JPWO2008062671A1 - 磁気記録再生装置及び磁気記録条件決定方法 - Google Patents

磁気記録再生装置及び磁気記録条件決定方法 Download PDF

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Abstract

磁気記録再生装置100は、磁気ヘッド1、磁気記録媒体2、スピンドル3及びスピンドルモータ4、サスペンションアーム5、ボイスコイルモータ6、および制御部7を含んでいる。制御部7は、モータドライバ8と、ヘッドアンプ9と、リードライトチャネル10と、レーザドライバ11と、コントローラ12とを有している。コントローラ12は、予備記録部13と、判定部14と、抽出部15と、駆動条件決定部16と、予備記録終了部17とを有している。そして、これら各部を用いて得た再生信号評価値、及び、予め定めておいた基準値に基づいて、磁気記録媒体2へ記録するのに適した駆動条件を決定する。

Description

本発明は、加熱手段により、磁気記録媒体の記録領域(recording area)を加熱し、記録ヘッドにより磁気記録媒体に対して磁気的に情報を記録し、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドによって磁気記録媒体に記録された情報を再生する、磁気記録再生装置及び当該装置における磁気記録条件決定方法に関するものである。
近年、光技術と磁気記録再生技術との融合による高密度記録を実現する技術である、熱アシスト磁気記録技術が研究されている。この技術は、加熱手段、記録ヘッド、再生ヘッド、及び、磁気記録媒体を有する磁気記録再生装置に利用されている。この磁気記録再生装置の動作を簡単に説明すると、以下の通りである。すなわち、記録時においては、磁気記録再生装置の磁気記録媒体におけるデータを記録すべき領域(記録領域)の保磁力を低下させるために、加熱手段を用いて(例えばレーザ光を照射して)当該記録領域を昇温した後、記録ヘッドにより当該記録領域に外部磁界を印加することによって、磁気記録媒体に磁気的に情報を記録する(熱アシスト磁気記録)。また、再生時においては、磁気記録媒体の再生したい領域(再生領域)を加熱手段を用いて(例えばレーザ光を照射して)加熱して、加熱された部分の温度を補償温度からずらし、飽和磁化を強めて再生ヘッドによって情報を読み出す。
ここで、熱アシスト磁気記録の原理を簡単に説明する。まず、図16のグラフに、上述の熱アシスト磁気記録再生装置に使用される磁気記録媒体を構成する記録層の保磁力Hcと磁化量Mと温度Tとの関係の一例を示す。図16のような特性を有する記録層は、室温付近(温度E〜温度G)できわめて高い保磁力Hcを示すので、通常の記録ヘッドが発生する磁界では、磁気的な記録が困難である。しかしながら、磁気的に非常に安定であるため、一旦記録が行われると弱い磁界によっては記録情報が消去されず、また、大きな磁化量を持つため、再生ヘッドによる出力も大きいという利点を持つ。ただし、磁気記録媒体の温度が上昇すると、磁気記録媒体の保磁力Hcは低下し、キュリー温度(Tc)でほぼ0となる。したがって、磁気記録媒体の温度をキュリー温度付近の温度(温度H)まで加熱することにより、通常の磁気記録再生装置で使用されているような磁界での記録が可能となる。なお、キュリー温度は、磁性層として使用する材料や組成によっても異なり、概ね100℃から250℃程度である。このように、通常の記録方式で用いる磁気記録媒体より高い保磁力を有する磁性層を備えた磁気記録媒体を用いて、熱アシスト磁気記録を行えば、記録情報の安定性を確保することができる。下記特許文献1に、このような熱アシスト磁気記録の技術が開示されている。
特開2003−85702号公報
上述のような熱アシスト磁気記録において、情報を記録する際の記録条件は、磁気記録媒体に与える磁界の強さ(磁界条件)と、加熱手段の駆動条件(加熱手段が磁気記録媒体に与える熱エネルギーである加熱パワーを決定する条件)とから構成されている。例えば、磁気記録媒体に強い磁界が与えられる場合には、より小さな加熱パワーでよく、逆に磁気記録媒体に弱い磁界が与えられる場合には、より大きな加熱パワーが必要になる。つまり、ある磁気特性を有する磁気記録媒体に対する最適な記録条件は、一つではなく、複数存在し得る。
一方で、磁気記録再生装置は、例えば車載用で−20℃から80℃と、非常に広い環境温度の範囲において使用される。環境温度が変われば、磁気記録媒体の温度も環境温度に応じて変化する。そのため、磁気記録媒体に与える加熱パワーを環境温度に関わらずに一定にし、磁気記録媒体に与える磁界を一定の加熱パワーに応じた値に調整した記録条件で記録を行う場合、環境温度が非常に高いときには、加熱後の磁気記録媒体の温度がキュリー温度を超えて上昇してしまうことがある。すると、磁気記録媒体に情報を記録することができなくなる。また、通常、磁気記録媒体の記録情報トラックには磁気記録ヘッドを位置決め(トラッキング)するためのサーボパターンが磁気的に記録されている。加熱された磁気記録媒体の温度がキュリー温度を超えることによってこの情報が消去されてしまうと、トラッキング自体ができなくなってしまうという問題がある。
本発明の目的は、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を行うことができる磁気記録再生装置及び磁気記録条件決定方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び効果
本発明の磁気記録再生装置は、記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置である。この磁気記録再生装置は、定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録手段と、前記予備記録手段によって前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定手段と、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られるまで、一回又は前記予備駆動条件が互いに異なる複数回の前記予備記録手段による前記記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、前記予備記録手段及び前記判定手段を制御すると共に、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による前記判定結果に係る前記加熱手段の前記予備駆動条件を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定手段とを備えている。
本発明によれば、環境温度が季節などにより変化しても、磁気記録媒体の温度を意図した温度(例えば、磁気記録媒体に記録するのに適した範囲内の温度)に調整するような好適な加熱手段の駆動条件を素早く得ることができる。その結果として、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を行うことができる磁気記録再生装置を提供できる。また、情報を記録する際に、磁気記録媒体の過熱を防止することができるので、磁気記録媒体を損傷させてしまうことがない。
ここで、再生信号評価値としては、再生信号の振幅値、ビットエラーレート(BER)、SAM(Sequenced Amplitude Margin)によるビットエラーレートの推定値等を使用することができる。なお、ここでの環境温度とは、磁気記録媒体の周囲の温度の意味であるが、実際には磁気記録媒体自体の温度も周囲の温度によって変化することから、厳密には加熱手段により加熱パワーを与えられる前の磁気記録媒体の温度を意味する。
前記抽出手段は、前記予備記録手段による前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、前記予備記録手段を制御することが好ましい。これによると、小さな加熱パワーから順に大きな加熱パワーへと変化させているため、最も小さな加熱パワーに係る駆動条件を選択することができる。
別の観点において、本発明の磁気記録再生装置は、記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置である。そして、この磁気記録再生装置は、定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録手段と、前記予備記録手段によって前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定手段と、前記予備駆動条件が互いに異なる複数回の前記予備記録手段による前記記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、前記予備記録手段を制御すると共に、前記複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による前記判定結果が得られたものであって、且つ、前記複数の前記予備駆動条件に係る複数の前記再生信号評価値の中で最も優れた前記再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定手段とを備えている。
これによれば、環境温度が季節などにより変化しても、磁気記録媒体の温度を意図した温度(例えば、磁気記録媒体に記録するのに適した範囲内の温度)に調整するような好適な加熱手段の駆動条件を素早く得ることができる。その結果として、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を行うことができる磁気記録再生装置を提供できる。また、情報を記録する際に、磁気記録媒体の過熱を防止することができる。
前記判定手段は、第1回目の予備的な記録を考慮しない場合に、前記予備記録手段が前記記録領域への情報の予備的な記録を行うごとに、当該予備的な記録に係る前記再生信号評価値と前記基準値との優劣を判定し、前記抽出手段は、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られるごとに、当該再生信号評価値と、その直前に、前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られた再生信号評価値との優劣を判定することが好ましい。これによると、最も優れた再生信号評価値に係る駆動条件を効率よく抽出することができる。
前記抽出手段は、前記予備記録手段による前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、前記予備記録手段を制御し、前記判定手段が2つの前記再生信号評価値の優劣を判定した結果、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合には、それまで行われた複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記直前の再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出することが好ましい。これによると、できるだけ小さな加熱パワーに係る駆動条件を選択することができる。そして、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合にさらなる予備記録を行わないようにすることによって、磁気記録媒体を過剰に熱する可能性を低めることができる。「第1回目の予備的な記録を考慮しない」とは、予備記録手段が第1回目の予備的な記録を行った直後に当該予備的な記録に係る再生信号評価値と基準値との優劣を判定してもいいし、しなくてもいいことを意味するものとする。
前記記録領域に与えられる加熱パワーが所定上限値に達した後には前記予備記録手段が新たな予備的な記録を行わないように、前記抽出手段を制御する予備記録終了手段をさらに備えていることが好ましい。これによると、加熱パワーの上限値を設けているので、より確実に磁気記録媒体の過熱を防止することができる。
前記加熱手段が発光素子を含んでおり、前記発光素子から発せられた光を利用して前記磁気記録媒体を加熱することが好ましい。これによると、加熱手段が発光素子を含んでいるので、加熱と非加熱とを繰り返す変化の周波数特性を向上させることが可能となり、磁気記録媒体への記録レートを向上させることが可能となる。また、磁気記録媒体を光で直接加熱することにすれば、より効率的に磁気記録媒体を加熱することができる。
発光素子を用いて磁気記録媒体を加熱する場合には、磁気記録媒体の温度が、環境温度に加えて、発光素子からの出射光量、すなわち、加熱パワーによっても意図しないものとなってしまう。発光素子への投入電流と出射光量の関係は、素子の温度つまり環境温度に依存する。したがって、環境温度が高ければ、過熱によって磁気記録媒体を損傷させてしまうおそれがあり、これを避けるために光量モニタを有することが重要となる。しかし、本発明においては、磁気記録媒体が過熱されるのを防止できるので、光量モニタを有している必要がない。
前記記録ヘッドが、前記定電流又は前記一定振幅を有する前記波形電流が印加されることによって記録磁界を発生する金属線を有しており、前記発光素子から発せられた光が前記金属線に照射されることにより発生した近接場光によって、前記磁気記録媒体が加熱されることが好ましい。これによると、より微小な領域を加熱することが可能となるため、記録密度を向上させることが可能となる。
記録ヘッドの一部を構成する金属線は、照射された光を吸収して昇温する。さらに、記録ヘッドは、加熱された磁気記録媒体から10nm程度に接近しているため、磁気記録媒体からの伝熱または輻射熱により加熱され、大幅に昇温するおそれがある。このように記録ヘッドの温度上昇幅が大きければ、繰り返される温度上昇及び温度低下に伴って発生する熱応力のために、金属線に疲労現象が発生する。そして、温度上昇幅が非常に大きければ、金属線が溶けて破損する可能性がある。しかし、本発明においては、磁気記録媒体が過熱されるのを防止できること及び環境温度が高い場合には発光素子への駆動電流が低下することのために、金属線の温度上昇を抑制することができる。その結果、金属線の過熱が防止されて記録ヘッドの寿命が伸びると共に、記録ヘッドの破損を防止することができる。
前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、前記予備記録手段は、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、前記駆動条件決定手段は、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の前記中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(A)から得られる加熱パワーPrに基づいて導出する駆動条件導出手段とをさらに備えていることが好ましい。
Pr=Pi+(r−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (A)
(Pi:前記駆動条件決定手段が決定した距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
Po:前記駆動条件決定手段が決定した距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
Pr:前記磁気記録媒体の前記中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録するための加熱パワー)
所定の角速度で回転している磁気記録媒体は、その中心からの距離が異なれば、線速度が異なるので、同じ加熱パワーで熱せられたとしても、到達温度が異なってくる。上記構成によれば、第1予備記録領域及び第2予備記録領域について、駆動条件決定手段により決定された駆動条件から、中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録する際の加熱手段の駆動条件を、2回の予備的記録を行う以外は演算だけによって容易に且つ短時間で決定することができる。
前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、前記予備記録手段は、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、前記駆動条件決定手段は、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roと前記距離riとの平均距離rcだけ離れた位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(B)から得られる加熱パワーPrcに基づいて導出し、当該導出された前記駆動条件を、前記第1予備記録領域と前記第2予備記録領域とに挟まれた記録領域に情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件に決定する駆動条件導出手段とをさらに備えていることが好ましい。
Prc=Pi+(rc−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (B)
(Pi:前記駆動条件決定手段が決定した距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
Po:前記駆動条件決定手段が決定した距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
Prc:前記磁気記録媒体の前記中心から距離rcだけ離れた位置に対して情報を記録するための加熱パワー)
中心から任意の距離だけ離れた位置に対して情報を記録する際の加熱手段の駆動条件を、2回の予備的記録を行う以外は演算だけによって容易に且つ短時間で決定することができる。また、もし異なる半径ごとに加熱手段の駆動条件を決定した場合、駆動条件のデータ量が非常に大きくなって、これを保持するための記憶手段の容量を大きくする必要が生じる。しかし、この構成によれば、駆動条件のデータ量を最小限にとどめることが可能となるので、記憶手段の容量を比較的小さくすることができる。また、駆動条件導出手段が一旦加熱手段の駆動条件を決定した後は、いかなる位置に情報を記録する場合であって、加熱手段の駆動条件を決定するための演算を改めて行う必要がないので、演算量が少なくて済む。
前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、前記磁気記録媒体の前記記録領域には、前記磁気記録媒体の前記中心から距離の範囲が重複しない複数のゾーンが設けられており、各ゾーン内では内部転送レートが一定であり、前記予備記録手段は、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、前記駆動条件決定手段は、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の各ゾーンにおいて前記中心から最も離れた位置と前記中心に最も近い位置との中間位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(C)から得られる加熱パワーPrに基づいて導出し、当該導出された前記駆動条件を、当該ゾーンに情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件に決定する駆動条件導出手段とをさらに備えていることが好ましい。
Pr=Pi+(rz−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (C)
(Pi:前記駆動条件決定手段が決定した距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
Po:前記駆動条件決定手段が決定した距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
Pr:前記磁気記録媒体の各ゾーンの前記中間位置(前記磁気記録媒体の中心から距離rz)に対して情報を記録するための加熱パワー)
中心から任意の距離だけ離れた位置に対して情報を記録する際の加熱手段の駆動条件を、2回の予備的記録を行う以外は演算だけによって容易に且つ短時間で決定することができる。また、もし異なる半径ごとに加熱手段の駆動条件を決定した場合、駆動条件のデータ量が非常に大きくなって、これを保持するための記憶手段の容量を大きくする必要が生じる。しかし、各ゾーンについて1つの駆動条件を決定する本構成によれば、駆動条件のデータ量を比較的小さい量にすることが可能となるので、記憶手段の容量を比較的小さくすることができる。また、駆動条件導出手段が一旦加熱手段の駆動条件を各ゾーンについて決定した後は、いかなる位置に情報を記録する場合であって、加熱手段の駆動条件を決定するための演算を改めて行う必要がないので、演算量が少なくて済む。また、複数のゾーンのそれぞれに加熱手段の駆動条件を決定するので、各ゾーンを当該ゾーンに適した加熱パワーで加熱することが可能となる。
前記駆動条件決定手段及び前記駆動条件導出手段が決定した前記駆動条件に関する情報が、利用者が記録したい情報が記録される前記磁気記録媒体における利用者用記録領域より外周領域に記録されてもよい。これによると、磁気記録媒体に記録された駆動条件の情報を読み出す時間を短縮化することができる。
また、本発明の磁気記録条件決定方法は、記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置での磁気記録条件決定方法において、定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録工程と、前記予備記録工程で前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定工程との2つの工程を、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での判定結果が得られるまで、一回又は前記予備駆動条件が互いに異なるように複数回行い、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での当該判定結果に係る前記加熱手段の前記予備駆動条件を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出された前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定工程とを備えている。
別の観点において、本発明の磁気記録条件決定方法は、記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置での磁気記録条件決定方法において、定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録工程と、前記予備記録工程で前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定工程との2つの工程を、前記予備駆動条件が互いに異なるように複数回行い、前記複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での前記判定結果が得られたものであって、且つ、前記複数の前記予備駆動条件に係る複数の前記再生信号評価値の中で最も優れた前記再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出する抽出工程と、前記抽出工程で抽出された前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定工程とを備えている。
本発明の第1実施形態に係る磁気記録再生装置の概略図である。 図1に示す磁気記録再生装置における磁気ヘッドの縦断面図である。 図2に示す磁気ヘッドの斜視図である。 図1に示す磁気記録再生装置の動作フローチャートである。 記録ヘッドにおける金属線へ印加する電流信号の一例を示すグラフである。 記録ヘッドにおける金属線へ印加する電流信号の別の一例を示すグラフである。 磁気記録媒体における保磁力及び磁化量と温度との関係の一例を示すグラフである。 本発明の第1実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置の概略図である。 図6に示す磁気記録再生装置における磁気記録媒体を示す平面図である。 本発明の第1実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置の概略図である。 図9に示す磁気記録再生装置における磁気記録媒体を示す平面図である。 本発明の第1実施形態の変形例3に係る磁気記録再生装置における磁気記録媒体を示す平面図である。 本発明の第2実施形態に係る磁気記録再生装置の概略図である。 図12に示す磁気記録再生装置の動作フローチャートである。 記録ヘッドにおける金属線へ印加する電流信号の一変形例を示すグラフである。 記録ヘッドにおける金属線へ印加する電流信号の別の一変形例を示すグラフである。 駆動条件の情報が記録される領域を説明するための磁気記録媒体の平面図である。 従来の熱アシスト磁気記録再生装置に使用される磁気記録媒体を構成する記録層の保磁力Hcと磁化量Mと温度Tとの関係の一例を示すグラフである。
<第1実施形態>
まず、本発明の第1実施形態に係る磁気記録再生装置について、図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態の磁気記録再生装置100は、図1に示すように、磁気記録及び磁気再生を行うための磁気ヘッド1、ディスク状の磁気記録媒体2、磁気記録媒体2を回転駆動するためのスピンドル3及びスピンドルモータ4、磁気ヘッド1を先端において支持固定するサスペンションアーム5、サスペンションアーム5を磁気記録媒体2上で揺動させ、磁気ヘッド1を磁気記録媒体2上の所望位置に移動させるボイスコイルモータ6、およびこれらを制御するための制御ブロック7を含んでいる。制御ブロック7は、スピンドルモータ4及びボイスコイルモータ6を制御するモータドライバ8と、磁気記録媒体2への書込み信号の増幅や、磁気記録媒体2からの再生信号の増幅を行うとともに、これらの信号を磁気ヘッド1とやり取りするヘッドアンプ9と、磁気記録媒体2に記録する信号の符号化及び再生された信号の復号化を行う回路であるリードライトチャネル10と、磁気ヘッド1に形成された半導体レーザの駆動電流を制御するレーザドライバ11と、モータドライバ8、リードライトチャネル10及びレーザドライバ11と接続されており、これら各部をコントロールするコントローラ12とを含んでいる。スピンドルモータ4及びモータドライバ8は、記録時、再生時及び後述する予備記録時のいずれにおいても、磁気記録媒体2を一定角速度で回転させる。
磁気ヘッド1は、図2に示すように、サスペンションアーム5の先端部に形成されたスライダ21と、スライダ21の一端に順に形成された再生ヘッド22及び記録ヘッド23と、記録ヘッド23の厚さ方向(図2紙面上下方向)に下から順に積層された屈折率分布型レンズ24と半導体レーザ素子25とを含んでいる。
再生ヘッド22は、非磁性層を一対の磁性層で挟んだ積層体を有する磁気抵抗効果素子(図示せず)を含む再生用磁気センサである。磁気抵抗効果素子は、上述の積層体の側面(非磁性層及び一対の磁性層の積層方向と平行な面)が、磁気記録媒体2の表面と対向するように配置されている。なお、ここでは、磁気抵抗効果素子として、いわゆるTMR(トンネル磁気抵抗効果)素子が用いられているが、これに限られるものではなく、GMR素子などの他の磁気抵抗効果素子が用いられてもよい。
記録ヘッド23は、図3に示すように、磁気記録媒体2との対向面(図3において記録ヘッド23の下面)の略中央部にU字型に屈曲した狭窄部分を有する細線構造体である金属線23aを含んでいる。この金属線23aに対して、記録する情報に対応した記録電流である高周波信号電流を投入することにより、金属線23aの周囲に磁界が発生する。磁界は、周囲よりも細いために電流密度が高くなるU字型部分の周囲において大きくなる。U字型部分の周囲に発生する磁界の方向は、U字型部分を流れる電流の方向に依存する。
ここで、スライダ21を構成する材料としては、AlTiCなどが挙げられる。屈折率分布型レンズ24を構成する材料としては、ガラス材料やポリマー材料などが挙げられる。半導体レーザ素子25を構成する材料としては、GaAs(発振波長が650nmの赤色レーザ光を発生可)、GaN(発振波長が405nmの青紫色レーザ光を発生可)などが挙げられる。
このような構成を有する磁気ヘッド1は、公知のスパッタリング法及びエッチング技術などを用いて形成することができる。
磁気記録媒体2は、熱アシスト磁気記録再生用のものである。磁気記録媒体2の磁性層に使用できる材質として、TbFeCo、CoCrPt系、希土類遷移金属、FePt系、及びRhFe系といった反強磁性物質が挙げられる。
コントローラ12は、CPU、プログラムROM及びRAM(共に図示せず)を含んでいる。CPUは、プログラムROM及びRAMと接続されており、これらとともにいわゆるマイクロコンピュータを形成している。プログラムROMには、複数のコマンド及び制御データなどのプログラムが格納されている。各コマンドは、所定条件の成立を契機としてCPUによってプログラムROMから呼び出されてRAMにセットされる。そして、RAMにセットされたコマンドは所定のタイミングでコントローラ12からモータドライバ8やレーザドライバ11などの制御したい部分に供給される。マイクロコンピュータには、予備記録部13と、判定部14と、抽出部15と、駆動条件決定部16と、予備記録終了部17と、記憶部18とが構成されている。
予備記録部13は、抽出部15の命令を受けて、定電流又は一定振幅を有する波形電流が記録ヘッド23に印加されるようにすると共に、半導体レーザ素子25から磁気記録媒体2の予備記録領域に加熱パワーが与えられるようにするためにレーザドライバ11を介して半導体レーザ素子25を予備駆動条件に従って駆動することによって、磁気記録媒体2の予備記録領域に情報を予備的に記録する。予備記録領域が設けられる場所については後述する。
判定部14は、抽出部15の命令を受けて、予備記録部13によって磁気記録媒体2の予備記録領域に記録された情報を再生ヘッド22で再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する。
抽出部15は、予備記録部13と判定部14とを制御して、所定の条件を満たす予備駆動条件を抽出する。具体的には、抽出部15は、再生信号評価値が基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定部14による判定結果が得られるまで、一回又は予備駆動条件が互いに異なる複数回の予備記録部13による予備記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、予備記録部13及び判定部14を制御する。そして、抽出部15は、再生信号評価値が基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定部14による判定結果に係る半導体レーザ素子25の予備駆動条件を抽出する。また、抽出部15は、再生信号評価値などの記憶部18への格納処理を行う。
駆動条件決定部16は、抽出部15が抽出した予備駆動条件を、磁気記録媒体2へ情報を記録する際の半導体レーザ素子25の駆動条件に決定する。
予備記録終了部17は、予備記録領域に与えられる加熱パワーが所定上限値に達した後には予備記録部13が新たな予備的な記録を行わないように、抽出部15を制御する。
記憶部18は、判定部14が導出した再生信号評価値、抽出部15が抽出した予備駆動条件、及び、駆動条件決定部16が決定した駆動条件を格納する。
次に、本実施形態の磁気記録再生装置100の動作について、図4をさらに参照して説明する。
まず、ステップS1において、磁気記録媒体2が回転しており且つ記録ヘッド23が予備記録領域に位置している状態で、抽出部15の命令を受けた予備記録部13によって、記録ヘッド23の金属線23aに電流を流すと共に、レーザ光照射処理、つまり半導体レーザ素子25に予備駆動条件に従った駆動電流を投入してレーザ光26を発射させる処理を行う。
すなわち、ステップS1においては、記録ヘッド23の金属線23aに電流を流すことによって、金属線23aの周囲に記録磁界を発生させる。ここで、金属線23aに流す記録電流は、図5(a)に示す、一定の正電流値に保持された定電流信号、又は、図5(b)に示す、一定の振幅値及び一定の高周波数を有する正負を交互に繰り返す矩形波電流のいずれかとする。なお、図5(b)に示す信号は、一定振幅を有する波形電流であれば、他の形状であってもよい。記録ヘッド23に流す記録電流を図5(a)又は図5(b)に示すものとしているため、記録ヘッド23が発生させる記録磁界の大きさは予備記録領域において一定となる。厳密には、図5(a)及び図5(b)のいずれの場合でも、記録電流波形の立ち上がり及び立ち下がりにおいて記録磁界の大きさは過渡的に変化する。しかし、信号の記録に寄与するのは、実質的に電流波形において電流値が最大となった部分である。したがって、記録磁界の大きさが一定になるとして差し支えない。
ステップS1においては、記録ヘッド23の金属線23aに電流を流すと共に、予備駆動条件に従った駆動電流で半導体レーザ素子25を駆動して、レーザ光26を金属線23aに照射する。ステップS1を最初に実行する際には、予め定めておいた初期の予備駆動条件を用いる。図3に示したように、半導体レーザ素子25は、記録ヘッド23に向けてレーザ発振する。その際、屈折率分布型レンズ24によって集光されたレーザ光26が記録ヘッド23に向けて発せられる。そして、レーザ光26が金属線23aに照射されると、磁気記録媒体2に面した金属線23aの下面よりも下方に近接場光と呼ばれる局在光が発生する。この局在光によって、磁気記録媒体2の予備記録領域を加熱することができる。このように、記録ヘッド23の金属線23aが発生させる磁界と、局在光による磁気記録媒体2の加熱作用とにより、磁気記録媒体2の磁化方向を示す情報を磁気記録媒体2の予備記録領域に予備的に熱アシスト磁気記録する。
つまり、記録ヘッド23によって記録磁界が磁気記録媒体2に印加されているときに、半導体レーザ素子25を利用した近接場光によって磁気記録媒体2の温度が上昇し、磁気記録媒体2の保磁力が記録磁界と同じ大きさとなる温度に達したとき、金属線23aを流れる電流の方向に依存した情報が磁気記録媒体2に予備的に記録されることになる(図6参照)。
磁気記録媒体2における保磁力と温度との関係は、磁気記録媒体2に用いられる磁性層の材料及び組成によって異なる。しかし、この関係は経時変化しないため、記録磁界の大きさが一定であるときに情報が記録される磁気記録媒体2の温度は、ほぼ一定の温度のまま維持される。磁気記録媒体2に情報を記録するのに必要な近接場光の光量は、環境温度が高い場合には少なくてすむが、環境温度が低い場合には多くなる。そして、それに合わせて半導体レーザ素子25の駆動電流を調整する必要がある。
ここでは、記録ヘッド23の金属線23aへの記録電流の印加と、半導体レーザ素子25への駆動電流の印加とは概ね同じタイミングで行う。しかしながら、半導体レーザ素子25に対して駆動電流を投入してから、レーザ光が出力されるまでには若干時間遅れがあること、及び、磁気記録媒体2に加熱パワーを伴うレーザ光が照射されてから、磁気記録媒体2の温度が上昇するまでには若干の時間遅れがあることを見越して、半導体レーザ素子25への駆動電流の投入時刻を、記録ヘッド23の金属線23aに与える記録電流の投入時刻よりも早めてもよい。
ステップS1において、記録ヘッド23の金属線23aに記録電流を与える時間の長さ、及び、半導体レーザ素子25へ駆動電流を投入する時間の長さは、後述する再生信号評価値として再生信号に関するどのような属性を採用するかによって異なる。再生信号の振幅を再生信号評価値とする場合は、再生信号を評価するのに必要なビット数が少なくてよいため、上記時間を短く、ビットエラーレートを再生信号評価値とする場合は、必要なビット数が多くなるため、上記時間を長くする必要がある。
半導体レーザ素子25に投入する駆動電流は、半導体レーザ素子25の閾値電流を超える範囲で、磁気記録媒体2が過熱によって損傷しないように十分小さな値とするので、比較的小さな加熱パワーで予備記録領域への加熱が開始される。
次に、ステップS2において、コントローラ12からの命令で、再生ヘッド22の位置決め処理が行われる。すなわち、ステップS2においては、記録ヘッド23の金属線23aへの印加電流と、半導体レーザ素子25への駆動電流とをOFFにし、ステップS1で情報を予備記録した予備記録領域内の場所に再生ヘッド22を位置決めする処理が行われる。
続いて、ステップS3において、抽出部15の命令を受けた判定部14によって、再生信号評価値の取得処理及び記憶処理が行われる。すなわち、ステップS3においては、磁気ヘッド1に設けられた再生ヘッド22により、ステップS1で情報が予備記録された場所から得られる信号を再生し、再生信号評価値を得る処理が行われる。さらに、ステップS3では、この得られた再生信号評価値を記憶部18に記録する処理が行われる。ここで、再生信号評価値としては、再生信号の振幅値、ビットエラーレート(BER)、SAM(Sequenced Amplitude Margin)による推定ビットエラーレートなどがある。
続いて、ステップS4において、抽出部15の命令を受けた判定部14によって、ステップS3で得られた再生信号評価値が基準値以上になっているかどうかを判定する処理が行われる。この判定処理において、再生信号評価値が基準値以上であると判定された場合には(S4:YES)、ステップS5において、コントローラ12からの命令で、このときの予備駆動条件を記憶部18に格納する処理が行われ、その後に処理を終了する。このとき記憶部18に格納された予備駆動条件が、駆動条件決定部16によって、半導体レーザ素子25の駆動条件に決定される。
ステップS5で決定された半導体レーザ素子25の駆動条件は、記録されることをユーザが希望する情報を、中心からの距離が予備記録領域内の予備記録された位置と実質的に同じ位置に記録する際に用いられる。これは、中心からの距離が同じであれば線速度が互いに同じとなり、線速度が互いに同じ位置であれば駆動条件をそのまま採用できるからである。つまり、本実施形態では、磁気記録媒体2の径方向に延びて媒体2の半径とほぼ同じ長さを有する予備記録領域が設けられていることになる。
上記判定処理において、再生信号評価値が基準値以上でないと判定された場合には(S4:NO)、ステップS6に進む。ステップS6では、ステップS1における半導体レーザ素子25の駆動電流の値が、磁気記録媒体2の過熱を防止するための値として予め決められていた最大駆動電流を超えているかどうか判定する処理が、予備記録終了部17によって行われる。なお、「最大駆動電流」については、後で詳述する。
「再生信号評価値が基準値以上になっている」とは、再生信号評価値と基準値との数値の大小関係を意味しているのではなく、「再生信号評価値に係る再生信号が品質において基準値に係る再生信号と同等である又は基準値に係る再生信号よりも優れていること」を意味している。本明細書において、「再生信号評価値が基準値以上になっている」ことを、「再生信号評価値が基準値と一致している又は基準値よりも優れている」と表現することがある。
具体例を用いて説明する。再生信号評価値として再生信号の振幅値を用いた場合、所定の振幅値を基準値とし、得られた再生信号評価値としての振幅値が、前記基準値以上であればステップS5へ、前記基準値未満であればステップS6へ処理が移行する。また、再生信号評価値としてビットエラーレートを用いた場合、所定のビットエラーレートを基準値とし、得られた再生信号評価値としてのビットエラーレートが、前記基準値以上であればステップS5へ、前記基準値未満であればステップS6へ処理が進行する。また、ビット検出方式としてPRML(Partial Response Maximum Likelihood)を用いる場合、再生信号評価値としてSAM(Sequenced Amplitude Margin)と呼ばれる評価手法により得られる評価値を使用してもよい。このとき、このSAMと呼ばれる評価手法でビットエラーレートの推測値が算出されるため、上述した再生信号評価値としてビットエラーレートを用いた場合と同様の動作で処理すればよい。
ステップS6において、ステップS1での半導体レーザ素子25の駆動電流が最大駆動電流を超えるものとなっていると判定された場合には(S6:YES)、予備記録終了部17が抽出部15を制御することによって、予備記録部13が新たな予備的な記録を行うことなく、処理が終了する。ステップS1における半導体レーザ素子25の駆動電流が最大駆動電流以下と判定された場合には(S6:NO)、ステップS7に進む。
ステップS7では、次の予備記録時に半導体レーザ素子25の駆動電流の値を所定値だけインクリメントするための命令が、予備記録部13に与えられる。ステップS8では、制御ブロック7によって、直前に近接場光が照射された位置とは異なる位置上に記録ヘッド23を移動させ、その後にステップS1に戻る。このような処理を終了に至るまで繰り返し行う。
ステップS8において、直前に近接場光が照射された位置とは異なる位置上に記録ヘッド23を移動させるのは、この時点では半導体レーザ素子25の駆動条件が定まっていないため、直前に記録された信号を消去できないためである。したがって、図4の処理フローが終了し、半導体レーザ素子25の駆動条件が決定された後には、予備記録領域に記録された全信号を消去しておくことが好ましい。このように、記録された全信号を消去しておくことにより、次に半導体レーザ素子25の駆動条件を決定する処理を行う際に、当該記録された位置を再使用できるため、駆動条件を決定するために使用される領域を小さくすることができ、磁気記録媒体2におけるユーザーデータの記録に使用する領域を増加させることができる。
近接場光が磁気記録媒体2に与える加熱パワーの上限値及び下限値(半導体レーザ素子25の駆動電流の上限値及び下限値にそれぞれ対応する)は、磁気記録再生装置100の使用環境温度範囲を考慮して適宜設定すればよい。一例として、図示しないセンサによって検知した磁気記録媒体2の温度が使用環境温度範囲の最高温度に達している場合には、磁気記録媒体2に情報を記録できる最小加熱パワーよりやや小さな加熱パワーを下限値とし、磁気記録媒体2の温度が使用環境温度範囲の最低温度に達している場合には、磁気記録媒体2に情報を記録できる最大加熱パワーよりやや大きな加熱パワーを上限値とする。さらに詳しくは、磁気記録媒体2の温度が使用環境温度範囲の最高温度に達している場合には、加熱パワーの下限値を、磁気記録媒体2の予備記録領域の最内周位置に情報を記録できる最小加熱パワーよりやや小さな加熱パワーとする。これは、角速度一定で回転する磁気記録媒体2における最内周位置において線速度が最小となって、磁気記録媒体2が最も加熱され易いためである。これに対して、磁気記録媒体2の温度が使用環境温度範囲の最低温度に達している場合には、加熱パワーの上限値を、磁気記録媒体2の予備記録領域の最外周位置に情報を記録できる最大加熱パワーよりやや大きな加熱パワーとする。そして、加熱パワーの上限値に対応した半導体レーザ素子25の駆動電流を最大駆動電流とすればよい。
上記構成の磁気記録再生装置100によれば、環境温度が季節などにより変化しても、磁気記録媒体2の温度を意図した温度(例えば、磁気記録媒体2に記録するのに適した範囲内の温度)に調整するのに好適な半導体レーザ素子25の駆動条件を素早く得ることができる。その結果として、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を容易に行うことができる磁気記録再生装置100を提供できる。
また、半導体レーザ素子25を利用して磁気記録媒体2の予備記録領域に与えられる加熱パワーを1回の予備的な記録ごとに次第に大きくするようにしており、再生信号評価値が基準値以上となれば処理を終了するので、できるだけ小さな加熱パワーに係る駆動条件を選択することができると共に、より素早く良好な駆動条件を得ることができる。
本実施形態では、記録ヘッド23の一部を構成する金属線23aにレーザ光26を照射するため、金属線23aがレーザ光26を吸収して加熱される。しかも、通常、磁気ヘッド1は加熱された磁気記録媒体2から10nm程度に接近しているため、金属線23aは、磁気記録媒体2からの伝熱あるいは輻射熱により加熱され、温度が大幅に上昇するおそれがある。温度上昇幅が大きければ、繰り返される温度上昇及び温度低下に伴って発生する熱応力のために、金属線23aに疲労現象が発生する。さらに、温度上昇幅が大きければ金属線23aが溶けて破損する可能性がある。しかし、本実施形態によれば、磁気記録媒体2が過熱されないように半導体レーザ素子25の駆動条件を決定できること及び環境温度が高い場合には半導体レーザ素子25への駆動電流が低下することのために、金属線23aの温度上昇を抑制することができる。その結果、金属線23aの過熱が防止されて、記録ヘッド23の寿命が伸び、さらには記録ヘッド23の破損を防止することができる。
さらに、半導体レーザ素子25の駆動電流が最大駆動電流に達した際、予備記録部13が新たな予備的な記録を行わないように予備記録終了部17が抽出部15を制御するので、より確実に磁気記録媒体2の過熱を防止することができ、磁気記録媒体2の損傷を防止できる。
また、環境温度が高く、半導体レーザ素子25自身の温度も上昇し易くなる場合、駆動電流を小さくすることができるため、半導体レーザ素子25自体の発熱を抑えることができる。半導体レーザ素子25は印加された駆動電流の大きさに応じたレーザ光を発するが、光エネルギーに変換されなかったエネルギーは熱となり半導体レーザ素子25を発熱させる。そして、半導体レーザ素子25自身の温度が上昇すると、駆動電流−光出力の特性が変化し、単位光出力に対する駆動電流値が大きくなる。したがって、消費電力の点、及び、熱が原因で記録ヘッド23及び再生ヘッド22が形状変化してしまうおそれがある点から、半導体レーザ素子25の温度上昇量ができるだけ小さくなるように、駆動電流値及び予備記録の間隔を決定することが好ましい。
記録ヘッド23が発生させる磁界の大きさは、一般的には飽和磁界に近い大きさとされる。本実施形態では、磁界の最大値は金属線23aに印加可能な最大電流値に依存する。この場合は、ジュール熱によって金属線23aが溶解する温度に達するような電流量が、金属線23aに印加可能な最大電流量となる。しかし、いずれの構成の記録ヘッドであっても記録ヘッドで発生させることができる磁界の大きさに限界がある。そのような条件下では、本実施形態のように抽出された最適な予備駆動条件を半導体レーザ素子25の駆動条件に決定することで、従来技術のように一定の駆動条件で半導体レーザ素子25を駆動する場合よりも、半導体レーザ素子25自身の温度上昇を抑制することができ、半導体レーザ素子25の劣化を抑制できるので、寿命をさらに伸ばすことができる。
さらに本実施形態では、磁気記録媒体2を加熱する加熱手段の一部として発光素子である半導体レーザ素子25を使用し、磁気記録媒体2に対して近接場光を照射することによって磁気記録媒体2を加熱するため、加熱−非加熱の変化の周波数特性を向上させることが可能となり、記録レートを向上させることが可能となる。例えば、電流を印加することにより発熱する金属材料からなるコイルを加熱手段として使用する場合には、一旦昇温したコイルが冷却される時間が必要であり、記録レートを向上させることが難しい。これに対し、本実施形態では半導体レーザ素子25を加熱手段の一部としているため、より高速な記録が可能となる。さらに、本実施形態の構成の場合、金属線23aで発生した近接場光で磁気記録媒体2を直接加熱するため、より効率的に磁気記録媒体2を加熱することができる。
半導体レーザ素子25のような発光素子を用いて磁気記録媒体2を加熱する場合には、磁気記録媒体2の温度が、環境温度に加えて、発光素子からの出射光量、すなわち、加熱パワーによっても意図しないものとなってしまう。発光素子への投入電流と出射光量の関係は、素子の温度つまり環境温度に依存する。したがって、環境温度が高ければ、過熱によって磁気記録媒体を損傷させてしまうおそれがあり、これを避けるために光量モニタを有することが重要となる。しかし、本実施形態においては、磁気記録媒体2が過熱されるのを防止できるので、光量モニタを有している必要がない。
また、本実施形態では、半導体レーザ素子25から発せられた光が金属線23aに照射されることにより発生した近接場光によって磁気記録媒体2が加熱されるので、より微小な領域を加熱することが可能であり、記録密度を向上させることができる。
磁気記録再生装置の分野において、温度上昇に伴って記録ヘッド及び/又は再生ヘッド周辺部分の形状が膨張により変化し、スライダの記録媒体に面した表面から記録ヘッド及び/又は再生ヘッドが突出してしまうという現象が問題となっている。このような現象はサーマルプロトルージョン(Thermal Protorusion of Pole)と呼ばれている。現在の磁気ヘッドの浮上量は約10nmであり、数nmの突出量であっても記録又は再生に影響を与える。本実施形態では光源である半導体レーザ素子25としてこれを磁気ヘッド1と一体化させたものを使用しており、さらに、半導体レーザ素子25がスライダ21の側方に配置され、半導体レーザ素子25の下方に記録ヘッド23が形成されている。したがって、スライダ21全体の温度が上昇するのではなく、温度の一様でない分布が発生する、すなわち、光源である半導体レーザ素子25の発光部分が温度上昇し、膨張するため、記録ヘッド23のサーマルプロトルージョンにつながる。したがって、半導体レーザ素子25の温度上昇を極力小さくすることが望ましい。上述したように、本実施形態の構成の場合、環境温度が高い場合には、逆に半導体レーザ素子25からの光出力を小さくするように調整されるので、半導体レーザ素子25の温度上昇をより小さくすることが可能である。
<第1実施形態の変形例1>
次に、本発明の第1実施形態の変形例1に係る磁気記録再生装置101について、図7及び図8をさらに参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態の符号1〜18と同様の部分については、それぞれ、符号31〜48をふり、その説明を省略することがある。
本変形例に係る磁気記録再生装置101は、磁気記録媒体32の中心からの距離がrである位置(以下、「半径位置r」と称する)に対する駆動条件を、下記式(A)によって決定する駆動条件導出部49を有している点で、第1実施形態と異なっている。
Pr=Pi+(r−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (A)
上記式(A)において、riは、図8に示すように、磁気記録媒体32における最内周付近に設けられた予備記録領域32a内にある半径位置を示している。また、roは、磁気記録媒体32における最外周付近に設けられた予備記録領域32b内にある半径位置を示している。Piは、駆動条件決定部46が決定した駆動条件で駆動された半導体レーザ素子25によって半径位置riに与えられる加熱パワーを示している。Poは、駆動条件決定部45が決定した駆動条件で駆動された半導体レーザ素子25によって半径位置roに与えられる加熱パワーを示している。Prは、磁気記録媒体32の予備記録領域32aと予備記録領域32bとに挟まれたユーザー用記録領域32c内の任意の半径位置rに情報を記録するのに最適な加熱パワーである。Pi及びPoは、実測値であってもよいし、駆動条件決定部46が決定した駆動条件などからシミュレーションによって得られた値であってもよい。
厳密に言えば、予備記録領域32a、32b内には複数の記録トラックが存在しており、予備記録領域32a、32bには一定の幅がある。しかし、記録トラック間のピッチはせいぜい25nm程度であるので、記録トラックを100トラック使用したとしても、予備記録領域の幅は2.5μmであり、線速度の差は無視できる。予備記録領域32a、32b内のどの半径位置をもって予備記録領域32a、32bを代表する半径位置とするかは問題とならない。なぜなら、予備記録領域32a、32bの幅が数μmであるのに対し、加熱パワーPrが算出されるべきユーザー用記録領域32cの幅は通常数十mmであって、両者の幅に大きな隔たりがあるからである。したがって、記録領域32a、32b内の任意の半径位置を予備記録領域32a、32bの半径位置とすればよい。本変形例においては、各予備記録領域32a、32bの中間位置を半径位置としている。
次に、本変形例に係る磁気記録再生装置101の動作について説明する。磁気記録再生装置101の動作は、以下の点においてのみ、第1実施形態と異なる。
磁気記録媒体32は、第1実施形態と同様、角速度一定で回転制御されているため、情報が記録される半径位置rに応じて線速度が異なる。具体的に説明すると、3.5インチサイズの磁気記録媒体32を7600rpmの回転数で回転する場合、最内周における線速度と、最外周における線速度はそれぞれ約10m/sと約38m/sとなり、最内周と最外周とで約4倍も線速度が異なる。一方で、情報を記録するには情報が記録される半径位置での磁気記録媒体32の温度を所定温度まで上昇させなければならない。半径位置が異なれば線速度も異なるので、半径位置が異なる2つの位置を所定の温度まで上昇させるのに必要な加熱パワーは異なることになる。しかし、ユーザー用記録領域32c内にあるすべての半径位置に関して半導体レーザ素子25の駆動条件を第1実施形態に従って決定することは実質的には困難である。そこで、本変形例では、まず、半径位置riを含む予備記録領域32a内及び半径位置roを含む予備記録領域32b内における半導体レーザ素子25の駆動条件を第1実施形態に即して決定する。しかる後、駆動条件導出部49が、上記式(A)を用いた演算処理を行って加熱パワーPrを求め、さらに、求められたPrに基づいて、ユーザー用記録領域32c内の任意の半径位置rにおける半導体レーザ素子25の駆動条件を決定する。
式(A)は、半径位置rつまり線速度と加熱パワーとが概ね線形関係を有していることを利用したものである例えば、線速度が10m/sのときに半導体レーザの出力が5mWであるとした場合に、線速度が20m/sのときには半導体レーザの出力が10mW必要となることを意味している。
本変形例は、第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、以下の効果をも奏する。すなわち、本変形例は、ユーザー用記録領域32c内の任意の半径位置rに情報の記録を行う際の半導体レーザ素子25の駆動条件を、2回の予備的記録を行う以外は演算によって、容易に且つ短時間で求めることができるという利点がある。
なお、予備記録領域32a及び予備記録領域32bは、それぞれ磁気記録媒体32の記録可能な領域の最内周付近と最外周付近とに設けられることが好ましいが、必ずしもその必要はなく、これら予備記録領域32a、32bは、磁気記録媒体32の記録可能な領域内であればどこにあってもよい。例えば、内周側にある予備記録領域のさらに内周側にユーザーがデータを記録するためのユーザ用記録領域があってもよいし、外周側にある予備記録領域のさらに外周側にユーザ用記録領域があってもよい。このようにすれば、内周側にある予備記録領域における線速度と外周側にある予備記録領域における線速度との差を小さくできるので、半導体レーザ素子25の駆動条件をより高い精度で決定できる。
<第1実施形態の変形例2>
次に、本発明の第1実施形態の変形例2に係る磁気記録再生装置102について、図9及び図10をさらに参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態の変形例1における符号31〜49と同様の部分については、それぞれ、符号51〜69をふり、その説明を省略することがある。
本変形例に係る磁気記録再生装置102では、まず、半径位置riを含む予備記録領域52a(磁気記録媒体52の最内周付近に設けられている)内及び半径位置roを含む予備記録領域52b(磁気記録媒体52の最外周付近に設けられている)内における半導体レーザ素子25の駆動条件を第1実施形態に即して決定する。しかる後、駆動条件導出部69が、下記式(B)を用いた演算処理を行って、予備記録領域52aと予備記録領域52bの中間つまり媒体2の中心から両者の平均距離だけ離れた半径位置rc(=(ri+ro)/2)(図10参照)における加熱パワーPrcを求める。さらに、駆動条件導出部69は、求められたPrcに基づいて半径位置rcにおける半導体レーザ素子25の駆動条件を導出する。そして、駆動条件導出部69は、導出された半導体レーザ素子25の駆動条件を、ユーザ用記録領域52c内の任意の半径位置に情報を記録する際の半導体レーザ素子25の駆動条件に決定する。
Prc=Pi+(rc−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (B)
本変形例は、第1実施形態及びその変形例1と同様の効果を奏するとともに、以下の効果をも奏する。すなわち、駆動条件のデータ量を最小限にとどめることが可能となるので、記憶部68の容量を比較的小さくすることができる。その結果として、コストを低減できる。また、駆動条件導出部69が一旦半導体レーザ素子25の駆動条件を決定した後は、いかなる位置に情報を記録する場合であって、半導体レーザ素子25の駆動条件を決定するための演算を改めて行う必要がないので、演算量が少なくて済む。
<第1実施形態の変形例3>
次に、本発明の第1実施形態の変形例3に係る磁気記録再生装置について、図11をさらに参照して説明する。なお、以下の説明において、第1実施形態及びその変形例1、2と同様の部分については、その説明を省略することがある。
本変形例に係る磁気記録再生装置は、以下に述べる相違点以外は、第1実施形態の変形例2とほぼ同構成の構成を有している。その相違点とは、(1)図11に示すように、半径位置riを含む予備記録領域72a及び半径位置roを含む予備記録領域72bのほかに、磁気記録媒体72に、内部転送レートを同じくする半径方向に互いに範囲が重複しない3つのユーザ用記録領域であるゾーン72c、72d、72eが設けられている点、及び、(2)変形例2の駆動条件導出部69の代わりに、各ゾーンの径方向中間の半径位置r1、r2、r3に対応した加熱パワーPr1、Pr2、Pr3を下記式(C)を用いて求め、さらに求められた加熱パワーPr1、Pr2、Pr3に基づいて半径位置r1、r2、r3に情報を記録する際の半導体レーザ素子25の駆動条件を導出し、この導出された駆動条件を各ゾーン内の任意の半径位置での半導体レーザ素子25の駆動条件に決定する駆動条件導出部を含んでいる点である。図11において、同心となった3つのリング状ゾーン72c、72d、72eは、予備記録領域72aと予備記録領域72bとの間に設けられている。図11にはこれら3つのゾーンの境界が実線で描かれているが、実際には隣接するゾーンに境界は設けられていない。
Pr=Pi+(rz−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (C)
(z=1,2,3)
3つのリング状ゾーン72c、72d、72eは、いずれもユーザーに使用されるユーザー用記録領域である。記録周波数は、いずれのゾーンに関しても同じである。ここで、各ゾーンに関する記録周波数は、線記録密度がどのゾーンであってもほぼ同じになる値となっている。したがって、内周にあるゾーンほど記録周波数が低くなる。
本変形例の磁気記録再生装置によれば、第1実施形態及びその変形例1、2と同様の効果とともに、以下の効果をも奏する。すなわち、3つのゾーン72c、72d、72eのそれぞれに半導体レーザ素子25の駆動条件を決定するので、各ゾーンに適した加熱パワーで磁気記録媒体2を加熱することが可能となる。
本変形例では、磁気記録媒体に3つのゾーンを設けたが、これに限られず、2つ又は4つ以上のゾーンを磁気記録媒体に設けるようにしてもよい。また、ゾーンの幅が互いに異なっていてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る磁気記録再生装置200について、図12及び図13を参照して説明するなお、第1実施形態の符号1〜18と同様の部分については、それぞれ、符号81〜98をふり、その説明を省略することがある。
本実施形態に係る磁気記録再生装置は、図12に示すように、第1実施形態とほぼ同構成の装置である。しかしながら、以下の点において、第1実施形態のものとは相違している。その相違点とは、抽出部95が、予備駆動条件が互いに異なる複数回の予備記録部93による記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、予備記録部93を制御すると共に、複数回の予備的な記録に係る複数の予備駆動条件の中から、再生信号評価値が基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定部94による判定結果が得られたものであって、且つ、複数の予備駆動条件に係る複数の再生信号評価値の中で最も優れた再生信号評価値に係る予備駆動条件を抽出する点である。抽出部95は、取得した再生信号評価値が第1回目に取得した再生信号評価値であるかどうかの判定、及び、再生信号評価値などの記憶部98への格納処理を行うことが可能である。
詳細には、本実施形態に係る磁気記録再生装置は、以下のように動作する。すなわち、判定部94は、第1回目の予備的な記録を考慮しない場合に、予備記録部93が記録領域への情報の予備的な記録を行うごとに、当該予備的な記録に係る再生信号評価値と基準値との優劣を判定する。そして、抽出部95は、再生信号評価値が基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定部94による判定結果が得られるごとに、当該再生信号評価値と、その直前に、基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定部94による判定結果が得られた再生信号評価値との優劣を判定する。このとき、抽出部95は、予備記録部93による予備記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、予備記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、予備記録部を制御する。そして、抽出部95は、判定部94が2つの再生信号評価値の優劣を判定した結果、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合には、それまで行われた複数回の予備的な記録に係る複数の予備駆動条件の中から、直前の再生信号評価値に係る予備駆動条件を抽出する。
次に、本実施形態に係る磁気記録再生装置の動作について、図13を参照しながら説明する。まず、ステップS21において、磁気記録媒体2が回転しており且つ記録ヘッド23が予備記録領域に位置している状態で、抽出部95の命令を受けた予備記録部93によって、記録ヘッド23の金属線23aに電流を流すと共に、レーザ光照射処理、つまり半導体レーザ素子25に予備駆動条件に従った駆動電流を投入してレーザ光26を発射させる処理を行う。ステップS21で行われる処理は、第1実施形態のステップS1と同様である。
次に、ステップS22において、コントローラ92からの命令で、再生ヘッド22の位置決め処理が行われる。すなわち、ステップS22においては、記録ヘッド23の金属線23aへの印加電流と、半導体レーザ素子25への駆動電流とをOFFにし、ステップS21で情報を予備記録した予備記録領域内の場所に再生ヘッド22を位置決めする処理が行われる。ステップS22で行われる処理は、第1実施形態のステップS2と同様である。
続いて、ステップS23において、抽出部95の命令を受けた判定部94によって、再生信号評価値の取得処理及び記憶処理が行われる。ステップS23で行われる処理は、第1実施形態のステップS3と同様である。
その後、ステップS24において、抽出部95が、ステップS23での再生信号評価値の取得が第1回目のものであったかどうか判定する。ステップS24での再生信号評価値の取得が第1回目のものであった場合(S24:YES)、ステップS27において、抽出部95が当該第1回目の再生信号評価値に係る予備駆動条件を記憶部98に格納する処理を行う。第1回目のものでない場合(S24:NO)、ステップS25に進む。
ステップS25では、抽出部95の命令を受けた判定部94によって、ステップS23で得られた再生信号評価値が基準値以上になっているかどうかを判定する処理が行われる。この判定処理において、再生信号評価値が基準値以上でないと判定された場合(S25:NO)、ステップS28に進む。
再生信号評価値が基準値以上であると判定された場合には(S25:YES)、ステップS26において、抽出部95が、ステップS23で取得した再生信号評価値がそれより1ループ前のステップS23、つまり直前で得られた再生信号評価値より優れているか否かを判定する。再生信号評価値が直前のものより優れていない場合には(S26:NO)、処理を終了する。再生信号評価値が直前のものより優れている場合には(S26:YES)、ステップS27において、抽出部95が今回のステップS23で取得した当該優れている方の再生信号評価値に係る予備駆動条件を記憶部98に格納する処理を行う。
ステップS28では、ステップS21における半導体レーザ素子25の駆動電流の値が、磁気記録媒体2の過熱を防止するための値として予め決められていた最大駆動電流を超えているかどうか判定する処理が、予備記録終了部97によって行われる。
ステップS28において、ステップS21での半導体レーザ素子25の駆動電流が最大駆動電流を超えるものとなっていると判定された場合には(S28:YES)、予備記録終了部97が抽出部95を制御することによって、予備記録部93が新たな予備的な記録を行うことなく、処理が終了する。ステップS21における半導体レーザ素子25の駆動電流が最大駆動電流以下と判定された場合には(S28:NO)、ステップS29に進む。
ステップS29では、次の予備記録時に半導体レーザ素子25の駆動電流の値を所定値だけインクリメントするための命令が、予備記録部93に与えられる。ステップS30では、制御ブロック97によって、直前に近接場光が照射された位置とは異なる位置上に記録ヘッド23を移動させ、その後にステップS21に戻る。このような処理を終了に至るまで繰り返し行う。
ここでは、「半導体レーザ素子25の駆動電流の値を所定値だけインクリメントする」としたが、具体的には、半導体レーザ素子25から出力される出射光の光量が0.1mW又は0.5mWだけ大きくなるように駆動電流をインクリメントする。このように、出射光の光量を変化させることにより、結果として、加熱パワーを大きくすることになる。
上記構成の磁気記録再生装置200によれば、環境温度が季節などにより変化しても、磁気記録媒体2の温度を意図した温度(例えば、磁気記録媒体2に記録するのに適した範囲内の温度)に調整するのに好適な半導体レーザ素子25の駆動条件を素早く得ることができる。その結果として、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を容易に行うことができる磁気記録再生装置200を提供できる。また、情報を記録する際に、磁気記録媒体82の過熱を確実に防止することができる。
しかも、予備的な記録を行うごとに再生信号評価値と基準値との優劣を判定し、新たに取得した再生信号評価値が基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定結果が得られるごとに、当該再生信号評価値と、その直前に、基準値と一致している又は基準値よりも優れているという判定結果が得られた再生信号評価値との優劣を判定するようにしているので、複数の駆動条件に係る複数の再生信号評価値の中から最も優れた再生信号評価値に係る駆動条件を効率よく抽出することができる。
ビットエラーレートを再生信号評価値として採用した場合、ステップS21で記録された信号のデータ量が少ないと、複数の駆動条件においてビットエラーレートが最小値となる可能性がある。その場合、ステップS26において直前回の再生信号評価値と今回のものとが一致することになる。そこで、一変形例として、ステップS26において、前回の再生信号評価値と今回のものとが一致している場合にも、ステップS27へと進むようにしてもよい。
また、再生信号評価値が一致する複数の駆動条件が存在しており、これら複数の駆動条件における再生信号評価値が最高値である場合には、これらの駆動条件のうち、最も小さな加熱パワーに係る駆動条件と、最も大きな加熱パワーに係る駆動条件との中間の値の駆動条件を採用すればよい。
また、図13の動作処理フローにおいて、再生信号評価値がより高品質なものから低品質なものに転じたときにさらなる予備記録を行わないようにすることにより、磁気記録媒体82を過剰に熱する可能性を低めることができる。そのため、磁気記録媒体82にあらかじめサーボ信号が記録されている場合に、このサーボ信号の消去を防止することができる。
また、本実施形態の磁気記録再生装置200においては、第1実施形態の変形例1〜3と同様の変形例が可能である。
図13に示すフローチャートにおいて、ステップS24とステップS25とを入れ替えてもよい。その場合、ステップS23の後に行われるステップS25と同等のステップでYESのときにはステップS24と同等のステップに進む。NOのときにはステップS28に進む。ステップS24と同等のステップでYESのときはステップS27に進み、NOのときはステップS26に進む。
上記実施形態及び変形例には、請求の範囲を逸脱しない範囲で変更及び修正を施すことが可能であり、本発明は上記実施形態及び変形例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態及び変形例において、第1実施形態のステップS2(磁気ヘッドの位置決め処理)を省略することができる場合について説明する。ステップS2では、ステップS1により信号を記録しつつ、情報の記録後に移動させた磁気ヘッド1の位置を、再度、信号を記録した位置に戻すという処理を行うが、例えば、磁気記録媒体2が回転する方向に沿って記録ヘッド23と再生ヘッド22とが配置された磁気ヘッド1を含んでいる場合、記録と再生とを連続して行うことが可能である。したがって、このような場合にはステップS2の手順を省略することができる。
また、上記実施形態及び変形例において、記録ヘッドの金属線23aに印加する記録電流は図5(a)及び図5(b)に示したものに限定されない。例えば、図14(a)のように、振幅値及び周波数は一定であるが、常に正(あるいは負)の電流が印加される矩形波信号を印加電流としてもよい。その場合、電流の極性は、未記録状態における記録磁化の方向と逆の方向の磁化が記録されるようなものであればよい。
また、図14(b)のように、一定振幅を有するものの記録周波数が変化する波形信号を印加電流として与えてもよい。再生信号評価値としてビットエラーレート又はSAM値を用いる場合には、いわゆる記録周波数が変化する信号(ランダム信号)を記録する必要がある。したがって、このような場合に、図14(b)に示すような印加電流を記録ヘッドに与えることになる。
また、上記実施形態及び変形例において、半導体レーザ25で予備記録を行うには、駆動電流だけではなく、少なくとも、レーザ光が照射される半径位置に関する情報が必要である。これらの情報は、図15に示す磁気記録媒体112における最外周付近に設けられた予備記録領域112bの内側であってユーザー用記録領域112dの外側にある、記録領域112cに磁気的に記録される。このように、磁気記録媒体112が角速度一定で回転制御される磁気記録再生装置において、レーザ光が照射される半径位置に関する情報をユーザー用記録領域112dよりも外側に記録することにより、当該データを読み込む時間を短縮することができる。磁気記録媒体112における最内周付近に設けられた予備記録領域112aは、第1実施形態の変形例1における予備記録領域32aに相当する領域である。
上記各実施形態及び変形例における磁気記録再生装置に温度センサを搭載している場合には、駆動条件が決定された時の温度情報と当該駆動条件とをともに記録領域112cに記録しておけば、まず記録領域112cに記録された温度情報と現在温度とを比較して両者が同じであれば、駆動条件決定工程を省略して、当該温度情報と共に記録された駆動条件を採用すればよい。別の変形例として、駆動条件の決定の際、半導体レーザの駆動電流の初期値を、まず記録領域112cに記録された温度に対応した初期値とすることにより、第1実施形態におけるステップS7を繰り返す回数を少なくすることができる。したがって、駆動電流が決定されるまでの時間を短縮することができる。
上記実施形態及び変形例においては、近接場光を利用して磁気記録媒体を加熱したが、レーザ光によって直接磁気記録媒体を加熱してもよい。
上記実施形態及び変形例においては、記録ヘッドと光源とを一体化したものについて説明したが、これに限定されるものではない。例えば、光源が磁気ヘッドと分離されており、光源から出射された光を光ファイバー、光導波路又はレンズなどの光学素子を介して、記録ヘッドに照射するようにしてもよい。さらに別の変形例として、光源から出射された光を直接、磁気記録媒体に照射することにより、磁気記録媒体を加熱してもよい。また、光源と磁気記録媒体との間に屈折率分布型レンズや回折型レンズのようなレンズを配置し、光を磁気記録媒体に集光するようにしてもよい。
上記実施形態及び変形例で説明した磁気記録再生装置では、長時間にわたって画像データを連続的に記録媒体に記録する場合がある。そのような場合には記録を行っている間に、環境温度が変化する可能性がある。そのような場合には、データ記録の中で一定時間ごと、一定トラック記録間隔ごと、又は、磁気記録再生装置に温度センサが設けられているのであれば温度が所定幅変化するごとに、駆動条件を改めて決定しなおせばよい。その際、上述したように予め磁気記録媒体に設けてある予備記録領域まで磁気ヘッドを移動し、駆動条件を決定するようにしてもよいが、その移動している間には記録されるべきデータをバッファメモリに記憶しておく必要があるため、大きなバッファメモリが必要となってしまう。そこで、ユーザー用記録領域内又はその近傍に予備記録領域を設けておいてもよい。予備記録領域としては、特性のセクタを割り当てておいてもよい。そのように特定のセクタを、予備記録用のセクタとして確保しておくことにより、予備記録時に記録したデータを駆動条件決定後に消去するためのアドレスの管理が容易になる。また上記のような場合には、短時間で駆動条件を決定する必要があるので、多くの記録データが通常必要であるビットエラーレートではなく、再生信号の振幅値を再生信号評価値として用いることが好ましい。
上記実施形態及び変形例の別の一変形例として、1枚の磁気記録媒体の両面に磁気記録が可能であるとき又は複数の磁気記録媒体を含んでいるときのように複数の磁気ヘッドを有するのであれば、加熱手段の過熱を防止する観点から、駆動条件の決定のための動作フローを行う磁気ヘッドを順番に切り替えるようにしてもよい。具体的には、第1実施形態を例にすると、図4の動作フローにおいて、1回目の駆動条件の決定の動作処理は第1磁気ヘッドを用いて行い、そして、磁気記録媒体及び磁気ヘッドを異なるものに切り替えて2回目の駆動条件の決定の動作処理を行うようにする。このようにすれば、各磁気ヘッドにおける駆動条件決定の動作処理に要する時間を短縮できることから、加熱手段の過熱を抑制することができる。
上記実施形態及び変形例のさらにに別の一変形例として、1枚の磁気記録媒体の両面に磁気記録が可能であるとき又は複数の磁気記録媒体を含んでいるときのように複数の磁気ヘッドを有するのであれば、一方の磁気ヘッドでユーザーデータの記録を行うと同時に、他方の磁気ヘッドで駆動条件決定の動作処理を行ってもよい。そのようにすることで、ユーザーデータの記録の際に、駆動条件決定動作を並行して行うことができるので、バッファメモリの容量を少なくすることが可能となる。なお、通常の場合には複数の磁気ヘッドが同じボイスコイルモータによって駆動されるので、複数の磁気ヘッドはおおむね同じ半径位置に位置決めされることになる。したがって、本方式をとる場合には、一つの磁気記録媒体におけるユーザー用記録領域と別の磁気記録媒体における予備記録領域とが重複した半径位置の範囲に設けられることが望ましい。
本発明の磁気記録再生装置は、記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置である。この磁気記録再生装置は、定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録手段と、前記予備記録手段によって前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定手段と、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られるまで、一回又は前記予備駆動条件が互いに異なる複数回の前記予備記録手段による前記記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、前記予備記録手段及び前記判定手段を制御すると共に、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による前記判定結果に係る前記加熱手段の前記予備駆動条件を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定手段とを備えている。そして、前記抽出手段は、前記予備記録手段による前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、前記予備記録手段を制御する。
本発明によれば、環境温度が季節などにより変化しても、磁気記録媒体の温度を意図した温度(例えば、磁気記録媒体に記録するのに適した範囲内の温度)に調整するような好適な加熱手段の駆動条件を素早く得ることができる。その結果として、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を行うことができる磁気記録再生装置を提供できる。また、情報を記録する際に、磁気記録媒体の過熱を防止することができるので、磁気記録媒体を損傷させてしまうことがない。また、小さな加熱パワーから順に大きな加熱パワーへと変化させているため、最も小さな加熱パワーに係る駆動条件を選択することができる。
別の観点において、本発明の磁気記録再生装置は、記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置である。そして、この磁気記録再生装置は、定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録手段と、前記予備記録手段によって前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定手段と、前記予備駆動条件が互いに異なる複数回の前記予備記録手段による前記記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、前記予備記録手段を制御すると共に、前記複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による前記判定結果が得られたものであって、且つ、前記複数の前記予備駆動条件に係る複数の前記再生信号評価値の中で最も優れた前記再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出する抽出手段と、前記抽出手段が抽出した前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定手段とを備えている。そして、前記判定手段は、第1回目の予備的な記録を考慮しない場合に、前記予備記録手段が前記記録領域への情報の予備的な記録を行うごとに、当該予備的な記録に係る前記再生信号評価値と前記基準値との優劣を判定する。前記抽出手段は、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという判定結果が得られるごとに、当該再生信号評価値と、その直前に、前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られた再生信号評価値との優劣を判定し、前記予備記録手段による前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、前記予備記録手段を制御する。前記判定手段が2つの前記再生信号評価値の優劣を判定した結果、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合には、それまで行われた複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記直前の再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出する。
これによれば、環境温度が季節などにより変化しても、磁気記録媒体の温度を意図した温度(例えば、磁気記録媒体に記録するのに適した範囲内の温度)に調整するような好適な加熱手段の駆動条件を素早く得ることができる。その結果として、環境温度にほとんど左右されることなく、熱アシスト磁気記録を行うことができる磁気記録再生装置を提供できる。また、情報を記録する際に、磁気記録媒体の過熱を防止することができる。加えて、最も優れた再生信号評価値に係る駆動条件を効率よく抽出することができる。しかも、できるだけ小さな加熱パワーに係る駆動条件を選択することができる。そして、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合にさらなる予備記録を行わないようにすることによって、磁気記録媒体を過剰に熱する可能性を低めることができる。「第1回目の予備的な記録を考慮しない」とは、予備記録手段が第1回目の予備的な記録を行った直後に当該予備的な記録に係る再生信号評価値と基準値との優劣を判定してもいいし、しなくてもいいことを意味するものとする。

Claims (24)

  1. 記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置において、
    定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録手段と、
    前記予備記録手段によって前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定手段と、
    前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られるまで、一回又は前記予備駆動条件が互いに異なる複数回の前記予備記録手段による前記記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、前記予備記録手段及び前記判定手段を制御すると共に、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による前記判定結果に係る前記加熱手段の前記予備駆動条件を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定手段とを備えていることを特徴とする磁気記録再生装置。
  2. 前記抽出手段は、前記予備記録手段による前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、前記予備記録手段を制御することを特徴とする請求項1に記載の磁気記録再生装置。
  3. 記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置において、
    定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録手段と、
    前記予備記録手段によって前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定手段と、
    前記予備駆動条件が互いに異なる複数回の前記予備記録手段による前記記録領域への情報の予備的な記録が行われるように、前記予備記録手段を制御すると共に、前記複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による前記判定結果が得られたものであって、且つ、前記複数の前記予備駆動条件に係る複数の前記再生信号評価値の中で最も優れた前記再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出する抽出手段と、
    前記抽出手段が抽出した前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定手段とを備えていることを特徴とする磁気記録再生装置。
  4. 前記判定手段は、第1回目の予備的な記録を考慮しない場合に、前記予備記録手段が前記記録領域への情報の予備的な記録を行うごとに、当該予備的な記録に係る前記再生信号評価値と前記基準値との優劣を判定し、
    前記抽出手段は、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られるごとに、当該再生信号評価値と、その直前に、前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定手段による判定結果が得られた再生信号評価値との優劣を判定することを特徴とする請求項3に記載の磁気記録再生装置。
  5. 前記抽出手段は、
    前記予備記録手段による前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーが1回の予備的な記録ごとに次第に大きくなるように、前記予備記録手段を制御し、
    前記判定手段が2つの前記再生信号評価値の優劣を判定した結果、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合には、それまで行われた複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記直前の再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出することを特徴とする請求項4に記載の磁気記録再生装置。
  6. 前記記録領域に与えられる加熱パワーが所定上限値に達した後には前記予備記録手段が新たな予備的な記録を行わないように、前記抽出手段を制御する予備記録終了手段をさらに備えていることを特徴とする請求項2又は5に記載の磁気記録再生装置。
  7. 前記加熱手段が発光素子を含んでおり、
    前記発光素子から発せられた光を利用して前記磁気記録媒体を加熱することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  8. 前記記録ヘッドが、前記定電流又は前記一定振幅を有する前記波形電流が印加されることによって記録磁界を発生する金属線を有しており、
    前記発光素子から発せられた光が前記金属線に照射されることにより発生した近接場光によって、前記磁気記録媒体が加熱されることを特徴とする請求項7に記載の磁気記録再生装置。
  9. 前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、
    前記予備記録手段は、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、
    前記駆動条件決定手段は、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、
    前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の前記中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(A)から得られる加熱パワーPrに基づいて導出する駆動条件導出手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
    Pr=Pi+(r−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (A)
    (Pi:前記駆動条件決定手段が決定した距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Po:前記駆動条件決定手段が決定した距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Pr:前記磁気記録媒体の前記中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録するための加熱パワー)
  10. 前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、
    前記予備記録手段は、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、
    前記駆動条件決定手段は、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、
    前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roと前記距離riとの平均距離rcだけ離れた位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(B)から得られる加熱パワーPrcに基づいて導出し、当該導出された前記駆動条件を、前記第1予備記録領域と前記第2予備記録領域とに挟まれた記録領域に情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件に決定する駆動条件導出手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
    Prc=Pi+(rc−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (B)
    (Pi:前記駆動条件決定手段が決定した距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Po:前記駆動条件決定手段が決定した距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Prc:前記磁気記録媒体の前記中心から距離rcだけ離れた位置に対して情報を記録するための加熱パワー)
  11. 前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、
    前記磁気記録媒体の前記記録領域には、前記磁気記録媒体の前記中心から距離の範囲が重複しない複数のゾーンが設けられており、各ゾーン内では内部転送レートが一定であり、
    前記予備記録手段は、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、
    前記駆動条件決定手段は、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、
    前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の各ゾーンにおいて前記中心から最も離れた位置と前記中心に最も近い位置との中間位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(C)から得られる加熱パワーPrに基づいて導出し、当該導出された前記駆動条件を、当該ゾーンに情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件に決定する駆動条件導出手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
    Pr=Pi+(rz−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (C)
    (Pi:前記駆動条件決定手段が決定した距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Po:前記駆動条件決定手段が決定した距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Pr:前記磁気記録媒体の各ゾーンの前記中間位置(前記磁気記録媒体の中心から距離rz)に対して情報を記録するための加熱パワー)
  12. 前記駆動条件決定手段及び前記駆動条件導出手段が決定した前記駆動条件に関する情報が、利用者が記録したい情報が記録される前記磁気記録媒体における利用者用記録領域より外周領域に記録されることを特徴とする請求項9〜11のいずれか1項に記載の磁気記録再生装置。
  13. 記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置での磁気記録条件決定方法において、
    定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録工程と、前記予備記録工程で前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定工程との2つの工程を、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での判定結果が得られるまで、一回又は前記予備駆動条件が互いに異なるように複数回行い、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での当該判定結果に係る前記加熱手段の前記予備駆動条件を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で抽出された前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定工程とを備えていることを特徴とする磁気記録条件決定方法。
  14. 前記抽出工程において、前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーを1回の予備的な記録ごとに次第に大きくすることを特徴とする請求項13に記載の磁気記録条件決定方法。
  15. 記録ヘッドと、磁気抵抗効果を示す再生ヘッドと、情報を記録可能な磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体の記録領域を加熱するための加熱手段とを備え、前記記録ヘッドに電流を印加して磁界を発生させると共に前記磁気記録媒体の前記記録領域を前記加熱手段を用いて加熱することによって、加熱により保磁力が低下した前記磁気記録媒体に情報を記録し、前記磁気記録媒体の前記記録領域に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生する、磁気記録再生装置での磁気記録条件決定方法において、
    定電流又は一定振幅を有する波形電流が前記記録ヘッドに印加されるようにすると共に、前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記記録領域に加熱パワーが与えられるようにするために前記加熱手段を予備駆動条件に従って駆動することによって、前記磁気記録媒体の前記記録領域に情報を予備的に記録する予備記録工程と、前記予備記録工程で前記記録領域に予備的に記録された情報を前記再生ヘッドによって再生して得られる再生信号から再生信号評価値を得て、この再生信号評価値と予め定めておいた基準値との優劣を判定する判定工程との2つの工程を、前記予備駆動条件が互いに異なるように複数回行い、前記複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での前記判定結果が得られたものであって、且つ、前記複数の前記予備駆動条件に係る複数の前記再生信号評価値の中で最も優れた前記再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出する抽出工程と、
    前記抽出工程で抽出された前記予備駆動条件を、前記磁気記録媒体へ情報を記録する際の前記加熱手段の駆動条件に決定する駆動条件決定工程とを備えていることを特徴とする磁気記録条件決定方法。
  16. 第1回目の予備的な記録を考慮しない場合に、前記予備記録工程で前記記録領域への情報の予備的な記録を行うごとに、前記判定工程において、当該予備的な記録に係る前記再生信号評価値と前記基準値との優劣を判定し、
    前記抽出工程では、前記再生信号評価値が前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での判定結果が得られるごとに、当該再生信号評価値と、その直前に、前記基準値と一致している又は前記基準値よりも優れているという前記判定工程での判定結果が得られた再生信号評価値との優劣を判定することを特徴とする請求項15に記載の磁気記録条件決定方法。
  17. 前記抽出工程では、
    前記記録領域への情報の複数回の予備的な記録が行われる際に、前記記録領域に与えられる加熱パワーを1回の予備的な記録ごとに次第に大きくし、
    前記判定工程で2つの前記再生信号評価値の優劣が判定された結果、新たな再生信号評価値が直前の再生信号評価値よりも劣ると判定された場合には、それまで行われた複数回の予備的な記録に係る複数の前記予備駆動条件の中から、前記直前の再生信号評価値に係る前記予備駆動条件を抽出することを特徴とする請求項16に記載の磁気記録条件決定方法。
  18. 前記記録領域に与えられる加熱パワーが所定上限値に達した後には新たな予備的な記録を行わないことを特徴とする請求項14又は17に記載の磁気記録条件決定方法。
  19. 前記加熱手段が発光素子を含んでおり、
    前記発光素子から発せられた光を利用して前記磁気記録媒体を加熱することを特徴とする請求項13〜18のいずれか1項に記載の磁気記録条件決定方法。
  20. 前記記録ヘッドが、前記定電流又は前記一定振幅を有する前記波形電流が印加されることによって記録磁界を発生する金属線を有しており、
    前記発光素子から発せられた光が前記金属線に照射されることにより発生した近接場光によって、前記磁気記録媒体が加熱されることを特徴とする請求項19に記載の磁気記録条件決定方法。
  21. 前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、
    前記予備記録工程では、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、
    前記駆動条件決定工程では、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、
    前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の前記中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(A)から得られる加熱パワーPrに基づいて導出する駆動条件導出工程をさらに備えていることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の磁気記録条件決定方法。
    Pr=Pi+(r−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (A)
    (Pi:前記駆動条件決定工程で決定された距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Po:前記駆動条件決定工程で決定された距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Pr:前記磁気記録媒体の前記中心から任意の距離rだけ離れた位置に対して情報を記録するための加熱パワー)
  22. 前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、
    前記予備記録工程では、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、
    前記駆動条件決定工程では、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、
    前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roと前記距離riとの平均距離rcだけ離れた位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(B)から得られる加熱パワーPrcに基づいて導出し、当該導出された前記駆動条件を、前記第1予備記録領域と前記第2予備記録領域とに挟まれた記録領域に情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件に決定する駆動条件導出工程をさらに備えていることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の磁気記録条件決定方法。
    Prc=Pi+(rc−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (B)
    (Pi:前記駆動条件決定工程で決定された距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Po:前記駆動条件決定工程で決定された距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Prc:前記磁気記録媒体の前記中心から距離rcだけ離れた位置に対して情報を記録するための加熱パワー)
  23. 前記磁気記録媒体が円盤形状を有しており、
    前記磁気記録媒体の前記記録領域には、前記磁気記録媒体の前記中心から距離の範囲が重複しない複数のゾーンが設けられており、各ゾーン内では内部転送レートが一定であり、
    前記予備記録工程では、前記磁気記録媒体の中心から距離riだけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられた第1予備記録領域、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から距離ro(ro>ri)だけ離れた位置を含む、前記磁気記録媒体の前記記録領域に設けられて前記第1予備記録領域よりも外周側にある第2予備記録領域に、前記磁気記録媒体を所定の角速度で回転させつつ、情報を予備的に記録し、
    前記駆動条件決定工程では、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離riだけ離れた前記第1予備記録領域内の位置、及び、前記磁気記録媒体の前記中心から前記距離roだけ離れた前記第2予備記録領域内の位置における前記加熱手段の駆動条件を決定し、
    前記所定の角速度で回転する前記磁気記録媒体の各ゾーンにおいて前記中心から最も離れた位置と前記中心に最も近い位置との中間位置に対して情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件を、下記式(C)から得られる加熱パワーPrに基づいて導出し、当該導出された前記駆動条件を、当該ゾーンに情報を記録する際の前記加熱手段の前記駆動条件に決定する駆動条件導出工程をさらに備えていることを特徴とする請求項13〜20のいずれか1項に記載の磁気記録条件決定方法。
    Pr=Pi+(rz−ri)×(Po−Pi)/(ro−ri) (C)
    (Pi:前記駆動条件決定工程で決定された距離riにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第1予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Po:前記駆動条件決定工程で決定された距離roにおける前記駆動条件にしたがって駆動された前記加熱手段から前記磁気記録媒体の前記第2予備記録領域に与えられる加熱パワー、
    Pr:前記磁気記録媒体の各ゾーンの前記中間位置(前記磁気記録媒体の中心から距離rz)に対して情報を記録するための加熱パワー)
  24. 前記駆動条件決定工程及び前記駆動条件導出工程で決定された前記駆動条件に関する情報を、利用者が記録したい情報が記録される前記磁気記録媒体における利用者用記録領域より外周領域に記録することを特徴とする請求項21〜23のいずれか1項に記載の磁気記録条件決定方法。
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