JP2009278192A - アンテナ装置及び通信端末装置 - Google Patents

アンテナ装置及び通信端末装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009278192A
JP2009278192A JP2008125172A JP2008125172A JP2009278192A JP 2009278192 A JP2009278192 A JP 2009278192A JP 2008125172 A JP2008125172 A JP 2008125172A JP 2008125172 A JP2008125172 A JP 2008125172A JP 2009278192 A JP2009278192 A JP 2009278192A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
frequency band
capacitor
antenna device
antenna
inductor
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008125172A
Other languages
English (en)
Inventor
Hideaki Shoji
英明 東海林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sony Corp
Original Assignee
Sony Ericsson Mobile Communications Japan Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sony Ericsson Mobile Communications Japan Inc filed Critical Sony Ericsson Mobile Communications Japan Inc
Priority to JP2008125172A priority Critical patent/JP2009278192A/ja
Priority to US12/424,862 priority patent/US8384606B2/en
Priority to EP09158591A priority patent/EP2164130A1/en
Priority to CN2009101405907A priority patent/CN101582533B/zh
Publication of JP2009278192A publication Critical patent/JP2009278192A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q23/00Antennas with active circuits or circuit elements integrated within them or attached to them
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q1/00Details of, or arrangements associated with, antennas
    • H01Q1/12Supports; Mounting means
    • H01Q1/22Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles
    • H01Q1/24Supports; Mounting means by structural association with other equipment or articles with receiving set
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q5/00Arrangements for simultaneous operation of antennas on two or more different wavebands, e.g. dual-band or multi-band arrangements
    • H01Q5/30Arrangements for providing operation on different wavebands
    • H01Q5/307Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way
    • H01Q5/314Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way using frequency dependent circuits or components, e.g. trap circuits or capacitors
    • H01Q5/328Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way using frequency dependent circuits or components, e.g. trap circuits or capacitors between a radiating element and ground
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q5/00Arrangements for simultaneous operation of antennas on two or more different wavebands, e.g. dual-band or multi-band arrangements
    • H01Q5/30Arrangements for providing operation on different wavebands
    • H01Q5/307Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way
    • H01Q5/314Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way using frequency dependent circuits or components, e.g. trap circuits or capacitors
    • H01Q5/335Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way using frequency dependent circuits or components, e.g. trap circuits or capacitors at the feed, e.g. for impedance matching
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q5/00Arrangements for simultaneous operation of antennas on two or more different wavebands, e.g. dual-band or multi-band arrangements
    • H01Q5/30Arrangements for providing operation on different wavebands
    • H01Q5/307Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way
    • H01Q5/342Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way for different propagation modes
    • H01Q5/357Individual or coupled radiating elements, each element being fed in an unspecified way for different propagation modes using a single feed point
    • H01Q5/364Creating multiple current paths
    • H01Q5/371Branching current paths
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01QANTENNAS, i.e. RADIO AERIALS
    • H01Q5/00Arrangements for simultaneous operation of antennas on two or more different wavebands, e.g. dual-band or multi-band arrangements
    • H01Q5/30Arrangements for providing operation on different wavebands
    • H01Q5/378Combination of fed elements with parasitic elements

Abstract

【課題】低周波数帯域において複数の共振モードに対応可能であり、構造が簡素なアンテナ装置及びそれを備える通信端末装置を提供する。
【解決手段】所定の低周波数帯域及び高周波数帯域の信号に対応可能なアンテナ素子と、給電端子部と、低周波数帯域を所定の帯域幅に広げるための第1及び第2帯域幅調整回路とを備えたアンテナ装置を提供する。第1及び第2帯域幅調整回路に含まれるキャパシタの容量及びインダクタのインダクタンスを適宜調整することにより、低周波数帯域の帯域幅を所定の幅に広げる。また、キャパシタ及び/又はインダクタで構成される第1及び第2帯域幅調整回路を用いることにより、アンテナ装置の構造をより簡素にすることができる。
【選択図】図3

Description

本発明は、アンテナ装置及び通信端末装置に関し、より詳細には、マルチバンド対応の単一給電方式のアンテナ装置及びそれを備える通信端末装置に関する。
現在、携帯電話で採用されている無線通信方式の一つにGSM(Global System for Mobile Communications)方式がある。GSM方式における利用周波数帯域は、例えば、850MHz帯、900MHz帯、1800MHz帯及び1900MHz帯などである。また、GSM方式以外では、UTMS(Universal Mobile Telecommunication System)が採用されており、UTMSの利用周波数帯域は2GHz帯である。
また、従来、上述した無線通信方式に対応可能な携帯電話端末等の無線通信端末装置が開発されている。このような無線通信端末装置では、複数の利用周波数帯域に対応可能な構成になっている。また、このような無線通信端末装置のアンテナ装置部においては、複数の周波数帯域に対応できるようにするために様々な構造が提案されている。その例を図33〜35に示す。
図33〜35に示したアンテナ装置部は、単一給電方式のアンテナ装置部である。また、図33〜35に示したアンテナ装置部は、低周波数帯域では、GSM方式の850MHz帯または900MHz帯に対応可能であり、高周波数帯域では、GSM方式の1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯に対応可能である。
図33に示したアンテナ装置部110は、短絡寄生素子付きのアンテナ装置部である(例えば、特許文献1参照)。アンテナ装置部110のアンテナ素子2は、図33に示すように、低周波数帯域用のアンテナ導体部72と、高周波数帯域用の2つのアンテナ導体部73及び74とを備える。高周波数帯域用アンテナ導体部74は、もう一方の高周波数帯域用アンテナ導体部73の外側に沿って形成され、その高周波数帯域用アンテナ導体部73とは電気的には接続されていない。このアンテナ装置部110は、高周波数帯域用アンテナ導体部73と、もう一方の高周波数帯域用アンテナ導体部74との容量結合を利用して、複数の高周波数帯域モードに対応可能にしている。なお、各対応周波数帯域の信号の波長をλとすると、各導体部の経路長はλ/4となるように調整されている。
また、図34に示したアンテナ装置部111は、GFスロットタイプ(接地部(Ground)とフィード(Feed)接続部との間にスロットが存在するタイプ)のアンテナ装置部である。このアンテナ装置部111のアンテナ素子2は、図34に示すように、低周波数帯域用のアンテナ導体部92と高周波数帯域用の2つのアンテナ導体部93及び94とを備える。このアンテナ装置111では、これらのアンテナ導体部は電気的に接続されている。そして、このアンテナ装置部111では、各アンテナ導体部の経路長を変えることにより、複数の周波数に対応している。
図35に示したアンテナ装置部81は、並列共振回路39で整合をとった2股エレメントタイプのアンテナ装置部である。このアンテナ装置部81のアンテナ素子2は、図35に示すように、2つのアンテナ導体部35及び36と、インダクタ37及びキャパシタ38を並列に接続した並列共振回路39とを備える。並列共振回路39の一方の端子は給電点3とアンテナ導体部35及び36とを繋ぐフィード線11に接続され、他方の端子はショート線10により接地されている。
図35に示したアンテナ装置部81では、インダクタ37及びキャパシタ38からなる並列共振回路39を設けることにより複数の高周波数帯域モードに対応している。具体的には、周波数の低い方の高周波数帯域モードに対しては、並列共振回路39内のインダクタ37のみが実質的に作用するように並列共振回路39が設計されている。また、周波数の高い方の高周波数帯域モードに対しては、並列共振回路39内のキャパシタ38のみが実質的に作用するように並列共振回路39が設計されている。
図33〜35に示したアンテナ装置部の周波数特性には、いずれも、低周波数帯域と高周波数帯域が存在する。高周波数帯域は、1800MHz、1900MHz及び2GHzの周波数帯域の3つのモードからなるので広帯域特性となる。一方、低周波数帯域は、850MHz(または900MHz)の単一モードから構成されるので狭帯域特性となる。
また、従来、低周波数帯域においても複数の周波数帯域に対応可能な種々のアンテナ装置部が提案されている(特許文献2、3及び非特許文献1参照)。
特許文献2には、誘電体共振器型のアンテナ装置部が提案されており、このアンテナ装置部では、高誘電体材料を用いることにより低周波数帯域を2共振特性にして広帯域特性を得ている。
特許文献3には、チューナブルアンテナと呼ばれるアンテナ装置部が提案されている。このアンテナ装置部は、周波数帯域の切り替えスイッチを備えており、この切り替えスイッチにより、低周波数帯域の2つのモードに対応している。
また、非特許文献1には、積層型のアンテナ装置部が提案されており、このアンテナ装置部では、2つのアンテナ導体部を貼り合せて2層構造にすることにより、低周波数帯域で広帯域特性を得ている。
特表2006−527949号公報 特表2005−521315号公報 再表2004−047223号公報 A Brief Survey of Internal antennas in GSM phone 1998 to 2005(Corbett Roewll, Hong Kong)
上述のように、特許文献2及び3並びに非特許文献1では、複数の低周波数帯域に対応可能な種々のアンテナ装置部が提案されている。しかしながら、これらのアンテナ装置部はいずれもその構造が複雑であるという問題がある。
また、特許文献2で提案されているアンテナ装置では、高価な高誘電体材料を用いるのでコストが高くなるという問題がある。さらに、構造が複雑であるので、設計も複雑になるという問題もある。
また、特許文献3で提案されているアンテナ装置では、周波数帯域を切り替える切替スイッチを備えているので、高コスト及び高消費電力という問題がある。また、切替スイッチにより高周波信号に歪みが生じることもある。
さらに、非特許文献1で提案されているアンテナ装置は2つのアンテナ導体部を貼り合せるような構造であるので、貼り合せ精度を高くする必要があり量産性に問題がある。
上述のように、特許文献2及び3並びに非特許文献1で提案されているアンテナ装置部では、構造が複雑であるとともに、高コスト、低量産性といった問題もある。
そこで、比較的構造が簡素である図33〜35に示すような低周波数帯域が単一共振モードのアンテナ装置部においても、850MHz帯及び900MHz帯の両帯域への対応が望まれている。また、これらのアンテナ装置部は設計上の制約から一般に持ち手の影響(電磁波が人体に吸収され放射効率が低下するなど)を受けやすい位置に実装される場合もある。このような持ち手の影響の観点からも、図33〜35に示したようなアンテナ装置部において、低周波数帯域を広くすることが望まれている。
図33〜35に示すようなアンテナ装置部において低周波数帯域を広くするには、例えばアンテナ装置部内でGND(Ground)とする地導体の長さを長くする方法や、アンテナ素子の体積を大きくする方法などが考えられる。しかしながら、これらの方法は、例えば通信端末装置の小型化の要請などから物理的に制限を受ける。
また、特許文献2及び3並びに非特許文献1に記載されているアンテナ装置部の構造や設計手法等は、図33〜35に示したアンテナ装置部のそれと根本的に異なる。それゆえ、特許文献2及び3並びに非特許文献1に記載されている技術を図33〜35に示すようなアンテナ装置部に適用することは技術的に困難である。
本発明は上記問題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、複数の低周波数帯域に対応可能であり、構造がより簡素な単一給電方式のアンテナ装置及びそれを備えた通信端末装置を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明のアンテナ装置は、所定の第1周波数帯域及び該第1周波数帯域より高い周波数の第2周波数帯域の無線信号を送受信するアンテナ素子と、給電端子部とを備える構成とした。また、本発明のアンテナ装置は、第1周波数帯域の帯域幅を所定の帯域幅に広げるための第1及び第2帯域幅調整回路を備える構成とした。また、第1帯域幅調整回路は、第1キャパシタを含み、第1キャパシタの一方の端子がアンテナ素子に接続され且つ他方の端子が接地されている構成とした。なお、第1キャパシタの容量は第1周波数帯域の所定の帯域幅に応じて所定の値に設定されており、第1キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第1キャパシタの容量が所定の値に設定されている。また、第2帯域幅調整回路は、第2キャパシタ、第3キャパシタ及び第1インダクタを含む構成とした。そして、第2帯域幅調整回路では、第2キャパシタの一方の端子がアンテナ素子に接続され且つ他方の端子が給電端子部に接続されている構成とした。また、第2帯域幅調整回路では、第3キャパシタ及び第1インダクタが直列に接続されて第1共振回路を構成し、第1共振回路の一方の端子が給電端子部に接続され且つ他方の端子が接地されている構成とした。なお、第2及び第3キャパシタの容量及び第1インダクタのインダクタンスが第1周波数帯域の所定の帯域幅に応じてそれぞれ所定の値に設定されている。また、第2キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第2キャパシタの容量が所定の値に設定されている。さらに、第1共振回路が第2周波数帯域の信号に対して略開放状態となるように第3キャパシタの容量及び第1インダクタのインダクタンスがそれぞれ所定の値に設定されている。
なお、本明細書でいう「略短絡状態」とは、回路のリアクタンスが0となる場合だけでなく、回路のリアクタンスが無視できるほど小さくなり、実質的に回路が短絡状態に等しい状態であるとみなせる場合も含む意味である。また、本明細書でいう「略開放状態」とは、回路が完全に開放状態にある場合だけでなく、回路のリアクタンスが非常に大きくなり、実質的に回路が開放状態に等しい状態であるとみなせる場合も含む意味である。
本発明のアンテナ装置では、第1〜第3キャパシタ並びに第1インダクタのリアクタンスを適宜調整することにより、第1周波数帯域の帯域幅を広げて所望の帯域幅にする。この設計原理については、後に詳述する。
また、第1及び第2キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第1及び第2キャパシタの容量を設定する。さらに、第2帯域幅調整回路内の第1共振回路が第2周波数帯域の信号に対して略開放状態となるように、第3キャパシタの容量並びに第1インダクタのリアクタンスを設定する。それゆえ、第2周波数帯域内の周波数の信号がアンテナ装置部に入力された際には、アンテナ装置の構成は、アンテナ素子がショート線により直接接地され且つフィード線により給電端子部に直接接続されている構成とほぼ同じになる。すなわち、本発明のアンテナ装置の構成は、第2周波数帯域内の周波数の信号に対しては従来のアンテナ装置(例えば、図33〜35のアンテナ装置)とほぼ同じ構成となる。その結果、本発明のアンテナ装置の第2周波数帯域の周波数特性は、ほぼ従来と同様の特性が得られ、良好な特性が維持される。
従って、本発明のアンテナ装置よれば、第1〜第3キャパシタの容量及び第1インダクタのリアクタンスを適宜調整することにより、アンテナ装置の第2周波数帯域の特性を従来同様の良好な特性に保ちつつ第1周波数帯域の帯域幅を所定の幅に広げることができる。
また、上記課題を解決するために、本発明の通信端末装置は、所定の第1周波数帯域及び該第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の無線信号を送受信するアンテナ素子と、給電端子部とを備える構成とした。また、本発明の通信端末装置は、第1周波数帯域の帯域幅を所定の帯域幅に広げるための第1及び第2帯域幅調整回路を備える構成とした。さらに、本発明の通信端末装置は、アンテナ素子で送受信される無線信号を変復調する通信回路を備える構成とした。
すなわち、本発明の通信端末装置は、上述した本発明のアンテナ装置を備える構成とした。それゆえ、本発明の通信端末装置によれば、第2周波数帯域(高周波数側の帯域)の特性を良好に保ちつつ広帯域の第1周波数帯域(低周波数側の帯域)を有する通信端末装置を提供することができる。
上述のように、本発明のアンテナ装置では、第1及び第2帯域幅調整回路を構成するキャパシタの容量及びインダクタのリアクタンスを適宜調整することにより第1周波数帯域(低周波数側の周波数帯域)の帯域幅を所望の帯域幅に広げることができる。それゆえ、本発明によれば、低周波数側の周波数帯域において、複数の周波数帯域に対応可能なアンテナ装置及び通信端末装置を提供することができる。
また、本発明のアンテナ装置は、キャパシタ及び/又はインダクタからなる第1及び第2帯域幅調整回路をそれぞれ、アンテナ素子と接地点との間、及び、アンテナ素子と給電端子部との間に設けただけの構成である。それゆえ、本発明によれば、アンテナ装置及び通信端末装置の構成をより簡易な構成にすることができる。
以下に、本発明の実施形態の例を、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
[第1の実施形態]
本発明の第1の実施形態に係る通信端末装置及びそれに含まれるアンテナ装置部(アンテナ装置)を、図1〜図25を参照しながら以下に説明する。
[通信端末装置の構成]
まず、本実施形態に係る通信端末装置の構成について説明する。なお、本実施形態では、通信端末装置として、移動通信端末を用いた例を説明する。ただし、ここでいう移動通信端末は、いわゆる携帯電話端末と称されるものであり、無線電話用の基地局と無線通信を行う端末装置である。本実施形態のアンテナ装置部1を搭載した移動通信端末のブロック構成図を図1に示す。
移動通信端末21は、図1に示すように、アンテナ装置部1と、アンテナ装置部1と接続されたRF(Radio Frequency)回路22(通信回路)と、RF回路22に接続された無線制御部23とを備える。また、移動通信端末21は、制御部24と、インターフェイス制御部25と、記憶部26と、データ操作部27と、表示部28とを備える。さらに、移動通信端末21は、動画及び静止画を撮影することができるカメラ29と、通話時の音声を出力するためのスピーカ30と、通話時の音声を吸音するためのマイクロフォン31とを備える。
また、移動通信端末21は、図1に示すように、制御ライン32を備える。制御ライン32は、これに接続されている各部を制御する信号を流す信号線である。移動通信端末21内の各部は、図1に示すように、制御ライン32を通じて制御部24と接続されており、各部の処理動作は制御部24により制御される。なお、図1には示していないが、移動通信端末21は電源部を備えており、電源部から各部に電力が供給されている。
RF回路22は、アンテナ装置部1で送受信される無線信号の変復調を行う回路である。そして、無線制御部23は、RF回路22での無線信号の変復調処理を制御する。
制御部24は、例えばCPU(Central Processing Unit)等の演算制御装置からなり、移動通信端末21を構成する各部を制御する。また、インターフェイス制御部25は、外部機器とのデータ転送を制御する。
記憶部26は、フラッシュメモリ(半導体メモリ)等の不揮発性メモリから構成される。記憶部26には、電話帳やスケジュール、メールメッセージ、動画、静止画、音楽、アプリケーションソフトウェア、ブックマーク、ウェブページ等の様々なデータ及びコンピュータプログラムが格納される。
データ操作部27は、ジョグダイアルやキーパッドなどから構成される。データ操作部27では、電話番号やメール文などの入力操作、各種モードの設定操作などの入力操作信号を入力することができる。また、表示部28は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などで構成される。
[アンテナ装置部の構成]
次に、本実施形態のアンテナ装置部1の構成について説明する。本実施形態のアンテナ装置部1は、マルチバンド対応可能な単一給電方式のアンテナ装置部であり、その構成を図2に示した。アンテナ装置部1は、図2に示すように、アンテナ素子2と、給電端子部3(以下、給電点3ともいう)と、第1帯域幅調整回路4と、第2帯域幅調整回路5とを備える。
第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5は、後述するように、低周波数帯域(第1周波数帯域)の帯域幅を所定の帯域幅に広げるための回路である。第1帯域幅調整回路4は、図2に示しように、アンテナ素子2と接地点20とをつなぐショート線10の途中に設けた。また、第2帯域幅調整回路5は、アンテナ素子2と給電点3とをつなぐフィード線11の途中に設けた。なお、フィード線11は50オーム系のストリップラインで形成した。
アンテナ装置部1のより詳細な構成図を図3に示した。本実施形態では、図3に示すように、第1帯域幅調整回路4を容量C1のキャパシタ(以下では、第1キャパシタ4ともいう)で構成した。また、第1キャパシタ4の一方の端子をアンテナ素子2に接続し、他方の端子を接地した。
また、本実施形態では、図3に示すように、第2帯域幅調整回路5を、容量C2のキャパシタ6(以下、第2キャパシタ6ともいう)と、容量C3のキャパシタ7(以下、第3キャパシタ7ともいう)と、インダクタンスL1のインダクタ8(以下、第1インダクタ8ともいう)とから構成した。また、第2帯域幅調整回路5内では、第3キャパシタ7と第1インダクタ8とを直列に接続して直列共振回路9(第1共振回路)を構成した。
また、第2帯域幅調整回路5では、図3に示すように、第2キャパシタ6の一方の端子をアンテナ素子2に接続し、他方の端子を給電点3に接続した。また、直列共振回路9の一方の端子を第2キャパシタ6と給電点3とをつなぐフィード線11に接続し、他方の端子を接地した。すなわち、本実施形態では、直列共振回路9を第2キャパシタ6より給電点3側の位置に設けた。
なお、第1キャパシタ4の容量C1、第2キャパシタ6の容量C2、第3キャパシタ7の容量C3及び第1インダクタ8のインダクタンスL1は、アンテナ装置部1に必要な周波数特性に応じて適宜設定する。具体的には、以下のような定性的な条件(1)〜(3)を全て満たすように、第1キャパシタ4の容量C1、第2キャパシタ6の容量C2、第3キャパシタ7の容量C3及び第1インダクタ8のインダクタンスL1を設定する。なお、設計原理は後で詳述する。
(1)低周波数帯域(第1周波数帯域)で必要とする帯域幅に応じて、第1キャパシタ4の容量C1、第2キャパシタ6の容量C2、第3キャパシタ7の容量C3及び第1インダクタ8のインダクタンスL1を設定する。
(2)第1キャパシタ4及び第2キャパシタ6が高周波数帯域(第2周波数帯域)の信号に対して略短絡状態となるように、第1キャパシタ4の容量C1及び第1キャパシタ6の容量C2を設定する。
(3)第2帯域調整回路5内の直列共振回路9が高周波数帯域の信号に対して略開放状態となるように、第3キャパシタ7の容量C3及び第1インダクタ8のインダクタンスL1を設定する。
なお、アンテナ装置部1の接地点20は、移動通信端末21内の回路基板(不図示)の接地点に板バネなどを介して接続されている。また、アンテナ装置部1の給電点3は、RF回路22からスイッチを介して形成されている50オーム系のストリップ線路(不図示)に、板バネ等を介して接続されている。
次に、本実施形態のアンテナ装置部の具体例を説明する。この具体例では、本実施形態のアンテナ装置部の構成を、図35に示したアンテナ装置部(並列共振回路で整合をとった2股エレメントタイプのアンテナ装置)に適用した例を説明する。なお、この例では、低周波数帯域ではGSMの850MHz帯及び900MHz帯に対応可能であり、高周波数帯域ではGSMの1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯に対応可能であるアンテナ装置部について説明する。
この例のアンテナ装置部1の概略構成を図4に示した。また、この例のアンテナ装置部1では、第1キャパシタ4の容量C1を20pFとし、第2キャパシタ6の容量C2を27pFとした。また、第3キャパシタ7の容量C3を2pFとし、第1インダクタ8のインダクタンスL1を10nHとした。
また、この例で用いたアンテナ素子2は、図4に示すように、2つのアンテナ導体部35及び36と、インダクタ37及びキャパシタ38を並列に接続した共振回路39とを備える。
アンテナ導体部35及び36はフィード線11により第2帯域幅調整回路5内の第2キャパシタ6に接続されている。そして、並列共振回路39の一方の端子はアンテナ導体部35及び36と第2キャパシタ6とを繋ぐフィード線11に接続され、他方の端子は第1キャパシタ4に接続されている。
なお、図4に示したアンテナ装置部1では、インダクタ37及びキャパシタ38からなる並列共振回路39により複数の高周波数帯域モードに対応している。具体的に説明すると、周波数の低い方の高周波数帯域モードに対しては、並列共振回路39内のインダクタ38のみが実質的に作用し、周波数の高い方の高周波数帯域モードに対しては、並列共振回路39内のキャパシタ37のみが実質的に作用するように並列共振回路39が設計されている。
また、この例のアンテナ素子2では、低周波数帯域の共振モードがGSMの850MHz帯となるようにアンテナ導体部36の経路長を設計した。これは、以下の理由によるものである。本発明のアンテナ装置部では、後述するように、低周波数帯域を高周波数側に広げることができる。それゆえ、図33〜35に示すような単一低周波数モードに対応したアンテナ装置部に本発明を適用する場合には、アンテナ素子の低周波数帯域の共振モードを、アンテナ装置部で対応する複数の低周波数モードのうち最も低い周波数モードに合わせることが好ましい。
なお、低周波数帯域の共振モードがGSMの900MHz帯であるようなアンテナ装置部に本発明を適用する場合には、低周波数帯域用のアンテナ導体部の経路に迂回経路を形成してアンテナ導体部の経路長を長くする工夫が必要となる。アンテナ導体部の経路に迂回経路を形成する方法としては、例えば、低周波数帯域用のアンテナ導体部の経路中にスリット、メアンダ状線路または直列インダクタを付加する方法等が考えられる。
[周波数特性]
次に、この例のアンテナ装置部1の周波数特性を調べた。具体的には、給電点3からアンテナ素子2側を見たときのアンテナ装置部1のインピーダンス特性とそれに対応するアンテナ特性を調べた。その結果を図5及び6に示した。図5は給電点3からアンテナ素子2側を見たときのアンテナ装置部1のインピーダンスの軌跡を表したスミスチャートである。また、図6のアンテナ特性は、アンテナ装置部1の給電点3における反射量の変化を示した特性であり、横軸には周波数、縦軸には電圧定在波比(VSWR)を取った。なお、給電点3での反射が小さい(整合性が良好)ほど、VSWRは小さくなる。
図5から明らかなように、この例のアンテナ装置部1では、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100(図5中の太実線)が、軌跡101とほぼ同様に、スミスチャートの中心(50オーム)付近に存在している。なお、図5に示した太実線部分の周波数範囲は、GSMの850MHz帯及び900MHz帯の両帯域に対応するために必要な824MHz〜960MHzの周波数範囲である。また、図6から明らかなように、低周波数帯域(824MHz〜960MHz)でVSWRが約2.5〜3.5となり、VRWRが十分に改善されていることが分かる。
これらの結果から、この例のアンテナ装置部1では、図4に示すような第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5を設けることにより、所望の低周波数帯域で十分な整合性が得られることが分かる。また、この例のアンテナ装置部1で用いたアンテナ素子2は、上述したように、低周波数帯域では850MHz帯の共振モードのみに対応可能な構造である。それゆえ、図6の結果から、この例のアンテナ装置部1では、第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5を設けることにより、低周波数帯域が高周波数側に広がっていることが分かる。
また、図5から明らかなように、この例のアンテナ装置部1では、高周波数帯域のインピーダンスの軌跡101(図5中の太破線)がスミスチャートの中心(50オーム)付近に存在している。なお、図5に示した太破線部分の周波数範囲は、GSMの1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯に対応するために必要な1.71GHz〜2.17GHzの周波数範囲である。また、図6から明らかなように、高周波数帯域(1.71GHz〜2.17GHz)でVRWRが十分に改善されていることが分かる。これらの結果から、この例のアンテナ装置部1では、高周波数帯域においても良好な整合性が得られていることが分かる。
上述のように、本実施形態のアンテナ装置部1では、低周波数帯域の帯域幅を所望の幅に広げることができ、高周波数帯域だけでなく低周波数帯域においても複数の共振モード(850MHz帯及び900MHz帯)に対応することができる。
[比較例]
ここで、図4に示した本実施形態のアンテナ装置部1の具体例における第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5の作用及び効果をより明確にするために、具体例のアンテナ装置部1の周波数特性(図5及び6)を、第1及び第2帯域調整回路を備えないアンテナ装置部の周波数特性と比較する。すなわち、具体例のアンテナ装置部1の周波数特性と、図35に示したアンテナ装置部81(以下では、比較例のアンテナ装置部81ともいう)の周波数特性を比較する。この比較例のアンテナ装置部81の構成は、第1及び第2帯域調整回路を備えないこと以外は、具体例のアンテナ装置部1と同様の構成とした。
比較例のアンテナ装置部81の周波数特性を図7及び8に示した。図7はアンテナ装置部81の周波数に対するインピーダンスの軌跡を表したスミスチャートである。また、図8は、アンテナ装置部81のアンテナ特性であり、横軸には周波数、縦軸には電圧定在波比(VSWR)を取った。
具体例及び比較例のインピーダンス特性(図5及び7)において、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100を比較すると、両者ともスミスチャートの中央(50オーム)付近で変化しており、ともに十分な整合性が得られていることが分かる。また、具体例及び比較例のアンテナ特性(図6及び8)において、低周波数帯域の特性を比較すると、具体例の低周波数帯域の帯域幅が比較例のそれより高周波数側に広がっていることが分かる。これらのことから、具体例のように第1及び第2帯域幅調整回路4及び5を設けることにより、低周波数帯域で十分な整合性を得ながら、その帯域幅を高周波数側に広げることができることが分かる。
また、具体例及び比較例のインピーダンス特性(図5及び7)において、高周波数帯域のインピーダンスの軌跡101を比較すると、両者ともスミスチャートの中央(50オーム)付近で変化しており、ともに十分な整合性が得られていることが分かる。また、具体例及び比較例のアンテナ特性(図6及び8)において、高周波数帯域(1.71GHz〜2.17GHz)の特性を比較すると、両者とも、高周波数帯域で十分VSWRが低減されている。これらのことから、高周波数帯域の信号に対して、具体例のアンテナ装置部1と比較例のアンテナ装置部81とが実質的に同様の構成になっていることが分かる。すなわち、具体例のアンテナ装置部1内の第1キャパシタ4(第1帯域幅調整回路)及び第2帯域幅調整回路5内の第2キャパシタ6が高周波数帯域の信号に対して略短絡状態となり、第2帯域幅調整回路5内の直列共振回路9が高周波数帯域の信号に対して略開放状態となっていることが分かる。
[設計原理]
次に、上記具体例のアンテナ装置部1の設計原理を図5〜25を参照しながら説明する。具体的には、上述した比較例のアンテナ装置部81の構成から具体例のアンテナ装置部1の構成に至る設計手順を説明する。
なお、以下で説明するアンテナ装置部のインピーダンス特性(スミスチャート)は、給電点3からアンテナ素子2側を見たときのアンテナ装置部の周波数に対するインピーダンスの軌跡を表したスミスチャートである。また、以下で説明するアンテナ特性もまた、アンテナ装置部の給電点における反射量(VSWR)の変化を示した特性である。
まず、第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5を備えない構成の従来のアンテナ装置部(比較例のアンテナ装置部81)を考える。このアンテナ装置部81の概略構成を図9に示した。図9に示したアンテナ装置部81では、アンテナ素子2は、ショート線10により直接接地され且つフィード線11により給電点3に直接接続された構成となる。
なお、図9のアンテナ装置部81のアンテナ素子2は、低周波数帯域ではGSMの850MHz帯に対応可能に設計されているものとする。これは、上述したように、本発明のアンテナ装置部では、低周波数帯域の帯域幅が高周波数側に広がるためである。また、図9のアンテナ装置部81のアンテナ素子2は、高周波数帯域ではGSMの1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯に対応可能となるように設計されているものとする。
図9に示したアンテナ装置部81のインピーダンス特性及びアンテナ特性は、それぞれ上記比較例で説明した図7及び8となる。図8のアンテナ特性から明らかなように、このアンテナ装置部81では、低周波数帯域は単一モード(850MHz帯)の狭帯域特性となる。一方、高周波数帯域はGSMの1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯の各モードが重なるので広帯域特性となる。
次に、図9に示したアンテナ装置部81の構成において、容量C1の第1キャパシタ4をアンテナ素子2と接地点20とを繋ぐショート線10の途中に設けたアンテナ装置部を考える。そのアンテナ装置部の概略構成を図10に示した。
図10に示したアンテナ装置部82は、ショート線10に第1キャパシタ4を直列に接続した構成となる。ただし、第1キャパシタ4の容量C1は、第1キャパシタ4が高周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように設定する。すなわち、高周波数帯域の信号に対しては、アンテナ装置部82の構成が、第1キャパシタ4を備えない構成(図9のアンテナ装置部81の構成)と実質同じになるように、第1キャパシタ4の容量C1を設定する。
上述のような構成のアンテナ装置部82のインピーダンス特性及びアンテナ特性をそれぞれ図11及び12に示した。なお、図11及び12の特性は、第1キャパシタ4の容量C1を20pFとした場合の特性であり、図11中の太線部分の軌跡100は低周波数帯域(824MHz〜960MHz)のインピーダンスの軌跡である。
図11と図7のスミスチャートを比較すると、図11と図7の高周波数帯域(1.71GHz〜2.17GHz)のインピーダンスの軌跡101は、ほぼ同じ軌跡になっていることが分かる。また、図12と図8のアンテナ特性を比較すると、図12と図8の高周波数帯域の特性がほぼ同じになっていることが分かる。これらのことから、高周波数帯域の信号に対して、アンテナ装置部82の構成は、図9に示したアンテナ装置部81とほぼ同じ構成となっており、アンテナ装置部82の第1キャパシタ4が高周波数帯域の信号に対して略短絡状態となっていることが分かる。
一方、図11と図7において低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100を比較すると、図7では低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100がスミスチャートの中央近傍にあったが、図11では、その軌跡100はスミスチャート上で左上方に移動している。また、図12と図8のアンテナ特性を比較すると、図12の低周波数帯域のVSWRが図8の特性に比べて大きくなっていることが分かる。これらの結果から、図10のアンテナ装置部82では、図9のアンテナ装置部81に比べて低周波数帯域の整合性が劣化していることが分かる。すなわち、図10に示すような構成のアンテナ装置部82では、高周波数帯域の周波数特性は良好に維持できるが、低周波数帯域で良好な特性が得られなくなる。
ここで、図10に示したアンテナ装置部82において、図11及び12に示すような周波数特性が得られる理由を図13〜15を用いてより詳細に説明する。
図13は、図9に示したアンテナ装置部81(比較例のアンテナ装置部)の等価回路図である。図9に示したアンテナ装置部81の等価回路では、ショート線10がインダクタZbとして表され、そのインダクタZbは、アンテナ素子2の等価回路Za(直列共振回路)と並列に接続された回路となる。
ショート線10のインダクタンスは、ショート線10の長さにより変化する。それゆえ、ショート線10の長さを変えると、給電点3からアンテナ素子2側をみたときのインピーダンスZimpも変化し、スミスチャート上のZimpの軌跡も変化する。その様子を示したのが、図14である。ショート線10の長さを短くすると、図14に示すように、インピーダンスZimpの軌跡は、その円弧状の軌跡の径を小さくしながらスミスチャート中央(太線部)から左上方(破線部)に移動する。
上述したショート線10の長さとインピーダンス特性との関係を考慮した上で、図10に示したアンテナ装置部82に付加した第1キャパシタ4の作用を考える。キャパシタのリアクタンス(1/ωC)の周波数特性は、図15に示すような特性になる。図15では、横軸に周波数、縦軸にリアクタンスをとった。キャパシタのリアクタンスは、図15に示すように、高周波数の信号に対して小さくなる。ここでは、高周波数帯域の信号に対して第1キャパシタ4が略短絡状態となるように設定しているので、第1キャパシタ4のリアクタンスは高周波数帯域で非常に小さくなる。それに対して、低周波数帯域の信号は第1キャパシタ4のリアクタンスの影響を受ける。
すなわち、図10に示したアンテナ装置部82の第1キャパシタ4は、高周波数帯域の信号に対しては略短絡状態となるので、ショート線10の長さは実質的に変化しない状態となる。それゆえ、図10に示したアンテナ装置部82では、高周波数帯域のインピーダンスの軌跡101は、図11に示すように、中央からほぼ移動しない。
一方、図10に示したアンテナ装置部82の第1キャパシタ4は、低周波数帯域の信号に対してはキャパシタとして作用しているので、ショート線10の長さは実質的に短くなった状態となる。それゆえ、アンテナ装置部82では、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100は、図11に示すように、左上方に移動する(整合性が劣化する)。
次に、図10に示したアンテナ装置部82の構成において、アンテナ素子2と給電点3との間にさらに、容量C2の第2キャパシタ6を直列に挿入したアンテナ装置部を考える。そのアンテナ装置部の概略構成を図16に示した。第2キャパシタ6は、低周波数帯域のインピーダンス特性を微調整するために設けたものである。具体的には、スミスチャート上で、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡(円弧状の軌跡)の中心位置を調整するものである。ただし、第2キャパシタ6の容量C2は、第2キャパシタ6が、第1キャパシタ4と同様に、高周波数帯域の信号に対しては略短絡状態となるように設定される。
図16に示したアンテナ装置部83のインピーダンス特性及びアンテナ特性をそれぞれ図17及び図18に示した。なお、図17及び図18の特性は、第1キャパシタ4の容量C1を20pFとし、第2キャパシタ6の容量C2を27pFとした場合の特性である。
図17と図11のインピーダンス特性を比較すると、第2キャパシタ6を設けたことにより、低周波数帯域のインピーダンスの円弧状の軌跡100の中心位置が若干変化するとともに、軌跡100の径も若干大きくなることが分かる。一方、高周波数帯域のインピーダンスの軌跡101は図17と図11とで、ほぼ同じ軌跡が得られている。
また、図18と図12のアンテナ特性を比較すると、図18の特性の低周波数帯域では、図12の特性に比べて若干VSWRが若干小さくなるが、高周波数帯域ではほぼ同じ特性が得られている。図18及び12の結果から、高周波数帯域の信号に対して、アンテナ装置部83の構成は、図10に示したアンテナ装置部82とほぼ同じ構成となっており、アンテナ装置部83の第2キャパシタ6が高周波数帯域の信号に対して略短絡状態となっていることが分かる。
上述のように、図16に示したアンテナ装置部83では、高周波数帯域で広帯域で良好な特性を維持することができるが、低周波数帯域では狭帯域となっている。そこで、次に、図16に示したアンテナ装置部83において、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡をスミスチャートの中央に移動させて帯域幅を広げるような構成を考える。そのアンテナ装置部の構成を図19に示した。
図19に示したアンテナ装置部84では、図16に示したアンテナ装置部83の構成にさらに、容量C3の第3キャパシタ7を設けた。具体的には、図19に示すように、第3キャパシタ7の一方の端子を第2キャパシタ6と給電点3とを繋ぐフィード線11に接続し、他方の端子を接地した。
第3キャパシタ7の容量C3は、必要とする低周波数帯域の帯域幅に応じて適宜設定される。ここでは、824MHz〜960MHzの低位周波数帯域でVSRWが2.5〜3.5となるようにするために、第3キャパシタ7の容量C3を6pFとした。なお、第1キャパシタ4の容量C1は20pFとし、第2キャパシタ6の容量C2は27pFとした。この場合のアンテナ装置部84のインピーダンス特性及びアンテナ特性をそれぞれ図20及び21に示した。
図20の特性から明らかなように、図19に示したアンテナ装置部84では、第3キャパシタ7を設けることにより、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100がスミスチャートの中央に移動することが分かる。また、図21の特性から明らかなように、所望の低周波数帯域(824MHz〜960MHz)でVSWRが2.5〜3.5となっていることが分かる。
さらに、図21と図18のアンテナ特性を比較すると、図19に示したアンテナ装置部84では、低周波数帯域の帯域幅が広がっていることが分かる。また、図21と図18の特性の比較から、図19に示したアンテナ装置部84では、第3キャパシタ7を設けることにより、低周波数帯域が高周波数側に広がることが分かる。
しかしながら、図20及び21の結果から明らかなように、図19に示したアンテナ装置部84では、高周波数帯域の整合性が劣化する。これは、第3キャパシタ7が高周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるためである。
次に、図19に示したアンテナ装置部84において、低周波数帯域の良好な特性を維持しながら高周波数帯域の整合性を向上させる構成を考える。その構成が上記本実施形態で説明した図3及び4のアンテナ装置部1である。すなわち、図19に示したアンテナ装置部84において、高周波数帯域の整合性を向上させるために、第3キャパシタ7と直列にインダクタンスL1の第1インダクタ8を接続した。
ただし、図3に示したアンテナ装置部1の第3キャパシタ7と第1インダクタ8とからなる直列共振回路9と、図19に示したアンテナ装置部84の第3キャパシタ7とでは、低周波数帯域の信号に対するリアクタンス特性は異なる。それゆえ、図3に示したアンテナ装置部1では、低周波数帯域の所望の帯域幅(824MHz〜960MHz)でVSWRが2.5〜3.5となるように、再度、第3キャパシタ7の容量C3と第1インダクタ8のインダクタンスL1を設定する。
図3のアンテナ装置部1中の第3キャパシタ7と第1インダクタ8とからなる直列共振回路9のリアクタンス特性は図22のようになる。図22には、第3キャパシタ7の容量C3と第1インダクタ8のインダクタンスL1との組み合わせを変えたときの直列共振回路9のリアクタンス特性を示した。具体的には、図22には、C3=1.2pFとし、L1=20nHとした場合(図22中の破線の特性)、及び、C3=2pFとし、L1=12nHとした場合(図22中の実践の特性)の特性を示した。また、比較のため、C3=6pFとしL1=0nHとし、第3キャパシタのみの構成とした場合(図19のアンテナ装置部の場合)の特性も図22中に示した(図22中の一点鎖線の特性)。
第1インダクタ8を備えない場合(第3キャパシタのみの構成の場合)には、図22の一点鎖線の特性に示されているように、高周波数帯域(1.71〜2.17GHz)ではリアクタンスが非常に小さくなり略短絡状態となる。
しかしながら、所定のインダクタンスを有する第1インダクタ8を第3キャパシタ7に直列接続した場合には、図22の実線及び破線の特性に示されているように、高周波数帯域のリアクタンスが大きくなり短絡状態でなくなる。特に、第3キャパシタ7の容量C3=1.2pFとし、第1インダクタ8のインダクタンスL1=20nHとした場合(図22中の破線特性)には、高周波数帯域で直列共振回路9のリアクタンスが約140オーム以上となり、直列共振回路9が略開放状態となる。
ただし、高周波数帯域で直列共振回路9が略開放状態となる場合であっても、第3キャパシタ7の容量C3と第1インダクタ8のインダクタンスL1との組み合わせによっては、リアクタンスの変化率(リアクタンス特性の傾き)が大きくなる。この場合、低周波数帯域及び高周波数帯域の両端周波数でのリアクタンスの差が大きくなるので、低周波数帯域及び高周波数帯域の全域に渡って所望の特性が得られなくなる場合もある。その一例を図23及び24に示す。
図23及び24は、図3に示したアンテナ装置部1の構成において、第3キャパシタ7の容量C3=1.2pFとし、第1インダクタ8のインダクタンスL1=20nHとした場合のインピーダンス特性及びアンテナ特性である。
図23と図5のインピーダンス特性を比較すると、図23の低周波数帯域でのインピーダンスの軌跡100(太実線)の両端(黒丸点)が、図5の軌跡に比べて、スミスチャートの中央から離れていることが分かる。また、図24と図6のアンテナ特性を比べると、高周波数帯域の特性は、両者とも良好であるが、低周波数帯域では、帯域幅が図24の特性の方が若干は狭くなっていることが分かる。
図23及び24の結果から、図3に示したアンテナ装置部1の構成において、第3キャパシタ7の容量C3=1.2pFとし、第1インダクタ8のインダクタンスL1=20nHとした場合には、低周波数帯域の両端周波数近傍で整合性が劣化していることが分かる。これは、直列共振回路9の低周波数帯域でのリアクタンス特性の変動が大きくなり、低周波数帯域の両端周波数でのリアクタンスの差が大きくなったためであると考えられる。
それゆえ、図3に示したアンテナ装置部1の構成において、第3キャパシタ7の容量C3と第1インダクタ8のインダクタンスL1との組み合わせを設定する際には、低周波数帯域及び高周波数帯域の両端周波数でのリアクタンスの差ができるだけ小さくなるように容量C3とインダクタンスL1との組み合わせを設定することが望ましい。
すなわち、高周波数帯域で直列共振回路9が略開放状態となり、且つ、低周波数帯域及び高周波数帯域の両端周波数における直列共振回路9のリアクタンスの差ができるだけ小さくなるように、直列共振回路9を適宜設計する必要がある。これらのことを考慮して、本実施形態の具体例では、直列共振回路9を構成する第3キャパシタ7の容量C3=2pFとし、第1インダクタ8のインダクタンスL1=10nHとした。この場合、図5及び6に示すように、低周波数帯域の良好な特性を保ったまま高周波数帯域の特性を改善することができる。
上記設計原理から明らかなように、本実施形態のアンテナ装置部1は、低周波数帯域の信号に対する構成と、高周波数帯域の信号に対する構成とが異なる。それを示したのが図25(a)及び25(b)である。低周波数帯域の信号に対しては、本実施形態のアンテナ装置部1は、図25(a)に示すように、第1キャパシタ4、第2キャパシタ6及び直列共振回路9を備えた構成となる。一方、高周波数帯域の信号に対しては、本実施形態のアンテナ装置部1は、図25(b)に示すように、第1キャパシタ4及び第2キャパシタ6が略短絡状態となり、直列共振回路9が略開放状態となる。
上述のようにして、本実施形態のアンテナ装置部では、アンテナ素子の外部に第1及び第2帯域幅調整回路を設け、それらを構成する各キャパシタの容量及びインダクタのインダクタンスを上記設計原理に基づいて適宜設定する。これにより、高周波数帯域の特性を良好に保ちつつ低周波数帯域を所定の帯域幅に広げることができる。すなわち、本実施形態では、第1及び第2帯域幅調整回路内の各キャパシタの容量及びインダクタのインダクタンスを適宜設定することにより、高周波数帯域だけでなく低周波数帯域においても複数の共振モードに対応することができる。
また、上述のように、本実施形態では、キャパシタ及び/又はインダクタからなる第1及び第2帯域幅調整回路をそれぞれ、アンテナ素子と接地点との間、及び、アンテナ素子と給電端子部との間に設けるだけの構成である。それゆえ、本実施形態では、アンテナ装置部及びそれを備える移動通信端末の構造をより簡素にすることができる。
また、本実施形態では、アンテナ素子の外部に第1及び第2帯域幅調整回路を設けることにより低周波数帯域の帯域幅を広げることができるので、アンテナ素子の設計手法を変える必要がなくなる。また、本実施形態では、上述のように、アンテナ装置部の設計原理が明確であるため、アンテナ装置部の周波数特性の調整も容易になる。
また、第1及び第2帯域幅調整回路に用いるキャパシタやインダクタは、比較的低価格で且つ作製し易い。それゆえ、本実施形態によれば、低コストで且つ量産性に優れたアンテナ装置部及びそれを備えた移動通信端末を提供することができる。
さらに、本実施形態では、アンテナ装置部内に第1及び第2帯域幅調整回路に用いるキャパシタやインダクタを実装するスペースが必要となるので、そのスペース分だけアンテナ装置部は大きくなる。しかしながら、本発明の構成を適用せずに、例えばアンテナ導体部の経路を長くするなどして複数の低周波数帯域に対応可能にするようなアンテナ装置部に比べると、アンテナ装置部を約10〜30%程度は小型化することが可能である。
[第2の実施形態]
本発明の第2の実施形態に係るアンテナ装置部の例を、図26〜図28を参照しながら説明する。第2の実施形態では、第1の実施形態に比べて、高周波数帯域内での整合性をさらに向上させたアンテナ装置部について説明する。
[アンテナ装置部の構成]
本実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成を図26に示した。なお、本実施形態のアンテナ装置部はマルチバンド対応可能な単一給電方式のアンテナ装置部である。本実施形態のアンテナ装置部41は、図26に示すように、アンテナ素子2と、給電点3と、第1帯域幅調整回路4(第1キャパシタ4)と、第2帯域幅調整回路45とを備える。
本実施形態では、図26と図3の比較から明らかなように、図3に示した第1の実施形態のアンテナ装置部において第2帯域幅調整回路の構成を変えた。それ以外の構成は第1の実施形態と同様とした。それゆえ、ここでは、第2帯域幅調整回路のみを説明し、他の構成部分についての説明は省略する。
第2帯域幅調整回路45は、図26に示すように、第2キャパシタ6と、第3キャパシタ7及び第1インダクタ8からなる直列共振回路9と、直列共振回路9に並列接続された容量C4の第4キャパシタ42とを備える。
第1の実施形態のアンテナ装置部1では、高周波数帯域の信号に対して直列共振回路9が略開放状態となるように構成した。すなわち、第2帯域幅調整回路5内において、フィード線11と接地点20との間の回路が、高周波数帯域の信号に対しては略開放状態となるようにした。それに対して、本実施形態では、第4キャパシタ26を直列共振回路11に並列接続することにより、フィード線11と接地点20との間の回路において、高周波数帯域の信号に対して該回路のリアクタンスの影響が若干出るようにした。すなわち、本実施形態では、高周波数帯域の信号に対してフィード線11と接地点20との間が完全に開放状態とならないようにした。
第4キャパシタ42は高周波数帯域の整合性をより向上させるために設けたものである。第4キャパシタ42を図26に示すように設けることにより、高周波数帯域内での第2帯域幅調整回路45のリアクタンスの変動を小さくすることができ、高周波数帯域での整合性を一層向上させることができる。
次に、上述した第2の実施形態のアンテナ装置部の具体例を説明する。ここでは、第2の実施形態のアンテナ装置部の構成を、図35に示したアンテナ装置部に適用した例を説明する。なお、この例では、低周波数帯域ではGSMの850MHz帯及び900MHz帯に対応可能であり、高周波数帯域ではGSMの1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯に対応可能であるアンテナ装置部について説明する。
なお、本実施形態の具体例のアンテナ素子2では、第1の実施形態の具体例と同様に、低周波数帯域ではGSMの850MHz帯、高周波数帯域ではGSMの1800MHz帯、1900MHz帯及びUTMSの2GHz帯に対応可能となるように設計されている。
また、この例では、図26中の第1キャパシタ4の容量C1を20pFとし、第2キャパシタ6の容量C2を27pFとした。また、第3キャパシタ7の容量C3を2pFとし、第1インダクタ8のインダクタンスL1を10nHとし、そして、第4キャパシタ42の容量C4を1pFとした。
[周波数特性]
次に、この例のアンテナ装置部41に対して、第1の実施形態の具体例と同様に周波数特性を調べた。その結果を図27及び28に示した。図27は給電点3からアンテナ素子2側を見たときのアンテナ装置部41のインピーダンスの軌跡を表したスミスチャートである。また、図28は、この例のアンテナ装置部41のアンテナ特性であり、横軸には周波数、縦軸には電圧定在波比(VSWR)を取った。
まず、第1の実施形態の具体例のアンテナ装置部1のインピーダンス特性(図5)と、本実施形態の具体例のアンテナ装置部41のインピーダンス特性(図27)とを比較する。まず、低周波数帯域のインピーダンスの軌跡100(太実線)を比較すると、両者ともほぼ同じ軌跡となっていることが分かる。一方、高周波数帯域のインピーダンスの軌跡101(太破線)を比較すると、本実施形態の具体例のアンテナ装置部41のインピーダンスの軌跡101の方が、第1の実施形態のそれよりスミスチャートのより中央に位置していることが分かる。
また、第1の実施形態のアンテナ装置部1のアンテナ特性(図6)と、本実施形態の具体例のアンテナ装置部41のアンテナ特性(図28)とを比較する。低周波数帯域の特性を比較すると、両者の特性がほぼ同じ特性が得られていることが分かる。一方、高周波数帯域の特性を比較すると、本実施形態の具体例の高周波数帯域内でのVSWRの変動が、第1の実施形態に比べて小さくなっていることが分かる。これらの結果から、本実施形態の具体例のアンテナ装置部41では、第1の実施形態のアンテナ装置部1に比べて、高周波数帯域の全域に渡って、より安定した整合性が得られていることが分かる。
[第3の実施形態]
本発明の第3の実施形態に係るアンテナ装置部の例を、図29及び図30を用いて具体的に説明する。
第1の実施形態のアンテナ装置部1では、第1キャパシタ4(第1帯域調整回路)及び第2帯域幅調整回路5の第2キャパシタ6及び第3キャパシタ7は、高周波数帯域の信号に対して実質的に短絡状態となるように構成されている。すなわち、第1キャパシタ4、第2キャパシタ6及び第3キャパシタ7の高周波数帯域におけるリアクタンスが無視できるほど非常に小さくなるように構成されている。しかしながら、例えば図15に示すように、キャパシタのリアクタンスは高周波数帯域で完全に0にはならない。そこで、本発明者が高周波数帯域におけるキャパシタのリアクタンスの影響を検証したところ、次のようなことが分かった。
第1の実施形態のアンテナ装置部1で第1〜第3キャパシタの容量を、例えば低周波数帯域で5pF以下になるように設定した場合、第1〜第3キャパシタの高周波数帯域における容量(リアクタンス)の影響が無視できなくなる場合がある。この場合、第1〜第3キャパシタは、高周波数帯域の信号に対して略短絡状態とならなくなる。その結果、高周波数帯域内での第1〜第3キャパシタのリアクタンス変動の影響が大きくなり、高周波数帯域内で安定した特性が得られなくなる。すなわち、第1の実施形態のアンテナ装置部1において、第1〜第3キャパシタの容量によっては、高周波数帯域の整合性が劣化するといった不具合が生じることが分かった。本実施形態では、このような場合に対応しうるアンテナ装置部を説明する。
[アンテナ装置部の構成]
本実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成を図29に示した。なお、本実施形態のアンテナ装置部はマルチバンド対応可能な単一給電方式のアンテナ装置部である。本実施形態のアンテナ装置部51は、図29に示すように、アンテナ素子2と、給電点3と、第1帯域幅調整回路54と、第2帯域幅調整回路55とを備える。
本実施形態では、図29と図3の比較から明らかなように、図3に示した第1の実施形態のアンテナ装置部において第1及び第2帯域幅調整回路の構成を変えた。それ以外の構成は第1の実施形態と同様とした。ここでは、第1及び第2帯域幅調整回路のみを説明し、他の構成部分についての説明は省略する。
本実施形態の第1帯域調整回路54は、図29に示すように、容量C1aの第1キャパシタ52とインダクタンスL2のインダクタ53(以下では、第2インダクタ53ともいう)とを直列に接続した直列共振回路60(第2共振回路)で構成した。また、直列共振回路60の第1キャパシタ52側の端子をアンテナ素子2に接続し、第2インダクタ53側の端子を接地した。
また、本実施形態の第2帯域幅調整回路55は、図29に示すように、容量C2aの第2キャパシタ56及びインダクタンスL3のインダクタ58(以下では、第3インダクタ58ともいう)を直列に接続した直列共振回路61(第3共振回路)を備える。また、第2帯域幅調整回路55は、容量C3aの第3キャパシタ57及びインダクタンスL4のインダクタ59(以下では、第4インダクタ59ともいう)を直列に接続した直列共振回路62(第4共振回路)と、インダクタンスL1の第1インダクタ8とを備える。
本実施形態では、直列共振回路61の第2キャパシタ56側の端子をアンテナ素子2に接続し、第3インダクタ58側の端子を給電点3に接続した。また、直列共振回路62の第3キャパシタ57側の端子を給電点3と直列共振回路61とを繋ぐフィード線11に接続し、第4インダクタ59側の端子を第1インダクタ8に接続した。そして、第1インダクタ8の直列共振回路62側とは反対側の端子を接地した。
すなわち、本実施形態のアンテナ装置部51は、第1の実施形態のアンテナ装置部1に含まれる各キャパシタをキャパシタとインダクタからなる直列共振回路で置き換えた構成となっている。
また、本実施形態の上記直列共振回路60〜62では、高周波数帯域内の所定周波数で直列共振回路60〜62のリアクタンスが0となるように、各直列共振回路内のキャパシタの容量及びインダクタのインダクタンスを設定した。ここで、一例として、第1帯域幅調整回路54内の直列共振回路60(第2共振回路)のリアクタンス特性を図30に示した。
図30には、第1キャパシタ52の容量C1aを4pFとし、第2インダクタ53のインダクタンスL2を1.8nHとした場合のリアクタンス特性を実線で示した。また、図30には、比較のため、容量5.2pFのキャパシタのリアクタンス特性及びインダクタンス1.8nHのインダクタのリアクタンス特性をそれぞれ破線及び一点鎖線で示した。
インダクタのリアクタンス(ωL)の周波数特性(一点鎖線)は、図30に示すように正の値となる。また、キャパシタのリアクタンス(−1/ωC)の周波数特性(破線)は図30に示すように負の値となる。それに対して、キャパシタとインダクタを直列に接続した直列共振回路のリアクタンスは、キャパシタのリアクタンスとインダクタのリアクタンスとの和になる。それゆえ、直列共振回路内のキャパシタの容量とインダクタのインダクタンスを適宜調整することにより、ある特定の周波数で直列共振回路のリアクタンスを0(完全な短絡状態)にすることができる。
例えば、容量C1a=4pFの第1キャパシタ52と、インダクタンスL2=1.8nHの第2インダクタ53とからなる直列共振回路60のリアクタンス特性は、図30中の実線の特性に示すように、1875MHzでリアクタンスが0になる。このように、高周波数帯域内の所定の周波数で直列共振回路60のリアクタンスが0になると、高周波数帯域の全域に渡って、直列共振回路60のリアクタンスが0近傍で変動する。この場合には、高周波数帯域の全域に渡って、直列共振回路60を確実に略短絡状態にすることができる。この結果、高周波数帯域の信号に対して直列共振回路60のリアクタンスの変動幅をより小さくすることができ、高周波数帯域の整合性をより向上させることができる。
また、図30に示した直列共振回路60の低周波数帯域のリアクタンス特性(実線)は、容量5.2pFのキャパシタの低周波数帯域のリアクタンス特性とほぼ同じ特性となり、900MHzで両者のリアクタンスは同じになる。この結果から、容量C1a=4pFの第1キャパシタ52及びインダクタンスL2=1.8nHの第2インダクタ53からなる直列共振回路60は、低周波数帯域の信号に対しては、容量5.2pFのキャパシタと同等の構成となることが分かる。
ここで、第1キャパシタ52の容量C1aと第2インダクタ53のインダクタンスL2との組み合わせを変えた場合のリアクタンスが0になる周波数と、900MHzでリアクタンスが同じになる容量C(表1中の等価容量C)を下記表1に示した。なお、表1中の容量C1a及びインダクタンスL2は、低周波数帯域での容量及びインダクタンスである。
Figure 2009278192
表1に示すように、本実施形態では、第1キャパシタの容量C1aを例えば低周波数帯域で5pF以下になるように設定した場合であっても、高周波数帯域の所定周波数でリアクタンスを0にすることができる。すなわち、本実施形態では、第1キャパシタの容量C1aを低周波数帯域で5pF以下になるように設定した場合であっても、高周波数帯域の全域に渡って、第1帯域幅調整回路54を確実に略短絡状態にすることができる。
また、第2帯域幅調整回路55内の直列共振回路61及び62においても、高周波数帯域内の所定の周波数でリアクタンスが0になるように構成することにより、上述した第1帯域幅調整回路54の直列共振回路60と同様の効果が得られる。
上述のように、本実施形態のアンテナ装置部51では、第1〜第3キャパシタの容量を例えば低周波数帯域で5pF以下になるように設定した場合であっても、高周波数帯域全域に渡って良好な整合性を安定して得ることができる。
なお、本実施形態では、第1の実施形態のアンテナ装置部1の全てのキャパシタを、キャパシタとインダクタからなる直列共振回路で置き換えた構成を説明したが、本発明はこれに限定されない。第1の実施形態のアンテナ装置部1内の第1〜第3キャパシタのうち、一部のキャパシタだけを例えば容量5pF以下にする必要がある場合には、その一部のキャパシタだけを直列共振回路で置き換えてもよい。
[変形例1]
上記実施形態では、本発明を図35に示した従来のアンテナ装置部に適用した場合を説明したが、本発明はこれに限定されず、低周波数帯域が単一モードである任意のアンテナ装置部に提供することができる。その一例を図31に示した。
図31のアンテナ装置部71において、アンテナ素子2は、図33に示した従来の短絡寄生素子付きのアンテナ装置部110のアンテナ素子2と同じ構成である。なお、図31に示したアンテナ装置部71では、アンテナ素子以外の構成は上述した実施形態のアンテナ装置部と同様の構成とした。ここでは、アンテナ素子についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
アンテナ装置部71のアンテナ素子2は、図31に示すように、低周波数帯域用のアンテナ導体部72と、高周波数帯域用の2つのアンテナ導体部73及び74とを備える。
低周波数帯域用アンテナ導体部72は、第1の高周波数帯域用アンテナ導体部73より長い経路長を有し、第1の高周波数帯域用アンテナ導体部73と電気的に接続されている。また、第2の高周波数帯域用アンテナ導体部74は、第1の高周波数帯域用アンテナ導体部73の外側に沿って形成され、第1の高周波数帯域用アンテナ導体部73とは電気的には接続されない構造になっている。
図31に示したアンテナ装置部71では、第1の高周波数帯域用アンテナ導体部73と第2の高周波数帯域用アンテナ導体部74との容量結合を利用して両者の導体部での共振モードの周波数を変えることにより複数の高周波数帯域モードに対応可能にしている。
また、図31に示したアンテナ装置部71では、第1帯域幅調整回路4は、低周波数帯域用アンテナ導体部72と第1の高周波数帯域用アンテナ導体部73からなるアンテナ導体部75と接地点20と接続するショート線10の途中に設けられている。また、第2帯域幅調整回路5は、アンテナ導体部75と給電点3と接続するフィード線11の途中に設けられている。
図31に示したアンテナ装置部71では、第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5の内部構成は、上述した第1〜第3の実施形態のいずれかの構成にする。そのような構成にすることにより、第1〜第3の実施形態と同様に、高周波数帯域の特性を良好に保ちつつ低周波数帯域の帯域幅を広げることができる。これは、上述した設計原理から明らかである。
[変形例2]
また、別の変形例を図32に示した。図32のアンテナ装置部71において、アンテナ素子2は、図34に示したGFスロットタイプと呼ばれる従来のアンテナ装置部111のアンテナ素子2と同じ構成である。なお、図32に示したアンテナ装置部91では、アンテナ素子以外の構成は上述した実施形態のアンテナ装置部と同様の構成とした。ここでは、アンテナ素子についてのみ説明し、その他の構成についての説明は省略する。
図32に示したアンテナ装置部91は、低周波数帯域用のアンテナ導体部92と、高周波数帯域用の2つのアンテナ導体部93及び94とを含むアンテナ素子2を備えている。また、これらの3つのアンテナ導体部93、94及び95は電気的に接続されている。このアンテナ素子2では、3つのアンテナ導体部93、94及び95の経路長を変えることにより、一つの低周波数帯域モード及び複数の高周波数帯域モードに対応可能にしている。
図32に示したアンテナ装置部91では、アンテナ導体部93、94及び95の接続部と給電点3とがフィード線11により接続されている。そして、そのフィード線11の途中に第2帯域幅調整回路5が設けられている。また、高周波数用アンテナ導体部93の一方の端部がショート線10により接地されており、そのショート線10の途中に第1帯域幅調整回路4が設けられている。
図32に示したアンテナ装置部91では、第1帯域幅調整回路4及び第2帯域幅調整回路5の内部構成は、上述した第1〜第3の実施形態のいずれかの構成にする。そのような構成にすることにより、第1〜第3の実施形態と同様に、高周波数帯域の特性を良好に保ちつつ低周波数帯域の帯域幅を広げることができる。これは、上述した設計原理から明らかである。
また、上記実施形態では、本発明を移動通信端末に適用した例を説明したが、本発明はこれに限定されず、本発明は、低周波数帯域が単一モードであるアンテナ装置部を備える任意の通信端末装置に適用することができる。
第1の実施形態に係る移動通信端末のブロック構成図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部のインピーダンス特性である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部のアンテナ特性である。 比較例のアンテナ装置部のインピーダンス特性である。 比較例のアンテナ装置部のインピーダンス特性である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 第1の実施形態に係るアンテナ装置部の設計原理を説明するための図である。 図25(a)は、第1の実施形態に係るアンテナ装置部の低周波数帯域における等価的な構成図であり、図25(b)は、第1の実施形態に係るアンテナ装置部の高周波数帯域における等価的な構成図である。 第2の実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成図である。 第2の実施形態に係るアンテナ装置部のインピーダンス特性である。 第2の実施形態に係るアンテナ装置部のアンテナ特性である。 第3の実施形態に係るアンテナ装置部の概略構成図である。 第3の実施形態に係るアンテナ装置部の第1帯域幅調整回路のリアクタンス特性である。 変形例1のアンテナ装置部の概略構成図である。 変形例2のアンテナ装置部の概略構成図である。 従来のアンテナ装置部の概略構成図である。 従来のアンテナ装置部の概略構成図である。 従来のアンテナ装置部の概略構成図である。
符号の説明
1…アンテナ装置部(アンテナ装置)、2…アンテナ素子、3…給電点、4…第1帯域幅調整回路、5…第2帯域幅調整回路、6…第2キャパシタ、7…第3キャパシタ、8…第1インダクタ、9…直列共振回路(第1共振回路)、21…移動通信端末、22…RF回路(通信回路)、42…第4キャパシタ、53…第2インダクタ、58…第3インダクタ、59…第4インダクタ、60…直列共振回路(第2共振回路)、61…直列共振回路(第3共振回路)、62…直列共振回路(第3共振回路)

Claims (4)

  1. 所定の第1周波数帯域及び該第1周波数帯域より高い周波数の第2周波数帯域の無線信号を送受信するアンテナ素子と、
    給電端子部と、
    第1周波数帯域の帯域幅を所定の帯域幅に広げるための第1キャパシタを含み、第1キャパシタの一方の端子が前記アンテナ素子に接続され且つ他方の端子が接地されており、第1キャパシタの容量が前記所定の帯域幅に応じて所定の値に設定されており、第1キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第1キャパシタの容量が前記所定の値に設定されている第1帯域幅調整回路と、
    第1周波数帯域の帯域幅を前記所定の帯域幅に広げるための第2キャパシタ、第3キャパシタ及び第1インダクタを含み、第2キャパシタの一方の端子が前記アンテナ素子に接続され且つ他方の端子が前記給電端子部に接続されており、第3キャパシタ及び第1インダクタが直列に接続されて第1共振回路を構成し、第1共振回路の一方の端子が前記給電端子部に接続され且つ他方の端子が接地されており、第2及び第3キャパシタの容量及び第1インダクタのインダクタンスが前記所定の帯域幅に応じてそれぞれ所定の値に設定されており、第2キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第2キャパシタの容量が前記所定の値に設定されており、第1共振回路が第2周波数帯域の信号に対して略開放状態となるように第3キャパシタの容量及び第1インダクタのインダクタンスがそれぞれ前記所定の値に設定されている第2帯域幅調整回路とを備える
    アンテナ装置。
  2. 第1帯域幅調整回路がさらに第2インダクタを含み、第2帯域幅調整回路がさらに第3及び第4インダクタを含み、第2インダクタ及び第1キャパシタが直列に接続されて第2共振回路を構成し、第3インダクタ及び第2キャパシタが直列に接続されて第3共振回路を構成し、第4インダクタ及び第3キャパシタが直列に接続されて第4共振回路を構成し、第2共振回路、第3共振回路及び第4共振回路のリアクタンスがそれぞれ第2周波数帯域内の所定周波数で0になるように、第1〜第3キャパシタの容量及び第2〜第4インダクタのインダクタンスが設定されている
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  3. 第2帯域幅調整回路が、さらに第4キャパシタを含み、第4キャパシタが第1共振回路と並列に接続されている
    請求項1に記載のアンテナ装置。
  4. 所定の第1周波数帯域及び該第1周波数帯域より高い第2周波数帯域の無線信号を送受信するアンテナ素子と、
    給電端子部と、
    第1周波数帯域の帯域幅を所定の帯域幅に広げるための第1キャパシタを含み、第1キャパシタの一方の端子が前記アンテナ素子に接続され且つ他方の端子が接地されており、第1キャパシタの容量が前記所定の帯域幅に応じて所定の値に設定されており、第1キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第1キャパシタの容量が前記所定の値に設定されている第1帯域幅調整回路と、
    第1周波数帯域の帯域幅を所定の帯域幅に広げるための第2キャパシタ、第3キャパシタ及び第1インダクタを含み、第2キャパシタの一方の端子が前記アンテナ素子に接続され且つ他方の端子が前記給電端子部に接続されており、第3キャパシタ及び第1インダクタが直列に接続されて第1共振回路を構成し、第1共振回路の一方の端子が前記給電端子部に接続され且つ他方の端子が接地されており、第2及び第3キャパシタの容量及び第1インダクタのインダクタンスが前記所定の帯域幅に応じてそれぞれ所定の値に設定されており、第2キャパシタが第2周波数帯域の信号に対して略短絡状態となるように第2キャパシタの容量が前記所定の値に設定されており、第1共振回路が第2周波数帯域の信号に対して略開放状態となるように第3キャパシタの容量及び第1インダクタのインダクタンスがそれぞれ前記所定の値に設定されている第2帯域幅調整回路と
    前記アンテナ素子で送受信される前記無線信号を変復調する通信回路とを備える
    通信端末装置。
JP2008125172A 2008-05-12 2008-05-12 アンテナ装置及び通信端末装置 Pending JP2009278192A (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125172A JP2009278192A (ja) 2008-05-12 2008-05-12 アンテナ装置及び通信端末装置
US12/424,862 US8384606B2 (en) 2008-05-12 2009-04-16 Antenna device and communication terminal
EP09158591A EP2164130A1 (en) 2008-05-12 2009-04-23 Antenna device and communication terminal
CN2009101405907A CN101582533B (zh) 2008-05-12 2009-05-12 天线装置和通信终端

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008125172A JP2009278192A (ja) 2008-05-12 2008-05-12 アンテナ装置及び通信端末装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009278192A true JP2009278192A (ja) 2009-11-26

Family

ID=41266424

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008125172A Pending JP2009278192A (ja) 2008-05-12 2008-05-12 アンテナ装置及び通信端末装置

Country Status (4)

Country Link
US (1) US8384606B2 (ja)
EP (1) EP2164130A1 (ja)
JP (1) JP2009278192A (ja)
CN (1) CN101582533B (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013150319A (ja) * 2011-12-21 2013-08-01 Mitsubishi Materials Corp アンテナ装置
KR101360534B1 (ko) * 2012-04-27 2014-02-12 한양대학교 산학협력단 안테나
JP2016006919A (ja) * 2014-06-20 2016-01-14 三菱マテリアル株式会社 アンテナ装置
JP2017022518A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 太平洋工業株式会社 アンテナマッチング回路
JP2017046360A (ja) * 2013-10-28 2017-03-02 株式会社 ハイディープHiDeep Inc. アンテナ装置
KR101760281B1 (ko) 2016-01-28 2017-07-21 김종엽 접지구조를 가지는 무선 통신 장치
KR101821077B1 (ko) * 2013-12-20 2018-01-22 후아웨이 디바이스 (둥관) 컴퍼니 리미티드 안테나와 단말기
JP2018137811A (ja) * 2018-04-26 2018-08-30 華為終端(東莞)有限公司 アンテナおよび端末装置
JP7356000B2 (ja) 2019-08-14 2023-10-04 ミツミ電機株式会社 アンテナ装置

Families Citing this family (37)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8386406B2 (en) 2009-07-08 2013-02-26 Ebay Inc. Systems and methods for making contextual recommendations
JP5153738B2 (ja) * 2009-07-31 2013-02-27 カシオ計算機株式会社 複数周波アンテナ
CN102648551B (zh) * 2009-12-01 2015-11-25 株式会社村田制作所 天线匹配装置、天线装置及移动通信终端
CN102479991B (zh) * 2010-11-30 2015-04-15 深圳富泰宏精密工业有限公司 多频天线及具有该多频天线的天线模块
JP5510560B2 (ja) * 2011-01-05 2014-06-04 株式会社村田製作所 無線通信デバイス
WO2013005080A1 (en) * 2011-07-06 2013-01-10 Nokia Corporation Apparatus with antenna and method for wireless communication
WO2014110744A1 (zh) 2013-01-16 2014-07-24 华为终端有限公司 多频天线馈电匹配装置、多频天线及无线通信设备
EP2790268A1 (en) 2013-04-12 2014-10-15 Thomson Licensing Multi-band antenna
TWI520441B (zh) * 2013-04-15 2016-02-01 Quanta Comp Inc Adjustable multi - frequency antenna
WO2014181569A1 (ja) * 2013-05-10 2014-11-13 株式会社村田製作所 アンテナ装置
CN103268987B (zh) * 2013-05-10 2015-07-29 上海安费诺永亿通讯电子有限公司 一种小尺寸三频合一多频陶瓷天线
CN103346404B (zh) * 2013-06-28 2015-04-15 无锡创元电子科技有限公司 一种谐振式宽频带短波天线
CN104425892A (zh) * 2013-08-22 2015-03-18 深圳富泰宏精密工业有限公司 可调式天线装置及具有该可调式天线装置的无线通信装置
US9374126B2 (en) * 2013-11-27 2016-06-21 Nokia Technologies Oy Multiband on ground antenna with a dual radiator arrangement
CN203733941U (zh) * 2013-12-26 2014-07-23 刘扬 一种共振式馈电结构宽带天线
TWI539669B (zh) * 2014-01-28 2016-06-21 宏碁股份有限公司 通訊裝置
CN104836021A (zh) * 2014-02-12 2015-08-12 宏碁股份有限公司 通信装置
CN104836031B (zh) * 2014-02-12 2019-09-03 华为终端有限公司 一种天线及移动终端
WO2015120780A1 (zh) * 2014-02-12 2015-08-20 华为终端有限公司 一种天线及移动终端
WO2015143714A1 (zh) 2014-03-28 2015-10-01 华为终端有限公司 一种天线及移动终端
KR20160029539A (ko) * 2014-09-05 2016-03-15 엘지전자 주식회사 공진주파수 가변 안테나
US9774074B2 (en) * 2014-09-16 2017-09-26 Htc Corporation Mobile device and manufacturing method thereof
TWI530024B (zh) * 2014-11-28 2016-04-11 廣達電腦股份有限公司 多頻可調天線結構
US20160233915A1 (en) * 2015-02-10 2016-08-11 Mediatek Inc. Communication device and electronic device
CN106033841A (zh) * 2015-03-19 2016-10-19 联想(北京)有限公司 天线装置、电子设备和用于天线装置的控制方法
CN106159450A (zh) * 2015-03-26 2016-11-23 联想(北京)有限公司 环形天线和电子设备
CN107403997A (zh) * 2016-05-20 2017-11-28 中兴通讯股份有限公司 一种用于调节天线频带的电路、方法和电子设备
CN106450753A (zh) * 2016-09-12 2017-02-22 广东欧珀移动通信有限公司 天线结构以及移动终端
CN107317113A (zh) * 2017-06-27 2017-11-03 北京小米移动软件有限公司 天线模块及电子设备
TWI641183B (zh) * 2017-07-04 2018-11-11 廣達電腦股份有限公司 行動裝置
CN109638455B (zh) * 2018-12-12 2021-04-27 维沃移动通信有限公司 天线结构及通信终端
CN109546310B (zh) * 2018-12-12 2021-01-08 维沃移动通信有限公司 一种天线结构及通信终端
CN109659693B (zh) 2018-12-12 2021-08-24 维沃移动通信有限公司 一种天线结构及通信终端
CN109687151B (zh) * 2018-12-26 2021-12-14 维沃移动通信有限公司 一种天线结构及移动终端
CN111416210B (zh) * 2020-03-31 2022-02-01 维沃移动通信有限公司 一种天线调频结构及电子设备
CN114447574A (zh) * 2020-11-04 2022-05-06 富泰京精密电子(烟台)有限公司 天线结构及具有该天线结构的无线通信装置
CN116130947A (zh) * 2022-09-09 2023-05-16 华为技术有限公司 天线装置和电子设备

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5387654A (en) * 1977-01-12 1978-08-02 Denki Kogyo Co Ltd Two frequency shared antenna
JP2001326521A (ja) * 2000-05-18 2001-11-22 Sharp Corp 積層パターンアンテナ及びそれを備えた無線通信装置

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2826433B2 (ja) 1993-02-26 1998-11-18 日本電気株式会社 アンテナ用二周波整合回路
JP3427668B2 (ja) * 1997-04-01 2003-07-22 株式会社村田製作所 アンテナ装置
SE519727C2 (sv) * 2000-12-29 2003-04-01 Allgon Mobile Comm Ab Antennanordning för användning i åtminstone två frekvensband
JP2003249811A (ja) * 2001-12-20 2003-09-05 Murata Mfg Co Ltd 複共振アンテナ装置
GB0207052D0 (en) 2002-03-26 2002-05-08 Antenova Ltd Novel dielectric resonator antenna resonance modes
WO2004047223A1 (ja) 2002-11-18 2004-06-03 Yokowo Co., Ltd. 複数帯域用アンテナ
US20040227585A1 (en) * 2003-05-14 2004-11-18 Norio Taniguchi Surface acoustic wave branching filter
GB2403069B8 (en) 2003-06-16 2008-07-17 Antenova Ltd Hybrid antenna using parasiting excitation of conducting antennas by dielectric antennas
JP4466827B2 (ja) * 2003-12-11 2010-05-26 日本電気株式会社 アンテナ装置及び無線通信装置
US7109944B2 (en) * 2004-01-26 2006-09-19 Kyocera Corporation Antenna using variable capacitance element and wireless communication apparatus using the same
JP4959956B2 (ja) * 2005-06-07 2012-06-27 株式会社日立製作所 アンテナ
US7242364B2 (en) * 2005-09-29 2007-07-10 Nokia Corporation Dual-resonant antenna
JP2007288649A (ja) 2006-04-19 2007-11-01 Yokowo Co Ltd 複数周波数帯用アンテナ
EP2031702A1 (en) * 2006-06-12 2009-03-04 Murata Manufacturing Co. Ltd. Surface-mounted antenna and antenna device
JP4775770B2 (ja) * 2006-07-13 2011-09-21 株式会社村田製作所 アンテナ装置及び無線通信機

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5387654A (en) * 1977-01-12 1978-08-02 Denki Kogyo Co Ltd Two frequency shared antenna
JP2001326521A (ja) * 2000-05-18 2001-11-22 Sharp Corp 積層パターンアンテナ及びそれを備えた無線通信装置

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013150319A (ja) * 2011-12-21 2013-08-01 Mitsubishi Materials Corp アンテナ装置
KR101360534B1 (ko) * 2012-04-27 2014-02-12 한양대학교 산학협력단 안테나
US9515381B2 (en) 2012-04-27 2016-12-06 Lg Innotek, Co., Ltd. Antenna
JP2017046360A (ja) * 2013-10-28 2017-03-02 株式会社 ハイディープHiDeep Inc. アンテナ装置
KR101821077B1 (ko) * 2013-12-20 2018-01-22 후아웨이 디바이스 (둥관) 컴퍼니 리미티드 안테나와 단말기
JP2016006919A (ja) * 2014-06-20 2016-01-14 三菱マテリアル株式会社 アンテナ装置
JP2017022518A (ja) * 2015-07-09 2017-01-26 太平洋工業株式会社 アンテナマッチング回路
KR101760281B1 (ko) 2016-01-28 2017-07-21 김종엽 접지구조를 가지는 무선 통신 장치
JP2018137811A (ja) * 2018-04-26 2018-08-30 華為終端(東莞)有限公司 アンテナおよび端末装置
JP7356000B2 (ja) 2019-08-14 2023-10-04 ミツミ電機株式会社 アンテナ装置

Also Published As

Publication number Publication date
CN101582533B (zh) 2012-11-28
EP2164130A1 (en) 2010-03-17
CN101582533A (zh) 2009-11-18
US20090278755A1 (en) 2009-11-12
US8384606B2 (en) 2013-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2009278192A (ja) アンテナ装置及び通信端末装置
EP2161785B1 (en) Notch antenna and wireless device
CN109361062B (zh) 移动终端
JP5275369B2 (ja) アンテナ装置及び通信装置
US6204826B1 (en) Flat dual frequency band antennas for wireless communicators
US7777677B2 (en) Antenna device and communication apparatus
US8525734B2 (en) Antenna device
JP4191677B2 (ja) アンテナ装置
US8259014B2 (en) Multi-loop antenna structure and hand-held electronic device using the same
US20140015719A1 (en) Switched antenna apparatus and methods
US20090284433A1 (en) Antenna device and mobile terminal device
JPWO2009019782A1 (ja) アンテナ装置および携帯無線装置
EP3188313B1 (en) Multi-band antenna and communication terminal
KR20120093980A (ko) 안테나의 정합 방법 및 장치
JPH06252791A (ja) アンテナ用二周波整合回路
JP2006319477A (ja) 複合アンテナ
US7123198B2 (en) Electrically small wideband antenna
US9548538B2 (en) Antenna arrangement and device
US20130285875A1 (en) Frequency-variable circuit and multi-band antenna device
JP2004274445A (ja) アンテナ装置及び無線装置
JP5758282B2 (ja) 電子機器
TW201616807A (zh) 阻抗匹配電路
JP6949992B2 (ja) ミリ波アンテナ
JP2011044999A (ja) 無線通信装置
JP4627092B2 (ja) アンテナ装置及び無線通信装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120518

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120529

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20121016