JPWO2007055224A1 - 角膜疾患治療剤 - Google Patents
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Abstract
本発明は、コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置剤等に関する。
Description
本発明は、角膜内皮細胞の増殖もしくは角膜内皮の再生に関し、詳しくは角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置のための処置剤、該処置のための使用、該処置のための医薬組成物、該疾患または障害の処置方法、角膜内皮細胞が減少した患者における眼内手術を可能にする処置剤及び処置方法、ヒトコネキシン43(Cx43)に対するsiRNAに関する。
角膜は、光学レンズの役目をもつ透明な組織であり、その最内層に角膜内皮組織を有する。
角膜内皮細胞は角膜の透明度を維持するために不可欠である。ヒトの角膜内皮細胞は一度障害されると再生せず、障害された部分は周りの内皮細胞が移動して補うが、角膜内皮が一定以上に損傷を受けて角膜内皮の厚みが少なくなると、角膜の透明性が維持できなくなり、水疱性角膜症になる。この疾患の治療には、角膜移植が必要になる。
Qiuらは、非特許文献1で、特定の30個のヌクレオチドから成るコネキシン43(connexin 43、Cx43)のアンチセンスオリゴヌクレオチド(AS ODN)配列が皮膚創傷修復に有効であることを報告した。
非特許文献2は、Cx43が腫瘍の抑制に効果を有することを報告している。
特許文献1は、コネキシンの種々のRNAiを開示しているが、角膜内皮細胞との関連性については示唆していない。
特許文献2は、アンチセンスポリヌクレオチドによりコネキシンタンパク質の発現を抑制することが、ニューロン細胞の死の低下、傷の治癒、炎症の低下、傷痕形成の低下、ならびに皮膚の若返りおよび厚化において有用であることを開示する。
Qiu et al., "Targeting connexin expression accelerates the rate of wound repair", Current Biology 13, 1697-1703, 2003 You-Wei Zhang et al. J. Biol. Chem. Vol.278 No.45, p.44852-44856 (2003) US2005/0119211
WO00/44409
Qiu et al., "Targeting connexin expression accelerates the rate of wound repair", Current Biology 13, 1697-1703, 2003 You-Wei Zhang et al. J. Biol. Chem. Vol.278 No.45, p.44852-44856 (2003)
本発明は、角膜内皮細胞の増殖ないし再生を行う技術を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題に鑑み検討を重ねた結果、Cx43遺伝子発現を抑制することにより、角膜内皮細胞が増殖することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、以下の項1〜項31を提供するものである。
1. コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置剤。
2. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項1に記載の処置剤。
3. 前眼房投与用製剤の形態である項1に記載の処置剤。
4. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項1に記載の処置剤。
5. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項1に記載の処置剤。
6. コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子の角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置のための使用。
7. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項6に記載の使用。
8. 前記核酸分子を前眼房に投与するための項6に記載の使用。
9. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項6に記載の使用。
10. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項6に記載の使用。
11. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を有する患者にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することを特徴とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を治療する方法。
12. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項11に記載の方法。
13. 前記核酸分子を前眼房に投与する項11に記載の方法。
14. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項11に記載の方法。
15. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項11に記載の方法。
16. コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子の有効量と、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を処置するための医薬組成物。
17. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項16に記載の医薬組成物。
18. 前眼房投与用製剤の形態である項16に記載の医薬組成物。
19. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項16に記載の医薬組成物。
20. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項16に記載の医薬組成物。
21. 角膜内皮細胞の減少が原因で眼内手術を受けることができない患者において、眼内手術を可能にするための処置剤であって、コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする処置剤。
22. 前記患者が、眼内手術により水疱性角膜症の発症が疑われる患者である、項21に記載の処置剤。
23. 前眼房投与用製剤の形態である項21に記載の処置剤。
24. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項21に記載の処置剤。
25. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項21に記載の処置剤。
26. 角膜内皮細胞が減少し、手術により角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を発症する可能性がある、眼内手術が必要な患者において、眼内手術の前にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することを特徴とする、眼内手術を可能にするための処置方法。
27. 前記患者が、眼内手術により水疱性角膜症を発症する可能性がある患者である、項26に記載の方法。
28. 前記核酸分子を前眼房に投与する項26に記載の方法。
29. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項26に記載の方法。
30. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項26に記載の方法。
31. 以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
1. コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置剤。
2. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項1に記載の処置剤。
3. 前眼房投与用製剤の形態である項1に記載の処置剤。
4. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項1に記載の処置剤。
5. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項1に記載の処置剤。
6. コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子の角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置のための使用。
7. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項6に記載の使用。
8. 前記核酸分子を前眼房に投与するための項6に記載の使用。
9. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項6に記載の使用。
10. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項6に記載の使用。
11. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を有する患者にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することを特徴とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を治療する方法。
12. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項11に記載の方法。
13. 前記核酸分子を前眼房に投与する項11に記載の方法。
14. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項11に記載の方法。
15. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項11に記載の方法。
16. コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子の有効量と、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を処置するための医薬組成物。
17. 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、項16に記載の医薬組成物。
18. 前眼房投与用製剤の形態である項16に記載の医薬組成物。
19. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項16に記載の医薬組成物。
20. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項16に記載の医薬組成物。
21. 角膜内皮細胞の減少が原因で眼内手術を受けることができない患者において、眼内手術を可能にするための処置剤であって、コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする処置剤。
22. 前記患者が、眼内手術により水疱性角膜症の発症が疑われる患者である、項21に記載の処置剤。
23. 前眼房投与用製剤の形態である項21に記載の処置剤。
24. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項21に記載の処置剤。
25. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項21に記載の処置剤。
26. 角膜内皮細胞が減少し、手術により角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を発症する可能性がある、眼内手術が必要な患者において、眼内手術の前にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することを特徴とする、眼内手術を可能にするための処置方法。
27. 前記患者が、眼内手術により水疱性角膜症を発症する可能性がある患者である、項26に記載の方法。
28. 前記核酸分子を前眼房に投与する項26に記載の方法。
29. 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである項26に記載の方法。
30. 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である項26に記載の方法。
31. 以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
角膜内皮細胞は角膜の裏側に存在する一層の細胞層であり、ポンプ機能とバリア機能により角膜内の含水率を一定に保つことによって角膜の透明性維持に重要な役割を果たしている。外傷やジストロフィ、眼内手術などの侵襲によって角膜内皮細胞が障害、脱落すると、ヒトやサルなどの霊長類の角膜内皮細胞は生体内では非常に増殖能が乏しいために、角膜内皮の機能不全を生じて角膜に強い浮腫と混濁をきたす。このような病態を水疱性角膜症とよび、患者は重篤な視力障害を生じる。
進行した水疱性角膜症に対しては現在では全層角膜移植が行われているが、その長期成績は他の角膜疾患と比較すると不良であり、より有効な治療法の開発が望まれている。また、わが国においては角膜移植に必要なアイバンクの提供角膜が常に不足しており、手術が必要な水疱性角膜症患者は長い移植待機期間を強いられているのが現状である。このような社会的、医学的な背景のもと、本発明者らは角膜内皮疾患に対する新しい治療法の開発を行った。
進行した水疱性角膜症に対しては現在では全層角膜移植が行われているが、その長期成績は他の角膜疾患と比較すると不良であり、より有効な治療法の開発が望まれている。また、わが国においては角膜移植に必要なアイバンクの提供角膜が常に不足しており、手術が必要な水疱性角膜症患者は長い移植待機期間を強いられているのが現状である。このような社会的、医学的な背景のもと、本発明者らは角膜内皮疾患に対する新しい治療法の開発を行った。
本発明によれば、角膜内皮細胞を増殖させることができ、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置を有効に行うことができる。
たとえば、角膜の透明度が低下した水疱性角膜症患者の前眼房にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することで、角膜内皮細胞を増殖して角膜内皮組織を修復ないし再生し、水疱性角膜症を治癒することができる。
眼の外傷、眼内感染症、緑内障による急激な眼圧上昇、コンタクトレンズによる酸素不足などの種々の原因により角膜内皮組織が薄くなり、眼内の操作を要する手術(内眼手術)や、レーザー治療が受けられなくなった場合でも、コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与して角膜内皮細胞を増殖して角膜内皮組織を厚くすることで、内眼手術を行うことを可能にし得る。
本明細書において、眼内手術は眼内の操作を要する手術(内眼手術)、レーザー治療を包含する。内眼手術としては、白内障、緑内障、斜視の手術、網膜剥離手術、硝子体手術などが挙げられるがこれらに限定されない。
本発明において、「角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害」としては、水疱性角膜症だけでなく、角膜内皮細胞が減少したことで内眼手術やレーザー治療により水疱性角膜症を発症するリスクが高まり、内眼手術やレーザー治療が受けられない状態を包含する。
水疱性角膜症の原因としては、眼内手術が最も多いが、遺伝性の角膜内皮の疾患(年齢とともに角膜内皮細胞が減少)、ヘルペスウイルス感染などによる角膜内皮炎(角膜内皮細胞の脱落)、外傷、ジストロフィなどが挙げられる。
コネキシン43(Cx43)は、ギャップ結合による細胞間の伝達、心筋におけるチャンネル形成などに関与することが知られている。コネキシン43の遺伝子配列およびアミノ酸配列は、以下の表1に示すようにヒト、サルおよびラットで公知である。
本発明で遺伝子発現の抑制対象となるCx43は、ギャップ結合を担うタンパク質であり、ヒトの遺伝子配列は配列番号1に、ラットの遺伝子配列は配列番号2に各々記載されている。好ましい対象遺伝子はヒトCx43である。
コネキシンは分子量によりCx43, Cx26, Cx32などに分類されるが、角膜内皮細胞の増殖に関与するタンパクは、Cx43である。Cx43に加えてCx26, Cx32などの遺伝子発現を同時に抑制することも可能であるが、好ましい実施形態では、Cx43を特異的に抑制する。
Qiu et al. (Current Biology 13, 1697-1703, 2003)は、アンチセンス・オリゴデオキシヌクレオチドによるCx43ノックダウンが好中球の数を減少して炎症を軽減し、創傷治癒を促進することが記載されているが、角膜では炎症がほとんど起こらないため、炎症を抑制しても角膜に対する影響はほとんどない。また、角膜内皮細胞は本件出願以前には増殖しない細胞として認識されていた。本発明者は、Cx43を抑制することにより角膜内皮細胞の増殖を促進できることを驚くべきことに発見した。
本発明の核酸分子は、コネキシン43のアンチセンスDNA、アンチセンスRNA、siRNA(small interfering RNA;RNAi)などが挙げられ、siRNAが好ましく例示される。siRNAは、連続する相補的な15から30のポリヌクレオチド配列、好ましくは18から25のポリヌクレオチド配列、より好ましくは、19から21の長さからなるポリヌクレオチド配列を有する。siRNAは、1種のみを用いてもよく2種以上のsiRNAを組み合わせて使用してもよい。siRNAは相補鎖の部分が15〜30、好ましくは18〜25、より好ましくは19〜21の長さを有していればよい。また、siRNAは相補的な2本のRNA から構成されていてもよく、これら2本のRNAを片側あるいは両末端で適当な長さの核酸配列で連結した構造を取っていてもよい。後者の場合、siRNAは相補部分と非相補部分を有する1本鎖または環状RNAとなる。
本発明の核酸分子は、各相補鎖が独立して作られた後、接合されるか、あるいは一本鎖として作られてもよい。該核酸分子は、化学的に合成されるか、または遺伝子組換え技術を用いて作られてもよい。具体的には、核酸分子は例えば被保護リボヌクレオチド・ホスホルアミダイト法、好適なDNA/RNA合成機を用いて、好ましくは、化学合成される。前記ポリヌクレオチドの合成は、市販のDNA/RNA合成機と該機器に付属の使用説明書に準じて自身で合成してもよく、或いは、この種のポリヌクレオチドの合成を受託している会社、または部門に合成を委託することも当業界では容易である。
核酸分子は、Cx43遺伝子のエキソン部位から好ましく選択される。また標的遺伝子の相補部位の配列の特異性が高いことがより好ましい。核酸分子がsiRNAの場合、選択される領域としては該領域中において、50%程度のGまたはCを含んでいるAA(もしくはCA) (N15〜30塩基)TTという配列領域が相補する領域として例示できる。前記のような配列が見つからないケースにおいては、末端部位をAA(N15〜30)もしくはCA(N15〜30)として代用することもできる。
ヒトCx43のsiRNAに対応する遺伝子配列を以下に示す。
caattcttct tgccgcaatt (配列番号3)
ラットCx43のsiRNAに対応する遺伝子配列を以下に示す。
caattcctcg tgccgcaatt (配列番号4) なお、サルCx43のsiRNAに対応する遺伝子配列は、ヒトCx43の場合と同一である。
ラットCx43のsiRNAに対応する遺伝子配列を以下に示す。
caattcctcg tgccgcaatt (配列番号4) なお、サルCx43のsiRNAに対応する遺伝子配列は、ヒトCx43の場合と同一である。
本発明の核酸分子(特にsiRNA)は、以下のものが好ましく例示される:
ラットに対する好ましいsiRNA
センス: 5’-CAA UUC CUC GUG CCG CAA TT-3’ (配列番号5)
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAC GAG GAA UUG TT-3’ (配列番号6)
ヒト、サルに対する好ましいsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’ (配列番号7)
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’ (配列番号8)
上記以外にもCx43に特異的な配列を有する核酸分子を常法に従い設計することができる。
ラットに対する好ましいsiRNA
センス: 5’-CAA UUC CUC GUG CCG CAA TT-3’ (配列番号5)
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAC GAG GAA UUG TT-3’ (配列番号6)
ヒト、サルに対する好ましいsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’ (配列番号7)
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’ (配列番号8)
上記以外にもCx43に特異的な配列を有する核酸分子を常法に従い設計することができる。
本発明の核酸分子は、ホスホロチオエートなどのヌクレアーゼによる分解性の低い誘導体とすることもできる。
本発明の核酸分子は、前眼房に投与することにより、角膜内皮細胞の増殖を効果的に促進することができる。投与量は、例えば10〜100μM程度、好ましくは40μM程度のsiRNAないしはアンチセンスDNA/RNA を1〜50μl程度、好ましくは20μl程度投与すればよく、1回の投与で十分な効果が認められる。
投与は、角膜を通して注射により投与するのが好ましい。角膜内皮細胞を傷つけないように注射針はできるだけ細いものを用いる。核酸分子は、注射用水又は適当な緩衝液に溶解して投与することができる。
本発明の核酸分子は、単独で投与してもよく、ポリカチオン脂質リポソーム系のトランスフェクション試薬、ウイルス粒子からなる核酸導入試薬などの各種の試薬を使用して導入効率を向上させることが可能である。
以下、本発明を実施例に基づきより詳細に説明するが、本発明がこれら実施例に限定されないことはいうまでもない。
実施例1
対象と方法
1)ラットを用いた角膜創傷治癒のモデル作成
Wistar rat(8週齢、雄)を用いた。ペントバルビタールで深麻酔後、角膜輪部より30G針(ニブロ医工)を前房内に刺入し、前房水を20μl吸い取る。その針で前房側から角膜内皮を軽く擦過し創を作成した。次に、コネキシン43 (Cx43)に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド及び、RNAiの角膜創傷治癒に対する影響を調べるため、40μMのAS ODNあるいはsiRNA 20μlを、別の針を用いて同じ創口に入れて、前房内に注入した(前房内液の全量を40 μlと仮定すると、前房内液でのAS ODN及びsiRNAの最終濃度は、20μMとなる)。1、3日後、眼球を摘出し,強角膜切片(直径6〜7 mm)を作成した。
実施例1
対象と方法
1)ラットを用いた角膜創傷治癒のモデル作成
Wistar rat(8週齢、雄)を用いた。ペントバルビタールで深麻酔後、角膜輪部より30G針(ニブロ医工)を前房内に刺入し、前房水を20μl吸い取る。その針で前房側から角膜内皮を軽く擦過し創を作成した。次に、コネキシン43 (Cx43)に対するアンチセンスオリゴヌクレオチド及び、RNAiの角膜創傷治癒に対する影響を調べるため、40μMのAS ODNあるいはsiRNA 20μlを、別の針を用いて同じ創口に入れて、前房内に注入した(前房内液の全量を40 μlと仮定すると、前房内液でのAS ODN及びsiRNAの最終濃度は、20μMとなる)。1、3日後、眼球を摘出し,強角膜切片(直径6〜7 mm)を作成した。
使用したオリゴヌクレオチドは、次の通りである。
Cx43 AS ODN: 5’-GTA ATT GCG GCA GGA GGA ATT GTT TCT GTC-3’(配列番号9)
Cx43 Sense ODN: 5’-GAC AGA AAC AAT TCC TCC TGC CGC AAT TAC-3’(配列番号10)
また、使用したsiRNA配列は、次の通りである。
sense: 5’-CAA UUC CUC GUG CCG CAA TT-3’ (配列番号5)
antisense: 5’-UUG CGG CAC GAG GAA UUG TT-3’ (配列番号6)
2)無処理ラット角膜に対するCx43 AS ODN及び、siRNAの処理
Wistar rat(8週齢、雄)を用いた。ペントバルビタールで深麻酔後、角膜輪部より30G針を前房内に刺入し前房水を20 μlを吸い取り、この場合は、創を作成せず、針を抜いた。40μMのAS ODNあるいはRNAi 20μlを、別の針を用いて同じ創口に入れて、前房内に注入した。6、12時間、1、2、3日後に眼球を摘出し、強角膜切片を作成した。
3)免疫組織化学的解析法
強角膜切片を1% パラフォルムアルデヒド/リン酸緩衝液(PBS)に室温で5分間浸漬し固定を行い、つづいて?20℃のアセトンで10分間処理した。5%スキムミルク/PBSに室温で20分間入れ、非特異的吸着をブロッキングした。強角膜組織の構造を安定化するため、室温で10分間の5% デキストラン/1% ジメチルスルフォキサイド (DMSO)/PBSによる処理を、3回行った。カミソリを用いて、強角膜切片を4mm×4mmの角膜切片にトリミングした。
Cx43 AS ODN: 5’-GTA ATT GCG GCA GGA GGA ATT GTT TCT GTC-3’(配列番号9)
Cx43 Sense ODN: 5’-GAC AGA AAC AAT TCC TCC TGC CGC AAT TAC-3’(配列番号10)
また、使用したsiRNA配列は、次の通りである。
sense: 5’-CAA UUC CUC GUG CCG CAA TT-3’ (配列番号5)
antisense: 5’-UUG CGG CAC GAG GAA UUG TT-3’ (配列番号6)
2)無処理ラット角膜に対するCx43 AS ODN及び、siRNAの処理
Wistar rat(8週齢、雄)を用いた。ペントバルビタールで深麻酔後、角膜輪部より30G針を前房内に刺入し前房水を20 μlを吸い取り、この場合は、創を作成せず、針を抜いた。40μMのAS ODNあるいはRNAi 20μlを、別の針を用いて同じ創口に入れて、前房内に注入した。6、12時間、1、2、3日後に眼球を摘出し、強角膜切片を作成した。
3)免疫組織化学的解析法
強角膜切片を1% パラフォルムアルデヒド/リン酸緩衝液(PBS)に室温で5分間浸漬し固定を行い、つづいて?20℃のアセトンで10分間処理した。5%スキムミルク/PBSに室温で20分間入れ、非特異的吸着をブロッキングした。強角膜組織の構造を安定化するため、室温で10分間の5% デキストラン/1% ジメチルスルフォキサイド (DMSO)/PBSによる処理を、3回行った。カミソリを用いて、強角膜切片を4mm×4mmの角膜切片にトリミングした。
免疫組織化学的染色は、一次抗体として、ウサギ抗Cx43抗体(400倍希釈、Chemicon社)、マウス抗Cx43抗体(400倍希釈、Zymed社)、ウサギ抗ZO-1 抗体(400倍希釈、Zymed社)、マウス抗Ki-67抗体(20倍希釈、Dako社)を用いた。
4℃で抗Ki-67抗体は48時間、それ以外は1昼夜、角膜切片をインキュベートした。PBSで室温5分間ずつ、3回洗浄を行った。2次抗体として、Alexa488結合ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンG抗体、Alexa488結合ヤギ抗マウス免疫グロブリンG抗体、Alexa594結合ヤギ抗ウサギ免疫グロブリンG抗体、Alexa594結合ヤギ抗マウス免疫グロブリンG抗体(いずれも400倍希釈、Invitrogen社)を用いて、角膜切片を37℃で90分間処理した。その後、PBSで室温5分間ずつ、3回洗浄を行った。いくつかの切片はpropidium iodide (PI, 1 mg/ml)で、室温で30分間処理し、核を染色した。角膜内皮面を上にして角膜切片をスライドガラスに載せ、蛍光退色防止剤であるVectorshield(Vector社)で封入した。
60倍の油浸対物レンズ (Plan Apo 60, NA = 1.4)を備えた共焦点レーザ顕微鏡(オリンパス Fluoview)で切片の観察を行った。
アンチセンス処理、RNAi処理に創傷治癒実験は、それぞれ適切な対照群と平行して実施し、免疫組織化学的染色も同時に行い、共焦点レーザ顕微鏡による撮像も同一の条件で行った。
4)創の閉鎖の評価
創作成3日後の角膜切片のZO-1/PI染色像を用いて、細胞の連続性を判断し、創の閉鎖の評価を行った。
結果
・ オリゴヌクレオチドの効果
オリゴヌクレオチドを投与した創傷後3日目の角膜切片を図1Aおよび1Bに示す。これらは内皮細胞の境界を示すZO-1染色(緑)と核を示すPI(赤)染色を行っている。創傷治癒がほとんど起きていないCx43 sense ODN処理群(B)に比較して、Cx43 AS ODN処理群(A)では内皮細胞が増殖して創傷が完全に治癒しているのが分かる。
・ siRNAの効果
siRNAを投与した創傷後3日目の角膜切片を図2Aおよび2Bに示す。これらは内皮細胞の境界を示すZO-1染色(緑)と核を示すPI(赤)染色を行っている。創傷治癒がほとんど起きていないnon-functional siRNA処理群(図2B)に比較して、Cx43 siRNA処理群(図2A)では内皮細胞が増殖して創傷が完全に治癒しているのが分かる。
4)創の閉鎖の評価
創作成3日後の角膜切片のZO-1/PI染色像を用いて、細胞の連続性を判断し、創の閉鎖の評価を行った。
結果
・ オリゴヌクレオチドの効果
オリゴヌクレオチドを投与した創傷後3日目の角膜切片を図1Aおよび1Bに示す。これらは内皮細胞の境界を示すZO-1染色(緑)と核を示すPI(赤)染色を行っている。創傷治癒がほとんど起きていないCx43 sense ODN処理群(B)に比較して、Cx43 AS ODN処理群(A)では内皮細胞が増殖して創傷が完全に治癒しているのが分かる。
・ siRNAの効果
siRNAを投与した創傷後3日目の角膜切片を図2Aおよび2Bに示す。これらは内皮細胞の境界を示すZO-1染色(緑)と核を示すPI(赤)染色を行っている。創傷治癒がほとんど起きていないnon-functional siRNA処理群(図2B)に比較して、Cx43 siRNA処理群(図2A)では内皮細胞が増殖して創傷が完全に治癒しているのが分かる。
使用したnonfunctional control siRNAの配列は以下の通りである。
sense: 5'-AAU UCU CCG AAC GUG UCA CGT-3'(配列番号11)
antisense: 5'-GUG ACA CGU UCG GAG AAU UTT-3'(配列番号12)
なお、siRNAはオリゴヌクレオチドに比較してCx43の発現を抑制する効果が強いこと、さらに増殖している細胞数が多いことは確認している。この結果を図3に示す。図3の実験条件を、以下に示す。創傷のない正常のラット角膜内皮細胞にCx43 AS-ODNないしはsiRNAを前房内に投与後、経時的に採取し、Cx43とKi67に対する免疫染色を行うことによってそれぞれの陰性率・陽性率を求めた。この実験によって、Cx43のノックダウンが創傷による接触阻止の解除とは関係なく、角膜内皮細胞の増殖に直接影響しこれを高める作用があることが分かる。また、図3の結果から、siRNA処理の方がAS-ODN処理よりも有効であることが分かる。
sense: 5'-AAU UCU CCG AAC GUG UCA CGT-3'(配列番号11)
antisense: 5'-GUG ACA CGU UCG GAG AAU UTT-3'(配列番号12)
なお、siRNAはオリゴヌクレオチドに比較してCx43の発現を抑制する効果が強いこと、さらに増殖している細胞数が多いことは確認している。この結果を図3に示す。図3の実験条件を、以下に示す。創傷のない正常のラット角膜内皮細胞にCx43 AS-ODNないしはsiRNAを前房内に投与後、経時的に採取し、Cx43とKi67に対する免疫染色を行うことによってそれぞれの陰性率・陽性率を求めた。この実験によって、Cx43のノックダウンが創傷による接触阻止の解除とは関係なく、角膜内皮細胞の増殖に直接影響しこれを高める作用があることが分かる。また、図3の結果から、siRNA処理の方がAS-ODN処理よりも有効であることが分かる。
実施例2:サル角膜内皮の再生に対するhCx43-siRNAの影響
カニクイザルの角膜から得られた培養内皮細胞シートに下記のhCx43-siRNAを投与し、DNA合成期にある細胞数を測定することによって内皮細胞増殖に対する影響をみた。
hCx43-siRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’ (配列番号7)
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’ (配列番号8)
その結果、hCx43-siRNA非投与のコントロール群(#1)に比較してhCx43-siRNA投与群(#2-4)では、明らかにBrdU陽性細胞数が増加しており、hCx43-siRNA(ヒトとサルのCx43-siRNAは同一の配列)がサルの角膜内皮細胞の再生を促すことが実証された。
カニクイザルの角膜から得られた培養内皮細胞シートに下記のhCx43-siRNAを投与し、DNA合成期にある細胞数を測定することによって内皮細胞増殖に対する影響をみた。
hCx43-siRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’ (配列番号7)
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’ (配列番号8)
その結果、hCx43-siRNA非投与のコントロール群(#1)に比較してhCx43-siRNA投与群(#2-4)では、明らかにBrdU陽性細胞数が増加しており、hCx43-siRNA(ヒトとサルのCx43-siRNAは同一の配列)がサルの角膜内皮細胞の再生を促すことが実証された。
実施例1,2の結果から、ヒトの角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害(特に、水疱性角膜症)の処置にヒトコネキシン43の遺伝子発現を抑制する核酸分子(アンチセンスオリゴヌクレオチト、siRNAなど)が有効であることが明らかになった。
実施例3:サル角膜内皮の再生に対するhCx43-siRNAのin vivoにおける影響
ヒトと同様に生体内での角膜内皮増殖能が乏しいカニクイザルの角膜内皮障害モデルを用いて、ヒトコネキシン43の発現を選択的に抑制するsiRNAの前房内投与が角膜内皮創傷治癒に与える影響を評価することができる。
1. コネキシン43抑制薬の作成
以下のsiRNA(hCx43-siRNA)を使用する。
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
2. カニクイザル角膜内皮障害モデルの作成とコネキシン43抑制薬の投与
1) 全身麻酔:塩酸ケタミンと塩酸キシラジンによる筋肉注射による全身麻酔を行った後、ケージから処置台へ運ぶ。処置台にてマスクを用いた吸入麻酔を開始したのち、血圧、心電図および酸素飽和度モニターを装着し、全身状態の安定を確認した後に以下の手術操作を行う。
2) ドレーピングと消毒:皮膚および体毛からの眼内組織の感染を予防するために、顔部および上半身を眼科手術用ドレープで覆い、イソジンによる消毒を行う。
3) 経角膜冷凍凝固による角膜内皮細胞障害の作成:カニクイザルの両眼に、液体窒素で冷却した直径5mmのチップの先端を角膜中央部に接着させ、前房内にice ballが確認できるまで約15秒間の冷凍凝固を行う。
4) コネキシン43抑制薬の投与:角膜内皮障害を作成したカニクイザルの前房水を50μl採取する。右眼には、前房内に100μg/mlの濃度に調整したhCx43-siRNAを50μlを投与する。コントロールとして左眼にcontrol-siRNAを同濃度に調整したものを50μl投与する。
5) 感染予防のために抗菌薬(タリビッド眼軟膏(登録商標))の点入を行い、手術を終了する。
6) 吸入麻酔を終了し、回復室のケージ内で保温マットを敷いた状態で覚醒を待つ。サルが覚醒し、異常がないことを確認した後に飼育室ケージに戻す。
ヒトと同様に生体内での角膜内皮増殖能が乏しいカニクイザルの角膜内皮障害モデルを用いて、ヒトコネキシン43の発現を選択的に抑制するsiRNAの前房内投与が角膜内皮創傷治癒に与える影響を評価することができる。
1. コネキシン43抑制薬の作成
以下のsiRNA(hCx43-siRNA)を使用する。
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
2. カニクイザル角膜内皮障害モデルの作成とコネキシン43抑制薬の投与
1) 全身麻酔:塩酸ケタミンと塩酸キシラジンによる筋肉注射による全身麻酔を行った後、ケージから処置台へ運ぶ。処置台にてマスクを用いた吸入麻酔を開始したのち、血圧、心電図および酸素飽和度モニターを装着し、全身状態の安定を確認した後に以下の手術操作を行う。
2) ドレーピングと消毒:皮膚および体毛からの眼内組織の感染を予防するために、顔部および上半身を眼科手術用ドレープで覆い、イソジンによる消毒を行う。
3) 経角膜冷凍凝固による角膜内皮細胞障害の作成:カニクイザルの両眼に、液体窒素で冷却した直径5mmのチップの先端を角膜中央部に接着させ、前房内にice ballが確認できるまで約15秒間の冷凍凝固を行う。
4) コネキシン43抑制薬の投与:角膜内皮障害を作成したカニクイザルの前房水を50μl採取する。右眼には、前房内に100μg/mlの濃度に調整したhCx43-siRNAを50μlを投与する。コントロールとして左眼にcontrol-siRNAを同濃度に調整したものを50μl投与する。
5) 感染予防のために抗菌薬(タリビッド眼軟膏(登録商標))の点入を行い、手術を終了する。
6) 吸入麻酔を終了し、回復室のケージ内で保温マットを敷いた状態で覚醒を待つ。サルが覚醒し、異常がないことを確認した後に飼育室ケージに戻す。
経角膜冷凍凝固による角膜内皮障害モデルは、1970年代から角膜内皮研究において広く用いられてきた方法である。角膜中央部の経角膜冷凍凝固によって凝固部位の角膜内皮細胞は脱落するが、周辺部に残存する正常角膜内皮細胞が拡大、遊走することによって創傷治癒が得られるため、水疱性角膜症には至らず、約1週間で角膜は透明性を回復することが報告されている。van Hornらのベニガオザルを用いた研究では、受傷後24時間までは角膜浮腫が認められるものの4日-9日で角膜は透明性を回復したことが報告されている(van Horn DL et al. Exp Eye Res, 1975)。またMatsubaraらのカニクイザルを用いた研究では、直径2.5mmの角膜冷凍凝固後には3日間で角膜内皮の拡大伸展による修復が行われることが報告されている(Matsubara M et al. Jpn J Ophthalmology,1982)。これらの報告は、ヒトと同様にサルの角膜内皮細胞は生体内では増殖せず、残存する細胞の拡大、伸展によって創傷治癒が起こることを証明したものである。このようにして治癒した角膜内皮細胞は、正常の角膜内皮細胞に比べて密度が低く年余を経ても回復しない。ヒトにおける水疱性角膜症の初期にも同様の現象が生じており、角膜内皮障害の初期段階では残存細胞の拡大、伸展によって機能を代償できているものが、時間経過によって代償がきかなくなり、重症の水疱性角膜症となる。
本発明者の研究により、このような初期の角膜内皮障害に対して、残存する角膜内皮細胞の増殖能を高めることにより、より密度が高く、形態的にも健常な角膜内皮細胞による創傷治癒を得ることが可能になる。
カニクイザルの生体内で角膜内皮細胞の障害を作成した場合は、残存する周辺部の角膜内皮細胞が移植後1週間程度で角膜は拡大、伸展した内皮細胞で被覆され、ある程度の透明性を回復する。角膜が透明性を回復した際の角膜内皮細胞の形態や密度、角膜内皮細胞の機能の指標となる角膜厚について左右眼を比較することにより、投与薬剤の角膜内皮細胞修復に与える影響を評価できる。すなわち薬剤投与によって角膜内皮細胞の増殖促進効果が認められる場合には、コントロール眼よりも角膜内皮細胞密度が高くなり、角膜内皮細胞のポンプ機能が良好であるために角膜厚が薄くなる。
経角膜冷凍凝固による角膜内皮障害モデルでは、処置の直後から翌日にかけて最も角膜浮腫が強くなる可能性がある。術後早期には1日3回サルの全身状態、食欲や行動について観察を行い、摂餌、摂水が十分行われていないと判断された場合には速やかに経口(エンリッチ(登録商標))や点滴による栄養および水分の補給などの適切な処置を行う。
3. 前眼部の観察
1) 全身状態の観察:サルの食欲、排泄、毛並み、行動などを観察し、全身状態に問題がないことを確認する。
2) スリットランプ(細隙灯顕微鏡)による前眼部の観察
外科的処置前、処置翌日、処置後3、7日目および1、3、4週間後にスリットランプ、角膜厚測定装置、角膜内皮スペキュラー観察装置を用いて、前眼部の観察を行う。スリットランプは眼科診療で広く用いられている生体顕微鏡であり、あご台に顔をのせて細い光を当てることにより顕微鏡による詳細な観察と写真撮影が可能である。以上の観察に必要な時間は10分程度であり、非侵襲的な検査であるため痛みや苦痛はないが、数十秒間静止することが必要なため、塩酸ケタミンと塩酸キシラジンの筋肉内投与による全身麻酔下に行う。
4. 組織学的検討:
創傷治癒が終了した段階で、カニクイザルを安楽死させて角膜組織を採取し、免疫組織化学的手法を用いた角膜内皮細胞の組織学的検討を行う。
3. 前眼部の観察
1) 全身状態の観察:サルの食欲、排泄、毛並み、行動などを観察し、全身状態に問題がないことを確認する。
2) スリットランプ(細隙灯顕微鏡)による前眼部の観察
外科的処置前、処置翌日、処置後3、7日目および1、3、4週間後にスリットランプ、角膜厚測定装置、角膜内皮スペキュラー観察装置を用いて、前眼部の観察を行う。スリットランプは眼科診療で広く用いられている生体顕微鏡であり、あご台に顔をのせて細い光を当てることにより顕微鏡による詳細な観察と写真撮影が可能である。以上の観察に必要な時間は10分程度であり、非侵襲的な検査であるため痛みや苦痛はないが、数十秒間静止することが必要なため、塩酸ケタミンと塩酸キシラジンの筋肉内投与による全身麻酔下に行う。
4. 組織学的検討:
創傷治癒が終了した段階で、カニクイザルを安楽死させて角膜組織を採取し、免疫組織化学的手法を用いた角膜内皮細胞の組織学的検討を行う。
以上の実験により、本発明のsiRNA(hCx43-siRNA)は、カニクイザルの経角膜冷凍凝固による角膜内皮障害モデルにおいても有効性が確認され、サルと同様に角膜内皮増殖能が乏しいヒトにおいても角膜内皮細胞の増殖を促進し、水疱性角膜症などの角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置に有効であることが実証される。
本発明、コネキシン43の遺伝子発現の抑制によりヒトの角膜内皮細胞の増殖を促進することができ、水疱性角膜症の予防と治療に有効である。
また、本発明によれば、眼内手術やレーザー治療による角膜内皮細胞の減少を回復させることができ、例えば高齢者における白内障などの治療を、行いやすくすることができる。
Claims (31)
- コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置剤。
- 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、請求項1に記載の処置剤。
- 前眼房投与用製剤の形態である請求項1に記載の処置剤。
- 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである請求項1に記載の処置剤。
- 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である請求項1に記載の処置剤。 - コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子の角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害の処置のための使用。
- 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、請求項6に記載の使用。
- 前記核酸分子を前眼房に投与するための請求項6に記載の使用。
- 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである請求項6に記載の使用。
- 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である請求項6に記載の使用。 - 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を有する患者にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することを特徴とする、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を治療する方法。
- 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、請求項11に記載の方法。
- 前記核酸分子を前眼房に投与する請求項11に記載の方法。
- 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである請求項11に記載の方法。
- 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である請求項11に記載の方法。 - コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子の有効量と、薬学的に許容される担体、賦形剤または希釈剤を含む、角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を処置するための医薬組成物。
- 角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害が、水疱性角膜症である、請求項16に記載の医薬組成物。
- 前眼房投与用製剤の形態である請求項16に記載の医薬組成物。
- 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである請求項16に記載の医薬組成物。
- 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である請求項16に記載の医薬組成物。 - 角膜内皮細胞の減少が原因で眼内手術を受けることができない患者において、眼内手術を可能にするための処置剤であって、コネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を有効成分とする処置剤。
- 前記患者が、眼内手術により水疱性角膜症の発症が疑われる患者である、請求項21に記載の処置剤。
- 前眼房投与用製剤の形態である請求項21に記載の処置剤。
- 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである請求項21に記載の処置剤。
- 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である請求項21に記載の処置剤。 - 角膜内皮細胞が減少し、手術により角膜内皮細胞の減少に起因する疾患または障害を発症する可能性がある、眼内手術が必要な患者において、眼内手術の前にコネキシン43の遺伝子発現を抑制する少なくとも1種の核酸分子を投与することを特徴とする、眼内手術を可能にするための処置方法。
- 前記患者が、眼内手術により水疱性角膜症を発症する可能性がある患者である、請求項26に記載の方法。
- 前記核酸分子を前眼房に投与する請求項26に記載の方法。
- 前記核酸分子が、コネキシン43の遺伝子に相補的配列を有する連続する15〜30のポリヌクレオチド配列を含むsiRNAである請求項26に記載の方法。
- 前記核酸分子が、以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
である請求項26に記載の方法。 - 以下の配列を有するヒトコネキシン43に対するsiRNA:
センス: 5’-CAA UUC UUC UUG CCG CAA TT-3’
アンチセンス: 5’-UUG CGG CAA GAA GAA UUG TT-3’
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