JPWO2007097323A1 - 感染症起因菌の迅速同定方法 - Google Patents

感染症起因菌の迅速同定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】感染症起因菌、とりわけ敗血症の起因菌を迅速に検出・同定し、適切な抗菌薬を選択するシステムを提供すること。【解決手段】本発明は、リアルタイムPCRなどの遺伝子増幅を行い、遺伝子増幅産物の融解曲線分析により求めた融解温度(Tm値)の組合せ、或いは各Tm値間の差の組合せを解析することにより起因菌の検出・同定を迅速に行う方法である。具体的には細菌の16SリボソームRNAに1〜7つ、真菌の18SリボソームRNAに1〜6つ、MRSA特異的なspa遺伝子およびmecA遺伝子に各1つ、計4〜16つのプライマーセットを使用してリアルタイムPCRを行い、その増幅物のTm値の組合せ、或いは各Tm値間の差の組合せをデータベースと照合し、敗血症起因菌の同定を行う。本発明の方法により、感染症起因菌、とりわけ敗血症の起因菌を迅速に検出・同定することができ、敗血症の迅速診断法と敗血症治療におけるEvidence−based Medicineが可能となる。

Description

本発明は、感染症、特に敗血症の早期治療実現のため、起因菌を迅速に検出・同定する方法に関する。
敗血症は重篤な全身感染症で、確定診断には血液中の起因微生物の検出・同定が必須である。
近年、癌治療や臓器移植など医療の高度化に伴い、敗血症発症のリスクの高い重症患者が増えている。
また、院内感染の観点からメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)をはじめとする多剤耐性菌が敗血症の起因菌となることも多く、適切な抗菌薬を選択し患者を救命するためには、血液中の起因菌を可能な限り迅速に検出・同定することが臨床上重要である。
しかし現在の細菌学的検出法では、血液培養ボトルの提出から細菌の同定までに少なくとも18時間はかかるため、結果が判明するまでの間は経験に基づく治療(empiric therapy)を施行せざるを得なく、盲目的に抗菌薬の選択を余儀なくされていることが臨床的現状である。
その結果、広域スペクトルの抗菌薬使用による多剤耐性菌の出現や、不適切な抗菌薬選択により敗血症患者を救命できない事態が生じている。
一方、敗血症起因菌DNAの痕跡をPCR(polymerase chain reaction)により増幅し、増幅された起因菌DNAを、経験的に想定した菌に標的を定めた菌種固有のヌクレオチドプローブとハイブリッド形成させ、起因菌を検出・同定する試みがなされた(特許文献1)。
さらに、検出・同定の迅速性を求めて、リアルタイムPCRによる技術が開発されている(非特許文献1)。
特開平6−90799号公報 生物試料分析,Vol.28,No5.(2005),400−404
非特許文献1の敗血症検査法は、ハイブリダイゼーションプローブを用いたリアルタイムPCRを基本原理としている。
しかし、該方法では、菌種それぞれに特異的なハイブリダイゼーションプローブを作製する必要があり、数多くの起因菌を同定するためには際限なくハイブリダイゼーションプローブを用意しなければならない。
つまり、検出する菌種の数は用意するプローブの数に依存するため、広範な菌種の同定は現実的に不可能である。
本発明者らは、最近接塩基法の「融解温度(melting temperature:Tm値)は塩基配列で決まる」という理論的根拠を元に、菌種毎のTm値の違いを起因菌同定に応用することについて鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、微生物のDNAを抽出し、これを鋳型として、特定のプライマーセットを使用してPCRなどで遺伝子増幅を行い、次いで、微生物に特異的な融解温度(Tm値)の組合せ、或いは各Tm値間の差を解析することにより起因菌の検出・同定を迅速に行う方法である。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)細菌の16SrRNAは、ほぼ全ての細菌に共通の塩基配列領域(20〜40塩基)を7〜8ヶ所もつことが知られている。
その全て或いは一部の箇所にフォワードとリバースのプライマーをそれぞれ設定することにより、1〜7つの遺伝子増幅領域を作製する。
(2)遺伝子増幅領域は、約150〜200塩基であり、プライマーを設定した共通保存領域以外は、それぞれの細菌に固有の塩基配列を持つ。
従って、Tm値も塩基配列の違いを反映して固有の値を示し、細菌毎に1〜7種類の特徴的なTm値を持つことが推定される。
それ故、細菌の種類に応じた1〜7つのTm値を調べ、データベース化する。
このデータベースを利用して未知の細菌を同定することができる。
(3)さらに、真菌に固有のプライマーを1〜6つ、MRSA同定の為のspa、mecAのプライマーを併用することで、未知の起因菌に対し、細菌感染とその種類(MRSA含む)、或いは真菌感染とその種類を同定出来る。
(4)非特異的な遺伝子産物が生じ、目的のTm値に近い値を示す場合、擬陽性のリスクが生じる。
そのような場合、遺伝子増幅後の増幅産物をアガロース・ゲルに流してバンドの大きさを確認することで、結果を二重にチェックすることが出来る。
すなわち、従来の遺伝子増幅による検出法で二重チェックするシステムを採用することで検査精度の向上が図れる。
(5)遺伝子増幅方法としてリアルタイムPCRを採用した場合、その定量性を利用して、菌量を治療前後で相対定量することで、治療効果のモニタリングの向上を図ることが出来る。
(6)リアルタイムPCR機器には、ヒートブロックで温度制御するブロック型と、空気を介して温度制御するエアバス型の2種類あるが、試行回毎にヒートブロック型で±0.1〜0.3℃(メーカーで異なる)、エアバス型で±0.4のTm値測定誤差が生じる(同じ試行回ではサンプル間誤差は±0.2℃程)。
この測定誤差で菌種同定が妨げられないように、同じ試行回の各Tm値間の差異パターンを判定に利用する方法を採用することが好ましい。
本発明に使用されるプライマー以下のとおりである。
<組み合わせグループ1>
全ての細菌の16SrRNA遺伝子に共通な配列部位から5カ所を選び、フォワードプライマーとリバースプライマーを設定する。
具体的には以下のプライマーの塩基配列の全部または一部を含むプライマー、(B1)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子(配列番号1)の809番目から905番目に相当する97塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 1:Bac.1)。
配列番号2.GATTAGATACCCTGGTAGTCCACG (24mer)フォワード
配列番号3.CCCGTCAATTCCTTTGAGTTT (21mer) リバース
(B2)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の927番目から1092番目に相当する166塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 2:Bac.2)。
配列番号4.AAACTCAAAGGAATTGACGGG (21mer)フォワード
配列番号5.CGCTCGTTGCGGGAC (15mer) リバース
(B3)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の1108番目から1218番目に相当する111塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 3:Bac.3)。
配列番号6.GTCCCGCAACGAGCG (15mer)フォワード
配列番号7.ATTGTAGCACGTGTGTAGCCC (21mer) リバース
(B4)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の1240番目から1369番目に相当する130塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 4:Bac.4)。
配列番号8.GGGCTACACACGTGCTACAAT (21mer)フォワード
配列番号9.CCGGGAACGTATTCACC (17mer) リバース
全ての真菌の18SrRNA遺伝子に共通な配列部位を選び1組の由来するフォワードプライマーとリバースプライマーを設定する。
具体的には以下のプライマーの塩基配列の全部または一部を含むプライマー、
(F1)真菌の18SrRNA遺伝子のプライマーセット(fungi primer:Fungi)
配列番号10.GAATGAGTACAATGTAAATACCTTAACG (28mer) フォワード
配列番号11.TAACTGCAACAACTTTAATATACGC (25mer) リバース
MRSAのSpa遺伝子およびmecA遺伝子のプライマーは、LightCycler Probe Design 2 ソフトウェアを用い、最もスコアが高いプライマーデザインを選定する。
具体的には、
(M1)MRSAのSpa遺伝子のプライマーセット(spa primer:spa)。
配列番号12.TGAACGAAGAACAACGCAAT (20mer)フォワード
配列番号13.TTTGCTCACTGAAGGATCGTC (21mer) リバース
(M2)MRSAのmecA遺伝子のプライマーセット(mecA primer:mecA)
配列番号14.ATTATAAAGCAATCGCTAAAGAACTAAGTA (30mer) フォワード
配列番号15.CCAATAACTGCATCATCTTTATAGCC (26mer) リバース
<組み合わせグループ2>
全ての細菌の16SrRNA遺伝子に共通な配列部位から10カ所を選び、フォワードプライマーとリバースプライマーを設定する。
具体的には以下のプライマーの塩基配列の全部または一部を含むプライマー、
(B5)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の8番目から345番目に相当する338塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 5:Bac.5)。
配列番号17.AGAGTTTGATCATGGCTCAG (20mer)フォワード
配列番号18.CGTAGGAGTCTGGACCGT (18mer) リバース
(B6)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の336番目から534番目に相当する199塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 6:Bac.6)。
配列番号19.GACTCCTACGGGAGGCA (17mer)フォワード
配列番号20.TATTACCGCGGCTGCTG (17mer) リバース
(B7)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の519番目から805番目に相当する287塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 7:Bac.7)。
配列番号21.AGCAGCCGCGGTAATA (16mer)フォワード
配列番号22.GGACTACCAGGGTATCTAATCCT (23mer) リバース
(B8)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の780番目から960番目に相当する181塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 8:Bac.8)。
配列番号23.AACAGGATTAGATACCCTGGTAG (23mer)フォワード
配列番号24.AATTAAACCACATGCTCCACC (21mer) リバース
(B9)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の951番目から1070番目に相当する120塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 9:Bac.9)。
配列番号25.TGGTTTAATTCGATGCAACGC (21mer)フォワード
配列番号26.GAGCTGACGACAGCCAT (17mer) リバース
(B10)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の1084番目から1192番目に相当する109塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 10:Bac.10)。
配列番号27.TTGGGTTAAGTCCCGC (16mer)フォワード
配列番号28.CGTCATCCCCACCTTC (16mer) リバース
(B11)大腸菌(E. coli)の16SrRNA遺伝子の1220番目から1385番目に相当する166塩基のDNAを増幅するプライマーセット(bacteria primer 11:Bac.11)。
配列番号29.GGCTACACACGTGCTACAAT (20mer)フォワード
配列番号30.CCGGGAACGTATTCACC (17mer) リバース
真菌の18SrRNA遺伝子に共通な配列部位から7ヶ所を選び、フォワードプライマーとリバースプライマーを設定する。
具体的には以下のプライマーの塩基配列の全部または一部を含むプライマー、
(F2)カンジダ菌(C. Albicans)の18SrRNA遺伝子(配列番号16)の149番目から407番目に相当する259塩基のDNAを増幅するプライマーセット(fungi primer 2:Fungi 2)
配列番号31.GTGGTAATTCTAGAGCTAATACATGC (26mer) フォワード
配列番号32.GGTAGCCGTTTCTCAGG (17mer) リバース
(F3)カンジダ菌(C. Albicans)の18SrRNA遺伝子の390番目から551番目に相当する162塩基のDNAを増幅するプライマーセット(fungi primer 3:Fungi 3)
配列番号33.GCCTGAGAAACGGCTACCA (19mer) フォワード
配列番号34.CCTCCAATTGTTCCTCGTTAAG (22mer) リバース
(F4)カンジダ菌(C. Albicans)の18SrRNA遺伝子の531番目から762番目に相当する232塩基のDNAを増幅するプライマーセット(fungi primer 4:Fungi 4)
配列番号35.TTAACGAGGAACAATTGGAGGG (22mer) フォワード
配列番号36.GCCTGCTTTGAACACTCTAATTT (23mer) リバース
(F5)カンジダ菌(C. Albicans)の18SrRNA遺伝子の989番目から1134番目に相当する146塩基のDNAを増幅するプライマーセット(fungi primer 5:Fungi 5)
配列番号37.ATACCGTCGTAGTCTTAACCA (21mer) フォワード
配列番号38.GTCAATTCCTTTAAGTTTCAGCCT (24mer) リバース
(F6)カンジダ菌(C. Albicans)の18SrRNA遺伝子の1260番目から1428番目に相当する169塩基のDNAを増幅するプライマーセット(fungi primer 6:Fungi 6)
配列番号39.CATGGCCGTTCTTAGTTGG (19mer) フォワード
配列番号40.GGGCATCACAGACCTGTT (18mer) リバース
(F7)カンジダ菌(C. Albicans)の18SrRNA遺伝子の1414番目から1630番目に相当する217塩基のDNAを増幅するプライマーセット(fungi primer 7:Fungi 7)
配列番号41.AGGTCTGTGATGCCCTTAG (19mer) フォワード
配列番号42.CGGGCGGTGTGTACAAA (17mer) リバース
MRSAのSpa遺伝子およびmecA遺伝子のプライマーは、LightCycler Probe Design 2 ソフトウェアを用い、最もスコアが高いプライマーデザインを選定する。
具体的には、
(M3)MRSAのSpa遺伝子のプライマーセット(spa primer 2:spa2)。
配列番号43.TAAACGATGCTCAAGCACCAA (21mer)フォワード
配列番号44.GGTTTAACGACATGTACTCCG (21mer) リバース
(M4)MRSAのmecA遺伝子のプライマーセット(mecA primer 2:mecA2)
配列番号45.CAAACTACGGTAACATTGATCGC (23mer) フォワード
配列番号46.ATGTATGCTTTGGTCTTTCTGC (22mer) リバース
本発明の遺伝子増幅の方法として、PCR法が好ましく、さらにリアルタイムPCR法が好ましい。
本発明に使用されるリアルタイムPCRは、二本鎖DNAに結合することで蛍光を発する試薬(インターカレーター)をPCR反応系に加えるインターカレーター法である。
インターカレーターとして、エジチジウムブロマイド、サイバー・グリーンI(SYBR Green I)などが挙げられる。
好ましいインターカレーターは、サイバー・グリーンIである。
尚、本発明で使用するプライマーは全てのバクテリアDNAに反応する為、使用すべきサイバー・グリーンIは、組換えホスト由来のバクテリアDNA混入を最小限に抑えた高純度のサイバーグリーンIを使用すべきである。
本発明において、Tm値とは、PCR産物の50%がその相補鎖と解離する時の温度である。
また、最近接塩基法によるTm値計算式の「Tm値は塩基配列で決まる」という理論的根拠を元に、菌種ごとの塩基配列の違いをTm値の違いとして起因菌同定に応用することができる。
従って、「Tm値から測定誤差の影響を排除する」ことが正確に同定する上で最も重要となる。このため、以下の方法で測定誤差の影響を排除する。
先ず、Tm値は緩衝液の組成などが異なる実験条件下では変化するため、塩化マグネシウム濃度の固定されたサイバー・グリーンIを反応用緩衝液として使用することで、反応液の組成による測定誤差を生じないようにする。
次に、リアルタイムPCR機器自体が試行回毎に測定誤差を生じるため、コントロールとしての標準Tm値を設定すると共に、同じ試行回での各Tm値間の差異パターンを判定に利用する。
本発明において、測定機器の試行間誤差を補正する目的で、基準Tm値を使用することができる。
具体的には、テンプレートとして一定濃度の大腸菌標準株のDNAを用い、細菌の16SrRNA遺伝子の一領域を増幅する1つのプライマーセットを使用して毎回Tm値を測定し、試行回毎のTm値のズレを補正する。
すなわち、同じテンプレートに同じプライマーの組み合わせであれば、理論的には毎回同じTm値となる。
しかし、実際に得られたTm測定値がズレた場合、それは試行間誤差となるので、そのズレ分だけ補正を行えばよい。
本発明の方法の手順は以下のとおりである。
(1)微生物のDNAを抽出する。
(2)抽出した未知の微生物DNAに対し、以下の細菌、MRSA、および真菌のプライマーセットを用いて遺伝子増幅後、それぞれのTm値を一時に測定し、細菌、MRSA、および真菌のTm値の組合せを得る。
(3)真菌であるか否か。
[上記(2)のTm値の組合せの中で、全ての真菌の18SrRNA遺伝子の一領域〜複数領域を増幅できるプライマーセットを用いて得た真菌に特異的なTm値を先ず解析することで、真菌であるか否か、或いは真菌の種類を判定する。]
(4)MRSAであるか否か。
[上記(2)のTm値の組合せの中で、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)のSpa遺伝子およびmecA遺伝子を特異的に増幅するプライマーセットを用いて得たMRSAに固有の遺伝子増幅を解析することで、MRSAであるか否かを判定する。]
(5)どの細菌であるか絞り込む
[上記(2)のTm値の組合せの中で、全ての細菌の16SrRNA遺伝子の複数領域を増幅できるプライマーセットを用いて得た細菌に特異的なTm値を解析することで、細菌の種類を同定する。]
細菌の絞り込みは、具体的には、細菌のTm値の一つに注目して(場合によっては、標準Tm値で先ず補正する)、そのTm値に値の近い菌種に範囲を狭め、順次Tm値の差を取って絞り込む、または、直接、標準Tm値を含む、各Tm値間の差をとって、その差の組み合わせをフィンガープリントとして同定する。
また、起因菌が細菌か、真菌か、あるいはMRSAであるかを迅速、簡便に同定する方法としては、Tm値を利用しなくても未知の微生物DNAを抽出し、これを鋳型として、[1]真菌の18SrRNA遺伝子の全ての真菌に共通、且つ真菌特異的に検出するプライマー1つ、[2]メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のSpa遺伝子およびmecA遺伝子を特異的に検出するプライマー各々1つずつ、[3]細菌の16SrRNA遺伝子の全ての細菌に共通、且つ細菌特異的に検出するプライマー1つ、の計4つのプライマーでPCRを行い、アガロース・ゲルに電気泳動して目的サイズのバンドを確認する方法がある。
(1)4〜18個、好ましくは4〜16個のプライマーセットを元にリアルタイムPCRなどの遺伝子増幅を実施し、得られるTm値をデータベースと照合することにより、抗菌薬選択に必要な起因菌の菌種同定が出来る。
(2)血液検体の場合、DNA抽出からTm値の解析、そして同定までに要する時間は約2時間であり、迅速診断が可能となる。
(3)DNAを抽出する血液検体の量を一定とした場合、菌量の相対量を定量でき、抗菌薬投与後の治療効果のモニタリングが可能となる。
アガロース・ゲル上の泳動バンドを示す。
以下、本発明を実施例および試験例によってより具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
以下の実施例では、細菌のプライマー7つ(bacteria primer 5〜11)、MRSAのSpa、mecA遺伝子のプライマーそれぞれ1つずつ(spa primer 2, mecA primer 2)、そして真菌のプライマー1つ(Fungi primer 5)、標準Tm値測定用プライマー1つ(bacteria primer 3)の計11のプライマーで実施した。
[実験材料とDNA抽出]
使用菌株は、2004年4月1日から2005年3月31日までの1年間に、富山大学附属病院検査部細菌検査室に提出された1323検体中陽性となった160株(保存菌株)を使用した。
通常の分離培養法は、全自動血液培養検査装置バクテアラート(Bact/Alert:日本ビオメリュー)を用いて培養した。
使用ボトルは専用のSA培養ボトル(好気性菌用)、SN培養ボトル(嫌気性菌用)、PF培養ボトル(重篤な小児疾患病原菌検出用)を組み合わせた。分離同定は、定法に従った。
DNAの抽出は、保存菌株をミュラー・ヒントン(Mueller−Hinton)寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン)、羊血液寒天培地(日水製薬)およびサブロー寒天培地(日本ベクトン・ディッキンソン)で分離培養後、その1コロニーを滅菌生食水1mlの入ったマイクロチュ−ブに浮遊させ、12,000 rpmで2分間遠心し上清を捨て菌のペレットを残し、次に、インスタジーンマトリクス(Insta Gene Matrix:日本バイオ・ラッド ラボラトリーズ)を200μl加え、56℃で15〜30分間加温する。
その後、マイクロチュ−ブを激しくボルテックスして、100℃のヒ−トブロックで8分間ボイルする。
最後に、12,000 rpmで2分間遠心しその上清をDNA抽出液とした。
[リアルタイムPCR法]
リアルタイムPCR機器としてライトサイクラー1.5(LightCycler1.5:ロシュ・ダイアグノスティックス)を使用した。
リアルタイムPCR用試薬は、パワーサイバーグリーンPCRマスターミックス(Power SYBR Green PCR Master Mix:アプライド・バイオシステムズ)を用いた。
PCRの成分構成は、ゲノムDNAテンプレート量2μl、PCRプライマー 10倍濃縮 2μl(最終濃度は250nΜ)、リアルタイムPCR用試薬2倍濃縮 10μl、BSA(500μg/ml)2μl、超純水 4μlで、計20μlの系で行った。
リアルタイムPCRのプログラム設定を表1に示す。
なお、伸長反応時間は、300塩基長までの増幅を可能にする最短時間である12秒に設定した。
表1にリアルタイム PCRのプログラム設定を示す。
Figure 2007097323
[融解曲線分析によるTm値のデータ解析]
リアルタイムPCRを施行後の、Tm値の解析は、先ず、定量曲線をチェックし、それぞれのプライマーが量的に立ち上がっているかどうかを確認した。
他のプライマーの立ち上がりサイクル数に比較し、極端にサイクル数の低い立ち上がりはプライマーが掛かっていないと判断した。
次に、融解曲線の形状をチェックした。
急激にPCR産物が一本鎖に解離し始める”崖”の形状(急激なF1値の低下所見)が確認できなければ、そのTm値は採用しなかった。
上記2項目を確認した後、Tm値を融解ピーク曲線(melting peak)の”山”から計算した。
[プライマーの検出感度]
各プライマーの検出感度を事前に測定した。結果を表2に示した。
Figure 2007097323
検出感度を評価するため、菌株から取り出したゲノムDNAを順次希釈し、リアルタイムPCRにて検出の有無を確認した。
それぞれのプライマーの検出感度には差が生じたが、システムとして評価するには検出感度の最も低いプライマー(bacteria primer 5, 10 と mecA primer 2)を基準に決め、システムとしての感度をゲノムDNA 1ng/μlと設定した。
[起因菌Tm値データベースの作成]
未知の敗血症起因菌を同定するシステムを構築するために、先ず頻度の高い起因菌に関するTm値データベースの作成を行った。
データベースに登録する起因菌を決定するため、富山大学医学部附属病院検査部にて2004年4月1日から2005年3月31日までの1年間、血液培養検査で陽性となった有効株160株についての検出菌頻度を調べ、計34種の起因菌についてデータベースを作成した(表3〜7)。
表はグラム陽性・陰性、球菌・桿菌に分けて分類し、検出頻度の高い順に並べたものである。
この表では、菌からTm値を探すツールとして利用できる。尚、大腸菌標準株DNAとbac.7プライマーの組合せで得られるコントロールTm値は84.43度とした。
表において、
( )中のTm値は、検出される可能性も、されない可能性もあることを示す。
(−)とTm値との併記は、検出されないか、或いは検出された場合のTm値を示す。
“−”は、検出されないことを示す。
グラム陽性球菌を表3に示す。
Figure 2007097323
グラム陽性桿菌を表4に示す。
Figure 2007097323
グラム陰性球菌を表5に示す。
Figure 2007097323
グラム陰性桿菌を表6に示す。
Figure 2007097323
真菌を表7に示す。
Figure 2007097323
[起因菌同定早見表の作成]
未知の敗血症起因菌を解析した場合、得られるデータは1つのコントロールTm値と、10のPCR増幅産物Tm値の組合せであるが、表3〜7のデータベースではTm値から起因菌を同定するには不便である。
従ってTm値から起因菌を容易に同定するために、起因菌同定早見表を作成した(表8)。
Figure 2007097323
*コントロールTm値=84.43℃

カッコ ( )中のTm値は、検出される可能性も、されない可能性もあることを示す。
(−)とTm値との併記は、検出されないか、或いは検出された場合のTm値を示す。
“−”は、検出されないことを示す。
各Tm値に下記した数値は、左隣のTm値に比較した、大小の差を示す。
表は左の項目から順にチェックするものとする。横の並びは先ず、Fungi primerが陽性となる真菌を見極めの最優先事項として最上段に並べた。
次にspaが陽性となる菌が少ないことを考慮して、2番目の優先次項においた。
優先順位の最後にはmecAをおいたが、この理由はメチシリン耐性遺伝子の有無は同一菌種でも異なるからである。
Staphylococcus epidermidisや他のStaphylococcus種の一部はmecAを持つ可能性があるが、陰性であった場合の同定が煩雑にならないよう、敢えて優先順位の最後においた。上記の優先次項を除いた同定法については、bacteria primer 7種によるTm値の組合せを解析する。
そこで先ず、最初のプライマー(bac.5)ではTm値の高い方から順に並べることにした。
このように並べることで、容易な検索が可能となった。
さらに、早見表のbacteriaのTm値に差異のパターンが分かるよう、差異の数値を下記した。左隣のTm値に対する変動幅の大小間系を±の数値で表わした。これにより、リアルタイムPCR機器自体の試行回毎の測定誤差に影響されること無く、bacteria の7つのTm値の差異パターンにより判別することが可能となる。
[ブラインドテストによる検証]
[試験1]
本発明システムを評価するため、菌名を隠して本発明の11のプライマーセットでリアルタイムPCRを行い、Tm値の組合せをデータベースと照合し、菌種の同定を試みた。
得られたTm値の組合せを表9に示す。
Figure 2007097323
Fungi5, spa2, mecA2 はそれぞれ陰性であり、bacteria primerのみでPCR産物のTm値が得られた。
コントロールTm値が84.02を示したので、本来の値である84.43から−0.41全体に施行間誤差を生じていると判断し、Bac.5のTm値に+0.41加えて補正を行った。
するとbac.5のTm値が84.58であったので、機器の施行内誤差±0.2℃を考慮し、起因菌早見表の84.78〜84.28の部分に注目した(表10のBac.5の列)。
次にBac.6がBac.5と比較してTm値差が−2.12℃なので、施行内誤差±0.2℃を考慮して−1.92〜−2.32の範囲の差に注目すると、3つの候補、すなわちEnterococcus faecalis, Pseudomonas aeruginosa, Enterococcus faeciumが残る結果となった。
次にBac.7へのTm値差は+1.04なので、+1.24〜+0.84の範囲に注目するとPseudomonas aeruginosaのみに絞られた。
その後のbac.8, 9, 10, 11へのTm値差は全てPseudomonas aeruginosaのデータベース値と合致し、結果もPseudomonas aeruginosaで正解であった。
計12回のブラインドテストを行った結果、全ての同定に正解を得ることが出来た。
Figure 2007097323
[Tm値を利用しない簡便な代替方法について]
本発明のプライマーを使用して、リアルタイムPCR等のTm値測定機器を使うことなく、起因菌が細菌か、真菌か、MRSAか、の簡便・迅速同定が可能となる。
具体的には、一般のPCR用サーマルサイクラーを用い、本発明のバクテリアプライマー1つ、真菌プライマー1つ、spa, mecAプライマーそれぞれ1つずつの計4種類のプライマーで未知の起因菌DNAをテンプレートとしたPCRを行い、増幅産物をアガロース・ゲルで泳動する。その結果、既存のサイズのバンドが確認されれば、細菌、真菌、MRSAいずれかの感染を区別出来ることになる(図1)。
その結果、リアルタイムPCRの様な機器の無い施設においても、簡便・迅速に細菌・真菌・MRSA感染の区別を行うことが出来、早期の適切な抗菌薬の選択に役立つ。
尚、本発明で使用するバクテリアプライマーは全てのバクテリアDNAに反応する為、使用すべきDNAポリメラーゼは、組換えホスト由来のバクテリアDNA混入を最小限に抑えた高純度のポリメラーゼを使用すべきである。
簡便な代替方法を用いて確認された、アガロース・ゲル上の泳動バンドを図1に示す。
使用したプライマー;bac.6, fungi.5, spa, mecA, の計4つ。
使用したDNAポリメラーゼ;AmpliTaq Gold DNA Polymerase, LD (アプライド・バイオシステムズ)
産業上の利用分野
本発明の方法により、感染症起因菌、とりわけ敗血症の起因菌を迅速に検出・同定することができ、敗血症の迅速診断法が実現する。
即ち、本発明により起因菌を2時間以内に同定するシステム構築が可能となるため、敗血症早期に最適な抗菌薬選択が可能となる。
また、抗菌薬投与後の治療効果のモニタリングも可能となる。
本発明者らは、最近接塩基法の「融解温度(melting temperature:Tm値)は塩基配列で決まる」という理論的根拠を元に、菌種毎のTm値の違いを起因菌同定に応用することについて鋭意研究した結果、本発明を完成するに至った。
本発明は、微生物のDNAを抽出し、これを鋳型として、特定のプライマーセットを使用してPCRなどで遺伝子増幅を行い、次いで、微生物に特異的な融解温度(Tm値)の組合せ、或いは各Tm値間の差を解析することにより起因菌の検出・同定を迅速に行う方法である。
ここで、Tm値の測定には一般的教科書に示されている従来の吸光度測定方法を用いることもでき、近年開発されたリアルタイムPCR法を用いて、遺伝子増幅及びTm値を取得してもよい。
以下、本発明を詳細に説明する。
(1)細菌の16SrRNAは、ほぼ全ての細菌に共通の塩基配列領域(20〜40塩基)を7〜8ヶ所もつことが知られている。
その全て或いは一部の箇所にフォワードとリバースのプライマーをそれぞれ設定することにより、1〜7つの遺伝子増幅領域を作製する。
(2)遺伝子増幅領域は、約150〜200塩基であり、プライマーを設定した共通保存領域以外は、それぞれの細菌に固有の塩基配列を持つ。
従って、Tm値も塩基配列の違いを反映して固有の値を示し、細菌毎に1〜7種類の特徴的なTm値を持つことが推定される。
それ故、細菌の種類に応じた1〜7つのTm値を調べ、データベース化する。
このデータベースを利用して未知の細菌を同定することができる。
(3)さらに、真菌に固有のプライマーを1〜6つ、MRSA同定の為のSpa、mecAのプライマーを併用することで、未知の起因菌に対し、細菌感染とその種類(MRSA含む)、或いは真菌感染とその種類を同定出来る。
(4)非特異的な遺伝子産物が生じ、目的のTm値に近い値を示す場合、擬陽性のリスクが生じる。
そのような場合、遺伝子増幅後の増幅産物をアガロース・ゲルに流してバンドの大きさを確認することで、結果を二重にチェックすることが出来る。
すなわち、従来の遺伝子増幅による検出法で二重チェックするシステムを採用することで検査精度の向上が図れる。
(5)遺伝子増幅方法としてリアルタイムPCRを採用した場合、その定量性を利用して、菌量を治療前後で相対定量することで、治療効果のモニタリングの向上を図ることが出来る。
(6)リアルタイムPCR機器には、ヒートブロックで温度制御するブロック型と、空気を介して温度制御するエアバス型の2種類あるが、試行回毎にヒートブロック型で±0.1〜0.3℃(メーカーで異なる)、エアバス型で±0.4のTm値測定誤差が生じる(同じ試行回ではサンプル間誤差は±0.2℃程)。
この測定誤差で菌種同定が妨げられないように、同じ試行回の各Tm値間の差異パターンを判定に利用する方法を採用することが好ましい。

Claims (9)

  1. 微生物のDNAを抽出し、これを鋳型として、以下の(B)、(F)、(M)のプライマーセットで遺伝子増幅を行い、次いで、微生物に特異的な融解温度(Tm値)の組み合わせを解析することを特徴とする感染症起因菌の同定方法。
    (B)全ての細菌の16SrRNA遺伝子の複数領域を増幅できるプライマーセット、および各プライマー塩基配列の全部または一部を含むプライマー。
    (F)全ての真菌の18SrRNA遺伝子の複数領域を増幅できるプライマーセット、および各プライマー塩基配列の全部または一部を含むプライマー。
    (M)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のSpa遺伝子およびmecA遺伝子を特異的に増幅するプライマーセット。
  2. 遺伝子増幅がPCRである請求の範囲1記載の感染症起因菌の同定方法。
  3. PCRがリアルタイムPCRである請求の範囲2記載の感染症起因菌の同定方法。
  4. 細菌の16SrRNA遺伝子の増幅領域が1〜7つである請求の範囲1〜3のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
  5. 真菌の18SrRNA遺伝子の増幅領域が1〜6つである請求の範囲1〜4のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
  6. 標準コントロールとして、一定濃度の大腸菌標準株DNAをテンプレートとし、
    (B)全ての細菌の16SrRNA遺伝子の複数領域を増幅できるプライマーセット、および各プライマー塩基配列の全部または一部を含むプライマーセットのいずれか1つを用いて標準Tm値を毎回測定することにより、測定機器によるTm値の誤差を補正する方法が付加された請求の範囲1〜5のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
  7. 感染症起因菌同定のアルゴリズムとして、Tm値そのものの組合せだけでなく、各Tm値間の差の組合せを利用して同定することで、測定誤差の影響を最小限とする方法が付加された請求の範囲1〜6のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
  8. 微生物が敗血症の起因菌である請求の範囲1〜7のいずれかに記載の感染症起因菌の同定方法。
  9. 未知の微生物DNAを抽出し、これを鋳型として、[1]真菌の18SrRNA遺伝子の複数領域を増幅できるプライマーセットで遺伝子増幅を行い、真菌に特異的な融解温度(Tm値)を解析し、次いで、[2]メチシリン耐性黄色ブドウ球菌のSpa遺伝子およびmecA遺伝子を特異的に検出するプライマーセットで遺伝子増幅を行い、メチシリン耐性黄色ブドウ球菌に特異的な融解温度(Tm値)を解析し、次いで、[3]細菌の16SrRNA遺伝子の複数領域を増幅できるプライマーセットで遺伝子増幅を行い、細菌に特異的な融解温度(Tm値)を解析して、それぞれのTm値の組合せ、或いは標準Tm値を含めた各Tm値間の差の組合せを解析することを特徴とする感染症起因菌の同定方法。
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