JPWO2007055178A1 - 細胞の分取方法、及び当該方法に用いる基材 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る細胞の分取方法は、分取を所望する細胞の表面に存在するレセプターと一時的に結合できるリガンドがグラフト鎖を介して固定化されたリガンド提示基材を用いて、リガンド提示基材表面で細胞を回転移動させ、結合の度合いによって生じる移動速度の差を利用する。これにより、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、当該細胞を分取する方法であって、所定範囲内のレセプター密度を有する上記細胞を、効率的且つ高精度で分取でき、且つ、上記細胞群から、レセプター密度に応じて、各密度を有する上記細胞を連続的に分取することが可能である。

Description

本発明は、細胞の分取方法、及び当該方法に用いる基材に関し、より詳細には、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドが表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、細胞を効率的且つ高精度で分取するための方法、及び当該方法に用いるための、高密度にリガンドが固定化されたリガンド提示基材に関するものである。
再生医療分野では、1993年米国MITのLangerらにより提唱された治療法の実現に向けて、すなわち細胞とそれを支持する基材(スキャホールド)を用いた組織再生による治療法の実現に向けて様々な研究・開発が展開されている。この手法を、安全性の高い治療法として確立するためには、組織再生に用いる幹細胞等を自家組織から効率よく採取する必要がある。
現在、幹細胞等を自家組織から採取する方法として、Ficoll法に代表される物理学的手法と、FACS(fluorescence activated cell sorting)法や磁気ビーズ(Magnetic cell sorting)法(以下、MACS法という)などの生物学的な手法が挙げられる。中でも、1947年にCoulterらが開発したフローサイトメーターの原理を基に、1965年にFulwylerにより基礎原理が確立されたFACS法は、高い選択性・特異性の観点から組織再生に用いる幹細胞の分離法として採用されている。以下に、図11及び図12を用いて、FACS法及びMACS法の原理を説明する。
図11は、FACS法の原理を説明する模式図である。FACS法は、図11に示す装置100を用いて行なうことができる。なお、分取の機構には液滴荷電方式及びセルキャプチャー方式があるが、図11は液滴荷電方式の原理を示している。装置100には、図11に示すように、レーザー発信器102と検出器103とが設けられている。この装置100は、蛍光抗体で標識した細胞を液流に乗せて流し、レーザー光の焦点を通過させ、個々の細胞が発する蛍光を測定することによって細胞表面にある抗原量を定量的に測定することができ、また、特定の細胞を分取できる。
以下に、FACS法について、骨髄に含まれる造血幹細胞を分取する場合を挙げて詳述する。造血幹細胞の表面には、造血幹細胞に特異的なレセプターとしてCD34が提示されており、このCD34を、造血幹細胞を識別するためのマーカーとして利用することができる。まず、造血幹細胞を含む細胞懸濁液101を調製するが、調製の際、造血幹細胞のCD34を蛍光抗体104で標識する。図11では、蛍光抗体104で蛍光標識したCD34(+)細胞(造血幹細胞)を黒、CD34(−)細胞(造血幹細胞以外の細胞)を白で示している。次に、調製した細胞懸濁液101を図11の矢印aで示した方向から装置100に通し、矢印bで示した方向からシース液を流す。すると、ノズル100aから細胞を含むシース液が吐出する。ここで、吐出したシース液を、レーザー発信器102から出射したレーザー光の焦点を通過させることによって、個々の細胞が発する蛍光が検出器103にて検出される。この際、装置100のノズル100aを超音波振動させることにより、ノズル100aから流れ出るシース流は途中から液滴が形成されるため、検出器103によって蛍光が検出された造血幹細胞が存在するシース液が液滴を形成しようとする直前に荷電することによって、荷電した造血幹細胞含有液滴が形成される。そこで、図11に示すように、装置100には偏向板105を設けておけば、荷電した造血幹細胞含有液滴を、当該偏向板105に引き寄せて、回収容器106に分取できる(非特許文献1を参照のこと)。
次に、図12は、MACS法の原理を説明する模式図である。ここでも、造血幹細胞を分取する場合を挙げて説明する。まず、造血幹細胞を含む細胞懸濁液101を調製する。MACS法では、抗体を付けた磁気ビーズ107を用いて、CD34(抗原)に抗体を結合させることによって造血幹細胞表面に磁気ビーズ107を提示させる。そして、磁気ビーズ107を提示させた造血幹細胞を含む細胞懸濁液101を、図12に示す磁気装置108に設けたカラム109に入れ、磁気装置108に磁気ビーズ107が吸着することによって、造血幹細胞を分取できる(非特許文献2を参照のこと)。
Visser J.W.M. (1984) Isolation of murine pluripotent hemopoietic stem cells. J. Exp. Med., 59, 1576-1590 Miltenyi S. (1990) High Gradient Magnetic Cell Separation With MACS, Cytometry, 11, 231-238 Greenberg and Hammer: Cell Separation Mediated by Differential Rolling Adhesion, BIOTECHNOLOGY AND BIOENGINEERING, VOL.73, NO.2, APRIL 20, 2001, 111-124
しかしながら、上述した従来方法による細胞の単離は、操作が煩雑であるとともに、大がかりな装置が必要であり、さらに、単離できる細胞数に限界があることから、臨床への展開は難しい。
また、上述した従来方法による細胞の単離では、荷電量の大小や磁力の強弱といった勾配に応じて、各段階の液滴や磁気ビーズ付細胞を連続的に単離することは不可能である。すなわち、液滴の荷電量や磁気ビーズ付細胞の磁力が細胞表面のレセプターの数(レセプターの密度)に比例していることからすれば、FACS法やMACS法では、細胞を、その表面に存在するレセプターの密度に応じて、各レセプター密度を有する細胞を連続的に単離することは困難、もしくは煩雑な工程が必要であるといえる。
ところで、非特許文献3には、細胞表面のレセプターに結合するリガンドを利用し、これを表面に固定した基材を用いることによって、レセプターの有無に基づいて細胞を分離する技術が開示されている。具体的には、非特許文献3では、リガンドとしてセレクチン溶液(2μg/mL)でコートしたガラス基板をリガンド提示基板として採用し、CD34陰性細胞(レセプターが無い細胞)と、CD34陽性細胞(レセプターがある細胞)をリガンド提示基板の表面をローリングさせることによって、両細胞の平均ローリング速度が2.2倍異なることから、溶出速度が約20分異なることを計算している。さらに、シアリルルイス抗原でコートした5.5μmもしくは10.9μmのラテックス粒子をリガンド提示基板表面から成るチャンバー内(幅15mm,高さ70μm,長さ55mm)でローリングさせた場合、粒径の小さいラテックス粒子では、大きいものよりローリング速度が遅いため溶出時間が遅延することを示している。
しかしながら、非特許文献3に開示された技術では、平滑な表面に対してリガンドを非共有結合させたリガンド提示基板を用いている。そのため、高密度なリガンド修飾が難しく、細胞表面とリガンド提示基板表面との効率的な接触頻度を期待することができず、よって、所定範囲内のレセプター密度を有する細胞を、正確な分離ができない虞がある。
すなわち、所定範囲内のレセプター密度を有する細胞を効率的且つ高精度で分取する方法は、未だ渇望されている状態にある。
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、当該細胞を分取する方法であって、(1)所定範囲内のレセプター密度を有する上記細胞を、効率的且つ高精度で分取する方法、及び、(2)上記細胞群から、レセプター密度に応じて、各密度を有する上記細胞を効率的且つ連続的に分取する方法を提供することにある。
本願発明者らは、上記の問題点に鑑みて鋭意検討した結果、分取を所望する細胞の表面に存在するレセプターと一時的に結合できるリガンドを、グラフト鎖を介して固定化した基材を用いることによって、効率的且つ高精度で、分取を所望するレセプターの提示密度を有する細胞を分取することを見出し、本発明を完成させるに至った。また、本願発明者らは、上記基材を用いることによって、レセプターの提示密度に応じて、或る提示密度を有する細胞を、提示密度の高低に従って順次分取できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る分取方法は、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度が所定範囲内である細胞を分取することを特徴としている。
なお、レセプターの提示密度が所定範囲内である細胞とは、レセプターの提示密度が分取を所望する提示密度の範囲内である細胞のことである。
本発明に係る他の分取方法は、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度に応じて、或る提示密度を有する細胞を、提示密度の高低に従って順次分取することを特徴としている。
本発明に係るこれらの分取方法は、上記リガンド提示基材が、上記リガンドによって平滑な表面が形成されており、上記分取は、上記表面に沿って細胞群を移動させて、上記細胞が上記リガンドと上記結合しながら上記平滑な表面を回転移動することによって行われ、細胞の移動速度は、レセプター提示密度に応じたリガンドとの上記結合の度合いによって減速されることが好ましい。
なお、平滑な表面とは、細胞群が当該表面に沿って移動する際、細胞の移動が制限されてしまうような構造を有する表面以外の表面構造を示すものであり、例えば、細胞の大きさほどの凹部で細胞がちょうど嵌まってしまうような構造を有する表面を除いたものである。
また、本発明に係る分取方法は、上記細胞群を分散させた分散液を上記平滑な表面に流し、上記細胞が分散液から受けるシェアストレスによって、上記結合を解離させることが好ましい。
また、本発明に係る分取方法は、上記細胞群を分散させた分散液を、傾斜させた上記平滑な表面に流すことによって、上記細胞に生じる斜面を転がる力を用いて、上記結合を解離させることが好ましい。
また、本発明に係る分取方法は、上記細胞が幹細胞であることが好ましい。
また、本発明に係る分取方法は、上記リガンドがサイトカインであることが好ましい。より具体的には、上記サイトカインは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF1)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−4(NT−4)、骨形成因子(BMP)、又は、インターロイキン(IL)であることが好ましい。
また、本発明に係る分取方法は、上記レセプターが抗原であり、上記リガンドが当該抗原に対して抗原−抗体反応を起こす抗体であってもよい。より具体的には、上記抗原が血管内皮前駆細胞の表面の特異的な抗原であり、上記抗体が、抗CD31抗体、抗CD34抗体、抗CD133抗体、抗CD144抗体、抗Flk−1抗体、抗Flk−2抗体、抗Flk−3抗体、抗Flk−4抗体、抗Flt−1抗体、抗Flt−2抗体、抗Flt−3抗体、抗Flt−4抗体、抗tie−2抗体、抗PECAM抗体、抗VEカドヘリン抗体及び抗VEGF受容体抗体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、本発明に係るリガンド提示基材は、上記した分取方法に用いるために、リガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されていることを特徴としている。
また、本発明に係るリガンド提示基材は、管状の基材であり、当該管の内壁に上記リガンドが上記グラフト鎖を介して平滑な表面を形成していることが好ましい。
また、本発明に係るリガンド提示基材は、溝が形成された平面状の基材であることが好ましい。
また、本発明に係るリガンド提示基材は、上記溝に上記リガンドが上記グラフト鎖を介して形成されていることが好ましい。
また、本発明に係るリガンド提示基材の製造方法は、リガンドを提示する前の基材の表面にグラフト鎖を重合する重合工程と、上記重合工程によって重合された上記グラフト鎖に、リガンドを固定する固定工程とを含むことを特徴としている。
また、上記した分取方法に用いるリガンド提示基材を備えた分離装置は、上記リガンド提示基材と、上記リガンド提示基材のリガンド表面を傾斜させるための傾斜手段を備えていることを特徴としている。
本発明に係る表示装置によれば、所定範囲内のレセプター密度を有する細胞を、当該細胞を含む細胞群から、効率的且つ高精度で分取することができるとともに、上記細胞群から、レセプター密度に応じて、各密度を有する上記細胞を連続的に分取することができる。具体的には、本発明では、リガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いていることから、基板表面にリガンドが非共有結合している従来のリガンド提示基板に比べて、高密度なリガンド修飾を実現しているため、細胞表面とリガンド提示基板表面との効率的な接触頻度を提供し、よって、所定範囲内のレセプター密度を有する細胞を、正確に分離することが可能となる。
本発明のさらに他の目的、特徴、および優れた点は、以下に示す記載によって十分わかるであろう。また、本発明の利益は、添付図面を参照した次の説明で明白になるであろう。
本発明の一実施形態である分取方法の原理を説明した図である。 本発明の一実施形態である分取方法に用いることができるリガンド提示基材と、その表面を回転移動する細胞の様子を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態である分取方法に用いることができるリガンド提示基材を備えた分離装置の構成を示した図である。 図3(a)に示した分離装置に設けられたリガンド提示基材の形状を示した透視図である。 本発明の一実施例である分取方法に用いることができるリガンド提示基材を示した図である。 本発明の一実施例で用いたリガンド提示基材のリガンド固定量を定量した結果を示すグラフである。 本発明の一実施例で用いたリガンド提示基材(抗CD34抗体固定化チューブ基材)に、CD34陽性細胞を含む細胞群を分散させた分散液を通液して回収したフラクション内の細胞数を定量した結果を示すグラフである。 比較例としてリガンドを固定していない基材に、図6(a)の分散液を通液して回収したフラクション内の細胞数を定量した結果を示すグラフである。 本発明の一実施例で用いたリガンド提示基材(抗CD34抗体固定化チューブ基材)に、CD34陰性細胞を分散させた分散液を通液して回収したフラクション内の細胞数を定量した結果を示すグラフである。 比較例としてリガンドを固定していない基材に、CD34陰性細胞を分散させた分散液を通液して回収したフラクション内の細胞数を定量した結果を示すグラフである。 フローサイトメーターによる解析結果であり、リガンド提示基材を通す前の分散液の解析結果である。 フローサイトメーターによる解析結果であり、図6(a)のフラクションno.7に回収された溶出液の解析結果である。 CD34高密度細胞の割合をフラクションno.に対してプロットした結果を示すグラフである。 リガンド提示基材(抗CD34抗体固定化チューブ基材)により分離したマウス骨髄由来間葉系幹細胞のコラーゲン1型の遺伝子発現量を定量した結果を示したグラフである。 従来技術を示す図であり、FACS法の原理を説明した図である。 従来技術を示す図であり、MACS法の原理を説明した図である。
本発明は、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度が所定範囲内である細胞を分取するための方法を提供する。
本発明者らは、細胞の表面に存在する、当該細胞を同定するためのマーカーとなる特定のレセプターに着目し、このレセプターに対応するリガンドを有するタンパク質(以下、単にリガンドということもある)をグラフト鎖を介して表面に結合させた基材を用いることによって、細胞群から、分取を所望する細胞(以下、目的細胞ということもある)を効率的且つ正確に分取できることを見出し、本発明に係る方法を完成するに至った。
以下に、本発明の一実施形態を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
分取する目的細胞としては幹細胞を挙げることができる。幹細胞は、目的とする組織又は器官を構成する細胞や、目的とする組織又は器官を構成する細胞に分化し得る細胞等である。また、このような細胞以外にも、特定のサイトカイン等を分泌することにより、目的とする組織又は器官を構成する細胞や目的とする組織又は器官を構成する細胞に分化し得る細胞が支持体内に侵入するのを促したり、これらの細胞が分化するのを誘導したりする細胞等も該当する。
上記組織又は器官を構成する細胞、組織又は器官を構成する細胞に分化し得る細胞としては特に限定されず、例えば、ヒト又は動物由来の間葉系幹細胞、ES細胞、角化細胞、繊維芽細胞、骨髄細胞、内皮細胞、平滑筋細胞、シュワン細胞、軟骨細胞、脂肪細胞、骨芽細胞、血管内皮前駆細胞等が挙げられる。
上記サイトカイン等を分泌する細胞としては特に限定されず、上記組織又は器官を構成する細胞、組織又は器官を構成する細胞に分化し得る細胞等が挙げられる。なお、以下の説明では幹細胞を単に細胞をいう。
分取する細胞の細胞表面に提示されている特定のレセプターと一時的に結合するリガンドとしては特に限定はされず、細胞表面のレセプターと結合でき、且つ後述するような条件のもとで解離可能であるリガンドであればよい。具体的には、サイトカイン、抗体等が挙げられる。
上記サイトカインとしては特に限定されないが、例えば、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF1)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−4(NT−4)、骨形成因子(BMP)、又は、インターロイキン(IL)等が挙げられる。
例えば、目的細胞もしくは細胞群がシュワン細胞又は神経細胞である場合には、これらの細胞に特異的なレセプターに対して神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)及びニューロトロフィン−4(NT−4)等のサイトカインが特異的に結合し得る。従って、本発明の方法によってシュワン細胞又は神経細胞を分取する場合には、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)及びニューロトロフィン−4(NT−4)からなる群より選択される少なくとも1種のサイトカインを、その表面にグラフト鎖を介して結合させた基材(リガンド提示基材)を用いる。
上記抗体としては、目的とする細胞の表面の特異的な抗原に対応する抗体を用いる。
例えば、血管内皮細胞又は血管内皮前駆細胞、あるいは、シュワン細胞又は神経細胞の表面に特異的に存在する表面マーカー(レセプター)に対する抗体(抗細胞表面マーカー抗体)、血管内皮細胞又は血管内皮前駆細胞、あるいは、シュワン細胞又は神経細胞に特異的に働くサイトカインの受容体に対する抗体(抗サイトカイン受容体抗体)等が挙げられる。
具体的には、例えば、血管内皮を構成する細胞に分化し得る血管内皮前駆細胞の表面には、CD34、CD31、CD133、CD144、Flk−1、Flk−2、Flk−3、Flk−4、Flt−1、Flt−2、Flt−3、Flt−4、tie−2、VEカドヘリン、PECAM、VEGF受容体等の特異的な抗原が存在し、血管内皮前駆細胞を同定する際のマーカー(レセプター)として用いることができる。従って、本発明の方法によって血管内皮前駆細胞を分取する場合には、抗CD31抗体、抗CD34抗体、抗CD133抗体、抗CD144抗体、抗Flk−1抗体、抗Flk−2抗体、抗Flk−3抗体、抗Flk−4抗体、抗Flt−1抗体、抗Flt−2抗体、抗Flt−3抗体、抗Flt−4抗体、抗tie−2抗体、抗PECAM抗体、抗VEカドヘリン抗体又は抗VEGF受容体抗体からなる群より選択される少なくとも1種の抗体を表面にグラフト鎖を介して結合(提示)させた基材を用いればよい。
細胞の表面に複数種のレセプターが存在する場合には、そのうちの何れかに対応するサイトカイン又は抗体を1種のみ用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。2種以上のサイトカイン又は抗体を併用する場合には、分取において、より高い選択性を実現させることができる。
上記サイトカインや抗体を調製する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。また、近年では、各種のサイトカインや主な細胞の表面抗原に対応する抗体が市販されているので、これを用いてもよい。
次に、本発明の分取方法に用いる、リガンドが表面に提示されたリガンド提示基材について説明する。
本発明のリガンド提示基材は、基材表面にリガンドを有するタンパク質が、グラフト鎖を介して結合されているものである。
基材としては特に限定されず、公知の無機材料又は有機材料を用いることができる。従って、例えば、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ−ε−カプロラクトン、乳酸−グリコール酸共重合体、グリコール酸−ε−カプロラクトン共重合体、乳酸−ε−カプロラクトン共重合体、ポリクエン酸、ポリリンゴ酸、ポリ−α−シアノアクリレート、ポリ−β−ヒドロキシ酸、ポリトリメチレンオキサレート、ポリテトラメチレンオキサレート、ポリオルソエステル、ポリオルソカーボネート、ポリエチレンカーボネート、ポリ−γ−ベンジル−L−グルタメート、ポリ−γ−メチル−L−グルタメート、ポリ−L−アラニン等の合成高分子;デンプン、アルギン酸、ヒアルロン酸、キチン、ペクチン酸及びその誘導体等の多糖類や、ゼラチン、コラーゲン、アルブミン、フィブリン等のタンパク質等の天然高分子を用いることも可能である。また、これらの中から1種類を用いて構成するものであってもよく、複数種類を組み合わせて構成したものであってもよい。
上記した基材に重合されるグラフト鎖として用いることができる物質は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等のビニル系モノマーやその誘導体、エチレンイミンやラクチドなどの環状化合物等が挙げられる。
また、重合開始点の生成方法は、O、プラズマ、コロナや紫外線、さらには化学反応開始点の導入等も含まれ特定の手法に限定するものではない。また、グラフト鎖の重合方法は、実施例で示したビニルモノマーによるラジカル重合に限定されることなく、配位アニオン重合、開環重合、水素転移重合、重縮合、付加縮合等やこれらの手法を併用したものも含まれる。
また、生成したグラフト鎖に対する抗体の固定化方法としては、カルボジイミドによるアミノ基の活性化法に限定されることなく、アミノ基とイソチオシアネート基やサクシンイミジルエステルを有する化合物による固定方法や、水酸基、チオール基、カルボキシル基に対する様々な方法が含まれる。
なお、本発明では、基材にグラフト鎖を介して抗体を固定することによってリガンドの高密度化及びレセプター提示細胞との接触頻度の向上を実現しているが、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、リガンドの高密度化及びレセプター提示細胞との接触頻度を向上できるものであれば、例えばFabの固定化、マルチ結合サイトを有するタンパク質、並びに高密度活性点の導入などを採用することも可能である。このような形態としては、次のようなものが例示できる。
上記基材としてポリ乳酸等を用いる場合には、例えば、ポリ乳酸の表面をアルカリ等を用いて加水分解してカルボキシル基を露出させた後、このカルボキシル基に水溶性カルボジイミドの一種である1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)を反応させ、このEDC活性基を利用してタンパク質のアミノ基を共有結合させることにより、タンパク質を結合させることができる。なお、上記基材の表面に残存した未反応のEDC活性基は、レセプターとリガンドとの結合を阻害し、正確な分取が実現できない虞があることから、タンパク質結合処理後に2−アミノエタノール等と反応させる等のキャッピング処理を施すことが好ましい。
また、上記基材としてコラーゲンを用いることもできる。この場合には、例えば、コラーゲンを構成するアミノ酸の官能基を利用して、ジアルデヒド類、エポキシ化合物、酸無水物等の種々の二価性架橋剤を介して上記タンパク質を共有結合させることができる。
以上のような形態であっても、リガンドの高密度化及びレセプター提示細胞との接触頻度の向上が期待できる。
上記基材の形状は特に限定されず、例えば、管状のものであってもよく、板状や膜状のものであってもよく、チューブやフィルムのようなものを用いることができる。チューブのような管状のものであれば、その内壁に上記リガンドを有するタンパク質がグラフト鎖を介して結合されていることが好ましい。また、フィルムのような膜状のものであれば、膜表面に上記リガンドを有するタンパク質がグラフト鎖を介して結合されていることが好ましい。
なお、上記タンパク質(リガンド)の結合量としては特に限定されないが、本発明の構成によれば、グラフト鎖を介してリガンドが結合しているため、高密度でリガンドを結合させることができる。また、上記タンパク質は、上記基材の全体に結合させてもよく、一部分にのみ結合させてもよい。
本発明は、詳細は後述するが、目的細胞を含む細胞群が、上記リガンド提示基材のリガンド表面を回転しながら移動することによって当該目的細胞の分取が行われる。従って、上記リガンド提示基材は、上記リガンドによって平滑な表面が形成されてことが好ましい。なお、本明細書中における「平滑な表面」とは、細胞群が当該表面に沿って移動する際、細胞の移動を制限するような構造が形成されていない表面のことである。例えば、細胞が完全に嵌まってしまうような、当該細胞の大きさに相当する凹部が形成されていると、細胞が移動中に当該凹部に嵌まって移動できなくなり、本発明の分取方法が実施できなくなる。そこで、そのような構造が形成されている表面を除外したものを「平滑な表面」という。例えば、多数の微細小孔を有する多孔質体は上記した問題を生じる虞があるため適さない。
しかしながら、上記したような問題を生じる虞がなければ、リガンド提示基材のリガンド表面は、完全な平面でなくてもよく、溝が形成された平面状の表面を有するものであってもよい。また、この場合、溝にも上記リガンドを有するタンパク質がグラフト鎖を介して結合されていることが好ましい。
このように上記リガンドが結合した溝を有する基材を用いることによって、細胞群と相互作用するリガンド表面面積を広くすることができ、効率よく分取することが可能となる。また、これと同じ理由から、リガンド提示基材は、複数の管が流路方向を互いに平行にして形成され、各管の内壁に上記リガンドを有するタンパク質がグラフト鎖を介して結合された構造のものであってもよい。
本発明の分離方法に用いることができる分離装置の一実施形態を図3(a)に示す。分離装置は、図3(a)に示すように、リガンド提示基材2と、リガンド提示基材2を傾斜させる傾斜手段6と、シリンジポンプ7とが設けられている。図3(b)には、リガンド提示基材2の形状を示している。本実施形態における分離装置では、細胞群を分散させた分散液がシリンジポンプ7からリガンド表面に供給されるように構成されており、細胞群は、傾斜手段6によって傾斜したリガンド表面を回転移動(ローリング移動)する。
また、リガンド表面をローリング移動して、分取される細胞を回収するための回収手段も上記分離装置として含むものであってもよい。
次に、本発明に係る分取方法について詳述する。
本発明に係る分取方法は、分取を所望する細胞の表面のレセプターと、上記リガンド提示基材にグラフト鎖を介して設けられたリガンドとの相互作用(一時的な結合)の度合いを利用して行なう。
相互作用(以下、結合という)の度合いは、細胞表面に提示されたレセプターの提示密度(以下、レセプター提示密度という)に比例する。すなわち、基材に固定されたリガンドに対する結合の度合いが高い細胞は、レセプター提示密度が「高い」といえる。一方、基材のリガンドに対する結合の度合いが低い細胞は、レセプター提示密度が「低い」といえる。また、ここから、結合の度合い(以下、結合力という)が高いと、それを解離するために要する力(以下、解離力という)は大きく、結合力が低いと、解離力は小さくてよいことになる。
本発明は、このような原理を用いて目的細胞を分取する。図1は、この原理を用いた本実施形態の分取方法を説明する模式図である。
本実施形態における分取方法では、図1に示すように、リガンド提示基材2上のグラフト鎖5に固定されたリガンド表面3において、細胞群1をローリング移動させる。
本実施形態では、図2に示すように、リガンド提示基材2を傾斜手段6(図3(a))を用いて傾斜させ、細胞群1を分散させた分散液を上流から供給する。これにより、細胞4は、分散液の流れる力(シェアストレス)と、細胞4自体に生じる斜面を転がる力とによって、ローリング移動する。すなわち、本実施形態では、上記シェアストレスと、斜面を転がる力とが、上記解離力となる。
そこで、この解離力を結合力の異なる複数の細胞(細胞群)に加えることによって、結合力が小さい細胞4bは結合力が容易に解離されるため、結合力に起因するローリング移動速度の減速は小さいが、結合力が高い細胞4aは結合力が解離され難いため、結合力に起因するローリング移動速度の減速は、結合力が小さい細胞4bに比べて大きい。すなわち、レセプター提示密度の違いによって、移動速度に違いが現れる。換言すれば、移動速度が速い細胞4bは、レセプター提示密度が「低い」ということができ、移動速度が遅い細胞4aは、レセプター提示密度は「高い」ということができる。
なお、移動速度が速い細胞の中には、上記レセプターを提示していない細胞を含むものであってもよい。
このように、本実施形態の方法によれば、個々の細胞におけるレセプター提示密度を、移動速度の差として分別することができる。
従って、例えば、レセプター提示密度が予め分かっている細胞を用いて、リガンド提示基材上のローリング移動させて、レセプター提示密度に応じてリガンド提示基材の下流から溶出される時間を測定しておくことによって、所望のレセプター提示密度を有する細胞を、移動速度の差を利用して、すなわち溶出時間差を利用して分取できる。
細胞群1を分散させた分散液の細胞濃度(数)は、リガンド表面上でローリング移動する個々の細胞に上記解離力が加えられれば特に制限はないが、例えば、リガンド量が200μg/mであるリガンド提示基材を用いる場合は、分散液中の細胞濃度(レセプターの無い細胞も含む)が1×100 〜1×10個/mLで、細胞数が1×100 〜1×1010個/mである分散液を用いることができる。
また、本発明に係る分取方法によれば、図1にも示すように、レセプター提示密度の違いによって移動速度に差をつけることができるため、移動方向の下流において、各レセプター提示密度の細胞を回収する手段を設けておくことによって、異なるレセプター提示密度の細胞を、レセプター提示密度の高低に従って、順次分取できる。
すなわち、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度に応じて、或る提示密度を有する細胞を、提示密度の高低に従って順次分取する方法も、本発明の分取方法の一つである。
上記の説明では、図2に示すように、リガンド提示基材2を傾斜させ、分散液から受けるシェアストレスと、細胞自体に生じる斜面を転がる力とを上記解離力として用いた。ここで、上記した非特許文献3の技術では、細胞のローリングを単一の分散液の流れる力(シェアストレス)のみで制御することにより細胞分離の可能性を示唆している。しかしながら、シェアストレスの増加はリガンド基材表面と液流との相流状態を発生させ、細胞と基材表面との接触頻度を減少させる。このため、非特許文献3の手法では極めて限定された範囲内でしか細胞のローリングが実現できない。また、上述したように、非特許文献3の技術では、基材表面に対してリガンドが非共有結合した構成である。このため、高密度なリガンド修飾が難しく、細胞表面とリガンド基材表面とのより効率的な接触頻度を期待することができないことから、適応できるシェアストレスにも制限があり、リガンド・レセプター間の結合力が強い場合には単一のシェアストレスのみでその解離を促進することは難しい。これに対して、本発明は、シェアストレスとともに、細胞自体に生じる斜面を転がる力を利用する。この手法ではリガンド提示基材と細胞表面レセプターとの接触頻度が増加し、細胞をより効率的に分離する事が可能になり、後述する実施例に記載しているように、シェアストレスの程度やリガンド提示基材の傾斜角を自在に可変させることで、より効率的に細胞の分離を達成することができる。
以上のように、本発明の分取方法によれば、リガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いていることから、基板表面にリガンドが非共有結合している従来のリガンド提示基板に比べて、高密度なリガンド修飾を実現しているため、細胞表面とリガンド提示基板表面との効率的な接触頻度を提供し、よって、所定範囲内のレセプター密度を有する細胞を、正確に分離することが可能となるとともに、レセプター密度に応じて、各密度を有する上記細胞を連続的に分取することができる。
なお、上記の説明では、リガンド提示基材2のリガンド表面3上を移動した細胞を下流において回収手段を用いて回収し、分取する構成とした。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、本発明に係る分取方法では、リガンド提示基材2のリガンド表面3上をローリング移動させて移動速度に差をつけた状態で、解離力を解除し、移動度が異なった複数の細胞をそのままリガンド表面3上に配置(結合)させてもよい。
これにより、細胞表面のレセプター提示密度に応じて、リガンド表面3上に細胞を偏在させた基材を提供することができる。
本発明は、以下の実施例によってさらに詳細に説明されるが、これに限定されるべきではない。
本発明者らは、上述した構成を有するリガンド提示基材を用いて、所望のレセプター提示密度を有する細胞の分取を行なった。まず、リガンド提示基材を作製した。
(1)リガンド提示基材の作成
基材には、図4に示すように、内径1mm、外径2mm、長さ100mmのポリエチレン製のチューブ基材を用いた。まず、図4に示すポリエチレン製のチューブ基材に対して、室温の条件でオゾンガスにより4時間処理した。その後、20%のアクリル酸/メタノール溶液中にて60℃、4時間加熱することでポリエチレン表面に対してポリアクリル酸のグラフト鎖を重合した。このグラフト化チューブ基材を、37℃で30分間超音波処理を行なって洗浄した後、0.1Mの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)溶液に4℃、2時間浸漬して、表面のカルボキシル基を活性化した。
次いで、EDC活性化チューブ基材を0.04mg/mL抗CD34抗体−リン酸緩衝溶液中に37℃で4時間浸漬して、内壁に抗CD34抗体を結合させた。
最後に10mMの2−アミノエタノール−リン酸緩衝溶液中に4℃、2時間浸漬して未反応の活性化カルボキシル基をキャッピングしてリガンド提示基材を得た。
次に、固定化した抗CD34抗体の抗体量を定量した。定量は、ペルオキシダーゼ修飾抗マウスIgGヤギIgGを用いて行なった。定量結果を図5に示す。
図5は、抗CD34抗体の抗体量の定量結果を示すグラフである。なお、図5では、次のような処理を行なったチューブ基材を対照チューブ基材として用いている。
対照チューブ基材は、例えば、リガンド提示基材と同様に、内径1mm、外径2mm、長さ100mmのポリエチレン製のチューブ基材を用いた。このチューブ基材を、37℃で30分間超音波処理を行なって洗浄した後、0.1Mの1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)溶液に4℃、2時間浸漬して、表面のカルボキシル基を活性化した。次いで、EDC活性化チューブ基材をリン酸緩衝溶液中に37℃で4時間浸漬し、最後に10mMの2−アミノエタノール−リン酸緩衝溶液中に4℃、2時間浸漬して未反応の活性化カルボキシル基をキャッピングし対照チューブ基材を得た。
図5から、EDC活性化時間を経るに従って、チューブ基材(リガンド提示基材)の内壁に固定化された抗体量が増加していることが示された。すなわち、この結果から、チューブ基材の内壁に抗CD34抗体が固定化されていることが示された。なお、基板のリガンド量は200μg/mであり、リガンド密度は1.67×10−9mol/mであった。
(2)リガンド提示基材の性能
〔提示マーカー密度による分離の検討〕
上記(1)で作製したリガンド提示基材(抗CD34抗体固定化チューブ基材)の性能を検証した。まず、細胞群を分散させた分散液の調製を行なった。CD34陰性細胞である急性白血病由来のHL60細胞と、CD34陽性細胞であるKG−1a細胞をそれぞれリン酸緩衝液に懸濁させ、細胞分散液を調製した。
調製した分散液(細胞濃度:2×10個/mL)を、図3(a)に示したリガンド提示基材に連結した細胞注入チューブに、注射器を用いて10μL(細胞数:2×10個)注入した。そして、図3(a)に示すシリンジポンプ7(KD Scientific Inc., Infusion Pomp, Model:KDS100)を用いて、分散液を流速50μL/分(フラクションno.1〜5)、流速600μL/分(フラクションno.6〜15)でリガンド提示基材の中空部に流した。溶出した細胞は各フラクション毎に回収した。回収量は、フラクションno.1〜10では、50μL、フラクションno.11〜15では、100μLである。
図6(a)に、1分毎に回収した溶出液(フラクションno.1〜8)の細胞数を測定した結果を示す。
なお、図6(b)には、比較例として、図5において作製した対照チューブ基材(リガンドを提示していないチューブ基材)に、上記分散液を流した後、リン酸緩衝液を通液して図6(a)と同様の条件で細胞を回収した結果を示す。
図6(a)・(b)の結果から、図6(b)のフラクションno.6’〜8’では細胞の溶出がほとんど見られなかったのに対して、図6(a)のフラクションno.6〜8に細胞の溶出が観察された。すなわち、抗体を提示させたリガンド提示基材を用いた場合にのみ、細胞溶出時間が遅延する細胞群が確認された。
また、対照実験としてHL60細胞(CD34陰性細胞)をリガンド提示基材へ流した結果、遅延するフラクションは確認されなかった(図7(a))。また、HL60細胞を上記対照チューブ基材へ流した場合でも遅延フラクションは確認されなかった(図7(b))。以上の結果より、図6(a)で観察されたフラクションno.6〜8の細胞は、CD34発現マーカーの作用によって溶出時間が遅延したものと確認できた。
次に、リガンド提示基材を通す前のHL60細胞及びKG−1a細胞を含む分散液と、図6(a)のフラクションno.7に回収された溶出液を、フローサイトメーターを用いて解析し、CD34陽性細胞に標識された蛍光量を定量した。蛍光標識試薬は、BD Biosciences Pharmingen社製のFITC anti-human CD34(Cat No:555821)を用いた。回収した100μLのフラクションに対して、2μLの蛍光標識試薬を加え、4℃で30分静置した。その後、FACS測定用チューブ(Becton Dickinson Labware製、FALCON352058 Polystyrene tube, 5mL)にPBSを加え、最終体積が1mLとなるように調製した。
フローサイトメーターによる解析結果を図8(a)・(b)に示す。図8(a)は、図6(a)のフラクションno.2に回収された溶出液の解析結果であり、図8(b)は、図6(a)のフラクションno.7に回収された溶出液の解析結果である。
図8(a)・(b)の結果から、図8(a)の解析結果中の丸で囲んだ領域に含まれる蛍光強度が、図8(b)において増加していることがわかる。この丸で囲んだ領域で検出された細胞は、他の領域で検出された細胞と比較して、細胞表面レセプター密度の高い細胞である。ここから、本発明に係る分取方法によって、或る蛍光強度範囲内の細胞が分離・濃縮されることが示された。この細胞表面レセプター密度の高い細胞の割合をフラクションno.に対してプロットした結果、図9に示すように、CD34高密度細胞がフラクションno.に伴って増加していることが示された。このことから、このカラムによりCD34高密度細胞を分離できることが示された。すなわち、細胞の表面レセプター密度によって細胞を分離できることを示している。
〔リガンド提示基材で分離した間葉系幹細胞の骨細胞への分化誘導実験〕
リガンド提示基材で分離した間葉系幹細胞を用いて骨細胞への分化誘導実験を行った。
上記(1)と同様の手順で作製したリガンド提示基材(内径0.5mm、外径1.5mm、長さ100mmのシリコンチューブ基材。抗マウスCD34抗体固定化)を用いて、CD34陽性細胞であるマウス骨髄由来間葉系幹細胞を分離した。リガンド提示基材に注入した細胞分散液の量、細胞数、および分散液の流速は上記(2)の方法と同一である。溶出した細胞の回収量は、フラクションno.1〜10では、12.5μL、フラクションno.11〜15では、25μLである。そして、回収したフラクションno.2〜7に含まれる細胞を24穴培養皿に播種して24時間、温度37℃、二酸化炭素濃度5%のもとで静置した。その後、骨細胞分化誘導培地(DMEM−低グルコース(アルドリッチ社製)、デキサメタゾン10−8M、βグリセロフォスフェート10mM、アスコルビン酸0.3mMを含む)、を添加し、温度37℃、二酸化炭素濃度5%のもとで静置した。
骨細胞分化誘導培地を添加開始してから4日後、細胞から従来公知の方法にてmRNAを回収し、PCR法によりコラーゲン1型の遺伝子発現量を定量した(フォーワードプライマー配列:5‘−GAAGTCAGCTGCATACAC−3’、リバースプライマー配列:5‘−AGGAAGTCCAGGCTGTCC−3’、PCR条件:50℃(2分)→95℃(1分)→〔95℃(1分)→60℃(15秒)→74℃(1分)〕)×40サイクル→終了)。その結果を図10に示す。図10のサンプルno.1には、対照として分離していない細胞(マウス骨髄由来間葉系幹細胞)を同様に分化誘導した結果を示している。また、サンプルno.2,3ではFACS法によりCD34発現が低い細胞と高い細胞を分離して、その細胞を分化誘導した結果を示している。
この結果より、リガンド提示基材で分離したサンプルno.5〜8では、分離していない細胞や、FACS法で分離した細胞と比較して5倍から7倍程度高い遺伝子発現量を示していた。
このことはリガンド提示基材により分離した間葉系幹細胞の方が効率的に分化誘導できる幹細胞を単離できることを示している。
以上のことから、リガンド提示基材を用いることによって、所定のレセプター提示密度を有する細胞を、分散液に分散した細胞群から容易且つ迅速に分取できることが示された。また、このリガンド提示基材により分離された間葉系幹細胞は従来法となるFACS法で分離した間葉系幹細胞と比較して分化誘導の効率が著しく高い結果を示したことから、特有の細胞への幹細胞の分化に関して、細胞表面レセプターと分化との相関を解明するための極めて有用な手助けとなることが考えられる。また、細胞表面レセプターに基づいて、特定の細胞のみに分化する細胞、もしくは特定の細胞に分化した細胞の分取を実現できれば、細胞移植や再生医療の研究開発に大きく貢献することが期待できる。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。
産業上の利用の可能性
本発明に係る分取方法は、特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドが表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度に応じて、或る提示密度を有する細胞を簡易に分取できるとともに、その提示密度の高低に従って順次分取できることから、例えば、特有の細胞へ分化する幹細胞における細胞表面レセプターと分化との相関を解明する等、組織再生による治療法の実現に向けて様々な研究・開発が展開されている再生医療分野に広く適用することができる。

Claims (16)

  1. 特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度が所定範囲内である細胞を分取することを特徴とする分取方法。
  2. 特定のレセプターを細胞表面に提示した細胞を含む細胞群から、上記レセプターと一時的に結合するリガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材を用いることによって、レセプターの提示密度に応じて、或る提示密度を有する細胞を、提示密度の高低に従って順次分取することを特徴とする分取方法。
  3. 上記リガンド提示基材は、上記リガンドによって平滑な表面が形成されており、
    上記分取は、上記表面に沿って細胞群を移動させて、上記細胞が上記リガンドと上記結合しながら上記平滑な表面を回転移動することによって行われ、
    細胞の移動速度は、提示密度に応じたリガンドとの上記結合の度合いによって減速されることを特徴とする請求項1または2に記載の分取方法。
  4. 上記細胞群を分散させた分散液を上記平滑な表面に流し、上記細胞が分散液から受けるシェアストレスによって、上記結合を解離させることを特徴とする請求項3に記載の分取方法。
  5. 上記細胞群を分散させた分散液を、傾斜させた上記平滑な表面に流すことによって、上記細胞に生じる斜面を転がる力を用いて、上記結合を解離させることを特徴とする請求項3または4に記載の分取方法。
  6. 上記細胞は、幹細胞であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の分取方法。
  7. 上記リガンドは、サイトカインであることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の分取方法。
  8. 上記サイトカインは、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)、塩基性繊維芽細胞増殖因子(bFGF)、ストロマ細胞由来因子1(SDF1)、血小板由来増殖因子(PDGF)、インスリン様増殖因子(IGF)、肝細胞増殖因子(HGF)、神経成長因子(NGF)、脳由来神経栄養因子(BDNF)、毛様体神経栄養因子(CNTF)、グリア細胞由来神経栄養因子(GDNF)、ニューロトロフィン−3(NT−3)、ニューロトロフィン−4(NT−4)、骨形成因子(BMP)、又は、インターロイキン(IL)であることを特徴とする請求項7に記載の分取方法。
  9. 上記レセプターは、抗原であり、
    上記リガンドは、当該抗原に対して抗原−抗体反応を起こす抗体であることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の分取方法。
  10. 上記抗原は、血管内皮前駆細胞の表面の特異的な抗原であり、
    上記抗体は、抗CD31抗体、抗CD34抗体、抗CD133抗体、抗CD144抗体、抗Flk−1抗体、抗Flk−2抗体、抗Flk−3抗体、抗Flk−4抗体、抗Flt−1抗体、抗Flt−2抗体、抗Flt−3抗体、抗Flt−4抗体、抗tie−2抗体、抗PECAM抗体、抗VEカドヘリン抗体及び抗VEGF受容体抗体からなる群より選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項9に記載の分取方法。
  11. 請求項1から10の何れか1項に記載の分取方法に用いる、リガンドがグラフト鎖を介して表面に提示されたリガンド提示基材。
  12. 上記リガンド提示基材は、管状の基材であり、当該管の内壁に上記リガンドが上記グラフト鎖を介して平滑な表面を形成していることを特徴とする請求項11に記載のリガンド提示基材。
  13. 上記リガンド提示基材は、溝が形成された平面状の基材であることを特徴とする請求項11に記載のリガンド提示基材。
  14. 上記溝に上記リガンドが上記グラフト鎖を介して形成されていることを特徴とする請求項13に記載のリガンド提示基材。
  15. 請求項1から10の何れか1項に記載の分取方法に用いるリガンド提示基材の製造方法であって、
    リガンドを提示する前の基材の表面にグラフト鎖を重合する重合工程と、
    上記重合工程によって重合された上記グラフト鎖に、リガンドを固定する固定工程とを含むことを特徴とするリガンド提示基材の製造方法。
  16. 請求項1から10の何れか1項に記載の分取方法に用いるリガンド提示基材を備えた分離装置であって、
    上記リガンド提示基材と、
    上記リガンド提示基材のリガンド表面を傾斜させるための傾斜手段を備えていることを特徴とする分離装置。
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