JPWO2006129703A1 - 活性化部分トロンボプラスチン時間の検査方法 - Google Patents

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Abstract

活性化部分トロンボプラスチン時間の再検査が簡単かつ迅速にできる検査方法を提供する。活性化部分トロンボプラスチン時間を計測すべく検体に対して0.020mol/Lのカルシウムイオン供与体を含む水溶液を添加し、そのときの凝固時間が基準値を超えて異常値を示した検体、特に高ヘマトクリット血症検体について行い、内因系の血液凝固異常があるかどうかを診断するための検査方法において、予めクエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を用いて、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合となるよう採血したもので血漿成分を含む検体を作り、当該検体に対して0.030mol/L以上〜0.040mol/L以下のカルシウムイオン供与体を含む水溶液を添加して凝固時間を測定する。

Description

本発明は、活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time(以下、単に「APTT」と記載することがある))の検査方法に関する。
更に詳しくは、APTTの再検査が簡単かつ迅速にできるようにしたものに関する。
また、APTTの再検査にあたっての採血を不要にし、患者の精神的、肉体的負担が軽減できるようにしたものに関する。
更に、APTTの再検査も含めて、予め所定量のクエン酸ナトリウム水溶液が入れてある真空採血管を使うことができるようにしたものに関する。
出血傾向の診断にあたっては、凝固因子の異常を判定するスクリーニング検査が行われる。血液の凝固には外因系と内因系があり、このうち内因系の凝固因子を評価するものとして活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)がある。APTTは、血友病やフォンビルブラント病をはじめとする内因系血液凝固異常を発見する検査方法として広く用いられている。
APTTは、予め抗凝固剤であるクエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を用いて、前記クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合となるよう採血し、これを遠心分離器にかけて血漿成分を含む検体を抽出する。そして、この検体にAPTT試薬(DADE BEHRING社製:データファイ・APTT(アクチン)ウサギ脳由来セファリン等)を加えて略37℃になるよう温め、APTT試薬を加えた検体に対して同程度に温めておいた0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液(溶媒1Lに対して0.020molの塩化カルシウムが含まれている)を添加したときの凝固時間(APTT値)が測定される。APTT値の基準値は、おおよそ23.9秒〜41.2秒内とされており、検体の凝固がこの値より長くかかると内因系の凝固因子異常が疑われる。
ところで脳梗塞の危険因子として広く認識されている事項として高ヘマトクリット血症(いわゆるドロドロ血)がある。高ヘマトクリット血症は、血液の中に赤血球が過剰に存在する状態で、相対的に血漿の割合が低くなっている状態である。上記したようなクエン酸ナトリウム水溶液による血液の抗凝固作用は、血漿中のカルシウムイオンがクエン酸のキレート結合に取り込まれて奪われることにより起こる。
従って、高ヘマトクリット血症の患者がAPTTの検査を受けた場合では、健常者よりも血液中の血漿の割合が低いため、検体中に反応しきれなかったクエン酸ナトリウム水溶液が余った状態で残る。そのためこの検体に上記した塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合では、余ったクエン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム中のカルシウムイオンが反応してしまい、その結果、凝固が遅れ、凝固時間が基準値を超えて異常値を示すことがあった。つまり、高ヘマトクリット血症の患者も、血友病やフォンビルブラント病の疑いがあると診断されることがあり、APTTの再検査の対象となっていた。
APTTの再検査は、患者の血液の状態に合わせて、抗凝固剤として反応させるクエン酸ナトリウム水溶液の量が調整された状態で行われる。具体的には、患者の血液毎に予め計算により導き出した量のクエン酸ナトリウム水溶液をピペットで採血管に入れ、この採血管内に規定量の採血した血液を入れることで検体を作り、この検体に0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液をあらためて添加して実施される(例えば、NCCLS(National Committee for Clinical Laboratory Standards)の標準法)。
この検体によるAPTTの値によって、血友病やフォンビルブラント病であるかどうかが診断される。なお、血漿の量に合わせてクエン酸ナトリウム水溶液の量が調整されたことにより、高ヘマトクリット血症の検体は再検査によって基準値が示されて異常なしと診断される。
しかし、上記したAPTTの再検査方法には、次のような課題があった。
まず、患者の血液の状態に合わせたクエン酸ナトリウム水溶液の量を計算によって導く必要がある。従って、そのための採血が再度必要であった。つまり、APTTの再検査にあたっては、少なくとも二回以上の採血が必要とされるので、患者に精神的、肉体的負担を与えていた。
また、検査自体についても再び採血したり、血液の状態に合わせたクエン酸ナトリウム水溶液の量を計算したりといった作業を要するので手間及び時間がかかっていた。
更には、抗凝固剤として使用されるクエン酸ナトリウム水溶液はμL(マイクロリットル)単位で調整されるので、検査者には、その導き出した量を採血管に正確に入れるピペッティング操作の高度な技量が要求されていた。
なお、採血にあたっては、ウイルスや異物の混入の心配がない等、衛生面や取り扱い易さから近年では真空採血管が一般的に使用されている。しかし、真空採血管は密閉されているので、内部に入れてあるクエン酸ナトリウム水溶液の量の調整ができない。従って、このような再検査の場合では使うことができなかった。そのためAPTTの再検査では、通常の採血管を使用しなければならず、上記したような衛生面で問題があった。
本発明の目的は、APTTの凝固時間が基準値を超えて異常値を示した検体に対して行い、内因系血液凝固異常があるかどうかを診断するための検査方法において、計算によってクエン酸ナトリウム水溶液の量を導き出して検体を作るといった従来の方法と同等の検査結果を得ながらも、これより簡単かつ迅速にできるようにする検査方法を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、APTTの再検査にあたっての採血を不要にし、これにより患者に与える精神的、肉体的負担が軽減できるようにする検査方法を提供することにある。
更に、本発明の他の目的は、APTTの再検査も含めて、予め所定量のクエン酸ナトリウム水溶液が入れてある真空採血管を使うことができるようにする検査方法を提供することにある。
上記目的を達成するために本発明が講じた手段は次のとおりである。
活性化部分トロンボプラスチン時間を計測すべく検体に対して0.020mol/Lのカルシウムイオン供与体を含む水溶液を添加し、そのときの凝固時間が基準値を超えて異常値を示した検体、特に高ヘマトクリット血症検体について行い、内因系の血液凝固異常があるかどうかを診断するための検査方法において、予めクエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を用いて、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合となるよう採血したもので血漿成分を含む検体を作り、当該検体に対して0.030mol/L以上〜0.040mol/L以下のカルシウムイオン供与体を含む水溶液を添加して凝固時間を測定することを特徴とする、活性化部分トロンボプラスチン時間の検査方法である。
本発明は上記構成を備え、次の効果を有する。
(a)本発明によるAPTTの検査方法によれば、クエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を使用して、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合で混合されるようにして作った検体を再検査の検体としても使うことができる。従って、従来行っていたようなクエン酸ナトリウム水溶液の量を患者の血液の状態に合わせて計算し、その量をピペットを使って調整することで再検査用の検体を作るといった作業をなくすことができ、検査の簡単化及び迅速化を図ることができる。
(b)本発明によるAPTTの検査方法によれば、クエン酸ナトリウム水溶液の量を調整した検体を作る必要がないので、再検査にあたっても検体を作るための採血を不要にすることができる。これにより患者に与える精神的、肉体的負担を軽減することができる。
(c)本発明によるAPTTの検査方法によれば、APTTの再検査も含めて、真空採血管を使うことができるので、取り扱い易く、また、衛生面の点においても好ましい。
0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加したときの凝固時間を示す説明図。 0.030mol/L、0.035mol/L、0.040mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加したときの凝固時間を示す説明図。
カルシウムイオン供与体は、血液凝固反応に必要なカルシウムイオンの供給源であり、例えば、塩化カルシウム、臭化カルシウム、ヨウ化カルシウム等のハロゲン化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、重炭酸カルシウム等の無機酸カルシウム塩、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、乳酸、グルコン酸、グリセロリン酸等の有機酸のカルシウム塩等が使用できる。なかでも、塩化カルシウムが好ましい。
また、血漿成分に加えるAPTT試薬は、リン脂質の混合物でセファリンといわれるものであり、例えば、ウサギ脳、牛脳、ダイズ等からの抽出物を含むものが使用できる。
実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明する。しかし、本発明は実施例に限定されるものではない。なお、凝固時間(APTT値)の測定は凝固反応検出方式にて行う。
比較例1、2、3及び実施例1、2においてAPTT値の測定には、APTT測定機器(シスメックス社製:CA7000)を使用した。
真空採血管(テルモ社製:VP−CW052 全量2mL用)は、予め200μLのクエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてあるものを使用した。
検体に入れるAPTT試薬(DADE BEHRING社製:データファイ・APTT(アクチン)ウサギ脳由来セファリン)は、略37℃になるよう加温したものを50μL添加した。
比較例1、2、3及び実施例1、2においてカルシウムイオン供与体は塩化カルシウムを使用した。塩化カルシウムを含む水溶液は、略37℃になるよう加温して、各検体に対しそれぞれ50μLずつ添加した。
実際のAPTT検査では、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合で混合されたものから作られた検体が使用される。しかし、高ヘマトクリット血症を煩った患者の血液は、入手が非常に困難である。そこで以下に示す比較例1及び実施例1では、血液に対するクエン酸ナトリウム水溶液の割合を意図的に多くすることで、擬似的に高ヘマトクリット状態となるように作り出した検体を使用している。
比較例2,3及び実施例2で使用した検体は、高ヘマトクリット血症の患者の血液から作られている。
比較例1及び実施例1で使用した検体について具体的に説明する。
(1)クエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を使用して、健常者から血液を採血する。
(2)試験管を10本用意し、濃度3.13%に調整されたクエン酸ナトリウム水溶液をそれぞれの試験管に15μL、30μL、45μL、60μL、75μL、90μL、105μL、120μL、135μL、150μLずつ入れておく。
(3)上記の各試験管に、(1)で採血した血液をそれぞれ均等に1500μLずつ入れて混ぜ合わせる。
(4)各試験管を遠心分離器にかけて血漿成分を含む検体を得る。各検体は別途用意した試験管にそれぞれ50μLずつ入れておき、略37℃になるよう加温する。
(5)各検体にAPTT試薬を加える。
こうしてクエン酸ナトリウムと血液の比率が段階的に異なる、すなわちヘマトクリット値が段階的に異なる10種類の検体を作る。なお、比較例1と実施例1を合わせて、カルシウムイオン供与体を含む水溶液として、濃度の異なる4種類のものを使用するので、上記検体も4セット用意しておく。
いうまでもなくクエン酸ナトリウム水溶液を多く入れた検体の方が、ヘマトクリット値の高い状態に対応することになる。各検体は、クエン酸ナトリウム水溶液の量の少ない方から”検体1”とし、順次番号を増やして最もクエン酸ナトリウム水溶液の量の多い検体を”検体10”として識別する。
[比較例1]
比較例1では、上記の各検体(検体1〜検体10)に、従前通りの0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加して凝固時間(APTT値)を測定した。
図1の横軸は、左側から右側にかけて検体1から検体10までを示しており、縦軸はAPTT値(凝固時間)を示している。
−測定結果−
結果は図1に示すものとなった。0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は、検体1で32.14秒、検体2で34.08秒、検体3で36.85秒、検体4で40.58秒、検体5で45.23秒、検体6ないし検体10はそれ以上の値を示した。
比較例1で示す検体のうちAPTT値の基準値(23.9秒〜41.2秒)内に収まったのは検体4までであり、検体5ないし検体10は異常値を示した。つまり、0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加する場合では、クエン酸ナトリウム水溶液の量が多くなる(ヘマトクリット値が高くなる)につれて異常値を示す。
[実施例1]
上記の各検体(検体1〜検体10)に、それぞれ0.030mol/L、0.035mol/L、0.040mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加して凝固時間(APTT値)を測定した。
図2の横軸は、左側から右側にかけて検体1から検体10までを示しており、縦軸はAPTT値(凝固時間)を示している。
−測定結果−
結果は図2に示すものとなった。
0.030mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は、検体1で27.77秒、検体2で27.77秒、検体3で27.98秒、検体4で28.29秒、検体5で28.65秒、検体6で29.19秒、検体7で29.84秒、検体8で30.56秒、検体9で31.58秒、クエン酸ナトリウム水溶液の量の最も多い(最もヘマトクリット値の高い)検体10であっても32.74秒の値を示した。
0.035mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は、検体1で29.93秒、検体2で29.59秒、検体3で29.50秒、検体4で29.43秒、検体5で29.53秒、検体6で29.76秒、検体7で29.94秒、検体8で30.18秒、検体9で30.63秒、クエン酸ナトリウム水溶液の量の最も多い(最もヘマトクリット値の高い)検体10であっても31.07秒の値を示した。
0.040mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は、検体1で31.22秒、検体2で30.69秒、検体3で30.32秒、検体4で30.60秒、検体5で30.66秒、検体6で30.60秒、検体7で30.63秒、検体8で30.65秒、検体9で30.94秒、クエン酸ナトリウム水溶液の量の最も多い(最もヘマトクリット値の高い)検体10であっても31.07秒の値を示した。
このように0.030mol/L、0.035mol/L、0.040mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合では、全ての検体(検体1〜検体10)について正常値(23.9秒〜41.2秒)内に収まった。
つまり、0.030mol/L、0.035mol/L、0.040mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合では、ヘマトクリット値が高くなるよう作られた検体でも、APTT値が異常値を示さないよう適正な補正が行われていると言える結果が出た。この結果からは高ヘマトクリット状態の検体であっても本来異常のないものは、内因系凝固因子異常の疑いがあると診断されない。
なお、データとしては挙げていないが、各検体(検体1〜検体10)に、0.040mol/Lを超える塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合では、APTT値が異常値を示す傾向が見られた。つまり、0.040mol/Lを超える塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合では、ヘマトクリット値が高い検体についてはAPTT値の適正な補正をすることができなかった。
次に、比較例2、3及び実施例2について説明する。
比較例2、3及び実施例2では、高ヘマトクリット血症の同じ患者の血液から作った検体を使用した。
まず、比較例2で使用した検体について具体的に説明する。
(1)クエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を使用して、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合で混合されるよう採血する。
(2)クエン酸ナトリウム水溶液と混合された血液を遠心分離器にかけて血漿成分を含む検体を得る。検体は別途用意した試験管に50μL入れて、略37℃になるよう加温する。
(3)検体にAPTT試薬を加える。
こうして高ヘマトクリット状態の検体を作る。
[比較例2]
上記検体に従前通りの0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加して凝固時間(APTT値)を測定した。
−測定結果−
0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は、49.2秒と異常値を示した。
次に、比較例3で使用した検体について具体的に説明する。
比較例3で使用した検体は、患者の血液の状態に合わせてクエン酸ナトリウム水溶液の量が調整されたものである(例えば、NCCLSの標準法)。
(1)採血により血液のヘマトクリット値を測定して、計算により導き出した量のクエン酸ナトリウム水溶液をピペットで採血管に入れ、この採血管内に新たに採血した規定量の血液を入れて混ぜ合わせる。
(2)クエン酸ナトリウム水溶液と混合された血液を遠心分離器にかけて血漿成分を含む検体を得る。検体は別途用意した試験管に50μL入れて、略37℃になるよう加温する。
(3)検体にAPTT試薬を加える。
こうして高ヘマトクリット状態が是正された検体を作る。
[比較例3]
上記検体に従前通りの0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加して凝固時間(APTT値)を測定した。
−測定結果−
0.020mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は、33.6秒で正常値を示した。
この場合では、クエン酸ナトリウム水溶液の量を調整することで、適正な補正が行われているという結果が出た。この結果からは高ヘマトクリット状態の検体であっても本来異常のないものは、内因系凝固因子異常の疑いがあると診断されない。
実施例2では、比較例2で使用した検体と同じ高ヘマトクリット状態の検体を使用した。
[実施例2]
上記検体に、0.035mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加して凝固時間(APTT値)を測定した。
−測定結果−
0.035mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加した場合のAPTT値は35.6秒と正常値を示し、従来の方法で実施した比較例3の検査結果と略同等の検査結果が得られた。
このように高ヘマトクリット状態の検体でも、0.035mol/Lの塩化カルシウムを含む水溶液を添加することにより、APTT値が異常値を示さないよう適正な補正が行われていると言える結果が出た。つまり、この場合も高ヘマトクリット状態の検体であっても本来異常のないものは、内因系凝固因子異常の疑いがあるとは診断されない。
このように検体に対して0.030mol/L以上〜0.040mol/L以下の塩化カルシウム(カルシウムイオン供与体)を含む水溶液を添加して行うAPTTの検査方法によれば、クエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を使用して、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合で混合されるようにして作った検体を再検査の検体としても使うことができる。従って、従来行っていたようなクエン酸ナトリウム水溶液の量を患者の血液のヘマトクリット値に合わせて計算し、その量をピペットを使って調整することで再検査用の検体を作るといった作業をなくすことができ、検査の簡単化及び迅速化を図ることができる。
上記したように本発明による検査方法によれば、クエン酸ナトリウム水溶液の量を調整した検体を作る必要がないので、再検査にあたっても検体を作るための採血を不要にすることができる。これにより患者に与える精神的、肉体的負担を軽減することができる。
本発明による検査方法によれば、APTTの再検査も含めて、真空採血管を使うことができるので、取り扱い易く、また、衛生面の点においても好ましい。
本明細書で使用している用語と表現は、あくまでも説明上のものであって、なんら限定的なものではなく、本明細書に記述された特徴およびその一部と等価の用語や表現を除外する意図はない。また、本発明の技術思想の範囲内で、種々の変形態様が可能であるということは言うまでもない。
(a)本発明によるAPTTの検査方法によれば、クエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を使用して、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合で混合されるようにして作った検体を再検査の検体としても使うことができる。従って、従来行っていたようなクエン酸ナトリウム水溶液の量を患者の血液の状態に合わせて計算し、その量をピペットを使って調整することで再検査用の検体を作るといった作業をなくすことができ、検査の簡単化及び迅速化を図ることができる。
(b)本発明によるAPTTの検査方法によれば、クエン酸ナトリウム水溶液の量を調整した検体を作る必要がないので、再検査にあたっても検体を作るための採血を不要にすることができる。これにより患者に与える精神的、肉体的負担を軽減することができる。
(c)本発明によるAPTTの検査方法によれば、APTTの再検査も含めて、真空採血管を使うことができるので、取り扱い易く、また、衛生面の点においても好ましい。

Claims (1)

  1. 活性化部分トロンボプラスチン時間を計測すべく検体に対して0.020mol/Lのカルシウムイオン供与体を含む水溶液を添加し、そのときの凝固時間が基準値を超えて異常値を示した検体、特に高ヘマトクリット血症検体について行い、内因系の血液凝固異常があるかどうかを診断するための検査方法において、
    予めクエン酸ナトリウム水溶液が内部に入れてある真空採血管を用いて、クエン酸ナトリウム水溶液と血液が1:9の割合となるよう採血したもので血漿成分を含む検体を作り、当該検体に対して0.030mol/L以上〜0.040mol/L以下のカルシウムイオン供与体を含む水溶液を添加して凝固時間を測定することを特徴とする、
    活性化部分トロンボプラスチン時間の検査方法。
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