JPWO2008041709A1 - 評価システム、点灯装置及び画像表示装置 - Google Patents

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Abstract

高圧放電ランプを構成する放電容器内の不純ガスの状態による不具合の発生可能性を的確に評価することができる画像表示装置を提供することを目的とする。画像表示装置は、高圧放電ランプと、不純ガスの状態による不具合の発生可能性を評価する評価手段(51)とを有する。この評価手段(51)は、高圧放電ランプを絶縁破壊させるための高圧パルスを発生する高圧パルス発生部(57)、高圧放電ランプをグロー放電状態で点灯させるための定電流を発生する定電流発生部(58)と、グロー放電状態での点灯時のランプ電圧を測定するランプ電圧測定部(59)と、LED(63)と、制御部(65)とを備える。制御部(65)は、ランプ電圧測定部(59)で測定されたランプ電圧が所定値以上のときに高圧放電ランプに不具合が発生する可能性が高いと判断して、LED(63)を点灯させる。

Description

本発明は、評価システム、点灯装置及び画像表示装置に関する。
液晶プロジェクタ等の画像表示装置の光源として高圧放電ランプが利用されている。この高圧放電ランプ(以下、単に「ランプ」という。)は、放電容器内に、一対の電極が配されていると共に、発光物質である水銀、希ガスであるアルゴン等が封入された、所謂、高圧水銀ランプである。
ところで、高圧水銀ランプはその放電容器が黒化しやすく、これを防ぐためにハロゲンサイクル用のハロゲンが放電容器内に封入されている。放電容器の黒化は、電極の周辺部分で点灯エイジング時間が約100(hrs)ぐらいから発生することもあり、その後の点灯エイジングで黒化が更に進むと、ランプ光束が減衰する他、放電容器における黒化した部分の温度が異常に高くなることで失透・膨れが発生して放電容器の破損を招くこともある。
上記黒化の原因は、放電容器内、つまり、放電空間内に残存する、例えば、水素、水等からなる分子性ガス(当該分子性ガスはランプ点灯により不純ガスとなり得る。)によって、ハロゲンサイクル機能が低下したためと考えられている。
放電空間内の不純物等を削減する方法として、従来から放電容器部材にはOH基含有量が例えば5(ppm)以下に規定された高純度の石英が適用されたり、電極部材(タングステン)には特にカリウム(K)などの副成分組成の含有量を削減した高純度の材料が開発・適用されたりしている(特許文献1参照)。
一方、放電容器製造工程では、石英容器の成形加工等においてガスバーナー加熱によって石英容器内に含浸(残存)した水(HO)等を除去するために、加工後の石英容器を真空高温加熱等で処理をしている。また、電極についても、まず放電容器の封止前に脱ガスのための水素還元処理や真空高温処理が行なわれ、更に電極封止工程ではガスバーナー加熱による電極酸化を防ぐために、例えばアルゴンガス還流による高純度加工プロセスが適用されている。
特開昭54−131368号公報
ところが、上記のような対策を施した高圧水銀ランプであっても、実際に使用してみると、放電容器に黒化が稀に発生する等の不具合が生じる場合がある。つまり、放電空間内に不純物がまだ残存しているのである。
一方、放電空間内の不純物、特に点灯中の分子性ガス(不純ガス)の存在状態を的確且つ容易に評価(調査)する技術がまだ確立していない。このため、黒化のような不具合が生じる可能性の高いランプが、数が少ないものの市場に出回ってしまうことになる。
なお、上記課題は、放電容器であるガラス管を洗浄・乾燥した後に、或いは、蛍光体層用の懸濁液を前記ガラス管(内面)に塗布・乾燥した後に、紫外線(例えば、254nmの紫外線である。)発生物質である水銀を封入した、所謂、冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプ等の低圧水銀ランプにおいても生じ得る。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、放電ランプに不具合を発生させ得る可能性のある分子ガスの存在状態を容易且つ的確に評価することができる評価システム等を提供することを目的とする。
本発明に係る評価システムは、放電ランプの放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価システムであって、前記放電ランプを正規グロー放電状態で点灯させる点灯手段と、前記正規グロー放電状態で点灯されている前記放電ランプのランプ電圧を測定する電圧測定手段と、前記測定されたランプ電圧が、予め設定された基準値に対して一定値以上高くなったことを評価する評価手段と、前記評価結果を出力する出力手段とを有していることを特徴としている。
ここでいう「分子性ガス」とは、水素や水(水蒸気)等の分子性のガスをいい、「分子性ガスの存在状態」とは、上記分子性ガスの量(絶対量)により規定されるガスの存在状態をいう。
また、ここでいう「出力手段」とは、評価結果を出力できるものであれば良く、例えば、ランプ、LED等であっても良いし、音を発生させるスピーカでも良い。
さらに、「放電ランプ」は、水銀を発光物質として有する高圧放電ランプ、或いは、水銀を紫外線発光物質として有する低圧放電ランプ(冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプを含む。)を含んだ概念である。
一方、「正規グロー放電状態」とは、グロー放電のうち、電流が増加しても放電電圧が略一定となる状態の放電を指す。
また、前記放電ランプは高圧放電ランプであって、当該高圧放電ランプの放電空間内には、水銀に加えてハロゲン、アルゴンが封入され、前記点灯手段は、前記高圧放電ランプを直流電流からなるランプ電流にて正規グロー放電状態で点灯させるものであり、前記予め設定された基準値とは初期時のランプ電圧値であり、前記一定値とは90Vであることを特徴とし、或いは、前記放電ランプは高圧放電ランプであって、当該高圧放電ランプの放電空間内には、水銀に加えてハロゲン、アルゴンが封入され、前記点灯手段は、前記高圧放電ランプを交流電流からなるランプ電流にて正規グロー放電状態で点灯させるものであり、前記予め設定された基準値とは初期時のランプ電圧値であり、前記一定値とは60Vであることを特徴としている。
ここでいう「初期時のランプ電圧値」とは、ランプ完成直後のグロー放電時のランプ電圧をいう。
本発明に係る点灯装置は、放電容器内に一対の電極が配されていると共に発光物質又は紫外線発生物質である水銀が放電空間に封入されてなる放電ランプを点灯させる点灯装置であって、前記放電ランプの前記放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価手段を備え、当該評価手段が、上記構成の評価システムであることを特徴としている。
本発明に係る画像表示装置は、放電容器内に一対の電極が配されていると共に発光物質又は紫外線発生物質である水銀が放電空間に封入されてなる放電ランプが組み込まれた画像表示装置であって、前記放電ランプの前記放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価手段を備え、当該評価手段が、上記構成の評価システムであることを特徴としている。
本発明に係る評価システムでは、正規グロー放電状態でのランプ電圧を測定し、この測定したランプ電圧値を利用して評価している。発明者らは種々検討した結果、上記ランプ電圧が所定値(基準値に対して一定値高くなった値に相当する。)以上になると、分子性ガスが放電空間内に残存し、不具合の発生する可能性が高くなることが判明した。このため、本発明の評価システムでは、ランプ電圧が所定値以上になった場合にその旨の評価結果が出力されるので、当該放電ランプについての分子性ガス存在状態を知ることができる。
また、上記の評価結果が出力された放電ランプは、不具合が黒化の発生等の不具合を発生するおそれ高く、ランプ光束が減衰したり、さらには放電容器が破損したりするおそれのある放電ランプを特定することができる。
さらに、上記の所定値を知っていれば、正規グロー放電状態のランプ電圧の測定結果を見れば、そのランプの黒化発生の可能性を評価することができる。
本発明に係る点灯装置は、上記の評価システムを備えているので、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプについて分子性ガスの存在状態の評価結果を表示することができる。特に、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプが異常又は不良となる可能性が高くなり、ランプ光束が減衰したり、さらには放電容器が破損したりするおそれのある放電ランプを特定することができる。
本発明に係る画像表示装置は、上記の評価システムを備えているので、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプについて分子性ガスの存在状態の評価結果を表示することができる。特に、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプが異常又は不良となる可能性が高くなり、ランプ光束が減衰したり、さらには放電容器が破損したりするおそれのある放電ランプを特定することができる。
第1の実施の形態に係るランプの縦断面図である。 評価手段の概念図である。 実施の形態に係る評価手段のブロック図である。 制御部のフローチャートである。 グロー放電時におけるランプ電圧の分布を示す図である。 第2の実施の形態に係るプロジェクタの一部を切り欠いた斜視図である。 点灯ユニットのブロック図である。 制御部のフローチャートである。 ランプへの電圧印加の開始からアーク放電が開始するまでのランプ電圧とランプ電流の波形図である。 第2の実施の形態に係るランプユニットの縦断面図である。 第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットのブロック図である。 検査用電圧生成部の回路図である。 第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットの制御部のフローチャートである。 背面投射型画像表示装置の全体斜視図である。
符号の説明
1 ランプ
5 放電容器
15,17 電極部(電極)
35 水銀
51 評価手段
57 高圧パルス発生部
58 定電流発生部
59 ランプ電圧検出部
61 計時部
63 表示部(LED)
101 プロジェクタ
103 ランプユニット
115 評価ユニット
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態として、高圧放電ランプの一種である高圧水銀放電ランプ(以下、単に「ランプ」という。)と当該ランプの評価システムとについて図面に基づき説明する。
1.ランプ
図1は、第1の実施の形態に係るランプの縦断面図である。
ランプ1は、図1に示すように、内部に放電空間3を有する放電容器5と、前記放電空間3で先端(後述する電極部である。)同士が対向する状態で両封止部7,9に封着されている電極構成体11,13とからなる。
放電容器5は、その略中央に位置し且つ略回転楕円体形状をした発光部12と、この発光部12の両側に設けられた封止部7,9とから構成され、発光部12の内部に前記放電空間3を有する。
電極構成体11,13は、電極部15,17、金属箔19,21及び外部リード線23,25がこの順で接続(例えば、溶接により固着されている。)されてなる。ここで、電極構成体の11,13の先端部が電極部15,17(本発明の「電極」に相当する。)となる。
外部リード線23,25は、両封止部7,9における発光部12と反対側の端面から外部に導出されている。
電極部15,17は、放電空間3において、略一直線上に対向するように配設されており、電極軸27,29と、この電極軸27,29の先端に設けられた電極コイル31,33とからなる。
電極構成体11,13は、電極コイル31,33の間隔Deを所定距離にした状態で、主に金属箔19,21が封止部7,9に封着される。これにより、発光部12の内部に密閉状態の放電空間3が形成される。この電極構成体11,13が封止部7,9に封着された状態では、図1に示すように、電極部15,17が封止部7,9から放電空間3へ延出する。
放電空間3には、発光物質である水銀35、始動補助用の希ガス、ハロゲンサイクル用のハロゲンが封入されている。
ここで、ランプ1の具体例について説明する。なお、ここでの具体例は一例であり、本発明を本例に限定するものではない。
まず、放電容器5は、石英ガラスから構成される。封止部7,9は、電極構成体11,13を内部の所定の位置(電極コイル31,33が放電空間3の所定位置となる。)に配し、この状態で、それぞれの金属箔19,21を介して、所謂絞り封止(シュリンク)方式により気密封止されてなる。
電極構成体11,13、つまり、電極コイル31,33、電極軸27,29、金属箔19,21、外部リード線23,25には、モリブデン材料が利用されている。なお、モリブデン材料以外の他の材料、例えばタングステン材料を利用することもできる。
放電空間3内に封入される希ガスには、アルゴンが利用されている。ハロゲン(ガス)には、臭素(Br)が封入され、より具体的には、臭化メチレン(CHBr)が用いられ、アルゴンに混合させた状態で封入されている。
次に上記構成を管入力120(W)のランプに具体的に適用した実施例について説明する。
放電容器5の寸法は、放電容器5の全長は60(mm)、発光部12の中心部分(外径の最も大きな部分である。)の外径は9.4(mm)、内径は4.2(mm)、発光部12の全長は7.3(mm)である。放電空間3内の一対の電極(電極コイル31,33)の先端間の間隔Deは1.0(mm)で、所謂ショートアークタイプであり、また管壁負荷は1.5(W/mm)に設定されている。
放電空間3内の水銀35は、単位容積(mm)当り約0.20(mg)封入(定常点灯時の放電空間3内の蒸気圧で約20(Mpa)に相当する。)され、希ガスとしてのアルゴンは、定常点灯時の放電空間3内の蒸気圧で約30(kPa)となるように封入され、ハロゲンである臭素が、単位容積(mm)当り約1.3×10−4(μmol)封入されている。
ランプ1は、始動直後に正規グロー放電状態(以下、単に、「グロー放電状態」という。)からアーク放電状態に移行し、定常点灯時(アーク放電状態である。)には管入力が120(W)及び約1.7(A)のランプ電流で動作される。
なお、ランプ1は、製造後に専用の点灯ユニットにより点灯周波数166(Hz)の交流波(矩形波)で管入力が120(W)の条件で、所謂熱陰極動作のアーク放電状態において、点滅サイクルも含めた4時間の点灯エイジングがなされる。
2.評価システム
評価システムは、上記構成のランプ1の放電容器5内の不純ガス(分子性ガス)の存在状態(単に、「不純ガスの状態」ともいう。)の評価を行うものである。
評価システムは、ランプ1を絶縁破壊させた後に定電流制御により点灯させ、点灯時のランプ1に印加するランプ電圧Vlaを測定して、その測定結果によって放電空間の不純ガスの存在状態の評価を行う。
図2は、評価システムの概念図である。
評価システムは、本実施の形態においては、基本的な構成としては、ランプ1に定電流を供給する定電流供給部53と、限流用の抵抗55とを備える装置により構成されるため、評価手段として説明するが、例えば、定電流供給部53が、ランプ1に定電流を供給する定電流供給装置であり、また、抵抗55が、限流用の抵抗を備える抵抗装置であり、互いに独立した装置を用いてシステムとすることもできる。
図3は、実施の形態に係る評価手段のブロック図である。
評価手段51は、高圧パルス発生部57、定電流発生部58、ランプ電圧測定部59、計時部61、LED(表示部)63、制御部65を備える。
高圧パルス発生部57は、ランプ点灯時にランプ1に印加する高圧パルスを発生する。ランプ1は、この高圧パルスの印加により絶縁破壊を生じ、点灯を開始する。
定電流発生部58は、ランプ1が絶縁破壊した後に、ランプ1を所謂冷陰極動作のグロー放電で点灯をさせるための定電流を発生する。計時部61は、絶縁破壊後の時間経過を計測する。ランプ電圧測定部59は、ランプ1が絶縁破壊してからの経過時間が所定時間に達すると、グロー放電状態で点灯中のランプ電圧Vlaを測定する。
制御部65は、高圧パルス発生部57、定電流発生部58、ランプ電圧測定部59、計時部61に対し、ランプ1の点灯、時間計測、ランプ電圧Vla測定の指示を与えると共に、ランプ電圧測定部59で測定したランプ電圧Vlaが、黒化発生の閾値である基準電圧Vref(本発明の「予め設定された基準値に対して一定以上高くなったとき」の値に相当する。)よりも高い場合に、その旨をユーザに報知すべく、LED63を点灯させる。
図4は、制御部のフローチャートである。
制御部65は、まず、高圧パルス発生部57に指示して、高圧パルスを発生させると共にこの高圧パルスをランプ1に印加する(S1)。これにより、ランプ1には電圧が印加し始め、ランプ1の絶縁破壊を判定する(S3)。なお、絶縁破壊の判定は、絶縁破壊によりランプ1は通電状態となるので、ランプ電圧の低下やランプ電流の流れを検出することで行う。
制御部65は、ステップS3において、例えばランプ1に所定値以上の電流が流れないと、ランプ1は絶縁破壊に至っていないと判定して(図中の「NO」である。)、ステップ1に戻る。逆に所定値以上の電流が流れると、ランプ1が絶縁破壊したと判定すると(図中の「YES」である。)、定電流発生部58に定電流を発生させて、ランプ1に定電流を供給する(S5)。この定電流により、ランプ1は冷陰極動作のグロー放電によって点灯する。このとき、制御部65は、計時部61に絶縁破壊後の経過時間の計測を指示する。
次に、制御部65は、絶縁破壊後所定時間が経過しているか否かを判定する(S7)。所定時間経過している場合(図中の「YES」である。)、ランプ1に実際に印加されているランプ電圧Vlaの測定をランプ電圧測定部59に指示する(S9)。なお、ランプ電圧測定部59で測定したランプ電圧Vlaは制御部65に出力される。
制御部65は、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vref以上であるか否かを判定する(S11)。
ランプ電圧Vlaが基準電圧Vref以上であると判定(具体的には、ランプ電圧Vlaと基準電圧Vrefとを比較して、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vref以上である場合である。)すると、黒化発生の可能性が「高い」と評価して、その旨をユーザに知らせるべくLED63を点灯させて(S13)、終了する。逆に、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小であると判定(具体的には、ランプ電圧Vlaと基準電圧Vrefとを比較して、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小である場合である。)すると、放電空間内のガスの状態が良いもの、つまり不純ガスの量が少ないものと評価して、LED63を点灯させずに終了する。
3.試験結果
発明者らは、上記ランプ1の放電空間3に不純物が残存し、当該不純物密度(或は不純物量)がハロゲンサイクル機能を損なってランプ1に黒化をもたらす不適正レベルにあるか否か(黒化発生の可能性が「高い」か「低い」かである。)を比較的簡易に判定できる評価方法を探索・検討した。
この結果、比較的低電流での放電、所謂冷陰極動作のグロー放電状態でランプ1を点灯させて、このときのランプ電圧Vlaによりランプ1の放電空間3内の不純物密度が黒化をもたらす不適正レベルに在るか否かを判定できることを見出した。
そして、本評価方法の適用により、黒化発生の可能性が高いランプ1を事前に選別し除去でき、市場でのランプ1の黒化発生による不良を実質的に防止できることを見出した。
以下に、本発明の実施の形態に係るランプをグロー放電で点灯させたときのランプ電圧と黒化発生について説明する。
図5は、グロー放電時におけるランプ電圧の分布を示す図である。
実験に用いたランプ1は、上記の構成の具体例で説明したものであり、図2に示す、定電流供給部53は2.3(mA)で、また限流用の抵抗55は2.5(MΩ)で、ランプ1をグロー放電点灯させた(このときの定電流供給部53の電圧は、DC6(kV)に相当する。)。なお、ランプ電圧Vlaは、絶縁破壊から90秒経過後に測定し、測定本数は200本である。
図5は、横軸にランプ電圧、縦軸にそのランプ電圧の範囲にあるランプ本数を示す。図5から、測定したランプのうち、188本のランプ1のランプ電圧Vlaが130(V)から170(V)未満の範囲にあり、ランプ電圧Vlaが170(V)以上のランプ1が12本であることが分かる。
次いで、上記ランプ電圧Vlaを測定したランプ1について、通常の放電であるアーク放電状態で、1000(hrs)の点灯エイジング試験を行い、ランプ1の黒化発生状況を観察した。なお、このアーク放電状態で点灯させる際、全てのランプ1におけるランプ電圧Vlaは55(V)〜85(V)の狭い範囲内に分布し、上記グロー放電状態での点灯時に見られたランプ電圧Vlaが130(V)〜260(V)のような広い範囲に分布することはなかった。
また、ランプ1内に単に始動補助用希ガスとしてのアルゴンが10(kPa)〜50(kPa)封入され、また電極間の距離Deが0.5(mm)〜1.0(mm)と短いランプ1では、グロー放電状態でのランプ電圧Vlaが一般的に130(V)ぐらいから160(V)ぐらいまでの範囲に分布することは知られている。従って、グロー放電状態の点灯時のランプ電圧Vlaが170(V)〜260(V)と高いランプ(測定結果では、12本のランプ1が相当する。)においては、放電空間3内に相当量の不純物が混入・残留しているものと考えられる。
上記観察結果は、ランプ電圧Vlaが170(V)未満の188本のランプ1においては、黒化の発生が観察されず(皆無である。)、一方、ランプ電圧Vlaが170(V)以上、特に、220(V)以上であった5本のランプ1においては、点灯後、1(hrs)〜200(hrs)の短い点灯エイジングでも黒化の発生が観察された。
ここで、上記実験に用いたランプは、初期時(出荷時)のランプ電圧が約130(V)に設定されたものであり、点灯後、1(hrs)〜200(hrs)の短い点灯エイジングで黒化が発生したランプでは、グロー放電状態でのランプ電圧Vlaが220(V)以上であることから、グロー放電時のランプ電圧Vlaが、初期時のランプ電圧の値(130(V))に対して90(V)以上高くなったときに、黒化が発生する可能性が高くなることが分かる。
上記結果を換言すると、グロー放電でランプ1を点灯させた際のランプ電圧Vlaの値が220(V)以上のランプ1を選別し除外することにより、残ったランプ1の黒化発生を実質的に略100(%)防止することができるということになる。
従って、例えばランプ1の出荷前に上記の評価試験を行なうことにより、不純物密度が不適正レベルに在るランプ1を選別して除外することが可能となり、これにより、黒化発生の可能性の高いランプ1が市場で使用されるのを事前に防止することができる。
以上説明したように、発明者らは種々の検討を重ねた結果、グロー放電状態での点灯時に測定されるランプ電圧Vlaは、ランプ1内(放電容器3内)の不純物の密度を相対的に示す一種の物理パラメータであると考えられ、これによりランプ内における不純物の密度がハロゲンサイクル機能を損なって放電容器黒化をもたらす不適正レベルに在るか否かを精度良く判定できることが判明した。
そして、物理パラメータであるランプ電圧の基準電圧Vrefは、上記のように実験的により220(V)と略正確に求めることができ、当該基準電圧Vref以上のランプ1を選別し除外すれば良いことになる。
また、実施の形態に係る評価手段は、ランプをグロー放電状態で点灯させたときのランプ電圧Vlaの測定を行うという簡易な構成で容易に実施できる。また、当該測定は、ランプ単体のみならず、例えば、ランプがランプユニット(第2の実施の形態で説明する。)に組立てられた形態でも同様に実施可能である。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ランプ1の評価手段51について説明したが、第2の実施の形態では、光源としてのランプと当該ランプを点灯させる機能と評価する評価機能とを備える点灯ユニットを有する画像表示装置であるプロジェクタについて説明する。
1.プロジェクタ
(1)構成
図6は、実施の形態に係るプロジェクタの一部を切り欠いた斜視図である。
プロジェクタ101は、所謂、前面投射型であって、図6に示すように、ランプを内部に備えるランプユニット103、ランプを点灯させる点灯ユニット(125)、各ユニット等に給電するための電源ユニット105、制御ユニット107、レンズ系や透過型のカラー液晶表示板等が内蔵されているレンズユニット109、ランプ冷却用のファン装置111等をケース113の内部に備える。なお、ここでのランプは、例えば、定格電力が120(W)のものが用いられている。
本実施の形態では、点灯ユニット125内に、ランプの黒化発生の可能性を評価してランプ交換をユーザ等に知らせる機能を備える。
電源ユニット105は、家庭用AC100(V)の電源を所定の電圧に変換して、点灯ユニット125や制御ユニット107などに供給する。制御ユニット107は、レンズユニット109の上部に配された基板117と、この基板117に実装された複数の電子・電気部品119等から構成され、外部から入力された画像信号に基づき、カラー液晶表示板を駆動してカラー画像を表示させる。また、レンズユニット109の内部に配されている駆動モータを制御してフォーカシング動作やズーム動作を実行させる。
ランプユニット103から射出された光は、レンズユニット109の内部に配されているレンズ系を通過して、光路途中に配されたカラー液晶表示板を透過する。これにより、カラー液晶表示板に形成された画像が、レンズ121等を介して図外のスクリーン上に投影される。なお、レンズユニット109は、その一部がケース113の外部に張り出すように設けられている。
点灯ユニット125は、ランプを点灯させたり、その点灯を維持させたり等の制御を行なう他、プロジェクタの使用時にランプについて黒化発生の可能性の評価を行い、可能性が高いときに、ケース113の前面のLED63を点灯させる機能を有する。
なお、プロジェクタ101は、プロジェクタの使用時にランプについて黒化発生の可能性の評価を行い、その後、ランプをアーク放電状態で点灯させて、図外のスクリーン等に画像を表示する。
(2)回路構成
まず、点灯ユニット125について説明する。
図7は、点灯ユニットのブロック図である。
点灯ユニット125は、電源ユニット105で変換された直流電圧を受け、ランプ151を、グロー放電状態を経て、アーク放電状態で点灯させる。点灯ユニット125は、DC/DCコンバータ127、DC/ACインバータ129、高電圧供給部131、電流検出部133、電圧検出部135、制御部137、ランプ電圧検出部139を備える。
DC/DCコンバータ127は、電源ユニット105から供給された直流電圧を、後述の制御部137からの電力設定信号に従って所定電圧の直流電圧に変換し、DC/ACインバータ129に供給する。
DC/ACインバータ129は、例えば、一対のスイッチング素子(FET)を2組備え、各組を交互にオン・オフすることで、DC/DCコンバータ127から供給された直流電圧から生成した所定の周波数の交流矩形電流をランプ151に印加する。
高電圧供給部131は、例えば、コイル131aとコンデンサ131bを備える共振回路を利用して高電圧を発生させる。ランプ151は、当該高電圧の供給を受け、絶縁破壊して放電を開始する。
電流検出部133及び電圧検出部135は、DC/ACインバータ129の入力側に接続されており、間接的にランプ151のランプ電流およびランプ電圧をそれぞれ検出し、その検出信号を制御部137に送出する。
制御部137は、電流検出部133及び電圧検出部135からの検出結果に基づいて、DC/DCコンバータ127で直流電圧値を制御する。なお、制御部137は、ランプ電圧−ランプ電力テーブルを有し、この条件に従ってランプ151の点灯を維持するように制御している。
制御部137は、ランプ151を始動させた後のグロー放電状態でのランプ電圧を検出するランプ電圧検出部139からランプ電圧の検出信号を受けると、当該ランプ電圧Vlaと、基準電圧Vref(ここでは、交流電圧を利用してグロー放電状態で点灯させているため、300(V)である。)とを比較して、ランプ電圧Vlaの方が高い場合には、LED63を点灯させるようになっている。なお、ここでは、基準電圧とランプ電圧との比較は、例えば、コンパレータを用いている。
次に、制御部137の制御内容について説明する。
図8は、制御部のフローチャートであり、図9は、ランプへの電圧印加の開始からアーク放電が開始するまでのランプ電圧とランプ電流を示す図である。
制御部137は、まず、ランプ151の消灯回数を表す変数「n」を「0」とし(S101)、この変数nが所定数、例えば3より小であるか否かを判定する(S103)。
変数nが3より小である場合(図中の「YES」である。)に、ランプ151に高周波高電圧を所定時間印加し(S105)、変数nが3である場合(図中の「NO」である。)に、ランプ151が点灯できない状態(例えば、寿命等である。)であるので、ランプの点灯制御を終了する。
ステップS105の高周波高電圧の印加は、高電圧供給部131により行なわれ、そのときの電圧は、図9の時間が0からT1までの期間となる。この高電圧は、例えば、周波数が300(kHz)〜600(kHz)で、電圧値が2(kV)〜5(kV)である。
時間T1は、例えば1秒(つまり、時間0〜T1までの間隔が1秒間である。)である。なお、高周波高電圧の印加は、ランプ151にブレークダウン(絶縁破壊)が時間0から時間T1までの間で発生すると、その後、時間T1になるまで固定電圧を印加する。
高周波高電圧をランプ151に印加して所定時間(時間T1である。)が終了すると、電流検出部133を介して電流Iを検出(S107)し、この電流Iが0より大であるか否かを判定する(S109)。
電流Iが0より大である場合(図中の「YES」であり、ランプ151にブレークダウンが発生した場合である。)は、ステップS111に進んで、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるべく定電流を所定時間印加し、また、電流Iが0である場合(図中の「NO」であり、まだブレークダウンが発生していない場合である。)は、放電を開始させるために再度ランプ151に高周波高電圧を印加するために、変数nに1を加算して(S113)、ステップS103に戻る。
ここで、ステップS111の定電流印加時の電流・電圧は、図9の時間がT1〜T2までの期間となる。定電流は、例えば、定電流の周波数が100(Hz)〜500(kHz)で、電流値が0.1(mA)〜3(mA)である。また、このとき、電圧の周波数が100(kHz)〜500(kHz)で、電圧値が約200(V)であり、時間T2は2秒(つまり、時間T1〜T2までの間隔が1秒間である。)である。
ステップS111で定電流が所定時間(時間T2−時間T1である。)印加されると、ランプ電圧検出部139を介してランプ電圧Vlaを検出し(S115)、検出したランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小であるか否かを判定する(S117)。
ステップS117でランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより大である場合(図中の「NO」である。)、黒化発生の可能性が「高い」と評価して、その旨をユーザに知らせるべくLED63を所定時間点灯させた(S127)後、ランプ151の点灯制御を終了する。
一方、ステップS117でランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小である場合(図中の「YES」である。)、ランプ151の放電空間内のガスの状態が良いもの、つまり不純ガスの量が少ないものと評価して、アーク放電状態で点灯させるべく固定電流(この電流は、電流値が一定の定電流であるが、ステップS111での定電流と区別するために、固定電流としている。)を所定時間印加した(S119)後、電流検出部133を介して電流Iを検出し(S121)、測定した電流Iが0より大か否かを判定する(S123)。
ここで、ステップS119の固定電流印加時の電流・電圧は、図9の時間がT2〜T3までの期間となる。固定電流は、例えば、周波数が100(kHz)〜200(kHz)で、電流値が2(A)〜4(A)である。また、このとき、電圧の周波数が100(kHz)〜200(kHz)で、電圧値が10(V)〜20(V)であり、時間T3は3秒(つまり、時間T2〜T3までの間隔が1秒間である。)である。
ステップS123で電流Ilaが0より大である場合(つまり、図中の「YES」であり、ランプがアーク放電状態で点灯を維持している場合である。)は、ランプ151を低周波定格点灯させる(S125)。
上記の低周波定格点灯は、DC/ACインバータ129の各スイッチング素子129a,129b,129c,129dのオン・オフの切換え周期を低周波に変更して行なわれる。
ここで、ステップS125の低周波定格点灯時の電流・電圧は、図9の時間がT3以降となる。このとき、図9に示すように、電流は定常状態になるまで定電流で、例えば、その周波数が90(Hz)〜500(Hz)で、電流値が2(A)〜6(A)である。また、このときの電圧の周波数が90(Hz)〜500(Hz)で、ランプが定格状態(ここでは、ランプ電力が略120(W)である。)になるまでランプ電圧が徐々に増加する(具体的には、ランプ電圧が略70(V)まで増加する。)。
なお、上記した制御部137のフローチャートは、第2の実施の形態の実施例を示す一例であり、本発明はこの内容に限定されるものではない。
例えば、時間T3以降の電流値は、図9おいては固定電流の電流値と同じであるが、例えば、時間T3以降の電流値が固定電流(図9における時間T2〜T3までの間である。)の電流値より高くても良い。
つまり、グロー放電状態でランプを点灯させる際の電流を第1の定電流(図9における時間T1〜T2までの間に相当する。)、アーク放電状態でランプを点灯させる際の電流を第2の定電流(図9における時間T2〜T3までの間に相当する。)、定格状態になるようにランプを点灯させる際の電流を第3の定電流(図9における時間T3〜定格状態までの間に相当する。)とすると、第2及び第3の定電流の電流値は同じでも良いし、異なっても良い。
2.ランプユニット
図10は、第2の実施の形態に係るランプユニットの縦断面図である。
ランプユニット103は、同図に示すように、ランプ151と反射鏡171とを備え、反射鏡171の内部にランプ151が組み込まれている。
ランプ151は、図1に示したランプ1と同じ構成であるが、形状が若干細長い。これは、第1の実施の形態に係るランプ1と管入力が異なるからである。
ランプ151は、内部に放電空間153を有する放電容器155と、前記放電空間153の内部で電極部同士が対向する状態で両封止部157,159に封着されている電極構成体161,163とからなる。
また、封止部157には、口金165がセメント167を介して被着されており、外部リード線169が口金165に接続されている。
反射鏡171は、図8に示すように、凹面状の反射面173が形成された本体部材175を有し、この本体部材175の開口177には前面ガラス179が設けられている。なお、本体部材175と前面ガラス179との固着は、例えば、シリコーン系の接着剤を用いて行われる。
反射鏡171は、例えば、ダイクロイック反射鏡であり、ランプ151から発せられた光を所定方向(前面ガラス179側)へと反射させている。本体部材175の形状は漏斗状をしており、外径の小さい小径部分181には、ランプ151の一方の封止部157が挿入される貫通孔183が形成されている。
ランプ151の上記反射鏡171への組込は、図10に示すように、口金165が被着している封止部157を本体部材175の小径部分181の貫通孔183に所定量挿入させた状態で、例えば、セメント185で固着することで行われる。
上記構成のプロジェクタ101においても、第1の実施の形態で説明した評価手段と同様の評価ユニット(本発明の「評価システム」に相当する。)115を有しているので、プロジェクタ101内のランプ151が黒化を発生する可能性が高くなり、ランプ151の交換時期が近づいているのをユーザに知らせことができる。
また、ランプ151は、点灯を重ねる(点灯エイジングが長くなる。)と、放電容器155内から不純物が析出することもあり、このような不純物による黒化発生の可能性の評価も可能となる。
<その他>
1.グロー放電状態の点灯について
第1の実施の形態では、グロー放電時の点灯条件は、定電流が2.3(mA)、また限流用の抵抗55は2.5(MΩ)、定電流供給時の電圧はDC6(kV)であったが、点灯条件は、ランプをグロー放電状態で点灯させることができれば他の条件でも良い。
例えば、定電流供給時の電圧は、ランプを始動し得る範囲、例えば0.1(kV)〜20(kV)の範囲であれば良く、また供給する電流・電圧は、直流DC或いは交流ACのいずれでも良い。
また、直流DCでの限流用の抵抗55は、例えば200(kΩ)〜40(MΩ)の範囲であれば良く、これにより始動後のランプが例えば150(μA)〜30(mA)と低いランプ電流によって、グロー放電状態で点灯されることになる。
また、グロー放電状態での点灯時のランプ電圧Vlaは、絶縁破壊後、約90秒後に測定していたが、ランプ電圧Vlaの測定するタイミングは、90秒に限定するものではない。ランプ電圧Vlaの測定は、絶縁破壊後にグロー放電が安定した状態になっておれば良く、その時間は、点灯条件によって適宜決まる。但し、この場合は、新たに基準電圧を設定する必要があり、また若干良品と不良品との判別精度が乱れてしまうことが生じ得る。
2.基準電圧Vrefについて
上記第1の実施の形態では、120Wタイプのランプ1で直流DCタイプの基準電圧を220(V)とし、第2実施の形態では、同じく120Wタイプのランプで交流ACタイプの基準電圧を300(V)としている。
つまり、同じ仕様のランプを用いても、グロー放電状態で点灯させる際の供給電圧の種類によって、基準電圧が変化するが、供給電圧が同じ種類であれば120Wタイプ以外のランプ、つまり管入力が120(W)でない他のタイプのランプにも適用できる。
この場合、厳密には各タイプのランプの基準電圧Vrefを実験的に求める必要がある。しかし、第1の実施の形態での3.試験結果の項目で説明したように、ランプ1内に単にアルゴンが封入され電極間の距離Deが同様に短いタイプであって管入力が120(W)でないランプにおいても、直流DCを用いた場合グロー放電状態での点灯時のランプ電圧Vla(初期時である。)が一般的に130(V)〜160(V)の範囲に分布している。このため、管入力が120(W)タイプ以外のランプにおいても、管入力が120(W)タイプであるランプと初期時のランプ電圧Vlaが同レベルであることから、概ね基準電圧Vrefを220(V)と設定できると考えられる。
従って、本発明の「予め設定された基準値に対して一定値以上高くなったとき」の値を、グロー放電状態でランプを点灯させる電圧が直流電圧の場合、初期時のランプ電圧に対して90(V)高くなった値(220(V))として考えても良く、また、グロー放電状態でランプを点灯させる電圧が交流電圧の場合、上記の直流電圧と同様に、管入力が120(W)タイプでの初期時のランプ電圧(240(V))に対して60(V)高くなった値(300(V))として考えても良い。
3.基準値に対する一定値について
実施の形態では、「基準値に対して一定値以上高くなったとき」を、「グロー放電状態でランプを点灯させる供給電圧が直流電圧の場合、初期時のランプ電圧値に対して90(V)以上高くなったとき」としていたが、前記一定値以上を50(V)以上、或いは、50(V)から90(V)の範囲内のある数値以上高くなったとき」としても良い。
この場合、一定値を90(V)とすると、ランプに不具合が発生する可能性が非常に高い場合の基準で評価でき、逆に一定値を50(V)とすると、ランプに不具合が発生する可能性が、上記一定値を90(V)とした場合より低い基準で評価することになる。
このように一定値を50(V)以上、或いは、50(V)から90(V)の範囲内のある数値以上にすると、不具合の発生する可能性があるランプを幅広く検出できる。これにより、ランプに不具合が発生するのを確実に抑えることができると共に、不具合発生の可能性が低くなり、高品質のランプを提供できる。なお、このことは、交流電圧の場合の一定値(60(V))についても同様に言える。
ここで、一定値を50(V)としているのは、ランプ不具合の発生率を極めて低くできる反面、一定値を50(V)より小さい数値とすることで、正常品のランプも検出して、不具合が発生する可能性が高いと評価してしまうからである。なお、このことは、交流電圧の場合の一定値(60(V))についても同様に言える。
4.評価ユニット(評価システム)
評価ユニットは、第2の実施の形態では、評価機能を備えた点灯ユニットとしてプロジェクタに組み込まれていたが、当該点灯ユニット(点灯装置)は、一般照明用としての点灯装置としても使用できる。
5.ランプの駆動について
第2の実施の形態では、ランプ151を点灯させる点灯ユニット201に組み込まれ、ランプ151を点灯(駆動)させる回路によって、当該ランプ151をグロー放電状態で点灯させていたが、他の駆動回路を利用してランプを駆動し、点灯ユニットの制御部で、ランプが異常又は不良を評価させても良い。
図11は、第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットのブロック図である。
点灯ユニット201は、DC/DCコンバータ127、DC/ACインバータ129、高電圧供給部131、電流検出部133、電圧検出部135、検査用電圧生成部203、特性検出部205、接続切替部207、制御部209を備える。
DC/DCコンバータ127、DC/ACインバータ129、高電圧供給部131、電流検出部133、電圧検出部135、さらにはランプ151は、第2の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
検査用電圧生成部203は、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるための電圧を生成するものであり、特性検出部205は、ランプ151に印加されているランプ電圧やランプ電流を検出し、制御部209に送出する。
接続切替部207は、高電圧供給部131及び検査用電圧生成部203と、ランプ151との間に接続され、制御部209の指示に従って、ランプ151に印加する電圧を高電圧供給部131から供給される電圧と、検査用電圧生成部203から供給される電圧とで切り替えている。
つまり、ランプ151を点灯させたり、その点灯維持したり等するときには、接続切替部207は、高電圧供給部131とランプ151とを接続し、ランプ151の異常・不良を検査するときには、接続切替部207は、検査用電圧生成部とランプ151とを接続する。なお、検査用電圧生成部203は、検査部205を介して接続切替部207に接続されている。
制御部209は、電流検出部133及び電圧検出部135からの検出結果に基づいて、DC/DCコンバータ127で直流電圧値を制御する他、ランプ151を始動させた後のグロー放電状態でのランプ電圧を検出する特性検出部205からランプ電圧の検出信号を受けると、当該ランプ電圧Vlaと、第1の実施の形態で説明した基準電圧Vrefとを比較して、ランプ電圧Vlaの方が高い場合には、外部出力となるスピーカ211から警告音を発生させるようになっている。
図12は、検査用電圧生成部の回路図である。
検査用電圧生成部203は、図12に示すように、前段にDC/DCコンバータ211とコレクタ共振型インバータ回路213とを備える。
コレクタ共振型インバータ回路213は、2つのスイッチング素子215a,215bと、トランス217等から構成され、DC/DCコンバータ211から出力された直流電力を、2つのスイッチング素子215a,215bのオン・オフに合せて、2次巻き線側に交流電源を発生させている。
図13は、第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットの制御部のフローチャートである。
制御部209は、まず、ランプ151の消灯回数を表す変数「n」を「0」とし(S201)、この変数nが所定数、例えば3より小であるか否かを判定する(S203)。
変数nが3より小である場合(図中の「YES」である。)に、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるべく、特性検出部205側とランプ151とを接続するように、接続切替部207に指示し(S213)、ランプ151にブレークダウンを発生させるべく電圧を印加(S215)する。
そして、特性検出部205を介してランプ電流Ilaを検出し(S217)、このランプ電流Ilaが0より大であるか否かを判定する(S219)。
一方、ステップS203で変数nが3である場合(図中の「NO」である。)に、ランプ151が点灯できない状態(例えば、寿命等である。)であるので、ランプの点灯制御を終了する。
ステップS219でランプ電流Ilaが0より大である場合(図中の「YES」である。)、つまり、ランプ151にブレークダウンが発生してランプに電流が流れた場合は、ステップS221に進んで、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるべく定電流を所定時間印加し、逆に、ステップS219でランプ電流Ilaが0である場合(図中の「NO」である。)、つまり、まだブレークダウンが発生していない場合は、再度ランプをブレークダウンさせるべく、変数nに1を加算して(S211)、ステップS203に戻る。
なお、ステップS221の定電流印加は、第2の実施の形態における図8のS111と同じ条件である。
ステップS221で定電流が所定時間印加されると、ランプ電圧Vlaを測定し(S223)、測定したランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小であるか否かを判定する(S225)。
ステップS225でランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小である場合(図中の「YES」である。)、ランプ151の放電空間内のガスの状態が良いもの、つまり不純ガスの量が少ないものと評価して、ランプ151を定常点灯させるステップへと進み(S227以降)、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより大である場合(図中の「NO」である。)、黒化発生の可能性が「高い」と評価して、その旨をユーザに知らせるべく警告音を発生させた(S229)後、ランプ151の点灯制御を終了する。
ランプ151を定常点灯させる制御は、まず、ランプ151との接続を特性検出部205側から高電圧供給部131側へと接続切替を行ない(S227)、ランプ151の消灯回数を表す変数「k」を「0」とし(S231)、この変数kが3より小であるか否かを判定する(S233)。
変数kが3より小である場合(図中の「YES」である。)に、ランプをブレークダウンさせるべく、高周波高電圧を印加(S241)し、電流検出部133を介して電流Iを測定し(S235)、この電流Iが0より大であるか否かを判定する(S237)。
ステップS237で電流Iが0より大である場合(図中の「YES」である。)、つまり、ランプ151が放電状態にある場合は、ステップS239に進んで、ランプ151をアーク放電状態で点灯させるべく固定電流を所定時間印加する。
逆に、ステップS237で電流Iが0である場合(図中の「NO」である。)、つまり、ランプ151が放電状態にない場合は、再度ランプをブレークダウンさせるべく、変数kに1を加算して(S243)、ステップS233に戻る。
なお、ステップS241の高周波高電圧印加は、第2の実施の形態における図8のS105と同じ条件で、ステップ239の固定電流の所定時間印加は、同じく図8のS119と同じ条件である。
ステップS239で固定電流の所定時間の印加が終わると、電流Iを測定し(S245)、測定した電流Iが0より大か否かを判定する(S247)。
ステップS247で電流Iが0より大である場合(つまり、図中の「YES」であり、ランプ151がアーク放電状態で点灯を維持している場合である。)は、ランプ151を図8の低周波定格点灯(S125)と同じく低周波定格点灯させる(S249)。
逆に、S247で電流Iが0である場合(図中の「NO」である。)、つまり、ランプ151が放電状態にない場合は、再度ランプをブレークダウンさせるべく、変数kに1を加算して(S243)、ステップS233に戻る。
なお、本変形例で検査用電圧生成部は、図12で説明したように、ランプ151に交流電圧を印加させる構成としていたが、第1の実施の形態にように直流電圧を印加させる構成としても良い。
6.画像表示装置
第2の実施の形態におけるプロジェクタとして、前面投射型のプロジェクタについて説明したが、前面投射型以外でも良く、例えば、背面投射型のプロジェクタでも実施できる。
図14は、背面投射型画像表示装置の全体斜視図である。
背面投射型のプロジェクタ301は、キャビネット303の前壁に画像等を表示するスクリーン305を備え、またキャビネット303の内部には、ランプユニット307や評価ユニットを個別に備える。
7.ランプ
上記実施の形態や変形例では、高圧水銀放電ランプについて説明したが、本発明は、水銀を紫外線発光物質として有する冷陰極蛍光ランプ、熱陰極蛍光ランプ等の低圧放電ランプについても分子性ガスの存在状態を評価するのに適用できる。
8.その他
上記実施の形態や変形例について各々に説明したが、各実施の形態同士、各変形例同士を組み合わせたものでも良く、さらには実施の形態と変形例を組み合わせたものとしても良い。なお、各実施の形態や各変形例で説明した具体例は本発明の一例であり、本発明は上記各実施の形態や各変形例に限定されるものではない。
本発明は、放電空間内のガスの状態を容易に評価することができる評価機能を有する評価システム、点灯装置及び画像表示装置に利用できる。
本発明は、評価システム、点灯装置及び画像表示装置に関する。
液晶プロジェクタ等の画像表示装置の光源として高圧放電ランプが利用されている。この高圧放電ランプ(以下、単に「ランプ」という。)は、放電容器内に、一対の電極が配されていると共に、発光物質である水銀、希ガスであるアルゴン等が封入された、所謂、高圧水銀ランプである。
ところで、高圧水銀ランプはその放電容器が黒化しやすく、これを防ぐためにハロゲンサイクル用のハロゲンが放電容器内に封入されている。放電容器の黒化は、電極の周辺部分で点灯エイジング時間が約100(hrs)ぐらいから発生することもあり、その後の点灯エイジングで黒化が更に進むと、ランプ光束が減衰する他、放電容器における黒化した部分の温度が異常に高くなることで失透・膨れが発生して放電容器の破損を招くこともある。
上記黒化の原因は、放電容器内、つまり、放電空間内に残存する、例えば、水素、水等からなる分子性ガス(当該分子性ガスはランプ点灯により不純ガスとなり得る。)によって、ハロゲンサイクル機能が低下したためと考えられている。
放電空間内の不純物等を削減する方法として、従来から放電容器部材にはOH基含有量が例えば5(ppm)以下に規定された高純度の石英が適用されたり、電極部材(タングステン)には特にカリウム(K)などの副成分組成の含有量を削減した高純度の材料が開発・適用されたりしている(特許文献1参照)。
一方、放電容器製造工程では、石英容器の成形加工等においてガスバーナー加熱によって石英容器内に含浸(残存)した水(HO)等を除去するために、加工後の石英容器を真空高温加熱等で処理をしている。また、電極についても、まず放電容器の封止前に脱ガスのための水素還元処理や真空高温処理が行なわれ、更に電極封止工程ではガスバーナー加熱による電極酸化を防ぐために、例えばアルゴンガス還流による高純度加工プロセスが適用されている。
特開昭54−131368号公報
ところが、上記のような対策を施した高圧水銀ランプであっても、実際に使用してみると、放電容器に黒化が稀に発生する等の不具合が生じる場合がある。つまり、放電空間内に不純物がまだ残存しているのである。
一方、放電空間内の不純物、特に点灯中の分子性ガス(不純ガス)の存在状態を的確且つ容易に評価(調査)する技術がまだ確立していない。このため、黒化のような不具合が生じる可能性の高いランプが、数が少ないものの市場に出回ってしまうことになる。
なお、上記課題は、放電容器であるガラス管を洗浄・乾燥した後に、或いは、蛍光体層用の懸濁液を前記ガラス管(内面)に塗布・乾燥した後に、紫外線(例えば、254nmの紫外線である。)発生物質である水銀を封入した、所謂、冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプ等の低圧水銀ランプにおいても生じ得る。
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたもので、放電ランプに不具合を発生させ得る可能性のある分子ガスの存在状態を容易且つ的確に評価することができる評価システム等を提供することを目的とする。
本発明に係る評価システムは、放電ランプの放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価システムであって、前記放電ランプを正規グロー放電状態で点灯させる点灯手段と、前記正規グロー放電状態で点灯されている前記放電ランプのランプ電圧を測定する電圧測定手段と、前記測定されたランプ電圧が、予め設定された基準値に対して一定値以上高くなったことを評価する評価手段と、前記評価結果を出力する出力手段とを有していることを特徴としている。
ここでいう「分子性ガス」とは、水素や水(水蒸気)等の分子性のガスをいい、「分子性ガスの存在状態」とは、上記分子性ガスの量(絶対量)により規定されるガスの存在状態をいう。
また、ここでいう「出力手段」とは、評価結果を出力できるものであれば良く、例えば、ランプ、LED等であっても良いし、音を発生させるスピーカでも良い。
さらに、「放電ランプ」は、水銀を発光物質として有する高圧放電ランプ、或いは、水銀を紫外線発光物質として有する低圧放電ランプ(冷陰極蛍光ランプや熱陰極蛍光ランプを含む。)を含んだ概念である。
一方、「正規グロー放電状態」とは、グロー放電のうち、電流が増加しても放電電圧が略一定となる状態の放電を指す。
また、前記放電ランプは高圧放電ランプであって、当該高圧放電ランプの放電空間内には、水銀に加えてハロゲン、アルゴンが封入され、前記点灯手段は、前記高圧放電ランプを直流電流からなるランプ電流にて正規グロー放電状態で点灯させるものであり、前記予め設定された基準値とは初期時のランプ電圧値であり、前記一定値とは90Vであることを特徴とし、或いは、前記放電ランプは高圧放電ランプであって、当該高圧放電ランプの放電空間内には、水銀に加えてハロゲン、アルゴンが封入され、前記点灯手段は、前記高圧放電ランプを交流電流からなるランプ電流にて正規グロー放電状態で点灯させるものであり、前記予め設定された基準値とは初期時のランプ電圧値であり、前記一定値とは60Vであることを特徴としている。
ここでいう「初期時のランプ電圧値」とは、ランプ完成直後のグロー放電時のランプ電圧をいう。
本発明に係る点灯装置は、放電容器内に一対の電極が配されていると共に発光物質又は紫外線発生物質である水銀が放電空間に封入されてなる放電ランプを点灯させる点灯装置であって、前記放電ランプの前記放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価手段を備え、当該評価手段が、上記構成の評価システムであることを特徴としている。
本発明に係る画像表示装置は、放電容器内に一対の電極が配されていると共に発光物質又は紫外線発生物質である水銀が放電空間に封入されてなる放電ランプが組み込まれた画像表示装置であって、前記放電ランプの前記放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価手段を備え、当該評価手段が、上記構成の評価システムであることを特徴としている。
本発明に係る評価システムでは、正規グロー放電状態でのランプ電圧を測定し、この測定したランプ電圧値を利用して評価している。発明者らは種々検討した結果、上記ランプ電圧が所定値(基準値に対して一定値高くなった値に相当する。)以上になると、分子性ガスが放電空間内に残存し、不具合の発生する可能性が高くなることが判明した。このため、本発明の評価システムでは、ランプ電圧が所定値以上になった場合にその旨の評価結果が出力されるので、当該放電ランプについての分子性ガス存在状態を知ることができる。
また、上記の評価結果が出力された放電ランプは、不具合が黒化の発生等の不具合を発生するおそれ高く、ランプ光束が減衰したり、さらには放電容器が破損したりするおそれのある放電ランプを特定することができる。
さらに、上記の所定値を知っていれば、正規グロー放電状態のランプ電圧の測定結果を見れば、そのランプの黒化発生の可能性を評価することができる。
本発明に係る点灯装置は、上記の評価システムを備えているので、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプについて分子性ガスの存在状態の評価結果を表示することができる。特に、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプが異常又は不良となる可能性が高くなり、ランプ光束が減衰したり、さらには放電容器が破損したりするおそれのある放電ランプを特定することができる。
本発明に係る画像表示装置は、上記の評価システムを備えているので、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプについて分子性ガスの存在状態の評価結果を表示することができる。特に、ランプ電圧が所定値以上になると、放電ランプが異常又は不良となる可能性が高くなり、ランプ光束が減衰したり、さらには放電容器が破損したりするおそれのある放電ランプを特定することができる。
<第1の実施の形態>
以下、本発明に係る第1の実施の形態として、高圧放電ランプの一種である高圧水銀放電ランプ(以下、単に「ランプ」という。)と当該ランプの評価システムとについて図面に基づき説明する。
1.ランプ
図1は、第1の実施の形態に係るランプの縦断面図である。
ランプ1は、図1に示すように、内部に放電空間3を有する放電容器5と、前記放電空間3で先端(後述する電極部である。)同士が対向する状態で両封止部7,9に封着されている電極構成体11,13とからなる。
放電容器5は、その略中央に位置し且つ略回転楕円体形状をした発光部12と、この発光部12の両側に設けられた封止部7,9とから構成され、発光部12の内部に前記放電空間3を有する。
電極構成体11,13は、電極部15,17、金属箔19,21及び外部リード線23,25がこの順で接続(例えば、溶接により固着されている。)されてなる。ここで、電極構成体の11,13の先端部が電極部15,17(本発明の「電極」に相当する。)となる。
外部リード線23,25は、両封止部7,9における発光部12と反対側の端面から外部に導出されている。
電極部15,17は、放電空間3において、略一直線上に対向するように配設されており、電極軸27,29と、この電極軸27,29の先端に設けられた電極コイル31,33とからなる。
電極構成体11,13は、電極コイル31,33の間隔Deを所定距離にした状態で、主に金属箔19,21が封止部7,9に封着される。これにより、発光部12の内部に密閉状態の放電空間3が形成される。この電極構成体11,13が封止部7,9に封着された状態では、図1に示すように、電極部15,17が封止部7,9から放電空間3へ延出する。
放電空間3には、発光物質である水銀35、始動補助用の希ガス、ハロゲンサイクル用のハロゲンが封入されている。
ここで、ランプ1の具体例について説明する。なお、ここでの具体例は一例であり、本発明を本例に限定するものではない。
まず、放電容器5は、石英ガラスから構成される。封止部7,9は、電極構成体11,13を内部の所定の位置(電極コイル31,33が放電空間3の所定位置となる。)に配し、この状態で、それぞれの金属箔19,21を介して、所謂絞り封止(シュリンク)方式により気密封止されてなる。
電極構成体11,13、つまり、電極コイル31,33、電極軸27,29、金属箔19,21、外部リード線23,25には、モリブデン材料が利用されている。なお、モリブデン材料以外の他の材料、例えばタングステン材料を利用することもできる。
放電空間3内に封入される希ガスには、アルゴンが利用されている。ハロゲン(ガス)には、臭素(Br)が封入され、より具体的には、臭化メチレン(CHBr)が用いられ、アルゴンに混合させた状態で封入されている。
次に上記構成を管入力120(W)のランプに具体的に適用した実施例について説明する。
放電容器5の寸法は、放電容器5の全長は60(mm)、発光部12の中心部分(外径の最も大きな部分である。)の外径は9.4(mm)、内径は4.2(mm)、発光部12の全長は7.3(mm)である。放電空間3内の一対の電極(電極コイル31,33)の先端間の間隔Deは1.0(mm)で、所謂ショートアークタイプであり、また管壁負荷は1.5(W/mm)に設定されている。
放電空間3内の水銀35は、単位容積(mm)当り約0.20(mg)封入(定常点灯時の放電空間3内の蒸気圧で約20(Mpa)に相当する。)され、希ガスとしてのアルゴンは、定常点灯時の放電空間3内の蒸気圧で約30(kPa)となるように封入され、ハロゲンである臭素が、単位容積(mm)当り約1.3×10−4(μmol)封入されている。
ランプ1は、始動直後に正規グロー放電状態(以下、単に、「グロー放電状態」という。)からアーク放電状態に移行し、定常点灯時(アーク放電状態である。)には管入力が120(W)及び約1.7(A)のランプ電流で動作される。
なお、ランプ1は、製造後に専用の点灯ユニットにより点灯周波数166(Hz)の交流波(矩形波)で管入力が120(W)の条件で、所謂熱陰極動作のアーク放電状態において、点滅サイクルも含めた4時間の点灯エイジングがなされる。
2.評価システム
評価システムは、上記構成のランプ1の放電容器5内の不純ガス(分子性ガス)の存在状態(単に、「不純ガスの状態」ともいう。)の評価を行うものである。
評価システムは、ランプ1を絶縁破壊させた後に定電流制御により点灯させ、点灯時のランプ1に印加するランプ電圧Vlaを測定して、その測定結果によって放電空間の不純ガスの存在状態の評価を行う。
図2は、評価システムの概念図である。
評価システムは、本実施の形態においては、基本的な構成としては、ランプ1に定電流を供給する定電流供給部53と、限流用の抵抗55とを備える装置により構成されるため、評価手段として説明するが、例えば、定電流供給部53が、ランプ1に定電流を供給する定電流供給装置であり、また、抵抗55が、限流用の抵抗を備える抵抗装置であり、互いに独立した装置を用いてシステムとすることもできる。
図3は、実施の形態に係る評価手段のブロック図である。
評価手段51は、高圧パルス発生部57、定電流発生部58、ランプ電圧測定部59、計時部61、LED(表示部)63、制御部65を備える。
高圧パルス発生部57は、ランプ点灯時にランプ1に印加する高圧パルスを発生する。ランプ1は、この高圧パルスの印加により絶縁破壊を生じ、点灯を開始する。
定電流発生部58は、ランプ1が絶縁破壊した後に、ランプ1を所謂冷陰極動作のグロー放電で点灯をさせるための定電流を発生する。計時部61は、絶縁破壊後の時間経過を計測する。ランプ電圧測定部59は、ランプ1が絶縁破壊してからの経過時間が所定時間に達すると、グロー放電状態で点灯中のランプ電圧Vlaを測定する。
制御部65は、高圧パルス発生部57、定電流発生部58、ランプ電圧測定部59、計時部61に対し、ランプ1の点灯、時間計測、ランプ電圧Vla測定の指示を与えると共に、ランプ電圧測定部59で測定したランプ電圧Vlaが、黒化発生の閾値である基準電圧Vref(本発明の「予め設定された基準値に対して一定以上高くなったとき」の値に相当する。)よりも高い場合に、その旨をユーザに報知すべく、LED63を点灯させる。
図4は、制御部のフローチャートである。
制御部65は、まず、高圧パルス発生部57に指示して、高圧パルスを発生させると共にこの高圧パルスをランプ1に印加する(S1)。これにより、ランプ1には電圧が印加し始め、ランプ1の絶縁破壊を判定する(S3)。なお、絶縁破壊の判定は、絶縁破壊によりランプ1は通電状態となるので、ランプ電圧の低下やランプ電流の流れを検出することで行う。
制御部65は、ステップS3において、例えばランプ1に所定値以上の電流が流れないと、ランプ1は絶縁破壊に至っていないと判定して(図中の「NO」である。)、ステップ1に戻る。逆に所定値以上の電流が流れると、ランプ1が絶縁破壊したと判定すると(図中の「YES」である。)、定電流発生部58に定電流を発生させて、ランプ1に定電流を供給する(S5)。この定電流により、ランプ1は冷陰極動作のグロー放電によって点灯する。このとき、制御部65は、計時部61に絶縁破壊後の経過時間の計測を指示する。
次に、制御部65は、絶縁破壊後所定時間が経過しているか否かを判定する(S7)。所定時間経過している場合(図中の「YES」である。)、ランプ1に実際に印加されているランプ電圧Vlaの測定をランプ電圧測定部59に指示する(S9)。なお、ランプ電圧測定部59で測定したランプ電圧Vlaは制御部65に出力される。
制御部65は、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vref以上であるか否かを判定する(S11)。
ランプ電圧Vlaが基準電圧Vref以上であると判定(具体的には、ランプ電圧Vlaと基準電圧Vrefとを比較して、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vref以上である場合である。)すると、黒化発生の可能性が「高い」と評価して、その旨をユーザに知らせるべくLED63を点灯させて(S13)、終了する。逆に、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小であると判定(具体的には、ランプ電圧Vlaと基準電圧Vrefとを比較して、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小である場合である。)すると、放電空間内のガスの状態が良いもの、つまり不純ガスの量が少ないものと評価して、LED63を点灯させずに終了する。
3.試験結果
発明者らは、上記ランプ1の放電空間3に不純物が残存し、当該不純物密度(或は不純物量)がハロゲンサイクル機能を損なってランプ1に黒化をもたらす不適正レベルにあるか否か(黒化発生の可能性が「高い」か「低い」かである。)を比較的簡易に判定できる評価方法を探索・検討した。
この結果、比較的低電流での放電、所謂冷陰極動作のグロー放電状態でランプ1を点灯させて、このときのランプ電圧Vlaによりランプ1の放電空間3内の不純物密度が黒化をもたらす不適正レベルに在るか否かを判定できることを見出した。
そして、本評価方法の適用により、黒化発生の可能性が高いランプ1を事前に選別し除去でき、市場でのランプ1の黒化発生による不良を実質的に防止できることを見出した。
以下に、本発明の実施の形態に係るランプをグロー放電で点灯させたときのランプ電圧と黒化発生について説明する。
図5は、グロー放電時におけるランプ電圧の分布を示す図である。
実験に用いたランプ1は、上記の構成の具体例で説明したものであり、図2に示す、定電流供給部53は2.3(mA)で、また限流用の抵抗55は2.5(MΩ)で、ランプ1をグロー放電点灯させた(このときの定電流供給部53の電圧は、DC6(kV)に相当する。)。なお、ランプ電圧Vlaは、絶縁破壊から90秒経過後に測定し、測定本数は200本である。
図5は、横軸にランプ電圧、縦軸にそのランプ電圧の範囲にあるランプ本数を示す。図5から、測定したランプのうち、188本のランプ1のランプ電圧Vlaが130(V)から170(V)未満の範囲にあり、ランプ電圧Vlaが170(V)以上のランプ1が12本であることが分かる。
次いで、上記ランプ電圧Vlaを測定したランプ1について、通常の放電であるアーク放電状態で、1000(hrs)の点灯エイジング試験を行い、ランプ1の黒化発生状況を観察した。なお、このアーク放電状態で点灯させる際、全てのランプ1におけるランプ電圧Vlaは55(V)〜85(V)の狭い範囲内に分布し、上記グロー放電状態での点灯時に見られたランプ電圧Vlaが130(V)〜260(V)のような広い範囲に分布することはなかった。
また、ランプ1内に単に始動補助用希ガスとしてのアルゴンが10(kPa)〜50(kPa)封入され、また電極間の距離Deが0.5(mm)〜1.0(mm)と短いランプ1では、グロー放電状態でのランプ電圧Vlaが一般的に130(V)ぐらいから160(V)ぐらいまでの範囲に分布することは知られている。従って、グロー放電状態の点灯時のランプ電圧Vlaが170(V)〜260(V)と高いランプ(測定結果では、12本のランプ1が相当する。)においては、放電空間3内に相当量の不純物が混入・残留しているものと考えられる。
上記観察結果は、ランプ電圧Vlaが170(V)未満の188本のランプ1においては、黒化の発生が観察されず(皆無である。)、一方、ランプ電圧Vlaが170(V)以上、特に、220(V)以上であった5本のランプ1においては、点灯後、1(hrs)〜200(hrs)の短い点灯エイジングでも黒化の発生が観察された。
ここで、上記実験に用いたランプは、初期時(出荷時)のランプ電圧が約130(V)に設定されたものであり、点灯後、1(hrs)〜200(hrs)の短い点灯エイジングで黒化が発生したランプでは、グロー放電状態でのランプ電圧Vlaが220(V)以上であることから、グロー放電時のランプ電圧Vlaが、初期時のランプ電圧の値(130(V))に対して90(V)以上高くなったときに、黒化が発生する可能性が高くなることが分かる。
上記結果を換言すると、グロー放電でランプ1を点灯させた際のランプ電圧Vlaの値が220(V)以上のランプ1を選別し除外することにより、残ったランプ1の黒化発生を実質的に略100(%)防止することができるということになる。
従って、例えばランプ1の出荷前に上記の評価試験を行なうことにより、不純物密度が不適正レベルに在るランプ1を選別して除外することが可能となり、これにより、黒化発生の可能性の高いランプ1が市場で使用されるのを事前に防止することができる。
以上説明したように、発明者らは種々の検討を重ねた結果、グロー放電状態での点灯時に測定されるランプ電圧Vlaは、ランプ1内(放電容器3内)の不純物の密度を相対的に示す一種の物理パラメータであると考えられ、これによりランプ内における不純物の密度がハロゲンサイクル機能を損なって放電容器黒化をもたらす不適正レベルに在るか否かを精度良く判定できることが判明した。
そして、物理パラメータであるランプ電圧の基準電圧Vrefは、上記のように実験的により220(V)と略正確に求めることができ、当該基準電圧Vref以上のランプ1を選別し除外すれば良いことになる。
また、実施の形態に係る評価手段は、ランプをグロー放電状態で点灯させたときのランプ電圧Vlaの測定を行うという簡易な構成で容易に実施できる。また、当該測定は、ランプ単体のみならず、例えば、ランプがランプユニット(第2の実施の形態で説明する。)に組立てられた形態でも同様に実施可能である。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態では、ランプ1の評価手段51について説明したが、第2の実施の形態では、光源としてのランプと当該ランプを点灯させる機能と評価する評価機能とを備える点灯ユニットを有する画像表示装置であるプロジェクタについて説明する。
1.プロジェクタ
(1)構成
図6は、実施の形態に係るプロジェクタの一部を切り欠いた斜視図である。
プロジェクタ101は、所謂、前面投射型であって、図6に示すように、ランプを内部に備えるランプユニット103、ランプを点灯させる点灯ユニット(125)、各ユニット等に給電するための電源ユニット105、制御ユニット107、レンズ系や透過型のカラー液晶表示板等が内蔵されているレンズユニット109、ランプ冷却用のファン装置111等をケース113の内部に備える。なお、ここでのランプは、例えば、定格電力が120(W)のものが用いられている。
本実施の形態では、点灯ユニット125内に、ランプの黒化発生の可能性を評価してランプ交換をユーザ等に知らせる機能を備える。
電源ユニット105は、家庭用AC100(V)の電源を所定の電圧に変換して、点灯ユニット125や制御ユニット107などに供給する。制御ユニット107は、レンズユニット109の上部に配された基板117と、この基板117に実装された複数の電子・電気部品119等から構成され、外部から入力された画像信号に基づき、カラー液晶表示板を駆動してカラー画像を表示させる。また、レンズユニット109の内部に配されている駆動モータを制御してフォーカシング動作やズーム動作を実行させる。
ランプユニット103から射出された光は、レンズユニット109の内部に配されているレンズ系を通過して、光路途中に配されたカラー液晶表示板を透過する。これにより、カラー液晶表示板に形成された画像が、レンズ121等を介して図外のスクリーン上に投影される。なお、レンズユニット109は、その一部がケース113の外部に張り出すように設けられている。
点灯ユニット125は、ランプを点灯させたり、その点灯を維持させたり等の制御を行なう他、プロジェクタの使用時にランプについて黒化発生の可能性の評価を行い、可能性が高いときに、ケース113の前面のLED63を点灯させる機能を有する。
なお、プロジェクタ101は、プロジェクタの使用時にランプについて黒化発生の可能性の評価を行い、その後、ランプをアーク放電状態で点灯させて、図外のスクリーン等に画像を表示する。
(2)回路構成
まず、点灯ユニット125について説明する。
図7は、点灯ユニットのブロック図である。
点灯ユニット125は、電源ユニット105で変換された直流電圧を受け、ランプ151を、グロー放電状態を経て、アーク放電状態で点灯させる。点灯ユニット125は、DC/DCコンバータ127、DC/ACインバータ129、高電圧供給部131、電流検出部133、電圧検出部135、制御部137、ランプ電圧検出部139を備える。
DC/DCコンバータ127は、電源ユニット105から供給された直流電圧を、後述の制御部137からの電力設定信号に従って所定電圧の直流電圧に変換し、DC/ACインバータ129に供給する。
DC/ACインバータ129は、例えば、一対のスイッチング素子(FET)を2組備え、各組を交互にオン・オフすることで、DC/DCコンバータ127から供給された直流電圧から生成した所定の周波数の交流矩形電流をランプ151に印加する。
高電圧供給部131は、例えば、コイル131aとコンデンサ131bを備える共振回路を利用して高電圧を発生させる。ランプ151は、当該高電圧の供給を受け、絶縁破壊して放電を開始する。
電流検出部133及び電圧検出部135は、DC/ACインバータ129の入力側に接続されており、間接的にランプ151のランプ電流およびランプ電圧をそれぞれ検出し、その検出信号を制御部137に送出する。
制御部137は、電流検出部133及び電圧検出部135からの検出結果に基づいて、DC/DCコンバータ127で直流電圧値を制御する。なお、制御部137は、ランプ電圧−ランプ電力テーブルを有し、この条件に従ってランプ151の点灯を維持するように制御している。
制御部137は、ランプ151を始動させた後のグロー放電状態でのランプ電圧を検出するランプ電圧検出部139からランプ電圧の検出信号を受けると、当該ランプ電圧Vlaと、基準電圧Vref(ここでは、交流電圧を利用してグロー放電状態で点灯させているため、300(V)である。)とを比較して、ランプ電圧Vlaの方が高い場合には、LED63を点灯させるようになっている。なお、ここでは、基準電圧とランプ電圧との比較は、例えば、コンパレータを用いている。
次に、制御部137の制御内容について説明する。
図8は、制御部のフローチャートであり、図9は、ランプへの電圧印加の開始からアーク放電が開始するまでのランプ電圧とランプ電流を示す図である。
制御部137は、まず、ランプ151の消灯回数を表す変数「n」を「0」とし(S101)、この変数nが所定数、例えば3より小であるか否かを判定する(S103)。
変数nが3より小である場合(図中の「YES」である。)に、ランプ151に高周波高電圧を所定時間印加し(S105)、変数nが3である場合(図中の「NO」である。)に、ランプ151が点灯できない状態(例えば、寿命等である。)であるので、ランプの点灯制御を終了する。
ステップS105の高周波高電圧の印加は、高電圧供給部131により行なわれ、そのときの電圧は、図9の時間が0からT1までの期間となる。この高電圧は、例えば、周波数が300(kHz)〜600(kHz)で、電圧値が2(kV)〜5(kV)である。
時間T1は、例えば1秒(つまり、時間0〜T1までの間隔が1秒間である。)である。なお、高周波高電圧の印加は、ランプ151にブレークダウン(絶縁破壊)が時間0から時間T1までの間で発生すると、その後、時間T1になるまで固定電圧を印加する。
高周波高電圧をランプ151に印加して所定時間(時間T1である。)が終了すると、電流検出部133を介して電流Iを検出(S107)し、この電流Iが0より大であるか否かを判定する(S109)。
電流Iが0より大である場合(図中の「YES」であり、ランプ151にブレークダウンが発生した場合である。)は、ステップS111に進んで、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるべく定電流を所定時間印加し、また、電流Iが0である場合(図中の「NO」であり、まだブレークダウンが発生していない場合である。)は、放電を開始させるために再度ランプ151に高周波高電圧を印加するために、変数nに1を加算して(S113)、ステップS103に戻る。
ここで、ステップS111の定電流印加時の電流・電圧は、図9の時間がT1〜T2までの期間となる。定電流は、例えば、定電流の周波数が100(Hz)〜500(kHz)で、電流値が0.1(mA)〜3(mA)である。また、このとき、電圧の周波数が100(kHz)〜500(kHz)で、電圧値が約200(V)であり、時間T2は2秒(つまり、時間T1〜T2までの間隔が1秒間である。)である。
ステップS111で定電流が所定時間(時間T2−時間T1である。)印加されると、ランプ電圧検出部139を介してランプ電圧Vlaを検出し(S115)、検出したランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小であるか否かを判定する(S117)。
ステップS117でランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより大である場合(図中の「NO」である。)、黒化発生の可能性が「高い」と評価して、その旨をユーザに知らせるべくLED63を所定時間点灯させた(S127)後、ランプ151の点灯制御を終了する。
一方、ステップS117でランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小である場合(図中の「YES」である。)、ランプ151の放電空間内のガスの状態が良いもの、つまり不純ガスの量が少ないものと評価して、アーク放電状態で点灯させるべく固定電流(この電流は、電流値が一定の定電流であるが、ステップS111での定電流と区別するために、固定電流としている。)を所定時間印加した(S119)後、電流検出部133を介して電流Iを検出し(S121)、測定した電流Iが0より大か否かを判定する(S123)。
ここで、ステップS119の固定電流印加時の電流・電圧は、図9の時間がT2〜T3までの期間となる。固定電流は、例えば、周波数が100(kHz)〜200(kHz)で、電流値が2(A)〜4(A)である。また、このとき、電圧の周波数が100(kHz)〜200(kHz)で、電圧値が10(V)〜20(V)であり、時間T3は3秒(つまり、時間T2〜T3までの間隔が1秒間である。)である。
ステップS123で電流Ilaが0より大である場合(つまり、図中の「YES」であり、ランプがアーク放電状態で点灯を維持している場合である。)は、ランプ151を低周波定格点灯させる(S125)。
上記の低周波定格点灯は、DC/ACインバータ129の各スイッチング素子129a,129b,129c,129dのオン・オフの切換え周期を低周波に変更して行なわれる。
ここで、ステップS125の低周波定格点灯時の電流・電圧は、図9の時間がT3以降となる。このとき、図9に示すように、電流は定常状態になるまで定電流で、例えば、その周波数が90(Hz)〜500(Hz)で、電流値が2(A)〜6(A)である。また、このときの電圧の周波数が90(Hz)〜500(Hz)で、ランプが定格状態(ここでは、ランプ電力が略120(W)である。)になるまでランプ電圧が徐々に増加する(具体的には、ランプ電圧が略70(V)まで増加する。)。
なお、上記した制御部137のフローチャートは、第2の実施の形態の実施例を示す一例であり、本発明はこの内容に限定されるものではない。
例えば、時間T3以降の電流値は、図9おいては固定電流の電流値と同じであるが、例えば、時間T3以降の電流値が固定電流(図9における時間T2〜T3までの間である。)の電流値より高くても良い。
つまり、グロー放電状態でランプを点灯させる際の電流を第1の定電流(図9における時間T1〜T2までの間に相当する。)、アーク放電状態でランプを点灯させる際の電流を第2の定電流(図9における時間T2〜T3までの間に相当する。)、定格状態になるようにランプを点灯させる際の電流を第3の定電流(図9における時間T3〜定格状態までの間に相当する。)とすると、第2及び第3の定電流の電流値は同じでも良いし、異なっても良い。
2.ランプユニット
図10は、第2の実施の形態に係るランプユニットの縦断面図である。
ランプユニット103は、同図に示すように、ランプ151と反射鏡171とを備え、反射鏡171の内部にランプ151が組み込まれている。
ランプ151は、図1に示したランプ1と同じ構成であるが、形状が若干細長い。これは、第1の実施の形態に係るランプ1と管入力が異なるからである。
ランプ151は、内部に放電空間153を有する放電容器155と、前記放電空間153の内部で電極部同士が対向する状態で両封止部157,159に封着されている電極構成体161,163とからなる。
また、封止部157には、口金165がセメント167を介して被着されており、外部リード線169が口金165に接続されている。
反射鏡171は、図8に示すように、凹面状の反射面173が形成された本体部材175を有し、この本体部材175の開口177には前面ガラス179が設けられている。なお、本体部材175と前面ガラス179との固着は、例えば、シリコーン系の接着剤を用いて行われる。
反射鏡171は、例えば、ダイクロイック反射鏡であり、ランプ151から発せられた光を所定方向(前面ガラス179側)へと反射させている。本体部材175の形状は漏斗状をしており、外径の小さい小径部分181には、ランプ151の一方の封止部157が挿入される貫通孔183が形成されている。
ランプ151の上記反射鏡171への組込は、図10に示すように、口金165が被着している封止部157を本体部材175の小径部分181の貫通孔183に所定量挿入させた状態で、例えば、セメント185で固着することで行われる。
上記構成のプロジェクタ101においても、第1の実施の形態で説明した評価手段と同様の評価ユニット(本発明の「評価システム」に相当する。)115を有しているので、プロジェクタ101内のランプ151が黒化を発生する可能性が高くなり、ランプ151の交換時期が近づいているのをユーザに知らせことができる。
また、ランプ151は、点灯を重ねる(点灯エイジングが長くなる。)と、放電容器155内から不純物が析出することもあり、このような不純物による黒化発生の可能性の評価も可能となる。
<その他>
1.グロー放電状態の点灯について
第1の実施の形態では、グロー放電時の点灯条件は、定電流が2.3(mA)、また限流用の抵抗55は2.5(MΩ)、定電流供給時の電圧はDC6(kV)であったが、点灯条件は、ランプをグロー放電状態で点灯させることができれば他の条件でも良い。
例えば、定電流供給時の電圧は、ランプを始動し得る範囲、例えば0.1(kV)〜20(kV)の範囲であれば良く、また供給する電流・電圧は、直流DC或いは交流ACのいずれでも良い。
また、直流DCでの限流用の抵抗55は、例えば200(kΩ)〜40(MΩ)の範囲であれば良く、これにより始動後のランプが例えば150(μA)〜30(mA)と低いランプ電流によって、グロー放電状態で点灯されることになる。
また、グロー放電状態での点灯時のランプ電圧Vlaは、絶縁破壊後、約90秒後に測定していたが、ランプ電圧Vlaの測定するタイミングは、90秒に限定するものではない。ランプ電圧Vlaの測定は、絶縁破壊後にグロー放電が安定した状態になっておれば良く、その時間は、点灯条件によって適宜決まる。但し、この場合は、新たに基準電圧を設定する必要があり、また若干良品と不良品との判別精度が乱れてしまうことが生じ得る。
2.基準電圧Vrefについて
上記第1の実施の形態では、120Wタイプのランプ1で直流DCタイプの基準電圧を220(V)とし、第2実施の形態では、同じく120Wタイプのランプで交流ACタイプの基準電圧を300(V)としている。
つまり、同じ仕様のランプを用いても、グロー放電状態で点灯させる際の供給電圧の種類によって、基準電圧が変化するが、供給電圧が同じ種類であれば120Wタイプ以外のランプ、つまり管入力が120(W)でない他のタイプのランプにも適用できる。
この場合、厳密には各タイプのランプの基準電圧Vrefを実験的に求める必要がある。しかし、第1の実施の形態での3.試験結果の項目で説明したように、ランプ1内に単にアルゴンが封入され電極間の距離Deが同様に短いタイプであって管入力が120(W)でないランプにおいても、直流DCを用いた場合グロー放電状態での点灯時のランプ電圧Vla(初期時である。)が一般的に130(V)〜160(V)の範囲に分布している。このため、管入力が120(W)タイプ以外のランプにおいても、管入力が120(W)タイプであるランプと初期時のランプ電圧Vlaが同レベルであることから、概ね基準電圧Vrefを220(V)と設定できると考えられる。
従って、本発明の「予め設定された基準値に対して一定値以上高くなったとき」の値を、グロー放電状態でランプを点灯させる電圧が直流電圧の場合、初期時のランプ電圧に対して90(V)高くなった値(220(V))として考えても良く、また、グロー放電状態でランプを点灯させる電圧が交流電圧の場合、上記の直流電圧と同様に、管入力が120(W)タイプでの初期時のランプ電圧(240(V))に対して60(V)高くなった値(300(V))として考えても良い。
3.基準値に対する一定値について
実施の形態では、「基準値に対して一定値以上高くなったとき」を、「グロー放電状態でランプを点灯させる供給電圧が直流電圧の場合、初期時のランプ電圧値に対して90(V)以上高くなったとき」としていたが、前記一定値以上を50(V)以上、或いは、50(V)から90(V)の範囲内のある数値以上高くなったとき」としても良い。
この場合、一定値を90(V)とすると、ランプに不具合が発生する可能性が非常に高い場合の基準で評価でき、逆に一定値を50(V)とすると、ランプに不具合が発生する可能性が、上記一定値を90(V)とした場合より低い基準で評価することになる。
このように一定値を50(V)以上、或いは、50(V)から90(V)の範囲内のある数値以上にすると、不具合の発生する可能性があるランプを幅広く検出できる。これにより、ランプに不具合が発生するのを確実に抑えることができると共に、不具合発生の可能性が低くなり、高品質のランプを提供できる。なお、このことは、交流電圧の場合の一定値(60(V))についても同様に言える。
ここで、一定値を50(V)としているのは、ランプ不具合の発生率を極めて低くできる反面、一定値を50(V)より小さい数値とすることで、正常品のランプも検出して、不具合が発生する可能性が高いと評価してしまうからである。なお、このことは、交流電圧の場合の一定値(60(V))についても同様に言える。
4.評価ユニット(評価システム)
評価ユニットは、第2の実施の形態では、評価機能を備えた点灯ユニットとしてプロジェクタに組み込まれていたが、当該点灯ユニット(点灯装置)は、一般照明用としての点灯装置としても使用できる。
5.ランプの駆動について
第2の実施の形態では、ランプ151を点灯させる点灯ユニット201に組み込まれ、ランプ151を点灯(駆動)させる回路によって、当該ランプ151をグロー放電状態で点灯させていたが、他の駆動回路を利用してランプを駆動し、点灯ユニットの制御部で、ランプが異常又は不良を評価させても良い。
図11は、第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットのブロック図である。
点灯ユニット201は、DC/DCコンバータ127、DC/ACインバータ129、高電圧供給部131、電流検出部133、電圧検出部135、検査用電圧生成部203、特性検出部205、接続切替部207、制御部209を備える。
DC/DCコンバータ127、DC/ACインバータ129、高電圧供給部131、電流検出部133、電圧検出部135、さらにはランプ151は、第2の実施の形態と同様であるため、その説明を省略する。
検査用電圧生成部203は、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるための電圧を生成するものであり、特性検出部205は、ランプ151に印加されているランプ電圧やランプ電流を検出し、制御部209に送出する。
接続切替部207は、高電圧供給部131及び検査用電圧生成部203と、ランプ151との間に接続され、制御部209の指示に従って、ランプ151に印加する電圧を高電圧供給部131から供給される電圧と、検査用電圧生成部203から供給される電圧とで切り替えている。
つまり、ランプ151を点灯させたり、その点灯維持したり等するときには、接続切替部207は、高電圧供給部131とランプ151とを接続し、ランプ151の異常・不良を検査するときには、接続切替部207は、検査用電圧生成部とランプ151とを接続する。なお、検査用電圧生成部203は、検査部205を介して接続切替部207に接続されている。
制御部209は、電流検出部133及び電圧検出部135からの検出結果に基づいて、DC/DCコンバータ127で直流電圧値を制御する他、ランプ151を始動させた後のグロー放電状態でのランプ電圧を検出する特性検出部205からランプ電圧の検出信号を受けると、当該ランプ電圧Vlaと、第1の実施の形態で説明した基準電圧Vrefとを比較して、ランプ電圧Vlaの方が高い場合には、外部出力となるスピーカ211から警告音を発生させるようになっている。
図12は、検査用電圧生成部の回路図である。
検査用電圧生成部203は、図12に示すように、前段にDC/DCコンバータ211とコレクタ共振型インバータ回路213とを備える。
コレクタ共振型インバータ回路213は、2つのスイッチング素子215a,215bと、トランス217等から構成され、DC/DCコンバータ211から出力された直流電力を、2つのスイッチング素子215a,215bのオン・オフに合せて、2次巻き線側に交流電源を発生させている。
図13は、第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットの制御部のフローチャートである。
制御部209は、まず、ランプ151の消灯回数を表す変数「n」を「0」とし(S201)、この変数nが所定数、例えば3より小であるか否かを判定する(S203)。
変数nが3より小である場合(図中の「YES」である。)に、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるべく、特性検出部205側とランプ151とを接続するように、接続切替部207に指示し(S213)、ランプ151にブレークダウンを発生させるべく電圧を印加(S215)する。
そして、特性検出部205を介してランプ電流Ilaを検出し(S217)、このランプ電流Ilaが0より大であるか否かを判定する(S219)。
一方、ステップS203で変数nが3である場合(図中の「NO」である。)に、ランプ151が点灯できない状態(例えば、寿命等である。)であるので、ランプの点灯制御を終了する。
ステップS219でランプ電流Ilaが0より大である場合(図中の「YES」である。)、つまり、ランプ151にブレークダウンが発生してランプに電流が流れた場合は、ステップS221に進んで、ランプ151をグロー放電状態で点灯させるべく定電流を所定時間印加し、逆に、ステップS219でランプ電流Ilaが0である場合(図中の「NO」である。)、つまり、まだブレークダウンが発生していない場合は、再度ランプをブレークダウンさせるべく、変数nに1を加算して(S211)、ステップS203に戻る。
なお、ステップS221の定電流印加は、第2の実施の形態における図8のS111と同じ条件である。
ステップS221で定電流が所定時間印加されると、ランプ電圧Vlaを測定し(S223)、測定したランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小であるか否かを判定する(S225)。
ステップS225でランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより小である場合(図中の「YES」である。)、ランプ151の放電空間内のガスの状態が良いもの、つまり不純ガスの量が少ないものと評価して、ランプ151を定常点灯させるステップへと進み(S227以降)、ランプ電圧Vlaが基準電圧Vrefより大である場合(図中の「NO」である。)、黒化発生の可能性が「高い」と評価して、その旨をユーザに知らせるべく警告音を発生させた(S229)後、ランプ151の点灯制御を終了する。
ランプ151を定常点灯させる制御は、まず、ランプ151との接続を特性検出部205側から高電圧供給部131側へと接続切替を行ない(S227)、ランプ151の消灯回数を表す変数「k」を「0」とし(S231)、この変数kが3より小であるか否かを判定する(S233)。
変数kが3より小である場合(図中の「YES」である。)に、ランプをブレークダウンさせるべく、高周波高電圧を印加(S241)し、電流検出部133を介して電流Iを測定し(S235)、この電流Iが0より大であるか否かを判定する(S237)。
ステップS237で電流Iが0より大である場合(図中の「YES」である。)、つまり、ランプ151が放電状態にある場合は、ステップS239に進んで、ランプ151をアーク放電状態で点灯させるべく固定電流を所定時間印加する。
逆に、ステップS237で電流Iが0である場合(図中の「NO」である。)、つまり、ランプ151が放電状態にない場合は、再度ランプをブレークダウンさせるべく、変数kに1を加算して(S243)、ステップS233に戻る。
なお、ステップS241の高周波高電圧印加は、第2の実施の形態における図8のS105と同じ条件で、ステップ239の固定電流の所定時間印加は、同じく図8のS119と同じ条件である。
ステップS239で固定電流の所定時間の印加が終わると、電流Iを測定し(S245)、測定した電流Iが0より大か否かを判定する(S247)。
ステップS247で電流Iが0より大である場合(つまり、図中の「YES」であり、ランプ151がアーク放電状態で点灯を維持している場合である。)は、ランプ151を図8の低周波定格点灯(S125)と同じく低周波定格点灯させる(S249)。
逆に、S247で電流Iが0である場合(図中の「NO」である。)、つまり、ランプ151が放電状態にない場合は、再度ランプをブレークダウンさせるべく、変数kに1を加算して(S243)、ステップS233に戻る。
なお、本変形例で検査用電圧生成部は、図12で説明したように、ランプ151に交流電圧を印加させる構成としていたが、第1の実施の形態にように直流電圧を印加させる構成としても良い。
6.画像表示装置
第2の実施の形態におけるプロジェクタとして、前面投射型のプロジェクタについて説明したが、前面投射型以外でも良く、例えば、背面投射型のプロジェクタでも実施できる。
図14は、背面投射型画像表示装置の全体斜視図である。
背面投射型のプロジェクタ301は、キャビネット303の前壁に画像等を表示するスクリーン305を備え、またキャビネット303の内部には、ランプユニット307や評価ユニットを個別に備える。
7.ランプ
上記実施の形態や変形例では、高圧水銀放電ランプについて説明したが、本発明は、水銀を紫外線発光物質として有する冷陰極蛍光ランプ、熱陰極蛍光ランプ等の低圧放電ランプについても分子性ガスの存在状態を評価するのに適用できる。
8.その他
上記実施の形態や変形例について各々に説明したが、各実施の形態同士、各変形例同士を組み合わせたものでも良く、さらには実施の形態と変形例を組み合わせたものとしても良い。なお、各実施の形態や各変形例で説明した具体例は本発明の一例であり、本発明は上記各実施の形態や各変形例に限定されるものではない。
本発明は、放電空間内のガスの状態を容易に評価することができる評価機能を有する評価システム、点灯装置及び画像表示装置に利用できる。
第1の実施の形態に係るランプの縦断面図である。 評価手段の概念図である。 実施の形態に係る評価手段のブロック図である。 制御部のフローチャートである。 グロー放電時におけるランプ電圧の分布を示す図である。 第2の実施の形態に係るプロジェクタの一部を切り欠いた斜視図である。 点灯ユニットのブロック図である。 制御部のフローチャートである。 ランプへの電圧印加の開始からアーク放電が開始するまでのランプ電圧とランプ電流の波形図である。 第2の実施の形態に係るランプユニットの縦断面図である。 第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットのブロック図である。 検査用電圧生成部の回路図である。 第2の実施の形態の変形例である点灯ユニットの制御部のフローチャートである。 背面投射型画像表示装置の全体斜視図である。
1 ランプ
5 放電容器
15,17 電極部(電極)
35 水銀
51 評価手段
57 高圧パルス発生部
58 定電流発生部
59 ランプ電圧検出部
61 計時部
63 表示部(LED)
101 プロジェクタ
103 ランプユニット
115 評価ユニット

Claims (5)

  1. 放電ランプの放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価システムであって、
    前記放電ランプを正規グロー放電状態で点灯させる点灯手段と、
    前記正規グロー放電状態で点灯されている前記放電ランプのランプ電圧を測定する電圧測定手段と、
    前記測定されたランプ電圧が、予め設定された基準値に対して一定値以上高くなったことを評価する評価手段と、
    前記評価結果を出力する出力手段と
    を有していることを特徴とする評価システム。
  2. 前記放電ランプは高圧放電ランプであって、当該高圧放電ランプの放電空間内には、水銀に加えてハロゲン、アルゴンが封入され、
    前記点灯手段は、前記高圧放電ランプを直流電流からなるランプ電流にて正規グロー放電状態で点灯させるものであり、
    前記予め設定された基準値とは初期時のランプ電圧値であり、前記一定値とは90Vである
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価システム。
  3. 前記放電ランプは高圧放電ランプであって、当該高圧放電ランプの放電空間内には、水銀に加えてハロゲン、アルゴンが封入され、
    前記点灯手段は、前記高圧放電ランプを交流電流からなるランプ電流にて正規グロー放電状態で点灯させるものであり、
    前記予め設定された基準値とは初期時のランプ電圧値であり、前記一定値とは60Vである
    ことを特徴とする請求項1に記載の評価システム。
  4. 放電容器内に一対の電極が配されていると共に発光物質又は紫外線発生物質である水銀が放電空間に封入されてなる放電ランプを点灯させる点灯装置であって、
    前記放電ランプの前記放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価手段を備え、
    当該評価手段が、請求項1に記載の評価システムである
    ことを特徴とする点灯装置。
  5. 放電容器内に一対の電極が配されていると共に発光物質又は紫外線発生物質である水銀が放電空間に封入されてなる放電ランプが組み込まれた画像表示装置であって、
    前記放電ランプの前記放電空間内の分子性ガスの存在状態を評価する評価手段を備え、
    当該評価手段が、請求項1に記載の評価システムである
    ことを特徴とする画像表示装置。
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