JPWO2006093288A1 - 通信ノード及び通信制御方法 - Google Patents

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Abstract

通信ノードが移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスの選択が行われるようにする技術が開示され、その技術によれば通信ノードの移動の管理を行うMIP制御部120内に設けられたモビリティ条件判断部126が、通信ノードの移動によって発生した様々な条件を取得、参照して、現在の接続状況に適したHoA(例えば、MN1のホームアドレス)の選択を行い、マルチホーム制御部130に対して、選択されたHoA及びCoAの組み合わせが使用するアドレスに適している旨の通知を行う。マルチホーム制御部は、モビリティ条件判断部からの通知を受けて、通知されたHoAに対応するアドレス(Addr2)をMIP制御部に渡し、MIP制御部は、このアドレスに対応するHoA又はCoAを用いたパケット通信を行う。

Description

本発明は、IP(Internet Protocol)を用いた通信を行う通信ノード及び通信制御方法に関し、特に、マルチホーム機能及びモバイル機能の両方を実装した通信ノード及び通信制御方法に関する。
まず、通信ノードがマルチホームの状態となる場合について説明する。なお、ここで言うマルチホームの状態とは、ある通信ノードが、異なるプレフィックスから生成された複数のIPアドレス(以下、単にアドレスと呼ぶこともある)を保持している状態のことを指すものとする。
通信ノードが、マルチホームの状態となる場合には、大きく分けて、以下の2つの場合が存在する。
第1の場合:通信ノードが接続するネットワークが、複数の異なるプレフィックスを通知(advertise)している場合
第2の場合:通信ノードが複数のインタフェースを持っており、かつそれぞれのインタフェースが異なるネットワークに同時に接続している場合
上記の第1の場合(通信ノードが接続するネットワークが、複数の異なるプレフィックスを通知している場合)は、例えば、通信ノードが接続するネットワークが属しているサイトが、複数のインターネットサービスプロバイダ(ISP:Internet Service Provider)にコネクションを持っている場合(サイトマルチホームの状態にある場合)に起こり得る。この場合、そのサイトに属しているネットワーク内には、各ISPからのプレフィックスに基づく複数のプレフィックスが通知されるため、そのネットワークに接続する通信ノードは、そのネットワーク上で使用可能なアドレスとして、プレフィックスが異なる複数のアドレスを保持することができる。つまり、この場合には、サイト側の構成によって、通信ノードが複数のアドレスを保持するかどうかが定まる。なお、サイトマルチホームの状態ではないサイトが、そのネットワーク上で有効なプレフィックスを複数通知することも可能である。
また、上記の第2の場合(通信ノードが複数のインタフェースを持っており、かつそれぞれのインタフェースが異なるネットワークに同時に接続している場合)には、通信ノードの複数のインタフェースのそれぞれに対して接続先のネットワークからプレフィックスが通知されているため、複数のインタフェースのそれぞれには、各ネットワークで使用可能なIPアドレスが少なくとも1つ割り当てられる。したがって、通信ノード単体として見た場合には、その通信ノードにはプレフィックスが異なる複数のアドレスが割り当てられることになる。つまり、この場合には、通信ノードの構成によって、通信ノードが複数のアドレスを保持するかどうかが定まる。
なお、複数のインタフェースを持っている通信ノードが複数の異なるプレフィックスを通知しているネットワークに接続する場合や、複数のインタフェースを持っている通信ノードのインタフェースの少なくとも1つが複数の異なるプレフィックスを通知しているネットワーク(上記の第1の場合)に接続する場合などのように、上記の第1及び第2の場合が組み合わさった場合においても、通信ノードは、マルチホームの状態となることが可能である。
現在、IETF MULTI6 Working Group(http://www.ietf.org/html.charters/multi6−charter.html)では、マルチホームの状態にある通信ノードが、複数のIPアドレスを用いた通信を可能とするための方法として、ネットワークレイヤとその上位レイヤ又は下位レイヤとの間に新たなレイヤを追加したり、あるいはネットワークレイヤの中に新たなサブレイヤを追加したりすることで、複数のIPアドレスを上位レイヤの1つの識別子(Identifier)にマッピングする方法や、トランスポートレイヤ自身が直接複数のIPアドレスを扱う方法などが提案されている(下記の非特許文献1、2参照)。なお、複数のIPアドレスを管理するための上記の方法は、いずれもトランスポートレイヤにおけるコネクションを維持するためのものである。
このような複数のIPアドレスを管理して、マルチホームの状態を扱う方法では、送信側及び受信側の双方において、アドレス情報の交換、送信元アドレスやあて先アドレスの選択など、複数のアドレスを利用するための処理が行われる。
次に、モバイルIP(以下、MIPと記載することもある、下記の非特許文献3参照)について簡単に説明する。モバイルIPにおける通信ノード(MN:Mobile Node、モバイルノード、なお、MNは一般的にMH(Mobile Host、モバイルホスト)とMR(Mobile Router、モバイルルータ)の両方を表す)は、自身のホームネットワークから、少なくとも1つのHoAが割り当てられている。このMNは、別のサブネットワーク(フォーリンネットワーク)に移動した場合には、その移動先のネットワーク上で少なくとも1つのCoA(Care−of Address:気付アドレス)を取得し、取得したCoAとホームネットワーク上で割り当てられたHoAとの関連を示す情報(バインディング情報)を、MNのホームネットワーク上に存在するHA(Home Agent:ホームエージェント)に通知する。これにより、HAは、MNのHoAあてに送信されたパケットを代理受信して、CoAあてに転送できるようになり、MNは、フォーリンネットワーク上に存在しながら、HoAあてのパケットを受信することが可能となる。
なお、非特許文献3で規定されているように、MNがHAに登録することができるアドレス関係は、HoAとプライマリCoAの1対1の関係であり、この情報はMNが送信するバインディングアップデート(Binding Update)によって通知される。
モバイルIPでは、複数のCoAを持つように構成されているMNがHAに登録することができるバインディング情報としては、複数のCoAの中から選択された1つのプライマリCoAと、1つのHoAとの1対1の関連を示す情報となる。つまり、MNが複数のCoAを持っていたとしても、HAに登録できるのは1つのCoAのみである。その結果、1つのHoAに対して複数のCoAを関連付けようとして、MNが複数のバインディングアップデートを送信したとしても、HAは、単なるCoAの更新とみなしてしまうため、結果として、HAでは最後のバインディングアップデートで送信されたバインディング情報しか保持されない。
こうした問題点に対して、下記の非特許文献4では、1つのHoAに対して複数のCoAを登録する方法が開示されており、この方法を使うことによって、MNはバインディング情報として、1つのHoAに対して複数のCoAの関係(1対多の関係)を登録することが可能となる。
一方、ホームネットワークがサイトマルチホームの状態にある場合や、MNにホームネットワークが複数割り当てられている状態の場合において、MNが複数のHoAを保持しているときには、MNはそれぞれのHoAに対して1つのプライマリCoAを関連付けて、HoAとプライマリCoAとの関連を示す情報を、それぞれのHoAを管理するHAに登録する。このとき、それぞれのHoAを管理するHAが異なる場合には、MNは、それぞれのHoAを管理するHAに対してバインディングアップデートを送信し、その結果、それぞれのHAにおいてバインディングキャッシュ(Binding Cache)が作成されることになる。
これに対して、複数のHoAを管理するHAが1つである場合には、MNはそのHAに対して、それぞれのHoAに関するバインディングアップデートを送信する。バインディングアップデートを受信したHAは、それぞれのバインディングアップデートに対するバインディングキャッシュを生成するが、それらのバインディングキャッシュが同一のMNから送信されたバインディングアップデートに対するものであるという認識を持つことはなく、別々のバインディングキャッシュを作成して管理する。そのため、それらのバインディングキャッシュ間には何も関連付けが行われないため、HAは、同一のMNのバインディングキャッシュであるという認識を持たない。
これまでの説明で述べたように、通信ノードがマルチホームを行うための機能は、モバイルIPの機能とは別の機能であり、固定ノード及び移動ノードの両方に適用されるものである。しかし、マルチホームを行っている通信ノードにモバイルIPを適用した場合には、マルチホーム制御部が管理することになる複数のIPアドレスには、そのMNが保持する複数のHoA及びCoAが含まれることになる。これは、マルチホーム制御部及びモバイルIPの両方の機能が配置されるレイヤの構成に依存するものであり、一般的にマルチホーム制御部は、モバイルIPよりも上位に配置されるからである。MNが複数のHoA及びCoAを保持する場合、モバイルIPは上位に対してそれらのHoA及びCoAを見せるため、必然的にマルチホーム制御部は、それらの複数のHoA及びCoAを扱うことになる。
このように、MNに複数のHoAが割り当てられている場合、それらのHoAはマルチホーム制御部によって管理されることが、マルチホーム制御部及びモバイルIPの両方の機能を備えるMNの特徴である。
また、下記の非特許文献5には、ホストが複数のIPアドレスを保持する場合に、送信元アドレスを選択する際の方法について規定されている。ここでは、送信元アドレスの選択をする際に用いるルールが規定されており、このルールの中に「Prefer Home Address」と存在している。この「Prefer Home Address」は、複数のアドレスのうち、CoAよりもホームネットワークに接続しているアドレス(HoA)のほうを優先するというものである。
Erik Nordmark,Marcelo Bagnulo,″Multihoming L3 Shim Approach″,draft−ietf−multi6−l3shim−00.txt,10 Jan 2005. R.Stewart,Q.Xie,″Stream Control Transmission Protocol″,RFC2960,Octover 2000. Johnson,D.B.,Perkins,C.E.,and Arkko,J.,″Mobility Support in IPv6″,RFC3775,June 2004. Ryuji Wakikawa,Keisuke Uehara,Thierry Ernst,″Multiple Care−of Addresses Registration″IETF Internet Draft:draft−wakikawa−mobileip−multiplecoa−03.txt,19 Jun 2004. R.Draves,″Default Address Selection for Internet Protocol version 6(IPv6)″,RFC3484,February 2003.
しかしながら、マルチホーム制御部は、通信ノードの移動は感知せず、あくまでも通信ノードが保持する複数のアドレスの管理を行うように構成されているため、マルチホーム制御部が管理しているアドレスが、通信ノードの移動によってモバイルIPにおけるHoA又はCoAであるという認識を持つことはない。このため、例えば、非特許文献5に記載されている上記のルールをマルチホーム制御部にそのまま導入することはできない。
したがって、MNのホームネットワークが属するサイトがマルチホームを行っていたり、同時に複数のホームネットワークがMNに割り当てられていたりすることによって、MNが複数のアドレスを持つ場合、これらのアドレスを管理するマルチホーム制御部がモバイルIPに係る機能を有するMIPレイヤ(以下、MIP制御部と呼ぶ)と分離しているため、例えば、マルチホーム制御部が送信元アドレスとして、あるアドレスを選択したとしても、実際にはこのMNの移動によって、そのアドレスがモバイルIPにおけるHoAに変化し、インタフェースには接続先で取得したCoAが割り当てられているような場合には、マルチホーム制御部が送信元アドレスとして選択したアドレスは、もはやMNの正確な現在地を表すものではなくなっている。
すなわち、MNの移動によって新たな条件が発生したにもかかわらず、マルチホーム制御部は、そのことを認識することはできずに、あくまでもマルチホーム制御部の独自のポリシーに基づいて、自身が保持する複数のアドレスの中の1つを送信元アドレスとして選択する。このような構成の下では、マルチホーム制御部によるアドレス選択は、実際にMNが置かれている状況を反映したものとは言えず、モビリティ(Mobility)という観点から考慮されるべき条件はいっさい参照されることはない。
その結果、例えば、MNから送信されるパケットがHAを経由して送信される場合、マルチホーム制御部が選択したホームアドレスを割り当てたホームネットワーク上に存在するHAを経由して送信されることになり、複数のHAの状態などが考慮されたHAの選択が行われないため、不適切なアドレスが選択されてパケットが送信されてしまい、遅延やパケットロスなどの様々な不具合が発生してしまうという課題が生じる。
以上のように、従来の技術では、モバイルIP及びマルチホームを実現するプロトコルの両方が1つのMNに実装されている場合、MNの移動に伴って発生するモビリティ条件が適切に反映されないという課題について、図29を参照しながら説明する。図29は、従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第1の例を示す模式図である。
図29には、MNが実装しているMIP制御部1920及びマルチホーム制御部1930が図示されている。なお、このMIP制御部1920の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1930の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部1930で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
しかしながら、マルチホーム制御部1930は、管理する2つのアドレス(Addr1及びAddr2)がMNのHoAとなったことを把握することができず、MNの移動とは無関係に、所定の通信相手との通信において使用するアドレスの選択を行う。例えば、マルチホーム制御部1930は、2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのAddr1を選択した場合、MIP制御部1920に対して、使用するアドレスとしてAddr1を通知する。MIP制御部1920は、マルチホーム制御部1930から通知されたアドレスを利用したパケットの生成を行う機能しか有しておらず、このAddr1の通知を受けて、Addr1と同一のMN1.HoA1、又はMN1.HoA1に対応するMN1.CoA1を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。したがって、従来の技術によれば、MNの移動に伴って、MN1.HoA2やMN1.CoA2がパケットの送信元アドレスに設定されたほうが良い条件となった場合でも、マルチホーム制御部1930で選択されたアドレスがパケットの送信元アドレスとして設定されてしまうという課題がある。
また、図29には、マルチホーム制御部がモバイルIPよりも上位に配置される場合の課題について図示されているが、図30に図示されているように、マルチホーム制御部がモバイルIPよりも下位に配置される場合においても同様に、アドレス選択の際に、MIP制御部とマルチホーム制御部との間で適切な連携が行われず、MNのマルチホーム状態に起因する条件(アドレス選択条件)が適切に反映されないという課題が生じる。上記の課題について、図30を参照しながら説明する。図30は、従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第2の例を示す模式図である。
図29には、MNが実装しているMIP制御部1920及びマルチホーム制御部1930が図示されている。なお、上述のように図30では、MIP制御部2020は、マルチホーム制御部2030の上位に配置されている。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部2030で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。なお、MIP制御部2020の下位に存在するマルチホーム制御部2030は、インタフェースに割り当てられているIPアドレス(マルチホームに係る技術ではロケータとも呼ばれる)を、ULID(Upper−Layer Identifier)と関連付けて管理するように構成されており、MIP制御部2020は、このULIDとの関連付けを行って、ホームアドレスを管理するように構成されている。ここでは、マルチホーム制御部2030が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部2920が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
なお、マルチホーム制御部2030は、複数のULIDの管理を行うことが可能である。また、マルチホーム制御部2030は、1つのULIDに対して複数のアドレスを関連付けて管理することが可能であり、例えば図30において、ULID1に対して、Addr1とは異なる複数のアドレスを同時に関連付けて管理することが可能である。この場合、マルチホーム制御部2030は、例えば上位レイヤからULID1の使用の指示を受けた場合、ULID1に関連付けられている複数のアドレスのうちの1つを、自身で選択することができる。
このとき、例えばMNの移動に係る環境が変化した場合などにおいて、MIP制御部2020は、自身が把握するモビリティに起因する条件(モビリティ条件)に基づき、所定の通信相手との通信において使用するアドレスの選択を行う。例えば、MIP制御部2030は、2つのアドレス(MN1.HoA1及びMN1.HoA2)のうちのMN1.HoA1を選択した場合、マルチホーム制御部2030に対して、使用するアドレスとしてULID1を通知する。マルチホーム制御部2030は、このULID1に基づいて、ULID1に関連付けられている1つ又は複数のアドレス(図30に図示されている例では、Addr1)の選択を行う機能しか有しておらず、このAddr1(MN1.CoA1)を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。したがって、従来の技術によれば、マルチホームに起因するアドレス選択条件に従うと、MN1.CoA2がパケットの送信元アドレスに設定されたほうが良い場合でも、パケットの送信元アドレスとして、MIP制御部2020で選択されたULIDに制限されたアドレスしか設定されないという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑み、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、適切なアドレスの選択が行われるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の通信ノードは、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より下位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードであって、
前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するモビリティ条件判断手段と、
前記モビリティ条件判断手段による判断結果に基づいて前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う送信データパケット生成手段とを有する。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記モビリティ条件判断手段が前記マルチホーム制御手段に対して前記判断結果を通知することにより、前記マルチホーム制御手段が前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記モビリティ条件判断手段が、前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を無視して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記マルチホーム制御手段が前記モビリティ条件判断手段に対して、前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を通知し、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記アドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を取得して前記モビリティ条件判断手段に通知するモビリティ条件通知手段を有するとともに、前記マルチホーム制御手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件判断手段による前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を取得して前記モビリティ条件判断手段に通知するモビリティ条件通知手段を有するとともに、前記マルチホーム制御手段及び前記移動管理手段とは独立して前記モビリティ条件判断手段が設けられており、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件判断手段から通知される前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
前記複数のアドレスのそれぞれをホームアドレスとして、前記複数のホームアドレス及び前記複数のホームアドレスに対応した気付アドレスの関連情報を保持する複数ホームアドレス情報保持手段と、
他の通信ノードに対して、複数の前記関連情報のそれぞれを有するとともに、前記通信ノードを識別するための識別情報が付加された複数のメッセージを生成して送信するメッセージ生成手段とを有する。
この構成により、通信ノードは、自身の複数のホームアドレス、及びそれぞれに対応する気付アドレスのバインディング情報を、通信相手に通知するためのバインディングアップデートメッセージを送信することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記メッセージ生成手段が、前記関連情報に加えて、前記関連情報に含まれるアドレスの使用優先度を含む前記メッセージを生成して送信するように構成されている。
この構成により、通信ノードは、自身の複数のホームアドレス、及びそれぞれに対応する気付アドレスのバインディング情報に係るアドレス使用の優先度を設定することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードが有するホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した気付アドレスの関連情報を有するとともに、前記他の通信ノードを識別するための識別情報が付加されたメッセージを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段で受信した前記関連情報及び前記識別情報を関連付けて格納するバインディングキャッシュ保持手段とを有する。
この構成により、通信ノードは、通信相手の複数のホームアドレス、及びそれぞれに対応する気付アドレスのバインディング情報を、通信相手から受信して、同一の通信相手に係る複数のバインディング情報を特定することができる状態で、複数のバインディング情報を保持することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記メッセージ受信手段が、前記関連情報に加えて、前記関連情報に含まれるアドレスの使用優先度が含まれている前記メッセージを受信し、前記バインディングキャッシュ保持手段が、前記関連情報及び前記識別情報に加えて、アドレスの使用優先度を関連付けて格納するように構成されている。
この構成により、通信ノードは、同一の通信相手に係る複数のバインディング情報を特定することができる状態で、複数のバインディング情報を保持する際に、複数のバインディング情報のそれぞれに係るアドレス使用の優先度を同時に保持することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記モビリティ条件判断手段によって考慮される前記モビリティ条件を、前記バインディングキャッシュ保持手段によって保持されている情報から取得可能な条件として利用するように構成されている。
この構成により、通信ノードは、通信相手から受信したバインディングアップデートメッセージの内容をモビリティ条件として利用することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
前記複数のアドレスのうちの1つをホームアドレスとして、前記ホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を保持するアドレス情報保持手段と、
他の通信ノードに対して、前記関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを生成して送信するメッセージ送信手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、自身が有する1つのホームアドレスに対して複数の気付アドレスの関連付けが行われている場合、このバインディング情報に加えて、複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を他の通信ノードに送信することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードのホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記気付アドレス選択情報に基づいて前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスに前記選択された気付アドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る1つのホームアドレスに対する複数の気付アドレスの関連付けを示すバインディング情報と、上記の他の通信ノードに係る複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報とを受信し、気付アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用する気付アドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードの複数のアドレスを有する第1メッセージと、前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記アドレス選択情報に基づいて前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスに前記選択されたアドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る複数のアドレスと、上記の他の通信ノードに係る複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報とを受信し、アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用するアドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より上位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードであって、
前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、通信相手との通信に適したアドレスを判断するアドレス選択条件判断手段と、
前記アドレス選択条件判断手段による判断結果に基づいて前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う送信データパケット生成手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記アドレス選択条件判断手段が前記移動管理手段に対して前記判断結果を通知することにより、前記移動管理手段が前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記アドレス選択条件判断手段が、前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を無視して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記移動管理手段が前記アドレス選択条件判断手段に対して、前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を通知し、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記モビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を取得して前記アドレス選択条件判断手段に通知するアドレス選択条件通知手段を有するとともに、前記移動管理手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件判断手段による前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を取得して前記アドレス選択条件判断手段に通知するアドレス選択条件通知手段を有するとともに、前記移動管理手段及び前記マルチホーム制御手段とは独立して前記アドレス選択条件判断手段が設けられており、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件判断手段から通知される前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、1つのホームアドレスに対応して複数の気付アドレスを取得することが可能な通信ノードであって、
前記ホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を保持するアドレス情報保持手段と、
他の通信ノードに対して、前記関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを生成して送信するメッセージ送信手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、自身が有する1つのホームアドレスに対して複数の気付アドレスの関連付けが行われている場合、このバインディング情報に加えて、複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を他の通信ノードに送信することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、パケットの送信又は転送を行う通信ノードであって、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードのホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記気付アドレス選択情報に基づいて前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべき前記パケットのあて先アドレスに前記選択された気付アドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る1つのホームアドレスに対する複数の気付アドレスの関連付けを示すバインディング情報と、上記の他の通信ノードに係る複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報とを受信し、気付アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用する気付アドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、パケットの送信を行う通信ノードであって、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードの複数のアドレスを有する第1メッセージと、前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記アドレス選択情報に基づいて前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべき前記パケットのあて先アドレスに前記選択されたアドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る複数のアドレスと、上記の他の通信ノードに係る複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報とを受信し、アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用するアドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信制御方法は、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より下位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードにおける通信制御方法であって、
前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記マルチホーム制御手段に対して前記モビリティ条件を通知し、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記マルチホーム制御手段及び前記移動管理手段とは独立して設けられているモビリティ条件判断手段に対して前記モビリティ条件を通知し、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件が考慮される。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信制御方法は、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より上位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードにおける通信制御方法であって、
前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記移動管理手段に対して前記アドレス選択条件を通知し、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記移動管理手段及び前記マルチホーム制御手段とは独立して設けられているアドレス選択条件判断手段に対して前記アドレス選択条件を通知し、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件が考慮される。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
本発明は、上記の課題に鑑み、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスの選択が行われるようにするという効果を有している。
本発明において前提とされるマルチホーム状態について説明するための図 本発明の第1の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第1の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明に係るネットワーク構成の一例を示す図 本発明に係るバインディングアップデートメッセージに付加されるユニークIDオプションの一例を示す図 本発明に係るバインディングアップデートメッセージに付加されるCoAオプションの第1の例を示す図 本発明に係るバインディングアップデートメッセージに付加されるCoAオプションの第2の例を示す図 本発明に係るMNにおいて、1つのHoA(HoAx)に複数のCoA(CoAα、CoAβ)が関連付けられている状態を模式的に示す図 本発明に係るバインディングアップデート(1つのHoAに複数のCoAが関連付けられている場合に送信されるバインディングアップデートメッセージ)の一例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第1の例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第2の例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第3の例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第4の例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるHAの構成の一例を示すブロック図 本発明に係るMNによって送信されるカプセル化されたパケットの一例を示す図 本発明の第2の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第2の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第3の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図 本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図 本発明の第4の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図 本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図 本発明の第5の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第5の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第6の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第6の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第7の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第7の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第8の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第8の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第9の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第9の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第1の例を示す模式図 従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第2の例を示す模式図
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第9の実施の形態について説明する。なお、本発明の第1〜第4の実施の形態では、図29に図示されているマルチホーム制御部1930がMIP制御部1920の上位に配置されている場合に生じる課題に鑑みた構成及び動作が説明され、本発明の第5〜第9の実施の形態では、図30に図示されているマルチホーム制御部2030がMIP制御部2020の下位に配置されている場合に生じる課題に鑑みた構成及び動作が説明される。
まず、図1を参照しながら、本発明において前提とされるマルチホーム状態について説明する。図1には、2つのホームネットワーク(ホームネットワークA及びホームネットワークB)が割り当てられているMN100が、フォーリンネットワークへの移動を行ってCoAを取得した状態が模式的に図示されている。なお、図1では、1つのインタフェース(IF_a)を有するMN100aがフォーリンネットワークAに接続してCoA1を取得した状態と、2つのインタフェース(IF_b及びIF_c)を有するMN100bが、IF_bによってフォーリンネットワークBに接続してCoA2を取得するとともに、IF_cによってフォーリンネットワークCに接続してCoA3を取得した状態とが図示されている。
上述のようにMN100がマルチホームを行う要因はいくつかあるが、図1では、割り当てられている複数のホームネットワークのそれぞれが通知するプレフィックスからホームアドレスを生成した結果、MN100が複数のホームアドレスを保持してマルチホームの状態になった場合が示されている。
MN100は、ホームネットワークAのプレフィックスAから生成されたHoA1と、ホームネットワークBのプレフィックスBから生成されたHoA2とを保持している。なお、当然のことながら、ホームネットワークA、BのそれぞれにはHA(HA−A150a、HA−B150b)が存在し、HoA1はHA−A150aによって、HoA2はHA−B150bによってそれぞれ管理される。
また、図1に示されているように、移動後のMN100が複数のホームアドレスを保持することによるマルチホームは、MN100が備えるインタフェースの数に依存するものではない。すなわち、たとえMN100が1つしかインタフェースを有していない場合でも、MN100に複数のホームネットワークを割り当てることが可能である。
なお、割り当てられるホームネットワークが1つであっても、MN100が1つのプレフィックスから複数のアドレスを生成するように構成されている場合や、そのホームネットワークがサイトマルチホームによって複数のプレフィックスを通知している場合には、MN100はマルチホームを行うことが可能である。
また、図1では、MN100がフォーリンネットワークへ移動を行ってCoAを取得した状態として図示されているが、この状態は、複数のホームアドレスを保持することによって生じるマルチホームの状態とは独立した事象であり、MN100は、移動せずにホームネットワークに接続している状態であってもよいし、複数のインタフェースを保持している場合は、ホームネットワークとフォーリンネットワークの両方に同時に接続している状態であってもよい。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図2には、MNが実装しているMIP制御部120及びマルチホーム制御部130が図示されている。なお、このMIP制御部120の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部130の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
本発明の第1の実施の形態に係るMIP制御部120は、モビリティ条件判断部126を有している。このモビリティ条件判断部126は、MNの移動に伴って発生する様々な条件(以下、モビリティ条件と呼ぶ)を取得、参照するとともに、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件としては、後述のように、例えば、通信相手との経路が最も短くなる条件、通信相手との経路のセキュリティが最も安全となる条件、通信相手から要請された通信条件など、MIP制御部120が取得可能な様々な条件が挙げられる。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部130で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第1の実施の形態に係るMIP制御部120のモビリティ条件判断部126は、モビリティ条件に基づいて、例えば、所定の通信相手との通信には、MN1.HoA1及びMN1.CoA1の組み合わせよりも、MN1.HoA2及びMN1.CoA2の組み合わせを使用したほうが、より適した通信を行うことが可能であると判断した場合には、マルチホーム制御部130に対して、MN1.HoA2を使用したほうがよい旨を通知する。
なお、MN100がホームネットワークに接続している状態のときは、モビリティ条件判断部126は、そのホームネットワーク上で有効なアドレスを、使用したほうがよいアドレスとして判断することも可能である。例えば、図1において、MN100のIF_cがホームネットワークBに接続していた場合は、MN1.HoA2を使用したほうがよい旨が、モビリティ条件判断部126からマルチホーム制御部130に対して通知されることもあり得る。
マルチホーム制御部130は、モビリティ条件判断部126からの通知に応じて、Addr2(=MN1.HoA2)を選択し、MIP制御部120に対して、使用するアドレスとしてAddr2を通知する。MIP制御部120は、このAddr2の通知を受けて、Addr2と同一のMN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第1の実施の形態について、具体的に説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すMNは、送受信部110、MIP制御部120、マルチホーム制御部130、上位レイヤ140を有している。
送受信部110は、MNが接続するネットワーク内の通信ノードや、さらに上位のネットワークに存在する任意の通信ノードとの通信を行うための機能を有している。また、上位レイヤ140は、通常のレイヤ構成におけるIPよりも上位のレイヤ(例えば、TCP/UDPレイヤ)である。
また、MIP制御部120は、MNの移動を管理する機能である。MIP制御部120は、受信データパケット処理部121、送信データパケット生成部122、複数HoA情報保持部123、複数HoA情報管理部124、UIDバインディングアップデート生成・処理部125、モビリティ条件判断部126を有している。
受信データパケット処理部121は、受信したデータパケットの転送がMIPを使用して行われている場合に、そのパケットを元の形式のパケットに変換するための機能を有している。MIPを使用した場合のパケット転送には、HAによってカプセル化されている場合や、通信相手によってルーティングヘッダが挿入され、直接自分あてに送信されている場合などがある。
また、送信データパケット生成部122は、マルチホーム制御部130から通知されたあて先アドレス及び送信元アドレスに対し、MIPを使用してパケットを転送するための変換を行う機能を有している。
また、複数HoA情報管理部124は、自身が保持する複数のHoAに関する管理を行い、HAに登録する複数のHoAと、それらのHoAに関連付けるCoAの決定を行う機能を有している。また、複数HoA情報管理部124は、HAへ送信する複数のバインディングアップデートメッセージを同一のMNからのものである旨を示すためのユニークIDと共に、登録するバインディング情報をUIDバインディングアップデート生成・処理部125へ通知し、バインディングアップデートメッセージを生成するように指示を行う機能を有している。また、複数HoA情報管理部124は、通信相手から受信したバインディング情報を複数HoA情報保持部123に通知する機能を有している。さらに、複数HoA情報管理部124は、MIP制御部120において取得可能な様々な条件の取得及び管理を行う機能を有している。また、複数HoA情報管理部124は、モビリティ条件判断部126に対して複数HoA情報保持部123に保持されているモビリティ条件を通知する機能も有している。
また、複数HoA情報保持部123は、自身が保持する複数のHoAと、複数のHoAのそれぞれに関連付けられたCoAに係る情報を保持する機能を有している。例えば、複数HoA情報保持部123では、例えば、MN1.HoA1及びこのHoAに対応するMN1.CoA1、MN1.HoA2及びこのHoAに対応するMN1.CoA2がそれぞれ関連付けられて保持される。また、さらに複数HoA情報保持部123は、通信相手からの位置登録/更新情報(バインディング情報)を保持するが、このとき、マルチホーム状態の通信相手から送られてくる複数のHoA及びCoAの組(これは、例えば、後述のように識別情報(ユニークID:以下、UIDと記載することもある)が付加されたバインディングアップデートメッセージによって送信されてくる)を保持する機能を有している。なお、以降の説明では、主に、UIDが付加されたバインディングアップデートメッセージによってバインディング情報の通知が行われる場合について説明を行うが、UIDが付加されたバインディングアップデートメッセージの使用は一例に過ぎず、本発明は、UIDが付加されたバインディングアップデートメッセージの使用に限定されるものではない。
また、UIDバインディングアップデート生成・処理部125は、複数HoA情報管理部124から通知された情報(ユニークID及びバインディング情報)に基づき、複数のHoAをHAに登録するためのバインディングアップデートメッセージを、複数のHoAのそれぞれに関して生成し、送信する機能を有している。また、UIDバインディングアップデート生成・処理部125は、通信相手から受信したバインディングアップデートメッセージを処理し、バインディングアップデートメッセージ内に含まれるバインディング情報を複数HoA情報管理部124に通知する機能を有している。なお、UIDバインディングアップデート生成・処理部125によって生成及び処理されるバインディングアップデートメッセージに関しては、後で詳細に説明する。
また、モビリティ条件判断部126は、MNの移動に伴って発生するモビリティ条件、及び通信相手から通知されたモビリティ条件を、複数HoA情報管理部124から取得して参照し、これらのモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断して、その判断結果をマルチホーム制御部130に通知する機能を有している。
また、マルチホーム制御部130は、MNのマルチホーム状態を管理する機能である。マルチホーム制御部130は、複数アドレス処理部131、複数アドレス管理部132、あて先・送信元アドレス選択部133を有している。
複数アドレス処理部131は、MIP制御部120によるパケット変換が完了したパケットを取得し、そのパケットに係る処理を行った後に上位レイヤ140へ渡す機能を有している。
また、複数アドレス管理部132は、このMNが有する複数のアドレスを管理する機能を有している。複数アドレス管理部132では、例えば、マルチホーム状態における複数のアドレス(Addr1及びAddr2)が保持され管理される。また、複数アドレス管理部132は、複数アドレス処理部131又はあて先・送信元アドレス選択部133からの要求に応じて、必要な情報を渡す。また、複数アドレス管理部132は、通信相手が有する複数のアドレスも管理することができる。なお、通信相手がアドレスを取得する方法は任意であるが、例えば、マルチホーム制御部130や、MIP制御部120が扱うメッセージ(後述するUIDが付加されたバインディングアップデートメッセージなど)を受信することで取得してもよいし、DNS(Domain Name System)サーバから取得してもよい。
また、あて先・送信元アドレス選択部133は、MIP制御部120のモビリティ条件判断部126から通知された情報に基づいて、複数アドレス管理部132で保持されているアドレスの中から、送信パケットの送信元アドレス、及びあて先アドレスに使用するアドレスを選択して、MIP制御部120に通知する機能を有している。なお、あて先・送信元アドレス選択部133は、モビリティ条件判断部126による判断結果を、モビリティ条件判断部126から受動的に通知を受けるように構成されていてもよく、また、モビリティ条件判断部126から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
なお、図3に図示されているMIP制御部120、モビリティ条件判断部126、マルチホーム制御部130は、図2に図示されているMIP制御部120、モビリティ条件判断部126、マルチホーム制御部130に対応している。
次に、モビリティ条件判断部126によって参照されるモビリティ条件について具体的に説明する。MNでは、基本的にMIP制御部120において、MNの移動の管理が行われており、移動に伴って発生する様々な条件の取得が可能である。ここでは、モビリティ条件判断部126に、従来のバインディングアップデートメッセージを改変したUID付きのバインディングアップデートメッセージの生成、処理を行う機能を設けることで、例えば、通信相手との経路が最も短くなる条件、通信相手との経路のセキュリティが最も安全となる条件、通信相手から要請された通信条件などの様々なモビリティ条件を取得する態様について説明する。
ここでは、図4に示すネットワーク構成を一例に挙げて説明する。図4には、ホームネットワーク1〜3、フォーリンネットワーク1、2が、それぞれグローバルネットワークに接続されているネットワーク構成が図示されている。
図4において、MN1は、ホームネットワーク1に属するHA1によって管理されるアドレス(MN1.Addr1)と、ホームネットワーク2に属するHA2によって管理されるアドレス(MN1.Addr2)とを保持している。一方、MN2は、ホームネットワーク2に属するHA2によって管理されるアドレス(MN2.Addr2)と、ホームネットワーク3に属するHA3によって管理されるアドレス(MN2.Addr3)とを保持している。したがって、MN1及びMN2は、それぞれ共通するホームネットワーク2に由来するアドレスを保持している。
また、MN1は、移動によってフォーリンネットワーク1に接続し、フォーリンネットワーク1において、アドレス(MN1.Addr1)に等しいHoA(MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)を取得するとともに、アドレス(MN1.Addr2)に等しいHoA(MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)を取得する。一方、MN2も移動によってフォーリンネットワーク2に接続し、フォーリンネットワーク2において、アドレス(MN2.Addr2)に等しいHoA(MN2.HoA2)に対応するCoA(MN2.CoA2)を取得するとともに、アドレス(MN2.Addr3)に等しいHoA(MN2.HoA3)に対応するCoA(MN2.CoA3)を取得する。なお、ホームネットワーク1〜3のそれぞれには、HA1〜3が設置されており、MN1及びMN2のHoA及びCoAの管理を行っている。
以下、上記の状態において、MN1とMN2とが通信を行う場合について説明する。なお、MN1及びMN2は共に、図3に示す内部構成を有しているものとする。
MN1は、自身が保持する複数のHoA(MN1.HoA1、MN1.HoA2)に関するバインディング情報をHA1及びHA2のそれぞれに登録するために、各HoAに関するバインディング情報を別々のバインディングアップデートメッセージによって、HA1及びHA2のそれぞれに対して送信する。
すなわち、MN1は、HA1に対して、HoA(MN1.HoA1)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA1)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信するとともに、HA1に対して、HoA(MN1.HoA2)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA2)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信する。また、MN1は、HA2に対して同様に、HoA(MN1.HoA1)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA1)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信するとともに、HoA(MN1.HoA2)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA2)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信する。
なお、内部に含まれるHoAがそれぞれ異なる複数のバインディングアップデートメッセージを受信したHA1及びHA2が、それらのバインディングアップデートメッセージが同一のMN1から送信されてきたものであることを認識できるようにするために、MN1は、各バインディングアップデートメッセージに対して、UIDを含むオプション(ユニークIDオプション)を付加する。これにより、HA1及びHA2は、同一のUIDを含むバインディングアップデートメッセージが、同一のMN1から送信されてきたものであることを認識できるようになる。
ユニークIDオプションは、例えば図5に示すように、タイプ(Type)、長さ(Length)、UIDの各フィールドにより構成される。タイプ(Type)フィールドには、モビリティオプションのタイプを示す8ビットの識別子が含まれる。また、長さ(Length)フィールドには、タイプ及び長さフィールドを除くユニークIDオプションの長さをオクテット単位で表す8ビットの符号無し整数が含まれる。また、UIDフィールドには、MNをユニークに識別可能とする整数値が含まれる。
また、MN2もMN1と同様に、複数のHoA(MN2.HoA2、MN2.HoA3)に関するバインディング情報を登録するために、MN2であることを示すUIDを含んだユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージを、HA2及びHA3のそれぞれに対して送信する。なお、1つのバインディングアップデートメッセージの中に複数のHoAに関するバインディング情報が含まれて送信されてもよい。その場合、UIDは送信側で付加されてもよく、そのバインディングアップデートメッセージを受信した側で付加されてもよい。また、複数のHoAを通知しない場合は、受信側に対して、複数のバインディングアップデートメッセージを同一のMNから送信されたものであることを認識させる必要はないので、そのためのUIDは必ずしも付加される必要はない。
また、1つのHoAに複数のCoAが関連付けられている場合(例えば、図6Cに図示されているように、あるHoAxに対して2つのCoA(CoAα、CoAβ)が関連付けられている場合)には、1つのバインディングアップデートメッセージ内に、例えば図6Aに示すような構成のCoAオプションを複数含めて送信することで(図6Dに図示されているバインディングアップデートメッセージを参照)、1つのHoAに対する複数のCoAのバインディング情報を登録することが可能となる。また、1つのHoAに対する複数のCoAのバインディング情報を登録する場合には、受信側が各バインディング情報を区別することができるように、それぞれのCoAのバインディングに対してもUIDを付加してもよい。なお、複数のCoAオプションの送信方法としては、1つのバインディングアップデートメッセージに複数のCoAオプションを含めて送信する方法に限られるものではなく、複数のバインディングアップデートメッセージのそれぞれに対応して各CoAオプションを挿入することで、複数のCoAオプションの送信を行うことも可能である。
図6Aに示すCoAオプションは、タイプ(Type)、長さ(Length)、CoA(Care−of Address)の各フィールドにより構成される。タイプ(Type)フィールドには、モビリティオプションのタイプを示す8ビットの識別子が含まれる。また、長さ(Length)フィールドには、タイプ及び長さフィールドを除くユニークIDオプションの長さをオクテット単位で表す8ビットの符号無し整数が含まれる。また、CoAフィールドには、インタフェースに割り当てられたCoAが含まれる。
また、例えばCoAオプションを図6Bに示すような構成として、各CoAに優先度などのオプション情報を付加してもよい。図6Bに示すCoAオプションは、図6Aに示す構成に加えて、さらに、優先度(Priority)、Pフラグ(PFlags)、インタフェースID(IFID)、ライフタイム(Lifetime)を有している。優先度(Priority)のフィールドには、当該インタフェースの使用に係る優先度を示す8ビットの符号無し整数が含まれる。また、Pフラグ(PFlags)フィールドは、8つの1ビットフラグであり、当該インタフェースにおける通信のトラフィックタイプ(例えば、ビデオ、音声、インタラクティブ通信、ベストエフォートなど)を示す値が含まれる。また、インタフェースID(IFID)フィールドには、CoAが割り当てられているインタフェースを識別可能とする4ビットの符号無し整数が含まれる。このインタフェースIDフィールドには、例えば、セルラ、WLAN802.11(a/b/g/n)、802.16、802.20、ブルートゥース(登録商標)などの各種のインタフェースタイプを識別可能とする情報が挿入される。また、ライフタイム(Lifetime)フィールドには、バインディングが期限切れとなるまでの残り時間を示す単位時間(例えば、1単位時間=4秒)に乗算される値(16ビットの符号無し整数)が含まれる。また、不図示だが、オプション情報として、帯域幅やISP名を付加することも可能であり、さらに、MNは、通信中のフローに関する情報を付加することで、特定のフローに関するパケットを転送する際に使用するべきCoAとして、任意のCoAをHAへ登録することも可能である。なお、ここでは、CoAにオプション情報を付加した場合について説明したが、これらのオプション情報をHoAに対する情報として付加してもよい。これは、例えば、1つ又は複数のCoAと複数のHoAとが関連付けられている場合に有効である。
なお、ここでは、バインディングアップデートメッセージによって、バインディング情報やオプション情報が通知される場合におけるバインディングアップデートメッセージの構造について説明したが、例えば、バインディングアップデートメッセージとは異なるメッセージ内にオプション情報が挿入されて通知されてもよい。この場合には、バインディング情報の受信側において、バインディング情報の登録(例えば、後述の図8A、図8Bに示すバインディングキャッシュの作成)が正しくできるように、別々のメッセージに挿入されているバインディング情報とオプション情報との関連付けが行われる必要がある。この関連付けには、例えばバインディング情報及びオプション情報の両方(あるいはバインディング情報が含まれるメッセージ及びオプション情報が含まれるメッセージの両方)に、関連付けを行うための同一の識別子が含まれるようにすることが望ましく、この識別子には、例えばCoAそのものを用いてもよく、また、非特許文献4に記載されているBID(Binding Unique Identification number)を用いてもよい。
HA1及びHA2は、受信したバインディングアップデートメッセージが、UIDによって同一のMN1からのものであることを認識した場合、バインディングアップデートメッセージに含まれているバインディング情報と、バインディングアップデートメッセージのユニークIDオプションに記述されているUIDとを関連付けて、バインディングキャッシュに格納する。すなわち、MN1のHoA及びCoAは、MN1を識別するUIDをキーとして、バインディングキャッシュに保持される。
HA1及びHA2によって保持されるMN1に関するバインディングキャッシュは、例えば図7Aに図示されているような構成を有している。なお、ここでは、MN1のUIDをUID1と記載する。MN1に関するバインディングキャッシュには、MN1を示すUID1をキーとして、MN1のHoA(MN1.HoA1)とCoA(MN1.CoA1)との関係が保持される。また同様に、MN1を示すUID1をキーとして、MN1のHoA(MN1.HoA2)とCoA(MN1.CoA2)との関係も保持される。
また、MN2のHoA及びCoAも同様に、MN2を識別するUIDをキーとして、バインディングキャッシュに保持される。HA2及びHA3によって保持されるMN2に関するバインディングキャッシュは、例えば図7Bに図示されているような構成を有している。なお、ここでは、MN2を示すUIDをUID2と記載する。MN2に関するバインディングキャッシュには、MN2を示すUID2をキーとして、MN2のHoA(MN2.HoA2)とCoA(MN2.CoA2)との関係が保持される。また同様に、MN2を示すUID2をキーとして、MN2のHoA(MN2.HoA3)とCoA(MN2.CoA3)との関係も保持される。
なお、ここでは、MN1のHoA(MN1.HoA1)にCoA(MN1.CoA1)が割り当てられ、MN1のHoA(MN1.HoA2)にCoA(MN1.CoA2)が割り当てられる場合などのように、個々のHoAに対して異なるCoAが1つずつ割り当てられる場合について説明しているが、例えば、MN1のHoAに2つのCoAが割り当てられる場合などのように、1つのHoAに複数のCoAが割り当てられる場合は、MN1に関するバインディングキャッシュには、MN1を示すUID1をキーとして、MN1のHoAと2つのCoAとの関係が保持される。なお、それぞれのCoAにもUIDが付加されている場合には、それらのUIDも含んだバインディング情報として保持される。
また、バインディング情報と共に、図6Bに示すCoAオプション内の情報を保持するためのバインディングキャッシュは、例えば図8Aに示すような構成を有する。
図8Aには、MN2からユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージを受信したHA2によって保持されるMN2に関するバインディングキャッシュが図示されている。例えば図8Aに図示されているように、UID、HoA、CoAの関連を示すエントリ内に、さらに、上述のCoAオプションの各フィールド(ライフタイム、優先度、Pフラグ、IFIDなど)に記載されていた情報が格納される。
また、図6Dに図示されているバインディングアップデートメッセージに図6Bに示すCoAオプションが含まれている場合には、このバインディングアップデートメッセージを受信したHAは、図8Aと同様の構成を有するバインディングキャッシュ(図8Bを参照)を保持することになる。なお、図8Bには、MNxを示すUIDxをキーとして、MNxのHoA(MNx.HoAx)と2つのCoA(MNx.CoAα及びMNx.CoAβ)との関係が保持されており、さらに、それぞれのCoAに関連するエントリ内に、それぞれのCoAに対応するCoAオプションの各フィールド(ライフタイム、優先度、Pフラグ、IFIDなど)に記載されていた情報が格納される。
また、不図示だが、フローに関する情報がCoAオプション内に付加され、特定のフローに関するパケットを転送する際に使用するべきCoAとして登録された場合、それらのフローに関する情報もそれぞれのCoAに関連するエントリ内に格納される。なお、バインディングアップデートメッセージとは異なるメッセージでCoA選択情報が通知された場合も同様に、各フィールドに記載されている情報が格納される。なお、これらの情報の格納場所としては、既存のバインディングキャッシュを用いることが効果的ではあるが、CoAとの関連付けが正しく行われさえすれば、例えばQoS情報が保持されている格納部や、フロー情報リストなどに格納されてもよい。
なお、上述のような構造を有するアドレス登録メッセージ(バインディングアップデートメッセージ)を受信したHAは、従来の技術と同様に、登録確認メッセージ(バインディングアクノレッジメントメッセージ)を返信することが望ましいが、この登録確認メッセージにオプション情報の登録結果を挿入してもよい。アドレス登録メッセージの送信元であるMNは、登録確認メッセージ内のオプション情報の登録結果を参照することによって、例えば、HAにおいて、後述のパケットのあて先アドレスの選択動作が行われるか否かを判断することが可能となる。
上述のように、1つのMNに由来する複数のバインディング情報を保持することが可能なHAの内部構成は、例えば、図9に示すようになる。図9は、本発明の第1の実施の形態におけるHAの構成の一例を示すブロック図である。図9に示すHAは、送受信部810、MIP制御部820、上位レイヤ840を有している。なお、図9に図示されているHAは、図4に図示されているHA1やHA2に対応する。
送受信部810は、管理を行っているMNからのパケット、又は管理を行っているMNあてのパケットの送受信を行うための機能を有している。また、上位レイヤ840は、通常のレイヤ構成におけるIPよりも上位のレイヤ(例えば、TCP/UDPレイヤ)である。
また、MIP制御部820は、同じくMIP制御部が実装されているMNとの間で情報の共有や交換を行うことによって、MNの移動を管理する機能である。MIP制御部820は、UIDバインディングアップデート処理部821、バインディングキャッシュ保持部822、受信データパケット処理部823、転送先選択部824、カプセル化データパケット生成部825を有している。
UIDバインディングアップデート処理部821は、MNから受信するユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージの処理を行う機能を有している。UIDバインディングアップデート処理部821において、バインディングアップデートメッセージから抽出されたUID及びバインディング情報は、バインディングキャッシュ保持部822に送られる。
また、バインディングキャッシュ保持部822は、MNから受信したバインディング情報を保持する機能を有している。なお、このバインディングキャッシュ保持部822は、上述のように、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報を、MNを示すUIDと関連付けが行われた状態(例えば図7Aや図7Bに図示する状態)で保持する。
また、受信データパケット処理部823は、受信したデータパケットの転送がMIPを使用して行われている場合に、そのパケットを元の形式のパケットに変換するための機能を有している。なお、MIPを使用した場合のパケット転送には、HAによってカプセル化されている場合や、通信相手によってルーティングヘッダが挿入され、直接自分あてに送信されている場合などがある。HAあてのパケットは受信データパケット処理部823から上位レイヤ840に送られ、あるMNから他のMNに対してHAを経由して送信されるパケットは、例えばデカプセル化された後、受信データパケット処理部823から転送先選択部824に送られる。
また、転送先選択部824は、受信データパケット処理部823から受け取ったパケットのあて先アドレスをチェックして、そのあて先アドレスと同じHoAを含むバインディングキャッシュが、バインディングキャッシュ保持部822に登録されているかどうかをチェックし、バインディングキャッシュ保持部822に登録されている場合には、そのHoAに関連付けられているCoA(転送先)と、受信データパケット処理部823から受け取ったパケットを、カプセル化データパケット生成部825に渡す機能を有している。なお、転送先選択部824で転送先が見つからない場合には、受信データパケット処理部823から受け取ったパケットの状態で送受信部810に送られ、外部に送出される。
また、カプセル化データパケット生成部825は、転送先選択部824から受け取ったパケットを、同じく転送先選択部824から受け取ったCoAをあて先としてカプセル化して、送受信部810に渡す機能を有している。カプセル化データパケット生成部825でカプセル化されたパケットは、送受信部810から外部に送出される。
このように、HAは、MNからユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージを受信し、このバインディングアップデートメッセージに含まれているUID及びバインディング情報を関連付けてバインディングキャッシュ保持部822で保持することにより、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報をすべて保持できるとともに、MNを識別可能とするUIDをキーとして、任意のMNに係る複数のバインディング情報を特定することが可能となる。
MN1とMN2とが通信を行う場合、HAを経由した通信経路(三角経路)によってパケットが伝送される。ここで、HA1が図7Aに図示されているバインディングキャッシュを保持し、HA2が図7A及び図7Bに図示されているバインディングキャッシュを保持し、HA3が図7Bに図示されているバインディングキャッシュを保持した状態で、MN1とMN2との間の通信が開始されたとする。なお、ここでは、MN1は、あらかじめMN2のHoA(MN2.HoA3)を知っているものとする。
MN1は、あらかじめ把握しているMN2のHoA(MN2.HoA3)をあて先アドレスとして設定したパケットの送信を行おうとしている。この際、MN1はフォーリンネットワーク1に移動しているので、HA1又はHA2に対して、パケットをカプセル化して送信する必要がある。ここでは、MN1が、HA2に対してパケットをカプセル化して送信することを選択したとする。この場合、MN1は、図10に示すような構成を有するパケットをHA2に送信する。
図10に示すパケットは、内部パケットを外部パケットによってカプセル化したパケットである。内部パケットには、送信元アドレスとしてMN1のHoA(MN1.HoA2)が設定され、あて先アドレスとしてMN2のHoA(MN2.HoA3)が設定される。また、外部パケットには、送信元アドレスとしてMN1のCoA(HoA(MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2))が設定され、あて先アドレスとしてHA2のアドレスが設定される。
HA2は、MN1から図10に示すような構成を有するパケットを受信した場合、デカプセル化した後の内部パケットのあて先アドレスであるMN2.HoA3が、バインディングキャッシュに含まれているかどうかをチェックする。このチェックの結果、MN2.HoA3がバインディングキャッシュに含まれている場合(例えば、図7Bの例の場合)には、HA2は、そのMN2.HoA3のバインディングキャッシュに付加されているUID2と同一のUIDが付加されたバインディングキャッシュの中から、パケット転送に適切であるHoAを含むバインディングキャッシュを検索する。例えば、UID2によって特定されるMN2に関するバインディングキャッシュの中から、ホームネットワーク2上で有効なHoAを含むバインディングキャッシュ(すなわち、同一のホームネットワーク2から割り当てられているMN2のHoA(MN2.HoA2)を含むバインディングキャッシュ)が選択される。
そして、HA2は、検索の結果、選択されたバインディングキャッシュに保持されているHoA(ここでは、MN2のHoA(MN2.HoA2))に対応するCoA(MN2.CoA2)をあて先アドレスとして、パケットをカプセル化して送信する。MN2は、HA2からカプセル化されたパケットを受信した場合、そのパケットをデカプセル化することで、MN1から送信されたパケットを正しく受信することができる。
このように、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報をすべて保持することが可能なHAは、例えば、上述のように他のネットワークのHAを経由せずにパケットの伝送が行われるようにパケットのあて先アドレスを変更することが可能であり、これによって、冗長な通信経路の削減や、他のネットワークへのパケット伝送によるセキュリティ低下の防止などが実現されるようになる。
また、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報と共にアドレスの優先度などを始めとする様々なオプション情報を保持することが可能なHAは、例えば、MN1から受信したパケットをMN2に向けて転送する際に、このバインディングキャッシュ内の優先度の値を比較し、最も優先度が高く設定されているCoAをあて先アドレスとしたカプセル化パケットを生成して、送信することも可能である。これによって、パケットのあて先アドレスが、パケットの受信側で設定されたアドレスに変更され、受信側は、例えばストリームの種類などに応じて好適なインタフェースによりパケットの受信を行えるようになる。
すなわち、例えば、HAが上述の図8Aに示すMN2に関するバインディングキャッシュを保持している場合には、HAは、MN1から受信したパケットをMN2に向けて転送する際に、図8Aに示すバインディングキャッシュ内のそれぞれのエントリ(図8Aでは、MN2.HoA2とMN2.CoA2との関連に係るエントリ及びMN2.HoA3とMN2.CoA3との関連に係るエントリ)に含まれる様々なオプション情報をCoA選択情報として使用し、各エントリのCoA選択情報を比較することによって、MN2に対して送信するカプセル化パケットのあて先アドレスとして使用するCoAを選択することが可能である。
また、例えば、HAが上述の図8Bに示すMNxに関するバインディングキャッシュを保持している場合には、HAは、MN1から受信したパケットをMNxに向けて転送する際に、図8Bに示すバインディングキャッシュ内のそれぞれのエントリ(図8Bでは、MNx.HoAxとMNx.CoAαとの関連に係るエントリ及びMNx.HoAxとMNx.CoAβとの関連に係るエントリ)に含まれる様々なオプション情報をCoA選択情報として使用し、各エントリのCoA選択情報を比較することによって、MNxに対して送信するカプセル化パケットのあて先アドレスとして使用するCoAを選択することが可能である。
なお、送信するパケットのあて先アドレスの選択を行う上述の動作は、HAだけではなく、CN(Correspondent Node:MNの通信相手)で行われてもよいことは明白である。すなわち、例えば、MN1(CNに相当)からMN2(又はMNx)への経路としてMIPの最適化経路を使用する場合には、後述のようにMN2(又はMNx)に関するバインディング情報(例えば、図8Aや図8Bに示すバインディングキャッシュ)がMN1のバインディングキャッシュに保持されるので(後述)、MN1は、オプション情報をCoA選択情報として使用し、各エントリのCoA選択情報を比較することによって、MN2(又はMNx)に対して送信するパケットのあて先アドレスとして使用するCoAを選択することが可能である。
また、送信するパケットのあて先アドレスの選択を行う上述の動作は、MNからHAに対して送信されるパケットのあて先アドレスの選択動作に対しても適用可能である。この場合、MNは、例えば複数のアドレスを有するHAから、このHAの複数のアドレス(複数HAアドレス情報)及びこれらの複数のアドレスの選択条件を示す情報(HAアドレス選択情報)を取得する。そして、MNは、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報を参照して、複数のHAアドレスのそれぞれに対応する各HAアドレス選択情報を比較することによって、CNあてのカプセル化パケットのあて先アドレスやHAあてのパケットのあて先アドレスとして使用するHAのアドレスを選択することが可能である。なお、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報は、例えばモビリティ条件に含まれており、モビリティ条件判断部126であて先アドレスとして最適なアドレスの選択が行われる。
また、HAからMNに対する複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報の通知は、任意のメッセージによって行われてもよい。HAは、例えば、既存のHome Agent Address Discovery Reply MessageやMobile Prefix Advertisement Message、バインディングアクノレッジメントメッセージ、新規メッセージ(複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報を通知するための新たなメッセージ)、あるいはその他の既存メッセージに、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報を挿入して、MNに送信することが可能である。また、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報は、MNから受信した任意のメッセージの応答メッセージ内に含まれてもよく、HAからのUnsolicitedなメッセージ(要求なく自発的に送信されるメッセージ)として送信されてもよい。さらに、MNは、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報の通知をHAに要求するための要求情報をHAに対して送信してもよい。MNは、HoAとCoAとの関係やオプション情報を登録するためのアドレス登録メッセージ(バインディングアップデートメッセージや新規メッセージなど)の送信によって、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択を含む登録確認メッセージを要求してもよく、Dynamic HA Address Request Messageの送信によって、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択を含むHome Agent Address Discovery Reply Messageを要求してもよく、Mobile Prefix Solicitation Messageの送信によって、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択を含むやMobile Prefix Advertisement Messageを要求してもよい。
なお、上述のように、MN、HA、CNのそれぞれにおいて、送信するパケットのあて先アドレスの選択処理が動作可能であるが、これらの各動作は独立している。したがって、すべての動作が行われる必要はなく、いずれか1つのみの動作が行われてもよい。また、複数又はすべてのあて先アドレスの選択処理に係る動作が同時に行われてもよい。
また、MIPでは、MN間における通信経路として、HAを経由する三角経路のほかに、MN間で直接パケットの交換を行う最適化経路の使用が可能である。この場合には、MN間でユニークIDオプションが付加された複数のバインディングアップデートメッセージの交換を行うことによって、MNは相互に複数のHoAに係るバインディング情報を保持することが可能となる。すなわち、MN1の複数HoA情報保持部123には、図7Bに図示されているMN2に関するバインディングキャッシュが保持され、MN2の複数HoA情報保持部123には、図7Aに図示されているMN1に関するバインディングキャッシュが保持されるようになる。なお、この最適化経路は必ずしも使用される必要はない。また、例えば、MN1からMN2への通信は最適化経路によって行われ、MN2からMN1への通信は三角経路で行われるなどのように、片方向の経路のみ最適化が行われてもよい。この場合には、MN2からMN1に対してバインディングアップデートメッセージが送信され、MN1がMN2に関するバインディングキャッシュを保持している。
ここで、HA1〜HA3のそれぞれが保持するバインディングキャッシュのエントリに、MN1及びMN2のバインディング情報が登録されており、さらに、複数のホームアドレスに関するバインディングアップデートメッセージがMN2からMN1に対して送信済み(つまり、MN1からMN2へのパケットは最適化経路を通じて伝送可能な状態)である一方、MN2からMN1への経路最適化は行われていない状況において、MN1が、例えば自身のCoAが明らかにならないように、MN2に対して、最適化経路を利用せずに三角経路を利用したパケット送信を開始する場合について説明する。
MN1からMN2に対して送信されるパケットの送信元アドレスには、MN1が有する複数のHoAの中から1つが選択されて、設定される。このとき、MN1のモビリティ条件判断部126は、複数HoA情報保持部123に保持されている自身の複数のHoAと、MN2が有する複数のHoAとの比較を行い、その比較の結果、MN1.HoA2のプレフィックスと、MN2.HoA2のプレフィックスとが一致しており、両者は、同一のHA2によって管理されているアドレスであることを把握する。
そして、モビリティ条件判断部126は、MN1.HoA2とMN2.HoA2との組み合わせが、MN2あてのパケットの送信元アドレス及びあて先アドレスの組み合わせに適している旨をマルチホーム制御部130に通知する。マルチホーム制御部130の送信元・あて先アドレス選択部133は、この通知に基づいて、MIP制御部120に対して、MN1.HoA2と同一のAddr2を送信元アドレス、MN2.HoA2をあて先アドレスとして使用するように通知する。
そして、送信データパケット生成部122は、送信元アドレスにMN1.HoA2、あて先アドレスにMN2.HoA2に関連付けられているCoA(MN2.CoA2)が設定され、さらにMN2.HoA2を含むルーティングヘッダが挿入されたパケットを生成するとともに、この生成されたパケットを内部パケットとして、HA2あてにカプセル化されたパケットの送信を行う。
これにより、HA2によってデカプセル化された後、転送される内部パケットは、同一の管理下のネットワーク(ホームネットワーク2)を通ってMN2にまで届けられることになり、HA2とMN2との間の通信を効率化するとともに、共通のホームネットワーク2内におけるパケット伝送が行われることで、パケットの伝送に係るセキュリティの信頼性が向上する。
なお、ここでは上述のように、モビリティ条件判断部126が、MN1及びMN2のHoA同士のプレフィックスの一致を検出することによって、アドレスの選択を行っているが、上記の状況に限らず、通信相手へパケットを送信する際には、アドレスの優先度などを始めとした様々な情報に基づいて、アドレスの選択を行うようにしてもよい。例えば、MN2が有する複数のアドレスに関する情報をMN1に対して通知する際に、ホームネットワークに接続しているインタフェースに関して、そのインタフェースに割り当てられているアドレスがホームネットワーク上で有効なアドレスであること(ホームネットワークに接続中であること)、あるいは接続しているホームネットワーク上で有効なアドレスでないこと(ホームネットワークに接続していないこと)を、MN1に対してMIPを利用して通知できるようにしてもよい。この場合、MN1は、MN2のどのアドレスが、MN2が接続しているホームネットワーク上で有効なアドレスであるか、つまりどのアドレスを使えばMN2へ直接パケットを届けることができるか、あるいはどのアドレスを使えばHAを経由した転送経路となるかという条件(ホームネットワーク接続条件)を、モビリティ条件の1つとして利用することが可能となる。なお、このモビリティ条件も複数HoA情報保持部123に保持されることが可能である。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、以下の効果が生まれる。
第1の効果:MIP制御部が、MNの移動によって発生したモビリティ条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、マルチホーム制御部が、MIP制御部からの通知に基づくアドレスの選択を行うことが可能となり、モビリティ条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
第2の効果:MIP制御部が複数のHoAを持った状態を通知できるバインディングアップデートメッセージを生成、送信することによって、複数のHoAに係るバインディング状態を通信相手に通知することが可能となる。さらに、バインディングアップデートメッセージにオプション情報を含ませることによって、複数のHoAのそれぞれに関するオプション情報の通知も行うことが可能となる。
第3の効果:上記のバインディングアップデートメッセージを受けた通信ノードが、同一MNの複数のHoAに係るバインディング情報を保持するとともに、通信相手で設定されたオプション情報を保持することが可能となり、これらの情報をモビリティ条件として考慮することによって、モビリティ条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
第4の効果:MIP制御部が、モビリティ条件に基づくアドレス選択を行うことによって、通信の効率化(例えば、パケット伝送経路の短縮)を実現するアドレスの選択、セキュリティ向上を実現するアドレスの選択、パケット受信側の条件を考慮したアドレスの選択などが実現され、マルチホーム状態において適切なアドレスの選択が可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図11には、MNが実装しているMIP制御部220及びマルチホーム制御部230が図示されている。なお、図2と同様に、このMIP制御部220の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部230の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
本発明の第2の実施の形態に係るMIP制御部220は、モビリティ条件判断部226を有している。このモビリティ条件判断部226は、モビリティ条件を取得、参照するとともに、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部230で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第2の実施の形態に係るマルチホーム制御部230は、従来の技術に係るマルチホーム制御部1930と同様に、独自にアドレス選択を行い、MIP制御部230に対して選択されたアドレスを通知する。一方、本発明の第2の実施の形態に係るMIP制御部220のモビリティ条件判断部226は、マルチホーム制御部230から通知されたアドレスを受けるとともに、さらに、モビリティ条件に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行う。なお、このとき、モビリティ条件判断部226は、マルチホーム制御部230からの通知を無視してアドレスの決定を行ってもよい。
例えば、マルチホーム制御部230が、2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのAddr1を選択して、MIP制御部220に対して、使用するアドレスとしてAddr1を通知したとする。MIP制御部220のモビリティ条件判断部226が、マルチホーム制御部230からAddr1の通知を受けるとともに、さらに、モビリティ条件に鑑みて、例えば、Addr1(=MN1.HoA1)やMN1.HoA1を使用するよりも、MN1.HoA2やMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断した場合には、MIP制御部220では、MN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。一方、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、MIP制御部220のモビリティ条件判断部226が、モビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
なお、MN100がホームネットワークに接続している状態のときは、モビリティ条件判断部126は、そのホームネットワーク上で有効なアドレスを、使用したほうがよいアドレスとして判断することも可能である。例えば、図1において、MN100のIF_cがホームネットワークBに接続していた場合は、MN1.HoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。
次に、本発明の第2の実施の形態について、具体的に説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図12に示すMNは、送受信部210、MIP制御部220、マルチホーム制御部230、上位レイヤ240を有している。また、MIP制御部220は、受信データパケット処理部221、送信データパケット生成部222、複数HoA情報保持部223、複数HoA情報管理部224、UIDバインディングアップデート生成・処理部225、モビリティ条件判断部226を有しており、マルチホーム制御部230は、複数アドレス処理部231、複数アドレス管理部232、あて先・送信元アドレス選択部233を有している。なお、図12に図示されているMIP制御部220、モビリティ条件判断部226、マルチホーム制御部230は、図11に図示されているMIP制御部220、モビリティ条件判断部226、マルチホーム制御部230に対応している。
以下、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成(図3に示す構成)と比較しながら、本発明の第2の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第1の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成では、送信データパケット生成部222、モビリティ条件判断部226、あて先・送信元アドレス選択部233の機能が異なっている。
あて先・送信元アドレス選択部233は、マルチホーム制御部230内における独自のポリシーに従って、使用するアドレスの選択を行う機能を有している。あて先送信元アドレス選択部233で選択されたアドレスは、MIP制御部220のモビリティ条件判断部226に通知される。なお、あて先・送信元アドレス選択部233がアドレスの選択を行わずに、マルチホーム制御部230内におけるアドレス選択条件(マルチホーム制御部230において、アドレスの選択の際に参照される条件)を通知してもよい。
また、モビリティ条件判断部226は、マルチホーム制御部230のあて先・送信元アドレス選択部233から通知されたアドレス情報又はアドレス選択条件を受けた場合に、MNの移動に伴って発生するモビリティ条件を、複数HoA情報管理部224から取得して参照し、このアドレス情報又はアドレス選択条件と、モビリティ条件とに基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件判断部226による判断結果(最も適していると判断されたHoA及びCoAの組み合わせ)は、送信データパケット生成部222に通知される。
また、送信データパケット生成部222は、モビリティ条件判断部226から通知されたあて先アドレス及び送信元アドレスに対し、MIPを使用してパケットを転送するための変換を行う機能を有している。
以上の構成によって、MNは、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部230において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。なお、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、モビリティ条件として、ユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージの受信によって得られたバインディング情報や、アドレスの優先度などのオプション情報、ホームネットワーク接続条件の参照が可能である。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、上述の本発明の第1の実施の形態における第1〜第4の効果と同様の効果が生まれる。また、さらに、MIP制御部220が、MNの移動によって発生したモビリティ条件に加えて、マルチホーム制御部230で参照されるアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことも可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図13には、MNが実装しているMIP制御部320及びマルチホーム制御部330が図示されている。なお、図2と同様に、このMIP制御部320の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部330の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
本発明の第3の実施の形態に係るMIP制御部320は、モビリティ条件通知部327を有している。このモビリティ条件通知部327は、MIP制御部320において取得可能なモビリティ条件をマルチホーム制御部330に通知する機能を有している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部330で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第3の実施の形態に係るMIP制御部320のモビリティ条件通知部327は、マルチホーム制御部330に対して、モビリティ条件を通知する。一方、本発明の第3の実施の形態に係るマルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334は、モビリティ条件通知部327から通知されたモビリティ条件に基づいて、所定の通信相手との通信に使用するアドレスを2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのいずれかより選択する機能を有している。なお、この際、モビリティ条件判断部334は、マルチホーム制御部330に係る条件(例えば、所定の通信相手のマルチホーム制御部との間で交換されたアドレス選択条件など)を更に考慮して、アドレス選択を行うことも可能である。
この結果、例えば、マルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334は、2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのAddr2を選択した場合、MIP制御部320に対して、使用するアドレスとしてAddr2を通知する。MIP制御部320は、マルチホーム制御部330からAddr2の通知を受けて、Addr2と同一のMN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。一方、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、モビリティ条件通知部327から通知されたモビリティ条件に基づいて、モビリティ条件判断部334がMN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したアドレスを選択し、そのアドレスをMIP制御部320へ通知する。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、具体的に説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図である。図14に示すMNは、送受信部310、MIP制御部320、マルチホーム制御部330、上位レイヤ340を有している。また、MIP制御部320は、受信データパケット処理部321、送信データパケット生成部322、複数HoA情報保持部323、複数HoA情報管理部324、UIDバインディングアップデート生成・処理部325、モビリティ条件通知部327を有しており、マルチホーム制御部330は、複数アドレス処理部331、複数アドレス管理部332、あて先・送信元アドレス選択部333、モビリティ条件判断部334を有している。なお、図14に図示されているMIP制御部320、モビリティ条件通知部327、マルチホーム制御部330、モビリティ条件判断部334は、図13に図示されているMIP制御部320、モビリティ条件通知部327、マルチホーム制御部330、モビリティ条件判断部334に対応している。
以下、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成(図3に示す構成)と比較しながら、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第1の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成では、MIP制御部320内に、モビリティ条件判断部126の代わりにモビリティ条件通知部327が設けられており、マルチホーム制御部330内に、モビリティ条件判断部334が設けられている。
モビリティ条件通知部327は、MIP制御部320で取得可能なモビリティ条件を、マルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334に通知する機能を有している。すなわち、モビリティ条件通知部327は、自身のHoA及びCoAのバインディング情報、通信相手のHoA及びCoAのバインディング情報、通信相手から取得したバインディング情報と関連付けられた優先度などのオプション情報などを始めとして、様々な情報をモビリティ条件判断部334に通知する。また、MIP制御部320のモビリティ条件通知部327は、マルチホーム制御部330が管理している通信相手の複数のHoA及び複数のCoAの中に、マルチホーム制御部によるアドレス選択の選択肢として使われるべきでないと判断されるアドレスが含まれている場合、そのことをモビリティ条件の1つとして、モビリティ条件判断部334へ通知する。この場合、例えば、モビリティ条件通知部327がモビリティ条件判断部334へモビリティ条件を通知する際に、選択するべきでないアドレスの優先度を0として通知し、モビリティ条件判断部334は、優先度0のアドレスを選択肢に含めずにアドレス選択を行う。さらに、MIP制御部320のモビリティ条件通知部327は、マルチホーム制御部330によるアドレス選択の選択肢に含めるべき新たなアドレスがある場合、そのアドレスをモビリティ条件の1つとして通知する。なお、そのアドレスをマルチホーム制御部330へ渡す際、新規追加として通知してもよいし、既存のアドレスと置き換えるアドレスとして通知してもよい。
また、モビリティ条件判断部334は、MIP制御部320のモビリティ条件通知部327からモビリティ条件を受けて、このモビリティ条件、又はモビリティ条件とマルチホーム制御部330で参照されるアドレス選択条件とに基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件判断部334による判断結果(最も適していると判断されたアドレス)は、あて先・送信元アドレス選択部333に通知され、あて先・送信元アドレス選択部333は、このアドレスをMIP制御部320の送信データパケット生成部322に通知する。なお、あて先・送信元アドレス選択部333は、モビリティ条件通知部327がモビリティ条件判断部334へ通知したモビリティ条件を参照し、それらの情報を考慮して、あて先アドレス及び送信元アドレスの選択を行ってもよい。また、この際に考慮する情報としては、モビリティ条件だけでなく、マルチホーム制御部330が参照する他の条件も考慮してアドレス選択を行ってもよい。なお、モビリティ条件判断部334は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部327から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数HoA情報管理部324から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部330において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
また、本発明の第3の実施の形態では、マルチホーム制御部330にモビリティ条件判断部334が置かれるが、この構成は、特に、図15に図示されるように、自身が有する複数のHoA及びCoAのそれぞれが、複数のMIP制御部320のそれぞれにおいて管理される状態(複数のMIP制御部320が存在する状態)に有効である。
図15は、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図である。図15に示すMNは、送受信部310、複数のMIP制御部320、マルチホーム制御部330、上位レイヤ340を有している。また、各MIP制御部320が、モビリティ条件通知部327を有しており、マルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334は、複数のモビリティ条件通知部327のそれぞれから各HoAに係るモビリティ条件を受けて、これらのモビリティ条件を集約し、総合的に最も適したアドレスの選択を行うように構成されている。
以上の構成によって、MNが複数のMIP制御部320によって各HoAの管理を行っている場合においても、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部330において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、上述の本発明の第1の実施の形態における第1〜第4の効果と同様の効果が生まれる。また、さらに、MIP制御部320が、MNの移動によって発生したモビリティ条件に加えて、マルチホーム制御部330で参照されるアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことも可能となる。また、さらに、複数のMIP制御部320が各HoAの管理を独立して行っている場合でも、各HoAに係るモビリティ条件を参照して、アドレスの選択を行うことが可能となる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図16は、本発明の第4の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図16には、MNが実装しているMIP制御部420、マルチホーム制御部430、モビリティ条件判断部450が図示されている。なお、図2と同様に、このMIP制御部420の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部430の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、さらに、モビリティ条件判断部450の存在は、MIP制御部420及びマルチホーム制御部430の両方から独立したモビリティ条件判断に係る機能が実装されていることを示している。
本発明の第4の実施の形態に係るMIP制御部420は、モビリティ条件通知部427を有している。このモビリティ条件通知部427は、MIP制御部420において取得可能なモビリティ条件をモビリティ条件判断部450に通知する機能を有している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部430で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第4の実施の形態に係るMIP制御部420のモビリティ条件通知部427は、モビリティ条件判断部450に対して、モビリティ条件を通知する。一方、本発明の第4の実施の形態に係るモビリティ条件判断部450は、モビリティ条件を参照するとともに、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。そして、例えば、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件に基づいて、所定の通信相手との通信には、MN1.HoA1及びMN1.CoA1の組み合わせよりも、MN1.HoA2及びMN1.CoA2の組み合わせを使用したほうが、より適した通信を行うことが可能であると判断した場合には、マルチホーム制御部430に対して、MN1.HoA2を使用したほうがよい旨を通知する。
マルチホーム制御部430は、モビリティ条件判断部450からの通知に応じて、Addr2(=MN1.HoA2)を選択し、MIP制御部420に対して、使用するアドレスとしてAddr2を通知する。MIP制御部420は、このAddr2の通知を受けて、Addr2と同一のMN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。一方、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、モビリティ条件通知部427から通知されたモビリティ条件に基づいて、モビリティ条件判断部450がMN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断し、その情報をマルチホーム制御部430へ通知する。マルチホーム制御部430は、その通知に応じて、使用するアドレスをMIP制御部420へ通知する。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第4の実施の形態について、具体的に説明する。図17は、本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図である。図17に示すMNは、送受信部410、MIP制御部420、マルチホーム制御部430、上位レイヤ440、モビリティ条件判断部450を有している。また、MIP制御部420は、受信データパケット処理部421、送信データパケット生成部422、複数HoA情報保持部423、複数HoA情報管理部424、UIDバインディングアップデート生成・処理部425、モビリティ条件通知部427を有しており、マルチホーム制御部430は、複数アドレス処理部431、複数アドレス管理部432、あて先・送信元アドレス選択部433を有している。なお、図17に図示されているMIP制御部420、モビリティ条件通知部427、マルチホーム制御部430、モビリティ条件判断部450は、図16に図示されているMIP制御部420、モビリティ条件通知部427、マルチホーム制御部430、モビリティ条件判断部450に対応している。
以下、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成(図14、15に示す構成)と比較しながら、本発明の第4の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第3の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第4の実施の形態のMN内におけるモビリティ条件判断部450が、MIP制御部420及びマルチホーム制御部430とは独立して設けられている点で異なっている。
モビリティ条件判断部450は、MIP制御部420のモビリティ条件通知部427からモビリティ条件を受けて、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件判断部450による判断結果(最も適していると判断されたアドレス)は、あて先・送信元アドレス選択部433に通知され、あて先・送信元アドレス選択部433は、このアドレスをMIP制御部420の送信データパケット生成部422に通知する。
なお、モビリティ条件判断部450が、マルチホーム制御部430で参照されるアドレス選択条件をマルチホーム制御部430から取得できるようにしてもよい。この場合には、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件とマルチホーム制御部430で参照されるアドレス選択条件とに基づいて、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したアドレスを判断する。さらに、あて先・送信元アドレス選択部433は、モビリティ条件通知部427がモビリティ条件判断部450へ通知したモビリティ条件を参照し、それらの情報を考慮して、あて先アドレス及び送信元アドレスの選択を行ってもよい。また、この際に考慮する情報としては、モビリティ条件だけでなく、マルチホーム制御部430が参照する他の条件も考慮してアドレス選択を行ってもよい。なお、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部427から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数HoA情報管理部424から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部430において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
また、本発明の第4の実施の形態では、上述の本発明の第3の実施の形態と同様に、自身が有する複数のHoA及びCoAのそれぞれが、複数のMIP制御部420のそれぞれにおいて管理される状態(複数のMIP制御部420が存在する状態)に有効である。
図18は、本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図である。図18に示すMNは、送受信部410、複数のMIP制御部420、マルチホーム制御部430、上位レイヤ440を有している。また、各MIP制御部420が、モビリティ条件通知部427を有しており、モビリティ条件判断部450は、複数のモビリティ条件通知部427のそれぞれから各HoAに係るモビリティ条件を受けて、これらのモビリティ条件を集約し、総合的に最も適したアドレスの選択を行うように構成されている。なお、この場合も、モビリティ条件判断部450が、マルチホーム制御部430で参照されるアドレス選択条件をマルチホーム制御部430から取得できるようにしてもよい。なお、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部427から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、各MIP制御部420の複数HoA情報管理部424から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNが複数のMIP制御部420によって各HoAの管理を行っている場合においても、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部430において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、上述の本発明の第3の実施の形態における効果と同様の効果が生まれる。
上述の本発明の第1〜第4の実施の形態では、マルチホーム制御部がMIP制御部の上位に配置される場合について説明を行ったが、以下に説明する本発明の第5〜第9の実施の形態では、マルチホーム制御部がMIP制御部の下位に配置される場合について説明する。
<第5の実施の形態>
まず、本発明の第5の実施の形態について説明する。図19は、本発明の第5の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図19には、MNが実装しているMIP制御部1120及びマルチホーム制御部1130が図示されている。なお、このMIP制御部1120の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1130の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
また、上述のように、MIP制御部1120の下位に存在するマルチホーム制御部1130は、インタフェースに割り当てられているIPアドレスを、ULIDと関連付けて管理するように構成されており、MIP制御部1120は、このULIDとの関連付けを行って、ホームアドレスを管理するように構成されている。ここでは、マルチホーム制御部1130が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1120が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。なお、マルチホーム制御部1130は、複数のULIDの管理を行うことが可能であり、さらに、1つのULIDに対して複数のアドレスを関連付けて管理することも可能である。
本発明の第5の実施の形態に係るマルチホーム制御部1130は、アドレス選択条件判断部1138を有している。このアドレス選択条件判断部1138は、アドレス選択条件(マルチホーム制御部1130においてアドレスの選択の際に参照されるマルチホームに起因する条件)を取得、参照するとともに、このアドレス選択条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。アドレス選択条件としては、例えば、通信相手との経路が最も短くなる条件、通信相手との経路のセキュリティが最も安全となる条件、通信相手から要請された通信条件、インタフェースの速度や安定性、コストに係る条件など、マルチホーム制御部1130が取得可能な様々な条件が挙げられる。
今、例えばMNの通信環境の変化やその他の要因によって、マルチホームに係るアドレス選択条件が変化したとする。この場合、本発明の第5の実施の形態に係るマルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138は、アドレス選択条件に基づいて、例えば、所定の通信相手との通信には、ULID1に関連付けられているアドレス(Addr1)よりも、ULID2に関連付けられているアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適した通信を行うことが可能であると判断した場合には、MIP制御部1120に対して、アドレスとしてULID2を使用したほうがよい旨を通知する。
MIP制御部1120は、アドレス選択条件判断部1138からの通知に応じて、ULID2を選択し、マルチホーム制御部1130に対して、使用するアドレスとしてULID2を通知する。マルチホーム制御部1130は、このULID2の通知を受けて、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第5の実施の形態について、具体的に説明する。図20は、本発明の第5の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図20に示すMNは、送受信部1110、MIP制御部1120、マルチホーム制御部1130、上位レイヤ1140を有している。なお、図20に図示されているMIP制御部1120、アドレス選択条件判断部1138、マルチホーム制御部1130は、図19に図示されているMIP制御部1120、アドレス選択条件判断部1138、マルチホーム制御部1130に対応している。
送受信部1110は、MNが接続するネットワーク内の通信ノードや、さらに上位のネットワークに存在する任意の通信ノードとの通信を行うための機能を有している。また、上位レイヤ1140は、通常のレイヤ構成におけるIPよりも上位のレイヤ(例えば、TCP/UDPレイヤ)である。
また、MIP制御部1120は、MNの移動を管理する機能である。MIP制御部1120は、受信データパケット処理部1121、送信データパケット生成部1122、バインディング情報保持部1123、バインディング情報管理部1124を有している。
受信データパケット処理部1121は、受信したデータパケットの転送がMIPを使用して行われている場合に、そのパケットを元の形式のパケットに変換するための機能を有している。MIPを使用した場合のパケット転送には、HAによってカプセル化されている場合や、通信相手によってルーティングヘッダが挿入され、直接自分あてに送信されている場合などがある。
また、送信データパケット生成部1122は、例えば上位レイヤ1140から受けたデータをパケット化する機能を有している。なお、ここでは、送信データパケット生成部1122は、マルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138から通知されたULIDに対応するアドレスを、パケットの送信元アドレスとして使用するように選択する。なお、マルチホーム制御部1130がMIP制御部1120の下位に配置されている構成では、MIP制御部1120は、マルチホーム制御部1130からULIDの通知を受ける。したがって、通常、MIP制御部1120は、CoAではなくULIDを取り扱うことになり、送信データパケット生成部1122は、例えばパケットの送信元アドレスとして使用するULIDを選択して、下位のマルチホーム制御部1130にULIDを通知することになる。なお、送信データパケット生成部1122は、アドレス選択条件判断部1138による判断結果を、アドレス選択条件判断部1138から受動的に通知を受けるように構成されていてもよく、また、アドレス選択条件判断部1138から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
また、バインディング情報保持部1123は、自身が保持するHoAとマルチホーム制御部1130から通知されるULIDとが関連付けられたバインディング情報を保持する機能を有している。例えば、バインディング情報保持部1123には、図19に図示されているように、MN1.HoA1とULID1とのバインディング情報や、MN1.HoA2とULID2とのバインディング情報などが保持される。なお、1つのHoAに対して複数のULIDがマッピングされてもよく、逆に、1つのULIDに対して複数のHoAがマッピングされてもよい。
また、バインディング情報管理部1124は、自身が保持するアドレスの管理を行う機能を有している。さらに、バインディング情報管理部1124は、MIP制御部1120において取得可能な様々な条件(例えば、モビリティ条件)の取得及び管理を行うとともに、使用するアドレスの選択を行う機能を有している。なお、本発明の第5の実施の形態では、送信データパケット生成部1122は、マルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138から通知されたULIDに基づいてアドレスの選択を行うが、送信データパケット生成部1122がバインディング情報管理部1124からのアドレス通知を受けて、MIP制御部1120における通常のアドレス選択方法(バインディング情報管理部1124がモビリティ条件に基づいて、使用するアドレスを選択)によるアドレス選択が行われるようにすることも可能である。例えば、送信データパケット生成部1122は、マルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138から通知されたULIDに対応するアドレスと、バインディング情報管理部1124から通知されたアドレスとを、適宜切り替えて使用することも可能である。
一方、マルチホーム制御部1130は、MNのマルチホーム状態を管理する機能である。マルチホーム制御部1130は、複数アドレス処理部1131、複数アドレス管理部1132、あて先・送信元アドレス選択部1133、アドレス選択条件判断部1138を有している。
複数アドレス処理部1131は、送受信部1110において外部から受信したパケットを取得し、そのパケットに係る処理を行った後にMIP制御部1120へ渡す機能を有している。例えば、受信パケットのあて先アドレスに設定されているCoAを、対応するULIDに変換して、MIP制御部1120に通知するなどの処理が行われる。
また、複数アドレス管理部1132は、このMNが有する複数のアドレスを管理する機能を有している。複数アドレス管理部1132では、例えば、マルチホーム状態における複数のアドレス(Addr1及びAddr2)がULIDと関連付けられて保持、管理される。また、複数アドレス管理部1132は、複数アドレス処理部1131又はあて先・送信元アドレス選択部1133からの要求に応じて、必要な情報を渡す。
また、あて先・送信元アドレス選択部1133は、MIP制御部1120の送信データパケット生成部1122から送信パケットを受信し、受信した送信パケットの送信元アドレス、及びあて先アドレスに使用するアドレスを選択する機能を有している。なお、あて先・送信元アドレス選択部1133は、送信データパケット生成部1122からULIDの通知を受け、このULIDに対応したアドレスを選択して送信元アドレスに設定する。
また、アドレス選択条件判断部1138は、マルチホーム状態の変化に伴って発生する条件や、通信相手から通知されたマルチホームに係る条件などのマルチホーム制御部1130で取得可能な様々なアドレス選択条件を複数アドレス管理部1132から取得し、これらのアドレス選択条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したアドレス(又はULID)を判断して、その判断結果をMIP制御部1120に通知する機能を有している。
以上の構成によって、MNは、マルチホーム制御部1130で取得可能なアドレス選択条件を考慮して選択されたアドレス(さらには、MIP制御部1120で取得可能なモビリティ条件を考慮して選択されたアドレス)を使用して、パケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第5の実施の形態によれば、マルチホーム制御部1130が、MNのマルチホーム状態に起因するアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MIP制御部1120が、マルチホーム制御部1130からの通知に基づくアドレスの選択を行うことが可能となり、アドレス選択条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図21は、本発明の第6の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図21には、MNが実装しているMIP制御部1220及びマルチホーム制御部1230が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1220の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1230の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1230が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1220が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第6の実施の形態に係るマルチホーム制御部1230は、アドレス選択条件判断部1238を有している。このアドレス選択条件判断部1238は、アドレス選択条件を取得、参照するとともに、このアドレス参照条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。
本発明の第6の実施の形態に係るMIP制御部1220は、従来の技術に係るMIP制御部2020(図30を参照)と同様に、独自にアドレス選択を行い、マルチホーム制御部1230に対して選択されたアドレス(ULID)を通知する。一方、本発明の第6の実施の形態に係るマルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238は、マルチホーム制御部1230がMIP制御部1220から送信パケットを受けた場合に、マルチホーム制御部1230で取得可能なアドレス選択条件に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行う。なお、このとき、アドレス選択条件判断部1238は、MIP制御部1220からの通知を無視してアドレスの決定を行ってもよい。
例えば、MIP制御部1220が、2つのアドレス(ULID1及びULID2)のうちのAddr1に対応するULID1を選択して、マルチホーム制御部1230に対して、使用するアドレスとしてULID1を通知したとする。このとき、マルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238は、アドレス選択条件に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断した場合には、マルチホーム制御部1230では、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、マルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238が、アドレス選択条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第6の実施の形態について、具体的に説明する。図22は、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図22に示すMNは、送受信部1210、MIP制御部1220、マルチホーム制御部1230、上位レイヤ1240を有している。また、MIP制御部1220は、受信データパケット処理部1221、送信データパケット生成部1222、バインディング情報保持部1223、バインディング情報管理部1224を有しており、マルチホーム制御部1230は、複数アドレス処理部1231、複数アドレス管理部1232、あて先・送信元アドレス選択部1233、アドレス選択条件判断部1238を有している。なお、図22に図示されているMIP制御部1220、マルチホーム制御部1230、アドレス選択条件判断部1238は、図21に図示されているMIP制御部1220、マルチホーム制御部1230、アドレス選択条件判断部1238に対応している。
以下、本発明の第5の実施の形態のMN内の構成(図20に示す構成)と比較しながら、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第5の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成では、送信データパケット生成部1222、あて先・送信元アドレス選択部1233、アドレス選択条件判断部1238の機能が異なっている。
本発明の第6の実施の形態に係るMIP制御部1220は、従来のMIP制御部と同様にモビリティ条件を考慮して、使用するアドレスを独自に選択するように構成されている。したがって、送信データパケット生成部1222は、例えばバインディング情報管理部1224で選択されたアドレス(ULID)をパケットに設定し、そのパケットをマルチホーム制御部1230に渡す。
一方、マルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238は、上述のように、マルチホーム制御部1230で取得可能なアドレス選択条件に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行う機能を有している。マルチホーム制御部1230のあて先・送信元アドレス選択部1233は、MIP制御部1220の送信データパケット生成部1233から送信パケットを受けた場合に、アドレス選択条件判断部1238に対して通信相手のアドレスなどの情報を渡す。そして、アドレス選択条件判断部1238は、アドレス選択条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果をあて先・送信元アドレス選択部1233に通知する。あて先・送信元アドレス選択部1233は、送信パケットの送信元アドレスを、アドレス選択条件判断部1238から通知されたULIDに対応するアドレスに変換した後、パケットの送信を行う。
以上の構成によって、MNは、マルチホーム制御部1230で取得可能なアドレス選択条件を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、例えば、使用するアドレスとしてMIP制御部1220から通知されたULIDに関連付けられていないアドレス(他のULIDに関連付けられているアドレス)も含めて、管理するすべてのアドレスの中から、通信に最も適したアドレスを選択して、パケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第6の実施の形態によれば、マルチホーム制御部1230が、MNのマルチホーム状態に起因するアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MIP制御部1220からの通知に依存せずにアドレスの選択を行うことが可能となり、アドレス選択条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
<第7の実施の形態>
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図23は、本発明の第7の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図23には、MNが実装しているMIP制御部1320及びマルチホーム制御部1330が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1320の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1330の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1330が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1320が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第7の実施の形態に係るMIP制御部1320は、モビリティ条件通知部1327を有している。このモビリティ条件通知部1327は、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件をマルチホーム制御部1330に通知する機能を有している。一方、本発明の第7の実施の形態に係るマルチホーム制御部1330は、アドレス選択条件判断部1338を有している。このアドレス選択条件判断部1338は、アドレス選択条件を取得、参照するとともに、さらにモビリティ条件通知部1327から通知されたモビリティ条件を参照して、これらの条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。
例えば、MIP制御部1320が、2つのアドレス(ULID1及びULID2)のうちのAddr1に対応するULID1を選択して、マルチホーム制御部1330に対して、使用するアドレスとしてULID1を通知したとする。一方、このULID1の通知とは独立して、モビリティ条件通知部1327は、マルチホーム制御部1330に対して、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件の通知を行う。マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338は、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断した場合には、アドレス選択条件判断部1338に対してULID2の使用を指示する。これにより、マルチホーム制御部1330では、ULID2に対応するアドレス(Addr2)が送信元アドレスに設定されて、パケットの送信が行われる。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338が、アドレス選択条件及びモビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第7の実施の形態について、具体的に説明する。図24は、本発明の第7の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図24に示すMNは、送受信部1310、MIP制御部1320、マルチホーム制御部1330、上位レイヤ1340を有している。また、MIP制御部1320は、受信データパケット処理部1321、送信データパケット生成部1322、バインディング情報保持部1323、バインディング情報管理部1324、モビリティ条件通知部1327を有しており、マルチホーム制御部1330は、複数アドレス処理部1331、複数アドレス管理部1332、あて先・送信元アドレス選択部1333、アドレス選択条件判断部1338を有している。なお、図24に図示されているMIP制御部1320、モビリティ条件通知部1327、マルチホーム制御部1330、アドレス選択条件判断部1338は、図23に図示されているMIP制御部1320、モビリティ条件通知部1327、マルチホーム制御部1330、アドレス選択条件判断部1338に対応している。
以下、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成(図22に示す構成)と比較しながら、本発明の第7の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第6の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第7の実施の形態のMN内の構成では、MIP制御部1320内にモビリティ条件通知部1327が設けられている点で大きく異なっている。
本発明の第7の実施の形態では、MIP制御部1320のモビリティ条件通知部1327から、マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338に対して、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件が通知されるように構成されている。なお、この通知の態様は任意であり、例えば、定期的な通知、モビリティ条件が変化した場合のみ通知、モビリティ条件が変化した差分のみ通知、アドレス選択条件判断部1338からの要求に応じた通知などによって実現可能である。
一方、マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338は、マルチホーム制御部1330で取得可能なアドレス選択条件に加えて、モビリティ条件通知部1327から通知されたモビリティ条件もアドレス選択のために参照される条件の1つとして考慮する。その結果、アドレス選択条件判断部1338は、マルチホームに係るアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行うことが可能となる。アドレス選択条件判断部1338は、アドレス選択条件及びモビリティ条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果をあて先・送信元アドレス選択部1333に通知する。なお、本発明の第7の実施の形態では、送信データパケット生成部1322は、あて先・送信元アドレス選択部1333に送信パケットを渡す際に、ULIDの指定を行わないようにしてもよく、また、あて先・送信元アドレス選択部1333が、送信データパケット生成部1322から通知されたULIDを無視するように構成されてもよい。なお、アドレス選択条件判断部1338は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部1327から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、バインディング情報管理部1324から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件、及びマルチホーム制御部1330で取得可能なアドレス選択条件の両方を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、MIP制御部1320から通知されたULIDに関連付けられていないアドレス(他のULIDに関連付けられているアドレス)も含めて、管理するすべてのアドレスの中から通信に最も適したアドレスを総合的な条件に基づいて選択し、このアドレスを使用してパケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第7の実施の形態によれば、マルチホーム制御部1330が、モビリティ条件及びアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MNの通信に係る総合的な条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が行われるようになる。
<第8の実施の形態>
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図25は、本発明の第8の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図25には、MNが実装しているMIP制御部1420及びマルチホーム制御部1430が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1420の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1430の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1430が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1420が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第8の実施の形態に係るマルチホーム制御部1430は、アドレス選択条件通知部1439を有している。このアドレス選択条件通知部1439は、マルチホーム制御部1430で取得可能なマルチホームに係るアドレス選択条件をMIP制御部1420に通知する機能を有している。一方、本発明の第8の実施の形態に係るMIP制御部1420は、アドレス選択条件判断部1428を有している。このアドレス選択条件判断部1428は、アドレス選択条件通知部1439から通知されたアドレス選択条件を参照するとともに、さらにMIP制御部1420で取得可能なモビリティ条件を取得、参照して、これらの条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。
MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428は、マルチホーム制御部1430のアドレス選択条件通知部1439から通知されるアドレス選択条件を取得するとともに、モビリティ条件も取得して、これらのアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に基づくアドレス選択を行う。そして、MIP制御部1420が、使用するアドレスとして2つのアドレス(ULID1及びULID2)うちのいずれかを送信パケットに設定する際には、アドレス選択条件判断部1428が、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断し、送信データパケット生成部1422に対してULID2の設定を指示する。この結果、MIP制御部1420からマルチホーム制御部1430に対して、ULID2に対応するアドレス(Addr2)が送信元アドレスに設定されたパケットが渡される。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428が、アドレス選択条件及びモビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第8の実施の形態について、具体的に説明する。図26は、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図26に示すMNは、送受信部1410、MIP制御部1420、マルチホーム制御部1430、上位レイヤ1440を有している。また、MIP制御部1420は、受信データパケット処理部1421、送信データパケット生成部1422、バインディング情報保持部1423、バインディング情報管理部1424、アドレス選択条件判断部1428を有しており、マルチホーム制御部1430は、複数アドレス処理部1431、複数アドレス管理部1432、あて先・送信元アドレス選択部1433、アドレス選択条件通知部1439を有している。なお、図26に図示されているMIP制御部1420、アドレス選択条件判断部1428、マルチホーム制御部1430、アドレス選択条件通知部1439は、図25に図示されているMIP制御部1420、アドレス選択条件判断部1428、マルチホーム制御部1430、アドレス選択条件通知部1439に対応している。
以下、本発明の第5の実施の形態のMN内の構成(図20に示す構成)と比較しながら、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第5の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成では、マルチホーム制御部1430内に、アドレス選択条件判断部1138の代わりにアドレス選択条件通知部1439が設けられており、MIP制御部1420内に、アドレス選択条件判断部1428が設けられている点で大きく異なっている。
本発明の第8の実施の形態では、マルチホーム制御部1430のアドレス選択条件通知部1439から、MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428に対して、マルチホーム制御部1430で取得可能なアドレス選択条件が通知されるように構成されている。なお、上述の本発明の第7の実施の形態のモビリティ条件通知部1327と同様に、アドレス選択条件通知部1439による通知の態様は任意である。
一方、MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428は、MIP制御部1430で取得可能なモビリティ条件に加えて、アドレス選択条件通知部1439から通知されたアドレス選択条件もアドレス選択のために参照される条件の1つとして考慮する。その結果、アドレス選択条件判断部1428は、マルチホームに係るアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、送信パケットに使用するULIDの決定を行うことが可能となる。アドレス選択条件判断部1428は、アドレス選択条件及びモビリティ条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果を送信データパケット生成部1422に通知する。送信データパケット生成部1422は、下位のマルチホーム制御部1430に渡す送信パケットにおいて使用されるアドレスに、アドレス選択条件判断部1428から通知されたULIDを設定する。なお、アドレス選択条件判断部1428は、アドレス選択条件を、アドレス選択条件通知部1439から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数アドレス管理部1432から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、MIP制御部1420で取得可能なモビリティ条件、及びマルチホーム制御部1430で取得可能なアドレス選択条件の両方を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、例えば、MIP制御部1420で保持されているバインディング情報内のULIDの中から、通信に最も適したULIDを総合的な条件に基づいて選択し、このULIDに対応するアドレスを使用してパケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第8の実施の形態によれば、MIP制御部1430が、モビリティ条件及びアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MNの通信に係る総合的な条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が行われるようになる。
<第9の実施の形態>
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図27は、本発明の第9の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図27には、MNが実装しているMIP制御部1520及びマルチホーム制御部1530が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1520の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1530の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1530が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1520が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第9の実施の形態に係るマルチホーム制御部1530は、アドレス選択条件通知部1539を有している。このアドレス選択条件通知部1539は、マルチホーム制御部1530で取得可能なマルチホームに係るアドレス選択条件をアドレス選択条件判断部1550に通知する機能を有している。一方、アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件通知部1539から通知されたアドレス選択条件を参照するとともに、さらにMIP制御部1520からモビリティ条件を取得、参照して、これらの条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。なお、アドレス選択条件判断部1550は、MIP制御部1520及びマルチホーム制御部1530とは独立して存在している。
アドレス選択条件判断部1550は、マルチホーム制御部1530のアドレス選択条件通知部1539から通知されるアドレス選択条件を取得するとともに、MIP制御部1520からモビリティ条件を取得して、これらのアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に基づくアドレス選択を行う。そして、MIP制御部1520が、使用するアドレスとして2つのアドレス(ULID1及びULID2)うちのいずれかを送信パケットに設定する際には、アドレス選択条件判断部1550が、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断し、MIP制御部1520に対してULID2の設定を指示する。この結果、MIP制御部1520において、ULID2に対応するアドレス(Addr2)が送信元アドレスに設定されたパケットが生成されて、マルチホーム制御部1530に渡される。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、アドレス選択条件判断部1550が、アドレス選択条件及びモビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
なお、アドレス選択条件判断部1550は、マルチホーム制御部1530のアドレス選択条件通知部1539から通知されるアドレス選択条件のみに基づいて、アドレス選択条件が考慮された判断結果(ULID)をMIP制御部1520に通知し、MIP制御部1520において、アドレス選択条件判断部1550から通知されたULIDをそのまま採用するか、あるいは、さらにモビリティ条件を考慮してULIDを決定することも可能である。
次に、本発明の第9の実施の形態について、具体的に説明する。図28は、本発明の第9の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図28に示すMNは、送受信部1510、MIP制御部1520、マルチホーム制御部1530、上位レイヤ1540、アドレス選択条件判断部1550を有している。また、MIP制御部1520は、受信データパケット処理部1521、送信データパケット生成部1522、バインディング情報保持部1523、バインディング情報管理部1524を有しており、マルチホーム制御部1530は、複数アドレス処理部1531、複数アドレス管理部1532、あて先・送信元アドレス選択部1533、アドレス選択条件通知部1539を有している。なお、図28に図示されているMIP制御部1520、マルチホーム制御部1530、アドレス選択条件通知部1539、アドレス選択条件判断部1550は、図27に図示されているMIP制御部1520、マルチホーム制御部1530、アドレス選択条件通知部1539、アドレス選択条件判断部1550に対応している。
以下、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成(図26に示す構成)と比較しながら、本発明の第9の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第8の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第9の実施の形態のMNは、アドレス選択条件判断部1550がMIP制御部1520及びマルチホーム制御部1530とは独立して設けられている点で異なっている。
本発明の第9の実施の形態では、マルチホーム制御部1530のアドレス選択条件通知部1539からアドレス選択条件判断部1550に対して、マルチホーム制御部1530で取得可能なアドレス選択条件が通知されるように構成されている。なお、上述の本発明の第7の実施の形態のモビリティ条件通知部1327と同様に、アドレス選択条件通知部1539による通知の態様は任意である。
一方、アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件通知部1539から通知されたアドレス選択条件に鑑みて、送信パケットに使用するULIDの決定を行うことが可能である。アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果をMIP制御部1520の送信データパケット生成部1522に通知する。送信データパケット生成部1522は、下位のマルチホーム制御部1530に渡す送信パケットにおいて使用されるアドレスに、アドレス選択条件判断部1550から通知されたULIDを設定する。なお、アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件を、アドレス選択条件判断部1539から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数アドレス管理部1532から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
また、アドレス選択条件判断部1550は、MIP制御部1520のバインディング情報管理部1524からモビリティ条件を取得して、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、送信パケットに使用するULIDの決定を行うことも可能である。この場合には、アドレス選択条件判断部1550からMIP制御部1520に対して通知されるULIDは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が考慮された総合的な条件に基づいて決定されたものとなる。
以上の構成によって、MNは、マルチホーム制御部1530で取得可能なアドレス選択条件(さらには、MIP制御部1520で取得可能なモビリティ条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、例えば、MIP制御部1520で保持されているバインディング情報内のULIDの中から、通信に最も適したULIDを総合的な条件に基づいて選択し、このULIDに対応するアドレスを使用してパケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第9の実施の形態によれば、アドレス選択条件判断部1550が、モビリティ条件及びアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MIP制御部1520が、アドレス選択条件判断部1550からの通知に基づくアドレスの選択を行うことが可能となり、アドレス選択条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
なお、本発明の第1〜第4の実施の形態において共通する構成要素として、MNは、マルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示す存在であるマルチホーム制御部と、移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示す存在であるモビリティ制御部を有しており、それぞれの制御部は、異なる機能を持った別々の制御部として扱われている。モビリティ制御部は、MNの移動透過性を実現する機能であり、これはMNのみに必要な機能である。一方、マルチホーム制御部は、ノードのマルチホーム状態から生じる複数のアドレスを管理する機能であり、MNのみならず、固定ノードがサイトマルチホームによってマルチホーム状態にある場合などでも利用される機能である。
このように、マルチホーム状態は、MN、固定ノードに関係なく起こり得る状態であるが、MNの場合は、図1で想定したように、マルチホーム制御部が管理する複数のアドレスが、MIPにおけるHoAであるという場合が容易に起こり得る。このような場合を考えると、複数のHoAによるマルチホーム状態は、MIPの動作、及び構成と強い関係があると言える。この複数のHoAによるマルチホーム(以降、MIPマルチホーム)は、上記マルチホーム制御部が扱うマルチホーム状態の一形態であると言えるため、このMIPマルチホームを扱う機能を上記のマルチホーム制御部とは別の制御部(MIPマルチホーム制御部)として実現することも可能である。したがって、この場合、本発明の第1〜第4の実施の形態において説明したマルチホーム制御部が保持する機能をMIPマルチホーム制御部に持たせることで、上記の各実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。さらには、本発明の第5〜第9の実施の形態において述べたような、MIP制御部の下位で起こるマルチホームの場合であっても、これらの状態を扱う機能を、下位のマルチホームを扱うMIPマルチホーム制御部として実現することも可能である。また、モビリティだけに注目した場合、MIPマルチホーム以外のマルチホームを扱うマルチホーム制御部の存在は無視できるものであり、MIPマルチホーム以外のマルチホームが存在しない場合には、MIPマルチホーム単独でも動作する。したがって、本発明の第1〜第9の実施の形態で述べた機能を持つMIPマルチホーム制御部とMIP制御部の2つの制御部の機能を用いて、本発明におけるマルチホームの問題を解決することが可能である。
また、上述の本発明の各実施の形態に開示されている技術内容は、本発明の一態様を表現したものに過ぎず、本発明は、上述の各実施の形態に開示されている技術内容から理解、類推される範囲を有している。また、上述の本発明の各実施の形態において用いられている用語が示す意味や用語の定義、上述の本発明の各実施の形態で開示されている概念などは、その実施の形態に限定されることなく、他の実施の形態に適用可能である。
なお、上記の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスの選択が行われるようにすることが可能になるという効果を有しており、IPを用いた通信に係る技術や、マルチホーム機能及びモバイル機能の両方を実現するための技術に適用可能である。
本発明は、IP(Internet Protocol)を用いた通信を行う通信ノード及び通信制御方法に関し、特に、マルチホーム機能及びモバイル機能の両方を実装した通信ノード及び通信制御方法に関する。
まず、通信ノードがマルチホームの状態となる場合について説明する。なお、ここで言うマルチホームの状態とは、ある通信ノードが、異なるプレフィックスから生成された複数のIPアドレス(以下、単にアドレスと呼ぶこともある)を保持している状態のことを指すものとする。
通信ノードが、マルチホームの状態となる場合には、大きく分けて、以下の2つの場合が存在する。
第1の場合:通信ノードが接続するネットワークが、複数の異なるプレフィックスを通知(advertise)している場合
第2の場合:通信ノードが複数のインタフェースを持っており、かつそれぞれのインタフェースが異なるネットワークに同時に接続している場合
上記の第1の場合(通信ノードが接続するネットワークが、複数の異なるプレフィックスを通知している場合)は、例えば、通信ノードが接続するネットワークが属しているサイトが、複数のインターネットサービスプロバイダ(ISP:Internet Service Provider)にコネクションを持っている場合(サイトマルチホームの状態にある場合)に起こり得る。この場合、そのサイトに属しているネットワーク内には、各ISPからのプレフィックスに基づく複数のプレフィックスが通知されるため、そのネットワークに接続する通信ノードは、そのネットワーク上で使用可能なアドレスとして、プレフィックスが異なる複数のアドレスを保持することができる。つまり、この場合には、サイト側の構成によって、通信ノードが複数のアドレスを保持するかどうかが定まる。なお、サイトマルチホームの状態ではないサイトが、そのネットワーク上で有効なプレフィックスを複数通知することも可能である。
また、上記の第2の場合(通信ノードが複数のインタフェースを持っており、かつそれぞれのインタフェースが異なるネットワークに同時に接続している場合)には、通信ノードの複数のインタフェースのそれぞれに対して接続先のネットワークからプレフィックスが通知されているため、複数のインタフェースのそれぞれには、各ネットワークで使用可能なIPアドレスが少なくとも1つ割り当てられる。したがって、通信ノード単体として見た場合には、その通信ノードにはプレフィックスが異なる複数のアドレスが割り当てられることになる。つまり、この場合には、通信ノードの構成によって、通信ノードが複数のアドレスを保持するかどうかが定まる。
なお、複数のインタフェースを持っている通信ノードが複数の異なるプレフィックスを通知しているネットワークに接続する場合や、複数のインタフェースを持っている通信ノードのインタフェースの少なくとも1つが複数の異なるプレフィックスを通知しているネットワーク(上記の第1の場合)に接続する場合などのように、上記の第1及び第2の場合が組み合わさった場合においても、通信ノードは、マルチホームの状態となることが可能である。
現在、IETF MULTI6 Working Group(http://www.ietf.org/html.charters/multi6-charter.html)では、マルチホームの状態にある通信ノードが、複数のIPアドレスを用いた通信を可能とするための方法として、ネットワークレイヤとその上位レイヤ又は下位レイヤとの間に新たなレイヤを追加したり、あるいはネットワークレイヤの中に新たなサブレイヤを追加したりすることで、複数のIPアドレスを上位レイヤの1つの識別子(Identifier)にマッピングする方法や、トランスポートレイヤ自身が直接複数のIPアドレスを扱う方法などが提案されている(下記の非特許文献1、2参照)。なお、複数のIPアドレスを管理するための上記の方法は、いずれもトランスポートレイヤにおけるコネクションを維持するためのものである。
このような複数のIPアドレスを管理して、マルチホームの状態を扱う方法では、送信側及び受信側の双方において、アドレス情報の交換、送信元アドレスやあて先アドレスの選択など、複数のアドレスを利用するための処理が行われる。
次に、モバイルIP(以下、MIPと記載することもある、下記の非特許文献3参照)について簡単に説明する。モバイルIPにおける通信ノード(MN:Mobile Node、モバイルノード、なお、MNは一般的にMH(Mobile Host、モバイルホスト)とMR(Mobile Router、モバイルルータ)の両方を表す)は、自身のホームネットワークから、少なくとも1つのHoAが割り当てられている。このMNは、別のサブネットワーク(フォーリンネットワーク)に移動した場合には、その移動先のネットワーク上で少なくとも1つのCoA(Care-of Address:気付アドレス)を取得し、取得したCoAとホームネットワーク上で割り当てられたHoAとの関連を示す情報(バインディング情報)を、MNのホームネットワーク上に存在するHA(Home Agent:ホームエージェント)に通知する。これにより、HAは、MNのHoAあてに送信されたパケットを代理受信して、CoAあてに転送できるようになり、MNは、フォーリンネットワーク上に存在しながら、HoAあてのパケットを受信することが可能となる。
なお、非特許文献3で規定されているように、MNがHAに登録することができるアドレス関係は、HoAとプライマリCoAの1対1の関係であり、この情報はMNが送信するバインディングアップデート(Binding Update)によって通知される。
モバイルIPでは、複数のCoAを持つように構成されているMNがHAに登録することができるバインディング情報としては、複数のCoAの中から選択された1つのプライマリCoAと、1つのHoAとの1対1の関連を示す情報となる。つまり、MNが複数のCoAを持っていたとしても、HAに登録できるのは1つのCoAのみである。その結果、1つのHoAに対して複数のCoAを関連付けようとして、MNが複数のバインディングアップデートを送信したとしても、HAは、単なるCoAの更新とみなしてしまうため、結果として、HAでは最後のバインディングアップデートで送信されたバインディング情報しか保持されない。
こうした問題点に対して、下記の非特許文献4では、1つのHoAに対して複数のCoAを登録する方法が開示されており、この方法を使うことによって、MNはバインディング情報として、1つのHoAに対して複数のCoAの関係(1対多の関係)を登録することが可能となる。
一方、ホームネットワークがサイトマルチホームの状態にある場合や、MNにホームネットワークが複数割り当てられている状態の場合において、MNが複数のHoAを保持しているときには、MNはそれぞれのHoAに対して1つのプライマリCoAを関連付けて、HoAとプライマリCoAとの関連を示す情報を、それぞれのHoAを管理するHAに登録する。このとき、それぞれのHoAを管理するHAが異なる場合には、MNは、それぞれのHoAを管理するHAに対してバインディングアップデートを送信し、その結果、それぞれのHAにおいてバインディングキャッシュ(Binding Cache)が作成されることになる。
これに対して、複数のHoAを管理するHAが1つである場合には、MNはそのHAに対して、それぞれのHoAに関するバインディングアップデートを送信する。バインディングアップデートを受信したHAは、それぞれのバインディングアップデートに対するバインディングキャッシュを生成するが、それらのバインディングキャッシュが同一のMNから送信されたバインディングアップデートに対するものであるという認識を持つことはなく、別々のバインディングキャッシュを作成して管理する。そのため、それらのバインディングキャッシュ間には何も関連付けが行われないため、HAは、同一のMNのバインディングキャッシュであるという認識を持たない。
これまでの説明で述べたように、通信ノードがマルチホームを行うための機能は、モバイルIPの機能とは別の機能であり、固定ノード及び移動ノードの両方に適用されるものである。しかし、マルチホームを行っている通信ノードにモバイルIPを適用した場合には、マルチホーム制御部が管理することになる複数のIPアドレスには、そのMNが保持する複数のHoA及びCoAが含まれることになる。これは、マルチホーム制御部及びモバイルIPの両方の機能が配置されるレイヤの構成に依存するものであり、一般的にマルチホーム制御部は、モバイルIPよりも上位に配置されるからである。MNが複数のHoA及びCoAを保持する場合、モバイルIPは上位に対してそれらのHoA及びCoAを見せるため、必然的にマルチホーム制御部は、それらの複数のHoA及びCoAを扱うことになる。
このように、MNに複数のHoAが割り当てられている場合、それらのHoAはマルチホーム制御部によって管理されることが、マルチホーム制御部及びモバイルIPの両方の機能を備えるMNの特徴である。
また、下記の非特許文献5には、ホストが複数のIPアドレスを保持する場合に、送信元アドレスを選択する際の方法について規定されている。ここでは、送信元アドレスの選択をする際に用いるルールが規定されており、このルールの中に「Prefer Home Address」と存在している。この「Prefer Home Address」は、複数のアドレスのうち、CoAよりもホームネットワークに接続しているアドレス(HoA)のほうを優先するというものである。
Erik Nordmark, Marcelo Bagnulo, "Multihoming L3 Shim Approach", draft-ietf-multi6-l3shim-00.txt, 10 Jan 2005. R.Stewart, Q.Xie, "Stream Control Transmission Protocol", RFC2960, Octover 2000. Johnson, D. B., Perkins, C. E., and Arkko, J., "Mobility Support in IPv6", RFC3775, June 2004. Ryuji Wakikawa, Keisuke Uehara, Thierry Ernst, "Multiple Care-of Addresses Registration" IETF Internet Draft: draft-wakikawa-mobileip-multiplecoa-03.txt, 19 Jun 2004. R. Draves, "Default Address Selection for Internet Protocol version 6 (IPv6)", RFC3484, February 2003.
しかしながら、マルチホーム制御部は、通信ノードの移動は感知せず、あくまでも通信ノードが保持する複数のアドレスの管理を行うように構成されているため、マルチホーム制御部が管理しているアドレスが、通信ノードの移動によってモバイルIPにおけるHoA又はCoAであるという認識を持つことはない。このため、例えば、非特許文献5に記載されている上記のルールをマルチホーム制御部にそのまま導入することはできない。
したがって、MNのホームネットワークが属するサイトがマルチホームを行っていたり、同時に複数のホームネットワークがMNに割り当てられていたりすることによって、MNが複数のアドレスを持つ場合、これらのアドレスを管理するマルチホーム制御部がモバイルIPに係る機能を有するMIPレイヤ(以下、MIP制御部と呼ぶ)と分離しているため、例えば、マルチホーム制御部が送信元アドレスとして、あるアドレスを選択したとしても、実際にはこのMNの移動によって、そのアドレスがモバイルIPにおけるHoAに変化し、インタフェースには接続先で取得したCoAが割り当てられているような場合には、マルチホーム制御部が送信元アドレスとして選択したアドレスは、もはやMNの正確な現在地を表すものではなくなっている。
すなわち、MNの移動によって新たな条件が発生したにもかかわらず、マルチホーム制御部は、そのことを認識することはできずに、あくまでもマルチホーム制御部の独自のポリシーに基づいて、自身が保持する複数のアドレスの中の1つを送信元アドレスとして選択する。このような構成の下では、マルチホーム制御部によるアドレス選択は、実際にMNが置かれている状況を反映したものとは言えず、モビリティ(Mobility)という観点から考慮されるべき条件はいっさい参照されることはない。
その結果、例えば、MNから送信されるパケットがHAを経由して送信される場合、マルチホーム制御部が選択したホームアドレスを割り当てたホームネットワーク上に存在するHAを経由して送信されることになり、複数のHAの状態などが考慮されたHAの選択が行われないため、不適切なアドレスが選択されてパケットが送信されてしまい、遅延やパケットロスなどの様々な不具合が発生してしまうという課題が生じる。
以上のように、従来の技術では、モバイルIP及びマルチホームを実現するプロトコルの両方が1つのMNに実装されている場合、MNの移動に伴って発生するモビリティ条件が適切に反映されないという課題について、図29を参照しながら説明する。図29は、従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第1の例を示す模式図である。
図29には、MNが実装しているMIP制御部1920及びマルチホーム制御部1930が図示されている。なお、このMIP制御部1920の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1930の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部1930で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
しかしながら、マルチホーム制御部1930は、管理する2つのアドレス(Addr1及びAddr2)がMNのHoAとなったことを把握することができず、MNの移動とは無関係に、所定の通信相手との通信において使用するアドレスの選択を行う。例えば、マルチホーム制御部1930は、2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのAddr1を選択した場合、MIP制御部1920に対して、使用するアドレスとしてAddr1を通知する。MIP制御部1920は、マルチホーム制御部1930から通知されたアドレスを利用したパケットの生成を行う機能しか有しておらず、このAddr1の通知を受けて、Addr1と同一のMN1.HoA1、又はMN1.HoA1に対応するMN1.CoA1を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。したがって、従来の技術によれば、MNの移動に伴って、MN1.HoA2やMN1.CoA2がパケットの送信元アドレスに設定されたほうが良い条件となった場合でも、マルチホーム制御部1930で選択されたアドレスがパケットの送信元アドレスとして設定されてしまうという課題がある。
また、図29には、マルチホーム制御部がモバイルIPよりも上位に配置される場合の課題について図示されているが、図30に図示されているように、マルチホーム制御部がモバイルIPよりも下位に配置される場合においても同様に、アドレス選択の際に、MIP制御部とマルチホーム制御部との間で適切な連携が行われず、MNのマルチホーム状態に起因する条件(アドレス選択条件)が適切に反映されないという課題が生じる。上記の課題について、図30を参照しながら説明する。図30は、従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第2の例を示す模式図である。
図29には、MNが実装しているMIP制御部1920及びマルチホーム制御部1930が図示されている。なお、上述のように図30では、MIP制御部2020は、マルチホーム制御部2030の上位に配置されている。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部2030で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。なお、MIP制御部2020の下位に存在するマルチホーム制御部2030は、インタフェースに割り当てられているIPアドレス(マルチホームに係る技術ではロケータとも呼ばれる)を、ULID(Upper-Layer Identifier)と関連付けて管理するように構成されており、MIP制御部2020は、このULIDとの関連付けを行って、ホームアドレスを管理するように構成されている。ここでは、マルチホーム制御部2030が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部2920が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
なお、マルチホーム制御部2030は、複数のULIDの管理を行うことが可能である。また、マルチホーム制御部2030は、1つのULIDに対して複数のアドレスを関連付けて管理することが可能であり、例えば図30において、ULID1に対して、Addr1とは異なる複数のアドレスを同時に関連付けて管理することが可能である。この場合、マルチホーム制御部2030は、例えば上位レイヤからULID1の使用の指示を受けた場合、ULID1に関連付けられている複数のアドレスのうちの1つを、自身で選択することができる。
このとき、例えばMNの移動に係る環境が変化した場合などにおいて、MIP制御部2020は、自身が把握するモビリティに起因する条件(モビリティ条件)に基づき、所定の通信相手との通信において使用するアドレスの選択を行う。例えば、MIP制御部2030は、2つのアドレス(MN1.HoA1及びMN1.HoA2)のうちのMN1.HoA1を選択した場合、マルチホーム制御部2030に対して、使用するアドレスとしてULID1を通知する。マルチホーム制御部2030は、このULID1に基づいて、ULID1に関連付けられている1つ又は複数のアドレス(図30に図示されている例では、Addr1)の選択を行う機能しか有しておらず、このAddr1(MN1.CoA1)を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。したがって、従来の技術によれば、マルチホームに起因するアドレス選択条件に従うと、MN1.CoA2がパケットの送信元アドレスに設定されたほうが良い場合でも、パケットの送信元アドレスとして、MIP制御部2020で選択されたULIDに制限されたアドレスしか設定されないという課題がある。
本発明は、上記の課題に鑑み、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、適切なアドレスの選択が行われるようにすることを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の通信ノードは、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より下位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードであって、
前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するモビリティ条件判断手段と、
前記モビリティ条件判断手段による判断結果に基づいて前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う送信データパケット生成手段とを有する。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記モビリティ条件判断手段が前記マルチホーム制御手段に対して前記判断結果を通知することにより、前記マルチホーム制御手段が前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記モビリティ条件判断手段が、前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を無視して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記マルチホーム制御手段が前記モビリティ条件判断手段に対して、前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を通知し、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記アドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を取得して前記モビリティ条件判断手段に通知するモビリティ条件通知手段を有するとともに、前記マルチホーム制御手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件判断手段による前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を取得して前記モビリティ条件判断手段に通知するモビリティ条件通知手段を有するとともに、前記マルチホーム制御手段及び前記移動管理手段とは独立して前記モビリティ条件判断手段が設けられており、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件判断手段から通知される前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
前記複数のアドレスのそれぞれをホームアドレスとして、前記複数のホームアドレス及び前記複数のホームアドレスに対応した気付アドレスの関連情報を保持する複数ホームアドレス情報保持手段と、
他の通信ノードに対して、複数の前記関連情報のそれぞれを有するとともに、前記通信ノードを識別するための識別情報が付加された複数のメッセージを生成して送信するメッセージ生成手段とを有する。
この構成により、通信ノードは、自身の複数のホームアドレス、及びそれぞれに対応する気付アドレスのバインディング情報を、通信相手に通知するためのバインディングアップデートメッセージを送信することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記メッセージ生成手段が、前記関連情報に加えて、前記関連情報に含まれるアドレスの使用優先度を含む前記メッセージを生成して送信するように構成されている。
この構成により、通信ノードは、自身の複数のホームアドレス、及びそれぞれに対応する気付アドレスのバインディング情報に係るアドレス使用の優先度を設定することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードが有するホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した気付アドレスの関連情報を有するとともに、前記他の通信ノードを識別するための識別情報が付加されたメッセージを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段で受信した前記関連情報及び前記識別情報を関連付けて格納するバインディングキャッシュ保持手段とを有する。
この構成により、通信ノードは、通信相手の複数のホームアドレス、及びそれぞれに対応する気付アドレスのバインディング情報を、通信相手から受信して、同一の通信相手に係る複数のバインディング情報を特定することができる状態で、複数のバインディング情報を保持することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記メッセージ受信手段が、前記関連情報に加えて、前記関連情報に含まれるアドレスの使用優先度が含まれている前記メッセージを受信し、前記バインディングキャッシュ保持手段が、前記関連情報及び前記識別情報に加えて、アドレスの使用優先度を関連付けて格納するように構成されている。
この構成により、通信ノードは、同一の通信相手に係る複数のバインディング情報を特定することができる状態で、複数のバインディング情報を保持する際に、複数のバインディング情報のそれぞれに係るアドレス使用の優先度を同時に保持することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記モビリティ条件判断手段によって考慮される前記モビリティ条件を、前記バインディングキャッシュ保持手段によって保持されている情報から取得可能な条件として利用するように構成されている。
この構成により、通信ノードは、通信相手から受信したバインディングアップデートメッセージの内容をモビリティ条件として利用することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
前記複数のアドレスのうちの1つをホームアドレスとして、前記ホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を保持するアドレス情報保持手段と、
他の通信ノードに対して、前記関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを生成して送信するメッセージ送信手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、自身が有する1つのホームアドレスに対して複数の気付アドレスの関連付けが行われている場合、このバインディング情報に加えて、複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を他の通信ノードに送信することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードのホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記気付アドレス選択情報に基づいて前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスに前記選択された気付アドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る1つのホームアドレスに対する複数の気付アドレスの関連付けを示すバインディング情報と、上記の他の通信ノードに係る複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報とを受信し、気付アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用する気付アドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードの複数のアドレスを有する第1メッセージと、前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記アドレス選択情報に基づいて前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスに前記選択されたアドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る複数のアドレスと、上記の他の通信ノードに係る複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報とを受信し、アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用するアドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より上位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードであって、
前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、通信相手との通信に適したアドレスを判断するアドレス選択条件判断手段と、
前記アドレス選択条件判断手段による判断結果に基づいて前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う送信データパケット生成手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記アドレス選択条件判断手段が前記移動管理手段に対して前記判断結果を通知することにより、前記移動管理手段が前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記アドレス選択条件判断手段が、前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を無視して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記移動管理手段が前記アドレス選択条件判断手段に対して、前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を通知し、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記モビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を取得して前記アドレス選択条件判断手段に通知するアドレス選択条件通知手段を有するとともに、前記移動管理手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件判断手段による前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信ノードは、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を取得して前記アドレス選択条件判断手段に通知するアドレス選択条件通知手段を有するとともに、前記移動管理手段及び前記マルチホーム制御手段とは独立して前記アドレス選択条件判断手段が設けられており、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件判断手段から通知される前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、1つのホームアドレスに対応して複数の気付アドレスを取得することが可能な通信ノードであって、
前記ホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を保持するアドレス情報保持手段と、
他の通信ノードに対して、前記関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを生成して送信するメッセージ送信手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、自身が有する1つのホームアドレスに対して複数の気付アドレスの関連付けが行われている場合、このバインディング情報に加えて、複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を他の通信ノードに送信することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、パケットの送信又は転送を行う通信ノードであって、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードのホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記気付アドレス選択情報に基づいて前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべき前記パケットのあて先アドレスに前記選択された気付アドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る1つのホームアドレスに対する複数の気付アドレスの関連付けを示すバインディング情報と、上記の他の通信ノードに係る複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報とを受信し、気付アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用する気付アドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信ノードは、パケットの送信を行う通信ノードであって、
他の通信ノードから、前記他の通信ノードの複数のアドレスを有する第1メッセージと、前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記アドレス選択情報に基づいて前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべき前記パケットのあて先アドレスに前記選択されたアドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
有する。
この構成により、通信ノードは、他の通信ノードに係る複数のアドレスと、上記の他の通信ノードに係る複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報とを受信し、アドレス選択情報に基づいて、上記の他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスとして使用するアドレスを選択することが可能となる。なお、上記の第1及び第2メッセージはそれぞれ別々に送信されてもよく、あるいは1つのメッセージに統合されて送信されてもよい。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信制御方法は、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より下位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードにおける通信制御方法であって、
前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記マルチホーム制御手段に対して前記モビリティ条件を通知し、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記移動管理手段が、前記マルチホーム制御手段及び前記移動管理手段とは独立して設けられているモビリティ条件判断手段に対して前記モビリティ条件を通知し、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件が考慮される。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、上記目的を達成するため、本発明の通信制御方法は、異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より上位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードにおける通信制御方法であって、
前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記移動管理手段に対して前記アドレス選択条件を通知し、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記マルチホーム制御手段が、前記移動管理手段及び前記マルチホーム制御手段とは独立して設けられているアドレス選択条件判断手段に対して前記アドレス選択条件を通知し、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態に係る条件に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
また、本発明の通信制御方法は、上記の構成に加えて、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件が考慮される。
この構成により、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、移動によって発生した条件及びマルチホーム状態に係る条件の両方に基づいて、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスを選択することが可能となる。
本発明は、上記の課題に鑑み、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスの選択が行われるようにするという効果を有している。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1〜第9の実施の形態について説明する。なお、本発明の第1〜第4の実施の形態では、図29に図示されているマルチホーム制御部1930がMIP制御部1920の上位に配置されている場合に生じる課題に鑑みた構成及び動作が説明され、本発明の第5〜第9の実施の形態では、図30に図示されているマルチホーム制御部2030がMIP制御部2020の下位に配置されている場合に生じる課題に鑑みた構成及び動作が説明される。
まず、図1を参照しながら、本発明において前提とされるマルチホーム状態について説明する。図1には、2つのホームネットワーク(ホームネットワークA及びホームネットワークB)が割り当てられているMN100が、フォーリンネットワークへの移動を行ってCoAを取得した状態が模式的に図示されている。なお、図1では、1つのインタフェース(IF_a)を有するMN100aがフォーリンネットワークAに接続してCoA1を取得した状態と、2つのインタフェース(IF_b及びIF_c)を有するMN100bが、IF_bによってフォーリンネットワークBに接続してCoA2を取得するとともに、IF_cによってフォーリンネットワークCに接続してCoA3を取得した状態とが図示されている。
上述のようにMN100がマルチホームを行う要因はいくつかあるが、図1では、割り当てられている複数のホームネットワークのそれぞれが通知するプレフィックスからホームアドレスを生成した結果、MN100が複数のホームアドレスを保持してマルチホームの状態になった場合が示されている。
MN100は、ホームネットワークAのプレフィックスAから生成されたHoA1と、ホームネットワークBのプレフィックスBから生成されたHoA2とを保持している。なお、当然のことながら、ホームネットワークA、BのそれぞれにはHA(HA−A150a、HA−B150b)が存在し、HoA1はHA−A150aによって、HoA2はHA−B150bによってそれぞれ管理される。
また、図1に示されているように、移動後のMN100が複数のホームアドレスを保持することによるマルチホームは、MN100が備えるインタフェースの数に依存するものではない。すなわち、たとえMN100が1つしかインタフェースを有していない場合でも、MN100に複数のホームネットワークを割り当てることが可能である。
なお、割り当てられるホームネットワークが1つであっても、MN100が1つのプレフィックスから複数のアドレスを生成するように構成されている場合や、そのホームネットワークがサイトマルチホームによって複数のプレフィックスを通知している場合には、MN100はマルチホームを行うことが可能である。
また、図1では、MN100がフォーリンネットワークへ移動を行ってCoAを取得した状態として図示されているが、この状態は、複数のホームアドレスを保持することによって生じるマルチホームの状態とは独立した事象であり、MN100は、移動せずにホームネットワークに接続している状態であってもよいし、複数のインタフェースを保持している場合は、ホームネットワークとフォーリンネットワークの両方に同時に接続している状態であってもよい。
<第1の実施の形態>
まず、本発明の第1の実施の形態について説明する。図2は、本発明の第1の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図2には、MNが実装しているMIP制御部120及びマルチホーム制御部130が図示されている。なお、このMIP制御部120の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部130の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
本発明の第1の実施の形態に係るMIP制御部120は、モビリティ条件判断部126を有している。このモビリティ条件判断部126は、MNの移動に伴って発生する様々な条件(以下、モビリティ条件と呼ぶ)を取得、参照するとともに、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件としては、後述のように、例えば、通信相手との経路が最も短くなる条件、通信相手との経路のセキュリティが最も安全となる条件、通信相手から要請された通信条件など、MIP制御部120が取得可能な様々な条件が挙げられる。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部130で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第1の実施の形態に係るMIP制御部120のモビリティ条件判断部126は、モビリティ条件に基づいて、例えば、所定の通信相手との通信には、MN1.HoA1及びMN1.CoA1の組み合わせよりも、MN1.HoA2及びMN1.CoA2の組み合わせを使用したほうが、より適した通信を行うことが可能であると判断した場合には、マルチホーム制御部130に対して、MN1.HoA2を使用したほうがよい旨を通知する。
なお、MN100がホームネットワークに接続している状態のときは、モビリティ条件判断部126は、そのホームネットワーク上で有効なアドレスを、使用したほうがよいアドレスとして判断することも可能である。例えば、図1において、MN100のIF_cがホームネットワークBに接続していた場合は、MN1.HoA2を使用したほうがよい旨が、モビリティ条件判断部126からマルチホーム制御部130に対して通知されることもあり得る。
マルチホーム制御部130は、モビリティ条件判断部126からの通知に応じて、Addr2(=MN1.HoA2)を選択し、MIP制御部120に対して、使用するアドレスとしてAddr2を通知する。MIP制御部120は、このAddr2の通知を受けて、Addr2と同一のMN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第1の実施の形態について、具体的に説明する。図3は、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図3に示すMNは、送受信部110、MIP制御部120、マルチホーム制御部130、上位レイヤ140を有している。
送受信部110は、MNが接続するネットワーク内の通信ノードや、さらに上位のネットワークに存在する任意の通信ノードとの通信を行うための機能を有している。また、上位レイヤ140は、通常のレイヤ構成におけるIPよりも上位のレイヤ(例えば、TCP/UDPレイヤ)である。
また、MIP制御部120は、MNの移動を管理する機能である。MIP制御部120は、受信データパケット処理部121、送信データパケット生成部122、複数HoA情報保持部123、複数HoA情報管理部124、UIDバインディングアップデート生成・処理部125、モビリティ条件判断部126を有している。
受信データパケット処理部121は、受信したデータパケットの転送がMIPを使用して行われている場合に、そのパケットを元の形式のパケットに変換するための機能を有している。MIPを使用した場合のパケット転送には、HAによってカプセル化されている場合や、通信相手によってルーティングヘッダが挿入され、直接自分あてに送信されている場合などがある。
また、送信データパケット生成部122は、マルチホーム制御部130から通知されたあて先アドレス及び送信元アドレスに対し、MIPを使用してパケットを転送するための変換を行う機能を有している。
また、複数HoA情報管理部124は、自身が保持する複数のHoAに関する管理を行い、HAに登録する複数のHoAと、それらのHoAに関連付けるCoAの決定を行う機能を有している。また、複数HoA情報管理部124は、HAへ送信する複数のバインディングアップデートメッセージを同一のMNからのものである旨を示すためのユニークIDと共に、登録するバインディング情報をUIDバインディングアップデート生成・処理部125へ通知し、バインディングアップデートメッセージを生成するように指示を行う機能を有している。また、複数HoA情報管理部124は、通信相手から受信したバインディング情報を複数HoA情報保持部123に通知する機能を有している。さらに、複数HoA情報管理部124は、MIP制御部120において取得可能な様々な条件の取得及び管理を行う機能を有している。また、複数HoA情報管理部124は、モビリティ条件判断部126に対して複数HoA情報保持部123に保持されているモビリティ条件を通知する機能も有している。
また、複数HoA情報保持部123は、自身が保持する複数のHoAと、複数のHoAのそれぞれに関連付けられたCoAに係る情報を保持する機能を有している。例えば、複数HoA情報保持部123では、例えば、MN1.HoA1及びこのHoAに対応するMN1.CoA1、MN1.HoA2及びこのHoAに対応するMN1.CoA2がそれぞれ関連付けられて保持される。また、さらに複数HoA情報保持部123は、通信相手からの位置登録/更新情報(バインディング情報)を保持するが、このとき、マルチホーム状態の通信相手から送られてくる複数のHoA及びCoAの組(これは、例えば、後述のように識別情報(ユニークID:以下、UIDと記載することもある)が付加されたバインディングアップデートメッセージによって送信されてくる)を保持する機能を有している。なお、以降の説明では、主に、UIDが付加されたバインディングアップデートメッセージによってバインディング情報の通知が行われる場合について説明を行うが、UIDが付加されたバインディングアップデートメッセージの使用は一例に過ぎず、本発明は、UIDが付加されたバインディングアップデートメッセージの使用に限定されるものではない。
また、UIDバインディングアップデート生成・処理部125は、複数HoA情報管理部124から通知された情報(ユニークID及びバインディング情報)に基づき、複数のHoAをHAに登録するためのバインディングアップデートメッセージを、複数のHoAのそれぞれに関して生成し、送信する機能を有している。また、UIDバインディングアップデート生成・処理部125は、通信相手から受信したバインディングアップデートメッセージを処理し、バインディングアップデートメッセージ内に含まれるバインディング情報を複数HoA情報管理部124に通知する機能を有している。なお、UIDバインディングアップデート生成・処理部125によって生成及び処理されるバインディングアップデートメッセージに関しては、後で詳細に説明する。
また、モビリティ条件判断部126は、MNの移動に伴って発生するモビリティ条件、及び通信相手から通知されたモビリティ条件を、複数HoA情報管理部124から取得して参照し、これらのモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断して、その判断結果をマルチホーム制御部130に通知する機能を有している。
また、マルチホーム制御部130は、MNのマルチホーム状態を管理する機能である。マルチホーム制御部130は、複数アドレス処理部131、複数アドレス管理部132、あて先・送信元アドレス選択部133を有している。
複数アドレス処理部131は、MIP制御部120によるパケット変換が完了したパケットを取得し、そのパケットに係る処理を行った後に上位レイヤ140へ渡す機能を有している。
また、複数アドレス管理部132は、このMNが有する複数のアドレスを管理する機能を有している。複数アドレス管理部132では、例えば、マルチホーム状態における複数のアドレス(Addr1及びAddr2)が保持され管理される。また、複数アドレス管理部132は、複数アドレス処理部131又はあて先・送信元アドレス選択部133からの要求に応じて、必要な情報を渡す。また、複数アドレス管理部132は、通信相手が有する複数のアドレスも管理することができる。なお、通信相手がアドレスを取得する方法は任意であるが、例えば、マルチホーム制御部130や、MIP制御部120が扱うメッセージ(後述するUIDが付加されたバインディングアップデートメッセージなど)を受信することで取得してもよいし、DNS(Domain Name System)サーバから取得してもよい。
また、あて先・送信元アドレス選択部133は、MIP制御部120のモビリティ条件判断部126から通知された情報に基づいて、複数アドレス管理部132で保持されているアドレスの中から、送信パケットの送信元アドレス、及びあて先アドレスに使用するアドレスを選択して、MIP制御部120に通知する機能を有している。なお、あて先・送信元アドレス選択部133は、モビリティ条件判断部126による判断結果を、モビリティ条件判断部126から受動的に通知を受けるように構成されていてもよく、また、モビリティ条件判断部126から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
なお、図3に図示されているMIP制御部120、モビリティ条件判断部126、マルチホーム制御部130は、図2に図示されているMIP制御部120、モビリティ条件判断部126、マルチホーム制御部130に対応している。
次に、モビリティ条件判断部126によって参照されるモビリティ条件について具体的に説明する。MNでは、基本的にMIP制御部120において、MNの移動の管理が行われており、移動に伴って発生する様々な条件の取得が可能である。ここでは、モビリティ条件判断部126に、従来のバインディングアップデートメッセージを改変したUID付きのバインディングアップデートメッセージの生成、処理を行う機能を設けることで、例えば、通信相手との経路が最も短くなる条件、通信相手との経路のセキュリティが最も安全となる条件、通信相手から要請された通信条件などの様々なモビリティ条件を取得する態様について説明する。
ここでは、図4に示すネットワーク構成を一例に挙げて説明する。図4には、ホームネットワーク1〜3、フォーリンネットワーク1、2が、それぞれグローバルネットワークに接続されているネットワーク構成が図示されている。
図4において、MN1は、ホームネットワーク1に属するHA1によって管理されるアドレス(MN1.Addr1)と、ホームネットワーク2に属するHA2によって管理されるアドレス(MN1.Addr2)とを保持している。一方、MN2は、ホームネットワーク2に属するHA2によって管理されるアドレス(MN2.Addr2)と、ホームネットワーク3に属するHA3によって管理されるアドレス(MN2.Addr3)とを保持している。したがって、MN1及びMN2は、それぞれ共通するホームネットワーク2に由来するアドレスを保持している。
また、MN1は、移動によってフォーリンネットワーク1に接続し、フォーリンネットワーク1において、アドレス(MN1.Addr1)に等しいHoA(MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)を取得するとともに、アドレス(MN1.Addr2)に等しいHoA(MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)を取得する。一方、MN2も移動によってフォーリンネットワーク2に接続し、フォーリンネットワーク2において、アドレス(MN2.Addr2)に等しいHoA(MN2.HoA2)に対応するCoA(MN2.CoA2)を取得するとともに、アドレス(MN2.Addr3)に等しいHoA(MN2.HoA3)に対応するCoA(MN2.CoA3)を取得する。なお、ホームネットワーク1〜3のそれぞれには、HA1〜3が設置されており、MN1及びMN2のHoA及びCoAの管理を行っている。
以下、上記の状態において、MN1とMN2とが通信を行う場合について説明する。なお、MN1及びMN2は共に、図3に示す内部構成を有しているものとする。
MN1は、自身が保持する複数のHoA(MN1.HoA1、MN1.HoA2)に関するバインディング情報をHA1及びHA2のそれぞれに登録するために、各HoAに関するバインディング情報を別々のバインディングアップデートメッセージによって、HA1及びHA2のそれぞれに対して送信する。
すなわち、MN1は、HA1に対して、HoA(MN1.HoA1)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA1)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信するとともに、HA1に対して、HoA(MN1.HoA2)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA2)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信する。また、MN1は、HA2に対して同様に、HoA(MN1.HoA1)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA1)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信するとともに、HoA(MN1.HoA2)と、フォーリンネットワーク1で取得したCoA(MN1.CoA2)とのバインディング情報を含むバインディングアップデートメッセージを送信する。
なお、内部に含まれるHoAがそれぞれ異なる複数のバインディングアップデートメッセージを受信したHA1及びHA2が、それらのバインディングアップデートメッセージが同一のMN1から送信されてきたものであることを認識できるようにするために、MN1は、各バインディングアップデートメッセージに対して、UIDを含むオプション(ユニークIDオプション)を付加する。これにより、HA1及びHA2は、同一のUIDを含むバインディングアップデートメッセージが、同一のMN1から送信されてきたものであることを認識できるようになる。
ユニークIDオプションは、例えば図5に示すように、タイプ(Type)、長さ(Length)、UIDの各フィールドにより構成される。タイプ(Type)フィールドには、モビリティオプションのタイプを示す8ビットの識別子が含まれる。また、長さ(Length)フィールドには、タイプ及び長さフィールドを除くユニークIDオプションの長さをオクテット単位で表す8ビットの符号無し整数が含まれる。また、UIDフィールドには、MNをユニークに識別可能とする整数値が含まれる。
また、MN2もMN1と同様に、複数のHoA(MN2.HoA2、MN2.HoA3)に関するバインディング情報を登録するために、MN2であることを示すUIDを含んだユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージを、HA2及びHA3のそれぞれに対して送信する。なお、1つのバインディングアップデートメッセージの中に複数のHoAに関するバインディング情報が含まれて送信されてもよい。その場合、UIDは送信側で付加されてもよく、そのバインディングアップデートメッセージを受信した側で付加されてもよい。また、複数のHoAを通知しない場合は、受信側に対して、複数のバインディングアップデートメッセージを同一のMNから送信されたものであることを認識させる必要はないので、そのためのUIDは必ずしも付加される必要はない。
また、1つのHoAに複数のCoAが関連付けられている場合(例えば、図6Cに図示されているように、あるHoAxに対して2つのCoA(CoAα、CoAβ)が関連付けられている場合)には、1つのバインディングアップデートメッセージ内に、例えば図6Aに示すような構成のCoAオプションを複数含めて送信することで(図6Dに図示されているバインディングアップデートメッセージを参照)、1つのHoAに対する複数のCoAのバインディング情報を登録することが可能となる。また、1つのHoAに対する複数のCoAのバインディング情報を登録する場合には、受信側が各バインディング情報を区別することができるように、それぞれのCoAのバインディングに対してもUIDを付加してもよい。なお、複数のCoAオプションの送信方法としては、1つのバインディングアップデートメッセージに複数のCoAオプションを含めて送信する方法に限られるものではなく、複数のバインディングアップデートメッセージのそれぞれに対応して各CoAオプションを挿入することで、複数のCoAオプションの送信を行うことも可能である。
図6Aに示すCoAオプションは、タイプ(Type)、長さ(Length)、CoA(Care-of Address)の各フィールドにより構成される。タイプ(Type)フィールドには、モビリティオプションのタイプを示す8ビットの識別子が含まれる。また、長さ(Length)フィールドには、タイプ及び長さフィールドを除くユニークIDオプションの長さをオクテット単位で表す8ビットの符号無し整数が含まれる。また、CoAフィールドには、インタフェースに割り当てられたCoAが含まれる。
また、例えばCoAオプションを図6Bに示すような構成として、各CoAに優先度などのオプション情報を付加してもよい。図6Bに示すCoAオプションは、図6Aに示す構成に加えて、さらに、優先度(Priority)、Pフラグ(PFlags)、インタフェースID(IFID)、ライフタイム(Lifetime)を有している。優先度(Priority)フィールドには、当該インタフェースの使用に係る優先度を示す8ビットの符号無し整数が含まれる。また、Pフラグ(PFlags)フィールドは、8つの1ビットフラグであり、当該インタフェースにおける通信のトラフィックタイプ(例えば、ビデオ、音声、インタラクティブ通信、ベストエフォートなど)を示す値が含まれる。また、インタフェースID(IFID)フィールドには、CoAが割り当てられているインタフェースを識別可能とする4ビットの符号無し整数が含まれる。このインタフェースIDフィールドには、例えば、セルラ、WLAN802.11(a/b/g/n)、802.16、802.20、ブルートゥース(登録商標)などの各種のインタフェースタイプを識別可能とする情報が挿入される。また、ライフタイム(Lifetime)フィールドには、バインディングが期限切れとなるまでの残り時間を示す単位時間(例えば、1単位時間=4秒)に乗算される値(16ビットの符号無し整数)が含まれる。また、不図示だが、オプション情報として、帯域幅やISP名を付加することも可能であり、さらに、MNは、通信中のフローに関する情報を付加することで、特定のフローに関するパケットを転送する際に使用するべきCoAとして、任意のCoAをHAへ登録することも可能である。なお、ここでは、CoAにオプション情報を付加した場合について説明したが、これらのオプション情報をHoAに対する情報として付加してもよい。これは、例えば、1つ又は複数のCoAと複数のHoAとが関連付けられている場合に有効である。
なお、ここでは、バインディングアップデートメッセージによって、バインディング情報やオプション情報が通知される場合におけるバインディングアップデートメッセージの構造について説明したが、例えば、バインディングアップデートメッセージとは異なるメッセージ内にオプション情報が挿入されて通知されてもよい。この場合には、バインディング情報の受信側において、バインディング情報の登録(例えば、後述の図8A、図8Bに示すバインディングキャッシュの作成)が正しくできるように、別々のメッセージに挿入されているバインディング情報とオプション情報との関連付けが行われる必要がある。この関連付けには、例えばバインディング情報及びオプション情報の両方(あるいはバインディング情報が含まれるメッセージ及びオプション情報が含まれるメッセージの両方)に、関連付けを行うための同一の識別子が含まれるようにすることが望ましく、この識別子には、例えばCoAそのものを用いてもよく、また、非特許文献4に記載されているBID(Binding Unique Identification number)を用いてもよい。
HA1及びHA2は、受信したバインディングアップデートメッセージが、UIDによって同一のMN1からのものであることを認識した場合、バインディングアップデートメッセージに含まれているバインディング情報と、バインディングアップデートメッセージのユニークIDオプションに記述されているUIDとを関連付けて、バインディングキャッシュに格納する。すなわち、MN1のHoA及びCoAは、MN1を識別するUIDをキーとして、バインディングキャッシュに保持される。
HA1及びHA2によって保持されるMN1に関するバインディングキャッシュは、例えば図7Aに図示されているような構成を有している。なお、ここでは、MN1のUIDをUID1と記載する。MN1に関するバインディングキャッシュには、MN1を示すUID1をキーとして、MN1のHoA(MN1.HoA1)とCoA(MN1.CoA1)との関係が保持される。また同様に、MN1を示すUID1をキーとして、MN1のHoA(MN1.HoA2)とCoA(MN1.CoA2)との関係も保持される。
また、MN2のHoA及びCoAも同様に、MN2を識別するUIDをキーとして、バインディングキャッシュに保持される。HA2及びHA3によって保持されるMN2に関するバインディングキャッシュは、例えば図7Bに図示されているような構成を有している。なお、ここでは、MN2を示すUIDをUID2と記載する。MN2に関するバインディングキャッシュには、MN2を示すUID2をキーとして、MN2のHoA(MN2.HoA2)とCoA(MN2.CoA2)との関係が保持される。また同様に、MN2を示すUID2をキーとして、MN2のHoA(MN2.HoA3)とCoA(MN2.CoA3)との関係も保持される。
なお、ここでは、MN1のHoA(MN1.HoA1)にCoA(MN1.CoA1)が割り当てられ、MN1のHoA(MN1.HoA2)にCoA(MN1.CoA2)が割り当てられる場合などのように、個々のHoAに対して異なるCoAが1つずつ割り当てられる場合について説明しているが、例えば、MN1のHoAに2つのCoAが割り当てられる場合などのように、1つのHoAに複数のCoAが割り当てられる場合は、MN1に関するバインディングキャッシュには、MN1を示すUID1をキーとして、MN1のHoAと2つのCoAとの関係が保持される。なお、それぞれのCoAにもUIDが付加されている場合には、それらのUIDも含んだバインディング情報として保持される。
また、バインディング情報と共に、図6Bに示すCoAオプション内の情報を保持するためのバインディングキャッシュは、例えば図8Aに示すような構成を有する。
図8Aには、MN2からユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージを受信したHA2によって保持されるMN2に関するバインディングキャッシュが図示されている。例えば図8Aに図示されているように、UID、HoA、CoAの関連を示すエントリ内に、さらに、上述のCoAオプションの各フィールド(ライフタイム、優先度、Pフラグ、IFIDなど)に記載されていた情報が格納される。
また、図6Dに図示されているバインディングアップデートメッセージに図6Bに示すCoAオプションが含まれている場合には、このバインディングアップデートメッセージを受信したHAは、図8Aと同様の構成を有するバインディングキャッシュ(図8Bを参照)を保持することになる。なお、図8Bには、MNxを示すUIDxをキーとして、MNxのHoA(MNx.HoAx)と2つのCoA(MNx.CoAα及びMNx.CoAβ)との関係が保持されており、さらに、それぞれのCoAに関連するエントリ内に、それぞれのCoAに対応するCoAオプションの各フィールド(ライフタイム、優先度、Pフラグ、IFIDなど)に記載されていた情報が格納される。
また、不図示だが、フローに関する情報がCoAオプション内に付加され、特定のフローに関するパケットを転送する際に使用するべきCoAとして登録された場合、それらのフローに関する情報もそれぞれのCoAに関連するエントリ内に格納される。なお、バインディングアップデートメッセージとは異なるメッセージでCoA選択情報が通知された場合も同様に、各フィールドに記載されている情報が格納される。なお、これらの情報の格納場所としては、既存のバインディングキャッシュを用いることが効果的ではあるが、CoAとの関連付けが正しく行われさえすれば、例えばQoS情報が保持されている格納部や、フロー情報リストなどに格納されてもよい。
なお、上述のような構造を有するアドレス登録メッセージ(バインディングアップデートメッセージ)を受信したHAは、従来の技術と同様に、登録確認メッセージ(バインディングアクノレッジメントメッセージ)を返信することが望ましいが、この登録確認メッセージにオプション情報の登録結果を挿入してもよい。アドレス登録メッセージの送信元であるMNは、登録確認メッセージ内のオプション情報の登録結果を参照することによって、例えば、HAにおいて、後述のパケットのあて先アドレスの選択動作が行われるか否かを判断することが可能となる。
上述のように、1つのMNに由来する複数のバインディング情報を保持することが可能なHAの内部構成は、例えば、図9に示すようになる。図9は、本発明の第1の実施の形態におけるHAの構成の一例を示すブロック図である。図9に示すHAは、送受信部810、MIP制御部820、上位レイヤ840を有している。なお、図9に図示されているHAは、図4に図示されているHA1やHA2に対応する。
送受信部810は、管理を行っているMNからのパケット、又は管理を行っているMNあてのパケットの送受信を行うための機能を有している。また、上位レイヤ840は、通常のレイヤ構成におけるIPよりも上位のレイヤ(例えば、TCP/UDPレイヤ)である。
また、MIP制御部820は、同じくMIP制御部が実装されているMNとの間で情報の共有や交換を行うことによって、MNの移動を管理する機能である。MIP制御部820は、UIDバインディングアップデート処理部821、バインディングキャッシュ保持部822、受信データパケット処理部823、転送先選択部824、カプセル化データパケット生成部825を有している。
UIDバインディングアップデート処理部821は、MNから受信するユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージの処理を行う機能を有している。UIDバインディングアップデート処理部821において、バインディングアップデートメッセージから抽出されたUID及びバインディング情報は、バインディングキャッシュ保持部822に送られる。
また、バインディングキャッシュ保持部822は、MNから受信したバインディング情報を保持する機能を有している。なお、このバインディングキャッシュ保持部822は、上述のように、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報を、MNを示すUIDと関連付けが行われた状態(例えば図7Aや図7Bに図示する状態)で保持する。
また、受信データパケット処理部823は、受信したデータパケットの転送がMIPを使用して行われている場合に、そのパケットを元の形式のパケットに変換するための機能を有している。なお、MIPを使用した場合のパケット転送には、HAによってカプセル化されている場合や、通信相手によってルーティングヘッダが挿入され、直接自分あてに送信されている場合などがある。HAあてのパケットは受信データパケット処理部823から上位レイヤ840に送られ、あるMNから他のMNに対してHAを経由して送信されるパケットは、例えばデカプセル化された後、受信データパケット処理部823から転送先選択部824に送られる。
また、転送先選択部824は、受信データパケット処理部823から受け取ったパケットのあて先アドレスをチェックして、そのあて先アドレスと同じHoAを含むバインディングキャッシュが、バインディングキャッシュ保持部822に登録されているかどうかをチェックし、バインディングキャッシュ保持部822に登録されている場合には、そのHoAに関連付けられているCoA(転送先)と、受信データパケット処理部823から受け取ったパケットを、カプセル化データパケット生成部825に渡す機能を有している。なお、転送先選択部824で転送先が見つからない場合には、受信データパケット処理部823から受け取ったパケットの状態で送受信部810に送られ、外部に送出される。
また、カプセル化データパケット生成部825は、転送先選択部824から受け取ったパケットを、同じく転送先選択部824から受け取ったCoAをあて先としてカプセル化して、送受信部810に渡す機能を有している。カプセル化データパケット生成部825でカプセル化されたパケットは、送受信部810から外部に送出される。
このように、HAは、MNからユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージを受信し、このバインディングアップデートメッセージに含まれているUID及びバインディング情報を関連付けてバインディングキャッシュ保持部822で保持することにより、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報をすべて保持できるとともに、MNを識別可能とするUIDをキーとして、任意のMNに係る複数のバインディング情報を特定することが可能となる。
MN1とMN2とが通信を行う場合、HAを経由した通信経路(三角経路)によってパケットが伝送される。ここで、HA1が図7Aに図示されているバインディングキャッシュを保持し、HA2が図7A及び図7Bに図示されているバインディングキャッシュを保持し、HA3が図7Bに図示されているバインディングキャッシュを保持した状態で、MN1とMN2との間の通信が開始されたとする。なお、ここでは、MN1は、あらかじめMN2のHoA(MN2.HoA3)を知っているものとする。
MN1は、あらかじめ把握しているMN2のHoA(MN2.HoA3)をあて先アドレスとして設定したパケットの送信を行おうとしている。この際、MN1はフォーリンネットワーク1に移動しているので、HA1又はHA2に対して、パケットをカプセル化して送信する必要がある。ここでは、MN1が、HA2に対してパケットをカプセル化して送信することを選択したとする。この場合、MN1は、図10に示すような構成を有するパケットをHA2に送信する。
図10に示すパケットは、内部パケットを外部パケットによってカプセル化したパケットである。内部パケットには、送信元アドレスとしてMN1のHoA(MN1.HoA2)が設定され、あて先アドレスとしてMN2のHoA(MN2.HoA3)が設定される。また、外部パケットには、送信元アドレスとしてMN1のCoA(HoA(MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2))が設定され、あて先アドレスとしてHA2のアドレスが設定される。
HA2は、MN1から図10に示すような構成を有するパケットを受信した場合、デカプセル化した後の内部パケットのあて先アドレスであるMN2.HoA3が、バインディングキャッシュに含まれているかどうかをチェックする。このチェックの結果、MN2.HoA3がバインディングキャッシュに含まれている場合(例えば、図7Bの例の場合)には、HA2は、そのMN2.HoA3のバインディングキャッシュに付加されているUID2と同一のUIDが付加されたバインディングキャッシュの中から、パケット転送に適切であるHoAを含むバインディングキャッシュを検索する。例えば、UID2によって特定されるMN2に関するバインディングキャッシュの中から、ホームネットワーク2上で有効なHoAを含むバインディングキャッシュ(すなわち、同一のホームネットワーク2から割り当てられているMN2のHoA(MN2.HoA2)を含むバインディングキャッシュ)が選択される。
そして、HA2は、検索の結果、選択されたバインディングキャッシュに保持されているHoA(ここでは、MN2のHoA(MN2.HoA2))に対応するCoA(MN2.CoA2)をあて先アドレスとして、パケットをカプセル化して送信する。MN2は、HA2からカプセル化されたパケットを受信した場合、そのパケットをデカプセル化することで、MN1から送信されたパケットを正しく受信することができる。
このように、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報をすべて保持することが可能なHAは、例えば、上述のように他のネットワークのHAを経由せずにパケットの伝送が行われるようにパケットのあて先アドレスを変更することが可能であり、これによって、冗長な通信経路の削減や、他のネットワークへのパケット伝送によるセキュリティ低下の防止などが実現されるようになる。
また、同一のMNが有する複数のHoAに係るバインディング情報と共にアドレスの優先度などを始めとする様々なオプション情報を保持することが可能なHAは、例えば、MN1から受信したパケットをMN2に向けて転送する際に、このバインディングキャッシュ内の優先度の値を比較し、最も優先度が高く設定されているCoAをあて先アドレスとしたカプセル化パケットを生成して、送信することも可能である。これによって、パケットのあて先アドレスが、パケットの受信側で設定されたアドレスに変更され、受信側は、例えばストリームの種類などに応じて好適なインタフェースによりパケットの受信を行えるようになる。
すなわち、例えば、HAが上述の図8Aに示すMN2に関するバインディングキャッシュを保持している場合には、HAは、MN1から受信したパケットをMN2に向けて転送する際に、図8Aに示すバインディングキャッシュ内のそれぞれのエントリ(図8Aでは、MN2.HoA2とMN2.CoA2との関連に係るエントリ及びMN2.HoA3とMN2.CoA3との関連に係るエントリ)に含まれる様々なオプション情報をCoA選択情報として使用し、各エントリのCoA選択情報を比較することによって、MN2に対して送信するカプセル化パケットのあて先アドレスとして使用するCoAを選択することが可能である。
また、例えば、HAが上述の図8Bに示すMNxに関するバインディングキャッシュを保持している場合には、HAは、MN1から受信したパケットをMNxに向けて転送する際に、図8Bに示すバインディングキャッシュ内のそれぞれのエントリ(図8Bでは、MNx.HoAxとMNx.CoAαとの関連に係るエントリ及びMNx.HoAxとMNx.CoAβとの関連に係るエントリ)に含まれる様々なオプション情報をCoA選択情報として使用し、各エントリのCoA選択情報を比較することによって、MNxに対して送信するカプセル化パケットのあて先アドレスとして使用するCoAを選択することが可能である。
なお、送信するパケットのあて先アドレスの選択を行う上述の動作は、HAだけではなく、CN(Correspondent Node:MNの通信相手)で行われてもよいことは明白である。すなわち、例えば、MN1(CNに相当)からMN2(又はMNx)への経路としてMIPの最適化経路を使用する場合には、後述のようにMN2(又はMNx)に関するバインディング情報(例えば、図8Aや図8Bに示すバインディングキャッシュ)がMN1のバインディングキャッシュに保持されるので(後述)、MN1は、オプション情報をCoA選択情報として使用し、各エントリのCoA選択情報を比較することによって、MN2(又はMNx)に対して送信するパケットのあて先アドレスとして使用するCoAを選択することが可能である。
また、送信するパケットのあて先アドレスの選択を行う上述の動作は、MNからHAに対して送信されるパケットのあて先アドレスの選択動作に対しても適用可能である。この場合、MNは、例えば複数のアドレスを有するHAから、このHAの複数のアドレス(複数HAアドレス情報)及びこれらの複数のアドレスの選択条件を示す情報(HAアドレス選択情報)を取得する。そして、MNは、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報を参照して、複数のHAアドレスのそれぞれに対応する各HAアドレス選択情報を比較することによって、CNあてのカプセル化パケットのあて先アドレスやHAあてのパケットのあて先アドレスとして使用するHAのアドレスを選択することが可能である。なお、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報は、例えばモビリティ条件に含まれており、モビリティ条件判断部126であて先アドレスとして最適なアドレスの選択が行われる。
また、HAからMNに対する複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報の通知は、任意のメッセージによって行われてもよい。HAは、例えば、既存のHome Agent Address Discovery Reply MessageやMobile Prefix Advertisement Message、バインディングアクノレッジメントメッセージ、新規メッセージ(複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報を通知するための新たなメッセージ)、あるいはその他の既存メッセージに、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報を挿入して、MNに送信することが可能である。また、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報は、MNから受信した任意のメッセージの応答メッセージ内に含まれてもよく、HAからのUnsolicitedなメッセージ(要求なく自発的に送信されるメッセージ)として送信されてもよい。さらに、MNは、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択情報の通知をHAに要求するための要求情報をHAに対して送信してもよい。MNは、HoAとCoAとの関係やオプション情報を登録するためのアドレス登録メッセージ(バインディングアップデートメッセージや新規メッセージなど)の送信によって、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択を含む登録確認メッセージを要求してもよく、Dynamic HA Address Request Messageの送信によって、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択を含むHome Agent Address Discovery Reply Messageを要求してもよく、Mobile Prefix Solicitation Messageの送信によって、複数HAアドレス情報及びHAアドレス選択を含むやMobile Prefix Advertisement Messageを要求してもよい。
なお、上述のように、MN、HA、CNのそれぞれにおいて、送信するパケットのあて先アドレスの選択処理が動作可能であるが、これらの各動作は独立している。したがって、すべての動作が行われる必要はなく、いずれか1つのみの動作が行われてもよい。また、複数又はすべてのあて先アドレスの選択処理に係る動作が同時に行われてもよい。
また、MIPでは、MN間における通信経路として、HAを経由する三角経路のほかに、MN間で直接パケットの交換を行う最適化経路の使用が可能である。この場合には、MN間でユニークIDオプションが付加された複数のバインディングアップデートメッセージの交換を行うことによって、MNは相互に複数のHoAに係るバインディング情報を保持することが可能となる。すなわち、MN1の複数HoA情報保持部123には、図7Bに図示されているMN2に関するバインディングキャッシュが保持され、MN2の複数HoA情報保持部123には、図7Aに図示されているMN1に関するバインディングキャッシュが保持されるようになる。なお、この最適化経路は必ずしも使用される必要はない。また、例えば、MN1からMN2への通信は最適化経路によって行われ、MN2からMN1への通信は三角経路で行われるなどのように、片方向の経路のみ最適化が行われてもよい。この場合には、MN2からMN1に対してバインディングアップデートメッセージが送信され、MN1がMN2に関するバインディングキャッシュを保持している。
ここで、HA1〜HA3のそれぞれが保持するバインディングキャッシュのエントリに、MN1及びMN2のバインディング情報が登録されており、さらに、複数のホームアドレスに関するバインディングアップデートメッセージがMN2からMN1に対して送信済み(つまり、MN1からMN2へのパケットは最適化経路を通じて伝送可能な状態)である一方、MN2からMN1への経路最適化は行われていない状況において、MN1が、例えば自身のCoAが明らかにならないように、MN2に対して、最適化経路を利用せずに三角経路を利用したパケット送信を開始する場合について説明する。
MN1からMN2に対して送信されるパケットの送信元アドレスには、MN1が有する複数のHoAの中から1つが選択されて、設定される。このとき、MN1のモビリティ条件判断部126は、複数HoA情報保持部123に保持されている自身の複数のHoAと、MN2が有する複数のHoAとの比較を行い、その比較の結果、MN1.HoA2のプレフィックスと、MN2.HoA2のプレフィックスとが一致しており、両者は、同一のHA2によって管理されているアドレスであることを把握する。
そして、モビリティ条件判断部126は、MN1.HoA2とMN2.HoA2との組み合わせが、MN2あてのパケットの送信元アドレス及びあて先アドレスの組み合わせに適している旨をマルチホーム制御部130に通知する。マルチホーム制御部130の送信元・あて先アドレス選択部133は、この通知に基づいて、MIP制御部120に対して、MN1.HoA2と同一のAddr2を送信元アドレス、MN2.HoA2をあて先アドレスとして使用するように通知する。
そして、送信データパケット生成部122は、送信元アドレスにMN1.HoA2、あて先アドレスにMN2.HoA2に関連付けられているCoA(MN2.CoA2)が設定され、さらにMN2.HoA2を含むルーティングヘッダが挿入されたパケットを生成するとともに、この生成されたパケットを内部パケットとして、HA2あてにカプセル化されたパケットの送信を行う。
これにより、HA2によってデカプセル化された後、転送される内部パケットは、同一の管理下のネットワーク(ホームネットワーク2)を通ってMN2にまで届けられることになり、HA2とMN2との間の通信を効率化するとともに、共通のホームネットワーク2内におけるパケット伝送が行われることで、パケットの伝送に係るセキュリティの信頼性が向上する。
なお、ここでは上述のように、モビリティ条件判断部126が、MN1及びMN2のHoA同士のプレフィックスの一致を検出することによって、アドレスの選択を行っているが、上記の状況に限らず、通信相手へパケットを送信する際には、アドレスの優先度などを始めとした様々な情報に基づいて、アドレスの選択を行うようにしてもよい。例えば、MN2が有する複数のアドレスに関する情報をMN1に対して通知する際に、ホームネットワークに接続しているインタフェースに関して、そのインタフェースに割り当てられているアドレスがホームネットワーク上で有効なアドレスであること(ホームネットワークに接続中であること)、あるいは接続しているホームネットワーク上で有効なアドレスでないこと(ホームネットワークに接続していないこと)を、MN1に対してMIPを利用して通知できるようにしてもよい。この場合、MN1は、MN2のどのアドレスが、MN2が接続しているホームネットワーク上で有効なアドレスであるか、つまりどのアドレスを使えばMN2へ直接パケットを届けることができるか、あるいはどのアドレスを使えばHAを経由した転送経路となるかという条件(ホームネットワーク接続条件)を、モビリティ条件の1つとして利用することが可能となる。なお、このモビリティ条件も複数HoA情報保持部123に保持されることが可能である。
以上、説明したように、本発明の第1の実施の形態によれば、以下の効果が生まれる。
第1の効果:MIP制御部が、MNの移動によって発生したモビリティ条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、マルチホーム制御部が、MIP制御部からの通知に基づくアドレスの選択を行うことが可能となり、モビリティ条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
第2の効果:MIP制御部が複数のHoAを持った状態を通知できるバインディングアップデートメッセージを生成、送信することによって、複数のHoAに係るバインディング状態を通信相手に通知することが可能となる。さらに、バインディングアップデートメッセージにオプション情報を含ませることによって、複数のHoAのそれぞれに関するオプション情報の通知も行うことが可能となる。
第3の効果:上記のバインディングアップデートメッセージを受けた通信ノードが、同一MNの複数のHoAに係るバインディング情報を保持するとともに、通信相手で設定されたオプション情報を保持することが可能となり、これらの情報をモビリティ条件として考慮することによって、モビリティ条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
第4の効果:MIP制御部が、モビリティ条件に基づくアドレス選択を行うことによって、通信の効率化(例えば、パケット伝送経路の短縮)を実現するアドレスの選択、セキュリティ向上を実現するアドレスの選択、パケット受信側の条件を考慮したアドレスの選択などが実現され、マルチホーム状態において適切なアドレスの選択が可能となる。
<第2の実施の形態>
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図11は、本発明の第2の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図11には、MNが実装しているMIP制御部220及びマルチホーム制御部230が図示されている。なお、図2と同様に、このMIP制御部220の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部230の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
本発明の第2の実施の形態に係るMIP制御部220は、モビリティ条件判断部226を有している。このモビリティ条件判断部226は、モビリティ条件を取得、参照するとともに、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部230で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第2の実施の形態に係るマルチホーム制御部230は、従来の技術に係るマルチホーム制御部1930と同様に、独自にアドレス選択を行い、MIP制御部230に対して選択されたアドレスを通知する。一方、本発明の第2の実施の形態に係るMIP制御部220のモビリティ条件判断部226は、マルチホーム制御部230から通知されたアドレスを受けるとともに、さらに、モビリティ条件に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行う。なお、このとき、モビリティ条件判断部226は、マルチホーム制御部230からの通知を無視してアドレスの決定を行ってもよい。
例えば、マルチホーム制御部230が、2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのAddr1を選択して、MIP制御部220に対して、使用するアドレスとしてAddr1を通知したとする。MIP制御部220のモビリティ条件判断部226が、マルチホーム制御部230からAddr1の通知を受けるとともに、さらに、モビリティ条件に鑑みて、例えば、Addr1(=MN1.HoA1)やMN1.HoA1を使用するよりも、MN1.HoA2やMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断した場合には、MIP制御部220では、MN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。一方、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、MIP制御部220のモビリティ条件判断部226が、モビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
なお、MN100がホームネットワークに接続している状態のときは、モビリティ条件判断部126は、そのホームネットワーク上で有効なアドレスを、使用したほうがよいアドレスとして判断することも可能である。例えば、図1において、MN100のIF_cがホームネットワークBに接続していた場合は、MN1.HoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。
次に、本発明の第2の実施の形態について、具体的に説明する。図12は、本発明の第2の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図12に示すMNは、送受信部210、MIP制御部220、マルチホーム制御部230、上位レイヤ240を有している。また、MIP制御部220は、受信データパケット処理部221、送信データパケット生成部222、複数HoA情報保持部223、複数HoA情報管理部224、UIDバインディングアップデート生成・処理部225、モビリティ条件判断部226を有しており、マルチホーム制御部230は、複数アドレス処理部231、複数アドレス管理部232、あて先・送信元アドレス選択部233を有している。なお、図12に図示されているMIP制御部220、モビリティ条件判断部226、マルチホーム制御部230は、図11に図示されているMIP制御部220、モビリティ条件判断部226、マルチホーム制御部230に対応している。
以下、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成(図3に示す構成)と比較しながら、本発明の第2の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第1の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成では、送信データパケット生成部222、モビリティ条件判断部226、あて先・送信元アドレス選択部233の機能が異なっている。
あて先・送信元アドレス選択部233は、マルチホーム制御部230内における独自のポリシーに従って、使用するアドレスの選択を行う機能を有している。あて先送信元アドレス選択部233で選択されたアドレスは、MIP制御部220のモビリティ条件判断部226に通知される。なお、あて先・送信元アドレス選択部233がアドレスの選択を行わずに、マルチホーム制御部230内におけるアドレス選択条件(マルチホーム制御部230において、アドレスの選択の際に参照される条件)を通知してもよい。
また、モビリティ条件判断部226は、マルチホーム制御部230のあて先・送信元アドレス選択部233から通知されたアドレス情報又はアドレス選択条件を受けた場合に、MNの移動に伴って発生するモビリティ条件を、複数HoA情報管理部224から取得して参照し、このアドレス情報又はアドレス選択条件と、モビリティ条件とに基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件判断部226による判断結果(最も適していると判断されたHoA及びCoAの組み合わせ)は、送信データパケット生成部222に通知される。
また、送信データパケット生成部222は、モビリティ条件判断部226から通知されたあて先アドレス及び送信元アドレスに対し、MIPを使用してパケットを転送するための変換を行う機能を有している。
以上の構成によって、MNは、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部230において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。なお、上述の本発明の第1の実施の形態と同様に、モビリティ条件として、ユニークIDオプションが付加されたバインディングアップデートメッセージの受信によって得られたバインディング情報や、アドレスの優先度などのオプション情報、ホームネットワーク接続条件の参照が可能である。
以上、説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、上述の本発明の第1の実施の形態における第1〜第4の効果と同様の効果が生まれる。また、さらに、MIP制御部220が、MNの移動によって発生したモビリティ条件に加えて、マルチホーム制御部230で参照されるアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことも可能となる。
<第3の実施の形態>
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図13は、本発明の第3の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図13には、MNが実装しているMIP制御部320及びマルチホーム制御部330が図示されている。なお、図2と同様に、このMIP制御部320の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部330の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
本発明の第3の実施の形態に係るMIP制御部320は、モビリティ条件通知部327を有している。このモビリティ条件通知部327は、MIP制御部320において取得可能なモビリティ条件をマルチホーム制御部330に通知する機能を有している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部330で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第3の実施の形態に係るMIP制御部320のモビリティ条件通知部327は、マルチホーム制御部330に対して、モビリティ条件を通知する。一方、本発明の第3の実施の形態に係るマルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334は、モビリティ条件通知部327から通知されたモビリティ条件に基づいて、所定の通信相手との通信に使用するアドレスを2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのいずれかより選択する機能を有している。なお、この際、モビリティ条件判断部334は、マルチホーム制御部330に係る条件(例えば、所定の通信相手のマルチホーム制御部との間で交換されたアドレス選択条件など)を更に考慮して、アドレス選択を行うことも可能である。
この結果、例えば、マルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334は、2つのアドレス(Addr1及びAddr2)のうちのAddr2を選択した場合、MIP制御部320に対して、使用するアドレスとしてAddr2を通知する。MIP制御部320は、マルチホーム制御部330からAddr2の通知を受けて、Addr2と同一のMN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。一方、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、モビリティ条件通知部327から通知されたモビリティ条件に基づいて、モビリティ条件判断部334がMN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したアドレスを選択し、そのアドレスをMIP制御部320へ通知する。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第3の実施の形態について、具体的に説明する。図14は、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図である。図14に示すMNは、送受信部310、MIP制御部320、マルチホーム制御部330、上位レイヤ340を有している。また、MIP制御部320は、受信データパケット処理部321、送信データパケット生成部322、複数HoA情報保持部323、複数HoA情報管理部324、UIDバインディングアップデート生成・処理部325、モビリティ条件通知部327を有しており、マルチホーム制御部330は、複数アドレス処理部331、複数アドレス管理部332、あて先・送信元アドレス選択部333、モビリティ条件判断部334を有している。なお、図14に図示されているMIP制御部320、モビリティ条件通知部327、マルチホーム制御部330、モビリティ条件判断部334は、図13に図示されているMIP制御部320、モビリティ条件通知部327、マルチホーム制御部330、モビリティ条件判断部334に対応している。
以下、本発明の第1の実施の形態のMN内の構成(図3に示す構成)と比較しながら、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第1の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成では、MIP制御部320内に、モビリティ条件判断部126の代わりにモビリティ条件通知部327が設けられており、マルチホーム制御部330内に、モビリティ条件判断部334が設けられている。
モビリティ条件通知部327は、MIP制御部320で取得可能なモビリティ条件を、マルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334に通知する機能を有している。すなわち、モビリティ条件通知部327は、自身のHoA及びCoAのバインディング情報、通信相手のHoA及びCoAのバインディング情報、通信相手から取得したバインディング情報と関連付けられた優先度などのオプション情報などを始めとして、様々な情報をモビリティ条件判断部334に通知する。また、MIP制御部320のモビリティ条件通知部327は、マルチホーム制御部330が管理している通信相手の複数のHoA及び複数のCoAの中に、マルチホーム制御部によるアドレス選択の選択肢として使われるべきでないと判断されるアドレスが含まれている場合、そのことをモビリティ条件の1つとして、モビリティ条件判断部334へ通知する。この場合、例えば、モビリティ条件通知部327がモビリティ条件判断部334へモビリティ条件を通知する際に、選択するべきでないアドレスの優先度を0として通知し、モビリティ条件判断部334は、優先度0のアドレスを選択肢に含めずにアドレス選択を行う。さらに、MIP制御部320のモビリティ条件通知部327は、マルチホーム制御部330によるアドレス選択の選択肢に含めるべき新たなアドレスがある場合、そのアドレスをモビリティ条件の1つとして通知する。なお、そのアドレスをマルチホーム制御部330へ渡す際、新規追加として通知してもよいし、既存のアドレスと置き換えるアドレスとして通知してもよい。
また、モビリティ条件判断部334は、MIP制御部320のモビリティ条件通知部327からモビリティ条件を受けて、このモビリティ条件、又はモビリティ条件とマルチホーム制御部330で参照されるアドレス選択条件とに基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件判断部334による判断結果(最も適していると判断されたアドレス)は、あて先・送信元アドレス選択部333に通知され、あて先・送信元アドレス選択部333は、このアドレスをMIP制御部320の送信データパケット生成部322に通知する。なお、あて先・送信元アドレス選択部333は、モビリティ条件通知部327がモビリティ条件判断部334へ通知したモビリティ条件を参照し、それらの情報を考慮して、あて先アドレス及び送信元アドレスの選択を行ってもよい。また、この際に考慮する情報としては、モビリティ条件だけでなく、マルチホーム制御部330が参照する他の条件も考慮してアドレス選択を行ってもよい。なお、モビリティ条件判断部334は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部327から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数HoA情報管理部324から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部330において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
また、本発明の第3の実施の形態では、マルチホーム制御部330にモビリティ条件判断部334が置かれるが、この構成は、特に、図15に図示されるように、自身が有する複数のHoA及びCoAのそれぞれが、複数のMIP制御部320のそれぞれにおいて管理される状態(複数のMIP制御部320が存在する状態)に有効である。
図15は、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図である。図15に示すMNは、送受信部310、複数のMIP制御部320、マルチホーム制御部330、上位レイヤ340を有している。また、各MIP制御部320が、モビリティ条件通知部327を有しており、マルチホーム制御部330のモビリティ条件判断部334は、複数のモビリティ条件通知部327のそれぞれから各HoAに係るモビリティ条件を受けて、これらのモビリティ条件を集約し、総合的に最も適したアドレスの選択を行うように構成されている。
以上の構成によって、MNが複数のMIP制御部320によって各HoAの管理を行っている場合においても、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部330において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第3の実施の形態によれば、上述の本発明の第1の実施の形態における第1〜第4の効果と同様の効果が生まれる。また、さらに、MIP制御部320が、MNの移動によって発生したモビリティ条件に加えて、マルチホーム制御部330で参照されるアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことも可能となる。また、さらに、複数のMIP制御部320が各HoAの管理を独立して行っている場合でも、各HoAに係るモビリティ条件を参照して、アドレスの選択を行うことが可能となる。
<第4の実施の形態>
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図16は、本発明の第4の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図16には、MNが実装しているMIP制御部420、マルチホーム制御部430、モビリティ条件判断部450が図示されている。なお、図2と同様に、このMIP制御部420の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部430の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、さらに、モビリティ条件判断部450の存在は、MIP制御部420及びマルチホーム制御部430の両方から独立したモビリティ条件判断に係る機能が実装されていることを示している。
本発明の第4の実施の形態に係るMIP制御部420は、モビリティ条件通知部427を有している。このモビリティ条件通知部427は、MIP制御部420において取得可能なモビリティ条件をモビリティ条件判断部450に通知する機能を有している。
今、例えば、MNがマルチホーム状態にあり、マルチホーム制御部430で2つのアドレス(Addr1及びAddr2)が管理されているとする。ここで、MNが自身のホームネットワークからフォーリンネットワークに移動を行って、Addr1(=MN1.HoA1)に対応するCoA(MN1.CoA1)と、Addr2(=MN1.HoA2)に対応するCoA(MN1.CoA2)とを取得したとする。
本発明の第4の実施の形態に係るMIP制御部420のモビリティ条件通知部427は、モビリティ条件判断部450に対して、モビリティ条件を通知する。一方、本発明の第4の実施の形態に係るモビリティ条件判断部450は、モビリティ条件を参照するとともに、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。そして、例えば、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件に基づいて、所定の通信相手との通信には、MN1.HoA1及びMN1.CoA1の組み合わせよりも、MN1.HoA2及びMN1.CoA2の組み合わせを使用したほうが、より適した通信を行うことが可能であると判断した場合には、マルチホーム制御部430に対して、MN1.HoA2を使用したほうがよい旨を通知する。
マルチホーム制御部430は、モビリティ条件判断部450からの通知に応じて、Addr2(=MN1.HoA2)を選択し、MIP制御部420に対して、使用するアドレスとしてAddr2を通知する。MIP制御部420は、このAddr2の通知を受けて、Addr2と同一のMN1.HoA2、又はMN1.HoA2に対応するMN1.CoA2を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。一方、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、モビリティ条件通知部427から通知されたモビリティ条件に基づいて、モビリティ条件判断部450がMN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断し、その情報をマルチホーム制御部430へ通知する。マルチホーム制御部430は、その通知に応じて、使用するアドレスをMIP制御部420へ通知する。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第4の実施の形態について、具体的に説明する。図17は、本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図である。図17に示すMNは、送受信部410、MIP制御部420、マルチホーム制御部430、上位レイヤ440、モビリティ条件判断部450を有している。また、MIP制御部420は、受信データパケット処理部421、送信データパケット生成部422、複数HoA情報保持部423、複数HoA情報管理部424、UIDバインディングアップデート生成・処理部425、モビリティ条件通知部427を有しており、マルチホーム制御部430は、複数アドレス処理部431、複数アドレス管理部432、あて先・送信元アドレス選択部433を有している。なお、図17に図示されているMIP制御部420、モビリティ条件通知部427、マルチホーム制御部430、モビリティ条件判断部450は、図16に図示されているMIP制御部420、モビリティ条件通知部427、マルチホーム制御部430、モビリティ条件判断部450に対応している。
以下、本発明の第3の実施の形態のMN内の構成(図14、15に示す構成)と比較しながら、本発明の第4の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第3の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第4の実施の形態のMN内におけるモビリティ条件判断部450が、MIP制御部420及びマルチホーム制御部430とは独立して設けられている点で異なっている。
モビリティ条件判断部450は、MIP制御部420のモビリティ条件通知部427からモビリティ条件を受けて、このモビリティ条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したHoA及びCoAの組み合わせを判断する機能を有している。モビリティ条件判断部450による判断結果(最も適していると判断されたアドレス)は、あて先・送信元アドレス選択部433に通知され、あて先・送信元アドレス選択部433は、このアドレスをMIP制御部420の送信データパケット生成部422に通知する。
なお、モビリティ条件判断部450が、マルチホーム制御部430で参照されるアドレス選択条件をマルチホーム制御部430から取得できるようにしてもよい。この場合には、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件とマルチホーム制御部430で参照されるアドレス選択条件とに基づいて、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したアドレスを判断する。さらに、あて先・送信元アドレス選択部433は、モビリティ条件通知部427がモビリティ条件判断部450へ通知したモビリティ条件を参照し、それらの情報を考慮して、あて先アドレス及び送信元アドレスの選択を行ってもよい。また、この際に考慮する情報としては、モビリティ条件だけでなく、マルチホーム制御部430が参照する他の条件も考慮してアドレス選択を行ってもよい。なお、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部427から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数HoA情報管理部424から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部430において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
また、本発明の第4の実施の形態では、上述の本発明の第3の実施の形態と同様に、自身が有する複数のHoA及びCoAのそれぞれが、複数のMIP制御部420のそれぞれにおいて管理される状態(複数のMIP制御部420が存在する状態)に有効である。
図18は、本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図である。図18に示すMNは、送受信部410、複数のMIP制御部420、マルチホーム制御部430、上位レイヤ440を有している。また、各MIP制御部420が、モビリティ条件通知部427を有しており、モビリティ条件判断部450は、複数のモビリティ条件通知部427のそれぞれから各HoAに係るモビリティ条件を受けて、これらのモビリティ条件を集約し、総合的に最も適したアドレスの選択を行うように構成されている。なお、この場合も、モビリティ条件判断部450が、マルチホーム制御部430で参照されるアドレス選択条件をマルチホーム制御部430から取得できるようにしてもよい。なお、モビリティ条件判断部450は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部427から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、各MIP制御部420の複数HoA情報管理部424から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNが複数のMIP制御部420によって各HoAの管理を行っている場合においても、モビリティ条件(さらには、マルチホーム制御部430において参照されるアドレス選択条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第4の実施の形態によれば、上述の本発明の第3の実施の形態における効果と同様の効果が生まれる。
上述の本発明の第1〜第4の実施の形態では、マルチホーム制御部がMIP制御部の上位に配置される場合について説明を行ったが、以下に説明する本発明の第5〜第9の実施の形態では、マルチホーム制御部がMIP制御部の下位に配置される場合について説明する。
<第5の実施の形態>
まず、本発明の第5の実施の形態について説明する。図19は、本発明の第5の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図19には、MNが実装しているMIP制御部1120及びマルチホーム制御部1130が図示されている。なお、このMIP制御部1120の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1130の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。
また、上述のように、MIP制御部1120の下位に存在するマルチホーム制御部1130は、インタフェースに割り当てられているIPアドレスを、ULIDと関連付けて管理するように構成されており、MIP制御部1120は、このULIDとの関連付けを行って、ホームアドレスを管理するように構成されている。ここでは、マルチホーム制御部1130が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1120が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。なお、マルチホーム制御部1130は、複数のULIDの管理を行うことが可能であり、さらに、1つのULIDに対して複数のアドレスを関連付けて管理することも可能である。
本発明の第5の実施の形態に係るマルチホーム制御部1130は、アドレス選択条件判断部1138を有している。このアドレス選択条件判断部1138は、アドレス選択条件(マルチホーム制御部1130においてアドレスの選択の際に参照されるマルチホームに起因する条件)を取得、参照するとともに、このアドレス選択条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。アドレス選択条件としては、例えば、通信相手との経路が最も短くなる条件、通信相手との経路のセキュリティが最も安全となる条件、通信相手から要請された通信条件、インタフェースの速度や安定性、コストに係る条件など、マルチホーム制御部1130が取得可能な様々な条件が挙げられる。
今、例えばMNの通信環境の変化やその他の要因によって、マルチホームに係るアドレス選択条件が変化したとする。この場合、本発明の第5の実施の形態に係るマルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138は、アドレス選択条件に基づいて、例えば、所定の通信相手との通信には、ULID1に関連付けられているアドレス(Addr1)よりも、ULID2に関連付けられているアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適した通信を行うことが可能であると判断した場合には、MIP制御部1120に対して、アドレスとしてULID2を使用したほうがよい旨を通知する。
MIP制御部1120は、アドレス選択条件判断部1138からの通知に応じて、ULID2を選択し、マルチホーム制御部1130に対して、使用するアドレスとしてULID2を通知する。マルチホーム制御部1130は、このULID2の通知を受けて、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。これにより、MNからは、モビリティ条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第5の実施の形態について、具体的に説明する。図20は、本発明の第5の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図20に示すMNは、送受信部1110、MIP制御部1120、マルチホーム制御部1130、上位レイヤ1140を有している。なお、図20に図示されているMIP制御部1120、アドレス選択条件判断部1138、マルチホーム制御部1130は、図19に図示されているMIP制御部1120、アドレス選択条件判断部1138、マルチホーム制御部1130に対応している。
送受信部1110は、MNが接続するネットワーク内の通信ノードや、さらに上位のネットワークに存在する任意の通信ノードとの通信を行うための機能を有している。また、上位レイヤ1140は、通常のレイヤ構成におけるIPよりも上位のレイヤ(例えば、TCP/UDPレイヤ)である。
また、MIP制御部1120は、MNの移動を管理する機能である。MIP制御部1120は、受信データパケット処理部1121、送信データパケット生成部1122、バインディング情報保持部1123、バインディング情報管理部1124を有している。
受信データパケット処理部1121は、受信したデータパケットの転送がMIPを使用して行われている場合に、そのパケットを元の形式のパケットに変換するための機能を有している。MIPを使用した場合のパケット転送には、HAによってカプセル化されている場合や、通信相手によってルーティングヘッダが挿入され、直接自分あてに送信されている場合などがある。
また、送信データパケット生成部1122は、例えば上位レイヤ1140から受けたデータをパケット化する機能を有している。なお、ここでは、送信データパケット生成部1122は、マルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138から通知されたULIDに対応するアドレスを、パケットの送信元アドレスとして使用するように選択する。なお、マルチホーム制御部1130がMIP制御部1120の下位に配置されている構成では、MIP制御部1120は、マルチホーム制御部1130からULIDの通知を受ける。したがって、通常、MIP制御部1120は、CoAではなくULIDを取り扱うことになり、送信データパケット生成部1122は、例えばパケットの送信元アドレスとして使用するULIDを選択して、下位のマルチホーム制御部1130にULIDを通知することになる。なお、送信データパケット生成部1122は、アドレス選択条件判断部1138による判断結果を、アドレス選択条件判断部1138から受動的に通知を受けるように構成されていてもよく、また、アドレス選択条件判断部1138から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
また、バインディング情報保持部1123は、自身が保持するHoAとマルチホーム制御部1130から通知されるULIDとが関連付けられたバインディング情報を保持する機能を有している。例えば、バインディング情報保持部1123には、図19に図示されているように、MN1.HoA1とULID1とのバインディング情報や、MN1.HoA2とULID2とのバインディング情報などが保持される。なお、1つのHoAに対して複数のULIDがマッピングされてもよく、逆に、1つのULIDに対して複数のHoAがマッピングされてもよい。
また、バインディング情報管理部1124は、自身が保持するアドレスの管理を行う機能を有している。さらに、バインディング情報管理部1124は、MIP制御部1120において取得可能な様々な条件(例えば、モビリティ条件)の取得及び管理を行うとともに、使用するアドレスの選択を行う機能を有している。なお、本発明の第5の実施の形態では、送信データパケット生成部1122は、マルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138から通知されたULIDに基づいてアドレスの選択を行うが、送信データパケット生成部1122がバインディング情報管理部1124からのアドレス通知を受けて、MIP制御部1120における通常のアドレス選択方法(バインディング情報管理部1124がモビリティ条件に基づいて、使用するアドレスを選択)によるアドレス選択が行われるようにすることも可能である。例えば、送信データパケット生成部1122は、マルチホーム制御部1130のアドレス選択条件判断部1138から通知されたULIDに対応するアドレスと、バインディング情報管理部1124から通知されたアドレスとを、適宜切り替えて使用することも可能である。
一方、マルチホーム制御部1130は、MNのマルチホーム状態を管理する機能である。マルチホーム制御部1130は、複数アドレス処理部1131、複数アドレス管理部1132、あて先・送信元アドレス選択部1133、アドレス選択条件判断部1138を有している。
複数アドレス処理部1131は、送受信部1110において外部から受信したパケットを取得し、そのパケットに係る処理を行った後にMIP制御部1120へ渡す機能を有している。例えば、受信パケットのあて先アドレスに設定されているCoAを、対応するULIDに変換して、MIP制御部1120に通知するなどの処理が行われる。
また、複数アドレス管理部1132は、このMNが有する複数のアドレスを管理する機能を有している。複数アドレス管理部1132では、例えば、マルチホーム状態における複数のアドレス(Addr1及びAddr2)がULIDと関連付けられて保持、管理される。また、複数アドレス管理部1132は、複数アドレス処理部1131又はあて先・送信元アドレス選択部1133からの要求に応じて、必要な情報を渡す。
また、あて先・送信元アドレス選択部1133は、MIP制御部1120の送信データパケット生成部1122から送信パケットを受信し、受信した送信パケットの送信元アドレス、及びあて先アドレスに使用するアドレスを選択する機能を有している。なお、あて先・送信元アドレス選択部1133は、送信データパケット生成部1122からULIDの通知を受け、このULIDに対応したアドレスを選択して送信元アドレスに設定する。
また、アドレス選択条件判断部1138は、マルチホーム状態の変化に伴って発生する条件や、通信相手から通知されたマルチホームに係る条件などのマルチホーム制御部1130で取得可能な様々なアドレス選択条件を複数アドレス管理部1132から取得し、これらのアドレス選択条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したアドレス(又はULID)を判断して、その判断結果をMIP制御部1120に通知する機能を有している。
以上の構成によって、MNは、マルチホーム制御部1130で取得可能なアドレス選択条件を考慮して選択されたアドレス(さらには、MIP制御部1120で取得可能なモビリティ条件を考慮して選択されたアドレス)を使用して、パケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第5の実施の形態によれば、マルチホーム制御部1130が、MNのマルチホーム状態に起因するアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MIP制御部1120が、マルチホーム制御部1130からの通知に基づくアドレスの選択を行うことが可能となり、アドレス選択条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
<第6の実施の形態>
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図21は、本発明の第6の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図21には、MNが実装しているMIP制御部1220及びマルチホーム制御部1230が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1220の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1230の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1230が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1220が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第6の実施の形態に係るマルチホーム制御部1230は、アドレス選択条件判断部1238を有している。このアドレス選択条件判断部1238は、アドレス選択条件を取得、参照するとともに、このアドレス参照条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。
本発明の第6の実施の形態に係るMIP制御部1220は、従来の技術に係るMIP制御部2020(図30を参照)と同様に、独自にアドレス選択を行い、マルチホーム制御部1230に対して選択されたアドレス(ULID)を通知する。一方、本発明の第6の実施の形態に係るマルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238は、マルチホーム制御部1230がMIP制御部1220から送信パケットを受けた場合に、マルチホーム制御部1230で取得可能なアドレス選択条件に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行う。なお、このとき、アドレス選択条件判断部1238は、MIP制御部1220からの通知を無視してアドレスの決定を行ってもよい。
例えば、MIP制御部1220が、2つのアドレス(ULID1及びULID2)のうちのAddr1に対応するULID1を選択して、マルチホーム制御部1230に対して、使用するアドレスとしてULID1を通知したとする。このとき、マルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238は、アドレス選択条件に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断した場合には、マルチホーム制御部1230では、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を送信元アドレスに設定して、パケットの送信を行う。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、マルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238が、アドレス選択条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第6の実施の形態について、具体的に説明する。図22は、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図22に示すMNは、送受信部1210、MIP制御部1220、マルチホーム制御部1230、上位レイヤ1240を有している。また、MIP制御部1220は、受信データパケット処理部1221、送信データパケット生成部1222、バインディング情報保持部1223、バインディング情報管理部1224を有しており、マルチホーム制御部1230は、複数アドレス処理部1231、複数アドレス管理部1232、あて先・送信元アドレス選択部1233、アドレス選択条件判断部1238を有している。なお、図22に図示されているMIP制御部1220、マルチホーム制御部1230、アドレス選択条件判断部1238は、図21に図示されているMIP制御部1220、マルチホーム制御部1230、アドレス選択条件判断部1238に対応している。
以下、本発明の第5の実施の形態のMN内の構成(図20に示す構成)と比較しながら、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第5の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成では、送信データパケット生成部1222、あて先・送信元アドレス選択部1233、アドレス選択条件判断部1238の機能が異なっている。
本発明の第6の実施の形態に係るMIP制御部1220は、従来のMIP制御部と同様にモビリティ条件を考慮して、使用するアドレスを独自に選択するように構成されている。したがって、送信データパケット生成部1222は、例えばバインディング情報管理部1224で選択されたアドレス(ULID)をパケットに設定し、そのパケットをマルチホーム制御部1230に渡す。
一方、マルチホーム制御部1230のアドレス選択条件判断部1238は、上述のように、マルチホーム制御部1230で取得可能なアドレス選択条件に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行う機能を有している。マルチホーム制御部1230のあて先・送信元アドレス選択部1233は、MIP制御部1220の送信データパケット生成部1233から送信パケットを受けた場合に、アドレス選択条件判断部1238に対して通信相手のアドレスなどの情報を渡す。そして、アドレス選択条件判断部1238は、アドレス選択条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果をあて先・送信元アドレス選択部1233に通知する。あて先・送信元アドレス選択部1233は、送信パケットの送信元アドレスを、アドレス選択条件判断部1238から通知されたULIDに対応するアドレスに変換した後、パケットの送信を行う。
以上の構成によって、MNは、マルチホーム制御部1230で取得可能なアドレス選択条件を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、例えば、使用するアドレスとしてMIP制御部1220から通知されたULIDに関連付けられていないアドレス(他のULIDに関連付けられているアドレス)も含めて、管理するすべてのアドレスの中から、通信に最も適したアドレスを選択して、パケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第6の実施の形態によれば、マルチホーム制御部1230が、MNのマルチホーム状態に起因するアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MIP制御部1220からの通知に依存せずにアドレスの選択を行うことが可能となり、アドレス選択条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
<第7の実施の形態>
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図23は、本発明の第7の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図23には、MNが実装しているMIP制御部1320及びマルチホーム制御部1330が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1320の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1330の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1330が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1320が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第7の実施の形態に係るMIP制御部1320は、モビリティ条件通知部1327を有している。このモビリティ条件通知部1327は、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件をマルチホーム制御部1330に通知する機能を有している。一方、本発明の第7の実施の形態に係るマルチホーム制御部1330は、アドレス選択条件判断部1338を有している。このアドレス選択条件判断部1338は、アドレス選択条件を取得、参照するとともに、さらにモビリティ条件通知部1327から通知されたモビリティ条件を参照して、これらの条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。
例えば、MIP制御部1320が、2つのアドレス(ULID1及びULID2)のうちのAddr1に対応するULID1を選択して、マルチホーム制御部1330に対して、使用するアドレスとしてULID1を通知したとする。一方、このULID1の通知とは独立して、モビリティ条件通知部1327は、マルチホーム制御部1330に対して、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件の通知を行う。マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338は、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断した場合には、アドレス選択条件判断部1338に対してULID2の使用を指示する。これにより、マルチホーム制御部1330では、ULID2に対応するアドレス(Addr2)が送信元アドレスに設定されて、パケットの送信が行われる。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338が、アドレス選択条件及びモビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第7の実施の形態について、具体的に説明する。図24は、本発明の第7の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図24に示すMNは、送受信部1310、MIP制御部1320、マルチホーム制御部1330、上位レイヤ1340を有している。また、MIP制御部1320は、受信データパケット処理部1321、送信データパケット生成部1322、バインディング情報保持部1323、バインディング情報管理部1324、モビリティ条件通知部1327を有しており、マルチホーム制御部1330は、複数アドレス処理部1331、複数アドレス管理部1332、あて先・送信元アドレス選択部1333、アドレス選択条件判断部1338を有している。なお、図24に図示されているMIP制御部1320、モビリティ条件通知部1327、マルチホーム制御部1330、アドレス選択条件判断部1338は、図23に図示されているMIP制御部1320、モビリティ条件通知部1327、マルチホーム制御部1330、アドレス選択条件判断部1338に対応している。
以下、本発明の第6の実施の形態のMN内の構成(図22に示す構成)と比較しながら、本発明の第7の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第6の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第7の実施の形態のMN内の構成では、MIP制御部1320内にモビリティ条件通知部1327が設けられている点で大きく異なっている。
本発明の第7の実施の形態では、MIP制御部1320のモビリティ条件通知部1327から、マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338に対して、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件が通知されるように構成されている。なお、この通知の態様は任意であり、例えば、定期的な通知、モビリティ条件が変化した場合のみ通知、モビリティ条件が変化した差分のみ通知、アドレス選択条件判断部1338からの要求に応じた通知などによって実現可能である。
一方、マルチホーム制御部1330のアドレス選択条件判断部1338は、マルチホーム制御部1330で取得可能なアドレス選択条件に加えて、モビリティ条件通知部1327から通知されたモビリティ条件もアドレス選択のために参照される条件の1つとして考慮する。その結果、アドレス選択条件判断部1338は、マルチホームに係るアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、送信されるパケットに使用するアドレスの決定を行うことが可能となる。アドレス選択条件判断部1338は、アドレス選択条件及びモビリティ条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果をあて先・送信元アドレス選択部1333に通知する。なお、本発明の第7の実施の形態では、送信データパケット生成部1322は、あて先・送信元アドレス選択部1333に送信パケットを渡す際に、ULIDの指定を行わないようにしてもよく、また、あて先・送信元アドレス選択部1333が、送信データパケット生成部1322から通知されたULIDを無視するように構成されてもよい。なお、アドレス選択条件判断部1338は、モビリティ条件を、モビリティ条件通知部1327から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、バインディング情報管理部1324から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、MIP制御部1320で取得可能なモビリティ条件、及びマルチホーム制御部1330で取得可能なアドレス選択条件の両方を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、MIP制御部1320から通知されたULIDに関連付けられていないアドレス(他のULIDに関連付けられているアドレス)も含めて、管理するすべてのアドレスの中から通信に最も適したアドレスを総合的な条件に基づいて選択し、このアドレスを使用してパケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第7の実施の形態によれば、マルチホーム制御部1330が、モビリティ条件及びアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MNの通信に係る総合的な条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が行われるようになる。
<第8の実施の形態>
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図25は、本発明の第8の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図25には、MNが実装しているMIP制御部1420及びマルチホーム制御部1430が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1420の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1430の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1430が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1420が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第8の実施の形態に係るマルチホーム制御部1430は、アドレス選択条件通知部1439を有している。このアドレス選択条件通知部1439は、マルチホーム制御部1430で取得可能なマルチホームに係るアドレス選択条件をMIP制御部1420に通知する機能を有している。一方、本発明の第8の実施の形態に係るMIP制御部1420は、アドレス選択条件判断部1428を有している。このアドレス選択条件判断部1428は、アドレス選択条件通知部1439から通知されたアドレス選択条件を参照するとともに、さらにMIP制御部1420で取得可能なモビリティ条件を取得、参照して、これらの条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。
MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428は、マルチホーム制御部1430のアドレス選択条件通知部1439から通知されるアドレス選択条件を取得するとともに、モビリティ条件も取得して、これらのアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に基づくアドレス選択を行う。そして、MIP制御部1420が、使用するアドレスとして2つのアドレス(ULID1及びULID2)うちのいずれかを送信パケットに設定する際には、アドレス選択条件判断部1428が、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断し、送信データパケット生成部1422に対してULID2の設定を指示する。この結果、MIP制御部1420からマルチホーム制御部1430に対して、ULID2に対応するアドレス(Addr2)が送信元アドレスに設定されたパケットが渡される。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428が、アドレス選択条件及びモビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
次に、本発明の第8の実施の形態について、具体的に説明する。図26は、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図26に示すMNは、送受信部1410、MIP制御部1420、マルチホーム制御部1430、上位レイヤ1440を有している。また、MIP制御部1420は、受信データパケット処理部1421、送信データパケット生成部1422、バインディング情報保持部1423、バインディング情報管理部1424、アドレス選択条件判断部1428を有しており、マルチホーム制御部1430は、複数アドレス処理部1431、複数アドレス管理部1432、あて先・送信元アドレス選択部1433、アドレス選択条件通知部1439を有している。なお、図26に図示されているMIP制御部1420、アドレス選択条件判断部1428、マルチホーム制御部1430、アドレス選択条件通知部1439は、図25に図示されているMIP制御部1420、アドレス選択条件判断部1428、マルチホーム制御部1430、アドレス選択条件通知部1439に対応している。
以下、本発明の第5の実施の形態のMN内の構成(図20に示す構成)と比較しながら、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第5の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成では、マルチホーム制御部1430内に、アドレス選択条件判断部1138の代わりにアドレス選択条件通知部1439が設けられており、MIP制御部1420内に、アドレス選択条件判断部1428が設けられている点で大きく異なっている。
本発明の第8の実施の形態では、マルチホーム制御部1430のアドレス選択条件通知部1439から、MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428に対して、マルチホーム制御部1430で取得可能なアドレス選択条件が通知されるように構成されている。なお、上述の本発明の第7の実施の形態のモビリティ条件通知部1327と同様に、アドレス選択条件通知部1439による通知の態様は任意である。
一方、MIP制御部1420のアドレス選択条件判断部1428は、MIP制御部1430で取得可能なモビリティ条件に加えて、アドレス選択条件通知部1439から通知されたアドレス選択条件もアドレス選択のために参照される条件の1つとして考慮する。その結果、アドレス選択条件判断部1428は、マルチホームに係るアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、送信パケットに使用するULIDの決定を行うことが可能となる。アドレス選択条件判断部1428は、アドレス選択条件及びモビリティ条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果を送信データパケット生成部1422に通知する。送信データパケット生成部1422は、下位のマルチホーム制御部1430に渡す送信パケットにおいて使用されるアドレスに、アドレス選択条件判断部1428から通知されたULIDを設定する。なお、アドレス選択条件判断部1428は、アドレス選択条件を、アドレス選択条件通知部1439から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数アドレス管理部1432から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
以上の構成によって、MNは、MIP制御部1420で取得可能なモビリティ条件、及びマルチホーム制御部1430で取得可能なアドレス選択条件の両方を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、例えば、MIP制御部1420で保持されているバインディング情報内のULIDの中から、通信に最も適したULIDを総合的な条件に基づいて選択し、このULIDに対応するアドレスを使用してパケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第8の実施の形態によれば、MIP制御部1430が、モビリティ条件及びアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MNの通信に係る総合的な条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が行われるようになる。
<第9の実施の形態>
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図27は、本発明の第9の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図である。
図27には、MNが実装しているMIP制御部1520及びマルチホーム制御部1530が図示されている。なお、図19と同様に、このMIP制御部1520の存在は、MNが移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示しており、また、マルチホーム制御部1530の存在は、MNがマルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示している。また、図19と同様に、マルチホーム制御部1530が、Addr1(=MN1.CoA1)とULID1との対応関係、及びAddr2(=MN1.CoA2)とULID2との対応関係を保持し、MIP制御部1520が、MN1.HoA1とULID1との対応関係、及びMN1.HoA2とULID2との対応関係を保持しているものとする。
本発明の第9の実施の形態に係るマルチホーム制御部1530は、アドレス選択条件通知部1539を有している。このアドレス選択条件通知部1539は、マルチホーム制御部1530で取得可能なマルチホームに係るアドレス選択条件をアドレス選択条件判断部1550に通知する機能を有している。一方、アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件通知部1539から通知されたアドレス選択条件を参照するとともに、さらにMIP制御部1520からモビリティ条件を取得、参照して、これらの条件に基づき、MN及び/又は通信相手の現在の接続状況において最も適したULID(あるいは、ULIDに対応するアドレス)を判断する機能を有している。なお、アドレス選択条件判断部1550は、MIP制御部1520及びマルチホーム制御部1530とは独立して存在している。
アドレス選択条件判断部1550は、マルチホーム制御部1530のアドレス選択条件通知部1539から通知されるアドレス選択条件を取得するとともに、MIP制御部1520からモビリティ条件を取得して、これらのアドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に基づくアドレス選択を行う。そして、MIP制御部1520が、使用するアドレスとして2つのアドレス(ULID1及びULID2)うちのいずれかを送信パケットに設定する際には、アドレス選択条件判断部1550が、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、例えば、ULID1に対応するアドレス(Addr1)を使用するよりも、ULID2に対応するアドレス(Addr2)を使用したほうが、より適切な通信を行うことが可能であると判断し、MIP制御部1520に対してULID2の設定を指示する。この結果、MIP制御部1520において、ULID2に対応するアドレス(Addr2)が送信元アドレスに設定されたパケットが生成されて、マルチホーム制御部1530に渡される。また、あて先アドレスの設定に関しても送信元アドレスと同様に、アドレス選択条件判断部1550が、アドレス選択条件及びモビリティ条件を考慮してあて先アドレスを決定し、そのアドレスを設定してパケットの送信を行う。これにより、MNからは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が反映されたアドレス設定が行われたパケットが送信されるようになる。
なお、アドレス選択条件判断部1550は、マルチホーム制御部1530のアドレス選択条件通知部1539から通知されるアドレス選択条件のみに基づいて、アドレス選択条件が考慮された判断結果(ULID)をMIP制御部1520に通知し、MIP制御部1520において、アドレス選択条件判断部1550から通知されたULIDをそのまま採用するか、あるいは、さらにモビリティ条件を考慮してULIDを決定することも可能である。
次に、本発明の第9の実施の形態について、具体的に説明する。図28は、本発明の第9の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図である。図28に示すMNは、送受信部1510、MIP制御部1520、マルチホーム制御部1530、上位レイヤ1540、アドレス選択条件判断部1550を有している。また、MIP制御部1520は、受信データパケット処理部1521、送信データパケット生成部1522、バインディング情報保持部1523、バインディング情報管理部1524を有しており、マルチホーム制御部1530は、複数アドレス処理部1531、複数アドレス管理部1532、あて先・送信元アドレス選択部1533、アドレス選択条件通知部1539を有している。なお、図28に図示されているMIP制御部1520、マルチホーム制御部1530、アドレス選択条件通知部1539、アドレス選択条件判断部1550は、図27に図示されているMIP制御部1520、マルチホーム制御部1530、アドレス選択条件通知部1539、アドレス選択条件判断部1550に対応している。
以下、本発明の第8の実施の形態のMN内の構成(図26に示す構成)と比較しながら、本発明の第9の実施の形態のMN内の構成について説明する。
本発明の第8の実施の形態のMN内の構成と比較した場合、本発明の第9の実施の形態のMNは、アドレス選択条件判断部1550がMIP制御部1520及びマルチホーム制御部1530とは独立して設けられている点で異なっている。
本発明の第9の実施の形態では、マルチホーム制御部1530のアドレス選択条件通知部1539からアドレス選択条件判断部1550に対して、マルチホーム制御部1530で取得可能なアドレス選択条件が通知されるように構成されている。なお、上述の本発明の第7の実施の形態のモビリティ条件通知部1327と同様に、アドレス選択条件通知部1539による通知の態様は任意である。
一方、アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件通知部1539から通知されたアドレス選択条件に鑑みて、送信パケットに使用するULIDの決定を行うことが可能である。アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件に基づいて、このパケットに係る通信において最も適したULID(あるいはULIDに対応するアドレス)を判断して、その判断結果をMIP制御部1520の送信データパケット生成部1522に通知する。送信データパケット生成部1522は、下位のマルチホーム制御部1530に渡す送信パケットにおいて使用されるアドレスに、アドレス選択条件判断部1550から通知されたULIDを設定する。なお、アドレス選択条件判断部1550は、アドレス選択条件を、アドレス選択条件判断部1539から受動的に受けるように構成されていてもよく、また、複数アドレス管理部1532から能動的に参照及び取得できるように構成されていてもよい。
また、アドレス選択条件判断部1550は、MIP制御部1520のバインディング情報管理部1524からモビリティ条件を取得して、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方に鑑みて、送信パケットに使用するULIDの決定を行うことも可能である。この場合には、アドレス選択条件判断部1550からMIP制御部1520に対して通知されるULIDは、アドレス選択条件及びモビリティ条件の両方が考慮された総合的な条件に基づいて決定されたものとなる。
以上の構成によって、MNは、マルチホーム制御部1530で取得可能なアドレス選択条件(さらには、MIP制御部1520で取得可能なモビリティ条件)を考慮したアドレスの選択を行うことが可能となり、例えば、MIP制御部1520で保持されているバインディング情報内のULIDの中から、通信に最も適したULIDを総合的な条件に基づいて選択し、このULIDに対応するアドレスを使用してパケットの送信を行うことが可能となる。
以上、説明したように、本発明の第9の実施の形態によれば、アドレス選択条件判断部1550が、モビリティ条件及びアドレス選択条件を考慮して、使用するアドレスの選択を行うことにより、MIP制御部1520が、アドレス選択条件判断部1550からの通知に基づくアドレスの選択を行うことが可能となり、アドレス選択条件が考慮されたアドレスの選択及び使用が可能となる。
なお、本発明の第1〜第4の実施の形態において共通する構成要素として、MNは、マルチホームを実現するプロトコルを実装していることを示す存在であるマルチホーム制御部と、移動管理を実現するMIPなどのプロトコルを実装していることを示す存在であるモビリティ制御部を有しており、それぞれの制御部は、異なる機能を持った別々の制御部として扱われている。モビリティ制御部は、MNの移動透過性を実現する機能であり、これはMNのみに必要な機能である。一方、マルチホーム制御部は、ノードのマルチホーム状態から生じる複数のアドレスを管理する機能であり、MNのみならず、固定ノードがサイトマルチホームによってマルチホーム状態にある場合などでも利用される機能である。
このように、マルチホーム状態は、MN、固定ノードに関係なく起こり得る状態であるが、MNの場合は、図1で想定したように、マルチホーム制御部が管理する複数のアドレスが、MIPにおけるHoAであるという場合が容易に起こり得る。このような場合を考えると、複数のHoAによるマルチホーム状態は、MIPの動作、及び構成と強い関係があると言える。この複数のHoAによるマルチホーム(以降、MIPマルチホーム)は、上記マルチホーム制御部が扱うマルチホーム状態の一形態であると言えるため、このMIPマルチホームを扱う機能を上記のマルチホーム制御部とは別の制御部(MIPマルチホーム制御部)として実現することも可能である。したがって、この場合、本発明の第1〜第4の実施の形態において説明したマルチホーム制御部が保持する機能をMIPマルチホーム制御部に持たせることで、上記の各実施の形態と同様の効果を得ることが可能である。さらには、本発明の第5〜第9の実施の形態において述べたような、MIP制御部の下位で起こるマルチホームの場合であっても、これらの状態を扱う機能を、下位のマルチホームを扱うMIPマルチホーム制御部として実現することも可能である。また、モビリティだけに注目した場合、MIPマルチホーム以外のマルチホームを扱うマルチホーム制御部の存在は無視できるものであり、MIPマルチホーム以外のマルチホームが存在しない場合には、MIPマルチホーム単独でも動作する。したがって、本発明の第1〜第9の実施の形態で述べた機能を持つMIPマルチホーム制御部とMIP制御部の2つの制御部の機能を用いて、本発明におけるマルチホームの問題を解決することが可能である。
また、上述の本発明の各実施の形態に開示されている技術内容は、本発明の一態様を表現したものに過ぎず、本発明は、上述の各実施の形態に開示されている技術内容から理解、類推される範囲を有している。また、上述の本発明の各実施の形態において用いられている用語が示す意味や用語の定義、上述の本発明の各実施の形態で開示されている概念などは、その実施の形態に限定されることなく、他の実施の形態に適用可能である。
なお、上記の本発明の各実施の形態の説明で用いた各機能ブロックは、典型的には集積回路であるLSI(Large Scale Integration)として実現される。これらは個別に1チップ化されてもよいし、一部又はすべてを含むように1チップ化されてもよい。なお、ここでは、LSIとしたが、集積度の違いにより、IC(Integrated Circuit)、システムLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIと呼称されることもある。
また、集積回路化の手法はLSIに限るものではなく、専用回路又は汎用プロセッサで実現してもよい。LSI製造後に、プログラムすることが可能なFPGA(Field Programmable Gate Array)や、LSI内部の回路セルの接続や設定を再構成可能なリコンフィギュラブル・プロセッサを利用してもよい。
さらには、半導体技術の進歩又は派生する別技術によりLSIに置き換わる集積回路化の技術が登場すれば、当然、その技術を用いて機能ブロックの集積化を行ってもよい。例えば、バイオ技術の適応などが可能性としてあり得る。
本発明は、通信ノードが、移動の管理を行う機能及びマルチホームの機能の両方を有している場合に、マルチホーム状態における複数のアドレスの中から適切なアドレスの選択が行われるようにすることが可能になるという効果を有しており、IPを用いた通信に係る技術や、マルチホーム機能及びモバイル機能の両方を実現するための技術に適用可能である。
本発明において前提とされるマルチホーム状態について説明するための図 本発明の第1の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第1の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明に係るネットワーク構成の一例を示す図 本発明に係るバインディングアップデートメッセージに付加されるユニークIDオプションの一例を示す図 本発明に係るバインディングアップデートメッセージに付加されるCoAオプションの第1の例を示す図 本発明に係るバインディングアップデートメッセージに付加されるCoAオプションの第2の例を示す図 本発明に係るMNにおいて、1つのHoA(HoAx)に複数のCoA(CoAα、CoAβ)が関連付けられている状態を模式的に示す図 本発明に係るバインディングアップデート(1つのHoAに複数のCoAが関連付けられている場合に送信されるバインディングアップデートメッセージ)の一例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第1の例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第2の例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第3の例を示す図 本発明に係るバインディングキャッシュの第4の例を示す図 本発明の第1の実施の形態におけるHAの構成の一例を示すブロック図 本発明に係るMNによって送信されるカプセル化されたパケットの一例を示す図 本発明の第2の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第2の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第3の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図 本発明の第3の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図 本発明の第4の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第1の例を示すブロック図 本発明の第4の実施の形態のMN内の構成の第2の例を示すブロック図 本発明の第5の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第5の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第6の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第6の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第7の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第7の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第8の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第8の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 本発明の第9の実施の形態の概要を説明するためのMN内の構成の模式図 本発明の第9の実施の形態のMN内の構成の一例を示すブロック図 従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第1の例を示す模式図 従来の技術に係る課題を説明するためのMN内の構成の第2の例を示す模式図

Claims (35)

  1. 異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より下位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードであって、
    前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するモビリティ条件判断手段と、
    前記モビリティ条件判断手段による判断結果に基づいて前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う送信データパケット生成手段とを、
    有する通信ノード。
  2. 前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記モビリティ条件判断手段が前記マルチホーム制御手段に対して前記判断結果を通知することにより、前記マルチホーム制御手段が前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている請求項1に記載の通信ノード。
  3. 前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記モビリティ条件判断手段が、前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を無視して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている請求項1に記載の通信ノード。
  4. 前記移動管理手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記マルチホーム制御手段が前記モビリティ条件判断手段に対して、前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を通知し、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記アドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている請求項1に記載の通信ノード。
  5. 前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を取得して前記モビリティ条件判断手段に通知するモビリティ条件通知手段を有するとともに、前記マルチホーム制御手段が前記モビリティ条件判断手段を有しており、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件判断手段による前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている請求項1に記載の通信ノード。
  6. 前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件に加えて、さらに前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている請求項5に記載の通信ノード。
  7. 前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を取得して前記モビリティ条件判断手段に通知するモビリティ条件通知手段を有するとともに、前記マルチホーム制御手段及び前記移動管理手段とは独立して前記モビリティ条件判断手段が設けられており、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件判断手段から通知される前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている請求項1に記載の通信ノード。
  8. 前記移動管理手段が、
    前記複数のアドレスのそれぞれをホームアドレスとして、前記複数のホームアドレス及び前記複数のホームアドレスに対応した気付アドレスの関連情報を保持する複数ホームアドレス情報保持手段と、
    他の通信ノードに対して、複数の前記関連情報のそれぞれを有するとともに、前記通信ノードを識別するための識別情報が付加された複数のメッセージを生成して送信するメッセージ生成手段とを、
    有する請求項1に記載の通信ノード。
  9. 前記メッセージ生成手段が、前記関連情報に加えて、前記関連情報に含まれるアドレスの使用優先度を含む前記メッセージを生成して送信するように構成されている請求項8に記載の通信ノード。
  10. 前記移動管理手段が、
    他の通信ノードから、前記他の通信ノードが有するホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した気付アドレスの関連情報を有するとともに、前記他の通信ノードを識別するための識別情報が付加されたメッセージを受信するメッセージ受信手段と、
    前記メッセージ受信手段で受信した前記関連情報及び前記識別情報を関連付けて格納するバインディングキャッシュ保持手段とを、
    有する請求項1に記載の通信ノード。
  11. 前記メッセージ受信手段が、前記関連情報に加えて、前記関連情報に含まれるアドレスの使用優先度が含まれている前記メッセージを受信し、前記バインディングキャッシュ保持手段が、前記関連情報及び前記識別情報に加えて、アドレスの使用優先度を関連付けて格納するように構成されている請求項10に記載の通信ノード。
  12. 前記モビリティ条件判断手段によって考慮される前記モビリティ条件を、前記バインディングキャッシュ保持手段によって保持されている情報から取得可能な条件として利用するように構成されている請求項10に記載の通信ノード。
  13. 前記移動管理手段が、
    前記複数のアドレスのうちの1つをホームアドレスとして、前記ホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を保持するアドレス情報保持手段と、
    他の通信ノードに対して、前記関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを生成して送信するメッセージ送信手段とを、
    有する請求項1に記載の通信ノード。
  14. 前記移動管理手段が、
    他の通信ノードから、前記他の通信ノードのホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
    前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記気付アドレス選択情報に基づいて前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスに前記選択された気付アドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
    有する請求項1に記載の通信ノード。
  15. 前記移動管理手段が、
    他の通信ノードから、前記他の通信ノードの複数のアドレスを有する第1メッセージと、前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
    前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記アドレス選択情報に基づいて前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべきパケットのあて先アドレスに前記選択されたアドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
    有する請求項1に記載の通信ノード。
  16. 異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より上位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードであって、
    前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、通信相手との通信に適したアドレスを判断するアドレス選択条件判断手段と、
    前記アドレス選択条件判断手段による判断結果に基づいて前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う送信データパケット生成手段とを、
    有する通信ノード。
  17. 前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記アドレス選択条件判断手段が前記移動管理手段に対して前記判断結果を通知することにより、前記移動管理手段が前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている請求項16に記載の通信ノード。
  18. 前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記アドレス選択条件判断手段が、前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を無視して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている請求項16に記載の通信ノード。
  19. 前記マルチホーム制御手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記移動管理手段が前記アドレス選択条件判断手段に対して、前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を通知し、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記モビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている請求項16に記載の通信ノード。
  20. 前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を取得して前記アドレス選択条件判断手段に通知するアドレス選択条件通知手段を有するとともに、前記移動管理手段が前記アドレス選択条件判断手段を有しており、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件判断手段による前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている請求項16に記載の通信ノード。
  21. 前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスを判断するように構成されている請求項20に記載の通信ノード。
  22. 前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を取得して前記アドレス選択条件判断手段に通知するアドレス選択条件通知手段を有するとともに、前記移動管理手段及び前記マルチホーム制御手段とは独立して前記アドレス選択条件判断手段が設けられており、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件判断手段から通知される前記判断結果に基づいて、前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行うように構成されている請求項16に記載の通信ノード。
  23. 1つのホームアドレスに対応して複数の気付アドレスを取得することが可能な通信ノードであって、
    前記ホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を保持するアドレス情報保持手段と、
    他の通信ノードに対して、前記関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを生成して送信するメッセージ送信手段とを、
    有する通信ノード。
  24. パケットの送信又は転送を行う通信ノードであって、
    他の通信ノードから、前記他の通信ノードのホームアドレス及び前記ホームアドレスに対応した複数の気付アドレスの関連情報を有する第1メッセージと、前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用される気付アドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
    前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記気付アドレス選択情報に基づいて前記複数の気付アドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべき前記パケットのあて先アドレスに前記選択された気付アドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
    有する通信ノード。
  25. パケットの送信を行う通信ノードであって、
    他の通信ノードから、前記他の通信ノードの複数のアドレスを有する第1メッセージと、前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択する際の条件として使用されるアドレス選択情報を含む第2メッセージとを受信するメッセージ受信手段と、
    前記メッセージ受信手段が受信した第2メッセージに含まれる前記アドレス選択情報に基づいて前記複数のアドレスの中からいずれか1つを選択し、前記他の通信ノードに到達させるべき前記パケットのあて先アドレスに前記選択されたアドレスを設定するあて先アドレス設定手段とを、
    有する通信ノード。
  26. 異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より下位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードにおける通信制御方法であって、
    前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う通信制御方法。
  27. 前記移動管理手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う請求項26に記載の通信制御方法。
  28. 前記移動管理手段が、前記マルチホーム制御手段に対して前記モビリティ条件を通知し、前記マルチホーム制御手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う請求項26に記載の通信制御方法。
  29. 前記移動管理手段が、前記マルチホーム制御手段及び前記移動管理手段とは独立して設けられているモビリティ条件判断手段に対して前記モビリティ条件を通知し、前記モビリティ条件判断手段が、前記モビリティ条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う請求項26に記載の通信制御方法。
  30. 前記モビリティ条件に加えて、さらに前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件が考慮される請求項26に記載の通信制御方法。
  31. 異なるネットワークに由来する複数のアドレスを有するマルチホームの管理を行うマルチホーム制御手段と、前記マルチホーム制御手段より上位レイヤに配置されており、移動の管理を行う移動管理手段とを有する通信ノードにおける通信制御方法であって、
    前記マルチホーム制御手段が取得可能なマルチホーム状態に係るアドレス選択条件を考慮して、前記通信相手との通信に適したアドレスが設定されたパケットの生成を行う通信制御方法。
  32. 前記マルチホーム制御手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う請求項31に記載の通信制御方法。
  33. 前記マルチホーム制御手段が、前記移動管理手段に対して前記アドレス選択条件を通知し、前記移動管理手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記複数のアドレスの中から前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う請求項31に記載の通信制御方法。
  34. 前記マルチホーム制御手段が、前記移動管理手段及び前記マルチホーム制御手段とは独立して設けられているアドレス選択条件判断手段に対して前記アドレス選択条件を通知し、前記アドレス選択条件判断手段が、前記アドレス選択条件を考慮して前記通信相手との通信に適したアドレスの選択を行う請求項31に記載の通信制御方法。
  35. 前記アドレス選択条件に加えて、さらに前記移動管理手段が取得可能な自身又は通信相手の移動により発生したモビリティ条件が考慮される請求項31に記載の通信制御方法。
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