JPWO2008072394A1 - 高速励磁装置及び円形加速器 - Google Patents

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Abstract

同軸ケーブルを介して接続されているパルス電源から高電圧が印加されることで高速に励磁させて荷電粒子ビームを偏向させる高速励磁装置(140)は、集中定数回路の回路素子と等価であり、荷電粒子ビームの進行方向に対して貫通された空間が形成され、高電圧が印加されることで貫通された空間に磁場を瞬時に発生させ、貫通された空間を通過する荷電粒子ビームを偏向させるキッカー電磁石(150)と、キッカー電磁石(150)と組み合わさって整合回路を構成し、整合回路の入力インピーダンスと、整合回路の入力端子に接続される同軸ケーブルの特性インピーダンスとを整合する補助回路(160)とを備える。

Description

本発明は、電磁石を瞬時的に励磁することで発生させた磁場を荷電粒子ビームに作用させ、荷電粒子ビームを円形加速器に入射させる、または荷電粒子ビームを円形加速器から射出させる高速励磁装置に関する。
従来、シンクロトロンなどの円形加速器で使用されるキッカー電磁石は、分布定数回路を構成する複数の回路素子として設計されている(例えば、非特許文献1参照。)。ここで、キッカー電磁石とは、円形加速器のリングに荷電粒子ビームを入射させる、または円形加速器のリングから荷電粒子ビームを射出させるときに使用される電磁石である。
図1は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。図1に示されるように、シンクロトロンなどの円形加速器10では、リング状に設置された複数の偏向電磁石11によって荷電粒子ビーム12を偏向させる磁場を発生させる。また、リングの一部に設置された高周波加速装置13によって円周方向に高周波加速電場を発生させる。これに伴い、荷電粒子ビーム12は、周回軌道をとりながら周回を重ねるうちに加速される。このとき、高周波加速電場は、復元力としても作用する。このため、荷電粒子ビーム12は、バンチと呼ばれる塊を形成しながら円形加速器10のリング内を局在化して周回する。そして、十分に加速された後に、リング内を局在化して周回している荷電粒子ビーム、すなわち、バンチ化した荷電粒子ビーム(以下、ビームバンチと呼称する。)は、速いビーム取り出し法などによってリングから射出される。
速いビーム取り出し法では、ビームバンチ12をリングから射出させるにあたり、射出用のキッカー電磁石15を高速で励磁する。このとき、射出用のキッカー電磁石15は、50〜200nsec程度で立ち上がり、20〜50mT程度の磁場を発生させる。これは、円形加速器10で加速されて高エネルギー状態になったビームバンチ12を偏向させるにあたり、射出用のキッカー電磁石15として、応答特性が高速であり、十分な強度の磁場を発生させる必要があるためである。
図2は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える高速励磁装置の概要を示す図である。図2に示されるように、高速励磁装置14は、円形加速器10のリングの直線部に設置された射出用のキッカー電磁石15を高速で励磁する。ここでは、一例として、パルス電源21、同軸ケーブル22、射出用のキッカー電磁石15(以下、キッカー電磁石15と略称する。)、終端抵抗23などを備える。同軸ケーブル22を介してパルス電源21の出力端子とキッカー電磁石15の入力端子とが接続されている。キッカー電磁石15の出力端子に終端抵抗23の一端が接続されている。終端抵抗23の他端が接地されている。
また、パルス電源21は、直流充電電源、PFN(Pulse Formulating Network)、サイラトロンなどを備える。キッカー電磁石15を励磁するにあたり、直流充電電源でPFNを予め充電した後に、サイラトロンを点呼し、高電圧を出力する。これに伴い、キッカー電磁石15は、伝送線の一種である同軸ケーブル22を介して、パルス波形の高電圧(以下、パルス電圧と呼称する。)がパルス電源21から印加される。これによって、波形33に示されるように、パルス波形の電流(以下、パルス電流と呼称する。)が流れて駆動される。
このとき、高速励磁装置14は、所定のビームバンチがキッカー電磁石15を通過した直後に、キッカー電磁石15の励磁を開始し、次のビームバンチがキッカー電磁石15に到達する前に、キッカー電磁石15の励磁を完了し、所定の磁場を発生させる必要がある。すなわち、キッカー電磁石15に磁場が立ち上がるまでに要する時間tは、ビームバンチ間の時間差よりも、さらに短くなるように設計されている必要がある。
また、一般に、円形加速器10のリング一周あたりに存在するビームバンチの個数やビームバンチ間の時間差は、円形加速器10の設計や運転パラメーターで定まる。典型的には、ビームパンチの個数が1から数千個程度であり、ビームバンチ間の時間差が数十から数百nsecである。このため、波形32に示されるように、キッカー電磁石15の励磁立ち上がり時間として、数十から数百nsec程度の応答特性が要求される。ここで、波形31は、横軸を時間とし、縦軸をキッカー電磁石15が設置されている場所で観測されたビームバンチの強度としている。また、波形32は、横軸を時間とし、縦軸をキッカー電磁石15の磁場強度としている。
これにより、高速励磁装置14は、高速の応答特性が要求されるので、キッカー電磁石15に流れる電流の反射が起こらないようにしておく必要がある。そのために、キッカー電磁石15の入力インピーダンスと、同軸ケーブル22の特性インピーダンスとが等しくなるように整合をとる必要がある。ただし、通常、同軸ケーブル22の特性インピーダンスは、純抵抗として扱われ、周波数と独立している。これに対して、コイルのように集中定数回路を構成する一つの回路素子としてキッカー電磁石15が設計されているとする。この場合において、キッカー電磁石15の入力インピーダンスは、周波数の関数となり、同軸ケーブル22の特性インピーダンスと整合がとれなくなる。そこで、キッカー電磁石15は、分布定数回路を構成する複数の回路素子として設計されている。
図3は、従来の形態におけるキッカー電磁石の概要を示す図である。図3に示されるように、ここでは、一例として、キッカー電磁石15は、磁性体コア15dと、磁性体コア15dを挟み込む電極板15a,15b,15cとから構成されるユニットを複数有し、分布定数回路を構成する回路素子16a,16b,16dとして設計されている。これによって、所定の遮断周波数以下の帯域に限って周波数によらず、キッカー電磁石15の入力インピーダンスが一定になる。そして、キッカー電磁石15に流れる電流の高調波成分の内、主成分に対して整合をとることができる。
KEK-76-21, K. Takata. S. Tazawa and Y. Kimura. "FULL APERTURE KICKER MAGNETS FOR KEK PROTON SYNCHROTRON."(1977).
しかしながら、キッカー電磁石15に流れるパルス電流(波形33)には、振幅が小さいものの、遮断周波数よりも周波数が高い高周波成分が含まれるので、高速励磁装置14は、そのような高周波成分については、整合をとることができない。結果、パルス電流に含まれる高周波成分の反射が起こり、それによって絶縁破壊が引き起こされる。
例えば、円形加速器10に設置された複数のキッカー電磁石15に接続された56本の同軸ケーブル(65kV耐電圧)のうち13本(23%)を1年間で交換したという事例がある。このように、キッカー電磁石15を使用するにあたり、長期間安定して運転することが困難という問題がある。また、放射線被爆のある保守作業が必要になるという問題もある。
さらに、キッカー電磁石15は、電極板15a,15b,15cで磁性体コア15dを挟み込んでいるので、高電圧が印加されることで電極板間に放電が起こることがある。これを回避するために、キッカー電磁石15の全体を真空容器の中に収める必要がある。
また、キッカー電磁石15が設置される円形加速器10のリングの直線部は、長さが制限されている。このため、キッカー電磁石15が真空容器の中に収められることで、キッカー電磁石15の大きさの制限がさらに厳しくなるという問題もある。
また、円形加速器10のリングの真空部分に、こうした真空特性の悪い磁性体を挿入するので、磁性体から生じるガスによって、真空状態が悪化し、ビーム損失を引き起こすという問題もある。
また、キッカー電磁石15が真空容器の中に収められるので、キッカー電磁石15に電流を導入するために、パルス電流導入端子が真空容器に取り付けられる。このパルス電流導入端子は、インピーダンスの整合がとられ、かつ耐圧が要求されるので、非常に高い精度で加工される必要があり、非常に高価である。このように、インピーダンス整合、高耐圧、真空の条件などにより、フェライト、接着剤、パルス電流導入端子、コンデンサなど、構成要素の製作及び選択が困難という問題もある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、全周波数帯域に亘って無反射であって構造が簡単で保守が容易である高速励磁装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係わる高速励磁装置は、(a)伝送線を介して接続されているパルス電源から高電圧が印加されることで高速に励磁させて荷電粒子ビームを偏向させる高速励磁装置であって、(a1)集中定数回路の回路素子と等価であり、荷電粒子ビームの進行方向に対して貫通された空間が形成され、前記高電圧が印加されることで前記空間に磁場を瞬時に発生させ、前記空間を通過する荷電粒子ビームを偏向させる電磁石と、(a2)前記電磁石と組み合わさって整合回路を構成し、前記整合回路の入力インピーダンスと、前記整合回路の入力端子に接続される前記伝送線の特性インピーダンスとを整合する補助回路とを備える。
これによって、電磁石と補助回路とが組み合わさることで構成される整合回路(集中定数回路)と伝送線との間でインピーダンスを整合することができる。これにより、一切反射が起こらないようにすることができる。反射による破壊故障が極力さけられ、長期間に亘って安定した運転を実現することが期待でき、放射線被爆を含む保守作業を軽減することができる。
本発明によれば、電磁石が集中定数回路を構成する一つの回路素子として設計されているにもかかわらず、電磁石と補助回路とが組み合わさることで、原理的に全周波数帯域に亘って入力インピーダンスを一定にすることができる。このため、電磁石と補助回路とが組み合わさることで構成される整合回路(集中定数回路)と伝送線との間で完全な整合をとることができ、一切反射が起こらないようにすることができる。反射による破壊故障が極力さけられ、長期間に亘って安定した運転を実現することが期待でき、放射線被爆を含む保守作業を軽減することができる。
さらに、本発明における電磁石と補助回路とは、別々に実装することができる。これにより、補助回路の回路素子として安価でサイズが大きい部品を利用することができ、耐電圧条件の緩和等、回路素子の製作や選別が容易になる。
さらに、本発明における電磁石は、従来の形態における電磁石と比べれば、構造が単純であり、部品点数が大幅に少なくて済み、設計が飛躍的に容易になる。
さらに、本発明における電磁石は、磁性体コアを電極板で挟み込む必要がなく、電極板間の放電を考慮して電磁石を真空容器に収める必要がないので、従来の形態における電磁石で必要不可欠であった真空容器を必要としない。これにより、設置スペースが制限されている円形加速器のリングの直線部を有効に活用することができる。また、真空容器に取り付けられている端子のように、非常に高い精度を要求する部品を使用する必要がない。しかも、真空特性を劣化させる磁性体コアを大気中に設置することができるので、荷電粒子ビームが周回する円形加速器のリング内を高真空状態に維持することができ、荷電粒子ビームの不必要な損失を避けることができる。
図1は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。 図2は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える高速励磁装置の概要を示す図である。 図3は、従来の形態におけるキッカー電磁石の概要を示す図である。 図4は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。 図5は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石を備える高速励磁装置の概要を示す図である。 図6は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石の概要を示す斜視図である。 図7は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石を入射口側から見た側面図と、射出口側から見た側面図と、A−A線で切断して矢視方向に見た断面図とから構成される図である。 図8Aは、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と補助回路とからなる回路の概要を示す第1の図である。 図8Bは、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と補助回路とからなる回路の概要を示す第2の図である。 図9は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と従来の形態におけるキッカー電磁石とのパルス応答の比較を示す図である。 図10は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と従来の形態におけるキッカー電磁石との入力インピーダンスの比較を示す図である。
符号の説明
10 円形加速器
11 偏向電磁石
12 荷電粒子ビーム(ビームバンチ)
13 高周波加速装置
14 高速励磁装置
15 キッカー電磁石
17 励磁回路
21 パルス電源
22 同軸ケーブル
23 終端抵抗
15a,15b,15c 電極板
15d 磁性体コア
16a,16b 回路素子(コンデンサ)
16d 回路素子(インダクタ)
100 加速器
140 高速励磁装置
150 キッカー電磁石(回路素子Z1)
151 磁性体
152,153 導体
154 ダクト
155 入射口
156 射出口
160 補助回路
161 コンデンサ(回路素子Z2)
162 コンデンサ(回路素子Z3)
163 コイル(回路素子Z4)
170 4端子回路
171,172 入力端子
173,174 出力端子
(実施の形態)
以下、本発明に係わる実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における高速励磁装置は、下記(a)〜(c)に示される特徴を備える。
(a)伝送線を介して接続されているパルス電源から高電圧が印加されることで高速に励磁させて荷電粒子ビームを偏向させる高速励磁装置であって、(a1)集中定数回路の回路素子と等価であり、荷電粒子ビームの進行方向に対して貫通された空間が形成され、高電圧が印加されることで空間に磁場を瞬時に発生させ、空間を通過する荷電粒子ビームを偏向させる電磁石と、(a2)電磁石と組み合わさって整合回路を構成し、整合回路の入力インピーダンスと、整合回路の入力端子に接続される伝送線の特性インピーダンスとを整合する補助回路とを備える。
(b)(b1)電磁石は、コイルと磁性体のコアとから構成され、コイルの一端に伝送線を介してパルス電源が接続され、(b2)補助回路は、(b2−1)コイルの一端に一端が接続されている第1の回路素子と、(b2−2)コイルの他端に一端が接続されている第2の回路素子と、(b2−3)第1の回路素子の他端と第2の回路素子の他端とに一端が接続されている第3の回路素子と、(b2−4)コイルの他端に一端が接続され、第3の回路素子の他端に他端が接続されている終端抵抗とを備える。
(c)終端抵抗の抵抗値をRとし、電磁石のインピーダンスをZとした場合において、(c1)第1の回路素子のインピーダンスが2R2/Zであり、(c2)第2の回路素子のインピーダンスが2R2/Zであり、(c3)第3の回路素子のインピーダンスがZ/4である。
以上の点を踏まえて、本実施の形態における高速励磁装置について説明する。
図4は、本実施の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。図4に示されるように、円形加速器100は、複数の偏向電磁石11がリング状に設置されている。また、これら偏向電磁石11の間のうち、すなわち、円形加速器100のリングの直線部のうち、荷電粒子ビーム12の入射箇所に、入射用のキッカー電磁石150が設置され、荷電粒子ビーム12の射出箇所に、射出用のキッカー電磁石150が設置されている。
そして、入射用のキッカー電磁石150によって所定時間分の荷電粒子ビーム12(以下、ビームバンチ12と呼称する。)が円形加速器100のリングに入射する。入射したビームバンチ12は、複数の偏向電磁石11によって偏向されて周回軌道をとりながら周回を重ねる。そして、周回を重ねるうちに加速され、十二分に加速された後に、射出用のキッカー電磁石150によって取り出される。
ここで、入射箇所と射出個所とに設置されるキッカー電磁石150は、キッカー電磁石15と比べれば、構造が単純であり、コイルと磁性体(フェライトなど)とから構成され、集中定数回路を構成する一つの回路素子と等価である。さらに、補助回路160と組み合わさることで、キッカー電磁石150を駆動する駆動系との間でインピーダンス整合がとれた回路を構成する。
なお、キッカー電磁石150と補助回路160とは、別々に設置することができる。これによって、設置スペースが制限される円形加速器100のリングの直線部を有効に活用することができる。ここでは、一例として、キッカー電磁石150は、0.2〜0.5m程度の長さの直線部に設置されているとする。
図5は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150を備える高速励磁装置の概要を示す図である。図5に示されるように、ここでは、一例として、高速励磁装置140は、キッカー電磁石150、補助回路160を備える。また、従来の高速励磁装置14のように(例えば、図2参照。)、パルス電源、同軸ケーブルなどを備える。パルス電源21は、直流充電電源、PFN(Pulse Formulating Network)、サイラトロンなどを備える。キッカー電磁石150を励磁するにあたり、直流充電電源でPFNを予め充電した後に、サイラトロンを点呼し、高電圧を出力する。これによって、キッカー電磁石150は、伝送線の一種である同軸ケーブル22を介して、パルス波形の高電圧(以下、パルス電圧と呼称する。)がパルス電源から印加され、パルス電流が流れて駆動される。このようにして、高速励磁装置140は、円形加速器100のリングの直線部に設置されたキッカー電磁石150を高速で励磁する。
図6は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150の概要を示す斜視図である。図7は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150を入射口155側から見た側面図と、射出口156側から見た側面図と、A−A線で切断して矢視方向に見た断面図とから構成される図である。図6,図7に示されるように、キッカー電磁石150は、ビームバンチ12の進行方向に対して貫通された空間が磁性体151に形成されている。また、パルス波形の電流(以下、パルス電流と呼称する。)が流れる導体152,153が磁性体151の内側に取り付けられている。ここで、導体152,153は、射出口156側で短絡されている。さらに、貫通された空間にセラミック製のダクト154が挿入されて円形加速器100のリングの直線部に設置される。
そして、あらかじめ真空にされているダクト154の内部をビームバンチ12が通過し、入射口155側からビームバンチ12が入射する時機を見計らってパルス電流が供給されたとする。この場合において、キッカー電磁石150は、ビームバンチ12の進行方向に対して垂直方向に強磁場を発生させ、ビームバンチ12を偏向させて、射出口156から射出する。
なお、導体153から導体152の向きに流れるパルス電流が供給されると、キッカー電磁石150は、ビームバンチ12の進行方向に対して垂直方向(上向き)に強磁場を発生させる。逆向きのパルス電流が供給されると、逆向きの強磁場を発生させ、逆向きに偏向する。
図8A、図8Bは、本実施の形態におけるキッカー電磁石150と補助回路160とからなる回路の概要を示す図である。図8Aに示されるように、キッカー電磁石150は、補助回路160と組み合わさることで、4端子回路170と終端抵抗23とからなる集中定数回路を構成する。
4端子回路170は、回路素子Z1,Z2,Z3,Z4から構成されるブリッジT型の4端子回路である。入力端子171が同軸ケーブル22を介してパルス電源21の出力端子に接続されている。出力端子173が終端抵抗23の一端に接続されている。入力端子172が接地されている。出力端子174が終端抵抗23の他端に接続されている。
また、4端子回路170は、回路素子Z1の一端が入力端子171に接続され、回路素子Z1の他端が出力端子に接続されている。回路素子Z2の一端が入力端子171に接続され、回路素子Z2の他端が回路素子Z3の一端に接続されている。回路素子Z3の一端が回路素子Z2の他端に接続され、回路素子Z3の他端が出力端子173に接続されている。回路素子Z4の一端が回路素子Z2の他端と回路素子Z3の一端とに接続され、回路素子Z4の他端が入力端子172と出力端子174とに接続されている。
ここで、終端抵抗23の抵抗値をRとし、回路素子Z1のインピーダンスをZとし、回路素子Z2,Z3のインピーダンスをZpとし、回路素子Z4のインピーダンスをZsとする。この場合において、4端子回路170の入力インピーダンスZinは、下記の式(1)で示される。
Figure 2008072394
ここで、下記の式(2)で示される条件(以下、完全整合条件と呼称する。)を満たすとき、入力インピーダンスZinがRになる。
Figure 2008072394
なお、完全整合条件を満たすZsとZpとの解は複数存在する。ここでは、一例として、下記の式(3)で示されるように、ZsとZpとの解を回路素子Z1のインピーダンスZを使用して定義する。
Figure 2008072394
ここで、図8Bに示されるように、回路素子Z1をキッカー電磁石150とする。また、回路素子Z2,Z3をコンデンサ161,162とする。回路素子Z4をコイル163とする。この場合において、キッカー電磁石150のインダクタンスをLとする。また、上記の式(3)から、コンデンサ161,162の静電容量をL/(2R2)とし、コイル163のインダクタンスをL/4とする。さらに、同軸ケーブル22の特性インピーダンスをZ0=Rとすれば、4端子回路170の入力インピーダンスZinは、周波数によらず、Rで一定の値とすることができる。これによって、4端子回路170の入力インピーダンスZinと、同軸ケーブル22の特性インピーダンスZ0との整合を実現することができる。
このとき、4端子回路170は、パルス電圧V0に対するパルス電流Imの周波数応答特性が低域通過網型の周波数特性になる。その遮断角周波数はωc=2R/Lである。また、キッカー電磁石150に流れるパルス電流はIm=V0/Rである。
なお、キッカー電磁石150に印加されるパルス電圧V0(V0<40kV程度である。)が立ち上がるまでにパルス電源21のサイラトロンのスイッチングに要するスイッチング遅延時間ts(ts〜25nsec程度である。)だけ要する。さらに、キッカー電磁石150にパルス電流Imが伝達されるまでに電流伝達時間tm=L/Rだけ要する。これから、最終的に、キッカー電磁石150に磁場が立ち上がるまでの立ち上がり時間はt=ts+tmになる。
ここで、一例として、パルス電流をIm=6kA、立ち上がり時間50nsec、パルス出力電圧V0=30kVとする。この場合において、終端抵抗23の抵抗値はR<V0/Im〜5Ω程度になり、キッカー電磁石150のインダクタンスはL<R(t−ts)〜0.125μH程度になる。
図9は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150と従来の形態におけるキッカー電磁石15とのパルス応答の比較を示す図である。図9に示されるように、ここでは、一例として、キッカー電磁石150のインダクタンスを0.125μHとし、コンデンサ161,162の静電容量を2.5nFとし、コイル163のインダクタンスを31.25nHとする。この場合において、パルス電源21からスイッチング遅延時間25nsecで30kVのパルス電圧V0が印加されると、立ち上がり時間50nsecで6kAのパルス電流がキッカー電磁石150に流れる(グラフ180)。これに対して、キッカー電磁石15では、5つに分割された磁性体コアに順次パルス電流が流れ、50nsecで立ち上がることが示されている(グラフ18)。
すなわち、立ち上がり時間に関しては、両者に顕著な差がみられない。これにより、複雑な構造のキッカー電磁石15の代わりに、単純な構造のキッカー電磁石150によっても、同等の立ち上がり時間を実現することができる。
図10は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150と従来の形態におけるキッカー電磁石15との入力インピーダンスの比較を示す図である。図10に示されるように、従来の形態におけるキッカー電磁石15では、遮断周波数より高い帯域においては、入力インピーダンスが周波数に依存し、整合をとることができない(グラフ19)。しかし、本実施の形態におけるキッカー電磁石150では、補助回路160と組み合わさることによって、全周波数帯域に亘ってインピーダンスが5Ωで一定となる(グラフ190)。このため、反射による破壊故障が起き難くなり、長期間安定して運転することが容易になる。その結果として、放射線被爆のある保守作業を軽減することできる。
以上、本実施の形態における高速励磁装置140によれば、キッカー電磁石150が集中定数回路を構成する一つの回路素子として設計されているにもかかわらず、キッカー電磁石150と補助回路160とが組み合わさることで、原理的に全周波数帯域に亘って入力インピーダンスを一定にすることができる。このため、4端子回路170と同軸ケーブル22との間で完全な整合をとることができ、一切反射が起こらないようにすることができる。反射による破壊故障が極力さけられ、長期間に亘って安定した運転を実現することが期待でき、放射線被爆を含む保守作業を軽減することができる。
さらに、キッカー電磁石150と補助回路160とは、別々に実装することができる。これにより、補助回路160の回路素子として安価でサイズが大きい部品を利用することができ、耐電圧条件の緩和等、回路素子の製作や選別が容易になる。
さらに、キッカー電磁石150は、キッカー電磁石15と比べれば、構造が単純であり、部品点数が大幅に少なくて済み、キッカー電磁石150自体の設計が飛躍的に容易になる。
さらに、キッカー電磁石150は、従来の形態におけるキッカー電磁石15で必要不可欠であった真空容器を必要としない。これにより、設置スペースが制限されている円形加速器100のリングの直線部を有効に活用することができる。また、真空容器に取り付けられている端子のように、非常に高い精度を要求する部品を使用する必要がない。しかも、真空特性を劣化させる磁性体コアを大気中に設置することができるので、荷電粒子ビームが周回する円形加速器のリング内を高真空状態に維持することができ、荷電粒子ビームの不必要な損失を避けることができる。
本発明は、電磁石を瞬時的に励磁することで発生させた磁場を荷電粒子ビームに作用させ、荷電粒子ビームを円形加速器に入射させる、または荷電粒子ビームを円形加速器から射出させる高速励磁装置などとして、利用することができる。
本発明は、電磁石を瞬時的に励磁することで発生させた磁場を荷電粒子ビームに作用させ、荷電粒子ビームを円形加速器に入射させる、または荷電粒子ビームを円形加速器から射出させる高速励磁装置及びそれを供える円形加速器に関する。
従来、シンクロトロンなどの円形加速器で使用されるキッカー電磁石は、分布定数回路を構成する複数の回路素子として設計されている(例えば、非特許文献1参照。)。ここで、キッカー電磁石とは、円形加速器のリングに荷電粒子ビームを入射させる、または円形加速器のリングから荷電粒子ビームを射出させるときに使用される電磁石である。
図1は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。図1に示されるように、シンクロトロンなどの円形加速器10では、リング状に設置された複数の偏向電磁石11によって荷電粒子ビーム12を偏向させる磁場を発生させる。また、リングの一部に設置された高周波加速装置13によって円周方向に高周波加速電場を発生させる。これに伴い、荷電粒子ビーム12は、周回軌道をとりながら周回を重ねるうちに加速される。このとき、高周波加速電場は、復元力としても作用する。このため、荷電粒子ビーム12は、バンチと呼ばれる塊を形成しながら円形加速器10のリング内を局在化して周回する。そして、十分に加速された後に、リング内を局在化して周回している荷電粒子ビーム、すなわち、バンチ化した荷電粒子ビーム(以下、ビームバンチと呼称する。)は、速いビーム取り出し法などによってリングから射出される。
速いビーム取り出し法では、ビームバンチ12をリングから射出させるにあたり、射出用のキッカー電磁石15を高速で励磁する。このとき、射出用のキッカー電磁石15は、50〜200nsec程度で立ち上がり、20〜50mT程度の磁場を発生させる。これは、円形加速器10で加速されて高エネルギー状態になったビームバンチ12を偏向させるにあたり、射出用のキッカー電磁石15として、応答特性が高速であり、十分な強度の磁場を発生させる必要があるためである。
図2は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える高速励磁装置の概要を示す図である。図2に示されるように、高速励磁装置14は、円形加速器10のリングの直線部に設置された射出用のキッカー電磁石15を高速で励磁する。ここでは、一例として、パルス電源21、同軸ケーブル22、射出用のキッカー電磁石15(以下、キッカー電磁石15と略称する。)、終端抵抗23などを備える。同軸ケーブル22を介してパルス電源21の出力端子とキッカー電磁石15の入力端子とが接続されている。キッカー電磁石15の出力端子に終端抵抗23の一端が接続されている。終端抵抗23の他端が接地されている。
また、パルス電源21は、直流充電電源、PFN(Pulse Forming Network)、サイラトロンなどを備える。キッカー電磁石15を励磁するにあたり、直流充電電源でPFNを予め充電した後に、サイラトロンを点呼し、高電圧を出力する。これに伴い、キッカー電磁石15は、伝送線の一種である同軸ケーブル22を介して、パルス波形の高電圧(以下、パルス電圧と呼称する。)がパルス電源21から印加される。これによって、波形33に示されるように、パルス波形の電流(以下、パルス電流と呼称する。)が流れて駆動される。
このとき、高速励磁装置14は、所定のビームバンチがキッカー電磁石15を通過した直後に、キッカー電磁石15の励磁を開始し、次のビームバンチがキッカー電磁石15に到達する前に、キッカー電磁石15の励磁を完了し、所定の磁場を発生させる必要がある。すなわち、キッカー電磁石15に磁場が立ち上がるまでに要する時間tは、ビームバンチ間の時間差よりも、さらに短くなるように設計されている必要がある。
また、一般に、円形加速器10のリング一周あたりに存在するビームバンチの個数やビームバンチ間の時間差は、円形加速器10の設計や運転パラメーターで定まる。典型的には、ビームパンチの個数が1から数千個程度であり、ビームバンチ間の時間差が数十から数百nsecである。このため、波形32に示されるように、キッカー電磁石15の励磁立ち上がり時間として、数十から数百nsec程度の応答特性が要求される。ここで、波形31は、横軸を時間とし、縦軸をキッカー電磁石15が設置されている場所で観測されたビームバンチの強度としている。また、波形32は、横軸を時間とし、縦軸をキッカー電磁石15の磁場強度としている。
これにより、高速励磁装置14は、高速の応答特性が要求されるので、キッカー電磁石15に流れる電流の反射が起こらないようにしておく必要がある。そのために、キッカー電磁石15の入力インピーダンスと、同軸ケーブル22の特性インピーダンスとが等しくなるように整合をとる必要がある。ただし、通常、同軸ケーブル22の特性インピーダンスは、純抵抗として扱われ、周波数と独立している。これに対して、コイルのように集中定数回路を構成する一つの回路素子としてキッカー電磁石15が設計されているとする。この場合において、キッカー電磁石15の入力インピーダンスは、周波数の関数となり、同軸ケーブル22の特性インピーダンスと整合がとれなくなる。そこで、キッカー電磁石15は、分布定数回路を構成する複数の回路素子として設計されている。
図3は、従来の形態におけるキッカー電磁石の概要を示す図である。図3に示されるように、ここでは、一例として、キッカー電磁石15は、磁性体コア15dと、磁性体コア15dを挟み込む電極板15a,15b,15cとから構成されるユニットを複数有し、分布定数回路を構成する回路素子16a,16b,16dとして設計されている。これによって、所定の遮断周波数以下の帯域に限って周波数によらず、キッカー電磁石15の入力インピーダンスが一定になる。そして、キッカー電磁石15に流れる電流の高調波成分の内、主成分に対して整合をとることができる。
KEK-76-21, K. Takata., S. Tazawa and Y. Kimura., "FULL APERTURE KICKER MAGNETS FOR KEK PROTON SYNCHROTRON."(1977).
しかしながら、キッカー電磁石15に流れるパルス電流(波形33)には、振幅が小さいものの、遮断周波数よりも周波数が高い高周波成分が含まれるので、高速励磁装置14は、そのような高周波成分については、整合をとることができない。結果、パルス電流に含まれる高周波成分の反射が起こり、それによって絶縁破壊が引き起こされる。
例えば、円形加速器10に設置された複数のキッカー電磁石15に接続された56本の同軸ケーブル(65kV耐電圧)のうち13本(23%)を1年間で交換したという事例がある。このように、キッカー電磁石15を使用するにあたり、長期間安定して運転することが困難という問題がある。また、放射線被爆のある保守作業が必要になるという問題もある。
さらに、キッカー電磁石15は、電極板15a,15b,15cで磁性体コア15dを挟み込んでいるので、高電圧が印加されることで電極板間に放電が起こることがある。これを回避するために、キッカー電磁石15の全体を真空容器の中に収める必要がある。
また、キッカー電磁石15が設置される円形加速器10のリングの直線部は、長さが制限されている。このため、キッカー電磁石15が真空容器の中に収められることで、キッカー電磁石15の大きさの制限がさらに厳しくなるという問題もある。
また、円形加速器10のリングの真空部分に、こうした真空特性の悪い磁性体を挿入するので、磁性体から生じるガスによって、真空状態が悪化し、ビーム損失を引き起こすという問題もある。
また、キッカー電磁石15が真空容器の中に収められるので、キッカー電磁石15に電流を導入するために、パルス電流導入端子が真空容器に取り付けられる。このパルス電流導入端子は、インピーダンスの整合がとられ、かつ耐圧が要求されるので、非常に高い精度で加工される必要があり、非常に高価である。このように、インピーダンス整合、高耐圧、真空の条件などにより、フェライト、接着剤、パルス電流導入端子、コンデンサなど、構成要素の製作及び選択が困難という問題もある。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、全周波数帯域に亘って無反射であって構造が簡単で保守が容易である高速励磁装置及びそれを備える円形加速器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係わる高速励磁装置は、(a)伝送線を介して接続されているパルス電源から高電圧が印加されることで高速に励磁させて荷電粒子ビームを偏向させる高速励磁装置であって、(a1)集中定数回路の回路素子と等価な電磁石であり、荷電粒子ビームの進行方向に対して貫通された空間が形成され、前記高電圧が印加されることで前記空間に磁場を瞬時に発生させ、前記空間を通過する荷電粒子ビームを偏向させる電磁石と、(a2)前記電磁石と組み合わさって整合回路を構成し、前記整合回路の入力インピーダンスと、前記整合回路の入力端子に接続される前記伝送線の特性インピーダンスとを整合する補助回路とを備え、前記電磁石と前記補助回路とが組み合わさって構成される整合回路は、前記伝送線に接続されるブリッジT型4端子回路を含み、前記ブリッジT型4端子回路におけるブリッジは、前記電磁石を構成するコイルである。
これによって、電磁石と補助回路とが組み合わさることで構成される整合回路(集中定数回路)と伝送線との間でインピーダンスを整合することができる。これにより、一切反射が起こらないようにすることができる。反射による破壊故障が極力さけられ、長期間に亘って安定した運転を実現することが期待でき、放射線被爆を含む保守作業を軽減することができる。
なお、本発明は高速励磁装置として実現できるだけでなく、荷電粒子ビームを加速する円形加速器であって、リング状に設置された複数の偏向電磁石と、前記荷電粒子ビームの走行途上に設置された上記高速励磁装置とを備える円形加速器として実現することもできる。
本発明に係る高速励磁装置及び円形加速器によれば、高速励磁装置において、電磁石が集中定数回路を構成する一つの回路素子として設計されているにもかかわらず、電磁石と補助回路とが組み合わさることで、原理的に全周波数帯域に亘って入力インピーダンスを一定にすることができる。このため、電磁石と補助回路とが組み合わさることで構成される整合回路(集中定数回路)と伝送線との間で完全な整合をとることができ、一切反射が起こらないようにすることができる。反射による破壊故障が極力さけられ、長期間に亘って安定した運転を実現することが期待でき、放射線被爆を含む保守作業を軽減することができる。
さらに、本発明における電磁石と補助回路とは、別々に実装することができる。これにより、補助回路の回路素子として安価でサイズが大きい部品を利用することができ、耐電圧条件の緩和等、回路素子の製作や選別が容易になる。
さらに、本発明における電磁石は、従来の形態における電磁石と比べれば、構造が単純であり、部品点数が大幅に少なくて済み、設計が飛躍的に容易になる。
さらに、本発明における電磁石は、磁性体コアを電極板で挟み込む必要がなく、電極板間の放電を考慮して電磁石を真空容器に収める必要がないので、従来の形態における電磁石で必要不可欠であった真空容器を必要としない。これにより、設置スペースが制限されている円形加速器のリングの直線部を有効に活用することができる。また、真空容器に取り付けられている端子のように、非常に高い精度を要求する部品を使用する必要がない。しかも、真空特性を劣化させる磁性体コアを大気中に設置することができるので、荷電粒子ビームが周回する円形加速器のリング内を高真空状態に維持することができ、荷電粒子ビームの不必要な損失を避けることができる。
図1は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。 図2は、従来の形態におけるキッカー電磁石を備える高速励磁装置の概要を示す図である。 図3は、従来の形態におけるキッカー電磁石の概要を示す図である。 図4は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。 図5は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石を備える高速励磁装置の概要を示す図である。 図6は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石の概要を示す斜視図である。 図7は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石を入射口側から見た側面図と、射出口側から見た側面図と、A−A線で切断して矢視方向に見た断面図とから構成される図である。 図8Aは、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と補助回路とからなる回路の概要を示す第1の図である。 図8Bは、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と補助回路とからなる回路の概要を示す第2の図である。 図9は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と従来の形態におけるキッカー電磁石とのパルス応答の比較を示す図である。 図10は、本発明に係わる実施の形態におけるキッカー電磁石と従来の形態におけるキッカー電磁石との入力インピーダンスの比較を示す図である。
(実施の形態)
以下、本発明に係わる実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
本実施の形態における高速励磁装置は、下記(a)〜(c)に示される特徴を備える。
(a)伝送線を介して接続されているパルス電源から高電圧が印加されることで高速に励磁させて荷電粒子ビームを偏向させる高速励磁装置であって、(a1)集中定数回路の回路素子と等価であり、荷電粒子ビームの進行方向に対して貫通された空間が形成され、高電圧が印加されることで空間に磁場を瞬時に発生させ、空間を通過する荷電粒子ビームを偏向させる電磁石と、(a2)電磁石と組み合わさって整合回路を構成し、整合回路の入力インピーダンスと、整合回路の入力端子に接続される伝送線の特性インピーダンスとを整合する補助回路とを備える。
(b)(b1)電磁石は、コイルと磁性体のコアとから構成され、コイルの一端に伝送線を介してパルス電源が接続され、(b2)補助回路は、(b2−1)コイルの一端に一端が接続されている第1の回路素子と、(b2−2)コイルの他端に一端が接続されている第2の回路素子と、(b2−3)第1の回路素子の他端と第2の回路素子の他端とに一端が接続されている第3の回路素子と、(b2−4)コイルの他端に一端が接続され、第3の回路素子の他端に他端が接続されている終端抵抗とを備える。
(c)終端抵抗の抵抗値をRとし、電磁石のインピーダンスをZとした場合において、(c1)第1の回路素子のインピーダンスが2R2/Zであり、(c2)第2の回路素子のインピーダンスが2R2/Zであり、(c3)第3の回路素子のインピーダンスがZ/4である。
以上の点を踏まえて、本実施の形態における高速励磁装置について説明する。
図4は、本実施の形態におけるキッカー電磁石を備える円形加速器の概要を示す図である。図4に示されるように、円形加速器100は、複数の偏向電磁石11がリング状に設置されている。また、これら偏向電磁石11の間のうち、すなわち、円形加速器100のリングの直線部のうち、荷電粒子ビーム12の入射箇所に、入射用のキッカー電磁石150が設置され、荷電粒子ビーム12の射出箇所に、射出用のキッカー電磁石150が設置されている。
そして、入射用のキッカー電磁石150によって所定時間分の荷電粒子ビーム12(以下、ビームバンチ12と呼称する。)が円形加速器100のリングに入射する。入射したビームバンチ12は、複数の偏向電磁石11によって偏向されて周回軌道をとりながら周回を重ねる。そして、周回を重ねるうちに加速され、十二分に加速された後に、射出用のキッカー電磁石150によって取り出される。
ここで、入射箇所と射出個所とに設置されるキッカー電磁石150は、キッカー電磁石15と比べれば、構造が単純であり、コイルと磁性体(フェライトなど)とから構成され、集中定数回路を構成する一つの回路素子と等価である。さらに、補助回路160と組み合わさることで、キッカー電磁石150を駆動する駆動系との間でインピーダンス整合がとれた回路を構成する。
なお、キッカー電磁石150と補助回路160とは、別々に設置することができる。これによって、設置スペースが制限される円形加速器100のリングの直線部を有効に活用することができる。ここでは、一例として、キッカー電磁石150は、0.2〜0.5m程度の長さの直線部に設置されているとする。
図5は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150を備える高速励磁装置の概要を示す図である。図5に示されるように、ここでは、一例として、高速励磁装置140は、キッカー電磁石150、補助回路160を備える。また、従来の高速励磁装置14のように(例えば、図2参照。)、パルス電源、同軸ケーブルなどを備える。パルス電源21は、直流充電電源、PFN(Pulse Formulating Network)、サイラトロンなどを備える。キッカー電磁石150を励磁するにあたり、直流充電電源でPFNを予め充電した後に、サイラトロンを点呼し、高電圧を出力する。これによって、キッカー電磁石150は、伝送線の一種である同軸ケーブル22を介して、パルス波形の高電圧(以下、パルス電圧と呼称する。)がパルス電源から印加され、パルス電流が流れて駆動される。このようにして、高速励磁装置140は、円形加速器100のリングの直線部に設置されたキッカー電磁石150を高速で励磁する。
図6は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150の概要を示す斜視図である。図7は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150を入射口155側から見た側面図と、射出口156側から見た側面図と、A−A線で切断して矢視方向に見た断面図とから構成される図である。図6,図7に示されるように、キッカー電磁石150は、ビームバンチ12の進行方向に対して貫通された空間が磁性体151に形成されている。また、パルス波形の電流(以下、パルス電流と呼称する。)が流れる導体152,153が磁性体151の内側に取り付けられている。ここで、導体152,153は、射出口156側で短絡されている。さらに、貫通された空間にセラミック製のダクト154が挿入されて円形加速器100のリングの直線部に設置される。
そして、あらかじめ真空にされているダクト154の内部をビームバンチ12が通過し、入射口155側からビームバンチ12が入射する時機を見計らってパルス電流が供給されたとする。この場合において、キッカー電磁石150は、ビームバンチ12の進行方向に対して垂直方向に強磁場を発生させ、ビームバンチ12を偏向させて、射出口156から射出する。
なお、導体153から導体152の向きに流れるパルス電流が供給されると、キッカー電磁石150は、ビームバンチ12の進行方向に対して垂直方向(上向き)に強磁場を発生させる。逆向きのパルス電流が供給されると、逆向きの強磁場を発生させ、逆向きに偏向する。
図8A、図8Bは、本実施の形態におけるキッカー電磁石150と補助回路160とからなる回路の概要を示す図である。図8Aに示されるように、キッカー電磁石150は、補助回路160と組み合わさることで、4端子回路170と終端抵抗23とからなる集中定数回路を構成する。
4端子回路170は、回路素子Z1,Z2,Z3,Z4から構成されるブリッジT型の4端子回路である。入力端子171が同軸ケーブル22を介してパルス電源21の出力端子に接続されている。出力端子173が終端抵抗23の一端に接続されている。入力端子172が接地されている。出力端子174が終端抵抗23の他端に接続されている。
また、4端子回路170は、回路素子Z1の一端が入力端子171に接続され、回路素子Z1の他端が出力端子に接続されている。回路素子Z2の一端が入力端子171に接続され、回路素子Z2の他端が回路素子Z3の一端に接続されている。回路素子Z3の一端が回路素子Z2の他端に接続され、回路素子Z3の他端が出力端子173に接続されている。回路素子Z4の一端が回路素子Z2の他端と回路素子Z3の一端とに接続され、回路素子Z4の他端が入力端子172と出力端子174とに接続されている。
ここで、終端抵抗23の抵抗値をRとし、回路素子Z1のインピーダンスをZとし、回路素子Z2,Z3のインピーダンスをZpとし、回路素子Z4のインピーダンスをZsとする。この場合において、4端子回路170の入力インピーダンスZinは、下記の式(1)で示される。
Figure 2008072394
ここで、下記の式(2)で示される条件(以下、完全整合条件と呼称する。)を満たすとき、入力インピーダンスZinがRになる。
Figure 2008072394
なお、完全整合条件を満たすZsとZpとの解は複数存在する。ここでは、一例として、下記の式(3)で示されるように、ZsとZpとの解を回路素子Z1のインピーダンスZを使用して定義する。
Figure 2008072394
ここで、図8Bに示されるように、回路素子Z1をキッカー電磁石150とする。また、回路素子Z2,Z3をコンデンサ161,162とする。回路素子Z4をコイル163とする。この場合において、キッカー電磁石150のインダクタンスをLとする。また、上記の式(3)から、コンデンサ161,162の静電容量をL/(2R2)とし、コイル163のインダクタンスをL/4とする。さらに、同軸ケーブル22の特性インピーダンスをZ0=Rとすれば、4端子回路170の入力インピーダンスZinは、周波数によらず、Rで一定の値とすることができる。これによって、4端子回路170の入力インピーダンスZinと、同軸ケーブル22の特性インピーダンスZ0との整合を実現することができる。
このとき、4端子回路170は、パルス電圧V0に対するパルス電流Imの周波数応答特性が低域通過網型の周波数特性になる。その遮断角周波数はωc=2R/Lである。また、キッカー電磁石150に流れるパルス電流はIm=V0/Rである。
なお、キッカー電磁石150に印加されるパルス電圧V0(V0<40kV程度である。)が立ち上がるまでにパルス電源21のサイラトロンのスイッチングに要するスイッチング遅延時間ts(ts〜25nsec程度である。)だけ要する。さらに、キッカー電磁石150にパルス電流Imが伝達されるまでに電流伝達時間tm=L/Rだけ要する。これから、最終的に、キッカー電磁石150に磁場が立ち上がるまでの立ち上がり時間はt=ts+tmになる。
ここで、一例として、パルス電流をIm=6kA、立ち上がり時間50nsec、パルス出力電圧V0=30kVとする。この場合において、終端抵抗23の抵抗値はR<V0/Im〜5Ω程度になり、キッカー電磁石150のインダクタンスはL<R(t−ts)〜0.125μH程度になる。
図9は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150と従来の形態におけるキッカー電磁石15とのパルス応答の比較を示す図である。図9に示されるように、ここでは、一例として、キッカー電磁石150のインダクタンスを0.125μHとし、コンデンサ161,162の静電容量を2.5nFとし、コイル163のインダクタンスを31.25nHとする。この場合において、パルス電源21からスイッチング遅延時間25nsecで30kVのパルス電圧V0が印加されると、立ち上がり時間50nsecで6kAのパルス電流がキッカー電磁石150に流れる(グラフ180)。これに対して、キッカー電磁石15では、5つに分割された磁性体コアに順次パルス電流が流れ、50nsecで立ち上がることが示されている(グラフ18)。
すなわち、立ち上がり時間に関しては、両者に顕著な差がみられない。これにより、複雑な構造のキッカー電磁石15の代わりに、単純な構造のキッカー電磁石150によっても、同等の立ち上がり時間を実現することができる。
図10は、本実施の形態におけるキッカー電磁石150と従来の形態におけるキッカー電磁石15との入力インピーダンスの比較を示す図である。図10に示されるように、従来の形態におけるキッカー電磁石15では、遮断周波数より高い帯域においては、入力インピーダンスが周波数に依存し、整合をとることができない(グラフ19)。しかし、本実施の形態におけるキッカー電磁石150では、補助回路160と組み合わさることによって、全周波数帯域に亘ってインピーダンスが5Ωで一定となる(グラフ190)。このため、反射による破壊故障が起き難くなり、長期間安定して運転することが容易になる。その結果として、放射線被爆のある保守作業を軽減することができる。
以上、本実施の形態における高速励磁装置140によれば、キッカー電磁石150が集中定数回路を構成する一つの回路素子として設計されているにもかかわらず、キッカー電磁石150と補助回路160とが組み合わさることで、原理的に全周波数帯域に亘って入力インピーダンスを一定にすることができる。このため、4端子回路170と同軸ケーブル22との間で完全な整合をとることができ、一切反射が起こらないようにすることができる。反射による破壊故障が極力さけられ、長期間に亘って安定した運転を実現することが期待でき、放射線被爆を含む保守作業を軽減することができる。
さらに、キッカー電磁石150と補助回路160とは、別々に実装することができる。これにより、補助回路160の回路素子として安価でサイズが大きい部品を利用することができ、耐電圧条件の緩和等、回路素子の製作や選別が容易になる。
さらに、キッカー電磁石150は、キッカー電磁石15と比べれば、構造が単純であり、部品点数が大幅に少なくて済み、キッカー電磁石150自体の設計が飛躍的に容易になる。
さらに、キッカー電磁石150は、従来の形態におけるキッカー電磁石15で必要不可欠であった真空容器を必要としない。これにより、設置スペースが制限されている円形加速器100のリングの直線部を有効に活用することができる。また、真空容器に取り付けられている端子のように、非常に高い精度を要求する部品を使用する必要がない。しかも、真空特性を劣化させる磁性体コアを大気中に設置することができるので、荷電粒子ビームが周回する円形加速器のリング内を高真空状態に維持することができ、荷電粒子ビームの不必要な損失を避けることができる。
本発明は、電磁石を瞬時的に励磁することで発生させた磁場を荷電粒子ビームに作用させ、荷電粒子ビームを円形加速器に入射させる、または荷電粒子ビームを円形加速器から射出させる高速励磁装置及びそれを備える円形加速器などとして、利用することができる。
10 円形加速器
11 偏向電磁石
12 荷電粒子ビーム(ビームバンチ)
13 高周波加速装置
14 高速励磁装置
15 キッカー電磁石
17 励磁回路
21 パルス電源
22 同軸ケーブル
23 終端抵抗
15a,15b,15c 電極板
15d 磁性体コア
16a,16b 回路素子(コンデンサ)
16d 回路素子(インダクタ)
100 加速器
140 高速励磁装置
150 キッカー電磁石(回路素子Z1)
151 磁性体
152,153 導体
154 ダクト
155 入射口
156 射出口
160 補助回路
161 コンデンサ(回路素子Z2)
162 コンデンサ(回路素子Z3)
163 コイル(回路素子Z4)
170 4端子回路
171,172 入力端子
173,174 出力端子

Claims (3)

  1. 伝送線を介して接続されているパルス電源から高電圧が印加されることで高速に励磁させて荷電粒子ビームを偏向させる高速励磁装置であって、
    集中定数回路の回路素子と等価であり、荷電粒子ビームの進行方向に対して貫通された空間が形成され、前記高電圧が印加されることで前記空間に磁場を瞬時に発生させ、前記空間を通過する荷電粒子ビームを偏向させる電磁石と、
    前記電磁石と組み合わさって整合回路を構成し、前記整合回路の入力インピーダンスと、前記整合回路の入力端子に接続される前記伝送線の特性インピーダンスとを整合する補助回路と
    を備えることを特徴とする高速励磁装置。
  2. 前記電磁石は、コイルと磁性体のコアとから構成され、前記コイルの一端に前記伝送線を介して前記パルス電源が接続され、
    前記補助回路は、
    前記コイルの一端に一端が接続されている第1の回路素子と、
    前記コイルの他端に一端が接続されている第2の回路素子と、
    前記第1の回路素子の他端と前記第2の回路素子の他端とに一端が接続されている第3の回路素子と、
    前記コイルの他端に一端が接続され、前記第3の回路素子の他端に他端が接続されている終端抵抗と
    を備えることを特徴とする請求項1に記載の高速励磁装置。
  3. 前記終端抵抗の抵抗値をRとし、前記電磁石のインピーダンスをZとした場合において、
    前記第1の回路素子のインピーダンスが2R2/Zであり、
    前記第2の回路素子のインピーダンスが2R2/Zであり、
    前記第3の回路素子のインピーダンスがZ/4である
    ことを特徴とする請求項2に記載の高速励磁装置。
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