チップ1にシリカビーズ25を試料投入槽21に投入する。本使用例の場合には、シリカビーズ25はそのまま使用するが、上記のように特異的な結合等によって検出対象物を検出する場合には、プローブを固定した状態のシリカビーズ25を試料投入槽21に投入する。このとき、シリカビーズ溶液も共に、試料投入槽21に投入し、試料投入槽21から廃液槽22に向かって流すことで、シリカビーズ25が下流側に配置された検出部24に引っ掛かり、固定される。
次に、DNA断片を試料溶液を試料投入槽21に投入する。例えば、サンプルA(蛍光色素(例えば、フルオレセインイソチオシアネート)によって蛍光標識されたDNA断片を含む溶液)及びサンプルB(DNA断片を含まない溶液)を、別々の凹部2に投入する。そして、膜状電極14に試料投入槽21側が陽極、廃液槽22側が陰極となるような直流電圧を印加する。これにより、凹部2を満たした試料溶液に試料投入槽21から廃液槽22に向かう電気浸透流が発生する。このとき、サンプルA中のDNA断片も溶液流に乗り、試料投入槽21から廃液槽22に向かって移動し、検出部24を通過する際に、図3に示すようにシリカビーズ25に吸着する。一方、サンプルBはDNA断片を含んでいないため、シリカビーズ25には何も吸着しない。
所定時間経過後、シリカビーズ25の蛍光強度を測定することによって、サンプルA,B中のDNA断片の有無や濃度、DNA断片のサイズを確認することができる。基板11はガラス製であるので、そのまま蛍光強度の測定が可能である。
以上のように、検出部24をシリカビーズ25の下流側に設け、流れてくるシリカビーズ25を受け、拘束する構造にすることで、個々のシリカビーズ25を個々の検出部24に固定するのに要する手間を省くことができ、容易に検出媒体を流路中に設置することができる。
なお、本発明の適用は上記使用例に限られるものでない。上記シリカビーズ25の投入過程では、シリカビーズ溶液を試料投入槽21から廃液槽22に向かって流しているだけだが、シリカビーズ溶液を投入した際に電圧を印加して電気浸透流を起こしてもよいし、試料溶液を流したときに起こる電気浸透流でシリカビーズ25を固定させてもよい。
また、上記のように、濃度を測定したり、切断片の有無を確認したりするのみでなく、吸着物を回収する目的でシリカビーズ25を配置してもよい。また、上記使用例では、夫々の凹部2に同じ種類のシリカビーズ25を配置しているが、異なる反応性を有するシリカビーズ25(例えば、異なるプローブを固定したシリカビーズ25)を配置し、同一の試料溶液を流して当該試料溶液中の物質同定に用いることができるのは言うまでもない。
〈第2の実施の形態〉
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態に係る流路形成チップ1は、第1の実施の形態に係る流路形成チップ1と略同様の構成であるが、流路23に、さらに細胞破砕部26が形成されている点が異なっている。以下、図4を参照してこの点を中心に説明する。
図4(a)は凹部2近傍のみを示す平面図、図4(b)は細胞破砕部26の近傍を示す平面図である。
図4(a)の凹部2は、紙面の左側の平面視円状の試料投入槽21と、紙面右側の平面視で試料投入槽21よりも大きい円状の廃液槽22と、これらを連通する流路23と、を形成している。試料投入槽21及び廃液槽22の底面には膜状電極14が形成され、図1のものと同様に、試料投入槽21から廃液槽22に向かって、試料溶液が流動可能になっている。そして、流路23の途中には細胞破砕部26が設けられ、これよりも下流側には図1のものと同様にシリカビーズ(図示せず)を拘束する検出部24が設けられている。この細胞破砕部26は、対向する流路側壁が共に流路23の幅方向中央に向かって突出してなる突起部26aと、この突起部26aの直下に形成される膜状電極26bと、それよりもやや上流側に、当該膜状電極26bと平行に形成される膜状電極26cと、を備えて構成される。
そして、細胞を含む試料溶液を試料投入槽21に投入し、膜状電極14に電圧を印加して試料溶液を流動させる。これとともに、細胞破砕部26の1対の平行電極(膜状電極26b,26c)に交流電圧(例えば1MHz)を印加する。細胞が細胞破砕部26に至ると、突起部26aに衝突して変形するのに加え、交流電界が印加されることで通電破砕される。破砕により細胞の内容物が試料溶液に溶出し、下流側に固定されたシリカビーズに吸着する。
このように、細胞破砕部26や検出部24など、目的の処理を行うに至るまでの一連の処理を行う機能部を流路23上に順に形成していくことで、同一チップ上で一連の処理を実施でき、解析の迅速化、簡便化が可能である。さらには、試料のロスを抑えることができるので、例えば、個々の細胞の発現解析等の微量な物質の解析を行うことができる。
なお、このような機能部としては、細胞破砕部26に限らず、例えば、複数の流路を交差させてできる、複数の細胞から1つの細胞を取り出すための単離部等が挙げられる。
以上、第1及び第2の実施の形態について説明したが、本発明の適用はこれに限定されない。上記実施の形態では、試料溶液を流動させるのに電気浸透現象を利用していたがこれに限らず、例えばポンプによって試料溶液を流動させてもよく、後述のようなマイクロポンプを用いることができる。
また、流路23の延在方向に間隔をおいて、単一の流路23に複数の検出部24を設けて、各検出部24には他の検出部とは異なる対象物を検出するための多孔質粒子を配置してもよい。検出部24を複数設けずに、異なる対象物を検出するための多孔質粒子を順に配置し、プローブアレイのように試料溶液中の物質が反応した多孔質粒子の位置により検出対象物を特定したりしてもよい。
また、検出部24の形状は、流路幅が徐々に狭くなるものに限らず、例えば、上流側から下流側に向かって流路23の断面積が徐々に小さくなるテーパ形状であってもよい。また、流路23が表面に露出したものに限らず、例えば、光感応性樹脂層12にさらにカバーガラスが積層したものであってもよい。また、光感応性樹脂層12で凹部2を形成する場合に限らず、例えば、ポジ型の光感応性樹脂によって凹部2を形成することもできる。但し、凹部2は試料溶液にさらされることから、光照射によって硬化する光感応性樹脂を用いることが好ましい。
また、第1及び第2の実施の形態では、リソグラフィ技術によって流路23を形成しているが、これに限らず、例えば、型を用い、射出成形により流路を作製した流路形成チップにおいても、本発明を適用可能である。
〈第3の実施の形態〉
第3の実施の形態は、試料溶液の流動装置において上述の流路形成チップがペルチェ素子等の冷却手段を備えるものである。
図5は第3の実施の形態の流動装置の機能ブロック図、図6は流動装置の外観を示す図((a)は正面図、(b)は平面図、(c)は側面図である。)、図7は本実施の形態で用いるペルチェ素子の概略構成を示す図である。
本実施の形態の流動装置は、図6(a)〜(c)に示すように、L字板状の基台50に支持板33bが水平に取り付けられており、この支持板33bの上面側に平板状のペルチェ素子31が固定され、そのペルチェ素子31の上面に密着させるようにして流路形成チップ1が載置されている。また、支持板33b上にはコネクタ41が取り付けられており、流路形成チップ1はこのコネクタ41の接続口に挿入されている。このコネクタ41は、反対側の接続口41bにて図5に示す電圧印加装置42と接続可能になっており、流路形成チップ1と電圧印加装置42とを電気的に接続する。また、支持板33bの下方には水冷器本体33aが取り付けられている。
流路形成チップ1は、平面に沿って流路23を形成したものであり、電圧を印加することで当該流路23に導入された試料溶液が流動可能に構成されており、例えば、図1(a)、(b)と同様に構成される。
ペルチェ素子31は、ペルチェ効果によって吸熱又は放熱する熱電変換素子であり、本実施の形態では図7に示すような構成であり、表面及び裏面のいずれか一方が吸熱面となり、他方の面が放熱面となるペルチェ素子を用いる。図7はペルチェ素子31の一部を示し、そのペルチェ素子31は、一対の基板31a,31aの間に、複数のP型熱電半導体31p及びN型熱電半導体31nを配置し、これらを基板31aに積層される銅電極31cで交互に直列接続したものである。図7に示すようにN型熱電半導体31nからP型熱電半導体31pに向かって電流を流すと、紙面上側に向く面が吸熱面となって、紙面下側に向く面が放熱面となる。一方、逆方向に電流を流すと、紙面上側に向く面が放熱面となり、紙面下側に向く面が吸熱面となる。流動装置では、上記のように、ペルチェ素子31を流路形成チップ1に密着させ、流路形成チップ1の温度を調整する。
また、ペルチェ素子31の上面側には図6(b)のように温度センサ34が貼着されており、流路形成チップ1との接触面の温度が検出可能になっている。温度センサ34は、例えば温度に応じて抵抗が変化するサーミスタを用いる。なお、使用する温度センサの種類はこれに限定されない。
また、ペルチェ素子31は、1対の導線31b,31bを介して図5に示すペルチェコントローラ32に電気的に接続されており、このペルチェコントローラ32からの駆動電流を受けて目的の温度に調整される。ペルチェコントローラ32は、図5のように、温度センサ34の検出信号が入力されるようになっており、これに基づき流路形成チップ1を目的の温度にするための駆動電流の大きさを算出し、当該大きさに調整した駆動電流を出力する。このペルチェ素子31が冷却手段に相当する。
水冷器33は、図6(a)〜(c)のように、金属製の支持板33bと、支持板33bの下面側に取り付けられた水冷器本体33aと、からなる。水冷器本体33aは、金属製のブロック内部に冷却液の通路が設けられており、流入口33cから導入された冷却液が当該冷却液通路を通って流出口33dから排出されるようになっている。この冷却液は、水道から直接引き込んでもよいし、さらにポンプやラジエータなどを備えた2次冷却装置を設け、当該2次冷却装置で冷却した冷却液を循環させてもよい。この水冷器33が第2の冷却手段に相当する。
以上のような構成の流動装置を使用するときには、流路形成チップ1をコネクタ41に装着し、電圧印加装置42を電源オンにし、流路形成チップ1の電極14,14に駆動電圧を印加して凹部2に導入した試料溶液を駆動する。これと共に、ペルチェコントローラ32も電源オンにする。ペルチェコントローラ32はペルチェ素子31の吸熱面が予め設定した温度を上回っていることを検出すると、ペルチェ素子31を駆動し、流路形成チップ1を冷却する。これにより、流路形成チップ1が予め設定した温度以下に保たれるので、試料溶液の蒸発が抑えられる。このため、作業に長時間を要する場合などに、作業の途中で試料溶液が干上がったりすることなく、ある程度の溶液量を維持して作業をすることができる。
なお、本発明は第3の実施の形態に限定されない。例えば、流路形成チップ1を冷却するための手段は、ペルチェ素子31に限らず、例えば、流路形成チップにヒートシンクを接触するように配置し、このヒートシンクに向かってファンから送風することで、冷却させてもよい。但し、空冷時には流路形成チップ1に風が当たらないようにしないと、試料溶液がかえって乾燥しやすくなるおそれがある。この点、ペルチェ素子31を用いることが好ましい。また、ペルチェ素子31を用いると、高精度な冷却が可能であるので、温度感受性の高い生体高分子を取り扱う場合にも限られた温度範囲に保つことができ、また装置を小型化でき、静穏かつ無振動で動作可能であるので好適である。
また、図6(a)〜(c)の流動装置は、流路形成チップ1を1枚だけ載せる構成となっているが、コネクタ41を複数設け、複数の流路形成チップ1が同時に載置できる構成としてもよい。この場合、ペルチェ素子31を複数設け、流路形成チップ1毎に冷却してもよいし、単一のペルチェ素子31に複数の流路形成チップ1を載置してもよい。ペルチェ素子31を複数設け、ペルチェ素子31毎にコントロール可能にすれば、各流路形成チップ1を高精度に冷却できる。
また、ペルチェ素子31と流路形成チップ1の密着性を高めるべく、流路形成チップ1を下方に押さえつける機構をコネクタ41に設けてもよいし、シリコングリースを塗布してもよい。
また、流路形成チップ1も上記構成に限定されない。例えば、流路23は、2以上としてよく、また、単数であってもよいし、図4(a)、(b)のような構成としてもよく、また、細胞を破砕する以外の作用を果たす部分を設けたものでもよい。また、第3の実施の形態では、温度センサ34をペルチェ素子31側に設けているが、流路形成チップ1の下面に設けてもよいし、流路形成チップ1の凹部2に一体形成させてもよい。さらに、流路形成チップ1とペルチェ素子31を1チップに一体的に形成させてもよい。
〈第4の実施の形態〉
第4の実施の形態は、微量の液体を圧送するマイクロポンプを用いて試料溶液を流すようにした流路形成チップである。
図8は、第4の実施の形態にかかるマイクロポンプの側面断面図である。図9は、図8の構成をII-II線で切断して矢印方向に見た図である。
マイクロポンプMは、ハウジング100と蓋部材200とから以下のようにして構成される。図8,図9において、ブロック状のハウジング100は、平面である上面1aに、断面が半円形状などの環状の溝1bを形成している。ハウジング100の素材としては、ガラス基板、シリコン基板、PDMS(poly-dimethylsiloxane)、セラミック基板などを用いることができる。ガラス基板上に溝1bを作製する場合は、ガラス基板上に光硬化樹脂または熱硬化樹脂、レジスト類や、ポリミドなどをスピンコートすることによって膜を形成して、露光、現像、エッチングなどを経て微小溝を作製する。そのほかにも、基板本体のウェットエッチング、RIEによるドライエッチングなどを用いて流路をエッチングするための各種加工手法を用いて作製してもよい。
一方、ハウジング100と同様な素材から形成できる板状の蓋部材200は、平面である下面2aに、溝1bに対応して断面が半円形状などの環状の溝2bを形成している。ハウジング100に蓋部材200を重ね合わせたとき、溝1b、2bが対向することで、環状の循環路Rが形成されることとなる。
蓋部材200は、ハウジング100に対して、接着剤、フッ酸を用いた接合、陽極接合、機械的な固定などをもちいて貼り合わせを行い、循環路Rを外気から孤立させる機能を有するが、高圧流体を流す必要がなければ特に機械固定をする必要はない。尚、循環路Rに対して接線方向に接続するようにして、直線状の供給路Iと排出路Oとが同様な手法で形成され、外部に対して開口している。
かかる循環路R内には、それぞれ供給路Iと排出路Oより大きい径を有している、例えば11個の非磁性体の微小球300と、1個の磁性体の微小球400とが転動自在に配置されている。微小球400としては強磁性材料を含む鉄球などを用いてもよいし、表面を保護するために各種メッキ、蒸着や表面処理加工などを行ってよい。微小球300としては、磁性材料以外の金属や樹脂、セラミックなどを用いることができる。尚、微小球300,400の径は数μmオーダーまで小さくできる。
蓋部材200の上面には、循環路Rに沿って例えば6つの電磁石5A〜5Fが周方向に等間隔に配置されている。電磁石5A〜5Fは、駆動回路DRにより選択的に駆動され、励磁されるようになっている。
本実施の形態の動作について説明する。図10(a)〜(c)は、マイクロポンプMの動作を示す図9と同様な図である。供給路Iは流体の供給源、排出路Oは流体の供給部に接続されている。まず、図10(a)において、駆動回路DR(図8)は、不図示のセンサにより磁性体の微小球400(ハッチングで示す)の位置を検出し、それより時計回り方向に離れた電磁石5Aを選択して励磁する。すると、電磁石5Aから発生した磁力により、磁性体である微小球400が付勢され、時計回りに移動しようとする。残りの微小球300は磁力の影響を受けないので、微小球400に押されて同方向に移動する。循環路R内の微小球300,400が全て同方向に回転移動すると、その内部の流体もつれて同方向に移動するようになる。これにより、供給路Iから取り込んだ流体を、排出路Oから排出することが可能となる。
続いて図10(b)において、駆動回路DR(図8)は、磁性体の微小球400が電磁石5Aに接近したことを検出したときは、電磁石5Aの励磁を停止して、それより時計回り方向に隣り合う電磁石5Bを選択して励磁する。すると、電磁石5Bから発生した磁力により、磁性体である微小球400が同方向に付勢され、電磁石5Aを通り過ぎて他の微小球300と共に更に時計回りに移動しようとする。
更に図10(c)において、駆動回路DR(図8)は、磁性体の微小球400が電磁石5Bに接近したことを検出したときは、電磁石5Bの励磁を停止して、それより時計回り方向に隣り合う電磁石5Cを選択して励磁する。すると、電磁石5Cから発生した磁力により、磁性体である微小球400が同方向に付勢され、電磁石5Bを通り過ぎて他の微小球300と共に更に時計回りに移動しようとする。以上の制御を繰り返すことで、微小球300,400を連続的に回転移動させることができ、流体の連続圧送が可能となる。
図11(a)〜(c)は、別な実施の形態にかかるマイクロポンプの動作を示す図9と同様な図である。本実施の形態においては、循環路R内に、例えば10個の非磁性体の微小球300と、180度位相で2個の磁性体の微小球400とが転動自在に配置されている。それ以外の構成については上述の実施の形態と同様であるため説明を省略する。
本実施の形態の動作を説明すると、図11(a)において、駆動回路DR(図8)は、不図示のセンサにより磁性体の2つの微小球400,400の位置を検出し、それぞれ時計回り方向に離れた電磁石5A、5Dを選択して励磁する。すると、電磁石5A、5Dから発生した磁力により、磁性体である微小球400,400が付勢され、時計回りに移動しようとする。残りの微小球300は磁力の影響を受けないので、微小球400に押されて同方向に移動する。循環路R内の微小球300,400が全て同方向に移動すると、その内部の流体もつれて同方向に移動するようになる。これにより、供給路Iから取り込んだ流体を、排出路Oから排出することが可能となる。
続いて図11(b)において、駆動回路DR(図8)は、磁性体の微小球400,400が電磁石5A、5Dに接近したことを検出したときは、電磁石5A、5Dの励磁を停止して、それより時計回り方向に隣り合う電磁石5B,5Eを選択して励磁する。すると、電磁石5B,5Eから発生した磁力により、磁性体である微小球400,400が同方向に付勢され、電磁石5A、5Dを通り過ぎて他の微小球300と共に更に時計回りに移動しようとする。
更に、図11(c)において、駆動回路DR(図8)は、磁性体の微小球400,400が電磁石5B,5Eに接近したことを検出したときは、電磁石5B,5Eの励磁を停止して、それより時計回り方向に隣り合う電磁石5C,5Fを選択して励磁する。すると、電磁石5C,5Fから発生した磁力により、磁性体である微小球400、400が同方向に付勢され、電磁石5B,5Eを通り過ぎて他の微小球300と共に更に時計回りに移動しようとする。以上の制御を繰り返すことで、微小球300,400を連続的に回転移動させることができ、流体の連続圧送が可能となる。本実施の形態によれば、2個の微小球400が同時に付勢されるので、回転速度が約2倍となり流体の高速圧送が可能となる。
図12は、本実施の形態の変形例を示す図8と同様な図である。図12(a)に示す変形例においては、ハウジング100の上面1aにのみ環状の溝1bが形成され、蓋部材200の下面には環状の溝が形成されていない。これに対し、図12(b)に示す変形例においては、蓋部材200の下面2aにのみ環状の溝2bが形成され、ハウジング100の上面には環状の溝が形成されていない。
更に、図12(c)に示す変形例においては、蓋部材200の上面に電磁石5A〜5Fを配置する代わりに、薄厚のハウジング100の下面に、電磁石5A〜5Fを配置している。又、図12(d)に示す変形例においては、蓋部材200の上面に電磁石5A〜5Fを配置する代わりに、ハウジング100と蓋部材200の側面に凹部1c、2cを全周にわたって形成し、組み付け時に凹部1c、2cで形成される環状の空間内に電磁石5A〜5Fを埋設配置している。更に、図12(e)に示す変形例においては、蓋部材200の上面に電磁石5A〜5Fを配置する代わりに、ハウジング100と蓋部材200の側面に対向して、その外方に外部の電磁石5A〜5Fを配置している。
図13に第4の実施の形態による流路形成チップの平面図を示す。図13の流路形成チップ1’は、上述の図8,図9と同様のマイクロポンプMを配置し、流路23内で試料溶液を流動させるようにしたものである。すなわち、図13のように、図1(a)、(b)と同様の凹部2を基板11上に形成し、更に、凹部2と同様にして溝状の送出路28及び排出路29を形成し、送出路28を試料投入槽21に接続し、排出路29を廃液槽22に接続し、マイクロポンプMを形成する際に、マイクロポンプMの排出路Oを送出路28に接続し、供給路Iを排出路29に接続している。なお、図8,図9の循環路Rがポンプ流路を構成する。
図8,図9のハウジング100の代わりに図1(b)の基板11上に凹部2と同様にして溝1bを形成し、基板11上を図12(a)のように蓋部材200で覆い、蓋部材200上に電磁石5A〜5Fを配置することで、マイクロポンプMを備えた流路形成チップ1’を得ることができる。マイクロポンプMを図10(a)〜(c)のようにして作動させることで、試料溶液を試料投入槽21から廃液槽22に向かって流路23内を流動させることができる。
なお、図13においてマイクロポンプMの電磁石5A〜5F(図8)と駆動回路DR(図8)とを接続するための接続手段を別途設けることができる。また、流路形成チップ1’は凹部2を単数備えるが、図1(a)のように、複数備えるようにしてもよい。また、流路形成チップ1’に第3の実施の形態のようにペルチェ素子等の冷却手段を設けてもよい。更に、流路形成チップ1’は、図4(a)、(b)のような構成としてもよい。
また、上述のようなマイクロポンプを基板等に形成するための加工方法としては、本発明者の一人が先に特願2006−195501で提案したエッチング加工や膜材料を用いた加工や金型を用いた成形加工を用いることができる。
〈第5の実施の形態〉
第5の実施の形態は、遠心力を用いて流路形成チップで試料溶液を流し、その試料溶液で分離や合成を行う場合にその反応過程をモニタで観察可能にしたものである。
図14は第5の実施の形態に係る可視下遠心装置の全体構成例を示す斜視図である。図15は図14の固定部品の内部の構成を説明するための部分構成図である。図16は図14の可視下遠心装置の全体構成例を上から見た上面図である。図17は図14の回転盤に対してスピンドルユニットを装着させた状態の可視下遠心装置の縦断面図である。図18はスピンドルユニットとしてエアスピンドルユニット628を装着させた状態の可視下遠心装置の全体斜視図である。
以下、第5の実施の形態に係る可視下遠心装置について、添付図面を参照して説明する。図14〜図18には、本実施の形態に係る可視下遠心装置(以下、単に「装置」ともいう)APが示されており、装置APには、所定の回転軸602を中心に回転する回転盤604と、回転盤604に配設され、サンプル(試料溶液)を収容して回転盤604とともに回転する反応用の流路形成チップ(以下、単に「チップ」ともいう)1と、チップ1内におけるサンプルの状態を目視により観察するための顕微鏡608とが備えられている。そして、装置APは、チップ1内のサンプルに対して遠心力を作用させることで、サンプルから所定の物質(液体、固体および気体、若しくはこれらの混合体など)を分離、あるいは合成させている。
なお、装置APの大きさや形状、具体的には、回転盤604の大きさや形状は、遠心分離あるいは遠心合成させるサンプルの性質や数などに応じて任意に設定すればよいが、本実施の形態においては、回転盤604が直径220mmの円盤として構成されている場合を、一例として想定する。
また、チップ1は、その内部に所定のサンプルを収容し、サンプルを遠心分離反応あるいは遠心合成反応させることが可能であり、図1(a)、(b)と同様に構成され、平面に沿って流路23が形成されている。チップ1は、内部にサンプルを収容した状態で、回転盤604に対して固定され、回転盤604とともに回転することで、遠心力により流路23でサンプル(試料溶液)が流動可能である。また、チップ1は、図4(a)、(b)のような構成であってもよい。また、図1、図4のいずれの構成でも、試料溶液流動のために電極と遠心力を併用するようにしてもよく、また、個々のサンプルの特性に応じて電極と遠心力のいずれかを選択するようにしてもよい。さらに、試料溶液流動のための電極を省略してもよい。また、流路は図1(a)のように複数であってよいが、単数でもよいことはもちろんである。
装置APにおいて、顕微鏡608は、チップ1内におけるサンプルの状態を観察可能となるように回転盤604の所定位置へ固定されており、回転盤604には、顕微鏡608で捉えたチップ1内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影するための撮像デバイス610と、撮像デバイス610で撮影された顕微鏡画像の撮影像を、リアルタイムで動画として無線により伝送するための映像無線伝送デバイス612が取り付けられている。なお、本実施の形態において、顕微鏡608は、一例として、チップ1内におけるサンプルの状態を捉える対物レンズ608aと、対物レンズ608aが捉えた顕微鏡画像を撮像デバイス610まで伝達するための光路が内部に形成された鏡筒608bとを備えて構成されている。また、撮像デバイス610には、顕微鏡608で捉えたチップ1内のサンプル状態の顕微鏡画像を撮影することが可能な各種の撮像装置を適用することができるが、本実施の形態においては、撮像デバイス610としてCCDカメラを適用した場合を一例として想定する。
この場合、顕微鏡608は、鏡筒608b内において、顕微鏡608の光路が回転盤604の盤面(図17の上側の面)604aに対して所定の角度で部分的に屈折されており、撮像デバイス(以下、CCDカメラという)10は、前記所定角度で屈折された顕微鏡608の光路上で、上述した顕微鏡画像を撮影可能となるように、回転盤604の回転中心の近傍に位置付けられている。なお、以下の説明においては、上述した顕微鏡608の光路を観察光路と呼び、観察光路を進む光を観察光と呼ぶ。
本実施の形態においては、一例として、図17に示すように、顕微鏡608の鏡筒608b内へミラー614を観察光路の屈折角に応じて任意に設定される所定角度だけ観察光路に対して傾斜して配設している。なお、図17に示す構成において、装置APは、顕微鏡608の対物レンズ608aがチップ1内のサンプル状態を垂直方向(同図の上下方向)の上方から捉えるとともに、回転盤604の回転中心の近傍で回転盤604の盤面604aに対して平行する方向(水平方向)から対物レンズ608aが捉えた顕微鏡画像をCCDカメラ610で撮影する構造を成している。このため、ミラー614を観察光の進入方向に対して約135°の角度で後傾させて顕微鏡608の鏡筒608b内に配設することで、進入した観察光を約90°だけ屈折させ、回転盤604の盤面604aに対して平行となるようにさらに進行させている。なお、顕微鏡608は、その鏡筒608bを略直角に屈折させることで、鏡筒608b内に略直角に屈折した観察光路を形成した構成とすればよい。
この場合、顕微鏡608を回転盤604の周縁部へ位置付けることで、垂直方向から進入した観察光がミラー614によって回転盤604の周方向から中心方向へ向けて回転盤604の盤面604aと平行して屈折するように、その進行方向を変化させる構成とすることができる。この結果、顕微鏡608は、その観察光(すなわち、顕微鏡画像)が回転盤604の中心部、すなわち回転盤604の回転中心の方向へ向けて到達(収束)される構造となり、CCDカメラ610を観察光路の到達(収束)先へ位置付けることで、CCDカメラ610が回転盤604の回転中心の近傍で顕微鏡の観察光を捉えること、具体的には、顕微鏡画像を撮影することが可能な構成とすることができる。
このため、CCDカメラ610を回転盤604の回転中心の近傍に位置付けることができ、回転盤604が回転することによって遠心力が生じた場合であっても、CCDカメラ610に対して作用する遠心力を軽減させることができ、撮影時の顕微鏡画像がブレることがなく、CCDカメラ610において常に安定した顕微鏡画像の撮影を行うことが可能となる。
また、上述したように顕微鏡608を観察光路がミラー614によって屈折される構造とすることで、顕微鏡608の鏡筒608bの高さ(図17の上下方向の距離)を抑えることができる。これにより、回転盤604が回転することで回転振動が発生した場合であっても、回転振動に対する顕微鏡608の剛性を高めることができ、顕微鏡608において常に安定したチップ1内におけるサンプル状態の観察を行うことが可能となる。ただし、鏡筒608bの高さを抑えるためには、顕微鏡608を観察光路の屈折角度が0°より大きく90°以下となる構造とすることが好ましい。
なお、顕微鏡608は、その鏡筒608bがチップ1に対して垂直方向(鉛直方向(図17の上下方向))へ上下動可能な構造を成しており、このような構造を成すことにより、チップ1(具体的には、サンプル)と対物レンズ608aとの間の距離(焦点距離)を調整することができるようになっている。この場合、回転盤604には、その盤面604aに対して垂直方向へ所定の長さで延出したガイド(以下、Z軸ガイドという)620が設けられており、鏡筒608bをZ軸ガイド620に沿ってスライドさせることで、顕微鏡608は、サンプルと対物レンズ608aとの焦点距離を調整する構造となっている。
また、本実施の形態においては、顕微鏡608の対物レンズ608aとチップ1とを同一部品(以下、固定部品という)616の内部に収容するとともに、収容された対物レンズ608aおよびチップ1を固定部品616と一体的に回転盤604へ固定することで、対物レンズ608aとチップ1との間の外部振動(具体的には、回転盤604の回転によって生ずる回転振動)による相対変位を極小化させている。これにより、顕微鏡608は、常に安定してチップ1内のサンプル状態をブレのないクリアな画像として捉えることができ、分離過程あるいは合成過程におけるサンプルの状態を正確且つ確実に観察することが可能となる。
この場合、固定部品616の内部には、図15に示すように、所定の照明装置(例えば、エッジ式のLED(Light Emitting Diode)バックライト)622が設けられており、サンプルを顕微鏡608の対物レンズ608aとは反対側から照明装置622で照らして透過させた状態で観察できるようにしている。これにより、チップ1内におけるサンプルの状態をより鮮明に観察することができ、対物レンズ608aによってサンプル状態を、よりクリアな顕微鏡画像として捉えることができる。なお、照明装置(エッジ式のLEDバックライト)22の光源であるLED22aは、上述したCCDカメラ610と同様に、回転盤604の回転によって生じる遠心力の作用を軽減させるため、回転盤604の回転中心の近傍に位置付けられている。
ここで、照明装置622は、サンプルを照らして透過させた状態で観察することが可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、サンプルの性質や種類などに応じて、任意の照明装置を選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、株式会社モリテックス製のLED照明(エッジ式バックライト)MEBL−CW25を用いている。ただし、例えば、かかる照明装置622と同等、若しくはそれ以上の性能を有する照明装置であってもよい。
また、固定部品616は、顕微鏡608の対物レンズ608aとサンプルとの焦点距離を調整し、適正距離に設定された状態で、対物レンズ608aとサンプルとの相対位置、具体的には、対物レンズ608aのサンプルに対する高さを固定している。これにより、分離反応中あるいは合成反応中、サンプルに対する顕微鏡608の対物レンズ608aの高さを一定に維持することができ、サンプルの状態を安定して観察することが可能となる。
また、本実施の形態においては、回転盤604に対し、上述した顕微鏡画像を動画として撮影するCCDカメラ610とともに、CCDカメラ610で撮影された顕微鏡画像のカメラ映像(撮影像)をリアルタイムで動画として無線伝送するための映像無線伝送デバイス612が取り付けられている。このように、CCDカメラ610で撮影された映像を外部受信機(図示しない)に対して伝送する方式として、有線方式ではなく無線方式を採用することで、回転盤604とともにCCDカメラ610ならびに映像無線伝送デバイス612を回転させた場合であっても、これらから直接信号線を取り出す必要がなく、信号線の取り回しを考慮する必要が全くない。この結果、CCDカメラ610および映像無線伝送デバイス612の周辺構造を容易に簡略化させることができる。
また、信号線の取り回しを考慮する必要がないため、CCDカメラ610ならびに映像無線伝送デバイス612を回転盤604(具体的には、顕微鏡608およびチップ1内のサンプル)とともに回転させる構造とすることができ、回転盤604の回転数による制約を受けることなく、任意の高フレームレート(コマ数)でCCDカメラ610によって顕微鏡画像を撮影することができ、撮影した顕微鏡画像のカメラ映像を外部の受信装置(図示しない)に対して伝送することができる。これにより、かかる外部受信装置として、例えば、液晶パネルやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイなどの表示器を設けることで、上述したカメラ映像(すなわち、チップ1の内部におけるサンプルの状態)を、かかる表示器においてリアルタイムに確認しながらサンプルの分離反応あるいは合成反応を進行させることができる。また、パソコンなどを介して収録したカメラ映像を解析することにより、サンプル(具体的には、その内部物質や、分離物質あるいは合成物質など)の挙動をモニタし、回転盤604の最適な回転条件(別の捉え方をすれば、サンプルに作用させる遠心力の最適な大きさ)を推定するとともに、推定された最適条件(例えば、回転速度や回転時間など)で回転盤604を回転制御することも可能となる。
この場合、映像無線伝送デバイス612は、上述したCCDカメラ610と同様に、回転盤604の回転によって生じる遠心力の作用を軽減させるため、回転盤604の回転中心の近傍に位置付けられており、CCDカメラ610によって撮影されたカメラ映像の映像データを所定のアンテナ618から外部受信装置(液晶パネルやCRTディスプレイなどの表示器)に対して無線伝送している。また同様に、アンテナ618も回転盤604の回転によって生じる遠心力の作用を軽減させるため、回転盤604の回転中心の近傍、具体的には、回転盤604の回転中心の延長線上に立ち上がる構成としている。
なお、映像無線伝送デバイス612がカメラ映像の映像データ(映像信号)を外部受信装置(図示しない)へ無線伝送する際、映像データの伝送速度(ビットレート)やデータ形式(周波数や圧縮・非圧縮の有無など)は、装置APの使用態様や使用条件などに応じて任意に設定すればよい。例えば、本実施の形態においては、一例として、CCDカメラ610が撮影した顕微鏡画像のカメラ映像を、映像無線伝送デバイス612によって周波数が2.4GHzの非圧縮デジタル信号の映像データに変換し、映像データを外部受信装置に対して無線伝送している。これにより、映像無線伝送デバイスから送信された映像信号を欠落させることなく、外部受信装置に対して送信することができ、外部受信装置においてサンプル状態をクリアで安定した映像で確認しながら、分離反応あるいは合成反応を進行させることができる。ただし、映像無線伝送デバイス612から外部受信装置へ伝送する映像データは、上述した非圧縮のデジタル信号に代えて、圧縮信号であってもよいし、アナログ信号としてあってもよい。
ここで、CCDカメラ610は、顕微鏡608で捉えたチップ1内におけるサンプル状態の顕微鏡画像を撮影することが可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、装置APの使用態様や使用条件などに応じて、任意のCCDカメラを選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、株式会社モスウェル製のカラーボードカメラMSC−90を用いている。ただし、例えば、かかるCCDカメラ610と同等、若しくはそれ以上の性能を有するCCDカメラであってもよい。
また、映像無線伝送デバイス612は、CCDカメラ610が撮影した顕微鏡画像のカメラ映像を外部受信装置(図示しない)に対して無線伝送することが可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、装置APの使用態様や使用条件などに応じて、任意の映像無線伝送デバイスを選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、株式会社アイデンビデオトロニクス製のTRX24miniを用いている。ただし、例えば、かかる映像無線伝送デバイス612と同等、若しくはそれ以上の性能を有する映像無線伝送デバイスであってもよい。
なお、上述したCCDカメラ610、映像無線伝送デバイス612、ならびに照明装置622など、装置APに設けられた各種の電装部品は、図14および図16に示すように、所定の電源装置(例えば、バッテリー)624によって駆動されている。この場合、電源装置624は、かかる各種の電装部品(CCDカメラ610、映像無線伝送デバイス612、ならびに照明装置622など)を正常に動作させることが可能な電力を、サンプルに対する分離反応中あるいは合成反応中、安定して供給可能であれば、その具体的な構成は特に限定されない。例えば、上述した各種の電装部品が要する電力の大きさなどに応じて、任意の電源装置を選択すればよく、一例として、本実施の形態においては、ULTRA LIFE株式会社製のバッテリーであるUBBP01(電圧3.7v、バッテリー容量1.8Ah)を用いている。ただし、例えば、かかる電源装置624と同等、若しくはそれ以上の性能を有する電源装置であってもよい。
本実施の形態においては、かかる電源装置(バッテリー)624を4個直列で使用し、これら4つのバッテリー624を、回転盤604の回転中心に対して対称となる位置へ(180°の位相差で)2つずつ均等に配置しているとともに、顕微鏡608、チップ1および固定部品616に対して90°の位相差で配置している(図16参照)。この場合、バッテリー624は、一例として、回転盤604の盤面604aを凹状に窪ませて成る取付部へ埋設され、板状部材626で固定されて回転盤604に対して取り付けられている。
ここで、かかる装置APにおいて、回転盤604の回転軸602は、図示しない所定の駆動装置(例えば、スピンドルモータなど)によって回転されているとともに、各種の軸受627によって回転自在に支持されており、図17には、一例として、転動体として玉を適用した転がり軸受627によって回転軸602を支持した構成が示されている。この場合、転がり軸受627は、転動体として玉を適用した各種の玉軸受の他、転動体として各種のころ(円筒ころ、円すいころおよび球面ころなど)を適用したころ軸受であってもよい。また、図17に示す構成においては、回転軸602を2つの軸受627で支持する構造としているが、回転軸602は、1つの軸受627で支持してもよいし、3つ以上の軸受627で支持してもよい。
なお、軸受627として、上述した各種の転がり軸受に代えてエア軸受を適用し、回転軸602をエア軸受によって回転自在に支持することで、回転盤604が回転する際に生ずる回転振動を格段に軽減させることができ、ひいては、顕微鏡608やCCDカメラ610の回転振動を抑制させ、分離反応中あるいは合成反応中におけるサンプル状態の安定した観察ならびに撮影を行うことが可能となり、さらに好ましい。ここで、一例として、エア軸受は、回転軸602の外周面を全周に亘って覆うように位置付けられた筒状のハウジングによって回転軸602を回転自在に支持する構造を成し、ハウジングの内周面(回転軸602の外周面に対する対向面)に設けた複数の噴出口(噴出孔)から回転軸602の外周面へ向けてエアを吹き付け、ハウジングの内周面と回転軸602の外周面とを非接触状態に保つことで、回転軸602を非常に滑らかに回転させることができる。
また、本実施の形態において、回転軸602および回転軸602を回転自在に支持する軸受627は、これらがハウジングとともに一体を成すスピンドルユニット628として構成されており、スピンドルユニット628が回転盤604に装着されることで、回転盤604が回転軸602を中心として回転される構造となっている。この場合、回転盤604には、その中央部が上側(顕微鏡608、チップ1、CCDカメラ610、および映像無線伝送デバイス612などが配設されている側)へ所定の大きさで凸状に突出し、回転盤604の下側(上述した各部品などが配設されている側とは反対側)を凸状に窪ませて形成されたスピンドルユニット取付部604bが設けられており、スピンドルユニット628は、回転盤604の下側からスピンドルユニット取付部604bへ挿入されて、回転盤604に対して取り付けられている。
このように、装置APをスピンドルユニット628に対して回転盤604が被さるような構造とすることで、顕微鏡608、チップ1、CCDカメラ610、および映像無線伝送デバイス612などが配設された回転盤604の回転時における回転重心と、回転軸602が軸受627によって回転自在に支持された軸支部分との距離を狭めることができ、軸支部分に生じる回転モーメントを有効に軽減させることができる。
なお、上述した本実施の形態において、装置APの構成部材の材料については特に言及しなかったが、装置APの使用態様や使用目的などに応じて各種の素材を任意に選択して使用すればよい。一例として、本実施の形態においては、回転盤604の材料、ならびに顕微鏡608、チップ1、CCDカメラ610、および映像無線伝送デバイス612などを回転盤604に対して取り付けるための各種の取付部材を高強度Al合金(A2017)製とすることで、回転時における剛性を十分に確保しながら、これらの部材の軽量化を図っている。
また、本実施の形態においては、回転時における装置APの重量バランスを均等にし、回転時に生じるスピンドルユニット628に対する振れ回り応力を減少させるため、回転盤604に対し、顕微鏡608およびチップ1の配設位置と回転中心に対して略対称となる位置(回転中心に対して反対側)へ所定のバランスウェイト630を設けている。バランスウェイト630の重量、および配設位置は、回転盤604に配設された顕微鏡608、チップ1、CCDカメラ610、および映像無線伝送デバイス612などの各種の部材重量やそのバランス(重心)などに応じて、上述したスピンドルユニット628に対する振れ回り応力が小さくなるように調整すればよい。
なお、装置APにおいて、より高精度にサンプルの分離反応あるいは合成反応を観察する場合、スピンドルユニット628として、回転軸602が上述したエア軸受によって回転自在に支持されたエアスピンドルユニットを回転盤604に対して装着する構成としてもよい。これにより、回転盤604が回転する際に生じる回転振動を格段に軽減させることができ、分離反応中あるいは合成反応中におけるサンプル状態をさらに安定した高画質のカメラ映像により観察することが可能となる。この場合、エアスピンドルユニットとしては、例えば、日本精工株式会社製のGBS100Hなどを用いることができる。
次に、上述のようにチップ1を可視下遠心装置APに装着し回転させて発生する遠心力を流体(試料溶液)に作用させて流体を駆動し流動させることによる作用効果について説明する。
チップ1に外部機器との流体接続(流体駆動に例えば図7〜図13のようなポンプを利用する場合)、及び、電気的接続(流体駆動に例えば図1,図4のように電気浸透流などを利用する場合)が不要となり、チップ1の構造が簡素化できる。この効果として、チップ1の取り扱いが容易となり、自動化しやすく、解析速度も向上する。また、チップ1をさらに小型化することができ、より微小サンプルでの解析が可能となる。この場合は、細胞は電気的に破砕することができないので、力学的な衝突によって破砕させる。また、周辺機器も小型化できるため、測定系全体を小型化できる。
また、サンプルの化学的な特性に影響されず、流体を駆動させることができる。特に、電界印加により電気分解し易い溶液を主体とするサンプルでも、駆動(解析)が可能である。また、電気的な刺激によって、変化する可能性のあるサンプルに対しても、これらの影響を気にせず利用でき、適用範囲が広がり好ましい。
また、サンプルの遠心分離効果を同時に発生させることができ、サンプルの比重による分離が可能である。
さらに、本実施の形態の可視下遠心装置を利用することによって、低回転数(低遠心力)の領域での反応であっても、情報が欠落(コマ落ち)することなく、検出状態を把握することができる。
次に、図14〜図18の可視下遠心装置APにサンプルに対し上方から照明をあてる落射照明装置を付加した構成について図19を参照して説明する。図19は可視下遠心装置APに落射照明装置を付加した構成を示す図17と同様の縦断面図である。
溶液中の細胞やガラスビーズなど、背景と光学的な透過率が同程度(透明)の物質を観察する場合、バックライトによる投下照明では、形状による陰影(コントラスト)が得難く、観察が困難である。この対策として、図19のように、可視下遠心装置APに落射照明装置を設けた。
すなわち、対物レンズ608aの上部のミラー614をハーフミラー614aとし、ハーフミラー614aの上方にLED照明部640を設けることで同軸(落射)照明装置を構成した。LED照明部640からの照明光mがハーフミラー614aを透過し対物レンズ608aを通してチップ1内のサンプルを照射する。また、サンプルからの反射光nは対物レンズ608aを通してハーフミラー614aで反射しCCDカメラ610へ到達する。
LED照明部640には、例えば、市販の高輝度緑色LED(OPTSOURCE社製 100047シリーズ、φ3mm、光度6800mcd)を利用できるが、対象サンプルによって色調、輝度を選択することができる。また、遠心強度(回転数、時間)によってLEDの破損が懸念される場合には、光源(LED)を回転中心付近に配置して光ファイバで顕微鏡に誘導することもできる。
図19の落射照明装置を付加した構成によれば、チップ1内のサンプルからの反射光を観察することによって、サンプルの光学的透過率が背景と同程度でもサンプル表面の反射による陰影(コントラスト)を得ることができるので、サンプルの挙動を明瞭に観察することができる。
次に、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は本実施例に限定されるものではない。
〈実施例1〉
実施例1は、図1と同様の構成の流路形成チップを作製し、図2(a)のようにシリカビーズを固定した流路内へDNA溶液を導入しDNAの検出を行ったものである。
流路形成チップの幅20μmの微細流路中に直径10μmの多孔質シリカビーズを引っ掛けて固定化し、シアニン系核酸染色試薬(Invitrogen社製 Y3601)で染色したDNA断片溶液サンプルを用いて吸着テストを実施した。DNA断片溶液の導入前後でのシリカビーズの状態を蛍光顕微鏡で観察し、その明るさをグレースケールから測定した。シリカビーズの明るさは、ビーズ表面へのDNA吸着量を示している。
断片長さが、(1)48kbp(bpはbase pairで塩基対の数を示し、DNAの長さに相当する)、(2)2〜33kbp、(3)0.1〜1.3kbpのDNA断片を含む3種類のサンプルをそれぞれ等量ずつ流路形成チップに導入してテストした結果を図20に示す。図20において横軸は導入したDNA断片サンプルの長さ、縦軸はそれぞれのDNA断片溶液サンプルを導入した後のビーズの明るさを、DNA断片の入ってないブランク溶液を導入した場合のビーズの明るさで割った最大蛍光強度比である。
図20によると、DNAの長さが最も短い(3)のDNA断片を含むサンプルで急激な感度の増加が観察され、上記流路形成チップが、特にDNA断片長さの短い領域(1.3kbp以下)のDNA断片の検出に適していることがわかった。
〈実施例2〉
実施例2は、上述の可視下遠心装置APをポリスチレンビーズのサイズ選別に利用したものである。
図21のようなダンベル型流路(両端に円形の溶液槽を設け、溶液槽同士を直線流路で接続した形状の流路)を形成した流路形成チップを作製し、可視下遠心装置APに設置し、チップ内を溶液で満たした状態で反遠心側ヘサイズの異なるポリスチレンビーズ溶液を導入しビーズが遠心力によって流路内を通過する速度を測定した。
流路形成チップは、図21のような微細流路パターンを形成したPDMS樹脂をガラス基板上へ貼り付けた構造である。流路パターンは、直径3mmの円形の溶液層を700μm幅の直線流路で接続した形状で、深さ約120μmである。溶液層の片側には溶液導入用の孔が空けてあり、ここからビーズ溶液を導入することができる。
溶液導入用の孔を反遠心側にして直線流路部分がCCDカメラで観察できるように可視下遠心装置APに取り付ける。このとき、流路内はテスト溶液(0.1Mマンニトール水溶液)で満たされている。溶液導入孔からポリスチレン溶液を導入し、可視下遠心装置APを駆動すると、遠心力によってポリスチレンビーズが直線流路を介して遠心側の溶液槽へ移動する。可視下遠心装置APでは、ポリスチレンビーズが直線流路内を移動する速度を任意の回転数(遠心力)で測定できるため、ポリスチレンビーズの移動速度vを正確に測定することができる。
直径10μmと直径40μmのポリスチレンビーズ(モリテックス社製 4000シリーズ)をサンプルとして、各遠心力下における移動(沈降)速度vの違いを測定した。その測定結果を図22に示す。図22から理解されるように、直径の大きいビーズの方が移動速度が大きく、各ビーズの挙動を観察しながらサイズ選別が可能なことが実証された。
以上のように、本発明を実施するための最良の形態及び実施例について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で各種の変形が可能であり、かかる変形例も本発明の範囲内である。
1 流路形成チップ
2 凹部
11 基板
12 光感応性樹脂層
14 膜状電極
21 試料投入槽
22 廃液槽
23 流路
24 検出部
24a 最細部
25 シリカビーズ
26 細胞破砕部
26a 突起部
26b,26c 膜状電極
31 ペルチェ素子
33 水冷器
1’ 流路形成チップ
M マイクロポンプ
AP 可視下遠心装置
2 凹部
11 基板
12 光感応性樹脂層
14 膜状電極
21 試料投入槽
22 廃液槽
23 流路
24 検出部
24a 最細部
25 シリカビーズ
26 細胞破砕部
26a 突起部
26b,26c 膜状電極
31 ペルチェ素子
33 水冷器
1’ 流路形成チップ
M マイクロポンプ
AP 可視下遠心装置
Claims (18)
- 試料溶液を流動させる流路が、表面に沿って延びるように形成された流路形成チップにおいて、
前記流路に移動可能に配された検出媒体と、
前記流路の途中に形成され、前記検出媒体をその下流側で引っ掛け、前記試料溶液の流動に伴う前記検出媒体の移動を拘束する検出部と、を備えることを特徴とする流路形成チップ。 - 前記検出部は、上流側から下流側に向かうに従って前記流路の流路幅を徐々に小さくする構造であり、少なくとも最も流路幅の小さい最細部において、前記検出媒体の外径よりも当該流路幅が小さく設定されていることを特徴とする請求項1に記載の流路形成チップ。
- 前記検出部においては、前記流路の深さが前記検出媒体の外径の大きさ以上であって、かつ、2個の前記検出媒体の外径を合計した大きさ未満であることを特徴とする請求項2に記載の流路形成チップ。
- 前記検出媒体は、多孔質粒子であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記多孔質粒子は、孔部にプローブを担持したものであることを特徴とする請求項4に記載の流路形成チップ。
- 前記多孔質粒子は、シリカを主成分とする直径100μm以下の球形ビーズであることを特徴とする請求項4又は5に記載の流路形成チップ。
- 基板上に光感応性樹脂層を所定パターンで形成することで、前記流路を形成したことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記流路の上流側及び下流側のそれぞれに前記試料溶液を流動させるための電極を形成したことを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記流路の途中であって、前記検出部よりも上流側に、前記試料溶液中の細胞を破砕する細胞破砕部を設けたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記流路を複数並設し、前記各流路に前記検出部をそれぞれ形成すると共に、前記各流路に前記検出媒体を配したことを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記流路形成チップを冷却する冷却手段を備えることを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記冷却手段は、ペルチェ素子であることを特徴とする請求項11に記載の流路形成チップ。
- 前記ペルチェ素子は、その吸熱面が前記流路形成チップの底面と接するように配置されることを特徴とする請求項12に記載の流路形成チップ。
- 前記ペルチェ素子の放熱面を冷却する第2の冷却手段を設けたことを特徴とする請求項12又は13に記載の流路形成チップ。
- 前記試料溶液を流動させるためにマイクロポンプを備えることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記マイクロポンプは、前記流路に連通するポンプ流路を移動可能に配置された磁性体の物体及び非磁性体の物体と、前記ポンプ流路に沿って配置された複数の電磁石と、を備え、前記磁性体の物体に近い電磁石に電力を供給することにより、発生した磁力により前記磁性体の物体を、前記非磁性体の物体と共に、前記ポンプ流路内で所定の方向に移動させることにより、前記試料溶液を前記流路において流動させることを特徴とする請求項15に記載の流路形成チップ。
- 前記試料溶液を流動させるために遠心装置に取り付けられて使用されることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の流路形成チップ。
- 前記遠心装置は、試料溶液を収容した前記流路形成チップを取り付けて所定の回転軸を中心に回転する回転盤と、前記流路形成チップ内における試料溶液の状態を目視により観察するための顕微鏡と、を具備し、前記流路形成チップ内の試料溶液または試料溶液中の物質に対して遠心力を作用させることで前記試料溶液から所定の物質を分離または合成させる可視下遠心装置であることを特徴とする請求項17に記載の流路形成チップ。
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2019000110A (ja) * | 2015-01-22 | 2019-01-10 | アークレイ株式会社 | ターゲット分析チップおよびターゲット分析方法 |
-
2007
- 2007-05-23 JP JP2007136183A patent/JP2008261831A/ja active Pending
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---|---|---|---|---|
JP2019000110A (ja) * | 2015-01-22 | 2019-01-10 | アークレイ株式会社 | ターゲット分析チップおよびターゲット分析方法 |
US10525471B2 (en) | 2015-01-22 | 2020-01-07 | Arkray, Inc. | Target analysis chip and target analysis method |
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