JPWO2007007735A1 - 光照射による金属酸化物表面上への有機導電性重合性材料の合成 - Google Patents

光照射による金属酸化物表面上への有機導電性重合性材料の合成 Download PDF

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Abstract

本発明は、金属酸化物微粒子を含むナノ構造体と有機導電性重合性材料を有する複合材料であって、前記金属酸化物微粒子同士が接合し、且つ該微粒子間の間隙に有機導電性重合体材料を含有し、しかも前記有機導電性重合性材料がポリチオフェン誘導体或いはチオフェンもしくはその誘導体とピロール、アニリン、フルオレン、フラン又はその誘導体から構成される共重合体である複合材料とその製造方法に関する。本発明の複合材料は、電子ペーパー等の表示素子として有用である。

Description

本発明は、金属酸化物と有機導電性重合性材料の複合体及びその製造方法に関し、詳しくは、太陽電池・発光素子・表示素子・トランジスタなどの電子素子や燃料電池、太陽電池、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、電気化学センサーデバイス、電気化学表示素子(エレクトロクロミック)、電子ペーパーなどの電気化学デバイスとして応用したり、人工骨・筋肉として応用するのに好適なナノ構造制御された金属酸化物と有機導電性重合性材料の複合体及びその製造方法に関するものである。
材料をナノメートルサイズで制御することによる新たな機能の発現が期待されるナノテクノロジーが最近注目されている。このような構造制御の方法として、トップダウン型と呼ばれる微細加工技術の研究が活発に行われているが、この技術では数十ナノメートルが限度と予想されている。そのため、原子レベルから積み上げていくビルドアップ型と呼ばれる技術を用いて、より小さい単位で制御を行い、構造体を作製することが必要とされる。
導電性高分子などの有機導電性重合性材料は、安価・軽量・成形容易などの特徴を有し、また、その電気・電子特性から様々な分野への応用が検討されている。一方、酸化チタンに代表される金属酸化物は、資源豊富で安価なものが多く、最近特に太陽電池・発光素子・透明電極など幅広い研究が活発に行われている。有機導電性重合性材料と金属酸化物のナノ構造制御された複合体は、ナノテクノロジーへの応用を考えると魅力的であり、特に太陽電池や表示素子への応用が期待される。
ナノ構造複合体の作製方法について、Janssenらは(非特許文献1)、初めに酸化物を作製するための基質と有機導電性重合性材料を混合し、それから無機物の反応を進行させて構造体を形成する方法を報告している。ところが、この方法では、金属酸化物の純度が悪くなり、また太陽電池などの電子デバイスに用いるためには、酸化物間での導通が取れないなどの問題がある。一方、Brinkerらは、非特許文献2に、アセチレンモノマーと金属酸化物の基質を反応させて、その生成物からナノ構造体を作製し、その後モノマーに光を照射して導電性高分子(ポリジアセチレン)を重合する方法を報告した。ところが、この方法では、モノマーがそれ自身の光化学反応により重合するタイプに限られ、またモノマー配列が原子レベルで揃っていなければならず、技術的にも困難であることが予想される。さらに、酸化チタンナノ構造体をあらかじめ作製しておき、その構造体内部でモノマーに光照射を行うことによって光化学反応を誘起する方法も最近報告されている(非特許文献3)。ただこの場合には、モノマー同士一つ一つが反応するだけで終わってしまう。
作製方法として、化学反応を用いない方法も報告されている。例えば、あらかじめ金属酸化物のナノ構造体を作製し、その構造内に溶解した導電性高分子をキャスト法・スピンコート法などにより充填させる方法である。しかし、これらの方法では、導電性高分子が構造体中に十分に浸透しない問題点があった。例えば、Huismanらは、ポリオクチルチオフェンを酸化チタンナノ構造膜内に充填させる試みを行っても、膜表面から1 μm程度にしか浸透しないことを報告(非特許文献4)している。また、たとえ技術的に充填する方法が向上したとしても、これらの方法では、導電性高分子が溶剤に溶解するもの並びに重合度も比較的低いものに限定されてしまう。
また、ナノ構造体ではなく、平面の酸化チタン板上に水溶液中で光照射によりポリピロールを作製する方法が藤嶋らによって報告されている(非特許文献5)。ただ著者らは、酸化チタンのトラップ準位を介してピロールが酸化されていると考えており、この方法では、ピロールなどの比較的酸化電位の低いモノマーの重合に限られてしまう。事実、本発明者はこの方法でポリチオフェンの重合を試みたが、反応が進行せず、むしろ水存在下で光触媒反応(モノマーが分解される反応)が進行することを示す結果を得ている。つまり、水溶液中で重合することは非常に困難である。
Advanced Materials, 15(2), 118, 2003 Journal of the American Chemical Society (125, 1269, 2003) Huisman et al., Macromolecules, 37, 5557, 2004 Chemistry of Materials, 15, 4617, 2003 Chemistry Letters 1986, 469; Journal of Electrochemical Society134(4), 837, 1987
このように、現状の技術では、金属酸化物と有機導電性重合性材料をナノレベルで制御した緻密な構造体を作製する方法がなく、電子デバイスなどに応用するための構造制御は困難であった。
本発明は、ナノレベルで構造制御された金属酸化物と有機導電性重合性材料の複合材料及びその製造法を提供することを目的とする。
また、本発明は該複合材料を使用した電子デバイスを提供することを目的とする。
本発明者は、酸化チタンに代表される電気的導通の取れる金属酸化物のマイクロ構造体ないしナノ構造体に光を照射することにより発生するホールの酸化力を利用して、チオフェン、アニリン、ピロール、フラン、フルオレンなどのモノマーを順に酸化して有機導電性重合性材料を形成することにより、マイクロないしナノ構造制御された金属酸化物と有機導電性重合性材料の複合材料が得られることを見出した。また、あらかじめ金属酸化物表面に吸着する官能基を持つモノマーを導入した状態で光重合を行うと、金属酸化物と有機導電性重合性材料のより緻密に接合した複合体を作製することが可能であることを見出した。
本発明は、以下の複合材料及びその製造方法並びに電子デバイスに関する。
1. 金属酸化物微粒子を含む電気的接触の取れたナノ構造体と有機導電性重合性材料を有する複合材料。
2. 金属酸化物ナノ構造体がナノ粒子、ナノワイヤー、ナノチューブ及びナノロッドからなる群から選択される構造を有する項1に記載の複合材料。
3. 金属酸化物が酸化チタンおよび酸化スズからなる群から選択される少なくとも1種である項1又は2に記載の複合材料。
4. 有機導電性重合性材料の末端に吸着種由来の吸着性官能基を有し、該吸着性官能基を介して該重合性材料が金属酸化物微粒子に吸着ないし結合されている、項1〜3のいずれかに記載の複合材料。
5. 有機導電性重合性材料がポリチオフェン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリフラン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体或いはチオフェン、ピロール、アニリン、フラン、フルオレン又はそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも2種から構成される共重合体である項1〜4のいずれかに記載の複合材料。
6. 有機導電性重合性材料が、原料モノマーの導電性オリゴマーおよび/または導電性ポリマーである項1〜5のいずれかに記載の複合材料。
7. 金属酸化物微粒子構造体の間隙に有機導電性重合性材料の原料モノマーを充填し、次いで光照射を行うことを特徴とする、項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
8. 金属酸化物微粒子構造体に、該金属酸化物に対する吸着性官能基を有する有機導電性重合性材料の原料モノマーを作用させて該モノマーを吸着させ、次いで必要に応じて該吸着性官能基を有しない原料モノマーを作用させることを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
9. 吸着性官能基を有する有機導電性重合性材料の原料モノマーを2,3,4量体として、可視光を照射し、モノマーを励起して金属酸化物界面での電子移動反応を引き起こすことにより重合を行うことを特徴とする項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
10. 項1〜6のいずれかに記載の複合材料、または項7〜9のいずれかに記載の方法により得られた複合材料を備えた電子デバイス。
11. 電子デバイスが太陽電池である項10に記載のデバイス。
12. 項1〜6のいずれかに記載の複合材料、または項7〜9のいずれかに記載の方法により得られた複合材料を備えた表示素子。
13. 表示素子が電子ペーパーである項12に記載の表示素子。
さらに本発明は、以下の複合材料及びその製造方法、電子デバイス並びに表示装置に関する。
1A. 金属酸化物微粒子を含むナノ構造体と有機導電性重合性材料を有する複合材料であって、前記金属酸化物微粒子同士が接合し、且つ該微粒子間の間隙に有機導電性重合体材料を含有し、しかも前記有機導電性重合性材料がポリチオフェン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリフラン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体或いはチオフェン、ピロール、アニリン、フラン、フルオレン又はそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも2種から構成される共重合体である複合材料。
2A. 金属酸化物ナノ構造体がナノ粒子、ナノワイヤー、ナノチューブ及びナノロッドからなる群から選択される構造を有する項1Aに記載の複合材料。
3A. 金属酸化物が酸化チタンおよび酸化スズからなる群から選択される少なくとも1種である項1A又は2Aに記載の複合材料。
4A. 有機導電性重合性材料の末端に吸着種由来の吸着性官能基を有し、該吸着性官能基を介して該重合性材料が金属酸化物微粒子に吸着ないし結合されている、項1A〜3Aのいずれかに記載の複合材料。
5A. 有機導電性重合性材料が、原料モノマーの導電性オリゴマーおよび/または導電性ポリマーである項1A〜4Aのいずれかに記載の複合材料。
6A. 金属酸化物微粒子構造体の間隙に有機導電性重合性材料の原料モノマーを充填し、次いで光照射を行うことを特徴とする、項1A〜5Aのいずれかに記載の複合材料の製造方法。
7A. 金属酸化物微粒子構造体に、該金属酸化物に対する吸着性官能基を有する有機導電性重合性材料の原料モノマーを作用させて該モノマーを吸着させ、次いで必要に応じて該吸着性官能基を有しない原料モノマーを作用させることを特徴とする項1A〜5Aのいずれかに記載の複合材料の製造方法。
8A. 吸着性官能基を有する有機導電性重合性材料の原料モノマーを2,3,4量体として、可視光を照射し、モノマーを励起して金属酸化物界面での電子移動反応を引き起こすことにより重合を行うことを特徴とする項1〜5Aのいずれかに記載の複合材料の製造方法。
9A. 項1A〜5Aのいずれかに記載の複合材料、または項6A〜8Aのいずれかに記載の方法により得られた複合材料を備えた電子デバイス。
10A. 電子デバイスが太陽電池である項9Aに記載のデバイス。
11A. 項1A〜5Aのいずれかに記載の複合材料、または項6A〜8Aのいずれかに記載の方法により得られた複合材料を備えた表示素子。
12A. 表示素子が電子ペーパーである項11Aに記載の表示素子。
本発明により、ナノメートルレベルの隙間を持つ金属酸化物ナノ構造体の表面に有機導電性重合性材料を光照射により形成する方法を確立することができた。さらに、金属酸化物表面に吸着する官能基を持つモノマーを導入した状態で光重合を行うと、金属酸化物と有機導電性重合性材料のより緻密に接合した、密着性の高い複合体を作製することが可能になった。本研究に示した方法により、高性能の有機導電性重合性材料増感太陽電池への応用が可能であるのみならず、新規有機太陽電池などの光電変換素子、エレクトロクロミズムや発光ダイオード、電子ペーパーなどの表示素子、トランジスタや記憶素子などの電子デバイスへの応用が可能であると考えられる。さらには、人工骨・人工筋肉への応用も可能である。
金属酸化物への光照射によるポリチオフェンの合成 酸化チタン電極から測定された光電流と暗電流の挙動 太陽電池の外部量子収率(IPCE) 太陽電池の外部量子収率(IPCE) エレクトロクロミズム(電子ペーパー用)の結果を示す。
本明細書において、「電気的接触の取れた」とは、金属酸化物同士が接触している構造体を意味し、金属酸化物微粒子を含む電気的接触の取れたナノ構造体としては、例えばナノ粒子(特にナノ粒子膜)、ナノワイヤー、ナノチューブ、ナノロッドなどが挙げられる。
酸化チタンなどのn型半導体の特性を持つ金属酸化物は、光によって励起されると電子が伝導帯、ホールが価電子帯に生成する。この半導体の表面において、酸化反応によって反応が進行し、かつモノマーの酸化電位が価電子帯端の電位より負側であるような有機導電性重合性材料のモノマーが存在すれば、光発生したホールによりモノマーは速やかに酸化される。酸化されたモノマーは隣にあるモノマーと反応することにより、重合が進行する。例えば、図1に、ポリチオフェンの重合メカニズムを示す。このことから、上記の電位条件を満たす金属酸化物と有機導電性重合性材料の組み合わせであれば、全て光による反応が進行する。また、金属酸化物として、n型半導体を用いると、発生したホールの移動距離は短く、光を照射した位置にのみ反応を起こすことが可能である。この時には、光生成した電子は、n型半導体中を通って、基盤電極から得られる。
重合反応に使用される光としては、可視光ないし紫外線が挙げられ、その波長としては通常300〜800 nm程度、好ましくは300〜600nm程度である。
金属酸化物の構造は、金属酸化物の微粒子(ナノ粒子)からなる構造や金属酸化物のナノチューブ・ロッドからなる構造が挙げられるが、これらの構造に限定されない。例えば、微粒子を用いる場合、平均粒径は好ましくは5 nm〜1000 nm程度、より好ましくは7〜100 nm程度である。これらの構造体(例えば膜状、シート状、粒状、筒状などの形状)の作製方法は、すでに論文で紹介されている方法、つまり既存の方法を用いる。構造に対するポイントは、微粒子状(ナノメートルレベル)の金属酸化物が、接触して電子を金属酸化物間でやり取りするような構造であればよい。金属酸化物の材料としては、キャリアが電子であるn型半導体とキャリアがホールであるp型半導体が存在するが、n型半導体を用いるのが好ましい。n型半導体としては、例えば、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化タングステン、酸化ニオブ、酸化インジウム、酸化シリコン、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化マンガン、酸化イットリウム、酸化タンタル、酸化ランタン、酸化鉄、酸化銅などや酸化物複合体(例えば、チタン酸ストロンチウム(TiSrO3)、チタン酸カルシウム、チタン酸ナトリウム、チタン酸バリウム、ニオブ酸カリウム、酸化インジウムスズ(ITO))が挙げられる。中でも、安定性や酸化電位の点から、酸化チタンと酸化スズが好ましい。
有機導電性重合性材料を形成するためのモノマーは、特に限定されないが、好ましくは、金属酸化物上に発生するホールの酸化力によって酸化されるような化合物が挙げられる。例えば、チオフェン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、アニリン及びその誘導体、フラン又はその誘導体、フルオレン及びその誘導体、フラン及びその誘導体などが挙げられる。より具体的には、チオフェン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、フラン及びその誘導体に関しては下記一般式(I)、フルオレン及びその誘導体に関しては下記一般式(II)
Figure 2007007735
(式中、R〜R10は、各々独立して水素原子、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、置換基を有していてもよいアリール基、置換基を有していてもよいアラルキル基、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エチレンオキシド/プロピレンオキシド共重合体などのポリエーテル基、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル(CnF2n+1、nは1〜18の整数;例えばC6F13, C7F15, C8F17, C9F19等)などの炭素数1〜18のパーハロアルキル、ポリシロキシ基を表わし、XはO(酸素原子)、S(硫黄原子)またはNRを表わし、Raは水素原子または炭素数1〜18のアルキル基を表わし、R1とR2は、それらが結合している炭素原子と一緒になって飽和または不飽和の5または6員環を形成しても良い。R9とR10は、それらが結合している炭素原子と一緒になってカルボニル基または飽和または不飽和の5または6員環を形成しても良い。)で表される構造が挙げられる。
また、該モノマーが2個以上、例えば2〜10個、好ましくは2〜8個、さらに好ましくは2〜6個連結されたオリゴマー/マクロモノマーも、重合し得る限りチオフェン誘導体、ピロール誘導体、フラン誘導体、フルオレン誘導体に包含される。
従って、本明細書において「原料モノマー」は、チオフェン環、ピロール環、フラン環もしくはフルオレン環が1つのみのモノマーだけでなく、2以上環が連結されたオリゴマー/マクロモノマー(好ましくは二量体〜六量体)も包含する(但し、該オリゴマー/マクロモノマーは光照射により重合し得るものである)。
ポリシロキシ基としては、具体的には、
Figure 2007007735
(式中、RとRは、各々独立して炭素数1〜18のアルキル基である。nは任意の整数である)が例示される。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数1〜4の直鎖または分枝を有するアルキル基、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分枝を有するアルコキシ基、アセチル基、アミノ基、アセチルアミノ基、シアノ基、ニトロ基などで1、2または3置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基が挙げられる。
置換基を有していてもよいアラルキル基としては、炭素数1〜4の直鎖または分枝を有するアルキル基、ハロゲン原子(F,Cl,Br,I)、水酸基、炭素数1〜4の直鎖または分枝を有するアルコキシ基、アセチル基、アミノ基、アセチルアミノ基、シアノ基、ニトロ基などで1、2または3置換されていてもよいベンジル基、フェネチル基が挙げられる。
炭素数1〜18のアルキル基としては、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、オクタデシルなどの炭素数1〜18の直鎖又は分枝を有するアルキル基が挙げられる。
炭素数1〜18のアルコキシ基としては、−O−(炭素数1〜18のアルキル基)、(炭素数1〜18のアルキル基は、前記に記載されるものと同じである)で表される基が挙げられる。
炭素数1〜18のパーハロアルキル基としては、炭素数1〜18のパーフルオロアルキル基(CnF2n+1、nは1〜18の整数)などの直鎖又は分枝を有するパーハロアルキル基が挙げられる。
チオフェン及びその誘導体に関しては、3,3’-ジメチル-2,2’-ビチオフェン、チオフェン, 3-メチルチオフェン, 3-エチルチオフェン, 3-n-プロピルチオフェン, 3-イソプロピルチオフェン, 3-n-ブチルチオフェン, 3-イソブチルチオフェン, 3-sec-ブチルチオフェン, 3-t-ブチルチオフェン, 3-ペンチルチオフェン, 3-ヘキシルチオフェン, 3-ヘプチルチオフェン, 3-オクチルチオフェン, 3-ノニルチオフェン, 3-デシルチオフェン, 3-ウンデシルチオフェン, 3-ドデシルチオフェン, 3-テトラデシルチオフェン, 3-ヘキサデシルチオフェン, 3-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジメチルチオフェン, 3-メチル-4-エチルチオフェン, 3-メチル-4-n-プロピルチオフェン, 3-メチル-4-イソプロピルチオフェン, 3-メチル-4-n-ブチルチオフェン, 3-メチル-4-イソブチルチオフェン, 3-メチル-4-sec-ブチルチオフェン, 3-メチル-4-t-ブチルチオフェン, 3-メチル-4-ペンチルチオフェン, 3-メチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-メチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-メチル-4-オクチルチオフェン, 3-メチル-4-ノニルチオフェン, 3-メチル-4-デシルチオフェン, 3-メチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-メチル-4-ドデシルチオフェン, 3-メチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-メチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-メチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジエチルチオフェン, 3-エチル-4-n-プロピルチオフェン, 3-エチル-4-イソプロピルチオフェン, 3-エチル-4-n-ブチルチオフェン, 3-エチル-4-イソブチルチオフェン, 3-エチル-4-sec-ブチルチオフェン, 3-エチル-4-t-ブチルチオフェン, 3-エチル-4-ペンチルチオフェン, 3-エチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-エチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-エチル-4-オクチルチオフェン, 3-エチル-4-ノニルチオフェン, 3-エチル-4-デシルチオフェン, 3-エチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-エチル-4-ドデシルチオフェン, 3-エチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-エチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-エチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジn―プロピルチオフェン, 3-n―プロピル-4-イソプロピルチオフェン, 3-n―プロピル-4-n-ブチルチオフェン, 3-n―プロピル-4-イソブチルチオフェン, 3-n―プロピル-4-sec-ブチルチオフェン, 3-n―プロピル-4-t-ブチルチオフェン, 3-n―プロピル-4-ペンチルチオフェン, 3-n―プロピル-4-ヘキシルチオフェン, 3-n-プロピル-4-ヘプチルチオフェン, 3-n-プロピル-4-オクチルチオフェン, 3-n-プロピル-4-ノニルチオフェン, 3-n-プロピル-4-デシルチオフェン, 3-n-プロピル-4-ウンデシルチオフェン, 3-n-プロピル-4-ドデシルチオフェン, 3-n-プロピル-4-テトラデシルチオフェン, 3-n-プロピル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-n-プロピル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4―ジイソプロピルチオフェン, 3-イソプロピル-4-n-ブチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-イソブチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-sec-ブチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-t-ブチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ペンチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ヘキシルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ヘプチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-オクチルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ノニルチオフェン, 3-イソプロピル-4-デシルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ウンデシルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ドデシルチオフェン, 3-イソプロピル-4-テトラデシルチオフェン, 3-イソプロピル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-イソプロピル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジn-ブチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-イソブチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-sec-ブチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-t-ブチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ペンチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-オクチルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ノニルチオフェン, 3-n-ブチル-4-デシルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ドデシルチオフェン, 3-n-ブチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-n-ブチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-n-ブチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジイソブチルチオフェン, 3-イソブチル-4-sec-ブチルチオフェン, 3-イソブチル-4-t-ブチルチオフェン, 3-イソブチル-4-ペンチルチオフェン, 3-イソブチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-イソブチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-イソブチル-4-オクチルチオフェン, 3-イソブチル-4-ノニルチオフェン, 3-イソブチル-4-デシルチオフェン, 3-イソブチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-イソブチル-4-ドデシルチオフェン, 3-イソブチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-イソブチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-イソブチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジsec-ブチルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-t-ブチルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ペンチルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-オクチルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ノニルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-デシルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ドデシルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-sec-ブチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジt-ブチルチオフェン, 3-t-ブチル-3-ペンチルチオフェン, 3-t-ブチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-t-ブチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-t-ブチル-4-オクチルチオフェン, 3-t-ブチル-4-ノニルチオフェン, 3-t-ブチル-4-デシルチオフェン, 3-t-ブチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-t-ブチル-4-ドデシルチオフェン, 3-t-ブチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-t-ブチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-t-ブチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジペンチルチオフェン, 3-ペンチル-4-ヘキシルチオフェン, 3-ペンチル-4-ヘプチルチオフェン, 3-ペンチル-4-オクチルチオフェン, 3-ペンチル-4-ノニルチオフェン, 3-ペンチル-4-デシルチオフェン, 3-ペンチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-ペンチル-4-ドデシルチオフェン, 3-ペンチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-ペンチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-ペンチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジヘキシルチオフェン, 3-ヘキシル-4-ヘプチルチオフェン, 3-ヘキシル-4-オクチルチオフェン, 3-ヘキシル-4-ノニルチオフェン, 3-ヘキシル-4-デシルチオフェン, 3-ヘキシル-4-ウンデシルチオフェン, 3-ヘキシル-4-ドデシルチオフェン, 3-ヘキシル-4-テトラデシルチオフェン, 3-ヘキシル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-ヘキシル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジヘプチルチオフェン, 3-ヘプチル-4-オクチルチオフェン, 3-ヘプチル-4-ノニルチオフェン, 3-ヘプチル-4-デシルチオフェン, 3-ヘプチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-ヘプチル-4-ドデシルチオフェン, 3-ヘプチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-ヘプチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-ヘプチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジオクチルチオフェン, 3-オクチル-4-ノニルチオフェン, 3-オクチル-4-デシルチオフェン, 3-オクチル-4-ウンデシルチオフェン, 3-オクチル-4-ドデシルチオフェン, 3-オクチル-4-テトラデシルチオフェン, 3-オクチル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-オクチル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジノニルチオフェン, 3-ノニル-4-デシルチオフェン, 3-ノニル-4-ウンデシルチオフェン, 3-ノニル-4-ドデシルチオフェン, 3-ノニル-4-テトラデシルチオフェン, 3-ノニル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-ノニル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジデシルチオフェン, 3-デシル-4-ウンデシルチオフェン, 3-デシル-4-ドデシルチオフェン, 3-デシル-4-テトラデシルチオフェン, 3-デシル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-デシル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジウンデシルチオフェン, 3-ウンデシル-4-ドデシルチオフェン, 3-ウンデシル-4-テトラデシルチオフェン, 3-ウンデシル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-ウンデシル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジドデシルチオフェン, 3-ドデシル-4-テトラデシルチオフェン, 3-ドデシル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-ドデシル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジテトラデシルチオフェン, 3-テトラデシル-4-ヘキサデシルチオフェン, 3-テトラデシル-4-オクタデシルチオフェン, 3,4-ジヘキサデシルチオフェン, 3-ヘキサデシル-4-オクタデシルチオフェンが好ましい。
ピロール及びその誘導体に関しては、3,3’-ジメチル-2,2’-ビピロール、ピロール, 3-メチルピロール, 3-エチルピロール, 3-n-プロピルピロール, 3-イソプロピルピロール, 3-n-ブチルピロール, 3-イソブチルピロール, 3-sec-ブチルピロール, 3-t-ブチルピロール, 3-ペンチルピロール, 3-ヘキシルピロール, 3-ヘプチルピロール, 3-オクチルピロール, 3-ノニルピロール, 3-デシルピロール, 3-ウンデシルピロール, 3-ドデシルピロール, 3-テトラデシルピロール, 3-ヘキサデシルピロール, 3-オクタデシルピロール, 3,4-ジメチルピロール, 3-メチル-4-エチルピロール, 3-メチル-4-n-プロピルピロール, 3-メチル-4-イソプロピルピロール, 3-メチル-4-n-ブチルピロール, 3-メチル-4-イソブチルピロール, 3-メチル-4-sec-ブチルピロール, 3-メチル-4-t-ブチルピロール, 3-メチル-4-ペンチルピロール, 3-メチル-4-ヘキシルピロール, 3-メチル-4-ヘプチルピロール, 3-メチル-4-オクチルピロール, 3-メチル-4-ノニルピロール, 3-メチル-4-デシルピロール, 3-メチル-4-ウンデシルピロール, 3-メチル-4-ドデシルピロール, 3-メチル-4-テトラデシルピロール, 3-メチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-メチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジエチルピロール, 3-エチル-4-n-プロピルピロール, 3-エチル-4-イソプロピルピロール, 3-エチル-4-n-ブチルピロール, 3-エチル-4-イソブチルピロール, 3-エチル-4-sec-ブチルピロール, 3-エチル-4-t-ブチルピロール, 3-エチル-4-ペンチルピロール, 3-エチル-4-ヘキシルピロール, 3-エチル-4-ヘプチルピロール, 3-エチル-4-オクチルピロール, 3-エチル-4-ノニルピロール, 3-エチル-4-デシルピロール, 3-エチル-4-ウンデシルピロール, 3-エチル-4-ドデシルピロール, 3-エチル-4-テトラデシルピロール, 3-エチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-エチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジn―プロピルピロール, 3-n―プロピル-4-イソプロピルピロール, 3-n―プロピル-4-n-ブチルピロール, 3-n―プロピル-4-イソブチルピロール, 3-n―プロピル-4-sec-ブチルピロール, 3-n―プロピル-4-t-ブチルピロール, 3-n―プロピル-4-ペンチルピロール, 3-n―プロピル-4-ヘキシルピロール, 3-n-プロピル-4-ヘプチルピロール, 3-n-プロピル-4-オクチルピロール, 3-n-プロピル-4-ノニルピロール, 3-n-プロピル-4-デシルピロール, 3-n-プロピル-4-ウンデシルピロール, 3-n-プロピル-4-ドデシルピロール, 3-n-プロピル-4-テトラデシルピロール, 3-n-プロピル-4-ヘキサデシルピロール, 3-n-プロピル-4-オクタデシルピロール, 3,4―ジイソプロピルピロール, 3-イソプロピル-4-n-ブチルピロール, 3-イソプロピル-4-イソブチルピロール, 3-イソプロピル-4-sec-ブチルピロール, 3-イソプロピル-4-t-ブチルピロール, 3-イソプロピル-4-ペンチルピロール, 3-イソプロピル-4-ヘキシルピロール, 3-イソプロピル-4-ヘプチルピロール, 3-イソプロピル-4-オクチルピロール, 3-イソプロピル-4-ノニルピロール, 3-イソプロピル-4-デシルピロール, 3-イソプロピル-4-ウンデシルピロール, 3-イソプロピル-4-ドデシルピロール, 3-イソプロピル-4-テトラデシルピロール, 3-イソプロピル-4-ヘキサデシルピロール, 3-イソプロピル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジn-ブチルピロール, 3-n-ブチル-4-イソブチルピロール, 3-n-ブチル-4-sec-ブチルピロール, 3-n-ブチル-4-t-ブチルピロール, 3-n-ブチル-4-ペンチルピロール, 3-n-ブチル-4-ヘキシルピロール, 3-n-ブチル-4-ヘプチルピロール, 3-n-ブチル-4-オクチルピロール, 3-n-ブチル-4-ノニルピロール, 3-n-ブチル-4-デシルピロール, 3-n-ブチル-4-ウンデシルピロール, 3-n-ブチル-4-ドデシルピロール, 3-n-ブチル-4-テトラデシルピロール, 3-n-ブチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-n-ブチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジイソブチルピロール, 3-イソブチル-4-sec-ブチルピロール, 3-イソブチル-4-t-ブチルピロール, 3-イソブチル-4-ペンチルピロール, 3-イソブチル-4-ヘキシルピロール, 3-イソブチル-4-ヘプチルピロール, 3-イソブチル-4-オクチルピロール, 3-イソブチル-4-ノニルピロール, 3-イソブチル-4-デシルピロール, 3-イソブチル-4-ウンデシルピロール, 3-イソブチル-4-ドデシルピロール, 3-イソブチル-4-テトラデシルピロール, 3-イソブチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-イソブチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジsec-ブチルピロール, 3-sec-ブチル-4-t-ブチルピロール, 3-sec-ブチル-4-ペンチルピロール, 3-sec-ブチル-4-ヘキシルピロール, 3-sec-ブチル-4-ヘプチルピロール, 3-sec-ブチル-4-オクチルピロール, 3-sec-ブチル-4-ノニルピロール, 3-sec-ブチル-4-デシルピロール, 3-sec-ブチル-4-ウンデシルピロール, 3-sec-ブチル-4-ドデシルピロール, 3-sec-ブチル-4-テトラデシルピロール, 3-sec-ブチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-sec-ブチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジt-ブチルピロール, 3-t-ブチル-3-ペンチルピロール, 3-t-ブチル-4-ヘキシルピロール, 3-t-ブチル-4-ヘプチルピロール, 3-t-ブチル-4-オクチルピロール, 3-t-ブチル-4-ノニルピロール, 3-t-ブチル-4-デシルピロール, 3-t-ブチル-4-ウンデシルピロール, 3-t-ブチル-4-ドデシルピロール, 3-t-ブチル-4-テトラデシルピロール, 3-t-ブチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-t-ブチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジペンチルピロール, 3-ペンチル-4-ヘキシルピロール, 3-ペンチル-4-ヘプチルピロール, 3-ペンチル-4-オクチルピロール, 3-ペンチル-4-ノニルピロール, 3-ペンチル-4-デシルピロール, 3-ペンチル-4-ウンデシルピロール, 3-ペンチル-4-ドデシルピロール, 3-ペンチル-4-テトラデシルピロール, 3-ペンチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-ペンチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジヘキシルピロール, 3-ヘキシル-4-ヘプチルピロール, 3-ヘキシル-4-オクチルピロール, 3-ヘキシル-4-ノニルピロール, 3-ヘキシル-4-デシルピロール, 3-ヘキシル-4-ウンデシルピロール, 3-ヘキシル-4-ドデシルピロール, 3-ヘキシル-4-テトラデシルピロール, 3-ヘキシル-4-ヘキサデシルピロール, 3-ヘキシル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジヘプチルピロール, 3-ヘプチル-4-オクチルピロール, 3-ヘプチル-4-ノニルピロール, 3-ヘプチル-4-デシルピロール, 3-ヘプチル-4-ウンデシルピロール, 3-ヘプチル-4-ドデシルピロール, 3-ヘプチル-4-テトラデシルピロール, 3-ヘプチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-ヘプチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジオクチルピロール, 3-オクチル-4-ノニルピロール, 3-オクチル-4-デシルピロール, 3-オクチル-4-ウンデシルピロール, 3-オクチル-4-ドデシルピロール, 3-オクチル-4-テトラデシルピロール, 3-オクチル-4-ヘキサデシルピロール, 3-オクチル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジノニルピロール, 3-ノニル-4-デシルピロール, 3-ノニル-4-ウンデシルピロール, 3-ノニル-4-ドデシルピロール, 3-ノニル-4-テトラデシルピロール, 3-ノニル-4-ヘキサデシルピロール, 3-ノニル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジデシルピロール, 3-デシル-4-ウンデシルピロール, 3-デシル-4-ドデシルピロール, 3-デシル-4-テトラデシルピロール, 3-デシル-4-ヘキサデシルピロール, 3-デシル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジウンデシルピロール, 3-ウンデシル-4-ドデシルピロール, 3-ウンデシル-4-テトラデシルピロール, 3-ウンデシル-4-ヘキサデシルピロール, 3-ウンデシル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジドデシルピロール, 3-ドデシル-4-テトラデシルピロール, 3-ドデシル-4-ヘキサデシルピロール, 3-ドデシル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジテトラデシルピロール, 3-テトラデシル-4-ヘキサデシルピロール, 3-テトラデシル-4-オクタデシルピロール, 3,4-ジヘキサデシルピロール, 3-ヘキサデシル-4-オクタデシルピロールが好ましい。
アニリン及びその誘導体に関しては、アニリン、N-メチルアニリン、N-エチルアニリン、ジフェニルアニリン、o-トルイジン、m-トルイジン、2-エチルアニリン、3-エチルアニリン、2,4-ジメチルアニリン、2,5-ジメチルアニリン、2,6-ジメチルアニリン、2,6-ジエチルアニリン、2-メトキシアニリン、4-メトキシアニリン、2,4-ジメトキシアニリン、o-フェニレンジアミン、m-フェニレンジアミン、2-アミノビフェニル、N,N-ジフェニル-p-フェニレンジアミンなどが挙げられる。
フルオレン誘導体としては、フルオレノン、メチルフルオレンなどのアルキルフルオレン、ジメチルフルオレン、ジエチルフルオレン、ジオクチルフルオレンなどのジアルキルフルオレン、モノ-またはジ-フェニルフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン ビスフェノキシエタノールフルオレン、2,7-ジブロモフルオレン、ビスフェノールフルオレン、ビスクレゾールフルオレン、9-フルオレニルメタノールなどが挙げられる。
また、これらのオリゴマーも用いることが可能である。特に、酸化電位の点からチオフェン並びにその誘導体を用いるのが好ましい。
本発明の1つの実施形態において、有機導電性重合性材料を形成するためのモノマーの重合反応で電気化学セルを作製する場合、上記のモノマーの他に、支持塩と電解溶媒を用いることができる。支持塩は、電位窓が広く励起電子によって還元されたり、またホールによって酸化されないならば、特に限定されない。電気化学セルが太陽電池などの光電気化学セルの場合、光照射によって分解されないことが必要である。例えば、支持塩のカチオンとして、Li+, Na+, K+, Rb+, Cs+やテトラアルキルアンモニウム(R4N+)、ピリジニウム、イミダゾリウム、トリアゾリウムなどの第4級アンモニウムが挙げられる。アニオンについては、ClO4 -, PF6 -, BF4 -などが挙げられる。支持塩の濃度は、0.1〜5 M程度であり、好ましくは、0.2〜1 M程度である。電解溶媒に関しては、支持塩同様、電位窓が広く励起電子によって還元されたり、またホールに酸化されない限り特に限定されない。さらに、光電気化学セル(例えば太陽電池)の場合光照射によって分解されない必要がある。例えば、アセトニトリル、N, N-ジメチルホルムアミド、スルホラン、ニトロメタンなどが好ましい電解溶媒として例示され、最も好ましいのはアセトニトリルである。また、電解質の代わりにイオン液体を用いることも可能である。この場合には、電解溶媒は不要となるので扱いやすい。イオン液体の種類に関しては、電解溶媒と同様に電位窓が広く励起電子によって還元されたり、またホールに酸化されないこと、必要な場合には光照射によって分解されないならば、特に限定はされない。最も好ましいのは、ピリジニウム塩またはイミダゾリウム塩とその類似体から形成されるイオン液体である。更に、電解質を用いない系でも、重合は可能である。例えば、電気化学セルを作製し、対極として白金板を用い、溶媒にモノマーと酸化還元電位がモノマーの酸化電位よりも負で、金属酸化物の伝導帯端のポテンシャルよりも正であるような酸化剤を多量に溶解すれば、光照射時には、発生した電子は作用極から外部回路を通って対極へ行き、対極で酸化剤が還元される。一方、光生成したホールはモノマーを酸化するために消費される。
形成される有機導電性重合性材料のタイプとして、単一種のモノマーを用いるだけでなく、2種以上のモノマーを組み合わせることができる。例えば、チオフェンまたはその誘導体とピロールまたはその誘導体を混合した溶液を用いて反応させると、チオフェン-ピロール系共重合体を作製することが可能である。また、重合する電解溶液を入れ換えて、2種の異なるポリマーブロックを繋げることも可能である。例えば、最初に金属酸化物上にポリチオフェンを作製し、その後ポリピロールを析出させる。このような膜では、有機導電性重合性材料を光励起した際の高分子中の電子やホールの流れを制御することが可能である。つまり、光電変換デバイスへの応用が可能である。
光照射によりモノマーを重合させて有機導電性重合性材料を得るための好ましい条件は、
照射光の波長:300〜800 nm程度;
温度 :-20〜50℃程度;
時間 :1〜600分程度
である。
これらの条件は、原料モノマー、金属酸化物微粒子の種類によって異なり、例えばチオフェンと酸化チタンの組み合わせの場合には、
照射光の波長:300〜600nm程度;
温度 :0〜10℃程度;
時間 :10〜120分程度
である。
金属酸化物上に有機導電性重合性材料を形成する際に、あらかじめ官能基を導入したモノマーをその官能基を通して金属酸化物に吸着させて核(官能基含有モノマーが吸着した金属酸化物)を形成し、その核(吸着モノマー)から導電性高分子・導電性オリゴマーを光照射により成長させる方法も好ましく例示される。有機導電性重合性材料のモノマーが有するその官能基は、金属酸化物に化学結合または静電結合を通して吸着するのであれば、特に限定されない。例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、スルホニル基、硫酸基、ヒドロキシル基などが挙げられる。最も好ましいのは、カルボキシル基とリン酸基である。また、吸着させるモノマー種(吸着種)としては、金属酸化物上に発生するホールの酸化力によって酸化され、導電性ポリマーが形成可能な化合物であれば、特に限定しない。例えば、チオフェン及びその誘導体、ピロール及びその誘導体、アニリン及びその誘導体、フラン及びその誘導体、フルオレン及びその誘導体などが挙げられる。また、これらのオリゴマーも用いることが可能である。特に、酸化電位の点からチオフェンとその誘導体、さらにはオリゴチオフェン誘導体を用いるのが好ましい。オリゴチオフェン誘導体に関しては、上記一般式1で表される構造の2,3,4量体が好ましい。さらに、官能基とモノマーの間にアルキルやフェニルなどの炭素結合を持つグループを挿入することによって、金属酸化物と作製する有機導電性重合性材料との間の距離を制御することが可能である。この間に挿入する構造は、重合反応中並びにその後のデバイスに用いる際に安定であれば、特に限定しない。ただ特に好ましいのは、直鎖アルキルであり、鎖長が1から30までである。
好ましい吸着種としては、2-チオフェンカルボン酸、2,2’-ビチオフェン-5-カルボン酸、2,2’,2’’-ターチオフェン-5-カルボン酸、2-チオフェンリン酸、2,2’-ビチオフェン-5-リン酸、2,2’,2’’-ターチオフェン-5-リン酸、2-ピロールカルボン酸、2,2’-ビピロール-5-カルボン酸、2,2’,2’’-ターピロール-5-カルボン酸、2-ピロールリン酸、2,2’-ビピロール-5-リン酸、2,2’,2’’-ターピロール-5-リン酸、アニリンカルボン酸、アニリンリン酸、フルオレンカルボン酸、フルオレンリン酸などが挙げられる。
導電性ポリマーの分子量は、500〜500000程度、好ましくは650〜50000程度である。
本発明において、電気化学セルとしては、燃料電池、太陽電池、リチウム二次電池、電気二重層キャパシタ、電気化学センサーデバイス、電気化学表示素子(エレクトロクロミック)、電子ペーパーなどが挙げられ、太陽電池などの光電気化学素子が特に好ましい。
太陽電池などの光電気化学セルに光を照射する際には、セルの温度は、-20℃から50℃、好ましくは0℃から10℃に設定する。金属酸化物上に有機導電性重合性材料を被覆する量は光照射時間または光電流量で制御する。例えば、オリゴマーのみを発生させることが必要ならば、光照射時間を短縮する。応用として、オリゴマー増感タイプの太陽電池に適した重合方法となる。一方、有機導電性重合性材料を金属酸化物に充填すれば、p-nバルクへテロ接合タイプの太陽電池を作製することが可能になる。このことから、用途に応じて有機導電性重合性材料の被覆量を制御することが可能である。
照射する光の波長であるが、白色光のみならず、X線・紫外線・可視光線を選んだり、その光線を分光することによって単色光を照射することも可能である。さらに、光の特性を利用すれば、金属酸化物ナノ構造体内に生成する有機導電性重合性材料の分布を変化させることができ、金属酸化物・有機導電性重合性材料複合体の有用性が広がる。例えば、金属酸化物基盤として酸化チタンナノ粒子膜を用いる場合、通常の導電性ガラス(日本板硝子・NJFL4S-SM-S)を通して光照射を行うと、酸化チタンの吸収スペクトルは400 nm付近から立ち上がり、吸収ピークはおよそ340〜350 nmに位置する。この吸光度の波長依存性を利用すれば、酸化チタン膜内で有機導電性重合性材料の充填性を制御することが可能である。例えば、350 nmの単色光を膜に照射すると、吸光度が大きいために照射面に近い位置でより多くの有機導電性重合性材料を析出させることが可能である。一方、400 nmに近い単色光を照射すれば、膜自体の吸光度が小さいために、膜内で均一に有機導電性重合性材料が析出することになる。つまり、生成した有機導電性重合性材料の分布を膜に照射する光の波長を選択することによって制御することが可能になる。この方法により、膜内で異なる位置に異なる高分子を析出することが可能であることから、上記と同様に光電変換デバイスへの応用が期待できる。
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれら実施例により何ら限定されるものではない。
{実施例1}
金属酸化物ナノ構造体として、酸化チタンナノ粒子膜を用いた。酸化チタンナノ粒子膜は、粒子サイズが7〜30 nmであるペースト(Solaronix, Ti-Nanoxide HT/SP)を購入し、スクリーン印刷機により、印刷を行い、その後500℃で1時間焼成することにより作製した。粒子サイズは、7〜30 nmである。この電極を作用極とし、Pt対極、Ag/0.1M AgNO3参照電極、0.1〜5 M LiClO4と0.01〜5 M 3-メチルチオフェンを含むアセトニトリル電解液を用いて電気化学セルを作製し、電位を0〜+0.7 V印加しながら、Xeランプからの白色光を照射した。照射と同時に、緑黒色のポリチオフェン-酸化チタンナノ複合体を得ることができた。また、あらかじめ2-チオフェンカルボン酸を吸着させておいた酸化チタンナノ粒子膜も用いた。重合量は、光照射時間により制御し、観測される光電流量から評価した。図2に暗時と光照射時で観測される光電流と印加電位との関係を示す。暗時においては、重合反応が進行しないことが分かる。作製した膜の吸収スペクトル並びにIRスペクトルを測定することにより、純粋なポリ(3-メチルチオフェン)が重合されていることが確認できた。
{実施例2}
実施例1に替えて、吸着種としてチオフェン-3-酢酸を用いた以外、実施例1と同様の操作を行うと、緑黒色のポリチオフェン-酸化チタンナノ複合体を得ることができた。作製した膜の吸収スペクトル並びにIRスペクトルを測定することにより、純粋な(3-メチルチオフェン)が重合されていることが確認できた。
{実施例3}
実施例1に替えて、吸着種として2,2’-ビチオフェン-5’-カルボン酸を用いた以外、実施例1と同様の操作を行うと、赤色のポリ(3-メチルチオフェン)-酸化チタンナノ複合体を得ることができた。
{実施例4}
実施例1に替えて、吸着種としてチオフェンカルボン酸、チオフェン反応物としてビチオフェンを用いた以外、実施例1と同様の操作を行うと、赤色のポリチオフェン-酸化チタンナノ複合体を得ることができた。
{実施例5}
実施例1により作製したポリ(3-メチルチオフェン)・酸化チタン複合膜を用いて、光電気化学セル(高分子増感タイプの太陽電池)を作製した。複合膜を担持した作用極、白金対極を挟み合わせサンドイッチセルを作製し、その隙間にヨウ素電解質を注入することによって太陽電池を作製した。外部量子収率またはIPCE(光子1つが電流に変換される確率)を図3に示す。また、比較として、あらかじめ酸化チタン表面を2-チオフェンカルボン酸で吸着しないで作製した電池並びにポリチオフェンを重合していない酸化チタンのみを用いて作製した電池のスペクトルも同様に示す。明らかに、可視光領域にポリチオフェンの吸収による光電流が発生していることが分かる。さらに、あらかじめチオフェンカルボン酸を吸着させた酸化チタン膜を用いてポリチオフェンを形成した複合体では、酸化チタンと有機導電性重合性材料のヘテロ結合が形成されているため、光電流の発生の効率が向上していることが分かる。
{実施例6}
実施例1に替えて、モノマーとして3,3’-ジメチル-2,2’-ビチオフェン、吸着種としてビチオフェンカルボン酸を用いた。具体的には、10mMビチオフェンカルボン酸のエタノール溶液を調製し、酸化チタン膜をこの溶液に1分間浸漬した。その後、モノマーとして3,3’-ジメチル-2,2’-ビチオフェンを用い、光重合を10分間行うことにより、TiO2/PTの複合膜を作製した。
{実施例7}
実施例6で得られた複合膜を用いて、光電気化学セル(高分子増感タイプの太陽電池)を作製した。複合膜を担持した作用極、白金対極を挟み合わせサンドイッチセルを作製し、その隙間にヨウ素電解質を注入することによって太陽電池を作製した。外部量子収率またはIPCE(光子1つが電流に変換される確率)を図4に示す。また、比較として、あらかじめ酸化チタン表面をビチオフェンカルボン酸で吸着しないで作製した電池並びにポリチオフェンを重合していない酸化チタンのみを用いて作製した電池のスペクトルも同様に示す。明らかに、可視光領域にポリチオフェンの吸収による光電流が発生していることが分かる。
また、図3と比較すると、モノマーとして3,3’-ジメチル-2,2’-ビチオフェン、吸着種としてビチオフェンカルボン酸を用いることにより、IPCEが飛躍的に向上することが明らかになった。
{実施例8}
酸化チタンナノ粒子膜表面に、2-ピロールカルボン酸(和光、特級)を吸着させ、原料モノマーとして0.01〜5 Mピロール(和光、特級)並びに電解質として0.01〜5 Mドデシル硫酸ナトリウム(和光純薬、特級)を含む電解水溶液を酸化チタン細孔内に充填した。酸化チタン電極を作用極とし、Pt対極、Ag/AgCl参照電極を用いて、三電極式セルを構築し、酸化チタン電極に0V vs Ag/AgClを印加しながら、Xeランプを用いて10分間光照射を行い、ポリピロール・酸化チタンのナノハイブリッド膜を作製した。このナノハイブリッド電極をPt対極、Ag/AgCl参照電極とともに電解溶液として0.01〜5 M KCl水溶液を用いて、三電極式セルを作製した。ナノハイブリッド電極に印加する電位を+0.6から-1V vs Ag/AgClにスイープすると、膜の色が茶黒色から黄色に変化した。図5に-0.8V vs Ag/AgCl並びに+0.4V vs Ag/AgClを印加したときの吸収スペクトルの変化を示す。この色変化は可逆的に進行することが分かった。
金属酸化物・有機導電性重合性材料ナノ構造体を光照射によって発生するホールの酸化力を利用して作製する本方法を用いると、様々なデバイス作製の応用が可能である。例えば、上記実施例のように、作製した有機導電性重合性材料を増感剤として用いる高分子増感太陽電池への応用が好ましい。この場合は酸化チタンなどのn型半導体表面に作製する有機導電性重合性材料を適当な量に調整する必要がある。例えば、生成量が少なければ、膜の光吸収効率が十分でないため、ルテニウム色素増感太陽電池に比べて光電流は低下する可能性がある。反対に生成量が多すぎれば、サイズ増加による有機導電性重合性材料から金属酸化物への電子注入効率が低下する原因となる。有機導電性重合性材料のサイズは、厚さ1〜50 nmが好ましい。

Claims (13)

  1. 金属酸化物微粒子を含む電気的接触の取れたナノ構造体と有機導電性重合性材料を有する複合材料。
  2. 金属酸化物ナノ構造体がナノ粒子、ナノワイヤー、ナノチューブ及びナノロッドからなる群から選択される構造を有する請求項1に記載の複合材料。
  3. 金属酸化物が酸化チタンおよび酸化スズからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の複合材料。
  4. 有機導電性重合性材料の末端に吸着種由来の吸着性官能基を有し、該吸着性官能基を介して該重合性材料が金属酸化物微粒子に吸着ないし結合されている、請求項1〜3のいずれかに記載の複合材料。
  5. 有機導電性重合性材料がポリチオフェン又はその誘導体、ポリピロール又はその誘導体、ポリアニリン又はその誘導体、ポリフラン又はその誘導体、ポリフルオレン又はその誘導体或いはチオフェン、ピロール、アニリン、フラン、フルオレン又はそれらの誘導体からなる群から選ばれる少なくとも2種から構成される共重合体である請求項1〜4のいずれかに記載の複合材料。
  6. 有機導電性重合性材料が、原料モノマーの導電性オリゴマーおよび/または導電性ポリマーである請求項1〜5のいずれかに記載の複合材料。
  7. 金属酸化物微粒子構造体の間隙に有機導電性重合性材料の原料モノマーを充填し、次いで光照射を行うことを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  8. 金属酸化物微粒子構造体に、該金属酸化物に対する吸着性官能基を有する有機導電性重合性材料の原料モノマーを作用させて該モノマーを吸着させ、次いで必要に応じて該吸着性官能基を有しない原料モノマーを作用させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  9. 吸着性官能基を有する有機導電性重合性材料の原料モノマーを2,3,4量体として、可視光を照射し、モノマーを励起して金属酸化物界面での電子移動反応を引き起こすことにより重合を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料の製造方法。
  10. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料、または請求項7〜9のいずれかに記載の方法により得られた複合材料を備えた電子デバイス。
  11. 電子デバイスが太陽電池である請求項10に記載のデバイス。
  12. 請求項1〜6のいずれかに記載の複合材料、または請求項7〜9のいずれかに記載の方法により得られた複合材料を備えた表示素子。
  13. 表示素子が電子ペーパーである請求項12に記載の表示素子。
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