JPWO2008026291A1 - 部分放電判定方法及び部分放電判定装置 - Google Patents

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Abstract

絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において金属タンク内に伝搬する電磁波信号を電磁波検出器により検出し、検出した上記電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号をTE11検波装置によって抽出し、上記TE11検波装置で抽出した信号の強度と上記電磁波検出器の上記外周方向の位置情報とから上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を強度検出装置によって検出して部分放電を判定する方法において、ガス絶縁機器の内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備え、上記強度検出装置で検出した上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布と、上記構造情報出力手段の内部構造情報より、部分放電の有無を判定する。

Description

この発明は、ガス絶縁機器の内部で発生する部分放電の有無を判定する部分放電判定方法及び部分放電判定装置に関するものである。
従来のガス絶縁機器の部分放電判定方法が、本願の発明者により非特許文献1に開示されている。これは、ガス絶縁機器の内部を伝搬する電磁波をモードレベルで詳細に解析し検証した研究結果を基に、高次のTEモードの中から、特にガス絶縁機器の絶縁スペーサの外周方向に顕著な強度分布を持つ特徴を有意に活用できるTE11モードに着目し、これを検出領域として設定している。TE11モードの電磁波が確かに存在していることをガス絶縁機器の絶縁スペーサの外周方向の顕著な強度分布によって検証し、かつ、当該モードの電磁波がガス絶縁機器の内部を伝播するときのモード変化も追跡することで、より確実かつ高度な診断を行うことができるものである。
非特許文献1に開示されている従来の方法では、部分放電によりタンク内部に発生した電磁波が金属タンク内部を伝搬し、外部に漏洩するのを検出しているが、GIS(Gas Insulated Switchgear:ガス絶縁開閉装置)を単純な直管,L字状,T字状構造とみなして、ガス絶縁機器内部の電界強度分布をモードレベルで検証した結果を利用して、検出方法と検出装置を構築している。しかしながら、実際のGISにおいては、形状は単純ではなく、中心導体を支えるポストスペーサや電界シールドといった凹凸の構造物が、電磁波が伝搬するタンク内部に存在するため、その部位で生じるモードの変化は非特許文献1に示された考え方とは異なるケースがある。そのため、非特許文献1に開示された方法のみで判定を実施すると、現実の機器においては誤判定を下す恐れがある。
2005年3月23日出願 日本国特許出願 特願2005−084305の明細書 岡部 成光 他:"GIS中電磁波モード変換を利用した部分放電診断法",平成17年電気学会電力・エネルギー部門大会予稿331
この発明は、上記のような問題点を解消するためになされたもので、電磁波がガス絶縁機器の内部を伝播するときのモード変化を追跡する部分放電判定方法および部分放電判定装置において、特にガス絶縁機器の絶縁スペーサの外周方向に顕著な強度分布を持つ特性を有意に活用できるTE11モードを検出領域として設定する。そして、ガス絶縁機器の内部を伝搬する電磁波をモードレベルで詳細に解析し検証した研究結果に、更にガス絶縁機器の内部の構造に対しての検証結果を加え、ガス絶縁機器の実際の内部構造を加味しながら、より実際のガス絶縁機器に即した精度の高い部分放電判定方法および部分放電判定装置を提供することを目的としたものである。
この発明に係わる部分放電判定方法は、絶縁ガスが封入された円筒形の金属タンクを絶縁スペーサで区画し、中心導体を上記絶縁スペーサで支持して構成したガス絶縁機器を対象とし、上記金属タンクの内部で発生する部分放電の有無を判定するにあたって、上記絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において上記金属タンク内に伝搬する電磁波信号を電磁波検出器により検出し、検出した上記電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号をTE11検波装置によって抽出し、上記TE11検波装置で抽出した信号の強度と上記電磁波検出器の上記外周方向の位置情報とから上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を強度検出装置によって検出して部分放電を判定する方法において、上記ガス絶縁機器の内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備え、上記強度検出装置で検出した上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布と、上記構造情報出力手段の内部構造情報より、部分放電の有無を判定するようにしたものである。
また、この発明に係わる部分放電判定方法において、上記金属タンクはL字状の屈曲部を有し、上記屈曲部から2方に伸びる上記金属タンクのそれぞれに上記絶縁スペーサを備えており、上記構造情報出力手段から得た上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造の情報が、上記L字状の上記金属タンクの軸線を含む平面を基準面とするとき、上記屈曲部の中心導体に上記基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が上記中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でないとき、一方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、上記L字状の上記金属タンク内で部分放電が発生していると判定するようにしたものである。
さらに、この発明に係わる部分放電判定装置は、絶縁ガスが封入された円筒形の金属タンクを絶縁スペーサで区画し、中心導体を上記絶縁スペーサで支持して構成したガス絶縁機器を対象とし、上記金属タンクの内部で発生する部分放電の有無を判定するにあたって、上記絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において上記金属タンク内に伝搬する電磁波信号を検出する電磁波検出器と、検出した上記電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号を抽出するTE11検波装置と、上記TE11検波装置で抽出した信号の強度と上記電磁波検出器の上記外周方向の位置情報とから上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を検出する強度検出装置とを有する部分放電判定装置において、上記ガス絶縁機器の内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備えたものである。
この発明の部分放電判定方法又は部分放電判定装置によれば、ガス絶縁機器の内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備えたので、強度検出装置で検出した金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布と、構造情報出力手段の内部構造情報より、ガス絶縁機器の内部に部分放電が存在するか否かを確度高く特定することができる。
又、この発明の部分放電判定方法又は部分放電判定装置によれば、ガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備えたので、強度検出装置で検出した金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布と、構造情報出力手段の外形及び内部構造情報より、ガス絶縁機器の内部に部分放電が存在するか否かを確度高く特定することができる。
この発明の実施の形態1における部分放電判定装置をガス絶縁機器に取り付けた構成図である。 図1のQ−Q方向から見た断面構成図である。 実施の形態1におけるL字状タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。 実施の形態2におけるL字状タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。 実施の形態3における直管タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。
実施の形態3における直管タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。 実施の形態4におけるT字状タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。 実施の形態4におけるT字状タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。 実施の形態5におけるT字状タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。 実施の形態5におけるT字状タンクの部分放電発生時に見られる円周方向の電磁波の強度分布を示す図である。
参考例1における部分放電判定装置をガス絶縁機器に取り付けた構成図である。 図11のP−P方向から見た断面構成図である。 同軸線路におけるTEMモード,TE11モード,及びTE21モードの電磁界分布を模式的に示す図である。 タンク内で部分放電が生じている場合の電磁波の強度分布の一例を示す図である。 参考例1における直管タンクの部分放電判定方法を説明する図である。 図11の部分放電判定装置の判定部の他の例を示す構成図である。 図16の判定部で得られる強度分布パターンの一例を示す図である。
参考例2におけるL字状タンクの部分放電判定方法を説明する図である。 参考例2におけるL字状タンクの部分放電判定方法を説明する他の例を示す図である。 参考例2におけるL字状タンクの部分放電判定方法を説明するさらに他の例を示す図である。 参考例3におけるT字状タンクの部分放電判定方法を説明する図である。 参考例3におけるT字状タンクの部分放電判定方法を説明する他の例を示す図である。 参考例3におけるT字状タンクの部分放電判定方法を説明する他の例を示す図である。 参考例3におけるT字状タンクの部分放電判定方法を説明するさらに他の例を示す図である。
符号の説明
1 金属タンク 2 絶縁スペーサ
3 中心導体 4 電磁波検出器
5 移動装置 6 移動角検出装置
7 判定部 8 TE11検波装置
9 入力部 10 強度検出装置
11 判定装置 12 ガイドレール
13 部分放電源 14 パターン認識装置
15 基準面 16 基準面
21 ポストスペーサ 22 パターン認識装置
23 検出パターン表示器 24 構造情報出力手段
25 想定パターン表示器 26 電界緩和シールド
27 屈曲部 28 分岐部
実施の形態を説明する前段において、本願の先願である特許文献1について、参考例として詳述する。
参考例1.
図11は、参考例1における部分放電判定装置をガス絶縁機器に取り付けた構成図である。判定対象とするガス絶縁機器の一例として、GIS(Gas Insulated Switchgear:ガス絶縁開閉装置)を例に説明する。GISは、断路器,遮断器等の開閉機器やこれらを保護する電気機器が母線により接続され、各機器の高電圧充電部は絶縁性ガスを充填した金属タンク内に収納されて構成されている。図は、このGISの母線タンク部分に部分放電判定装置を配置した場合を示している。
図のように、円筒状をした複数の金属タンク1が絶縁スペーサ2を介し連結され、この絶縁スペーサ2に支持された円筒状の中心導体3が金属タンク1と同軸に配置されている。そして、絶縁スペーサ2で区画された金属タンク1内には絶縁ガスが封入されている。なお、金属タンクは以下では単にタンクと称す。
次に、部分放電判定装置の構成について説明する。タンク1を連結する絶縁スペーサ2の外周部に、タンク1内に伝播する電磁波信号を検出する電磁波検出器4を配置する。この電磁波検出器4は、電磁波アンテナで主に構成されており、例えば、ループコイル,ダイポールアンテナ,ログペリアンテナ,ホーンアンテナ等が使用される。電磁波検出器4は、移動装置5によって絶縁スペーサ2の外周方向に移動可能となっており、外周方向の任意の位置で電磁波を測定し検出することができる。移動装置5により電磁波検出器4が絶縁スペーサ2の外周方向に移動したときの電磁波検出器4の位置情報は、移動角検出装置6に送られ、基点からの移動角θとして検出される。
電磁波検出器4からの検出信号と移動角検出装置6からの移動角情報とは、判定部7に送信される。判定部7は、電磁波検出器4の検出信号から後述する遮断周波数を利用してTE11モードが伝播しTE21モードが伝播しない周波数帯域の電磁波信号を抽出するTE11検波装置8と、遮断周波数を演算するのに必要なタンク1と中心導体3の外径情報を入力する入力部9と、TE11検波装置8の出力信号及び移動角検出装置6からの移動角θを受信し、タンク1の外周方向の電磁波の強度分布を検出する強度検出装置10と、検出した強度分布とTE11モード特有の強度分布とを比較して部分放電の有無を判定する判定装置11とを備えている。上記4〜11までで、部分放電判定装置の主要部が構成されている。なお、例えばタンク内の異物等は、部分放電源13となる。
図12は図11のP−P方向から見た断面構成図であり、移動装置5によって電磁波検出器4を移動させる場合の一例を示す図である。図のように、絶縁スペーサ2の外周部にガイドレール12を設け、電磁波検出器4側に設けた係合部をガイドレール12にスライド可能に係合させている。電磁波検出器4には駆動モータを設けており、移動装置5から指令によりガイドレール12上を移動できるようになっている。このときの周方向の位置情報を移動角検出装置6に取り込む。例えば、図の垂直下部の位置を基点とすると、4aの位置で測定する場合は、θを移動角として検出する。
なお、図12に示す移動装置は、一例であり、絶縁スペーサ2の外周の周方向に移動可能なものであれば、図の構造に限定されない。
次に、部分放電判定装置によって部分放電を検知する方法について説明する。GISの母線タンクは、図11に示すように中心導体3とそれを被うタンク1からなる同軸構造となっている。このような同軸構造を伝播する電磁波のモードには、TEMモード、TEモード(TE11,TE21,TE31・・・)及びTMモードがあり、それぞれのモードは電磁波の異なる伝播形態を表しており、進行方向に対し電界や磁界のベクトルの有無で区別されている。このTEM,TE11モード、TE21モード・・・はそれぞれのモードごとに特定の周波数以上の領域に限定して存在していることが知られている。この特定の周波数は遮断周波数と呼ばれており、中心導体径やタンク径などの構成部品の形状や寸法によって、すなわちガス絶縁機器の形状や寸法に応じて決まるものである。例えば、タンク1の半径をa、中心導体3の半径をbとし、光速をcとすると、近似的にTEm1モードの遮断周波数fは式1のように表される。
f=c・m/〔π(a+b)〕・・・・・・・・・式1
但しm=1,2,3・・・
つまり、タンク1と中心導体3の形状が決定されれば、存在するモードと遮断周波数が特定できることになる。
各モードのうち、TEMモードはタンク円周方向にピーク分布を持たない静電界と同じ電界分布である。これに対し、TE(m1)モードは円周方向にピーク分布を持つ電界分布を示す。図13は、同軸線路の場合のTEMモード,TE11モード,及びTE21モードの電磁界分布を模式的に示す図である。図のように、TE11モードは円周方向の180°対称の位置に強いピークを持つ電界分布を示し、TE21モードは円周方向の90°対称の位置にピークを持つ電界分布であることがわかる。
図14は、タンク内で部分放電が生じている場合の電磁波の強度分布の一例を示す図である。周波数別の電磁波強度の強弱とタンクの壁面における分布状況を濃淡で表現している。この図は、発明者らの研究によって明らかにされた実験検証データ例であり、中心導体の長さが約2mのタンク内部で部分放電を発生させたものであり、縦軸は、放電源を基点(0°)としタンク外周の円周方向の位置を角度で示し、横軸は、周波数(MHz)を示している。図において、色の濃い部分が電磁波信号の強い部分である。図の上部には、TEMモード,TE11モード,TE21モード及びTE31モードの電磁波信号が伝播する周波数帯域をそれぞれ横棒グラフで示している。
図中に丸を付して例示しているように、TEMモードは円周方向に一様に信号を有しピーク値を持たないが、TE11モードは円周方向において180°対向する位置に2つの強度ピークを持ち、また、TE21モードは90°ピッチで4つのピークを持つことがよくわかる。従って、式1を用いて計算された各モードの周波数領域おいてこれらの強度分布が検証されれば、間違いなくそのモードの電磁波が存在していることを意味する。
以上説明したように、部分放電による電磁波は、TEM領域から、より高次のモードの信号まで広くGIS内部に分布している。この分布形状を把握することで、GIS内部での部分放電の有無の判断が可能となる。ここで、どのモードに着目するかについては、パターンの見分け易さと、一方で信号処理のし易さとを考慮して決定していく必要がある。信号処理のし易さでは、より低い周波数帯を検出ターゲットとした方が好ましいが、最も周波数の低いところで存在するTEMモードは全周方向に亘り分布を示しているため特徴的な分布パターンは見出しにくい。一方で、高次モードになると、分布の形状が複雑になっていくため、より自然界には存在しないGIS固有のパターンを見出すことができるようになるが、複雑すぎると、部分放電判定装置の判定アルゴリズムが非常に高度・複雑なものとなり、また高周波信号処理も難しくなって、実際の診断には適さなくなる。
そこで、ここでは、比較的GIS固有の特長が見出せ、かつ、信号処理も容易な帯域であるTE11モードに着目した。なお、実際のGISタンクでのTE11モードの周波数帯について、式1で試算すると、タンク径によって異なるが200MHz〜1GHz程度である。
先に、図11のTE11検波装置8によって、遮断周波数を利用してTE11モードが伝播しTE21モードが伝播しない周波数帯域の電磁波信号を抽出すると説明した周波数帯域とは、式1で求めたTE11モードの遮断周波数以上で、TE21モードの遮断周波数未満の範囲のことである。但し、式1は近似式であり、この式によってモードを完全に峻別できるわけではないので、厳密に範囲を区切る必要はなく前後に多少幅があっても良い。実運用においては、汎用性を考慮して幅を持たせる方が実用的でる。
次に、具体的なガス絶縁機器での判定方法について説明する。図15は、参考例1の部分放電判定装置を用いた部分放電判定方法を説明する図である。図の(a)は2個の絶縁スペーサ2a,2bで区画された直管のタンク1内で部分放電が発生した場合の発生位置を示し、(b)は部分放電発生位置のz軸に垂直方向の断面図であり、部分放電源13が、例えば水平方向を基準として角度θの位置に存在する場合を示している。また、(c)は部分放電による電磁波信号が直管のタンク1の接続部に設けた絶縁スペーサ2a又は2bで観測される際の、周方向の電磁波の強度分布を示すものである。
なお、部分放電源13は、分かりやすいために絶縁スペーサのすぐ近傍に図示しているが、タンク1内であればどこでもよい。また、電磁波信号の強度分布は、主にピークが現れる方向や現れ方を視覚的に分かりやすく説明するため単純化して表示しており、実測値を正確に表したものではない。以下の説明でも同様である。部分放電の測定は、電磁波検出器4を移動装置5によって絶縁スペーサ2aの外周方向へ移動させながら、外周方向の複数の位置で実施する。このとき、基準点からの測定位置の情報は移動角検出装置6によって角度情報θとして検出し、部分放電判定装置の判定部7へ送信される。
GISタンク内部に発生する部分放電源13が、例えば水平方向を基準として角度θの位置(位置13と180°対向する位置13aでも同じ)に存在した場合、電磁波信号も同じく角度θの方向に強く放射され、絶縁スペーサ2aにおいて、図の(c)に示すように、ほぼ角度θの位置に強い信号ピークを持つ分布が確認される。そこで、絶縁スペーサ2aの外周方向の複数箇所で測定した電磁波検出器4からの電磁波信号を、図11で説明したような部分放電判定装置の判定部7に取り込み、信号処理をして外周方向の強度分布として表せば、TE11モードの電磁波が存在した場合、すなわち部分放電による電磁波である場合は、ほぼ180°対向する位置に強いピーク値が見られることになる。従って、検出結果の強度分布がこのようなTE11モード特有の分布を示すかどうかにより部分放電の有無を判定することができる。
強度検出装置10の具体例としてパターン認識装置を使用した場合について説明する。図16は図11の部分放電判定装置の強度検出装置にパターン認識装置14を使用した場合のブロック図である。パターン認識装置14以外は図11と同じなので説明は省略する。TE11検波装置8からのTE11の信号と、移動角検出装置6からの移動角θの情報をパターン認識装置14へ入力するとパターン認識装置14では、絶縁スペーサ2の外周上の電磁波信号の強度分布パターンを生成する。強度分布パターンの一例を図17に示す。図の縦軸に信号強度、横軸に周方向の位置(角度)をとり、各位置での信号強度をグラフにすれば太線のような強度分布パターンが得られる。判定装置11では、例えば、θ1とθ2の間隔やピーク値から、TE11モード特有のモードかどうかを判定する。
θ1,θ2のような顕著なピーク値がほぼ180°対向する位置に確認できれば、TE11モード特有の分布であると判断でき、部分放電による電磁波が検出されたと判定できる。このように、絶縁スペーサ2の外周方向の測定において、ほぼ180°離れた位置に2つのピークが存在することを再現性をもって確認することで、外部ノイズではなく内部に部分放電が存在することを特定できる。
なお、パターン認識装置は、現在一般に行われている各種信号処理技術を利用することで対応できる。
また、図15の(a)のように、タンク1の両端に絶縁スペーサ2aと絶縁スペーサ2bとが配置されている場合、この絶縁区画内部に部分放電源13が存在すると、上記のような2つのピークを持つ分布の形状は、直管のタンクであれば崩れることなく両側へ伝播し、隣接する絶縁スペーサ2a,2bで同じ位置にピーク値が現れる。
そこで、直管のタンク1において2つ以上の絶縁スペーサが存在する場合、絶縁スペーサ2aで測定した電磁波信号から、周方向でほぼ180°対称の位置にピーク値を有するTE11モードの信号を検出し、かつ、そのピーク値が隣接する絶縁スペーサ2bで同じ位置に確認できた場合に、電磁波検出器4が検出した信号は、タンク1の内部における部分放電信号であると判定する。両者のピーク位置が異なる場合には、部分放電によるものではなく外部ノイズであると判定する。
また、上記の説明のように、ピーク信号は、部分放電源13の円周方向の位置と同じ方向に現れる。このことを利用し、測定したピーク信号がタンク1の円周方向のどの位置に立つかという位置(角度)情報によって、部分放電源13の円周方向の位置を推定することができる。但し、図15(b)で部分放電源が位置13にある場合と位置13aにある場合の区別や、タンク1側か中心導体3側かの区別はしない。
上記までの説明では、電磁波検出器4によって絶縁スペーサ2の外周方向の複数箇所で測定するやり方として、移動装置5を用いて移動させる場合について説明したが、移動装置5によらずに、例えば、測定者が電磁波検出器4を絶縁スペーサ2の外周方向に移動させながら測定しても良い。また、位置(角度)情報も、移動角検出装置6から自動的に取り込むのではなく、測定者がその情報を強度検出装置10に入力するようにしても良い。
また、遮断周波数を演算するために、タンク1と中心導体3の径情報を入力部9から入力するようにしたが、その都度入力するのではなく、予め記憶部に記憶させておいても良く、対象ガス絶縁機器が特定されているような場合は、径情報から計算される遮断周波数を直接利用しても良い。
更にまた、測定結果から部分放電の有無を判定する際に、強度検出装置によって強度分布が得られた段階で、熟練者であれば強度分布を見れば、特に後段の判定装置を使用しなくても、部分放電の有無を判定することが可能である。例えば、強度検出装置として上述のようなパターン認識装置を使用し、結果を強度分布パターンとして視覚的に表示させれば、その図からTE11モードの存在を確認することが可能である。従って、部分放電判定装置として、判定部7の中の判定装置11は必須ではない。
以上のように、参考例1によれば、絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において電磁波信号を検出し、TE11検波装置によってTE11モードが伝播しTE21モードが伝播しない周波数帯域の信号を抽出し、抽出した信号の強度と電磁波検出器の周方向の位置情報とからタンクの外周方向の電磁波の強度分布を検出し、その強度分布がTE11モード特有の分布を示すかどうかにより部分放電の有無を判定するようにしたので、部分放電で発生する電磁波の中に含まれるTE11モードの信号を効率よく捕捉でき、そのモード特有の特徴を抽出できるので、外来ノイズの影響を抑制して部分放電の有無を判定できる信頼性の高い部分放電判定方法又は部分放電判定装置を提供できる。
また、部分放電の有無の判定は、判定装置を用いて強度検出装置で得られた電磁波の強度分布とTE11モード特有の分布とを比較して判定するようにしたので、上記の効果に加え、更に精度の良い判定を行うことができる。
更にまた、直管のタンクの軸方向に設けた2個の絶縁スペーサのそれぞれにおいて測定して得た電磁波の強度分布を比較し、強度分布のピーク位置が同じであれば、直管内で部分放電が発生していると判定するようにしたので、直管タンクにおける部分放電の発生の有無を精度良く判定できる。
参考例2.
図18〜図20は参考例2による部分放電判定方法を説明する図である。図18,図19の(a)はL字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は一方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布、(c)は他方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布を示している。図のように、L字状のタンク1c、1dに対して、そのL字の屈曲部の前後に絶縁スペーサ2c,2dがそれぞれ配置されている。タンク1c,1dがL字状をしている以外の構成は、参考例1で説明した図11と同等であり、また部分放電判定装置も参考例1で説明した図と同等なので詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
GISが直管のタンクから構成されている場合は、電磁波の挙動は参考例1で説明したように単純であったが、実際のGISではL字状やT字状をしたタンクが複数組み合わさって構成されているため、このL字やT字の屈曲部分で電磁波モードの変換が発生し、信号の円周方向の分布が崩れる。まず、図18のように、L字屈曲部の手前側のタンク1c内部において部分放電源13が存在した場合について説明する。図中での方向を特定するために、タンク1c,1dの軸線を含む平面を基準面15とする。部分放電源13は、タンク1c側で軸心を通り基準面15に平行な方向(x軸方向)にある場合を説明する。
この場合、絶縁スペーサ2cにおいては図の(b)のように基準面15と平行な方向(x軸方向)にピーク値を持つTE11モードの強度分布が確認される。そして、L字部(屈曲部)を通過した後の絶縁スペーサ2dにおいては、2cにおける分布とは異なり、図の(c)のように全周方向に亘ってほぼ同レベルの強度分布を示すことが発明者らの研究によって確認された。この結果、L字状のタンクの屈曲部の前後に絶縁スペーサ2c,2dが存在する場合には、両絶縁スペーサ2c,2dにおいて電磁波検出器4によってTE11モードの電磁波の強度分布を測定し、一方の絶縁スペーサ2cにおいて基準面15にほぼ平行な方向に2点のピーク値が存在した場合に、他方の絶縁スペーサ2dにおいて全周方向に亘る分布が再現性をもって存在することを確認できれば、外部ノイズではなく、当該タンク内部において部分放電が発生していると判定することができる。そのため、L字状のタンク内の周方向で基準面に平行な位置に発生する部分放電の有無を精度良く判定することができる。
次に、図19は図18と同様にL字状のタンクであるが、(a)に示すように、部分放電源13が、タンク1c内で軸心を通り基準面15に垂直な方向(y軸方向)にある場合である。このとき、絶縁スペーサ2cにおいて観測される部分放電によるTE11モードの電磁波は図の(b)のように基準面15に垂直方向(y軸方向)にピーク値を有し、L字屈曲部を通過した後の絶縁スペーサ2dで観測した信号でも、図の(c)のように基準面15に垂直方向にピーク値を持つ信号分布が確認される。
この結果から、L字状のタンク1c,1dの双方に絶縁スペーサ2c,2dがある場合には、両絶縁スペーサ部で電磁波検出器4によってTE11モードの電磁波の周方向の強度分布を測定し、一方の絶縁スペーサ2cにおいて基準面15にほぼ垂直方向に2点のピーク値が存在した場合には、他方の絶縁スペーサ2dにおいて同じくほぼ垂直方向に2点のピーク値が再現性をもって存在することを確認すれば、当該タンク内部において部分放電が発生していると判定することができる。そのため、L字状のタンク内部の周方向で基準面に垂直な位置に発生する部分放電の有無を精度良く判定することができる。
以上までは、部分放電信号が基準面15に対し垂直もしくは水平方向に侵入した場合について説明した。次に、部分放電源13が基準面15に対して斜め方向に位置している場合について説明する。斜め方向に信号が進入した場合については、斜め信号を水平成分と垂直成分に分離して考えることができることが確認された。次に、これを説明する。
図20は、基準面に斜め方向に部分放電源13が存在した場合の、L字屈曲部でのTE11モードの電磁波の分布の変化につい説明する図である。図の(a)に示すように、水平方向(基準面)を基準に角度θの位置に部分放電源13が存在した場合、部分放電源13があるタンク1c側の絶縁スペーサ2cでは図の(b)「入力」に示すように、水平成分と垂直成分の和として角度θの位置に強い信号ピークを持つ分布が確認される。これは、角度θで侵入した大きさAの信号は、水平成分(Acosθ)と、垂直成分(Asinθ)に分割し、これらを足し合わせた結果として考えることができる。一方、L字屈曲部を通過した側の絶縁スペーサ2dでは、図の(b)「出力」に示すように、水平成分,垂直成分それぞれの屈曲部でモードが変換された結果を足し合わせた右下のような分布を示すことが確認された。
そこで、実際の測定においては、L字屈曲部の前後の絶縁スペーサで観測された信号の外周方向の分布が、ここで予測される分布と一致した場合、すなわち、一方の絶縁スペーサ部で傾斜を持つ方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の絶縁スペーサ部で垂直な方向の成分と全周方向の成分との和に相当する強度分布が確認された場合、当該タンク内部で部分放電が発生していると判定することができる。そのため、L字状のタンク内部の周方向で基準面に傾斜を持つ位置に発生する部分放電の有無を精度良く判定することができる。
参考例3.
図21〜図24は参考例3による部分放電判定方法を説明する図である。図の(a)はT字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)〜(d)は各絶縁スペーサでの電磁波の強度分布を示している。図のように、直管部とこの直管部の途中からT字状に分岐した分岐管部からなるT字状のタンクに対して、分岐点から3方に伸びるタンク1e、1f,1gのそれぞれに絶縁スペーサ2e、2f,2gを備えている。タンクがT字状をしている以外の構成は、参考例1で説明した図11と同等であり、また部分放電判定装置も参考例1で説明した図と同じなので詳細な説明は省略し、相違点を中心に説明する。
図中での方向を特定するために、タンク1e〜1gの軸線を含む平面を基準面16とする。まず、図21のように、部分放電源13がタンク1e側でタンク軸心を通り基準面16に平行な方向にある場合を説明する。図のような位置に部分放電源13が存在した場合、絶縁スペーサ2eでは(b)に示すように基準面16に平行な方向(x軸方向)に2つのピーク値を持つTE11モードの信号分布が確認される。このとき、分岐部を通過した後の分岐管1f側の絶縁スペーサ2fと直管1g側の絶縁スペーサ2gにおいては、絶縁スペーサ2eにおける分布とは異なり、(c)及び(d)のように全周方向に亘ってほぼ同レベルの強度分布を示すことがわかる。なお、部分放電源13が直管1g側の同方向にある場合も同様である。
一方、図22の(a)に示すように、部分放電源13が、分岐管1f側で軸心を通り基準面16に平行な方向(z軸方向)に存在した場合は、絶縁スペーサ2fにおいては、(b)に示すように基準面に平行に2点のピーク値を持つ分布が確認され、分岐部を通過した後の直管1e,1g側の絶縁スペーサ2e,2gにおいては、(c)のように周方向で全周に亘ってほぼ同レベルの信号を有する強度分布を示すことがわかる。
この結果、T字状のタンクにおいて、図のように直管部の両側と分岐管側に絶縁スペーサが有る場合には、各絶縁スペーサ2e〜2gにおいて、電磁波検出器4により電磁波を検出し、TE11モードの周波数を検波してタンク外周方向の強度分布として見た場合、いずれか1つの絶縁スペーサ部で基準面16にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、残り2個の絶縁スペーサ部で全周に亘ってほぼ同レベルの信号を有する強度分布が再現性をもって確認された場合に、当該タンクの内部で部分放電が発生していると判定することができる。そのため、T字状のタンク内部の周方向で、基準面に平行な位置に発生する部分放電の有無を精度良く判定することができる。
次に、部分放電源13が、タンク軸心を通り基準面16と垂直な方向(Y軸方向)に存在する場合について説明する。図23(a)に示すように、T字状のタンクの直管1e側で基準面16に垂直な方向に部分放電源13がある場合である。この場合、部分放電源13があるタンク1e側の絶縁スペーサ2eにおいては、(b)のように部分放電によるTE11モードの電磁波は基準面16に対し垂直方向に2点のピーク値を持ち、さらに、分岐部を通過した後の分岐管1f側の絶縁スペーサ2fと直管1g側の絶縁スペーサ2gにおいても、電磁波信号は(c),(d)のように同じく基準面16に対し垂直方向に2点のピーク値を持つ強度分布が確認される。
同様に、図24(a)に示すように、部分放電源13が分岐管1f側で軸心を通り基準面16に垂直な方向に存在した場合について説明すると、部分放電源13の存在するタンク側の絶縁スペーサ2fにおいては、部分放電によるTE11モードの電磁波は(b)のように基準面16に対し垂直方向に2点のピーク値を有し、分岐部を通過した後の直管1e,1gに設けた絶縁スペーサ2e,2gで観測した電磁波信号は、(c)のように同じく基準面16に垂直方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認されている。
これらの結果から、T字状のタンクの3方に絶縁スペーサが有る場合には、各絶縁スペーサ2e〜2gにおいて電磁波検出器4によって検出した電磁波信号を処理し、タンク外周方向の強度分布を取得し、いずれか1つの絶縁スペーサ部において基準面16にほぼ垂直方向に2点のピーク値が存在した場合には、その他の絶縁スペーサ部において同じく基準面16にほぼ垂直方向に2点のピーク値が再現性をもって存在することを確認することで、すなわち、全ての絶縁スペーサ部において基準面16にほぼ垂直方向に2点のピーク値を有することを確認することで、当該タンクの内部で部分放電が発生していると判定する。そのため、T字状のタンク内部の外周方向で、基準面に垂直な位置に発生する部分放電の有無を精度良く判定することができる。
以上までの説明では、簡単のために部分放電源が基準面16に対し垂直もしくは水平方向にある場合について説明した。部分放電源が基準面16に対し斜め方向にある場合については、参考例2で説明したと同様に、斜め方向の信号を水平成分と垂直成分に分離して、それぞれのモード変換結果を再度重ね合わせることによってTE11モードの強度分布が得られる。図示は省略するが、部分放電源13が基準面16に対し斜め方向に位置する場合、3個の絶縁スペーサ部の内の何れか一箇所で基準面16と傾斜を持つ方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、残り2個の絶縁スペーサ部で全周方向の成分と垂直な方向の成分の和に相当する強度分布が確認されることを検証した。
従って、実際の測定では、T字状のタンクの各絶縁スペーサ部において、電磁波検出器4により電磁波を検出し、信号処理によって各絶縁スペーサ部の外周方向のTE11モードの電磁波の強度分布を取得し、その結果が上記のような強度分布を示した場合に、当該タンク内で部分放電が発生していると判定し、それ以外は外部ノイズであると判定することができる。そのため、T字状のタンク内部の周方向で、基準面に傾斜を持つ方向の位置に発生する部分放電の有無を精度良く判定することができる。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1における部分放電判定装置をガス絶縁機器に取り付けた構成図である。図2は図1のQ−Q方向から見た断面構成図である。明細書中の各図において、同一符号は同一又は相当部分を示し、説明を一部省略する。ガス絶縁機器は、円筒状をした複数のタンク1が絶縁スペーサ2を介し連結され、この絶縁スペーサ2に支持された円筒状の中心導体3がタンク1と同軸に配置されて構成されている。そして、絶縁スペーサ2で区画されたタンク1内には絶縁ガスが封入されている。GISは、このように基本的には図1に示すように中心導体3とそれを被うタンク1からなる同軸構造となっているが、場合によっては中心導体3を支えるために、中心導体3の軸上の点を中心とした点対称でない構造のポストスペーサ21が挿入されていることもある。また、電界シールドが挿入されていることもある。
GIS内部で部分放電が発生した場合、部分放電より電磁波が発生しタンク内部を伝播する。この同軸のタンク構造を伝搬する電磁波のモードとして、参考例と同様に、TE11モードの信号に着目して、部分放電判定装置が構成されている。TE11モードの特徴を活かして部分放電の判定をするには、タンク1の外周方向、測定に当たっては、絶縁スペーサ2の外周方向の電磁波の強度分布を知る必要がある。図1において、参考例1と同様に、電磁波検出器4は絶縁スペーサ2の外周方向に沿って移動可能となっており、絶縁スペーサ2の外周方向に沿った電磁波検出器4の出力を判定部7に入力することで、TE11モードを利用した部分放電の判定が可能となる。なお、5は移動装置、6は移動角検出装置、12はガイドレールである。
部分放電判定装置は、絶縁スペーサ2の外周方向の複数箇所においてタンク1内に伝搬する電磁波信号を検出する電磁波検出器4と、検出した電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号を抽出するTE11検波装置8を有する。さらに、部分放電判定装置は、TE11検波装置8で抽出した信号の強度と電磁波検出器4の外周方向の位置情報θとからタンク1の外周方向の電磁波の強度分布を検出する強度検出装置を有する。この強度検出装置は、図16,図17で説明したようにパターン認識装置22で構成できる。パターン認識装置22のパターン化出力は、図15の(c),図18の(b)(c)等のような円形の強度分布図として、検出パターン表示器23に表示できる。
構造情報出力手段24には、判定対象のガス絶縁機器の外形及び内部の構造情報が入力され記憶されている。構造情報出力手段24に記憶される外形構造情報としては、判定対象のガス絶縁機器の直管タンク,L字状タンク,T字状タンク等の情報であり、各タンクにおける絶縁スペーサの位置も取り込んでも良い。構造情報出力手段24に記憶される内部構造情報としては、判定対象のガス絶縁機器内部におけるポストスペーサや電界シールドの有無、それらの取り付け位置,取り付け方向や形状等である。想定パターン表示器25は、判定対象のガス絶縁機器の1つの絶縁スペーサで検出した強度分布情報をパターン認識装置22から得ると共に、外形及び内部の構造情報を構造情報出力手段24から得る。
これらの情報から、想定パターン表示器25では、上記判定対象のガス絶縁機器の他の絶縁スペーサで部分放電発生時に想定される強度分布をパターン化して表示する。そのため、想定パターン表示器25には、それらの情報から判定対象のガス絶縁機器の他の絶縁スペーサで部分放電発生時に想定される強度分布が、事例として記録されている。例えば、後述する図3における外形及び内部の構造情報と、絶縁スペーサ2cの強度分布情報から、想定される部分放電発生時の絶縁スペーサ2dの強度分布が記録されている。なお、想定パターン表示器25の表示は図15の(c),図18の(b)(c)等のような円形の強度分布図とすることができる。なお又、想定パターン表示器25では、構造情報出力手段24の外形及び内部の構造情報だけを表示するようにすることもできる。
判定装置11では、上記他の絶縁スペーサで実際に検出した強度分布を基にパターン認識装置22でパターン化した出力と、想定パターン表示器25の想定される上記パターン化出力とを比較し、マッチング度により、判定対象のガス絶縁機器の内部における部分放電の有無を判定する。
このように構成された部分放電判定装置をL字状タンクの測定に適用した場合について説明する。参考例2と図18を参照して、L字状のタンク1c,1dに対して、そのL字状の屈曲部の前後に絶縁スペーサ2c,2dがそれぞれ配置されている。図中での方向を特定するために、タンク1c,1dの軸線を含む平面を基準面15とする。部分放電源13は、タンク1c側で軸心を通り基準面15に平行な方向(x軸方向)にある場合を説明する。
電磁波がこのタンク内部を伝搬する際に、L字状の屈曲部を通過する場合、この屈曲部でモードの変換が起き、参考例2で説明したように、信号の円周方向の分布が崩れる。この場合、図18に示すように、絶縁スペーサ2cにおいては図18の(b)のように基準面15とほぼ平行な方向(x軸方向)にピーク値を持つTE11モードの強度分布が確認される。そして、L字状屈曲部を通過した後の絶縁スペーサ2dにおいては、2cにおける分布とは異なり、図18の(c)のように全周方向に亘ってほぼ同レベルの強度分布を示す。
しかしながら、基準面15とほぼ平行な方向(x軸方向)にピーク値を持つTE11のモード分布に対して、図3の(a)に示す、片側のみのポストスペーサ21のように、屈曲部の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でない場合、図3の(c)のように、図18の(c)とは異なるモードの変化が見られることが新たに分かった。なお、図3の(a)はポストスペーサがある場合のL字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は一方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布、(c)は他方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布を示している。図3(a)の26はポストスペーサ21の電界緩和シールドを示す。電界緩和シールドを装着したポストスペーサ21は、中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない。L字状のタンクの屈曲部にはハンドホールが設けられることがあり、ポストスペーサ21はそのハンドホールを利用して、L字状のタンクの屈曲部に設置され中心導体を支持する。なお、L字状のタンクの屈曲部とは、拡がりのあるタンク1cとタンク1dの交わる部分で、図3の破線で囲む部分27である。
基準面15とほぼ平行な方向(x軸方向)にピーク値を持つ信号がL字状屈曲部に侵入した場合に、その信号の分布を持つ方向に対し、軸上の点を中心とした点対称ではなく片側にのみ構造物が存在するがために、信号の伝搬経路が片方にだけズレが生じる。そのため、最終的に絶縁スペーサ2dにおける分布に影響を与えたものと考えられ、基準面15とほぼ平行な方向にピーク値を持つ分布が顕著に観測される。
このように、信号の強度分布と重なるように、屈曲部の中心導体に上記基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でない場合、一方の絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、L字状のタンク内で部分放電が発生していると判定できる。
具体的な判定法として、内部構造の情報が取得できた場合、中心導体の軸上の点を中心とした点対称でない構造物が屈曲部27に無いときには、一方の絶縁スペーサで基準面(x軸方向又は水平方向)にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の絶縁スペーサで全周に亘ってほぼ同レベルの強度分布が確認された場合に、L字状のタンク内で部分放電が発生していると判定する。
他方、内部構造の情報が取得できた場合、屈曲部27の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が中心導体の軸上の点を中心とした点対称でないときには、一方の絶縁スペーサで基準面(x軸方向又は水平方向)にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の絶縁スペーサで基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、L字状のタンク内で部分放電が発生していると判定する。
また、内部構造の情報が取得できない場合(内部構造の情報が不明の場合)には、一方の絶縁スペーサで基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の絶縁スペーサで基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認されるか、全周に亘ってほぼ同レベルの強度分布が確認された場合に、L字状のタンク内で部分放電が発生していると判定する。
上記の具体的判定法を、図1の部分放電判定装置に当てはめて説明する。構造情報出力手段24には、外形及び内部構造情報として、“L字状のタンクで中心導体の軸上の点を中心とした点対称でない構造物が屈曲部に無い”が入力され記憶されている。構造情報出力手段24の情報は想定パターン表示器25に表示することもできる。ここにおいて、一方の絶縁スペーサ2c(図18(a))で測定が行われ、基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認される(図18(b))。この確認情報は、パターン認識装置22の出力として検出パターン表示器23に表示される。想定パターン表示器25では、構造情報出力手段24の情報とパターン認識装置22の強度分布情報とから、部分放電発生時に、他の絶縁スペーサ2dで想定される強度分布を、記録されている事例から選択して、想定パターン(図18の(c)のパターン)として表示する。
続いて、他の絶縁スペーサ2dで実際に測定し、パターン認識装置22で強度分布を得る。この強度分布は検出パターン表示器23で表示できる。パターン認識装置22のパターン化した出力は、判定装置11に入力され、想定パターン表示器25の先の想定パターンと比較され、両パターンのマッチング度で、L字状のタンク1内に部分放電が発生しているか否か判別できる。
なお、判定装置11がない場合にも、一方の絶縁スペーサ2cで検出された強度分布情報と、構造情報出力手段24の内部構造情報から、部分放電発生時に、他の絶縁スペーサ2dで想定される強度分布を測定者が想定することができるので、想定された強度分布と、実際に他の絶縁スペーサ2dで検出された強度分布とを、測定者が比較することによりガス絶縁機器の内部に部分放電が存在するか否かを判定することができる。なお又、構造情報出力手段24の構造情報としては、内部構造情報があれば、外形構造情報がなくとも測定者は外見的に知ることができ判定できる。外形構造情報は、判定装置を自動化するときに必要である。
また、絶縁スペーサ2c(図18(b)のパターン)と絶縁スペーサ2d(図18の(c)のパターン)の測定順序が逆になっても、同様に判定できる。
次に、構造情報出力手段24には、外形及び内部構造情報として、“L字状のタンクで屈曲部の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつ、中心導体の軸上の点を中心とした点対称でない上記構造物がある”が入力され記憶されている。ここにおいて、一方の絶縁スペーサ2cで測定が行われ、基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認される(図3(b))。この確認情報は、パターン認識装置22の出力として検出パターン表示器23に表示される。想定パターン表示器25では、構造情報出力手段24の情報とパターン認識装置22の強度分布情報とから、部分放電発生時に、他の絶縁スペーサ2dで想定される強度分布を想定パターン(図3の(c)のパターン)として表示する。
続いて、他の絶縁スペーサ2dで実際に測定し、パターン認識装置22で強度分布を得る。この強度分布は検出パターン表示器23で表示できる。パターン認識装置22のパターン化した出力は、判定装置11に入力され、想定パターン表示器25の先の想定パターンと比較され、両パターンのマッチング度で、L字状のタンク1内に部分放電が発生しているか否か判別できる。またこのケースでも、、判定装置11がない場合、一方の絶縁スペーサ2cで検出された強度分布情報と、構造情報出力手段24の内部構造情報から、部分放電発生時に、他の絶縁スペーサ2dで想定される強度分布を測定者が想定することができるので、想定された強度分布と、実際に他の絶縁スペーサ2dで検出された強度分布とを、測定者が比較することによりガス絶縁機器の内部に部分放電が存在するか否かを判定することができる。
また、タンクの内部構造の情報が不明の場合がある。このときにおいても、一方の絶縁スペーサ2cで測定が行われ、基準面(水平方向)にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認されたとする(図3(b))。この確認情報は、パターン認識装置22の出力として検出パターン表示器23に表示される。想定パターン表示器25では、構造情報出力手段24からの情報が不明であるので、パターン認識装置22の強度分布情報のみから、部分放電発生時に、他の絶縁スペーサ2dで想定される2つの強度分布を想定パターン(図3の(c)と図18の(c)のパターン)として表示する。
続いて、他の絶縁スペーサ2dで実際に測定し、パターン認識装置22で強度分布を得る。この強度分布は検出パターン表示器23で表示できる。パターン認識装置22のパターン化した出力は、判定装置11に入力され、想定パターン表示器25の先の2つの想定パターンとそれぞれ比較され、いずれかのマッチング度で、L字状のタンク1内に部分放電が発生しているか否か判別できる。
なお、このケースでも、判定装置11がない場合にも、一方の絶縁スペーサ2cで検出された強度分布情報から、部分放電発生時に、他の絶縁スペーサ2dで想定される2つの強度分布を測定者が想定することができるので、想定された2つの強度分布のいずれかと、実際に他の絶縁スペーサ2dで検出された強度分布とを、測定者が比較することによりガス絶縁機器の内部に部分放電が存在するか否かを判定することができる。
実施の形態2.
実施の形態2は、実施の形態1とは、部分放電源13の位置が異なり、部分放電源13がタンク1c側で基準面15に垂直な方向(y軸方向)に発生したときの例である。L字状のタンク1において、構造物(ポストスペーサ)21が図3と同様に、屈曲部27の中心導体に基準面に並行に接続され、かつ上記構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではないものである。図4の(a)はL字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は一方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布、(c)は他方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布を示している。
ポストスペーサ21がない場合は、参考例2の図19に示すように、絶縁スペーサ2cにおいて観測される部分放電によるTE11モードの電磁波は図19(b)のように基準面15に垂直方向(y軸方向)にピーク値を有し、L字状屈曲部を通過した後の絶縁スペーサ2dで観測した信号でも、図19(c)のように基準面15に垂直方向にピーク値を持つ信号分布が確認される。
これに対して、図4に示すように、ポストスペーサ21が屈曲部27の中心導体に基準面に並行に接続され、かつポストスペーサ21が中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない場合について検証した。それによると、絶縁スペーサ2cにおいて観測される部分放電による電磁波は図4(b)のように基準面15に垂直方向(y軸方向)にピーク値を有し、L字状屈曲部を通過した後の絶縁スペーサ2dで観測した信号でも、図4(c)のように基準面15に垂直方向にピーク値を持つ信号分布が確認された。
その結果、単純にピークに着目する判定の考え方においては、図19(b)(c)と図4(b)(c)とは、ほぼ同様の分布を示すと言ってよい。
実施の形態3.
L字状タンク以外にも直管タンクやT字状タンクにポストスペーサを設置した場合について検証した。実施の形態3は、直管タンクにポストスペーサを設置した場合の例である。図5に示すように、中心導体を支えるポストスペーサ21が底面側に設置されている。ポストスペーサ(構造物)21は、中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない。図5の(a)は直管のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は一方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布、(c)は他方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布を示している。
ポストスペーサ21がない場合は、参考例1の図15で説明したように、水平方向(x軸方向)に放電が発生した場合、絶縁スペーサ2a,2bのいずれにおいても水平方向に電磁波の2点ピークが観測される。ポストスペーサ21が図5のように設置された場合においても、水平方向(x軸方向)に放電が発生した場合、中心導体の軸に対して点対称でない構造物の存在にも係わらず、絶縁スペーサ2a,2bのいずれにおいても水平方向に2点ピークが観測された。これは、ポストスペーサ21における中心導体の軸方向の位置を変えても同じであった。そのため、構造物の存在の有無に係わらず、傾向は変わらず、同じ判定アルゴリズムが成立する。
一方、垂直方向(y軸方向)に放電が発生した場合、中心導体の軸に対して点対称でない構造物(ポストスペーサ)21が底面側に存在すると、図6(b)に示すように、絶縁スペーサ2aで測定される電磁波の強度分布は垂直方向に2点ピークが観測される。図6(c)に示すように、絶縁スペーサ2bで測定される電磁波の強度分布はそのパターンの形状が崩れ、垂直方向以外の成分が増えるが、垂直方向に2点ピークが観測されるという点においては大きくは変わらない。これは、構造物21における中心導体の軸方向の位置を変えても同じであった。そのため、これらの現象を知っておくと、部分放電の有無を精度を上げて判定できる。なお、図6の(a)は直管のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は一方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布、(c)は他方の絶縁スペーサでの電磁波の強度分布を示している。
実施の形態4.
実施の形態4は、T字状タンクにポストスペーサを設置した場合の例である。T字状タンクは直管部とこの直管部の途中からT字状に分岐した分岐管部とを有し、分岐部から3方に伸びる上記タンクのそれぞれに絶縁スペーサを備えている。構造物(ポストスペーサ)は、T字状のタンクの軸線(直管部の軸線と分岐管部の軸線)を含む平面を基準面とするとき、分岐部の中心導体に基準面に並行に接続され、かつ上記構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではないものである。T字状のタンクの分岐部にはハンドホールが設けられることがあり、ポストスペーサはそのハンドホールを利用して、T字状のタンクの分岐部に設置され中心導体を支持する。なお、T字状のタンクの分岐部とは、拡がりのある直管タンクと分岐管タンクの交わる部分で、図7の破線で囲む部分28である。
図7には、T字状タンクの直管部の一方に、軸心をとおり基準面16に平行な方向(x軸方法又は水平方向)に部分放電源13がある場合を示す。図7の(a)はT字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は絶縁スペーサ2eでの電磁波の強度分布、(c)は絶縁スペーサ2fでの電磁波の強度分布、(d)は絶縁スペーサ2gでの電磁波の強度分布を示している。
ポストスペーサ21がない場合は、参考例3の図21で示すように、絶縁スペーサ2eでは、基準面にほぼ平行に電磁波の2点ピークが観測され、絶縁スペーサ2f,2gでは、ともに全周に亘ってほぼ同レベルの強度分布が観測される。
一方、分岐部28の中心導体に基準面に並行に構造物(ポストスペーサ)21が接続され、かつその構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない場合は、絶縁スペーサ2eでは、水平方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認される。絶縁スペーサ2f,2gにおいては、垂直方向(y軸方向)に広がりがあるものの水平方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された。なお、このときは、構造情報出力手段24には、外形及び内部構造情報として、“T字状のタンクで分岐部の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない”が入力される。
このように、T字状タンクにおいて、構造情報出力手段から得たガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が、T字状のタンクで分岐部の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でないとき、3個の絶縁スペーサの全てにおいて、基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、タンク内で部分放電が発生していると判定する。
図8には、図7と部分放電源の位置が異なるものを示し、T字状タンクの直管部の一方に、基準面に垂直な方向(y軸方法)に部分放電源13がある場合を示す。図8の(a)はT字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は絶縁スペーサ2eでの電磁波の強度分布、(c)は絶縁スペーサ2fでの電磁波の強度分布、(d)は絶縁スペーサ2gでの電磁波の強度分布を示している。
ポストスペーサ21がない場合は、参考例3の図23で示すように、すべての絶縁スペーサ2e,2f,2gで、垂直方向に電磁波の2点ピークが観測される。
一方、T字状のタンクで分岐部28の中心導体に基準面に並行に構造物(ポストスペーサ)21が接続され、かつ上記構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない場合においても、図8(b)(c)(d)に示されるように、すべての絶縁スペーサ2e,2f,2gで、垂直方向に電磁波の2点ピークが観測される。そのため、構造物の存在の有無に係わらず、傾向は変わらず、同じ判定アルゴリズムが成立する。
実施の形態5.
実施の形態5は、実施の形態4とは、部分放電源13の位置が異なり、部分放電源13が分岐管部側に発生したときの例である。構造物(ポストスペーサ)は、実施の形態4と同じで、T字状のタンクで分岐部28の中心導体に基準面に並行に接続され、かつ上記構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではないものである。図9には、部分放電源13がT字状タンクの分岐管部側で軸心をとおり基準面16にほぼ平行な方向(x軸方向)に発生した場合を示す。図9の(a)はT字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は絶縁スペーサ2fでの電磁波の強度分布、(c)は絶縁スペーサ2e,2gでの電磁波の強度分布を示している。
ポストスペーサ21がない場合は、参考例3の図22で示すように、絶縁スペーサ2fでは、基準面にほぼ平行に電磁波の2点ピークが観測され、絶縁スペーサ2e,2gでは、ともに全周に亘ってほぼ同レベルの強度分布が観測される。
一方、分岐部28の中心導体に基準面に並行に構造物(ポストスペーサ)21が接続され、かつその構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない場合は、絶縁スペーサ2fでは、基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認される。絶縁スペーサ2e,2gにおいては、基準面に垂直な方向(y軸方向)に広がりがあるものの基準面に平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された。なお、このときは、構造情報出力手段24には、外形及び内部構造情報として、“T字状のタンクで分岐部の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつその構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない”が入力される。
このように、T字状タンクにおいて、構造情報出力手段から得たガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が、T字状タンクで分岐部の中心導体に基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でないとき、3個の絶縁スペーサの全てにおいて、基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、タンク内で部分放電が発生していると判定する。
図10には、図9と部分放電源の位置が異なるものを示し、部分放電源13がT字状タンクの分岐管部側で基準面16にほぼ垂直な方向(y軸方向)に発生した場合を示す。図10の(a)はT字状のタンクにおける部分放電の発生位置を示し、(b)は絶縁スペーサ2fでの電磁波の強度分布、(c)は絶縁スペーサ2e,2gでの電磁波の強度分布を示している。
ポストスペーサ21がない場合は、参考例3の図24で示すように、すべての絶縁スペーサ2f,2e,2gで、垂直方向に電磁波の2点ピークが観測される。
一方、T字状のタンクで分岐部28の中心導体に基準面に並行に構造物(ポストスペーサ)21が接続され、かつ上記構造物は中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造ではない
場合においても、図10(b)(c)に示されるように、すべての絶縁スペーサ2f,2e,2gで、垂直方向に電磁波の2点ピークが観測される。そのため、構造物の存在の有無に係わらず、傾向は変わらず、同じ判定アルゴリズムが成立する。
以上で説明したように、ガス絶縁機器の内部に設置される電界緩和シールドを装着したポストスペーサは、ガス絶縁機器では一般的に用いられるものである。そのポストスペーサをガス絶縁機器の内部に設置したときで、部分放電発生時に想定される各絶縁スペーサの電磁波の強度分布は、事例として、知っておくか、想定パターン表示器に記憶させておくことにより、部分放電発生時の判定の精度を上げることができる。さらに、ガス絶縁機器の内部に設置される他の構造物に対して、その構造情報と部分放電発生時の各絶縁スペーサの強度分布の事例を積み重ねて、それらに対する構造情報と部分放電発生時の各絶縁スペーサの強度分布を知っておくか、記録しておくことにより、部分放電発生時の判定の精度を上げることができる。

Claims (8)

  1. 絶縁ガスが封入された円筒形の金属タンクを絶縁スペーサで区画し、中心導体を上記絶縁スペーサで支持して構成したガス絶縁機器を対象とし、上記金属タンクの内部で発生する部分放電の有無を判定するにあたって、
    上記絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において上記金属タンク内に伝搬する電磁波信号を電磁波検出器により検出し、検出した上記電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号をTE11検波装置によって抽出し、上記TE11検波装置で抽出した信号の強度と上記電磁波検出器の上記外周方向の位置情報とから上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を強度検出装置によって検出して部分放電を判定する方法において、
    上記ガス絶縁機器の内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備え、
    上記強度検出装置で検出した上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布と、上記構造情報出力手段の内部構造情報より、部分放電の有無を判定するようにした部分放電判定方法。
  2. 請求項1記載の部分放電判定方法において、
    上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備え、
    上記強度検出装置で検出した上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布と上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造情報より、部分放電の有無を判定するようにした部分放電判定方法。
  3. 請求項2記載の部分放電判定方法において、上記金属タンクはL字状の屈曲部を有し、上記屈曲部から2方に伸びる上記金属タンクのそれぞれに上記絶縁スペーサを備えており、
    上記構造情報出力手段から得た上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が、上記L字状の上記金属タンクの軸線を含む平面を基準面とするとき、上記屈曲部の中心導体に上記基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が上記中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でないとき、
    一方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、
    上記L字状の上記金属タンク内で部分放電が発生していると判定するようにした部分放電判定方法。
  4. 請求項2記載の部分放電判定方法において、上記金属タンクはL字状の屈曲部を有し、上記屈曲部から2方に伸びる上記金属タンクのそれぞれに上記絶縁スペーサを備えており、
    上記構造情報出力手段から得た上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造の情報が、上記屈曲部の中心導体に構造物が接続され、かつ上記構造物が上記中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造であるとき、
    上記L字状の上記金属タンクの軸線を含む平面を基準面とするとき、一方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の上記絶縁スペーサで全周に亘ってほぼ同レベルの強度分布が確認された場合に、
    上記L字状の上記金属タンク内で部分放電が発生していると判定するようにした部分放電判定方法。
  5. 請求項2記載の部分放電判定方法において、上記金属タンクは直管部とこの直管部の途中からT字状に分岐した分岐管部とを有し、分岐部から3方に伸びる上記金属タンクのそれぞれに絶縁スペーサを備えており、
    上記構造情報出力手段から得た上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が、上記T字状の上記金属タンクの軸線を含む平面を基準面とするとき、上記分岐部の中心導体に上記基準面に並行に構造物が接続され、かつ上記構造物が上記中心導体の軸上の点を中心とした点対称構造でないとき、
    上記3個の絶縁スペーサの全てにおいて、上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認された場合に、上記金属タンク内で部分放電が発生していると判定することを特徴とする部分放電判定方法。
  6. 絶縁ガスが封入された円筒形の金属タンクを絶縁スペーサで区画し、中心導体を上記絶縁スペーサで支持して構成したガス絶縁機器を対象とし、上記金属タンクの内部で発生する部分放電の有無を判定するにあたって、
    上記絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において上記金属タンク内に伝搬する電磁波信号を電磁波検出器により検出し、検出した上記電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号をTE11検波装置によって抽出し、上記TE11検波装置で抽出した信号の強度と上記電磁波検出器の上記外周方向の位置情報とから上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を強度検出装置によって検出して部分放電を判定する方法において、
    上記強度検出装置で検出した上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を基に、部分放電の有無を判定するようにした部分放電判定方法であって、
    上記金属タンクはL字状の屈曲部を有し、上記屈曲部から2方に伸びる上記金属タンクのそれぞれに上記絶縁スペーサを備えており、
    上記ガス絶縁機器の内部構造の情報が不明のとき、
    上記L字状の上記金属タンクの軸線を含む平面を基準面とするとき、一方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認され、かつ、他方の上記絶縁スペーサで上記基準面にほぼ平行な方向に2点のピーク値を有する強度分布が確認されるか、全周に亘ってほぼ同レベルの強度分布が確認された場合に、
    上記L字状の上記金属タンク内で部分放電が発生していると判定するようにした部分放電判定方法。
  7. 絶縁ガスが封入された円筒形の金属タンクを絶縁スペーサで区画し、中心導体を上記絶縁スペーサで支持して構成したガス絶縁機器を対象とし、上記金属タンクの内部で発生する部分放電の有無を判定するにあたって、
    上記絶縁スペーサの外周方向の複数箇所において上記金属タンク内に伝搬する電磁波信号を検出する電磁波検出器と、検出した上記電磁波信号から遮断周波数を利用してTE11モードが伝搬しTE21モードが伝搬しない周波数帯域の信号を抽出するTE11検波装置と、上記TE11検波装置で抽出した信号の強度と上記電磁波検出器の上記外周方向の位置情報とから上記金属タンクの外周方向の電磁波の強度分布を検出する強度検出装置とを有する部分放電判定装置において、
    上記ガス絶縁機器の内部構造情報が出力される構造情報出力手段を備えたことを特徴とする部分放電判定装置。
  8. 請求項7記載の部分放電判定装置において、
    上記構造情報出力手段は上記ガス絶縁機器の外形及び内部構造情報が出力されるものである部分放電判定装置。
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