JP2000331829A - 集中定数型キッカー電磁石 - Google Patents

集中定数型キッカー電磁石

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JP2000331829A
JP2000331829A JP11138363A JP13836399A JP2000331829A JP 2000331829 A JP2000331829 A JP 2000331829A JP 11138363 A JP11138363 A JP 11138363A JP 13836399 A JP13836399 A JP 13836399A JP 2000331829 A JP2000331829 A JP 2000331829A
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JP
Japan
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core
outer frame
coils
kicker electromagnet
electric field
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JP11138363A
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Yasushi Sasaki
泰 佐々木
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Sumitomo Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Sumitomo Heavy Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 キッカー電磁石とビームダクトや隣接する機
器との放電が起こらないようにして、信頼性を向上す
る。 【解決手段】 コア20と外枠22の間に空間26を設
けて、コイル12、14と外枠22の間にできる電場勾
配が小さくなるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、シンクロトロン等
の粒子加速器の周回軌道から荷電粒子を取り出すための
集中定数型キッカー電磁石に係り、特に、シンクロトロ
ンの取出し用ファーストキッカー電磁石に用いるのに好
適な、ビームダクトや隣接する機器との放電が起こり難
く、信頼性が高い集中定数型キッカー電磁石に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シンクロトロン等の粒子加速器
においては、その周回軌道から、電子、陽子、イオン等
の各種荷電粒子ビームを取り出すために集中定数型キッ
カー電磁石が用いられている。このようなキッカー電磁
石、特に取出し用ファーストキッカー電磁石は、周回軌
道を周回している、小さくグループ化した荷電粒子群
(バンチと称する)が存在しないバンチ空白区間に磁場
を立ち上げる必要があるため、極めて速い磁場立上がり
時間が必要とされる。又、バンチが周回しているバンプ
軌道と出射軌道を十分に分離できるだけの磁場強度とポ
ール長さが必要とされる。
【0003】この集中定数型キッカー電磁石は、そのコ
イルが約30〜40kVの高電圧になるため、ビームダ
クトや、隣接する機器との放電が問題となる。
【0004】このため従来は、放電対策として、コイル
をエポキシ樹脂で囲ったり、あるいは、電場勾配が大き
い場合には、電磁石本体を真空中に入れたりしていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、キッカ
ー電磁石のコア(鉄芯)には、通常フェライトが使用さ
れており、特殊な表面処理をしない限りはアウトガスが
多いため、超高真空で使用する場合には、大容量の真空
ポンプが必要となるという問題点を有していた。
【0006】又、キッカー電磁石に隣接する機器が接近
している場合には、真空箱や真空ポンプの占めるスペー
スが必要であり、場所的な制約が生じていた。
【0007】本発明は、前記従来の問題点を解消するべ
くなされたもので、電場勾配を小さくして、放電の問題
が起こらないようにすることを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、周回軌道から
荷電粒子ビームを取り出すための、ビームダクトの外側
に配設されるコイルと、該コイルの外側に配設されるコ
アと、該コアを支持する外枠とを含む集中定数型キッカ
ー電磁石において、前記コアと外枠の間に空間を設け、
前記コイルと外枠の間にできる電場勾配が小さくなるよ
うにして、前記課題を解決したものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して、本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0010】本実施形態は、図1(全体構成の平面
図)、図2(図1のII−II線に沿う横断面図)、図3
(同じくIII−III線に沿う縦断面図)、図4(同じくIV
−IV線に沿うキッカー電磁石部分の横断面図)、図5
(同じくV−V線に沿うキッカー電磁石部分の横断面
図)に示す如く、ビームダクト6の外側に配設される一
対の銅板製コイル12(接地側:電位0V)、14(高
圧側:例えば電位30kV)と、該コイル12、14の
外側に配設されるコア(鉄心)20と、該コア20を支
持する外枠22(電位0V)とを含む集中定数型キッカ
ー電磁石10において、前記コア20をスペーサ24で
支持して、該コア20と外枠22の間に空間26を設
け、前記コイル12、14と外枠22の間にできる電場
勾配が小さくなるようにしたものである。
【0011】図において、30は、図6に示すようなキ
ッカーシステムの等価回路のキッカー電磁石電源40で
発生され、例えば100m程度の伝送ケーブル50を介
して導入される高電圧を、カレントトランスフォーマC
Tの上の端子16、18を介して前記コイル12、14
に供給するための、キッカー電磁石10の直前に取り付
けられた電流導入部であり、マッチング抵抗Rm、マッ
チングコンデンサCmからなる整合回路、及び、電流測
定用の前記カレントトランスフォーマCTを含んでい
る。17は、前記端子16、18の反対側でコイル1
2、14を接続する導体板(例えば電位15kV)であ
る。
【0012】前記キッカー電磁石電源40は、図6に示
される如く、例えば60kVの充電電源42と、充電ケ
ーブル44と、サイラトロン46とを主に含んでいる。
【0013】前記キッカー電磁石10は、図4によく示
される如く、ウィンドウフレーム型の断面形状を有し、
コア20としては、例えば広い周波数範囲にわたって透
磁率が一定なフェライトが使用される。
【0014】前記コイル12、14のギャップ内に、例
えばセラミック製のビームダクト6が入れられ、該セラ
ミックビームダクト6の内面には、磁場に影響を与えな
い範囲で、十分に薄いチタンコーティング8が施されて
いる。ビームダクト6のベイキングを考慮して、コア2
0は、図の左右方向に2分割可能とされている。ビーム
が通る時に発生する磁場を防ぐため、コア20の中央に
は、例えば厚さ1mmの銅板21が入れられている。
【0015】前記コア20の外側に置かれた外枠22
は、接地されアース電位となっている。従って、コイル
12、14と外枠22の間に電場勾配ができる。本実施
形態においては、コイル12、14は特に絶縁処理を施
すことなく、コア20と外枠22の間に空間26を設け
ることによって、コイル12、14と外枠22の間の電
場勾配を小さくするようにしている。なお、空間26の
大きさは、放電が起きない寸法とされている。
【0016】前記キッカー電磁石10は、図6に示す如
く、回路的にはインダクタンスと等価である。キッカー
電磁石10の磁場立ち上がり時間(0→100%)は8
0ns、キッカー電磁石電源40からの電流波形は、電
流立ち上がり時間80ns、フラットトップ時間800
ns、立ち下がり時間100nsである。充電電源42
の最大充電電圧は60kVであり、特性インピーダンス
は25Ωである。
【0017】この電流が、抵抗Rm、コンデンサCmで
構成されるマッチンク回路を通って、インダクタンスで
あるキッカー電磁石10を通る。回路の順番として、マ
ッチング回路の次にキッカー電磁石10が配置されてい
る。キッカー電磁石10には、電流波形の立ち上がり部
分と立ち下がりの部分のときだけに電圧がかかり、フラ
ットトップ部分は直流であるため、電圧はかからない。
【0018】このようにして、コア20と外枠22の間
に空間26を設けることによって、コイル12、14と
外枠22との間にできる電場勾配が小さくなり、放電の
問題が解決され、信頼性が増加する。従って、今まで真
空中に入れなければならなかったのが、大気中でも使用
できる。電磁石の磁場立ち上がり時間(0→100%)
は80nsで変化はない。
【0019】
【発明の効果】本発明によれば、コイルと外枠との間に
できる電場勾配が小さくなるので、放電の問題が解決さ
れ、信頼性が増加する。従って、大気中でも使用可能と
なり、真空ポンプや真空箱等に必要なスペースを節約す
ることができる。特に、真空中にアウトガスの多いフェ
ライトを入れたくないときに有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の全体構成を示す平面図
【図2】図1のII−II線に沿う横断面図
【図3】同じくIII−III線に沿う縦断面図
【図4】前記実施形態のキッカー電磁石部分を示す、図
1のIV−IV線に沿う横断面図
【図5】同じくV−V線に沿う横断面図
【図6】キッカーシステムの等価回路を示す回路図
【符号の説明】
6…ビームダクト 10…キッカー電磁石 12、14…コイル 16、18…端子 17…導体板 20…コア 22…外枠 24…スペーサ 26…空間 30…電流導入部 40…キッカー電磁石電源

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】周回軌道から荷電粒子ビームを取り出すた
    めの、ビームダクトの外側に配設されるコイルと、該コ
    イルの外側に配設されるコアと、該コアを支持する外枠
    とを含む集中定数型キッカー電磁石において、 前記コアと外枠の間に空間が設けられ、前記コイルと外
    枠の間にできる電場勾配が小さくなるようにされている
    ことを特徴とする集中定数型キッカー電磁石。
JP11138363A 1999-05-19 1999-05-19 集中定数型キッカー電磁石 Pending JP2000331829A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072394A1 (ja) * 2006-12-12 2008-06-19 Osaka University 高速励磁装置

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2008072394A1 (ja) * 2006-12-12 2008-06-19 Osaka University 高速励磁装置
JPWO2008072394A1 (ja) * 2006-12-12 2010-03-25 国立大学法人大阪大学 高速励磁装置及び円形加速器
JP4674367B2 (ja) * 2006-12-12 2011-04-20 国立大学法人大阪大学 高速励磁装置及び円形加速器
US8089222B2 (en) 2006-12-12 2012-01-03 Osaka University Fast electromagnet device

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20040203