JPWO2006134654A1 - 吸音構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 広帯域の音波を吸収して外部に漏洩させず、狭い部屋において目的とする低音の再生を可能にし、且つ騒音公害も防止できる吸音構造を提供する。【解決手段】 壁面で構成される、音波の通る音道につき、その断面構成が、少なくとも、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなるように構成された狭窄部を有する構造である。

Description

本発明は、オーディオ・ビジュアル、コンサートホール、居間、教室、事務所・工場、乗り物、道路遮音壁、建築物の壁面等の、吸音及び調音が必要な空間における、広帯域の音波、特に低音域の音波を、吸収乃至遮音できる吸音構造に関する。
オーディオやマルチメディアの分野では、広帯域の音の再生が必要とされ、特に重低音とされる低周波数帯域では、音の振動が、可聴範囲だけではなく、体全体で感じることもあり、その部分が再生されないと、リアルな音を聴くことはできない。
またそれに見合った、帯域の音を遮断又は吸音できる吸音材も、音を発する周りの環境への配慮から、必要とされている。
オーディオやマルチメディアでは、再生される音波の周波数範囲が国際的に決められている(例えば、ドルビーデジタルでは、最低周波数が20Hzである)。再生可能な最低周波数は、音速(約340m/s)÷再生環境の最長辺長(m)で決定され(音速/最長辺長)、狭い部屋では必要とされる最低音(例えば上記オーディオやマルチメディアで国際的に決められている最低の周波数)を再生できない。
他方、既存の吸音材は、その厚みの2倍長の波長に等しい周波数の音波までしか吸音できず(半波長が吸音材の厚みであれば、その音波が発射され反射されるまでに半波長分、また反射して元の位置に戻るまでにまた半波長分、吸音材の中を通ることから)、低音の再生には、多大な厚みを要し、低音域の拡張は不可能である。吸音されないまま部屋の内側へ戻る広い周波数帯域の反射音と、外に漏れ出た広い周波数帯域の透過音は、労働環境を低下させ、周辺への騒音公害となる。特に高速道路の騒音は、低周波に関しては遮音できず、建築物で発生する低周波公害と共に、環境問題となっている。
従って、低い周波数からの広い周波数帯域の音波を吸収して騒音公害を防止し、狭い部屋において目的とする低音の再生を可能とし、同時に広い周波数帯域の音波を外部に漏洩させない、吸音と遮音のできる構成が求められている。
本発明は、以上のような問題に鑑み創案されたもので、広帯域の音波を吸収して外部に漏洩させず、狭い部屋において目的とする低音の再生を可能にし、且つ騒音公害も防止できる吸音構造を提供せんとするものである。
本発明は、従来の波動理論とは異なる、後述する新しい知見に基づき、吸音についての理論の再構成を行って、創案するに至ったもので、以下に、それに至った過程を、従来の波動理論の説明から始まり、従来構成の吸音材の一般的な性質を述べ、次に新たな知見を示し、そして、最後に新たな知見に基づく本発明の構成について説明する。
まず、図37は、無音状態の空気分子(丸で示される)の位置を示す図と、1波目だけ音波を発振した場合の、1波長の音波の空気分子の位置を示す図との対比を示す図面である(共鳴は起きていない状態)。無音状態の空気分子の位置を示す上段の模式図の縦横線は、分子が互いに束縛されて動く範囲が限定されることを示している。この状態では各空気分子は、分子間力により互いに引き合いバネで結合されたような状態で、各間が保たれている。
次にその下の1波目だけ音波を発振した時の1波長の音波の空気分子の位置を示す下段の模式図は、左側に壁面40があり、音波が発振されたとした場合、音波は縦波の粗密波であり、それを媒介する各空気分子は、上述のように分子間力により互いに引き合いバネで結合されたような状態であるから、ここに示すように、空気分子の密度が粗い部分が負圧領域であり、それを過ぎたところに、気圧変動無しの点があり、さらにその右側の空気分子が密の部分が、正圧領域であり、再び気圧変動無しの点があるような状態となる。尚、図37で、左側の壁面40面側の空気分子(壁に接している分子は常に動かない)と一番右側の空気分子は移動していないものとして示している。
図38は、そのような音波の発振がある場合の、ある点の圧力変化を示すグラフ(図37下段の図のような音波が発振された場合のある1点における圧力変化を経時的に示したもの)である。
ここで音波での空気分子の移動距離は、波長1m(360Hzとして)、大音量でも、0.1mm程度である。つまり、波長の1万分の1程度しか動かないことになる。波長が長いと隣接する分子も一緒に動くので、2分子間の距離変動は、波長が短いときより少なくなる。従って物を揺らす力は弱くなる。そのため、低い音は、大きい音でないと聴こえない。
図39及び図40は、平行壁面40及び41がある場合に、1波長の音波が1波目だけ発せられた時の、空気分子の位置を示す模式図と、ある1個の空気分子の圧力を示した図(便宜上波長を示すために使用する)である。この図39において負圧領域に両端が矢印で示されたものは、ある空気分子の移動範囲である。壁に接した空気分子は移動できない(両壁面40及び41に接している分子は同図に示すように動かない)ので、結局、壁と壁の間では、夫々1個の山と1個の谷(山と谷の対)しかできない。従って壁面間40及び41の距離で、最低共振周波数が決まってしまう。壁と壁の間に、1個の山だけ、または、1個の谷だけという状態(対になっていない状態)は、作れない(そのような振動を作り出す動きができないことによる)。
従って低い周波数の音を室内で出す時には、壁間距離を増加させるしかなかった。尚、図40と図39とを見比べると分かるが、実際には、1回のみの圧縮振動では、最低気圧位置と、最高気圧位置が、分子がその分子の大きさによる排除体積と粘性を持って移動するために、図40の最小値と最大値の位置とは、ずれていることになる。
壁面41で音波(発射された時往の波の時)が反射される時(復の波の時)は、図41に示すように、山は谷となって戻る。この時、復の波が、再度発射された側の壁で反射される時、再び山となるため、往の波(山)と重なり、強め合う現象が起きる。これが最低共振周波数である。
そして最低共振周波数以下の音波を出すことはできない。仮に反射側の壁面41が、図42に示すように、音波を吸収してしまえば、反射は起こらないので、いくらでも低い周波数の音波を出すことができる。
また図43に示すように、壁面41が平行でなくても、壁面間40及び41距離の平均距離で共鳴が起きる(壁が平行ではないと、共鳴が起きないというのは間違い)。ただし、壁面41が非平行だと、共鳴の鋭さ[これをQ(キュー)と言う]が違う。
他方、図44に示すように、僅かに位置(位相;波の開始点の位置)が違う波が重なると、打ち消しあって音が消えてしまう。
次に、通常の吸音材の基本性質を説明する。一般的な吸音材は、プラスチックなどに空気が分散注入され、シャボン玉が集まってくっついたようなスポンジ状の形状(発泡状のもの)をしている。また繊維を集めて絡めた形状をしているものもある。ここでは前者の吸音材を使用して説明する。前図39のような両壁面40及び41のある状態で、一方の側に近いところに吸音材50を設置すると、丁度図45のようになる。
音波(波の性質を持つ)としての空気分子の流れは、図39と同じである。ところが、このように、吸音材50が途中に設置されると、吸音材50の中の気泡の薄膜(上記吸音材に内包される気泡を形成するシャボン玉状部分の薄膜)が、空気分子によって、僅かに揺れる。該空気分子は、その空気分子の持つ振動のエネルギを、極僅かに、上記気泡の薄膜に伝達し、振動が弱まる、すなわち吸音する。この時揺れた薄膜は、それ自身の分子の歪を熱に変換することで、振動が弱まることになる。
一般的な吸音材の性質を述べると、薄膜式の吸音材では、膜間での気圧差が大きければ伝達効率が増す(それは繊維式の吸音材でも同じ)。しかし、膜間を離せば(すなわち気泡の径を大きくすれば)、伝達する(その間に介在する)媒体が減るので、減衰効率が悪くなる。他方膜厚を厚くすると、気圧差を、膜の前後で大きくできるが、そのような厚膜状態では、膜自身が剛性体となり、空気分子によって膜自身が揺れなくなるため(膜の分子の粘性で熱に変換される作用がなくなるので)、伝達効率が下がることになる(それは繊維式の吸音材でも同じ)。これに対し、膜厚が薄ければ薄いほど、空気分子の振動を高効率でキャッチできるが、膜が薄いと膜の振動を熱に変換させる能力が下がり、効果的な吸音が出来なくなる。
それでも、このような閉じた気泡状の吸音材が最も効果があり、通常使われる繊維を多数集合させた後者の吸音材では、気泡のようなクッションの役割を果たす伝達媒体がなく、振動自身は繊維に伝わり、空気分子のエネルギの伝達効率が悪い。
このような性質を持つ吸音材が使用された場合でも、空気分子の振動は、上述のように極僅かしかなく、また高い吸音性能を持つ気泡状の吸音材の場合であったとしても、気泡を形成する膜は薄膜なので、低い周波数の音波では波長が長いので、単位長さ当たりの気圧差が少なくなり、このような膜厚での膜内外での気圧差は少ない状態であるから、エネルギの伝達は僅かしかない。
しかし、このような吸音材が吸音のために使用された場合は、吸音材の厚さが吸音しようとする音波の半波長分あれば、気圧差の全体を使ってエネルギ変換できるので、吸音材厚の2倍以下の波長の音波までは、一般的に吸音効果があるとされている。
尚、図面上には示されていないが、吸音材50を通過して他側の壁面41に当たった波は、そのまま跳ね返るが、往の波に、復の波(跳ね返った波)は、干渉しない。
上述のように、特定の部屋での再生可能な最低周波数は、部屋の最長辺の長さで決定される。しかし、壁面41で音波が吸収されれば、反射が起こらず、その結果、共鳴が生じないため、部屋の最低共振周波数を低下させることが可能である。
本発明者は、この点に立脚すると共に、次のような新たな知見を得ることで、本発明の構成の創案に至った。
すなわち、縦波である音波を、開口面積の減少率が徐々に小さくなる狭窄した音道を通すことで、空気の流れ(横波)に変換し、波長に依存せずに、消音することが可能であるという知見である。
例えば図1に示すような構造の吸音構成があった場合(12は音が通過する音道)、音波は、入り側から徐々に最狭窄部11に近づくにつれて、孔の中央部方向に向かって進行方向が変えられ、さらには、上記音道12の狭窄部11の奥では、進行方向の孔の中央部に向けて圧縮される。
以下は、上述したような現代の波動理論の式には無い現象であるが、開口面積の減少率が徐々に小さくなる狭窄部11の壁面10に沿って、徐々に進行すると、空気分子の分子間力による粘性によって移動ベクトルがその進行方向に集まり、該分子が排除体積によって押し出されて、粗密波(縦波)から、分子群全体の移動(横波:つまり風)になってしまう現象が、本発明者の実験から推認されることになった。
分子の体積は、波動理論の式で扱う理想気体では考慮されないが、実際の空気分子では、窒素分子と酸素分子が体積(排除体積)を持っているので、この現象が発生する。
徐々に開口面積の減少率が小さくなる壁面10内では、図2に示すように、音波が進行方向と音道12の中心向かって圧縮される(反射角を徐々に進行方向に向けて角度を変えると、空気分子の粘性によって移動ベクトルがその進行方向に集まり、該分子が押し出されて圧縮される)。しかし、音道12の壁面10では高圧になるが分子の行き場が無く、振動する位置(振動中心)が移動するしかない(図面上縦線・横線の交差点が本来その分子のあるべき位置であるが、上記高圧部分ではその位置より少し、進行方向であってさらに音道12の中心方向にずれている)。これは、空気が互いに分子間力で引き合っている(分子同士粘性が高い)ので、起こる現象である。
この図では、濃い色の分子は、空気分子の束縛位置(振動中心)そのものがより大きく移動していることが示されており、薄い色の分子は、空気分子の束縛位置(振動中心)そのもの移動が、濃い色の分子より少ない。すなわち、狭窄部11壁面10により近い部分の分子が圧縮され、進行方向であってさらに音道12の中心方向にずれる。実際には、分子の数が非常に多いので、分子の振動幅よりはるかに大きな距離を移動する事になる。これに対し、狭窄部11の音道12中心位置に近いところ(真ん中の部分)では、そのようなずれが少ない。
束縛中心位置の移動の速度は、音速より遅いので、物理学的には矛盾しない。そして束縛中心位置の移動は、即ち、風(横波)になったことを示している。
このような現象を、海の波の現象に例えるなら(あくまで例え)、波は、行って戻るため、波の上に在る浮遊物などは、本来、ある範囲を、一点を中心に動くだけ(上下方向に往復運動するのみ)である。ところが、直線状の防波堤にぶつかる波になると、斜めに防波堤の壁面に当たった波は、上に押し上げられ、戻らない移動をしているのが判る。この部分が縦波から横波に変換される部分に相当することになる。斜めに防波堤の壁面に当たった波であると、縦波と横波の混ざった状態であるが、さらに、その先の防波堤の壁のところでは、波が壁の途中まで登り、そこで、流れとなって、下がっていく。これは、波の上に浮いていた浮遊物が、そこで、波としての動きで、動かされていたものから、波の動きによらない、流れとして横方向に移動していく状態に変化することになる。この浮遊物が流れ移動するという現象は、横波に変化しているということの証である。
次に図3として示したものでは、徐々に開口面積の減少率が小さくなる音道12の狭窄部11における、本来空気分子が存在すべき位置である振動中心からの移動した距離を、太い波形線で示している。この移動が、即ち、横波(風)の強さ(風速)になる。
上記図3では、上述のように、狭窄部11壁面10により近い部分の分子が圧縮され、進行方向であってさらに音道の中心方向にずれるが、狭窄部11の音道12中心位置に近い所(所謂真ん中部分)では、そのようなずれが少ないため、狭窄部11壁面10により近い部分(ずれている部分)での圧力が高い状態になっている。この縦波の圧縮時の状態で、この状態から、その先において減圧に移る時(元々狭窄部11の音道12中心位置は圧力が高くなっておらず、その部分を過ぎた辺りから減圧に移行する)に、空気分子は、後ろに引っ張られるが、引く力は、上記のような音道の形状から弱められるので(音道12の狭窄部11の断面積が入り口部より小さいということは、後ろに引く力分子数が少ないことなので、入り口部より弱い)、横波は、上記図4では、右に進み続ける。
このように、徐々に開口面積の減少率が小さくなる壁面内において、音波が進行方向と音道12の中心向かって圧縮される、すなわち、反射角を徐々に進行方向に向けて角度を変えると、空気分子の粘性によって移動ベクトルがその進行方向に集まり、該分子が押し出されて圧縮されることになる。その際、音道12の壁面10では高圧になるが分子の行き場が無く、分子同士粘性が高い(空気が互いに分子間力で引き合って粘性が高い)ので、振動する位置が移動するしかない。このような振動する位置の移動は、すなわち、風(横波)に変換されることになる(振動する分子一つ一つがその本来の振動位置から音道12中心位置進行方向にずれることで、縦波である粗密波から分子群全体の移動、すなわち、風に変換される)。このような狭窄部11が狭いほど、縦波である音波を横波である風に変換する効果が大きくなる。
一方振動を伴う音波は、図4に示すように(図では、左への動き)、狭窄部11の壁面10で分散されるように反射されるが、その反射の間に、弱まってしまう。図4で、縦線は、音波の波面を、また矢印線は、反射音の方向を示す。音道12を通過する時、何度も位相が少しずつズレながら、山と山、谷と谷が重なるので、波形が崩れ、波としての性質を失い、粗密波ではなく、空気の流れになってしまう(上記の振動する位置の移動による、風への変換現象とは異なる)。
ここで、上記の挙動の説明に必要な、一般的な音波の反射の現象を、屈折という現象と共に、説明する。一般に、固い物質に音波が当たり、音波の進む方向(粗密の伝達方向)が変わることを反射と言う。また、音波が物質内を通過する時に、この通過の際に媒体内での音速が空気より遅いか速いと、進行方向が変わり、これを、屈折と言う。尚、通常図面などに表される音波に関しての波面先端とは、同時刻に発生した平行音波の、一定時間経過後の到達位置を言う。
狭窄した音道は、固定的な長さをもつため、共鳴管としての機能を持つ。即ち、音道の開口部から狭窄部中央までの長さの2倍に等しい波長以上の音波の通過を大きく妨げる。共鳴現象は、共鳴する周波数の音波が連続する時、強めてしまうが、開口面積の減少率が徐々に小さくなる音道では、強い共鳴は起きない。従って、狭窄部を通過する音波は、音道の長さより波長が短い音波となり、それより低周波の音波をほとんど通過させずに減衰させてしまう。
以上が基本となる本発明に係る吸音原理である(以上のように3つが大きな基本原理である)。本発明の構成により、縦波である音波が、横波である風に変換されたとしても、気流による縦波(音波)への逆変換(風切り音を含む)が発生する。
そこで本発明者は、図5に示すように、上記のような形状に構成された音道12中に吸音材20を充填することをさらに考えついた。この場合の吸音材20の機能は、上述した従来構成として用いられる吸音材の機能とは、根本的にその役割が異なる。
上述のように、断面構成が、少なくとも、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなる狭窄部11の構成された音道12中に、吸音材を充填した構成の場合、該音道12を通過する音波は、それを構成する空気分子が、入り口から徐々に最狭窄部11に近づくにつれて、移動ベクトルがその進行方向に集まり、該分子が押し出されて圧縮されるので、音道12の壁面10では高圧になるが分子の行き場が無く、分子同士粘性が高いので、振動する位置が移動するしかなくなり、このような振動する位置の移動により、風(横波)に変換されることになる(振動する分子一つ一つがその本来の振動位置から音道12中心位置進行方向にずれることで、縦波である粗密波から分子群全体の移動、すなわち、風に変換される)。ここまでは本発明の構成として、上述したとおりである。
粗密波では、空気分子は、互いにバネで接続された状態にあり、その振幅は少ない。そして、狭窄部11の孔の中に充填された吸音材が、一緒に振動できるほど軽い場合は、その振動エネルギを受け取り、熱に変換される。しかし、吸音材が振動可能な距離に比べて、空気分子群の密度変化が小さく、つまり、空気分子群の移動距離が極めて小さいため、変換効率が低く、かつ、音波の波長が長いほど、厚い吸音材が必要になる。ここまでは、上述した従来の吸音材の性質を示している。
これに対し、バネで連結された空気分子群全体が動く時(すなわち、本発明の構成によって変換された空気の流れの場合)、空気分子群全体の移動距離は上述よりはるかに大きく、充填された吸音材20が振動可能な距離より大きく動くため、吸音材との間に摩擦が生じ、熱に変換されることになる。横波は単純な風だから、摩擦で熱に変えられる。従って、本発明の構成では、音波の周波数の大小に拘わらず、横波である風は、一様に摩擦で熱に変換されることになる。
これが、本発明構成において、音道に上記吸音材20を充填した場合に、該吸音材の機能が異なっている部分である。
他方、上記の構造では、完全には横波に変換できない場合もある。縦波と横波が合わさったような特殊な波(波動方程式では出てこない)になっている状態の時には、吸音材20が孔を塞いでも、それを抜けた段階で再び音に戻ってしまうので吸音できない。このような縦波と横波の両方の性質を持つ波は、各空気分子が独立しているボールのようなものではなく、互いに分子間力で引き合いバネで結合しているような状態であるので、過渡的に生じる波である。
そこで、本発明者は、音道12の狭窄部11の構成につき、その断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなるようにする上記構成だけではなく、その出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるようにする構成を付加することで(上記狭窄部11後方の開口面積の増大率が徐々に大きくなる、断面で見た場合カーブ状曲面に形成されることで)、その後方側に出てくる縦波と横波の両方の性質を持つ波は、その圧力(音圧)の低下と、速度の低下を引き起こし、減衰してしまう構成とした。
ここでも、2つの新しい吸音・消音原理が作用し、そのような縦波と横波の両方の性質を持つ波を減衰させることになる。
1つ目の原理は、急速に径が広がる部分を上記波状のものが通過すると、距離の2乗に反比例する以上に、空気の分子間の引力で引っ張られて分子の振幅が妨げられ、音の圧力(音の大きさ)が下がり、この音圧が下がることで、消音が可能となるというものである。
2つめの原理は、上記のように、上記図3に太線で示したような非一様な風速の風は、急速に径が広がる部分の中では、急速に速度を失い、それによって、縦波(音波)に戻らず、消音できるというものである。
以上の2つの原理につき、図6及び図7を夫々使用して説明する。
まず、図6は、上記音圧の低下の原理を説明するための説明図である。図に示すように、開口面積の減少率が徐々に小さくなる形状から中央狭窄部11にかけて正圧領域が、またこの狭窄部11後半から徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分にかけては、減圧領域が、形成される。
このように徐々に開口面積の増加率が大きくなる形状内では、音波の通過する断面積がR状に急速に広くなるので、音圧が低下する。開口面積の増加率が、図に示すように円周形状に近く、急速に大きくなる場合には、音波は増幅されない(即ち、ラッパのように、音が大きくなることは無い)。開口面積と開口形状で決まる周波数以下の音(低音域の音)は、以上のような後方側のホーンの性質によって、音圧が低下され、開口部から出てこない。故に、低音は通過できない。すなわち徐々に開口面積の増加率が大きくなる形状では、外側ほど急速に開口径が広がり、低音域側ほど、音圧が低下されるため、減衰される。
他方、それ以上の高音は、徐々に開口面積の増加率が大きくなる形状で減衰されると言うよりも、上記のような徐々に開口面積の減少率が小さくなる構成によって、風となって減衰してしまう。
また横波、即ち風自身は、縦波、即ち音波に、その後に再度変換されることはない。特に吸音材20と風との摩擦で風速を減速した後では、急速に音圧が下がるので、再変換されることはない。
次に、図7は、徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分での上記速度の低下の原理を説明するための説明図である。図に示すように、中央狭窄部11の後半から徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分にかけては、減速領域が形成される。すなわち、狭窄部11後半から徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分にかけては、最も狭まったところから、点音源のように音波が放射されるので、波面先端は、同図に示すように、球状になる。さらに、開口面積の増加率が大きくなるため、右端の開口部に向かって音波が曲げられる。同様に、風の方向も曲げられる。この段階で、縦波と横波の両方の性質を持つ波には、減速が生ずる。
さらに音波及び風の進行方向が曲げられる時、位相がずれることによっても、より音波と風速は減衰してしまう。つまり、風に変換されなかった音波は、位相のずれが生ずることによっても、さらに減衰してしまう。
本発明者は、縦波と横波の両方の性質を持つ波の減衰効率をさらに高める構成について検討を重ね、以下に示すような構成を用いることにした。
すなわち、図8に示すように、徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分の出側後方の離れた位置に、該出側開口に平行な後方壁面30を有するというものである。
これは、徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分と後方壁面30の間で、丁度、その壁面10構成が徐々に開口面積の減少率を小さくした、最初の構成(入り側の構成)における断面真ん中より半分の構成を、広がった部分の両側で夫々構成していることになる。
この領域ではさすがに減圧・減速がすすんでいるが、さらに、本発明の最初の構成と略同様な構成により、仮に微かにある音波でも、空気の流れに完全に変換され、波長に依存せずに、消音される。また狭窄部11の壁面10と後方壁面30との間で上記微かな音波は分散されるように反射され、その反射の間に、弱まってしまう。すなわち、音圧を下げると同時に、波面先端がほぼ球形であり、後方壁面30に少しずつ当たるため、変換されなかった音波の後方壁面30を押す力が、弱まることになる。従って、この後方壁面30は、開口面積の増加率が大きくなる部分の出側後方に、該出側開口に平行にさえ設置されてさえいれば、部屋の壁であってもかまわない(特別な壁を作る必要はない)。
以上の構成を、さらに図9及び図10に示すように、上記狭窄部11の入り側開口が、平面状に並ぶように、該狭窄部11を複数平行に設けたり、すなわち、上記音道の断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなり、その出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるように構成された狭窄部を有する吸音構造を、平面状に並ぶように、複数個平行に設けたり(図9参照)、さらに、その出側開口に平行な後方壁面30を有する構成(図10参照)とすると、上記作用効果以外に、後方で広がる壁面10を伝わって流れ、またその流れと共に、断面側方に広がって流れる風は、隣接する同様な構成によって、同様に音波から風に変換されてきた流れとぶつかり合い、そこで風圧・速度とも、両方略ゼロになる。この際、たとえその風に振動成分が含まれていても、互いに向かい合う方向でぶつかりあい、その振動・風は相殺されることになる。
図10に示すように、出側開口の後方で広がる壁面10同士が交わり、さらにその後方の離れた位置に、後方壁面30が設けられていれば、振動成分を含むような風が互いに180度の方向でぶつかりあうようになるため、2つの振動の位相の山と山、谷と谷が反対にぶつかることになり、相殺されるようになる(同じ方向で重なり合うのなら、山と山、谷と谷は強めあうことになる)。
以上、本構成では、音道12を構成する狭窄部11を有する構成を持ち、且つその狭窄部11の構成が、その断面構成として、少なくとも、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなるように構成されるようにしたり、またその出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるように構成されるとしているが、例えば2本以上の円柱を一定間隔で平行に設け、それらの平面から見た場合円柱間で、このような構成になる。後方壁面30もその後方側に設ければ良い。
さらに、円柱や角柱(多角形の柱を含む)の向かい合う2平面に、以上の形状の狭窄部11(当然入り側開口と出側開口を有しており、そのうち、少なくとも入り側開口は、該開口面積の減少率が徐々に小さくなるような構成である必要がある)を穿設する構成を設けるようにしても良い(金型でブロック状に作成することが容易になる)。特に四角柱のような構成で以上の形状が作られている場合、平面状に組み上げたり、音道12を連通するように、音道12方向に、上記狭窄部11を複数連続して設けることで、本発明に係る吸音構造の吸音・消音効果が高まることになる。
以上の本発明に係る吸収構造とすることで、本構造と対向する壁(後方壁面30の場合を含む)との間で一定の反射距離が存在しないため、共鳴の節を作れず、共鳴を起こさないので、閉鎖空間での共鳴を防止することができる。本発明は、この構造により、厚みや大きさ、周波数に依存しない均一な吸音が可能となると同時に、本構造の出側での音波の減衰率は、周波数に依存せずに大きな値となる。
以上説明した構成は、本発明に係る吸音構造として、以下に示すような構成を有するものとして各請求項で請求する。
すなわち、請求項1に係る吸音構造は、壁面で構成される、音波の通る音道につき、その断面構成が、少なくとも、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなるように構成された狭窄部を有することを基本的特徴としている。
また請求項3の吸音構造は、壁面で構成される、音波の通る音道につき、その断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなり、その出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるように構成された狭窄部を有することを特徴としている。
さらに請求項5に係る吸音構造は、請求項3の構造の上記音道の出側の離れた位置に、該出側開口に平行な後方壁面を有することを特徴としている。
請求項7に係る吸音構造は、上記請求項3記載の吸音構造を、平面状に並ぶように、複数個平行に設けたことを特徴としている。
請求項9に係る吸音構造は、同じく上記請求項3記載の吸音構造を、平面状に並ぶように、複数個平行に設けると共に、該出側開口に平行な後方壁面を有することを特徴としている。
上記いずれの構成においても、上記音道12中に吸音材を充填すると、上述のように、空気の流れに変換されたものとの間に摩擦が生じ、熱エネルギに変換されて、吸音され、その効果が高まることになる。そのような吸音材の素材としては、既存の綿状構造や海綿状構造のものが使用可能であり、吸音材として普通に用いられる発泡状のものより、摩擦によって、熱エネルギに変換され、吸音される効果が高い。
本発明の請求項1〜請求項10記載の吸音構造によれば、これまでの波動理論とは異なる理論構成に基づき、可聴周波数帯を超える超低音から超高音までの音波をほぼ一様に吸収し(広帯域の音波を吸収し)、部屋の最長辺を超える長さの音響空間を作ることが可能(狭い部屋において目的とする低音の再生を可能にする)であり、さらに、低周波を外部に漏洩させない壁の構築が可能となるという優れた効果を奏し得る。さらに本発明は、低周波を吸収する外壁の作成を可能とし、低周波公害を防止しうることになる。
本発明の基本構成を示す概略説明図である。 上記構成の原理説明図である。 同じく本発明構成の原理説明図である。 本発明における音波の反射方向を示す説明図である。 音道12中に吸音材20を充填する本発明の構成説明図である。 本発明構成による音圧の低下の原理を説明するための説明図である。 徐々に開口面積の増加率が大きくなる部分での上記速度の低下の原理を説明するための説明図である。 出側開口に平行な後方壁面30を有する本発明の構成説明図である。 上記狭窄部を有する吸音構造を、平面状に並ぶように、複数個平行に設けた本発明の構成説明図である。 さらに、出側開口に平行な後方壁面30を有する本発明の構成説明図である。 本発明の実施例に使用される無響室60の内部構造を示す平面断面図である。 各実施例での比較のために使用された無響室60の内部構造の概略構成を示す説明図である。 実施例1として無響室60の内部に、狭窄部11の構成が用いられた構成を示す説明図である。 図12の音波計測状態を模式的に示した概略図である。 図13の音波計測状態を模式的に示した概略図である。 図14を基礎としてそれに対する図15の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 図13の狭窄部11内に繊維状吸音材20を充填した状態の構成の模式図である。 図14を基礎としてそれに対する図17の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例3に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図19の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例4に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図21の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例5に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図23の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例6に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図25の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例7に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図27の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例8に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図29の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例9に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図30の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 実施例10に係る構成を示す説明図である。 図14を基礎としてそれに対する図33の場合の反射率と透過率を求めて得られた計測結果のグラフである。 四角柱64の向かい合う2平面において、本発明の狭窄部11が穿設された構成を示す斜視図である。 図35の音道中に吸音材20を備えた構成を示す斜視図である。 無音状態の空気分子の位置を示す図と、1波目だけ音波を発振した場合の、1波長の音波の空気分子の位置を示す図との対比を示す説明図である。 そのような音波の発振がある場合の、ある点の圧力変化を示すグラフである。 平行壁面40及び41がある場合に、1波長の音波が1波目だけ発せられた時の、空気分子の位置を示す模式図である。 その際の、ある1個の空気分子の圧力を示した説明図である。 壁面41で音波が反射される時の状態を示す説明図である。 音波を吸収してしまって、反射が起こらない状態を示す説明図である。 壁面間40と平行でない壁面41間で共鳴が起こることを示す説明図である。 僅かに位相が違う波が重なることにより、打ち消しあって音が消えてしまう状態を示す説明図である。 壁面40及び41の間で、一方の側に近いところに吸音材50を設置した状態を示す説明図である。
符号の説明
10 音道壁面
11 狭窄部
12 音道
20 吸音材
30 後方壁面
40、41 壁面
50 吸音材
60 無響室
61、62 囲い壁
63a、63b 遮音壁
64 四角柱
70 スピーカ
80、81 マイクロホン
以下、本発明の実施の形態を図示例と共に説明する。
図11に示す内部断面構造を有する平面縦・横10m×11mの大きさで天井高3.5mの超低周波用特殊無響室60を、間に振動吸収用特殊高分子材を挟んだ層状鉄筋コンクリートによる制振合板構造で構成した。図面前方中央には、スピーカ70が室内部に向けて出力できるように設置されており、それを中心に左右に、平断面樽型に囲い壁61が形成され、また図面後方(スピーカ70に対向する側)には、樽型囲い壁61内部に突出する状態で、片断面への字型底面囲い壁62が形成され、これらの囲い壁61、62によってコーン形状に構成されており、上記無響室60内面との間に発泡性の吸音材50が充填されている。囲い壁61は、制振された有孔ボードを高密度の繊維状吸音材で覆った構造である。
また、この超低周波用特殊無響室60の天井部には床との平行部が無く、厚み1mの吸音材(発泡性の吸音材)、床部には厚み60cmの吸音材(同材質)と高さ1mの四角錐構造の吸音材(同材質)が貼着されている。さらにこの超低周波用特殊無響室60は、免震台上に設置されている。それによって、この超低周波用特殊無響室60の最低共振周波数は、4.2Hzに設定されることになり、さらに床面の最低振動共振周波数は、約7.6Hzである。無響室60は、電波暗室内に設置され、40KHz〜17GHzの計測範囲で、35dBμV以下の状態にある。
一方、上記スピーカ70は、Dunlavy特注の密閉型スピーカを用い、以下の特性を有している。
−0.5dB〜+0.5dB(16Hz〜24KHz)
−1.0dB〜+1.0dB(14Hz〜28KHz)
−4.2dB(10Hz)
位相誤差:1/200000秒以下
このスピーカ70には、図示しない信号配線、パワーアンプ、プリアンプが接続されており、Dunlavy特注の密閉型該スピーカ70を含む総合歪率は、0.27%(1KHz)、位相誤差は、1/100000秒となる。
このような超低周波用特殊無響室60を設置し、さらに、本発明の請求項1に係る構成とその構成の無い状態での吸音効果を比較するために、図12及び図13に示すように、遮音壁63a、63bが、囲い壁61の左右両側から内方に突出する状態に設置され、それによって無響室60内部が、前方室と後方室に分けられるようにされた。そして、遮音壁63a、63bの前方室内側には、上記と同様な素材の吸音材50が貼着された。上記図のうち図13は、本発明の請求項1に係る構成、すなわち、その断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなるように構成された狭窄部11を有する音道が構成されるようにした。具体的には、直径11cmの円柱を断面1/4に切断し、遮音壁63aと63bとの間に、上記狭窄部11の最狭部間隔8mmを開けて、断面1/4の円柱を設けた(開口側がスピーカ70側に向いている状態)。
そして、図12及び図13に示すように、無響室60の前方室のスピーカ70の出力側と後方室の片断面への字型底面囲い壁62近傍に、−1dBが7Hz〜36KHzの特性を有するEarthworks特注マイクロホン80及び81が夫々設置され、スピーカ70から放出されたパルス音波を、上記マイクロホン80、81で拾って、22Bit/96KHzリニアでPCM記録できるパルス型周波数分析器(図示無し)で計測した。パルス音波は、あらゆる周波数を含んでいるので、FFTにて周波数とその強度を知ることができる。
この際、図12の音波計測状態を模式的に示したものが、図14であり、また図13の音波計測状態を模式的に示したものが、図15である。上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図15の場合の反射率と透過率を求め、図16の計測結果を得た。同図より、透過率は600Hz辺りで変化はあるものの、それより上(〜20KHz)でも、図15の状態の方は、図14の場合の10%以下と、透過率が低下しており、吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図14の場合の1%未満と低い。さらに上記回折について、若干の補足をすると、図15の狭窄部11で構成される音道は逆向きのホーン構造であるので、低周波は通過できない。また図15の開口面積より(有効開口面積約50%)、通過できる音は、ずっと少ない。尚、図16において、40Hz以下の値は、床を伝達した振動で増加している。
上記図13の狭窄部11内に、140kg/mで繊維状吸音材20を、充填した状態(請求項2の構成)の模式図を、図17に示す。この時も、上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図17の場合の反射率と透過率を求め、図18に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図17の状態の方が低く抑えられており、吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16に示されたよりも更に低く抑えられている。尚、上記吸音材20の厚みは、最大5.5cmで、これが充填されることで、図15の場合よりも、1/10以下に吸音されることとなった。仮に、最大5.5cm厚の繊維状吸音材だけで吸音した場合は、これほど吸音されなかった。
図19は、本発明の請求項3に係る構成、すなわち、その断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなり、その出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるように構成された狭窄部11を有する音道が構成されるようにした。具体的には、直径11cmの円柱を断面1/2に切断し、遮音壁63aと63bとの間に、上記狭窄部11の最狭部間隔8mmを開けて、断面1/2の円柱を設けた(開口側がスピーカ70側に向いている状態)。
この時も、上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図19の場合の反射率と透過率を求め、図20に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図19の状態の方が低く抑えられており、顕著な吸音効果が確認された。また反射率についても、どの周波数帯域でも、図16や図18と同様、低く抑えられている。
上記図19の狭窄部11内に、140kg/mで繊維状吸音材20を、充填した状態(請求項4の構成)の模式図を、図21示す。この時も、上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図21の場合の反射率と透過率を求め、図22に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図19の状態の方が低く抑えられており、吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20と同様、低く抑えられている。
図19の構成に対し、上記音道の出側の離れた位置に、該出側開口に平行な後方壁面30(厚さ24mmの蝦夷松の合板)を有する請求項4の構成を作成し(図23参照)、上記の計測を行った。図14を基準としてそれに対する図23の場合の反射率と透過率を求め、図24に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図23の状態の方が低く抑えられており、吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20、図22と同様、低く抑えられている。
図21の構成に対し、上記音道の出側の離れた位置に、該出側開口に平行な後方壁面30を有する請求項6の構成を作成し(図25参照)、上記の計測を行った。図14を基準としてそれに対する図25の場合の反射率と透過率を求め、図26に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図25の状態の方が低く抑えられており、吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20、図22、図24と同様、低く抑えられている。
図27は、本発明の請求項7に係る構成、すなわち、その断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなり、その出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるように構成された狭窄部11を有する音道が作成され、且つそのような音道の構成を、平面状に並ぶように、3つ平行に設けた構造とした。具体的には、直径11cmの円柱を、中央に2つ、両間で構成される狭窄部11の最狭部間隔8mmを開けて、設けると共に、さらに断面で見てこれらの円柱に連続するように、上記と同様な断面半円の円柱を平行に並べて(中央の円柱とその両端側の半円柱の間で構成される狭窄部11の最狭部間隔8mmを開けて並べた)、遮音壁63aと63bとの間に、これら円柱と半円柱で3つの狭窄部11を有する構成を設けた(全ての開口側がスピーカ70側に向いている状態)。
この時も、上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図27の場合の反射率と透過率を求め、図28に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図27の状態の方が低く抑えられており、顕著な吸音効果が確認された。また反射率についても、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20、図22、図24、図26と同様、低く抑えられている。
上記図27の狭窄部11内に、140kg/mで繊維状吸音材20を、充填した状態(請求項8の構成)の模式図を、図29示す。この時も、上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図29の場合の反射率と透過率を求め、図30に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図29の状態の方が低く抑えられており、顕著な吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20、図22、図24、図26、図28と同様、低く抑えられている。
図27の構成に対し、上記音道の出側の離れた位置に、該出側開口に平行な後方壁面30を有する請求項9の構成を作成し(図31参照)、上記の計測を行った。図14を基準としてそれに対する図31の場合の反射率と透過率を求め、図32に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図31の状態の方が低く抑えられており、顕著な吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20、図22、図24、図26、図28、図30と同様、低く抑えられている。
上記図31の狭窄部11内に、140kg/mで繊維状吸音材20を、充填した状態(請求項10の構成)の模式図を、図33示す。この時も、上記の計測を行い、図14を基準としてそれに対する図33の場合の反射率と透過率を求め、図34に示す計測結果を得た。同図より、透過率は、明らかに図14の状態よりも図33の状態の方が低く抑えられており、顕著な吸音効果が確認された。また反射率については、どの周波数帯域でも、図16、図18、図20、図22、図24、図26、図28、図30、図32と同様、低く抑えられている。
以上の実施例1〜10に示されるように、請求項1〜請求項10の構成は、これらの構成の施工されていない図14の構成よりも高い吸音効果を得ているだけではなく、実施例1〜10の順に、その吸音効果が次第に高くなっており、本発明の構成が、従来の吸音原理とは異なる原理で、その効果が得られていることが裏付けられることとなった。
また、上記実施例1〜10は、平行に立設された2本の円柱(1/4や1/2に切断されている状態)の断面構成において、上記本発明の夫々の構成を備えている状態の場合の実験結果を示したものである。これを、例えば、図35に示すように、四角柱64の向かい合う2平面に、以上の形状の狭窄部11が穿設された状態に形成したり、図36に示すように、さらにその狭窄部11を含む音道12内に、吸音材20を充填する構成とすると良い。当然入り側開口と出側開口を有しており、そのうち、少なくとも入り側開口は、該開口面積の減少率が徐々に小さくなるような構成である必要がある、理想的にはさらに出側開口について、該開口面積の増大率が徐々に大きくなるような構成が良い。このような構成は、様々な素材でブロック状に作成することが可能である。そのような形状で作られている場合、平面状に組み上げたり、音道12を連通するように、音道12方向に、上記狭窄部11を複数連続して設けることで、本発明に係る吸音構造の吸音・消音効果が高まることが容易に予想されることになる。
尚、本発明の吸音構造は、上述の図示例にのみ限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
本発明の吸音構造は、音波の広範囲の周波数に対し、均一に吸音するため、オーディオ・ビジュアル、コンサートホール、劇場、映画館、教室や事務所・工場等での調音、乗り物や建築物による低周波の発生、乗り物内の騒音の防止、建物と室内の遮音に使用することができ、道路遮音壁、建築物の壁面等の、吸音及び調音が必要な空間における、広帯域の音波、特に低音域の音波を、吸収乃至遮音できることになる。

Claims (10)

  1. 壁面で構成される、音波の通る音道につき、その断面構成が、少なくとも、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなるように構成された狭窄部を有することを特徴とする吸音構造。
  2. 上記音道中に吸音材を充填した請求項1記載の吸音構造。
  3. 壁面で構成される、音波の通る音道につき、その断面構成が、その入り側で開口面積の減少率が徐々に小さくなり、その出側で逆に開口面積の増大率が徐々に大きくなるように構成された狭窄部を有することを特徴とする吸音構造。
  4. 上記音道中に吸音材を充填した請求項3記載の吸音構造。
  5. 上記音道の出側の離れた位置に、該出側開口に平行な後方壁面を有することを特徴とする請求項3記載の吸音構造。
  6. 上記音道中に吸音材を充填した請求項5記載の吸音構造。
  7. 上記請求項3記載の吸音構造を、平面状に並ぶように、複数個平行に設けた吸音構造。
  8. 上記音道中に吸音材を充填した請求項7記載の吸音構造。
  9. 上記請求項3記載の吸音構造を、平面状に並ぶように、複数個平行に設けると共に、該出側開口に平行な後方壁面を有することを特徴とする請求項3記載の吸音構造。
  10. 上記音道中に吸音材を充填した請求項9記載の吸音構造。
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