JPWO2006137444A1 - リポアラビノマンナンの反応性除去方法とその応用 - Google Patents

リポアラビノマンナンの反応性除去方法とその応用 Download PDF

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Abstract

リポアラビノマンナンを含有する試料に、金属塩又は緩衝剤を共存させるステップを少なくとも含む当該試料中のリポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法、並びに該方法を利用したエンドトキシンの測定方法、及びエンドトキシン関連疾患の検知方法。

Description

本発明は、リポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法、これを応用したリポアラビノマンナンを含有する試料中のエンドトキシンの測定方法及びエンドトキシン関連疾患の検知方法、これらに用いるエンドトキシンの測定キット及びエンドトキシン関連疾患の診断キット等に関する。
本出願書類中で使用する略号を以下に示す。
LAM:リポアラビノマンナン
Et:エンドトキシン
BG:(1→3)−β−D−グルカン
リムルス試薬(ライセート試薬とも呼ばれている)は、カブトガニのアメボサイト・ライセートを主成分とする試薬であって、EtやBGの検知・測定に用いられている。リムルス試薬はEtやBGに対する反応性を有しており、リムルス試薬とこれらの物質が接触すると、リムルス試薬中の種々の因子が関与するカスケード反応(以下、「リムルス反応」という。)が惹起され、この反応を検知することでこれらの物質を検知・測定することができる。
一方、LAMは、抗酸菌(例えば、結核菌等)に特有の細胞壁成分であることが知られている。
特許文献1には、アルカリ土類金属塩を有効成分のひとつとして含有するEt安定化剤及びこれを用いるEtの測定方法等が開示されている。しかしこのアルカリ土類金属塩が、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果を有することについての開示や示唆はない。
特許文献2には、塩化カルシウムと水酸化カリウムの混合水溶液で、血漿又は血清を処理して被検液とすることを特徴とするEtの測定法等が開示されている。しかしこの塩化カルシウムが、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果を有することは、記載も示唆もない。
また、リムルス試薬の凍結乾燥物は、通常、水、検体溶液又は緩衝液等で溶解され、用いられている。しかし緩衝液がLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果を有することについては、知られていない。
さらに特許文献3には、カブトガニ・アメボサイト・ライセートと緩衝作用を有する特定構造の化合物を有効成分として含有するリムルス試薬を用いて、検体中のリムルス試薬反応性物質を測定する方法等が記載されている。しかし上記化合物が、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果を有することについての開示や示唆はない。
特開平8−75751号公報 特開平4−136763号公報 特開平7−239332号公報
本発明者らは、LAMがリムルス試薬と反応すること、したがって、EtとLAMを両方含む試料を用いた場合は、EtをLAMの影響なく定量的に測定することが困難であることを発見した。そこで、本発明は、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法、これを応用したLAMを含有する試料中のEtの測定方法及びEt関連疾患の検知方法、これらに用いるEtの測定キット及びEt関連疾患の診断キット等を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、LAMを含有する試料に、金属塩又は緩衝剤を共存させることにより、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去することができることを見出し、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法、これを応用したLAMを含有する試料中のEtの測定方法及びEt関連疾患の検知方法、これらに用いるEtの測定キット及びEt関連疾患の診断キット等を提供するに至った。
すなわち、本発明は、下記(1)〜(17)に記載の方法又はキットを提供する。
(1)LAMを含有する試料に、金属塩を共存させるステップ(工程)を少なくとも含む、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法(以下、「本発明除去方法1」という)。
(2)金属塩が、硫酸塩、金属塩化物及び硝酸塩から選択される1又は2以上の金属塩である、前記(1)に記載の方法。
(3)金属塩が、下記の群から選択される1又は2以上の金属塩である、前記(2)に記載の方法;
硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム。
(4)金属塩を、試料中の終濃度が30mM以上となるように共存させることを特徴とする、前記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5)LAMを含有する試料に、緩衝剤を共存させるステップ(工程)を少なくとも含む、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法(以下、「本発明除去方法2」という)。
(6)緩衝剤が、下記の群から選択される1又は2以上の緩衝剤である、前記(5)に記載の方法;
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸,一水和物、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、イミダゾール。
(7)緩衝剤を、試料中の終濃度が100〜300mMとなるように共存させることを特徴とする、前記(5)又は(6)に記載の方法。
(8)LAMおよびEtを含有する試料中のEtをリムルス試薬を用いて測定する方法であって、LAMのリムルス試薬に対する反応性を(1)〜(7)のいずれかの方法で除去するステップ(工程)を少なくとも含む方法(以下、「本発明Et測定方法」という)。
(9)下記ステップ(a)及び(b)を少なくとも含むEtの測定方法;
(a)Et及びLAMを含有する試料に、金属塩又は緩衝剤を共存させるステップ;
(b)前記共存後の試料にリムルス試薬を接触させ、Etによって惹起されるリムルス反応を検知するステップ。
(10)下記ステップ(a)及び(b)を少なくとも含むEtの測定方法;
(a)リムルス試薬に金属塩又は緩衝剤を共存させるステップ;
(b)Et及びLAMを含有する試料に、前記共存後のリムルス試薬を接触させ、Etによって惹起されるリムルス反応を検知するステップ。
(11)リムルス試薬が、Et特異的リムルス試薬である、前記(8)〜(10)のいずれか1つに記載の方法。
(12)前記(8)〜(11)のいずれか1つに記載の方法を用いることを特徴とする、Et関連疾患の検知方法(以下、「本発明疾患検知方法」という)。
(13)リムルス試薬と、金属塩又は緩衝剤とを構成成分として含む、LAMの影響を低減させたEtの測定のために用いられるEtの測定キット(以下、「本発明Et測定キット」という)。
(14)金属塩が、硫酸塩、金属塩化物及び硝酸塩から選択される1又は2以上の金属塩である、前記(13)に記載のキット。
(15)金属塩が、下記の群から選択される1又は2以上の金属塩である、前記(14)に記載のキット;
硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム。
(16)緩衝剤が、下記の群から選択される1又は2以上の緩衝剤である、前記(13)に記載のキット;
トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸,一水和物、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、イミダゾール。
(17)リムルス試薬が、Et特異的リムルス試薬である、前記(13)〜(16)のいずれか1つに記載のキット。
(18)前記(13)〜(17)のいずれか1つに記載のキットからなる、Et関連疾患の診断キット(以下、「本発明疾患診断キット」という)。
(19)金属塩を有効成分として含有する、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去するために用いられる反応性除去剤(以下、「本発明反応性除去剤1」という)。
(20)緩衝剤を有効成分として含有する、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去するために用いられる反応性除去剤(以下、「本発明反応性除去剤2」という)。
タキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを用いたリムルス反応における硫酸ナトリウム濃度と、LAMの相対活性との関係を示す図。 タキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを用いたリムルス反応における硫酸ナトリウム濃度と、Etの相対活性との関係を示す図。 リムルス・ポリフェムス由来ライセートを用いたリムルス反応における硫酸ナトリウム濃度と、LAMの相対活性との関係を示す図。 リムルス・ポリフェムス由来ライセートを用いたリムルス反応における硫酸ナトリウム濃度と、Etの相対活性との関係を示す図。 Et特異的リムルス試薬を用いたリムルス反応における硫酸ナトリウム濃度と、LAMの相対活性との関係を示す図。 Et特異的リムルス試薬を用いたリムルス反応における硫酸ナトリウム濃度と、Etの相対活性との関係を示す図。 Et特異的リムルス試薬を用いたリムルス反応における塩化ナトリウム濃度と、LAMの相対活性との関係を示す図。 Et特異的リムルス試薬を用いたリムルス反応における塩化ナトリウム濃度と、Etの相対活性との関係を示す図。 タキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを用いたリムルス反応におけるトリス塩酸緩衝液濃度と、LAMの相対活性との関係を示す図。 タキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを用いたリムルス反応におけるトリス塩酸緩衝液濃度と、Etの相対活性との関係を示す図。 リムルス・ポリフェムス由来ライセートを用いたリムルス反応におけるトリス塩酸緩衝液濃度と、LAMの相対活性との関係を示す図。 リムルス・ポリフェムス由来ライセートを用いたリムルス反応におけるトリス塩酸緩衝液濃度と、Etの相対活性との関係を示す図。
<1> 本発明除去方法1
本発明除去方法1は、LAMを含有する試料に、金属塩を共存させるステップを少なくとも含む、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法である。
本明細書において、「LAMを含有する試料」とは、LAMを含有するか又は含有する可能性のある試料である限りにおいて特に限定されない。LAMは抗酸菌特有の細胞壁成分であることから、例えば抗酸菌(例えば結核菌等)の生菌や死菌自体、その細胞壁、細胞壁成分を含有するか又は含有する可能性のある試料等が例示される。このような試料としては、結核ワクチン等が例示される。また「LAMを含有する試料」としては、「生体由来の試料」を用いることもできる。「生体由来の試料」も特に限定されないが、体液であることが好ましい。体液は、LAMが含有されている又はその可能性がある体液である限りにおいて特に限定されない。例えば、血液(本明細書では、血清や血漿をも含む概念として用いる。)、喀痰、髄液、尿、汗、唾液、涙液、関節液等を例示することができる。なかでも血液が好ましい。
なお、「生体由来の試料」として血液用いる場合は、血液中のリムルス反応妨害因子(セリンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼインヒビター等)を公知の方法(例えば、特開昭58−85162号公報等に記載の方法)で予め除去又は不活化しておくことが好ましい。
また本発明除去方法1において、金属塩は、LAMを含有する試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する作用を有し得るものであればよく、使用する金属塩の種類、数、組み合わせ等も特に限定されない。金属塩は、単一種類のもののみを用いてもよく、複数種の金属塩を組み合わせて用いてもよい。例えば、複数種の金属塩の混合物を用いてもよい。また金属塩は、その存在状態又は存在形態等によって限定されるものではなく、例えば粉末にされる固体状態の金属塩そのものであってもよく、精製水に例示される溶液に溶解された状態として存在する金属塩であってもよい。また金属塩は、例えば界面活性剤、抗結核抗体、抗LAM抗体、BG、カルボキシメチル化されたBG、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン、ヒスタミン及びリムルス試薬に例示される金属塩以外の成分との混合物として存在するものであってもよい。ここで例えば金属塩が、界面活性剤、抗結核抗体、抗LAM抗体、BG、カルボキシメチル化されたBG、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン及びヒスタミン等に例示される物質との混合物として存在するものである場合、当該混合物を用いることにより、さらに好ましいLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果が期待される。また例えば金属塩が、リムルス試薬との混合物として存在するものである場合であって、且つLAMを含有する試料が、Etを含有するか、含有する可能性がある試料である場合、リムルス試薬と金属塩との混合物をLAMを含有する試料に共存させた後に、当該共存後の試料中のEtによって惹起されるリムルス反応を検知又は測定することにより、上記試料中のEtをLAMの影響を受けることのない状態、又はLAMの影響が低減された状態で測定することができる。当該測定方法に関するより具体的な説明については、後述する<3>本発明Et測定方法を参照されたい。
具体的な金属塩の種類としては、好ましくは、硫酸塩、金属塩化物、硝酸塩等が例示される。上記の中でも、下記の群から選択される1又は2以上の金属塩であることがより好ましい。
硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム。
上記の中でも、硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムを少なくとも含むものであることがさらに好ましい。なお、この場合、金属塩は、硫酸ナトリウム又は塩化ナトリウムのどちらか一方を含むものであっても良く、両方を含むものであっても良いが、硫酸ナトリウムを少なくとも含むものであることが特に好ましい。
さらに、本発明除去方法1において、LAMを含有する試料に金属塩を共存させるステップにおける、金属塩の共存後の試料中の金属塩の濃度(以下、単に「試料中の金属塩の終濃度」と記載する)は、LAMを含有する試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する作用を発揮し得る濃度である限りにおいて特に限定されず、使用する金属塩の種類や、本発明除去方法1を実施する者が欲する上記反応性の除去の効果の程度等に応じて、当業者が適宜設定することができる。
試料中の金属塩の終濃度を高めるほど、LAMのリムルス試薬に対する反応性の除去効果を高めることができる。具体的には、試料中の金属塩の終濃度が20mM以上となるように金属塩を共存させることが好ましい。
ただし、試料中の金属塩の終濃度が高くなりすぎると、リムルス試薬のEtに対する反応性は低下する傾向がある。したがって、本発明除去方法1を、後述する本発明Et測定方法において用いる場合には、試料中の金属塩の終濃度は、「LAMのリムルス試薬に対する反応性の除去」と「リムルス試薬のEtに対する反応性の維持」とのバランスにおいて決定することができる。例えば、前者をより重視するならば後者を多少犠牲にしてでも試料中の金属塩の濃度をなるべく高めた方がよく、後者をより重視するならば試料中の金属塩の濃度をなるべく高めないようにすることが好ましい。リムルス試薬のEtに対する反応性を維持しつつ、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去するためには、試料中の金属塩の終濃度が、20〜500mMとなるように金属塩を共存させることが好ましく、30〜500mMとなるように金属塩を共存させることがより好ましい。また、30〜300mMとなるように金属塩を共存させることも好ましい。
さらに、例えば金属塩として硫酸ナトリウムを用いる場合、試料中の硫酸ナトリウムの終濃度が、30〜200mMとなるように共存させることが好ましく、30〜100mMとなるように共存させることがより好ましく、40〜80mMとなるように共存させることがさらに好ましく、50〜70mMとなるように共存させることが極めて好ましく、約60mMとなるように共存させることが特に好ましい。また、金属塩として塩化ナトリウムを用いる場合、試料中の塩化ナトリウムの終濃度が150〜500mMとなるように共存させることが好ましく、200〜400mMとなるように共存させることがより好ましく、250〜350mMとなるように共存させることが特に好ましい。また、金属塩として硫酸マグネシウムを用いる場合、試料中の硫酸マグネシウムの終濃度が、80〜300mMとなるように共存させることが好ましく、100〜200mMとなるように共存させることがより好ましい。また、金属塩として硫酸カリウムを用いる場合、試料中の硫酸カリウムの終濃度が、50〜200mMとなるように共存させることが好ましく、50〜150mMとなるように共存させることがより好ましい。また、金属塩として塩化マグネシウムを用いる場合、試料中の塩化マグネシウムの終濃度が、80〜300mMとなるように共存させることが好ましく、100〜250mMとなるように共存させることがより好ましい。また、金属塩として塩化カリウムを用いる場合、試料中の塩化カリウムの終濃度が、200〜500mMとなるように共存させることが好ましく、200〜300mMとなるように共存させることがより好ましい。また、金属塩として硝酸ナトリウムを用いる場合、試料中の硝酸ナトリウムの終濃度が、150〜400mMとなるように共存させることが好ましく、200〜300mMとなるように共存させることがより好ましい。また、金属塩として硝酸カリウムを用いる場合、試料中の硝酸カリウムの終濃度が、150〜400mMとなるように共存させることが好ましく、180〜300mMとなるように共存させることがより好ましい。また、金属塩として塩化カルシウムを用いる場合、試料中の塩化カルシウムの終濃度が、100〜300mMとなるように共存させることが好ましく、130〜200mMとなるように共存させることがより好ましい。
また、前述したように、試料中の金属塩の終濃度は、本発明除去方法1を実施する者が欲するLAMの反応性の除去の程度によっても適宜決定することができる。具体的には、LAMの相対活性が20%以下となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することが好ましく、10%以下となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することがより好ましく、5%以下となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することが極めて好ましく、1%以下となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することが特に好ましい。
なお、本発明除去方法1においてLAMの相対活性とは、ある金属塩をある終濃度となるように共存させたときのLAMのリムルス試薬に対する反応性の値を、当該金属塩を共存させないときのLAMのリムルス試薬に対する反応性の値で割ることにより算出される百分率(%)を意味する。具体的には実施例に記載の方法により算出することができるので、これを参照されたい。
また、本発明除去方法において、リムルス試薬は、カブトガニのアメボサイト・ライセートを主成分とする試薬である限りにおいて特に限定されない。このカブトガニの種類も限定されず、リムルス・ポリフェムス(北アメリカ産カブトガニ)、タキプレウス・トリデンタツス、タキプレウス・ギガス、タキプレウス・ロタンディカウダ(以上はアジア産のカブトガニ)のいずれのアメボサイト・ライセートをも用いることができる。アメボサイト・ライセートは、公知の方法(例えば、カブトガニ・アメボサイトに蒸留水を加えて4℃にて振とうデーブル上で一晩ゆっくりと旋回させることによってアメボサイトを破裂させ、その上澄液を用いる方法、カブトガニ・アメボサイトに0.02Mトリス−塩酸緩衝液(pH8.0)を加えてホモジナイザーにて均一に破砕および抽出してその上澄液を用いる方法等)で製造することができる。また、市販されているリムルス試薬を用いてもよい。このようなリムルス試薬は、EtにもBGにも反応するリムルス試薬であっても良いが、BGに反応しないように調製されたリムルス試薬(本出願書類中において、「Et特異的リムルス試薬」という。)であることが好ましい。このEt特異的リムルス試薬は公知の方法(例えば、リムルス試薬にアプロチニンを共存させる方法、リムルス試薬にアルキルグルコシドを共存させる方法、(1→3)−β−D−グルカン類のポリカルボン酸誘導体又はグリセリル誘導体を共存させる方法等)で製造することもでき、市販されているもの(例えば、エンドスペシーES-50M(生化学工業株式会社))を利用することもできる。Et特異的リムルス試薬としては、例えば、G因子活性化阻害剤や抗G因子抗体といった、G因子を介したリムルス反応を抑制する物質を含有するアメボサイト・ライセートを主成分又は主な構成成分とするもの等が例示される。
本発明除去方法1は、金属塩を共存させるステップ以外のステップとして、例えばLAMを含有する試料を調製するステップ、LAMを含有する試料に金属塩以外の成分を共存させるステップ、又はLAMのリムルス試薬に対する反応性が除去されたか否かを評価するステップ等をさらに含んでいでもよい。上記の金属塩以外の成分としては、例えば界面活性剤、抗結核抗体、抗LAM抗体、BG、カルボキシメチル化されたBG、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン及びヒスタミンが例示される。これらの成分を共存させるステップを行うことは、さらに優れたLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果が期待されるといった観点から好ましい。また上記の金属塩以外の成分として、例えばリムルス試薬を共存させるステップを行うことにより、本発明除去方法1をEtの特異的な測定に応用することも可能である。Etの特異的な測定については、後述する<3>本発明Et測定方法を参照されたい。
また、本出願書類において「反応性を除去する」とは、反応性を完全に除き去ることのみならず、部分的に除き去る(反応性を減少もしくは低減させる)ことをも意味する用語として用いる。
以上のような本発明除去方法1は、LAMの影響を受けることのない状態、又はLAMの影響が低減された状態でEtを測定する方法に応用することができる。詳細は後述する本発明Et測定方法を参照されたい。
<2> 本発明除去方法2
本発明除去方法2は、LAMを含有する試料に、緩衝剤を共存させるステップを少なくとも含む、当該試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法である。
本発明除去方法2において、LAMを含有する試料に緩衝剤を共存させるステップにおける、緩衝剤の共存後の試料中の緩衝剤の濃度(以下、単に「試料中の緩衝剤の終濃度」と記載する)は、LAMを含有する試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する作用を発揮し得る濃度である限りにおいて特に限定されず、使用する緩衝剤の種類や、本発明除去方法2を実施する者が欲する上記反応性の除去の程度等に応じて、当業者が適宜設定することができるが、100〜300mMとなるように共存させることが好ましく、150〜200mMとなるように共存させることがより好ましく、約200mMとなるように共存させることが特に好ましい。
「LAMを含有する試料」や「リムルス試薬」についての説明は、前記<1>本発明除去方法1と同様である。
また本発明除去方法2において緩衝剤は、LAMを含有する試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する作用を有し得るものであればよく、使用する緩衝剤の種類、数、組み合わせ等も特に限定されない。緩衝剤は、単一種類のもののみを用いてもよく、複数種の緩衝剤を組み合わせて用いてもよい。例えば、複数種の緩衝剤の混合物を用いてもよい。また緩衝剤は、その存在状態又は存在形態等によって限定されるものではなく、例えば粉末にされる固体状態の緩衝剤そのものであってもよく、精製水に例示される溶液に溶解された状態として存在する緩衝剤であってもよい。また緩衝剤は、例えば界面活性剤、抗結核抗体、抗LAM抗体、BG、カルボキシメチル化されたBG、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン、ヒスタミン及びリムルス試薬に例示される緩衝剤以外の成分との混合物として存在するものであってもよい。ここで例えば緩衝剤が、界面活性剤、抗結核抗体、抗LAM抗体、BG、カルボキシメチル化されたBG、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン及びヒスタミン等に例示される物質との混合物として存在するものである場合、当該混合物を用いることにより、さらに好ましいLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果が期待される。また例えば緩衝剤が、リムルス試薬との混合物として存在するものである場合であって、且つLAMを含有する試料が、Etを含有するか、含有する可能性がある試料である場合、リムルス試薬と緩衝剤との混合物をLAMを含有する試料に共存させた後に、当該共存後の試料中のEtによって惹起されるリムルス反応を検知又は測定することにより、上記試料中のEtを特異的に測定することができる。当該測定方法に関するより具体的な説明については、後述する<3>本発明Et測定方法を参照されたい。
具体的な緩衝剤としては、好ましくは、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(以下、「トリス」又は「Tris」ともいう)、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸(以下、「ヘペス」又は「HEPES」ともいう)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(以下、「テス」又は「TES」ともいう)、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸,一水和物(以下、「HEPPSO」ともいう)、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(以下、「トリシン」又は「Tricine」ともいう)、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン(以下、「ビシン」又は「Bicine」ともいう)、イミダゾール(以下、「Imidazole」ともいう)等が例示される。
本発明除去方法2は、緩衝剤を共存させるステップ以外のステップとして、例えばLAMを含有する試料を調製するステップ、LAMを含有する試料に緩衝剤以外の成分を共存させるステップ、LAMのリムルス試薬に対する反応性が除去されたか否かを評価するステップ等をさらに含んでいでもよい。上記の緩衝剤以外の成分としては、例えば界面活性剤、抗結核抗体、抗LAM抗体、BG、カルボキシメチル化されたBG、強アルカリ性物質、ポリミキシンB、コリスチン、コンカナバリンA、ヒスチジン及びヒスタミンが例示される。これらの成分を共存させるステップを行うことは、さらに優れたLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する効果が期待されるといった観点から好ましい。また上記の緩衝剤以外の成分として、例えばリムルス試薬を共存させるステップを行うことにより、本発明除去方法2をEtの特異的な測定に応用することも可能である。Etの特異的な測定については、後述する<3>本発明Et測定方法を参照されたい。
さらに、緩衝剤以外の物質として、前記<1>本発明除去方法1で述べたような、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸カリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム及び塩化カルシウム等の金属塩化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩等に例示される金属塩を、LAMを含有する試料に共存させ、緩衝剤と併せて使用することによっても、優れた効果を期待できる。すなわちこれは、本発明除去方法1及び2を組み合わせることによっても、優れた効果を期待できることを意味する。
以上のような本発明除去方法2は、LAMの影響を受けることのない状態、又はLAMの影響が低減された状態でEtを測定する方法に応用することができる。詳細は後述する本発明Et測定方法を参照されたい。
<3> 本発明Et測定方法
本発明Et測定方法は、LAM及びEtを含有する試料中のEtをリムルス試薬を用いて測定する方法であって、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1又は2で除去するステップを少なくとも含む方法である。
本発明Et測定方法は、前記の本発明除去方法1又は2を、Etの測定方法に応用したものである。したがって、「LAMを含有する試料」や「リムルス試薬」についての説明は、前記<1>本発明除去方法1及び前記<2>本発明除去方法2と同様である。すなわち、このリムルス試薬も、Et特異的リムルス試薬であることが好ましい。ただし、試料としては、LAMのほか、Etを含有するか又は含有する可能性のある試料を用いることになる。なお本明細書において、「Etを含有する試料」とは、Etを含有するか、又はEtを含有する可能性のある試料を意味する。
なお、本発明Et測定方法において、「LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1又は2で除去する」とは、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1又は2のどちらか一方の方法で除去してもよく、両者の方法を併せて用いることで除去してもよいことを意味する。
LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1で除去する場合、金属塩及び試料中の金属塩の終濃度についての説明は、前記<1>本発明除去方法1と同様であり、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法2で除去する場合、緩衝剤及び試料中の緩衝剤の終濃度についての説明は、前記<2>本発明除去方法2と同様である。
さらに本発明Et測定方法において、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1で除去する場合、前記<1>本発明除去方法1で述べた「LAMのリムルス試薬に対する反応性の除去」と「リムルス試薬のEtに対する反応性の維持」とのバランスの観点から、試料中の金属塩の終濃度は、本発明Et測定方法を実施する者が欲するリムルス試薬のEtに対する反応性の維持の程度によっても当業者が適宜決定することができる。具体的には、例えば、Etの相対活性が50%以上となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することが好ましく、65%以上となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することがより好ましく、80%以上となるように試料中の金属塩の終濃度を選択することが特に好ましい。なお、Etの相対活性については、前述したLAMの相対活性におけるLAMをEtに置き換えたものである。具体的には実施例を参照されたい。
本発明Et測定方法によるEtの測定は、LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1又は2で除去した後、又は除去すると同時に、Etによって引き起こされるリムルス反応の検知又は測定を行うことにより達成することができる。さらに、本発明Et測定方法は、上記以外のその他のステップを含んでいても良い。
LAMのリムルス試薬に対する反応性を本発明除去方法1又は2で除去するタイミングも特に限定されない。例えば、試料に予め金属塩又は緩衝剤を共存させてLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去した後、この試料をリムルス試薬と接触させてもよく、リムルス試薬に予め金属塩又は緩衝剤を混合しておき、これを試料に接触させることによりLAMのリムルス試薬に対する反応性の除去とリムルス反応とを同時に行うこともできる。
すなわち本発明Et測定方法は、下記に示されるEtの測定方法をも提供する。
下記ステップ(a)及び(b)を少なくとも含むEtの測定方法;
(a)Et及びLAMを含有する試料に、金属塩又は緩衝剤を共存させるステップ;
(b)前記共存後の試料にリムルス試薬を接触させ、Etによって惹起されるリムルス反応を検知するステップ。
上記(a)においては、Et及びLAMを含有する試料に、金属塩又は緩衝剤のどちらか一方を共存させてもよく、金属塩及び緩衝剤の両方を共存させてもよい。
また本発明Et測定方法は、下記に示されるEtの測定方法をも提供する。
下記ステップ(a)及び(b)を少なくとも含むEtの測定方法;
(a)リムルス試薬に金属塩又は緩衝剤を共存させるステップ;
(b)Et及びLAMを含有する試料に、前記共存後のリムルス試薬を接触させ、Etによって惹起されるリムルス反応を検知するステップ。
上記(a)においては、リムルス試薬に、金属塩又は緩衝剤のどちらか一方を共存させてもよく、金属塩及び緩衝剤の両方を共存させてもよい。
Etによって引き起こされるリムルス反応の検知は、公知の方法で行うことができる。例えば、日本薬局方等に記載の比色法(エンドポイントアッセイやカイネティックアッセイ)、ゲル化法、比濁法(エンドポイントアッセイやカイネティックアッセイ)等の公知の方法で、それぞれの方法に応じた検知方法を採用することができる。
本出願書類において「測定」とは、定量的な測定のみならず、定性的な測定(Etの存否の検知等)をも含む概念である。
Etの定量的な測定は、目的に応じて種々の方法を採用することができる。例えば、Et濃度が既知の試料を用いてEt濃度とリムルス反応の強度との関係について検量線や関係式を作成しておき、これを用いることによって厳密な定量を行うことができる。また、厳密な定量が必要ない場合には、2つ以上の試料についてその試料間のEt量の多少を比較してもよい。Etはリムルス反応を惹起させることから、リムルス反応の強度が高ければ、試料中のEt量も多いこととなる。
Etの定性的な測定は、リムルス反応の有無を検知することによって行うことができる。Etはリムルス反応を惹起させることから、リムルス反応が検知されれば、試料中にEtが存在することとなる。
本発明Et測定方法によれば、LAMを含有する試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性が除去されることから、当該試料中のEtを、LAMの影響を受けることなく又はLAMの影響を低減させて測定することができる。
<4> 本発明疾患検知方法
本発明疾患検知方法は、本発明Et測定方法を用いることを特徴とする、Et関連疾患の検知方法である。
本発明疾患検知方法は、本発明Et測定方法を、Et関連疾患の検知に応用したものである。本発明疾患検知方法では、本発明Et測定方法における「LAMを含有する試料」として、Etを含有するか又はEtを含有する可能性がある生体由来の試料を用いることとなる。「生体由来の試料」についての説明は、前記<1>本発明除去方法1と同様である。
なお、「生体由来の試料」として血液を用いる場合は、血液中のリムルス反応妨害因子(セリンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼインヒビター等)を公知の方法(例えば、特開昭58−85162号公報等に記載の方法)で予め除去又は不活化しておくことが好ましいことも、前記<1>本発明除去方法1と同様である。
検知対象とするEt関連疾患は、Etに基づいて引き起こされる疾患である限りにおいて特に限定されない。例えば、Et血症、敗血症、グラム陰性菌感染症が例示される。
本発明疾患検知方法において、「検知」とは、定性的な検知(Et関連疾患の存否の検知)のみならず、定量的な検知(Et関連疾患の悪性度の検知等)をも含む概念である。
Et関連疾患の定性的な検知は、Etの定性的な測定を応用することにより行うことができる。Etの定性的な測定については、前記<3>本発明Et測定方法を参照されたい。リムルス反応が検知されれば、試料中にEtが存在することとなり、Et関連疾患であるか又はその疑いがあるということができる。
Et関連疾患の定量的な検知は、Etの定量的な測定を応用することにより行うことができる。Etの定量的な測定については、前記<3>本発明Et測定方法を参照されたい。Etはリムルス反応を惹起させることから、リムルス反応の強度が高ければ試料中のEt量も多いこととなり、これに対応してEt関連疾患の悪性度が高い又はその疑いがあると関連づけることができる。
<5> 本発明Et測定キット
本発明Et測定キットは、リムルス試薬と、金属塩又は緩衝剤とを構成成分として含む、LAMの影響を低減させたEtの測定のために用いられるEtの測定キットである。
本発明Et測定キットを用いることにより、本発明Et測定方法を簡便に行うことができる。
本発明Et測定キットにおいて、「LAMの影響を低減させたEtの測定」とは、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去することにより、LAMの影響を受けることのない状態、又はLAMの影響が低減された状態で行われるEtの測定を意味する。ここで、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去する程度については特に限定されないが、例えば、LAMの相対活性が50%以下となるように反応性を除去することが好ましく、LAMの相対活性が20%以下となるように反応性を除去することが好ましく、LAMの相対活性が10%以下となるように反応性を除去することが好ましく、LAMの相対活性が5%以下となるように反応性を除去することが好ましい。
「リムルス試薬」についての説明は、<1>本発明除去方法1と同様である。したがって、リムルス試薬は、Et特異的リムルス試薬であることが好ましい。
また、「金属塩」についての説明は、<3>本発明Et測定方法と同様である。したがって、好ましい金属塩として、具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム及び硫酸カリウム等の硫酸塩、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム及び塩化カルシウム等の金属塩化物、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の硝酸塩等が例示される。
また、「緩衝剤」についての説明も、<3>本発明Et測定方法と同様である。したがって、好ましい緩衝剤として、具体的には、トリス、ヘペス、テス、HEPPSO、トリシン、ビシン、イミダゾール等が例示される。
本発明Et測定キットは、少なくともリムルス試薬と、金属塩又は緩衝剤とを構成成分として含む限りにおいて特に限定されない。ここで、「リムルス試薬と金属塩又は緩衝剤とを構成成分として含む」とは、構成成分として、リムルス試薬に加えて、金属塩又は緩衝剤のどちらか一方を含んでいてもよく、両方を含んでいてもよいことを意味する。また本発明Et測定キットは、上記の構成成分に加え、他の構成成分をさらに含んでいてもよい。このような構成成分としては、例えばブランクテスト用蒸留水,反応試薬溶解液、反応用緩衝液、Et標準物質、反応基質等を挙げることができる。さらに本発明Et測定キットには、測定バッチ同士の実施レベルを一定水準に保つための陽性コントロール(QCコントロール)等を含有させることもできる。
これらの構成成分は、それぞれ別体の容器に収容し保存しておくことができる。本発明のキットは、使用方法や、キットに含まれる金属塩又は緩衝剤が試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を除去するために使用されるものであることを記載した使用説明書を含むことが好ましい。
本発明Et測定キットを用いたEtの測定は、前記<3>の本発明Et測定方法に従って行うことができる。
<6> 本発明疾患診断キット
本発明疾患診断キットは、本発明Et測定キットからなる、Et関連疾患の診断キットである。
本発明疾患診断キットを用いることにより、Et関連疾患の診断を簡便に行うことができる。
診断対象とするEt関連疾患は、Etに基づいて引き起こされる疾患である限りにおいて特に限定されない。例えば、Et血症、敗血症、グラム陰性菌感染症が例示される。また、用いる「生体由来の試料」等の説明については、<4>本発明疾患検知方法と同様である。すなわち、用いる「生体由来の試料」は血液であることが好ましい。また、「生体由来の試料」として血液を用いる場合に、血液中のリムルス反応妨害因子(セリンプロテアーゼ、セリンプロテアーゼインヒビター等)を予め除去又は不活化しておくことが好ましい点についても、前記<4>と同様である。
本発明疾患診断キットを用いたEt関連疾患の診断は、前記の<4>本発明疾患検知方法を応用することにより行うことができる。
<7>本発明反応性除去剤1
本発明反応性除去剤1は、金属塩を有効成分として含有する、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去するために用いられる反応性除去剤である。
上記の「金属塩」、「リムルス試薬」、「反応性を除去する」に関する説明については、上記<1>本発明除去方法1における説明を参照されたい。
<8>本発明反応性除去剤2
本発明反応性除去剤2は、緩衝剤を有効成分として含有する、LAMのリムルス試薬に対する反応性を除去するために用いられる反応性除去剤である。
上記の「緩衝剤」、「リムルス試薬」及び「反応性を除去する」に関する説明については、上記<2>本発明除去方法2における説明を参照されたい。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は以下に示す実施例に限定されるものではない。
1.硫酸ナトリウム存在下における、LAMとEtのリムルス試薬に対する反応性の比較−その1
金属塩として硫酸ナトリウムを含むリムルス試薬に対する反応性を、LAMとEtとで比較した。なお、アメボサイト・ライセート(カブトガニ血球抽出成分)を以後「ライセート」という。また、本実施例で使用したLAMは、ヒト型結核菌(青山B株;Mycobacterium tuberculosis Aoyama-B)株の死菌体から有機溶媒抽出とカラムクロマトグラフィーで高純度に単離精製したLAM(ナカライテスク株式会社販売)である。
1−1 タキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを用いた場合
硫酸ナトリウム、トリス塩酸緩衝液(pH8.0)、硫酸マグネシウム、発色合成基質(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA(パラニトロアニリン)塩酸塩)(株式会社ペプチド研究所製)及びタキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを、反応液量200 μLにおけるそれぞれの濃度(mM)又は使用量が、硫酸ナトリウム 0, 10, 20, 30, 40, 50mM、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 50mM、硫酸マグネシウム 20mM、発色合成基質(Boc-Leu-Gly-Arg-pNA塩酸塩)0.167mM、タキプレウス・トリデンタツス由来ライセート 20μLとなるように、Et及びBGフリーのマイクロタイタープレート(トキシペットプレート LP、生化学工業株式会社)に加えた。このプレートに、100ng/mLのLAM 25μL 又は 1ng/mLのEt(Difco社製、E.coli 0111:B4株由来) 25μLを加え、マイクロプレートリーダー(ウエルリーダー SK603、生化学工業株式会社)内で30分間反応させた。1分間当たりの吸光度[A405nm-492nm(対照波長)] 変化率(mAbs/min)を自動測定し、それぞれの測定により得られた値を硫酸ナトリウム濃度が0mMである場合の値(コントロール値;これを100%とする)と比較し、LAMの相対活性(%)及びEtの相対活性(%)を求めた。結果を図1及び図2に示す。
硫酸ナトリウム濃度50mMにおいて、LAMの相対活性は0.3%を示し(すなわちLAMの反応性の99.7%が除去された)、LAMのリムルス試薬に対する反応性はほぼ完全に抑制された(図1)。一方、この濃度において、Etの相対活性は86.6%を示し、Etのリムルス試薬に対する反応性は、LAMのそれと比較して、極めて優位に維持されていることが明らかになった(図2)。
1−2 リムルス・ポリフェムス由来ライセートを用いた場合
上記1−1におけるタキプレウス・トリデンタツス由来ライセートの代わりにリムルス・ポリフェムス由来ライセートを用い、また、使用するLAMの濃度を1000ng/mLに、Etの濃度を2ng/mLに変え、上記1−1と同様の試験を行った。結果を図3及び図4に示す。
硫酸ナトリウム濃度50mMにおいて、LAMの相対活性は0.9%を示し、LAMのリムルス試薬に対する反応性はほぼ完全に抑制された(図3)。一方、この濃度において、Etの相対活性は67.3%を示し、Etのリムルス試薬に対する反応性は、LAMのそれと比較して、優位に維持されていることが明らかになった(図4)。
2.硫酸ナトリウム存在下における、LAMとEtのEt特異的リムルス試薬に対する反応性の比較−その2
金属塩として硫酸ナトリウムを含むEt特異的リムルス試薬に対する反応性を、LAMとEtとで比較した。なお、Et特異的リムルス試薬としては、エンドスペシー ES-50M(生化学工業株式会社)を使用した。また、LAM及びEtについては、前記実施例1と同様のものを使用した。
硫酸ナトリウムを、反応液量100 μLにおける濃度が、0, 15, 30, 60, 90, 120mM となるようにマイクロタイタープレート(トキシペットプレート LP、生化学工業株式会社)に加えた。このプレートに、20μg/mLのLAM 25μL 又は 0.4ng/mLのEt 25μLを加え、エンドスペシー ES-50Mに付属の緩衝液で溶解した主剤溶液 50μLを加えた。このプレートをマイクロプレートリーダー(ウエルリーダー SK603、生化学工業株式会社)内で30分間反応させた。1分間当たりの吸光度[A405nm-492nm(対照波長)] 変化率(mAbs/min)を自動測定し、前記実施例1と同様の方法により、LAMの相対活性(%)及びEtの相対活性(%)を求めた。結果を図5及び図6に示す。
硫酸ナトリウム濃度120mMにおいて、LAMの相対活性は5.2%を示し、LAMのEt特異的リムルス試薬に対する反応性は著しく抑制された(図5)。一方、この濃度において、Etの相対活性は79.8%を示し、EtのEt特異的リムルス試薬に対する反応性は、LAMのそれと比較して、極めて優位に維持されていることが明らかになった(図6)。
3.塩化ナトリウム存在下における、LAMとEtのEt特異的リムルス試薬に対する反応性の比較
前記実施例2における硫酸ナトリウムを塩化ナトリウムに代え、同様の試験を行った。ただしここでは、塩化ナトリウムを、反応液量100 μLにおける濃度が、0, 50, 100, 150, 200, 250mM となるようにマイクロタイタープレート(トキシペットプレート LP、生化学工業株式会社)に加えた。結果を図7及び図8に示す。
塩化ナトリウム濃度250mMにおいて、LAMの相対活性は7.2%を示し、LAMのEt特異的リムルス試薬に対する反応性は著しく抑制された(図7)。一方、この濃度において、Etの相対活性は88.3%を示し、EtのEt特異的リムルス試薬に対する反応性は、LAMのそれと比較して、極めて優位に維持されていることが明らかになった(図8)。
4.各種金属塩のLAM完全阻害濃度及び前記濃度におけるEtの相対活性
表1に示す各種金属塩を使用し、前記の実施例1−1及び1−2と同様の操作を行うことによって、反応時の金属塩の濃度の変化に伴うLAMの相対活性(%)の変化を調べることにより、LAMの相対活性(%)がほぼ完全に消失するときの金属塩濃度(以後、「LAM完全阻害濃度」という)を求めた。また、LAM完全阻害濃度の金属塩存在下におけるEtの相対活性(%)を、実施例1−1及び1−2と同様の操作を行うことによって求めた。結果を表1に示す。
Figure 2006137444
それぞれの金属塩について、表中の括弧内に示したロット数の回数の測定を行い、それぞれLAM完全阻害濃度及びEtの相対活性を求めた。
なお、上記表中でLAL−ライセートはリムルス・ポリフェムス由来ライセートを、TAL−ライセートはタキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを意味する。
5.トリス緩衝液存在下における、LAMとEtのリムルス試薬に対する反応性の比較 緩衝液としてトリス緩衝液を用い、リムルス試薬に対する反応性をLAMとEtとで比較した。
5−1 タキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを用いた場合
トリス塩酸緩衝液(pH8.0)、硫酸マグネシウム、発色合成基質 及びタキプレウス・トリデンタツス由来ライセートを、反応液量200 μLにおけるそれぞれの濃度(mM)又は使用量が、トリス塩酸緩衝液(pH8.0) 25,50,100,150,200mM、硫酸マグネシウム 20mM、発色合成基質 0.167mM、タキプレウス・トリデンタツス由来ライセート 20μLとなるように、トキシペットプレート LP に加えた。このプレートに、100ng/mLのLAM 25μL 又は 1ng/mLのEt(E.coli 0111:B4株由来) 25μLを加え、ウエルリーダー SK603内で30分間反応させた。1分間当たりの吸光度[A405nm-492nm(対照波長)] 変化率(mAbs/min)を自動測定し、それぞれの測定により得られた値をトリス塩酸緩衝液濃度が50mMである場合の値(コントロール値;これを100%とする)と比較し、LAMの相対活性(%)及びEtの相対活性(%)を求めた。結果を図9及び図10に示す。
トリス塩酸緩衝液濃度200mMにおいて、LAMの相対活性は5.4%を示し(すなわちLAMの反応性の94.6%が除去された)、LAMのリムルス試薬に対する反応性は著しく抑制された(図9)。一方、この濃度において、Etの相対活性は102.5%を示し、Etのリムルス試薬に対する反応性は、LAMのそれと比較して、極めて優位に維持されていることが明らかになった(図10)。
5−2 リムルス・ポリフェムス由来ライセートを用いた場合
上記5−1におけるタキプレウス・トリデンタツス由来ライセートの代わりにリムルス・ポリフェムス由来ライセートを用い、上記5−1と同様の試験を行った。結果を図11及び図12に示す。
トリス塩酸緩衝液濃度200mMにおいて、LAMの相対活性は29.8%を示し、LAMのリムルス試薬に対する反応性は大幅に抑制された(図11)。一方、この濃度において、Etの相対活性は85.0%を示し、Etのリムルス試薬に対する反応性は、LAMのそれと比較して、優位に維持されていることが明らかになった(図12)。
6.各種緩衝剤存在下における、LAMとEtのリムルス試薬に対する反応性の比較
表2に示す各種緩衝剤を用い、上記5−1及び5−2と同様の試験を行い、各種緩衝液濃度 200mMにおけるLAMの相対活性及びEtの相対活性を求めた。結果を表2に示す。
Figure 2006137444
以上述べたように、金属塩または緩衝液の存在下ではLAMのリムルス試薬への反応性が低下することが明らかとなった。したがって、本発明においては、金属塩または緩衝液を共存させた状態でリムルス試薬を用いてEtの測定を行うことでLAMの反応性を除去してEtを正確に定量できる。
本発明除去方法1及び2は、リムルス反応におけるLAMの影響の除去に利用することができる。
また、本発明Et測定方法、本発明疾患検知方法、本発明Et測定キット及び本発明疾患診断キットは、EtやEt関連疾患の測定・検知に利用することができる。
本発明除去方法1又は2により、LAMを含有する試料中のLAMのリムルス試薬に対する反応性を、簡便、迅速かつ安価に、効率良く除去することができる。また、本発明Et測定方法により、上記試料中のEtを、LAMの影響を受けることなく又はLAMの影響を低減させて測定することができる。また、本発明疾患検知方法により、Et関連疾患の検知を、より高い精度で行うことができる。さらに本発明Et測定キット及び本発明疾患診断キットにより、上記の本発明Et測定方法及び本発明疾患検知方法を、簡便かつ迅速に行うことができる。

Claims (20)

  1. リポアラビノマンナンを含有する試料に、金属塩を共存させるステップを少なくとも含む、当該試料中のリポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法。
  2. 金属塩が、硫酸塩、金属塩化物及び硝酸塩から選択される1又は2以上の金属塩である、請求項1に記載の方法。
  3. 金属塩が、下記の群から選択される1又は2以上の金属塩である、請求項2に記載の方法;
    硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム。
  4. 金属塩を、試料中の終濃度が30〜500mMとなるように共存させることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. リポアラビノマンナンを含有する試料に、緩衝剤を共存させるステップを少なくとも含む、当該試料中のリポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去する方法。
  6. 緩衝剤が、下記の群から選択される1又は2以上の緩衝剤である、請求項5に記載の方法;
    トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸,一水和物、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、イミダゾール。
  7. 緩衝剤を、試料中の終濃度が100〜300mMとなるように共存させることを特徴とする、請求項5又は6に記載の方法。
  8. リポアラビノマンナンおよびエンドトキシンを含有する試料中のエンドトキシンをリムルス試薬を用いて測定する方法であって、リポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法で除去するステップを少なくとも含む方法。
  9. 下記ステップ(a)及び(b)を少なくとも含むエンドトキシンの測定方法;
    (a)エンドトキシン及びリポアラビノマンナンを含有する試料に、金属塩又は緩衝剤を共存させるステップ;
    (b)前記共存後の試料にリムルス試薬を接触させ、エンドトキシンによって惹起されるリムルス反応を検知するステップ。
  10. 下記ステップ(a)及び(b)を少なくとも含むエンドトキシンの測定方法;
    (a)リムルス試薬に金属塩又は緩衝剤を共存させるステップ;
    (b)エンドトキシン及びリポアラビノマンナンを含有する試料に、前記共存後のリムルス試薬を接触させ、エンドトキシンによって惹起されるリムルス反応を検知するステップ。
  11. リムルス試薬が、エンドトキシン特異的リムルス試薬である、請求項8〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 請求項8〜11のいずれか1項に記載の方法を用いることを特徴とする、エンドトキシン関連疾患の検知方法。
  13. リムルス試薬と、金属塩又は緩衝剤とを構成成分として含む、LAMの影響を低減させたエンドトキシンの測定のために用いられるエンドトキシンの測定キット。
  14. 金属塩が、硫酸塩、金属塩化物及び硝酸塩から選択される1又は2以上の金属塩である、請求項13に記載のキット。
  15. 金属塩が、下記の群から選択される1又は2以上の金属塩である、請求項14に記載のキット;
    硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化マグネシウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、硝酸ナトリウム及び硝酸カリウム。
  16. 緩衝剤が、下記の群から選択される1又は2以上の緩衝剤である、請求項13に記載のキット;
    トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、2-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]エタンスルホン酸、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸、2-ヒドロキシ-3-[4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジニル]プロパンスルホン酸,一水和物、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)グリシン、イミダゾール。
  17. リムルス試薬が、エンドトキシン特異的リムルス試薬である、請求項13〜16のいずれか1項に記載のキット。
  18. 請求項13〜17のいずれか1項に記載のキットからなる、エンドトキシン関連疾患の診断キット。
  19. 金属塩を有効成分として含有する、リポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去するために用いられる反応性除去剤。
  20. 緩衝剤を有効成分として含有する、リポアラビノマンナンのリムルス試薬に対する反応性を除去するために用いられる反応性除去剤。
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