JPWO2007094031A1 - アクチュエータ、駆動装置、ハンド装置、及び搬送装置 - Google Patents

アクチュエータ、駆動装置、ハンド装置、及び搬送装置 Download PDF

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Abstract

流体圧式のアクチュエータを従来に比べて長期間、安定して作動可能にする。非ゴム系の袋体5を伸縮可能な被覆体2で被覆してアクチュエータ1を形成する。袋体5は、最大限に膨らんだ場合の長手方向の寸法及び外径を、被覆体2が最大限に伸張した場合の内部における長手方向の寸法及び内径に比べていずれも大きくする。被覆体2は最大限に伸張した場合で、袋体5が膨らむことで生じる押圧力に抗する締付力を具備するように編成される。アクチュエータ1に流体を供給すると、袋体5が最大に膨らむ前に被覆体2により拘束されるため、袋体5が破裂することが防止され、また、袋体5は非ゴム系の材料であるため、ゴム劣化等の問題も生じることなく、アクチュエータ1を長期間、安定して作動できる。

Description

本発明は、従来の流体圧式のアクチュエータに比べて長期間の安定使用、及び薄型化を実現したアクチュエータ、及びこのアクチュエータを利用した駆動装置、ハンド装置、及び搬送装置に関する。
従来、空気及び液体等の流体を袋体に供給し、その袋体が膨らむことで対象物を作動させる流体圧式のアクチュエータが各種存在する。このような流体圧式のアクチュエータの中には、ロボットの人工筋肉及び各種駆動装置の駆動等に用いられる所謂マッキンベン型のアクチュエータがある。
マッキンベン型のアクチュエータは一般に、ゴム成分を含む弾性体の袋体、及びその袋体を被覆する伸縮可能な被覆体で構成されている。被覆体は、袋体が膨らむことで変形するが、袋体の過度の膨らみを抑制するため一般に硬い繊維が使用されている。マッキンベン型のアクチュエータは、袋体の膨らみを被覆体の長手方向の収縮変形に変換して、所要の作動力(作動量)を得る(特許文献1、2参照)。なお、マッキンベン型のアクチュエータの中には、袋体(チューブ)の材料として弾性を具備するゴム系ではなく、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエチレン系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系の少なくともいずれかを用いたものがある(特許文献3参照)。
特開2003−301807号公報 特開2001−355608号公報 特開2004−105262号公報
従来のマッキンベン型のアクチュエータの中で特許文献1、2に示すように、袋体にゴム成分を含む弾性体を使用するものは、経年変化により袋体の膨縮特性が悪化する問題がある。具体的には、袋体の材料に含まれるゴム成分は、酸素及びオゾンによる酸化作用などで劣化すると共に、多数回の伸縮などにより材料疲労が生じて伸縮性が低下し、長期にわたり良好な作動特性を維持できない。
また、袋体にゴム成分を含む弾性体を用いるアクチュエータは、流体を供給する際、袋体の弾性自体が流体供給時の負荷になる。そのため、外部の流体供給源は、その負荷以上に供給圧を高めて流体を供給できる大型のものが要求されると云う問題がある。さらに、袋体にゴム成分を含む弾性体を用いるアクチュエータは、袋体の厚み寸法が素材(材料)の特性上、mm(ミリメートル)単位になるため、アクチュエータの薄型化が困難になる。さらにまた、袋体にゴム成分を含む弾性体を用いると、ゴム成分に伸張限界があるため、アクチュエータの収縮率(流体の非供給時の長さに対する流体供給時の長さの割合)が低い限界値(約20数%)に留まる。
一方、特許文献3に示すように、ゴム系の材料を用いない袋体を適用したアクチュエータでは、ゴム成分を含むことに伴う種々の問題が発生しない替わりに別の問題が生じる。即ち、袋体が弾性を有しないので、流体の供給量が過度になると袋体が弾性変形できないため容易に破裂する問題がある。破裂を防いで良好な収縮率(約30%以上)を確保するためには、袋体と、その袋体を被覆する被覆体との寸法的な関係などを適切に規定する必要があるが、特許文献3では、袋体と被覆体との寸法的な規定が記載されていないため、アクチュエータの安定作動、及び良好な収縮率を確保できないと云う問題がある。
本発明は、斯かる問題に鑑みてなされたものであり、袋体にゴム系の材料を用いないと共に、袋体と被覆体との寸法関係を適切に規定することで、安定した作動を長期にわたり確保し、従来に比べて薄く且つ収縮率の向上を図ったアクチュエータを提供することを目的とする。
また、本発明は、このアクチュエータを用いてロボット、産業分野などで有効に活用できるようにした駆動装置、ハンド装置、及び搬送装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために本発明に係るアクチュエータは、流体が供給されて膨らむ袋体と、該袋体を被覆して前記袋体の変形に伴い伸縮する被覆体とを備えるアクチュエータにおいて、前記袋体は、非ゴム系の材料で形成してあると共に、最大に膨らんだときの最大体積を前記被覆体が最大に伸張したときの被覆体内部の最大容積に比べて大きくしており、前記被覆体は、最大に伸張したときに前記袋体の膨らみを抑える締付力を有することを特徴とする。
本発明にあっては、袋体を非ゴム系の材料で形成するので、従来のゴム成分を含むことで生じていた各種問題が生じなくなり、長期にわたり安定した作動特性を確保でき、流体供給時の負荷抵抗も低減され、流体の供給圧を従来に比べて低圧にしても安定したアクチュエータの作動を行える。また、袋体の最大体積を被覆体内部の最大容積に比べて大きくすると共に、被覆体の最大伸張状態における締付力を袋体が膨らもうとする力より大きくするので、被覆体による押さえ込みにより袋体が破裂するまで膨らむことがない。そのため、アクチュエータが不用意に壊れることもなく長期間、良好な作動状態を維持できる。なお、非ゴム系の材料には、各種合成ゴム成分及び各種天然ゴム成分を含まないものが該当する(以下、同様)。また、袋体の最大体積とは、袋体が破裂しない範囲で最大限に膨らんだ場合の体積を意味し、被覆体内部の最大容積とは、被覆体が破断しない範囲で最大限に膨張(伸張)した場合の内部容積を意味する。
また、本発明に係るアクチュエータは、開口端から流体が供給されて膨らむ袋体と、該袋体を被覆して前記袋体の変形に伴い伸縮する被覆体とを備えるアクチュエータにおいて、前記袋体は、非ゴム系の材料で形成してあると共に、最大に膨らんだときの最大外径を前記被覆体が最大に伸張したときの被覆体内部の最大内径に比べて大きくしており、前記被覆体は、最大に伸張したときに前記袋体の膨らみを抑える締付力を有することを特徴とする。
本発明においても、袋体を非ゴム系の材料で形成するので、ゴム成分を含むことで生じる各種問題を解消して安定した作動特性を長期間確保でき、流体供給を低圧にしても安定したアクチュエータの作動を行える。また、袋体の最大外径を被覆体内部の最大内径に比べて大きくすると共に、被覆体の最大伸張状態における締付力を袋体が膨らもうとする力より大きくするので、袋体が破裂するまで膨らまないように被覆体で確実に押さえ込むことができる。その結果、アクチュエータの作動を長期間、安定化させられる。なお、袋体を膨らませて被覆体を最大限まで伸張させた状態では、膨らんだ袋体の外周面が袋体の内周面に全体的に当接するように袋体を形成することが、袋体の破裂防止を確実にする点で好適である。なお、袋体の最大外径とは、袋体が破裂しない範囲で最大限に膨らんだ状態での外径(外周面での直径)を意味し、被覆体内部の最大内径とは、被覆体が破断しない範囲で最大限にラグビーボール状に膨張(伸張)した場合の内径(内周面での直径)を意味する。
さらに、本発明に係るアクチュエータは、前記袋体の材料は、合成高分子化合物、又は紙であることを特徴とする。
本発明にあっては、袋体の材料として流体を通さない合成高分子化合物、又は紙を用いるので、安価で且つ手軽にアクチュエータ用の袋体を製作できるようになる。なお、合成高分子化合物としては、ポリプロピレン系、塩化ビニル系、テフロン(登録商標)系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエチレン系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系等の少なくとも1つの成分を含むものが該当する。また、紙としては紙風船のような形状のものが流体で膨らます点で好適である。
さらにまた、本発明に係るアクチュエータは、前記袋体の材料は、1枚部分の厚みが20μm以上400μm以下にしてあることを特徴とする。
本発明にあっては、材料の1枚部分の厚みを20μm以上400μm以下にするので、ゴム成分を含む材料を用いる場合に比べて袋体の全体的な厚み寸法が薄くなり、それに伴いアクチュエータ自体の厚み寸法を小さくしてアクチュエータの薄型化を実現できる。また、袋体の厚み寸法を上述した範囲に設定することで、流体の非供給時と供給時とのアクチュエータの伸縮度合いを大きくでき、アクチュエータの収縮率の増大に貢献でき、従来の同サイズのアクチュエータに比較して作動量を大きくできる。なお、アクチュエータの薄型化を優先にする場合は、袋体の1枚部分の厚みを200μm以下、さらには100μm以下にすることが好適であり、一方、袋体の耐久性を重用視する場合は、袋体の1枚部分の厚みを200μmを超えた寸法にすることが好ましい。
また、本発明に係るアクチュエータは、前記袋体は、流体が供給されていない状態で折り目になる折り部が形成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、袋体に折り部が形成してあるため、流体が供給されずに袋体が萎んだ状態では、折り部に沿って袋体が自然と折りたたまれるようになる。そのため、被覆体に比べて最大体積が大きい袋体、又は被覆体に比べて最大外径が大きい袋体を用いても、流体の非供給時には袋体はコンパクトに収まり、アクチュエータの薄型化に貢献できる。なお、折り部は袋体に複数形成することも勿論可能であり、複数の折り部を形成した場合は、流体の非供給時に袋体を一層コンパクトにできる。
また、折り部は、折り部が袋体の径方向に直交する方向に形成することが好ましく、このように形成することで、流体が供給されると、袋体はスムーズに径方向に膨らみやすくなると共に、流体の非供給時には、袋体が折り部を折り目にして厚くならないように萎みやすくなり、袋体の膨らみ及び萎みによる径方向の寸法差を一段と大きくできる。
さらに、本発明に係るアクチュエータは、前記袋体は、流体が通過する開口を複数有することを特徴とする。
本発明にあっては、流体の通過用の開口を袋体が複数有するため、袋体への流体供給の仕方に様々なバリエーションが生じる。例えば、供給専用の開口と、供給された流体の排出専用の開口を決めてアクチュエータを作動させることができ、この場合は流体を一定の方向に沿ってスムーズに流すことが可能になる。また、アクチュエータの作動応答性を高めるためには、複数の開口から同時に袋体を供給すると共に、袋体を萎ませるときは、複数の開口から同時流体を排出するようにして、袋体に対して多量の流体を短時間で出し入れ可能にできる。
また、本発明に係るアクチュエータは、前記被覆体は、エステル系の糸で編成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、難伸縮性の糸であるエステル系の糸で被覆体が編成してあるので、従来のマッキンベン型のアクチュエータに比べて被覆体が軟らかくなり、袋体の膨らみにも敏感に追従して、応答性の高い作動特性が得られると共に、流体の供給圧が約20kPa程度でも確実に作動できるアクチュエータを得られ、アクチュエータの小型化にも貢献できる。なお、被覆体の編成には、モノフィラメント及びマルチフィラメントの糸を組み合わせて用いてもよく、また、マルチフィラメントの糸だけを用いてもよい。
さらに、本発明に係るアクチュエータは、前記被覆体は、330デシテックス以下の糸で編成してあることを特徴とする。
本発明にあっては、被覆体が330デシテックス以下の糸で編成してあるので、従来のアクチュエータに用いられる硬い繊維に比べて軟らかくなり、袋体の微妙な変形に追従し、流体供給に伴う作動応答性を高められる。
さらにまた、本発明に係るアクチュエータは、前記被覆体は、袋打ちで編成されており、編み目は菱形であり、流体を供給していないときの菱形の長手方向は、前記袋体の径方向に直交する方向に一致させてあることを特徴とする。
本発明にあっては、被覆体が袋打ちと云う編み方で編成されているので、袋体を被覆する形態に好適で且つ袋体の膨張にも柔軟に追従できる軟らかい被覆体を形成できる。また、被覆体が伸縮していない状態(流体を供給していない状態)における菱形(バイアス)の編み目の長手方向を、袋体の径方向に直交する方向に一致させることで、被覆体及び袋体の径方向に伸縮する量を多くすることができ、アクチュエータの作動量増大に貢献できる。
本発明に係る駆動装置は、第1部材と、該第1部材に回動自在に連結してある第2部材と、前記第1部材に配置してある上述したアクチュエータと、該アクチュエータ及び前記第2部材を繋ぐ線材とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、第1部材及び第2部材を回動自在に連結すると共に、第1部材に配置したアクチュエータを線材で第2部材に繋ぐので、アクチュエータを作動させると、第2部材が引っ張られて回動する。このような回動を行う駆動装置には、上述した安定した長期間の作動特性を有し且つ収縮率を高めたアクチュエータが適用されるので、従来に比べて使用による作動性の低下が無く、さらに第2部材の回動範囲を高めた駆動装置を得ることができる。
なお、本発明に係る駆動装置は、直列的に3個以上の部材を回動可能に繋げた構成にすることも可能であり、例えば、第1部材に回動可能に連結された第2部材に、さらに第3部材を回動可能に連結すると共に、第1部材に第2部材回動用の第1アクチュエータを配置し、第2部材に第3部材回動用の第2アクチュエータを配置したような駆動装置を実現してもよい。このように複数の駆動装置を直列的に繋げた構成にすることで丁度、人間の指のような動きを実現でき、ロボットのハンド部の指に好適な構成を提供できる。
本発明に係るハンド装置は、上述した駆動装置を複数備え、各駆動装置の第1部材は、一体的に組み合わせてあることを特徴とする。
本発明にあっては、複数の駆動装置の第1部材を一体的に組み合わせるので、各第1部材が一体となった部分が丁度、人間の掌に相当する部位となり、掌に相当する部位から回動可能な複数の第2部材が指状に突出した形態になる。そのため、人間の手と同様なハンド装置を実現でき、しかも上述した構成のアクチュエータを適用するので、第2部材の回動範囲を大きくして長期間安定して作動させられるハンド装置を提供できる。なお、人間の手と同等な動きを確保するためには、人間の指と同等に5体の駆動装置を組み合わせることが必要であり、このような人間の手と同等な動きを実現できるハンド装置は、人間型ロボットのハンド部又は義手として利用可能になる。
本発明に係るハンド装置は、上述したアクチュエータと、該アクチュエータを配置する配置部材と、前記アクチュエータと空間をあけて対向配置する対向部材とを備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アクチュエータに空間をあけて対向部材を配置すると共に、流体の供給によりアクチュエータを膨張作動させることで、アクチュエータと対向部材との空間距離が縮まる。そのためハンド装置内の空間に物体を位置させれば、その物体をアクチュエータ及び対向部材で挟持できるようになる。このような構成のハンド装置に、上述したアクチュエータを適用するので、長期間安定して作動させることができると共に、収縮率の向上によるアクチュエータの径方向の膨張率も大きくなり、様々な寸法の物体を挟持でき、生産設備においてワークを掴むような箇所に好適なハンド装置を実現できる。
本発明に係る搬送装置は、上述したアクチュエータを複数並置して、搬送対象の物体を各アクチュエータ上に載置できるようにしてあり、各アクチュエータへの流体供給を順次切り替える切替手段を備えることを特徴とする。
本発明にあっては、アクチュエータを複数並べて配置すると共に、各アクチュエータへの流体供給を順次切り替えるので、並べられたアクチュエータが順次膨張作動する。そのため、物体の載置箇所の高さは順次変化するため、重力により滑り降りるように物体は、流体供給が切り替わっていく方向へ進み、スムーズに物体を搬送することが可能になる。特に、本発明の搬送装置では、アクチュエータの径方向の膨張率が大きいため、高さの変化巾が大きくなり物体の搬送をスピーディに行える。
本発明にあっては、非ゴム系の袋体の最大体積を被覆体内部の最大体積に比べて大きくすると共に、被覆体が最大に伸張した状態で袋体が膨らむことを抑えるので、従来のゴム成分を含む袋体を用いることで発生していた諸問題を解消でき、袋体が破裂するまで膨らむこともなくなり長期間の安定した作動を確保できる。
また、本発明にあっては、非ゴム系の袋体の最大外径を、被覆体の最大内径に比べて大きくすると共に、袋体が破裂するまで膨らむことを被覆体の押さえ込みにより防止するので、従来のゴム成分を含む袋体に伴う諸問題を解決でき、アクチュエータの安定した作動を長期間確保できる。
本発明にあっては、袋体の材料として合成高分子化合物、又は紙を用いるので、手頃な材料で容易にアクチュエータ用の袋体を製作できる。
また、本発明にあっては、袋体の1枚部分の材料厚みを20μm以上400μm以下にするので、流体の非供給時において袋体が薄くなり、アクチュエータの薄型化を実現できる。
本発明にあっては、袋体に折り部が形成してあるため、被覆体に比べて大きい袋体を用いても、流体の非供給時には袋体をコンパクトに納めることができ、アクチュエータの薄型化に貢献できると共に、アクチュエータの収縮率の向上に貢献できる。
また、本発明にあっては、袋体が複数の開口を有するため、複数の開口を用いて様々な方式で流体を供給でき、袋体への流体の供給及び排出をスムーズに行えると共に、使用目的に応じたアクチュエータの作動特性を確保できる。
本発明にあっては、エステル系の糸で被覆体が編成してあるので、袋体が最大に膨らまないように袋体を押さえ込む張力を確保した上で、袋体の膨らみに対する応答性を向上できると共に、流体の供給圧が約20kPa程度の低圧でも確実にアクチュエータを作動させられる。
また、本発明にあっては、被覆体が330デシテックス以下の糸で編成してあるので、従来のアクチュエータに用いられる被覆体に比べて軟らかくでき、袋体の微妙な変形に追従できる作動特性を得られる。
さらに、本発明にあっては、被覆体が袋打ちと云う編み方で編成されると共に、流体の非供給状態での菱形(バイアス)の編み目の長手方向にも配慮するので、被覆体が袋体の膨らみに柔軟に追従できると共に、被覆体の径方向の伸縮量も大きくできる。
本発明にあっては、伸縮量の大きいアクチュエータを配置する第1部材に第2部材を回動自在に連結すると共に、アクチュエータを線材で第2部材に繋ぐので、第2部材の作動範囲を大きくした駆動装置を実現できる。
また、本発明にあっては、複数の駆動装置の第1部材を一体的に組み合わせるので、人間の掌から指状の部材(第2部材)が回動可能に突出したハンド装置を形成できる。
本発明では、アクチュエータの膨張作動により物体を挟持できるので、生産設備及びFA(Factory Automation)分野におけるワークのハンドリング箇所に対して好適なハンド装置を実現できる。
本発明にあっては、アクチュエータを複数並べて配置すると共に、各アクチュエータへの流体供給を順次切り替えるので、物体をスムーズに進められる搬送装置を実現できる。
本発明の実施形態に係るアクチュエータを示し、(a)は流体を供給していない状態の正面図、(b)は流体を供給して最大限に作動させた状態の正面図である。 実施形態に係るアクチュエータの内部を示し、(a)は流体を供給していない状態の断面図、(b)は流体を供給して最大限に作動させた状態の断面図である。 アクチュエータの被覆体の編み目が流体の供給に伴い変化することを示す概略拡大図である。 アクチュエータに用いられる袋体を示し、(a)は流体を供給していない萎んだ状態の斜視図、(b)は流体を供給して最大限に膨らませた状態の斜視図である。 変形例の袋体を示し、(a)は流体を供給していない萎んだ状態の斜視図、(b)は流体を供給して最大限に膨らませた状態の斜視図である。 別の変形例の袋体を示し、(a)は流体を供給して最大限に膨らませた状態の斜視図、(b)はX軸に直交する平面での断面図、(c)は袋体を裏返した場合のX軸に直交する平面での断面図である。 (a)はシートを半分に折りたたんだ状態を示す斜視図、(b)は(a)のシートから形成した袋体の流体供給状態の斜視図である。 2本のホースが取り付けられた変形例のアクチュエータを示し、(a)は流体を供給していない状態の正面図、(b)は流体を供給して最大限に作動させた状態の正面図である。 変形例のアクチュエータの内部を示す断面図である。 本発明の駆動装置であり、(a)は平面図、(c)は底面図である。 本発明の駆動装置であり、(a)は作動させていない状態を示す正面図、(b)は作動させた状態を示す正面図である。 (a)は変形例の駆動装置を示す正面図、(b)は別の変形例の駆動装置を示す正面図である。 本発明のハンド装置を示す平面図である。 本発明の搬送装置を示す斜視図である。 図14のA−A線における概略断面図である。 本発明の搬送装置に適用される流体供給システムのブロック図である。 変形例の搬送装置であり、(a)は斜視図、(b)は(a)のB−B線における概略断面図である。 本発明のハンド装置であり、(a)は物体を挟持する前の状態を示す概略図、(b)は物体を挟持した状態を示す概略図である。 変形例のハンド装置であり、(a)は物体を挟持する前の状態を示す概略図、(b)は物体を挟持した状態を示す概略図である。
符号の説明
1、1′ アクチュエータ
2、2′ 被覆体
3 編み目
5、5′、5″、7′、8 袋体
5e′、5e″、5f″、7e′、7f′ 折り部
9 規制材
10、20、30 駆動装置
11 第1部材
12 第2部材
16 線材
40、120、130 ハンド装置
100、110 搬送装置
102A〜102N センサ
103A〜103N 制御弁
104 作動流体発生源
105 コントロール部
121、131 ベース部材
122、132 対向部材
H ホース
R 空間
図1(a)(b)及び図2(a)(b)は、本発明の実施形態に係るアクチュエータ1を示している。本発明のアクチュエータ1は、流体が供給されるホースHを接続し、流体の非供給時の厚みT1(図1(a)参照)を従来のアクチュエータに比べて薄くすると共に、流体の供給時に膨張(拡径)して全長が収縮する割合(収縮率:(1−L2/L1)×100%)を従来のアクチュエータに比べて向上したことを主な特徴にしている。なお、本実施形態では、アクチュエータ1を作動させる流体に空気を使用しており、ホースHの端に図示しない作動流体発生源(空気供給源)を接続し、ホースHを通じてアクチュエータ1へ流体(空気)を供給するようにしている。
図2(a)(b)にも示すようにアクチュエータ1は袋体5と、この袋体5を被覆する被覆体2を備えている。被覆体2の内部空間2cに収められた袋体5は、非ゴム系の材料で形成されており、本実施形態では流体が通過しない合成高分子化合物であるポリプロピレン系の成分を含む材料を用いて、図4(a)に示すように萎んだ扁平な状態から図4(b)に示すように流体が供給されることで球状に膨らむ形状にしている。また、袋体5の材料は、一枚部分5dの厚み寸法T2(図2(b)参照)が50μmのものを使用している。
なお、本発明の袋体5の材料には、流体を通過させない特性を有する合成高分子化合物としてポリプロピレン系、塩化ビニル系、テフロン(登録商標)系、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエチレン系、ポリイミド系、ポリスチレン系、ポリカーボネート系等の少なくとも1つを成分として含むものを適用できる(上述した成分を混在させることも可能)。また、このような合成高分子化合物を使用できない環境、多湿でない環境などでは、袋体5の材料に、流体を通過させない紙を用いることも可能であり、この場合、袋体5を膨らませることから紙風船のような形状の紙が好適となる。
さらに、袋体5に用いる材料には、一枚部分5dの厚み寸法T2が50μmに限定されるわけではなく、20μm以上400μm以下の範囲のものを適用できる。袋体5に用いる材料は、アクチュエータ1の使用条件、使用目的等に応じて一枚部分5dの厚みが適切なものを使い分けることが好ましい。例えば、アクチュエータ1の薄型化を優先する場合は、厚み寸法T2が100μm以下の材料を用いることが好適であり、アクチュエータ1を長期間使用させたい場合は、厚み寸法T2が200μmを超える材料を用いることが好ましい。
袋体5は、ホースHが接続される側の端部5bが開口端であり、開口端に対向する先端部分5aが閉鎖端になっている。なお、端部5bは、内部にホースHが挿入されると共に、ホースHの挿入範囲を外方から熱収縮チューブ6を被せ、その熱収縮チューブ6に所定の熱量を加えて収縮させることで、ホースHを固定している。また、袋体5の寸法は、流体の供給により破裂しない範囲で最大限に膨らんだ場合で、図4(b)に示すように、全長の寸法がL11(図中のX方向寸法)、最大外径の寸法がφD2(図中のX方向に直交する平面上での直径寸法)になるように形成されている。なお、図中のX方向は、袋体5の端部5bでホースHを通じて流体が供給される方向(図1(b)中の白矢印で示す方向)と平行な方向であり、Y方向はX方向に直交する平面上の一方の方向(被覆体2及び袋体5の径方向に相当)であり、Z方向はX方向に直交する平面上でY方向に直交する方向である。
一方、被覆体2は、袋体5を被覆できるように筒状で伸縮可能に編成してあり、本実施形態では、エステル系の糸であるポリエステルマルチフィラメント糸(275デシテックス)を用い、製紐機により袋打ちで編み上げられている。また、編み上げの際には、図1(a)に示す編み目3が菱形(バイアス)の形状となり、且つ菱形(バイアス)の長手方向が無負荷状態で被覆体2の長手方向(X方向)と一致するように編成して、図1(b)に示すY方向に平行な向きに伸縮しやすく、且つ所要の張力を具備させると共に、伸張度合いが大きくなると締付力が高まるようにしている。
編み目3の形状の変化を具体的に説明すると、流体の供給により被覆体2が図1(a)に示す状態から図1(b)に示す状態へ伸張すると、図3に示すように、編み目3は、第1頂点3a及び第3頂点3cを結ぶX方向を長手方向にした状態から、第2頂点3b及び第4頂点3dを結ぶY方向を長手方向にした状態へ変形する。編成用の糸の寸法及び素材、編み目3の大きさなどを適正に選択することで、被覆体2は素材としての柔らかさ、伸縮性、及び所定の締付力を確保している。なお、図1(a)(b)では、被覆体2における編み目3を部分的に図示するに留まっているが、編み目3の図示が省略された箇所にも編み目は勿論存在する。
上述したように被覆体2は、袋体5の変形に伴い伸縮できる柔軟性を確保しているが、最大に伸張した状態では、袋体5が膨らもうとする押圧力に抗して押さえ込むことができる締付力を発生させる。このような所定の締付力は、ポリエステルマルチフィラメント糸を用いて袋打ちで編み上げ編成することで得られている。また、被覆体2がY方向で最大に伸張した場合(図2(b)参照)、被覆体内部の最大内径の寸法がφD1(φD1<袋体5の最大外径φD2)、X方向に平行な向きの内部長手寸法(内面先端2dから内面根元2eまでの距離)がL10(L10<袋体5の全長寸法L11)になり、このときの被覆体内部の最大容積は、図4(b)に示す袋体5が最大に膨らんだときの最大体積に比べて小さくしている(即ち、袋体5の最大体積>被覆体2の内部の最大容積)。
上述した袋体5及び被覆体2を用いてアクチュエータ1を製作するには、先ず、図4(a)に示すように袋体5の端部5bに熱収縮チューブ6を用いてホースHを固定した状態にし、この袋体5を筒状の被覆体2で被う。それから、図2(a)に示すように、ホースHが延出する被覆体2の一方の端部2bを糸状の結束部材4bを巻き付けて、袋体5の端部5bを覆う熱収縮チューブ6と共に結束固定する。また、被覆体2は、他方の先端部2aにも糸状の結束部材4aを巻き付けて先端部2aを閉鎖し、アクチュエータ1を完成する。この際、袋体5の先端部分5aを固定することなく自由端にしている。なお、結束部材4a、4bには、糸状の部材以外にも、合成樹脂製の結束バンド、結束金具、かしめ具、ひも状の部材などを適用できる。
完成したアクチュエータ1は、流体の非供給時では、非常に薄い袋体5(一枚部分5dの厚み寸法が50μm)が、図4(a)に示すように萎んでいるため、アクチュエータ1自体の厚み寸法は、ほぼ被覆体2の厚みと一致し、アクチュエータ1の薄型化を実現できる。また、ホースHを通じてアクチュエータ1に流体(空気)を供給すると、袋体5が膨らみ始め、それに追従して被覆体5がX方向に直交する平面上で拡径するように伸張する。この際、袋体5は、非ゴム系の材料であるため、従来のようにゴム系の弾性力に抗して流体を供給する必要がないため、流体の供給圧が低くてもスムーズに袋体5を膨らませることができる。
流体の供給をさらに続けると、アクチュエータ1は最終的に図1(b)及び図2(b)に示す状態に変形する。この状態では、袋体5が膨らみ、自由端の先端部分5aの外周面が被覆体2の内面先端2dに当接するなど、袋体5の外周面が全体的に被覆体2の内周面に当接して、被覆体2を内方から外方へ押圧しているが、被覆体2の締付力により袋体2の膨らみが抑えられている。また、被覆体2の締付力は、流体の供給が続いても袋体2からの押圧力に抗し得るため、被覆体2は最大に伸張した状態でとどまる。
また、被覆体2が最大に伸張した状態では、袋体5が最大に膨らんだときの最大体積が被覆体内部の最大容積に比べて大きく、さらに、袋体5の最大外径の寸法φD2は被覆体2の最大内径の寸法φD1に比べて大きいため、袋体5は最大に膨らんだ状態には至っていない。そのため、被覆体2が最大に伸張した場合でも、袋体5には更に膨らむことが可能な余裕部分が残存しているので、袋体5が膨らみすぎて破裂する事態は生じない。しかも本実施形態では、図1(a)に示す流体の非供給状態から被覆体2が最大に伸張した状態(図1(b)に示す状態)に変化した場合の収縮率(結束部材4a、4b間が、寸法L1から寸法L2へと収縮する割合)が約40%に達しており、従来のアクチュエータに比べて作動量が拡大している。
さらに、アクチュエータ1では、袋体5の材料が非ゴム系であるため、経年変化による袋体5の材料劣化の程度がゴム系の材料を用いたものに比べて格段に少なくなる。よって、本実施形態のアクチュエータ1は、長期にわたり安定した作動特性を確保すると共に、収縮率の向上に伴い作動量を拡大しており、各種ロボット、産業機械等における駆動源に好適なものになっている。
なお、本発明に係るアクチュエータ1は、上述した形態に限定されるものではなく、種々の変形例が存在する。例えば、被覆体2を編成する糸はマルチフィレメントのものとモノフィラメントのものを組み合わせて用いてもよく、各糸のデシテックス数は、330デシテックス以下のものであれば適用可能であり、用いる糸及び編み方を工夫することで、伸縮程度、柔らかさ、及び締付力を適宜変更できる。また、流体には空気以外の気体、水及び油等の液体も適用できる。
図5(a)(b)は、本発明のアクチュエータ1に使用できる変形例の袋体5′を示している。変形例の袋体5′は周囲に折り部5e′を形成したことが特徴であり、折り部5e′は、袋体5′を形成するシート材を重ね合わせた状態で溶着により貼り合わせた部分に相当し、フランジ状に外方へ突出している。なお、折り部5e′は、図中のX方向(流体の供給方向)に平行な向きに延出する部分を有して袋体5′の折りたたみ方向を規制している。
即ち、流体を供給していない状態では、図5(a)に示すように袋体5′は、主にY方向の寸法が小さくなるように萎むようになる。この際、シート材の重ね合わせにより折り部5e′の剛性が高くなっているため、袋体5′は折り部5e′を自然と折り目にして折りたたんだ状態になり、流体の非供給時における袋体5′のサイズをさらにコンパクトにできる。また、袋体5′に流体を供給すると図5(b)に示すように、折り部5e′で折りたたまれていた状態が張りつめた状態になり、スムーズに膨らんで図1(b)及び図2(b)に示す状態へとアクチュエータ1を作動できる。
図6(a)(b)は、複数の折り部5e″、5f″を有する袋体5″を示している。各折り部5e″、5f″は、袋体5″の先端部分5a″で直交的に交わるように袋体5″の周囲に形成されている。このように複数の折り部5e″、5f″を設けることで、流体を供給していない状態において、袋体5″は各折り部5e″、5f″を折り目(折り線)にしてコンパクトに折りたたまれることになり、アクチュエータ1の更なる薄型化を達成できる。なお、袋体5″は、図6(a)(b)に示すように折り部5e″、5f″を外方へ突出させる以外に、図6(c)に示すように袋体5″を裏返して、袋体内方に向けて折り部5e″、5f″を突出させることも可能である。図6(c)の場合は、各折り部5e″、5f″が袋体5″の外方に表出しないので、アクチュエータ1の表面(被覆体2の表面)を滑らかにできる。
また、図7(a)はシート7を示し、図7(b)は、シート7から形成した別の変形例の袋体7′を示している。図7(a)に示すように矩形状のシート7を二つに折りたたんだ状態で、対向する短辺部7b、7c及び長辺部7d、7eをそれぞれ溶着することで、図7(b)に示す矩形状の袋体7′を形成できる。袋体7′は、溶着された箇所がフランジ状に突出する折り部7e′、7f′になっており、先端部7g′が角張った形状になっている。そのため袋対7′は、流体供給による膨らみ量が、角張った形状を担う一方の折り部7e′に沿った方向(Z方向)がY方向に比べて大きくなるため、アクチュエータの使用環境、配置レイアウト等により一方向にのみ集中的に膨らみませたい場合に好適となる。なお、集中的に膨らませたい方向は、一方の折り部7e′の長さ及び、折り部7e′、7f′からの上下部分7j′、7k′の余裕代の設定具合によって適宜コントロールできる。このような袋体7′も、流体の非供給時には、折り部7e′、7f′が折り目(折り線)となってコンパクトに折りたたまれる。なお、図7(a)で溶着しない他方の短辺部7h側は、袋体7′において、開口端7h′となって、ホースHが熱収縮チューブ6で固定される。
図8(a)(b)及び図9は、別の変形例のアクチュエータ1′を示している。変形例のアクチュエータ1′は、被覆体2′の一方の端部2b′から第1ホースH1を延出すると共に、他方の端部2a′からも第2ホースH2を延出していることが特徴である。2本のホースH1、H2に対応するため、被覆体2′に被覆されて内部空間2c′に位置する袋体8は、図9に示すように両方の端部に開口8a、8bを設けており、一方の開口8bには第1ホースH1のホース端H1aが挿入されて熱収縮チューブ6′で固定され、他方の開口8aには第2ホースH2が同様に挿入されて熱収縮チューブ6′で固定されている。なお、袋体8の開口8a、8bを設けた両端部は、被覆体2′の両端部2a′、2b′が被せられて結束部材4a′、4b′で結束固定される。
このようなアクチュエータ1′で用いられる袋体8は、両方の端部に開口8a、8bを設けた以外は、図1、2等に示す袋体5と同等の材質及び寸法形状にしてあるため、アクチュエータ1′も長期間の安定使用、及び薄型化を実現できると共に、収縮率の向上を図れる。なお、アクチュエータ1′の袋体8にも、図5〜7で説明した各種変形例の袋体5′、5″、7′の形態を適用することが勿論可能である。さらに、袋体8には2個以上の開口を設けて流体の供給及び排気を行うようにしてもよい。
このようなアクチュエータ1′は、2本のホースH1、H2が取り付けられることで、袋体8の各開口8a、8bに流体を様々な方式で通過させることが可能となり、流体の供給制御の仕方にバリエーションが生じる。例えば、各ホースH1、H2の外方のホース端に流路の開閉切替用のバルブを取り付け、第1ホースH1側のバルブを開、第2ホースH2側のバルブを閉にして、第1ホースH1から流体を供給し袋体8を膨らますと共に、袋体8を萎ませるときは、第1ホースH1側のバルブを閉、第2ホースH2側のバルブを開にして第2ホースH2から流体を抜くようにする。このように流体の供給を制御することで、流体が終始一方向に流れてスムーズな流れを確保できる。また、別の流体の供給の仕方としては、第1ホースH1及び第2ホースH2で両方同時に袋体8へ流体を供給する一方、袋体8を萎ませるときは第1ホースH1及び第2ホースH2から両方同時に流体を抜くようにすることも可能である。この場合は、多量の流体を高速で供給及び排気できるため、アクチュエータ1′の作動応答性を高めることができる。
図10(a)(b)及び図11(a)(b)は、アクチュエータ1(上述した各種変形例のアクチュエータも含む)を用いた駆動装置10を示している。駆動装置10は、アクチュエータ1を板状の第1部材11に配置固定し、第1部材11に回動自在に連結した第2部材12と、アクチュエータ1を形成する被覆体2の先端部2aとを線材16で連結し、アクチュエータ1を作動させて第2部材12を回動させるものである(図11(b)参照)。
アクチュエータ1は、第1部材11から突出する固定具13のリング部に、ホースHを取り付けた端部2bが挿入されて、端部2b側が第1部材11の表面11aに固定されている。また、アクチュエータ1の先端部2aには、線材16を係止する係止部材14が取り付けられ、係止部材14に係止された線材16が、第1部材11の表面11aから突出する規制ピン15の輪状部分の内部を通されて、アクチュエータ1の先端部2a側が第1部材11の表面11aに沿わされた状態で配置される。
第1部材11は、第2部材12との連結側の端部11bに凹部11cを形成し、第2部材12の連結側端部12bに設けた凸部12cを凹部11c内に配置した状態で、軸17を第1部材11及び第2部材12に連通し、各部材11、12を回動可能に連結している。なお、アクチュエータ1から伸びる線材16の先端16aは第2部材12の表面12aに固定される。設計的には、先端16aが固定される箇所から軸17までの距離K(図11(a)参照)が、第2部材12の回動角度θ(図11(b)参照)に影響する。
また、駆動装置10は、図10(b)に示すように、第1部材11の裏面11d側で、第1部材11の端部11bと第2部材12の連結側端部12b側を繋ぐように帯状の弾性部材18、19を取り付けている。弾性部材18、19は、伸長した場合に収縮方向に付勢力を生じさせるゴム片であり、一方の端部18a、19aを第2部材12の裏面12dに貼り付けると共に、他方の端部18b、19bを第1部材11の裏面11dに貼り付けている。
よって、図11(a)に示すように、アクチュエータ1に流体を供給していない場合では、弾性部材18、19の付勢力により、第1部材11及び第2部材12は直線状に並んだ姿勢となり、アクチュエータ1に流体を供給した場合、図11(b)に示すように、アクチュエータ1が作動して収縮し、線材16を引っ張るので第2部材12が回動する。よって、アクチュエータ1へホースHを通じて流体の供給及び吸引を繰り返すことで、駆動装置10は、図11(a)に示す姿勢と図11(b)に示す姿勢との範囲で第2部材12を回動させて、大がかりな仕組み及び複雑な構成を用いることなく、人間が指先を曲げるような駆動形態を少量の流体の出し入れで実現できる。
なお、駆動装置10は、上述した形態に限定されるものではなく、様々な変形例の適用が可能である。例えば、第1部材11及び第2部材12は矩形状の細長板状以外にも、利用形態に応じて棒状、骨形状等の様々な形状にすることが可能である。また、弾性部材18、19には、バネ(例えば、引張りコイルバネ)を適用してもよく、さらに第1部材11及び第2部材12を繋ぐ弾性部材は2本ではなく1本にしてもよく、この1本の弾性部材を図10(a)(b)に示す長手方向の中心を通るように配置してもよい。さらにまた、アクチュエータ1の端部2bを固定する固定具13は、上述した形態以外のものを適用してもよく、また、固定具13を用いる替わりに接着剤で端部2bを第1部材11に固定してもよい。
図12(a)は、変形例の駆動装置20を示す。この駆動装置20は、アクチュエータ1が配置される第1部材21に回動自在に連結する第2部材22を屈曲(回動)可能にしていることが特徴である。即ち、第2部材22は、第1部材11に連結される側の板状の根元部分23と、この根元部分23に対して屈曲(回動)できるように取り付けられた板状の先端部分24を備える。
第1部材21と、第2部材22の根元部分23との連結形態、及び根元部分23と、先端部分24との連結形態は、基本的に図10(a)(b)に示す構成と同様である。即ち、第1軸27Aを中心にして第2部材22の根元部分23が第1部材21に対して回動できるように連結され、また、第2軸27Bを中心にして先端部分24が根元部分23に対して回動できるように連結されている。さらに、アクチュエータ1が接着剤で固定配置される表面とは逆の裏面には、第1部材21から第2部材の先端部分24までを連続して繋ぐように弾性部材28、29を貼り付けている。さらにまた、アクチュエータ1の先端部2aから延出する線材26の先端26aを第2部材22の先端部分24の表面24aに取り付けている。
このような駆動装置20において、アクチュエータ1に流体を供給すると、アクチュエータ1が作動して線材26を引っ張るように収縮するため、根元部分23が第1軸27Aを中心に回動すると共に、先端部分24が第2軸27Bを中心に回動し、第2部材22が屈曲して回動するような作動を得られる。その結果、第2部材22(先端部分24)の回動範囲を簡易な構成で、図11(b)に示す駆動装置10の回動範囲より大きくできる。
図12(b)は、別の変形例である駆動装置30を示す。この変形例の駆動装置30は、図10(a)(b)に示す駆動装置10を直列的に且つそれぞれが回動自在となるように連結したような形態になっていることが特徴である。具体的には、第1部材31、第2部材32、第3部材33、及び第4部材34を、図10(a)(b)に示す構成と同様に回動可能に順次連結すると共に、第1アクチュエータ1A、第2アクチュエータ1B、及び第3アクチュエータ1Cを第1部材31、第2部材32、及び第3部材33のそれぞれに配置固定し、各アクチュエータ1A〜1Cから延出する各線材36A〜36Cを作動させる対象の各部材32〜34に取り付けている。また、各部材31〜34のそれぞれの連結箇所には弾性部材38A(39A)〜38C(39C)を貼り付けている。なお、弾性部材は、第1部材31〜第4部材34までを連続的に繋ぐように一体化したものを用いてもよい。
駆動装置30においては、ホースHを通じて各アクチュエータ1A〜1Cの全てに流体を供給することも、個別に流体を供給することも可能であるため、駆動装置30に流体を供給する装置(作動流体発生源)の側で供給形態を適宜制御することで、駆動装置30の各部材32〜34を複雑に動かすことができる。例えば、全アクチュエータ1A〜1Cに流体を供給した場合は、各部材32〜34が回動して、第1部材31から第4部材34までが全体としてJ字状になるように作動できる。また、第3アクチュエータ1Cだけに流体を供給した場合は丁度、指先だけを動かすような作動を実現でき、同様に、第2アクチュエータ1Bのみ、第1アクチュエータ1Aのみを作動させてよい。なお、第1アクチュエータ1Aと第2アクチュエータ1B、第1アクチュエータ1Aと第3アクチュエータ1C、第2アクチュエータ1Bと第3アクチュエータ1Cと云うように、2個のアクチュエータを同時に作動させることも勿論可能である。
図13は、上述した駆動装置10〜30と同等な構成を有する第1駆動装置50〜第5駆動装置90を用いたハンド装置40を示している。ハンド装置40は、図12(b)に示す駆動装置30と同等の構成の第1駆動装置50〜第4駆動装置80を丁度、人間の手における人差し指から小指までの位置に夫々配置すると共に、図12(b)に示す駆動装置30から1つのアクチュエータと1つの回動する部材を省略した形態となる第5駆動装置90を、人間の手における親指の位置に配置している。
また、ハンド装置40は、第1駆動装置50〜第5駆動装置90の各第1部材51〜91(図中、一点鎖線で囲む複数の範囲が相当)を一体的に組み合わせて丁度、人間の掌に相当する掌部分41を形成している。なお、掌部分41を人間の掌に応じた形状にするため、各第1部材51〜91は、図10(a)に示す第1部材11のように外径を矩形状にするのではなく、適宜変形させている。
このような構成のハンド装置40は、各駆動装置50〜90のアクチュエータ1A〜1C(第5駆動装置90では、アクチュエータ1A、1B)を適宜作動させることで、各駆動装置50〜90の各部材52〜54、62〜64、72〜74、82〜84、92、93を回動させて人間の指のような動きを行えるようにしている。そのため、ハンド装置40は、各種形状の物体の把持などを行うことができると共に、義手として使用することも可能である。なお、ハンド装置40の表面をなめらかにすると共に、各アクチュエータ1A等を保護するために、ハンド装置40にゴム製の手袋を被せてもよく、さらには、ハンド装置40の周囲を伸縮可能で可撓性を有する合成樹脂で被うようにモールド成形を行ってもよい。
図14、15は、図1、2等に示すアクチュエータ1(1A、1B、1C・・・)を用いて構成した搬送装置100を示す。搬送装置100は、搬送対象の物体Wを搬送するものであり、搬送方向に延在する両側の枠部101a、101bの間に底板部101dを設けると共に、複数の脚部101cで枠部101a、101bを支持している。また、底板部101dには、複数のアクチュエータ(1A、1B、1C・・・)を、アクチュエータの長手方向が搬送方向に直交するように並べて配置している。各アクチュエータ1A、1B等の配置する間隔Pは、物体Wを各アクチュエータ1A、1B等の上に載置できるようにしており、本実施形態ではアクチュエータが最大に膨らんだ場合の直径と同等の寸法にしている。なお、搬送装置100に使用される各アクチュエータ1A、1B等は、上述した各種変形例のアクチュエータを適用することも可能である。
図16は、各アクチュエータ1A、1B等へホースHを通じて流体の供給を行う流体供給システム106を示すブロック図である。流体供給システム106は、供給用の流体を発生させる作動流体発生源104に、各アクチュエータ1A、1B等と同数の制御弁103A、103B等、及び圧力を検知するセンサ102A、102B等を順次接続し、ホースHを介して各アクチュエータ1A、1B等と接続する一方、流体供給の制御を行うコントロール部105を具備している。
作動流体発生源104には、圧搾流体を発生させるポンプ、コンプレッサー、往復ピストン機構などを適用できる。なお、搬送装置100で使用されるアクチュエータ1A、1B等は低圧でも作動できるので、作動流体発生源104には大きな圧力で圧搾流体を発生させるものではなく、小型の低出力のものを適用できる。
制御弁103A、103B等は、各アクチュエータ1A、1Bに対する流路を切り替える弁を内蔵し、流路の種類としては、作動流体発生源104で発生した流体を各アクチュエータ1A、1B等へ流す流路、作動流体発生源104と各アクチュエータ1A、1B等とを遮断する流路、アクチュエータ1A、1Bに繋がれたホースを大気開放する流路がある。なお、内蔵される弁はコントロール部105の制御に基づいて電気的に作動可能となっている。また、センサ102A、102B等は、アクチュエータ1A、1B等へ供給される流体の供給圧を検知するものであり、検知した結果をコントロール部105へ伝送する。
コントロール部105(切替手段に相当)は、流体の供給先となる各アクチュエータ1A、1B等が順次切り替わるように、各制御弁103A、103B等の弁を作動させて流路の切替制御を行う。具体的な制御内容として、図15中で右端に位置する第1アクチュエータ1Aに流体を供給するようにコントロール部105は第1制御弁103Aの制御を行い、一定の時間差で第2アクチュエータ1Bに流体を供給するように第2制御弁103Bの制御を行い、さらに一定の時間差をあけて第3アクチュエータ1Cに流体を供給するように第3制御弁103Cの制御を行う。このような制御を行うことで、図15に示すように第1アクチュエータ1Aが最大に膨らんだ状態(底板部101dからの高さh1)で、第2アクチュエータ1Bは中間程度に膨らんだ状態(高さh2)になると共に、第3、4アクチュエータ1C、1Dは少し膨らんだ状態(高さh3、h4。h4<h3<h2<h1)になる。
また、コントロール部105は、各アクチュエータ1A、1B等が最大に膨らんだ状態になったかをセンサ102A、102B等から送られる検知結果で判断しており、検知結果で伝えられる供給圧が最大に膨らんだ状態に対応する基準値に達すると、各制御弁103A、103B等を大気開放の流路へ切り替えるように制御する。このような制御をコントロール部105が連続して行うことで、各アクチュエータ1A、1B等は順次膨らみ、最大限まで膨らむと、今度は順次萎んでいき、以下、このような作動状況を繰り返す。
搬送装置100は、上述したように各アクチュエータ1A、1B等が全体として蠕動運動のような動きをするので、各アクチュエータ1A、1B等の上に搬送対象となる物体Wを載置すると、物体Wは作動する各アクチュエータ1A、1B等の高さがh1〜h4に順次変化することに伴い重力により高さの低い方向(搬送方向)へ搬送される。しかも、各アクチュエータ1A、1B等は表面がソフトであるため物体Wが接触しても、物体Wを搬送中に傷つけることがないと共に、搬送に伴う騒音もほとんど発生しない。なお、物体Wを直接的に搬送する場合以外にも、トレイのような搬送台に載せて、トレイを各アクチュエータ1A、1B等で運ぶようにしてもよい。
また、図16に示す流体供給システム106では、各アクチュエータに用いられる袋体5へ過度の流体供給を防止して袋体5の破裂を確実に防ぐために、各制御弁103A、103B等と、各アクチュエータ1A、1B等との間に流量センサをそれぞれ設けてもよい。流量センサは、アクチュエータへ供給される流体の流量を検知し、検知した内容を随時、コントロール部105へ送る。また、コントロール部105は、流量センサから送られる流量(検知量)が、袋体5の最大許容流量(袋体5の最大体積に相当)から安全値を引いた量(閾値。なお、閾値はコントロール部105の内部メモリに予め記憶)に達したか否かを判断し、検知量が閾値に達した場合は、アクチュエータへの流体供給を停止するように制御弁103A、103B等の切替制御を行うようにする。なお、流体供給システム106は、各アクチュエータへの供給ラインを最低1本にした形態から構成することが可能であり、図1、2等に示すアクチュエータ1を単独で使用する場合は、1本の供給ラインを有する流体供給システム106を適用できる。
図17(a)(b)は、変形例の搬送装置110を示す。変形例の搬送装置110は、各アクチュエータ1A、1B等に直接的に物体Wを載せるのではなく、傾斜可能な板材112、113、114等に物体Wを載せると共に、各板材112、113、114等を各アクチュエータ1A、1B等で持ち上げて傾斜させて物体Wを移動させることが特徴である。搬送装置110は、両側の枠部111a、111bの間に底板部111dを設けると共に、中心軸112a、113a等を中心に回動する複数の板材112、113等を底板部111dと間隔をあけて両側の枠部111a、111bに取り付けている。また、搬送装置110は、各板材112、113、114等と底板部111dとの間で、且つ各板材112、113、114等の自由端112b、113b、114bの側にアクチュエータ1A、1B、1C等を配置している。なお、板材112、113等の載置面112c、113c等は、物体Wが滑りやすくなるように摩擦抵抗を小さくする加工を行うことが好ましい。
このような変形例の搬送装置110に適用する流体供給システムは、基本的に図16に示す構成と同等であるが(流体供給システムについては図16の符号を用いて説明する)、各アクチュエータ1A、1B等へ流体を供給する時間間隔を板材112、113等の傾斜に合わせたものにしている。即ち、物体Wを確実に運ぶために、作動させる板材112、113等を1つに限るように制御弁103A、103B等の切替を行っており、例えば、1番目の板材112を傾斜させてから水平姿勢に戻した後、それから2番目の板材113を傾斜させる。
そのため、コントロール部105は、第1アクチュエータ1Aに流体を供給すると、第1アクチュエータ1Aが最大限に膨らむまで作動させ、その後、第1制御弁103Aを大気開放の流路に切り替える。その後、センサ102Aの検知により第1アクチュエータ1Aが萎んだのを判断してから、コントロール部105は次の第2アクチュエータ1Bへ流体を供給するように第1制御弁103Bの弁の切替を制御し、第2アクチュエータ1Bが最大限に膨らむと、第2制御弁103Bを大気開放に切り替える。以降、このような制御を第3アクチュエータ1C、第4アクチュエータ等に順次行っていく。
その結果、搬送装置110では、板材112、113等が一つずつ順次傾斜し水平姿勢に戻ることになり、それに伴い物体Wも運ばれていく。この変形例の搬送装置110は、板材112、113等を用いて搬送を行うため、図14に示す搬送装置100に比べてアクチュエータ1A、1B等の数を減少させることができ、流体供給システム106に係る制御負担を低減できると共に、板材112、113等の載置面112c、113c等が滑りやすいため、物体Wをスムーズに運ぶことができる。
図18(a)(b)は、図1、2等に示すアクチュエータ1(各種変形例のアクチュエータも含む)を用いて構成したハンド装置120を示す。ハンド装置120は、FA分野における生産設備などで、物体(ワーク)Wのハンドリング(挟持、把持)に好適なものであり、物体Wをハンドリングするにあたり所要の剛性を確保したベース部材121の内面121aにアクチュエータ1を配置固定している。また、ハンド装置120は、アクチュエータ1との間に物体Wの外形より大きい空間Rをあけて対向するように対向部材122を設け、この対向部材122及びベース部材121を連結部材123で繋いでいる。なお、アクチュエータ1のベース部材121への固定は、図10(a)(b)で示す駆動装置10と同等の方法で行うことが可能である。さらに、ハンド装置120の連結部材123の外面123aからはアタッチメント部124を突出し、生産設備が有する移動機構、又は産業用ロボットのロボットアーム端などに、アタッチメント部124を介してハンド装置120を連結できるようにしている。
上述したハンド装置120で物体を挟持するには、先ず、ハンド装置120を、生産設備が有する移動機構又は産業用ロボットのロボットアーム端などに連結して、ハンド装置120を移動できるようにする。次に、生産設備又は産業用ロボットの駆動によりハンド装置120を物体Wの上方に移動させてから、物体Wがハンド装置120の空間R内に位置するようにハンド装置120を下降させる。この状態で、ハンド装置120はアクチュエータ1を作動させると、物体Wは、拡径したアクチュエータ1の被覆体2の表面と対向部材122の内面122aで挟持される。この後は、ホースHより流体を供給してアクチュエータ1を作動させた状態を維持し、物体Wを挟持したまま生産設備又は産業用ロボットの駆動によりハンド装置120を移動させることで、物体Wを目的場所へ移動できる。目的場所へ移動した後は、アクチュエータ1の作動を停止して萎ませると、ハンド装置120は物体Wをリリースする。このように本発明のハンド装置120は、簡易な機構で物体Wを挟持してリリースできるので工場内の様々な対象を移動させる工程で活用できる。
図19(a)(b)は、変形例のハンド装置130を示している。変形例のハンド装置130は、ベース部材131に第1アクチュエータ1Aを配置固定すると共に、連結部材133で連結される対向部材132の内面132aにも第2アクチュエータ1Bを配置固定したことが特徴である。物体Wを挟持する場合は、両アクチュエータ1A、1Bを作動させることで空間R内に位置する物体Wを両側から強固に挟持できる(図19(b)参照)。
なお、変形例のハンド装置130は、各アクチュエータ1A、1Bの作動のさせ方で様々な使い方ができ、例えば、両方のアクチュエータ1A、1Bの作動量を不均等に変化させることで、ハンド装置130を生産設備、産業用ロボットで動かさなくても、各アクチュエータ1A、1Bの拡径可能なストローク範囲で物体Wの位置を移動できる。また、物体Wの巾寸法が大きい場合は、一方のアクチュエータのみを作動させて物体Wを挟持することもでき、挟持できる物体Wの巾範囲を広くできる。さらに、両アクチュエータ1A、1Bを作動させて物体Wを挟持した場合、物体Wを両側から挟持するためハンド装置130は、図18(a)(b)に示すハンド装置120に比べて強固に物体Wを挟持できる。
アクチュエータの被覆体内の袋体に非ゴム系の材料を用いると共に、袋体の寸法形状を被覆体に対して適切にすることで、アクチュエータの長期間の安定使用、及び薄型化を実現し、このようなアクチュエータは駆動装置、ハンド装置、及び搬送装置等の駆動源として適用できる。
また、本発明に係るアクチュエータは、流体が供給されて膨らむ袋体と、該袋体を被覆して前記袋体の変形に伴い伸縮する被覆体とを備えるアクチュエータにおいて、前記袋体は、非ゴム系の材料で形成してあると共に、最大に膨らんだときの最大外径を前記被覆体が最大に伸張したときの被覆体内部の最大内径に比べて大きく、且つ、最大に膨らんだときの全長寸法を前記被覆体が最大に伸張したときの内部長手寸法に比べて大きくしており、前記被覆体は、最大に伸張したときに前記袋体の膨らみを抑える締付力を有することを特徴とする。
本発明においても、袋体を非ゴム系の材料で形成するので、ゴム成分を含むことで生じる各種問題を解消して安定した作動特性を長期間確保でき、流体供給を低圧にしても安定したアクチュエータの作動を行える。また、袋体の最大外径を被覆体内部の最大内径に比べて大きくすると共に、被覆体の最大伸張状態における締付力を袋体が膨らもうとする力より大きくするので、袋体が破裂するまで膨らまないように被覆体で確実に押さえ込むことができる。その結果、アクチュエータの作動を長期間、安定化させられる。なお、袋体を膨らませて被覆体を最大限まで伸張させた状態では、膨らんだ袋体の外周面が被覆体の内周面に全体的に当接するように袋体を形成することが、袋体の破裂防止を確実にする点で好適である。なお、袋体の最大外径とは、袋体が破裂しない範囲で最大限に膨らんだ状態での外径(外周面での直径)を意味し、被覆体内部の最大内径とは、被覆体が破断しない範囲で最大限にラグビーボール状に膨張(伸張)した場合の内径(内周面での直径)を意味する。
さらに、本発明に係るアクチュエータは、前記袋体は、流体が通過する開口を複数有することを特徴とする。
本発明にあっては、流体の通過用の開口を袋体が複数有するため、袋体への流体供給の仕方に様々なバリエーションが生じる。例えば、供給専用の開口と、供給された流体の排出専用の開口を決めてアクチュエータを作動させることができ、この場合は流体を一定の方向に沿ってスムーズに流すことが可能になる。また、アクチュエータの作動応答性を高めるためには、複数の開口から同時に流体を供給すると共に、袋体を萎ませるときは、複数の開口から同時に流体を排出するようにして、袋体に対して多量の流体を短時間で出し入れ可能にできる。

Claims (13)

  1. 流体が供給されて膨らむ袋体と、該袋体を被覆して前記袋体の変形に伴い伸縮する被覆体とを備えるアクチュエータにおいて、
    前記袋体は、非ゴム系の材料で形成してあると共に、最大に膨らんだときの最大体積を前記被覆体が最大に伸張したときの被覆体内部の最大容積に比べて大きくしており、
    前記被覆体は、最大に伸張したときに前記袋体の膨らみを抑える締付力を有することを特徴とするアクチュエータ。
  2. 流体が供給されて膨らむ袋体と、該袋体を被覆して前記袋体の変形に伴い伸縮する被覆体とを備えるアクチュエータにおいて、
    前記袋体は、非ゴム系の材料で形成してあると共に、最大に膨らんだときの最大外径を前記被覆体が最大に伸張したときの被覆体内部の最大内径に比べて大きくしており、
    前記被覆体は、最大に伸張したときに前記袋体の膨らみを抑える締付力を有することを特徴とするアクチュエータ。
  3. 前記袋体の材料は、合成高分子化合物、又は紙である請求項1又は請求項2に記載のアクチュエータ。
  4. 前記袋体の材料は、1枚部分の厚みが20μm以上400μm以下にしてある請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  5. 前記袋体は、流体が供給されていない状態で折り目になる折り部が形成してある請求項1乃至請求項4のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  6. 前記袋体は、流体が通過する開口を複数有する請求項1乃至請求項5のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  7. 前記被覆体は、エステル系の糸で編成してある請求項1乃至請求項6のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  8. 前記被覆体は、330デシテックス以下の糸で編成してある請求項1乃至請求項7のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  9. 前記被覆体は、袋打ちで編成されており、編み目は菱形であり、流体を供給していないときの菱形の長手方向は、前記袋体の径方向に直交する方向に一致させてある請求項1乃至請求項8のいずれか1つに記載のアクチュエータ。
  10. 第1部材と、
    該第1部材に回動自在に連結してある第2部材と、
    前記第1部材に配置してある請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載のアクチュエータと、
    該アクチュエータ及び前記第2部材を繋ぐ線材と
    を備えることを特徴とする駆動装置。
  11. 請求項10に記載の駆動装置を複数備え、
    各駆動装置の第1部材は、一体的に組み合わせてあることを特徴とするハンド装置。
  12. 請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載のアクチュエータと、
    該アクチュエータを配置する配置部材と、
    前記アクチュエータと空間をあけて対向配置する対向部材と
    を備えることを特徴とするハンド装置。
  13. 請求項1乃至請求項9のいずれか1つに記載のアクチュエータを複数並置して、搬送対象の物体を各アクチュエータ上に載置できるようにしてあり、
    各アクチュエータへの流体供給を順次切り替える切替手段を備えることを特徴とする搬送装置。
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