JPWO2007049827A1 - 核酸アレイにおけるプローブ搭載位置の確認方法 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、核酸アレイとしては、表面加工を施したガラスやシリコンなどの担体上に、プローブを搭載したものが利用されているが、近年ではゲル担体など、他の手法による担体の改質も行われている。
核酸アレイの製造方法として、あらかじめ調製した核酸プローブをスライドガラスやシリコンなどの基板に固定する方法、及び核酸プローブを基板上で直接合成する方法が知られている。
たとえば、基板上でプローブを直接合成する光リソグラフィー法によれば、光照射で選択的に除去される保護基をもつ物質を使用し、フォトリソグラフィー技術と固相合成技術を組み合わせて、微小なマトリックスの所定の領域(反応部位)に選択的にDNAを合成(マスキング)することによって核酸アレイを作製することができる(Science 251,767−773(1991))。
また、あらかじめ調製したプローブを搭載する方法としては主にスポッティング法が挙げられる(Science 270,467−470(1995))。この方法は、あらかじめPCRや人工的な合成によって作製したプローブを含む溶液を、スポッターまたはアレイヤーという特別の装置を用いて数nlから数plの微小体積でチップ表面に並べ、基板上の特定領域に搭載する技術である。上記方法の他に、中空繊維配列体を用いたマイクロアレイの製造方法が開発されている。この方法では、貫通孔基盤を合成高分子から成る複数本の中空繊維を繊維軸方向に規則正しく配列させた中空繊維配列体を用いて製造する。この製法の一つの特徴は、中空繊維配列体の各中空繊維中空部にプローブを固定化しておき、この中空繊維配列体を繊維軸方向と垂直な方法で薄片化することで、同一ロッドから同じ仕様のマイクロアレイ製品を大量に製造することができる点である(特許第3488456号公報)。
核酸アレイを利用した核酸検出方法とは、核酸アレイに搭載されているプローブに対して、検査対象となる核酸試料を配列特異的にハイブリダイズさせ、配列特異的に形成したハイブリットを蛍光物質等により検出するというものである。この方法では、複数のプローブに対応する、試料中の核酸塩基配列を含む核酸分子を、定量的又は定性的に調べることができ、複数の核酸塩基配列に関する発現量又は特定の核酸塩基配列の配列自体等を解析するために利用される。
上記核酸検出の際、通常は、予め設定した適切な条件下でハイブリダイゼーション反応を実施し、次いで洗浄工程により、アレイ表面に残存した核酸試料又はその他不要物の除去を行い、プローブと特異的なハイブリッドを形成している核酸試料を検出するという方法が採用される。プローブは、配列解析、機能解析等、検出対象となる所望の核酸塩基配列と相補又は同一となるように設計されることが多い。プローブとしては、cDNA等の比較的長鎖の核酸、あるいは短鎖の合成オリゴ核酸等が使用される。合成オリゴ核酸をプローブとして使用する場合、ヒトやマウスなど、遺伝子情報の知見が蓄積している生物については、それらの塩基配列情報を用い、各配列の相同性や機能などに着目した上で合成オリゴ核酸の配列を設計し、プローブを作製することが可能である。
このような核酸アレイは、遺伝子発現、遺伝子多型等の遺伝子解析に供することができ、生命現象の機構解明等の研究用途から疾病等の診断・治療に利用され、さらには遺伝子の型を判別して行う品種判別等、の産業用途への応用が期待される。その一方で、これらの産業用途への応用を図る上では、核酸アレイの品質を保持することが必要不可欠であり、従って品質を保証するための品質管理方法の確立が急務な課題として挙げられる。
その品質管理項目の中で、製造した核酸アレイに搭載しているプローブが所定の位置に正確に搭載されているかを検査することは、最重要課題である。上記検査方法として、例えば、核酸アレイをエチジウムブロマイド等の核酸染色剤に漬して、プローブ、又はプローブが固定されている所定位置を染色する方法が知られている。この方法では、核酸アレイ上(中)のプローブの有無を知ることができるが、該プローブが所定の位置に搭載されているかどうかは検査することはできない。さらには染色後の核酸アレイをそのまま検査等に利用した場合、染色剤は検出の際のノイズとなる。従って、核酸アレイを製品とするには、プローブ、又はプローブが固定されている所定位置の染料を再度洗浄して、エチジウムブロマイドを完全に洗い流す操作を1つの製品毎に行う必要があり、製品までの処理工程が非常に煩雑となる。
また、スポット位置を確認するには、アレイ上に搭載されたプローブの相補鎖である標識核酸を全プローブに対して用意し、ハイブリダイゼーションによる検出操作を、1プローブ毎、全プローブについて行う必要があり、搭載プローブ数が多い場合はさらに操作が煩雑となり現実的ではない。
このように、「プローブがどのような配列を有し、核酸アレイ上のどの位置に搭載されているのか」を簡便に確認し、核酸アレイの品質を保証することは非常に重要である。
しかしながら、現状ではほとんど確認作業が行われることはない。その理由は、上述の通り、核酸アレイは多くのプローブを担体上に搭載しているため確認作業が煩雑になるからである。また、プローブ自体の配列を、簡単に見分けることが困難であるからである。
つまり、一度作製された核酸アレイにおいて、核酸アレイのどの位置に、どのようなプローブが存在するのかを確認するためには、核酸アレイの製造プロセスからの情報に頼るほか無く、製造後に個々のプローブの搭載位置を決定することは極めて困難である。
仮に、核酸アレイ上の思わぬ位置に、思わぬプローブが搭載されている場合、搭載位置を誤ったプローブに関しては、間違ったデータを気づかないうちに提供してしまう可能性がある。また、特にプローブの種類を絞り込んだ核酸アレイを作製する場合には、網羅的に多種類のプローブを搭載している核酸アレイに比較して、一つ一つのプローブの重要度が大きいため、核酸アレイ全体から得られる各プローブのデータを統計的に処理、解釈する場合に、根本的に誤った結論を導き出してしまう可能性が多大である。
本発明者らは、上記課題を解決するために、同一ロットから作成され得る単一種類のアレイであれば、一定の枚数のアレイを調べることで、そのロッドから得られる製品全体を確認できるという利点に着目し、鋭意検討を行った。その結果、アレイとハイブリダイズさせる核酸試料に所定の識別情報を付与し、ハイブリダイゼーションにより得られるシグナルと、個々のプローブから得られる識別情報とを効率的に組み合わせた上で検査に応用することにより、プローブ位置を個別に確認し得ることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
(1)核酸アレイに搭載されている核酸プローブの搭載状況を確認する方法であって、以下の工程:
(a)核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数、及び1以上の任意の識別情報を定義する工程、
(b)次式
X={log(N+1)M}+1
(Nは識別情報の数、Mは核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数を表す。)
で示される式を用いてXを算出し、Xの整数部分の数字を搭載状況の確認に必要な核酸アレイ数Xaと定義し、前記区画に属する核酸プローブのそれぞれに、N+1進法で表される数値であってXaと同数の桁数を有する数値Yを重複しないように割り当てる工程、
(c)前記核酸プローブの塩基配列の全部又は一部と相補的な塩基配列を含む相補核酸分子を調製し、前記割り当てられた数値Yのそれぞれの桁ごとに、それぞれの桁の数字に基づいて相補核酸分子を混合して核酸アレイ数Xa個分の核酸試料群を作製するとともに、Xa個の核酸アレイを作製する工程、
(d)工程(c)で作製されたXa個の核酸アレイのそれぞれに、対応する前記核酸試料群を接触させ、核酸アレイに搭載されている核酸プローブと前記相補核酸分子とのハイブリッドに由来するシグナルを検出する工程、並びに
(e)検出されたシグナルの発現パターンと、前記割り当てられた数値Yのパターンとを照合する工程
を含む、前記方法。
本発明において、核酸プローブの搭載状況は、核酸プローブの種類及び/又は位置に関するものが挙げられる。また、識別情報としては、例えばシグナルの有無、シグナルの強度及び標識の種類からなる群から選ばれる少なくとも1つである。本発明において、検出されたシグナルの発現パターンは、上記識別情報に基づいてN+1進法で数値化されたものを使用することができる。
(2)上記(1)に記載の方法により得られた結果に基づいて核酸アレイの品質を検査することを特徴とする核酸アレイの品質検査方法。
本発明により、核酸アレイ上に搭載されている個々の核酸プローブの種類と位置を、該核酸プローブと、その相補配列を含む核酸とのハイブリダイゼーションによって確認する方法が提供される。
核酸アレイ上の各プローブが所定の位置に配置されているかを確認することは、DNAマイクロアレイの品質管理上、最も重要な検査項目である。本発明により、そのプローブの配置位置を正確且つ簡便に検査することができるため、従来のような煩雑な検査工程が不要となった。
図2は、核酸アレイのデザインを示す図である。数字は配列番号、Bはプローブを搭載しないスポットを示している。
図3は、試料1から試料8を用いてハイブリダイゼーションを行った際の検出画像である。
21・・・・多孔板
31・・・・中空繊維
41・・・・板状物
本発明は、核酸アレイに搭載されている核酸プローブの搭載状況を確認する方法であって、以下の工程:
(a)核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数、及び1以上の任意の識別情報を定義する工程、
(b)次式
X={log(N+1)M}+1
(Nは識別情報の数、Mは核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数を表す。)
で示される式を用いてXを算出し、Xの整数部分の数字を搭載状況の確認に必要な核酸アレイ数Xaと定義し、前記区画に属する核酸プローブのそれぞれに、N+1進法で表される数値であってXaと同数の桁数を有する数値Yを重複しないように割り当てる工程、
(c)前記核酸プローブの塩基配列の全部又は一部と相補的な塩基配列を含む相補核酸分子を調製し、前記割り当てられた数値Yのそれぞれの桁ごとに、それぞれの桁の数字に基づいて相補核酸分子を混合して核酸アレイ数Xa個分の核酸試料群を作製するとともに、Xa個の核酸アレイを作製する工程、
(d)工程(c)で作製されたXa個の核酸アレイのそれぞれに、対応する前記核酸試料群を接触させ、核酸アレイに搭載されている核酸プローブと前記相補核酸分子とのハイブリッドに由来するシグナルを検出する工程、並びに
(e)検出されたシグナルの発現パターンと、前記割り当てられた数値Yのパターンとを照合する工程
を含むものである。
1.核酸プローブの種類及び位置の確認方法
一般的な核酸アレイの使用方法として、まず、所定の配列を持つ核酸プローブと、配列が未知の検体試料とをハイブリダイズさせる。検体試料中、核酸プローブの塩基配列と相補である塩基配列を有する核酸分子が存在していれば、核酸プローブとその核酸分子との間でハイブリッドが形成される。
次に、ハイブリッド形成を蛍光、化学発光、ラジオアイソトープなど、あらかじめ検体試料に標識された物質に由来するシグナルにより定量化又は定性化することにより、該当する核酸プローブに対応する相補な核酸分子の存在を確認することができる。
一方、上記方法を利用して、核酸アレイに搭載されているプローブの配置を検査することもできる。検体試料としてプローブと相補な核酸分子を使用することにより、ハイブリダイゼーションによって、核酸アレイ上に存在すべきプロープの位置を同定することが可能である。
上述のごとく、核酸アレイにおいて、特定の核酸プローブが核酸アレイ上のどこに搭載されているのかを確認するためには、核酸プローブと相補である塩基配列を有する核酸分子(相補核酸分子)を含む検体試料を核酸アレイに対してハイブリダイゼーションさせ、相補核酸分子に施された蛍光物質、酵素などの標識物質から発せられるシグナルにより、核酸プローブと相補核酸分子のハイブリッドを検出すればよい。例えば、5種類の互いに異なった塩基配列で構成された核酸プローブ基板上に独立して搭載した核酸アレイの場合、5種類の核酸プローブの存在の有無及び存在位置を調べるためには、それぞれの核酸プローブに相補である核酸分子(相補核酸分子)を一種類づつ個々の核酸アレイにハイブリダイズし、ハイブリダイゼーションに由来するシグナルを読み取ることで、核酸プローブの相対的な搭載位置と、その位置に搭載された核酸プローブの塩基配列を明確化することができる。
この場合に使用される核酸アレイの必要数量は、核酸プローブの数に対応した5枚となる。また、5種類の核酸プローブに対応する5種類の相補核酸分子をそれぞれ独立に認識できるようなシグナル(たとえば互いに波長の異なる5種類の蛍光物質)で読み取ることが出来れば、一枚の核酸アレイに対して5種類の相補核酸分子をハイブリダイズすることで、核酸プローブの相対的な搭載位置と、その位置に搭載された核酸プローブの塩基配列をそれぞれ別個に確認することができる。
しかしながら、核酸アレイには多種類のプローブが搭載されており、少ないものでも数十から数百種類の核酸プローブが搭載されている。このような場合、核酸プローブ数に対応した相補核酸分子を調製し、それらを搭載プローブ数と同数の核酸アレイを使用して、各核酸プローブの搭載位置を確認することは極めて煩雑である。また、核酸アレイの使用枚数が過多になることから実質的に実施することはできない。数十から数百種類の独立に認識できるようなシグナル分子を個々の相補核酸分子に対して施すことも現状では困難である。
そこで本発明においては、核酸プローブの搭載位置を効率的に同定するために、一定の法則に従い調製した相補核酸試料(群)を、核酸アレイにハイブリダイゼーションさせ、得られたシグナルを、該核酸試料中における相補核酸分子の有無や標識種類と対照させる。
ここで、「相補核酸試料」(単に「核酸試料」ともいう)とは、核酸プローブの少なくとも一部の塩基配列に対して相補的な塩基配列を含む分子(相補核酸分子)を一定の法則によって含む試料をいう。また、その複数の集合を「相補核酸試料群」という(単に「核酸試料群」ともいう)。核酸試料は、確認に使用される核酸アレイの数の分だけ調製しておくことが好ましい。「一定の法則に従い調製する」とは、相補核酸試料中に含まれる核酸試料を、個々のプローブが、標識の種類や、核酸試料の有無によって、ハイブリダイゼーションの検出時に互いに異なるパターンを示すように核酸試料を調製することをいう。詳細な方法は、下記で例示する。
(1)核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数、及び1以上の任意の識別情報の定義
核酸アレイに搭載された核酸プローブは、一定の区画内に収められている。したがって、核酸プローブが搭載されている区画の数は、その核酸プローブ数(プローブの種類の数)を意味している。そこで本発明においては、上記区画数をプローブ数として定義する。但し、プローブが搭載されていない区画も、例えばネガティブコントロールとしてプローブ数に含めることができる。なお、「プローブ数」とは、区画内に含まれる個々のプローブの数ではなく、区画内のプローブの集団数のことである。
相補核酸試料(群)を調製するに際し、該試料(群〉を構成する相補核酸分子の配列情報、濃度、標識の種類等を予め記録しておく。この情報は、ハイブリダイゼーション後に得られるプローブ及び相補核酸分子のハイブリッド形成の状態を評価するための「識別情報」として使用される。また、相補核酸分子、核酸試料及び核酸試料群について符番等を行い、明確化(定義)しておく。たとえば、核酸試料群中のある核酸試料の存在の有無は、ハイブリダイゼーション後の検出時に「ハイブリダイゼーションシグナルの有無」という識別情報となる。また、標識種類の違い、例えばCy3標識及びCy5標識の核酸試料を含む核酸試料群を使用するのであれば、標識の違いを判別することが可能であるという意味で、「ハイブリダイゼーションシグナルの種類」という識別情報となる。さらに、核酸試料の濃度を変更することも、「ハイブリダイゼーションシグナルの強弱」という観点から識別情報となる。このように、識別情報は、ハイブリダイゼーションの結果、得られる情報の違いや、その違いの原因となるパラメーターとして使用される。
具体的には、Aというプローブが核酸アレイ上に搭載されていた場合、その相補鎖であるA’を、相補核酸試料群のそれぞれの相補核酸試料に入れる際、「A’を入れるか入れないか」、「A’に対して施された標識の種類」、「投入したA’の量」という既知の情報は、ハイブリダイゼーション後に得られる情報として、「シグナルが得られたか得られていないか」、「得られた蛍光はどのような種類であったか」、「得られたシグナル強度はどの程度の強さであるのか」、といった情報によって識別することができ、ハイブリダイゼーションの結果からも、相補核酸分子A’の各相補核酸試料への投入状態を容易に判断することができる。
搭載された核酸プローブの確認に必要なアレイの数は、核酸プローブの種類と識別情報の数によって決定される。核酸アレイにおいて、核酸プローブの搭載位置の確認を行う場合、この識別情報が多ければ多いほど、準備する相補核酸試料の数が少なくてすむため、使用する核酸アレイの枚数も抑えられて、効率的に確認を行うことができる。
(2)搭載状況の確認に必要な核酸アレイ数の算出、及び核酸プローブへの数値の割り当て
核酸アレイ上に搭載してある核酸プローブの全てについて、アレイ上の位置を確認する場合、必要となる識別情報、使用すべきアレイ数、及び相補核酸試料の数は以下の式を満たす条件で表される。
M≦(N+1)x−1
ただし、
M:核酸プローブの種類
N:識別情報の数
X:使用するアレイの枚数である。
上式の等式部分は、次式
X={log(N+1)M}+1
(Nは識別情報の数、Mは核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数を表す。)
で示すことができるため、この式を用いてXを算出することができる。算出されたXは、整数部分と小数点以下の数字で表されるが、本発明ではXの整数部分の数字を搭載状況の確認に必要な核酸アレイ数Xaと定義する。
例えば、プローブ数M=250の核酸アレイであって識別情報がシグナルの有無という1つの情報のみで判断するときは、ハイブリダイゼーションを確認できる識別情報数は1(N=1)であるため、X=log2 250+1=8.9657・・・となる。Xの整数部分は「8」であるため、確認に必要なアレイの枚数Xa=8枚ということになる。Xa=8枚のアレイを使用することによって全搭載プローブのアレイ上における相対位置を確認することが可能である。
また、本発明の別の態様において、識別情報が、Cy3、Cy5の二つの蛍光と、相補核酸分子の2段階濃度によって判断される場合、ハイブリダイゼーションを確認できる識別情報数N=4となるため、Xa=4枚のアレイを使用することによって全搭載プローブのアレイ上における相対位置を確認することが可能となる。
ここで、本発明において、24種類の核酸プローブが搭載された核酸アレイを、蛍光シグナルの有無により検査する態様を考えてみる。
蛍光シグナルの有無は、1種類の蛍光標識で足りるため、識別情報数(N)は1つである。プローブ数(M)と識別情報を上記式に代入すると、確認作業を行う場合のアレイの必要枚数は、5枚となる。
5枚の各アレイにハイブリダイゼーション反応させるための相補核酸試料をそれぞれ、試料A、試料B、試料C、試料D及び試料Eとし、前記区画に属する核酸プローブのそれぞれに、N+1進法で表される数値であってXaと同数の分の桁数(試料A〜E=5種類の試料、つまり5桁)を有する数値Yを重複しないように割り当てる。上記例の場合はXa=5であり、N+1=2であるから、表1のプローブ1〜24に割り当てられる数値Yは、A〜Eの欄に示す「1」と「0」の数字により二進法で5桁の数字として表すことができる。試料A〜Eの欄に付された「1」は、蛍光標識された相補核酸が含まれていることを、「0」は相補核酸が含まれていないことを示す。
表1に示すとおり、プローブ1に割り当てられた数値(Y1とする)は「10000」であり、プローブ2に割り当てられた数値(Y2とする)は「10001」である。これらの数値はプローブ1〜24の間では重複することなく、それぞれ異なっている。
この工程では、前記核酸プローブの塩基配列の全部又は一部と相補的な塩基配列を含む相補核酸分子を調製し、前記割り当てられた数値Yのそれぞれの桁ごとに、それぞれの桁の数字に基づいて相補核酸分子を混合して核酸アレイ数Xa個分の核酸試料群を作製するとともに、Xa個の核酸アレイを作製する。
上記Y値を割り当てた後は、5枚の各アレイにハイブリダイゼーション反応させるための相補核酸試料群をそれぞれ調製し、試料A、試料B、試料C、試料D及び試料Eとする(表1)。なお、核酸は、プローブの配列情報に基づいて化学合成装置により合成することができる。
それぞれの試料は、数字「1」を割り当てたプローブの相補鎖を混合して得られた混合物である。例えば、試料Aには、プローブ1〜16に対する相補鎖が含まれており、試料Bには、プローブ9〜24に対する相補鎖が含まれている。なお、「相補鎖」は、核酸プローブの全部に相補的である必要はなく、一部に相補的であってもよい。
相補核酸分子に識別情報を与えるために標識をおこなう場合は、単一の標識で確認するか、あるいは単一の標識で互いに独立した検出を行い、検出時にそれぞれの違いを同時もしくは時間差で確認できることが必要である。すなわち、標識は、単一の標識を行って1回の検出により確認する場合と、単一の標識であるが相補核酸分子を互いに独立させて複数回の検出により確認する場合がある。具体的には、
(i)検出時にそれぞれの標識の違いを同時に確認する場合(例えばCy3とCy5の組み合わせなど)、および、
(ii)検出時にそれぞれの違いを時間差で確認する場合(例えば、同一標識物質であるが、直接標識での検出後に、間接的な標識で検出する場合)などが挙げられる。上記(2)については、Cy5直接標識とビオチン直接標識・ストレプトアビジン−Cy5間接標識との組み合わせにより検出を行うことができる。
上記、「標識」方法は、核酸のハイブリダイゼーションを検出することができる限り特に限定されるされるものではない。標識に使用される標識物質としては、例えばCy3、Cy5、Alexa Fluorなどの蛍光物質、アルカリフォスファターゼやホースラディッシュペルオキシターゼを使用した基質分解にともなう化学発光を利用するための酵素又はたんばく質、γ−32Pやα−32P等のラジオアイソトープなどが挙げられるが、蛍光物質を使用することが簡便である点で好ましい。
これらの標識物質を相補核酸分子に取り込ませる際には、標識方法が安定であり、プローブ核酸との特異的なハイブリダイゼーションを阻害しない限りにおいては、直接的、間接的または物理的、化学的結合に関わらずどのような方法であっても使用可能である。化学的な修飾を行う方法として、ビオチンやアミノアリル基によって修飾されたアナログ塩基を反応時に取り込ませ、それを介して標識物質を取り込ませる方法が挙げられる。また、SYBR Green、アクリジンオレンジ、SYBR Goldなどを用いて標識物質を相補核酸分子にインターカレートさせる方法、ULYSISのように標識物質を相補核酸分子に対して白金を介して結合させる方法などを採用することもできる。
但し、標識分子によって標識された相補核酸分子を多数用意することは、高コストとなる場合がある。これを回避するため、全ての相補核酸分子の3’又は5’末端に、各相補核酸分子の対応する核酸プローブと相補である部分とは別に、共通の核酸塩基配列(タグ)を延長付加しておいた上で、そのタグ配列に相補である標識核酸分子を使用することもできる。この場合においても、互いのシグナルを独立に検出できる限りにおいて、その標識方法はどのようなものでもよく、また、タグの配列自体を複数種類にすることも可能である。
(4)ハイブリダイゼーション及びシグナル検出
この工程では、上記のとおり作製されたXa個の核酸アレイのそれぞれに、対応する前記核酸試料群を接触させ、核酸アレイに搭載されている核酸プローブと前記相補核酸分子とのハイブリッドに由来するシグナルを検出する。
試料A〜Eをそれぞれ核酸アレイA〜Eに添加してプローブと相補核酸との接触(ハイブリダイゼーション)を行うと、核酸アレイAでは1番から16番までのプローブに対して蛍光シグナルが検出され、核酸アレイBでは9番から24番までのプローブに対して蛍光シグナルが検出される。核酸アレイC〜Eについても、上記と同様に「1」を付した箇所のプローブに対して蛍光シグナルが検出される。
(5)検出されたシグナルの発現パターンと、割り当てられた数値Yのパターンとの照合
上述の方法によって、相補核酸試料に含まれている相補核酸分子の組み合わせと、核酸アレイの各位置におけるプローブの位置情報、及び、実際にハイブリダイゼーションで得られたシグナルを識別情報と照会することにより、相補核酸試料に対応する核酸プローブが、核酸アレイ上のどの位置にスポットされているかを確認することが可能である。
各核酸アレイにおける検出結果を各相補核酸ごとに見ていくと、例えば表1のプローブ1に対する相補核酸については、核酸試料Aのみに含まれているため、核酸試料A〜E間の識別情報の組み合わせ(数値Y1)は「10000」となる。また、プローブ16に対する相補核酸については核酸試料A〜Eの全部に含まれているため、核酸試料A〜E間の識別情報の組み合わせは「11111」となる。これらの識別情報の組み合わせは、各相補核酸ごとに全部異なっている。従って、前記プローブごとに割り当てられた数値のパターンと、検出結果のパターンとを照合し、検出結果が組み合わせどおり、すなわちY値のパターンどおりに得られたときは、核酸アレイに搭載されている核酸プローブの種類及び位置は正しいと判断することができる。
例えば、シグナルが有りのときは「+」、シグナルが無しのときは「−」とし、プローブ1の検出結果として、試料A〜Eの順に「+、−、−、−、−」という結果が得られたと仮定すると、この検出結果とY1=「10000」との照合結果は合致することになる。上記検出結果(「+」、「−」)は数値として表すことができる。そこで、検出結果を二進法としてそれぞれ「1」及び「0」で表すと、検出結果は割り当てた数値Y1(「10000」)となり、正しい位置に核酸が固定されていると判断することができる。
次に、24種類の核酸プローブが搭載された核酸アレイを、3種類の蛍光シグナルにより検査する態様を考えてみる。蛍光標識は3種類使用されるため、識別情報数(N)は3つである。プローブ数(M)と識別情報を上記式に代入すると、確認作業を行う場合のアレイの必要枚数Xaは、3枚となる。
ここで、3枚の各アレイにハイブリダイゼーション反応させるための相補核酸試料をそれぞれ調製し、試料A、試料B及び試料Cとする(表2)。識別情報として、「0」は緑色の蛍光標識を、「1」は黄色の蛍光標職を、「2」は赤色の蛍光標識を表すものとし、表2の試料A〜Cの欄に「0」、「1」又は「2」のいずれかを付与する。
この場合は、Xa=3であり、N+1=3であるから、表2のプローブ1〜24に割り当てられる数値Yは、A〜Cの欄に示す「0」、「1」及び「0」の数字により三進法で3桁の数字として表すことができる。
2.核酸アレイの品質検査方法。
上記の方法に基づいて、該核酸アレイの1ロットを、該核酸アレイの出荷時に検査を行い、核酸アレイの品質管理基準の1つとして利用することが可能である。
核酸プローブの搭載位置を確認するための品質検査に用いられる核酸アレイは、同一ロットで大量に作られた核酸アレイのうちから準備されることが望ましい。本方法においては、どのような核酸アレイについても適用が可能であるが、個々のプローブスポット位置が物理的に混ざり合うことのない方法で製造されうる核酸マイクロアレイであることが好ましい。このような核酸マイクロアレイは、中空糸等にプローブを固定化し、それを束ねた上でスライスすることにより得ることができる。中空糸へのプローブの固定は均一に行うことができるため、上記スライスによって得られたマイクロアレイを用いて核酸プローブ搭載位置を決定する場合は、同一ロット内における検査を、品質がばらつくことなく、かつ高精度に行うことができる。
また、プローブ搭載位置の確認について、核酸アレイを複数、使用することができない場合は、一度ハイブリダイゼーションを行った核酸アレイを再利用することも可能である。具体的には、ハイブリダイゼーション後、核酸プローブと、相補核酸試料とのハイブリッドを解離する。ハイブリッドを解離するためには、核酸アレイを水などに浸漬した上で、一定温度以上に加熱することで可能となる。解離させた核酸アレイは、プローブの固定化状況、もしくはシグナル残存の状況に応じて再利用が可能となる。乾燥基板上に作製された核酸アレイについては、再利用を行うことを勧めていない場合が多いが、常湿潤状態で利用される核酸アレイについては、ハイブリッドの解離を行いやすく、且つ、固定化されたプローブが乾燥基板に比較してはがれにくいことから、シグナルの有無程度の識別情報であれば特に誤認識されることはない。
核酸アレイの作製
核酸プローブの合成
核酸アレイを作製するために、表3に示す配列番号1番から192番で示されるオリゴDNAを合成した。
図1に示す配列固定器具を利用して中空繊維束を製造した。なお、図中のx、y、zは直交の3次元軸であり、x軸は繊維の長手方向と一致する。
まず、直径0.32mmの孔(11)が、孔の中心間距離を0.42mmとして、縦12列、横各19列で合計228個設けられた厚さ0.1mmの多孔板(21)を2枚を準備した。これらの多孔板を重ね合わせて、そのすべての孔に、ポリカーボネート中空繊維(31)(三菱エンジニアリングプラスチック社製 カーボンブラック1質量%添加)を1本づつ、通過させた。
X軸方向に各繊維に0.1Nの張力をかけた状態で2枚の多孔板の位置を移動させて、中空繊維の一方の端部から20mmの位置と100mmの位置の2ヶ所に固定した。即ち、2枚の多孔板の間隔を80mmとした。
次いで、多孔板間の空間の周囲3面を板状物(41)で囲った。このようにして上部のみが開口状態にある容器を得た。
次に、この容器の上部から容器内に樹脂原料を流し込んだ。樹脂としては、ポリウレタン樹脂接着剤(日本ポリウレタン工業(株)ニッポラン4276、コロネート4403)の総重量に対し、2.5質量%のカーボンブラックを添加したものを使用した。25℃で1週間静置して樹脂を硬化させた。次いで多孔板と板状物を取り除き、中空繊維束を得た。
次に、表4に示す質量比で混合した単量体及び開始剤を含むゲル前駆体重合性溶液をアレイに固定する核酸プローブ毎にそれぞれ調製した。
このようにして核酸プローブがゲル状物を介して中空繊維の中空部に保持された中空繊維束を得た。
次に得られた中空繊維束を、ミクロトームを用いて繊維の長手方向と直交する方向でスライスし、厚さ0.25mmの薄片シート(核酸アレイ)を300枚得た。
核酸アレイは、図2に示すプローブ位置で作製した。なお、図中の数字はプローブの配列番号を示し、核酸アレイには、それぞれの配列番号に示す塩基配列を有するプローブが配置されている。Bは、核酸プローブの入っていないスポットを示す。
核酸プローブ搭載位置同定用核酸試料群の作製
上記で作製した核酸アレイのプローブ位置を同定するための核酸試料(オリゴDNA)を下記の通り作製した。これらの核酸試料は、対応する各プローブの3’側の一部と相補である部分を含んでおり、且つ、核酸試料の5’側にはGTの繰り返し配列からなる塩基配列であって配列番号385番と相補である塩基配列を含んでいる。なお、配列番号385番は、5’側にCy5標識を施したオリゴDNAを100pmol/μlの濃度で作製したものである。
プローブ配列と、その相補鎖を含むプローブ搭載位置確認用核酸試料の配列との対応関係は、配列番号1が配列番号193に対応し、配列番号2が配列番号194に対応し、それ以降は順に、配列番号192番が配列番号384と対応する(表3、5)。上記プローブ表における配列の一部は、表5の対応する配列の一部に相補的であり、それぞれの検体は、上述のプローブと配列番号対応の順に二本鎖を形成する配列を保持している。例えば、表5における配列番号193の塩基配列のうち小文字で表した配列は、表3における配列番号1に示す塩基配列の下線部分(33〜65番目の配列)と相補的であり、二本鎖を形成できるようになっている。
上記の表にしたがって作成された8種類の試料0.2μl(各0.2pmol)に、配列番号385のCy5標識検体を0.2μl(20pmol)を加え、下記の条件でハイブリダイゼーションを行った。核酸アレイに各1枚ずつ、計8枚ハイブリダイゼーションを行った。
・標識オリゴヌクレオチド
(配列番号193から384より選ばれた組み合わせ) 各0.2pmol
・Cy5標識オリゴヌクレオチド(配列番号385) 20pmol
・2×SSC(塩化ナトリウム 300mM、クエン酸ナトリウム 30mM、pH7.0)
・0.2% SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)
ハイブリダイゼーション反応、洗浄及び検出操作
上述の通り作製した核酸アレイに、上記の通り調製した核酸試料を接触させ、恒温槽中で、65℃で1時間ハイブリダイゼーションを行った。
ハイブリダイゼーション後、2xSSC,0.2%SDSの混合溶液及び2xSSCを用いて洗浄を行い、検出を行った。検出操作は、冷却CCDカメラ方式の核酸アレイ自動検出装置を用いて、アレイを2xSSC中に浸漬し、カバーガラスをかぶせた後に、標識核酸試料分子の蛍光シグナル強度を測定した。
結果
試料1から試料8までの検出画像を図3に示す。図3の結果をもとに、核酸プローブ種類とその搭載位置の確認を行う場合、たとえば図2中の、縦(R)=1、横(C)=2(配列番号96)のシグナルのON/OFFを、試料1から試料8まで順に並べると、「OFF、ON、ON、OFF、OFF、OFF、OFF、OFF」となる。表6を見ると、このような組み合わせで検体が入っているものは、配列番号96に対応する検体である配列番号288番のみである。従って、R=1、C=2には配列番号288と相補な配列である核酸プローブ、すなわち配列番号96で示される核酸プローブが間違いなく搭載されていることが確認された。同様にして、今回得られたそれぞれの核酸プローブ位置におけるジグナルのON/OFFを比較した表を表7に記載した。表7において、「検体投入の有無(予定)」は、各配列番号のプローブに割り当てた数値であり、「0」はそのプローブに対する相補核酸が含まれていないことを、「1」はそのプローブに対する相補核酸が含まれていることを示す。なお、シグナルのON/OFFについては、S/N 比が5以上のものをONとし、それ以下のものをOFFとしたが、表7中の「ON」「OFF」は、それぞれ二進法で「1」「0」に置き換えることができる。
核酸アレイ上の各プローブが所定の位置に配置されているかを確認することは、DNAマイクロアレイの品質管理上、最も重要な検査項目であるため、本発明により、そのプローブの配置位置を正確且つ簡便に検査することができる。
Claims (5)
- 核酸アレイに搭載されている核酸プローブの搭載状況を確認する方法であって、以下の工程:
(a)核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数、及び1以上の任意の識別情報を定義する工程、
(b)次式
X={log(N+1)M}+1
(Nは識別情報の数、Mは核酸アレイに搭載された核酸プローブが属する区画数を表す。)
で示される式を用いてXを算出し、Xの整数部分の数字を搭載状況の確認に必要な核酸アレイ数Xaと定義し、前記区画に属する核酸プローブのそれぞれに、N+1進法で表される数値であってXaと同数の桁数を有する数値Yを重複しないように割り当てる工程、
(c)前記核酸プローブの塩基配列の全部又は一部と相補的な塩基配列を含む相補核酸分子を調製し、前記割り当てられた数値Yのそれぞれの桁ごとに、それぞれの桁の数字に基づいて相補核酸分子を混合して核酸アレイ数Xa個分の核酸試料群を作製するとともに、Xa個の核酸アレイを作製する工程、
(d)工程(c)で作製されたXa個の核酸アレイのそれぞれに、対応する前記核酸試料群を接触させ、核酸アレイに搭載されている核酸プローブと前記相補核酸分子とのハイブリッドに由来するシグナルを検出する工程、並びに(e)検出されたシグナルの発現パターンと、前記割り当てられた数値Yのパターンとを照合する工程
を含む、前記方法。 - 核酸プローブの搭載状況が、核酸プローブの種類及び/又は位置に関するものである請求項1に記載の方法。
- 識別情報が、シグナルの有無、シグナルの強度及び標識の種類からなる群から選ばれる少なくとも1つである請求項1に記載の方法。
- 検出されたシグナルの発現パターンは、識別情報に基づいてN+1進法で数値化されたものである、請求項1に記載の方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法により得られた結果に基づいて核酸アレイの品質を検査することを特徴とする核酸アレイの品質検査方法。
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