JPWO2007125604A1 - 神経毒素の定量方法 - Google Patents

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Abstract

本発明は、神経毒素の筋弛緩作用を定量的に測定する方法に関する。詳細には、クロストリジウム属に属する細菌由来の神経毒素による筋弛緩作用の程度に基づき、(a)神経毒素を非ヒト哺乳動物の一方の後肢の後肢筋に投与し、(b)当該非ヒト哺乳動物に電気刺激をかけ、(c)神経毒素を投与した当該後肢筋および/または神経毒素を投与していない他方の後肢の後肢筋の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を筋電計で測定し、ついで(d)操作ステップ(c)で測定して得られた複合筋活動電位(CMAP)から振幅データを取り出して振幅の低下の程度を解析することにより神経毒素による筋弛緩作用の効力を定量化することを特徴とする神経毒素の効力(力価および/または拡散反応)の定量方法に関する。現在ボツリヌス毒素の力価単位として用いられているマウスLD50は数単位までしか測定できないが、本発明の神経毒素の効力定量方法は、0.01〜1単位も測定することが可能であり、感度・再現性・精度の高い方法である。

Description

本発明は、神経毒素の効力を定量的に測定する方法に関する。特に、本発明は、神経毒素の効果を哺乳動物の筋弛緩を指標に定量化する方法に関する。ある実施形態では、本発明は、神経毒素の「力価」および/または神経毒素の投与部位からの「拡散反応」を定量化し定義する方法を提供する。
神経毒素は、クロストリジウム属に属する細菌が産生する神経毒素、フグ毒のテトロドトキシンに代表される一部の魚貝類が産生する神経毒素、アルファー・ブンガロトキシンなどの蛇毒などが知られている。これらは、その作用点は異なるものの、神経終末において神経伝達を遮断し、接種された哺乳動物に筋弛緩作用を示すという点が共通している。中でも、クロストリジウム毒素は、クロストリジウム属に属する細菌が産生する神経毒素であり、クロストリジウム属はそれらの形態と機能により百を超える分類がされている。クロストリジウム属に属する細菌としては、クロストリジウム・ベラティ(Clostridium baratii)、クロストリジウム・ブチリカム(Clostridium butyricum)、クロストリジウム・ボツリナム(Clostridium botulinum)、およびクロストリジウム・テタニ(Clostridium tetani)などが知られている。嫌気性のグラム陽性菌であるクロストリジウム・ボツリナムが産生するボツリヌス毒素は地球上で最も致死性の高い神経毒であり、これまでに血清型A、B、C、D、E、FおよびGの7種のボツリヌス菌由来の神経毒とその特性が明らかにされている。これらはそれぞれ、血清型特異的中和抗体で識別される。ボツリヌス毒素の血清型の違いにより、それらが影響しうる動物種、誘発される麻痺の重症度および持続期間等が異なる。
ボツリヌス毒素の活性中心蛋白質の分子量は、既知のボツリヌス毒素血清型の7つすべてにおいて約150kDa神経毒素(NTX)である。すべてのボツリヌス毒素はボツリヌス菌から産生される場合、関係する無毒蛋白質と共に、NTXを含んで成る複合体として、構成されている。A型ボツリヌス毒素は、900kDa(LL毒素)、500kDa(L毒素)、300kDa(M毒素)の分子形態として、産生される。これら、LL毒素、L毒素、M毒素は、ボツリヌス毒素複合体などと呼ばれている。これらボツリヌス毒素は、小腸上部で吸収された場合には、アルカリ条件下(リンパ管内)で無毒蛋白質と活性中心蛋白質であるNTXに解離する。解離したNTXは、その重鎖C末端側で神経終末の受容体に結合し、受容体を介して神経細胞内に取り込まれる。その後、軽鎖亜鉛メタロエンドペプチダーゼ活性により神経シナプス前膜の蛋白質を特異的に切断し、カルシウム依存性のアセチルコリンの放出を阻害して、シナプスでの神経伝達を遮断する(非特許文献1)。
ボツリヌス毒素は、ボツリヌス中毒においては全身の神経伝達を遮断してヒトを死に至らしめる神経毒素ではあるが、逆にその活性を積極的に利用して、異常な筋緊張性亢進を来たす疾患、例えばジストニアの患者の筋肉内に直接投与することによって、局所の筋緊張を緩和する治療薬として用いられている(非特許文献2)。例えば、A型ボツリヌス毒素複合体(BOTOX(登録商標))は、眼瞼痙攣、斜視および片側顔面痙攣、頚部ジストニアの治療用、並びに眉間のしわの治療用としてアメリカ食品薬品局(FDA)によって承認されている。また、B型ボツリヌス毒素複合体(MYOBLOC(登録商標))も頚部ジストニア治療用としてFDAによって承認されている。A型ボツリヌス毒素は、A型ボツリヌス毒素以外の血清型よりも、高い効力および高い作用持続期間を有するといわれている。A型ボツリヌス毒素の単一の筋肉内注射から症状改善の典型的な作用持続期間は平均して約3〜4ヶ月である。
現在、A型ボツリヌス毒素のようなボツリヌス毒素の治療用製剤の生物学的力価は、マウスLD50単位によって通常表わされている。1LD50は、マウスへの腹腔内投与に基づくLD50として定義されている。これは試験に供したマウスの半数が死亡する量であり、マウスの呼吸筋が弛緩される結果としてマウスが死亡するときの神経毒素の濃度または量から力価単位を定量している。現在市販されているA型ボツリヌス毒素複合体(Allergan, Inc.、BOTOX(登録商標)、1ガラス瓶中100単位含有)のマウスにおける1LD50(つまり1単位)は、約50ピコグラム(pg)である。
しかしながら、マウスLD50単位でA型ボツリヌス毒素の力価を決定するアッセイは、研究所間で著しくバラつくことが報告されている(非特許文献3)。A型ボツリヌス毒素アッセイを標準化するために計画されたある研究では、11の異なる研究所が関与し、結果に10倍の差まであることが判明した(非特許文献4)。しかしながら、マウスLD50におけるこの変動は、ボツリヌス毒素に関するアッセイに特有のものではない。実際、このアッセイは多くの化学薬品、溶剤、化粧品および医薬品のための毒性試験用LD50で常用されていたが、多くの管理機関がこの毒性試験用LD50の常用を要求することを断念した(非特許文献5)。
このように、ボツリヌス毒素のもつ筋弛緩活性の医学的重要性が高まるにつれて、製造元や研究所および臨床現場などでは、ボツリヌス毒素製剤中に含まれる生物活性の正確な定量が求められ、現在でも様々な測定方法が研究されている。
ボツリヌス毒素活性を測定する先行文献としては、耳介反射アッセイ(特許文献1)があるが、ここではラットの耳挙長筋(levator auris longus muscle)にボツリヌス毒素を投与し、ある一定期間経過した後に、耳介神経を用いた筋電計(Electoromyograph)による神経毒素活性の定量化を行っている。耳介神経を用いた本文献では、使用するラットの頭頸部を切開して分析評価する方法であるため、長期間(数日〜数十日)に及ぶボツリヌス毒素の効果を評価するには同一部位を外科的に切開する必要があり、使用する動物への負担が大きいことから、同一のラットをそのまま用いるのは現実的ではなく、日数に応じたより多くのラットが必要となる。さらに、使用する筋肉部位も小さいため、筋肉における拡散反応を定量的に評価するには部位としては適していないと考えられる。
一方、毒素効果の決定方法(特許文献2)では、ボツリヌス毒素を哺乳動物の筋肉へ投与することによる筋萎縮により、当該毒素の力価を決定する方法を報告しているが、ボツリヌス毒素を投与したラットを殺傷し、その投与部位の筋肉を取り出して分析評価する方法であるため、長期間(数日〜数十日)に及ぶボツリヌス毒素の効果を評価するには測定日毎にラットを準備する必要があり、多くのラットが必要となる。さらに、日数や条件の違いで測定するラットも異なるため、個体差のバラツキが大きいと考えられる。
また、ヒト頸失調症の処置のために胸鎖乳様突起性筋内にボツリヌス毒素を投与した際の効果を評価するために、筋電計が利用された(非特許文献6)。表面筋電図では、表面電極は投与部位から所定の距離に、通常、投与部位から1から3cmに配置される。表面電極は、投与された筋肉の最大随意収縮の間に複合筋活動電位(CMAP)の大きさと領域を計測するのに利用され得る。筋肉麻痺効果が始まると複合筋活動電位(CMAP)が減少し、麻痺効果が徐々に無くなるにつれて増加する、と想定される。このように、個人の筋肉や筋肉群へのボツリヌス毒素などの神経毒素の効果を判定するために筋電図法が使用されているが、これは定量的には評価されていない。なぜならば、電気生理学の分野ではよく知られていることであるが、患者間、または同じ患者であっても位置や日が異なれば特定筋肉からの電気活性度が変動するからである。例えば、同じ患者から同時に取ったとき、反復の表面筋電図記録は、有意の(即ち、約7%〜約20%の)変動を示し得る。更に、最大の随意収縮の範囲は、表面筋電図が取られるのであるが、患者間で変動し得るためである。
さらに、A型ボツリヌス毒素の投与が複合筋活動電位(CMAP)に及ぼす効果がインビボラットモデルを用いて調べられている(非特許文献7)。このラットモデルでは神経毒素の投与量の違いによるラットへの影響が検討されているが、神経毒素の定量化はなされていない。
米国特許出願公開第2003/0032891A1号公報 特表2005-509145号公報(WO2003/015829) Jankovic, J.ら、Curr. Opin. Neurol., 1994, 7: p.358-366 梶龍兒ら、「ジストニアとボツリヌス治療」、診断と治療社、2005年 SchantzおよびKautter、J. Ass. of Anal. Chem., 1978, 61: p.96-99 Sesardicら、Pharacol. Toxico. 1996, 78: p.283-288 Pearceら、Toxicol. App. Pharm., 1994, 128: p.69-77 Dresslerら、Electromyographic quantification of the paralyzing effect of botulinum toxin in the stemocleidomastoid muscle, Eur. Neurol. 2000; 43: p.13-16 Cichon, Jr., MDら、Laryngoscope, 1995 Feb., 105(2): p.144-148
本発明の課題は、現在ボツリヌス毒素製剤の力価定量法として用いられているマウスLD50に代わる精度のよいボツリヌス毒素活性の定量方法を提供することである。市販されているボツリヌス毒素製剤が目的とする効果は、治療対象とする筋肉の弛緩作用であるため、ボツリヌス毒素本来の量はLD50でなく、致死に至らない程度の筋弛緩作用を定量的に評価することが望ましい。また、マウスLD50では前述のようなバラつきが問題とされていることから、精度のよい定量系であることが重要である。さらに、マウスLD50は多くのマウスを使用することから、倫理面、動物愛護の面からも問題視され、マウスLD50に代わる新規なボツリヌス毒素製剤の定量方法が求められている。
本発明者らは、ボツリヌス毒素などの神経毒素を非ヒト哺乳動物の後肢筋に投与し、電気刺激による後肢筋の複合筋活動電位(CMAP)を筋電計でモニターし、特に振幅データに着目し、神経毒素による振幅の低下の程度を解析することで神経毒素の効力を精度よく定量化することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の操作ステップ:
(a)神経毒素を非ヒト哺乳動物の一方の後肢の後肢筋に投与し、
(b)当該非ヒト哺乳動物に電気刺激をかけ、
(c)神経毒素を投与した当該後肢筋および/または神経毒素を投与していない他方の後肢の後肢筋の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を筋電計で測定し、ついで
(d)操作ステップ(c)で測定して得られた複合筋活動電位(CMAP)から振幅データを取り出して振幅の低下の程度を解析することにより神経毒素による筋弛緩作用の効力を定量化すること
から構成されることを特徴とする神経毒素の効力の定量方法を提供するものである。
上記操作ステップ(c)において、神経毒素を投与した後肢筋の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を測定する場合は、神経毒素の効力として神経毒素の力価を定量化することができる。一方、上記操作ステップ(c)において、神経毒素を投与していない他方の後肢の筋肉の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を測定する場合は、神経毒素の効力として神経毒素の拡散反応を定量化することができる。さらに、上記操作ステップ(c)において、神経毒素を投与した後肢筋および神経毒素を投与していない他方の後肢の筋肉の両者の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を同時に測定する場合は、神経毒素の効力として神経毒素の力価と拡散反応とを同時に定量化することができる。
上記操作ステップ(d)における当該振幅の低下の解析はCMAP解析ソフトウエアを用いて行う。
本発明の定量方法に使用するCMAP解析ソフトウエアは、以下の手段:
(1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
(2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
(3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
(4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
(i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
(ii)検体の効力を定量化する手段;
(iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
(iv)検体の効力の品質を管理する手段;または
(v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
として機能する。ここで行う統計解析としては、回帰解析やロジット変換などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
本発明の神経毒素の定量方法によれば、従来の方法とは異なり、測定に際して非ヒト哺乳動物を外科的に処置する必要がない。
本発明の神経毒素の定量方法により定量できる神経毒素としては、神経毒素の活性を有するものであれば特に限られるものではないが、代表的な神経毒素としてはボツリヌス菌などのクロストリジウム属に属する細菌由来の神経毒素が挙げられる。
本発明の神経毒素の定量方法はまた、2以上の異なる神経毒素の効力を定量することにより、これら異なる神経毒素の効力の違いを定量的に比較するのに用いることもできる。
他の側面において、本発明は、以下の手段:
(1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
(2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
(3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
(4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
(i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
(ii)検体の効力を定量化する手段;
(iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
(iv)検体の効力の品質を管理する手段;または
(v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
として機能させるための、神経毒素による複合筋活動電位(CMAP)の振幅の低下の程度を解析するためのプログラムを提供する。ここで行う統計解析としては、回帰解析やロジット変換などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
さらに他の側面において、本発明は、以下の手段:
(1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
(2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
(3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
(4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
(i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
(ii)検体の効力を定量化する手段;
(iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
(iv)検体の効力の品質を管理する手段;または
(v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
として機能させるための、神経毒素による複合筋活動電位(CMAP)の振幅の低下の程度を解析するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供する。ここで行う統計解析としては、回帰解析やロジット変換などが挙げられるが、これらに限られるものではない。
上述のように、筋電計はヒトの臨床では定量的な評価に用いるには相応しくないが、実験動物を測定対照とする場合には、比較的個体差も少ないため、精度のよい結果が得られる。さらに本方法では、ボツリヌス毒素を投与した非ヒト哺乳動物(ラット等)について外科的処置、すなわち、切開や殺傷などを行わない。このため、本発明では、連続的に飼育した同一の非ヒト哺乳動物を経時的に測定することで、長期的な評価が可能であり、日間差や個体差の影響も少なく、精度のよい定量系となる。さらに、使用する非ヒト哺乳動物も少ないため、倫理面や動物愛護の面からも好ましい方法である。
本発明の定量方法は、以下の特徴を有する。
(1)より少数の非ヒト哺乳動物に対して、外科的処置を行わずに、筋電計を用いて神経毒素による筋弛緩作用を測定し、特に振幅データに着目し、神経毒素による振幅の低下の程度を解析することにより神経毒素の筋弛緩作用の強さを定量化する;
(2)神経毒素の力価を定量するのと同時または個別に拡散反応をも定量的に評価する;
(3)従来のマウスLD50では不可能であった少量の神経毒素を高感度に測定することができ、かつ神経毒素の持続的な反応を連続的に定量的に評価する;
(4)(2)、(3)に記載の評価により、測定する神経毒素の種類の違いによる効力を定量的に比較する;
(5)(1)から(4)を評価するに当たり生じる膨大な計測データを統計的手法を組み込んだ独自の解析ソフトウェアを用いることにより、簡便かつ迅速に神経毒素の力価と拡散反応を同時に測定し、解析することによる定量化や定量的な比較を可能とする。
本発明は、ボツリヌス毒素を投与した非ヒト哺乳動物(ラット等)について外科的処置、すなわち、切開や殺傷などを行わず、連続的に飼育した同一の非ヒト哺乳動物を経時的に測定することで、長期的な評価が可能であり、日間差や個体差の影響も少なく、精度のよい定量系である。さらに、使用する非ヒト哺乳動物も少ないため、倫理面や動物愛護の面からも好ましい方法である。本発明を用いることで、より小数の非ヒト哺乳動物に対して、神経毒素の効力(力価および拡散反応)の定量化、神経毒素の力価および拡散反応の同時測定、神経毒素とプロジェニター毒素や各血清型神経毒素などの神経毒素の種類による神経毒素効力の定量的な比較が可能となる。
このアッセイ系を使用することにより臨床における障害部位以外の筋への神経毒素の波及(拡散反応)を避ける為の安全な投与量を算定することが出来、さらに、このアッセイ系を活用することにより筋緊張亢進症の患者に必要な神経毒素量を算定することが出来うると考えられる。
図1は、本発明の定量方法において神経毒素を投与する非ヒト哺乳動物(ラット)の投与部位および複合筋活動電位(CMAP)の測定部位を示す。a:刺激電極(+)、b:刺激電極(−)、c:記録電極(−)および投与部位、d:記録電極(+)、e:アース電極、f:拡散記録電極(−)、g:拡散記録電極(+)
図2は、様々な濃度の神経毒素を左後肢筋に投与した際の左後肢筋のCMAP振幅と投与後日数のグラフを示す。横軸は投与後日数(day);縦軸はCMAP振幅(mA)。
図3は、様々な濃度の神経毒素を左後肢筋に投与した際の右後肢筋のCMAP振幅と投与後日数のグラフ(神経毒素非投与側:拡散反応の定量化)を示す。横軸は投与後日数(day);縦軸はCMAP(mA)振幅。
図4は、左後肢筋CMAP振幅の直線回帰による検量線:神経毒素の定量化(1日後)を示す。横軸は投与量(pg);縦軸はCMAP振幅(mA)。
図5は、左後肢筋CMAP振幅の直線回帰による検量線:神経毒素の定量化(4日後)を示す。横軸は投与量(pg);縦軸はCMAP振幅(mA)。
図6は、右後肢筋CMAP振幅の直線回帰による検量線:拡散反応の定量化(4日後)を示す。横軸は投与量(pg);縦軸はCMAP振幅(mA)。
図7は、Logit解析法を用いた左後肢筋CMAP振幅の広い濃度範囲の検量線(1日後)を示す。Xは投与量(pg);YはCMAP振幅(mA)。
図8は、Logit解析法を用いた左後肢筋CMAPの広い濃度範囲の検量線(4日後)を示す。Xは投与量(pg);YはCMAP振幅(mA)。
図9は、NTXと神経毒素複合体(BOTOX)の定量的な効力比較を示す。横軸は投与後日数(day);縦軸はCMAP(mA)振幅。
図10は、4種類の血清型ボツリヌス神経毒素複合体の効力比較を示す。横軸は投与後日数(day);縦軸はCMAP(mA)振幅。
本発明において用いられる「効力」とは、ある程度の生理的または化学的な作用を引き起こすための、ある化学薬品(例えば神経毒素)の量の指標である。例えば、ボツリヌス毒素の効力は、標的組織からのアセチルコリン放出を抑制する程度または期間を意味する。あるいは、ボツリヌス毒素の効力は、神経毒素のある用量がある筋収縮に変化をもたらす程度を意味する。
本発明において用いられる「力価」とは、目的とする望ましい効力を数値化したものを意味する。
本発明において用いられる「拡散反応」とは、臨床における障害部位以外の筋への神経毒素の波及を数値化したものを意味する。
本発明における神経毒素の効力(力価および/または拡散反応)の定量は、電気刺激による後肢筋、望ましくは大腿四頭筋の複合筋活動電位(CMAP)を筋電計でモニターすることによって行うことができる。ここで、筋電計でモニターされた筋電図パラメータの中でも、特に振幅データに着目し、神経毒素による振幅の低下を解析することで神経毒素の効力を精度よく定量化できる。
広い実施形態では、本発明は、非ヒト哺乳動物の筋肉へ神経毒素を投与し、注入された筋肉の筋弛緩作用から神経毒素の効力を決定する方法を包含する。非ヒト哺乳動物の筋肉へ神経毒素を投与し、弛緩された筋肉の複合筋活動電位(CMAP)を筋電計でモニターすることで、神経毒素の効果をその効力に応じて規定することができる。1つの実施形態では、本発明は、筋肉上の神経毒素の効力を決定する方法を提供する。ここで用いる「非ヒト哺乳動物」には例えば、サル、ラット、ウサギ、モルモット、ハムスター、ネコ、マウスおよびイヌが含まれる。
本発明の神経毒素の定量方法により定量できる神経毒素としては、神経毒素の活性を有するものであれば特に限られるものではないが、クロストリジウム・ベラティ、クロストリジウム・ブチリカム、クロストリジウム・テタニおよびクロストリジウム・ボツリナムなどのクロストリジウム属の細菌由来の神経毒素から選ばれてよい。クロストリジウム・ボツリナムに由来するボツリヌス毒素は、血清型A、B、C、D、E、FおよびG、並びにそれらの混合物よりなる群から選ばれてよく、代表的なものはA型ボツリヌス毒素である。また、これらの神経毒素は、天然由来の菌が産生するタンパク質に限らず、遺伝子組換え技術により作製される組換えタンパク質やキメラタンパク質などでもよい。
ボツリヌス毒素は、定法(Sakaguchi, G., Ohishi, I.およびKozaki, S., 1981, BIOCHEMICAL ASPECTS of botulism: Purification and oral toxicities of Clostridium botulinum progenitor toxins, pp.21-34, Lewis, G. E.(編)、アカデミックプレス、ニューヨーク)に従い、ボツリヌス菌の培養上清から精製することにより得られる。また、各種ボツリヌス毒素は、Allergan Inc.(アーヴィン、カリフォルニア)、Ipsen Beaufour(フランス)、Elan Pharmaceuticals(アイルランド)、List Biological Laboratories, Inc.(カンベル、カリフォルニア);the Centre for Applied Microbiology and Research(ポートンダウン、英国);和光純薬(大阪、日本)、Metabiologics(マジソン、ウィスコンシン)並びにSigma Chemicals(セントルイス、ミズーリ)から市販されているものが入手可能である。
筋電計は、ニコレー・バイオメディカル社(ニコレー バイキングクエストシリーズ)などから医療診断用機器として市販されているものを用いることができる。筋電計は筋電図検査(ElectroMyoGraphy:EMG)を行うために使用される医療用検査機器である。筋電図検査は、神経から筋にかけての疾患の有無を調べる生理学的検査のひとつである。一般に、刺激電極と、測定電極(関電極)、不関電極(基準電位用、いわゆるアース)を持ち、電気刺激装置と、オペアンプ等による信号増幅器、表示、記録部を持つ。古い機械は、移動するロール紙の上をペンが左右に動くアナログ式であるが、20世紀末からは、ADコンバータを通し、得られた信号を電子計算機を用い、表示処理だけではなく、解析機能を持つ装置が主流となって来ている。一般的な使用方法としては、対象とする筋の出来るだけ近くの皮膚表面に、電極を装着し、 その筋を支配する神経の出来るだけ近くに、2つの刺激電極を装着する。刺激電極に電気刺激(パルス電流)を流し、筋の収縮が起こると、筋電図が得られる。筋電図を読み、反応の大きさ、刺激からの遅延時間(運動神経伝導速度)、反復刺激に対する反応等を読み取る。これら様々な検査結果が得られる。
本発明は、神経毒素の効力(力価および/または拡散反応)を定量的に測定するために、個体差の少ない実験哺乳動物に対して外科的な処理をすることなく、筋電計を用いることで、神経毒素の効力を精度よく定量化するものである。また、筋肉の筋弛緩作用は、神経毒素の用量とともに変化する。そのため、神経毒素の効力を決定するために用量反応曲線を構築してよい。上記のように、この方法によって決定されるような効力は、従来のLD50より正確で、かつより信頼できると考えられる。
ここでは、ラットを用いた場合の例を示すが、使用する動物種および神経毒素投与・測定部位はこれに限られるものではない。まず、ラットの左後肢筋に神経毒素を投与する。後肢の筋活動電位は、ラットの腰椎付近をクリップ電極で挟んで電気刺激を行い、左右それぞれの後肢筋について記録電極を用いて複合筋活動電位(CMAP)を記録する。神経毒素投与部位およびCMAP測定部位を図1に示す。筋肉へ刺激した際にこのように測定した場合、左後肢筋のCMAP振幅は投与毒素の「力価」を、右後肢筋のCMAP振幅はその「拡散反応」を示す。すなわち、左後肢筋に神経毒素を注射していることから、左後肢筋のCMAP振幅は投与した筋肉での筋弛緩効果を表し、神経毒素の効果が高いほど、得られるCMAP振幅の値は小さくなる。一方、右後肢筋のCMAP振幅は投与した側の後肢ではないため、神経毒素を投与した筋以外へ神経毒素が拡散し、筋弛緩効果を表したことを表す。この場合、神経毒素の拡散反応が高いほど、得られるCMAP振幅の値は小さくなる。CMAP振幅の単位は、電流または電圧などの数値パラメータが利用可能である。
投与量を変化させてラットの左後肢筋に神経毒素を投与し、筋電計を用いてCMAPデータを得ると、「力価」および「拡散反応」について、投与量依存的なCMAPデータが得られる。また、神経毒素投与後、経時的にCMAPを測定していくことで、日数に応じた神経毒素の効果を示す経時的なCMAPデータを得ることができる。
ある一定日数での投与量依存的なデータを直線回帰することで、投与した神経毒素の「力価」および「拡散反応」を定量化することができる。また、同種の神経毒素であれば、解析により得られた式をもとにして、未知の神経毒素の効力を算出することが可能である。さらに、神経毒素投与後、経時的にCMAPを測定していき、得られたCMAPデータをグラフ化・解析することで、最大反応を示す日数、投与前の状態に回復する日数、50%の回復率を示す日数、50%の減少率を示す日数を算出する。ボツリヌス毒素は7種の血清型により、効力および作用持続期間が異なることが知られているが、これらのパラメータから定量的に神経毒素の効力比較を行うこともできる。
解析をするにあたっては、ソフトウエアが必要となる。従来より医療診断用機器として市販されている筋電計には医療診断用のソフトウェアが付属しているが、これは神経毒素を定量化するには不十分なものである。そこで、筋電計でモニターされた筋電図パラメータの中でも、特に振幅データの数値を、自動的に数値化し、平均化するために必要な膨大なデータを統計的に処理する解析ソフトウェアが必要となる。このソフトウェアに統計処理やグラフ、数式化する機能を持たせることにより、簡便かつ迅速に解析処理を行うことが可能である。
本発明に用いるCMAP解析ソフトは、得られた膨大なデータの処理、統計解析、数式化、グラフ化、図式化の機能を持ち合わせた構成からなっており、これにより、定量化や経時的なグラフ化、異なるデータの比較などが可能となる。
本発明の定量方法に使用するCMAP解析ソフトウエアは、以下の手段:
(1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
(2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
(3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
(4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
(i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
(ii)検体の効力を定量化する手段;
(iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
(iv)検体の効力の品質を管理する手段;
(v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
として、機能する。
(1)療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段
医療診断用筋電計より取得した筋電計データを解析するにあたり、筋電波形が減衰振動の式に当てはまる最大振幅等を取り出す。
(2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段
一連の実験では多数動物のCMAPデータが膨大に得られるため、個別のデータをまとめ統計解析できるよう編集保存する。
(3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段
(2)の個別のデータの最大値、最小値、平均、標準偏差などを統計的手法で解析し、データが妥当かどうか判別する。
さらに、本発明に用いられるCMAP解析ソフトは、(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析が可能となる。
(i)神経毒素の種類や投与量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段
同一毒素の効力の投与量の違う場合の違いや異なる毒素間での同一用量での反応性の経時反応を統計学的に比較、評価する。
(ii)検体の効力を定量化する手段
同一毒素の用量反応性の違いを数式化し、定量化することができる。
(iii)神経毒素の経時反応を推測する手段
この神経毒素の経時反応の式として
y=a − b(log(x)) + C(log(x)log(x))
(この式は物理現象等を表す式の中の1つ)に適合することを見出した。この公式より、神経毒素反応が50%減少する時期、50%回復する時期、神経毒素反応が最大になる時期、100%回復する時期等を予測することができる。
(iv)検体の効力の品質を管理する手段
製剤の長期保存安定性を同一条件でデータ取得し、図形表示、的確に管理し評価することができる。
(v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
この神経毒素の経時反応の実験式y=a + b(log(x)) + C(log(x)log(x))を算出し、得られた式を統計学的に比較することができる。
神経毒素による複合筋活動電位(CMAP)の振幅の低下の程度を解析するための上記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体としては、フロッピーディスク、CD-ROM、DVDなど通常の記録媒体が使用できる。
本発明を下記実施例により更に詳しく説明するが、本発明はこれに限られるものではない。
[調製例1]
ボツリヌス神経毒素の精製
(1)ボツリヌスA型NTXの精製
Sakaguchi, G., Ohishi, I.,およびKozaki, S., 1981, BIOCHEMICAL ASPECTS of botulism: Purification and oral toxicities of Clostridium botulinum progenitor toxins, pp21−34, Lewis, G. E.(編)、アカデミックプレス、ニューヨークに記載された方法に従って、ボツリヌスA型M毒素を精製した。
ボツリヌスM毒素を10mM酢酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した後、同緩衝液で平衡化したDEAEセファロースカラムに吸着させ、同緩衝液の0〜0.3M NaCl濃度勾配で溶出し、神経毒素と無毒蛋白質に分離した。得られた神経毒素(NTX)はYM-30メンブラン(ミリポア社製)で1mg/mLまで濃縮し、10mM酢酸緩衝液(pH7.5)に対して透析した後、使用時まで−80℃に保存した。
(2)3種類の血清型ボツリヌス神経毒素の精製
Sakaguchi, G., Ohishi, I.,およびKozaki, S., 1981, BIOCHEMICAL ASPECTS of botulism: Purification and oral toxicities of Clostridium botulinum progenitor toxins, pp21−34, Lewis, G. E.(編)、アカデミックプレス、ニューヨークに記載された方法に従って、ボツリヌスB、E、F型神経毒素を精製した。得られた神経毒素はYM-30メンブラン(ミリポア社製)で1mg/mLまで濃縮し、50mM酢酸緩衝液(pH6.0)に対して透析した後、使用時まで−80℃に保存した。
[実施例1]
ラットを用いたボツリヌスA型神経毒素の濃度依存的な神経伝達の抑制効果と定量解析
NTXは、調製例1(1)において調製したA型NTXを使用し(マウスに腹腔内投与したときの1LD50では1単位は約25pgであった)、一群の神経毒素を標準的方法によって、750、250、75、25、7.5、2.5、0.75、0.25、0(毒素なし)pg/0.1mLとなるように、0.5w/v%血清アルブミンを含む無菌生理食塩水で調製した。9つの用量の0.1mLを、各SDラットの左後肢筋に投与し、後肢における複合筋活動電位(CMAP)を測定した。後肢の筋活動電位は、ラットの腰椎付近をクリップ電極で挟んで電気刺激を行い、左右それぞれの後肢筋(大腿四頭筋)について記録電極を用いて複合筋活動電位(CMAP)を記録した。神経毒素投与部位およびCMAP測定部位を図1に示す。なお、筋電計は、ニコレーバイキングクエストシリーズ(ニコレー・バイオメディカル社製)を使用し、結果を「CMAP解析ソフトウエア」により数値化し、グラフ化した。神経毒素投与量と左後肢および右後肢におけるCMAP振幅の結果をそれぞれ図2、図3に示す。
数値化したデータを「CMAP解析ソフトウエア」により回帰解析した。左後肢筋のCMAP振幅と神経毒素投与量を直線回帰して得られた検量線、投与1日後の結果を図4に、4日後の結果を図5に示す。神経毒素投与後のいずれの日数においても直線でのプロットが可能であり、これを検量線として用いることで、未知サンプルのCMAP振幅から神経毒素量を決定した。また、右後肢筋のCMAP結果と神経毒素投与量を直線回帰した検量線、投与4日後の結果を図6に示す。この結果、神経毒素投与と反対側の右後肢筋のCMAP振幅についても直線でのプロットが可能であり、これを検量線として用いることで、神経毒素量が未知なサンプルの拡散反応についてもCMAP振幅から神経毒素量を決定できた。
さらに、数値化したデータを「CMAP解析ソフトウエア」によりLogit変換した。投与1日後の結果を図7に、4日後の結果を図8に示す。左後肢筋のCMAP振幅と神経毒素投与量をLogit解析すると、回帰解析よりも広い神経毒素投与量の範囲での検量線の作成が得られた。これを検量線として用いることで、未知サンプルのCMAP振幅から神経毒素量を決定した。
本発明方法を用いることにより、従来のマウスLD50では不可能であった数単位以下のボツリヌス神経毒素の効力の差異を定量することができた。これより、本発明の方法を用いれば、マウスLD50よりも100倍高感度で神経毒素の効力を検出することが可能となる。
[実施例2]
NTXと神経毒素複合体の定量的な効力比較
神経毒素は、調製例1(1)において調製したA型NTXを使用し、神経毒素複合体はAllergan, Inc.社製BOTOX(登録商標)を使用した。各神経毒素の単位数は、マウスに腹腔内投与したときの1LD50を1単位とし、マウス1LD50/0.1mLとなるように、0.5w/v%血清アルブミンを含む無菌生理食塩水で調製した。両神経毒素0.1mLを、各SDラットの左後肢筋に投与し、後肢における複合筋活動電位(CMAP)を測定した。後肢の筋活動電位は、ラットの腰椎付近をクリップ電極で挟んで電気刺激を行い、左後肢筋(大腿四頭筋)について記録電極を用いて複合筋活動電位(CMAP)を記録した。神経毒素投与部位およびCMAP測定部位を図1に示す。なお、筋電計は、ニコレーバイキングクエストシリーズ(ニコレー・バイオメディカル社製)を使用し、結果を「CMAP解析ソフトウエア」により数値化し、両神経毒素の左後肢筋のCMAP結果をy=a-bLog(x)+c(Log(x)Log(x))なる式で数式化し、
最大反応を示す日数、投与前の状態に回復する日数、50%の回復率を示す日数、50%の減少率を示す日数を算出することで、両神経毒素の定量的な効力比較を行った(図9)。その結果、両神経毒素の効力を比較すると、表1に示したとおり、投与前の状態に回復する日数が長いことから、NTXの方が神経毒素複合体よりも持続性に優れ効力が強いことが明らかとなった。
Figure 2007125604
[実施例3]
4種類の血清型ボツリヌス神経毒素の効力比較
A型神経毒素複合体はAllergan, Inc.社製BOTOX(登録商標)、調製例1(2)において調製した3種類の血清型ボツリヌス神経毒素(B、E、F)を使用した。4種類の神経毒素の単位数は、マウスに腹腔内投与したときの1LD50を1単位とし、一群の神経毒素を標準的方法によって、125、25、5、1、0.2、0.1、0.04、0(神経毒素なし)LD50/0.1mLとなるように、0.5w/v%血清アルブミンを含む無菌生理食塩水で調製した。8つの用量の0.1mLを、各SDラットの左後肢筋に投与し、後肢における複合筋活動電位(CMAP)を測定した。後肢の筋活動電位は、ラットの腰椎付近をクリップ電極で挟んで電気刺激を行い、左後肢筋(大腿四頭筋)について記録電極を用いて複合筋活動電位(CMAP)を記録した。神経毒素投与部位およびCMAP測定部位を図1に示す。なお、筋電計は、ニコレーバイキングクエストシリーズ(ニコレー・バイオメディカル社製)を使用し、結果を「CMAP解析ソフトウエア」により数値化した。ボツリヌス神経毒素の血清型によって、本測定系で測定できる神経毒素単位の範囲に差があったものの、用量反応性が確認できた。
ボツリヌス神経毒素の血清型による筋弛緩作用の違いを示すために、Aは1LD50、E、Fは5LD50、Bは125LD50を投与した際の結果を「CMAP解析ソフトウエア」によりグラフ化した(図10)。さらに、各神経毒素の左後肢筋のCMAP結果をy=a-bLog(x)+c(Log(x)Log(x))なる式で数式化し、最大反応を示す日数、投与前の状態に回復する日数、50%の回復率を示す日数、50%の減少率を示す日数を算出した。その結果、表2に示したとおり、4種類の神経毒素の効力は、A型が最も持続性に優れ効力が強く、その後、E、F、Bと続くことが明らかになった。本発明方法を用いることにより、従来のマウスLD50では不可能であった数単位以下のボツリヌス神経毒素の効力の差異を定量することができた。これより、本発明の方法を用いれば、マウスLD50よりも100倍高感度で神経毒素の効力を検出することが可能となる。
Figure 2007125604
本発明の神経毒素の定量方法は、
(1)より少数の非ヒト哺乳動物に対して、外科的処置を行わずに、筋電計を用いて神経毒素による筋弛緩作用を測定し、特に振幅データに着目し、神経毒素による振幅の低下の程度を解析することにより神経毒素の筋弛緩作用の強さを定量化する;
(2)神経毒素の力価を定量するのと同時または個別に拡散反応をも定量的に評価する;
(3)従来のマウスLD50では不可能であった少量の神経毒素を高感度に測定することができ、かつ神経毒素の持続的な反応を連続的に定量的に評価する;
(4)(2)、(3)に記載の評価により、測定する神経毒素の種類の違いによる効力を定量的に比較する;
(5)(1)から(4)を評価するに当たり生じる膨大な計測データを統計的手法を組み込んだ独自の解析ソフトウェアを用いることにより、簡便かつ迅速に神経毒素の力価と拡散反応を同時に測定し、解析による定量化や定量的な比較を可能とするものである。
それゆえ、本発明の神経毒素の定量方法を使用することにより、臨床における障害部位以外の筋への神経毒素の波及(拡散反応)を避ける為の安全な投与量を算定することができ、さらに、筋緊張亢進症の患者に必要な神経毒素量を算定することができるようになると考えられる。

Claims (19)

  1. 以下の操作ステップ:
    (a)神経毒素を非ヒト哺乳動物の一方の後肢の後肢筋に投与し、
    (b)当該非ヒト哺乳動物に電気刺激をかけ、
    (c)神経毒素を投与した当該後肢筋および/または神経毒素を投与していない他方の後肢の後肢筋の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を筋電計で測定し、ついで
    (d)操作ステップ(c)で測定して得られた複合筋活動電位(CMAP)から振幅データを取り出して振幅の低下の程度を解析することにより神経毒素による筋弛緩作用の効力を定量化すること
    から構成されることを特徴とする神経毒素の効力の定量方法。
  2. 操作ステップ(c)において、神経毒素を投与した後肢筋の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を測定する、請求項1に記載の定量方法。
  3. 当該効力が神経毒素の力価である請求項1または2に記載の定量方法。
  4. 操作ステップ(c)において、神経毒素を投与していない他方の後肢の後肢筋の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を測定する、請求項1に記載の定量方法。
  5. 当該効力が神経毒素の拡散反応である請求項1または4に記載の定量方法。
  6. 操作ステップ(c)において、神経毒素を投与した後肢筋および神経毒素を投与していない他方の後肢の後肢筋の両者の収縮による複合筋活動電位(CMAP)を同時に測定することにより、神経毒素の力価と拡散反応とを同時に定量化する、請求項1から5のいずれかに記載の定量方法。
  7. 上記操作ステップ(d)における神経毒素による複合筋活動電位(CMAP)の振幅の低下の程度を解析することにより行う、請求項1から6のいずれかに記載の定量方法。
  8. 操作ステップ(d)をCMAP解析ソフトウエアを用いて行う、請求項1から7のいずれかに記載の定量方法。
  9. 当該CMAP解析ソフトウエアが、
    (1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
    (2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
    (3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
    (4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
    (i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
    (ii)検体の効力を定量化する手段;
    (iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
    (iv)検体の効力の品質を管理する手段;または
    (v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
    として機能するものである、請求項8に記載の定量方法。
  10. 当該統計解析を回帰解析またはロジット変換により行う、請求項9に記載の定量方法。
  11. 当該測定において非ヒト哺乳動物に対して外科的処置を必要としない請求項1から10のいずれかに記載の定量方法。
  12. 神経毒素が、クロストリジウム属に属する細菌の神経毒素、魚貝類が産生する神経毒素、または蛇毒由来の神経毒素より選択される請求項1から11のいずれかに記載の定量方法。
  13. 神経毒素が、クロストリジウム属に属する細菌であり、クロストリジウム・ベラティ、クロストリジウム・ブチリカム、クロストリジウム・ボツリナム、およびクロストリジウム・テタニ等より選択される請求項12に記載の定量方法。
  14. 神経毒素が、クロストリジウム・ボツリナム由来の神経毒素である請求項13に記載の定量方法。
  15. 2以上の異なる神経毒素の効力の違いを定量的に比較する、請求項1から14のいずれかに記載の定量方法。
  16. 以下の手段:
    (1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
    (2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
    (3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
    (4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
    (i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
    (ii)検体の効力を定量化する手段;
    (iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
    (iv)検体の効力の品質を管理する手段;または
    (v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
    として機能させるための、神経毒素による複合筋活動電位(CMAP)の振幅の低下の程度を解析するためのプログラム。
  17. 当該統計解析を回帰解析またはロジット変換により行う、請求項16に記載のプログラム。
  18. 以下の手段:
    (1)医療診断用筋電計より取得した筋電計データから最大振幅等を取り出す手段、
    (2)多数動物のCMAPデータを容易に統計解析できるよう編集保存する手段、
    (3)多数動物を用いた神経毒素量の違いを最もよく反映するCMAP振幅データを統計学的手法で解析し、データの妥当性を確保する手段、および
    (4)(3)でまとめられたデータを用いて、以下のいずれかの手段と組み合わせることにより、種々のデータの解析を行う手段:
    (i)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に評価する手段;
    (ii)検体の効力を定量化する手段;
    (iii)神経毒素の経時反応を推測する手段;
    (iv)検体の効力の品質を管理する手段;または
    (v)神経毒素の種類や用量の違う神経毒素の経時反応を統計学的に比較する手段
    として機能させるための、神経毒素による複合筋活動電位(CMAP)の振幅の低下の程度を解析するためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
  19. 当該統計解析を回帰解析またはロジット変換により行う、請求項18に記載の記録媒体。
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