JPWO2007108422A1 - パケット転送制御装置及びモバイルノード - Google Patents

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Abstract

ホームエージェント間におけるパケットのリフレクションを回避する技術が開示され、その技術によればMN10は、ホームネットワーク12からホームアドレス(HoA1)が、ホームネットワーク14からホームアドレス(HoA2)がそれぞれ割り当てられており、さらに外部ネットワーク15でCoAを取得している。このとき、MNはホームアドレスをケアオブアドレスとして使用し、HA12に対して、HoA1−HoA2を含むバインディングアップデートを行い、HA14に対して、HoA2−CoAに加えてHoA2−HoA1を含むバインディングアップデートを行っている場合、CN16からHoA1あてに送信されたパケットは、HA12でカプセル化されてHA14に転送される。HA14は、受信したカプセル化パケットの送信元アドレスを参照して、同一プレフィックスを有するHoA2ではなく、CoAを転送先アドレスとして選択する。

Description

本発明は、パケットの転送を行うパケット転送制御装置及びパケット通信を行うモバイルノードに関し、特に、モバイルIPv6(Mobile IPv6)において定義されているホームエージェント機能を有するパケット転送制御装置、及びネットワークとの接続ポイントを変更しながら通信を継続して行うことが可能なモバイルノードに関する。
従来、レイヤ3でモビリティを実現する技術として、モバイルIPv6が知られている。モバイルIPv6では、MN(Mobile Node:モバイルノード)はホームネットワークを有しており、ホームネットワーク上に存在するHAからホームアドレス(HoA:Home address)が割り当てられる。一方、MNがホームネットワークを離れて外部ネットワークに接続した場合には、MNは、外部ネットワークでケアオブアドレス(CoA:Care-of address)を取得し、ホームアドレスとケアオブアドレスとの関連付けを示すバインディング情報を自身のホームネットワーク上のホームエージェント(HA:Home Agent)に登録することでモビリティの管理が行われる。
1つのMNに対して、異なるホームネットワーク上に存在する複数のHAが割り当てられる場合、そのMNはそれぞれのHAからホームアドレスを割り当てられることになる。これにより、MNは、通信相手に応じて使用するホームアドレスを切り替えたり、それぞれのホームアドレスを使用した場合の通信経路上の負荷や利用コストなどを比較して、MNの要求に最も適したホームアドレスを選択したりすることが可能となる。したがって、1つのMNに対して、複数のHA及びホームアドレスが割り当てられることによる効果は大きい。
一方、1つのMNに対してホームアドレスを割り当てる複数のHAはそれぞれ独立して存在しているため、各HAから割り当てられたホームアドレスを使用した通信が行われる場合には、MNは、従来のモバイルIPv6をそれぞれのホームアドレスに対して個別に用いることになる。すなわち、MNは、独立して存在するホームアドレスのそれぞれに対してモバイルIPv6を適用するため、MNでは、複数のモバイルIPv6に係る動作が独立して行われることになる。
図16には、従来の技術において、複数のHoAが割り当てられているMN910を含むネットワーク構成の一例が図示されている。MN910は、自身のホームエージェントとしてホームネットワーク916に存在するHA911と、ホームネットワーク917に存在するHA912とを利用することが可能である。MN910には、ホームネットワーク916からホームアドレス(HoA1)が割り当てられており、このHoA1はHA11で管理されている。さらに、MN910には、ホームネットワーク917からホームアドレス(HoA2)が割り当てられており、このHoA2はHA912で管理されている。
なお、図16では、MN910が、インタフェース(IF)920を用いて外部ネットワーク913に接続しており、外部ネットワーク913からCoAが割り当てられているものとする。また、HA911とHA912には、そのCoAが各ホームアドレス(HoA1、HoA2)に関連付けられたバインディングキャッシュが登録されているものとする。さらに、MN910は、CN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)914との通信に関してはHoA1を用いており、CN915との通信に関してはHoA2を用いているとする。なお、CN914がMN910のHoA1あてに送信したパケットは、HA911を経由する通信経路919aを通り、CN915がMN910のHoA2あてに送信したパケットは、HA912を経由する通信経路919bを通る。
この状態にあるMN910が移動して、自身のホームネットワークの1つであるホームネットワーク916に接続した場合、MN910のインタフェースにはHoA1が割り当てられる。このため、CN914との通信は、CoAを用いたHA911経由の通信から、HoA1を用いた直接通信に切り替わることになる。一方、CN915との通信を継続するためには、MN910はインタフェースに割り当てられているHoA1をHoA2のケアオブアドレスとして関連付けてHA912へ登録する。この場合、HoA2にとってHoA1は単なるケアオブアドレスとして扱われるため、HoA2あてのパケットは、HA912による通常の処理によってHoA1あてに転送される。
このように、1つのMNが複数のHA及びHoAを利用できる場合には、一方のホームアドレスを、他方のホームアドレスのケアオブアドレスとして関連付けて使用することが可能である。また、上述のように、ホームネットワークに接続していることによってホームアドレスがインタフェースに割り当てられている場合に限らず、外部ネットワークに接続していてホームアドレスがインタフェースに割り当てられていない場合であっても、ホームアドレスをCoAとして登録することが可能である。この場合には、あるHAによって代理受信されたパケットの新たな転送先として、さらに別のHAを指定することが可能となる。
一方、非特許文献1には、TEL(Tunnel Encapsulation Limit:トンネルカプセル化制限)オプションを用いることで、パケットがカプセル化される回数を制限する方法が開示されている。具体的には、非特許文献1に開示されている技術によれば、パケットのカプセル化の許容回数がTELオプションとしてカプセル化ヘッダに挿入され、更なるカプセル化が行われる際には、その許容回数を減算した値がTELオプションとして新たなカプセル化ヘッダに挿入されることで、最初のカプセル化の際にTELオプションで定められた回数を超える多重カプセル化を防ぐことが可能となる。
A.Conta, S.Deering,"Generic Packet Tunneling in IPv6 Specification", RFC2473, December 1998
しかしながら、MNが、2つのHA及びホームアドレスを使用できる状況において、それぞれのホームアドレスを他方のホームアドレスのケアオブアドレスとして関連付けた場合には、2つのHAのそれぞれがパケットの転送先として、別のHAで管理されているホームアドレスを設定することになり、その結果、2つのHA間でパケット転送が繰り返されるリフレクション(Reflection)が発生してしまう可能性がある。例えば、MN910が図16に図示されているような接続状態にある場合、HA911にはHoA1に対してCoAとHoA2とが関連付けられたバインディング情報の登録が可能であり、HA912にはHoA2に対してCoAとHoA1とが関連付けられたバインディング情報の登録が可能である。
このとき、CN914が送信したパケットを代理受信したHA911は、自身のバインディングキャッシュをチェックし、HoA1に関連付けられた複数のケアオブアドレス(CoA又はHoA2)の中から次の転送先を選択する。ここで、HA911が転送先として、ケアオブアドレスとして登録されているHoA2を選択した場合、カプセル化されたパケットは、ホームネットワーク917に転送されてHA912によって代理受信される。このとき、HA912はHA911と同様に、自身のバインディングキャッシュをチェックし、HoA2に関連付けられた複数のケアオブアドレス(CoA又はHoA1)の中から次の転送先を選択する。ここでHA912が転送先として、ケアオブアドレスとして登録されているHoA1を選択した場合、カプセル化されたパケットはホームネットワーク916に転送されるため、HA911によって再び代理受信される。このように、2つのHAによって選択される転送先アドレスが、互いが管理しているホームアドレスとなった場合は、2つのHA間でリフレクションが発生してしまうため、HA間の転送経路上の負荷が増大し、転送されるパケットの遅延やパケットロスが引き起こされてしまうという問題がある。
一方、HAはパケットの代理受信を行ってパケットを転送する場合、パケットのカプセル化を行う。したがって、上述のように2つのHA間でリフレクションが発生した場合には、このリフレクションに伴って2つのHA間で繰り返し転送されるパケットは、その転送ごとにカプセル化が多重化されていくことになる。したがって、例えば非特許文献1に定義されているTELオプションを用いて多重カプセル化を検出することによって、リフレクションによって繰り返されるパケット転送を抑制することが可能である。
しかしながら、非特許文献1に規定されているTELオプションは、カプセル化そのものを制限するものであり、そのパケットを代理受信する別のHAは、それ以上のパケット転送を中止してしまうことになる。例えば上述のHA911及びHA912に適用した場合、HA911は、送信するカプセル化パケットに「0」がセットされたTELオプションを付加することで、このパケットが別のHAによって更にカプセル化されて転送されることを防ぐことが可能となる。しかしながら、この場合には、HA912は、このTELオプションが含まれているパケットを受信した際、TELオプション内に「0」がセットされているので、これ以上のカプセル化はできないと判断してしまうため、通常のCoAあてにパケットをカプセル化して転送することも不可能になってしまうという問題がある。
一方、HA911は、送信するカプセル化パケットに「1」以上の値がセットされたTELオプションを付加した場合には、このパケットを代理受信したHA912は、通常のCoAあてにパケットをカプセル化して転送することができるようになる。しかしながら、リフレクションが発生している場合には、HA912から更に1回以上の転送(余分な転送)が行われなければ、そのリフレクションの発生を検出することができないという問題がある。さらに、非特許文献1に規定されているTELオプションは、あくまでも多重カプセル化の制限を行うものであり、多重カプセル化が上限値に達した場合にリフレクションが発生している可能性があることを推測することしかできない。すなわち、非特許文献1に規定されているTELオプションは、リフレクションの発生を推測することはできても、リフレクションの発生を確実に検出することは不可能であるという問題がある。
上記の問題点に鑑み、本発明は、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主にネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことができるようにするパケット転送制御装置及びモバイルノードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送制御装置は、第1ホームネットワークに属する第1ホームエージェントにおけるパケット転送の制御を行うパケット転送制御装置であって、
前記第1ホームネットワークから割り当てられている第1ホームアドレスに加えて、前記第1ホームネットワークとは異なる第2ホームネットワークから割り当てられている第2ホームアドレスを有するモバイルノードのアドレス管理を行い、前記第1ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第2ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を保持するバインディング情報管理手段と、
前記第2ホームネットワークに属する第2ホームエージェントから前記第1ホームアドレスをあて先アドレスとするカプセル化パケットを受信した場合には、前記カプセル化パケットの転送を行う際に、その転送先アドレスとして前記第2ホームアドレスを選択しないように制御する転送先選択制御手段とを、
有する。
上記の構成により、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主にネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、前記転送先選択制御手段が、前記カプセル化パケットの外部ヘッダの送信元アドレス又は前記カプセル化パケットの内部ヘッダのあて先アドレスを参照し、前記バインディング情報における前記ケアオブアドレスの中から、前記送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するアドレス又は前記あて先アドレスと同一のアドレスを前記転送先アドレスとして選択しないように構成されている。
上記の構成により、ホームエージェントは、カプセル化パケットに含まれているアドレスと、自身が保持しているバインディング情報に含まれているアドレスとの比較を行うことによって、受信したカプセル化パケットの転送元のホームエージェントに対して、パケットを戻すような転送を行わないようにすることが可能となり、パケットのリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、前記モバイルノードから、前記第2ホームエージェントのアドレス又は前記第2ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を受信するホームエージェント情報受信手段と、
前記ホームエージェント情報受信手段で受信された前記ホームエージェント情報を保持するホームエージェント情報保持手段とを更に有し、
前記転送先選択制御手段が、前記カプセル化パケットの外部ヘッダの送信元アドレスを参照し、前記ホームエージェント情報保持手段に保持されている情報から得られる前記第2ホームエージェントのアドレスと、前記送信元アドレスとが一致する場合には、前記バインディング情報における前記ケアオブアドレスの中から、前記送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するアドレスを前記転送先アドレスとして選択しないように構成されている。
上記の構成により、ホームエージェントは、カプセル化パケットに含まれているアドレスと、モバイルノードから通知されたバインディング情報に含まれているアドレスとの比較を行うことによって、受信したカプセル化パケットの転送元のホームエージェントに対してパケットを戻すような転送を行わないようにすることが可能となり、パケットのリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、ホームエージェントによってカプセル化されたことを示すオプション情報が、前記カプセル化パケットに付加されているか否かを確認するオプション情報確認手段を有し、前記オプション情報確認手段によって前記カプセル化パケットに前記オプション情報が付加されていることが確認された場合にのみ、前記転送先選択制御手段が、前記転送先アドレスとして前記第2ホームアドレスを選択しないように構成されている。
上記の構成により、ホームエージェントは、受信するカプセル化パケットの中から、別のホームエージェントが代理受信によって転送したカプセル化パケット(リフレクション発生の原因となるパケット)を容易に特定することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、前記カプセル化パケットの転送を行う際に、ホームエージェントによってカプセル化されたことを示すオプション情報が付加された外部ヘッダによって、前記カプセル化パケットの更なるカプセル化を行うカプセル化手段を有する。
上記の構成により、ホームエージェントは、代理受信によって転送するカプセル化パケットに対して、このカプセル化パケットがホームエージェントによって生成されたカプセル化パケットであるという情報を付加することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のモバイルノードは、第1ホームネットワークから割り当てられている第1ホームアドレスに加えて、前記第1ホームネットワークとは異なる第2ホームネットワークから割り当てられている第2ホームアドレスを有するモバイルノードであって、
前記第1ホームネットワークに属する第1ホームエージェントに対して、前記第1ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第2ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を通知する第1バインディング情報通知手段と、
前記第2ホームネットワークに属する第2ホームエージェントに対して、前記第2ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第1ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を通知する第2バインディング情報通知手段と、
前記第1ホームエージェントに対して、前記第2ホームエージェントのアドレス又は前記第2ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を通知する第1ホームエージェント情報通知手段と、
前記第2ホームエージェントに対して、前記第1ホームエージェントのアドレス又は前記第1ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を通知する第2ホームエージェント情報通知手段とを、
有する。
上記の構成により、モバイルノードが利用している複数のホームエージェントのそれぞれを識別するための情報を、各ホームエージェントに対して通知することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主にネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことができるという効果を有している。
本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるHAの構成の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャート 本発明の第2の実施の形態におけるHAの構成の一例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの第1の例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの第2の例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAによってTHAオプションが付加されたカプセル化パケットの一例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの第3の例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャート 本発明の第3の実施の形態におけるネットワーク構成の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNのバインディング情報の一例を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNの構成の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNによって生成、送信されるホームエージェント情報通知メッセージの一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNによって生成、送信されるホームエージェント情報通知メッセージの別の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるHAの構成の一例を示す図 従来の技術において、複数のHoAが割り当てられているMN10を含むネットワーク構成の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の別の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成のさらに別の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNによって生成、送信されるTHA付加要求情報を含むバインディング情報通知メッセージの一例示す図
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第3の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1には、本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の一例が図示されている。図1において、MN10は、自身のホームエージェントとしてホームネットワーク11に存在するHA12と、ホームネットワーク13に存在するHA14とを利用することが可能である。MN10には、ホームネットワーク11からホームアドレス(HoA1)が割り当てられており、このHoA1はHA12で管理されている。また、MN10には、ホームネットワーク13からホームアドレス(HoA2)が割り当てられており、このHoA2はHA14で管理されている。
また、MN10は外部ネットワーク15に接続しており、インタフェース(IF)20には、外部ネットワーク15から取得したCoAが割り当てられている。MN10は、HA12に対してHoA1とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュと、HoA1とHoA2とを関連付けたバインディングキャッシュを登録しており、一方、HA14に対しては、HoA2とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュとHoA2とHoA1とを関連付けたバインディングキャッシュを登録している。これにより、CN16から送信されたMN10のHoA1あてのパケットは、HA12によって代理受信され、CoA又はHoA2あてにカプセル化されて転送される。また、MN10のHoA2あてのパケットはHA14によって代理受信され、CoA又はHoA1あてにカプセル化されて転送される。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるHA12、14の構成について説明する。図2には、本発明の第1の実施の形態におけるHA(図1のHA12、14)の構成の一例が図示されている。図2において、HAは、送受信部101、バインディング情報通知メッセージ処理部102、バインディング情報保持部103、代理受信パケット転送処理部104、転送先選択部105を有している。なお、HA12、14は、その他の様々な機能も有しているが、図2では図示省略する。
送受信部101は、HA12、14が接続するネットワーク(例えば図1のホームネットワーク11、13)内の任意の通信ノードや、外部ネットワーク15に接続しているMN10(HA12、14が存在するホームネットワーク11、13に属するMN10)、その他の任意のネットワークに接続している任意の通信ノードとの通信を行うためのパケット送受信機能を有している。
また、バインディング情報通知メッセージ処理部102は、MN10が送信したバインディング情報通知メッセージ(バインディングアップデートメッセージ)に関する処理を行い、メッセージに含まれるMN10のバインディング情報を取得し、バインディング情報保持部103へ格納するよう指示する。
また、バインディング情報保持部103は、バインディング情報通知メッセージ処理部102から渡されたバインディング情報を格納する。
また、代理受信パケット転送処理部104は、管理しているMN10のHoAあてのパケットを受信した際に、転送先選択部105に対して、代理受信パケットのあて先アドレスであるMN10のホームアドレスを渡して、そのパケットの転送先として使用すべきケアオブアドレスの選択を要求し、その結果、転送先選択部105で選択されたアドレスをあて先としてカプセル化する。この際、代理受信パケット転送処理部104は、転送先選択部105に対して、代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックスを渡し、同一のプレフィックスを含むアドレス以外のケアオブアドレスを選択するよう要求する。
また、代理受信パケット転送処理部104は、代理受信したカプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスを抽出できる場合には、転送先選択部105に対して、抽出された内部パケットのあて先アドレスを渡し、そのアドレスと同一のアドレスを選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択するよう要求してもよい。
また、転送先選択部105は、代理受信パケット転送処理部104から転送先アドレスを選択するよう要求された場合、バインディング情報保持部103に保持されているバインディング情報をチェックし、通知されたホームアドレスに対応するバインディングキャッシュを探し出し、関連付けられている複数のケアオブアドレスの中から、使用すべきアドレスを選択する機能を有している。なお、選択されたアドレスは、代理受信パケット転送処理部104へ渡される。
転送先選択部105は、代理受信パケット転送処理部104から、MN10のホームアドレスと共にプレフィックス(代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックス)を受け取った場合には、そのプレフィックスと同一のプレフィックスを持つケアオブアドレスを転送先として選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
また、転送先選択部105は、代理受信パケット転送処理部104から、MN10のホームアドレスと共に内部パケットのあて先アドレスを受け取った場合には、そのアドレスと同一のアドレスを選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
以上、図2を参照しながら説明したように、本発明の第1の実施の形態におけるHAは、カプセル化パケットを代理受信した場合には、カプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレス(あるいは、カプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレス)を転送先アドレスとして選択しないように構成されている。これによって、カプセル化パケットの送信者(転送元)であるHAにパケットを戻すような転送(リフレクション)が行われないようにすることが可能となる。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるHA12、14の動作の一例について説明する。図3には、本発明の第1の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャートが図示されている。
図3において、HA(図1のHA12、14)は、MN10のHoAあてのカプセル化パケットを代理受信すると(ステップS310)、そのカプセル化パケットの送信元アドレスのプレフィックスと、バインディング情報保持部103に保持されているバインディング情報のケアオブアドレスのプレフィックスとの比較を行う(ステップS311)。そして、両者が一致するか否かを判断し(ステップS312)、一致しない場合には、そのケアオブアドレスをあて先アドレスとするカプセル化パケットを生成して(ステップS313)、カプセル化パケットの送信を行う(ステップS314)。
一方、ステップS312で両者が一致した場合には、まだ比較を行っていない別のケアオブアドレスがバインディング情報保持部103に残っているか否かをチェックし(ステップS315)、未選択のケアオブアドレスが存在する場合には、ステップS311に戻って、そのケアオブアドレスに対して再び比較処理を行う。一方、未選択のケアオブアドレスが存在しない場合(すなわち、バインディング情報保持部103に保持されているすべてのバインディング情報のケアオブアドレスが、カプセル化パケットのあて先アドレスのプレフィックスを有する場合)には、リフレクション状態が検出される(ステップS316)。なお、リフレクション状態が検出された場合には、例えば、そのリフレクション状態を解消する処理や、MN10や他のHAに対してリフレクション状態であることを通知する処理など、任意の処理を行うことが可能である。
なお、図3のステップS311では、代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックスと、バインディング情報保持部103に保持されているケアオブアドレスとの比較が行われているが、内部パケットのあて先アドレスと、バインディング情報保持部103に保持されているケアオブアドレスとの比較が行われてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る技術は、図17に示すネットワーク構成の別の一例においても有効に機能する。図17では、MN10は2つのインタフェース(IF20、IF21)を持ち、それぞれネットワークベースのモビリティプロトコル(例えば、Proxy Mobile IP(PMIP))が提供されているローカルネットワーク515及びローカルネットワーク516に接続している。それぞれのローカルネットワーク515、516には、MN10の代理として移動制御を行う代理ノード(例えば、Proxy Mobile Agent(PMA))としてPMA518とPMA519が存在し、MN10を管理しているHA12及びHA14との間で、ネットワークベースのモビリティプロトコルに係るメッセージをやり取りする。
MN10はHA12からHoA1を割り当てられ、HA14からはHoA2を割り当てられており、PMA518は、HoA1に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録しており、一方PMA519は、HoA2に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録している。
このような構成において、MN10が両方のIF20、21間でモビリティを得るために、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性がある。この場合に対して本発明の第1の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
なお、図18に示すように、図17において、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていたローカルネットワーク516が、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていない外部ネットワーク517である場合にも同様に、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性があるが、この場合に対しても本発明の第1の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、HAは、カプセル化パケットの転送を行う場合に、カプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレスや、内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレスを、更なるカプセル化によって転送するパケットのあて先アドレスとして設定しないようにすることが可能となる。また、HAは、カプセル化パケットの転送を行う場合に、代理受信したカプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレスや、内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレスしかバインディング情報として保持されていないことを把握した場合には、このパケットに関してリフレクションが発生している旨を検出することが可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上述の本発明の第1の実施の形態では、HAによって代理受信されたパケットが、ホームネットワークに存在する一般ノードやMNによって直接送信されたカプセル化パケットであった場合でも、HAは、リフレクションを避けてMNへ転送するために生成したカプセル化パケットの場合と同様に、同一プレフィックスを持つケアオブアドレスを選択対象から外してしまうことになる。
一方、本発明の第2の実施の形態では、HAが、代理受信したパケットが他のHAから送信されたカプセル化パケットであることを把握できるようにすることによって、本発明の第1の実施の形態で一部のカプセル化パケットに対して生じ得る不都合な動作が解消される。なお、具体的には、HAが代理受信したパケットをカプセル化して転送する場合に、転送するカプセル化パケットに対して、このカプセル化パケットがHAによって生成されたことを示すオプション(本明細書では、THA(Tunnel Home Agent:トンネルホームエージェント)オプションと呼ぶ)を付加する。
次に、本発明の第2の実施の形態におけるHA12、14の構成について説明する。図4には、本発明の第2の実施の形態におけるHA(HA12、14)の構成の一例が図示されている。図4において、HAは、送受信部201、バインディング情報通知メッセージ処理部202、バインディング情報保持部203、代理受信パケット転送処理部204、転送先選択部205、THAオプション付加部206を有している。なお、HA12、14は、その他の様々な機能も有しているが、図4では図示省略する。
送受信部201は、HA12、14が接続するネットワーク(例えば図1のホームネットワーク11、13)内の任意の通信ノードや、外部ネットワーク15に接続しているMN10(HA12、14が存在するホームネットワーク11、13に属するMN10)、その他の任意のネットワークに接続している任意の通信ノードとの通信を行うためのパケット送受信機能を有している。
また、バインディング情報通知メッセージ処理部202は、MN10が送信したバインディング情報通知メッセージに関する処理を行い、メッセージに含まれるMN10のバインディング情報を取得し、バインディング情報保持部203へ格納するよう指示する。
また、バインディング情報保持部203は、バインディング情報通知メッセージ処理部202から渡されたバインディング情報を格納する。
また、代理受信パケット転送処理部204は、管理しているMN10のHoAあてのパケットを受信した際に、まず、代理受信したカプセル化パケットのヘッダ部分に付加されている拡張ヘッダをチェックし、このカプセル化パケットがHAによって生成されたことを示すTHAオプションが付加されているか否かを判断する。カプセル化パケットにTHAオプションが付加されていた場合には、そのカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものであることが認識される。
代理受信したカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものである場合には、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205に対して、代理受信パケットのあて先アドレスであるMN10のホームアドレスを渡して、そのパケットの転送先として使用すべきケアオブアドレスの選択を要求する。この際、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205に対して、代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックスを渡し、同一のプレフィックスを含むアドレス以外のケアオブアドレスを選択するよう要求する。
そして、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205から、選択されたアドレスを受け取ると、そのアドレスをあて先とするカプセル化パケットの生成を行う。このカプセル化を行う際に、代理受信パケット転送処理部204は、外部ヘッダ(カプセル化ヘッダ)に付加する拡張ヘッダとして、THAオプションを付加するようTHAオプション付加部206に対して指示する。
一方、代理受信したカプセル化パケットにTHAオプションが付加されておらず、他のHAによってカプセル化されたものではないことが認識された場合には、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205に対して、そのパケットの転送先として使用すべき任意のケアオブアドレスの選択を要求し、転送先選択部205から受け取った転送先のケアオブアドレスをあて先とするカプセル化パケットを生成する。すなわち、代理受信したカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものではない場合には、任意のケアオブアドレスを選択して、カプセル化パケットのあて先アドレスに設定することが可能である。
なお、THAオプションの存在によって、そのカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものであることが認識された場合には、代理受信パケット転送処理部204は、内部パケットのあて先アドレスを参照して、内部パケットのあて先アドレスが、カプセル化を行ったHAによって管理されているMN10のホームアドレスであることを更に認識し、転送先選択部205に対してそのアドレスを渡して、そのアドレス以外をケアオブアドレスとして選択するよう要求することも可能である。
また、転送先選択部205は、代理受信パケット転送処理部204から転送先アドレスを選択するよう要求された場合、バインディング情報保持部203に保持されているバインディング情報をチェックし、通知されたホームアドレスに対応するバインディングキャッシュを探し出し、関連付けられている複数のケアオブアドレスの中から、使用すべきアドレスを選択する機能を有している。なお、選択されたアドレスは、代理受信パケット転送処理部204へ渡される。
転送先選択部205は、代理受信パケット転送処理部204から、MN10のホームアドレスと共にプレフィックス(代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックス)を受け取った場合には、そのプレフィックスと同一のプレフィックスを持つケアオブアドレスを転送先として選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
また、転送先選択部205は、代理受信パケット転送処理部204から、MN10のホームアドレスと共に内部パケットのあて先アドレスを受け取った場合には、そのアドレスと同一のアドレスを選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
また、THAオプション付加部206は、代理受信パケット転送処理部204からの指示に応じて、カプセル化を行って転送するパケットの外部ヘッダ(カプセル化ヘッダ)に付加するオプションとして、THAオプションを付加する機能を有している。
以上、図4を参照しながら説明したように、本発明の第2の実施の形態におけるHAは、カプセル化パケットを代理受信した場合には、他のHAによってカプセル化されたことを示すTHAオプションがカプセル化パケットに付加されているか否かをチェックすることで、他のHAによってカプセル化されたカプセル化パケットのみを選別するように構成されている。さらに、HAは、他のHAによってカプセル化されたカプセル化パケットに関して、そのカプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレス(あるいは、カプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレス)を転送先アドレスとして選択しないように構成されている。これによって、カプセル化パケットの送信者(転送元)であるHAにパケットを戻すような転送(リフレクション)が行われないようにすることが可能となる。
また、図5には、本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの一例が図示されている。なお、図5のTHAオプションは、Destination Options Header(あて先オプションヘッダ)に含めるオプションとして記載されており、カプセル化パケットを代理受信する他のHAに対して、このカプセル化パケットがHAによって生成されたものであることを認識させるためのものである。図5に示すTHAオプションを含む拡張ヘッダは、IPv6ヘッダに続くヘッダのタイプを識別するためのNext Header、ヘッダ長を示すHeader Length、このオプションがTHAオプションであることを示すOption Type(THA)、オプション長を示すOption Lengthを有している。なお、THAオプションとしては、Hop-by-Hop Options Header(ホップバイホップオプションヘッダ)に含めるオプションとして構成されていてもよい。また、Routing Header(ルーティングヘッダ)やその他のIPv6で規定されているヘッダに含まれるフィールドに上記のTHAオプションと同等の情報を含めるようにしてもよい。また、IPv6ヘッダ内のFlow Label(フローラベル)フィールドやTraffic Class(トラフィッククラス)フィールドに上記のTHAオプションと同等の情報を示す値を含めるようにしてもよい。
また、図6には、本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの別の一例が図示されている。図6に示す拡張ヘッダは、図5に示す構成に加えて、THAオプションの中に、このTHAオプションを付加したHAが属するホームネットワークのホームプレフィックス又はHAのアドレスが含まれるようにしてもよい。このTHAオプションが付加されたカプセル化パケットを受信したHAは、ホームプレフィックス又はHAのアドレスのプレフィックスを含まないケアオブアドレスを次の転送先に指定することによって、パケットのリフレクションを避けることが可能となる。また、THAオプションの中に、内部パケットのあて先アドレスを挿入することも有効である。
次に、本発明の第2の実施の形態における具体的な動作の一例について、図1に図示されているネットワーク構成を参照しながら説明する。なお、以下では、MN10がCN16とHoA1を用いて通信を行っている場合を想定して説明を行う。
CN16が送信したHoA1あてのパケットを代理受信したHA12は、通常のモバイルIPv6の処理として、HoA1に関連付けられているケアオブアドレス(CoA、HoA2)の中から、HoA2を転送先アドレスとして選択したとする。このとき、HA12は、HoA2をあて先とする外部ヘッダを付加し、さらに拡張ヘッダとしてTHAオプションを付加して、カプセル化したパケットを送信する。なお、このとき送信されるカプセル化パケットは、図7に図示されるような構成を有している。
HA12から送信されたカプセル化パケットは、ホームネットワーク13上に存在するHA14によって代理受信される。HA14は受信処理の際に、このカプセル化パケットの外部ヘッダの拡張ヘッダとしてTHAオプションが付加されていることを認識し、転送先アドレスの選択の際に、外部ヘッダの送信元アドレスと同一のプレフィックスを含むHoA1を選択せずに、同一のプレフィックスを含まないアドレスであるCoAを選択する。これによって、HA14は、CoAをあて先としたカプセル化パケットを生成、送信するので、リフレクションが発生することなく、カプセル化パケットはMN10に届けられる。また、HA14は、内部ヘッダのあて先アドレスを参照し、このあて先アドレスと同一のアドレスであるHoA1を転送先として選択しないようにすることによって、リフレクションの発生を防ぐことも可能である。
なお、サイトマルチホームによってホームネットワーク11内に新たなプレフィックスが広告された場合には、MN10はホームネットワーク11上で有効なホームアドレス(HoA3)を更に保持することができるようになる。これにより、MN10は、HoA1に加えてHoA3を利用することが可能となり、HoA2に関連付けるケアオブアドレスとして、HoA1及びHoA3の両方を登録することが可能となる。
このような条件下において、HA14が上述のTHAオプションが付加されたカプセル化パケットを受信したとき、HA14は、外部ヘッダの送信元アドレスがHoA1(あるいはHoA3)と同一のプレフィックスを有する場合には、HoA1(あるいはHoA3)を選択対象から外すことができるが、HoA3(あるいはHoA1)に関しては依然として転送先のケアオブアドレスとして選択する可能性が残ってしまう。なお、送信元アドレスとしてHoA1(あるいはHoA3)が設定されているパケットをHoA3(あるいはHoA1)に転送した場合には、HA12から送信されてきたパケットを再びHA12に転送することになるので、リフレクションが発生してしまうことになる。
このような問題の発生を防ぐため、HA12は、図8に示すようにTHAオプションの中に、サイトマルチホームによって管理している複数のホームプレフィックスの情報(例えば、HA12が管理しているすべてのホームプレフィックス又はHAのアドレス)を含めることが可能である。この場合、THAオプション内のホームプレフィックスは、外部ヘッダの送信元アドレスのプレフィックスと同様に取り扱われ、HA14は、THAオプション内のホームプレフィックスと、同一のプレフィックスを持つアドレスをケアオブアドレスとして選択しないようにすることで、リフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
次に、本発明の第2の実施の形態におけるHA12、14の動作の一例について説明する。図9には、本発明の第2の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャートが図示されている。
図9において、HA(図1のHA12、14)は、MN10のHoAあてのカプセル化パケットを代理受信すると(ステップS310)、まず、カプセル化パケットにTHAオプションが付加されているか否かをチェックする(ステップS320)。カプセル化パケットにTHAオプションが付加されていない場合には、このカプセル化パケットはHAによってカプセル化されたものではないため、どのケアオブアドレスを選択して転送先アドレスとして設定しても、リフレクションは発生しない。したがって、ステップS313に進み、HAは任意のケアオブアドレスを転送先アドレスとするカプセル化パケットを生成して転送を行う。
一方、カプセル化パケットにTHAオプションが付加されている場合には、図3に図示されているステップS311以降の処理と同一の処理が行われることによって、リフレクションの回避又はリフレクション状態の検出が行われる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る技術は、図17に示すネットワーク構成の別の一例においても有効に機能する。図17では、MN10は2つのインタフェース(IF20、IF21)を持ち、それぞれネットワークベースのモビリティプロトコル(例えば、Proxy Mobile IP(PMIP))が提供されているローカルネットワーク515及びローカルネットワーク516に接続している。それぞれのローカルネットワーク515、516には、MN10の代理として移動制御を行う代理ノード(例えば、Proxy Mobile Agent(PMA))としてPMA518とPMA519が存在し、MN10を管理しているHA12及びHA14との間で、ネットワークベースのモビリティプロトコルに係るメッセージをやり取りする。
MN10はHA12からHoA1を割り当てられ、HA14からはHoA2を割り当てられており、PMA518は、HoA1に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録しており、一方PMA519は、HoA2に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録している。
このような構成において、MN10が両方のIF20、21間でモビリティを得るために、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性がある。この場合に対して本発明の第2の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
なお、図18に示すように、図17において、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていたローカルネットワーク516が、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていない外部ネットワーク517である場合にも同様に、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14間でリフレクションが発生する可能性があるが、この場合に対しても本発明の第2の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、HAは、代理受信したパケットをカプセル化して転送する場合に、HAによってカプセル化が行われたことを示す情報をカプセル化パケットに付加することによって、そのカプセル化パケットを代理受信したHAは、他のカプセル化パケットとHAによるカプセル化パケットとを区別することが可能となる。そして、HAは、HAによるカプセル化パケットに対してのみ、リフレクションを回避したパケット転送や、リフレクション状態の検出処理などを行うことが可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10には、本発明の第3の実施の形態におけるネットワーク構成の一例が図示されている。図10において、MN10は、自身のホームエージェントとしてホームネットワーク11に存在するHA12と、ホームネットワーク13に存在するHA14と、ホームネットワーク17に存在するHA18とを利用することが可能である。MN10には、ホームネットワーク11からホームアドレス(HoA1)が割り当てられており、このHoA1はHA12で管理されている。また、MN10には、ホームネットワーク13からホームアドレス(HoA2)が割り当てられており、このHoA2はHA14で管理されている。また、MN10には、ホームネットワーク17からホームアドレス(HoA3)が割り当てられており、このHoA3はHA18で管理されている。
また、MN10は外部ネットワーク15に接続しており、インタフェース(IF)20には、外部ネットワーク15から取得したCoAが割り当てられている。MN10は、HA12に対してHoA1とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュを登録しており、一方、HA14に対しては、HoA2とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュと、HoA2とHoA3とを関連付けたバインディングキャッシュを登録している。また、さらに、HA18に対しては、HoA3とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュと、HoA3とHoA2とを関連付けたバインディングキャッシュを登録している。これにより、CN16から送信されたMN10のHoA1あてのパケットは、HA12によって代理受信され、CoAあてにカプセル化されて転送される。また、MN10のHoA2あてのパケットはHA14によって代理受信され、CoA又はHoA3あてにカプセル化されて転送される。また、MN10のHoA3あてのパケットはHA18によって代理受信され、CoA又はHoA2あてにカプセル化されて転送される。なお、図11には、各HA12、14、18がMN10のバインディング情報が模式的に図示されている。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるMN10の構成について説明する。図12には、本発明の第3の実施の形態におけるMN10の構成の一例が図示されている。図12において、MN10は、送受信部301、バインディング情報通知メッセージ生成部302、通知済みバインディング情報管理部303、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304、ホームエージェント情報管理部305を有している。なお、MN10は、例えばCN16との間で送受信するデータパケットを処理するためのデータパケット処理部やその他の様々な機能も有しているが、図12では図示省略する。
送受信部301は、MN10が接続するネットワーク(例えば図10の外部ネットワーク15)内の任意の通信ノードや、MN10のホームネットワーク11、13、17内の任意の通信ノード(例えば図10のHA12、14、18)、さらには、その他の任意のネットワークに存在する任意の通信ノード(例えば図10のCN16)との通信を行うためのパケット送受信機能を有している。なお、送受信部101には、例えば図10に図示されている無線接続のインタフェース20の機能も包含される。
また、バインディング情報通知メッセージ生成部302は、例えば図11に図示されているようなバインディング情報を、対応するHA12、14、18に登録するためのバインディング情報通知メッセージを生成する機能を有している。バインディング情報通知メッセージ生成部102で生成されたバインディング情報通知メッセージは、送受信部301を通じて、対応する各HA12、14、18に送信される。
また、バインディング情報通知メッセージ生成部302は、登録するバインディング情報の中に、他のホームエージェントが管理しているホームアドレスをケアオブアドレスとして使用しているバインディング情報がある場合、そのバインディング情報にTHA付加要求情報を付加する。この情報によりHAは、パケットを転送する際に、転送先として選択したバインディング情報にTHA付加要求情報が付加されている場合には、カプセル化パケットにTHAオプションを付加して転送する。これにより、転送先のHAとの間でリフレクションの発生を防ぐことができる。
また、図19には、バインディング情報通知メッセージ生成部302で生成された、THA付加要求情報を含むバインディング情報通知メッセージの一例が図示されている。なお、図19に図示されているバインディング情報通知メッセージでは、MN10が自身のCoAをHA14に対して登録する際に送信するバインディングアップデートメッセージに、THA付加要求情報が挿入されている。THA付加要求情報は、代替用CoAオプション又はBID sub-optionのフラグや、モビリティヘッダのフラグとして実現可能である。
なお、THA付加要求情報は、バインディング情報通知メッセージだけでなく、フロー情報を登録するために送信するメッセージに含まれていてもよいし、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304が生成するホームエージェント情報通知メッセージの中に含まれていてもよい。このようなメッセージの中で、THA付加要求情報を付加するバインディング情報を特定する情報として、ケアオブアドレスだけでなく、各バインディング情報に関連付けられているBID(Binding Unique ID)を使用することができる。
また、通知済みバインディング情報管理部303は、各HA12、14、18によって管理されているホームアドレス(HoA1、HoA2、HoA3)に対して関連付けられているケアオブアドレスを管理するための機能を有しており、通知済みバインディング情報管理部303には、各HA12、14、18に対して登録したバインディング情報(例えば図11に図示されているようなバインディング情報)が保持されている。
また、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304は、ホームエージェント情報管理部305から渡されたホームエージェントに関する情報(ホームエージェント情報)を含むメッセージを生成する機能を有している。ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304で生成されたホームエージェント情報通知メッセージは、送受信部301を通じて各ホームエージェントに送信され、これによって、MN10のアドレス管理を行っている特定のホームエージェントに関する情報が他のホームエージェントに通知される。
また、ホームエージェント情報管理部305は、MN10が利用可能な各ホームエージェントのホームエージェント情報(ホームエージェントのアドレスやDNS(Domain Name System:ドメインネームシステム)名など)を管理し、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304に対して、それぞれのホームエージェントあてに、他のホームエージェントに関する情報を通知するためのホームエージェント情報通知メッセージを生成するよう指示する。
また、ホームエージェント情報管理部305は、通知済みバインディング情報管理部303で管理されている情報をチェックし、リフレクションを回避するためにホームエージェント情報を通知すべきホームエージェントを探し出すことで、特定のホームエージェントに対してのみ、他のホームエージェントに関する情報を通知することも可能である。
例えば、MN10の通知済みバインディング情報管理部303が、図11に示されているように、ホームネットワーク17のHoA3をHoA2に関連付けるCoAとして登録し、さらにホームネットワーク13のHoA2をHoA3に関連付けるCoAとして登録していることを示すバインディング情報を管理している場合、ホームエージェント情報管理部305は、HA14とHA18に対してそれぞれ他方のHAに関するホームエージェント情報を通知することを決定する。
一方、HA12に関してはリフレクションが発生するような状態で登録されていない(すなわち、HA12で管理されているHoA1には外部ネットワーク15で取得されたCoAのみが関連付けられている)ので、HA12に対してはホームエージェント情報を通知する必要がないと判断する。これにより、ホームエージェント情報管理部305が、ホームエージェント情報の通知を行うべきホームエージェントを判断して、ホームエージェント情報を通知することによって、不必要なメッセージ送信を避けることが可能となる。なお、MN10は、ホームエージェント情報の通知を行う必要があるか否かの判断を行わず、すべてのHA12、14、18に対して、他のHAのホームエージェントに関するホームエージェント情報の通知を行ってもよい。
また、後述する本発明の第3の実施の形態におけるHAに対応しているHAと、対応していないHAが並存する場合に、モバイルIPv6に規定されているダイナミックホームエージェントアドレスディスカバリ(Dynamic Home Agent Address Discovery)や、モバイルプレフィックスディスカバリ(Mobile Prefix Discovery)などの、HAに関する情報を得ることができる手法を用いて、ホームエージェント情報の取得に対応しているHAを検出し、対応しているHAに対してだけホームエージェント情報を通知するようにし、不要なメッセージの送信を避けることができるようにしてもよい。この場合、例えば、ホームエージェントアドレスディスカバリリプライメッセージ、又はモバイルプレフィックスアドバタイズメントメッセージの中に、後述する本発明の第3の実施の形態におけるHAの機能に対応しているか否かを示す情報が含まれていることが望ましい。
以上、図12を参照しながら説明したように、本発明の第3の実施の形態におけるMN10は、HA間におけるリフレクションの発生を防ぐために、必要に応じて、複数のHAのそれぞれに対して他のHAのホームエージェント情報を通知することが可能なように構成されている。なお、HAのホームエージェント情報としては、例えばHAのアドレスや、HAのアドレスを特定することを可能にするDNS名などが利用される。
また、図13には、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304で生成された、HA14に対してHA16のホームエージェント情報を通知するためのホームエージェント情報通知メッセージの一例が図示されている。なお、図13に図示されているホームエージェント情報通知メッセージでは、ホームエージェント情報を挿入する箇所としてモビリティヘッダが使われており、モビリティヘッダの中にHA16のアドレスやDNS名などのホームエージェント情報を有するHAアドレスオプションが含まれている。
また、図14には、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304で生成された、HA14に対してHA16のホームエージェント情報を通知するためのホームエージェント情報通知メッセージの別の一例が図示されている。なお、図14に図示されているホームエージェント情報通知メッセージでは、MN10が自身のCoAをHA14に対して登録する際に送信するバインディングアップデートメッセージに、HA16のホームエージェント情報を有するHAアドレスオプションが挿入されている。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるHA12、14、18の構成について説明する。図15には、本発明の第3の実施の形態におけるHA(HA12、14、18)の構成の一例が図示されている。図15において、HAは、送受信部401、バインディング情報通知メッセージ処理部402、バインディング情報保持部403、ホームエージェント情報通知メッセージ処理部404、ホームエージェント情報保持部405、転送先選択部406、送信元アドレス比較部407、代理受信パケット転送処理部408、THAオプション付加部409を有している。なお、HAは、その他の様々な機能も有しているが、図15では図示省略する。
送受信部401は、HA12、14、18が接続するネットワーク(例えば図1のホームネットワーク11、13、17)内の任意の通信ノードや、外部ネットワーク15に接続しているMN10(HA12、14、18が存在するホームネットワーク11、13、17に属するMN10)、その他の任意のネットワークに接続している任意の通信ノードとの通信を行うためのパケット送受信機能を有している。
また、バインディング情報通知メッセージ処理部402は、MN10が送信したバインディング情報通知メッセージに関する処理を行い、メッセージに含まれるMN10のバインディング情報を取得し、バインディング情報保持部403へ格納するよう指示する。
また、バインディング情報保持部403は、バインディング情報通知メッセージ処理部402から渡されたバインディング情報を格納する。
また、ホームエージェント情報通知メッセージ処理部404は、MN10が送信したホームエージェント情報通知メッセージに関する処理を行い、メッセージに含まれるホームエージェント情報を取得し、ホームエージェント情報保持部405へ格納するよう指示する。
また、ホームエージェント情報保持部405は、ホームエージェント情報通知メッセージ処理部404から渡されたホームエージェント情報を格納する。なお、ホームエージェント情報保持部405では、MN10の識別情報と共に、ホームエージェントのアドレスやDNS名などを含むホームエージェント情報が格納、管理されることが望ましい。
また、転送先選択部406は、代理受信パケット転送処理部408から、選択対象となるMN10のホームアドレス及びMN10に該当するホームエージェント情報(例えば、ホームエージェントのアドレスのプレフィックス)を受け取るとともに、転送先アドレスを選択するよう要求された場合に、バインディング情報保持部403に保持されているバインディング情報をチェックし、通知されたMN10のホームアドレスに対応するバインディングキャッシュを探し出し、該当するバインディングキャッシュ内のケアオブアドレスの中から、通知されたホームエージェント情報に含まれるプレフィックスとは異なるプレフィックスを有するアドレスをケアオブアドレスとして選択する。なお、通知されたホームエージェント情報に含まれるプレフィックスとは異なるプレフィックスを持つアドレスが発見されなかった場合には、リフレクションの発生が検出される。
また、転送先選択部406は、代理受信パケット転送処理部408から、該当するホームエージェント情報なしで、転送先アドレスの選択を要求された際に、選択した転送先にTHA付加要求情報が付加されている場合には、代理受信パケット転送処理部408に対して、転送先のアドレスと共にTHA付加要求情報を渡す。なお、代理受信パケット転送処理部408から該当するホームエージェント情報が渡された場合であっても、通知されたホームエージェント情報に含まれるプレフィックスと同じプレフィックスを有するアドレスを転送先アドレスとして選択せざるを得ない場合、代理受信パケット転送処理部408に対して、転送先のアドレスと共にTHA付加要求情報を渡す。
また、送信元アドレス比較部407は、代理受信パケット転送処理部408から通知されたパケットのあて先アドレスに設定されているアドレス(MN10のホームアドレス)に該当するホームエージェント情報(例えば、ホームエージェントのアドレスのプレフィックス)をホームエージェント情報保持部405から取得し、パケットの送信元アドレスに設定されているアドレスと比較する。そして、送信元アドレス比較部407は、送信元アドレスと一致するアドレスがホームエージェント情報内に存在するか否かをチェックし、そのチェック結果(一致したアドレスが存在する場合には、一致したホームエージェントのアドレスのプレフィックスを含む情報)を代理受信パケット転送処理部408へ渡す。
また、代理受信パケット転送処理部408は、代理受信したパケットを送信元アドレス比較部407へ渡し、送信元アドレスとホームエージェント情報の比較を行うよう指示する。送信元アドレス比較部407から渡された結果が一致するホームエージェント情報の存在を示している場合には、代理受信パケット転送処理部408は、転送先選択部406に対して、選択対象のホームアドレスと共に、一致したホームエージェントのアドレスのプレフィックスを渡し、そのプレフィックスとは異なるプレフィックスを有するアドレスをケアオブアドレスとして選択するよう指示する。
また、代理受信パケット転送処理部408は、代理受信したカプセル化パケットのヘッダ部分に付加されている拡張ヘッダをチェックし、THAオプションが付加されていた場合には、代理受信したパケットを送信元アドレス比較部407に渡して、送信元アドレスとホームエージェント情報との比較を行うよう指示してもよい。なお、THAオプション内には、図6に示すように、外部ヘッダの送信元アドレスの代わりにホームプレフィックス又はホームエージェントのアドレスが含まれるようにしてもよい。また、THAオプション内にホームエージェントのプレフィックスを含む情報が挿入されている場合には、代理受信パケット転送処理部408は、送信元アドレス比較部408への指示を行わずに、転送先選択部406へホームエージェントのプレフィックスを含む情報を渡し、同一のプレフィックスを含むアドレス以外のケアオブアドレスを選択するよう要求してもよい。
また、代理受信パケット転送処理部408は、送信元アドレス比較部407からの結果が一致するホームエージェント情報があったことを示す場合、転送先選択部406へ指示する際に、内部パケットのあて先アドレスとして設定されているアドレスがMN10のホームアドレスであると判断し、転送先選択部406に対して、選択対象のホームアドレスとともに、内部パケットのあて先アドレスを渡し、そのアドレスと異なるアドレスをケアオブアドレスとして選択するよう指示してもよい。
また、代理受信パケット転送処理部408は、転送先選択部406から転送先のアドレスと共にTHA付加要求情報を渡された場合には、THAオプション付加部409に対して転送パケットにTHAオプションを付加するよう指示する。
なお、THAオプションの存在によって、そのカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものであることが認識された場合には、代理受信パケット転送処理部408は、内部パケットのあて先アドレスを参照して、内部パケットのあて先アドレスが、カプセル化を行ったHAによって管理されているMN10のホームアドレスであることを更に認識し、転送先選択部205に対してそのアドレスを渡して、そのアドレス以外をケアオブアドレスとして選択するよう要求することも可能である。
また、THAオプション付加部409は、代理受信パケット転送処理部408からの指示に応じて、カプセル化を行って転送するパケットの外部ヘッダ(カプセル化ヘッダ)に付加するオプションとして、THAオプションを付加する機能を有している。なお、本発明の第3の実施の形態では、必ずしもカプセル化パケットにTHAオプションが付加される必要はないが、THAオプションの付加によってHAでカプセル化されたパケットであることを特定できるようにすることで、リフレクションが起り得るパケットのみに対して処理が行われるようにすることが可能となる。
また、THAオプション内に、そのTHAオプションを付加したHAのホームプレフィックス又はHAのアドレスが挿入されている場合には、HAは、カプセル化パケットの送信元アドレスや内部パケットのあて先アドレスの代わりに、THAオプション内のHAのホームプレフィックス又はHAのアドレスを使用して、THAオプション内のHAのホームプレフィックス又はHAのアドレスのプレフィックスとは異なるプレフィックスを有するアドレスが転送先アドレスとして選択されるようにしてもよい。
以上、図15を参照しながら説明したように、本発明の第3の実施の形態におけるHAは、代理受信したパケットを転送する際に、MNから通知された他のHAのホームエージェント情報を参照して、代理受信したパケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレス(あるいは、カプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレス)を転送先アドレスとして選択しないように構成されており、これによって、パケットの送信者(転送元)であるHAに対してパケットを戻すような転送(リフレクション)が行われないようにすることが可能となる。
なお、本発明の第3の実施の形態におけるHAは、MNに対して、ホームエージェント情報の通知を要求するメッセージを送信するよう構成されていてもよい。また、ホームエージェント情報の提供元として、MNだけでなく、ネットワーク上に存在する任意の情報提供サーバを用いる方法も考えられる。この場合、情報提供サーバは、任意のタイミングで、あるいはHAからの要求に応じて、特定のMNに関するホームエージェント情報をHAへ提供することが望ましい。
次に、本発明の第3の実施の形態における具体的な動作の一例について、図10に図示されているネットワーク構成を参照しながら説明する。なお、以下では、MN10がCN16とHoA2を用いて通信を行っている場合を想定して説明を行う。
MN10は、HA14に対して、HA18に関するホームエージェント情報を通知し、さらにHA18に対して、HA14に関するホームエージェント情報を通知する。なお、MN10は、上述のように、通知済みバインディング情報管理部303に格納されているバインディング情報を参照することによって、HA14とHA18との間でリフレクションが発生してしまう可能性があることを検知し、HA14に対してHA18に関するホームエージェント情報を通知するとともに、HA18に対してHA14に関するホームエージェント情報を通知する決定を行う。
CN16が送信したHoA2あてのパケットを代理受信したHA14は、HoA2に関連付けられているケアオブアドレス(CoA、HoA3)の中から、HoA3を転送先アドレスとして選択し、HoA3あてのカプセル化パケットを用いてパケットの転送を行ったとする。
HA14から送信されたカプセル化パケットは、ホームネットワーク17上に存在するHA18によって代理受信される。HA18はこのカプセル化パケットを代理受信すると、カプセル化パケットの送信元アドレス及び自身が保持しているホームエージェント情報を参照して、カプセル化パケットの送信元アドレスが、自身が保持しているホームエージェント情報内のHA14のアドレスに等しいことを検出する。これによって、HA14は、次の転送先としてHoA2を選択した場合には、リフレクションが発生してしまうことを認識し、パケットの転送先アドレスとしてHoA2以外のアドレス(すなわち、CoAを選択することが可能となる。その結果、CN16が送信したパケットはリフレクションを起こすことなくMN10に届けられる。
なお、ホームエージェント情報を用いることによって、より早期の段階でリフレクションの発生を回避することも可能となる。例えば、HoA2あてのパケットを代理受信したHA14は、パケットの転送先を選択する際にHoA3をケアオブアドレスとして選択した場合には、ホームエージェント情報に含まれるHA18にパケットが転送されることになり、その結果、リフレクションが発生してしまう可能性があることを認識できるようになる。この場合には、HA14は、HoA3をケアオブアドレスとして選択せずにCoAを選択することが望ましい。このように、HA14は、ホームエージェント情報を参照することによって、別のHA(HA18)へのパケット転送が行われないように制御することで、未然にリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。また、別のHA(HA18)が通常のホームエージェント(リフレクションを回避するように転送先アドレスの選択を行うことができないホームエージェント)である場合でも、リフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
なお、本発明の第3の実施の形態におけるTHA付加要求情報は、本発明の第2の実施の形態におけるMN10及びHA12、HA14にも適用することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る技術は、図17に示すネットワーク構成の別の一例においても有効に機能する。図17では、MN10は2つのインタフェース(IF20、IF21)を持ち、それぞれネットワークベースのモビリティプロトコル(例えば、Proxy Mobile IP(PMIP))が提供されているローカルネットワーク515及びローカルネットワーク516に接続している。それぞれのローカルネットワーク515、516には、MN10の代理として移動制御を行う代理ノード(例えば、Proxy Mobile Agent(PMA))としてPMA518とPMA519が存在し、MN10を管理しているHA12及びHA14との間で、ネットワークベースのモビリティプロトコルに係るメッセージをやり取りする。
MN10はHA12からHoA1を割り当てられ、HA14からはHoA2を割り当てられており、PMA518は、HoA1に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録しており、一方PMA519は、HoA2に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録している。
このような構成において、MN10が両方のIF20、21間でモビリティを得るために、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性がある。この場合に対して本発明の第3の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
この場合、ホームエージェント情報の送信は、MN10によって行われてもよいし、代理ノードであるPMA518及びPMA519が行ってもよい。また、PMA518がHA12だけでなく、HA14に対してホームエージェント情報を送信してもよいし、PMA519がHA14だけでなく、HA12に対して送信してもよい。ホームエージェント情報は、MN10又はネットワーク上の情報管理サーバから取得できる。
なお、図18に示すように、図17において、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていたローカルネットワーク516が、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていない外部ネットワーク517である場合にも同様に、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性があるが、この場合に対しても本発明の第3の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
この場合、ホームエージェント情報の送信は、MN10によって行われてもよいし、代理ノードであるPMA518が行ってもよい。また、PMA518がHA12だけでなく、HA14に対してホームエージェント情報を送信してもよい。ホームエージェント情報は、MN10又はネットワーク上の情報管理サーバから取得できる。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、HAは、MNが利用している他のHAのホームエージェント情報を把握することができるようになる。そして、HAは、カプセル化パケットの転送を行う場合には他のHAのホームエージェント情報と、カプセル化パケットの送信元アドレス又は内部パケットのあて先アドレスとを比較して、パケットの転送先アドレスを転送元に戻さないように設定する(すなわち、他のHAのアドレスと同一のプレフィックスを含むケアオブアドレスを設定しないようにする)ことが可能となる。また、HAは、ホームエージェント情報を参照することで、代理受信したパケットを他のHAに転送しないように制御することも可能であり、これによって、リフレクションの発生を未然に防ぐことができるようになる。
なお、本明細書では、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る技術を独立して説明しているが、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る技術を任意に組み合わせて、本発明を実現することも可能である。
また、上述の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主に、ネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことができるという効果を有しており、パケット転送技術及びアドレス管理技術に適用可能であり、特にモバイルIPv6におけるパケット転送技術及びアドレス管理技術に適用可能である。
本発明は、パケットの転送を行うパケット転送制御装置及びパケット通信を行うモバイルノードに関し、特に、モバイルIPv6(Mobile IPv6)において定義されているホームエージェント機能を有するパケット転送制御装置、及びネットワークとの接続ポイントを変更しながら通信を継続して行うことが可能なモバイルノードに関する。
従来、レイヤ3でモビリティを実現する技術として、モバイルIPv6が知られている。モバイルIPv6では、MN(Mobile Node:モバイルノード)はホームネットワークを有しており、ホームネットワーク上に存在するHAからホームアドレス(HoA:Home address)が割り当てられる。一方、MNがホームネットワークを離れて外部ネットワークに接続した場合には、MNは、外部ネットワークでケアオブアドレス(CoA:Care-of address)を取得し、ホームアドレスとケアオブアドレスとの関連付けを示すバインディング情報を自身のホームネットワーク上のホームエージェント(HA:Home Agent)に登録することでモビリティの管理が行われる。
1つのMNに対して、異なるホームネットワーク上に存在する複数のHAが割り当てられる場合、そのMNはそれぞれのHAからホームアドレスを割り当てられることになる。これにより、MNは、通信相手に応じて使用するホームアドレスを切り替えたり、それぞれのホームアドレスを使用した場合の通信経路上の負荷や利用コストなどを比較して、MNの要求に最も適したホームアドレスを選択したりすることが可能となる。したがって、1つのMNに対して、複数のHA及びホームアドレスが割り当てられることによる効果は大きい。
一方、1つのMNに対してホームアドレスを割り当てる複数のHAはそれぞれ独立して存在しているため、各HAから割り当てられたホームアドレスを使用した通信が行われる場合には、MNは、従来のモバイルIPv6をそれぞれのホームアドレスに対して個別に用いることになる。すなわち、MNは、独立して存在するホームアドレスのそれぞれに対してモバイルIPv6を適用するため、MNでは、複数のモバイルIPv6に係る動作が独立して行われることになる。
図16には、従来の技術において、複数のHoAが割り当てられているMN910を含むネットワーク構成の一例が図示されている。MN910は、自身のホームエージェントとしてホームネットワーク916に存在するHA911と、ホームネットワーク917に存在するHA912とを利用することが可能である。MN910には、ホームネットワーク916からホームアドレス(HoA1)が割り当てられており、このHoA1はHA11で管理されている。さらに、MN910には、ホームネットワーク917からホームアドレス(HoA2)が割り当てられており、このHoA2はHA912で管理されている。
なお、図16では、MN910が、インタフェース(IF)920を用いて外部ネットワーク913に接続しており、外部ネットワーク913からCoAが割り当てられているものとする。また、HA911とHA912には、そのCoAが各ホームアドレス(HoA1、HoA2)に関連付けられたバインディングキャッシュが登録されているものとする。さらに、MN910は、CN(Correspondent Node:コレスポンデントノード)914との通信に関してはHoA1を用いており、CN915との通信に関してはHoA2を用いているとする。なお、CN914がMN910のHoA1あてに送信したパケットは、HA911を経由する通信経路919aを通り、CN915がMN910のHoA2あてに送信したパケットは、HA912を経由する通信経路919bを通る。
この状態にあるMN910が移動して、自身のホームネットワークの1つであるホームネットワーク916に接続した場合、MN910のインタフェースにはHoA1が割り当てられる。このため、CN914との通信は、CoAを用いたHA911経由の通信から、HoA1を用いた直接通信に切り替わることになる。一方、CN915との通信を継続するためには、MN910はインタフェースに割り当てられているHoA1をHoA2のケアオブアドレスとして関連付けてHA912へ登録する。この場合、HoA2にとってHoA1は単なるケアオブアドレスとして扱われるため、HoA2あてのパケットは、HA912による通常の処理によってHoA1あてに転送される。
このように、1つのMNが複数のHA及びHoAを利用できる場合には、一方のホームアドレスを、他方のホームアドレスのケアオブアドレスとして関連付けて使用することが可能である。また、上述のように、ホームネットワークに接続していることによってホームアドレスがインタフェースに割り当てられている場合に限らず、外部ネットワークに接続していてホームアドレスがインタフェースに割り当てられていない場合であっても、ホームアドレスをCoAとして登録することが可能である。この場合には、あるHAによって代理受信されたパケットの新たな転送先として、さらに別のHAを指定することが可能となる。
一方、非特許文献1には、TEL(Tunnel Encapsulation Limit:トンネルカプセル化制限)オプションを用いることで、パケットがカプセル化される回数を制限する方法が開示されている。具体的には、非特許文献1に開示されている技術によれば、パケットのカプセル化の許容回数がTELオプションとしてカプセル化ヘッダに挿入され、更なるカプセル化が行われる際には、その許容回数を減算した値がTELオプションとして新たなカプセル化ヘッダに挿入されることで、最初のカプセル化の際にTELオプションで定められた回数を超える多重カプセル化を防ぐことが可能となる。
A.Conta, S.Deering,"Generic Packet Tunneling in IPv6 Specification", RFC2473, December 1998
しかしながら、MNが、2つのHA及びホームアドレスを使用できる状況において、それぞれのホームアドレスを他方のホームアドレスのケアオブアドレスとして関連付けた場合には、2つのHAのそれぞれがパケットの転送先として、別のHAで管理されているホームアドレスを設定することになり、その結果、2つのHA間でパケット転送が繰り返されるリフレクション(Reflection)が発生してしまう可能性がある。例えば、MN910が図16に図示されているような接続状態にある場合、HA911にはHoA1に対してCoAとHoA2とが関連付けられたバインディング情報の登録が可能であり、HA912にはHoA2に対してCoAとHoA1とが関連付けられたバインディング情報の登録が可能である。
このとき、CN914が送信したパケットを代理受信したHA911は、自身のバインディングキャッシュをチェックし、HoA1に関連付けられた複数のケアオブアドレス(CoA又はHoA2)の中から次の転送先を選択する。ここで、HA911が転送先として、ケアオブアドレスとして登録されているHoA2を選択した場合、カプセル化されたパケットは、ホームネットワーク917に転送されてHA912によって代理受信される。このとき、HA912はHA911と同様に、自身のバインディングキャッシュをチェックし、HoA2に関連付けられた複数のケアオブアドレス(CoA又はHoA1)の中から次の転送先を選択する。ここでHA912が転送先として、ケアオブアドレスとして登録されているHoA1を選択した場合、カプセル化されたパケットはホームネットワーク916に転送されるため、HA911によって再び代理受信される。このように、2つのHAによって選択される転送先アドレスが、互いが管理しているホームアドレスとなった場合は、2つのHA間でリフレクションが発生してしまうため、HA間の転送経路上の負荷が増大し、転送されるパケットの遅延やパケットロスが引き起こされてしまうという問題がある。
一方、HAはパケットの代理受信を行ってパケットを転送する場合、パケットのカプセル化を行う。したがって、上述のように2つのHA間でリフレクションが発生した場合には、このリフレクションに伴って2つのHA間で繰り返し転送されるパケットは、その転送ごとにカプセル化が多重化されていくことになる。したがって、例えば非特許文献1に定義されているTELオプションを用いて多重カプセル化を検出することによって、リフレクションによって繰り返されるパケット転送を抑制することが可能である。
しかしながら、非特許文献1に規定されているTELオプションは、カプセル化そのものを制限するものであり、そのパケットを代理受信する別のHAは、それ以上のパケット転送を中止してしまうことになる。例えば上述のHA911及びHA912に適用した場合、HA911は、送信するカプセル化パケットに「0」がセットされたTELオプションを付加することで、このパケットが別のHAによって更にカプセル化されて転送されることを防ぐことが可能となる。しかしながら、この場合には、HA912は、このTELオプションが含まれているパケットを受信した際、TELオプション内に「0」がセットされているので、これ以上のカプセル化はできないと判断してしまうため、通常のCoAあてにパケットをカプセル化して転送することも不可能になってしまうという問題がある。
一方、HA911は、送信するカプセル化パケットに「1」以上の値がセットされたTELオプションを付加した場合には、このパケットを代理受信したHA912は、通常のCoAあてにパケットをカプセル化して転送することができるようになる。しかしながら、リフレクションが発生している場合には、HA912から更に1回以上の転送(余分な転送)が行われなければ、そのリフレクションの発生を検出することができないという問題がある。さらに、非特許文献1に規定されているTELオプションは、あくまでも多重カプセル化の制限を行うものであり、多重カプセル化が上限値に達した場合にリフレクションが発生している可能性があることを推測することしかできない。すなわち、非特許文献1に規定されているTELオプションは、リフレクションの発生を推測することはできても、リフレクションの発生を確実に検出することは不可能であるという問題がある。
上記の問題点に鑑み、本発明は、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主にネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことができるようにするパケット転送制御装置及びモバイルノードを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明のパケット転送制御装置は、第1ホームネットワークに属する第1ホームエージェントにおけるパケット転送の制御を行うパケット転送制御装置であって、
前記第1ホームネットワークから割り当てられている第1ホームアドレスに加えて、前記第1ホームネットワークとは異なる第2ホームネットワークから割り当てられている第2ホームアドレスを有するモバイルノードのアドレス管理を行い、前記第1ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第2ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を保持するバインディング情報管理手段と、
前記第2ホームネットワークに属する第2ホームエージェントから前記第1ホームアドレスをあて先アドレスとするカプセル化パケットを受信した場合には、前記カプセル化パケットの転送を行う際に、その転送先アドレスとして前記第2ホームアドレスを選択しないように制御する転送先選択制御手段とを、
有する。
上記の構成により、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主にネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、前記転送先選択制御手段が、前記カプセル化パケットの外部ヘッダの送信元アドレス又は前記カプセル化パケットの内部ヘッダのあて先アドレスを参照し、前記バインディング情報における前記ケアオブアドレスの中から、前記送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するアドレス又は前記あて先アドレスと同一のアドレスを前記転送先アドレスとして選択しないように構成されている。
上記の構成により、ホームエージェントは、カプセル化パケットに含まれているアドレスと、自身が保持しているバインディング情報に含まれているアドレスとの比較を行うことによって、受信したカプセル化パケットの転送元のホームエージェントに対して、パケットを戻すような転送を行わないようにすることが可能となり、パケットのリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、前記モバイルノードから、前記第2ホームエージェントのアドレス又は前記第2ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を受信するホームエージェント情報受信手段と、
前記ホームエージェント情報受信手段で受信された前記ホームエージェント情報を保持するホームエージェント情報保持手段とを更に有し、
前記転送先選択制御手段が、前記カプセル化パケットの外部ヘッダの送信元アドレスを参照し、前記ホームエージェント情報保持手段に保持されている情報から得られる前記第2ホームエージェントのアドレスと、前記送信元アドレスとが一致する場合には、前記バインディング情報における前記ケアオブアドレスの中から、前記送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するアドレスを前記転送先アドレスとして選択しないように構成されている。
上記の構成により、ホームエージェントは、カプセル化パケットに含まれているアドレスと、モバイルノードから通知されたバインディング情報に含まれているアドレスとの比較を行うことによって、受信したカプセル化パケットの転送元のホームエージェントに対してパケットを戻すような転送を行わないようにすることが可能となり、パケットのリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、ホームエージェントによってカプセル化されたことを示すオプション情報が、前記カプセル化パケットに付加されているか否かを確認するオプション情報確認手段を有し、前記オプション情報確認手段によって前記カプセル化パケットに前記オプション情報が付加されていることが確認された場合にのみ、前記転送先選択制御手段が、前記転送先アドレスとして前記第2ホームアドレスを選択しないように構成されている。
上記の構成により、ホームエージェントは、受信するカプセル化パケットの中から、別のホームエージェントが代理受信によって転送したカプセル化パケット(リフレクション発生の原因となるパケット)を容易に特定することが可能となる。
さらに、本発明のパケット転送制御装置は、上記の構成に加えて、前記カプセル化パケットの転送を行う際に、ホームエージェントによってカプセル化されたことを示すオプション情報が付加された外部ヘッダによって、前記カプセル化パケットの更なるカプセル化を行うカプセル化手段を有する。
上記の構成により、ホームエージェントは、代理受信によって転送するカプセル化パケットに対して、このカプセル化パケットがホームエージェントによって生成されたカプセル化パケットであるという情報を付加することが可能となる。
また、上記の目的を達成するため、本発明のモバイルノードは、第1ホームネットワークから割り当てられている第1ホームアドレスに加えて、前記第1ホームネットワークとは異なる第2ホームネットワークから割り当てられている第2ホームアドレスを有するモバイルノードであって、
前記第1ホームネットワークに属する第1ホームエージェントに対して、前記第1ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第2ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を通知する第1バインディング情報通知手段と、
前記第2ホームネットワークに属する第2ホームエージェントに対して、前記第2ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第1ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を通知する第2バインディング情報通知手段と、
前記第1ホームエージェントに対して、前記第2ホームエージェントのアドレス又は前記第2ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を通知する第1ホームエージェント情報通知手段と、
前記第2ホームエージェントに対して、前記第1ホームエージェントのアドレス又は前記第1ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を通知する第2ホームエージェント情報通知手段とを、
有する。
上記の構成により、モバイルノードが利用している複数のホームエージェントのそれぞれを識別するための情報を、各ホームエージェントに対して通知することが可能となる。
本発明は、上記の構成を有しており、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主にネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことができるという効果を有している。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第3の実施の形態について説明する。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図1には、本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の一例が図示されている。図1において、MN10は、自身のホームエージェントとしてホームネットワーク11に存在するHA12と、ホームネットワーク13に存在するHA14とを利用することが可能である。MN10には、ホームネットワーク11からホームアドレス(HoA1)が割り当てられており、このHoA1はHA12で管理されている。また、MN10には、ホームネットワーク13からホームアドレス(HoA2)が割り当てられており、このHoA2はHA14で管理されている。
また、MN10は外部ネットワーク15に接続しており、インタフェース(IF)20には、外部ネットワーク15から取得したCoAが割り当てられている。MN10は、HA12に対してHoA1とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュと、HoA1とHoA2とを関連付けたバインディングキャッシュを登録しており、一方、HA14に対しては、HoA2とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュとHoA2とHoA1とを関連付けたバインディングキャッシュを登録している。これにより、CN16から送信されたMN10のHoA1あてのパケットは、HA12によって代理受信され、CoA又はHoA2あてにカプセル化されて転送される。また、MN10のHoA2あてのパケットはHA14によって代理受信され、CoA又はHoA1あてにカプセル化されて転送される。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるHA12、14の構成について説明する。図2には、本発明の第1の実施の形態におけるHA(図1のHA12、14)の構成の一例が図示されている。図2において、HAは、送受信部101、バインディング情報通知メッセージ処理部102、バインディング情報保持部103、代理受信パケット転送処理部104、転送先選択部105を有している。なお、HA12、14は、その他の様々な機能も有しているが、図2では図示省略する。
送受信部101は、HA12、14が接続するネットワーク(例えば図1のホームネットワーク11、13)内の任意の通信ノードや、外部ネットワーク15に接続しているMN10(HA12、14が存在するホームネットワーク11、13に属するMN10)、その他の任意のネットワークに接続している任意の通信ノードとの通信を行うためのパケット送受信機能を有している。
また、バインディング情報通知メッセージ処理部102は、MN10が送信したバインディング情報通知メッセージ(バインディングアップデートメッセージ)に関する処理を行い、メッセージに含まれるMN10のバインディング情報を取得し、バインディング情報保持部103へ格納するよう指示する。
また、バインディング情報保持部103は、バインディング情報通知メッセージ処理部102から渡されたバインディング情報を格納する。
また、代理受信パケット転送処理部104は、管理しているMN10のHoAあてのパケットを受信した際に、転送先選択部105に対して、代理受信パケットのあて先アドレスであるMN10のホームアドレスを渡して、そのパケットの転送先として使用すべきケアオブアドレスの選択を要求し、その結果、転送先選択部105で選択されたアドレスをあて先としてカプセル化する。この際、代理受信パケット転送処理部104は、転送先選択部105に対して、代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックスを渡し、同一のプレフィックスを含むアドレス以外のケアオブアドレスを選択するよう要求する。
また、代理受信パケット転送処理部104は、代理受信したカプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスを抽出できる場合には、転送先選択部105に対して、抽出された内部パケットのあて先アドレスを渡し、そのアドレスと同一のアドレスを選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択するよう要求してもよい。
また、転送先選択部105は、代理受信パケット転送処理部104から転送先アドレスを選択するよう要求された場合、バインディング情報保持部103に保持されているバインディング情報をチェックし、通知されたホームアドレスに対応するバインディングキャッシュを探し出し、関連付けられている複数のケアオブアドレスの中から、使用すべきアドレスを選択する機能を有している。なお、選択されたアドレスは、代理受信パケット転送処理部104へ渡される。
転送先選択部105は、代理受信パケット転送処理部104から、MN10のホームアドレスと共にプレフィックス(代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックス)を受け取った場合には、そのプレフィックスと同一のプレフィックスを持つケアオブアドレスを転送先として選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
また、転送先選択部105は、代理受信パケット転送処理部104から、MN10のホームアドレスと共に内部パケットのあて先アドレスを受け取った場合には、そのアドレスと同一のアドレスを選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
以上、図2を参照しながら説明したように、本発明の第1の実施の形態におけるHAは、カプセル化パケットを代理受信した場合には、カプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレス(あるいは、カプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレス)を転送先アドレスとして選択しないように構成されている。これによって、カプセル化パケットの送信者(転送元)であるHAにパケットを戻すような転送(リフレクション)が行われないようにすることが可能となる。
次に、本発明の第1の実施の形態におけるHA12、14の動作の一例について説明する。図3には、本発明の第1の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャートが図示されている。
図3において、HA(図1のHA12、14)は、MN10のHoAあてのカプセル化パケットを代理受信すると(ステップS310)、そのカプセル化パケットの送信元アドレスのプレフィックスと、バインディング情報保持部103に保持されているバインディング情報のケアオブアドレスのプレフィックスとの比較を行う(ステップS311)。そして、両者が一致するか否かを判断し(ステップS312)、一致しない場合には、そのケアオブアドレスをあて先アドレスとするカプセル化パケットを生成して(ステップS313)、カプセル化パケットの送信を行う(ステップS314)。
一方、ステップS312で両者が一致した場合には、まだ比較を行っていない別のケアオブアドレスがバインディング情報保持部103に残っているか否かをチェックし(ステップS315)、未選択のケアオブアドレスが存在する場合には、ステップS311に戻って、そのケアオブアドレスに対して再び比較処理を行う。一方、未選択のケアオブアドレスが存在しない場合(すなわち、バインディング情報保持部103に保持されているすべてのバインディング情報のケアオブアドレスが、カプセル化パケットのあて先アドレスのプレフィックスを有する場合)には、リフレクション状態が検出される(ステップS316)。なお、リフレクション状態が検出された場合には、例えば、そのリフレクション状態を解消する処理や、MN10や他のHAに対してリフレクション状態であることを通知する処理など、任意の処理を行うことが可能である。
なお、図3のステップS311では、代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックスと、バインディング情報保持部103に保持されているケアオブアドレスとの比較が行われているが、内部パケットのあて先アドレスと、バインディング情報保持部103に保持されているケアオブアドレスとの比較が行われてもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る技術は、図17に示すネットワーク構成の別の一例においても有効に機能する。図17では、MN10は2つのインタフェース(IF20、IF21)を持ち、それぞれネットワークベースのモビリティプロトコル(例えば、Proxy Mobile IP(PMIP))が提供されているローカルネットワーク515及びローカルネットワーク516に接続している。それぞれのローカルネットワーク515、516には、MN10の代理として移動制御を行う代理ノード(例えば、Proxy Mobile Agent(PMA))としてPMA518とPMA519が存在し、MN10を管理しているHA12及びHA14との間で、ネットワークベースのモビリティプロトコルに係るメッセージをやり取りする。
MN10はHA12からHoA1を割り当てられ、HA14からはHoA2を割り当てられており、PMA518は、HoA1に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録しており、一方PMA519は、HoA2に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録している。
このような構成において、MN10が両方のIF20、21間でモビリティを得るために、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性がある。この場合に対して本発明の第1の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
なお、図18に示すように、図17において、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていたローカルネットワーク516が、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていない外部ネットワーク517である場合にも同様に、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性があるが、この場合に対しても本発明の第1の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、HAは、カプセル化パケットの転送を行う場合に、カプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレスや、内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレスを、更なるカプセル化によって転送するパケットのあて先アドレスとして設定しないようにすることが可能となる。また、HAは、カプセル化パケットの転送を行う場合に、代理受信したカプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレスや、内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレスしかバインディング情報として保持されていないことを把握した場合には、このパケットに関してリフレクションが発生している旨を検出することが可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。上述の本発明の第1の実施の形態では、HAによって代理受信されたパケットが、ホームネットワークに存在する一般ノードやMNによって直接送信されたカプセル化パケットであった場合でも、HAは、リフレクションを避けてMNへ転送するために生成したカプセル化パケットの場合と同様に、同一プレフィックスを持つケアオブアドレスを選択対象から外してしまうことになる。
一方、本発明の第2の実施の形態では、HAが、代理受信したパケットが他のHAから送信されたカプセル化パケットであることを把握できるようにすることによって、本発明の第1の実施の形態で一部のカプセル化パケットに対して生じ得る不都合な動作が解消される。なお、具体的には、HAが代理受信したパケットをカプセル化して転送する場合に、転送するカプセル化パケットに対して、このカプセル化パケットがHAによって生成されたことを示すオプション(本明細書では、THA(Tunnel Home Agent:トンネルホームエージェント)オプションと呼ぶ)を付加する。
次に、本発明の第2の実施の形態におけるHA12、14の構成について説明する。図4には、本発明の第2の実施の形態におけるHA(HA12、14)の構成の一例が図示されている。図4において、HAは、送受信部201、バインディング情報通知メッセージ処理部202、バインディング情報保持部203、代理受信パケット転送処理部204、転送先選択部205、THAオプション付加部206を有している。なお、HA12、14は、その他の様々な機能も有しているが、図4では図示省略する。
送受信部201は、HA12、14が接続するネットワーク(例えば図1のホームネットワーク11、13)内の任意の通信ノードや、外部ネットワーク15に接続しているMN10(HA12、14が存在するホームネットワーク11、13に属するMN10)、その他の任意のネットワークに接続している任意の通信ノードとの通信を行うためのパケット送受信機能を有している。
また、バインディング情報通知メッセージ処理部202は、MN10が送信したバインディング情報通知メッセージに関する処理を行い、メッセージに含まれるMN10のバインディング情報を取得し、バインディング情報保持部203へ格納するよう指示する。
また、バインディング情報保持部203は、バインディング情報通知メッセージ処理部202から渡されたバインディング情報を格納する。
また、代理受信パケット転送処理部204は、管理しているMN10のHoAあてのパケットを受信した際に、まず、代理受信したカプセル化パケットのヘッダ部分に付加されている拡張ヘッダをチェックし、このカプセル化パケットがHAによって生成されたことを示すTHAオプションが付加されているか否かを判断する。カプセル化パケットにTHAオプションが付加されていた場合には、そのカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものであることが認識される。
代理受信したカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものである場合には、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205に対して、代理受信パケットのあて先アドレスであるMN10のホームアドレスを渡して、そのパケットの転送先として使用すべきケアオブアドレスの選択を要求する。この際、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205に対して、代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックスを渡し、同一のプレフィックスを含むアドレス以外のケアオブアドレスを選択するよう要求する。
そして、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205から、選択されたアドレスを受け取ると、そのアドレスをあて先とするカプセル化パケットの生成を行う。このカプセル化を行う際に、代理受信パケット転送処理部204は、外部ヘッダ(カプセル化ヘッダ)に付加する拡張ヘッダとして、THAオプションを付加するようTHAオプション付加部206に対して指示する。
一方、代理受信したカプセル化パケットにTHAオプションが付加されておらず、他のHAによってカプセル化されたものではないことが認識された場合には、代理受信パケット転送処理部204は、転送先選択部205に対して、そのパケットの転送先として使用すべき任意のケアオブアドレスの選択を要求し、転送先選択部205から受け取った転送先のケアオブアドレスをあて先とするカプセル化パケットを生成する。すなわち、代理受信したカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものではない場合には、任意のケアオブアドレスを選択して、カプセル化パケットのあて先アドレスに設定することが可能である。
なお、THAオプションの存在によって、そのカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものであることが認識された場合には、代理受信パケット転送処理部204は、内部パケットのあて先アドレスを参照して、内部パケットのあて先アドレスが、カプセル化を行ったHAによって管理されているMN10のホームアドレスであることを更に認識し、転送先選択部205に対してそのアドレスを渡して、そのアドレス以外をケアオブアドレスとして選択するよう要求することも可能である。
また、転送先選択部205は、代理受信パケット転送処理部204から転送先アドレスを選択するよう要求された場合、バインディング情報保持部203に保持されているバインディング情報をチェックし、通知されたホームアドレスに対応するバインディングキャッシュを探し出し、関連付けられている複数のケアオブアドレスの中から、使用すべきアドレスを選択する機能を有している。なお、選択されたアドレスは、代理受信パケット転送処理部204へ渡される。
転送先選択部205は、代理受信パケット転送処理部204から、MN10のホームアドレスと共にプレフィックス(代理受信したパケットの送信元アドレスに設定されているアドレスのプレフィックス)を受け取った場合には、そのプレフィックスと同一のプレフィックスを持つケアオブアドレスを転送先として選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
また、転送先選択部205は、代理受信パケット転送処理部204から、MN10のホームアドレスと共に内部パケットのあて先アドレスを受け取った場合には、そのアドレスと同一のアドレスを選択せずに、それ以外のアドレスを転送先のケアオブアドレスとして選択する。
また、THAオプション付加部206は、代理受信パケット転送処理部204からの指示に応じて、カプセル化を行って転送するパケットの外部ヘッダ(カプセル化ヘッダ)に付加するオプションとして、THAオプションを付加する機能を有している。
以上、図4を参照しながら説明したように、本発明の第2の実施の形態におけるHAは、カプセル化パケットを代理受信した場合には、他のHAによってカプセル化されたことを示すTHAオプションがカプセル化パケットに付加されているか否かをチェックすることで、他のHAによってカプセル化されたカプセル化パケットのみを選別するように構成されている。さらに、HAは、他のHAによってカプセル化されたカプセル化パケットに関して、そのカプセル化パケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレス(あるいは、カプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレス)を転送先アドレスとして選択しないように構成されている。これによって、カプセル化パケットの送信者(転送元)であるHAにパケットを戻すような転送(リフレクション)が行われないようにすることが可能となる。
また、図5には、本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの一例が図示されている。なお、図5のTHAオプションは、Destination Options Header(あて先オプションヘッダ)に含めるオプションとして記載されており、カプセル化パケットを代理受信する他のHAに対して、このカプセル化パケットがHAによって生成されたものであることを認識させるためのものである。図5に示すTHAオプションを含む拡張ヘッダは、IPv6ヘッダに続くヘッダのタイプを識別するためのNext Header、ヘッダ長を示すHeader Length、このオプションがTHAオプションであることを示すOption Type(THA)、オプション長を示すOption Lengthを有している。なお、THAオプションとしては、Hop-by-Hop Options Header(ホップバイホップオプションヘッダ)に含めるオプションとして構成されていてもよい。また、Routing Header(ルーティングヘッダ)やその他のIPv6で規定されているヘッダに含まれるフィールドに上記のTHAオプションと同等の情報を含めるようにしてもよい。また、IPv6ヘッダ内のFlow Label(フローラベル)フィールドやTraffic Class(トラフィッククラス)フィールドに上記のTHAオプションと同等の情報を示す値を含めるようにしてもよい。
また、図6には、本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの別の一例が図示されている。図6に示す拡張ヘッダは、図5に示す構成に加えて、THAオプションの中に、このTHAオプションを付加したHAが属するホームネットワークのホームプレフィックス又はHAのアドレスが含まれるようにしてもよい。このTHAオプションが付加されたカプセル化パケットを受信したHAは、ホームプレフィックス又はHAのアドレスのプレフィックスを含まないケアオブアドレスを次の転送先に指定することによって、パケットのリフレクションを避けることが可能となる。また、THAオプションの中に、内部パケットのあて先アドレスを挿入することも有効である。
次に、本発明の第2の実施の形態における具体的な動作の一例について、図1に図示されているネットワーク構成を参照しながら説明する。なお、以下では、MN10がCN16とHoA1を用いて通信を行っている場合を想定して説明を行う。
CN16が送信したHoA1あてのパケットを代理受信したHA12は、通常のモバイルIPv6の処理として、HoA1に関連付けられているケアオブアドレス(CoA、HoA2)の中から、HoA2を転送先アドレスとして選択したとする。このとき、HA12は、HoA2をあて先とする外部ヘッダを付加し、さらに拡張ヘッダとしてTHAオプションを付加して、カプセル化したパケットを送信する。なお、このとき送信されるカプセル化パケットは、図7に図示されるような構成を有している。
HA12から送信されたカプセル化パケットは、ホームネットワーク13上に存在するHA14によって代理受信される。HA14は受信処理の際に、このカプセル化パケットの外部ヘッダの拡張ヘッダとしてTHAオプションが付加されていることを認識し、転送先アドレスの選択の際に、外部ヘッダの送信元アドレスと同一のプレフィックスを含むHoA1を選択せずに、同一のプレフィックスを含まないアドレスであるCoAを選択する。これによって、HA14は、CoAをあて先としたカプセル化パケットを生成、送信するので、リフレクションが発生することなく、カプセル化パケットはMN10に届けられる。また、HA14は、内部ヘッダのあて先アドレスを参照し、このあて先アドレスと同一のアドレスであるHoA1を転送先として選択しないようにすることによって、リフレクションの発生を防ぐことも可能である。
なお、サイトマルチホームによってホームネットワーク11内に新たなプレフィックスが広告された場合には、MN10はホームネットワーク11上で有効なホームアドレス(HoA3)を更に保持することができるようになる。これにより、MN10は、HoA1に加えてHoA3を利用することが可能となり、HoA2に関連付けるケアオブアドレスとして、HoA1及びHoA3の両方を登録することが可能となる。
このような条件下において、HA14が上述のTHAオプションが付加されたカプセル化パケットを受信したとき、HA14は、外部ヘッダの送信元アドレスがHoA1(あるいはHoA3)と同一のプレフィックスを有する場合には、HoA1(あるいはHoA3)を選択対象から外すことができるが、HoA3(あるいはHoA1)に関しては依然として転送先のケアオブアドレスとして選択する可能性が残ってしまう。なお、送信元アドレスとしてHoA1(あるいはHoA3)が設定されているパケットをHoA3(あるいはHoA1)に転送した場合には、HA12から送信されてきたパケットを再びHA12に転送することになるので、リフレクションが発生してしまうことになる。
このような問題の発生を防ぐため、HA12は、図8に示すようにTHAオプションの中に、サイトマルチホームによって管理している複数のホームプレフィックスの情報(例えば、HA12が管理しているすべてのホームプレフィックス又はHAのアドレス)を含めることが可能である。この場合、THAオプション内のホームプレフィックスは、外部ヘッダの送信元アドレスのプレフィックスと同様に取り扱われ、HA14は、THAオプション内のホームプレフィックスと、同一のプレフィックスを持つアドレスをケアオブアドレスとして選択しないようにすることで、リフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
次に、本発明の第2の実施の形態におけるHA12、14の動作の一例について説明する。図9には、本発明の第2の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャートが図示されている。
図9において、HA(図1のHA12、14)は、MN10のHoAあてのカプセル化パケットを代理受信すると(ステップS310)、まず、カプセル化パケットにTHAオプションが付加されているか否かをチェックする(ステップS320)。カプセル化パケットにTHAオプションが付加されていない場合には、このカプセル化パケットはHAによってカプセル化されたものではないため、どのケアオブアドレスを選択して転送先アドレスとして設定しても、リフレクションは発生しない。したがって、ステップS313に進み、HAは任意のケアオブアドレスを転送先アドレスとするカプセル化パケットを生成して転送を行う。
一方、カプセル化パケットにTHAオプションが付加されている場合には、図3に図示されているステップS311以降の処理と同一の処理が行われることによって、リフレクションの回避又はリフレクション状態の検出が行われる。
なお、本発明の第2の実施の形態に係る技術は、図17に示すネットワーク構成の別の一例においても有効に機能する。図17では、MN10は2つのインタフェース(IF20、IF21)を持ち、それぞれネットワークベースのモビリティプロトコル(例えば、Proxy Mobile IP(PMIP))が提供されているローカルネットワーク515及びローカルネットワーク516に接続している。それぞれのローカルネットワーク515、516には、MN10の代理として移動制御を行う代理ノード(例えば、Proxy Mobile Agent(PMA))としてPMA518とPMA519が存在し、MN10を管理しているHA12及びHA14との間で、ネットワークベースのモビリティプロトコルに係るメッセージをやり取りする。
MN10はHA12からHoA1を割り当てられ、HA14からはHoA2を割り当てられており、PMA518は、HoA1に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録しており、一方PMA519は、HoA2に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録している。
このような構成において、MN10が両方のIF20、21間でモビリティを得るために、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性がある。この場合に対して本発明の第2の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
なお、図18に示すように、図17において、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていたローカルネットワーク516が、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていない外部ネットワーク517である場合にも同様に、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14間でリフレクションが発生する可能性があるが、この場合に対しても本発明の第2の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、HAは、代理受信したパケットをカプセル化して転送する場合に、HAによってカプセル化が行われたことを示す情報をカプセル化パケットに付加することによって、そのカプセル化パケットを代理受信したHAは、他のカプセル化パケットとHAによるカプセル化パケットとを区別することが可能となる。そして、HAは、HAによるカプセル化パケットに対してのみ、リフレクションを回避したパケット転送や、リフレクション状態の検出処理などを行うことが可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図10には、本発明の第3の実施の形態におけるネットワーク構成の一例が図示されている。図10において、MN10は、自身のホームエージェントとしてホームネットワーク11に存在するHA12と、ホームネットワーク13に存在するHA14と、ホームネットワーク17に存在するHA18とを利用することが可能である。MN10には、ホームネットワーク11からホームアドレス(HoA1)が割り当てられており、このHoA1はHA12で管理されている。また、MN10には、ホームネットワーク13からホームアドレス(HoA2)が割り当てられており、このHoA2はHA14で管理されている。また、MN10には、ホームネットワーク17からホームアドレス(HoA3)が割り当てられており、このHoA3はHA18で管理されている。
また、MN10は外部ネットワーク15に接続しており、インタフェース(IF)20には、外部ネットワーク15から取得したCoAが割り当てられている。MN10は、HA12に対してHoA1とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュを登録しており、一方、HA14に対しては、HoA2とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュと、HoA2とHoA3とを関連付けたバインディングキャッシュを登録している。また、さらに、HA18に対しては、HoA3とCoAとを関連付けたバインディングキャッシュと、HoA3とHoA2とを関連付けたバインディングキャッシュを登録している。これにより、CN16から送信されたMN10のHoA1あてのパケットは、HA12によって代理受信され、CoAあてにカプセル化されて転送される。また、MN10のHoA2あてのパケットはHA14によって代理受信され、CoA又はHoA3あてにカプセル化されて転送される。また、MN10のHoA3あてのパケットはHA18によって代理受信され、CoA又はHoA2あてにカプセル化されて転送される。なお、図11には、各HA12、14、18がMN10のバインディング情報が模式的に図示されている。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるMN10の構成について説明する。図12には、本発明の第3の実施の形態におけるMN10の構成の一例が図示されている。図12において、MN10は、送受信部301、バインディング情報通知メッセージ生成部302、通知済みバインディング情報管理部303、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304、ホームエージェント情報管理部305を有している。なお、MN10は、例えばCN16との間で送受信するデータパケットを処理するためのデータパケット処理部やその他の様々な機能も有しているが、図12では図示省略する。
送受信部301は、MN10が接続するネットワーク(例えば図10の外部ネットワーク15)内の任意の通信ノードや、MN10のホームネットワーク11、13、17内の任意の通信ノード(例えば図10のHA12、14、18)、さらには、その他の任意のネットワークに存在する任意の通信ノード(例えば図10のCN16)との通信を行うためのパケット送受信機能を有している。なお、送受信部101には、例えば図10に図示されている無線接続のインタフェース20の機能も包含される。
また、バインディング情報通知メッセージ生成部302は、例えば図11に図示されているようなバインディング情報を、対応するHA12、14、18に登録するためのバインディング情報通知メッセージを生成する機能を有している。バインディング情報通知メッセージ生成部102で生成されたバインディング情報通知メッセージは、送受信部301を通じて、対応する各HA12、14、18に送信される。
また、バインディング情報通知メッセージ生成部302は、登録するバインディング情報の中に、他のホームエージェントが管理しているホームアドレスをケアオブアドレスとして使用しているバインディング情報がある場合、そのバインディング情報にTHA付加要求情報を付加する。この情報によりHAは、パケットを転送する際に、転送先として選択したバインディング情報にTHA付加要求情報が付加されている場合には、カプセル化パケットにTHAオプションを付加して転送する。これにより、転送先のHAとの間でリフレクションの発生を防ぐことができる。
また、図19には、バインディング情報通知メッセージ生成部302で生成された、THA付加要求情報を含むバインディング情報通知メッセージの一例が図示されている。なお、図19に図示されているバインディング情報通知メッセージでは、MN10が自身のCoAをHA14に対して登録する際に送信するバインディングアップデートメッセージに、THA付加要求情報が挿入されている。THA付加要求情報は、代替用CoAオプション又はBID sub-optionのフラグや、モビリティヘッダのフラグとして実現可能である。
なお、THA付加要求情報は、バインディング情報通知メッセージだけでなく、フロー情報を登録するために送信するメッセージに含まれていてもよいし、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304が生成するホームエージェント情報通知メッセージの中に含まれていてもよい。このようなメッセージの中で、THA付加要求情報を付加するバインディング情報を特定する情報として、ケアオブアドレスだけでなく、各バインディング情報に関連付けられているBID(Binding Unique ID)を使用することができる。
また、通知済みバインディング情報管理部303は、各HA12、14、18によって管理されているホームアドレス(HoA1、HoA2、HoA3)に対して関連付けられているケアオブアドレスを管理するための機能を有しており、通知済みバインディング情報管理部303には、各HA12、14、18に対して登録したバインディング情報(例えば図11に図示されているようなバインディング情報)が保持されている。
また、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304は、ホームエージェント情報管理部305から渡されたホームエージェントに関する情報(ホームエージェント情報)を含むメッセージを生成する機能を有している。ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304で生成されたホームエージェント情報通知メッセージは、送受信部301を通じて各ホームエージェントに送信され、これによって、MN10のアドレス管理を行っている特定のホームエージェントに関する情報が他のホームエージェントに通知される。
また、ホームエージェント情報管理部305は、MN10が利用可能な各ホームエージェントのホームエージェント情報(ホームエージェントのアドレスやDNS(Domain Name System:ドメインネームシステム)名など)を管理し、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304に対して、それぞれのホームエージェントあてに、他のホームエージェントに関する情報を通知するためのホームエージェント情報通知メッセージを生成するよう指示する。
また、ホームエージェント情報管理部305は、通知済みバインディング情報管理部303で管理されている情報をチェックし、リフレクションを回避するためにホームエージェント情報を通知すべきホームエージェントを探し出すことで、特定のホームエージェントに対してのみ、他のホームエージェントに関する情報を通知することも可能である。
例えば、MN10の通知済みバインディング情報管理部303が、図11に示されているように、ホームネットワーク17のHoA3をHoA2に関連付けるCoAとして登録し、さらにホームネットワーク13のHoA2をHoA3に関連付けるCoAとして登録していることを示すバインディング情報を管理している場合、ホームエージェント情報管理部305は、HA14とHA18に対してそれぞれ他方のHAに関するホームエージェント情報を通知することを決定する。
一方、HA12に関してはリフレクションが発生するような状態で登録されていない(すなわち、HA12で管理されているHoA1には外部ネットワーク15で取得されたCoAのみが関連付けられている)ので、HA12に対してはホームエージェント情報を通知する必要がないと判断する。これにより、ホームエージェント情報管理部305が、ホームエージェント情報の通知を行うべきホームエージェントを判断して、ホームエージェント情報を通知することによって、不必要なメッセージ送信を避けることが可能となる。なお、MN10は、ホームエージェント情報の通知を行う必要があるか否かの判断を行わず、すべてのHA12、14、18に対して、他のHAのホームエージェントに関するホームエージェント情報の通知を行ってもよい。
また、後述する本発明の第3の実施の形態におけるHAに対応しているHAと、対応していないHAが並存する場合に、モバイルIPv6に規定されているダイナミックホームエージェントアドレスディスカバリ(Dynamic Home Agent Address Discovery)や、モバイルプレフィックスディスカバリ(Mobile Prefix Discovery)などの、HAに関する情報を得ることができる手法を用いて、ホームエージェント情報の取得に対応しているHAを検出し、対応しているHAに対してだけホームエージェント情報を通知するようにし、不要なメッセージの送信を避けることができるようにしてもよい。この場合、例えば、ホームエージェントアドレスディスカバリリプライメッセージ、又はモバイルプレフィックスアドバタイズメントメッセージの中に、後述する本発明の第3の実施の形態におけるHAの機能に対応しているか否かを示す情報が含まれていることが望ましい。
以上、図12を参照しながら説明したように、本発明の第3の実施の形態におけるMN10は、HA間におけるリフレクションの発生を防ぐために、必要に応じて、複数のHAのそれぞれに対して他のHAのホームエージェント情報を通知することが可能なように構成されている。なお、HAのホームエージェント情報としては、例えばHAのアドレスや、HAのアドレスを特定することを可能にするDNS名などが利用される。
また、図13には、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304で生成された、HA14に対してHA16のホームエージェント情報を通知するためのホームエージェント情報通知メッセージの一例が図示されている。なお、図13に図示されているホームエージェント情報通知メッセージでは、ホームエージェント情報を挿入する箇所としてモビリティヘッダが使われており、モビリティヘッダの中にHA16のアドレスやDNS名などのホームエージェント情報を有するHAアドレスオプションが含まれている。
また、図14には、ホームエージェント情報通知メッセージ生成部304で生成された、HA14に対してHA16のホームエージェント情報を通知するためのホームエージェント情報通知メッセージの別の一例が図示されている。なお、図14に図示されているホームエージェント情報通知メッセージでは、MN10が自身のCoAをHA14に対して登録する際に送信するバインディングアップデートメッセージに、HA16のホームエージェント情報を有するHAアドレスオプションが挿入されている。
次に、本発明の第3の実施の形態におけるHA12、14、18の構成について説明する。図15には、本発明の第3の実施の形態におけるHA(HA12、14、18)の構成の一例が図示されている。図15において、HAは、送受信部401、バインディング情報通知メッセージ処理部402、バインディング情報保持部403、ホームエージェント情報通知メッセージ処理部404、ホームエージェント情報保持部405、転送先選択部406、送信元アドレス比較部407、代理受信パケット転送処理部408、THAオプション付加部409を有している。なお、HAは、その他の様々な機能も有しているが、図15では図示省略する。
送受信部401は、HA12、14、18が接続するネットワーク(例えば図1のホームネットワーク11、13、17)内の任意の通信ノードや、外部ネットワーク15に接続しているMN10(HA12、14、18が存在するホームネットワーク11、13、17に属するMN10)、その他の任意のネットワークに接続している任意の通信ノードとの通信を行うためのパケット送受信機能を有している。
また、バインディング情報通知メッセージ処理部402は、MN10が送信したバインディング情報通知メッセージに関する処理を行い、メッセージに含まれるMN10のバインディング情報を取得し、バインディング情報保持部403へ格納するよう指示する。
また、バインディング情報保持部403は、バインディング情報通知メッセージ処理部402から渡されたバインディング情報を格納する。
また、ホームエージェント情報通知メッセージ処理部404は、MN10が送信したホームエージェント情報通知メッセージに関する処理を行い、メッセージに含まれるホームエージェント情報を取得し、ホームエージェント情報保持部405へ格納するよう指示する。
また、ホームエージェント情報保持部405は、ホームエージェント情報通知メッセージ処理部404から渡されたホームエージェント情報を格納する。なお、ホームエージェント情報保持部405では、MN10の識別情報と共に、ホームエージェントのアドレスやDNS名などを含むホームエージェント情報が格納、管理されることが望ましい。
また、転送先選択部406は、代理受信パケット転送処理部408から、選択対象となるMN10のホームアドレス及びMN10に該当するホームエージェント情報(例えば、ホームエージェントのアドレスのプレフィックス)を受け取るとともに、転送先アドレスを選択するよう要求された場合に、バインディング情報保持部403に保持されているバインディング情報をチェックし、通知されたMN10のホームアドレスに対応するバインディングキャッシュを探し出し、該当するバインディングキャッシュ内のケアオブアドレスの中から、通知されたホームエージェント情報に含まれるプレフィックスとは異なるプレフィックスを有するアドレスをケアオブアドレスとして選択する。なお、通知されたホームエージェント情報に含まれるプレフィックスとは異なるプレフィックスを持つアドレスが発見されなかった場合には、リフレクションの発生が検出される。
また、転送先選択部406は、代理受信パケット転送処理部408から、該当するホームエージェント情報なしで、転送先アドレスの選択を要求された際に、選択した転送先にTHA付加要求情報が付加されている場合には、代理受信パケット転送処理部408に対して、転送先のアドレスと共にTHA付加要求情報を渡す。なお、代理受信パケット転送処理部408から該当するホームエージェント情報が渡された場合であっても、通知されたホームエージェント情報に含まれるプレフィックスと同じプレフィックスを有するアドレスを転送先アドレスとして選択せざるを得ない場合、代理受信パケット転送処理部408に対して、転送先のアドレスと共にTHA付加要求情報を渡す。
また、送信元アドレス比較部407は、代理受信パケット転送処理部408から通知されたパケットのあて先アドレスに設定されているアドレス(MN10のホームアドレス)に該当するホームエージェント情報(例えば、ホームエージェントのアドレスのプレフィックス)をホームエージェント情報保持部405から取得し、パケットの送信元アドレスに設定されているアドレスと比較する。そして、送信元アドレス比較部407は、送信元アドレスと一致するアドレスがホームエージェント情報内に存在するか否かをチェックし、そのチェック結果(一致したアドレスが存在する場合には、一致したホームエージェントのアドレスのプレフィックスを含む情報)を代理受信パケット転送処理部408へ渡す。
また、代理受信パケット転送処理部408は、代理受信したパケットを送信元アドレス比較部407へ渡し、送信元アドレスとホームエージェント情報の比較を行うよう指示する。送信元アドレス比較部407から渡された結果が一致するホームエージェント情報の存在を示している場合には、代理受信パケット転送処理部408は、転送先選択部406に対して、選択対象のホームアドレスと共に、一致したホームエージェントのアドレスのプレフィックスを渡し、そのプレフィックスとは異なるプレフィックスを有するアドレスをケアオブアドレスとして選択するよう指示する。
また、代理受信パケット転送処理部408は、代理受信したカプセル化パケットのヘッダ部分に付加されている拡張ヘッダをチェックし、THAオプションが付加されていた場合には、代理受信したパケットを送信元アドレス比較部407に渡して、送信元アドレスとホームエージェント情報との比較を行うよう指示してもよい。なお、THAオプション内には、図6に示すように、外部ヘッダの送信元アドレスの代わりにホームプレフィックス又はホームエージェントのアドレスが含まれるようにしてもよい。また、THAオプション内にホームエージェントのプレフィックスを含む情報が挿入されている場合には、代理受信パケット転送処理部408は、送信元アドレス比較部408への指示を行わずに、転送先選択部406へホームエージェントのプレフィックスを含む情報を渡し、同一のプレフィックスを含むアドレス以外のケアオブアドレスを選択するよう要求してもよい。
また、代理受信パケット転送処理部408は、送信元アドレス比較部407からの結果が一致するホームエージェント情報があったことを示す場合、転送先選択部406へ指示する際に、内部パケットのあて先アドレスとして設定されているアドレスがMN10のホームアドレスであると判断し、転送先選択部406に対して、選択対象のホームアドレスとともに、内部パケットのあて先アドレスを渡し、そのアドレスと異なるアドレスをケアオブアドレスとして選択するよう指示してもよい。
また、代理受信パケット転送処理部408は、転送先選択部406から転送先のアドレスと共にTHA付加要求情報を渡された場合には、THAオプション付加部409に対して転送パケットにTHAオプションを付加するよう指示する。
なお、THAオプションの存在によって、そのカプセル化パケットが他のHAによってカプセル化されたものであることが認識された場合には、代理受信パケット転送処理部408は、内部パケットのあて先アドレスを参照して、内部パケットのあて先アドレスが、カプセル化を行ったHAによって管理されているMN10のホームアドレスであることを更に認識し、転送先選択部205に対してそのアドレスを渡して、そのアドレス以外をケアオブアドレスとして選択するよう要求することも可能である。
また、THAオプション付加部409は、代理受信パケット転送処理部408からの指示に応じて、カプセル化を行って転送するパケットの外部ヘッダ(カプセル化ヘッダ)に付加するオプションとして、THAオプションを付加する機能を有している。なお、本発明の第3の実施の形態では、必ずしもカプセル化パケットにTHAオプションが付加される必要はないが、THAオプションの付加によってHAでカプセル化されたパケットであることを特定できるようにすることで、リフレクションが起り得るパケットのみに対して処理が行われるようにすることが可能となる。
また、THAオプション内に、そのTHAオプションを付加したHAのホームプレフィックス又はHAのアドレスが挿入されている場合には、HAは、カプセル化パケットの送信元アドレスや内部パケットのあて先アドレスの代わりに、THAオプション内のHAのホームプレフィックス又はHAのアドレスを使用して、THAオプション内のHAのホームプレフィックス又はHAのアドレスのプレフィックスとは異なるプレフィックスを有するアドレスが転送先アドレスとして選択されるようにしてもよい。
以上、図15を参照しながら説明したように、本発明の第3の実施の形態におけるHAは、代理受信したパケットを転送する際に、MNから通知された他のHAのホームエージェント情報を参照して、代理受信したパケットの送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するケアオブアドレス(あるいは、カプセル化パケットの内部パケットのあて先アドレスと同一のケアオブアドレス)を転送先アドレスとして選択しないように構成されており、これによって、パケットの送信者(転送元)であるHAに対してパケットを戻すような転送(リフレクション)が行われないようにすることが可能となる。
なお、本発明の第3の実施の形態におけるHAは、MNに対して、ホームエージェント情報の通知を要求するメッセージを送信するよう構成されていてもよい。また、ホームエージェント情報の提供元として、MNだけでなく、ネットワーク上に存在する任意の情報提供サーバを用いる方法も考えられる。この場合、情報提供サーバは、任意のタイミングで、あるいはHAからの要求に応じて、特定のMNに関するホームエージェント情報をHAへ提供することが望ましい。
次に、本発明の第3の実施の形態における具体的な動作の一例について、図10に図示されているネットワーク構成を参照しながら説明する。なお、以下では、MN10がCN16とHoA2を用いて通信を行っている場合を想定して説明を行う。
MN10は、HA14に対して、HA18に関するホームエージェント情報を通知し、さらにHA18に対して、HA14に関するホームエージェント情報を通知する。なお、MN10は、上述のように、通知済みバインディング情報管理部303に格納されているバインディング情報を参照することによって、HA14とHA18との間でリフレクションが発生してしまう可能性があることを検知し、HA14に対してHA18に関するホームエージェント情報を通知するとともに、HA18に対してHA14に関するホームエージェント情報を通知する決定を行う。
CN16が送信したHoA2あてのパケットを代理受信したHA14は、HoA2に関連付けられているケアオブアドレス(CoA、HoA3)の中から、HoA3を転送先アドレスとして選択し、HoA3あてのカプセル化パケットを用いてパケットの転送を行ったとする。
HA14から送信されたカプセル化パケットは、ホームネットワーク17上に存在するHA18によって代理受信される。HA18はこのカプセル化パケットを代理受信すると、カプセル化パケットの送信元アドレス及び自身が保持しているホームエージェント情報を参照して、カプセル化パケットの送信元アドレスが、自身が保持しているホームエージェント情報内のHA14のアドレスに等しいことを検出する。これによって、HA14は、次の転送先としてHoA2を選択した場合には、リフレクションが発生してしまうことを認識し、パケットの転送先アドレスとしてHoA2以外のアドレス(すなわち、CoAを選択することが可能となる。その結果、CN16が送信したパケットはリフレクションを起こすことなくMN10に届けられる。
なお、ホームエージェント情報を用いることによって、より早期の段階でリフレクションの発生を回避することも可能となる。例えば、HoA2あてのパケットを代理受信したHA14は、パケットの転送先を選択する際にHoA3をケアオブアドレスとして選択した場合には、ホームエージェント情報に含まれるHA18にパケットが転送されることになり、その結果、リフレクションが発生してしまう可能性があることを認識できるようになる。この場合には、HA14は、HoA3をケアオブアドレスとして選択せずにCoAを選択することが望ましい。このように、HA14は、ホームエージェント情報を参照することによって、別のHA(HA18)へのパケット転送が行われないように制御することで、未然にリフレクションの発生を防ぐことが可能となる。また、別のHA(HA18)が通常のホームエージェント(リフレクションを回避するように転送先アドレスの選択を行うことができないホームエージェント)である場合でも、リフレクションの発生を防ぐことが可能となる。
なお、本発明の第3の実施の形態におけるTHA付加要求情報は、本発明の第2の実施の形態におけるMN10及びHA12、HA14にも適用することができる。
また、本発明の第3の実施の形態に係る技術は、図17に示すネットワーク構成の別の一例においても有効に機能する。図17では、MN10は2つのインタフェース(IF20、IF21)を持ち、それぞれネットワークベースのモビリティプロトコル(例えば、Proxy Mobile IP(PMIP))が提供されているローカルネットワーク515及びローカルネットワーク516に接続している。それぞれのローカルネットワーク515、516には、MN10の代理として移動制御を行う代理ノード(例えば、Proxy Mobile Agent(PMA))としてPMA518とPMA519が存在し、MN10を管理しているHA12及びHA14との間で、ネットワークベースのモビリティプロトコルに係るメッセージをやり取りする。
MN10はHA12からHoA1を割り当てられ、HA14からはHoA2を割り当てられており、PMA518は、HoA1に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録しており、一方PMA519は、HoA2に対して自身のアドレスをケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録している。
このような構成において、MN10が両方のIF20、21間でモビリティを得るために、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性がある。この場合に対して本発明の第3の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
この場合、ホームエージェント情報の送信は、MN10によって行われてもよいし、代理ノードであるPMA518及びPMA519が行ってもよい。また、PMA518がHA12だけでなく、HA14に対してホームエージェント情報を送信してもよいし、PMA519がHA14だけでなく、HA12に対して送信してもよい。ホームエージェント情報は、MN10又はネットワーク上の情報管理サーバから取得できる。
なお、図18に示すように、図17において、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていたローカルネットワーク516が、ネットワークベースのモビリティプロトコルが提供されていない外部ネットワーク517である場合にも同様に、HoA1に対してHoA2をケアオブアドレスとして関連付けてHA12に登録し、HoA2に対してHoA1をケアオブアドレスとして関連付けてHA14に登録しているときに、HA12とHA14との間でリフレクションが発生する可能性があるが、この場合に対しても本発明の第3の実施の形態で述べた手法を用いることで、そのリフレクションを回避することが可能である。
この場合、ホームエージェント情報の送信は、MN10によって行われてもよいし、代理ノードであるPMA518が行ってもよい。また、PMA518がHA12だけでなく、HA14に対してホームエージェント情報を送信してもよい。ホームエージェント情報は、MN10又はネットワーク上の情報管理サーバから取得できる。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、HAは、MNが利用している他のHAのホームエージェント情報を把握することができるようになる。そして、HAは、カプセル化パケットの転送を行う場合には他のHAのホームエージェント情報と、カプセル化パケットの送信元アドレス又は内部パケットのあて先アドレスとを比較して、パケットの転送先アドレスを転送元に戻さないように設定する(すなわち、他のHAのアドレスと同一のプレフィックスを含むケアオブアドレスを設定しないようにする)ことが可能となる。また、HAは、ホームエージェント情報を参照することで、代理受信したパケットを他のHAに転送しないように制御することも可能であり、これによって、リフレクションの発生を未然に防ぐことができるようになる。
なお、本明細書では、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る技術を独立して説明しているが、本発明の第1〜第3の実施の形態に係る技術を任意に組み合わせて、本発明を実現することも可能である。
また、上述の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、モバイルノードが複数のホームエージェントを利用できる場合に、主に、ネットワーク側の処理によって、複数のホームエージェントのうちの2つのホームエージェント間におけるパケットのリフレクションの発生を防ぐことができるという効果を有しており、パケット転送技術及びアドレス管理技術に適用可能であり、特にモバイルIPv6におけるパケット転送技術及びアドレス管理技術に適用可能である。
本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるHAの構成の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャート 本発明の第2の実施の形態におけるHAの構成の一例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの第1の例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの第2の例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAによってTHAオプションが付加されたカプセル化パケットの一例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAがカプセル化パケットに付加するTHAオプションの第3の例を示す図 本発明の第2の実施の形態におけるHAの動作の一例を示すフローチャート 本発明の第3の実施の形態におけるネットワーク構成の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNのバインディング情報の一例を模式的に示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNの構成の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNによって生成、送信されるホームエージェント情報通知メッセージの一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNによって生成、送信されるホームエージェント情報通知メッセージの別の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるHAの構成の一例を示す図 従来の技術において、複数のHoAが割り当てられているMN10を含むネットワーク構成の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成の別の一例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるネットワーク構成のさらに別の一例を示す図 本発明の第3の実施の形態におけるMNによって生成、送信されるTHA付加要求情報を含むバインディング情報通知メッセージの一例示す図

Claims (6)

  1. 第1ホームネットワークに属する第1ホームエージェントにおけるパケット転送の制御を行うパケット転送制御装置であって、
    前記第1ホームネットワークから割り当てられている第1ホームアドレスに加えて、前記第1ホームネットワークとは異なる第2ホームネットワークから割り当てられている第2ホームアドレスを有するモバイルノードのアドレス管理を行い、前記第1ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第2ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を保持するバインディング情報管理手段と、
    前記第2ホームネットワークに属する第2ホームエージェントから前記第1ホームアドレスをあて先アドレスとするカプセル化パケットを受信した場合には、前記カプセル化パケットの転送を行う際に、その転送先アドレスとして前記第2ホームアドレスを選択しないように制御する転送先選択制御手段とを、
    有するパケット転送制御装置。
  2. 前記転送先選択制御手段が、前記カプセル化パケットの外部ヘッダの送信元アドレス又は前記カプセル化パケットの内部ヘッダのあて先アドレスを参照し、前記バインディング情報における前記ケアオブアドレスの中から、前記送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するアドレス又は前記あて先アドレスと同一のアドレスを前記転送先アドレスとして選択しないように構成されている請求項1に記載のパケット転送制御装置。
  3. 前記モバイルノードから、前記第2ホームエージェントのアドレス又は前記第2ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を受信するホームエージェント情報受信手段と、
    前記ホームエージェント情報受信手段で受信された前記ホームエージェント情報を保持するホームエージェント情報保持手段とを更に有し、
    前記転送先選択制御手段が、前記カプセル化パケットの外部ヘッダの送信元アドレスを参照し、前記ホームエージェント情報保持手段に保持されている情報から得られる前記第2ホームエージェントのアドレスと、前記送信元アドレスとが一致する場合には、前記バインディング情報における前記ケアオブアドレスの中から、前記送信元アドレスと同一のプレフィックスを有するアドレスを前記転送先アドレスとして選択しないように構成されている請求項1に記載のパケット転送制御装置。
  4. ホームエージェントによってカプセル化されたことを示すオプション情報が、前記カプセル化パケットに付加されているか否かを確認するオプション情報確認手段を有し、前記オプション情報確認手段によって前記カプセル化パケットに前記オプション情報が付加されていることが確認された場合にのみ、前記転送先選択制御手段が、前記転送先アドレスとして前記第2ホームアドレスを選択しないように構成されている請求項1に記載のパケット転送制御装置。
  5. 前記カプセル化パケットの転送を行う際に、ホームエージェントによってカプセル化されたことを示すオプション情報が付加された外部ヘッダによって、前記カプセル化パケットの更なるカプセル化を行うカプセル化手段を有する請求項1に記載のパケット転送制御装置。
  6. 第1ホームネットワークから割り当てられている第1ホームアドレスに加えて、前記第1ホームネットワークとは異なる第2ホームネットワークから割り当てられている第2ホームアドレスを有するモバイルノードであって、
    前記第1ホームネットワークに属する第1ホームエージェントに対して、前記第1ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第2ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を通知する第1バインディング情報通知手段と、
    前記第2ホームネットワークに属する第2ホームエージェントに対して、前記第2ホームアドレスのケアオブアドレスとして少なくとも前記第1ホームアドレスが関連付けられているバインディング情報を通知する第2バインディング情報通知手段と、
    前記第1ホームエージェントに対して、前記第2ホームエージェントのアドレス又は前記第2ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を通知する第1ホームエージェント情報通知手段と、
    前記第2ホームエージェントに対して、前記第1ホームエージェントのアドレス又は前記第1ホームエージェントのアドレスを特定するための情報が少なくとも含まれているホームエージェント情報を通知する第2ホームエージェント情報通知手段とを、
    有するモバイルノード。
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