JPH11154821A

JPH11154821A - アンテナ装置

Info

Publication number: JPH11154821A
Application number: JP9320940A
Authority: JP
Inventors: Futoshi Deguchi; 太志出口; Takahiro Tamae; 隆浩玉江
Original assignee: Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Current assignee: Panasonic Holdings Corp
Priority date: 1997-11-21
Filing date: 1997-11-21
Publication date: 1999-06-08

Abstract

(57)【要約】【課題】アンテナ共振周波数を可変として広帯域化が
図れるアンテナ装置を提供することを目的とする。【解決手段】アンテナとアンテナに対して送受信信号
のやり取りを行う無線機器とを有するアンテナ装置であ
って、アンテナは周波数制御電圧Ｅｃにより比誘電率が
変化する誘電体部１を有し、無線機器７は誘電体部に供
給する周波数制御電圧の値を制御する制御部を有する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、例えば陸上移動体
通信システムと衛星移動体通信システムというような２
つの通信システムにおいて１つの携帯端末で通信を行う
デュアルバンド携帯端末用アンテナあるいは送信周波数
と受信周波数とが大きく隔たっている通信システム用ア
ンテナなどに要求される周波数共用特性すなわち広帯域
な周波数特性を有するアンテナを含むアンテナ装置に関
する。

【０００２】

【従来の技術】周知のようにマイクロストリップアンテ
ナ（ＭＳＡ）の共振周波数ｆａは（数１）で表される。

【０００３】

【数１】

【０００４】ここで、Ｃは光速、Ｌは放射パッチの長
さ、εｒは誘電体の比誘電率である。従来、誘電体はそ
の比誘電率εｒの環境（温度、湿度等の環境）特性が安
定し、かつ量産性の優れたものを使用していた。すなわ
ち、放射パッチの長さＬもしくは使用する誘電体の比誘
電率εｒにより共振周波数ｆｒが決定してしまい、単一
の周波数に対してしか共振しないと言う問題があった。
また近年、無線機器システムにデュアルモード方式が増
えてきた。例えばＧＰＳ（全世界測位システム）とＶＩ
ＣＳ（道路交通情報通信システム）、ＰＨＳとコードレ
ス電話といったようなデュアルモード方式である。これ
らは別々の周波数帯で動作し、２種類のアンテナを必要
とする。また、アンテナには通常、送信と受信の双方の
帯域をカバーする帯域特性を持たせるが、衛星通信シス
テムのように送信と受信のそれぞれの帯域が大きく離れ
ている場合には非常に広い帯域のアンテナが要求され、
その設計は容易ではない。

【０００５】図１０（ａ）は従来のアンテナ装置を構成
する従来のアンテナを示す斜視図、図１０（ｂ）は従来
のアンテナを示す平面図、図（ｃ）は従来のアンテナを
示す正面図である。また図１１は一般的なアンテナにお
ける周波数対アンテナ利得を示すグラフ図である。図１
０において、１Ａは比誘電率εｒが一定の誘電体部、２
はアンテナ放射素子、３は給電線路、４はグランド面で
ある。

【０００６】従来のアンテナのアンテナ利得対周波数特
性は図１１に示すように比帯域で数％の帯域幅しかな
く、受信周波数帯域と送信周波数帯域とが離れているよ
うな衛星通信システムなどで十分な利得が得られないと
いう問題があった。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】このように、一般にア
ンテナの周波数帯域幅は比帯域で数％程度であり、送信
帯域と受信帯域とがその比帯域より離れている場合、送
信用と受信用に複数のアンテナが必要になるという問題
点を有していた。また、衛星電話と携帯電話等のデュア
ルモードの携帯端末の場合のように、使用している周波
数帯域が大きく異なる場合にも衛星電話用アンテナと携
帯電話用アンテナの複数のアンテナが必要になるという
問題点を有していた。

【０００８】このアンテナ装置では、アンテナ共振周波
数を可変として広帯域化することが要求されている。

【０００９】本発明は、アンテナ共振周波数を可変とし
て広帯域化が図れるアンテナ装置を提供することを目的
とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に本発明は、アンテナとアンテナに対して送受信信号の
やり取りを行う無線機器とを有するアンテナ装置であっ
て、アンテナは周波数制御電圧により比誘電率が変化す
る誘電体部を有し、無線機器は誘電体部に供給する周波
数制御電圧の値を制御する制御部を有する構成を備えて
いる。

【００１１】これにより、アンテナ共振周波数を可変と
して広帯域化が図れるアンテナ装置が得られる。

【００１２】

【発明の実施の形態】本発明の請求項１に記載の発明
は、アンテナとアンテナに対して送受信信号のやり取り
を行う無線機器とを有するアンテナ装置であって、アン
テナは周波数制御電圧により比誘電率が変化する誘電体
部を有し、無線機器は誘電体部に供給する周波数制御電
圧の値を制御する制御部を有することとしたものであ
り、制御部から供給される制御された周波数制御電圧に
より誘電体部の比誘電率が変化し、アンテナ共振周波数
は可変となるという作用を有する。

【００１３】請求項２に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、無線機器は局部発振周波数を変化させ
る電圧制御発振器を有し、制御部は電圧制御発振器にお
ける局部発振周波数を制御する制御電圧を制御部供給の
周波数制御電圧に連動して変化させることとしたもので
あり、アンテナにおける共振周波数の変化に応じて、局
部発振周波数に対応する送受信信号の周波数が変化する
という作用を有する。

【００１４】請求項３に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、無線機器はアンテナに対する送受信を
切り換える送受切り換えスイッチを有し、制御部はアン
テナの帯域を所望の受信帯域および所望の送信帯域の２
つの帯域となるように誘電体部に供給する周波数制御電
圧を制御すると共に所望の受信帯域、所望の送信帯域に
対応して送受切り換えスイッチを受信側、送信側に切り
換えることとしたものであり、送受信が確実に切り換え
られるという作用を有する。

【００１５】請求項４に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、制御部はアンテナの帯域を所望の複数
の受信チャネルおよび所望の複数の送信チャネルのいず
れかのチャネルの帯域となるように誘電体部に供給する
周波数制御電圧を制御することとしたものであり、アン
テナが送受帯域フィルタとしても動作するという作用を
有する。

【００１６】請求項５に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、制御部はアンテナの帯域を所望の受信
帯域および所望の送信帯域のいずれかの帯域となるよう
に誘電体部に供給する周波数制御電圧を制御することと
したものであり、アンテナが帯域選択フィルタとしても
動作するという作用を有する。

【００１７】請求項６に記載の発明は、請求項１に記載
の発明において、制御部はアンテナの帯域を所望の複数
の受信チャネルおよび所望の複数の送信チャネルのうち
の隣接する複数のチャネルの帯域となるように誘電体部
に供給する周波数制御電圧を制御することとしたもので
あり、アンテナが帯域選択フィルタとしても動作すると
いう作用を有する。

【００１８】以下、本発明の実施の形態について、図１
〜図９を用いて説明する。（実施の形態１）図１（ａ）は本発明の実施の形態１に
よるアンテナ装置を構成するアンテナを示す斜視図、図
１（ｂ）は同アンテナを示す平面図、図１（ｃ）は同ア
ンテナを示す正面図である。また図２はアンテナ共振周
波数を制御する周波数制御電圧と共振周波数ｆｒ、比誘
電率εｒとの関係を示すグラフ図である。図１におい
て、アンテナ放射素子２、給電線路３、グランド面４は
従来のアンテナ装置を示す図１０と同様のものなので、
同一符号を付し、説明は省略する。１は比誘電率が周波
数制御電圧により変化する誘電体部、５ａ、５ｂは周波
数制御電圧が印加される印加端子、６ａ、６ｂは周波数
制御電圧を供給するための周波数制御電圧線路である。
比誘電率が変化する誘電体部１の材料としては、例えば
誘電体セラミックスの電気光学的特性を応用した、比誘
電率の電界依存特性を有するチタン酸バリウム等の強誘
電体の比誘電率可変の誘電体材料がある。

【００１９】図１において、外部からの制御電圧（周波
数制御電圧）Ｅｃにより比誘電率εｒが変化する誘電体
部１上に、エッチング等の手段により、１つ又は複数の
アンテナ放射素子２を配列し、アンテナ放射素子２と同
一面もしくは裏面からアンテナに高周波電力を供給する
給電線路３を設け、誘電体部１の裏面には導電性のグラ
ンド面４を設け、誘電体部１の所望の対向する２面に周
波数制御電圧Ｅｃを印加するための印加端子５ａ、５ｂ
を設け、後述の図３、図４に示す無線機器７内の制御部
（図示せず）から制御された周波数制御電圧Ｅｃを周波
数制御電圧線路６ａ、６ｂにより印加するようにアンテ
ナを構成する。

【００２０】上記のように構成されたアンテナ装置につ
いて、その動作を図１を用いて説明する。

【００２１】まず、給電線路３に供給された高周波電力
は、アンテナ放射素子２に供給される。この場合、アン
テナ放射素子２の各部の寸法を適宜に選定することによ
り、アンテナ放射素子２は所望の共振周波数にて円偏波
又は直線偏波の電波を空中へ放射する。この場合、図１
（ｂ）に示すようにアンテナ放射素子２の長さをＬと
し、誘電体部１の比誘電率をεｒ、光速をＣとすると、
アンテナの共振周波数ｆｒは（数２）で近似される。

【００２２】

【数２】

【００２３】ここでアンテナ放射素子２の長さＬと誘電
体部１の比誘電率εｒとを一定に固定した場合、すなわ
ち図１０の従来のアンテナの場合、共振周波数ｆｒは一
定のままである。本実施の形態では、外部からの周波数
制御電圧Ｅｃにより比誘電率εｒが変化する誘電体部１
を用いたので、アンテナ放射素子２の長さＬを一定に固
定したままで、周波数制御電圧がＥｃからＥｃ´に変化
するのに応じて比誘電率もεｒからεｒ´と変化し、そ
れに伴いアンテナの共振周波数はｆｒからｆｒ´へと変
化する。よって、周波数制御電圧Ｅｃと共振周波数ｆｒ
との関係をあらかじめ所望の値に設定することにより、
所望の共振周波数ｆｒとなるように周波数制御電圧Ｅｃ
を制御することができる。

【００２４】図３は図１のアンテナに接続される無線機
器の一例を示すブロック図、図４は図１のアンテナに接
続される無線機器の他の例を示すブロック図である。図
３、図４において、誘電体部１、アンテナ放射素子２、
給電線路３、グランド面４は図１と同様のものなので、
同一符号を付し、説明は省略する。７は制御部等を有す
る無線機器、７ａは周波数制御電圧Ｅｃと高周波信号ａ
とを重畳して伝送する伝送線路、７ｂは周波数制御電圧
Ｅｃを伝送する伝送線路、７ｃは高周波信号ａを伝送す
る伝送線路である。

【００２５】周波数制御電圧Ｅｃは図１（ａ）の印加端
子５ａ、５ｂから印加するほかに、図３、図４に示すよ
うに、周波数制御電圧Ｅｃをアンテナ放射素子２とグラ
ンド面４とを印加端子として直接印加することも可能で
ある。この場合、図３に示すように、周波数制御電圧Ｅ
ｃと高周波信号ａとを重畳した重畳信号をアンテナの給
電線路３に同軸ケーブル（伝送線路）７ａを介して供給
する方法と、図４に示すように、周波数制御電圧Ｅｃを
アンテナ放射素子２に接続した伝送線路７ｂを介して供
給する方法とがある。

【００２６】以上のように本実施の形態によれば、アン
テナの誘電体部１に制御部から制御された周波数制御電
圧Ｅｃを供給して誘電体部１の比誘電率が変化するよう
にしたことにより、周波数制御電圧Ｅｃと共振周波数ｆ
ｒとの関係をあらかじめ所望の値に設定して所望の共振
周波数ｆｒとなるように周波数制御電圧Ｅｃを制御する
ことができる。また、周波数制御電圧Ｅｃをアンテナ放
射素子２とグランド面４とを印加端子として直接印加す
るようにしたことにより、印加端子５ａ、５ｂを省略す
ることができる。

【００２７】（実施の形態２）図５は本発明の実施の形
態２によるアンテナ装置を示すブロック図である。図５
において、誘電体部１、アンテナ放射素子２、給電線路
３、グランド面４、印加端子５ａ、５ｂ、周波数制御電
圧線路６ａ、６ｂ、無線機器７は図１、図３、図４の場
合と同様であるので、同一符号を付し、その説明は省略
する。６は制御部、８はシンセサイザ部（周波数局部発
振部）、９はシンセサイザ部８の電圧制御発振器（ＶＣ
Ｏ）、１０はアンテナ共用器、１１は受信回路、１２は
復調回路、１３は変調回路、１４は送信回路である。

【００２８】以上のように構成されたアンテナ装置につ
いて、その動作を説明する。図５に示すように、周波数
制御電圧Ｅｃとシンセサイザ部８の電圧制御発振器９の
制御電圧Ｅｖｃｏとを連動させることにより、まず受信
の場合、希望する受信周波数ｆｒｘへアンテナの共振周
波数ｆａが成るように周波数制御電圧Ｅｃを制御する。
また、それと同時に、受信回路１１へ供給するローカル
信号Ｌｏを発生させる電圧制御発振器９の制御電圧Ｅｖ
ｃｏと周波数制御電圧Ｅｃとが連動することにより、希
望する受信周波数ｆｒｘへアンテナの共振周波数ｆａを
合わせる。このようにヘテロダイン受信機またはダイレ
クトコンバージョン受信機の局部発振周波数ｆＬｏがア
ンテナの共振周波数ｆａと連動して動作する。

【００２９】送信の場合、希望する送信周波数ｆｔｘへ
アンテナの共振周波数ｆａが成るように周波数制御電圧
Ｅｃを制御する。また、それと同時に、送信回路１４へ
供給するローカル信号Ｌｏを発生させる電圧制御発振器
９の制御電圧Ｅｖｃｏと周波数制御電圧Ｅｃとが連動す
ることにより、希望する送信周波数ｆｔｘへアンテナの
共振周波数ｆａを合わせる。このようにアップコンバー
タ部またはダウンコンバータ部への局部発振周波数ｆＬ
ｏがアンテナの共振周波数ｆａと連動して動作する。

【００３０】以上のように本実施の形態によれば、アン
テナにおける共振周波数ｆａの変化に応じて、局部発振
周波数ｆＬｏに対応する送受信信号の周波数が変化する
ようにしたことにより、周波数制御電圧Ｅｃの制御部と
制御電圧Ｅｖｃｏｓの制御部を別々に設けた場合と比
べ、制御部の簡素化と小形化が図られ、またロックアッ
プタイムを短いものとすることができる。

【００３１】（実施の形態３）図６は本発明の実施の形
態３によるアンテナ装置を示すブロック図である。図６
において、誘電体部１、アンテナ放射素子２、給電線路
３、グランド面４、印加端子５ａ、５ｂ、周波数制御電
圧線路６ａ、６ｂ、無線機器７、シンセサイザ部（周波
数局部発振部）８、シンセサイザ部８の電圧制御発振器
（ＶＣＯ）９、受信回路１１、復調回路１２、変調回路
１３、送信回路１４は図５の場合と同様であるので、同
一符号を付し、その説明は省略する。１５は制御部、１
６は送受切り換えスイッチである。

【００３２】以上のように構成されたアンテナ装置につ
いて、その動作を説明する。本実施の形態のアンテナ装
置は、アンテナの帯域を受信帯域ＢＷｒｘと送信帯域Ｂ
Ｗｔｘ（図８参照）の２つになるように設け、無線機器
７内の受信と送信とを切り換える送受切り換えスイッチ
１６の制御電圧Ｅｒ／ｔと周波数制御電圧Ｅｃとが連動
するように構成されている。

【００３３】まず、受信の場合、希望する受信帯域ＢＷ
ｒｘへアンテナの共振周波数ｆａが成るように周波数制
御電圧Ｅｃを制御する。それと同時に、受信と送信とを
切り換える送受切り換えスイッチ１６は受信側へ切り換
えられる。また、送信の場合、希望する送信帯域ＢＷｔ
ｘへアンテナの共振周波数ｆａが成るように周波数制御
電圧Ｅｃを制御する。それと同時に、受信と送信とを切
り換える送受切り換えスイッチ１６は送信側へ切り換え
られる。

【００３４】以上のように本実施の形態によれば、制御
電圧Ｅｒ／ｔと周波数制御電圧Ｅｃとが連動するように
したことにより、受信又は送信の周波数帯域へアンテナ
の共振周波数帯域ｆａを合わせるのと同時に送受切り換
えスイッチ１６が動作するので、周波数制御電圧Ｅｃの
制御部と送受切り換えスイッチ１６の制御部を別々に設
けた場合と比べ、制御部の簡素化と小形化が図られ、ま
た送受切り換え時間を短くすることができる。

【００３５】（実施の形態４）本発明の実施の形態４に
よるアンテナ装置の構成は図５又は図６の構成と同様で
あり、その機能、動作等が実施の形態２、３とは異な
る。

【００３６】図７は本発明の実施の形態４におけるアン
テナの帯域を示すグラフ図である。図７において、Ｔ１
〜Ｔ４は送信チャネルにおける帯域、Ｒ１〜Ｒ４は受信
チャネルにおける帯域である。本実施の形態によるアン
テナ装置は、図７に示すように、アンテナの帯域を希望
する受信チャネル又は送信チャネルの１つのチャネルの
帯域幅になるように設け、チャネル選択フィルタとして
も動作させるものである。

【００３７】まず受信の場合、例えば希望する受信チャ
ネルＲ３へアンテナの共振周波数ｆａが成るように周波
数制御電圧Ｅｃを制御する。また送信の場合、例えば希
望する送信チャネルＴ２へアンテナの共振周波数ｆａが
成るように周波数制御電圧Ｅｃを制御する。このとき、
アンテナの帯域を１チャネル分の帯域幅になるようにア
ンテナの厚さ等を予め設定し、チャネル選択フィルタと
しても動作させる。

【００３８】以上のように本実施の形態によれば、アン
テナがチャネル選択フィルタとしても動作することによ
り、無線機器内の送受信回路において、チャネル選択フ
ィルタが不要あるいは特性の緩やかなフィルタでの構成
が可能になり、小形化が図れ、隣接チャネル妨害波抑圧
特性の優れた無線装置を実現することができる。

【００３９】（実施の形態５）本発明の実施の形態５に
よるアンテナ装置の構成は図５又は図６の構成と同様で
あり、その機能、動作等が実施の形態２、３とは異な
る。

【００４０】図８は本発明の実施の形態５におけるアン
テナの帯域を示すグラフ図である。図８において、本実
施の形態によるアテナ装置は、ＢＷｔｘは送信帯域、Ｂ
Ｗｒｘは受信帯域である。図８に示すように、アンテナ
の帯域を希望する受信帯域ＢＷｒｘと送信帯域ＢＷｔｘ
の２つになるようにアンテナの厚さ等を予め設定し、帯
域選択フィルタとしても動作させるものである。

【００４１】まず受信の場合、希望する受信帯域ＢＷｒ
ｘへアンテナの共振周波数ｆａが成るように周波数制御
電圧Ｅｃを制御する。また送信の場合、希望する送信帯
域ＢＷｔｘへアンテナの共振周波数ｆａが成るように周
波数制御電圧Ｅｃを制御する。

【００４２】以上のように本実施の形態によれば、アン
テナが帯域選択フィルタとしても動作することにより、
無線機器内の送受信回路において、帯域選択フィルタが
不要あるいは特性の緩やかなフィルタでの構成が可能に
なり、小形化が図れ、帯域外妨害波抑圧特性の優れた無
線装置を実現することができる。

【００４３】（実施の形態６）本発明の実施の形態６に
よるアンテナ装置の構成は図５又は図６の構成と同様で
あり、その機能、動作等が実施の形態２、３とは異な
る。

【００４４】図９は本発明の実施の形態６におけるアン
テナの帯域を示すグラフ図である。図９に示すように、
本実施の形態によるアンテナ装置は、アンテナの帯域を
希望する受信又は送信の隣接する複数のチャネルの帯域
幅になるようにアンテナの厚さ等を予め設定し、帯域選
択フィルタとしても動作させるものである。

【００４５】以上のように本実施の形態によれば、アン
テナが帯域選択フィルタとしても動作することにより、
無線機器内の送受信回路において、帯域選択フィルタが
不要あるいは特性の緩やかなフィルタでの構成が可能に
なり、小形化が図れ、帯域外妨害波抑圧特性の優れた無
線装置を実現することができる。

【００４６】

【発明の効果】以上のように本発明の請求項１に記載の
アンテナ装置によれば、アンテナとアンテナに対して送
受信信号のやり取りを行う無線機器とを有するアンテナ
装置であって、アンテナは周波数制御電圧により比誘電
率が変化する誘電体部を有し、無線機器は誘電体部に供
給する周波数制御電圧の値を制御する制御部を有するこ
とにより、周波数制御電圧とアンテナ共振周波数との関
係をあらかじめ所望の値に設定して所望のアンテナ共振
周波数となるように周波数制御電圧を制御することがで
きるという有利な効果が得られる。

【００４７】請求項２に記載の発明によれば、請求項１
に記載の発明において、無線機器は局部発振周波数を変
化させる電圧制御発振器を有し、制御部は電圧制御発振
器における局部発振周波数を制御する制御電圧を制御部
供給の周波数制御電圧に連動して変化させることによ
り、アンテナにおける共振周波数の変化に応じて、局部
発振周波数に対応する送受信信号の周波数が変化するよ
うにしたことにより、周波数制御電圧の制御部と制御電
圧の制御部を別々に設けた場合と比べ、制御部の簡素化
と小形化を図ることができ、またロックアップタイムを
短いものとすることができるという有利な効果が得られ
る。

【００４８】請求項３に記載の発明によれば、請求項１
に記載の発明において、無線機器はアンテナに対する送
受信を切り換える送受切り換えスイッチを有し、制御部
はアンテナの帯域を所望の受信帯域および所望の送信帯
域の２つの帯域となるように誘電体部に供給する周波数
制御電圧を制御すると共に所望の受信帯域、所望の送信
帯域に対応して送受切り換えスイッチを受信側、送信側
に切り換えることにより、受信又は送信の周波数帯域へ
アンテナの共振周波数帯域を合わせるのと同時に送受切
り換えスイッチが動作するので、周波数制御電圧の制御
部と送受切り換えスイッチの制御部を別々に設けた場合
と比べ、制御部の簡素化と小形化を図ることができ、ま
た送受切り換え時間を短くすることができるという有利
な効果が得られる。

【００４９】請求項４に記載の発明によれば、請求項１
に記載の発明において、制御部はアンテナの帯域を所望
の複数の受信チャネルおよび所望の複数の送信チャネル
のいずれかのチャネルの帯域となるように誘電体部に供
給する周波数制御電圧を制御することにより、無線機器
内の送受信回路において、アンテナがチャネル選択フィ
ルタとしても動作し、チャネル選択フィルタが不要ある
いは特性の緩やかなフィルタでの構成が可能になり、小
形化が図れ、隣接チャネル妨害波抑圧特性の優れた無線
装置を実現することができるという有利な効果が得られ
る。

【００５０】請求項５に記載の発明によれば、請求項１
に記載の発明において、制御部はアンテナの帯域を所望
の受信帯域および所望の送信帯域のいずれかの帯域とな
るように誘電体部に供給する周波数制御電圧を制御する
ことにより、無線機器内の送受信回路において、アンテ
ナが帯域選択フィルタとしても動作し、帯域選択フィル
タが不要あるいは特性の緩やかなフィルタでの構成が可
能になり、小形化が図れ、帯域外妨害波抑圧特性の優れ
た無線装置を実現することができるという有利な効果が
得られる。

【００５１】請求項６に記載の発明によれば、請求項１
に記載の発明において、制御部はアンテナの帯域を所望
の複数の受信チャネルおよび所望の複数の送信チャネル
のうちの隣接する複数のチャネルの帯域となるように誘
電体部に供給する周波数制御電圧を制御することによ
り、無線機器内の送受信回路において、アンテナが帯域
選択フィルタとしても動作し、帯域選択フィルタが不要
あるいは特性の緩やかなフィルタでの構成が可能にな
り、小形化が図れ、帯域外妨害波抑圧特性の優れた無線
装置を実現することができる

【図面の簡単な説明】

【図１】（ａ）本発明の実施の形態１によるアンテナ装
置を構成するアンテナを示す斜視図（ｂ）本発明の実施の形態１によるアンテナ装置を構成
するアンテナを示す平面図（ｃ）本発明の実施の形態１によるアンテナ装置を構成
するアンテナを示す正面図

【図２】アンテナ共振周波数を制御する周波数制御電圧
と共振周波数、比誘電率との関係を示すグラフ

【図３】図１のアンテナに接続される無線機器の一例を
示すブロック図

【図４】図１のアンテナに接続される無線機器の他の例
を示すブロック図

【図５】本発明の実施の形態２によるアンテナ装置を示
すブロック図

【図６】本発明の実施の形態３によるアンテナ装置を示
すブロック図

【図７】本発明の実施の形態４におけるアンテナの帯域
を示すグラフ

【図８】本発明の実施の形態５におけるアンテナの帯域
を示すグラフ

【図９】本発明の実施の形態６におけるアンテナの帯域
を示すグラフ

【図１０】（ａ）従来のアンテナ装置を構成する従来の
アンテナを示す斜視図（ｂ）従来のアンテナを示す平面図（ｃ）従来のアンテナを示す正面図

【図１１】一般的なアンテナにおける周波数対アンテナ
利得を示すグラフ

【符号の説明】

１誘電体部２アンテナ放射素子３給電線路４グランド面５ａ、５ｂ印加端子６、１５制御部６ａ、６ｂ周波数制御電圧線路７無線機器７ａ、７ｂ、７ｃ伝送線路８シンセサイザ部（周波数局部発振部）９電圧制御発振器（ＶＣＯ）１０アンテナ共用器１１受信回路１２復調回路１３変調回路１４送信回路１６送受切り換えスイッチ

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】アンテナと前記アンテナに対して送受信信
号のやり取りを行う無線機器とを有するアンテナ装置で
あって、前記アンテナは周波数制御電圧により比誘電率
が変化する誘電体部を有し、前記無線機器は前記誘電体
部に供給する周波数制御電圧の値を制御する制御部を有
することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項２】前記無線機器は局部発振周波数を変化させ
る電圧制御発振器を有し、前記制御部は前記電圧制御発
振器における前記局部発振周波数を制御する制御電圧を
前記制御部供給の周波数制御電圧に連動して変化させる
ことを特徴とする請求項１に記載のアンテナ装置。
【請求項３】前記無線機器は前記アンテナに対する送受
信を切り換える送受切り換えスイッチを有し、前記制御
部は前記アンテナの帯域を所望の受信帯域および所望の
送信帯域の２つの帯域となるように前記誘電体部に供給
する周波数制御電圧を制御すると共に前記所望の受信帯
域、所望の送信帯域に対応して前記送受切り換えスイッ
チを受信側、送信側に切り換えることを特徴とする請求
項１に記載のアンテナ装置。
【請求項４】前記制御部は前記アンテナの帯域を所望の
複数の受信チャネルおよび所望の複数の送信チャネルの
いずれかのチャネルの帯域となるように前記誘電体部に
供給する周波数制御電圧を制御することを特徴とする請
求項１に記載のアンテナ装置。
【請求項５】前記制御部は前記アンテナの帯域を所望の
受信帯域および所望の送信帯域のいずれかの帯域となる
ように前記誘電体部に供給する周波数制御電圧を制御す
ることを特徴とする請求項１に記載のアンテナ装置。
【請求項６】前記制御部は前記アンテナの帯域を所望の
複数の受信チャネルおよび所望の複数の送信チャネルの
うちの隣接する複数のチャネルの帯域となるように前記
誘電体部に供給する周波数制御電圧を制御することを特
徴とする請求項１に記載のアンテナ装置。