JPWO2007029668A1 - ソフトイオン化法のための誘導体化試薬 - Google Patents

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Abstract

本発明は、フェノール類化合物及びアミン類化合物のソフトイオン化法を用いた質量分析測定における検出感度を高めるための手段を提供することを目的とする。
本発明は、式(I)
【化1】
Figure 2007029668

(式中、Xはハロゲンであり、Y及びYはニトロ基等であり、AはN等であり、QはC〜Cアルキレン基であり、R、R及びRは例えば以下の(a)を満たす。(a)R及びRは独立にC〜Cアルキル基であり、且つRは水素又はC〜Cアルキル基である)
で表される化合物又はその四級化物を含有する、フェノール類化合物又はアミン類化合物の誘導体化試薬に関する。

Description

本発明はフェノール類化合物又はアミン類化合物のソフトイオン化法を用いた質量分析測定において検出感度を高めるための誘導体化試薬に関する。
エストロゲン(エストロン,エストラジオールなど)は、ホルモンとして超微量で強い生理作用を有し、生命機能維持に不可欠な生体分子である。従ってその生体内レベルは、臨床診断、病態解析や薬物療法上有用な情報となる。また、環境中にも主に生活廃水由来のエストロゲンが存在し、各種動物の内分泌系への影響が懸念されている。さらにビスフェノールAに代表されるフェノール構造を有する人工化学物質も強い内分泌撹乱作用を有することから(環境ホルモン)、これらの環境中レベル及び動態に関心が持たれている。このように、生体又は環境中に存在する各種フェノール類化合物を測定することの必要性が存在する。
一方、タンパク質、ペプチド、アミノ酸等のアミノ基を有する各種アミン類化合物も生体内や環境中で重要な役割を果たすことが周知である。またアミン類化合物の一つであるポリアミン類は腫瘍マーカーとなり得ることが知られている。従って、生体又は環境中に存在するアミン類化合物の測定手法の確立もまた急がれている。
現在、生体試料及び環境試料中のフェノール類化合物、アミン類化合物等の生理活性物質の分析には、特異性に優れる高速液体クロマトグラフィー/質量分析(LC/MS)が汎用されている。中でもエレクトロスプレーイオン化(ESI)法等のソフトイオン化法と組合されたそれは、操作性や汎用性が高く、微量成分分析のファーストチョイスの地位を確立したと言っても過言ではない。しかし、フェノール類化合物、アミン類化合物等はソフトイオン化法におけるイオン化効率が低く、十分な応答を示さないという問題がある。
上記問題を克服することを目指して、ソフトイオン化法の特性に着目した分析対象化合物の誘導体化法等の新規手法の開発が盛んに行われている。
フェノール類化合物及びアミン類化合物のための既存の誘導体化試薬としては、5−ジメチルアミノナフタレン−1−スルホニルクロリド(ダンシルクロリド(DNS−Cl))や、N,N−ジエチル−2,4−ジニトロ−5−フルオロアニリン(非特許文献1)が知られている。しかしながら、それらの既存の試薬による検出感度の向上の程度は満足できるものではない。
Fermo I., Rubino F. M., Bolzacchini E., Arcelloni C., Paroni R., Bonini P. A., J. Chromatogr. B, 433, 53-62, (1988).
本発明は、フェノール類化合物及びアミン類化合物のソフトイオン化法を用いた質量分析測定における検出感度を高めるための手段を提供することを目的とする。
本発明は以下の発明を包含する。
(1)式(I)
Figure 2007029668
(式中、
Xはハロゲンであり、
及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、
AはN又はCHであり、
QはC〜Cアルキレン基であり、
、R及びRは以下の(a)〜(c)の何れか1つを満たすものである
(a)R及びRは、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
(b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
(c)RはC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している)
で表される化合物、又は前記R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物を含有する、フェノール類化合物又はアミン類化合物のソフトイオン化法を用いた質量分析測定のための誘導体化試薬。
上記式(I)で表される化合物又はその四級化物は、基Xが結合した炭素において、検出対象化合物であるフェノール類化合物のフェノール性水酸基又はアミン類化合物のアミノ基による求核反応を受け、基Xと、水酸基又はアミノ基の水素の一つとが離脱して、該検出対象化合物と共有結合を形成して、該検出対象化合物を誘導体化する。
(2)式(II)
Figure 2007029668
(式中Xはハロゲンである)
で表される化合物、又はジメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物を含有する、(1)記載の誘導体化試薬。
(3)式(III)
Figure 2007029668
(式中Xはハロゲンである)
で表される化合物、又はメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物を含有する、(1)記載の誘導体化試薬。
(4)前記フェノール類化合物がエストロゲン又はフェノール性内分泌撹乱物質である(1)〜(3)の何れかに記載の誘導体化試薬。
(5)前記ソフトイオン化法がエレクトロスプレーイオン化法である(1)〜(4)の何れかに記載の誘導体化試薬。
(6)式(I)
Figure 2007029668
(式中、
Xはハロゲンであり、
及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、
AはN又はCHであり、
QはC〜Cアルキレン基であり、
、R及びRは以下の(a)〜(c)の何れか1つを満たすものである
(a)R及びRは、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
(b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
(c)RはC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している)
で表される化合物、又は前記R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物と、フェノール類化合物又はアミン類化合物とを反応させて誘導体を形成させた後に、ソフトイオン化法を用いた質量分析測定を行なう、フェノール類化合物又はアミン類化合物の測定方法。
(7)前記式(I)で表される化合物と、フェノール類化合物又はアミン類化合物とを反応させて誘導体を形成させた後に、C〜Cアルキル基を有する四級化剤を用いて前記R及びRで置換されたNを四級化する工程を更に含む、(6)記載の方法。
(8)式(I)
Figure 2007029668
(式中、
Xはハロゲンであり、
及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、
AはN又はCHであり、
QはC〜Cアルキレン基であり、
、R及びRは以下の(a)〜(c)の何れか1つを満たすものである
(a)R及びRは、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
(b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
(c)RはC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している)
で表される化合物(但し、N−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジメチル−1,2−プロパンジアミン、N−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−1−ピペリジンエタンアミン、N−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−α−メチル−1−ピロリジンエタンアミン、1−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン、N’−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン、N’−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン、及びN−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−1−ピロリジンエタンアミンを除く)、又は前記R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物。
(9)式(IV)
Figure 2007029668
(式中X’はフッ素、臭素又はヨウ素である)
で表される化合物、又はジメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物。
(10)式(V)
Figure 2007029668
(式中X’はフッ素、臭素又はヨウ素である)
で表される化合物、又はメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物。
なお、本明細書において「C〜Cアルキレン基」とは炭素数m個以上n個以下の直鎖又は分岐鎖のアルキレン基を指す。また「C〜Cアルキル基とは炭素数m個以上n個以下の直鎖又は分岐鎖のアルキル基を指す。
本発明により、フェノール類化合物及びアミン類化合物のソフトイオン化法を用いた質量分析測定における検出感度を高めるための手段が提供される。
本明細書は本願の優先権の基礎である日本国特許出願2005-261023号の明細書に記載される内容を包含する。
本発明に係る誘導体化試薬は式(I)で表される化合物を含有することを特徴とする。
Figure 2007029668
式(I)中の各基について以下に説明する。
Aはベンゼン環上で基Xに対して3、5、6位の何れの位置に結合していてもよいが、5位に結合していることが最も好ましい。
Xはハロゲン、好ましくは塩素又はフッ素、特に好ましくはフッ素である。
及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、好ましくはY及びYは共にニトロ基である。
AはN又はCH、好ましくはNである。
QはC〜Cアルキレン基、特に直鎖のC〜Cアルキレン基が好ましい。具体的にはメチレン、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレンが好ましく、メチレン及びエチレンが特に好ましい。
、R及びRについては下記(a)〜(c):
(a)R及びRが、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rが水素又はC〜Cアルキル基である場合;
(b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rが水素又はC〜Cアルキル基である場合;
(c)RがC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している場合;
の何れかの場合があり得る。何れの場合も、「アルキル基」及び「アルキレン基」は直鎖であることが好ましい。
上記(a)の場合。R及びRが、独立に、メチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルであることが好ましく、特にメチル又はエチルであることが好ましい。R及びRは互いに同一の基であることがより好ましい。Rは水素であることが好ましい。
上記(b)の場合。RとRとが一体となって、エチレン、n−プロピレン、n−ブチレン又はn−ペンチレンを形成していることが好ましい。Rは水素であることが好ましい。
上記(c)の場合。Rがメチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルであることが好ましく、メチル又はエチルであることが特に好ましい。RとRとが一体となって、メチレン、エチレン、n−プロピレン又はn−ブチレンを形成していることが好ましく、メチレン又はエチレンを形成していることが特に好ましい。また、RとRとが一体となって形成するアルキレン基が、前記Qと同一のアルキレン基であることがより一層好ましい。
式(I)における各基の特に好ましい組合せを次表に示す。
Figure 2007029668
表1に示す各組合せにおいてハロゲンXはフッ素又は塩素が好ましく、フッ素が特に好ましい。
本発明において最も好ましい化合物は、
式(II)
Figure 2007029668
(式中Xはハロゲンである)
で表される化合物、特にXがフッ素である化合物(N’−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン)、又は
式(III)
Figure 2007029668
(式中Xはハロゲンである)
で表される化合物、特にXがフッ素である化合物(1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン)である。
上記式(I)で表される化合物の製造方法は特に限定されない。当業者であれば実施例に示す具体的な合成手順と技術常識とを参照することにより、式(I)で表される全ての化合物を製造することが可能である。例えば、以下の式で示す反応をMeCN等の適切な溶媒中であり行うことにより式(I)で表される化合物を合成することができる。
Figure 2007029668
(反応式中、各置換基は式(I)について定義した通りである)
上記式(I)で表される化合物は酸付加塩として用いられることもできる。
上記式(I)で表される化合物は、R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する四級化物の形態で使用することがより好ましい。四級化することにより検出感度が高まるからである。かかる四級化は、上記式(I)で表される化合物と検出対象化合物(フェノール類化合物又はアミン類化合物)との反応により誘導体を形成する前に行なってもよいし、後に行なってもよいが、誘導体形成反応後に行なうことが好ましい。Rは直鎖のC〜Cアルキル基、すなわちメチル、エチル、n−プロピル又はn−ブチルであることが好ましく、特にメチル又はエチルであることが好ましい。更にまた、Rは、Rが直鎖C〜Cアルキル基である場合(例えば表1の組合せ5及び6の場合)には、Rと同一の基であることが好ましく、R及びRが同一の直鎖C〜Cアルキル基である場合(例えば表1の組合せ1及び2の場合)には、R及びRと同一の基であることが好ましい。
基Rを有する四級化剤としては、特に限定されないが、典型的にはRのヨウ化物(例えばヨウ化メチル、ヨウ化エチル、ヨウ化n−プロピル、ヨウ化n−ブチル)のほか、トリメチルオキソニウム・三フッ化ホウ素錯体[OMe・BF]、ジメチル硫酸[(MeO)SO]、ジメチル炭酸[(MeO)CO]、メチルトリフラート[MeOSOCF]等の通常用いられる四級化剤を用いることができる。本発明の化合物の四級化物は通常は四級化剤に由来するカウンターアニオンを有する。例えば四級化剤としてヨウ化アルキル、トリメチルオキソニウム・三フッ化ホウ素錯体、ジメチル硫酸、ジメチル炭酸、メチルトリフラートを用いた場合、本発明の化合物の四級化物は、それぞれI、BF 、MeOSO 、MeOCO 、CFSO をカウンターアニオンとして有する。また、本発明の化合物の四級化物では、四級化剤に由来するカウンターアニオンは適宜他のアニオンに置換されてもよい。
本発明より検出感度を高めることができる検出対象化合物は、フェノール類化合物又はアミン類化合物に属する化合物であれば特に限定されない。「フェノール類化合物」とはフェノール性水酸基を有する化合物を意味し、具体的にはエストロゲン類(例えばエストロン、エストラジオール)、カテコールアミン類等の生体内成分、ポリフェノール類等の各種生薬成分、ビスフェノール類、ハロゲン化フェノール類、アルキルフェノール類等のフェノール性内分泌撹乱物質(「環境ホルモン」とも称される)が挙げられるがこれらには限定されない。「アミン類化合物」とはアミノ基を有する化合物を意味し、具体的にはタンパク質、ペプチド、アミノ酸、ポリアミン類等が挙げられるがこれらには限定されない。
検出対象化合物の、本発明の誘導体化試薬による誘導体化の条件は特に限定されない。本発明の誘導体化試薬における基Xが結合した炭素に、検出対象化合物であるフェノール類化合物のフェノール性水酸基又はアミン類化合物のアミノ基が求核反応し、基Xと、水酸基又はアミノ基の水素の一つとが離脱することにより、検出対象化合物と誘導体化試薬との間に共有結合が形成される条件であればどのような条件でもよい。
本発明は、診療、環境の分析、食品の検査、工業製品の検査等の様々な分野において、サンプル中に微量に存在するフェノール類化合物又はアミン類化合物を測定するために応用することができる。本発明の誘導体化試薬を用いたフェノール類化合物の測定方法は、例えば、妊婦尿中のエストロンを測定するために使用できる。妊婦尿中のエストロンの測定は胎児−胎盤系機能の診断に重要である。従来、その測定にはイムノアッセイが用いられているが、イムノアッセイを用いた方法は交差反応性の問題を有し、得られる定量値の信頼性は低いという問題があった。このためより選択性の高いLC/MSによる分析が試みられている。しかしエストロンはエレクトロスプレーイオン化法(ESI)や大気圧化学イオン化法(APCI)によるイオン化効率が低いため、エストロンの定量には数100μL以上の尿サンプルが必要であった。本発明の誘導体化試薬を用いると、エストロンの微量検出が可能となる。このため尿中エストロンの分析が10μLのサンプル量で可能となり、従来法と比べて大幅にサンプル量を減らすことができる。
本発明において「ソフトイオン化法」としては、エレクトロスプレーイオン化法(ESI)、大気圧化学イオン化法(APCI)等の大気圧イオン化法(API)のほかに、化学イオン化法(CI)、高速原子衝撃法(FAB)、マトリクス支援レーザーイオン化法(MALDI)、電界脱離イオン化法(FD)等が挙げられる。本発明に係る誘導体化試薬は、特にESI法及びMALDI法に適したものである。
誘導体化されたフェノール類化合物又はアミン類化合物は、上記ソフトイオン化法によりイオン化された後、質量分離手段により分離される。質量分離手段としては種々のものが利用可能である。例えば、磁場型の単収束タイプのもの、磁場電場を用いた二重収束タイプのもの、四重極型(イオントラップを含む)のもの、飛行時間型のもの、イオンサイクロトロン型のもの等が挙げられるが、質量分離手段はイオンを選択、分離できるものであれば何れの手段であってもよい。また、これらをいくつか組み合わせてイオンの分離の精度を増大させても構わない。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は実施例の具体的な記載により限定されるものではない。
N’−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミンの合成
1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(100mg,0.49mmol)をMeCN(1.0mL)に溶解した。そこへN,N−ジメチルエチレンジアミン(26.9μL,0.25mmol)を滴下し室温で30分攪拌した。反応終了後、窒素気流下、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー[移動相:CHCl−MeOH(20:1)から(8:1)へ]に付して黄色固体(30mg)を得た。更に2−プロパノールで再結晶を行い、黄色結晶を得た。
mp131−132℃.H−NMR(270MHz,CDCl)δ:2.32(6H,s),2.67(2H,t,J=6Hz),3.34(2H,q,J=6Hz),6.56(1H,d,J=15Hz),9.0(1H,brs),9.15(1H,d,J=9Hz).EI−MS m/z 272 [M]
1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンの合成
1,5−ジフルオロ−2,4−ジニトロベンゼン(100mg,0.49mmol)をMeCN(1.0mL)に溶解し、そこへ1−メチルピペラジン(27.2μL,0.25mmol)を滴下し、室温で30分撹拌した。反応終了後、窒素気流下、溶媒を留去した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー[CHCl−MeOH(20:1)]に付して黄色オイル(64mg)を得た。更にヘキサンで再結晶を行い、黄色針状物を得た。
mp78−79℃.H−NMR(270MHz,CDCl)δ:2.37(3H,s),2.57(4H,t,J=6Hz),3.29(4H,t,J=6Hz),6.80(1H,d,J=15Hz),8.71(1H,d,J=9Hz).EI−MS m/z 284 [M]
本発明の化合物により誘導体化されたエストロンの検出感度の確認
N’−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン及び1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン並びにこれらの四級化物により誘導体化されたエストロンのLC/ESI−MS/MSによる分析における検出感度を確認した。
検出感度は測定試料の検出限界(LOD)(S/N=5)(単位:pg)を指標に評価した。比較のために、誘導体化していないエストロン並びにダンシルクロリド(DNS−Cl)及びN,N−ジエチル−2,4−ジニトロ−5−フルオロアニリンで誘導体化したエストロンについても同様の条件で検出限界を確認した。
LC/ESI−MS/MSにおける測定試料の検出限界量は、液体クロマトグラフィーでの保持時間(t)が短いほど小さくなる(すなわち感度が上がる)。そこで、保持時間の相違による検出限界への影響を取り除くために、各測定試料の液体クロマトグラフィーでの保持時間がほぼ同じになるように移動相溶媒の組成を調整した。
N’−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン及び1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンのエストロン誘導体のヨウ化メチルによる四級化は次の手順で行った。共栓付試験管にエストロン(10pg−100ng)のEtOH溶液(10μL)にアセトン(40μL)を加えた。次に、前記誘導体化試薬のアセトン溶液(1mg/mL,10μL)を加え、最後に1M NaHCO水溶液(10μL)を加えた。これをボルテックスミキサーで撹拌し、60℃にて60分間反応させた。50% MeOH(500μL)を加えて反応を停止後、予めAcOEt(2mL)、MeOH(2mL)及びHO(2mL)で順次コンディショニングしたstrata−Xカートリッジに通導し、脱塩操作を行った。すなわち,HO(2mL)で洗浄後、AcOEt(1mL)で目的物を溶出させた。窒素気流下溶媒を留去後、ヨウ化メチル(10μL)を加え、60℃にて30分間反応させた。窒素気流下、ヨウ化メチルを留去し、MeOH−10mMギ酸アンモニウム水溶液(1:1)(100μL)に溶解し、これを試料溶液としてLC/ESI−MS/MSで分析した。
LC/ESI−MS/MSの測定条件を表2に、本実験に使用した主な試薬等の入手先を表3に、実験結果を表4にそれぞれ示す。
Figure 2007029668
Figure 2007029668
Figure 2007029668
N’−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン(表4実験番号4)及び1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン(表4実験番号5)は、エストロンの検出感度向上のための誘導体化試薬として、既存の誘導体化試薬であるダンシルクロリド(表4実験番号2)及びN,N−ジエチル−2,4−ジニトロ−5−フルオロアニリン(表4実験番号3)と同等またはより優れたものであることが明らかとなった。また、N’−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミンの四級化物(表4実験番号6)及び1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンの四級化物(表4実験番号7)はエストロンの検出感度向上のための誘導体化試薬として特に優れたものであることが明らかとなった。
1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンの四級化物により誘導体化されたエストロン及びエストラジオールの検出感度の確認
1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンの四級化物により誘導体化されたエストロン及びエストラジオールのLC/ESI−MS/MSによる分析における検出感度を確認した。
検出感度は測定試料の検出限界(LOD)(S/N=5)(単位:fmol又はpg)を指標に評価した。
本実施例におけるエストロン及びエストラジオールの誘導体化反応のスキームは以下の通りである。
Figure 2007029668
1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンのエストロン及びエストラジオール誘導体のヨウ化メチルによる四級化は次の手順で行った。共栓付試験管にエストロン又はエストラジオール(10−100pg)のEtOH溶液(10μL)にアセトン(40μL)を加えた。次に、前記誘導体化試薬のアセトン溶液(1μg/μL、10μL)を加え、最後に1M NaHCO水溶液(10μL)を加えた。これをボルテックスミキサーで撹拌し、60℃にて60分間反応させた。50% MeOH(500μL)を加えて反応を停止後、予めAcOEt(2mL)、MeOH(2mL)及びHO(2mL)で順次コンディショニングしたStrata−Xカートリッジに通導し、脱塩操作を行った。すなわちHO(2mL)で洗浄後、AcOEt(1mL)で目的物を溶出させた。窒素気流下溶媒を留去後、ヨウ化メチル(100μL)を加え、60℃にて30分間反応させた。窒素気流下、ヨウ化メチルを留去し、MeOH−10mMギ酸アンモニウム水溶液(1:1、v/v、100μL)に溶解し、これを試料溶液としてLC/ESI−MSで分析した。LC/ESI−MSの測定条件を表5に示す。
Figure 2007029668
エストロン、エストロン誘導体、エストラジオール及びエストラジオール誘導体のそれぞれの検出限界(LOD)を表6に示す。表6に示される通り、1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジンの四級化物による誘導体化によりエストロンの検出感度は2300倍向上し、エストラジオールの検出感度は4000倍向上した。
Figure 2007029668
妊婦尿中のエストロン及びエストラジオールの検出
共栓付試験管に妊婦尿(10μL)をとり、内部標準として重水素標識エストロン(200pg)を加えた。妊婦尿としては、16週の妊婦及び37週の妊婦からの尿を使用した。この混合物にメタノール(100μL)を加え、ボルテックスミキサーにて攪拌を行い遠心分離(1000g,5分間)した。上清を水(400μL)で希釈し、Strata−Xカートリッジに付した。水(2mL)、30%メタノール(2mL)で順次洗浄後、酢酸エチル(1mL)で溶出を行った。溶出液を窒素気流下にて溶媒留去し、残渣を以下の誘導体化反応に付した。
上記残渣に1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン(1μg/μLになるよう調製したアセトン溶液を40μL)、1M NaHCO(10μL)、アセトン(40μL)を順次加え、60℃で加熱した。1時間後、50%メタノール(400μL)を加えて反応を終了し、NaHCOの除去を行うため、これをStrata−Xカートリッジに付した。水(2mL)で洗浄後、酢酸エチル(1mL)で溶出し、窒素気流下にて溶媒留去した。得られた残渣にヨウ化メチル(200μL)を加え、60℃、30分加熱後、窒素気流下にてヨウ化メチルの除去を行った。
メタノール−10mMギ酸アンモニウム(1:1,v/v,30μL)で残渣を溶解し、そのうち10μLを用いてLC/MSによる分析を行った。
装置:Shimadzu LC−10AT / Applied Biosystems API 2000
カラム:YMC Pack C8(5μm、150×2mm i.d.)
移動相:MeCN−MeOH−10mM HCOONH(7:3:10、v/v/v)
流速:0.2 mL/min
検出法:正イオン検出ESI
選択反応モニタリング(SRM)(エストロン m/z 549.3→502.4、内部標準 m/z 554.3→506.4)
なお、検量線の作成のために次の操作を行った。共栓付試験管に健常男性尿(10μL)をとり、エストロン(5,10,20,50,100,200pg)のEtOH溶液(10μL)と内部標準として重水素標識エストロン(200pg)を加えた。なお、ここで用いた男性尿はあらかじめエストロンが検出されないことを確認している。この混合物にMeOH(100μL)を加え、ボルテックスミキサーにて撹拌を行い遠心分離(1000g,5分間)した。上清をHO(400μL)で希釈し、Strata−Xカートリッジに付した。HO(2mL)、30%MeOH(2mL)で順次洗浄後、AcOEt(1mL)で溶出を行った。溶出液を窒素気流下溶媒留去し、残渣を以下の誘導体化反応に付した。すなわち,1−(5−フルオロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン(1μg/μLになるように調製したアセトン溶液を40μL)、1M NaHCO(10μL)、アセトン(40μL)を順次加え、60℃で加熱した。1時間後、50%MeOH(400μL)を加えて反応を終了し、NaHCOを除去するため、これをStrata−Xカートリッジに付した。HO(2mL)で洗浄後、AcOEt(1mL)で溶出し、窒素気流下溶媒留去した。残渣にヨウ化メチル(200μL)を加え、60℃、30分間反応を行い、その後、窒素気流下にてヨウ化メチルの除去を行った。MeOH−10mMギ酸アンモニウム(1:1、v/v、30μL)で残渣を溶解し、このうち10μLを用いてLC/ESI−MS/MSで分析を行い、検量線を作成した。得られた検量線は、Xをエストロン濃度(ng/mL)、Yをエストロンと内部標準とのピーク面積比(エストロンピーク面積/内部標準ピーク面積)としたとき、Y=0.065978X+0.000930(R=0.999894)であった。
16週と37週の妊婦の尿サンプルについてそれぞれ5回ずつ、上記手順に沿って分析を行い、エストロンと内部標準とのピーク面積比を測定した。そして当該面積比から上記検量線を用いてエストロン濃度(ng/mL)を算出した。こうして算出されたエストロン濃度の平均値、標準偏差、及び変動係数(標準偏差/平均値×100)を表7及び8にまとめた。表7及び8に示されるとおり本発明によるエストロン濃度の測定法の再現性は非常に高かった。
Figure 2007029668
Figure 2007029668
本明細書で引用した全ての刊行物、特許および特許出願をそのまま参考として本明細書にとり入れるものとする。

Claims (10)

  1. 式(I)
    Figure 2007029668
    (式中、
    Xはハロゲンであり、
    及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、
    AはN又はCHであり、
    QはC〜Cアルキレン基であり、
    、R及びRは以下の(a)〜(c)の何れか1つを満たすものである
    (a)R及びRは、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
    (b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
    (c)RはC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している)
    で表される化合物、又は前記R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物を含有する、フェノール類化合物又はアミン類化合物のソフトイオン化法を用いた質量分析測定のための誘導体化試薬。
  2. 式(II)
    Figure 2007029668
    (式中Xはハロゲンである)
    で表される化合物、又はジメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物を含有する、請求項1記載の誘導体化試薬。
  3. 式(III)
    Figure 2007029668
    (式中Xはハロゲンである)
    で表される化合物、又はメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物を含有する、請求項1記載の誘導体化試薬。
  4. 前記フェノール類化合物がエストロゲン又はフェノール性内分泌撹乱物質である請求項1〜3の何れか1項記載の誘導体化試薬。
  5. 前記ソフトイオン化法がエレクトロスプレーイオン化法である請求項1〜4の何れか1項記載の誘導体化試薬。
  6. 式(I)
    Figure 2007029668
    (式中、
    Xはハロゲンであり、
    及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、
    AはN又はCHであり、
    QはC〜Cアルキレン基であり、
    、R及びRは以下の(a)〜(c)の何れか1つを満たすものである
    (a)R及びRは、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
    (b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
    (c)RはC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している)
    で表される化合物、又は前記R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物と、フェノール類化合物又はアミン類化合物とを反応させて誘導体を形成させた後に、ソフトイオン化法を用いた質量分析測定を行なう、フェノール類化合物又はアミン類化合物の測定方法。
  7. 前記式(I)で表される化合物と、フェノール類化合物又はアミン類化合物とを反応させて誘導体を形成させた後に、C〜Cアルキル基を有する四級化剤を用いて前記R及びRで置換されたNを四級化する工程を更に含む、請求項6記載の方法。
  8. 式(I)
    Figure 2007029668
    (式中、
    Xはハロゲンであり、
    及びYは、独立に、水素又はニトロ基であり(但しYとYとが同時に水素であることはない)、
    AはN又はCHであり、
    QはC〜Cアルキレン基であり、
    、R及びRは以下の(a)〜(c)の何れか1つを満たすものである
    (a)R及びRは、独立に、C〜Cアルキル基であり、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
    (b)RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成しており、且つ、Rは水素又はC〜Cアルキル基である、
    (c)RはC〜Cアルキル基であり、且つ、RとRとが一体となって、C〜Cアルキレン基を形成している)
    で表される化合物(但し、N−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジメチル−1,2−プロパンジアミン、N−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−1−ピペリジンエタンアミン、N−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−α−メチル−1−ピロリジンエタンアミン、1−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−4−メチル−ピペラジン、N’−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジエチル−1,2−エタンジアミン、N’−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−N,N−ジメチル−1,2−エタンジアミン、及びN−(5−クロロ−2,4−ジニトロフェニル)−1−ピロリジンエタンアミンを除く)、又は前記R及びRで置換されたNにC〜Cアルキル基であるRが付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物。
  9. 式(IV)
    Figure 2007029668
    (式中X’はフッ素、臭素又はヨウ素である)
    で表される化合物、又はジメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物。
  10. 式(V)
    Figure 2007029668
    (式中X’はフッ素、臭素又はヨウ素である)
    で表される化合物、又はメチル置換されたNに更なるメチル基が付加された、カウンターアニオンを有する前記化合物の四級化物。
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