JPWO2007066577A1 - 無線通信システム及び無線通信方法 - Google Patents
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Abstract
モバイル環境におけるユーザの移動に伴う通信状況の変化に応じた伝送路の切替とアプリケーションの切替えを連動させた無線通信システムと無線通信方法を提供する。ユーザの移動に伴う使用中の伝送路のデータ転送品質の変化を常に監視し、伝送路のデータ転送品質の変化に伴い、伝送路を切替える。データ転送品質の変化を判断する際に、現在使用中の伝送路を選択する基準となった伝送路の優先基準及び自端末と通信相手端末間の伝送路状態を使用することで、伝送路の切り替え判断を容易にし、その結果より通信状況に応じたサービスの提供を可能とする。
Description
本発明は、複数の無線通信手段を有する通信端末によるモバイルネットワークシステムに使用され、複数のネットワークを介して通信を行う通信プログラム、会話型やストリーミング型のアプリケーションサービスをユーザに提供する無線通信システム及び無線通信方法に関する。
近年の無線技術の進歩に伴い、様々な無線通信方式でのインターネットへの接続が普及し、無線の利点を生かして移動環境でのモバイル通信環境が提供されるようになりつつある。また、携帯端末についても高機能化が進み、1つの端末装置で複数のネットワーク(例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、携帯電話、PHS(Personal Handy phone System等)に接続することができるようになってきている。これにより、1つの端末装置で複数の種類のネットワークに接続することが可能となり、使用の都度、最適な通信環境を選択して通信を行うことが可能になってきている。
さらに、異なるネットワーク間で継続して無線通信を行うことを可能とする技術(Mobile IPv6、Lin6等)の登場により、使用の都度、最適な通信環境を選択して通信の切替え時に、途切れなくサービスを受けることが可能となりつつある。また、無線通信を行うネットワークの切替えに伴う通信状態の変動に応じて、受信するデータの品質を変更する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
一方で、サービス品質レベルを規定し、ネットワークの通信品質に応じて前記サービス品質レベルを選択することで、選択されたサービス品質レベルに合わせてマルチメディアデータを送受信する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特開2004−272563号公報
特開2004−112789号公報
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、ネットワークインタフェースを選択するための通信状態(通信端末間の伝送路状態)が予め設定されたものしか使用することが出来ず、現在使用しているネットワークインタフェースの実行転送速度を通信開始後に取得することは可能であるが、他の通信可能な伝送路よりも現在使用している伝送路のデータ転送品質が悪化した場合にも、その状況を判断することが出来ない。さらに、前述したようにデータ転送品質が悪化した場合に、使用可能な伝送路の優先順位を見直して現在の通信状況で最も優先順位が高い伝送路に切替えることも考慮されていない。
また、上記特許文献2に開示されている技術では、使用中の伝送路の実行転送速度をもとにサービスの品質レベルを選択し、伝送路状況に応じたサービスを提供することは可能であるが、使用可能な伝送路が複数存在している場合での、複数の伝送路条件下での各々の伝送路状態の取得や、使用中でない伝送路の状態変化に応じて伝送路を切替えることは考慮されていない。
本発明は、上述した種々の課題を効率的に解決するための無線通信システム及び無線通信方法を提供するものである。
本発明は、上述した種々の課題を効率的に解決するための無線通信システム及び無線通信方法を提供するものである。
本発明の無線通信システムは、複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する無線通信システムで、通信開始時には、複数のネットワークインタフェースのうち通信可能なネットワークインタフェースを検知し、複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得し、通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成し、伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する情報を取得し、伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報のいずれかに基づいて判断して、決定された伝送路を介してデータ通信を行う。そして、データ通信開始後、使用中の伝送路のデータ転送品質の状態変化を検知して伝送路の切替えを行う。
すなわち、本発明の無線通信システムは、複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する無線通信システムで、アプリケーションプログラムもしくはユーザ側で、使用中の伝送路のデータ転送品質を監視し、より優先順位の高い使用中以外の伝送路に切替えて通信を行うことを特徴とする。上記のデータ転送品質の状態変化を検出する手段は、アプリケーションプログラムに備えるようにし、また、データ転送品質の状態変化の検知後、ユーザによって伝送路の切替えを判断させる手段を備えるようにしてもよい。
上記のデータ転送品質の状態変化は、データ通信中のパケットを使用して測定されるデータ転送品質と事前に決定された伝送路の優先度に従って選択された伝送路の伝送路情報を閾値として比較することで検知される。または、データ通信中のパケットを使用して測定されるデータ転送品質と予め設定された閾値と比較しても構わない。
また、切替先としての伝送路は、現在使用している伝送路の次に優先度の高い伝送路であるか、現在使用している伝送路以外の利用可能な伝送路に対して、再度伝送路情報を取得することで、最も優先度の高い伝送路を選択することができる。
また、切替先としての伝送路は、現在使用している伝送路の次に優先度の高い伝送路であるか、現在使用している伝送路以外の利用可能な伝送路に対して、再度伝送路情報を取得することで、最も優先度の高い伝送路を選択することができる。
さらに、伝送路状態の劣化を判断する閾値として、伝送路状態及び優先基準をもとに決定された伝送路の優先順位の中で、現在使用中の伝送路の次に優先度の高い伝送路の伝送路状態等と比較しても構わない。データ転送品質については、データパケットの送信時刻と受信時刻から算出される片方向遅延量、シーケンス番号の不連続性を検出して再送要求した転送データの再送パケット数、シーケンス番号からパケットロス数を確認して算出されるパケットロス率、一定時間受信したデータサイズから算出される伝送路の有効帯域幅等の情報が対象とされる。
また、上記のネットワークインタフェース情報には、トランスポート層より下位の層において検出される通信状況を含み、例えば、上り/下りで異なるネットワークインタフェース伝送速度が用いられる。上記の伝送路情報には、複数のネットワークインタフェースが接続されたネットワークと通信相手との間のボトルネック物理帯域幅、可用帯域幅、RTT、通信コストが含まれる。伝送路の優先度の決定は、データ通信を行うアプリケーションプログラム毎に設定された優先基準に基づいて判断される。なお、上り/下りの伝送路特性が異なる非対称通信ネットワークが含まれる場合には、優先基準によって上り/下りで異なる伝送路を選択できる。要求帯域幅が優先基準に使用される場合は、要求帯域幅はアプリケーションプログラム毎に複数設定される。
また、データ通信後、データ通信中でないネットワークインタフェースの状態や使用している伝送路のデータ転送品質、無線変調方式などが変化したときには、伝送路の優先度を再度判断して最も優先度の高い伝送路に切替える。
また、データ通信後、データ通信中でないネットワークインタフェースの状態や使用している伝送路のデータ転送品質、無線変調方式などが変化したときには、伝送路の優先度を再度判断して最も優先度の高い伝送路に切替える。
本発明によれば、ユーザの移動につれて刻々と変化する通信環境での複数のネットワークインタフェースを備えた移動端末を含むネットワークシステムにおいて、映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーションによりデータ通信を行う際に、データ通信中にアプリケーションプログラム側で使用中の伝送路のデータ転送品質を監視することで、アプリケーションもしくはユーザ側での判断に基づいて、伝送路を選択・切替えることが可能となる。
上記判断は、アプリケーションプログラム毎に設定された優先基準もしくはユーザの嗜好に基づいたものであり、併せて、ネットワーク情報に合わせた品質のコンテンツを選択することで、通信端末の存在する場所に応じた品質のサービスを提供することが可能となる。また、データ通信開始後及び使用中以外の伝送路状態が変化した場合についても、伝送路の状態を再度取得し、アプリケーションプログラム毎に設定された優先基準もしくはユーザの嗜好に合わせて再度伝送路を選択することで、時々刻々と変化する通信環境においても、通信端末の存在する場所の通信環境に最適な品質でサービスを提供することが可能となる。
10…通信端末、11…アプリケーション部、12…ユーザ設定部、13…コンテンツ制御部、14…通信制御部、15…情報伝送部、16…転送品質測定部、17…アプリケーション優先基準テーブル、18…品質情報テーブル、19…伝送路制御部、20…伝送路管理部、21…伝送路選択部、22…IP制御部、23…伝送路情報テーブル、24…ネットワークインタフェース情報テーブル、25…伝送路状態管理部、26…ネットワークインタフェース管理部、27…ネットワークインタフェースカード(NIC)、28…伝送路品質テーブル、29…自端末、30…通信相手端末、31…ネットワーク。
先ず、本発明による無線通信システムが適用される無線ネットワ−クの全体構成と、そのアクセス可能エリアについて、図1,図2により説明する。
図1において、ネットワーク1〜nは、LANやWANなどのネットワークセグメント単位のネットワークであり、例えば、ネットワーク1は複数の無線基地局を、ネットワーク2は複数の無線アクセスポイント(AP)を含むことが出来る。つまり、ネットワーク1〜nのそれぞれは、例えば、公衆の携帯電話網、自営の構内無線LAN、ホットスポット、もしくは家庭内の無線ネットワーク等であり、ここでは、IPベースのネットワークであるとする。これらネットワークセグメント毎のネットワークは、インターネットに代表されるコアネットワークに接続されている。
図1において、ネットワーク1〜nは、LANやWANなどのネットワークセグメント単位のネットワークであり、例えば、ネットワーク1は複数の無線基地局を、ネットワーク2は複数の無線アクセスポイント(AP)を含むことが出来る。つまり、ネットワーク1〜nのそれぞれは、例えば、公衆の携帯電話網、自営の構内無線LAN、ホットスポット、もしくは家庭内の無線ネットワーク等であり、ここでは、IPベースのネットワークであるとする。これらネットワークセグメント毎のネットワークは、インターネットに代表されるコアネットワークに接続されている。
通信端末1〜nは、1対1、あるいは複数端末間で、映像・音声によるコミュニケーション等の通信を行う。例えば、通信端末1が移動して、無線基地局1の電波を受信している状態から無線基地局2の電波を受信する状態に変わっても、無線基地局1と2の間でハンドオーバが行われ、通信端末1は移動前の通信を移動後もそのまま継続して行うことが出来る。無線アクセスポイントAP1の接続範囲から無線アクセスポイントAP2の接続範囲へ移動した場合も同様である。無線アクセスポイント間のハンドオーバでは、認証情報のハンドオーバと併用してもよい。
さらに、通信端末がネットワークセグメント間を移動しても、ネットワーク層でのハンドオーバが行われ、通信を継続して行うことが出来る。例えば、通信端末2が移動して、無線基地局2に接続された状態から無線アクセスポイントAP1に接続された状態に変わったとする。この場合であっても、通信端末2が無線基地局2及び無線アクセスポイントAP1のそれぞれに接続可能なネットワークインタフェースカード(NIC:Network Interface Card)を備えており、後述するIP制御部が、例えば、モバイルIP(IETF:Internet Engineering Task Force)RFC3775に対応したものであれば、アプリケーション部では、異なるネットワークに移動したことに関わらずに、通信処理を継続することができる。
ネットワークセグメント間のハンドオーバについては、IP制御部がLin6(IETF Draft−Teraoka−ipng−Lin6−01)に対応したもの、通信制御部がセッションを維持しながらのハンドオーバに対応したものや同様の機能を実現する技術であってもよい。また、ネットワークセグメント間の移動については、無線アクセスポイントAP1と無線アクセスポイントAP2が異なるネットワークセグメントで構成されている場合でも、前述したようなハンドオーバ技術を用いることで、上記無線アクセスポイント間のハンドオーバ時にも継続して通信を行うことが可能となる。
図2は、無線基地局、無線アクセスポイントと対応するアクセス可能エリアの概念図である。図2において、ネットワーク1〜3はLANやWANなどのネットワークセグメント単位のネットワークであり、携帯基地局1はネットワーク1に、無線AP2はネットワーク2に、PHS基地局3はネットワーク3に接続されている。これらネットワークセグメント毎のネットワークは、IPベースのネットワークであり、図1と同様に各々コアネットワークに接続されている。
それぞれのアクセス可能エリアについては、携帯基地局1は携帯エリア1に、無線AP2は無線LANエリア2に、PHS基地局3はPHSエリア3に対応しており、各々のエリア内にいる場合に、通信端末1は各々の無線通信方式で通信可能となる。通信端末1は、携帯基地局1及び無線AP2及びPHS基地局3に接続可能なNICを備えており、無線LANエリア2では携帯基地局1、無線AP2、PHS基地局3を経由してそれぞれネットワーク1〜3に接続可能である。
同様に携帯・PHSエリア4では、携帯基地局1及びPHS基地局3を経由してそれぞれネットワーク1及び3に接続可能で、前述したとおり携帯エリア1から携帯・PHSエリア4を除いたエリアでは、携帯基地局1を経由してネットワーク1にのみ接続可能である。PHSエリア3から携帯・PHSエリア4を除いたエリアでは、PHS基地局3を経由してネットワーク3にのみ接続可能となる。例えば、通信端末1が移動して無線LANエリア2において、無線AP2経由でネットワーク2に接続している状態から携帯・PHSエリア4に移動してPHS基地局3経由でネットワーク3に接続する場合には、ネットワークセグメント間の移動になるので、前述のモバイルIP等の技術を適用することで通信を継続することが可能となる。
通信端末1で使用しているアプリケーションによってネットワーク1の方が適していると選択された場合は、携帯基地局1経由でネットワーク1に接続することも可能である。同様にして携帯・PHSエリア4において、PHS基地局3経由でネットワーク3に接続している状態から携帯基地局1にのみ接続可能な携帯エリア1に移動した場合や携帯・PHSエリア4で携帯基地局1経由でネットワーク1に接続している状態からPHS基地局3にのみ接続可能なPHSエリア3に移動した場合も、前述のモバイルIP等の技術を適用することで通信を継続することが可能である。
また、無線LANエリア2では、携帯基地局1、無線AP2、PHS基地局3経由でネットワーク1〜3に接続可能なので、使用しているアプリケーションによって適したネットワークが選択される。ここでは、無線通信方式として携帯、PHS無線LANについて挙げているが、近距離通信であるブルートゥース(Bluetooth)や広帯域の携帯通信方式であるIMT(International Mobile Telecommunication)−2000等のIPベースのネットワークを提供できるものであれば、無線通信方式については、いずれの方式を使用してもよい。
なお、通信の形態として、1)送信側が移動する通信端末で、受信側が固定に接続される通信端末である場合、2)送信側が固定に接続された通信端末で、受信側が移動する通信端末である場合、3)通信の送信側と受信側の双方が、移動する通信端末(通信端末1や2)である場合、がある。これらの場合において、送信側及び受信側の通信端末に本発明を適用することで、伝送路の切替えに応じたアプリケーションの制御を行うことができる。
次に本発明による実施の形態を説明する。図3は本発明における通信端末の内部構成例を示す機能ブロック図、図4は通信開始時の動作シーケンスを示す図、図5はネットワークインタフェースカードの通信状態が変化したときの動作シーケンスを示す図、図6は使用中の伝送路のデータ転送品質が変化した時の動作シーケンスを示す図である。
図中、10は通信端末、11はアプリケーション部、12はユーザ設定部、13はコンテンツ制御部、14は通信制御部、15は情報伝送部、16は転送品質測定部、17はアプリケーション優先基準テーブル、18は品質情報テーブル、19は伝送路制御部、20は伝送路管理部、21は伝送路選択部、22はIP制御部、23は伝送路情報テーブル、24はネットワークインタフェース情報テーブル、25は伝送路状態管理部、26はネットワークインタフェース管理部、27はネットワークインタフェースカード(NIC)、28は伝送路品質テーブル、29は自端末、30は通信相手端末、31はネットワークを示す。
図中、10は通信端末、11はアプリケーション部、12はユーザ設定部、13はコンテンツ制御部、14は通信制御部、15は情報伝送部、16は転送品質測定部、17はアプリケーション優先基準テーブル、18は品質情報テーブル、19は伝送路制御部、20は伝送路管理部、21は伝送路選択部、22はIP制御部、23は伝送路情報テーブル、24はネットワークインタフェース情報テーブル、25は伝送路状態管理部、26はネットワークインタフェース管理部、27はネットワークインタフェースカード(NIC)、28は伝送路品質テーブル、29は自端末、30は通信相手端末、31はネットワークを示す。
本発明の無線通信システムで使用される通信端末10は、実際の通信データの送受信及び処理を行うアプリケーション部11と、ネットワークインタフェースカード27及び伝送路の状態管理及び制御を行う伝送路制御部19とで構成される。なお、この通信端末10は、携帯型電話端末でも、無線ネットワークに接続可能なPDA(Personal Digital Assistance)やパソコンでも、複数の無線通信手段を備えた端末であれば良い。
アプリケーション部11は、アプリケーションプログラムに含まれ、ユーザからのサービス開始要求を受け、そのサービス定義情報及びアプリケーション優先基準テーブル17を基に伝送路制御部19に対してアプリケーション要求情報を送信する。伝送路制御部19は、アプリケーションプログラムに含まれるか、もしくは、アプリケーションプログラムにより利用されるものである。この伝送路制御部19は、アプリケーション部11からのアプリケーション要求情報を受けて、アプリケーション部11からのアプリケーション要求情報とネットワークインタフェース管理部26により得られたネットワークインタフェース情報及び伝送路状態管理部25により得られた伝送路情報を基に伝送路選択部21により伝送路を決定する。
さらに、伝送路選択部21は、選択された伝送路に関する情報をアプリケーション部11に回答する。その情報を受けてコンテンツ制御部13では品質情報テーブル18を参照してコンテンツを決定し、通信制御部14によりデータの送受信を行うことでサービスの提供を行う。
また、転送品質測定部16にて伝送路の有効帯域幅、転送データの遅延量、パケットロス率、片方向遅延量、再送パケット数等を測定し、情報伝送部15に通信相手端末への転送品質のフィードバック、コンテンツ制御部13により決定されたコンテンツ品質の通知/受信を行う。なお、通信端末の各部は、ハードウエア、ソフトウエア、これらの組合せのいずれにより実現してもよい。
次に上述した通信端末の各部についてより詳細に説明する。ネットワークインタフェース管理部26は、通信端末10に備えられたネットワークインタフェースカード(以下、NICという)27の管理、及び状態の監視を行う。ネットワークインタフェース管理部26は、NIC27に関して取得した情報(例えば、伝送速度(規格値)、料金、IPアドレス、通信カード規格、MTU(Max Transfer Unit)等)をネットワークインタフェース情報テーブル24に登録する。
ネットワークインタフェース管理部26は、通信端末10に新たにNICが追加された場合や、取り外された場合及び使用可能/使用不可能になった場合の状態を監視し、常時ネットワークインタフェース情報テーブル24を更新する。ネットワークインタフェース情報テーブル24の例を、図7に示す。ネットワークインタフェース管理部26では、前記NICの状態が変化する度に図7に記載されている項目をNICのデバイス情報から取得する。
伝送路状態管理部25は、ネットワークインタフェース管理部26で取得されたNIC情報を基に通信相手との間で利用可能となる伝送路(パス)を検出する。さらに検出された伝送路各々に対して伝送路状態(例えば、ボトルネック物理帯域幅、可用帯域幅、RTT遅延差、パケットロス率等)を取得し、伝送路情報テーブル23に登録する。また、NIC情報が更新された場合には、その度にパスの検出を行い伝送路情報を取得する。ただし前記処理の場合は更新されたパスのみ新たに伝送路情報を取得してもよい。
伝送路管理部20は、上記伝送路状態管理部25で取得された伝送路情報とアプリケーション部11から受け取ったアプリケーション要求情報(例えば、要求帯域、要求遅延、料金、優先伝送路等)から、アプリケーションプログラムに最適な伝送路を選択する。選択結果としては、アプリケーションプログラムに最適な伝送路を一つ選択しても伝送路の優先順位を求めて通信相手に選択してもらうようにしてもよい。伝送路選択後、選択された伝送路及び2番目に優先順位の高い伝送路の伝送路状態(帯域幅、遅延、パケットロス率、料金・・・・等)をアプリケーション部11に回答する。
コンテンツ制御部13は、伝送路管理部20より通知された伝送路状態を基に品質情報テーブル18を参照して、送受信可能なコンテンツ種別を選択する。ここでのコンテンツ種別とは、例えば、映像ストリーミングでは映像・音声のビットレート、コーデックの種類、画角、フレーム等を、VoIP(Voice over Internet Protocol)ではコーデックの種類を指す。同時に通知された伝送路状態を伝送路品質テーブル28に登録する。
情報伝送部15は、上記で選択されたコンテンツ種別のデータを送受信するように通信相手とネゴシエーションした後に、サービスの提供を開始する。また、通信相手とのアプリケーション情報(待ち受けポート番号、使用可能コーデック種別等)の送受信も行う。前記情報を送受信することでアプリケーションにて提供可能なサービス品質を共通化することが可能となる。
転送品質測定部16は、伝送路の有効帯域幅、転送データの遅延量、パケットロス率、片方向遅延量、転送データの再送パケット数等を測定する。これらの値を予め設定した任意の閾値と比較し、閾値を超える場合にはコンテンツ制御部13へ閾値を超えたことを通知する。ここで、データ転送品質としてアプリケーションプログラムに特有なデータ(映像品質、音声品質等)を使用してもよい。
ユーザ設定部12は、ユーザが通信端末の設定やアプリケーション優先基準テーブル17の設定や品質情報テーブル18及び操作を行う入出力部である。このユーザ設定部12は、画面やボタン、マウス等で構成され、アプリケーション部11の機能は、ユーザから指定されるコマンドの実行からも制御される。
IP制御部22は、IPネットワーク(図1,2)にデータを伝送するために必要なアドレス情報などを設定し、作成されたデータを、NIC27を介して実際のネットワークへ送受信する。通信端末10は、ネットワークに接続され、ネットワークの接続を維持したまま移動することが可能である。
上述した通信端末10において、通信端末の起動時には、ネットワークインタフェース管理部26により、複数のネットワークインタフェースの属性に関する情報(例えば、通信カード名、伝送速度、電波強度、リンクの状態、変調方式等)を取得する。同時に通信可能なネットワークインタフェースを検出し、ネットワークインタフェース情報テーブル24に登録する。前記ネットワークインタフェースの検出方法としては、電波強度と閾値との比較による判断、リンクの状態の変化等が挙げられる。
通信端末10の起動後は、ネットワークインタフェース管理部26がネットワークインタフェースの追加/削除及び通信可・不可を監視することで状態が変化したことを検知し、逐一ネットワークインタフェース情報テーブル24を更新する。アプリケーションの通信開始時には、通信端末10は通信相手と利用可能なコンテンツ情報を通知し合うことで利用可能なコンテンツの情報を取得し、前記情報を品質情報テーブル18に登録し、予め設定されたアプリケーションの優先基準(要求帯域幅、最低要求帯域幅、許容遅延等)の情報と共にアプリケーション優先基準テーブル17に登録する。
次に、ネットワークインタフェース情報テーブル24を参照して、通信可能なNICの情報を通信相手に送信する。受信した通信端末では、送信されたNICの情報と自端末のネットワークインタフェース情報テーブル24を参照して、通信端末間に存在する伝送路(パス)を抽出する。抽出されたパスに対して各々の伝送路状態(ボトルネック帯域幅やRTT遅延差等)を取得し、各々の伝送路情報テーブル23に登録する。
伝送路選択部21では、伝送路情報テーブル23のデータをアプリケーション優先基準テーブル17でフィルタリングすることで、アプリケーションプログラムの要求に最適な伝送路が選択される。例えば、アプリケーションプログラムとして映像ストリーミングが起動された場合は、帯域が優先基準として設定されるので、最も帯域の広い伝送路が選択される。この時、優先基準によって上り/下りの伝送路が異なるNICを選択することも可能である。また、伝送路選択部21では、1つの伝送路を選択するのではなく、伝送路に対して相対的な優先順位をもたせて通信相手に優先順位を通知して、通信相手に伝送路を決定させることも可能である。
伝送路が選択されると、伝送路選択部21は、伝送路情報テーブル23を参照して選択された伝送路の伝送路情報をコンテンツ制御部13に送信する。コンテンツ制御部13では、受け取った伝送路情報をもとに品質情報テーブル18からコンテンツ品質を決定する。情報伝送部15では、決定されたコンテンツの品質情報を通信相手に送信し、データの送受信を開始し、同時にIP制御部22は、伝送路選択部21により選択された伝送路に切り替えを行う。
以上の処理が実行されることで、決定された伝送路を介して選択されたコンテンツのデータ通信が行われ、伝送路の切替えとアプリケーションの連動が実現される。
以上の処理が実行されることで、決定された伝送路を介して選択されたコンテンツのデータ通信が行われ、伝送路の切替えとアプリケーションの連動が実現される。
データ通信中は、転送品質測定部16にて転送データ品質(伝送路の有効帯域幅、転送データの遅延量、パケットロス率、片方向遅延量、転送データの再送パケット数、アプリケーションプログラム固有の品質情報等)の監視し、状態変化を検出する。これらのデータ通信中のデータから取得されるデータ転送品質は、決定された伝送路の優先度に従って選択された伝送路の伝送路情報を閾値として比較される。通信制御部14にて転送データ品質が伝送路品質テーブル28に登録されている閾値を下回った場合には、コンテンツ制御部に伝送路切替要求が通知される。
伝送路選択部21は伝送路切替要求を受信してIP制御部22に要求された伝送路の情報を通知し、IP制御部22にて要求された伝送路に切替える。同時に新しく選択された伝送路に対応する品質が、品質情報テーブル18を参照することでコンテンツ制御部13により決定され、決定されたコンテンツ品質の情報を情報伝送部15にて通信相手に通知することで、新しく選択された伝送路を介して新しく選択されたコンテンツ品質によるデータ通信が行われる。
ネットワークインタフェース管理部26において、NIC27の状態が変化したことを検知した場合は、新しく取得されたNIC27の情報をネットワークインタフェース情報テーブル24に登録もしくは登録されている情報を削除し、更新されたNIC27の情報を通信相手に送信する。これを受信した通信端末では、更新されたNIC27の情報と自端末のネットワークインタフェース情報テーブル24を参照して、通信端末間に存在する伝送路(パス)を検出する。
伝送路が追加された場合は、新しく抽出された伝送路に対して各々の伝送路状態(ボトルネック帯域幅やRTT遅延差等)を取得し、各々の伝送路情報テーブル23に登録し、通信開始時と同様に再度伝送路の選択を行う。また、双方向通信で使用される場合には、上り/下り各々に対して伝送路の優先度が判断され、各々に対して最も優先度の高い伝送路を決定し、決定された伝送路を介してデータ通信を行う。既に他の伝送路を介した通信セッションが確立されている場合は、その通信セッションを維持したまま各々の伝送路の切換えが行われる。
図4は、上述した図3の通信端末10の通信開始時の各部の動作を示す動作シーケンス図であり、図5は、NIC27の通信状態が変化した場合の動作シーケンスを示した図であり、図6は使用中の伝送路のデータ転送品質が変化した時の動作シーケンスを示す図である。先ず、通信開始時の動作シーケンスを説明する。図4において、自端末29は、通信を開始する送信側の通信端末であり、通信相手端末30は、送信側の通信端末に対して受信側の通信端末を示しており、各々の通信端末は、IPネットワーク31に接続可能な複数のネットワークインタフェースを備えているものとする。また、図1,2で説明した無線アクセスポイントや、無線基地局を介して、映像、音声などのコミュニュケーションのためのデータ通信を行っているものとする。
接続の形態は1対1でも、複数人数での多地点会議のような通信形態であってもよい。データ通信についても、サーバ・クライアント型の片方向通信もしくは、電話の様な双方向通信であってもよい。また、図5、図6においては、自端末29は、NICの通信状態の変化を検知した通信端末であり、通信相手端末30は自端末29が通信中の通信端末となる。この場合は、自端末29及び通信相手端末30が送信側の端末もしくは受信側の端末のどちらであってもよい。通信の形態についても、図4の通信端末と同様のことが言える。また、各々の通信端末は、一方もしくは双方がNICを一つしか備えない通信端末であってもよい。
先ず、図4(図3を参照)により、通信端末が映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーション等によるデータ通信を行う場合での、通信開始時の自端末29と通信相手端末30の各部の動作を説明する。例えば、伝送路管理部20が、アプリケーションプログラムに利用されるミドルウエアとして搭載されている場合は、プログラム起動時に、ネットワークインタフェース管理部26が、自端末29に備えられているNICの属性に関する情報(例えば、通信カード名、伝送速度、電波強度、リンクの状態、変調方式、MTU等)を取得する。
この情報の取得と同時に、通信可能なNICを検出し、ネットワークインタフェース情報テーブル24に登録する(S401)。この登録の後、ネットワークインタフェース管理部26は、NICの通信状態を常時監視し、状態が変化した場合には、ネットワークインタフェース情報テーブル24の項目の更新があった分について、その都度書き込みを行い、変化した項目についてのみ伝送路管理部20に通知する。この時全ての項目について通知してもよい。なお、図7に、上述した、ネットワークインタフェース情報テーブル24に登録される項目と、その値の一例を挙げる。
NICの検出方法としては、電波強度と閾値との比較による判断、リンクの状態等が挙げられる。電波強度による検出の例としては、閾値をLevel3としたときに、電波強度がLevel3以上だった場合は、フラグとして「1」(フラグとしてネットワークインタフェースが使用可能な場合を1、使用不可能の場合を0とする)をネットワークインタフェース情報テーブル24のリンク状態フラグの位置に書き込む。
他方、電波強度がLevel3未満だった場合は、リンク状態フラグ「0」を前記と同じ位置に書き込む。閾値については、アプリケーションにより定められてもよいし、通信端末が予め内蔵していてもよいし、ユーザがユーザ設定部12を介して設定してもよい。この例の閾値に従えば、ネットワークインタフェース管理部26は、無線の電波強度がLevel1からLevel2に変化したことを検知しても、リンク状態フラグを変更しないことになる。
また、リンク状態による検出の例としては、携帯やPHS等のNICは、ダイヤルアップ接続をしなければIPネットワークへの接続が確立されないものがある。そこで、ダイヤルアップ接続が確立されている場合には、ネットワークインタフェース情報テーブル24のリンク状態の位置に「ON」のフラグを、ダイヤルアップ接続が確立されていない場合には「OFF」のフラグを書き込む。伝送路管理部20の起動タイミングについては、通信端末10の起動時でもアプリケーション起動時でもアプリケーションプログラムが通信を開始するまでに起動していればよい。伝送路管理部20がアプリケーションプログラムに含まれている場合も、伝送路管理部20の起動タイミングは上記と同様でよい。
アプリケーション部11は、ユーザ設定部12から通信開始要求を受けて、アプリケーションでのデータ通信を行うために必要な情報を自端末29と通信相手端末30との間で通知し合う(S414)。この時に、通知し合う情報の項目の一例を、図8(A)に示す。ここでは、データの送受信に必要な接続情報として、「接続先IPアドレス」、待ち受け「ポート番号」と通信のセッション制御に必要な「セッションID」等と、アプリケーションで利用可能なコンテンツ情報を判断するための「映像・音声符号化パラメータ(使用可能なコーデックの種類等)」や使用する「送受信プロトコル(RTP:Real-time Transport Protocol、UDP:User Datagram Protocol等)」が含まれる。
上記ネゴシエーション機能を、SIP(Session Initiation Protocol)やRTSP(Real Time Streaming Protocol)等のセッションを開始、管理、そして終了させるためのシグナリング・プロトコルを用いて実現してもよい。またIPアドレスについても、IPv4(Internet Protocol Version 4)アドレスであってもIPv6(Internet Protocol Version 6)アドレスであってもよい。
アプリケーション部11は、上記ネゴシエーション機能により取得した情報のうちコンテンツ情報をもとに、アプリケーションで提供可能なコンテンツの情報のリストである品質情報テーブル18を作成する。品質情報テーブル18の項目とその一例を図8(B)に示す。なお、品質情報テーブル18については、ユーザ設定部12からユーザにより設定されたものを使用してもよい。
次に、アプリケーション部11は、伝送路管理部20に伝送路選択に必要なアプリケーション優先基準テーブル17の情報を通知する(S415、S416)。アプリケーション優先基準テーブル17の項目とその一例を図8(C)に示す。アプリケーション優先基準テーブル17の各項目については、前述したネゴシエーション機能により取得した情報から書き込まれたものとユーザ設定部12からユーザにより設定された項目から作成されている。なお、アプリケーション優先基準テーブル17についても、全ての項目についてユーザ設定部12からユーザにより設定されたものを使用しても、予め端末に設定されているものを使用してもよい。
伝送路管理部20は、ネットワークインタフェース情報テーブル24のリンク状態フラグを参照して通信可能なNICのリストを通信相手端末30に通知する(S417)。ネットワークインタフェースリストの項目とその一例を図9(A)に示す。通信相手端末30では、受信したネットワークインタフェースリストと自分の端末内のネットワークインタフェース情報テーブル24を基に、自端末〜通信相手端末間に存在する伝送路リストを作成する。
例えば、自端末29の使用可能なNICが3つ(NIC1〜3)、通信相手端末30の使用可能なNICが2つ(NIC4〜5)の場合の伝送路の数は、3(自端末のNIC数)×2(通信相手端末のNIC数)×2(上り伝送路・下り伝送路)で12となる。この例での伝送路リストの一例を図9(B)に示す。作成された伝送路リストは、通信相手端末30から自端末29に通知され、各々の伝送路情報テーブル23に登録され(S404、S405)、そして、各々の伝送路管理部20に通知される(S418、S419)。伝送路管理部20は、通知された情報をもとに各々の伝送路の伝送路状態の測定を行う(S420)。
ここで伝送路情報テーブル23の項目を図10に示す。以下に、各々の項目の説明と測定方法の例を挙げる。図11(A)にボトルネック物理帯域幅の概要を示す。図11(A)は、自端末29と通信相手端末30間の伝送路の一つであり、線の幅が帯域幅の広さを表わしており、線の幅が広いほど帯域幅が広く、線の幅が狭いほど帯域幅は狭いことを示している。IPネットワークでは、経路の途中で様々な伝送路が存在するため伝送路全体を通じて一様な帯域幅を提供することは出来ない。そこで、伝送路のボトルネックの帯域幅を測定し、その結果をもとにコンテンツ品質を決定することで、該当する伝送路でデータ送受信可能な最大のビットレートで高品質なサービスを提供することが可能となる。
図11(B)により、ボトルネックリンクの物理帯域幅を測定する方法の一例として、パケットペア転送方式及びパケットトレイン転送方式によるプローブパケットを用いた測定方法を説明する。自端末29から2つの同サイズSのパケットを密接させて送信し、これがボトルネックリンクで同時にキューイングされるとΔT<S/B2となる。パケットは、その間隔を保って通信相手端末30に到着するためΔT′=S/B2となる。この式から求められるB2が、伝送路におけるボトルネック物理帯域幅となる。
次に、図12にRTT遅延差を測定する方法の一例を示す。図12において、自端末29はNIC1〜3の3つのNICを備え、通信相手端末30はNIC4を備えており、それぞれIPネットワークに接続されているとする。自端末29から通信相手端末30、さらに自端末29パケットを送信することでRTTを測定することが出来るので、NIC1〜NIC4〜NIC1のRTTをRTT1、NIC1〜NIC4〜NIC2のRTTをRTT2、NIC1〜NIC4〜NIC3のRTTをRTT3、NIC1→NIC4の片方向の遅延時間をΔT、NIC4→NIC1の片方向の遅延時間をΔT1、NIC4→NIC2の片方向の遅延時間をΔT2、NIC4→NIC3の片方向の遅延時間をΔT3とすると、
ΔT1= RTT1−ΔT
ΔT2= RTT2−ΔT
ΔT3= RTT3−ΔT
となる。
ΔT1= RTT1−ΔT
ΔT2= RTT2−ΔT
ΔT3= RTT3−ΔT
となる。
上記の式より、ΔT1、ΔT2、ΔT3はそれぞれRTT1、RTT2、RTT3からΔTを減算することで求められるので、RTT1、RTT2、RTT3を比較することは、すなわち、通信相手端末29から自端末30への片方向の相対的な遅延差を比較することと同義として捉えることができる。以上のことから、RTT1、RTT2、RTT3をそれぞれNIC4→NIC1、NIC4→NIC2、NIC4→NIC3の片方向の遅延差として使用することが可能となる。
図13は、可用帯域幅について説明する図で、図11(A)と同様に自端末29と通信相手端末30間の伝送路の一つであり、線の幅が帯域幅の広さを表わしており、線の幅が広いほど帯域幅が広く、線の幅が狭いほど帯域幅は狭いことを示している。また、ハッチング部分は、その伝送路に既に送受信されているパケットが各リンクの帯域を占有している(リンク毎にクロストラフィックが存在する)ことを示している。
この場合にも、上述したボトルネック物理帯域幅の測定と同じように、プローブパケットの転送にパケットトレイン方式を用いることで送受信端末間の伝送路上のリンクの可用帯域幅を測定することができる。ここでは、各プローブパケット間の片道転送遅延の増加傾向を利用して、前記片道転送遅延の増加傾向は、プローブパケットの送信レートが可用帯域幅を上回るときに観測されるため、この性質を利用し、プローブパケットの送信レートを変更しながら繰り返し計測を行うことによって、可用帯域幅を求めることが可能となる。パケットロス率については、上記測定に用いたプローブパケットを用いることで、「パケットロス率=パケットロス数(受信に失敗したパケット数)/送信したパケット数」から求められる。
上記の測定は、伝送路情報テーブル23に登録されている伝送路リスト(自端末29と通信相手端末30の間に存在する全ての伝送路)に対して実施される。測定完了後、伝送路状態管理部25は、上に述べられた測定方法で取得された伝送路情報を伝送路情報テーブル23に書き込む(S406、S407)。伝送路選択部21は、前記の取得された伝送路情報テーブル23とアプリケーション優先基準テーブル17から伝送路を選択する(S408、S409)。
図14A,図14Bは、伝送路情報テーブル23とアプリケーション優先基準テーブル17からアプリケーションの要求に適した伝送路を選択する処理手順の例を示すフローチャートである。先ず、図14A示すように、アプリケーション優先基準テーブル17に、優先NICの項目が指定されているかどうか確認する(S01)。優先NICが指定されている場合には(S01YES)、伝送路情報テーブル23の伝送路情報を参照して、指定された優先NICがテーブル上に存在し使用可能かを確認し(S02)、使用可能である場合は前記の優先NICを選択する(S02YES)。
アプリケーション優先基準テーブル17に、優先NICの項目が指定されていなかった場合(S01NO)か、もしくは優先NICが使用可能でなかった場合(S02NO)は、アプリケーション優先基準テーブル17に、料金優先の項目が指定されているかどうか確認する(S03)。本実施例では、料金設定の項目として無料もしくは定額制、従量課金制のどちらかが設定されるものとする。料金優先として無料/定額制が指定されている場合は(S03YES)、ネットワークインタフェース情報テーブル24と伝送路情報テーブル23の両方を参照して、無料/定額制の伝送路を抽出する(S04)。
さらに、アプリケーション優先基準テーブル17に帯域優先が設定されている場合は(S05YES)、前記の抽出された伝送路の中から最も帯域幅の大きい伝送路を選択する(S06)。そして、帯域優先の項目が設定されていなかった場合は(S05NO)、遅延優先の項目が設定されているか確認し、設定されている場合には(S07YES)、前記抽出された伝送路の中から最も遅延量の小さい伝送路を選択する(S08)。さらに、遅延優先の項目も設定されていない場合には(S07NO)、前記抽出された伝送路が要求帯域を満たすか、要求遅延を満たすかを確認する。どちらの条件も満たす伝送路が存在する場合には(S09YES、S10YES)、その中から料金が安く最も帯域幅の大きい伝送路を選択する(S11)。
前記抽出された伝送路が要求帯域と要求遅延のいずれかを満たせない場合は(S09NO、S10NO)、図14Bのフローに移って、従量課金制の伝送路に対して、上述した処理手順と同様な処理を行い、伝送路を選択する(S12〜S22)。またアプリケーション優先基準テーブル17に料金優先が設定されていない場合にも(S03NO)、同様な処理手順を行い、伝送路を選択する(S12〜S22)。
ただし、アプリケーション優先基準テーブル17に帯域優先、および遅延優先のどちらも設定されておらず(S12NO、S15NO)、さらに要求帯域も満たす伝送路が存在しない場合には(S19NO)、ユーザ設定部12に要求帯域幅を満たす伝送路が存在しないことを通知し(S21)、ユーザに対してサービスを提供できないことを通知することになる。また、要求帯域を満たせても(S19YES)、要求遅延を満たせなかった場合には(S20NO)、ユーザ設定部12に要求遅延を満たす伝送路が存在しないことを通知し(S22)、ユーザに対してサービスを提供できないことを通知することとなる。なお、要求遅延を満たせる場合には(S20YES)、図14Aのフローに戻って、料金が安く最も帯域幅の大きい伝送路を選択する(S11)。
なお、伝送路については上り/下りが存在するため、本実施例では各々(自端末及び通信相手端末)が下りの伝送路に対して選択を行うものとする。映像ストリーミングや音声ストリーミング等のサーバ・クライアント型の片方向通信の場合については、クライアント側で伝送路を選択することとする。本実施例に限らず、各々が下りではなく上りの伝送路を選択しても、一方の端末が上り/下りのどちらの伝送路も選択するように処理を行ってもよい。
ここで、図15を用いて、上り/下りで異なる伝送路が選択される場合の一例を説明する。自端末29は、FOMAとPHSの2つのNICを備え、通信相手端末30は無線LAN(IEEE802.11b)のNICのみを備えており、各々のNICを経由してIPネットワークに接続可能であるとする。本実施例ではFOMAは従量課金制の下り384kbps、上り64kbpsとし、PHSは定額制の上り/下り64kbps、無線LANについては定額制で上り/下り11Mbpsとする。この場合、各々のNICのネットワークインタフェース情報テーブル24及び伝送路情報テーブル23としては、それぞれ図16(A)、図16(B)のようになる。
また、アプリケーション優先基準として優先NICなし、帯域優先あり、料金に関しては従量課金制が設定されているとすると、アプリケーション優先基準テーブル17は、図17のようになる。図16(B)で示されるように、本実施例では自端末29と通信相手端末30の間に存在する伝送路は4つとなる。上述した伝送路を選択するフローチャート(図14A)にしたがって伝送路を選択すると、自端末29から通信相手端末30への伝送路については、優先NICが指定されていない(S01NO)、コスト:無料/定額制が指定されていない(S03NO)、そして、図14Bのフローに移る。
図14Bのフローにおいて、帯域優先が指定されており(S12YES)、伝送路1と伝送路2の帯域幅は同じであり、同じ帯域の伝送路が存在するため(S13YES)、最も料金が安い伝送路として「伝送路2」が選択される(S17)。同様にして、通信相手端末29から自端末30への伝送路は伝送路についても、図14Aから図14Bのフローで、優先NICが指定されていない(S01NO)、コスト:無料/定額制が指定されていない(S03NO)、帯域優先が指定されており(S12YES)、伝送路4に比べて伝送路3の帯域幅の方が大きいので(S13NO)、最も帯域幅の大きい伝送路として「伝送路3」が選択される(S14)。
なお、帯域優先が指定されておらず(S12NO)、遅延優先が設定されていると(S15YES)、同じ遅延の伝送路が存在する場合には(S16YES)、最も料金の安い伝送路が選択される(S17)。同じ遅延の伝送路が存在しない場合には(S16NO)、最も遅延量の小さい伝送路を選択する(S18)。
上述したように、アプリケーションの優先基準と伝送路状態に応じて上り/下りの伝送路が異なるNICを選択することで、アプリケーション及びユーザの嗜好に合わせて伝送路を使い分けることが可能となる。また、伝送路選択部21では1つの伝送路を選択するのではなく、伝送路に対して相対的な優先順位(各項目に対して重み付けを行い、その重み付けをもとに各伝送路に対してポイントを計算し、ポイントの高いものから優先順位を付けていく等)をもたせて通信相手に前記優先順位を通知して、通信相手に伝送路を決定させてもよい。
図3,4に戻って、伝送路が選択されると、伝送路選択部21は伝送路情報テーブル23を参照して、選択された伝送路の伝送路情報をアプリケーション部11に通知する(S421、S422)。本実施例では、伝送路状態としてアプリケーションに割当て可能な帯域幅(ボトルネック物理帯域幅)をアプリケーション部11に通知する。帯域幅は、アプリケーションのコンテンツの品質を決定する上で大きな要因を占めるが、対象となるコンテンツによって、伝送路の遅延や、可用帯域幅、パケットロス率等の情報を必要とする可能性も考えられるので、必要に応じてそれらのいずれかの情報を併せて通知してもよい。
コンテンツ制御部13は、通知された伝送路情報をもとに品質情報テーブル18を参照して通信でのコンテンツ品質を決定する(S412、S413)。通信制御部14は、上述したようにコンテンツ制御部13により決定されたコンテンツ品質に従った映像・音声の種類や利用パラメータを決める情報を通信相手と交換した後に、データの送受信を開始し(S423)、同時にIP制御部22は伝送路選択部21により選択された伝送路に切替を行う(S410、S411)。
以上のように、通信端末10が無線環境を通して映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーションによりデータ通信を行う際に、通信端末間の伝送路情報をもとにアプリケーションの優先基準やユーザの嗜好に合わせて伝送路を選択することで、通信端末の存在する場所の無線環境やネットワーク情報に合わせた品質のサービスを提供することが可能となる。なお、伝送路としては無線だけでなくイーサネット(登録商標)に代表される有線LANでの接続など、IPネットワークに接続可能な媒体であってもよい。
次に、通信端末10が映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーション等によるデータ通信を行っている際に、通信端末を取り囲む伝送路の通信状態が変化した場合の自端末29と通信相手端末30の各部の動作の例を、図5(図3を参照)により説明する。
ユーザは、無線の利点を生かして自由に移動が可能である。ここで、移動中などにおいて、ネットワークインタフェース管理部26が、例えば、今まで使用不可能だったNIC(リンク状態フラグが「0」)の無線の電波強度が強まり、Level2からLevel4に変化したことを検知し、閾値がLevel3に設定されていたとすると、使用不可能だったネットワークインタフェースが使用可能となる。NICの状態が変化したことを伝送路管理部20に通知し(S517)、ネットワークインタフェース情報テーブル24の該当箇所に通知された値を書き込む(リンク状態フラグを「0」から「1」に書き換える)(S501)。
伝送路管理部20は、該当する新規に使用可能となったネットワークインタフェースの情報を通信相手端末30に通知する(S518)。ここで通知されるネットワークインタフェースの情報の一例を図18(A)に示す。ここでは、通信開始時の実施例の場合で(自端末の使用可能なNICが3つ(NIC1〜3)、通信相手端末の使用可能なNICが2つ(NIC4〜5))、自端末29のNIC6が使用可能となった場合において、追加されたNIC名であるNIC6と対応するIPアドレスを送信している。
追加されたネットワークインタフェースが複数存在する場合には、NIC名と対応するIPアドレスのリストが送信される。ここで、IPアドレスについてはIPv4アドレスであってもIPv6アドレスであってもよい。また、追加されたネットワークインタフェースだけでなく、通信可能なネットワークインタフェースの全てにリストを送信してもよい。通信相手端末30では受信したネットワークインタフェースの情報と自分の端末内のネットワークインタフェース情報テーブル24をもとに自端末29〜通信相手端末30間に追加された伝送路リストを作成する。
送信されたネットワークインタフェースの情報が通信可能な全てのネットワークインタフェースリストの場合には、自端末29〜通信相手端末30間に存在する伝送路リストが作成される。追加された伝送路のリストの一例を図18(B)に示す。作成された伝送路のリストは通信相手端末30から自端末29に通知され各々の伝送路情報テーブル23に登録され(S503、S504)、そして各々の伝送路管理部20に通知される(S519、S520)。
伝送路管理部20は、通知された情報をもとに追加された伝送路について伝送路状態の測定を行う(S521)。各々の項目の説明と測定方法については、通信開始時の実施例で述べた方法と同じ方法を用いることとする。こうして得られた伝送路情報とアプリケーション優先基準から、図14A,図14Bのフローチャートにより伝送路が決定される(S507、S508)。決定された伝送路が現在使用している伝送路と異なる場合には(S509YES、S510YES)、伝送路選択部21は伝送路情報テーブル23を参照して、選択された伝送路の伝送路情報をアプリケーション部11に通知する(S522、S523)。
本実施例では、通信開始時の実施例と同様に伝送路状態としてアプリケーションに割当て可能な帯域幅をアプリケーション部11に通知する。コンテンツ制御部13は、通知された伝送路情報をもとに品質情報テーブル18を参照して通信でのコンテンツ品質を決定する。コンテンツの切替えが必要だと判断した場合には(S513YES、S514YES)、通信制御部14は、前記決定されたコンテンツ品質に従った映像・音声の種類や利用パラメータを決める情報を通信相手と交換した後に(S524)、切替え後のコンテンツ品質にてデータの送受信を開始し(S515、S516)、同時にIP制御部22は伝送路選択部21により選択された伝送路に切替を行う(S511、S512)。
なお、選択された伝送路が現在使用している伝送路と一致する場合には何も行わない。また、選択された伝送路が現在使用している伝送路と異なり、コンテンツ制御部13によりコンテンツを切替える必要がないと判断された場合には(S513NO、S514NO)、伝送路の切替のみを行う(S511、S512)。
上記実施例では、無線の電波強度の変化の例を挙げたが、携帯やPHS等のダイヤルアップ接続が確立されていない状態から確立されている状態に変化した場合(リンク状態が「OFF」から「ON」に変化)や、新しくネットワークインタフェースが追加され、そのネットワークインタフェースがリンク状態「ON」もしくは、リンク状態フラグが「1」である場合でもよい。
以上のように、通信端末10が無線環境を通して映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーションによりデータ通信を行っている最中に、無線環境の変化をきっかけに、新しくネットワークインタフェースが使用可能となった場合において、通信端末間の伝送路情報とアプリケーションの優先基準やユーザの嗜好に合わせて伝送路を再度選択し、上記伝送路に基づいた情報をアプリケーションに通知することで、通信端末の存在する場所の無線環境やネットワーク状況に合わせた品質のサービスを提供することが可能となる。なお、伝送路としては無線だけでなくイーサネット(登録商標)に代表される有線LANでの接続など、IPネットワークに接続可能な媒体であればよい。
次に、通信端末10が映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーション等によるデータ通信を行っている際に、通信端末を取り囲む伝送路の通信状態が変化した場合の自端末29と通信相手端末30の各部の動作の別の例を、同じく図5(図3を参照)を用いて説明する。
ユーザは、無線の利点を生かして自由に移動が可能である。ここで、移動中などにおいて、ネットワークインタフェース管理部26が、例えば、現在通信中のネットワークインタフェース(リンク状態フラグ「1」)の無線の電波強度が弱まり、Level4からLevel2に変化し、閾値がLevel3に設定されていたとすると、使用可能だったネットワークインタフェースが使用不可能となる。ネットワークインタフェースの状態が変化したことを伝送路管理部20に通知し(S517)、ネットワークインタフェース情報テーブル24の該当箇所に通知された値を書き込む(リンク状態フラグを「1」から「0」に書き換える)(S501)。
伝送路管理部20は、該当する使用不可能となったネットワークインタフェースの情報(例えば、ネットワークインタフェース名)を通信相手に通知し(S518)、同時に伝送路情報テーブル23から該当する伝送路の情報を削除する(S503)。通信相手端末30でも同様に、通知されたネットワークインタフェースの情報をもとに通信相手端末30で保持している伝送路情報テーブル23から該当する伝送路の情報を削除する(S504)。
伝送路管理部20は、更新された伝送路情報とアプリケーション優先基準から、図14A,図14Bのフローチャートに従って伝送路を決定する(S507、S508)。ここで、伝送路状態管理部25は、更新された伝送路情報テーブル23をもとに(上記状態が変化したネットワークインタフェースに対応する伝送路を削除した後の伝送路に対して)再度伝送路状態の測定を実施してもよい(S519〜S521、S505、S506)。新しく使用する伝送路が決定されると、伝送路選択部21は伝送路情報テーブル23を参照して、選択された伝送路の伝送路情報をアプリケーション部11に通知する(S522、S523)。
本実施例では、通信開始時の実施例と同様に伝送路状態としてアプリケーションに割当て可能な帯域幅をアプリケーション部11に通知する。コンテンツ制御部13は、通知された伝送路情報から品質情報テーブル18を参照して通信でのコンテンツ品質を決定し、コンテンツの切替えが必要だと判断した場合には(S513YES、S514YES)、前記コンテンツ制御部13にて決定されたコンテンツ品質にしたがって、映像・音声の種類や利用パラメータを決める情報を通信相手と交換後(S524)、データの送受信を開始し、同時にIP制御部22にて伝送路選択部21により選択された伝送路に切替を行う(S511、S512)。また、コンテンツ制御部13によりコンテンツを切替える必要がないと判断された場合には(S513NO、S514NO)、伝送路の切替のみを行う(S511、S512)。
本実施例では、現在使用中のネットワークインタフェースの無線の電波強度が弱まった場合の制御について述べたが、現在使用しておらず、且つ現在使用可能なネットワークインタフェースの無線の電波強度が弱まった場合についても、該当する使用不可能となったネットワークインタフェースの情報を通信相手端末30に通知するようにしてもよい。対応する伝送路情報テーブル23の情報を自端末29と通信相手端末30で各々削除するという制御手順については同じ処理を行い、この場合では、伝送路の選択を行わないという点のみ異なる。
上記実施例では、無線の電波強度の変化の例を挙げたが、携帯やPHS等のダイヤルアップ接続が確立されている状態から確立されてない状態に変化した場合(リンク状態が「ON」から「OFF」に変化)や、ネットワークインタフェースが削除(通信端末から取り外され)された場合でも、あるネットワークインタフェースのリンク状態フラグが「1」から「0」に変化した場合でもよい。
以上のように、通信端末10が無線環境を通して映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーションによりデータ通信を行っている最中に、無線環境の状態の変化をきっかけに、現在使用中の伝送路の状態が変化した場合でも、通信端末間の伝送路情報とアプリケーションの優先基準やユーザの嗜好にあわせて伝送路を再選択することができる。上記伝送路に基づいた情報をアプリケーションに通知することで、通信端末10の存在する場所の無線環境やネットワーク状況に合わせた品質のサービスを提供することが可能となる。なお、伝送路としては無線だけでなくイーサネット(登録商標)に代表される有線LANでの接続など、IPネットワークに接続可能な媒体であればよい。
次に、通信端末10が映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーション等によるデータ通信を行っている際に、通信端末を取り囲む伝送路の通信状態が変化した場合の自端末29と通信相手端末30の各部の動作のその他の例を、同じ図5(図3を参照)を用いて説明する。
ユーザは、無線の利点を生かして自由に移動が可能である。ここで、移動中などにおいて、ネットワークインタフェース管理部26が、例えば、現在通信中のネットワークインタフェースの無線通信の物理リンク速度の変化(IEEE802.11bにおける物理伝送速度の変化11Mbpsから5.5Mbpsや、FOMAにおけるベアラの伝送速度の変化384kbpsから64kbps等)を検知したとする。NICの状態が変化したことを伝送路管理部20に通知し(S517)、ネットワークインタフェース情報テーブル24の該当箇所に通知された値(伝送速度11Mbpsから5.5Mbpsあるいは、384kbpsから64kbps等)を書き込む(S501)。
伝送路管理部20は、該当する通信状態の変化したネットワークインタフェースの情報を通信相手端末30に通知する(S518)。ここで、通知されるネットワークインタフェース情報の一例を図18(C)に示す。ここでは、通信開始時の実施例の場合でNIC1がIEEE802.11bのネットワークインタフェースであり、自端末29のNIC1の伝送速度が11Mbpsから5.5Mbpsに変化したというネットワークインタフェース情報テーブル24の更新部分の情報のみを送信している(S518)。通信状態の変化したネットワークインタフェースが複数存在する場合には、NIC名と対応するネットワークインタフェース情報テーブル24の更新部分の情報のリストが送信される。また、更新された部分だけでなく、通信可能なネットワークインタフェースの全てのリストを送信してもよい。
通信相手端末30では、受信したネットワークインタフェースの情報をもとに自分の端末内のネットワークインタフェース情報テーブル24を更新し、伝送路管理部20は、該当する伝送路の伝送路状態を測定する(S521)。ここでは、更新されたネットワークインタフェースに対応する伝送路の伝送路状態のみを再度測定することとしたが、全ての伝送路に対して再度伝送路状態を測定しなおしてもよい。各々の項目の説明と測定方法については、通信開始時の実施例で述べた方法と同じ方法を用いることとする。こうして得られた伝送路情報とアプリケーション優先基準から、図14A,図14Bのフローチャートにより伝送路が決定される(S507、S508)。
決定された伝送路が現在使用している伝送路と異なる場合には(S509YES、S510YES)、伝送路選択部21は伝送路情報テーブル23を参照して、選択された伝送路の伝送路情報をアプリケーション部11に通知する(S522、S523)。本実施例では、通信開始時の実施例と同様に伝送路状態としてアプリケーションに割当て可能な帯域幅をアプリケーション部11に通知する。
コンテンツ制御部13は、通知された伝送路情報をもとに品質情報テーブル18を参照して通信でのコンテンツ品質を決定する。コンテンツの切替えが必要だと判断した場合には(S513YES、S514YES)、通信制御部14は、前記の決定されたコンテンツ品質に従った映像・音声の種類や利用パラメータを決める情報を通信相手と交換した後に(S524)、切替え後のコンテンツ品質にてデータの送受信を開始する(S515、S516)。同時にIP制御部22は、伝送路選択部21により選択された伝送路に切替を行う(S511、S512)。なお、選択された伝送路が現在使用している伝送路と一致する場合には何も行わない。また、選択された伝送路が現在使用している伝送路と異なり、コンテンツ制御部13によりコンテンツを切替える必要がないと判断された場合には(S513NO、S514NO)、伝送路の切替えのみを行う(S511、S512)。
なお、本実施例では、ネットワークインタフェースの無線通信の物理リンク速度が変化した場合について述べたが、無線の変調方式が変更されたことを検知した場合(IEEE802.11bにおける変調方式がQPSKからBPSKに変化)についても、本実施例で述べた処理手順に従って制御を行うことで通信環境に応じた品質のサービスを提供することが可能である。
次に、通信端末が映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーション等によるデータ通信を行っている際に、アプリケーションプログラム上でデータ転送品質が変化した場合の自端末29と通信相手端末30の各部の動作の例を、図6(図3を参照)を用いて説明する。
通信開始時は、上述したように使用可能な伝送路からアプリケーションプログラムの優先基準に従った伝送路が選択され、伝送路に適応したコンテンツ品質でデータ通信が開始される。データ通信開始後、アプリケーション部11では転送品質測定部16にて常に転送品質の監視を行う。取得されたデータ転送品質を伝送路品質テーブル28と比較して、転送品質の状態変化が検出されると伝送路管理部20に伝送路切替要求(S601)を通知する。
ここで、伝送路品質テーブル28の一例を図19(A)に示す。伝送路品質テーブル28の各項目について、伝送路の有効帯域幅、転送データの遅延量(RTT)、パケットロス率については、伝送路管理部20で選択された現在通信中の伝送路の次に優先度の高い伝送路に対応する伝送路情報テーブル23の各項目の値が登録されている。本実施例で、再送パケット数については、サービス提供者により予め設定されているものとする。なお、この値に関しては、ユーザ設定部12からユーザにより設定されたものでもよい。
以下に、各々の項目の説明と転送品質測定部16での測定方法の例を挙げる。先ず、帯域幅については、一定時間の間に受信したパケットのデータサイズから実効帯域幅を取得する。転送品質測定部16は、パケットのシーケンス番号から任意の一定時間に受信した最初のパケットと最後のパケットを区別することが可能なので、時間T1から時間T2の間に受信したパケットのデータサイズをSとすると有効帯域幅BWは以下の式から求められる。
BW=S×8×1024/(T2−T1)
パケットロス率については、受信端末側にてデータパケットの再送制御を行った結果、受信端末側で転送データの上記シーケンス番号を確認することで、前述したように「パケットロス率=パケットロス数/送信したパケット数」から算出することが出来る。
BW=S×8×1024/(T2−T1)
パケットロス率については、受信端末側にてデータパケットの再送制御を行った結果、受信端末側で転送データの上記シーケンス番号を確認することで、前述したように「パケットロス率=パケットロス数/送信したパケット数」から算出することが出来る。
同様にして、上記シーケンス番号を確認することでデータの再送制御を行うことが可能である。本実施例では、再送制御方式としてARQ(Automatic Repeat Request)で規定される再送制御を使用することとする。図20は、再送制御について説明する図である。データ通信中の各データパケットに対して割り振られたシーケンス番号を、受信端末側(通信相手端末30)で確認し、転送データの上記シーケンス番号の不連続を検出した場合に、送信端末側(自端末29)へ該当パケットの再送要求を送信し、その再送パケット数を算出する。連続してパケットロスが発生している場合は、1回の再送要求で複数パケットを指定する。
さらに、再送要求の送信時間と再送パケットの受信時間のトータルは、ほぼRTTと等しい値になるため、再送要求の間隔はRTT遅延差より大きい値に設定される。以上のことから再送要求を何回送信出来るかは、RTT遅延差とジッタバッファによって決定され、ネットワーク遅延のジッタが少ない環境では、「再送可能回数=ジッタバッファ÷RTT」となる。ジッタバッファの大きさについては、受信端末の能力によって変わってくるので、本実施例では再送パケット数の変化量を伝送路品質の比較項目として使用する。
次に、片方向遅延量について、図21をもとに以下に述べる。片方向遅延量は、データ通信中の各データパケットに対して、送信端末側での送信時刻が「Tk」で、受信端末側での受信時刻が「Tk′」で取得した場合に、「片方向遅延量=受信時刻Tk′−送信時刻Tk」で求められる。ただし、自端末(送信端末側)と通信相手端末(受信端末側)で数10ms以内の誤差で時刻を同期させることは困難なので、本実施例では、通信相手端末30での受信時刻とパケットの送信タイムスタンプの履歴の最小値(片方向遅延量の最小値)を遅延0とみなすことで、相対的な片側遅延量を算出する。図21において、現在、自端末29→通信相手端末30の伝送路がNIC1→NIC4を使用しているとすると、NIC1→NIC4のEnd−to−Endの相対的な片側遅延量の変化を検出することが出来る。
上記のデータ転送品質の変化については、データ通信中のデータを使用して測定された値をもとに検出され、帯域幅、RTT、パケットロス率の項目については、定期的に伝送路品質テーブル28に登録されている値と比較を行う。通信制御部14において、登録されている値を下回る、すなわち閾値を超えた場合にデータ転送品質の状態が変化したと検知される。片方向遅延量及び再送パケット数については、それぞれの値が任意の割合を超えた場合にデータ転送品質が変化したと検知される。
以上のように伝送路のデータ転送品質の変化が検知されると、伝送路管理部20に伝送路切替要求(S601)が通知される。伝送路管理部20は、現在使用中の伝送路に割り当てられている伝送路No.に対応する転送品質劣化フラグを、伝送路情報テーブル23に書き込み(S602)、通信相手端末30に対して伝送路切替要求(S604)を通知する。伝送路切替要求の一例を図19(B)に示す。通信相手端末側でも同様に伝送路管理部20が、通知された現在使用中の伝送路に割り当てられている伝送路No.に対応する転送品質劣化フラグを伝送路情報テーブル23に書き込む。
ここで、伝送路切替要求の測定要求が設定されていなかった場合は(S603NO)、コンテンツ制御部13は伝送路品質テーブル28を参照してコンテンツ品質を決定する。コンテンツの切替えが必要だと判断した場合には(S615YES)、情報伝送部15は、前記決定されたコンテンツ品質に従った映像・音声の種類や利用パラメータを決める情報を通信相手と交換した後に(S616,S617)、切替後のコンテンツ品質にてデータの送受信を開始し(S618)、同時にIP制御部22は伝送路切替要求の次候補伝送路に切替えを行う(S620、S621)。
なお、コンテンツ制御部13により、コンテンツを切替える必要がないと判断された場合には(S615NO)、伝送路の切替えのみを行う。
なお、コンテンツ制御部13により、コンテンツを切替える必要がないと判断された場合には(S615NO)、伝送路の切替えのみを行う。
伝送路切替要求の測定要求フラグが設定されている場合では(S603YES)、伝送路管理部20は、通信相手端末→自端末方向の対象となる伝送路に対して伝送路状態の測定を行う(S606、S608)。各々の項目の説明と測定方法については、通信開始時の実施例で述べた方法と同じ方法を用いることとする。この時、転送品質劣化フラグがONになっている伝送路No.については測定を実施しなくてもよい。こうして得られた伝送路情報とアプリケーション優先基準から図14A、図14Bのフローチャートにより伝送路が決定される(S611、S612)。伝送路選択部21は伝送路情報テーブル23を参照して、選択された伝送路の伝送路情報をアプリケーション部11に通知する(S613)。
本実施例では、通信開始時の実施例と同様に伝送路状態としてアプリケーションに割当て可能な帯域幅をアプリケーション部11に通知する。通信制御部14では、通知された伝送路情報と転送品質測定部16で測定された値とを比較する。伝送路を切替える必要があると判断した場合には(S614YES)、コンテンツ制御部13において通知された伝送路情報をもとに品質情報テーブル18を参照してコンテンツ品質を決定する。
ここで、コンテンツの切替えが必要だと判断した場合には(S615YES)、情報伝送部15は前記決定されたコンテンツ品質に従った映像・音声の種類や利用パラメータを決める情報を通信相手と交換した後に(S618)、切替後のコンテンツ品質にてデータの送受信を開始し、同時に通信制御部14は選択された伝送路に切替えるように伝送路切替通知を伝送路管理部20に通知し(S619)、IP制御部22は通知された伝送路に切替を行う(S620、S621)。
なお、通知された伝送路情報と転送品質測定部16で測定された値を比較した結果が、伝送路を切替える必要がないと判断された場合(S614NO)には何も行わない。上記結果が伝送路を切替える必要があると判断され(S614YES)、コンテンツ制御部13によりコンテンツを切替える必要がないと判断された場合には(S615NO)、伝送路の切替のみを行う(S620、S621))。ただし、ユーザの要求により伝送路を切替えない設定にしてもよい。
次に、通信端末が映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーション等によるデータ通信を行っている際に、アプリケーションプログラム上でデータ転送品質が変化した場合に、伝送路の切替えの判断をユーザに促す場合の自端末29と通信相手端末30の各部の動作の他の例を、図6(図3参照)及び図22を用いて説明する。
上述したように、通信開始時は使用可能な伝送路からアプリケーションプログラムの優先基準に従った伝送路が選択され、伝送路に適応したコンテンツ品質でデータ通信が開始される。データ通信開始後、アプリケーション部11では転送品質測定部16にて常にデータ転送品質の監視を行う。データ転送品質の変化の検出については、先に述べた実施例の手段を用い、変化が検出されるとユーザ設定部12を経由して、データ転送品質情報が画面上に表示される。
図22は、データ転送品質情報を表示し、ユーザに伝送路の切り替えを促す画面の一例である。ユーザが伝送路切替ボタンを押すと、伝送路管理部20に伝送路要求が通知され、上述の実施例のように伝送路の切替え処理が行われる。切替先の伝送路は、前回決定した優先度の中から現在使用している伝送路の次に優先度の高い伝送路をユーザに提示する。ここで、現在使用している伝送路以外の利用可能な伝送路に対して再度伝送路情報を取得した結果をもとに、最も優先度が高い伝送路を決定し選択してもよい。なお、ユーザがキャンセルボタンを押した場合には何も行わない。
なお、本実施例では、自端末29において通信状態が変化した場合の例について説明をしたが、通信相手端末30において通信状態の変化が生じた場合についても同様の制御を行うことで、伝送路の選択とアプリケーションの連動といったユーザの通信状況に応じた品質のサービスを提供することが可能となる。
【0001】
技術分野
[0001]
本発明は、複数の無線通信手段を有する通信端末によるモバイルネットワークシステムに使用され、複数のネットワークを介して通信を行う通信プログラム、会話型やストリーミング型のアプリケーションサービスをユーザに提供する通信システム及び通信端末に関する。
背景技術
[0002]
近年の無線技術の進歩に伴い、様々な無線通信方式でのインターネットへの接続が普及し、無線の利点を生かして移動環境でのモバイル通信環境が提供されるようになりつつある。また、携帯端末についても高機能化が進み、1つの端末装置で複数のネットワーク(例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、携帯電話、PHS(Personal Handy phone System等)に接続することができるようになってきている。これにより、1つの端末装置で複数の種類のネットワークに接続することが可能となり、使用の都度、最適な通信環境を選択して通信を行うことが可能になってきている。
[0003]
さらに、異なるネットワーク間で継続して無線通信を行うことを可能とする技術(Mobile IPv6、Lin6等)の登場により、使用の都度、最適な通信環境を選択して通信の切替え時に、途切れなくサービスを受けることが可能となりつつある。また、無線通信を行うネットワークの切替えに伴う通信状態の変動に応じて、受信するデータの品質を変更する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[0004]
一方で、サービス品質レベルを規定し、ネットワークの通信品質に応じて前記サービス品質レベルを選択することで、選択されたサービス品質レベルに合わせてマルチメディアデータを送受信する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献1:特開2004−272563号公報
特許文献2:特開2004−112789号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
技術分野
[0001]
本発明は、複数の無線通信手段を有する通信端末によるモバイルネットワークシステムに使用され、複数のネットワークを介して通信を行う通信プログラム、会話型やストリーミング型のアプリケーションサービスをユーザに提供する通信システム及び通信端末に関する。
背景技術
[0002]
近年の無線技術の進歩に伴い、様々な無線通信方式でのインターネットへの接続が普及し、無線の利点を生かして移動環境でのモバイル通信環境が提供されるようになりつつある。また、携帯端末についても高機能化が進み、1つの端末装置で複数のネットワーク(例えば、無線LAN(Local Area Network)、有線LAN、携帯電話、PHS(Personal Handy phone System等)に接続することができるようになってきている。これにより、1つの端末装置で複数の種類のネットワークに接続することが可能となり、使用の都度、最適な通信環境を選択して通信を行うことが可能になってきている。
[0003]
さらに、異なるネットワーク間で継続して無線通信を行うことを可能とする技術(Mobile IPv6、Lin6等)の登場により、使用の都度、最適な通信環境を選択して通信の切替え時に、途切れなくサービスを受けることが可能となりつつある。また、無線通信を行うネットワークの切替えに伴う通信状態の変動に応じて、受信するデータの品質を変更する技術も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
[0004]
一方で、サービス品質レベルを規定し、ネットワークの通信品質に応じて前記サービス品質レベルを選択することで、選択されたサービス品質レベルに合わせてマルチメディアデータを送受信する方法が提案されている(特許文献2参照)。
特許文献1:特開2004−272563号公報
特許文献2:特開2004−112789号公報
発明の開示
発明が解決しようとする課題
【0002】
[0005]
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、ネットワークインタフェースを選択するための通信状態(通信端末間の伝送路状態)が予め設定されたものしか使用することが出来ず、現在使用しているネットワークインタフェースの実行転送速度を通信開始後に取得することは可能であるが、他の通信可能な伝送路よりも現在使用している伝送路のデータ転送品質が悪化した場合にも、その状況を判断することが出来ない。さらに、前述したようにデータ転送品質が悪化した場合に、使用可能な伝送路の優先順位を見直して現在の通信状況で最も優先順位が高い伝送路に切替えることも考慮されていない。
[0006]
また、上記特許文献2に開示されている技術では、使用中の伝送路の実行転送速度をもとにサービスの品質レベルを選択し、伝送路状況に応じたサービスを提供することは可能であるが、使用可能な伝送路が複数存在している場合での、複数の伝送路条件下での各々の伝送路状態の取得や、使用中でない伝送路の状態変化に応じて伝送路を切替えることは考慮されていない。
本発明は、上述した種々の課題を効率的に解決するための通信システム及び通信端末を提供するものである。
課題を解決するための手段
[0007]
本発明の通信システムは、複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する通信システムで、通信端末間が互いに複数のネットワークインタフェースのうち通信可能なネットワークインタフェースを検知し、複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得し、通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成し、伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する情報を取得し、伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報のいずれかに基づいて判断して、決定された伝送路を介してデータ通信を行う。また、伝送路リストにより伝送路の組合わせを選択した際に、送信側の通信端末からの情報を相手通信端末のネットワークインタフェースのいずれか1つを宛先に指定して、送信側の通信端末のネットワークインタフェースのいずれか1つを送信元として伝送路へ送信することで、選択した伝送路を用いたデータ通信を行う。そして、データ通信開始後、使用中の伝送路のデータ転送品質の状態変化を検知して伝送路の組合せの切替えを行う。
[0008]
すなわち、本発明の通信システムは、複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する通信システムで、
[0005]
しかしながら、上記特許文献1に開示されている技術では、ネットワークインタフェースを選択するための通信状態(通信端末間の伝送路状態)が予め設定されたものしか使用することが出来ず、現在使用しているネットワークインタフェースの実行転送速度を通信開始後に取得することは可能であるが、他の通信可能な伝送路よりも現在使用している伝送路のデータ転送品質が悪化した場合にも、その状況を判断することが出来ない。さらに、前述したようにデータ転送品質が悪化した場合に、使用可能な伝送路の優先順位を見直して現在の通信状況で最も優先順位が高い伝送路に切替えることも考慮されていない。
[0006]
また、上記特許文献2に開示されている技術では、使用中の伝送路の実行転送速度をもとにサービスの品質レベルを選択し、伝送路状況に応じたサービスを提供することは可能であるが、使用可能な伝送路が複数存在している場合での、複数の伝送路条件下での各々の伝送路状態の取得や、使用中でない伝送路の状態変化に応じて伝送路を切替えることは考慮されていない。
本発明は、上述した種々の課題を効率的に解決するための通信システム及び通信端末を提供するものである。
課題を解決するための手段
[0007]
本発明の通信システムは、複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する通信システムで、通信端末間が互いに複数のネットワークインタフェースのうち通信可能なネットワークインタフェースを検知し、複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得し、通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成し、伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する情報を取得し、伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報のいずれかに基づいて判断して、決定された伝送路を介してデータ通信を行う。また、伝送路リストにより伝送路の組合わせを選択した際に、送信側の通信端末からの情報を相手通信端末のネットワークインタフェースのいずれか1つを宛先に指定して、送信側の通信端末のネットワークインタフェースのいずれか1つを送信元として伝送路へ送信することで、選択した伝送路を用いたデータ通信を行う。そして、データ通信開始後、使用中の伝送路のデータ転送品質の状態変化を検知して伝送路の組合せの切替えを行う。
[0008]
すなわち、本発明の通信システムは、複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する通信システムで、
【0003】
アプリケーションプログラムもしくはユーザ側で、使用中の伝送路のデータ転送品質を監視し、より優先順位の高い使用中以外の伝送路の組合せに切替えて通信を行うことを特徴とする。上記のデータ転送品質の状態変化を検出する手段は、アプリケーションプログラムに備えるようにし、また、データ転送品質の状態変化の検知後、ユーザによって伝送路の組合せの切替えを判断させる手段を備えるようにしてもよい。
また、伝送路の状態に関する情報は、複数の組合せのそれぞれに対して、送信端末から受信端末に向けてプローブパケットを送信して取得することができる。
[0009]
上記のデータ転送品質の状態変化は、データ通信中のパケットを使用して測定されるデータ転送品質と事前に決定された伝送路の優先度に従って選択された伝送路の伝送路情報を閾値として比較することで検知される。または、データ通信中のパケットを使用して測定されるデータ転送品質と予め設定された閾値と比較しても構わない。
また、切替先としての伝送路は、現在使用している伝送路の次に優先度の高い伝送路であるか、現在使用している伝送路以外の利用可能な伝送路に対して、再度伝送路情報を取得することで、最も優先度の高い伝送路を選択することができる。
[0010]
さらに、伝送路状態の劣化を判断する閾値として、伝送路状態及び優先基準をもとに決定された伝送路の優先順位の中で、現在使用中の伝送路の次に優先度の高い伝送路の伝送路状態等と比較しても構わない。データ転送品質については、データパケットの送信時刻と受信時刻から算出される片方向遅延量、シーケンス番号の不連続性を検出して再送要求した転送データの再送パケット数、シーケンス番号からパケットロス数を確認して算出されるパケットロス率、一定時間受信したデータサイズから算出される伝送路の有効帯域幅等の情報が対象とされる。
[0011]
また、上記のネットワークインタフェース情報には、トランスポート層より下位の層において検出される通信状況を含み、例えば、上り/下りで異なるネットワークインタフェース伝送速度が用いられる。上記の伝送路情報には、複数のネットワークインタフェースが接続されたネットワークと通信相手との間のボトルネック物理帯域幅、可用帯域幅、RTT、通信コストが含まれる。伝送路の優先度の決定は、データ通信を行うアプリケーションプログラム毎に設定された優先基準に基づいて判断される。なお、上り/下りの伝送路特性が異なる非対称通信ネットワークが含まれる場合には、優先基準によって上り/下りで異なる伝送路を選択できる。要求帯域幅が優先基準に使用
アプリケーションプログラムもしくはユーザ側で、使用中の伝送路のデータ転送品質を監視し、より優先順位の高い使用中以外の伝送路の組合せに切替えて通信を行うことを特徴とする。上記のデータ転送品質の状態変化を検出する手段は、アプリケーションプログラムに備えるようにし、また、データ転送品質の状態変化の検知後、ユーザによって伝送路の組合せの切替えを判断させる手段を備えるようにしてもよい。
また、伝送路の状態に関する情報は、複数の組合せのそれぞれに対して、送信端末から受信端末に向けてプローブパケットを送信して取得することができる。
[0009]
上記のデータ転送品質の状態変化は、データ通信中のパケットを使用して測定されるデータ転送品質と事前に決定された伝送路の優先度に従って選択された伝送路の伝送路情報を閾値として比較することで検知される。または、データ通信中のパケットを使用して測定されるデータ転送品質と予め設定された閾値と比較しても構わない。
また、切替先としての伝送路は、現在使用している伝送路の次に優先度の高い伝送路であるか、現在使用している伝送路以外の利用可能な伝送路に対して、再度伝送路情報を取得することで、最も優先度の高い伝送路を選択することができる。
[0010]
さらに、伝送路状態の劣化を判断する閾値として、伝送路状態及び優先基準をもとに決定された伝送路の優先順位の中で、現在使用中の伝送路の次に優先度の高い伝送路の伝送路状態等と比較しても構わない。データ転送品質については、データパケットの送信時刻と受信時刻から算出される片方向遅延量、シーケンス番号の不連続性を検出して再送要求した転送データの再送パケット数、シーケンス番号からパケットロス数を確認して算出されるパケットロス率、一定時間受信したデータサイズから算出される伝送路の有効帯域幅等の情報が対象とされる。
[0011]
また、上記のネットワークインタフェース情報には、トランスポート層より下位の層において検出される通信状況を含み、例えば、上り/下りで異なるネットワークインタフェース伝送速度が用いられる。上記の伝送路情報には、複数のネットワークインタフェースが接続されたネットワークと通信相手との間のボトルネック物理帯域幅、可用帯域幅、RTT、通信コストが含まれる。伝送路の優先度の決定は、データ通信を行うアプリケーションプログラム毎に設定された優先基準に基づいて判断される。なお、上り/下りの伝送路特性が異なる非対称通信ネットワークが含まれる場合には、優先基準によって上り/下りで異なる伝送路を選択できる。要求帯域幅が優先基準に使用
【0004】
される場合は、要求帯域幅はアプリケーションプログラム毎に複数設定される。
また、データ通信後、データ通信中でないネットワークインタフェースの状態や使用している伝送路のデータ転送品質、無線変調方式などが変化したときには、伝送路の優先度を再度判断して最も優先度の高い伝送路に切替える。
発明の効果
[0012]
本発明によれば、ユーザの移動につれて刻々と変化する通信環境での複数のネットワークインタフェースを備えた移動端末を含む通信端末間における通信システムにおいて、映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーションによりデータ通信を行う際に、データ通信中にアプリケーションプログラム側で使用中の伝送路のデータ転送品質を監視することで、アプリケーションもしくはユーザ側での判断に基づいて、伝送路を選択・切替えることが可能となる。
[0013]
上記判断は、アプリケーションプログラム毎に設定された優先基準もしくはユーザの嗜好に基づいたものであり、併せて、ネットワーク情報に合わせた品質のコンテンツを選択することで、通信端末の存在する場所に応じた品質のサービスを提供することが可能となる。また、データ通信開始後及び使用中以外の伝送路状態が変化した場合についても、伝送路の状態を再度取得し、アプリケーションプログラム毎に設定された優先基準もしくはユーザの嗜好に合わせて再度伝送路を選択することで、時々刻々と変化する通信環境においても、通信端末の存在する場所の通信環境に最適な品質でサービスを提供することが可能となる。
図面の簡単な説明
[0014]
[図1]本実施形態を適用できるネットワークの全体構成例を示す図である。
[図2]本実施形態を適用できる無線ネットワークの基地局と対応するアクセス可能エリアの概念図である。
[図3]本発明による通信端末の内部構成例を示す機能ブロック図である。
[図4]通信端末の通信開始時の各部の動作を示す動作シーケンス図である。
[図5]通信端末のネットワークインタフェースカードの通信状態が変化した場合の各部の動作を示すシーケンス図である。
[図6]通信端末の通信中の伝送路のデータ転送品質が変化した場合の各部の動作
される場合は、要求帯域幅はアプリケーションプログラム毎に複数設定される。
また、データ通信後、データ通信中でないネットワークインタフェースの状態や使用している伝送路のデータ転送品質、無線変調方式などが変化したときには、伝送路の優先度を再度判断して最も優先度の高い伝送路に切替える。
発明の効果
[0012]
本発明によれば、ユーザの移動につれて刻々と変化する通信環境での複数のネットワークインタフェースを備えた移動端末を含む通信端末間における通信システムにおいて、映像や音声などのコミュニケーションを利用したアプリケーションによりデータ通信を行う際に、データ通信中にアプリケーションプログラム側で使用中の伝送路のデータ転送品質を監視することで、アプリケーションもしくはユーザ側での判断に基づいて、伝送路を選択・切替えることが可能となる。
[0013]
上記判断は、アプリケーションプログラム毎に設定された優先基準もしくはユーザの嗜好に基づいたものであり、併せて、ネットワーク情報に合わせた品質のコンテンツを選択することで、通信端末の存在する場所に応じた品質のサービスを提供することが可能となる。また、データ通信開始後及び使用中以外の伝送路状態が変化した場合についても、伝送路の状態を再度取得し、アプリケーションプログラム毎に設定された優先基準もしくはユーザの嗜好に合わせて再度伝送路を選択することで、時々刻々と変化する通信環境においても、通信端末の存在する場所の通信環境に最適な品質でサービスを提供することが可能となる。
図面の簡単な説明
[0014]
[図1]本実施形態を適用できるネットワークの全体構成例を示す図である。
[図2]本実施形態を適用できる無線ネットワークの基地局と対応するアクセス可能エリアの概念図である。
[図3]本発明による通信端末の内部構成例を示す機能ブロック図である。
[図4]通信端末の通信開始時の各部の動作を示す動作シーケンス図である。
[図5]通信端末のネットワークインタフェースカードの通信状態が変化した場合の各部の動作を示すシーケンス図である。
[図6]通信端末の通信中の伝送路のデータ転送品質が変化した場合の各部の動作
Claims (26)
- 複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する無線通信システムであって、
前記複数のネットワークインタフェースのうち通信可能なネットワークインタフェースを検知する手段と、
前記複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得する手段と、
前記通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成する手段と、
前記伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する情報を取得する手段と、
前記伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報のいずれかに基づいて判断し、伝送路を決定する手段を備え、
データ通信開始後、使用中の伝送路のデータ転送品質の状態変化を検知する手段と、前記状態変化を検知して伝送路を切替える手段を有することを特徴とする無線通信システム。 - 前記データ転送品質の状態変化の検知手段は、アプリケーションプログラムに備えることを特徴とする請求項1に記載の無線通信システム。
- 前記データ転送品質の状態変化の検知後、ユーザによって伝送路の切替えを判断させる手段を有することを特徴とする請求項2に記載の無線通信システム。
- 前記データ転送品質の状態変化は、データ通信中のデータから取得されるデータ転送品質を、前記決定された伝送路の優先度に従って選択された伝送路の伝送路情報を閾値として比較することで検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 前記データ転送品質の状態変化は、データ通信中のデータから取得されるデータ転送品質を予め設定された閾値と比較することで検知することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 切替先として選択される伝送路は、現在使用している伝送路の次に優先度の高い伝送路であることを特徴とする請求項4又は5に記載の無線通信システム。
- 切替先として選択される伝送路は、現在使用している伝送路以外の利用可能な伝送路のうち、再度伝送路情報を取得した結果、最も優先度が高い伝送路として決定されることを特徴とする請求項4又は5に記載の無線通信システム。
- 前記比較するデータ転送品質は、片方向遅延量であり、
データ通信中の各データパケットに対して、送信端末側での送信時刻がTkで、受信端末側での受信時刻がTk′で取得した場合に、
「片方向遅延量=受信時刻Tk′−送信時刻Tk」
に基づいて片方向遅延量を求め、片方向遅延量の最小値を遅延ゼロとみなすことで、相対的な片方向遅延量を算出することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記比較するデータ転送品質は、再送パケット数であり、データ通信中の各データパケットに対して割り振られたシーケンス番号に対して、受信端末側でシーケンス番号を確認することで転送データの不連続を検出した場合に、送信端末側へ該当パケットの再送要求を送信し、その再送パケット数を算出することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 前記比較するデータ転送品質は、パケットロス率であり、受信端末側にてデータパケットの再送制御を行い、受信端末で受信したパケットのシーケンス番号を確認することにより、
「パケットロス率=パケットロス数/送信したパケット数 」
からパケットロス率を算出することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 前記比較するデータ転送品質は、伝送路の有効帯域幅であり、受信端末側で受信したデータ通信中のデータに対して、一定時間に受信したデータサイズから算出することを特徴とする請求項4〜7のいずれか1項に記載の無線通信システム。
- 前記ネットワークインタフェース情報には、トランスポート層より下位の層において検出される通信状況を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
- 前記ネットワークインタフェース情報には、ネットワークインタフェース伝送速度を含むことを特徴とする請求項12に記載の無線通信システム。
- 前記ネットワークインタフェース伝送速度が上り/下りで異なる場合は、各々別の情報として取得することを特徴とする請求項13に記載の無線通信システム。
- 前記伝送路情報には、前記複数のネットワークインタフェースが接続されたネットワークと通信相手との間のボトルネック物理帯域幅を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
- 前記伝送路情報には、前記複数のネットワークインタフェースが接続されたネットワークと通信相手との間の可用帯域幅を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
- 前記伝送路情報には、前記複数のネットワークインタフェースが接続された伝送路と通信相手との間のRTT(Round Trip Time)遅延差を含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
- 前記伝送路情報には、前記複数のネットワークインタフェースが接続された伝送路と通信相手との間の通信コストを含むことを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
- 前記伝送路の優先度の決定は、データ通信を行うアプリケーションプログラム毎に設定された優先基準に基づいて判断することを特徴とする請求項3又は4に記載の無線通信システム。
- 上り/下りの伝送路特性が異なる非対称通信ネットワークの場合には、前記優先基準によって上り/下りで異なる伝送路を選択できることを特徴とする請求項19に記載の無線通信システム。
- 要求帯域幅が優先基準に使用される場合、前記要求帯域幅はアプリケーションプログラム毎に複数設定されていることを特徴とする請求項19に記載の無線通信システム。
- データ通信開始後、データ通信中ではないネットワークインタフェースの状態が変化したことを検知する手段と、
前記複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得する手段と、
再度、前記通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成する手段と、
新しく作成された前記伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する伝送路情報を取得する手段と、
前記伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報に関する情報のいずれかに基づいて通信中の伝送路を含めて判断し、伝送路を決定する手段と、
前記決定された伝送路が通信中の伝送路と異なる場合には、新たに決定された伝送路に切替えることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の無線通信システム。 - 使用している伝送路の伝送路状態を監視して任意の閾値と比較することで、伝送路の優先度を再度判断し、最も優先度の高い伝送路を決定することを特徴とする請求項22に記載の無線通信システム。
- 無線の変調方式が変化したことを検知して、伝送路の優先度を再度判断し、最も優先度の高い伝送路を決定することを特徴とする請求項22に記載の無線通信システム。
- 複数の伝送路に接続可能なネットワークインタフェースを備えた通信端末が、複数の伝送路を利用する無線通信方法であって、
前記複数のネットワークインタフェースのうち通信可能なネットワークインタフェースを検知し、
前記複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得し、
前記通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成し、
前記伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する情報を取得し、
前記伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報のいずれかに基づいて判断し、伝送路を決定してデータ通信を開始し、
データ通信開始後、使用中の伝送路のデータ転送品質の状態変化を検知し、伝送路を切替えることを特徴とする無線通信方法。 - データ通信開始後、データ通信中ではないネットワークインタフェースの状態が変化したことを検知し、
前記複数のネットワークインタフェースの所定の属性に関するネットワークインタフェース情報を取得し、
再度、前記通信可能なネットワークインタフェースと通信相手の通信可能なネットワークインタフェースとの間に存在する伝送路リストを作成し、
新しく作成された前記伝送路リストに対応する伝送路の状態に関する伝送路情報を取得し、
前記伝送路の優先度を前記ネットワークインタフェース情報及び伝送路情報に関する情報のいずれかに基づいて通信中の伝送路を含めて判断し、伝送路を決定し、
前記決定された伝送路が通信中の伝送路と異なる場合には、新たに決定された伝送路に切替えることを特徴とする請求項25に記載の無線通信方法。
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