JPWO2008018558A1 - 電球形蛍光ランプ - Google Patents

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Abstract

チョークコイルの大型化を招くことなく、より省電力化を図ることができる電球形蛍光ランプを提供する。電球形蛍光ランプは、1本の放電路を構成するためのガラス管の両端に電極が封着されてなる発光管と、当該発光管を点灯させる点灯ユニットとを有する。点灯ユニットは、整流・平滑回路と、当該整流・平滑回路からの出力をスイッチングして前記発光管に高周波電力を印加するインバータ回路と、前記発光管に直列接続されたチョークコイルを用いた共振回路とを有し、前記発光管を60W形電球と略同等の明るさで点灯させる。発光管の定常点灯時のインピーダンスは、1.0kΩ〜3.0kΩの範囲内に設定され、チョークコイルは、断面積が0.02mm2以上 0.03mm2以下の範囲内の銅線からなる素線により構成されている。

Description

本発明は、電球60Wを代替する省エネ光源である電球形蛍光ランプの構成に関するものである。
近年、一般電球(以下、「電球」という。)の代替として省エネが期待される電球形蛍光ランプ(以下、「ランプ」という。)は、着実に小形化してきており、例えば、電球60Wの代替用として、既に電球と略同等の大きさ(全長110(mm)、最大外径55(mm))の製品が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
当該ランプの構成を簡単に説明する(このランプを「従来のランプ」とする。)。従来のランプは、発光管を構成するガラス管を細長くすると共に、発光管の形状を2重螺旋形状にすることで、発光管のコンパクト化を図っている。ここでいう「2重螺旋形状」とは、1本のガラス管の略中央部から端部までの2つの領域が、略一定の旋回半径で同一の仮想旋回軸周りを旋回する形状である。
一方、ランプ効率は、点灯時の発光管の温度により定まり、ある温度で効率がピークとなる特性を示す。発光管の温度、つまりガラス管の温度は、ガラス管の径により定まり、従来のランプは、点灯時のガラス管の温度が、ランプ効率が略最高となる温度と略一致するように、ガラス管の径が定められている。
また、点灯ユニットは、整流・平滑回路、共振回路、インバータ回路を備えている。整流回路は、例えば、4個のダイオードを備えた全波型であり、共振回路は、チョークコイルと共振コンデンサとを備える。インバータ回路は、例えば、整流回路からの出力をスイッチングするためのスイッチング素子(例えばトランジスタ)を備える。
これらの技術により、電球60W代替用として実用化されたランプは、例えば、所謂A形の外管バルブの外径(ランプの最大外径でもある。)が55(mm)で、ランプ全長が110(mm)である。このサイズは電球と略同等である。そして、定格電力12(W)で発光光束が810(lm)及び効率が67.5(lm/W)という特性が得られている。
なお、電球60Wのランプ特性は、発光光束が810(lm)、ランプ効率が13.5(lm/W)である。
特開2003−263972号公報
上記のように従来のランプは、電球60Wと同じ大きさで略同じ明るさを、電球よりも省電力で実現しているものの、地球温暖化等の環境に対する関心の高まりから、より一層の省電力化が継続的に求められている。
省電力化の要求に対して、発光管の管壁負荷を低くすれば、ランプ効率が向上することは知られている。そこで、発明者らは、ランプ効率を向上させるべく管壁負荷を低く、具体的には、発光管を構成するガラス管をさらに細長くしたランプを製作したところ、電球よりも大型化するという問題が生じた。
つまり、入力電力を一定とした場合に管壁負荷を低くすると、発光管のインピーダンス(発光管の電圧/発光管の電流)が管壁負荷の低下に対して略比例の関係で上昇し、これに伴ってチョークコイルのインダクタ値が上昇し、結果的にチョークコイルが大型化してしまうことが判明した。
本発明は、以上の状況を鑑み、チョークコイルの大型化を招くことなく、より省電力化を図ることができる電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明に係る電球形蛍光ランプは、定常点灯時のインピーダンス値が1.0kΩ〜3.0kΩの範囲内に設定された発光管と、前記発光管を60W形一般電球と略同等の明るさで点灯させる点灯ユニットとを備える電球形蛍光ランプであって、前記点灯ユニットは、倍電圧整流回路と、当該倍電圧整流回路からの出力をスイッチングして前記発光管に高周波電力を印加するインバータ回路と、前記発光管に直列接続されたチョークコイルを用いた共振回路とを有し、前記チョークコイルは、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲内の銅線が巻回されてなることを特徴としている。
本発明に係る電球形蛍光ランプは、1.0kΩ〜3.0kΩの発光管を用いることで、管壁負荷が小さくなり、結果的にランプ効率を向上させることができる。しかも、1.0kΩ〜3.0kΩというようにインピーダンスの高い発光管及び倍電圧整流回路を利用しているので、チョークコイルに流れる電流を抑えることができ、これにより、発光管のインピーダンスの増大に伴ってチョークコイルのインダクタ値が大きくなっても、チョークコイルの素線を、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲内の太さにまで細くできる。この結果、チョークコイルのインダクタ値が大きくなっても、結果的にチョークコイルの大型化を防ぐことができる。さらに、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲の素線を用いることで、細線化に起因した素線の断線や定常点灯時のインダクタ値の変動を未然に防ぐことができる。
一方、前記インバータ回路は、ハーフブリッジタイプであることを特徴としている。この構成によれば、点灯ユニットを簡易な構成にできる。
さらに、前記発光管は、1本のガラス管の中央部から両端までの2領域が仮想旋回軸周りに旋回する2重螺旋形状であり、前記発光管を前記仮想旋回軸上であってガラス管の端部側から見たときに、ガラス管の両端部が前記仮想旋回軸を通る線分上に略位置し、前記点灯ユニットは、前記回路を構成する電子部品と、当該電子部品を実装する基板とを備え、前記発光管の端部に設けられた各電極が、前記基板の略中央を挟んで対向する領域であって当該基板の周縁近傍の接続端子に接続されていると共に、共振コンデンサが基板上の前記接続端子近傍にリード線を介して接続されていることを特徴としている。
この構成によれば、共振コンデンサの本体部を基板から遠ざけることができ、これによって、点灯時のコンデンサの温度を下げることができる。従って、例えば、基板近傍に実装した場合に耐熱性の点で問題があるコンデンサであっても、本構成にすることで使用することができる場合がある。
さらに、基板と共振コンデンサの本体部との接続にリード線を用いているので、基板に配線パターンを形成する必要が無くなり、基板上に配線パターンのスペースを確保する必要が無くなる。これにより結果的に基板の小型化を図ることもできる。
本実施の形態に係る電球形蛍光ランプの概略図である。 本実施の形態に係る発光管の概略図である。 点灯ユニットの回路図である。 点灯ユニットの斜視図である。 チョークコイルが実装されている側から点灯ユニットを見た平面図である。 放電路長と、発光管のインピーダンス値と管壁負荷との関係を示す図である。 インピーダンス値の異なる発光管を810(lm)となるように点灯させたときのチョークコイルの電流値とインダクタ値を示す図である。 140(℃)雰囲気中でのインダクタ値の変化特性を示す図である。
符号の説明
1 電球形蛍光ランプ
3 発光管
7 点灯ユニット
13 ガラス管
51 整流・平滑回路
53 インバータ回路
55 共振回路
C1,C2 平滑コンデンサ
C3,C4 結合コンデンサ
C5 共振コンデンサ
L1 チョークコイル
図1は、本実施の形態に係る電球形蛍光ランプの概略図である。なお、図1では、ランプ内部の様子が分かるように、グローブ、ケース等の一部を切り欠いている。
ランプ1は、図1に示すように、発光管3と、発光管3を保持する保持部材5と、保持部材5における発光管3が位置する側と反対側に装着され且つ発光管3を発光(点灯)させるための点灯ユニット7と、点灯ユニット7を内部に収納すると共に口金8を有し且つ保持部材5に取着されているケース9と、発光管3を内部に収納するようにその開口部分が保持部材5或いはケース9に固着されているグローブ11とを備える。
発光管3は、後述するが、屈曲し且つ内部に放電空間を有するガラス管13と、放電空間の端部に相当するガラス管13の両端部に封着された電極とを備える。なお、ガラス管13の端部に電極が封着されることにより、封止されたガラス管13の内部に放電空間が形成される。また、発光管3は図1に示すような2重螺旋形状をしている。
保持部材5は、周壁15と、その一端を塞ぐ端壁17とを備え、一端が塞がった筒状をしている。端壁17には、発光管3の端部3a,3b(図2参照)を保持部材5の内部に受け入れるための受入口が形成されている。
発光管3の保持は、保持部材5の受入口から発光管3の端部3a,3bを内部に受け入れ、この状態で、発光管3の端部3bが固着剤(例えばシリコーン)12により保持部材5の内面に固着されることで行われる。図1では、図面作成上、発光管の端部3b側の固着剤12だけを示している。
点灯ユニット7は、コンデンサ、チョークコイル等の複数の電子部品から構成されたシリーズインバータ方式であって、これらの電子部品を実装する基板21が保持部材5の他端側(端壁17と反対側)に取着されている。なお、点灯ユニット7については後述する。
基板21の保持部材5への取着は、ここでは端壁17から保持部材5の軸心と平行な方向に周壁15に沿って延出する複数の係止腕15aが基板21の周縁に係合することで行われる。なお、係止腕15aは、ここでは、周壁15の周方向に等間隔をおいて、例えば2個設けられている。
ケース9は、例えばコーン状をしており、大径部側に発光管3が取着された保持部材5が、また、小径部側にねじ込み型の口金23、例えばE26形がそれぞれ設けられる。
ケース9と保持部材5との取着は、保持部材5の周壁15の外面に形成された係合突部15bが、ケース9の内周面に形成された係止凹部9dに係合することで行われる。なお、係合突部15b及び係止凹部9dは、ケース9或いは保持部材5にその周方向に等間隔を置いて複数個、例えば4個形成されている。この係合突部と係合凹部の関係は、ケースと保持部材とに設けられていれば良く、例えば、係合突部がケースに、係合凹部が保持部材に設けられていても良い。
グローブ11は、ここでは、例えばA形が利用され、グローブ11の開口側の端部11aが、ケース9と保持部材5との間の隙間に挿入された状態で、当該隙間に充填されている固着剤25、例えばシリコーンによりケース9及び保持部材5に固着されている。
グローブ11の底(図1では下端部であり、開口と反対側の端部に相当する部位である。)11bには、発光管3の先端部(この先端部は点灯時に最冷点箇所となる部分である。)3cと熱的に連結する熱連結部材27が設けられている。この熱連結部材27は、発光管3が点灯した際の熱をグローブ11に伝えて、発光管3の温度を下げるためのものである。
これは、発光管3から発せられる発光光束は、発光管3最冷点箇所の温度によって変化し、最冷点箇所の温度が所定温度になったときに発光光束が最高になる。従って、高効率のランプを得るために、発光管3の最冷点箇所の点灯時の温度を所定温度になるように発光管3の温度を調整しているのである。また、発光管3の最冷点箇所の温度をさらに下げるために、発光管3のグローブ11との結合部には、図1に示すように凸部が形成されている。
なお、グローブ11の内表面には、例えば炭酸カルシウムを主成分とする拡散膜28が塗布されている。
<発光管>
図2は、本実施の形態に係る発光管の概略図である。なお、発光管3の内部の様子が分かるように、ガラス管13の一部を切り欠いている。
発光管3は、ガラス管13を湾曲させてなる発光管本体31と、この発光管本体31の端部3a,3bに封着された電極33,34とを備える。
発光管本体31は、1本のガラス管13がその中央部13aから端部(発光管本体31の端部3a,3bに相当する。)までの少なくとも1つ領域(ここでは2領域である。)が仮想旋回軸Aの周りをB方向にそれぞれ旋回する2重螺旋形状をしている。また、発光管3を仮想旋回軸A上であって発光管の端部3a,3b側から見たときに、発光管3の各端部3a,3bが、仮想旋回軸Aを挟んで対向する状態で仮想旋回軸Aを通る直線(線分)上に略位置している。
仮想旋回軸Aの周りを旋回する旋回数は、ランプの仕様(定格電力等)により決定される。発光管本体31の端部3a,3bに近い部分に相当するガラス管13は、仮想旋回軸Aの延伸する方向に隣合うガラス管13との隙間が広くなるように旋回している。
この発光管本体31(ガラス管13)の内面には蛍光体層35が形成されている。この蛍光体層35は、1又は複数種類の蛍光体、例えば希土類の蛍光体を含んでいる。また、発光管本体31の内部には、発光物質である水銀や、緩衝ガスとして希ガス等が封入されている。
電極33,34は、図2に示すように、フィラメントコイル41,42と、このフィラメントコイル41,42を架持する(架設した状態に保持する)一対のリード線43,44,45,46とからなり、一対のリード線43,44及びリード線45,46がビーズガラス47,48により保持(ビーズガラスタイプ)されている。
電極33は、図2に示すように、フィラメントコイル41と、このフィラメントコイル41を架持する(架設した状態に保持する)一対のリード線43,44とからなり、一対のリード線43,44がビーズガラス47により保持(ビーズガラスタイプ)されている。同様に、電極34も、同様に、フィラメントコイル42と、このフィラメントコイル42を架持する一対のリード線45,46とからなり、一対のリード線45,46がビーズガラス48により保持されている。
発光管本体31の端部3aには、図2に示すように、電極33と共に、発光管本体31の内部を排気するための排気管49が封着されている。この排気管49は、発光管本体31内の排気、水銀、希ガス等を封入した後に、発光管本体31の外部に位置する端部がチップオフ封止される。
上記構成の発光管3は、発光管に印加する電力(以下、「発光管電力」ともいう。)が9(W)の際のインピーダンス値が、1(kΩ)〜3(kΩ)の範囲内に、ランプ入力時の管壁負荷が0.07(W/cm)〜0.10(W/cm)の範囲内に設定されている。また、発光管3を構成するガラス管17の外径は、5.5(mm)〜8.5(mm)の範囲内にある。
<点灯ユニット>
1.回路構成
図3は、点灯ユニットの回路図である。
点灯ユニット7は、主に、整流・平滑回路51、インバータ回路53、共振回路55、駆動回路57から構成されている。なお、整流・平滑回路は、整流機能と平滑機能を有する回路であり、そのうちの、整流機能を有する回路を整流回路としても良いし、平滑機能を有する回路を平滑回路としても良い。
整流・平滑回路51は、商用低周波交流を整流、平滑して直流に変換して出力するものであり、口金8を介して商用電源に接続されている。整流・平滑回路51は、2個のダイオードブリッジD1,D2及び2個の平滑コンデンサC1,C2から構成されている(所謂、倍電圧整流回路である。)。
なお、点灯ユニット7は、倍電圧方式の整流回路を採用しているため、整流・平滑回路51の出力電圧は、入力電圧(実効値)の約2.6倍となる。例えば、商用電源の電圧(実効値)が100(V)であれば、整流・平滑回路51の出力電圧は約260(V)となる。
インバータ回路53は、1対のスイッチング素子Q1,Q2と、2個の結合コンデンサC3,C4とで構成される、所謂ハーフブリッジタイプである。スイッチング素子Q1,Q2は、駆動回路57により交互にオン・オフされ、これにより整流・平滑回路51からの出力から高周波電力を得る。なお、得られた高周波電力は発光管3の電極33,34に印加される。
共振回路55は、電極33,34(フィラメントコイル41,42)に予熱電流を流すとともに、当該電極33,34間の電圧を増大させる機能を有し、チョークコイルL1と共振コンデンサC5とが直列接続されて構成されている。
次に、各回路を構成する電子部品の接続について説明する。
整流・平滑回路51は、2個の平滑コンデンサC1、C2同士が、そしてダイオードD1,D2同士がそれぞれ直列に接続され、口金8に接続する一方の端子は、ダイオードD1のアノードに接続され、口金8に接続する他方の端子は、平滑コンデンサC1,C2の接続点に接続されている。
ダイオードD1,D2は同じ方向性に直列接続され、ダイオードD1のカソードが平滑コンデンサC1と接続され、ダイオードD2のアノードが平滑コンデンサC2に接続されている。
インバータ回路53は、整流・平滑回路51の出力側である2個の平滑コンデンサC1,C2が直列接続された両端に、ノイズ除去を目的としたインダクタL2と、2個の結合コンデンサC3,C4とが直列に接続され、直列接続の2個の結合コンデンサC3,C4の両端に、直列接続する2個のスイッチング素子Q1,Q2が並列に接続されている。
結合コンデンサC3,C4の接続点とスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間には、発光管3と共振回路55とが直列接続されている。なお、スイッチング素子Q1,Q2は、例えば、電解効果トランジスタ等が利用され、当該電解効果トランジスタのベースが駆動回路57と接続され、所定周波数でオン・オフされる。
共振回路55を構成するチョークコイルL1は、発光管3の一方の電極34と、2個のスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間に接続され、また、共振コンデンサC5は、発光管3の電極33,34間に接続されている。
2.電子部品の配置
図4は点灯ユニットの斜視図であり、図5は点灯ユニットをチョークコイルが実装されている側から見た平面図である。
点灯ユニット7の各電子部品は、図4及び図5に示すように、基板21の1主面の略中央位置にチョークコイルL1が配されている。ここで、基板21における口金8側の主面を基板21の表面とし、発光管3が位置する側の主面を裏面とする。チョークコイルL1は、リード線が本体部から延出しており、このリード線の延出端が基板21を貫通してその裏面に形成された配線パターンに半田接続されている。
平滑コンデンサC1,C2は、本体部C1a,C2aがチョークコイルL1の上方に位置するように配されている。このように平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aをチョークコイルL1の上方に配置すると、平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aが、図1に示すように、口金8の内部に位置する。
平滑コンデンサC1,C2は、図4及び図5に示すように、一対のリード線が本体部C1a,C2aからそれぞれ延出しており、このリード線の延出端が基板21を貫通してその裏面に形成された配線パターンに半田接続されている。
共振コンデンサC5は、本体部C5aがチョークコイルL1の上方であって平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aに近接する状態で配されている。共振コンデンサC5のリード線C5b,C5cは、図5に示すように、基板7に設けられた発光管接続用の端子61,63及び端子65,67の近傍で基板7の貫通孔を挿通して裏面の配線パターンに半田接続されている。
一方、チョークコイルL1の近傍には、集積回路ICが配されている。当該集積回路ICは、図3に示すスイッチング素子Q1,Q2等が組み込まれている。集積回路ICは、リード挿入型であり、リード線が基板を貫通して基板7の裏面の配線パターンに接続されている。
基板21は、図5に示すように、発光管3の電極33との接続用の接続端子61,63を基板21の周縁近傍の領域X内に、そして電極34との接続用の接続端子65,67をその周縁近傍に領域Y内にそれぞれ備える。ここで、領域Xと領域Yとは、基板21の略中央位置Oを挟んで対向している。
このように位置関係で接続端子61,63,65,67が基板21に設けられているので、発光管3の端部3a,3bから延出するリード線43,44,45,46をそのまま引き伸ばして、基板21の周縁で折り返して、接続端子61,63,65,67に接続できる。これにより、リード線43,44同士、リード線45,46同士が絡むのを防止できると共に、リード線43,44,45,46を短くできる。
なお、領域X、Y内には、電極33,34のリード線43,44,45,46用の接続端子61,63,65,67が設けられているだけでなく、共振コンデンサC5のリード線C5b,C5cの接続部も設けられている。
3.実施例
(1)ランプ
ランプ1は、電球60Wと同等の光束(810(lm))を発するランプであり、定格電力が10(W)に設定されている。なお、点灯ユニット7の回路効率は約90(%)であるので、発光管3への管入力は9(W)に設定されたことになる。
ランプ1の全長L1(図1参照)は、110(mm)で電球と同じであり、また、ランプ(グローブ)の最大外径D1(図1参)が55(mm)で電球と同じである。つまり、本ランプ1は電球と略同じ大きさをしている。また、このランプ1から発せられる光束は、820(lm)であり、電球よりも明るく、そしてランプ効率が82.0(lm/W)である(当該特性値は、10本のランプの平均値である。)。
従背技術で説明した従来のランプは、定格電力12(W)で光束が810(lm)及びランプ効率が67.5(lm/W)であり、本発明に係るランプ1では、ランプ効率が従来のランプに対して1.2倍向上している。
なお、外管バルブ22の内表面の拡散膜28の透過率は97(%)である。
(2)発光管
発光管3は、外径が7.5(mm)、内径が6.6(mm)のガラス管13を用い、電極間距離を480(mm)に設定している。ガラス管13が仮想旋回軸Aの周りを旋回している巻層数は、ガラス管13の中央部から各端部までの2領域を合計すると約5.3回となる。なお、ガラス管13の寸法は、その中央部である折り返し部では、製造上、上記寸法よりも太くなってしまうが、本発明でのガラス管の寸法等は、ガラス管の中央部を除いた領域での寸法を指す。
螺旋形状の発光管本体31の外周径が36.5(mm)で全長(高さ)が66(mm)である。このとき、発光管3の管壁負荷は、約0.09(W/cm)で、そのインピーダンス値は2.0(kΩ)である。
参考までに、本実施例での発光管を用いて、発光管のインピーダンス値が1.0(kΩ)〜3.0(kΩ)の範囲で電球60Wと略同等の明るさが得られるのは、発光管電力を8.5(W)〜10(W)に設定した場合である。
蛍光体層35に含まれる蛍光体は、3種類の発光色(赤、緑、青)の蛍光体である。赤発光色の蛍光体はY:Eu、緑発光色の蛍光体はLaPO:Ceで、青発光色の蛍光体はBaMgAl1627:Eu,Mnである。
発光管3内には、水銀(Hg)が約5(mg)と、緩衝ガスとしてアルゴン(Ar)ガスが約550(Pa)で封入されている。なお、緩衝ガスとして、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)或いはアルゴンを含めた混合希ガスを封入してもよい。
電極33,34のフィラメントコイル41,42には、タングステン材料が利用され、BaO−CaO−SrOを主成分とする電子放射物質が充填されている。
(3)点灯ユニット
整流・平滑回路(倍電圧整流回路)51を構成する平滑コンデンサC1,C2は、リード線付アルミ電解コンデンサが用いられる。当該平滑コンデンサの仕様は、例えば、定格容量11(μF)、定格電圧160(V)である。
この平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aの外径は、7(mm)〜8(mm)であり、この2つの平滑コンデンサC1,C2を本体部C1a,C2aの外周同士を接触させた状態では、E26形の口金8の内部に挿入できる大きさである。
なお、平滑コンデンサC1,C2として、外径7(mm)〜8(mm)のものを利用することで、全波型の整流回路を備えた従来の点灯ユニットと略同じ大きさにすることができる。
また、結合コンデンサC3,C4には、積層チップセラミックコンデンサが用いられており、当該コンデンサの仕様は、例えば定格容量100(nF)、定格電圧250(V)であり、基板21の裏面に実装されている。
駆動回路57により決定するトランジスタのスイッチング周波数Fmは、チョークコイルL1と共振コンデンサC5により決定される共振周波数をFrとすると、
0.9×Fr ≦ Fm ≦ 1.1×Fr
の関係を満たすように設定されている。
これは、共振周波数Frに比して、スイッチング周波数Fmを大きくすると、発光管3の両端に印加している共振電圧が下がるが、スイッチング周波数Fmが、共振周波数Frの1.1倍よりも大きくなると、発光管3の点灯を維持できなくなる場合が生じる。逆に、スイッチング周波数Fmを小さくするとオン・オフのスイッチングがハードスイッチングとなり、共振周波数Frの0.9倍よりも小さくなるとトランジスタに急峻な異常電流が流れ損失が大きくなるためである。
チョークコイルL1は、鉄心に巻回される素線として、断面形状が略円形の直径0.18(mm)の絶縁加工が施された銅線を利用している。チョークコイルL1のインダクタ値は、3.9(mH)である。チョークコイルL1の全体形状は、四角柱状をし、その高さが11(mm)で、四角形の1辺が約14(mm)である。
また、共振コンデンサC5は、本体の損失(本体部内の損失に起因する損失であり、以下単に「損失」という。)の低いPPフィルムコンデンサを利用している。この共振コンデンサC5の仕様は、例えば、定格容量1.8(nF)、定格電圧800(V)である。
なお、ここで説明した電子部品の仕様は、発光管のインピーダンス値が2.0(kΩ)の場合であり、発光管のインピーダンスが変われば、当然電子部品の具体的仕様も変わる。
<考察>
1.ランプ効率とチョークコイルの大きさ
発明者らは、省電力化について検討を行った。省電力化の目標は、電球60W品の代替品を対象とした、定格電力10(W)の電球形蛍光ランプの実現とした。ここで、点灯ユニットの変換効率はおよそ90(%)であるので、発光管に印加される電力(以下、「発光管電力Wla」という。)を9(W)一定にして、各種の実験を行った。
(1)放電路長の変化について
まず、発明者らは、発光管の管壁負荷を低減させることで、ランプ効率を向上させる検討を行った。具体的には、発光管を構成するガラス管の径を一定(内径が6.6mm)にして、放電路長(放電空間内の電極間距離)を380(mm)〜680(mm)に変化させた10種類の発光管を製作し、各放電路長の発光管のインピーダンス値を測定した、なお、管壁負荷は計算により求めた。
図6は、放電路長と、発光管のインピーダンス値と管壁負荷との関係を示す図である。
図6から、放電路長が長くなるに従って発光管のインピーダンス値が上昇しているのが分かり、また、発光管電力及びガラス管の内径が一定であることから、当然放電路長が長くなると管壁負荷は減少する。
(2)発光管のインピーダンス値とチョークコイルのインダクタ値・電流値
次に上記の放電路長の異なる発光管を用いて、発光管電力を9(W)で一定に保った状態で、発光光束が電球60Wの発光光束と同じ810(lm)となるように、発光管に流れる電流と、チョークコイルのインダクタ値を調整・設定した。
なお、チョークコイルL1は、発光管3に直列に接続しているため、発光管3に流れる電流と、チョークコイルL1に流れる電流とは略等しく、以下、発光管に流れる電流も、チョークコイルの電流として説明する。
ここで、発明者らの検討により、放電路長を長くすることで発光管のインピーダンス値が上昇し、この上昇に伴ってチョークコイルのインダクタ値が大きくなり、結果的に、チョークコイルが大型化することがわかった。
なお、従来の全波整流回路とハーフブリッジのインバータ回路を備えた点灯ユニットと、従来の発光管(インピーダンス値は約500(Ω)である。)を用いて、発光管電力を約11(W)から9(W)に設定しただけで、発光管の電圧Vlaが従来の点灯ユニットで点灯維持できる範囲を超えてしまい、チョークコイルの大きさに寄らず点灯が困難となった。
そこで、発明者らは、平滑コンデンサを1つ用いた整流・平滑回路を有する従来の点灯ユニットから、発光管電流をもっと小さくするために、倍電圧整流回路を備えた本発明に係る点灯ユニットに切り換えて検討を進めた。
図7は、インピーダンス値の異なる発光管を810(lm)となるように点灯させたときのチョークコイルの電流値とインダクタ値を示す図である。
なお、チョークコイルの電流値及びインダクタ値の測定は、倍電圧整流回路を有する点灯ユニットを利用して発光管電力を9(W)と一定にし、発光管の電気特性が安定した時の、発光管のインピーダンス値、チョークコイルのインダクタ値及び電流(発光管予熱時、一時的に電流値が上昇する場合を含む)を測定している。
図7から、発光管のインピーダンス値が上昇するに従って、チョークコイルの電流値が低下し、インダクタ値が上昇しているのが分かる。
ここで、発明者らは、チョークコイルを構成する素線を細径化してチョークコイルの小型化を検討した。その結果、図7において、発光管のインピーダンス値が1000(Ω)から3000(Ω)までの範囲では、従来の点灯ユニットで使用したチョークコイルと同等或いは従来品よりも小型化できることが判明した。
なお、発光管のインピーダンス値が1000(Ω)より小でも、チョークコイルを小型化できるが、逆にチョークコイルの電流が大きくなり、素線が断線する問題が生じた。
以上のことから、発光管の管壁負荷を減少させて発光効率の向上を図る場合には、発光管のインピーダンス値が1(kΩ)〜3(kΩ)の範囲内であれば、チョークコイルの素線の細線化により、チョークコイルを従来と略同じ大きさにできることが判明した。
より具体的に説明すると、チョークコイルの素線の断面形状が円形状の場合、その径が、0.01(mm)〜0.20(mm)の範囲にあれば良い。これは、外径が0.01(mm)より細くなると点灯時に素線が断線し、外径が0.2(mm)よりも太くなるとチョークコイルの小型化を図ることができないからである。
なお、素線の断面形状は、円形状に限定するものでなく、他の形状、例えば、三角形状、四角形状等の多角形状、或いは楕円形状等であっても良い。この場合、素線は、その断面積により規定することができ、具体的には、素線の断面積が0.02(mm)〜0.03(mm)の範囲内にあれば良い。
(3)実使用について
次に、ランプの実使用を考慮すると、ランプ点灯時に、チョークコイルのインダクタの変化が大きくなると、点灯ユニットを構成する電子部品に過電流が流れ、誤作動等が発生するおそれがある。
そこで、図6で示した、素線の細線化を図ることで従来の大きさにすることができるインダクタ値のチョークコイル(発光管のインピーダンス値が1(kΩ)〜3(kΩ)の範囲に対応し、素線径を0.01(mm)〜0.02(mm)の範囲にあるチョークコイルであり、以下、これらのチョークコイルを「検討用チョークコイル」という。)を用い、実使用に近い条件で、インダクタ値の変化率を測定した。
なお、ここでの実使用に近い条件は、従来品のチョークコイルの温度に基づいている。具体的には、電源電圧100(V)/60(Hz)、雰囲気温度40(℃)、ランプの温度が上昇しやすい器具(照明装置)を用いて従来のランプを点灯させた環境下で、チョークコイルの温度が140(℃)であった。つまり、ランプ点灯時におけるチョークコイルの最高温度が140(℃)である。
従って、実使用を考慮して、140(℃)雰囲気中で、検討用チョークコイルに電流を流し、そのときのインダクタ値の変化率を測定した。
図8は、140(℃)雰囲気中でのインダクタ値の変化特性を示す図である。
なお、図8では、電流値が0(Arms)の場合のインダクタ値を100とし、この値を基準に電流値を変化させたときのインダクタ値の比を示している(このため、図8では、縦軸をインダクタ維持率としている。)。
図8に示す特性は、インダクタ値が、3.0(mH)、3.9(mH)、4.4(mH)、4.65(mH)の4種類であり、全てのチョークコイル(インダクタ値)において、電流値を上げていくと、所定の電流値で急激にインダクタ値が変化している(インダクタ値を維持できなくなっている。)。
そして、インダクタ値の小さいチョークコイルほど、インダクタ値の変化が急激に変化するときの所定の電流値が高くなっている。つまり、インダクタ値の小さいチョークコイルほど、インダクタ維持率と電流値の特性曲線が、電流値が大きい側に位置している。
ここで、発明者らは、従来からチョークコイルのインダクタ値の維持率は、140(℃)の雰囲気中でも90(%)以上としているので、今回も、維持率が90(%)以上のものを合格品として評価した。
具体的に、インダクタ値が4.65(mH)のチョークコイルを例にして説明すると、図7において、発光管のインピーダンス値が約3500(Ω)の際のインダクタ値が4.65(mH)のチョークコイルを用いて試験した結果が、図8の「×」である。
このチョークコイルを用いてランプを810(lm)で点灯させるには、図7に示すように、チョークコイルに0.274(Arms)の電流を流す必要があり、この0.274(Arms)の電流を140(℃)雰囲気中でチョークコイルに流したときのインダクタ値の維持率が90(%)以上か否かで判定している。図8では、インダクタ値が4.65(mH)では、維持率が90(%)を下回っている。
次に、インダクタ値が4.4(mH)のチョークコイルを例にして説明する。図7において、発光管のインピーダンス値が約3000(Ω)の際のインダクタ値が4.4(mH)のチョークコイルを用いて試験した結果が、図8の「△」である。
このチョークコイルを用いてランプを810(lm)で点灯させるには、図7に示すように、チョークコイルに0.274(Arms)の電流を流す必要がある。一方、図8より、140(℃)雰囲気中でチョークコイルに流したときのインダクタ値の維持率が90(%)より小となるのが、約0.31(Arms)である。従って、インダクタ値が4.4(mH)では、140(℃)雰囲気中でチョークコイルに0.274(Arms)の電流が流れても、インダクタ値の維持率が90(%)以上であり、合格となる。
以上のことから、チョークコイルの大きさを従来品より大きくせずに、140(℃)雰囲気中でもインダクタ値が90(%)以上となるインダクタ値の範囲は3.0(mH)〜4.4(mH)となる。そして、インダクタ値がこの範囲である時の、発光管のインピーダンス値は図7より1.0(kΩ)〜3.0(kΩ)となる。
2.その他の電子部品等
平滑コンデンサと同様に共振コンデンサも体積の大きな電子部品であり、点灯ユニットの大きさを現状以下に保つ為には、その形状、大きさ、配置等も重要である。共振コンデンサとしては、リード線付きのものとして、その材質にPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いたものや、PP(ポリプロピレン)フィルムを用いたものが既に実用化されている。
しかしながら、本発明における検討は、PETフィルム製のコンデンサに比べて、損失の低いPPフィルムを用いたリード線付きフィルムコンデンサを用いた。
これは、実施の形態で説明したような、放電路長が従来に比べて長い発光管を採用した場合、発光管と並列に接続される共振コンデンサの損失により、放電路長を長くすることで生じる発光効率の向上分が相殺されるのを防ぐためである。
しかし、PPフィルムコンデンサは、耐熱温度が125(℃)と低いため、基板のすぐ上(本体部が基板の主面に近接する場合)には配置が困難であった。
そこで、発明者らは、PPフィルムコンデンサを利用できる方法について検討した結果、リード線付のコンデンサを用いてコンデンサの本体部を基板から離すことにより、コンデンサ本体の過度な温度上昇を防止できることを見出した。
特に、口金内に、外径7(mm)〜8(mm)である平滑コンデンサを配置したところ、空間的な余裕がまだあり、その隙間に共振コンデンサの本体部を配置して、点灯ユニットの小型化及びPPフィルムコンデンサの耐熱に対する課題を共に解決した。なお、平滑コンデンサC1,C2及び共振コンデンサC5が口金8内に収納されている状態とは、平滑コンデンサC1,C2及び共振コンデンサC5のリード線を除く本体部の基板7側の端面が、ランプとして組み立てられた状態で、口金8の基板7側の端面よりも、基板7から遠く離れている状態をいい、これによりケース9内の空間を小さくできる効果が得られる。
さらに、共振コンデンサにリード線付きコンデンサを用いたため、図4及び図5に示すように、コンデンサと基板(電極につながる配線パターン)との接続位置(コンデンサC5のリード線C5c,C5dと基板の接続位置)を、発光管と基板とを接続する接続端子61,63,65,67に近づけることができ、基板上の配線パターンにおけるこの間の配線を短くできる。
具体的には、図5に示すように、基板の平面視において基板21の略中央に相当する中央位置Oを通る2本の仮想線X1,X2から構成される扇状領域X内に、共振コンデンサC5のリード線C5cを基板21に接続する位置と、発光管(電極)のリード線を基板21に接続するための接続端子61,63とが位置するようにしている。
同様に、基板の平面視において基板21の中央位置Oを通る2本の線Y1,Y2から仮想構成される扇状領域Y内に、共振コンデンサC5のリード線C5bを基板21に接続する位置と、発光管(電極)のリード線を基板21に接続するための接続端子65,67とが位置するようにしている。
そして、扇状領域Xと扇状領域Yは、基板21の中央位置Oを挟んで対向する位置にある。特に、扇形状を構成する2直線X1,X2の頂角をα、同じく扇形状を構成する2直線Y1,Y2の頂角をβとするとき、α+β≦90(°)の範囲であるときには、共振コンデンサC5の接続のためだけに基板21の表面に設けられた配線パターンを除去することができるため、その分基板の径を小さくできる。
さらに、今回、2重螺旋形状の発光管3を有し、発光管3の端部3a,3bに設けられた各電極33,34が、基板21の略中央位置Oを挟んで対向する領域(扇状領域X,Y)であって当該基板21の周縁近傍の接続端子61,63,65,67に接続されている場合、点灯ユニット7の共振コンデンサC5として、リード線付PPフィルムコンデンサを使用したが、発光管と基板との接続点が基板の略中央を挟んで対向しない場合には、共振コンデンサ(のみ)用の配線パターンを必要としないため、PPフィルムコンデンサと同程度以下の損失を有し、比較的耐熱温度の高い積層チップセラミックコンデンサに置き換えることも可能である。
また対向する箇所で接続される場合であって、積層チップフィルムコンデンサを使用し
て共振コンデンサの接続のみに必要なパターンが生じた場合でも、PPコンデンサの代わりにその他の部品を口金に挿入すれば、同じく基板面積が大きくなるのを防止できる。
<その他>
上記実施の形態では、発光管の形状は2重螺旋形状をしていたが、他の形状であっても良い。例えば、「U」字状に屈曲させた1本のガラス管を複数本(3本、4本等)連結させた形状や、1重螺旋形状であっても良い。この場合でも、発光管のインピーダンス値は、発光管の入力電力が9(W)に設定されたときに、1.0(kΩ)〜3.0(kΩ)の範囲内あれば、実施の形態で説明したように、チョークコイルの大型化を招かずに、ランプ効率を向上させることができる。
なお、例えば、発光管として、「U」字状に屈曲させた1本のガラス管を複数本(3本、4本等)連結させた形状を採用した場合、発光管の端部(放電空間の端部に対応するガラス管の端部)に設けられる電極は、実施の形態で説明した、発光管の形状として2重螺旋形状を採用した場合の電極位置よりも、近接することになる。
このような場合、例えば、共振コンデンサに、結合コンデンサで使用したセラミックチップコンデンサを利用することもできる。セラミックチップコンデンサは、PPフィルムコンデンサに比べて耐熱性が高く、基板に直接実装することもできる。また、このセラミックチップコンデンサは、PPフィルムコンデンサに比べて小さく、基板に直接実装しても基板自体が大きくなることもない。
また、本実施の形態は、商業電源が100(V)を想定したものであり、当然商業電源が110(V)の場合は、当然、発光管のインピーダンス値、チョークコイルの電流値やインダクタ値等が変わり、チョークコイルの素線の断面積等が、本発明の範囲から外れる場合も生じ得るが、この場合、上記で説明した方法で適宜決定できる。
最後に、本明細書中にて、A〜B等の記載により範囲を規定している場合は、A及びBの数値は含まれるとする。
本発明は、大型化することなく、高効率を得ることができ電球形蛍光ランプに利用できる。
本発明は、電球60Wを代替する省エネ光源である電球形蛍光ランプの構成に関するものである。
近年、一般電球(以下、「電球」という。)の代替として省エネが期待される電球形蛍光ランプ(以下、「ランプ」という。)は、着実に小形化してきており、例えば、電球60Wの代替用として、既に電球と略同等の大きさ(全長110(mm)、最大外径55(mm))の製品が実用化されている(例えば、特許文献1参照)。
当該ランプの構成を簡単に説明する(このランプを「従来のランプ」とする。)。従来のランプは、発光管を構成するガラス管を細長くすると共に、発光管の形状を2重螺旋形状にすることで、発光管のコンパクト化を図っている。ここでいう「2重螺旋形状」とは、1本のガラス管の略中央部から端部までの2つの領域が、略一定の旋回半径で同一の仮想旋回軸周りを旋回する形状である。
一方、ランプ効率は、点灯時の発光管の温度により定まり、ある温度で効率がピークとなる特性を示す。発光管の温度、つまりガラス管の温度は、ガラス管の径により定まり、従来のランプは、点灯時のガラス管の温度が、ランプ効率が略最高となる温度と略一致するように、ガラス管の径が定められている。
また、点灯ユニットは、整流・平滑回路、共振回路、インバータ回路を備えている。整流回路は、例えば、4個のダイオードを備えた全波型であり、共振回路は、チョークコイルと共振コンデンサとを備える。インバータ回路は、例えば、整流回路からの出力をスイッチングするためのスイッチング素子(例えばトランジスタ)を備える。
これらの技術により、電球60W代替用として実用化されたランプは、例えば、所謂A形の外管バルブの外径(ランプの最大外径でもある。)が55(mm)で、ランプ全長が110(mm)である。このサイズは電球と略同等である。そして、定格電力12(W)で発光光束が810(lm)及び効率が67.5(lm/W)という特性が得られている。
なお、電球60Wのランプ特性は、発光光束が810(lm)、ランプ効率が13.5(lm/W)である。
特開2003−263972号公報
上記のように従来のランプは、電球60Wと同じ大きさで略同じ明るさを、電球よりも省電力で実現しているものの、地球温暖化等の環境に対する関心の高まりから、より一層の省電力化が継続的に求められている。
省電力化の要求に対して、発光管の管壁負荷を低くすれば、ランプ効率が向上することは知られている。そこで、発明者らは、ランプ効率を向上させるべく管壁負荷を低く、具体的には、発光管を構成するガラス管をさらに細長くしたランプを製作したところ、電球よりも大型化するという問題が生じた。
つまり、入力電力を一定とした場合に管壁負荷を低くすると、発光管のインピーダンス(発光管の電圧/発光管の電流)が管壁負荷の低下に対して略比例の関係で上昇し、これに伴ってチョークコイルのインダクタ値が上昇し、結果的にチョークコイルが大型化してしまうことが判明した。
本発明は、以上の状況を鑑み、チョークコイルの大型化を招くことなく、より省電力化を図ることができる電球形蛍光ランプを提供することを目的とする。
本発明に係る電球形蛍光ランプは、定常点灯時のインピーダンス値が1.0kΩ〜3.0kΩの範囲内に設定された発光管と、前記発光管を60W形一般電球と略同等の明るさで点灯させる点灯ユニットとを備える電球形蛍光ランプであって、前記点灯ユニットは、倍電圧整流回路と、当該倍電圧整流回路からの出力をスイッチングして前記発光管に高周波電力を印加するインバータ回路と、前記発光管に直列接続されたチョークコイルを用いた共振回路とを有し、前記チョークコイルは、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲内の銅線が巻回されてなることを特徴としている。
本発明に係る電球形蛍光ランプは、1.0kΩ〜3.0kΩの発光管を用いることで、管壁負荷が小さくなり、結果的にランプ効率を向上させることができる。しかも、1.0kΩ〜3.0kΩというようにインピーダンスの高い発光管及び倍電圧整流回路を利用しているので、チョークコイルに流れる電流を抑えることができ、これにより、発光管のインピーダンスの増大に伴ってチョークコイルのインダクタ値が大きくなっても、チョークコイルの素線を、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲内の太さにまで細くできる。この結果、チョークコイルのインダクタ値が大きくなっても、結果的にチョークコイルの大型化を防ぐことができる。さらに、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲の素線を用いることで、細線化に起因した素線の断線や定常点灯時のインダクタ値の変動を未然に防ぐことができる。
一方、前記インバータ回路は、ハーフブリッジタイプであることを特徴としている。この構成によれば、点灯ユニットを簡易な構成にできる。
さらに、前記発光管は、1本のガラス管の中央部から両端までの2領域が仮想旋回軸周りに旋回する2重螺旋形状であり、前記発光管を前記仮想旋回軸上であってガラス管の端部側から見たときに、ガラス管の両端部が前記仮想旋回軸を通る線分上に略位置し、前記点灯ユニットは、前記回路を構成する電子部品と、当該電子部品を実装する基板とを備え、前記発光管の端部に設けられた各電極が、前記基板の略中央を挟んで対向する領域であって当該基板の周縁近傍の接続端子に接続されていると共に、共振コンデンサが基板上の前記接続端子近傍にリード線を介して接続されていることを特徴としている。
この構成によれば、共振コンデンサの本体部を基板から遠ざけることができ、これによって、点灯時のコンデンサの温度を下げることができる。従って、例えば、基板近傍に実装した場合に耐熱性の点で問題があるコンデンサであっても、本構成にすることで使用することができる場合がある。
さらに、基板と共振コンデンサの本体部との接続にリード線を用いているので、基板に配線パターンを形成する必要が無くなり、基板上に配線パターンのスペースを確保する必要が無くなる。これにより結果的に基板の小型化を図ることもできる。
図1は、本実施の形態に係る電球形蛍光ランプの概略図である。なお、図1では、ランプ内部の様子が分かるように、グローブ、ケース等の一部を切り欠いている。
ランプ1は、図1に示すように、発光管3と、発光管3を保持する保持部材5と、保持部材5における発光管3が位置する側と反対側に装着され且つ発光管3を発光(点灯)させるための点灯ユニット7と、点灯ユニット7を内部に収納すると共に口金8を有し且つ保持部材5に取着されているケース9と、発光管3を内部に収納するようにその開口部分が保持部材5或いはケース9に固着されているグローブ11とを備える。
発光管3は、後述するが、屈曲し且つ内部に放電空間を有するガラス管13と、放電空間の端部に相当するガラス管13の両端部に封着された電極とを備える。なお、ガラス管13の端部に電極が封着されることにより、封止されたガラス管13の内部に放電空間が形成される。また、発光管3は図1に示すような2重螺旋形状をしている。
保持部材5は、周壁15と、その一端を塞ぐ端壁17とを備え、一端が塞がった筒状をしている。端壁17には、発光管3の端部3a,3b(図2参照)を保持部材5の内部に受け入れるための受入口が形成されている。
発光管3の保持は、保持部材5の受入口から発光管3の端部3a,3bを内部に受け入れ、この状態で、発光管3の端部3bが固着剤(例えばシリコーン)12により保持部材5の内面に固着されることで行われる。図1では、図面作成上、発光管の端部3b側の固着剤12だけを示している。
点灯ユニット7は、コンデンサ、チョークコイル等の複数の電子部品から構成されたシリーズインバータ方式であって、これらの電子部品を実装する基板21が保持部材5の他端側(端壁17と反対側)に取着されている。なお、点灯ユニット7については後述する。
基板21の保持部材5への取着は、ここでは端壁17から保持部材5の軸心と平行な方向に周壁15に沿って延出する複数の係止腕15aが基板21の周縁に係合することで行われる。なお、係止腕15aは、ここでは、周壁15の周方向に等間隔をおいて、例えば2個設けられている。
ケース9は、例えばコーン状をしており、大径部側に発光管3が取着された保持部材5が、また、小径部側にねじ込み型の口金23、例えばE26形がそれぞれ設けられる。
ケース9と保持部材5との取着は、保持部材5の周壁15の外面に形成された係合突部15bが、ケース9の内周面に形成された係止凹部9dに係合することで行われる。なお、係合突部15b及び係止凹部9dは、ケース9或いは保持部材5にその周方向に等間隔を置いて複数個、例えば4個形成されている。この係合突部と係合凹部の関係は、ケースと保持部材とに設けられていれば良く、例えば、係合突部がケースに、係合凹部が保持部材に設けられていても良い。
グローブ11は、ここでは、例えばA形が利用され、グローブ11の開口側の端部11aが、ケース9と保持部材5との間の隙間に挿入された状態で、当該隙間に充填されている固着剤25、例えばシリコーンによりケース9及び保持部材5に固着されている。
グローブ11の底(図1では下端部であり、開口と反対側の端部に相当する部位である。)11bには、発光管3の先端部(この先端部は点灯時に最冷点箇所となる部分である。)3cと熱的に連結する熱連結部材27が設けられている。この熱連結部材27は、発光管3が点灯した際の熱をグローブ11に伝えて、発光管3の温度を下げるためのものである。
これは、発光管3から発せられる発光光束は、発光管3最冷点箇所の温度によって変化し、最冷点箇所の温度が所定温度になったときに発光光束が最高になる。従って、高効率のランプを得るために、発光管3の最冷点箇所の点灯時の温度を所定温度になるように発光管3の温度を調整しているのである。また、発光管3の最冷点箇所の温度をさらに下げるために、発光管3のグローブ11との結合部には、図1に示すように凸部が形成されている。
なお、グローブ11の内表面には、例えば炭酸カルシウムを主成分とする拡散膜28が塗布されている。
<発光管>
図2は、本実施の形態に係る発光管の概略図である。なお、発光管3の内部の様子が分かるように、ガラス管13の一部を切り欠いている。
発光管3は、ガラス管13を湾曲させてなる発光管本体31と、この発光管本体31の端部3a,3bに封着された電極33,34とを備える。
発光管本体31は、1本のガラス管13がその中央部13aから端部(発光管本体31の端部3a,3bに相当する。)までの少なくとも1つ領域(ここでは2領域である。)が仮想旋回軸Aの周りをB方向にそれぞれ旋回する2重螺旋形状をしている。また、発光管3を仮想旋回軸A上であって発光管の端部3a,3b側から見たときに、発光管3の各端部3a,3bが、仮想旋回軸Aを挟んで対向する状態で仮想旋回軸Aを通る直線(線分)上に略位置している。
仮想旋回軸Aの周りを旋回する旋回数は、ランプの仕様(定格電力等)により決定される。発光管本体31の端部3a,3bに近い部分に相当するガラス管13は、仮想旋回軸Aの延伸する方向に隣合うガラス管13との隙間が広くなるように旋回している。
この発光管本体31(ガラス管13)の内面には蛍光体層35が形成されている。この蛍光体層35は、1又は複数種類の蛍光体、例えば希土類の蛍光体を含んでいる。また、発光管本体31の内部には、発光物質である水銀や、緩衝ガスとして希ガス等が封入されている。
電極33,34は、図2に示すように、フィラメントコイル41,42と、このフィラメントコイル41,42を架持する(架設した状態に保持する)一対のリード線43,44,45,46とからなり、一対のリード線43,44及びリード線45,46がビーズガラス47,48により保持(ビーズガラスタイプ)されている。
電極33は、図2に示すように、フィラメントコイル41と、このフィラメントコイル41を架持する(架設した状態に保持する)一対のリード線43,44とからなり、一対のリード線43,44がビーズガラス47により保持(ビーズガラスタイプ)されている。同様に、電極34も、同様に、フィラメントコイル42と、このフィラメントコイル42を架持する一対のリード線45,46とからなり、一対のリード線45,46がビーズガラス48により保持されている。
発光管本体31の端部3aには、図2に示すように、電極33と共に、発光管本体31の内部を排気するための排気管49が封着されている。この排気管49は、発光管本体31内の排気、水銀、希ガス等を封入した後に、発光管本体31の外部に位置する端部がチップオフ封止される。
上記構成の発光管3は、発光管に印加する電力(以下、「発光管電力」ともいう。)が9(W)の際のインピーダンス値が、1(kΩ)〜3(kΩ)の範囲内に、ランプ入力時の管壁負荷が0.07(W/cm)〜0.10(W/cm)の範囲内に設定されている。また、発光管3を構成するガラス管17の外径は、5.5(mm)〜8.5(mm)の範囲内にある。
<点灯ユニット>
1.回路構成
図3は、点灯ユニットの回路図である。
点灯ユニット7は、主に、整流・平滑回路51、インバータ回路53、共振回路55、駆動回路57から構成されている。なお、整流・平滑回路は、整流機能と平滑機能を有する回路であり、そのうちの、整流機能を有する回路を整流回路としても良いし、平滑機能を有する回路を平滑回路としても良い。
整流・平滑回路51は、商用低周波交流を整流、平滑して直流に変換して出力するものであり、口金8を介して商用電源に接続されている。整流・平滑回路51は、2個のダイオードブリッジD1,D2及び2個の平滑コンデンサC1,C2から構成されている(所謂、倍電圧整流回路である。)。
なお、点灯ユニット7は、倍電圧方式の整流回路を採用しているため、整流・平滑回路51の出力電圧は、入力電圧(実効値)の約2.6倍となる。例えば、商用電源の電圧(実効値)が100(V)であれば、整流・平滑回路51の出力電圧は約260(V)となる。
インバータ回路53は、1対のスイッチング素子Q1,Q2と、2個の結合コンデンサC3,C4とで構成される、所謂ハーフブリッジタイプである。スイッチング素子Q1,Q2は、駆動回路57により交互にオン・オフされ、これにより整流・平滑回路51からの出力から高周波電力を得る。なお、得られた高周波電力は発光管3の電極33,34に印加される。
共振回路55は、電極33,34(フィラメントコイル41,42)に予熱電流を流すとともに、当該電極33,34間の電圧を増大させる機能を有し、チョークコイルL1と共振コンデンサC5とが直列接続されて構成されている。
次に、各回路を構成する電子部品の接続について説明する。
整流・平滑回路51は、2個の平滑コンデンサC1、C2同士が、そしてダイオードD1,D2同士がそれぞれ直列に接続され、口金8に接続する一方の端子は、ダイオードD1のアノードに接続され、口金8に接続する他方の端子は、平滑コンデンサC1,C2の接続点に接続されている。
ダイオードD1,D2は同じ方向性に直列接続され、ダイオードD1のカソードが平滑コンデンサC1と接続され、ダイオードD2のアノードが平滑コンデンサC2に接続されている。
インバータ回路53は、整流・平滑回路51の出力側である2個の平滑コンデンサC1,C2が直列接続された両端に、ノイズ除去を目的としたインダクタL2と、2個の結合コンデンサC3,C4とが直列に接続され、直列接続の2個の結合コンデンサC3,C4の両端に、直列接続する2個のスイッチング素子Q1,Q2が並列に接続されている。
結合コンデンサC3,C4の接続点とスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間には、発光管3と共振回路55とが直列接続されている。なお、スイッチング素子Q1,Q2は、例えば、電解効果トランジスタ等が利用され、当該電解効果トランジスタのベースが駆動回路57と接続され、所定周波数でオン・オフされる。
共振回路55を構成するチョークコイルL1は、発光管3の一方の電極34と、2個のスイッチング素子Q1,Q2の接続点との間に接続され、また、共振コンデンサC5は、発光管3の電極33,34間に接続されている。
2.電子部品の配置
図4は点灯ユニットの斜視図であり、図5は点灯ユニットをチョークコイルが実装されている側から見た平面図である。
点灯ユニット7の各電子部品は、図4及び図5に示すように、基板21の1主面の略中央位置にチョークコイルL1が配されている。ここで、基板21における口金8側の主面を基板21の表面とし、発光管3が位置する側の主面を裏面とする。チョークコイルL1は、リード線が本体部から延出しており、このリード線の延出端が基板21を貫通してその裏面に形成された配線パターンに半田接続されている。
平滑コンデンサC1,C2は、本体部C1a,C2aがチョークコイルL1の上方に位置するように配されている。このように平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aをチョークコイルL1の上方に配置すると、平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aが、図1に示すように、口金8の内部に位置する。
平滑コンデンサC1,C2は、図4及び図5に示すように、一対のリード線が本体部C1a,C2aからそれぞれ延出しており、このリード線の延出端が基板21を貫通してその裏面に形成された配線パターンに半田接続されている。
共振コンデンサC5は、本体部C5aがチョークコイルL1の上方であって平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aに近接する状態で配されている。共振コンデンサC5のリード線C5b,C5cは、図5に示すように、基板7に設けられた発光管接続用の端子61,63及び端子65,67の近傍で基板7の貫通孔を挿通して裏面の配線パターンに半田接続されている。
一方、チョークコイルL1の近傍には、集積回路ICが配されている。当該集積回路ICは、図3に示すスイッチング素子Q1,Q2等が組み込まれている。集積回路ICは、リード挿入型であり、リード線が基板を貫通して基板7の裏面の配線パターンに接続されている。
基板21は、図5に示すように、発光管3の電極33との接続用の接続端子61,63を基板21の周縁近傍の領域X内に、そして電極34との接続用の接続端子65,67をその周縁近傍に領域Y内にそれぞれ備える。ここで、領域Xと領域Yとは、基板21の略中央位置Oを挟んで対向している。
このように位置関係で接続端子61,63,65,67が基板21に設けられているので、発光管3の端部3a,3bから延出するリード線43,44,45,46をそのまま引き伸ばして、基板21の周縁で折り返して、接続端子61,63,65,67に接続できる。これにより、リード線43,44同士、リード線45,46同士が絡むのを防止できると共に、リード線43,44,45,46を短くできる。
なお、領域X、Y内には、電極33,34のリード線43,44,45,46用の接続端子61,63,65,67が設けられているだけでなく、共振コンデンサC5のリード線C5b,C5cの接続部も設けられている。
3.実施例
(1)ランプ
ランプ1は、電球60Wと同等の光束(810(lm))を発するランプであり、定格電力が10(W)に設定されている。なお、点灯ユニット7の回路効率は約90(%)であるので、発光管3への管入力は9(W)に設定されたことになる。
ランプ1の全長L1(図1参照)は、110(mm)で電球と同じであり、また、ランプ(グローブ)の最大外径D1(図1参)が55(mm)で電球と同じである。つまり、本ランプ1は電球と略同じ大きさをしている。また、このランプ1から発せられる光束は、820(lm)であり、電球よりも明るく、そしてランプ効率が82.0(lm/W)である(当該特性値は、10本のランプの平均値である。)。
従背技術で説明した従来のランプは、定格電力12(W)で光束が810(lm)及びランプ効率が67.5(lm/W)であり、本発明に係るランプ1では、ランプ効率が従来のランプに対して1.2倍向上している。
なお、外管バルブ22の内表面の拡散膜28の透過率は97(%)である。
(2)発光管
発光管3は、外径が7.5(mm)、内径が6.6(mm)のガラス管13を用い、電極間距離を480(mm)に設定している。ガラス管13が仮想旋回軸Aの周りを旋回している巻層数は、ガラス管13の中央部から各端部までの2領域を合計すると約5.3回となる。なお、ガラス管13の寸法は、その中央部である折り返し部では、製造上、上記寸法よりも太くなってしまうが、本発明でのガラス管の寸法等は、ガラス管の中央部を除いた領域での寸法を指す。
螺旋形状の発光管本体31の外周径が36.5(mm)で全長(高さ)が66(mm)である。このとき、発光管3の管壁負荷は、約0.09(W/cm)で、そのインピーダンス値は2.0(kΩ)である。
参考までに、本実施例での発光管を用いて、発光管のインピーダンス値が1.0(kΩ)〜3.0(kΩ)の範囲で電球60Wと略同等の明るさが得られるのは、発光管電力を8.5(W)〜10(W)に設定した場合である。
蛍光体層35に含まれる蛍光体は、3種類の発光色(赤、緑、青)の蛍光体である。赤発光色の蛍光体はY:Eu、緑発光色の蛍光体はLaPO:Ceで、青発光色の蛍光体はBaMgAl1627:Eu,Mnである。
発光管3内には、水銀(Hg)が約5(mg)と、緩衝ガスとしてアルゴン(Ar)ガスが約550(Pa)で封入されている。なお、緩衝ガスとして、ネオン(Ne)、クリプトン(Kr)或いはアルゴンを含めた混合希ガスを封入してもよい。
電極33,34のフィラメントコイル41,42には、タングステン材料が利用され、BaO−CaO−SrOを主成分とする電子放射物質が充填されている。
(3)点灯ユニット
整流・平滑回路(倍電圧整流回路)51を構成する平滑コンデンサC1,C2は、リード線付アルミ電解コンデンサが用いられる。当該平滑コンデンサの仕様は、例えば、定格容量11(μF)、定格電圧160(V)である。
この平滑コンデンサC1,C2の本体部C1a,C2aの外径は、7(mm)〜8(mm)であり、この2つの平滑コンデンサC1,C2を本体部C1a,C2aの外周同士を接触させた状態では、E26形の口金8の内部に挿入できる大きさである。
なお、平滑コンデンサC1,C2として、外径7(mm)〜8(mm)のものを利用することで、全波型の整流回路を備えた従来の点灯ユニットと略同じ大きさにすることができる。
また、結合コンデンサC3,C4には、積層チップセラミックコンデンサが用いられており、当該コンデンサの仕様は、例えば定格容量100(nF)、定格電圧250(V)であり、基板21の裏面に実装されている。
駆動回路57により決定するトランジスタのスイッチング周波数Fmは、チョークコイルL1と共振コンデンサC5により決定される共振周波数をFrとすると、
0.9×Fr ≦ Fm ≦ 1.1×Fr
の関係を満たすように設定されている。
これは、共振周波数Frに比して、スイッチング周波数Fmを大きくすると、発光管3の両端に印加している共振電圧が下がるが、スイッチング周波数Fmが、共振周波数Frの1.1倍よりも大きくなると、発光管3の点灯を維持できなくなる場合が生じる。逆に、スイッチング周波数Fmを小さくするとオン・オフのスイッチングがハードスイッチングとなり、共振周波数Frの0.9倍よりも小さくなるとトランジスタに急峻な異常電流が流れ損失が大きくなるためである。
チョークコイルL1は、鉄心に巻回される素線として、断面形状が略円形の直径0.18(mm)の絶縁加工が施された銅線を利用している。チョークコイルL1のインダクタ値は、3.9(mH)である。チョークコイルL1の全体形状は、四角柱状をし、その高さが11(mm)で、四角形の1辺が約14(mm)である。
また、共振コンデンサC5は、本体の損失(本体部内の損失に起因する損失であり、以下単に「損失」という。)の低いPPフィルムコンデンサを利用している。この共振コンデンサC5の仕様は、例えば、定格容量1.8(nF)、定格電圧800(V)である。
なお、ここで説明した電子部品の仕様は、発光管のインピーダンス値が2.0(kΩ)の場合であり、発光管のインピーダンスが変われば、当然電子部品の具体的仕様も変わる。
<考察>
1.ランプ効率とチョークコイルの大きさ
発明者らは、省電力化について検討を行った。省電力化の目標は、電球60W品の代替品を対象とした、定格電力10(W)の電球形蛍光ランプの実現とした。ここで、点灯ユニットの変換効率はおよそ90(%)であるので、発光管に印加される電力(以下、「発光管電力Wla」という。)を9(W)一定にして、各種の実験を行った。
(1)放電路長の変化について
まず、発明者らは、発光管の管壁負荷を低減させることで、ランプ効率を向上させる検討を行った。具体的には、発光管を構成するガラス管の径を一定(内径が6.6mm)にして、放電路長(放電空間内の電極間距離)を380(mm)〜680(mm)に変化させた10種類の発光管を製作し、各放電路長の発光管のインピーダンス値を測定した、なお、管壁負荷は計算により求めた。
図6は、放電路長と、発光管のインピーダンス値と管壁負荷との関係を示す図である。
図6から、放電路長が長くなるに従って発光管のインピーダンス値が上昇しているのが分かり、また、発光管電力及びガラス管の内径が一定であることから、当然放電路長が長くなると管壁負荷は減少する。
(2)発光管のインピーダンス値とチョークコイルのインダクタ値・電流値
次に上記の放電路長の異なる発光管を用いて、発光管電力を9(W)で一定に保った状態で、発光光束が電球60Wの発光光束と同じ810(lm)となるように、発光管に流れる電流と、チョークコイルのインダクタ値を調整・設定した。
なお、チョークコイルL1は、発光管3に直列に接続しているため、発光管3に流れる電流と、チョークコイルL1に流れる電流とは略等しく、以下、発光管に流れる電流も、チョークコイルの電流として説明する。
ここで、発明者らの検討により、放電路長を長くすることで発光管のインピーダンス値が上昇し、この上昇に伴ってチョークコイルのインダクタ値が大きくなり、結果的に、チョークコイルが大型化することがわかった。
なお、従来の全波整流回路とハーフブリッジのインバータ回路を備えた点灯ユニットと、従来の発光管(インピーダンス値は約500(Ω)である。)を用いて、発光管電力を約11(W)から9(W)に設定しただけで、発光管の電圧Vlaが従来の点灯ユニットで点灯維持できる範囲を超えてしまい、チョークコイルの大きさに寄らず点灯が困難となった。
そこで、発明者らは、平滑コンデンサを1つ用いた整流・平滑回路を有する従来の点灯ユニットから、発光管電流をもっと小さくするために、倍電圧整流回路を備えた本発明に係る点灯ユニットに切り換えて検討を進めた。
図7は、インピーダンス値の異なる発光管を810(lm)となるように点灯させたときのチョークコイルの電流値とインダクタ値を示す図である。
なお、チョークコイルの電流値及びインダクタ値の測定は、倍電圧整流回路を有する点灯ユニットを利用して発光管電力を9(W)と一定にし、発光管の電気特性が安定した時の、発光管のインピーダンス値、チョークコイルのインダクタ値及び電流(発光管予熱時、一時的に電流値が上昇する場合を含む)を測定している。
図7から、発光管のインピーダンス値が上昇するに従って、チョークコイルの電流値が低下し、インダクタ値が上昇しているのが分かる。
ここで、発明者らは、チョークコイルを構成する素線を細径化してチョークコイルの小型化を検討した。その結果、図7において、発光管のインピーダンス値が1000(Ω)から3000(Ω)までの範囲では、従来の点灯ユニットで使用したチョークコイルと同等或いは従来品よりも小型化できることが判明した。
なお、発光管のインピーダンス値が1000(Ω)より小でも、チョークコイルを小型化できるが、逆にチョークコイルの電流が大きくなり、素線が断線する問題が生じた。
以上のことから、発光管の管壁負荷を減少させて発光効率の向上を図る場合には、発光管のインピーダンス値が1(kΩ)〜3(kΩ)の範囲内であれば、チョークコイルの素線の細線化により、チョークコイルを従来と略同じ大きさにできることが判明した。
より具体的に説明すると、チョークコイルの素線の断面形状が円形状の場合、その径が、0.01(mm)〜0.20(mm)の範囲にあれば良い。これは、外径が0.01(mm)より細くなると点灯時に素線が断線し、外径が0.2(mm)よりも太くなるとチョークコイルの小型化を図ることができないからである。
なお、素線の断面形状は、円形状に限定するものでなく、他の形状、例えば、三角形状、四角形状等の多角形状、或いは楕円形状等であっても良い。この場合、素線は、その断面積により規定することができ、具体的には、素線の断面積が0.02(mm)〜0.03(mm)の範囲内にあれば良い。
(3)実使用について
次に、ランプの実使用を考慮すると、ランプ点灯時に、チョークコイルのインダクタの変化が大きくなると、点灯ユニットを構成する電子部品に過電流が流れ、誤作動等が発生するおそれがある。
そこで、図6で示した、素線の細線化を図ることで従来の大きさにすることができるインダクタ値のチョークコイル(発光管のインピーダンス値が1(kΩ)〜3(kΩ)の範囲に対応し、素線径を0.01(mm)〜0.02(mm)の範囲にあるチョークコイルであり、以下、これらのチョークコイルを「検討用チョークコイル」という。)を用い、実使用に近い条件で、インダクタ値の変化率を測定した。
なお、ここでの実使用に近い条件は、従来品のチョークコイルの温度に基づいている。具体的には、電源電圧100(V)/60(Hz)、雰囲気温度40(℃)、ランプの温度が上昇しやすい器具(照明装置)を用いて従来のランプを点灯させた環境下で、チョークコイルの温度が140(℃)であった。つまり、ランプ点灯時におけるチョークコイルの最高温度が140(℃)である。
従って、実使用を考慮して、140(℃)雰囲気中で、検討用チョークコイルに電流を流し、そのときのインダクタ値の変化率を測定した。
図8は、140(℃)雰囲気中でのインダクタ値の変化特性を示す図である。
なお、図8では、電流値が0(Arms)の場合のインダクタ値を100とし、この値を基準に電流値を変化させたときのインダクタ値の比を示している(このため、図8では、縦軸をインダクタ維持率としている。)。
図8に示す特性は、インダクタ値が、3.0(mH)、3.9(mH)、4.4(mH)、4.65(mH)の4種類であり、全てのチョークコイル(インダクタ値)において、電流値を上げていくと、所定の電流値で急激にインダクタ値が変化している(インダクタ値を維持できなくなっている。)。
そして、インダクタ値の小さいチョークコイルほど、インダクタ値の変化が急激に変化するときの所定の電流値が高くなっている。つまり、インダクタ値の小さいチョークコイルほど、インダクタ維持率と電流値の特性曲線が、電流値が大きい側に位置している。
ここで、発明者らは、従来からチョークコイルのインダクタ値の維持率は、140(℃)の雰囲気中でも90(%)以上としているので、今回も、維持率が90(%)以上のものを合格品として評価した。
具体的に、インダクタ値が4.65(mH)のチョークコイルを例にして説明すると、図7において、発光管のインピーダンス値が約3500(Ω)の際のインダクタ値が4.65(mH)のチョークコイルを用いて試験した結果が、図8の「×」である。
このチョークコイルを用いてランプを810(lm)で点灯させるには、図7に示すように、チョークコイルに0.274(Arms)の電流を流す必要があり、この0.274(Arms)の電流を140(℃)雰囲気中でチョークコイルに流したときのインダクタ値の維持率が90(%)以上か否かで判定している。図8では、インダクタ値が4.65(mH)では、維持率が90(%)を下回っている。
次に、インダクタ値が4.4(mH)のチョークコイルを例にして説明する。図7において、発光管のインピーダンス値が約3000(Ω)の際のインダクタ値が4.4(mH)のチョークコイルを用いて試験した結果が、図8の「△」である。
このチョークコイルを用いてランプを810(lm)で点灯させるには、図7に示すように、チョークコイルに0.274(Arms)の電流を流す必要がある。一方、図8より、140(℃)雰囲気中でチョークコイルに流したときのインダクタ値の維持率が90(%)より小となるのが、約0.31(Arms)である。従って、インダクタ値が4.4(mH)では、140(℃)雰囲気中でチョークコイルに0.274(Arms)の電流が流れても、インダクタ値の維持率が90(%)以上であり、合格となる。
以上のことから、チョークコイルの大きさを従来品より大きくせずに、140(℃)雰囲気中でもインダクタ値が90(%)以上となるインダクタ値の範囲は3.0(mH)〜4.4(mH)となる。そして、インダクタ値がこの範囲である時の、発光管のインピーダンス値は図7より1.0(kΩ)〜3.0(kΩ)となる。
2.その他の電子部品等
平滑コンデンサと同様に共振コンデンサも体積の大きな電子部品であり、点灯ユニットの大きさを現状以下に保つ為には、その形状、大きさ、配置等も重要である。共振コンデンサとしては、リード線付きのものとして、その材質にPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いたものや、PP(ポリプロピレン)フィルムを用いたものが既に実用化されている。
しかしながら、本発明における検討は、PETフィルム製のコンデンサに比べて、損失の低いPPフィルムを用いたリード線付きフィルムコンデンサを用いた。
これは、実施の形態で説明したような、放電路長が従来に比べて長い発光管を採用した場合、発光管と並列に接続される共振コンデンサの損失により、放電路長を長くすることで生じる発光効率の向上分が相殺されるのを防ぐためである。
しかし、PPフィルムコンデンサは、耐熱温度が125(℃)と低いため、基板のすぐ上(本体部が基板の主面に近接する場合)には配置が困難であった。
そこで、発明者らは、PPフィルムコンデンサを利用できる方法について検討した結果、リード線付のコンデンサを用いてコンデンサの本体部を基板から離すことにより、コンデンサ本体の過度な温度上昇を防止できることを見出した。
特に、口金内に、外径7(mm)〜8(mm)である平滑コンデンサを配置したところ、空間的な余裕がまだあり、その隙間に共振コンデンサの本体部を配置して、点灯ユニットの小型化及びPPフィルムコンデンサの耐熱に対する課題を共に解決した。なお、平滑コンデンサC1,C2及び共振コンデンサC5が口金8内に収納されている状態とは、平滑コンデンサC1,C2及び共振コンデンサC5のリード線を除く本体部の基板7側の端面が、ランプとして組み立てられた状態で、口金8の基板7側の端面よりも、基板7から遠く離れている状態をいい、これによりケース9内の空間を小さくできる効果が得られる。
さらに、共振コンデンサにリード線付きコンデンサを用いたため、図4及び図5に示すように、コンデンサと基板(電極につながる配線パターン)との接続位置(コンデンサC5のリード線C5c,C5dと基板の接続位置)を、発光管と基板とを接続する接続端子61,63,65,67に近づけることができ、基板上の配線パターンにおけるこの間の配線を短くできる。
具体的には、図5に示すように、基板の平面視において基板21の略中央に相当する中央位置Oを通る2本の仮想線X1,X2から構成される扇状領域X内に、共振コンデンサC5のリード線C5cを基板21に接続する位置と、発光管(電極)のリード線を基板21に接続するための接続端子61,63とが位置するようにしている。
同様に、基板の平面視において基板21の中央位置Oを通る2本の線Y1,Y2から仮想構成される扇状領域Y内に、共振コンデンサC5のリード線C5bを基板21に接続する位置と、発光管(電極)のリード線を基板21に接続するための接続端子65,67とが位置するようにしている。
そして、扇状領域Xと扇状領域Yは、基板21の中央位置Oを挟んで対向する位置にある。特に、扇形状を構成する2直線X1,X2の頂角をα、同じく扇形状を構成する2直線Y1,Y2の頂角をβとするとき、α+β≦90(°)の範囲であるときには、共振コンデンサC5の接続のためだけに基板21の表面に設けられた配線パターンを除去することができるため、その分基板の径を小さくできる。
さらに、今回、2重螺旋形状の発光管3を有し、発光管3の端部3a,3bに設けられた各電極33,34が、基板21の略中央位置Oを挟んで対向する領域(扇状領域X,Y)であって当該基板21の周縁近傍の接続端子61,63,65,67に接続されている場合、点灯ユニット7の共振コンデンサC5として、リード線付PPフィルムコンデンサを使用したが、発光管と基板との接続点が基板の略中央を挟んで対向しない場合には、共振コンデンサ(のみ)用の配線パターンを必要としないため、PPフィルムコンデンサと同程度以下の損失を有し、比較的耐熱温度の高い積層チップセラミックコンデンサに置き換えることも可能である。
また対向する箇所で接続される場合であって、積層チップフィルムコンデンサを使用し
て共振コンデンサの接続のみに必要なパターンが生じた場合でも、PPコンデンサの代わりにその他の部品を口金に挿入すれば、同じく基板面積が大きくなるのを防止できる。
<その他>
上記実施の形態では、発光管の形状は2重螺旋形状をしていたが、他の形状であっても良い。例えば、「U」字状に屈曲させた1本のガラス管を複数本(3本、4本等)連結させた形状や、1重螺旋形状であっても良い。この場合でも、発光管のインピーダンス値は、発光管の入力電力が9(W)に設定されたときに、1.0(kΩ)〜3.0(kΩ)の範囲内あれば、実施の形態で説明したように、チョークコイルの大型化を招かずに、ランプ効率を向上させることができる。
なお、例えば、発光管として、「U」字状に屈曲させた1本のガラス管を複数本(3本、4本等)連結させた形状を採用した場合、発光管の端部(放電空間の端部に対応するガラス管の端部)に設けられる電極は、実施の形態で説明した、発光管の形状として2重螺旋形状を採用した場合の電極位置よりも、近接することになる。
このような場合、例えば、共振コンデンサに、結合コンデンサで使用したセラミックチップコンデンサを利用することもできる。セラミックチップコンデンサは、PPフィルムコンデンサに比べて耐熱性が高く、基板に直接実装することもできる。また、このセラミックチップコンデンサは、PPフィルムコンデンサに比べて小さく、基板に直接実装しても基板自体が大きくなることもない。
また、本実施の形態は、商業電源が100(V)を想定したものであり、当然商業電源が110(V)の場合は、当然、発光管のインピーダンス値、チョークコイルの電流値やインダクタ値等が変わり、チョークコイルの素線の断面積等が、本発明の範囲から外れる場合も生じ得るが、この場合、上記で説明した方法で適宜決定できる。
最後に、本明細書中にて、A〜B等の記載により範囲を規定している場合は、A及びBの数値は含まれるとする。
本発明は、大型化することなく、高効率を得ることができ電球形蛍光ランプに利用できる。
本実施の形態に係る電球形蛍光ランプの概略図である。 本実施の形態に係る発光管の概略図である。 点灯ユニットの回路図である。 点灯ユニットの斜視図である。 チョークコイルが実装されている側から点灯ユニットを見た平面図である。 放電路長と、発光管のインピーダンス値と管壁負荷との関係を示す図である。 インピーダンス値の異なる発光管を810(lm)となるように点灯させたときのチョークコイルの電流値とインダクタ値を示す図である。 140(℃)雰囲気中でのインダクタ値の変化特性を示す図である。
符号の説明
1 電球形蛍光ランプ
3 発光管
7 点灯ユニット
13 ガラス管
51 整流・平滑回路
53 インバータ回路
55 共振回路
C1,C2 平滑コンデンサ
C3,C4 結合コンデンサ
C5 共振コンデンサ
L1 チョークコイル

Claims (4)

  1. 定常点灯時のインピーダンス値が1.0kΩ〜3.0kΩの範囲内に設定された発光管と、前記発光管を60W形一般電球と略同等の明るさで点灯させる点灯ユニットとを備える電球形蛍光ランプであって、
    前記点灯ユニットは、倍電圧整流回路と、当該倍電圧整流回路からの出力をスイッチングして前記発光管に高周波電力を印加するインバータ回路と、前記発光管に直列接続されたチョークコイルを用いた共振回路とを有し、
    前記チョークコイルは、断面積が0.02mm〜0.03mmの範囲内の銅線が巻回されてなる
    ことを特徴とする電球形蛍光ランプ。
  2. 前記インバータ回路は、ハーフブリッジタイプである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形蛍光ランプ。
  3. 前記発光管は、1本のガラス管の中央部から両端までの2領域が仮想旋回軸周りに旋回する2重螺旋形状であり、
    前記発光管を前記仮想旋回軸上であってガラス管の端部側から見たときに、ガラス管の両端部が前記仮想旋回軸を通る線分上に略位置し、
    前記点灯ユニットは、前記回路を構成する電子部品と、当該電子部品を実装する基板とを備え、
    前記発光管の端部に設けられた各電極が、前記基板の略中央を挟んで対向する領域であって当該基板の周縁近傍の接続端子に接続されていると共に、共振コンデンサが基板上の前記接続端子近傍にリード線を介して接続されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の電球形蛍光ランプ。
  4. 前記発光管は、1本のガラス管の中央部から両端までの2領域が仮想旋回軸周りに旋回する2重螺旋形状であり、
    前記発光管を前記仮想旋回軸上であってガラス管の端部側から見たときに、ガラス管の両端部が前記仮想旋回軸を通る線分上に略位置し、
    前記点灯ユニットは、前記回路を構成する電子部品と、当該電子部品を実装する基板とを備え、
    前記発光管の端部に設けられた各電極が、前記基板の略中央を挟んで対向する領域であって当該基板の周縁近傍の接続端子に接続されていると共に、共振コンデンサが基板上の前記接続端子近傍にリード線を介して接続されている
    ことを特徴とする請求項2に記載の電球形蛍光ランプ。
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