JPWO2006126461A1 - 通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法 - Google Patents
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Abstract
スループット劣化を抑制し、システム全体のスループット向上を図る通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法。移動端末(100)は、HSDPA通信中にMAC−hs resetが発生する回数をカウントし、単位時間当たりの発生回数によりMAC−hs reset頻度を測定するMAC−hs reset頻度測定部(104)と、測定されたMAC−hs reset発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部(105)に保存されている閾値とを比較するチャネル切替判定部(106)と、判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力するチャネル切替機能部(107)とを備え、MAC−hs reset発生頻度が閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替える。
Description
本発明は、通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法に関し、特にHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式を採用した通信システムに使用される通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法に関する。
従来、無線通信システムの分野において、個別チャネル(DPCH:Dedicated Physical Channel)を用いてある通信端末装置にパケット伝送を行う通信方式以外に、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置が共有し、下り回線で高速パケット伝送を行うHSDPAと呼ばれる通信方式が規格化されている。
このようなHSDPAシステムにおいて、基地局装置はCQI(Channel Quality Indicator:適応変調要求)と呼ばれる通信端末装置において復調可能なパケットデータの変調方式及び符号化率を示す信号を通信端末装置から送信してもらう。CQIを受信した基地局装置は、各通信端末装置から送られてきたCQIを用いてスケジューリングを行うと共に最適な変調方式及び符号化率等を選択する。そして、基地局装置は、選択した変調方式及び符号化率等を用いて送信データを変調及び符号化し、スケジューリング結果に基づいて各通信端末装置へデータを送信するものである。これにより、電波伝搬環境に応じて伝送レートを適応的に変えるため、HSDPAはDPCHと比較して、大容量のデータを基地局装置から通信端末装置へ送信することができる。
このHSDPAシステムにおいて、通信端末装置は、下り回線をHSDPAにて送信するか又はDPCHにて送信するかの判定結果を上位装置に送信する(例えば、非特許文献1)。すなわち、通信端末装置は、General capabilitiesにおいて、下り回線をHSDPAにて送信するか(REL−5)又はDPCHにて送信するか(R99又はREL−4)を選択し、選択した結果を基地局装置を介して上位装置に報告する。HSDPAはDPCHと比較して大容量のデータを送信することができ、システムのスループットも向上するので、一般的に通信端末装置はDPCHよりもHSDPAを選択する。
また、このHSDPAシステムにおいて、通信端末装置は、HS−DPCCH(Dedicated Physical Control Channel(uplink)for HS−DSCH)に、HS−PDSCH(High Speed Physical Downlink Shared Channel)と呼ばれる下りパケットを受信できたか否かを示すACK/NACK信号やCQI信号を乗せて送信する(例えば、非特許文献2)。この方法では、HS−DPCCHはDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)やDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)とコード多重して送信される。
図5は、HSDPAを適用する場合のユーザプレーンのプロトコル構成を示す図である。同図においては、移動局装置、基地局装置、及び基地局装置を統括する制御局装置に実装されるプロトコルが示されている。
図5に示すプロトコルのうち、RLC(Radio Link Control)は、非特許文献1に記載された選択再送型の再送制御プロトコルであり、移動局装置及び制御局装置に実装される。MAC−hs(Medium Access Control used for high speed:高速媒体接続階層)は、下りデータ転送のスケジューリングやHARQ(Hybrid−Automatic Repeat reQuest)による再送制御などの処理を行うプロトコルであり、移動局装置及び基地局装置に実装される。また、HS−DSCH FP(High Speed−Downlink Shared Channel Frame Protocol)は、基地局装置のMAC−hsと制御局装置のRLCとの間のフロー制御を行うプロトコルであり、基地局装置及び制御局装置に実装される。
下りの高速パケット伝送方式であるHSDPAは、複数のユーザが競合して使用する共通チャネルであり、個別チャネルとHSDPAチャネルとの切り替えはユーザのデータ量や通信回線の品質に応じて行われる。
HSDPAにおけるスループット劣化の要因の1つとして、MAC−hsのresetによるRLCの再送制御が考えられる。通常時、HSDPAではHARQによる再送制御が行われており、RLCの再送制御に比べて再送が早く、スループットを向上させている。しかし、移動機がセルを移行する際にはMAC−hsのresetが行われ、RLC再送制御が働くことがあり、スループット劣化の原因になる。しかしながら現状では、MAC−hs resetによるスループット劣化を反映したチャネル制御方式は考慮されていない。
また、その他の方式としては、例えば特許文献1では、HSDPA以外の共通チャネルと個別チャネルとの間におけるセル・セクタ間の移行回数による切り替え制御が検討されている。通信中にセル・セクタ間の移行が発生すると、共通チャネルでは一旦通信を停止し、移行先のセル・セクタで報知情報を取得した後、通信を再開するが、個別チャネルではハンドオーバの処理によって通信を維持したままセル・セクタ間を移行可能である。そのためこの方式では、共通チャネルで通信を行っている移動機においてセル・セクタ間の移行回数を測定し、ある閾値を越えた場合に個別チャネルに遷移させることによって、通信停止時間をなくしスループットを向上させることができる。
「3GPP,TS 25.306 V5.5.05.1」 「3GPP,TS 25.213 V5.3.04.2.1」 特開2004−172890号公報
「3GPP,TS 25.306 V5.5.05.1」 「3GPP,TS 25.213 V5.3.04.2.1」
このような従来の無線通信システムにあっては、ユーザのデータ量や通信回線の品質によるチャネル切り替えでは、移動速度などスループットが低下する他の要因には利用できない。
また、セル・セクタ間の移行回数による個別チャネルへの切り替え制御に関しては、HSDPAチャネルではセル・セクタ間移行時にはハンドオーバが行われるため、他の共通チャネルにおける報知情報の取得などによる通信停止時間が存在しない。このため、HSDPAチャネルから個別チャネルに切り替える意味はなく、セル・セクタ間の移行回数による切り替えには適応できない。
このため、頻繁にMAC−hsのresetが起こるような状況ではRLCでの再送によるスループット劣化が大きいという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、RLCでの再送によるスループット劣化を抑制し、システム全体のスループット向上を図ることができる通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法を提供することを目的とする。
本発明の通信端末装置は、HSDPAによりデータの伝送を行う手段と、DPCHによりデータの伝送を行う手段と、MAC−hs reset発生頻度を検出する検出手段と、検出された前記MAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAからDPCHに切り替える切替手段とを備える構成を採る。
本発明のネットワーク装置は、自セル内の通信端末装置に対してHSDPAによりデータの伝送を行う手段と、前記通信端末装置に対してDPCHによりデータの伝送を行う手段と、前記通信端末装置のMAC−hs reset発生頻度を検出する検出手段と、検出された前記MAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きい通信端末装置に対して、該通信端末装置のデータ伝送をHSDPAからDPCHに切り替える切替手段とを備える構成を採る。
本発明の通信方法は、HSDPA通信中にMAC−hs reset発生頻度を検出するステップと、検出されたMAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAからDPCHに切り替えるステップとを有する。
本発明によれば、スループット劣化を抑制し、システム全体の受信効率及びスループット向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1は、移動端末がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1は、移動端末がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図1において、移動通信システムは、複数の移動端末(UE:User Equipment)100と、移動端末100と無線通信を行う複数の無線基地局装置(以下、Node−Bと記載する)200と、Node−B200を制御する無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)300とを備えて構成される。
本移動通信システムにHSDPAを適用する場合、UE100がNode−B200間を移行する際にはハンドオーバ(Hand Over)が行われる。
図2は、上記移動端末100の構成を示すブロック図である。
図2において、移動端末100は、アンテナ101、RF部102、信号処理部103、MAC−hs reset頻度測定部104、チャネル切替閾値情報記憶部105、チャネル切替判定部106、及びチャネル切替機能部107を備えて構成される。
RF部102は、アンテナ101を介して受信した信号に対してダウンコンバート,A/D変換などの無線受信処理を施し、信号処理部103に出力する。また、信号処理部103から入力された信号に対してアップコンバートなどの所定の無線送信処理を施し、アンテナ101を介して送信する。
信号処理部103は、RF部102から入力された信号を復調するとともに、チャネル切替機能部107からの送信データに対して指定された変調方式で変調処理を行う。
MAC−hs reset頻度測定部104は、HSDPA通信中にMAC−hs resetが発生する回数をカウントし、単位時間当たりの発生回数によりMAC−hs reset頻度を測定する。MAC−hs resetは、自機がHSDPAサービングセルの境界(セルエッジ)に位置する場合や受信品質が悪い場合などに発生回数が増加する。
チャネル切替閾値情報記憶部105は、あらかじめ実験等により算出されたチャネル切り替えの閾値を保存する。
チャネル切替判定部106は、測定されたMAC−hs reset発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部105に保存されている閾値とを比較する。
チャネル切替機能部107は、判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力する。
以下、上述のように構成された移動通信システムの動作について説明する。
図3は、セル・セクタ間移行時のMAC−hs reset発生を説明する図である。
図3において、NodeB#1及びNode#2は、上記移動端末100と無線通信を行う基地局装置(以下、基地局という)であり、HSDPAサービスを提供するセル(HSDPAサービングセル)400を有する。
移動端末100が、NodeB#1からNodeB#2へ移動する際にエリアA1においてセクタ間移行が発生し、エリアA2においてセル間移行が発生する。A1のセクタ間移行においては、NodeBが変化しないため、MAC−hs resetは発生しない。A2のセル間移行においては、NodeBが、NodeB#1からNodeB#2に移行するため、MAC−hs resetが発生し、RLCの再送制御が働き、スループットの低下の要因となる。個別チャネルを用いて通信を行っている際にセル・セクタ間移行が発生した場合には、ソフトハンドオーバ(SHO)の処理により、通信が途切れることなく移行が行われる。
移動端末100は、あらかじめMAC−hs reset発生頻度によるチャネル切り替えの閾値を、チャネル切替閾値情報記憶部105に保存しておく。このチャネル切り替えの閾値は、あらかじめシミュレーション等により適当な値が設定されている。なお、上記閾値の設定レベルが高すぎるとチャネル切り替えが行われ難く本制御の実効が図れない。逆に、上記閾値の設定レベルが低すぎるとHSDPAから個別チャネル(DPCH)への切り替えが簡単に行われてしまい移動端末100がHSDPAサービスを受け難くなる。ここで、複数の閾値をチャネル切替閾値情報記憶部105に保存し、ユーザによるモード設定やRNCからの指示などにより任意の閾値を動的に選択して使用する態様でもよい。
ところで、従来はセル・セクタ間の移行回数により共通チャネルから個別チャネルへの切り替えを行っていた。本実施の形態では、従来例のようにセル・セクタ間の移行回数に基づいて共通チャネルから個別チャネルへの切り替えるのではなく、HSDPAの仕様に着目し、MAC−hs reset発生の頻度に基づいてHSDPAチャネルから個別チャネルへ切り替えを行うことを特徴とする。すなわち、HSDPAにおいては、セクタ間移行時にはハンドオーバがなくMAC−hs resetは発生しないが、セル間移行時にハンドオーバが行われてMAC−hs resetは発生する。また、HSDPAでは、MAC−hs reset発生時には所定のフラグを立てることが規定されており、このフラグが立てられた回数をカウントするだけでよい。なお、セル間においてもバッファを共有することができれば、セル間移行時にMAC−hs resetは発生することはなくなるが、セル毎に持っているバッファを移し替える処理はデータ量が多く負担が大きいので現在行われていない。
信号処理部103による信号処理結果は、MAC−hs reset頻度測定部104に入力され、MAC−hs reset頻度測定部104は、フラグをチェックしてHSDPA通信中のセル移行に伴うMAC−hs reset発生を測定し、測定した発生頻度をチャネル切替判定部106に出力する。チャネル切替判定部106では、入力された発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部105に保存されている閾値とを比較し、発生頻度が閾値を超えているときはHSDPAチャネルから個別チャネルへの切り替えが必要であると判定する。
チャネル切替機能部107は、前記判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力する。このチャネル切替要求は、信号処理部103及びRF部102を介してネットワークに通知される。ネットワーク側では、このチャネル切替要求を受け取ると、チャネル切替要求を送信した移動端末100を、HSDPAチャネルから個別チャネルへ切り替える制御を行う。具体的には、ネットワークでは移動端末100から送信されたチャネル切替要求を受けて、HSDPAチャネルから個別チャネル通信方式に切り替える決定を行い、Node B200に出力する。個別チャネル(DPCH)は、HSDPAチャネル以外のチャネルであればどのようなチャネルでも良い。
このように、実施の形態1によれば、MAC−hs reset発生頻度が閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えるので、自機がセルエッジ近辺にあってセル間移動が頻繁に行われる場合や伝播環境の変動が比較的激しい場合など、MAC−hsのresetが頻繁に発生するような状況では、HSDPAチャネルが個別チャネルに自動的に切り替えられる。自機が個別チャネルに切り替わることで、その分他の移動端末にHSDPAチャネルを割り当てる余裕度が拡大し、システム全体の受信効率とスループットを向上させることができる。HSDPAは下り回線で高速通信を行うものであるが、実は高速大容量な下りチャネルを用いて通信端末の数を多くとることに真意がある。この観点からもMAC−hs resetが頻度に発生するような環境にある移動端末は、個別チャネルに降りることで他の移動端末に割当てるHSDPAチャネルを増やし、結果的にシステム全体のスループットを向上させることができる。
また、MAC−hs resetが頻繁に発生するときには、HSDPAチャネルでデータ伝送を行ってもDPCHチャネルでデータ伝送を行っても再送制御が必要となるためそれ程差異は生じない。むしろ、HSDPAチャネルにとどまり続けることで、MAC−hs resetとそれに伴うバッファへの再書き込み動作により無駄な電力消費が増える可能性があるが、これを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、移動局装置の構成を変更するのみで個別チャネルへの切替制御を実現することができ、基地局装置及び制御局装置など既存の無線通信システムに変更を加える必要がない。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。図2と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。実施の形態2は、ネットワーク側にあるチャネル切替装置がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。図2と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。実施の形態2は、ネットワーク側にあるチャネル切替装置がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図4において、チャネル切替装置500は、ネットワークに接続されるRNC機能部501、複数の移動端末600と無線通信を行う基地局機能部502、チャネル切替閾値情報記憶部503、チャネル切替判定部504、及びチャネル切替機能部505を備えて構成される。
RNC機能部501は、基地局機能部502と接続されており、基地局機能部502に対して、発着信接続の制御、終話制御、ハンドオーバ制御などを行う。
基地局機能部502は、上位レイヤであるRNC機能部501から送信データを渡され、スケジューリングを行い、スケジューリングの結果に従って送信データを移動端末600に無線送信する。また、基地局機能部502は、自セル内の移動端末600の中から送信可能な移動局と伝送レート(例えば、符号化率、変調方式、拡散率、送信電力など)を決定し、割り当てを行う。
チャネル切替閾値情報記憶部503は、あらかじめ実験等により算出されたチャネル切り替えの閾値を保存する。
チャネル切替判定部504は、測定されたMAC−hs reset発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部503に保存されている閾値とを比較する。
チャネル切替機能部505は、判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力する。
以下、上述のように構成された移動通信システムの動作について説明する。
基地局機能部502に接続された各移動端末600は、HSDPA通信中のセル移行に伴うMAC−hs reset発生には所定のフラグを立てることが規定されている。このフラグを立てた移動端末600は、あらかじめ設定した適当なタイミングで基地局機能部502にこのフラグ情報を送信する。各移動端末600から基地局機能部502に伝送されたMAC−hs reset発生のフラグ情報は、RNC機能部501に渡される。
一方、チャネル切替装置500は、あらかじめMAC−hs reset発生頻度によるチャネル切り替えの閾値を、チャネル切り替え閾値情報記憶部503に保存しておく。
RNC機能部501は、基地局機能部502に接続された各移動端末600から伝送されたMAC−hs reset発生を示すフラグ情報をチャネル切替判定部504に出力する。チャネル切替判定部504では、各移動端末600から伝送されたMAC−hs reset発生を示すフラグの回数をカウントし、そのカウントから発生頻度を算出し、算出した発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部503に保存されている閾値とを比較し、発生頻度が閾値を超えている移動端末600についてはHSDPAチャネルから個別チャネルへの切り替えが必要であると判定する。
チャネル切替機能部505は、前記判定結果に従って発生頻度が閾値を超えている移動端末600に対して、HSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を基地局機能部502を通して通知する。該当する移動端末600が、このチャネル切替要求を受け取ると、チャネル切替機能部601によりHSDPAチャネルから個別チャネルへ切り替える。個別チャネル(DPCH)は、HSDPAチャネル以外のチャネルであればどのようなチャネルでも良い。
このように、実施の形態2によれば、チャネル切替装置500が、各移動端末600のMAC−hs reset発生状態を把握し、MAC−hs reset発生頻度が閾値より大きい移動端末600に対してチャネル切替要求を通知し、該当する移動端末600は、チャネル切替機能部601によりHSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えるので、MAC−hsのresetが頻繁に発生する移動端末をHSDPAチャネルから個別チャネルに切り替えることができ、個別チャネルに切り替えることで他の移動端末にHSDPAチャネルを割り当てる余裕度を拡大し、システム全体の受信効率とスループットを向上させることができる。
また、実施の形態2では、ネットワーク側で上記個別チャネル切替制御を行うので、システム全体のHSDPA使用状況に基づいて個別の移動端末に対してより適切な個別チャネル切替制御を行うことができる。例えば、システム全体でHSDPAチャネルに比較的余裕があるときなど、このままHSDPAで送信することがシステムとして好適であると判断した場合は、HSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替える閾値を下げることにより個別チャネルへの切り替わりを減少させる。あるいは、HSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えない。逆に、システム全体でHSDPAチャネルに比較的余裕がないときは、前記閾値を上げ個別チャネルへ切り替わりやすくするなどの適応制御が可能になる。また、実施の形態2では、ネットワーク側の構成を変更するのみで個別チャネルへの切替制御を実現することができ、移動端末の構成要素の変更は最小限で済む効果がある。
なお、実施の形態2では、MAC−hs reset発生時に立てるフラグを移動端末600からネットワーク側に送信し、発生頻度の計算はネットワーク側で行う態様を示したが、実施の形態1のように移動端末600側で発生頻度を計算し、計算した発生頻度情報をネットワーク側に送ることも可能である。このようにすればネットワーク側の処理負荷が軽減される効果がある。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、DPCHチャネルからHSDPAチャネルに変更する手段はどのようなものでもよい。
また、HSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えることとしたが、これに限らず、HSDPAチャネルをHSDPA以外の通信方式に切り替えるものであればDPCHチャネルに限定されない。
また、上記各実施の形態では、端末装置、チャネル切替装置及び移動通信システムという名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、通信端末装置、基地局装置、無線送信装置、パケット通信方法等でもよいことは勿論である。
また、上記移動端末及びチャネル切替装置を構成する各回路部の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。
また、以上説明した通信方法は、この通信方法を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
本明細書は、2005年5月23日出願の特願2005−150014に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係る通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法は、システム全体のスループット低下を抑制する効果を有し、特に無線回線を介してパケットを高速に通信するHSDPA方式を適用した無線通信システムにおいて有用である。
本発明は、通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法に関し、特にHSDPA(High Speed Downlink Packet Access)方式を採用した通信システムに使用される通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法に関する。
従来、無線通信システムの分野において、個別チャネル(DPCH:Dedicated Physical Channel)を用いてある通信端末装置にパケット伝送を行う通信方式以外に、高速大容量な下りチャネルを複数の通信端末装置が共有し、下り回線で高速パケット伝送を行うHSDPAと呼ばれる通信方式が規格化されている。
このようなHSDPAシステムにおいて、基地局装置はCQI(Channel Quality Indicator:適応変調要求)と呼ばれる通信端末装置において復調可能なパケットデータの変調方式及び符号化率を示す信号を通信端末装置から送信してもらう。CQIを受信した基地局装置は、各通信端末装置から送られてきたCQIを用いてスケジューリングを行うと共に最適な変調方式及び符号化率等を選択する。そして、基地局装置は、選択した変調方式及び符号化率等を用いて送信データを変調及び符号化し、スケジューリング結果に基づいて各通信端末装置へデータを送信するものである。これにより、電波伝搬環境に応じて伝送レートを適応的に変えるため、HSDPAはDPCHと比較して、大容量のデータを基地局装置から通信端末装置へ送信することができる。
このHSDPAシステムにおいて、通信端末装置は、下り回線をHSDPAにて送信するか又はDPCHにて送信するかの判定結果を上位装置に送信する(例えば、非特許文献1)。すなわち、通信端末装置は、General capabilitiesにおいて、下り回線をHSDPAにて送信するか(REL−5)又はDPCHにて送信するか(R99又はREL−4)を選択し、選択した結果を基地局装置を介して上位装置に報告する。HSDPAはDPCHと比較して大容量のデータを送信することができ、システムのスループットも向上するので、一般的に通信端末装置はDPCHよりもHSDPAを選択する。
また、このHSDPAシステムにおいて、通信端末装置は、HS−DPCCH(Dedicated Physical Control Channel(uplink) for HS-DSCH)に、HS−PDSCH(High Speed Physical Downlink Shared Channel)と呼ばれる下りパケットを受信できたか否かを示すACK/NACK信号やCQI信号を乗せて送信する(例えば、非特許文献2)。この方法では、HS−DPCCHはDPCCH(Dedicated Physical Control Channel)やDPDCH(Dedicated Physical Data Channel)とコード多重して送信される。
図5は、HSDPAを適用する場合のユーザプレーンのプロトコル構成を示す図である。同図においては、移動局装置、基地局装置、及び基地局装置を統括する制御局装置に実装されるプロトコルが示されている。
図5に示すプロトコルのうち、RLC(Radio Link Control)は、非特許文献1に記載された選択再送型の再送制御プロトコルであり、移動局装置及び制御局装置に実装される。MAC−hs(Medium Access Control used for high speed:高速媒体接続階層)は、下りデータ転送のスケジューリングやHARQ(Hybrid-Automatic Repeat reQuest)による再送制御などの処理を行うプロトコルであり、移動局装置及び基地局装置に実装される。また、HS−DSCH FP(High Speed-Downlink Shared Channel Frame Proto
col)は、基地局装置のMAC−hsと制御局装置のRLCとの間のフロー制御を行うプロトコルであり、基地局装置及び制御局装置に実装される。
col)は、基地局装置のMAC−hsと制御局装置のRLCとの間のフロー制御を行うプロトコルであり、基地局装置及び制御局装置に実装される。
下りの高速パケット伝送方式であるHSDPAは、複数のユーザが競合して使用する共通チャネルであり、個別チャネルとHSDPAチャネルとの切り替えはユーザのデータ量や通信回線の品質に応じて行われる。
HSDPAにおけるスループット劣化の要因の1つとして、MAC−hsのresetによるRLCの再送制御が考えられる。通常時、HSDPAではHARQによる再送制御が行われており、RLCの再送制御に比べて再送が早く、スループットを向上させている。しかし、移動機がセルを移行する際にはMAC−hsのresetが行われ、RLC再送制御が働くことがあり、スループット劣化の原因になる。しかしながら現状では、MAC−hs resetによるスループット劣化を反映したチャネル制御方式は考慮されていない。
また、その他の方式としては、例えば特許文献1では、HSDPA以外の共通チャネルと個別チャネルとの間におけるセル・セクタ間の移行回数による切り替え制御が検討されている。通信中にセル・セクタ間の移行が発生すると、共通チャネルでは一旦通信を停止し、移行先のセル・セクタで報知情報を取得した後、通信を再開するが、個別チャネルではハンドオーバの処理によって通信を維持したままセル・セクタ間を移行可能である。そのためこの方式では、共通チャネルで通信を行っている移動機においてセル・セクタ間の移行回数を測定し、ある閾値を越えた場合に個別チャネルに遷移させることによって、通信停止時間をなくしスループットを向上させることができる。
「3GPP, TS 25.306 V5.5.0 5.1」 「3GPP, TS 25.213 V5.3.0 4.2.1」 特開2004−172890号公報
「3GPP, TS 25.306 V5.5.0 5.1」 「3GPP, TS 25.213 V5.3.0 4.2.1」
このような従来の無線通信システムにあっては、ユーザのデータ量や通信回線の品質によるチャネル切り替えでは、移動速度などスループットが低下する他の要因には利用できない。
また、セル・セクタ間の移行回数による個別チャネルへの切り替え制御に関しては、HSDPAチャネルではセル・セクタ間移行時にはハンドオーバが行われるため、他の共通チャネルにおける報知情報の取得などによる通信停止時間が存在しない。このため、HSDPAチャネルから個別チャネルに切り替える意味はなく、セル・セクタ間の移行回数による切り替えには適応できない。
このため、頻繁にMAC−hsのresetが起こるような状況ではRLCでの再送によるスループット劣化が大きいという問題がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、RLCでの再送によるスループット劣化を抑制し、システム全体のスループット向上を図ることができる通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法を提供することを目的とする。
本発明の通信端末装置は、HSDPAによりデータの伝送を行う手段と、DPCHによりデータの伝送を行う手段と、MAC−hs reset発生頻度を検出する検出手段と、検出された前記MAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAからDPCHに切り替える切替手段とを備える構成を採る。
本発明のネットワーク装置は、自セル内の通信端末装置に対してHSDPAによりデータの伝送を行う手段と、前記通信端末装置に対してDPCHによりデータの伝送を行う手段と、前記通信端末装置のMAC−hs reset発生頻度を検出する検出手段と、検出された前記MAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きい通信端末装置に対して、該通信端末装置のデータ伝送をHSDPAからDPCHに切り替える切替手段とを備える構成を採る。
本発明の通信方法は、HSDPA通信中にMAC−hs reset発生頻度を検出するステップと、検出されたMAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAからDPCHに切り替えるステップとを有する。
本発明によれば、スループット劣化を抑制し、システム全体の受信効率及びスループット向上を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1は、移動端末がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図1は、本発明の実施の形態1に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。実施の形態1は、移動端末がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図1において、移動通信システムは、複数の移動端末(UE:User Equipment)100と、移動端末100と無線通信を行う複数の無線基地局装置(以下、Node−Bと記載する)200と、Node−B200を制御する無線ネットワーク制御装置(RNC:Radio Network Controller)300とを備えて構成される。
本移動通信システムにHSDPAを適用する場合、UE100がNode−B200間を移行する際にはハンドオーバ(Hand Over)が行われる。
図2は、上記移動端末100の構成を示すブロック図である。
図2において、移動端末100は、アンテナ101、RF部102、信号処理部103、MAC−hs reset頻度測定部104、チャネル切替閾値情報記憶部105、チャネル切替判定部106、及びチャネル切替機能部107を備えて構成される。
RF部102は、アンテナ101を介して受信した信号に対してダウンコンバート,A/D変換などの無線受信処理を施し、信号処理部103に出力する。また、信号処理部103から入力された信号に対してアップコンバートなどの所定の無線送信処理を施し、アンテナ101を介して送信する。
信号処理部103は、RF部102から入力された信号を復調するとともに、チャネル切替機能部107からの送信データに対して指定された変調方式で変調処理を行う。
MAC−hs reset頻度測定部104は、HSDPA通信中にMAC−hs resetが発生する回数をカウントし、単位時間当たりの発生回数によりMAC−hs reset頻度を測定する。MAC−hs resetは、自機がHSDPAサービングセルの境界(セルエッジ)に位置する場合や受信品質が悪い場合などに発生回数が増加する。
チャネル切替閾値情報記憶部105は、あらかじめ実験等により算出されたチャネル切り替えの閾値を保存する。
チャネル切替判定部106は、測定されたMAC−hs reset発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部105に保存されている閾値とを比較する。
チャネル切替機能部107は、判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力する。
以下、上述のように構成された移動通信システムの動作について説明する。
図3は、セル・セクタ間移行時のMAC−hs reset発生を説明する図である。
図3において、Node B#1及びNode #2は、上記移動端末100と無線通信を行う基地局装置(以下、基地局という)であり、HSDPAサービスを提供するセル(HSDPAサービングセル)400を有する。
移動端末100が、NodeB #1からNodeB #2へ移動する際にエリアA1においてセクタ間移行が発生し、エリアA2においてセル間移行が発生する。A1のセクタ間移行においては、Node Bが変化しないため、MAC−hs resetは発生しない。A2のセル間移行においては、Node Bが、NodeB #1からNodeB #2に移行するため、MAC−hs resetが発生し、RLCの再送制御が働き、スループットの低下の要因となる。個別チャネルを用いて通信を行っている際にセル・セクタ間移行が発生した場合には、ソフトハンドオーバ(SHO)の処理により、通信が途切れることなく移行が行われる。
移動端末100は、あらかじめMAC−hs reset発生頻度によるチャネル切り替えの閾値を、チャネル切替閾値情報記憶部105に保存しておく。このチャネル切り替えの閾値は、あらかじめシミュレーション等により適当な値が設定されている。なお、上記閾値の設定レベルが高すぎるとチャネル切り替えが行われ難く本制御の実効が図れない。逆に、上記閾値の設定レベルが低すぎるとHSDPAから個別チャネル(DPCH)への切り替えが簡単に行われてしまい移動端末100がHSDPAサービスを受け難くなる。ここで、複数の閾値をチャネル切替閾値情報記憶部105に保存し、ユーザによるモード設定やRNCからの指示などにより任意の閾値を動的に選択して使用する態様でもよい。
ところで、従来はセル・セクタ間の移行回数により共通チャネルから個別チャネルへの切り替えを行っていた。本実施の形態では、従来例のようにセル・セクタ間の移行回数に基づいて共通チャネルから個別チャネルへの切り替えるのではなく、HSDPAの仕様に着目し、MAC−hs reset発生の頻度に基づいてHSDPAチャネルから個別チャネルへ切り替えを行うことを特徴とする。すなわち、HSDPAにおいては、セクタ間移行時にはハンドオーバがなくMAC−hs resetは発生しないが、セル間移行時にハンドオーバが行われてMAC−hs resetは発生する。また、HSDPAでは、MAC−hs reset発生時には所定のフラグを立てることが規定されており、このフラグが立てられた回数をカウントするだけでよい。なお、セル間においてもバッファを共有することができれば、セル間移行時にMAC−hs resetは発生することはなくなるが、セル毎に持っているバッファを移し替える処理はデータ量が多く負担が大きいので現在行われていない。
信号処理部103による信号処理結果は、MAC−hs reset頻度測定部104に入力され、MAC−hs reset頻度測定部104は、フラグをチェックしてHSDPA通信中のセル移行に伴うMAC−hs reset発生を測定し、測定した発生頻度をチャネル切替判定部106に出力する。チャネル切替判定部106では、入力された発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部105に保存されている閾値とを比較し、発生頻度が閾値を超えているときはHSDPAチャネルから個別チャネルへの切り替えが必要であると判定する。
チャネル切替機能部107は、前記判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力する。このチャネル切替要求は、信号処理部103及びRF部102を介してネットワークに通知される。ネットワーク側では、このチャネル切替要求を受け取ると、チャネル切替要求を送信した移動端末100を、HSDPAチャネルから個別チャネルへ切り替える制御を行う。具体的には、ネットワークでは移動端末100から送信されたチャネル切替要求を受けて、HSDPAチャネルから個別チャネル通信方式に切り替える決定を行い、Node B200に出力する。個別チャネル(DPCH)は、HSDPAチャネル以外のチャネルであればどのようなチャネルでも良い。
このように、実施の形態1によれば、MAC−hs reset発生頻度が閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えるので、自機がセルエッジ近辺にあってセル間移動が頻繁に行われる場合や伝播環境の変動が比較的激しい場合など、MAC−hsのresetが頻繁に発生するような状況では、HSDPAチャネルが個別チャネルに自動的に切り替えられる。自機が個別チャネルに切り替わることで、その分他の移動端末にHSDPAチャネルを割り当てる余裕度が拡大し、システム全体の受信効率とスループットを向上させることができる。HSDPAは下り回線で高速通信を行うものであるが、実は高速大容量な下りチャネルを用いて通信端末の数を多くとることに真意がある。この観点からもMAC−hs resetが頻度に発生するような環境にある移動端末は、個別チャネルに降りることで他の移動端末に割当てるHSDPAチャネルを増やし、結果的にシステム全体のスループットを向上させることができる。
また、MAC−hs resetが頻繁に発生するときには、HSDPAチャネルでデータ伝送を行ってもDPCHチャネルでデータ伝送を行っても再送制御が必要となるためそれ程差異は生じない。むしろ、HSDPAチャネルにとどまり続けることで、MAC−hs resetとそれに伴うバッファへの再書き込み動作により無駄な電力消費が増える可能性があるが、これを防止することができる。
また、本実施の形態によれば、移動局装置の構成を変更するのみで個別チャネルへの切
替制御を実現することができ、基地局装置及び制御局装置など既存の無線通信システムに変更を加える必要がない。
替制御を実現することができ、基地局装置及び制御局装置など既存の無線通信システムに変更を加える必要がない。
(実施の形態2)
図4は、本発明の実施の形態2に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。図2と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。実施の形態2は、ネットワーク側にあるチャネル切替装置がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図4は、本発明の実施の形態2に係る移動通信システムの構成を示すブロック図である。図2と同一構成部分には同一符号を付して重複箇所の説明を省略する。実施の形態2は、ネットワーク側にあるチャネル切替装置がMAC−hs resetの発生頻度の測定機能を持つ例である。
図4において、チャネル切替装置500は、ネットワークに接続されるRNC機能部501、複数の移動端末600と無線通信を行う基地局機能部502、チャネル切替閾値情報記憶部503、チャネル切替判定部504、及びチャネル切替機能部505を備えて構成される。
RNC機能部501は、基地局機能部502と接続されており、基地局機能部502に対して、発着信接続の制御、終話制御、ハンドオーバ制御などを行う。
基地局機能部502は、上位レイヤであるRNC機能部501から送信データを渡され、スケジューリングを行い、スケジューリングの結果に従って送信データを移動端末600に無線送信する。また、基地局機能部502は、自セル内の移動端末600の中から送信可能な移動局と伝送レート(例えば、符号化率、変調方式、拡散率、送信電力など)を決定し、割り当てを行う。
チャネル切替閾値情報記憶部503は、あらかじめ実験等により算出されたチャネル切り替えの閾値を保存する。
チャネル切替判定部504は、測定されたMAC−hs reset発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部503に保存されている閾値とを比較する。
チャネル切替機能部505は、判定結果に従ってHSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を出力する。
以下、上述のように構成された移動通信システムの動作について説明する。
基地局機能部502に接続された各移動端末600は、HSDPA通信中のセル移行に伴うMAC−hs reset発生には所定のフラグを立てることが規定されている。このフラグを立てた移動端末600は、あらかじめ設定した適当なタイミングで基地局機能部502にこのフラグ情報を送信する。各移動端末600から基地局機能部502に伝送されたMAC−hs reset発生のフラグ情報は、RNC機能部501に渡される。
一方、チャネル切替装置500は、あらかじめMAC−hs reset発生頻度によるチャネル切り替えの閾値を、チャネル切り替え閾値情報記憶部503に保存しておく。
RNC機能部501は、基地局機能部502に接続された各移動端末600から伝送されたMAC−hs reset発生を示すフラグ情報をチャネル切替判定部504に出力する。チャネル切替判定部504では、各移動端末600から伝送されたMAC−hs reset発生を示すフラグの回数をカウントし、そのカウントから発生頻度を算出し、算出した発生頻度とチャネル切替閾値情報記憶部503に保存されている閾値とを比較し、発生頻度が閾値を超えている移動端末600についてはHSDPAチャネルから個別チャネルへの切り替えが必要であると判定する。
チャネル切替機能部505は、前記判定結果に従って発生頻度が閾値を超えている移動端末600に対して、HSDPAチャネルから個別チャネル(DPCH)へ切り替えるための切替要求を基地局機能部502を通して通知する。該当する移動端末600が、このチャネル切替要求を受け取ると、チャネル切替機能部601によりHSDPAチャネルから個別チャネルへ切り替える。個別チャネル(DPCH)は、HSDPAチャネル以外のチャネルであればどのようなチャネルでも良い。
このように、実施の形態2によれば、チャネル切替装置500が、各移動端末600のMAC−hs reset発生状態を把握し、MAC−hs reset発生頻度が閾値より大きい移動端末600に対してチャネル切替要求を通知し、該当する移動端末600は、チャネル切替機能部601によりHSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えるので、MAC−hsのresetが頻繁に発生する移動端末をHSDPAチャネルから個別チャネルに切り替えることができ、個別チャネルに切り替えることで他の移動端末にHSDPAチャネルを割り当てる余裕度を拡大し、システム全体の受信効率とスループットを向上させることができる。
また、実施の形態2では、ネットワーク側で上記個別チャネル切替制御を行うので、システム全体のHSDPA使用状況に基づいて個別の移動端末に対してより適切な個別チャネル切替制御を行うことができる。例えば、システム全体でHSDPAチャネルに比較的余裕があるときなど、このままHSDPAで送信することがシステムとして好適であると判断した場合は、HSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替える閾値を下げることにより個別チャネルへの切り替わりを減少させる。あるいは、HSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えない。逆に、システム全体でHSDPAチャネルに比較的余裕がないときは、前記閾値を上げ個別チャネルへ切り替わりやすくするなどの適応制御が可能になる。また、実施の形態2では、ネットワーク側の構成を変更するのみで個別チャネルへの切替制御を実現することができ、移動端末の構成要素の変更は最小限で済む効果がある。
なお、実施の形態2では、MAC−hs reset発生時に立てるフラグを移動端末600からネットワーク側に送信し、発生頻度の計算はネットワーク側で行う態様を示したが、実施の形態1のように移動端末600側で発生頻度を計算し、計算した発生頻度情報をネットワーク側に送ることも可能である。このようにすればネットワーク側の処理負荷が軽減される効果がある。
以上の説明は本発明の好適な実施の形態の例証であり、本発明の範囲はこれに限定されることはない。例えば、DPCHチャネルからHSDPAチャネルに変更する手段はどのようなものでもよい。
また、HSDPAチャネルからDPCHチャネルに切り替えることとしたが、これに限らず、HSDPAチャネルをHSDPA以外の通信方式に切り替えるものであればDPCHチャネルに限定されない。
また、上記各実施の形態では、端末装置、チャネル切替装置及び移動通信システムという名称を用いたが、これは説明の便宜上であり、通信端末装置、基地局装置、無線送信装置、パケット通信方法等でもよいことは勿論である。
また、上記移動端末及びチャネル切替装置を構成する各回路部の種類、数及び接続方法などは前述した実施の形態に限られない。
また、以上説明した通信方法は、この通信方法を機能させるためのプログラムでも実現される。このプログラムはコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納されている。
本明細書は、2005年5月23日出願の特願2005−150014に基づく。この内容はすべてここに含めておく。
本発明に係る通信端末装置、ネットワーク装置及び通信方法は、システム全体のスループット低下を抑制する効果を有し、特に無線回線を介してパケットを高速に通信するHSDPA方式を適用した無線通信システムにおいて有用である。
Claims (3)
- HSDPAによりデータの伝送を行う手段と、
DPCHによりデータの伝送を行う手段と、
MAC−hs reset発生頻度を検出する検出手段と、
検出された前記MAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAからDPCHに切り替える切替手段と
を備える通信端末装置。 - 自セル内の通信端末装置に対してHSDPAによりデータの伝送を行う手段と、
前記通信端末装置に対してDPCHによりデータの伝送を行う手段と、
前記通信端末装置のMAC−hs reset発生頻度を検出する検出手段と、
検出された前記MAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きい通信端末装置に対して、該通信端末装置のデータ伝送をHSDPAからDPCHに切り替える切替手段と
を備えるネットワーク装置。 - HSDPA通信中にMAC−hs reset発生頻度を検出するステップと、
検出されたMAC−hs reset発生頻度が所定の閾値より大きいとき、データ伝送をHSDPAからDPCHに切り替えるステップと
を有する通信方法。
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