JPWO2007055080A1 - 弾性境界波装置の製造方法及び弾性境界波装置 - Google Patents

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Abstract

弾性境界波素子の外部端子及び外部端子を外部と電気的に接続する部分が確実に補強されており、しかも弾性境界波素子の第1,第2の媒質間の界面からの湿気等の侵入が生じ難い弾性境界波装置の製造方法を提供する。少なくとも1つのビアホール電極20a,20bが一方主面から他方主面に貫通するように設けられている硬化性樹脂シートの一方主面上に、弾性境界波素子10の外部端子16a,16bとビアホール電極20a,20bとが電気的に接続されるように弾性境界波素子10を配置し、次に、弾性境界波素子10の第1,第2の媒質11,12間の境界の外表面に現れている部分を少なくとも硬化性樹脂シートで覆うように、弾性境界波素子10を硬化性樹脂シートに押し込み、硬化性樹脂シートを硬化して樹脂シート硬化物18とする、各工程を備える、弾性境界波装置の製造方法。

Description

本発明は、第1,第2の媒質間の境界を伝搬する弾性境界波を利用した弾性境界波装置の製造方法及び弾性境界波装置に関し、より詳細には、弾性境界波素子を製品化するための構造が改良された弾性境界波装置の製造方法及び弾性境界波装置に関する。
従来、携帯電話用のRFフィルタやVCO用共振子、あるいはテレビジョン受像機用VIFフィルタなどに、各種弾性表面波装置が用いられている。他方、弾性表面波装置に比べて、パッケージ構造の簡略化を図ることができ、かつ小型化を進め得るため、弾性境界波装置が注目されている。
例えば下記の特許文献1では、図12に示す弾性境界波素子が開示されている。弾性境界波素子501では、第1の媒質502と、第2の媒質503との界面に、IDT電極504及び反射器505,506が配置されている。また、第2の媒質503の上面には、吸音層507が積層されている。
特許文献1には、このような弾性境界波素子501を表面実装可能とする構造も開示されている。すなわち、図13に示すように、前記弾性境界波素子501のような弾性境界波素子チップ512が、基板513上に搭載されている弾性境界波装置511が開示されている。弾性境界波素子チップ512は、下面に外部と電気的に接続するための電極512a,512bを有する。電極512a,512bが、バンプ514a,514bにより、基板513上に形成された端子電極515a,515bに接合されている。端子電極515aは、基板513の上面から側面を経て下面に至るように形成されている。他方、端子電極515bは、スルーホール電極516により、基板513の下面に形成されている電極517に電気的に接続されている。
また、弾性境界波素子チップ512を被覆し、耐湿性などの耐環境特性を高めるために、外装樹脂層518が設けられている。
WO2005/069486A1
弾性境界波装置511では、上記弾性境界波素子チップ512を基板513に接合した状態を安定に保つために、空隙Aにアンダーフィル樹脂を充填することが望ましい。例えば、半導体装置などでは、半導体素子チップを基板上にバンプ等により搭載した場合、バンプ等による電気的接続部分を補強するために、上記アンダーフィル樹脂が充填されていることが多い。
しかしながら、特許文献1に記載の弾性境界波装置511では、バンプ514a,514bを用いて弾性境界波素子チップ512が基板513に接合されており、空隙Aが設けられているが、この空隙Aにアンダーフィル樹脂を充填することが困難であった。外装樹脂層518の形成前にアンダーフィル樹脂を充填しようとしても、バンプ514a,514b間のスペースが小さく、かつ空隙Aの隙間も非常に小さいため、アンダーフィル樹脂を確実に充填することが困難であった。
アンダーフィル樹脂の充填が不十分の場合には、弾性境界波装置511をプリント回路基板などにリフロー半田法などにより実装するに際し、与えられる熱によって、バンプ514a,514bが半田からなる場合には、バンプ514a,514bが部分的に溶解することがあった。そのため、バンプ514aとバンプ514bとが短絡するおそれがあった。
他方、図12に示すように、弾性境界波素子501では、第1,第2の媒質502,503間の界面にIDT電極504などが形成されるが、この界面は弾性境界波素子501の側面において露出している。従って、弾性境界波素子501の側面に露出している境界部分から湿気等が侵入するおそれがあった。そのため、図13に示されているように、弾性境界波素子チップ512の周囲を、特に側面を、上記外装樹脂層518で覆われねばならなかった。
本発明の目的は、上述した従来技術の欠点を解消し、弾性境界波素子を電気的に接続するための外部端子と、外部端子とに接続される導電性接続部分が樹脂硬化物により確実に補強されている構造を有する弾性境界波装置を容易に得ることを可能とする弾性境界波装置の製造方法及び弾性境界波装置を提供することにある。
本発明の他の目的は、上記弾性境界波素子の外部端子と、外部端子に接続される電気的接続部分の周囲を樹脂硬化物により確実に被覆し、補強し得るだけでなく、さらに弾性境界波素子の第1,第2の媒質間の境界の弾性境界波素子の側面に露出している部分からの湿気の侵入等が生じ難い、耐環境特性に優れた弾性境界波装置の製造方法、並びに該弾性境界波装置を提供することにある。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法は、第1の媒質と、第1の媒質に積層された第2の媒質と、第1,第2の媒質間の境界に配置された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されており、かつ外部と電気的に接続するための外部端子を有する弾性境界波素子を用意する工程と、一方主面から他方主面に貫通するように設けられている、少なくとも1つのビアホール電極を有する硬化性樹脂シートを用意する工程と、前記硬化性樹脂シートの一方主面上に、前記弾性境界波素子の前記外部端子と前記ビアホール電極とが電気的に接続されるように前記弾性境界波素子を配置する工程と、前記弾性境界波素子の第1,第2の媒質間の境界の弾性境界波素子の外表面に現れている部分を少なくとも前記硬化性樹脂シートで覆うように前記弾性境界波素子を前記硬化性樹脂シートに押し込む工程と、前記硬化性樹脂シートを硬化する工程とを備えることを特徴とする。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のある特定の局面では、前記弾性境界波素子として、前記外部端子に接合されており、かつ下方に突出しているバンプをさらに有する弾性境界波素子を用い、前記硬化性樹脂シートの一方主面上に弾性境界波素子を配置する工程において、前記外部端子に接続されたバンプを前記ビアホール電極上に配置して、外部端子とビアホール電極とを電気的に接続し、前記硬化性樹脂シートに弾性境界波素子を押し込む工程において、前記バンプを前記硬化性樹脂シートのビアホール電極を押し込むようにして、前記弾性境界波素子が前記硬化性樹脂シートに押し込まれる。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のある特定の局面では、前記硬化性樹脂シートを用意する工程において、支持体に硬化性樹脂シートが支持されている構造を用意し、前記硬化性樹脂シートを硬化した後に前記支持体を取り除く工程がさらに備えられている。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法の他の特定の局面では、前記硬化性樹脂シートを用意する工程において、実装用電極ランドが一方主面に設けられた実装基板の該電極ランドに前記ビアホール電極が電気的に接続されるように、前記硬化性樹脂シートを実装基板上に配置した構造が用意される。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記硬化性樹脂シートが硬化されることにより得られたシートの縦波及び横波の音速が、前記弾性境界波素子の第1の媒質及び第2の媒質を伝搬する縦波及び横波の音速よりも低速とされている。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記弾性境界波素子が、第1,第2の媒質の一方の外表面に設けられた吸音層がさらに備えられている。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のさらに別の特定の局面では、前記弾性境界波素子を前記硬化性樹脂シートに押し込むに際し、押し込まれた後の前記弾性境界波素子の前記硬化性樹脂シートに押し込まれた側の主面と弾性境界波装置の該主面と対向している側とは反対側の前記硬化性樹脂シート面との間の距離に等しい高さのダミーバンプを介在させた状態で前記弾性境界波素子が前記硬化性樹脂シートに押し込まれる。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法のさらに他の特定の局面では、前記弾性境界波素子の前記硬化性樹脂シートに接触される面が表面処理される。
本発明に係る弾性境界波装置は、第1の媒質と、第1の媒質に積層された第2の媒質と、第1,第2の媒質間の境界に配置された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されており、外部と電気的に接続するために、第1,第2の媒質の内の一方の媒質の前記境界とは反対側の主面に引き出されている外部端子とを備える弾性境界波素子と、前記弾性境界波素子の前記外部端子に接続されるビアホール電極が一方主面から他方主面に貫通するように設けられており、かつ前記第1,第2の媒質間の境界が弾性境界波素子の外表面に露出している部分を覆うように前記弾性境界波素子の側面に至るように設けられている、樹脂シート硬化物とを備えることを特徴とする。
本発明に係る弾性境界波装置の他の広い局面によれば、第1の媒質と、第1の媒質に積層された第2の媒質と、第1,第2の媒質間の境界に配置された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されており、外部と電気的に接続するために、第1,第2の媒質の内の一方の媒質の前記境界とは反対側の主面に引き出されている外部端子とを備える弾性境界波素子と、前記弾性境界波素子の前記外部端子に接続されるビアホール電極が一方主面から他方主面に貫通するように設けられており、かつ前記第1,第2の媒質間の境界が弾性境界波素子の外表面に露出している部分を覆うように前記弾性境界波素子の側面に至るように設けられている、樹脂シート硬化物と、前記樹脂シート硬化物に固定されている実装基板をさらに備え、前記実装基板に、一端が前記ビアホール電極に電気的に接続されるスルーホール電極が設けられており、該スルーホール電極の前記ビアホール電極に電気的に接続されている一端とは反対側の端部が、前記実装基板の前記樹脂シート硬化物が搭載されている側の面とは反対側の面に至っている弾性境界波装置が提供される。
本発明に係る弾性境界波装置のある特定の局面では、前記弾性境界波素子が、第1の媒質及び/または第2の媒質に積層された吸音層をさらに備え、前記ビアホール電極が該吸音層に貫通しており、該吸音層が前記樹脂シート硬化物に重ねられるように、弾性境界波素子が前記樹脂シート硬化物に積層されている。
(発明の効果)
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法では、一方主面から他方主面に貫通するように少なくとも1つのビアホール電極が設けられた硬化性樹脂シートの該一方主面上に弾性境界波素子の外部端子と上記ビアホール電極とが電気的に接続されるように弾性境界波素子を配置した後、弾性境界波素子の第1,第2の媒質間の境界の弾性境界波素子の外表面に現れている部分を少なくとも硬化性樹脂シートで覆うように弾性境界波素子を硬化性樹脂シートに押し込み、しかる後、あるいは押し込みながら、硬化性樹脂シートを硬化させる。従って、上記弾性境界波素子の外部端子と、外部端子に電気的に接続される上記ビアホール電極とが設けられている部分の周囲が硬化性樹脂シートの硬化物で確実に被覆される。よって、弾性境界波素子の外部端子及び外部端子と電気的に接続されるビアホール電極を十分に補強することができる。しかも、煩雑なアンダーフィル樹脂を充填する作業を省略することができ、弾性境界波素子を外部と電気的に接続する部分を容易に補強することが可能となる。
加えて、上記弾性境界波素子の第1,第2の媒質間の境界の弾性境界波素子の外表面に現れている部分が上記硬化性樹脂シートの硬化物で確実に被覆されるので、耐環境特性に優れた弾性境界波装置を得ることができる。
本発明に係る弾性境界波装置の製造方法において、バンプ付きの弾性境界波素子を用いて、弾性境界波素子をバンプ側から配置し、バンプが硬化性樹脂シートのビアホール電極を押し込むようにして、硬化性樹脂シートに弾性境界波素子を押し込む場合には、弾性境界波素子の外部と電気的に接続する部分が補強された弾性境界波装置を得ることができる。
本発明において、硬化性樹脂シートを用意する工程において、支持体に硬化性樹脂シートが支持されている構造を用意し、硬化性樹脂シートの硬化後に支持体を取り除く工程をさらに備える場合には、支持体上において、硬化性樹脂シートの硬化までの作業を容易に行なうことができる。
硬化性樹脂シートを用意する工程において、実装用電極ランドが設けられた実装基板の該電極ランドに上記ビアホール電極が電気的に接続されるように、硬化性樹脂シートを実装基板上に配置する場合には、実装基板上にビアホール電極を介して上記弾性境界波素子の外部端子が接続されている構造を容易に得ることができる。
硬化性樹脂シートが硬化されることにより得られた樹脂シート硬化物の縦波及び横波の音速が弾性境界波素子の第1の媒質及び第2の媒質を伝搬する縦波及び横波の音速よりも低速とされている場合には、上記樹脂シート硬化物により、所望でない波を吸音することができる。すなわち、吸音層を別途設けなくともスプリアスを抑圧でき、良好な周波数特性を得ることができる。
弾性境界波素子が、第1,第2の媒質の一方の外表面に設けられた吸音層をさらに備える場合には、吸音層により所望でない波の伝搬を抑制でき、それによって、スプリアスを低減することが可能となる。
弾性境界波素子を、硬化性樹脂シートに押し込むに際し、押し込まれた後の弾性境界波素子の硬化性樹脂シートに押し込まれた側の主面と、弾性境界波素子の該主面と対向している側とは反対側の硬化性樹脂シート面との間の距離に等しい高さのダミーバンプを介在させた状態で弾性境界波素子を硬化性樹脂シートに押し込む場合には、ダミーバンプにより、弾性境界波素子を硬化性樹脂シートの硬化物を介して弾性境界波素子と反対側に位置している実装基板等に確実に接合することができる。すなわち、上記ダミーバンプの高さが、上記硬化性樹脂シートの両主面間の距離と等しくされているため、ダミーバンプの弾性境界波素子に接合されている側とは反対側の端部を、硬化性樹脂シートの弾性境界波素子に接している面とは反対側の面に露出させることができ、それによってダミーバンプを用いて弾性境界波素子を実装基板などの他の部材に確実に接合することができる。
弾性境界波素子の硬化性樹脂シートに接触される面を表面処理した場合には、表面処理により、弾性境界波素子と硬化性樹脂シートの硬化物との密着性を高めたり、両者の間の界面における波の反射を抑制し、それによって周波数特性の低下を防止したりすることが可能となる。
本発明に係る弾性境界波装置では、樹脂シート硬化物に設けられたビアホール電極により、弾性境界波素子の外部端子が外部と電気的に接続されるように構成されており、従って外部端子及びビアホール電極の周囲が上記樹脂シート硬化物により確実に補強されている。よって、境界波素子の外部端子及び外部端子を実装基板などに接続する電気的接続部分が確実に補強され、リフロー半田法等により実装されたとしてもこれらの電気的接続部分の劣化や所望でない短絡が生じ難い。しかも、第1,第2の媒質間の境界が、上記樹脂シート硬化物により被覆されているので、耐環境特性も効果的に高められる。
また、上記樹脂シート硬化物の弾性境界波素子に接触している主面とは反対側の主面に実装基板が固定されており、実装基板に設けられたスルーホール電極が、樹脂シート硬化物の上記ビアホール電極に電気的に接続されており、スルーホール電極のビアホール電極に電気的に接続されている側とは反対側の端部が実装基板の樹脂シート硬化物が搭載されている側の面とは反対側の面に至っている場合には、上記実装基板側からプリント回路基板などに表面実装可能な弾性境界波装置を提供することができる。
本発明の弾性境界波装置において、弾性境界波素子が第1の媒質及び/または第2の媒質に積層された吸音層をさらに備え、ビアホール電極が吸音層に貫通しており、吸音層が樹脂シート硬化物に重ねられるように、弾性境界波素子が樹脂シート硬化物に積層されている場合には、吸音層の存在により所望でない波を吸音でき、それによってスプリアスを低減することができる。
図1は、本発明の第1の実施形態に係る弾性境界波装置の正面断面図である。 図2は、図1に示した弾性境界波装置に用いられる弾性境界波素子を説明するための正面断面図である。 図3(a)及び(b)は、図1に示した実施形態の弾性境界波装置の製造方法を説明するための斜視図及び正面断面図である。 図4(a),(b)は、複数の弾性境界波素子を硬化性樹脂シートに押し込む工程を示す断面図及び硬化性樹脂シートに設けられているビアホール電極を説明するための模式的正面断面図である。 図5(a),(b)は、硬化性樹脂シートに弾性境界波素子を押し込んだ後に、外装樹脂層を形成する工程及び外装樹脂層を形成後に個々の弾性境界波装置単位に切断する工程を説明するための各正面断面図である。 図6は、第1の実施形態の弾性境界波素子の変形例を示す正面断面図である。 図7は、第2の実施形態の弾性境界波装置を説明するための正面断面図である。 図8は、本発明の第3の実施形態にかかる弾性境界波装置の正面断面図である。 図9は、第3の実施形態の弾性境界波装置に用いられる弾性境界波素子の変形例を示す正面断面図である。 図10は、本発明の弾性境界波装置に用いられる弾性境界波素子のさらに他の変形例を説明するための正面断面図である。 図11(a)〜(c)は、ダミーバンプを用いた弾性境界波装置の製造方法を説明するための各正面断面図である。 図12は、従来の弾性境界波素子を説明するための模式的正面断面図である。 図13は、従来の弾性境界波装置の一例を説明するための模式的正面断面図である。
符号の説明
1…弾性境界波装置
10,10A…弾性境界波素子
11…第1の媒質層
12…第2の媒質層
13…IDT電極
14,15…電極
16a,16b…ビアホール電極
17…実装基板
17A…実装基板
18…硬化性樹脂シート
18A…樹脂シート硬化物
19…保護フィルム
20…ビアホール電極
20a,20b…ビアホール電極
21…プレス板
22…樹脂被覆層
23a,23b…スルーホール電極
24,25…端子電極
26,27…接続電極
32…吸音層
33,34…ビアホール電極
35,36…電極
42…樹脂シート硬化物
42a…樹脂シート硬化物42の下面
43a,43b…ビアホール電極
45,46…端子電極
51…弾性境界波装置
52A…樹脂シート硬化物
53,54…金属バンプ
55…吸音層
57,58…ビアホール電極
61…実装基板
62,63…金属膜
64,65…ダミーバンプ
以下、図面を参照しつつ本発明の具体的な実施形態を説明することにより、本発明を明らかにする。
図1〜図15を参照して、本発明の第1の実施形態に係る弾性境界波装置の製造方法を説明する。
まず、図2に示す弾性境界波素子10を用意する。弾性境界波素子10は、第1の媒質層11と、第2の媒質層12とを積層した構造を有する。第1の媒質層11は、本実施形態では、LiNbO単結晶基板などの圧電単結晶基板により構成されている。もっとも、第1の媒質11は、圧電単結晶以外の圧電材料により形成されていてもよい。
第2の媒質12は、本実施形態では、SiO膜により形成されているが、第2の媒質12は、SiO以外の様々な誘電体もしくは絶縁体により構成され得る。
第1の媒質11と第2の媒質12との界面に、IDT電極13と、IDT電極13に接続されている電極14,15が形成されている。弾性境界波素子10では、IDT電極13を励振させることにより、第1,第2の媒質11,12間の界面を伝搬する弾性境界波が利用される。弾性境界波素子10では、利用する波が、第1,第2の媒質11,12間の界面を伝搬するので、第1,第2の媒質11,12の上記界面とは反対側の面で機械的に支持することができる。
第2の媒質12に前記境界から第2の媒質12の上記境界とは反対側の面である下面に至るビアホール電極16a,16bが設けられている。ビアホール電極16a,16bは、貫通孔の内周面に導電膜を形成した後、メッキ法により貫通孔内を金属で充填した構造を有する。もっとも、ビアホール電極16a,16bの形成方法は特に問わず、他の方法でビアホール電極16a,16bが形成されていてもよい。
ビアホール電極16a,16bの上端は、電極14,15にそれぞれ電気的に接続されている。また、ビアホール電極16a,16bは、第2の媒質12の下面に至っている。
本実施形態では、図3(a)に示すように、マザーの実装基板17を用意し、実装基板17上に、複数の弾性境界波素子10を実装する。上記マザーの実装基板17を構成する材料は特に限定されない。例えば、ステンレスなどの金属、アルミナなどセラミックス、合成樹脂またはガラスなどを用いることができる。
上記マザーの実装基板17の上面には、弾性境界波素子10の上記ビアホール電極16a,16bに電気的に接続される電極ランドが形成されている。この電極ランド等については後述する。
図3(a),(b)では、実装基板17の上面に形成されている電極ランド等の図示は省略されている。
本実施形態では、マザーの実装基板17上に、マザーの硬化性樹脂シート18を配置する。図3(a),(b)では略図的に示されているが、図4(b)に、マザーの硬化性樹脂シートの詳細を拡大して示す。マザーの硬化性樹脂シート18は、加熱により軟化して流動性を示し、しかる後、さらに加熱により硬化する熱硬化性樹脂組成物を用いて形成されている。このような熱硬化性樹脂組成物としては、例えばエポキシ樹脂などの熱硬化性樹脂と、無機フィラーを含む樹脂組成物が好適に用いられる。
本実施形態では、上記熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂の硬化剤及び無機フィラーを含有している。上記無機フィラーとしては、炭素、シリカ、タングステンなどを用いることができる。無機フィラーを含有させておくことにより、加熱過程における流動性をコントロールでき、かつ硬化後の硬化物の強度や寸法安定性を高めることができる。
もっとも、本発明においては、硬化性樹脂シートを構成する硬化性樹脂組成物は、無機フィラーを含有しておらずともよい。
また、上記硬化性樹脂組成物としては、加熱により流動性を示し、さらに硬化処理を施すことにより硬化する適宜の樹脂組成物を用いることができる。すなわち、熱硬化性樹脂組成物に限らず、光の照射により硬化する光硬化性樹脂組成物を硬化性樹脂組成物として用いてもよい。
図4(b)に示すように、マザーの実装基板17上に、上記硬化性樹脂シート18を配置する。このマザーの硬化性樹脂シート18には保護フィルム19が積層されている。保護フィルム19としては、使用に先立ち硬化性樹脂シート18の表面を保護し得る限り、適宜の合成樹脂材料からなるフィルムを用いることができる。このようなフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートやポリプロピレンなどからなる合成樹脂フィルムを適宜用いることができる。
次に、図4(b)に示されている複数のビアホール電極20a,20bを形成する。ビアホール電極20a,20bは、上記硬化性樹脂シート18に保護フィルム19側から機械加工やレーザー照射等により貫通孔を形成し、しかる後、貫通孔に導電ペーストを充填し硬化させることにより形成されている。このような導電ペーストとしては、Ag、Cuまたはこれらの合金からなる金属粉末を上記バインダー及び溶剤などとともに混練したものを適宜用いることができる。
上記貫通孔は、炭酸ガスレーザー、エキシマレーザーなどのレーザーを用いる方法、化学エッチングなどのエッチング法または機械的加工法などの適宜の方法を用いて形成することができる。また、上記貫通孔の形成は、実装基板17に硬化性樹脂シート18を積層する前に行なわれていてもよい。いずれにしても、保護フィルム19と硬化性樹脂シート18の両者を貫通するように貫通孔を形成することが望ましい。
上記貫通孔内への導電ペーストの充填は、上記保護フィルム19の上面から導電ペーストを塗布し、スキージングすることにより行ない得る。次に、上記貫通孔内に導電ペーストを充填した後、導電ペーストを乾燥し、固化する。
なお、導電ペーストを乾燥し、固化した状態では、加熱により硬化されているわけではないため、ビアホール電極20a,20bは完全に硬化されておらず、後述する弾性境界波素子の押し込みに際し、ビアホール電極20a,20bは変形され得る。
上記のようにして用意された硬化性樹脂シート18の上面から保護フィルム19を剥離する。しかる後、図3(a),(b)に示すように、硬化性樹脂シート18上に、複数の弾性境界波素子10を配置する。図3(a),(b)では、前述したように、硬化性樹脂シート18は略図的に示されており、上記ビアホール電極20の図示は省略されている。
上記弾性境界波素子10を硬化性樹脂シート18上に配置するに際しては、図2に示したビアホール電極16a,16bの下端が、ビアホール電極20a,20bにそれぞれ当接するように弾性境界波素子10を位置決めする。すなわち、弾性境界波素子10の第1の媒質11の下面側から、上記ビアホール電極16a,16bが上記硬化性樹脂シート18のビアホール電極20a,20bにそれぞれ当接するように弾性境界波素子10を位置決めする。その状態で、図4(a)に示すように、弾性境界波素子10の上面から下面が平坦なプレス板21を当接させ、弾性境界波素子10を硬化性樹脂シート18中に押し込む。
この押し込み量は、図1に示すように、弾性境界波素子10の第1,第2の媒質11,12間の界面が弾性境界波素子10の側面に露出している部分が硬化性樹脂シート18の硬化物により覆われるように制御される。すなわち、図4(a)に示すように、押し込みにより、弾性境界波素子10が硬化性樹脂シート18中に進入していき、弾性境界波素子10の側面にも硬化性樹脂シート18が被覆されていくことになる。そして、上記境界が弾性境界波素子10の側面に露出している部分が、硬化性樹脂シート18により覆われるように、上記押し込み量を制御する。
好ましくは、前記押し込みに際しての硬化性樹脂シート18の変形を容易とするために、硬化性樹脂シートを加熱して流動性を高めるような状態として上記押し込みが行なわれる。すなわち、硬化性樹脂シート18を軟化させるために、上記実装基板17が配置されているステージを加熱しておく。それによって、上記硬化性樹脂組成物18が加熱により軟化し、流動性が高められる程度に、硬化性樹脂シート18を加熱する。好ましくは、上記マザーの実装基板17の下面に配置されるステージを加熱するだけでなく、前記弾性境界波素子10の上面に当接されるプレス板21に、発熱体を熱結合してもよい。その場合には、プレス板21から弾性境界波素子10に熱が伝わり、弾性境界波素子10が温められるため、弾性境界波素子10に接触している硬化性樹脂シート18の流動性がより一層高められる。従って、上記弾性境界波素子10を硬化性樹脂シート18に無理なく押し込むことができる。
また、硬化性樹脂シート18が、常温で上記押し込みを円滑に行ない得るような流動性を有する場合には、上記流動性を高めるための加熱は必ずしも施さずともよい。
上記押し込みに際し、ビアホール電極20a,20bは十分に硬化していないため、外部端子16a,16bにより押し込まれると、変形するが、外部端子16a,16bと確実に接触されることになる。
次に、上記硬化性樹脂シート18を硬化する。本実施形態では、熱硬化性樹脂組成物により硬化性樹脂シート18が形成されているので、該熱硬化性樹脂組成物が硬化する加熱条件で硬化性樹脂シート18を加熱する。硬化性樹脂シート18を加熱により完全に硬化する工程は、上記硬化性樹脂シート18に弾性境界波素子10を押し込む工程において同時的に行われてもよい。
硬化性樹脂シート18を加熱により硬化することにより、ビアホール電極20a,20bもまた、加熱により硬化することとなる。
このようにして、硬化性樹脂シートが硬化され、樹脂シート硬化物となる。
次に、図5(a)に示すように、樹脂シート硬化物18A上に、弾性境界波素子10を覆うように樹脂被覆層22を形成する。樹脂被覆層22は、液状樹脂の滴下・硬化により、あるいはトランスファー形成器によるモールド法等により形成することができる。また、上記硬化性樹脂シート18を構成している樹脂と同じ樹脂あるいは同じ樹脂組成物をラミネートすることにより、樹脂被覆層22を形成してもよい。樹脂被覆層22は、上記弾性境界波素子10の露出している外表面を覆うように形成される。次に、図5(b)に示すように、一点鎖線で示す部分で切断し、弾性境界波装置1を得る。この切断は、ダイサーなどの適宜の切断装置を用いて行なうことができる。
図1は、上記のようにして得られた本実施形態の弾性境界波装置の正面断面図である。弾性境界波装置1では、マザーの実装基板17が切断することにより得られた実装基板17A上に樹脂シート硬化物18Aを介して、弾性境界波素子10が実装されている。図1から明らかなように、実装基板17Aには、スルーホール電極23a,23bが形成されている。スルーホール電極23a,23bは、実装基板17Aの上面から下面に至るように形成されている。他方、実装基板17Aの下面には、表面実装を果たすための端子電極24,25が形成されている。端子電極24,25は、スルーホール電極23a,23bの下端に電気的に接続されている。
また、スルーホール電極23a,23bの上端は、実装基板17Aの上面に設けられた接続電極26,27に電気的に接続されている。この接続電極26,27は、ビアホール電極20a,20bの下端にそれぞれ電気的に接続されている。ビアホール電極20a,20bの上端は、弾性境界波素子10のビアホール電極16a,16bに電気的に接続されている。従って、弾性境界波装置1では、端子電極24,25が弾性境界波素子10のビアホール電極16a,16bに電気的に接続されているので、端子電極24,25を用いてプリント回路基板などに表面実装することが可能とされている。
他方、弾性境界波素子10のIDT電極15が形成されている界面は、弾性境界波素子10の側面に露出しているが、この界面が側面に露出している部分は、樹脂シート硬化物18Aにより被覆されている。従って、上記界面から湿気等は侵入し難い。
加えて、上記樹脂シート硬化物18Aは、熱硬化により硬化され、充分な機械的強度を有する。従って、ビアホール電極20a,20bによる弾性境界波素子10と実装基板17Aとの電気的接続部分の周囲が十分にかつ確実に補強されている。しかも、実装基板に弾性境界波素子10を搭載するにあたり、電気的接続部分を補強するためのアンダーフィル樹脂を充填し、硬化するという煩雑な作業を必要としない。
よって、本実施形態によれば、アンダーフィル樹脂の充填及び硬化といった煩雑な作業を必要とすることなく、弾性境界波素子10と実装基板17Aとの電気的接続部分を形成でき、しかも該電気的接続部分が十分に補強される。この場合、電気的接続部分であるビアホール電極20a,20bが、樹脂シート硬化物18Aで補強されているため、弾性境界波装置1をリフロー半田法などによりプリント回路基板などに実装するに際して、熱が加えられたとしても、上記電気的接続部分が部分的に溶解したりせず、また、短絡なども生じ難い。従って、実装に際しての信頼性を高めることができる。
しかも、上記のように、弾性境界波素子10の界面が外表面に露出している部分は、樹脂シート硬化物18Aにより確実に被覆されているため、耐湿性や耐環境特性も高められる。
なお、本実施形態では、さらに、上記樹脂シート硬化物18Aで覆われていない上方部分が、樹脂被覆層22により被覆されており、それによって、弾性境界波素子10の全外表面が確実に被覆され、より一層耐環境特性が高められている。
なお、図1に示した弾性境界波装置1では、弾性境界波素子10は、第1,第2の媒質11,12を積層した構造を有していたが、図6に示す弾性境界波素子31のように、第2の媒質12の下面に吸音層32が積層されていてもよい。この場合、吸音層32を貫通するようにビアホール電極33,34が形成されている。ビアホール電極33,34の上端は、上記ビアホール電極16a,16bに接続されており、ビアホール電極33,34の下端は、電極35,36に電気的に接続されている。この電極35,36が発明における弾性境界波素子の外部端子を構成している。
従って、電極35,36が、図1に示した樹脂シート硬化物18Aに設けられているビアホール電極20a,20bに電気的に接続されることになる。
このように、上記実施形態の弾性境界波素子10に代えて、吸音層32を有する弾性境界波素子31を用いてもよい。上記吸音層32は、第2の媒質12から伝搬してきた波によるスプリアスを低減するために設けられている。従って、吸音層32の音響インピーダンスは、第2の媒質12の音響インピーダンスと樹脂シート硬化物18Aの音響インピーダンスとの間の音響インピーダンス値を有することが望ましく、それによって第2の媒質12から伝搬してきた波が第2の媒質12と吸音層32との界面及び吸音層32と樹脂シート硬化物18Aとの界面で反射され、弾性境界波素子10の上記界面側に伝搬することを防止することができる。従って、スプリアスの少ない、良好な周波数特性を得ることができる。
上記のような吸音層32を構成する材料については、上記音響インピーダンス値の関係を満たす限り特に限定されず、例えば合成樹脂などを挙げることができる。
図7は、本発明の第2の実施形態の弾性境界波装置の製造方法により得られた弾性境界波装置を示す正面断面図である。本実施形態では、弾性境界波装置41は、第1の実施形態の場合と同様に、弾性境界波素子10を用いている。もっとも、弾性境界波素子10の下面には、樹脂シート硬化物42が積層されており、樹脂シート硬化物42内には、ビアホール電極43a,43bが設けられている。ビアホール電極43a,43bの上端はビアホール電極16a,16bに接続されている。他方、ビアホール電極43a,43bの下端は、樹脂シート硬化物42の下面には至っていない。もっとも、樹脂シート硬化物42の下面42aと面一となるように樹脂シート硬化物42の下面には、端子電極45,46が埋設されている。すなわち、端子電極45,46の下面が、樹脂シート硬化物42の下面42aと面一とされている。そして、端子電極45,46に、ビアホール電極43a,43bの下端が電気的に接続されている。
上記樹脂シート硬化物42は、第1の実施形態の場合と同様に、弾性境界波素子10のIDT電極15が形成されている境界の側面に露出している部分を被覆するように設けられている。
本実施形態のように、端子電極45,46を、樹脂シート硬化物43の下面43aと面一に形成するには、下記の方法を用いればよい。
すなわち、支持体としてのステージ上において、端子電極45,46を形成する。この端子電極45,46の形成については、スパッタリングまたは蒸着などの適宜の薄膜形成法などを用いることができる。
端子電極45,46を形成した後に、硬化性樹脂組成物を塗布し、乾燥し、硬化性樹脂シートを形成する。次に、硬化性樹脂シートにビアホール電極43a,43bを形成する。その後、硬化性樹脂シートを加熱し、その状態で、第1の実施形態の場合と弾性境界波素子10を上方から押し込み、さらに硬化性樹脂シートを加熱することにより樹脂シート硬化物42を得ることができる。この場合においても、樹脂シート硬化物42を加熱等により軟化させ、流動性を高めた状態で硬化性樹脂シートが上記弾性境界波素子10の境界の側面に露出している部分を被覆するように、弾性境界波素子10を押し込めばよい。そして、弾性境界波素子10を上記のようにして押し込んだ状態で硬化することにより、硬化性樹脂シートが加熱により硬化し、樹脂シート硬化物42が形成される。しかる後、樹脂シート硬化物42の下面を支持体としてのステージから分離することにより、端子電極45,46の下面に、樹脂シート硬化物42の下面42aと面一とすることができる。
本実施形態においても、第1の実施形態と同様に、弾性境界波素子10のビアホール電極16a,16bすなわち、弾性境界波素子10の外部端子と、外部と電気的に接続する部分であるビアホール電極43a,43b及び端子電極45,46の周囲が樹脂シート硬化物42により確実に補強される。加えて、樹脂シート硬化物42により上記界面が側面に露出している部分が確実に被覆されることになる。従って、第1の実施形態の場合と同様に、信頼性及び耐環境特性に優れた弾性境界波装置を提供することができる。
図8は、本発明の第3の実施形態に係る弾性境界波装置を説明するための正面断面図である。
弾性境界波装置51では、金属バンプ53,54が、弾性境界波素子10のビアホール電極16a,16bの下端に接合されている。製造に際しては、第1の実施形態の場合と同様に、硬化性樹脂シート18上の保護フィルムを除去する。しかる後、金属バンプ53,54が下面に接合されている弾性境界波素子10を硬化性樹脂シート上に配置し、第1の実施形態の場合と同様にして押し込む。その結果、加熱より軟化し、流動性が高められた硬化性樹脂シートを金属バンプ53,54が硬化性樹脂シート中のビアホール電極20a,20bを押し込み、ビアホール電極20a,20bの高さ寸法が小さくなるように変形させる。それによって、金属バンプ53,54が、ビアホール電極20a,20bに確実に接触される。しかる後、硬化性樹脂シートをさらに加熱し硬化することにより、樹脂シート硬化物18Aが形成される。
このように、弾性境界波素子10は、下面に金属バンプ53,54をさらに備えていてもよく、その場合においても、第1の実施形態の場合と同様に、弾性境界波素子10を外部と電気的に接続する部分の周囲が樹脂シート硬化物18Aにより確実に補強される。
また、図8に示す弾性境界波装置51では、弾性境界波素子10が用いられていたが、図9に示すように、吸音層55がさらに設けられた弾性境界波素子56を用いてもよい。この場合には、吸音層55の下面に金属バンプ53,54が接合されることになり、吸音層55には、金属バンプに接合されるビアホール電極57,58が形成される。あるいは、金属バンプ53,54として、吸音層55を貫き下方に至る大きさの金属バンプを形成してもよい。すなわち、図9の金属バンプ53,54と、ビアホール電極57,58とを一体化した大きさの金属バンプを形成しておき、しかる後、吸音層55を形成してもよい。
なお、吸音層55は、前述した吸音層32と同じ様に構成されている。
図10は、本発明の第4の実施形態の弾性境界波装置の製造方法に用いられる弾性境界波素子10Aを示す正面断面図である。弾性境界波素子10Aは、第1の実施形態で用いた弾性境界波素子10とほぼ同様である。従って、同一部分においては、同一の参照番号を付することによりその説明を省略する。
図11(a)に示すように、実装基板61を用意する。実装基板61の上面及び下面には、それぞれスルーホール電極23a,23bに電気的に接続される電極26,27及び端子電極24,25が形成されている。
本実施形態が、第1の実施形態と異なるところは、実装基板61の上面に、金属膜62,63が形成されており、該金属膜62,63上にダミーの金属バンプ64,65が接合されていることにある。金属膜62,63は、好ましくは、上記電極26,27と同じ材料で同じ工程で形成される。もっとも、金属膜62,63は、他の材料を用いて別工程で形成されてもよい。
金属膜62,63は、金属バンプ64,65を実装基板61上に強固に接合するために設けられている。金属バンプ64,65は、ダミーバンプであり、弾性境界波素子10を実装基板61に対して所望の高さ位置に接合するために設けられている。なお、図10に示すように、弾性境界波素子10Aの下面にも金属膜66,67を形成しておく。
図11(a)に示すように、加熱により軟化され、流動性を高められた硬化性樹脂シート18に、上方から弾性境界波素子10Aを当接させ押し込む。しかる後、硬化性樹脂シート18を加熱し、硬化させる。このようにして、図11(c)に示すように、第1の実施形態の場合と同様に、樹脂シート硬化物18Aにより電気的接続部分が補強された弾性境界波装置71を得ることができる。ここでは、金属バンプ64,65がダミーバンプとして形成されているため、弾性境界波素子10Aを硬化性樹脂シートに押し込む際の押し込み量を容易に制御することができる。
なお、本実施形態では、ダミーバンプとしての金属バンプ64,65は、実装基板61側に形成されていたが、図11(b)に示すように、弾性境界波素子10の下面に金属バンプ64,65を接合しておき、上記と同様にして硬化性樹脂シートに押し込む際の押し込み量を制御してもよい。

Claims (11)

  1. 第1の媒質と、第1の媒質に積層された第2の媒質と、第1,第2の媒質間の境界に配置された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されており、かつ外部と電気的に接続するための外部端子を有する弾性境界波素子を用意する工程と、
    一方主面から他方主面に貫通するように設けられている、少なくとも1つのビアホール電極を有する硬化性樹脂シートを用意する工程と、
    前記硬化性樹脂シートの一方主面上に、前記弾性境界波素子の前記外部端子と前記ビアホール電極とが電気的に接続されるように前記弾性境界波素子を配置する工程と、
    前記弾性境界波素子の第1,第2の媒質間の境界の弾性境界波素子の外表面に現れている部分を少なくとも前記硬化性樹脂シートで覆うように前記弾性境界波素子を前記硬化性樹脂シートに押し込む工程と、
    前記硬化性樹脂シートを硬化する工程とを備えることを特徴とする、弾性境界波装置の製造方法。
  2. 前記弾性境界波素子として、前記外部端子に接合されており、かつ下方に突出しているバンプをさらに有する弾性境界波素子を用い、
    前記硬化性樹脂シートの一方主面上に弾性境界波素子を配置する工程において、前記外部端子に接続されたバンプを前記ビアホール電極上に配置して、外部端子とビアホール電極とを電気的に接続し、
    前記硬化性樹脂シートに弾性境界波素子を押し込む工程において、前記バンプを前記硬化性樹脂シートのビアホール電極を押し込むようにして、前記弾性境界波素子を前記硬化性樹脂シートに押し込む、請求項1に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  3. 前記硬化性樹脂シートを用意する工程において、支持体に硬化性樹脂シートが支持されている構造を用意し、
    前記硬化性樹脂シートを硬化した後に前記支持体を取り除く工程をさらに備える、請求項1または2に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  4. 前記硬化性樹脂シートを用意する工程において、実装用電極ランドが一方主面に設けられた実装基板の該電極ランドに前記ビアホール電極が電気的に接続されるように、前記硬化性樹脂シートを実装基板上に配置した構造を用意する、請求項1または2に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  5. 前記硬化性樹脂シートが硬化されることにより得られたシートの縦波及び横波の音速が、前記弾性境界波素子の第1の媒質及び第2の媒質を伝搬する縦波及び横波の音速よりも低速とされている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  6. 前記弾性境界波素子が、第1,第2の媒質の一方の外表面に設けられた吸音層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  7. 前記弾性境界波素子を前記硬化性樹脂シートに押し込むに際し、押し込まれた後の前記弾性境界波素子の前記硬化性樹脂シートに押し込まれた側の主面と弾性境界波装置の該主面と対向している側とは反対側の前記硬化性樹脂シート面との間の距離に等しい高さのダミーバンプを介在させた状態で前記弾性境界波素子を前記硬化性樹脂シートに押し込むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  8. 前記弾性境界波素子の前記硬化性樹脂シートに接触される面を表面処理することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の弾性境界波装置の製造方法。
  9. 第1の媒質と、第1の媒質に積層された第2の媒質と、第1,第2の媒質間の境界に配置された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されており、外部と電気的に接続するために、第1,第2の媒質の内の一方の媒質の前記境界とは反対側の主面に引き出されている外部端子とを備える弾性境界波素子と、
    前記弾性境界波素子の前記外部端子に接続されるビアホール電極が一方主面から他方主面に貫通するように設けられており、かつ前記第1,第2の媒質間の境界が弾性境界波素子の外表面に露出している部分を覆うように前記弾性境界波素子の側面に至るように設けられている、樹脂シート硬化物とを備えることを特徴とする、弾性境界波装置。
  10. 第1の媒質と、第1の媒質に積層された第2の媒質と、第1,第2の媒質間の境界に配置された少なくとも1つのIDT電極と、前記IDT電極に電気的に接続されており、外部と電気的に接続するために、第1,第2の媒質の内の一方の媒質の前記境界とは反対側の主面に引き出されている外部端子とを備える弾性境界波素子と、
    前記弾性境界波素子の前記外部端子に接続されるビアホール電極が一方主面から他方主面に貫通するように設けられており、かつ前記第1,第2の媒質間の境界が弾性境界波素子の外表面に露出している部分を覆うように前記弾性境界波素子の側面に至るように設けられている、樹脂シート硬化物と、
    前記樹脂シート硬化物に固定されている実装基板をさらに備え、
    前記実装基板に、一端が前記ビアホール電極に電気的に接続されるスルーホール電極が設けられており、該スルーホール電極の前記ビアホール電極に電気的に接続されている一端とは反対側の端部が、前記実装基板の前記樹脂シート硬化物が搭載されている側の面とは反対側の面に至っている弾性境界波装置。
  11. 前記弾性境界波素子が、第1の媒質及び/または第2の媒質に積層された吸音層をさらに備え、前記ビアホール電極が該吸音層に貫通しており、該吸音層が前記樹脂シート硬化物に重ねられるように、弾性境界波素子が前記樹脂シート硬化物に積層されている、請求項9または10に記載の弾性境界波装置。
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