JPWO2007058359A1 - グレリン及びその誘導体又はGHS−R1aに作用する物質を有効成分とする皮膚修復促進治療剤 - Google Patents

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Abstract

新規な皮膚損傷治療剤、皮膚再生促進剤を提供するものである。成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする皮膚損傷治療剤又は皮膚再生促進剤。

Description

本発明は、成長ホルモン分泌促進因子レセプター(GHS−R:Growth hormone secretagogue Receptor)に作用する物質の皮膚細胞増殖作用に関する。より具体的には当該物質を有効成分とする皮膚損傷治療における皮膚損傷治療剤、皮膚再生促進剤、皮膚細胞の培養方法等に関する。
皮膚は、長い皮膚移植の歴史を見るまでもなく、 最も早くから移植治療が試みられた組織である。さらに、今後の移植再生研究を見据えるとき、皮膚発生研究、 毛髪を用いた再生研究などを通して、もっともアクセスしやすく、 また発生・再生過程が十分検証された組織と考えられる。 しかも、皮膚移植再生研究は、熱傷や先天性表皮水疱症、 あるいは男性型脱毛など多彩な皮膚疾患への直接の応用も可能な研究領域であり、皮膚損傷あるいは皮膚傷害において重要な役割を果たすことが期待される(非特許文献1)。
培養皮膚は、疾患、受傷の程度および移植面積などにより、必要とされる移植皮膚は異なる。中等度までの熱傷などであれば培養表皮のみの移植が適応となり、皮膚全層欠損の患者では真皮層までを組み込んだ培養皮膚が必要となる。また、糖尿病患者などでの難治性皮膚潰瘍の治療には、生理活性物質の放出を期待した創傷被覆剤的な培養皮膚の開発が望まれる(非特許文献2)。
現在、皮膚移植に用いられる培養皮膚シートには、グリーン(Green)らが開発した方法による正常表皮角化細胞(非特許文献3)と、ベル(Bell) らが考案した皮膚等価組織(非特許文献4)がある。グリーンらは、3T3細胞を支持細胞として用いることで、表皮角化細胞の分化を抑制し、十分な増殖を得ることに成功した。この方法は培養中の表皮角化細胞が重層化するため、シート状の構造を呈し、生体に類似の培養細胞構造体は、皮膚組織の代替物として臨床的有用性が明らかとなっている。また、ベルらは、真皮に相当する部分をコラーゲンなどの材料を用いて先に作製しておき、その上に表皮角化細胞を培養した。この方法では、人工的な組織構築のために3次元的に細胞を組み入れるための材料を用いていることが重要で、コラーゲンゲルはこれに適した材料であった(非特許文献5)。
細胞と細胞の足場が揃ったら、次に必要なものは細胞の増殖や分化を促すような物質である(非特許文献6)。IGF、TGF−β、FGFなどの臨床応用にも、人体他部位の細胞分化や発生に異常を来たすとして警戒する向きもあり、安全性の高いこのような活性を持つ物質の発見・開発が望まれている。
また、損傷皮膚の移植又は再生医療において、培養した胎児皮膚細胞を損傷部位に移植すると正常皮膚に分化・増殖し、皮膚修復能力を持つことから、今後の移植・再生医療への応用が期待されている(非特許文献7)が、胎児皮膚細胞の増殖速度は遅いために増殖を促進させる技術の開発が望まれている。
一方、グレリン(Ghrelin)は1999年に胃から発見されたホルモンであり、28残基からなるアミノ酸配列を有し、当該配列のN末端から3番目のアミノ酸が脂肪酸でアシル化された極めて珍しい化学構造を有するペプチドである(非特許文献8、特許文献1)。グレリンは成長ホルモン分泌促進因子レセプター1a(Growth Hormone Secretagogue- Receptor 1a:GHS−R1a)(非特許文献9)に働き、下垂体からの成長ホルモン(GH)の分泌を亢進させる内因性の脳−消化管ホルモンであることが示され(非特許文献8)、最近の研究では、グレリンが食欲を亢進させること、皮下投与することにより体重及び体脂肪が増加すること、及び心機能を改善する等などの作用を有することも明らかにされている(非特許文献10〜14)。
更にグレリンはGH分泌促進作用や食欲亢進作用を持ち、GHの作用を介して脂肪を燃焼してエネルギーに変換する作用、あるいはGHのアナボリックな作用を発現して筋肉を増強させる効果を、食欲亢進によってさらに有効に引き出せることが期待されている(非特許文献15)。
グレリンはGHS−R1aに対する内因性のGHSとして、ラットから初めて単離精製された後、ラット以外の脊椎動物、例えばヒト、マウス、ブタ、ニワトリ、ウナギ、ウシ、ウマ、ヒツジ、カエル、ニジマス、イヌからも、類似した一次構造を有するグレリンのアミノ酸配列が知られている。
(上記表記において、アミノ酸残基は一文字標記により表している。)
上記ペプチドは、3位のセリン残基(S)又はスレオニン残基(T)の側鎖水酸基がオクタン酸、デカン酸などの脂肪酸によりアシル化された特異的な構造を有するペプチドであり、このような疎水性修飾構造を有する生理活性ペプチドは、グレリン以外に生体から単離された例はない。
また、本発明に係るGHS−R1aに作用する物質としては、上記ペプチド化合物以外に、ペプチド化合物である成長ホルモン放出ペプチド−2(GHRP-2)(D-Ala-D-βNal-Ala-Trp-D-Phe-Lys-NH2)及びGHRP-6(His-D-Trp-Ala-Trp-D-Phe-Lys-NH2)(Muccioli,G et al.:J.Endocrino., 157,pp.99-106(1998))並びにそれらの誘導体を用いることができる。更に、低分子化合物である、L-692,429(MK-0751)、L-163,191(MK-0677)(Patchett et al.:Proc.Natl.Acad.Sci.,USA,92, pp.7001-7005(1995))、イパモレリン(ipamorelin, NN161)、タビモレリン(tabmorelin,NN703)、CP-424,391(Ankerson M. et al.:Drug Discovery Today,4.pp.497-506)等を用いることができる。
本発明者らが知る限りでは、GHS−R1aが皮膚細胞で発現していること及びグレリンを含むGHS−R1aに作用する物質が皮膚細胞に作用して皮膚細胞の増殖作用を示すことに係る報告は未だ見出されていない。
国際公開01/07475号パンフレット 京都大学21世紀COEプログラムHP「融合的移植再生治療を目指す国際拠点形成」−皮膚の移植再生に関する研究、http://www.kuhp.kyoto-u.ac.jp/~coe/member15.html 高村:Bioベンチャー,1:58(2001) Rheinwald and Green:Cell, 6:331(1975) Bell et al.:Science, 211:1052(1981) 畠:実験医学 増刊号, 19:2121(2001) 上田:Bioベンチャー, 1:32(2001) Hohfeld et al.:Lancet, 366:788-790(2005) Kojima et al.:Nature,402, 656-660 (1999) Howard et al.:Science 273: 974-977 (1996) Wren et al.:Endocrinology 141:4325-4328 (2000) Nakazato et al.: Nature 409:194-198 (2001) Shintani et al.:Diabetes 50:227-232 (2001) Lely et al. :Endocr. Rev. 25:426-457(2004) Korbonits et al. :Front Neuroendocrino. 25: 27-68 (2004) 赤水、寒川:最新医学、60: 1569-1573(2005)
本発明は、皮膚細胞の増殖作用を有する物質を用いた皮膚損傷治療における皮膚損傷治療剤、皮膚再生促進剤、皮膚細胞の培養方法等の提供に関する。
本発明者らは、GHS−R1aに作用する物質を妊娠母動物に投与すると胎児の成長を促進させること、及び投与された当該物質は胎児に移行すると共に羊水にも移行することを見出した。羊水中のGHS−R1aに作用する物質の機能や役割を考えると、胎児の皮膚細胞の増殖作用を示すことが期待された。
そこで、本発明者らは胎児の皮膚細胞に対するGHS−R1aに作用する物質の作用を検討したところ、皮膚細胞にGHS−R1aが存在すること、GHS−R1aに作用する物質が皮膚細胞に作用して細胞内カルシウム産生を促進すること、及び当該物質が皮膚細胞の増殖作用を示すことを見出した。
即ち、本発明はGHS−R1aに作用する物質を有効成分とする皮膚損傷の治療における皮膚再生促進剤、皮膚細胞の培養による培養皮膚細胞シートの形成促進剤、並びに培養皮膚の移植時の皮膚の修復促進剤及び治療剤に関する。
また、本発明はGHS−R1aに作用する物質を投与することからなる皮膚損傷の治療方法、皮膚細胞の培養による培養皮膚細胞シートの形成を促進する方法、並びに培養皮膚の移植時の皮膚の修復を促進する方法及び当該修復促進による上記疾患の治療方法に関する。
更に、本発明は皮膚損傷の治療における皮膚再生促進剤、皮膚細胞の培養による培養皮膚細胞シートの形成促進剤、並びに培養皮膚の移植時の皮膚の修復促進剤及び治療剤を製造するためのGHS−R1aに作用する物質の使用に関する。
以上のことから、本発明は具体的には以下の事項に関する。
(1)成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする皮膚損傷治療剤。
(2)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(1)記載の治療剤。
(3)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(2)記載の治療剤。
(4)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(3)記載の治療剤。
(5)前記有効成分を一単位製剤当たり0.001mg〜100mg含有する上記(1)〜(4)のいずれかに記載の治療剤。
(6)成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする皮膚再生促進剤。
(7)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(6)記載の促進剤。
(8)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(7)記載の促進剤。
(9)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(8)記載の促進剤。
(10)前記有効成分を一単位製剤当たり0.001mg〜100mg含有する上記(6)〜(9)のいずれかに記載の促進剤。
(11)成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を用いた培養皮膚細胞の増殖を促進する方法。
(12)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(11)記載の方法。
(13)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(12)記載の方法。
(14)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(13)記載の方法。
(15)培養皮膚細胞の増殖を、前記有効成分を0.0000001mg/mL〜 0.1mg/mL含有する培地中で行う上記(11)〜(14)のいずれかに記載の方法。
(16)皮膚損傷の治療を必要とする哺乳動物に、成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分として投与することからなる皮膚損傷の治療方法。
(17)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(16)記載の方法。
(18)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(17)記載の方法。
(19)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(18)記載の方法。
(20)前記有効成分を1回当たり0.001mg〜100mg投与する上記(16)〜(19)のいずれかに記載の方法。
(21)皮膚再生の促進を必要とする哺乳動物に、成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分として投与する皮膚再生を促進する方法。
(22)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(21)記載の方法。
(23)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(22)記載の方法。
(24)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(23)記載の方法。
(25)前記有効成分を1回当たり 0.001mg〜100mg投与する上記(21)〜(24)のいずれかに記載の方法。
(26)皮膚損傷治療用医薬組成物を製造するための成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩の有効成分としての使用。
(27)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(26)記載の使用。
(28)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(27)記載の使用。
(29)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(28)記載の使用。
(30)皮膚損傷治療用医薬組成物が、一単位製剤当たり前記有効成分を0.001mg〜100mg含有する上記(26)〜(29)のいずれかに記載の使用。
(31)皮膚再生促進用医薬組成物を製造するための成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩の有効成分としての使用。
(32)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である上記(31)記載の使用。
(33)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである上記(32)記載の使用。
(34)前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである上記(33)記載の使用。
(35)皮膚再生促進用医薬組成物が、一単位製剤当たり前記有効成分を0.001mg〜100mg含有する組成物である上記(31)〜(34)のいずれかに記載の使用。
本発明により、成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質が皮膚細胞を増殖させる作用を持つことが明らかにされ、皮膚細胞を培養するときに成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質を添加して細胞増殖を促進させることにより、速やかに治療に使用することが可能となる。即ち、皮膚細胞を培養してシート状の人工皮膚を作製し、皮膚損傷面を覆うことによって皮膚の修復治療を行う際に、培養皮膚細胞を用いて人工皮膚シートをより速やかに患者に供給することが可能となる。更に、皮膚細胞を直接裂傷や創傷部位に移植し、成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質を移植部位に投与することにより治癒促進を図ることが可能となる。
胎児皮膚細胞におけるGHS−R1a mRNAの発現を示す図である。 グレリンの単一胎児培養皮膚細胞における細胞内カルシウム上昇作用を示す図である。 グレリンの胎児皮膚細胞への[H]−チミジン取り込み促進作用を示す図である。 グレリンおよびGHRP6の胎児皮膚細胞増殖促進作用を示す図である。
本発明の医薬はヒトを含む哺乳動物(個体)の医薬として使用できる。本発明において用いることができる物質としては、成長ホルモン分泌促進因子レセプター(GHS−R)に作用する物質(リガンド)である成長ホルモン分泌促進因子(GHS)を挙げることができる。GHSとしては公知のペプチド化合物や低分子化合物(例えば、グレリン、GHRP6、MK−0677及びイパモレリン等)を用いることができるが、特にペプチド化合物であるグレリンが望ましい。
グレリンとしては、上述したようにヒト由来グレリンをはじめ、ラット、マウス、ブタ、ウシ等その他の動物由来のグレリン及びその誘導体を用いることができる。
各々の個体に対して当該個体由来のグレリンを用いることが望ましく、例えばヒトに対してはヒト由来グレリンを用いることが望ましい。ヒト由来グレリンは28個のアミノ酸からなり、アミノ末端から3番目のセリン残基の側鎖の水酸基が脂肪酸(n−オクタノイル基)によりアシル化されたペプチドである(配列番号1)。また、グレリンの誘導体としては、例えば配列番号1に記載されたアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目のアミノ酸残基において1個又は数個のアミノ酸が置換、挿入、又は欠失したアミノ酸配列を有し、且つ成長ホルモン分泌促進因子レセプター(GHS−R)に結合することによって、細胞内のカルシウムイオン濃度を上昇させる活性を有するペプチドであれば使用することができる。誘導体のアミノ酸配列としては天然型のアミノ酸配列と比較して70%、好ましくは80%、より好ましくは90%、特に好ましくは95%、最も好ましくは97%の相同性を有することが望ましい。他の動物由来のグレリン(配列番号2乃至22)においても同様である。
本発明に係るグレリン及びその誘導体は常法により得ることができる。例えば、天然の原料から単離することができるし、又は組換えDNA技術及び/又は化学的合成によって製造することができる。更にアミノ酸残基に修飾(アシル化)が必要な場合は公知の手段に従って修飾反応を施すことができる。例えば組換えDNA技術を用いた製法においては、本願発明に係るペプチドをコードするDNAを有する発現ベクターにより形質転換された宿主細胞を培養し、当該培養物から目的のペプチドを採取することにより本発明に係るグレリン及びその誘導体を得ることもできる。当該宿主細胞を選択することにより、当該細胞内において目的のペプチドに修飾(アシル化)がされた化合物を得ることができる。また、当該ペプチドが修飾(アシル化)されていない場合は、所望により公知の手段に従ってアシル化等の修飾反応を行えばよい。
遺伝子を組み込むベクターとしては、例えば大腸菌のベクター(pBR322、pUC18、pUC19等)、枯草菌のベクター(pUB110、pTP5、pC194等)、酵母のベクター(YEp型、YRp型、YIp型)、又は動物細胞のベクター(レトロウィルス、ワクシニアウィルス等)等が挙げられるが、その他のものであっても、宿主細胞内で安定に目的遺伝子を保持できるものであれば、いずれをも用いることができる。当該ベクターは、適当な宿主細胞に導入される。目的の遺伝子をプラスミドに組み込む方法や宿主細胞への導入方法としては、例えば、Molecular Cloning (Sambrook et al., 1989)に記載された方法が利用できる。
上記プラスミドにおいて目的のペプチド遺伝子を発現させるために、当該遺伝子の上流にはプロモーターを機能するように接続させる。
本願発明において用いられるプロモーターとしては、目的遺伝子の発現に用いる宿主細胞に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、形質転換する宿主細胞がエシェリシア(Escherichia)属の場合はlacプロモーター、trpプロモーター,lppプロモーター、λPLプロモーター,recAプロモーター等を用いることができ、Bacillus属の場合はSPO1プロモーター、SPO2プロモーター等を用いることができ、酵母の場合はGAPプロモーター,PHO5プロモーター、ADHプロモーター等を用いることができ、動物細胞の場合は、SV40由来プロモーター、レトロウィルス由来プロモーター等を用いることができる。
上記のようにして得られた目的遺伝子を含有するベクターを用いて宿主細胞を形質転換する。宿主細胞としては細菌(例えば、エシェリシア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属等)、酵母(サッカロマイセス(Saccharomyces)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属等)、動物細胞(CHO細胞、COS細胞等)等を用いることができる。培養時の培地としては液体培地が適当であり、当該培地中には培養する形質転換細胞の生育に必要な炭素源、窒素源等が含まれることが特に好ましい。所望によりビタミン類、成長促進因子、血清などを添加することができる。
脂肪酸修飾(アシル化)ペプチドを直接製造するためには、宿主細胞として、当該ペプチドの前駆体ポリペプチドを適切な位置で切断できるプロセッシング・プロテアーゼ活性を有し、当該ペプチド中のセリン残基をアシル化できる活性を有する細胞を用いるのが望ましい。このようなプロセッシング・プロテアーゼ活性及びセリンアシル化活性を有する宿主細胞は、当該前駆体ポリペプチドをコードするcDNAを含む発現ベクターで宿主細胞を形質転換し、該形質転換細胞がカルシウム上昇活性又は成長ホルモン分泌促進活性を有する脂肪酸修飾ペプチドを産生することを確認することにより選抜できる。
培養後、培養物から本発明に係るペプチドを常法により分離精製する。例えば、培養菌体又は細胞から目的物質を抽出するには、培養後、菌体又は細胞を集め、これをタンパク質変性剤(塩酸グアニジンなど)を含む緩衝液に懸濁し、超音波などにより菌体又は細胞を破砕した後、遠心分離を行う。次に上清から目的物質を精製するには、目的物質の分子量、溶解度、荷電(等電点)、親和性等を考慮して、ゲル濾過、限外濾過、透析、SDS−PAGE、各種クロマトグラフィーなどの分離精製方法を適宜組み合わせて行うことができる。
本発明に係るGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)及びその誘導体は常法により化学合成することができる。例えば、保護基の付いたアミノ酸を液相法及び/又は固相法により縮合、ペプチド鎖を延長させ、酸で全保護基を除去し、得られた粗生成物を上記の精製方法で精製することにより得られる。アシル化酵素又はアシル基転移酵素で選択的に目的位置にあるアミノ酸の側鎖をアシル化することもできる。
またペプチドの製造法は従来既に種々の方法が知られており、本発明に係るペプチドの製造も公知の方法に従って容易に製造でき、例えば古典的なペプチド合成法に従ってもよいし、固相法に従っても容易に製造できる。
また、組換えDNA技術と化学合成を併用した製法を用いてもよく、修飾アミノ酸残基を含むフラグメントを化学合成により製造し、修飾アミノ酸残基を含まないその他のフラグメントを組換えDNA技術を用いて製造し、その後各々のフラグメントを融合させる方法でも製造することができる(国際公開WO01/07475参照)。
本願発明に用いることができるGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)及びその誘導体に係る塩としては薬学的に許容される塩が好ましく、例えば無機塩基との塩、有機塩基との塩、無機酸との塩、有機酸との塩、塩基性又は酸性アミノ酸との塩などが挙げられる。
無機塩基との塩の好適な例としては、例えばナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;カルシウム塩、マグネシウム塩などのアルカリ土類金属塩;ならびにアルミニウム塩、アンモニウム塩などが挙げられる。
有機塩基との塩の好適な例としては、例えばトリメチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン、ピコリン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジシクロヘキシルアミン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミンなどとの塩が挙げられる。
無機酸との塩の好適な例としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩の好適な例としては、例えばギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、フマール酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン酸、コハク酸、リンゴ酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸などとの塩が挙げられる。
塩基性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアルギニン、リジン、オルニチンなどとの塩が挙げられ、酸性アミノ酸との塩の好適な例としては、例えばアスパラギン酸、グルタミン酸などとの塩が挙げられる。
以上の塩の中でも特にナトリウム塩、カリウム塩が最も好ましい。
グレリンの生理作用については、GHS−RであるGHS−R1a受容体に対するリガンド活性や上記刊行物に記載された生理作用を指標として誘導体を選抜することが可能である。細胞内カルシウムイオン濃度の測定法は公知の方法が利用できるが、例えば、カルシウムイオン濃度変化によるFluo−4 AM (Molecular Probe社)の蛍光強度の変化を利用したFLIPR (Fluorometric Imaging Plate Reader, Molecular Devices社)を用いることができる。また、カルシウム上昇活性を有するペプチドが、イン ビトロ(in vitro) 及びイン ビボ(in vivo)で成長ホルモン分泌促進因子活性を有するか確認するためには、公知の方法を利用することができる。例えばイン ビトロでは、成長ホルモンを分泌してGHS−Rの発現も確認されている脳下垂体細胞に添加して、細胞培養液中に分泌される成長ホルモンを、抗成長ホルモン抗体を用いたラジオイムノアッセイによって測定することができる。イン ビボでの成長ホルモン分泌促進活性を確認するためには、カルシウム上昇活性を有するペプチドを動物の末梢静脈に注射した後の血清中の成長ホルモン濃度を測定すればよい。また、グレリン誘導体及びその調製方法については、例えば、J. Med. Chem., 43, pp.4370-4376, 2000を参照することができる。
本発明に係るGHS-R1aに作用する物質(例えば、グレリン)は、本明細書の実施例に具体的に示すとおり、皮膚細胞の増殖作用を有することが見出され、特に胎児の皮膚細胞数を顕著に増加させることができる。
即ち、本発明に係るGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)は、皮膚損傷(例えば、創傷、擦過傷および火傷等)の治療における皮膚再生促進剤、皮膚細胞(例えば、表皮、真皮及び皮膚)の培養による培養皮膚細胞シートの形成促進剤、並びに熱傷、難治性皮膚潰瘍、先天性表皮水泡症、褥瘡、肥満性瘢痕、母斑、アレルギー性皮膚疾患重症例及び脱毛等における培養皮膚の移植時の皮膚の修復促進剤及び治療剤において有効成分として用いることができる。
また、本発明に係るGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)を個体に投与することにより、皮膚損傷(例えば、創傷、擦過傷および火傷等)の治療方法、皮膚細胞(例えば、表皮、真皮及び皮膚)の培養による培養皮膚細胞シートの形成を促進する方法、並びに熱傷、難治性皮膚潰瘍、先天性表皮水泡症、褥瘡、肥満性瘢痕、母斑、アレルギー性皮膚疾患重症例及び脱毛等における培養皮膚の移植時の皮膚の修復を促進する方法及び当該修復促進による上記疾患の治療方法に用いることができる。
更に、本発明に係るGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)を、皮膚損傷(例えば、創傷、擦過傷および火傷等)の治療における皮膚再生促進剤、皮膚細胞(例えば、表皮、真皮及び皮膚)の培養による培養皮膚細胞シートの形成促進剤、並びに熱傷、難治性皮膚潰瘍、先天性表皮水泡症、褥瘡、肥満性瘢痕、母斑、アレルギー性皮膚疾患重症例及び脱毛等における培養皮膚の移植時の皮膚の修復促進剤及び治療剤を製造する際に使用することができる。
GHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)又はそれらの薬理学的に許容しうる塩を有効成分として含む本発明の薬剤は、薬理学的に許容しうる担体、賦形剤、増量剤などと混合して個体(例えば、ヒト、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ウシ、ウマ、ブタ、サル等)に対して用いることができる。
本発明の薬剤は、皮膚再生治療中の個体に対して、非経口的に、例えば静脈内、皮下、筋肉内への注射により、所定量を単回又は複数回に分けて投与することが好ましいが、個体がヒト成人であり特に在宅治療の場合には経鼻投与、経肺投与、坐剤投与が望ましい。
本発明において薬剤の投与量は特に限定されず、使用目的や投与対象の個体の年齢、体重、個体の種類、症状、栄養状態及び併用薬剤等に応じて適宜選択可能であるが、単回又は複数回をヒト成人に投与する場合、GHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)を有効成分として0.001mg〜100mgの範囲が好ましく、0.01mg〜10mgがより望ましい。
投与期間としては、上記の投与量を1日1回〜数回、1〜24週間の投与することが好ましく、より好ましくは1〜12週間の投与が好ましい。
薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤等として配合される。
また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。
賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。
滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。
結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。
崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。
溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。
溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。
懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。
等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。
緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。
無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。
防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。
抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
発明の医薬の製剤形態としては非経口投与に適する製剤形態が好ましく、非経口投与に適する製剤形態としては、例えば、静脈内投与、皮内投与、皮下投与、又は筋肉内投与用等の注射剤、点滴剤、坐剤、経皮吸収剤、経粘膜吸収剤又は吸入剤などを挙げることができるが、上記注射剤の製剤形態が好ましく、特に個体がヒト成人であり在宅治療の場合には経粘膜吸収剤、吸入剤、坐剤等の製剤形態も好ましい。これらの製剤形態は当業者に種々知られており、当業者は所望の投与経路に適する製剤形態を適宜選択し、必要に応じて当業界で利用可能な1又は2以上の製剤用添加物を用いて医薬用組成物の形態の製剤を製造することが可能である。
例えば、注射剤又は点滴剤の形態の医薬は、有効成分であるGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)と共に適切な緩衝液、糖溶液、等張化剤、pH調節剤、無痛化剤、防腐剤などの1又は2以上の製剤用添加物を注射用蒸留水に溶解して滅菌(フィルター)濾過後にアンプルまたはバイアル詰めするか、滅菌濾過した溶液を凍結乾燥して凍結乾燥製剤とすることにより調製し提供することができる。添加剤としては、例えばグルコース、マンニトール、キシリトール、ラクトースなどの糖類、ポリエチレングリコールなどの親水性ポリマー類、グリセロールなどのアルコール類、グリシンなどのアミノ酸類、血清アルブミンなどのタンパク類、NaCl、クエン酸ナトリウム などの塩類、酢酸、酒石酸、アスコルビン酸などの酸類、ツイーン(Tween)80 などの界面活性剤、亜硫酸ナトリウムなどの還元剤などを使用することができる。このような製剤は、用時に注射用蒸留水や生理食塩水などを添加して溶解することにより注射剤又は点滴剤として使用できる。また、経粘膜投与には、点鼻剤や鼻腔内スプレー剤などの鼻腔内投与剤(経鼻投与剤)等も好適であり、経肺投与には吸入剤等も好適である。
一単位製剤中の有効成分(たとえばグレリン)の含量は0.001mg〜100mg、好ましくは0.01mg〜10mgであり、1日1回ないし数回投与することが望ましい。
単離した皮膚細胞の処理方法としては、単離した皮膚細胞を培養液中でインキュベートし、インキュベート液中に無菌濾過又はオートクレーブ滅菌して調製したGHS−R1aに作用する物質(例えば、グレリン)を0.1nM〜1μM、好ましくは1nM〜100nMを添加することにより行うことができる。すなわち、皮膚細胞の増殖を、前記GHS−R1aに作用する物質を0.0000001mg/mL〜0.1mg/mL含有する培養液を用いるのが好ましい。この処理を行うことによって、実施例4に示すように、本来は増殖がほとんど進まない皮膚細胞の増殖を促進させることが可能となる。
以下に実施例により本発明を具体的に示す。
[実施例1] ラット胎児におけるGHS−R1a mRNA発現
妊娠14、15または19日のWistarラット胎児の皮膚組織から、トリゾール試薬(Total RNA Trizol Reagent(Life Technologies, Inc., Gaithersburug, MD))を用い、Nakahara et al.:Biochem. Biophys. Res. Commun. 303: 751-755(2003)に記載の方法により、全RNAを抽出した。全RNA2μgから、ランダムプライマー逆転写により、Superscript 3 preamplification reagents (Life Technologies, Inc., Bethesda, MD)を用いてシングルストランドのcDNAを合成した。得られたcDNAをGHS−R1aに特異的なセンスプライマーおよびアンチセンスプライマーを用いて、PCR法により増幅させた後(BD advantage TM 2 PCR Enzyme System (BD Science, CA)を使用)、2%アガロースゲルを用いて電気泳動した。なお、コントロールmRNAとして、細胞に安定して発現しているGAPDHを用いた。GHS−R1aに特異的なPCRプライマーとして、
5’-GATACCTCTTTTCCAAGTCCTTCGAGCC-3’ (配列番号22)をセンス用に、
5’-TTGAACACTGCCACCCGGTACTTCT-3’ (配列番号23)をアンチセンス用に用いた(nucleotides 842-869 and 1001-1025 in accession no. AB001982, GenBank)。GAPDHに特異的なプライマーとして、
5’-CGGCAAGTTCAACGGCACA-3’ (配列番号24)をセンス用に、
5’-AGACGCCAGTAGACTCCACGACA-3’ (配列番号25)をアンチセンス用に用いた(nucleotides 1002-1020 and 1125-1147 in accession no. AF106860, GenBank)。
結果を図1に示す。
図1から、妊娠14、15、19日のラット胎児の皮膚に、GHS−R1a mRNAが発現していることが確認された。特に14日および15日の胎児皮膚においてGHS−R1a mRNAの発現量が高かった。
[実施例2]グレリンの胎児培養皮膚細胞における細胞内カルシウム上昇作用
妊娠17日のWistar系ラットを麻酔下に開腹して胎児を摘出した。この胎児から、皮膚の小片を採取し、冷ハンクス液内でコラゲナーゼ処理、パパイン消化およびピペッテイングによる機械的分離により、胎児皮膚細胞の分散液を得た。この分散液より、単一細胞を取得してグレリンを添加したときのカルシウムイメージングを行った。カルシウムイメージングは、カルシウムイメージング装置(IMACS,浜松ホトニクス)を用いて行った。即ち、340nm/380nmで惹起(Excitation)したとき、510nm(Emission)での励起光の比を取った。また、カルシウムイメージング剤としてFura−2を用いた。グレリンはラット由来グレリン(配列番号3)を用いた(以下の実施例も同じ)。
結果を図2に示す。図2中、I、II、IIIはこの時点で写真を撮影したものであるが、本明細書には写真は省略している。また、実線表記はグレリンに反応した細胞であり、破線表記はデスアシルグレリンに反応した別の細胞である。グレリンおよびデスアシルグレリンはそれぞれ別の細胞に添加した。
ラット胎児皮膚細胞にグレリン(1×10−6M)を作用させると、単一胎児皮膚細胞内カルシウムの上昇が観察された。グレリンがGHS−R1aをもつ胎児皮膚細胞に作用してラット胎児細胞内カルシウムを上昇させることが示された。
[実施例3]グレリンの培養胎児皮膚細胞におけるチミジン取り込み促進作用
妊娠17日のWistar系ラットより実施例2と同様にして、ラット胎児皮膚細胞の分散液を採取した。この分散細胞を、2%ウシ胎児血清、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)、表皮増殖因子EGF(5ng/ml)を含有したMCDB153HAA培地 (F-Peptide Co., Ltd., Yamagata, Japan)に懸濁し、ポリエチレンイミン被覆の48−穴マルチウェルプレートに、5×10細胞/ウェルを播種した。これにグレリン(0.5、5および50pmol/mL(nM))、[H]−チミジン(2μCi/mL)を添加し、24時間又は48時間インキュベートした。対照としてグレリンを含まない培養液を用いた。インキュベート終了後、細胞を回収して放射能を測定した。
結果を図3に示す(黒三角:50pmol/mL、黒四角:5pmol/mL、黒丸:0.5pmol/mL、白丸:対照)。
図3から、胎児培養皮膚細胞にグレリンを作用させると、細胞への[H]−チミジンの取り込みが増加したことから、グレリンには胎児皮膚細胞を増殖させる作用があることが確認された。
[実施例4]グレリンおよびGHRP6の培養胎児皮膚細胞における細胞増殖促進作用
妊娠17日のWistar系ラットより実施例2と同様にして、胎児皮膚細胞の分散液を採取した。この分散細胞を、グレリン(0.05〜500pmol/mL(nM)又はGHRP6(0.05〜50pmol/mL(nM)と共に、2%ウシ胎児血清、ペニシリン(100U/ml)、ストレプトマイシン(100μg/ml)および表皮増殖因子EGF(5ng/ml)を含有したMCDB153HAA培地 (F-Peptide Co., Ltd., Yamagata, Japan)に懸濁し、ポリエチレンイミン被覆の96−穴マルチウェルプレートに、3×10細胞/ウェルを播種した。対照にはグレリンまたはGHRP6を含まない培地を用いた。これに5−ブロモ−2’−デオキシウリジン(BrdU)(10μM)を添加し、24時間インキュベートした。培養終了後、Proliferation ELISA Kit (Roche Diagnostic GmbH. Manheim, Germany)を用いて胎児皮膚細胞へのBrdU取り込み量を測定して皮膚細胞増殖作用を検討した。
結果を図4に示す。
図4から、培養胎児皮膚細胞にグレリンまたはGHRP6を作用させると、有意にBrdUの取り込み量が増加したことから、グレリンおよびGHRP6には胎児皮膚細胞を増殖させる作用があることが確認された。
本発明の皮膚損傷治療剤、皮膚再生促進剤、培養皮膚細胞の増殖促進方法、皮膚再生促進方法は製薬分野、医療分野に利用できる。

Claims (35)

  1. 成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする皮膚損傷治療剤。
  2. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第1項記載の治療剤。
  3. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第2項記載の治療剤。
  4. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第3項記載の治療剤。
  5. 前記有効成分を一単位製剤あたり0.001mg〜100mg含有する請求の範囲第1〜4項のいずれかに記載の治療剤。
  6. 成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分とする皮膚再生促進剤。
  7. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第6項記載の促進剤。
  8. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第7項記載の促進剤。
  9. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第8項記載の促進剤。
  10. 前記有効成分を一単位製剤当たり0.001mg〜100mg含有する請求の範囲第6〜9項のいずれかに記載の促進剤。
  11. 成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分として用いた培養皮膚細胞の増殖を促進する方法。
  12. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第11項記載の方法。
  13. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第12項記載の方法。
  14. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第13項記載の方法。
  15. 培養皮膚細胞の増殖を、前記有効成分を0.0000001mg/mL〜0.1mg/mL含有する培養液中で行う請求の範囲第11〜14項のいずれかに記載の方法。
  16. 皮膚損傷の治療を必要とする哺乳動物に、成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分として投与することからなる皮膚損傷の治療方法。
  17. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第16項記載の方法。
  18. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第17項記載の方法。
  19. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第18項記載の方法。
  20. 前記有効成分を1回当たり0.001mg〜100mg投与する請求の範囲第16〜19項のいずれかに記載の方法。
  21. 皮膚再生の促進を必要とする哺乳動物に、成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩を有効成分として投与することからなる皮膚再生を促進する方法。
  22. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第21項記載の方法。
  23. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第22項記載の方法。
  24. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第23項記載の方法。
  25. 前記有効成分を1回当たり0.001mg〜100mg投与する請求の範囲第21〜24項のいずれかに記載の方法。
  26. 皮膚損傷治療用医薬組成物を製造するための成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩の有効成分としての使用。
  27. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第26項記載の使用。
  28. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第27項記載の使用。
  29. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第28項記載の使用。
  30. 皮膚損傷治療用医薬組成物が、一単位製剤当たり前記有効成分を0.001mg〜100mg含有する組成物である請求の範囲第26〜29項のいずれかに記載の使用。
  31. 皮膚再生促進用医薬組成物を製造するための成長ホルモン分泌促進因子レセプターに作用する物質又はその薬学的に許容される塩の有効成分としての使用。
  32. 前記物質が、(1)配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチド、及び(2)配列番号1に記載のアミノ酸配列においてアミノ末端から5番目〜28番目までのアミノ酸配列において1乃至数個のアミノ酸が欠失、置換及び/又は付加したアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目のアミノ酸残基が当該アミノ酸残基の側鎖に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドからなる群から選択されたペプチド又はそれらの薬学的に許容される塩である請求の範囲第31項記載の使用。
  33. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基が当該残基の側鎖の水酸基に脂肪酸が導入された修飾アミノ酸残基であるペプチドである請求の範囲第32項記載の使用。
  34. 前記物質が、配列番号1に記載のアミノ酸配列を有し、アミノ末端から3番目に位置するセリン残基の側鎖の水酸基がn−オクタノイル基によりアシル化されているペプチドである請求の範囲第33項記載の使用。
  35. 皮膚再生促進用医薬組成物が、一単位製剤当たり前記有効成分を0.001mg〜100mg含有する組成物である請求の範囲第31〜34項のいずれかに記載の使用。
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