JPWO2007145114A1 - 表面実装型アンテナおよびアンテナ装置 - Google Patents

表面実装型アンテナおよびアンテナ装置 Download PDF

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Abstract

強誘電体基体(30)の下面に接地電極(31)を形成し、上面に容量電極(32,33)およびインダクタ電極(34)からなる制御電極を形成し、常誘電体基体(40)に上面放射電極(41)および端面放射電極(42)を形成する。また、強誘電体基体(30)と常誘電体基体(40)を積層し、放射電極(41,42)を含む回路が、誘電率の周波数分散性を示す周波数帯以外の周波数で共振するようにそれらの形状および寸法を定める。

Description

この発明は、表面実装型のアンテナおよびそれを備えたアンテナ装置に関するものである。
従来、強誘電体材料を誘電体として用いることによって、複数の周波数帯域で動作するアンテナが特許文献1,2に開示されている。
これらのアンテナは、強誘電体に対する印加電圧の大きさによって、その強誘電体の誘電率が変化する性質を利用して、共振周波数を変化させて広帯域化を図るものである。
ここで特許文献1に示されているアンテナの構造を図1の(A)に示す。図1の(A)において、接地電極11と逆F型の放射電極12とによって、給電点Eに給電を行う逆Fアンテナを構成するとともに、放射電極12の開放端と接地電極11との間に強誘電体13を設けている。
このように放射電極12の開放端と接地電極11との間に強誘電体13を配置したことによって、強誘電体の印加電圧の大きさに応じてその誘電率が変化するので、印加電圧によってアンテナの共振周波数をチューニングすることができる。しかしながら、電界最大点に強誘電体を局所的に配置するため、損失が大きくなるという問題がある。
また特許文献2に示されているアンテナの構造を図1の(B)に示す。このアンテナはいわゆるパッチアンテナを構成するものであって、接地電極21と放射電極22との間に強誘電体23および常誘電体24の積層体を設けている。この構造の場合、DC電圧により強誘電体の誘電率を必要量だけ変化させるためには、常誘電体の厚みを薄くする必要がある一方、アンテナ効率を高めるためには強誘電体の厚みを薄くする必要がある、という関係にある。
特表2004−526379号公報 特表2005−502227号公報
ところがこれらの従来の強誘電体を用いたアンテナでは次のような解決すべき課題があった。
(a)基本的に強誘電体は一般的に高周波帯域における損失が大きいため、高利得のアンテナが得られない。特に強誘電体基体の表面に放射電極を形成すると強誘電体による損失による利得低下が顕著となる。
(b)図1に示したように強誘電体と常誘電体とを積層して、その積層方向に電圧が印加されるように構成すれば、上記利得低下の問題は小さくなるが、印加電圧あたりの容量変化量が小さくなるので周波数可変範囲が狭くなってしまう。そのため広帯域をカバーすることができない。
(c)また、図1に示したような従来構造のアンテナでは、電圧印加によって放射電極と接地電極との間の容量が変化すると、その容量変化によってインピーダンスも変化するので、共振周波数の変化にともなって整合状態も変化する。すなわち整合のとれた状態での共振周波数の変動幅が狭くなるという問題があった。このようにインピーダンス整合の点についても広帯域化が困難であった。
そこで、この発明の目的は、低損失・高利得・低反射で広帯域に亘って利用可能な表面実装型アンテナおよびアンテナ装置を提供することにある。
この発明の表面実装型アンテナは次のように構成する。
(1) 強誘電体基体と常誘電体基体とが層をなし、
前記強誘電体基体に制御電極および接地電極を備えるとともに、当該強誘電体基体、前記接地電極、および前記制御電極でインピーダンス整合回路を構成し、
前記常誘電体基体の表面に放射電極を備え、当該常誘電体基体と前記強誘電体基体とが層をなしている状態で、前記放射電極を含む回路が前記強誘電体の誘電率の周波数分散性がない周波数帯で共振するように、前記強誘電体基体、前記常誘電体基体、および前記放射電極の形状および寸法を定めたことを特徴としている。そのため、損失が少なく、共振周波数が可変であるアンテナが構成できる。
(2)前記強誘電体基体は互いに略平行な2つの主面を有し、前記制御電極および前記接地電極は、例えば制御電極および接地電極で前記強誘電体基体を挟むように、2つの主面の所定位置に形成する。
(3)前記強誘電体基体は互いに略平行な2つの主面を有するとともに、例えば層をなして複数存在し、前記制御電極と前記接地電極との間に生じる容量を並列接続する関係に前記複数の強誘電体基体の主面に制御電極および接地電極を形成する。
(4)前記複数の強誘電体基体は、例えば互いに強誘電性の異なった少なくとも2種の強誘電体基体を含むものであってもよい。
(5)前記接地電極は、常誘電体基体が積層される側と反対側である強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、制御電極は、強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、接地電極との間でも容量を構成する第1・第2の容量電極と、第2の容量電極に繋がるインダクタ電極または外部のインダクタを接続する接続部とを含み、前記放射電極は、強誘電体基体が積層される側と反対側である常誘電体基体の一方の主面(上面)から常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、その端面の電極を第1の容量電極に接続した構成とする。
(6)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)に、それぞれが前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する第1・第2の容量電極と、当該第1・第2の容量電極間をつなぐインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極に接続した構成とする。
(7)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)に、それぞれが前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する第1・第2の容量電極と、当該第1・第2の容量電極との間でそれぞれ容量を構成するとともに前記接地電極との間でインダクタを構成するインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極に接続した構成とする。
(8)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成する第1・第2の容量電極対と、当該第1・第2の容量電極対との間につながるとともに前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する容量電極と、前記第1・第2の容量電極対にそれぞれつながる第1・第2のインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2のインダクタ電極に接続した構成とする。
(9)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、片方の電極が共通に接続された第1・第2・第3の容量電極対と、前記第3の容量電極対の前記共通に接続された電極に対向する電極と前記接地との間につながるインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極対の前記共通に接続された電極に対向する電極に接続した構成とする。
(10)また、この発明のアンテナ装置は上記構成の表面実装型アンテナのいずれかとその表面実装型アンテナの制御電極に直流制御電圧を印加する回路とを備えたものとする。
この発明によれば次のような効果を奏する。
(1)放射電極は常誘電体基体に設けていて強誘電体から離れているので強誘電体による損失が抑制できる。しかも、放射電極を含む回路は前記強誘電体の誘電率の周波数分散性を示す周波数帯以外の周波数で共振するので、損失が少なく、共振周波数が可変であるアンテナが構成できる。
また、強誘電体基体、接地電極、および制御電極によるインピーダンス整合回路のインピーダンスは周波数に応じて変化するので、結果的に広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(2)前記制御電極および接地電極は前記強誘電体基体を挟むように配置することによって制御電極−接地電極間に生じる容量を大きく確保でき、制御電圧の印加電圧変化に対する容量変化を大きくとることができ、より広帯域化できる。
(3)前記強誘電体基体を積層化し、前記制御電極および接地電極間に生じる容量を並列接続するように複数の制御電極を形成することにより、印加する制御電圧変化に対する容量変化を大きくすることができ、さらに広帯域化できる。
(4)前記複数の強誘電体基体を互いに強誘電性の異なった少なくとも2種の強誘電体基体を含むことによって、制御電圧の電圧変化に対する共振周波数変化の特性を容易に所定のものにすることができる。
(5)制御電極が強誘電体基体の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、接地電極との間でも容量を構成することにより、単位面積あたりの容量を大きく確保でき、その容量と表面方向の容量とインダクタとによってインピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合に、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(6)強誘電体基体を挟んで接地電極との間でそれぞれ容量を構成する第1・第2の容量電極とその第1・第2の容量電極間を繋ぐインダクタ電極を備えたことによって、第1・第2の容量電極による2つのキャパシタとインダクタ電極とによるCLC構成のπ型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(7)強誘電体基体に接地電極との間でそれぞれ容量を構成する第1・第2の容量電極と、この第1・第2の容量電極との間でそれぞれ容量を構成するとともに接地電極との間でインダクタを構成するインダクタ電極を構成し、常誘電体基体に形成した放射電極を一方の容量電極に接続することによって、CLC構成のT型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(8)強誘電体基体にその主面方向に互いに対向して容量を構成する第1・第2の容量電極対と、この第1・第2の容量電極対との間に繋がるとともに接地電極との間で容量を構成する容量電極と、第1・第2の容量電極対にそれぞれ繋がる第1・第2のインダクタ電極を備え、常誘電体基体に形成した放射電極を一方のインダクタ電極に接続することによって、LCL構成のT型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(9)強誘電体基体に主面方向に対向して容量形成する第1・第2の容量電極対と、この第1・第2の容量電極対との間に繋がるとともに接地電極との間で容量形成する容量電極と、この容量電極と接地との間に繋がるインダクタ電極とを備え、常誘電体基体に形成した放射電極を上記インダクタ電極に接続することによって、CLC構成のT型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
特許文献1・特許文献2に示されているアンテナの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の構成を示す図である。 強誘電体の誘電率の周波数特性、損失の周波数特性、誘電率の印加電圧特性、および印加電圧対誘電率の周波数特性の関係を示す図である。 誘電率の周波数分散の有無および電圧印加の有無による特性の違いについて示す図である。 第2の実施形態に係る表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る表面実装型アンテナ、アンテナ装置、およびその特性を示す図である。 第4の実施形態に係る表面実装型アンテナの構成を示す図である。 第5の実施形態に係る表面実装型アンテナの構成を示す図である。 第6の実施形態に係る表面実装型アンテナ、アンテナ装置、およびその等価回路を示す図である。 第7の実施形態に係る表面実装型アンテナ、アンテナ装置、およびその等価回路を示す図である。 第8の実施形態に係る表面実装型アンテナ、およびその等価回路を示す図である。 第9の実施形態に係る表面実装型アンテナ、およびその等価回路を示す図である。
符号の説明
30−強誘電体基体
31−接地電極
32−第1の容量電極
33−第2の容量電極
34−インダクタ電極
35,36,37−引き出し電極
40−常誘電体基体
41−上面放射電極
42−端面放射電極
43,44−引き出し電極
50,60−強誘電体基体
51,61−電極
52−引き出し電極
70−強誘電体基体
71−接地電極
72,73−容量電極
74−インダクタ電極
75,76−引き出し電極
80−強誘電体基体
81−接地電極
82,83−容量電極
84−インダクタ電極
90−強誘電体基体
91−接地電極
92,93−インダクタ電極
94,95,97−容量電極対
96−容量電極
98−インダクタ電極
101−表面実装型アンテナ
121−アンテナ装置
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の構成を図2〜図4を参照して説明する。
図2の(A)は表面実装型アンテナの斜視図、(B)はその分解斜視図、(C)は表面実装型アンテナの等価回路図、(D)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
この第1の実施形態に係る表面実装型アンテナ101は、それぞれ層をなす強誘電体基体30と常誘電体基体40を備えている。
強誘電体基体30は直方体板状をなしている。この強誘電体基体30の一方の主面(図における下面)にはほぼ全面に接地電極31を形成している。またこの強誘電体基体30の他方の主面(図における上面)には第1・第2の容量電極32,33、およびインダクタ電極34からなる制御電極を形成している。この2つの容量電極32,33は強誘電体基体30の主面方向に対向して、その間に容量を構成している。また強誘電体基体30を挟んで接地電極31との間にもそれぞれ容量を構成している。上記インダクタ電極34の一端は第2の容量電極33に繋がっている。
また、強誘電体基体30の図における左手前端面から下面の一部にかけて、第1の容量電極32に繋がる引き出し電極35を形成している。誘電体基体30の図における右後方端面には、インダクタ電極34の端部と下面の接地電極31とに繋がる引き出し電極を形成している。
常誘電体基体40は、強誘電体基体30と平面形状がほぼ等しく直方体板状をなし、その一方の主面(図における上面)に上面放射電極41を形成している。また、この常誘電体基体40の図における左手前端面には上面放射電極41に繋がる端面放射電極42を形成している。この端面放射電極42は、図2の(A)に示すように、強誘電体基体30と常誘電体基体40とを積層した状態で強誘電体基体30側の引き出し電極35に導通する。この上面放射電極41と端面放射電極42とによってL型アンテナ(アンテナ部)を構成している。
引き出し電極35にはコンデンサCoを介して送信信号Eを給電する。また、制御電圧の印加によって対応周波数をシフトさせる場合には、直流遮断用のコンデンサCoを設けるとともにインダクタLoを介して上記引き出し電極35に制御電圧Vcを印加する。この表面実装アンテナを受信アンテナとして用いる場合には、上記信号Eは給電点に生じる電圧を表すことになる。
なお、図2の(B)では、インダクタ電極34の端部が強誘電体基体30の端面に設けた引き出し電極を介して下面の接地電極31に接地した例を示したが、図2の(D)に示したインダクタL1のインダクタンス値を所定の値にするために、外部にインダクタを設ける場合には、インダクタ電極34の端部を強誘電体基体30の端面から下面の一部にまで引き出す(接地電極31から絶縁した)引き出し電極を形成して、それを外部に設けるインダクタの接続部とすればよい。
図2の(C)において放射電極(41,42)は図に示すようにインダクタとして表すことができる。キャパシタC4は、常誘電体基体40を挟んで上面放射電極41と強誘電体基体30側の第2の容量電極33およびインダクタ電極34との間に生じる容量に相当する。またキャパシタC3は、この第2の容量電極33およびインダクタ電極34と接地電極31との間に生じる容量に相当する。
このように放射電極を含む回路(アンテナ部)は、放射電極(41,42)を形成した常誘電体基体40と、上記制御電極および接地電極を形成した強誘電体基体30とによってLCの分布定数線路として表すことができる。
キャパシタC2は、第1の容量電極32と接地電極31との間に生じる容量に相当する。また、キャパシタC1は、強誘電体基体30の主面方向に第1・第2の容量電極32−33間に生じる容量に相当する。インダクタL1は上記インダクタ電極34によるインダクタに相当する。このキャパシタC1,C2およびインダクタL1による回路がインピーダンス整合回路MCとして作用する。
図2の(D)は、(C)に示した回路を集中定数回路として表すとともに、外部回路を含めて表したアンテナ装置の等価回路図である。
ここで、放射電極(41,42)とキャパシタC3,C4によって上記アンテナ部を表している。このように放射電極(41,42)とキャパシタC2,C3,C4とによって共振回路が構成され、キャパシタC2,C3が強誘電体基体30に構成されるものであるので、以降に示すようにその誘電率の電圧依存性が利用できる。
また、上記インピーダンス整合回路MC内のキャパシタC1,C2についても強誘電体基体30に構成したものであるので、その誘電率の電圧依存性を利用することができる。
図3は上記強誘電体の誘電率の周波数分散性、損失の周波数特性、および制御電圧印加時の制御電圧対誘電率の特性を示す図である。また、図4は上記電圧印加の有無によるアンテナの特性変化の例を示している。図4では反射損失S11の特性について示している。
図3の(A)は強誘電体基体30の周波数に対する誘電率の関係を示している。周波数がfa未満での誘電率εaと周波数がfbを超える状態での誘電率εbとでは、εa>εbの関係となる。また周波数がfa〜fbの範囲では周波数の上昇にともなって誘電率が次第に低下する緩和型の周波数分散特性を示す。
このように周波数が高くなる程、放射電極(41,42)と接地電極間の誘電率が小さくなるので、図2の(C)に示したキャパシタC3の容量が小さくなる(電気的なアンテナ体積が小さくなる)。したがって、この誘電率の周波数分散性を示す周波数帯の低域と高域とで、上記放射電極(41,42)を含む回路がそれぞれ共振するようにすることによって、広帯域に対応できる。
図3の(B)は損失の周波数特性である。このように誘電率の周波数分散性を示す周波数帯域以外の周波数を利用することによって、使用周波数帯域で高利得特性が得られる。
また、図2の(D)に示したインピーダンス整合回路MC内のキャパシタC1,C2についても強誘電体基体30に構成したものであるので、信号周波数の変化にともない、整合すべきインピーダンスもそれに合わせて変化する。すなわち周波数が高くなる程、インピーダンス整合回路MC内の並列キャパシタンスが小さくなるので、インピーダンス整合する周波数が高くなる。したがって、上記誘電率の周波数分散性を示す周波数帯を挟む広帯域でインピーダンス整合を保つことができる。そのため広帯域に亘って高利得で低反射の特性が得られる。
図3の(C)は上記表面実装型アンテナに対して制御電圧を印加する場合の印加電圧と強誘電体基体30の誘電率との関係を示している。このように印加電圧を高くする程、強誘電体基体30の誘電率が低下する。
図3の(D)は(A)に示した誘電率の周波数分散による特性と(B)に示した印加電圧対誘電率の特性とを合成した特性を示している。このように制御電圧の印加にともなって全体の誘電率が低下する。
このように制御電圧を印加する場合には、fa〜fb以外の周波数範囲で共振状態を保ったまま強誘電体の誘電率を制御することによってチューニングを行うことができ、また、整合のとれた状態で波形をシフトすることができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図5を参照して説明する。
図5は2つのタイプの表面実装型アンテナの分解斜視図である。
図5の(A),(B)のいずれについても図2に示した表面実装型アンテナと異なるのは、上面放射電極41と第1の容量電極32との接続を、放射電極に対する給電とは別の経路で行うようにしていることである。すなわち、常誘電体基体40の図における右手前端面に形成した引き出し電極43を介して上面放射電極41を第1の容量電極32の端部に導通させている。
また、この図5に示す例では、インダクタ電極34の端部をインダクタ接続部としていて、この接続部に外部のインダクタL1を接続するようにしている。
図5の(A)と(B)とでは、強誘電体基体30に形成した2つの容量電極32,33およびインダクタ電極34の向きが異なる。また端面放射電極42の位置も異なる。
このように強誘電体基体30に形成する制御電極のパターンが異なっても、また常誘電体基体40に形成した放射電極の給電経路が異なっても、等価回路としては図2の(C)(D)に示したものと同様であり、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図6を参照して説明する。
図6の(A)は第3の実施形態に係る表面実装型アンテナの分解斜視図である。この表面実装型アンテナは、図2に示した構造の表面実装型アンテナに対してさらにもう1つの強誘電体基体50の層を設けたものである。この強誘電体基体50の上面には全面に電極51を形成している。この電極51は値の大きな抵抗Rを介して接地する。
強誘電体基体30の右後方端面の中央部にはインダクタ電極34の端部を接地電極31へ接地させる引き出し電極36を形成している。
強誘電体基体50の電極51と接地との間に上記抵抗Rまたは値の大きなインダクタを接続することによって、常誘電体基体40の上面放射電極41が例えばプラス電位となり、強誘電体基体50の電極51がゼロ電位となり、強誘電体基体50に電圧を印加することができる。但し、強誘電体基体50の電極51は大きな抵抗Rまたはインダクタを介して接地しているので、高周波的にはオープンとなり、接地とはならない。
このように構成したことにより、常誘電体基体40上の上面放射電極41が強誘電体基体50上の電極51を励振する励振電極として作用し、上面放射電極41と電極51の両方が放射電極として作用する。すなわち容量給電型のパッチアンテナを構成している。
この例では、上面放射電極41が強誘電体基体50に接することになるが、強誘電体基体50を薄くすることによって、この強誘電体による損失はある程度抑えられる。また、この例では、上部の強誘電体基体50の大きさを常誘電体基体40の大きさと同じにしているが、上部の強誘電体基体50を常誘電体基体40より小さくする方が、常誘電体基体40の上面放射電極41からの放射効率が高まる。
このように、強誘電体基体50に形成した電極51と、常誘電体基体40に形成した電極41の両方を放射電極として作用させることによって、広帯域に亘って共振する共振回路を2つ備えることになり、その分さらに広帯域化できる。
図6の(B)はその広帯域化を説明するための図である。この図6(B)においてW1は常誘電体基体40に形成した上面放射電極41による共振回路(常誘電体基体40、上面放射電極41、下部強誘電体基体30、接地電極31を含む共振回路)が共振する周波数を含む帯域、W2は強誘電体基体50に形成した電極51による共振回路(上部強誘電体基体50、電極51、常誘電体基体40、下部強誘電体基体30、接地電極31を含む共振回路)が共振する周波数を含む帯域をそれぞれSパラメータのS11特性で示している。強誘電体基体50に対する制御電圧の印加によって、この共振帯域の全体が図中矢印で示すように周波数シフトする。このように2つの共振帯域をほぼ連続させることによって全体にさらに広帯域化できる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図7を参照して説明する。
図7はその分解斜視図である。この図7において、強誘電体基体60を強誘電体基体30と常誘電体基体40との間に挟み込むように配置している点で図2に示した表面実装型アンテナと異なる。強誘電体基体60の図における左手前端面の中央部には電極61を形成している。強誘電体基体30,60および常誘電体基体40を積層した状態で端面放射電極42は電極61を介して引き出し電極35に導通する。
なお、この例では、強誘電体基体30の上面に第2の容量電極33に導通する引き出し電極37を形成していて、強誘電体基体30の端面から下面の一部にかけて、引き出し電極37に導通する引き出し電極を形成している。この引き出し電極には実装基板上に実装されるインダクタが接続されることになる。
この表面実装型アンテナに対する給電回路、制御電圧印加回路の構成、およびそれらを含めたアンテナ装置全体の等価回路は図2に示したものと同様である。
このように第1・第2の容量電極32,33を形成した強誘電体基体30の上部にも強誘電体基体60による強誘電体層を配置することによって、第1・第2の容量電極32−33間の容量を大きくすることができ、誘電率の電圧依存性の効果を高めることができる。
《第5の実施形態》
第5の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図8を参照して説明する。
図8はその分解斜視図である。この図8において、2つの強誘電体基体30a,30bを配置している点で図2に示した表面実装型アンテナと異なる。
2つの強誘電体基体30a,30bの上面には第1の容量電極32a,32b、第2の容量電極33a,33bおよび引き出し電極36a,36b,37a,37bをそれぞれ形成している。またこの2つの強誘電体基体30a,30bの左手前端面の中央部には引き出し電極36a,36bに導通する引き出し電極35a,35bをそれぞれ形成している。同様にこの2つの強誘電体基体30a,30bの右後方端面の中央部には、引き出し電極37a,37bに導通する引き出し電極を形成している。
強誘電体基体30aの下面の一部には、左手前端面の引き出し電極35aに導通する電極、および右後方端面の引き出し電極に導通する電極をそれぞれ形成している。
この表面実装型アンテナに対する給電回路、制御電圧印加回路の構成、それらを含めたアンテナ装置全体の等価回路図は図2に示したものと同様である。
このように第1・第2の容量電極32,33を多層化することによって、第1・第2の容量電極32−33間の容量を大きくすることができ、誘電率の電圧依存性の効果を高めることができる。
《第6の実施形態》
第6の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図9を参照して説明する。
図9の(A)はその分解斜視図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体70の下面にはほぼ全面に接地電極71を形成している。その上面には、接地電極71との間で容量を構成する第1の容量電極72および第2の容量電極73を形成している。またこの2つの容量電極72−73間を繋ぐインダクタ電極74を形成している。さらに第1の容量電極72に繋がる引き出し電極75、第2の容量電極73に繋がる引き出し電極76をそれぞれ形成している。この強誘電体基体70の右後方端面から下面の一部にかけては、引き出し電極75に導通する引き出し電極を形成している。
常誘電体基体40の上面には、全面に上面放射電極41を形成している。またその左手前端面の中央部には端面放射電極42を形成している。強誘電体基体70に常誘電体基体40を積層した状態で端面放射電極42は引き出し電極75に導通する。
図9の(B)において、インダクタL2は上記インダクタ電極74によるインダクタ、キャパシタC5,C6は上記容量電極72,73と接地電極71との間に構成される容量である。
なお、この例では放射電極(41,42)を単なる線路として表しているが、この放射電極による等価回路は図2の(C)(D)に示したものと同様である。図中、破線FEで囲んだ回路はCLC構成でπ型のローパスフィルタ回路であり、インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体に構成しているので、そのインピーダンスは誘電率の電圧依存性により電圧に応じて(追従して)変化する。そのため結果的に広い周波数範囲で給電回路とアンテナ部との間のインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第7の実施形態》
第7の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図10を参照して説明する。
図10の(A)はその分解斜視図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体80の上面には第1・第2の容量電極82,83との間で容量を構成するとともに接地電極81との間でインダクタを構成するインダクタ電極84を形成している。例えば強誘電体基体80にビアホールを形成して、そのビアホールをインダクタとして用いる。その他には、強誘電体基体80を多層構造にし、そこに巻線型のインダクタを構成してもよい。
この例では、第1の容量電極82に対してインダクタLo1を介して第1の制御電圧Vc1を印加し、第2の容量電極83に対してインダクタLo2を介して第2の制御電圧Vc2を印加する。
図10の(B)において、破線FEで囲んだCLC構成でT型のハイパスフィルタ回路であり、インピーダンス整合回路として作用する。キャパシタC7には制御電圧Vc1が印加され、キャパシタC8には第2の制御電圧Vc2が印加される。このようにして2つの制御電圧によってインピーダンス整合回路のインピーダンスを制御することができる。もちろん、目的によってはこの構成でVc1=Vc2としてもよい。
このインピーダンス整合回路のインピーダンスは、誘電率の電圧依存性により、電圧に応じて変化するので、結果的に広い周波数範囲で給電回路とアンテナ部との間のインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第8の実施形態》
第8の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図11を参照して説明する。
図11の(A)はその分解斜視図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体90の上面には、2つの容量電極対94,95、この第1・第2の容量電極対94,95との間に繋がり下面の接地電極91との間で容量を構成する容量電極96、第1・第2の容量電極対94,95にそれぞれ繋がる第1のインダクタ電極92および第2のインダクタ電極93をそれぞれ形成している。
常誘電体基体40の上面には全面に上面放射電極41を形成していて、左手前端面の中央部には端面放射電極42を形成している。強誘電体基体90に常誘電体基体40を積層した状態で端面放射電極42は第2のインダクタ電極93に導通する。
図11の(B)において、キャパシタC11は第1の容量電極対94による容量、キャパシタC12は第2の容量電極対95による容量である。また、キャパシタC10は容量電極96と接地電極91との間に構成される容量である。インダクタL11は第1のインダクタ電極92によるインダクタであり、インダクタL12は第2のインダクタ電極93によるインダクタである。ここでインダクタL11とキャパシタC11による直列回路およびキャパシタC12とインダクタL12による直列回路はそれぞれ誘導性に見えるように回路定数を定める。したがってキャパシタC10とともに全体としてLCL構成でT型のローパスフィルタ回路であり、インピーダンス整合回路として作用する。
このインピーダンス整合回路の各キャパシタC10,C11,C12はいずれも強誘電体基体90に構成したものであるので、このインピーダンス整合回路のインピーダンスは、誘電率の電圧依存性により電圧に応じて変化する。そのため、結果的に広い周波数範囲で給電回路とアンテナ部との間のインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第9の実施形態》
第9の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図12を参照して説明する。
図12の(A)は表面実装型アンテナに用いる強誘電体基体90の平面図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体90の上面にはこの強誘電体基体90の上面で互いに対向して容量を構成する第1の容量電極対94、第2の容量電極対95、第3の容量電極対97を形成している。これらの容量電極対はそれぞれの片方の電極を共通に接続している。また、この強誘電体基体90の上面には、第3の容量電極対97と下面の接地電極との間に繋がるインダクタ電極98を形成している。強誘電体基体90の下面には、ほぼ全面に接地電極を形成している。
この強誘電体基体90の上部に積層する常誘電体基体の構成は図11の(A)に示したものと同様である。
強誘電体基体90の上部に上記常誘電体基体を積層した状態で、端面放射電極は第2の容量電極対95の外側の電極に導通する。そして、第1の容量電極対94の外側の電極に給電を行う。
図12の(B)において、キャパシタC13は第1の容量電極対94による容量、キャパシタC14は第2の容量電極対95による容量、キャパシタC15は第3の容量電極対97による容量である。またインダクタL13はインダクタ電極98によるインダクタである。
キャパシタC15とインダクタL13による直列回路は、全体として容量性に見えるように回路定数を定める。したがってキャパシタC13,C14を含む全体がCLC構成でT型のハイパスフィルタ回路を構成する。この回路がインピーダンス整合回路として作用する。
なお、第6〜第9の各実施形態ではフィルタ回路でインピーダンス整合回路を構成したが、その他に位相器でインピーダンス整合回路を構成してもよい。少なくとも制御電極および接地電極を含む回路を強誘電体基体に構成すればよい。
また、常誘電体基体に形成する放射電極はL型アンテナを構成するものに限らず、逆Fアンテナを構成するものであってもよい。
この発明は、表面実装型のアンテナおよびそれを備えたアンテナ装置に関するものである。
従来、強誘電体材料を誘電体として用いることによって、複数の周波数帯域で動作するアンテナが特許文献1,2に開示されている。
これらのアンテナは、強誘電体に対する印加電圧の大きさによって、その強誘電体の誘電率が変化する性質を利用して、共振周波数を変化させて広帯域化を図るものである。
ここで特許文献1に示されているアンテナの構造を図1の(A)に示す。図1の(A)において、接地電極11と逆F型の放射電極12とによって、給電点Eに給電を行う逆Fアンテナを構成するとともに、放射電極12の開放端と接地電極11との間に強誘電体13を設けている。
このように放射電極12の開放端と接地電極11との間に強誘電体13を配置したことによって、強誘電体の印加電圧の大きさに応じてその誘電率が変化するので、印加電圧によってアンテナの共振周波数をチューニングすることができる。しかしながら、電界最大点に強誘電体を局所的に配置するため、損失が大きくなるという問題がある。
また特許文献2に示されているアンテナの構造を図1の(B)に示す。このアンテナはいわゆるパッチアンテナを構成するものであって、接地電極21と放射電極22との間に強誘電体23および常誘電体24の積層体を設けている。この構造の場合、DC電圧により強誘電体の誘電率を必要量だけ変化させるためには、常誘電体の厚みを薄くする必要がある一方、アンテナ効率を高めるためには強誘電体の厚みを薄くする必要がある、という関係にある。
特表2004−526379号公報 特表2005−502227号公報
ところがこれらの従来の強誘電体を用いたアンテナでは次のような解決すべき課題があった。
(a)基本的に強誘電体は一般的に高周波帯域における損失が大きいため、高利得のアンテナが得られない。特に強誘電体基体の表面に放射電極を形成すると強誘電体による損失による利得低下が顕著となる。
(b)図1に示したように強誘電体と常誘電体とを積層して、その積層方向に電圧が印加されるように構成すれば、上記利得低下の問題は小さくなるが、印加電圧あたりの容量変化量が小さくなるので周波数可変範囲が狭くなってしまう。そのため広帯域をカバーすることができない。
(c)また、図1に示したような従来構造のアンテナでは、電圧印加によって放射電極と接地電極との間の容量が変化すると、その容量変化によってインピーダンスも変化するので、共振周波数の変化にともなって整合状態も変化する。すなわち整合のとれた状態での共振周波数の変動幅が狭くなるという問題があった。このようにインピーダンス整合の点についても広帯域化が困難であった。
そこで、この発明の目的は、低損失・高利得・低反射で広帯域に亘って利用可能な表面実装型アンテナおよびアンテナ装置を提供することにある。
この発明の表面実装型アンテナは次のように構成する。
(1) 強誘電体基体と常誘電体基体とが層をなし、
前記強誘電体基体に制御電極および接地電極を備えるとともに、当該強誘電体基体、前記接地電極、および前記制御電極でインピーダンス整合回路を構成し、
前記常誘電体基体の表面に放射電極を備え、当該常誘電体基体と前記強誘電体基体とが層をなしている状態で、前記放射電極を含む回路が前記強誘電体の誘電率の周波数分散性がない周波数帯で共振するように、前記強誘電体基体、前記常誘電体基体、および前記放射電極の形状および寸法を定めたことを特徴としている。そのため、損失が少なく、共振周波数が可変であるアンテナが構成できる。
(2)前記強誘電体基体は互いに略平行な2つの主面を有し、前記制御電極および前記接地電極は、例えば制御電極および接地電極で前記強誘電体基体を挟むように、2つの主面の所定位置に形成する。
(3)前記強誘電体基体は互いに略平行な2つの主面を有するとともに、例えば層をなして複数存在し、前記制御電極と前記接地電極との間に生じる容量を並列接続する関係に前記複数の強誘電体基体の主面に制御電極および接地電極を形成する。
(4)前記複数の強誘電体基体は、例えば互いに強誘電性の異なった少なくとも2種の強誘電体基体を含むものであってもよい。
(5)前記接地電極は、常誘電体基体が積層される側と反対側である強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、制御電極は、強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、接地電極との間でも容量を構成する第1・第2の容量電極と、第2の容量電極に繋がるインダクタ電極または外部のインダクタを接続する接続部とを含み、前記放射電極は、強誘電体基体が積層される側と反対側である常誘電体基体の一方の主面(上面)から常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、その端面の電極を第1の容量電極に接続した構成とする。
(6)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)に、それぞれが前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する第1・第2の容量電極と、当該第1・第2の容量電極間をつなぐインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極に接続した構成とする。
(7)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)に、それぞれが前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する第1・第2の容量電極と、当該第1・第2の容量電極との間でそれぞれ容量を構成するとともに前記接地電極との間でインダクタを構成するインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極に接続した構成とする。
(8)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成する第1・第2の容量電極対と、当該第1・第2の容量電極対との間につながるとともに前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する容量電極と、前記第1・第2の容量電極対にそれぞれつながる第1・第2のインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2のインダクタ電極に接続した構成とする。
(9)前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面(下面)に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、片方の電極が共通に接続された第1・第2・第3の容量電極対と、前記第3の容量電極対の前記共通に接続された電極に対向する電極と前記接地との間につながるインダクタ電極とを含み、
前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面(上面)から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極対の前記共通に接続された電極に対向する電極に接続した構成とする。
(10)また、この発明のアンテナ装置は上記構成の表面実装型アンテナのいずれかとその表面実装型アンテナの制御電極に直流制御電圧を印加する回路とを備えたものとする。
この発明によれば次のような効果を奏する。
(1)放射電極は常誘電体基体に設けていて強誘電体から離れているので強誘電体による損失が抑制できる。しかも、放射電極を含む回路は前記強誘電体の誘電率の周波数分散性を示す周波数帯以外の周波数で共振するので、損失が少なく、共振周波数が可変であるアンテナが構成できる。
また、強誘電体基体、接地電極、および制御電極によるインピーダンス整合回路のインピーダンスは周波数に応じて変化するので、結果的に広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(2)前記制御電極および接地電極は前記強誘電体基体を挟むように配置することによって制御電極−接地電極間に生じる容量を大きく確保でき、制御電圧の印加電圧変化に対する容量変化を大きくとることができ、より広帯域化できる。
(3)前記強誘電体基体を積層化し、前記制御電極および接地電極間に生じる容量を並列接続するように複数の制御電極を形成することにより、印加する制御電圧変化に対する容量変化を大きくすることができ、さらに広帯域化できる。
(4)前記複数の強誘電体基体を互いに強誘電性の異なった少なくとも2種の強誘電体基体を含むことによって、制御電圧の電圧変化に対する共振周波数変化の特性を容易に所定のものにすることができる。
(5)制御電極が強誘電体基体の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、接地電極との間でも容量を構成することにより、単位面積あたりの容量を大きく確保でき、その容量と表面方向の容量とインダクタとによってインピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合に、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(6)強誘電体基体を挟んで接地電極との間でそれぞれ容量を構成する第1・第2の容量電極とその第1・第2の容量電極間を繋ぐインダクタ電極を備えたことによって、第1・第2の容量電極による2つのキャパシタとインダクタ電極とによるCLC構成のπ型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(7)強誘電体基体に接地電極との間でそれぞれ容量を構成する第1・第2の容量電極と、この第1・第2の容量電極との間でそれぞれ容量を構成するとともに接地電極との間でインダクタを構成するインダクタ電極を構成し、常誘電体基体に形成した放射電極を一方の容量電極に接続することによって、CLC構成のT型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(8)強誘電体基体にその主面方向に互いに対向して容量を構成する第1・第2の容量電極対と、この第1・第2の容量電極対との間に繋がるとともに接地電極との間で容量を構成する容量電極と、第1・第2の容量電極対にそれぞれ繋がる第1・第2のインダクタ電極を備え、常誘電体基体に形成した放射電極を一方のインダクタ電極に接続することによって、LCL構成のT型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
(9)強誘電体基体に主面方向に対向して容量形成する第1・第2の容量電極対と、この第1・第2の容量電極対との間に繋がるとともに接地電極との間で容量形成する容量電極と、この容量電極と接地との間に繋がるインダクタ電極とを備え、常誘電体基体に形成した放射電極を上記インダクタ電極に接続することによって、CLC構成のT型インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体の誘電率の電圧依存性によって、制御電圧を印加して共振周波数を変位させる場合にも、その制御電圧に応じた広い周波数範囲でインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第1の実施形態》
第1の実施形態に係る表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の構成を図2〜図4を参照して説明する。
図2の(A)は表面実装型アンテナの斜視図、(B)はその分解斜視図、(C)は表面実装型アンテナの等価回路図、(D)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
この第1の実施形態に係る表面実装型アンテナ101は、それぞれ層をなす強誘電体基体30と常誘電体基体40を備えている。
強誘電体基体30は直方体板状をなしている。この強誘電体基体30の一方の主面(図における下面)にはほぼ全面に接地電極31を形成している。またこの強誘電体基体30の他方の主面(図における上面)には第1・第2の容量電極32,33、およびインダクタ電極34からなる制御電極を形成している。この2つの容量電極32,33は強誘電体基体30の主面方向に対向して、その間に容量を構成している。また強誘電体基体30を挟んで接地電極31との間にもそれぞれ容量を構成している。上記インダクタ電極34の一端は第2の容量電極33に繋がっている。
また、強誘電体基体30の図における左手前端面から下面の一部にかけて、第1の容量電極32に繋がる引き出し電極35を形成している。誘電体基体30の図における右後方端面には、インダクタ電極34の端部と下面の接地電極31とに繋がる引き出し電極を形成している。
常誘電体基体40は、強誘電体基体30と平面形状がほぼ等しく直方体板状をなし、その一方の主面(図における上面)に上面放射電極41を形成している。また、この常誘電体基体40の図における左手前端面には上面放射電極41に繋がる端面放射電極42を形成している。この端面放射電極42は、図2の(A)に示すように、強誘電体基体30と常誘電体基体40とを積層した状態で強誘電体基体30側の引き出し電極35に導通する。この上面放射電極41と端面放射電極42とによってL型アンテナ(アンテナ部)を構成している。
引き出し電極35にはコンデンサCoを介して送信信号Eを給電する。また、制御電圧の印加によって対応周波数をシフトさせる場合には、直流遮断用のコンデンサCoを設けるとともにインダクタLoを介して上記引き出し電極35に制御電圧Vcを印加する。この表面実装アンテナを受信アンテナとして用いる場合には、上記信号Eは給電点に生じる電圧を表すことになる。
なお、図2の(B)では、インダクタ電極34の端部が強誘電体基体30の端面に設けた引き出し電極を介して下面の接地電極31に接地した例を示したが、図2の(D)に示したインダクタL1のインダクタンス値を所定の値にするために、外部にインダクタを設ける場合には、インダクタ電極34の端部を強誘電体基体30の端面から下面の一部にまで引き出す(接地電極31から絶縁した)引き出し電極を形成して、それを外部に設けるインダクタの接続部とすればよい。
図2の(C)において放射電極(41,42)は図に示すようにインダクタとして表すことができる。キャパシタC4は、常誘電体基体40を挟んで上面放射電極41と強誘電体基体30側の第2の容量電極33およびインダクタ電極34との間に生じる容量に相当する。またキャパシタC3は、この第2の容量電極33およびインダクタ電極34と接地電極31との間に生じる容量に相当する。
このように放射電極を含む回路(アンテナ部)は、放射電極(41,42)を形成した常誘電体基体40と、上記制御電極および接地電極を形成した強誘電体基体30とによってLCの分布定数線路として表すことができる。
キャパシタC2は、第1の容量電極32と接地電極31との間に生じる容量に相当する。また、キャパシタC1は、強誘電体基体30の主面方向に第1・第2の容量電極32−33間に生じる容量に相当する。インダクタL1は上記インダクタ電極34によるインダクタに相当する。このキャパシタC1,C2およびインダクタL1による回路がインピーダンス整合回路MCとして作用する。
図2の(D)は、(C)に示した回路を集中定数回路として表すとともに、外部回路を含めて表したアンテナ装置の等価回路図である。
ここで、放射電極(41,42)とキャパシタC3,C4によって上記アンテナ部を表している。このように放射電極(41,42)とキャパシタC2,C3,C4とによって共振回路が構成され、キャパシタC2,C3が強誘電体基体30に構成されるものであるので、以降に示すようにその誘電率の電圧依存性が利用できる。
また、上記インピーダンス整合回路MC内のキャパシタC1,C2についても強誘電体基体30に構成したものであるので、その誘電率の電圧依存性を利用することができる。
図3は上記強誘電体の誘電率の周波数分散性、損失の周波数特性、および制御電圧印加時の制御電圧対誘電率の特性を示す図である。また、図4は上記電圧印加の有無によるアンテナの特性変化の例を示している。図4では反射損失S11の特性について示している。
図3の(A)は強誘電体基体30の周波数に対する誘電率の関係を示している。周波数がfa未満での誘電率εaと周波数がfbを超える状態での誘電率εbとでは、εa>εbの関係となる。また周波数がfa〜fbの範囲では周波数の上昇にともなって誘電率が次第に低下する緩和型の周波数分散特性を示す。
このように周波数が高くなる程、放射電極(41,42)と接地電極間の誘電率が小さくなるので、図2の(C)に示したキャパシタC3の容量が小さくなる(電気的なアンテナ体積が小さくなる)。したがって、この誘電率の周波数分散性を示す周波数帯の低域と高域とで、上記放射電極(41,42)を含む回路がそれぞれ共振するようにすることによって、広帯域に対応できる。
図3の(B)は損失の周波数特性である。このように誘電率の周波数分散性を示す周波数帯域以外の周波数を利用することによって、使用周波数帯域で高利得特性が得られる。
また、図2の(D)に示したインピーダンス整合回路MC内のキャパシタC1,C2についても強誘電体基体30に構成したものであるので、信号周波数の変化にともない、整合すべきインピーダンスもそれに合わせて変化する。すなわち周波数が高くなる程、インピーダンス整合回路MC内の並列キャパシタンスが小さくなるので、インピーダンス整合する周波数が高くなる。したがって、上記誘電率の周波数分散性を示す周波数帯を挟む広帯域でインピーダンス整合を保つことができる。そのため広帯域に亘って高利得で低反射の特性が得られる。
図3の(C)は上記表面実装型アンテナに対して制御電圧を印加する場合の印加電圧と強誘電体基体30の誘電率との関係を示している。このように印加電圧を高くする程、強誘電体基体30の誘電率が低下する。
図3の(D)は(A)に示した誘電率の周波数分散による特性と(B)に示した印加電圧対誘電率の特性とを合成した特性を示している。このように制御電圧の印加にともなって全体の誘電率が低下する。
このように制御電圧を印加する場合には、fa〜fb以外の周波数範囲で共振状態を保ったまま強誘電体の誘電率を制御することによってチューニングを行うことができ、また、整合のとれた状態で波形をシフトすることができる。
《第2の実施形態》
第2の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図5を参照して説明する。
図5は2つのタイプの表面実装型アンテナの分解斜視図である。
図5の(A),(B)のいずれについても図2に示した表面実装型アンテナと異なるのは、上面放射電極41と第1の容量電極32との接続を、放射電極に対する給電とは別の経路で行うようにしていることである。すなわち、常誘電体基体40の図における右手前端面に形成した引き出し電極43を介して上面放射電極41を第1の容量電極32の端部に導通させている。
また、この図5に示す例では、インダクタ電極34の端部をインダクタ接続部としていて、この接続部に外部のインダクタL1を接続するようにしている。
図5の(A)と(B)とでは、強誘電体基体30に形成した2つの容量電極32,33およびインダクタ電極34の向きが異なる。また端面放射電極42の位置も異なる。
このように強誘電体基体30に形成する制御電極のパターンが異なっても、また常誘電体基体40に形成した放射電極の給電経路が異なっても、等価回路としては図2の(C)(D)に示したものと同様であり、第1の実施形態の場合と同様の作用効果を奏する。
《第3の実施形態》
第3の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図6を参照して説明する。
図6の(A)は第3の実施形態に係る表面実装型アンテナの分解斜視図である。この表面実装型アンテナは、図2に示した構造の表面実装型アンテナに対してさらにもう1つの強誘電体基体50の層を設けたものである。この強誘電体基体50の上面には全面に電極51を形成している。この電極51は値の大きな抵抗Rを介して接地する。
強誘電体基体30の右後方端面の中央部にはインダクタ電極34の端部を接地電極31へ接地させる引き出し電極36を形成している。
強誘電体基体50の電極51と接地との間に上記抵抗Rまたは値の大きなインダクタを接続することによって、常誘電体基体40の上面放射電極41が例えばプラス電位となり、強誘電体基体50の電極51がゼロ電位となり、強誘電体基体50に電圧を印加することができる。但し、強誘電体基体50の電極51は大きな抵抗Rまたはインダクタを介して接地しているので、高周波的にはオープンとなり、接地とはならない。
このように構成したことにより、常誘電体基体40上の上面放射電極41が強誘電体基体50上の電極51を励振する励振電極として作用し、上面放射電極41と電極51の両方が放射電極として作用する。すなわち容量給電型のパッチアンテナを構成している。
この例では、上面放射電極41が強誘電体基体50に接することになるが、強誘電体基体50を薄くすることによって、この強誘電体による損失はある程度抑えられる。また、この例では、上部の強誘電体基体50の大きさを常誘電体基体40の大きさと同じにしているが、上部の強誘電体基体50を常誘電体基体40より小さくする方が、常誘電体基体40の上面放射電極41からの放射効率が高まる。
このように、強誘電体基体50に形成した電極51と、常誘電体基体40に形成した電極41の両方を放射電極として作用させることによって、広帯域に亘って共振する共振回路を2つ備えることになり、その分さらに広帯域化できる。
図6の(B)はその広帯域化を説明するための図である。この図6(B)においてW1は常誘電体基体40に形成した上面放射電極41による共振回路(常誘電体基体40、上面放射電極41、下部強誘電体基体30、接地電極31を含む共振回路)が共振する周波数を含む帯域、W2は強誘電体基体50に形成した電極51による共振回路(上部強誘電体基体50、電極51、常誘電体基体40、下部強誘電体基体30、接地電極31を含む共振回路)が共振する周波数を含む帯域をそれぞれSパラメータのS11特性で示している。強誘電体基体50に対する制御電圧の印加によって、この共振帯域の全体が図中矢印で示すように周波数シフトする。このように2つの共振帯域をほぼ連続させることによって全体にさらに広帯域化できる。
《第4の実施形態》
第4の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図7を参照して説明する。
図7はその分解斜視図である。この図7において、強誘電体基体60を強誘電体基体30と常誘電体基体40との間に挟み込むように配置している点で図2に示した表面実装型アンテナと異なる。強誘電体基体60の図における左手前端面の中央部には電極61を形成している。強誘電体基体30,60および常誘電体基体40を積層した状態で端面放射電極42は電極61を介して引き出し電極35に導通する。
なお、この例では、強誘電体基体30の上面に第2の容量電極33に導通する引き出し電極37を形成していて、強誘電体基体30の端面から下面の一部にかけて、引き出し電極37に導通する引き出し電極を形成している。この引き出し電極には実装基板上に実装されるインダクタが接続されることになる。
この表面実装型アンテナに対する給電回路、制御電圧印加回路の構成、およびそれらを含めたアンテナ装置全体の等価回路は図2に示したものと同様である。
このように第1・第2の容量電極32,33を形成した強誘電体基体30の上部にも強誘電体基体60による強誘電体層を配置することによって、第1・第2の容量電極32−33間の容量を大きくすることができ、誘電率の電圧依存性の効果を高めることができる。
《第5の実施形態》
第5の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図8を参照して説明する。
図8はその分解斜視図である。この図8において、2つの強誘電体基体30a,30bを配置している点で図2に示した表面実装型アンテナと異なる。
2つの強誘電体基体30a,30bの上面には第1の容量電極32a,32b、第2の容量電極33a,33bおよび引き出し電極36a,36b,37a,37bをそれぞれ形成している。またこの2つの強誘電体基体30a,30bの左手前端面の中央部には引き出し電極36a,36bに導通する引き出し電極35a,35bをそれぞれ形成している。同様にこの2つの強誘電体基体30a,30bの右後方端面の中央部には、引き出し電極37a,37bに導通する引き出し電極を形成している。
強誘電体基体30aの下面の一部には、左手前端面の引き出し電極35aに導通する電極、および右後方端面の引き出し電極に導通する電極をそれぞれ形成している。
この表面実装型アンテナに対する給電回路、制御電圧印加回路の構成、それらを含めたアンテナ装置全体の等価回路図は図2に示したものと同様である。
このように第1・第2の容量電極32,33を多層化することによって、第1・第2の容量電極32−33間の容量を大きくすることができ、誘電率の電圧依存性の効果を高めることができる。
《第6の実施形態》
第6の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図9を参照して説明する。
図9の(A)はその分解斜視図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体70の下面にはほぼ全面に接地電極71を形成している。その上面には、接地電極71との間で容量を構成する第1の容量電極72および第2の容量電極73を形成している。またこの2つの容量電極72−73間を繋ぐインダクタ電極74を形成している。さらに第1の容量電極72に繋がる引き出し電極75、第2の容量電極73に繋がる引き出し電極76をそれぞれ形成している。この強誘電体基体70の右後方端面から下面の一部にかけては、引き出し電極75に導通する引き出し電極を形成している。
常誘電体基体40の上面には、全面に上面放射電極41を形成している。またその左手前端面の中央部には端面放射電極42を形成している。強誘電体基体70に常誘電体基体40を積層した状態で端面放射電極42は引き出し電極75に導通する。
図9の(B)において、インダクタL2は上記インダクタ電極74によるインダクタ、キャパシタC5,C6は上記容量電極72,73と接地電極71との間に構成される容量である。
なお、この例では放射電極(41,42)を単なる線路として表しているが、この放射電極による等価回路は図2の(C)(D)に示したものと同様である。図中、破線FEで囲んだ回路はCLC構成でπ型のローパスフィルタ回路であり、インピーダンス整合回路として作用する。このインピーダンス整合回路は強誘電体基体に構成しているので、そのインピーダンスは誘電率の電圧依存性により電圧に応じて(追従して)変化する。そのため結果的に広い周波数範囲で給電回路とアンテナ部との間のインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第7の実施形態》
第7の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図10を参照して説明する。
図10の(A)はその分解斜視図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体80の上面には第1・第2の容量電極82,83との間で容量を構成するとともに接地電極81との間でインダクタを構成するインダクタ電極84を形成している。例えば強誘電体基体80にビアホールを形成して、そのビアホールをインダクタとして用いる。その他には、強誘電体基体80を多層構造にし、そこに巻線型のインダクタを構成してもよい。
この例では、第1の容量電極82に対してインダクタLo1を介して第1の制御電圧Vc1を印加し、第2の容量電極83に対してインダクタLo2を介して第2の制御電圧Vc2を印加する。
図10の(B)において、破線FEで囲んだCLC構成でT型のハイパスフィルタ回路であり、インピーダンス整合回路として作用する。キャパシタC7には制御電圧Vc1が印加され、キャパシタC8には第2の制御電圧Vc2が印加される。このようにして2つの制御電圧によってインピーダンス整合回路のインピーダンスを制御することができる。もちろん、目的によってはこの構成でVc1=Vc2としてもよい。
このインピーダンス整合回路のインピーダンスは、誘電率の電圧依存性により、電圧に応じて変化するので、結果的に広い周波数範囲で給電回路とアンテナ部との間のインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第8の実施形態》
第8の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図11を参照して説明する。
図11の(A)はその分解斜視図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体90の上面には、2つの容量電極対94,95、この第1・第2の容量電極対94,95との間に繋がり下面の接地電極91との間で容量を構成する容量電極96、第1・第2の容量電極対94,95にそれぞれ繋がる第1のインダクタ電極92および第2のインダクタ電極93をそれぞれ形成している。
常誘電体基体40の上面には全面に上面放射電極41を形成していて、左手前端面の中央部には端面放射電極42を形成している。強誘電体基体90に常誘電体基体40を積層した状態で端面放射電極42は第2のインダクタ電極93に導通する。
図11の(B)において、キャパシタC11は第1の容量電極対94による容量、キャパシタC12は第2の容量電極対95による容量である。また、キャパシタC10は容量電極96と接地電極91との間に構成される容量である。インダクタL11は第1のインダクタ電極92によるインダクタであり、インダクタL12は第2のインダクタ電極93によるインダクタである。ここでインダクタL11とキャパシタC11による直列回路およびキャパシタC12とインダクタL12による直列回路はそれぞれ誘導性に見えるように回路定数を定める。したがってキャパシタC10とともに全体としてLCL構成でT型のローパスフィルタ回路であり、インピーダンス整合回路として作用する。
このインピーダンス整合回路の各キャパシタC10,C11,C12はいずれも強誘電体基体90に構成したものであるので、このインピーダンス整合回路のインピーダンスは、誘電率の電圧依存性により電圧に応じて変化する。そのため、結果的に広い周波数範囲で給電回路とアンテナ部との間のインピーダンス整合がとれ、高利得・低反射特性が得られる。
《第9の実施形態》
第9の実施形態に係る表面実装型アンテナについて図12を参照して説明する。
図12の(A)は表面実装型アンテナに用いる強誘電体基体90の平面図、(B)はその表面実装型アンテナを用いたアンテナ装置の等価回路図である。
強誘電体基体90の上面にはこの強誘電体基体90の上面で互いに対向して容量を構成する第1の容量電極対94、第2の容量電極対95、第3の容量電極対97を形成している。これらの容量電極対はそれぞれの片方の電極を共通に接続している。また、この強誘電体基体90の上面には、第3の容量電極対97と下面の接地電極との間に繋がるインダクタ電極98を形成している。強誘電体基体90の下面には、ほぼ全面に接地電極を形成している。
この強誘電体基体90の上部に積層する常誘電体基体の構成は図11の(A)に示したものと同様である。
強誘電体基体90の上部に上記常誘電体基体を積層した状態で、端面放射電極は第2の容量電極対95の外側の電極に導通する。そして、第1の容量電極対94の外側の電極に給電を行う。
図12の(B)において、キャパシタC13は第1の容量電極対94による容量、キャパシタC14は第2の容量電極対95による容量、キャパシタC15は第3の容量電極対97による容量である。またインダクタL13はインダクタ電極98によるインダクタである。
キャパシタC15とインダクタL13による直列回路は、全体として容量性に見えるように回路定数を定める。したがってキャパシタC13,C14を含む全体がCLC構成でT型のハイパスフィルタ回路を構成する。この回路がインピーダンス整合回路として作用する。
なお、第6〜第9の各実施形態ではフィルタ回路でインピーダンス整合回路を構成したが、その他に位相器でインピーダンス整合回路を構成してもよい。少なくとも制御電極および接地電極を含む回路を強誘電体基体に構成すればよい。
また、常誘電体基体に形成する放射電極はL型アンテナを構成するものに限らず、逆Fアンテナを構成するものであってもよい。
特許文献1・特許文献2に示されているアンテナの構成を示す図である。 第1の実施形態に係る表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の構成を示す図である。 強誘電体の誘電率の周波数特性、損失の周波数特性、誘電率の印加電圧特性、および印加電圧対誘電率の周波数特性の関係を示す図である。 誘電率の周波数分散の有無および電圧印加の有無による特性の違いについて示す図である。 第2の実施形態に係る表面実装型アンテナおよびアンテナ装置の構成を示す図である。 第3の実施形態に係る表面実装型アンテナ、アンテナ装置、およびその特性を示す図である。 第4の実施形態に係る表面実装型アンテナの構成を示す図である。 第5の実施形態に係る表面実装型アンテナの構成を示す図である。 第6の実施形態に係る表面実装型アンテナ、アンテナ装置、およびその等価回路を示す図である。 第7の実施形態に係る表面実装型アンテナ、アンテナ装置、およびその等価回路を示す図である。 第8の実施形態に係る表面実装型アンテナ、およびその等価回路を示す図である。 第9の実施形態に係る表面実装型アンテナ、およびその等価回路を示す図である。
符号の説明
30−強誘電体基体
31−接地電極
32−第1の容量電極
33−第2の容量電極
34−インダクタ電極
35,36,37−引き出し電極
40−常誘電体基体
41−上面放射電極
42−端面放射電極
43,44−引き出し電極
50,60−強誘電体基体
51,61−電極
52−引き出し電極
70−強誘電体基体
71−接地電極
72,73−容量電極
74−インダクタ電極
75,76−引き出し電極
80−強誘電体基体
81−接地電極
82,83−容量電極
84−インダクタ電極
90−強誘電体基体
91−接地電極
92,93−インダクタ電極
94,95,97−容量電極対
96−容量電極
98−インダクタ電極
101−表面実装型アンテナ

Claims (10)

  1. 強誘電体基体と常誘電体基体とが層をなし、
    前記強誘電体基体に制御電極および接地電極を備えるとともに、当該強誘電体基体、前記接地電極、および前記制御電極でインピーダンス整合回路を構成し、
    前記常誘電体基体の表面に放射電極を備え、当該常誘電体基体と前記強誘電体基体とが層をなしている状態で、前記放射電極を含む回路が前記強誘電体の誘電率の周波数分散性を示す周波数帯以外の周波数で共振する表面実装型アンテナ。
  2. 前記強誘電体基体は互いに略平行な2つの主面を有し、前記制御電極および前記接地電極は、当該制御電極および接地電極で前記強誘電体基体を挟む、前記2つの主面の位置に形成した請求項1に記載の表面実装型アンテナ。
  3. 前記強誘電体基体は互いに略平行な2つの主面を有するとともに、層をなして複数存在し、前記制御電極と前記接地電極との間に生じる容量を並列接続する関係に前記複数の強誘電体基体の主面に前記制御電極を形成した請求項1に記載の表面実装型アンテナ。
  4. 前記複数の強誘電体基体は互いに強誘電性の異なった少なくとも2種の強誘電体基体を含む請求項3に記載の表面実装型アンテナ。
  5. 前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面(上面)で互いに対向して容量を構成するとともに、それぞれが前記接地電極にも対向して、当該接地電極との間でも容量を構成する第1・第2の容量電極と、第2の容量電極につながるインダクタ電極または外部のインダクタを接続する接続部とを含み、
    前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1の容量電極に接続した請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の表面実装型アンテナ。
  6. 前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面に、それぞれが前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する第1・第2の容量電極と、当該第1・第2の容量電極間をつなぐインダクタ電極とを含み、
    前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極に接続した請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の表面実装型アンテナ。
  7. 前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面に、それぞれが前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する第1・第2の容量電極と、当該第1・第2の容量電極との間でそれぞれ容量を構成するとともに前記接地電極との間でインダクタを構成するインダクタ電極とを含み、
    前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極に接続した請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の表面実装型アンテナ。
  8. 前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面で互いに対向して容量を構成する第1・第2の容量電極対と、当該第1・第2の容量電極対との間につながるとともに前記接地電極に対向して当該接地電極との間で容量を構成する容量電極と、前記第1・第2の容量電極対にそれぞれつながる第1・第2のインダクタ電極とを含み、
    前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2のインダクタ電極に接続した請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の表面実装型アンテナ。
  9. 前記接地電極は、前記常誘電体基体が積層される側とは反対側である前記強誘電体基体の一方の主面に形成され、前記制御電極は、前記強誘電体基体の他方の主面で互いに対向して容量を構成するとともに、片方の電極が共通に接続された第1・第2・第3の容量電極対と、前記第3の容量電極対の前記共通に接続された電極に対向する電極と前記接地との間につながるインダクタ電極とを含み、
    前記放射電極は、前記強誘電体基体が積層される側とは反対側である前記常誘電体基体の一方の主面から前記常誘電体基体の端面にかけて形成された電極を含み、当該端面の電極を前記第1または第2の容量電極対の前記共通に接続された電極に対向する電極に接続した請求項1〜4のうちいずれか1項に記載の表面実装型アンテナ。
  10. 請求項1〜9のうちいずれか1項に記載の表面実装型アンテナと、当該表面実装型アンテナの前記制御電極に直流制御電圧を印加する回路とを備えたアンテナ装置。
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