JPWO2006121109A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

インク貯留室の容積を有効に活用して圧力変化を効率よく緩和し、かつインク貯留室内で成長した気泡がインクジェットヘッドへ流れ込むのを少なくする。また、複数のインク貯留室を小さなスペースで配置することができるインクジェット記録装置を実現することを目的とする。2つのインクケースが積層して配置され、各インクケースの両面にそれぞれ各インク色のためのインク貯留室が形成され、各インク貯留室の開放面は可撓性フィルムで覆われている。そのうち、イエローインク貯留室41内には、イエローインクを導入するイエローインク入口41bと、イエローインクをインクジェットヘッドと連通するイエローインク導出路63Yへ供給するインク出口41cとが、インクが流れる大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。

Description

この発明は、インクをノズルから被記録媒体へ吐出して記録を行うインクジェット記録装置に関する。
従来より、インクタンクをキャリッジ上のインクジェットヘッドと別に設置し、インクタンクからチューブを介してインクジェットヘッドへインクを供給するインクジェット記録装置が知られている。
この種のインクジェット記録装置では、キャリッジの移動に伴って加速度が生じ、インクの供給経路に圧力変化が発生する。この圧力が直接インクジェットヘッドのノズルに伝わると、インク液滴の性状が変化し、ドット抜けなどの印字不良が発生することがある。そこで、この対策として、特許文献1に示すように、インクジェットヘッドの上部に圧力変化を緩和するダンパ機構を有するインク貯留室を設け、キャリッジの移動に伴う加速度の影響を小さくする方法が採用されている。
特許文献1に記載の構成では、インクタンクからチューブを介して供給されたインクは、ダンパフレーム内の楕円形状の圧力吸収室(インク貯留室)に、下側から接線方向に接続された流路から流入し、その圧力吸収室の下部に形成された流出口からインクジェットヘッドへ流れる。圧力吸収室(インク貯留室)の一つの側面は、可撓性のフィルム材で構成されている。
特許第3520658号公報
チューブから供給されるインクの圧力変化を緩和するためには、圧力吸収室(インク貯留室)への流入口と、同室からの流出口とができるだけ離れていることが好ましい。一方、圧力吸収室内で成長したインク中の気泡がインクジェットヘッドに流入すると、インクの不吐出などの問題が発生するため、インク中に溶存する空気が気泡に成長する前に、インクは流入口から流出口へ速やかに流れることが好ましい。
また、多色インクなど複数種類のインクを用いる場合、ダンパ機構もインクの種類毎に必要となり、各ダンパ機構の配置、およびダンパ機構とインクジェットヘッドとの接続構造などが、複雑で大きくなる問題がある。
そこで本発明は、インク貯留室の容積を有効に活用して圧力変化を効率よく緩和し、かつインク貯留室内で成長した気泡がインクジェットヘッドへ流れ込むことの少ないインクジェット記録装置を実現することと、複数のインク貯留室を備えるものにおいて、小さなスペースでインク貯留室を配置することができるインクジェット記録装置を実現することとの少なくとも一方を目的として為されたものである。
本発明によって、インクジェットヘッドに供給される複数のインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクを含み、そのバッファタンク及び前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるインクジェット記録装置であって、複数のインク貯留室の各々に、各インク貯留室内にインクが導入されるインク入口と、そのインク貯留室内に貯留されているインクが前記インクジェットヘッドと連通する複数のインク導出路の各々へ供給されるインク出口とがそれぞれ形成され、各インク貯留室における前記インク入口と前記インク出口とが、インク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されたインクジェット記録装置が得られる。
このインクジェット記録装置においては、インク入口とインク出口とが、インク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。そのため、インク貯留室の容積を有効に活用して圧力変化を効率よく緩和することができる。なお、「インク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置」とするためには、例えば、設定された第1方向において、インク入口とインク出口との離間距離を、その第1方向におけるインク貯留室の内のり寸法の70%以上にすればよく、80%以上にすることが望ましい。
上記第1方向は、例えば、インクジェットヘッドが走査させられる方向である走査方向と直交する方向とすることができる。バッファタンクにおいて、インクタンクに収容されているインクを複数のチューブから受け取る部分と、貯留しているインクをインクジェットヘッドに供給する部分とが、走査方向と直交する方向に隔たって設けられる場合が多い。その場合には、バッファタンク内において、インクが概して走査方向と交差する方向に移動することになり、それが望ましいからである。そういった場合に、走査方向と直交する方向を第1方向とすることにより、インク貯留室の容積を有効に活用することができる。第1方向は、上下方向および走査方向と直交する方向とすることが望ましい。
また、インク入口とインク出口とは、第1方向においてのみならず、第1方向と直交する第2方向においても互いに離間させられることが望ましい。インク入口とインク出口とを、第1方向において離間させるのに加え、第2方向においても離間させることにより、インク入口とインク出口とが挟むインク貯留室内の空間を多くすることができ、インク貯留室の容積を有効に活用することができる場合が多いのである。特に、インク貯留室が第1方向および第2方向にそれぞれ平行な4辺を有する四角形状を成すものである場合に、インク入口とインク出口とが挟むインク貯留室内の空間をより多くするためには、インク入口とインク出口との上記離間距離が、第2方向においても、インク貯留室の内のり寸法の20%以上にされることが望ましく、30%以上、40%以上にされることがさらに望ましい。
また、インク貯留室の形状が、第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有している場合には、インク入口とインク出口とを、第1方向と第2方向との少なくとも一方において離間させるのみで、インク貯留室の容積を有効に活用することができる。この場合、第2方向を、上下方向および第1方向と直交する方向とすることが望ましく、また、第3方向を上下方向とすることができる。さらに付言すれば、上記「第1方向および第2方向においてインク入口とインク出口とが離間させられた状態」は、例えば、第1方向においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ直線が第1方向に対して傾斜させられた状態と表現することもできる。上記直線を第1方向に対して傾斜させることにより、インクの流路を長くすることができる場合が多い。インク貯留室が前記四角形状を成すものである場合はその端的な例である。上記直線と第1方向とのなす角度は、例えば、10度以上にすることが望ましく、20度以上にすることがさらに望ましい。
本発明によってまた、複数種類のインクを複数のインク貯留室に貯留するバッファタンクと、インクを記録媒体に対して吐出するインクジェットヘッドと、バッファタンクとインクジェットヘッドとを走査させる走査装置とを含み、かつ、インクジェットヘッドおよび複数のインク貯留室が互いに直角な第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有し、それらインクジェットヘッドと複数のインク貯留室とが第3方向に並べられた状態で配置されたインクジェット記録装置が得られる。
このインクジェット記録装置においては、インクジェットヘッドおよび複数のインク貯留室の各々が扁平な形状を有し、それらが、扁平な方向(第3方向)に並べられた状態で配置されているため、インクジェットヘッドとバッファタンクとを含む全体の大きさを小さくすることができる。
なお、インクジェットヘッドと複数のインク貯留室とは互いに接触して並べられていてもよく、それらの間に隙間が存在してもよく、一部のものが接触して並べられるとともに残りのものの間に隙間が存在してもよい。
本態様のインクジェット記録装置における第1方向、第2方向、第3方向は、例えば、最初に記載した態様のインクジェット記録装置に関して記載した方向と同様な方向とすることができる。
本発明によってまた、複数種類のインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室と、それらインク貯留室の各々からインクが導き出される複数のインク導出路と、それらインク導出路の各々に接続される複数のインク流入口を有するインクジェットヘッドとを含み、複数のインク貯留室が互いに平行でかつ上下方向に並べられた状態にあり、複数のインク導出路が、それぞれほぼ同じ長さで上下方向に延び、その側面に前記インク貯留室がそれぞれ接続され、それらの上部空間がエアの蓄積部であり、それらの各下端が、前記インクジェットヘッドの各インク流入口とそれぞれ接続されるインク供給口として開口させられるとともに、それらの各上端が、ほぼ平面上に配置された複数のエア排出口にそれぞれ接続され、それらエア排出口の各々が対応する開閉可能な排気弁を経て外部に開口させられたインクジェット記録装置が得られる。
このインクジェット記録装置においては、複数のインク貯留室が相互に平行であって上下方向に並べられた状態にあるので、各インク貯留室をインクジェットヘッドに対して、ほぼ均一な特性とすることができ、しかも装置全体の高さを抑えながらインク貯留室の容量を確保でき、インク圧力の変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行うことができる。また、複数のインク導出路をそれぞれほぼ同じ長さで上下方向に延びる形状にされているので、各インク導出路において、インクジェットヘッドのインク流入口へ流入しようとするインクから良好にエアが分離され、インク導出路の上部空間に蓄積され、排気弁にて開閉されるエア排出口を通じて外部に排出される。
なお、記録媒体にインクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置として、複数種類のインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室と、それらインク貯留室の各々からインクが導き出される複数のインク導出路と、それらインク導出路の各々に接続される複数のインク流入口を有するインクジェットヘッドとを備えるものは、例えば特開2005−280075号公報によって既に知られている。この従来型のインクジェット記録装置においては、3色のインク貯留室が縦型で、各インク貯留室の上部におけるエアの存在によりインク圧力の変動等が抑えられるダンパ効果が期待されているが、装置全体の高さから、インク貯留室の容量が制限されるため、インク貯留室内に大きなエア量を確保することができず、ダンパー効果を十分に得ることが困難であった。
それに対し、上記態様のインクジェット記録装置によれば、装置全体の高さを抑えながらインク貯留室の容量を確保でき、インク圧力の変動等を効果的に抑えるダンパ効果が得られる。
特に、インク貯留室の上または下向きの面が可撓性フィルムで覆われ、その可撓性フィルムの撓みによってインク圧力の変動等が抑えられる場合には、可撓性フィルムの面積を大きくすることが容易であるため、一層効果的に圧力変動等が抑制される。
本発明によってさらに、インクを貯留するインク貯留室と、上下方向に延びインク貯留室からインクが導き出されるインク導出路とを有し、インク貯留室よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部のインク供給口を通じてインクジェットヘッドのインク流入口にインクが供給されるものであり、インク貯留室内から導き出されるインクとインク導出路下部内のインクとのつながりを維持あるいはつながり易くするインク連通部を含むインクジェット記録装置が得られる。
このインクジェット記録装置においては、インク連通部によって、インク貯留室内のインクとインク導出路下部内のインクとのつながりが維持あるいはつながり易くされる。それにより、インク導出路の上部空間に蓄積されるエアによってインクが流体的に切断されにくくなる。よって、エアがインクジェットヘッドに吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低減させられる。
なお、前記従来型のインクジェット記録装置においては、前記インク貯留室から前記インク導出路にインクが導き出される際に、インクに含まれるエアを分離して前記インク導出路の上部空間に蓄積し、インクジェットヘッド側にエアが流れないように構成されている。また、前記蓄積したエアは、別途設けられた排気弁によって開閉されるエア排出口を通じて適宜排出される。このタイプのインクジェット記録装置においては、前記インク導出路の上部空間に一定量を超えるエアが溜まった場合に、その溜まったエアによって、インク貯留室とインクジェットヘッドとの間のインクのつながりが流体的に切断される場合がある。そのようにインクのつながりが流体的に切断されると、前記エアがインクジェットヘッドに吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が高くなる。また、そのようにインクのつながりが流体的に切断されると、パージ吸引の際に、インク貯留室からのインクの吸引に先立って前記エアが膨張してインクジェットヘッドに吸引され、印字不能となる。そのため、前記インクのつながりが切断されないようにするために、前記インク導出路の上部空間に蓄積されるエアの量をあまり多くすることができない。
この従来型のインクジェット記録装置に対し、上記態様のインクジェット記録装置においては、インク導出路の上部空間に溜まるエアによってインクが流体的に切断されにくくなり、エアがインクジェットヘッドに吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低くなる。
この発明の一実施形態に係るインクジェット記録装置の主要構成を示す平面説明図である。 ヘッドホルダの平面図である。 図2をノズル面側から見た説明図である。 図2(図15)の4−4線における断面図である。 図2に示すバッファタンク40の延出部40aのインク流路を示す平面図である。 インクケース71を上方から見た平面図である。 インクケース71を下方から見た平面図である。 インクケース72を上方から見た平面図である。 インクケース72を下方から見た平面図である。 上方から見たインクケース71の拡大平面図である。 図10のB−B矢視断面図である。 図10のC−C矢視断面図である。 図10のM−M矢視断面図である。 図10のY−Y矢視断面図である。 上記とは別の実施形態に係るインクジェット記録装置のヘッドホルダの平面図である。 上記別の実施形態においてインクケース71を上方から見た平面図である。 上記別の実施形態においてインクケース71を下方から見た平面図である。 上記別の実施形態においてインクケース72を上方から見た平面図である。 上記別の実施形態においてインクケース72を下方から見た平面図である。 上記別の実施形態において上方から見たインクケース71の拡大平面図である。 図20のB−B矢視断面図である。 図20のC−C矢視断面図である。 図20のM−M矢視断面図である。 図20のY−Y矢視断面図である。 図15の25−25線における断面図である。 さらに別の実施形態において図20のB−B矢視断面図である。 上記さらに別の実施形態において図20のC−C矢視断面図である。 上記さらに別の実施形態において図20のM−M矢視断面図である。 上記さらに別の実施形態において図20のY−Y矢視断面図である。 図26の一部拡大断面図で、インクの状態を説明する図である。 図26の一部拡大断面図で、インクの供給が切断された状態を説明する図である。 図29の一部拡大断面図で、インクの状態を説明する図である。 図29の一部拡大断面図で、インクの供給が切断された状態を説明する図である。
符号の説明
1:インクジェット記録装置 9:ヘッドホルダ 14M,C,B,Y:チューブ 30:インクジェットヘッド 35〜38:ノズル列 39M,C,Y,B:インク供給口 40:バッファタンク 41〜44:インク貯留室 41b〜44b:インク入口 41c〜44c:インク出口 45:排気弁装置 45a:排気弁箱 46M,C,Y,B:エア排出口 47M,C,Y,B:排気弁 48:インク案内通路部 61Y,B,C,M:インク導入路 62Y,B,C,M:インク導入孔 63Y,B,C,M:インク導入路 64Y,M:ガイド壁 64B,C:インク導入路 65Y,M:接続路 66C:インク導入路 68C:接続路 91Y〜91B:インク導出路 71、72:インクケース(ケース) 71c、72c:壁(隔壁) 81〜84:フィルム(フィルム材) 91e,f:筒状壁 91g:仕切壁 93M,C,Y,B:排気通路 120:メンテナンスユニット
次に、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
(インクジェット記録装置の主要構成)
最初に、インクジェット記録装置の主要構成について図1を参照して説明する。図1はインクジェット記録装置の主要構成を示す平面説明図である。
インクジェット記録装置1の内部には、2本のガイド軸6,7が設けられており、そのガイド軸6,7には、キャリッジを兼用するヘッドホルダ9が取付けられている。ヘッドホルダ9には、記録用紙Pへインクを吐出して記録を行うインクジェットヘッド30が保持されている。ヘッドホルダ9は、モータ10により回転する無端ベルト11に取付けられており、モータ10の回転駆動により、ガイド軸6,7に沿って往復移動させられる。
また、インクジェット記録装置1の本体の静止位置には、マゼンタインクが収容されたインクタンク5Mと、シアンインクが収容されたインクタンク5Cと、ブラックインクが収容されたインクタンク5Bと、イエローインクが収容されたインクタンク5Yとが備えられている。各インクタンク5M〜5Yは、それぞれ可撓性のチューブ14M、14C、14B、14Yによってチューブジョイント20と接続されている。
(ヘッドホルダの主要構造)
次に、ヘッドホルダの主要構造について説明する。
なお、以下の説明では、インクを吐出する側を下面および下方向とし、その反対側を上面および上方向とする。また、図1において図面左端側を左方向、右端側を右方向、図面下辺側を前方、図面上辺側を後方とする。
また、添字M、C、B、Yは、それぞれマゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、イエローインクに関するものであることを示す。
図4に示すように、ヘッドホルダ9は、上面を開口した箱状に形成され、その底壁9cの下面に、インクジェットヘッド30が保持されている。インクジェットヘッド30は、多数のインク流路を有するキャビティ部32と、そのインク流路内のインクに選択的に吐出圧力を付与する圧電アクチュエータ31とを積層して構成され、キャビティ部32の下面にインク色毎に列をなしたノズル列35〜38(図3)を有し、上面に、インク色毎に独立した4つのインク流入口を有する。図4では、イエローインクが流入するインク流入口32aのみを示す。インクジェットヘッド30の上面には、枠状の補強フレーム33が接着固定されている。補強フレーム33には、各インク流入口に対応した4つのインク通路口が形成されている。図4では、インク流入口32aに対応したインク通路口33aのみを示す。
(バッファタンク40の主要構成)
ヘッドホルダ9内の底壁9cの上には、バッファタンク40が収容されている。バッファタンク40は、上下方向に関しては、インクケース71とインクケース72とが互いに平行に配置され、互いに連結された構成を有している。また、前後方向に関しては、インク導入部40e、バッファ部40bおよびインク導出部40dが、記載の順序に並べられた構成を有している。
バッファ部40bにおいて上側のインクケース71の内部には、内部を上下に区画する壁71c(図11,図12参照)が設けられており、この壁71cを境として、上側にはイエローインクを貯留するイエローインク貯留室41(図6)が、下側にはマゼンタインクを貯留するマゼンタインク貯留室42(図7)がそれぞれ形成され、互いに隣接している。
下側のインクケース72の内部には、内部を上下に区画する壁72c(図13,図14参照)が設けられており、この壁72cを境として、上側にはシアンインクを貯留するシアンインク貯留室43(図9)が、下側にはブラックインクを貯留するブラックインク貯留室44(図10)がそれぞれ形成され、互いに隣接している。
これらインク貯留室41〜44は、互いに平行であって上下方向に並べられた状態にあり、上下のインクケース71,72に2つずつ分けて形成される。つまり、バッファタンク40には、上から順にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各インクが貯留されることとなる。
このように、インク貯留室41〜44が互いに平行であって上下方向に並べられた状態(上下方向に重なり合った状態)にあるので、各インク貯留室41〜44は、インクジェットヘッド30に対してのインクの供給についてほぼ均一な特性を有する。それに加えて、バッファタンク40の高さあるいはプリンタ全体の高さをを抑えながらインク貯留室41〜44の容量を確保できる。よって、インク圧力の変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行うことを実現できる。
インク導出部40dは、上記インク貯留室41〜44と対応した個数のインク導出路91M,91C,91Y,91Bを、バッファ部40bの後方にインクジェットヘッド30の走査方向に並べて有している。各インク導出路91M〜91Bは、上下のインクケース71,72にわたって上下方向に延び、下端に、それぞれ補強フレーム33の各インク通路口(33aのみ示す)を介してインクジェットヘッド30の各インク流入口(32aのみ示す)に連通するインク供給口39M〜39Bを開口させている。
インク導出路91M〜91Bは、上下のインクケース71,72にそれぞれ対応して形成された筒状壁91e,91f内を仕切壁91gによってインク毎に分割して形成されている。両ケースの筒状壁91e,91f、仕切壁91gを一致させて超音波溶着、接着等で接合することにより、各インク導出路91M〜91Bが、上下のインクケース71,72にわたって連続して形成されると同時に、上下のインクケース71,72が互いに連結され一体化される。
すなわち、上下のインクケース71,72の後方側の部分には、それら上下のインクケース71,72を上下方向に貫通するインク導出路91M〜91Bが形成されているのである。
インク導入部40eは、バッファ部40bの前方に延出した延出部40aを備えている。延出部40aは、図4に示すように、ヘッドホルダ9の前端から前方に水平に延出した取付腕部9a上に重ねられ支持されている。延出部40aの前方の上面には、チューブジョイント20が取付けられている。チューブジョイント20の前端には、図示しないフレキシブルフラットケーブルを左右方向に挿通し、保持するケーブル保持部材29が一体形成されている。
図2に示すように、チューブジョイント20には、チューブ14M〜14Yが接続された接続部21M、21C、21B、21Yが前後方向に一列に配列され、それぞれ左方に突出して形成されている。各接続部21M〜21Yの内部には、接続されたチューブからインクを導入するインク流路がそれぞれ形成されている。
図5に示すように、チューブジョイント20の下面に対応する延出部40aの上面には、各接続部21M〜21Y内(図2)のインク流路と連通するインク導入口22M、22C、22B、22Yが、後方から前方に向かって1列に並んで開口形成されている。
延出部40aの下面には、インク導入口22M、22C、22B及び22Yにそれぞれ前端が接続されたインク導入路61M、61C、61B及び61Yが形成されている。各インク導入路は、それぞれ前後方向に延びた溝状(本実施形態において凹溝とされている)に形成されており、延出部40aの下面において左右方向に並んで配置されている。
インク導入路61M〜61Yの下面は、それぞれ溝状に開口されており、各開口面は、フィルム85(図11)で封止されている。そのフィルム85が各溝の底部の役割をしており、溝及びフィルム85によって各インク導入路61M〜61Yが形成されている。
延出部40aは壁71cと一体的に連接して形成されており、インク導入路61M〜61Yの後端は、延出部40aを上下に貫通したインク導入孔62M、62C、62B、62Yを介して延出部40aの上下面に形成されたインク導入路63M、63C、63B、63Yにそれぞれ接続されている。
左端のインク導入路63Y及び右端のインク導入路63Mは、後述するようにそれぞれインクケース71のイエローインク貯留室41とマゼンタインク貯留室42とに接続され、中央のインク導入路63C、63Bは、それぞれインクケース72のシアンインク貯留室43とブラックインク貯留室44とに接続される。
インクケース71、72の対向面の、中央のインク導入路63C、63Bの後端と平面視において重なる位置には、筒状壁92a、92bが突設され(図7,図8)、その筒状壁92a、92bを貫通するインク導入路64B、64Cの上端が、インク導入路63C、63Bの後端と接続している。
両筒状壁92a、92bどうしを超音波溶着、接着等などの接合手段で接合することにより、上のインクケース71のインク導入路63C、63Bがインク導入路64B、64Cを介して下のインクケース72のインク貯留室43,44に接続されると同時に、上記筒状壁91e,91fの接合と共同して上下のインクケース71,72が互いに連結され一体化される。
(各インク貯留室41〜44の主要構造)
次に、各インク貯留室41〜44の主要構造について図を参照して説明する。
(イエローインク貯留室41の構造)
図6に示すように、バッファ部40bにおいてインクケース71の壁71c(図11)参照)の上面には、横断面が略四角形状であり、上面が同形状に開口した扁平な空間からなるイエローインク貯留室41が形成されている。イエローインク貯留室41は、周囲4辺を左側壁41i、右側壁41h、後側壁41k及び前側壁41mにより区画されている。インク貯留室41には、左側壁41iと前側壁41mとがなす角部に、インク導入路63Yの後端がインク入口41bとして開口している。
後側壁41kの左右方向の中央からやや右寄りであって、イエローインク貯留室41の後方右角部から左方向へ変位した箇所には、イエローインク貯留室41内のイエローインクが流出するイエローインク出口41cが開口させられている。
つまり、イエローインク入口41bとイエローインク出口41cとは、周囲の状況が許す限りにおいて、イエローインク貯留室41の対角位置近くに設けられている。換言すると、イエローインク貯留室41内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
さらには、走査方向および上下方向に直交する方向(第1方向の一例である)においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ直線が第1方向に対して傾斜させられた状態と表現することもできる。なお、同様なことが他のインク貯留室42〜44にも該当する。
イエローインク出口41cは、イエローインク貯留室41の底面からインクケース71の下面71b(図7)へ貫通する接続路65Yを介して、インク導出路91Y(図7、図11)に接続されている。そして、接続路65Yはインク導出路91Yの上端よりも下において開口させられている。すなわち、接続路65Yの下面のインク導出路91Y側周縁は、インクをインク導出路91Yの底部に導くように、インク導出路91Y内に対してガイド壁64Yにより仕切られているのである。なお、インク導出路91M〜91Bは、イエローインク貯留室41とブラックインク貯留室44との間において、接続路65Yとブラックインク出口44cとに上下方向において重なるように前方へ拡大されている。なお、接続路65Yをイエローインク出口41cの延長と捉えることもできる。
イエローインク貯留室41、インク導入路63Y、63B、63C、63Mおよび後述する排気通路93の上方に開放している面は、可撓性を有するフィルム81(図2、図11)で封止されている。インク導入路63Y〜63Mおよび後述する排気通路93の外周を確定する側壁の上面は、イエローインク貯留室41の側壁41h〜41mの上面と同じ平面上に形成されており、フィルム81がその上面に接着、熱溶着などの接合手段により接合され、それにより、上記イエローインク貯留室41、インク導入路および後述する排気通路がそれぞれ区画されている。
イエローインク貯留室41の底部41aには、イエローインク入口41bとイエローインク出口41cとを結ぶ線の両側に間隔を置いて、リブ41d、41e、41fが立設されている。リブ41d及びリブ41eは、それぞれ縦断面が四角形状であり、ともにイエローインク貯留室41の深さ(フィルム81から底部41aまでの距離)の半分程度の高さに形成され、フィルム81と間隔を置き、フィルム81の動きを制限しないように位置している。リブ41d及びリブ41eは、インク入口41bからインク出口41cへインクが速やかに流れるのをガイドするためのものである。加えて、屈曲部を有する小片からなるリブ41fが、リブ41dとリブ41eとの間であって、屈曲しているリブ41eに沿ってインク出口41cへ向けインクの流れを案内するように形成されている。
(マゼンタインク貯留室42)
マゼンタインク貯留室42について、図7を参照して説明する。なお、図7はインクケース71を下方から見た図であるので、図中の左方向が「右方向」、図中の右方向が「左方向」となる。
図7に示すように、インクケース71の壁71cの下面には、横断面が略四角形状であり、下面が同形状に開口した扁平な空間からなるマゼンタインク貯留室42が形成されている。マゼンタインク貯留室42は、左側壁42i、右側壁42h、後側壁42k及び前側壁42mにより区画されており、図12に示すように、壁71cを介してイエローインク貯留室41と隣接して設けられている。
マゼンタインク貯留室42のマゼンタインク入口42bは、マゼンタインク貯留室42内の右前方の角部近傍の底部42aに開口形成されており(図7)、インクケース71を貫通してインク導入路63M(図6)の一端に接続されている。
マゼンタインク貯留室42のマゼンタインク出口42cは、マゼンタインク入口42bと対角の位置になる左後方の角部近傍の底部42aに開口形成され、インクケース71を貫通している。
インクケース71の上面(詳しくは、壁71cの上面)には、マゼンタインク出口42cと対応する位置であってイエローインク貯留室41の外の位置に接続路65Mが形成されている。接続路65Mの一端は、インクケース71を貫通したマゼンタインク出口42cと接続され、他端は、インクケース71を上面から下面へ貫通してマゼンタインク導出路91Mに接続されている。
接続路65Mの他端は、インク導出路91Mの上端よりも下において開口させられている。すなわち、接続路65Mの後方端部の下面のインク導出路91M側周縁は、インクをインク導出路91Mの底部に導くように、インク導出路91M内に対してガイド壁64Mにより仕切られているのである。
上述のように、マゼンタインク出口42cは、インクケース71を上下に区画する隔壁としての壁71cを貫通し、接続路65Mを介してインク導出路91Mに接続されている。すなわち、マゼンタインク出口42cは、「インクケースの、互いに逆向きの2つの面の一方の前記インク貯留室42の前記インク出口42cがそのケースの互いに逆向きの2つの面の他方の側へ貫通してインク導出路に接続された」態様の一例である。
マゼンタインク入口42bとマゼンタインク出口42cとは、マゼンタインク貯留室42の略対角位置に設けられている。換言すると、マゼンタインク貯留室42内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
つまり、マゼンタインク入口42bとマゼンタインク出口42cとは、マゼンタインク貯留室42内のインクが流れる大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
また、イエローインク貯留室41とマゼンタインク貯留室42とは、インクケース71の壁71cを介して隣接する関係にあり、イエローインク入口41b及びイエローインク出口41cと、マゼンタインク入口42b及びマゼンタインク出口42cとが、壁71cに沿って互いに異なる位置に配置されている。つまり、インクケース71を平面視したとき、イエローインクの入口41bと出口41cとを結ぶ線と、マゼンタインクの入口42bと出口42cとを結ぶ線とは、互いにほぼ異なる方向の対角線のように交差して位置する。
換言すれば、走査方向および上下方向に直交する方向(第1方向の一例である)においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ2つの直線が第1方向に対して互いに逆向きに傾斜させられた状態と表現することもできる。なお、同様なことが他のインク貯留室43,44にも該当する。
マゼンタインク貯留室42の下方に開放している面は、可撓性を有するフィルム82(図12)で封止されている。フィルム82は、インク貯留室42の側壁42h〜42m上に接着、熱溶着などの接合手段により接合され、それにより、インク貯留室42が区画されている。
すなわち、インクケース71は、上下に開口した壁部と、上下の開口を封止するフィルム材とを含んで構成されている。上記壁部は、上下を区画する隔壁たる壁71cと、上下の側壁41h〜mおよび側壁42h〜mとを含んで構成されている。
マゼンタインク貯留室42の底部42aには、リブ42d、42eが立設されている。リブ42d、42eは、マゼンタインク入口42bとマゼンタインク出口42cとを結ぶ対角線を挟んで、対角線からの距離がほぼ等しくなるように平行に設けられている。また、リブ42d及びリブ42eは、それぞれ縦断面が四角形状であり、ともにマゼンタインク貯留室42の深さ(フィルム82から底部42aまでの距離)の半分程度の高さに形成され、フィルム82と間隔を置き、フィルム82の動きを制限しないように位置している。リブ42d及びリブ42eは、インク入口42bからインク出口42cへインクが速やかに流れるのをガイドするためのものである。
(シアンインク貯留室43)
シアンインク貯留室43について、図8及び図9を参照して説明する。なお、図9は下方から見た図であるので、図中の左方向が「右方向」、図中の右方向が「左方向」となる。
図8に示すように、インクケース72の上面72a(図13参照)には、マゼンタインク貯留室42と対応する位置に同形状のシアンインク貯留室43が、左側壁43i、右側壁43h、後側壁43k及び前側壁43mにより区画されて、上方に開口形成されている。底部43aには、リブ42d、42e(図7)と同形状のリブ43d、43eが設けられている。
シアンインク貯留室43の開口面は、マゼンタインク貯留室42同様に、略長方形の可撓性を有するフィルム83により封止されている。
つまり、インクケース71とインクケース72とは、マゼンタインク貯留室42のフィルム82とシアンインク貯留室43のフィルム83とが間隔をおいて平行に対向するように、互いに連結されている。
シアンインク貯留室43のシアンインク入口43bは、シアンインク貯留室43内の右前方の角部近傍の底部43aに開口形成されており、インクケース72を厚さ方向に貫通して、インクケース72の下面に形成されているインク導入路66Cの一端と接続されている。インク導入路66Cは、ブラックインク貯留室44の外においてその右前方の角部に沿ってL字型に形成されており、他端がインク導入路64Cの下端と接続されている。
つまり、インクケース71の上面71aに形成されているインク導入路63C(図7)は、インクケース71とインクケース72との積層方向に貫通するインク導入路64C(図7)及びインク導入路66Cを介して、シアンインク貯留室43のシアンインク入口43bに連通されている。
シアンインク貯留室43のシアンインク出口43cは、シアンインク貯留室43内の左後方の角部近傍の底部43aに開口形成されており、インクケース72を厚さ方向に貫通してインクケース72の下面に形成されている接続路68C(図9)と接続されている。
図9に示すように、接続路68Cは、一旦、ブラックインク貯留室44の外においてその左後方の角部に沿ってL字型に形成されている。この接続路68C及びブラックインク貯留室44の後方部分は、インク導出路91M〜91Bと平面視において重なって位置しており、接続路68Cの他端68Caは、インクケース72を下から上へ貫通することで、インク導出路91Cと接続している。
詳しくは、シアンインク出口43cは、インクケース72を上下に区画する隔壁としての壁72cを貫通し、接続路68Cを介してインク導出路91Cに接続されている。すなわち、シアンインク出口43cは、「インクケースの、互いに逆向きの2つの面の一方の前記インク貯留室43の前記インク出口43cがそのケースの互いに逆向きの2つの面の他方の側へ貫通してインク導出路91Cに接続された」態様の一例である。なお、同様なことがブラックインク出口44cにも該当する。
(ブラックインク貯留室44)
ブラックインク貯留室44について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、インクケース72の下部には、横断面が略四角形状であり、下面が同形状に開口した扁平な空間からなるブラックインク貯留室44が形成されている。ブラックインク貯留室44は、左側壁44i、右側壁44h、後側壁44k及び前側壁44mにより区画されており、図9に示すように、壁72cを介してシアンインク貯留室43と隣接して設けられている。
また、ブラックインク貯留室44の右前方の角部に隣接してインク導入路66Cが、左後方の角部に隣接して接続路68Cが、区画されてそれぞれ設けられている。
ブラックインク貯留室44の前方部分は、インク導入路64Bと平面視において重なって位置しており、インク導入路64Bは、インクケース72を上下方向に貫通し、ブラックインク貯留室44内の左前方の角部近傍の底部44aに開口している。つまり、インク導入路64Bの下端開口は、ブラックインク貯留室44のインク入口44bとなっている。
ブラックインク貯留室44内のブラックインクを流出させるブラックインク出口44cは、ブラックインク貯留室44内の右後方の角部近傍の底部44aに開口形成されており、インクケース72を上下方向に貫通し、インク導出路91Cに連通されている。
つまり、ブラックインク入口44bとブラックインク出口44cとは、ブラックインク貯留室44の略対角位置に設けられている。換言すると、ブラックインク貯留室44内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
また、ブラックインク貯留室44とシアンインク貯留室43とは、インクケース72の壁72cを介して隣接する関係にあり、ブラックインク入口44b及びブラックインク出口44cと、シアンインク入口43b及びシアンインク出口43cとが、壁72cに沿って互いに異なる位置に配置されている。
つまり、インクケース72を平面視したとき、シアンインクの入口43bと出口43cとを結ぶ線と、ブラックインクの入口44bと出口44cとを結ぶ線とは、互いにほぼ異なる方向の対角線のように交差して位置する。
ブラックインク貯留室44、インク導入路66C、及び接続路68Cの上方に開放している面は、可撓性を有するフィルム84(図9、図14)で封止されている。インク導入路66C、接続路68C及びブラックインク貯留室44を確定する側壁の下面は同じ平面上に形成されており、フィルム84がその面に接着、熱溶着などの接合手段により接合され、それにより、上記ブラックインク貯留室44、インク導入路66C、及び接続路68Cがそれぞれ区画されている。
ブラックインク貯留室44の底部44aには、インク入口41bとインク出口41cとを結ぶ線の両側に間隔を置いてリブ44d、44eが立設されている。リブ44d及びリブ44eは、それぞれ縦断面が四角形状であり、ともにブラックインク貯留室44の深さ(フィルム84から底部44aまでの距離)の半分程度の高さに形成され、フィルム84と間隔を置き、フィルム84の動きを制限しないように位置している。リブ44d及びリブ44eは、インク入口64bからインク出口44cへインクが速やかに流れるのをガイドするためのものである。
(排気装置の概略構造)
インク供給口39M〜39Bの上方に位置するインク導出路91M〜91Bは、インクケース71の上面にそれぞれ開放されており、インクケース71の上面に溝状に形成された排気通路93(図10)を介して、バッファ部40bの側部に配置された排気弁装置45に接続されている。その排気弁装置45は、容体たる排気弁箱45aと、各排気通路93毎に開閉可能な排気弁47M〜47Bを備えている。
各排気弁47は通常は閉塞した状態にあり、チューブ14M〜14Yから供給されたインクが、各インク貯留室41〜44、インク導出路91M〜91B内を流れる際に、インク中に含まれる気泡を浮上させ、各インク導出路91M〜91Bの上端に蓄積させる。この気泡を、各排気弁47を適宜開放制御することにより外部に排出させることができる。
(各インクの流れ方)
イエローインクは、図10のY−Y断面に示される経路に沿って流れる。図11に示すように、インク導入口22Y(図5)からインク導入路61Y、63Yを経て、イエローインク入口41b(図6)からイエローインク貯留室41に導入される。
図6に示すように、イエローインク貯留室41に導入されたイエローインクは、イエローインク入口41bからイエローインク出口41cに向かってイエローインク貯留室41内の大部分の空間を横切って流れる。イエローインク貯留室41から流出したイエローインクは、図11に示すように、インク導出路91Yを経て、インク供給口39Yからインクジェットヘッド30に供給される。
マゼンタインクは、図10のM−M断面に示される経路に沿って流れる。図12に示すように、インク導入口22M(図5)からインク導入路61M、63Mを経て、マゼンタインク入口42b(図7)からインクケース71の裏側のマゼンタインク貯留室42に導入される。
図7に示すように、マゼンタインク貯留室42に導入されたマゼンタインクは、マゼンタインク入口42bからマゼンタインク出口42cに向かって流れる。マゼンタインク貯留室42から流出したマゼンタインクは、図12に示すように、インク導出路91Mを経て、インク供給口39Mからインクジェットヘッド30へ供給される。
シアンインクは、図10のC−C断面に示される経路に沿って流れる。図13に示すように、インク導入口22C(図5)からインク導入路61C、63Cに導入されたシアンインクは、インクケース71、72を積層方向に貫通するインク導入路64Cを経てインクケース72下面側のインク導入路66Cへ流入した後、シアンインク入口43b(図8)から上面側のシアンインク貯留室43に導入される。
図8に示すように、シアンインク貯留室43に導入されたシアンインクは、シアンインク入口43bからシアンインク出口43cに向かって流れる。シアンインク貯留室43から流出したシアンインクは、図13に示すように、インク導出路91Cを経て、インク供給口39Cからインクジェットヘッド30へ供給される。
ブラックインクは、図10のB−B断面に示される経路に沿って流れる。図14に示すように、インク導入口22B(図5)からインク導入路61B、63B(図5)に導入されたブラックインクは、インクケース71、72を積層方向に貫通するインク導入路64Bを経て、インクケース72の下面側のブラックインク貯留室44に導入される。
図9に示すように、ブラックインク貯留室44に導入されたブラックインクは、ブラックインク入口44bからブラックインク出口44cに向かって流れる。ブラックインク貯留室44から流出したブラックインクは、図14に示すように、インク導出路91Bを介して、インク供給口39Bからインクジェットヘッド30へ供給される。
[本実施形態による効果](1)以上のように、本実施形態のインクジェット記録装置を使用すれば、インクがインク貯留室内をインク入口からインク出口に向かって流れるときに、各インク入口41b、42b、43b、44bと各インク出口41c、42c、43c、44cとは各インク貯留室41〜44内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されているため、各インクは各インク貯留室41〜44内の大部分の空間を横切って流れるので、インク貯留室内の空間を、チューブから供給されるインクの圧力変化を効果的に緩和したり、気泡を分離したりするために有効に利用することができる。特にインク貯留室の一面を可撓性フィルムで覆うものにおいて、インクの圧力変化を広い面積のフィルムの変形で効果的に緩和することができる。
また、各インク貯留室において、インク入口から出口へほぼ直線的にインクが流れるので、インク中の気泡が成長することが少なく、インクタンクからのインクを速やかにインクジェットヘッドへ供給することができる。特に、インク入口とインク出口とを結ぶ線の両側にリブを配置することで、インクの流れを一層良好にし、気泡によるインクの不吐出を少なくすることができる。
なお、ブラックインク貯留室44を、互いに平行に並べた複数のインク貯留室の最も外側に配置することで、他のインク貯留室よりも容積を大きくし、インクの使用量に適合した容積とすることができる。
(2)各インク貯留室41〜44は、各インク入口41b〜44bと各インク出口41c〜44cとを結ぶ直線を含む平面に沿った扁平な空間を備え、上記平面に平行な姿勢で、その平面に直角な方向に並べられているため、並び方向の厚さを更に小さくすることができる。
イエローインク貯留室41とマゼンタインク貯留室42とは、インクケース71の壁71cを介して、シアンインク貯留室43とブラックインク貯留室44とは、インクケース72の壁72cを介して隣接する関係にあり、それぞれ壁71c、72cと反対側を開放した形状で、その各開放面を可撓性のフィルム81〜84で覆って構成されている。
本実施形態において、「1つのインクケースを形成する壁部」が、ケース内部を2つに区画する隔壁たる壁(71cまたは72c)と、その壁の上下それぞれに設けられた2組の左側壁、右側壁、後側壁及び前側壁とを含んで構成されている。その「壁部」は、上下のそれぞれに開放されており、壁部の開放された2つの面の各々がフィルムに覆われることによってインク貯留室が形成されている。
また、インクケース71の「壁部」は、インクケース71の上面の各インク導入路63等およびインク導入路64B,Cが形成された部分をも含んで構成されている。そして、インク導入路63Mの後端部(インク入口42bに接続される)および各インク導入孔64B,Cは、インクケース71の壁部を貫通するように設けられている。さらにまた、インクケース71,72の「壁部」は、インク導入路91M〜91Bを形成する筒状壁91e,91fおよび仕切壁91gをも含んで構成されており、インク導入路91M〜91Bはインクケース71,72の「壁部」を貫通するように設けられている。
2つのインク貯留室の各インク入口41b〜44bと各インク出口41c〜44cを、壁71c、72cに沿って互いに異なる位置に配置されている。すなわち、2つのインク貯留室は、1つのケース内の1つの壁を介して隣接する関係にあり、その2つのインク貯留室の各インク入口及びインク出口を、壁に沿って互いに異なる位置に配置しているため、1つのケースに1つのインク貯留室を設けた場合に比べて、小さなスペースでインク貯留室を配置することができる。
さらに、本実施形態のバッファタンク40において、2つのインクケース71、72を平行に対向するように、互いに連結しているため、インクの流路をコンパクトに配置でき、インクケース71、72の積層方向の厚さも小さく配置することができる。
各インク貯留室に対応する各インク導出路は、インクジェットヘッドと対向するバッファタンクの一側に並んで開口させられ、少なくとも前記ケースの一方の面の前記各インク貯留室のインク出口は、前記ケースの他方の面へ貫通してインク導出路に接続されているため、インクの流路をコンパクトに配置でき、インクジェットヘッドとバッファタンクを含む全体の大きさを小さくすることができる。
(3)1つのインクケース71にチューブ14M〜14Yと接続する各インク導入路63Y、63M、63C、63Bがまとめて設けてあり、シアンインク貯留室43及びブラックインク貯留室44にはインク導入路63C、63Bの他端がインクケース71、72を貫通して接続されているので、インク導入路62Y、62M、62C、62Bの接続が容易になるとともに、インクケース71、72を小さなスペースで積層することができる。
また、インクケース71の一方の面にチューブ14M〜14Yの各々と接続するインク導入路63Y〜63Mがまとめて設けてあり、インクケース71とチューブとの接続部を含めた全体の大きさも小さくすることができる。
(4)2つのインクケース71、72の対向面側に位置するマゼンタインク貯留室42のマゼンタインク入口42b及びマゼンタインク出口42cは、ケースを貫通するインク導入路64B,64Cと、インク導出路91M〜91Bよりもインク貯留室の内側に位置するため、マゼンタインク貯留室42の外形内にはインク導出路やインク導入路が配置されないようにできるので、マゼンタインク貯留室42の形状を四辺形などの単純な形状にすることができる。このため、インク入口からインク出口への速やかなインクの流れを確保する流路を形成しやすい。シアンインク貯留室43についても同様の効果がある。
また、インク貯留室の開放面を覆うフィルムを四辺形などの単純な形状にすることができるので、インクの圧力変化に対してフィルムのほぼ全面を有効に変形させて圧力変化の緩和をすることができ、さらに製造において、大きなシート状のフィルム素材から所定の寸法に切断して貼り付けるだけでよいので、フィルムの無駄がなくなるとともに、正確な位置決めも不要となる。
複数のインク導入路63Y〜63Mは1つのインクケース71の一方の面に配列して形成されているため、更にインクの流路をコンパクトに配置できるとともに、インク導入路の列の両端のもの63Y,63Mをその導入路が形成されたケースのインク貯留室に、中央よりのもの63B,63Cを他のケースであるインクケース72のインク貯留室43,44にそれぞれ接続するので、複数のケース71、72の対向面側に位置する各インク貯留室42,43に対してインク導入路63Y〜63Mを干渉しないように配置しやすく、上述の効果を容易に享受することができる。
なお、ブラックインク貯留室44も単純な四辺形にすることもできるが、図9に示すように、インク導入路66C及び接続路68Cも含めた四辺形にすることで、それら全体を覆うフィルムを四辺形などの単純な形状にした方が上記の通り製造上有利である。
(5)各インク導出路91Y、91M、91C、91Bの上端は、開閉可能な排気弁装置45を介して外部に接続されているので、各インク貯留室41〜44及びインク導出路で成長した気泡を外部に排出することができる。
本実施形態において、ヘッドホルダ9をガイドするガイド軸6,7と平行な方向が、「走査方向」である。また、走査方向および上下方向とほぼ直角に交差する方向が「第1方向」であり、走査方向と平行な左右方向が「第2方向」であり、上下方向が「第3方向」である。
本実施形態において、各インク貯留室41〜44のインク入口とインク出口との離間距離は、第1方向において、インク貯留室の内のり寸法の90%以上にされている。また、第2方向において、イエローインク貯留室41については、それの内のり寸法の30%以上にされている。マゼンタ,シアンインク貯留室42,43については、それの内のり寸法の80%以上にされている。ブラックインク貯留室44については、それの内のり寸法の40%以上にされている。すなわち、インク入口とインク出口とが、インク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されているのである。
また、各インク入口と各インク出口とは、各インク貯留室のできる限り対角位置の近くに設けられている。すなわち、第1方向においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ直線が第1方向に対して傾斜した状態とされているのである。傾斜角度は、イエローインク貯留室41については15度以上にされ、マゼンタ,シアンインク貯留室42,43については40度以上にされ、ブラックインク貯留室44については30度以上にされている。また、互いに隣接する2つのインク貯留室の各々のインク入口とインク出口とを結ぶ直線は、第1方向に対して互いに逆向きに傾斜するようにされている。
本実施形態の各インク貯留室41〜44は、その形状が、第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有しており、インク入口とインク出口とを、第1方向および第2方向において離間させるだけで、インク入口とインク出口とが挟むインク貯留室内の空間を大きくすることができ、インク貯留室の容積をさらに有効に活用することができる態様とされている。
なお、上下方向を「第2方向」とし、走査方向と平行な方向を「第3方向」とすることもできる。
[他の実施形態1]
上記実施形態においては、インク導出路91M〜91Bの上部に蓄積するエアの排出については詳細に説明しなかった。これはエアの排出部分については特に限定がなく、従来公知の技術も採用可能であるからであるが、以下に説明する別の実施形態におけるエアの排出部分が特に好適なものの一例である。なお、本実施形態のインクジェット記録装置のエア排出部分以外の構成は前記実施形態と同様であるため、同様の構成要素については同じ符号を付し説明を省略する。図15〜図24に、それぞれ前出の図2,図6〜14に対応する図を示す。また、図15〜図24は、前記実施形態と同様の構成要素を示すものであるが、エア排出部分を詳細に説明する関係上、エア排出口46等に符号が付されている。上記図15において、4−4線が記載されており、その断面は前記実施形態の図4と同様である。
バッファタンク40は、前記実施形態と同様に、扁平なインク貯留室41〜44を、それらが水平に横たえられた姿勢で備えている。それらインク貯留室41〜44は、互いに平行な姿勢で上下方向に並べられた状態にあり、上下のインクケース71,72に2つずつ分けて形成されている(図21〜図24)。また、インク貯留室41〜44は、インク導出路91M〜91Bと接続されている。
インク導出路91M〜91Bは、それぞれほぼ同じ長さで上下方向に並び(図21〜図24)、その側面にインク貯留室41〜44がそれぞれ接続されており、これにより各インク貯留室41〜44からインク導出路91M〜91B内にインクが導き出される。このとき、インク導出路91M〜91Bの上部空間が、インクに含まれ分離したエアが蓄積される蓄積部として機能するようになっている。
このように、インク導出路91M〜91Bをそれぞれほぼ同じ長さでインク貯留室41〜44が上下方向に延びる形状にしているので、各インク導出路91M〜91Bにおいて、インクジェットヘッド30のインク流入口(図4に32aのみ示す)へ流入しようとするインクから良好にエアを分離させ、インク導出路91M〜91Bの上部空間にエアを一時的に蓄積することができる。なお、この蓄積されたエアは、後述する排気弁装置45にて開閉されるエア排出口を通じて外部に排出することができる。
また、各インク導出路91M〜91Bは、それぞれ上下のインクケース71,72にわたって上下方向に延びるように平行に形成され、その各下端が、補強フレーム33の各インク通路口(図4に33aのみ示す)を介してインクジェットヘッド30の各インク流入口(32aのみ示す)にそれぞれ接続されるインク供給口部39M〜39Bとして開口されている。一方、その各上端部は、ほぼ平面に配置した複数のエア排出口46M,46C,46Y,46Bにそれぞれ接続され、後述するように各エア排出口46M〜46Bを開閉可能な排気弁装置45を介して外部に開口されている。
つまり、インク導出路91M〜91Bは、それぞれ、エア排出口46M〜46Bと接続する上部側と、インク供給口部39M〜39Bと接続する下部側とに分けて上下のインクケース71,72に形成されている。
インク導出路91M〜91Bは、上下のインクケース71,72にそれぞれ対応して形成された筒状壁91e,91f内を仕切壁91gによってインク毎に分割して形成されている(図17,図18)。両ケース71,72の筒状壁91e,91fおよび仕切壁91gを一致させ、その状態で超音波溶着、接着などの接合手段を用いて接合することにより、インク導出路91M〜91Bの上部側部分と下部側部分とが接合され、その状態で、前述したようにインク貯留室41〜44が上下方向に並べられた状態となる。
このように、インク貯留室41〜44が互いに平行かつ上下方向に並べられた状態にあるので、各インク貯留室41〜44を、インクジェットヘッド30に対してのインクの供給についてほぼ均一な特性を持たせることができる。それに加えて、バッファタンク40の高さあるいはプリンタ全体の高さをを抑えながらインク貯留室41〜44の容量を確保できる。よって、インク圧力の変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行うことを実現できる。
(排気通路の構造)
インク供給口部39M〜39Yの上方に位置するインク導出路91M〜91Bの上端部は、図20〜図25に示すように、上のインクケース71の上面(一部平面)に形成されるエア排出口46M〜46Bに接続され、上のインクケース71の上面に沿って、凹溝として形成された排気通路93M,93C,93B,93Yを介して、バッファ部40bの一側部に配置された、各インク色毎の、排気弁装置45の排気孔の上端にそれぞれ接続されている。排気弁装置45は、インク導出路91M〜91Bとほぼ平行に形成されている。このようにして、インク導出路91M〜91B上端のエア排出口46M〜46Bと排気弁装置45とがインクケース71上面に形成した排気通路93M〜93Yで接続される。なお、各排気通路93M〜93Yは、それらの開放上面を可撓性のフィルム81で覆うことで画定されている。
各排気通路93M〜93Yは、上のインクケース71の上面において、イエローインクのインク貯留室41の外周囲に沿って、インク導出路91M〜91Bの上端から一旦右方向に曲がり、それから前方に延びて排気弁装置45、詳しくは、各排気弁47M〜47Bに接続されている。
各排気弁47は通常は閉塞した状態にあり、インク供給チューブ14M〜14Yから供給されたインクが、各インク貯留室41〜44、インク導出路91M〜91B内を流れる際に、インク中に含まれるエアを浮上させ、またインクジェットヘッド30の各インク流入口39に設けたフィルタで捕捉したエアを浮上させ、各インク導出路91M〜91Bの上端に蓄積される。このエアを、排気弁装置45を駆動制御して各排気弁47を適宜開放動作させることにより排気通路93M〜93Yを通じて外部に排出することができる。
(排気弁装置の概略構造)
排気弁装置45(図20)は、排気弁箱45aと、それの内部に収容された各排気通路93M〜93Y毎に開閉可能な各排気弁47M〜47Bを備えているが、いずれも同様の構成であるので、以下、図25を参照して、マゼンタインクについての排気部分である排気弁47Mについてのみ説明する。
排気弁47Mの、排気通路93Mに連通する排気孔101は、図25に示すように、上下方向に長くかつ上下に開口するもので、排気入口101aと排気出口101bとを有し弁体102が摺動可能である弁室として機能し、インク色毎に(4つ)形成される。各排気孔101は、上側の大径孔部101Aと、下側に位置する小径孔部101Bとを有し、それらが排気出口101bを通じて連通している。
また、排気入口101aおよび後述する係合凸部71dを有する排気弁箱45aの上方部分は、上のインクケース71と一体に形成され、大径孔部101Aおよび小径孔部101Bを有する排気弁箱45aの下方部分は、下のインクケース72と一体に形成され、前述のとおり上下のインクケース71,72を接合したとき、排気弁箱45aの上方部分および下方部分も同時に接合される。
弁体102は、大径の弁部102aと、その下端に一体に連接した小径のバルブロッド102bと、このバルブロッド102bに嵌合されたリング状のシール材102cとを備える。弁部102aは、バルブロッド102bよりも大径とされ、シール材102cがその弁部102aに接触するようにバルブロッド102bに設けられている。また、弁部102aは、シール材102cを介して、大径孔部101Aの底面であり小径孔部101Bの上端開口部である排気出口101bの周囲の開口端面101C(弁座面)と対向する。そして、排気孔101の大径孔部101Aには大径の弁部102aが、小径孔部101Bにはバルブロッド102bが、それぞれ空気(気体)の流通を可能にする隙間を残して挿入されることで、弁体102がその中心軸線方向において排気孔101(弁室)内に摺動可能に支持されている。バルブロッド102bは、後述するように弁開放時に、メンテナンスユニット120に設けられた突出軸部121によって押し上げられるため、それの下端が(弁閉止状態で)小径孔部101Bの下端開口部近傍に位置するようになっている。なお、シール材102cとしては、ゴム状の弾性体のパッキン等が好適であり、この実施形態では、シール材102cとしてOリングが用いられる。
大気に連通する排気出口101b周囲の開口端面101Cが弁座面となり、この開口端面101Cと弁部102aとの間にシール材102cが配置される。よって、排気出口101bは、バルブロッド102bに嵌合するシール材102cを介して、弁部102aによって開閉される。
また、大径孔部101Aの内部には、排気出口101bを閉塞する方向に弁体102(弁部102a)を付勢する付勢手段として、コイルスプリング103が挿入されている。つまり、コイルスプリング103の上端部は、上のインクケース71の係合凸部71dの外側に嵌合され、下端部は弁部102a上側の凹部102aa内に嵌挿されている。係合凸部71dの周囲に、複数の排気入口101aが形成されている。つまり、排気入口101aと係合凸部71dの間に、コイルスプリング103の一端部が接触している。よって、コイルスプリング103の外側に、排気入口101aから排気出口101bへの排気(空気)の流路が形成されていることになる。
とりわけ、排気出口101bを開放して排気をする場合には、バルブロッド102bを摺動してコイルスプリング103を圧縮することになる。そのため、排気入口101aから流入してくる排気は、コイルスプリング103の内側に入りにくくなるとともに、大径孔部101Aの内壁面とコイルスプリング103との間に滑らかな排気の流れが形成されることになる。すなわち、大径孔部101Aの内壁面とコイルスプリング103の外側面との間の隙間が流路抵抗の低い流路となる。さらに、弁部102aの外周面とともに排気入口101aから排気出口101bまで、流路抵抗を増大させる要因となる障害物のない排気の流路が形成されることになる。
このように、コイルスプリング103によって、シール材102cが開口端面101Cに当接する方向に弁部102aが常時付勢されているので、後述する突出軸部121による押し上げ力が弁体102に作用しない通常時は、排気弁47Mは、排気出口101bを閉じる弁閉止状態となる。
弁体102のバルブロッド102bには、複数の溝部102dが全長に亘って形成されている。このバルブロッド102bに形成された溝部102dが、弁部102aとシール材102cとが離れたとき、バルブロッド102bとシール材102cとの間に空気の流れを確実に許容する隙間(排気の流路)として機能する。よって、弁閉止状態でシール材102cが接触する開口端面101Cとそのシール材102cとの間にインクが付着し、そのインクが接着機能を発揮して、バルブロッド102bだけが上昇して、シール材102cが開口端面101C上に残るという現象が生じても、溝部102dを通じて連通していることになるので、排気は可能となる。この結果、インク導出路91M〜91B内にエアが溜まり続けるということがなく、そのエアがインクジェットヘッド30の方に移動することもないので、正常な記録が妨げられることもない。
ノズル面のクリーニング、色毎にインクを選択的に吸引するための回復処理、及びバッファタンク40内に滞留されたエアを除去する除去処理を行うメンテナンスユニット120は、インクジェットヘッド30のノズル35〜38の開口面を開閉可能に覆う第1のキャップ部材122と、排気弁装置45の下端面(すなわち各小径孔部101bの下端開口面)を個別に開閉可能に覆う複数の第2のキャップ部材123とを備える。両キャップ部材122,123は、公知のメンテナンスユニットと同様の上下移動機構124により、上下移動可能に支持される。インクジェットヘッド30が、印字を行わない待機位置に移動したときに、ノズル35〜38の開口面及び排気弁装置45の下端面に密着する上昇位置にキャップ部材122,123が移動し、他の位置ではそれらの面から離隔するように下降位置に移動する。また、第1のキャップ部材122は、公知のメンテナンスユニットと同様に吸引ポンプ125に接続され、吸引ポンプ125の駆動によりノズル35〜38から増粘したインクや異物を吸引除去する構成とされる。
各第2のキャップ部材123は、そのキャップ部材123よりも突出した突出軸部121をそれぞれ有し、排気弁装置45の下端面に密着したとき、突出軸部121により、弁体102をコイルスプリング103の付勢力に抗して押し上げ、シール材102cを大径孔部101Aの開口端面101Cから離し、排気出口101bを開放する弁開放状態にする。
各第2のキャップ部材123は共通の流路を介して吸引ポンプ125に接続され、吸引ポンプ125の駆動により各インク導出路91M〜91Bの上部空間内に蓄積したエアが一括して吸引され大気に排出される。これは、インクタンクからインク供給チューブ14M〜14Yを通してインクジェットヘッド30に供給されるインクを、そのインク流路の途中となるインク導出路91M〜91B内に一旦貯留することで、インク中からエアを分離させ、インク導出路91M〜91Bの上部に蓄積したエアを、上記のように、吸引ポンプ125により排出させるのである。
第1のキャップ部材122と第2のキャップ部材123は、切替弁126により択一的に吸引ポンプ125に接続される。第1のキャップ部材122と第2のキャップ部材123は、上下移動機構124により、同時にノズル35〜38の開口面及び排気弁装置45の下端面に密着する。それから、例えば、まず第2のキャップ部材123を通してインク導出路91M〜91Bの上部に蓄積したエアを排出しその後、第1のキャップ部材122を通してノズルからインクを排出する。仮に第1のキャップ部材122のみでインク導出路91M〜91Bのエアを排出しようとすると、多量のインクを排出しなければならないが、上記のようにすることで、少ないインク排出量で、エアの排出及びインクジェットヘッド30の回復処理を行うことができる。
ノズルからのインク吸引のみ、またはインク導出路91M〜91Bのエアの排出のみを、それぞれ単独に行うこともできる。また、上記のように吸引ポンプ125の吸引動作に代えて、インクタンク側から、インクに正圧を加えて、ノズルから増粘したインクや異物を吸引除去したり、インク導出路91M〜91Bのエアを排出することもできる。あるいは、吸引動作とインクヘの正圧印加を併用することもできる。
(排気装置の動作)
以上の構成によれば、印字が行われている通常時には、弁体102は、コイルスプリング103によって常時下向きに押圧されており、シール材102cが弁部102aおよび弁座面に当接した状態(シール材102cが弁部102aと排気出口101bの開口端面101Cとの間で押圧挟持された状態)で排気出口101bが閉じられ、排気弁47Mが弁閉止状態となる。
一方、待機位置に移動したときには、バルブロッド102bが、第2のキャップ部材123の突出軸部121によって上方に押し上げられ、コイルスプリング103が圧縮される。このとき、シール材102cは、弁部102aと一緒に移動するか、開口端面101C(弁座面)上に残ることになるが、いずれの場合にも、排気孔101は溝部102dを通じて連通状態となり、つまり排気出口101bが開放され、排気弁47Mが弁開放状態となる。これにより、インク導出路91M〜91Bの上部に蓄積したエアが排気出口101bから小径孔部101B及び吸引ポンプ125を介して、大気へ排気可能となるのである。
また、この弁開放状態では、圧縮されるコイルスプリング103の外側に、排気孔(弁室)内に排気が流入する複数の排気入口101aが設けられているので、コイルスプリング103の圧縮により流路抵抗が増大して、排気パージごとの排気パージ量がばらつくのを回避することができる。
[本実施形態における効果]
(1)本実施形態において、複数のインク導出路がそれぞれほぼ同じ長さで上下方向に延びる形状にされているため、各インク導出路において、インクジェットヘッドのインク流入口へ流入しようとするインクから良好にエアを分離し、インク導出路の上部空間にエアを蓄積し、排気弁にて開閉されるエア排出口を通じて外部に排出することができる。
(2)インクケースにエア排出口や排気通路を形成することで、簡単な構成で、(1)に記載の効果を実現することができる。
(3)インクケース71,72に、2つずつのインク貯留室、インク導出路91の上部側(91e、91g)または下部側(91f、91g)を形成しているので、それらを接合することで、上下方向に並べられた状態のインク貯留室およびそれらに接続されたインク導出路91を簡単に形成することができる。
(4)4つのインク貯留室41〜44の、互いに平行な面に可撓性の膜(フィルム81〜84)を備えるので、それら4つのインク貯留室の上下方向の高さを抑えながら膜の面積を大きくとることができ、インク圧力の変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行う上で有利な構造を得ることができる。
(5)インク導出路91と排気弁装置45とがほぼ平行に形成され、またインク導出路91上端のエア排出口46と排気弁装置45とが、インクケース上面に形成した排気通路で接続されるので、簡単な構成で、上記(1)〜(4)の効果が得られる。
(6)本実施形態において、インクジェットヘッド30とともに記録媒体に対して走査させられるバッファタンク40が4つのインク貯留室41〜44を備えており、インクジェットヘッド30から吐出されるインクの圧力変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行うことができる。
[他の実施形態2]
前記2つの実施形態において、インク貯留室41〜44から出たインクは、平らな面を経て、各インク導出路91の下部に流れるようにされていた(図11〜図14、図21〜図24参照)。それに対し、本実施形態においては、インクが傾斜した面(図26〜29において48Ya等で示す)を経て、各インク導出路91の下部に流れるように構成されている。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置の構成は上記2つの実施形態と同様であるため、同様の構成要素については同じ符号を付し説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。なお、図26〜図29は、それぞれ前出の図11〜14に対応する図である。
前記2つの実施形態と同様に、インク導出部40dは、インク貯留室41〜44の数に対応する数のインク導出路91M〜91Bを、バッファ部40bの後方にインクジェットヘッド30の走査方向に並べて有する(図15,図26〜図29)。インク導出路91M〜91Bは、最上層のイエローインク貯留室41と最下層のブラックインク貯留室44との間においてその両インク貯留室のインク出口と上下方向に重なるように前方へ拡大して形成され(図16〜図19)、その拡大部分がインク案内通路部48M,48Y,48C,48Bとされている(図26〜図29)。それらインク案内通路部48M〜48Bは、それぞれインク貯留室41〜44に接続されている。
そして、各インク貯留室41〜44内のインクは、それらインク案内通路部48M〜48Bを経て、インク導出路91M〜91Bのインク貯留室41〜44よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部94M〜94Bに流入させられる。すなわち、各インク案内通路部48M〜48Bの各々を含んで、「各インク貯留室内のインクがインク導出路下部に流入する部分」が構成されているのである。
なお、インク案内通路部48M〜48Bとインク貯留室41〜44との対応関係をまとめて記載すれば、インク案内通路部48Mがインク貯留室42に、インク案内通路部48Yがインク貯留室41に、インク案内通路部48Cがインク貯留室43に、インク案内通路部48Bがインク貯留室44にそれぞれ対応し、それぞれ互いに連通している。
このように、インク導出路91M〜91Bがそれぞれほぼ同じ長さで上下方向に延びる形状にされているので、各インク導出路91M〜91Bにおいて、インクジェットヘッド30のインク流入口へ流入しようとするインクから良好にエアを分離し、インク導出路91M〜91Bの上部空間にエアを蓄積し、各排気弁47にて開閉される各エア排出口46を通じて外部に排出することができる。よって、インク導出路91M〜91Bの上部空間が、各インク貯留室41〜44からインク案内通路部48M〜48Bを通じてインク導出路91M〜91B内にインクが導き出されるときに、インクに含まれ分離したエアが蓄積される蓄積部として機能する。
また、インク案内通路部48M〜48Bの下側壁部分(下側インクケース72の一部分である)において、それの下流側部分つまりインク導出路91M〜91Bに臨む部分が、インク導出路91M〜91Bに近づくに従い高さが低くなる傾斜案内面48Ma〜48Baとして形成されている。この傾斜案内面48Ma〜48Baが、インク案内通路部48M〜48Bに対し、インク貯留室41〜44内のインクとインク貯留室41〜44よりも下方におけるインク導出路91M〜91B内、つまり、インク導出路下部94M〜94内のインクとのつながりを維持あるいはつながり易くする「インク連通部」として機能するように構成されている。
よって後述するように、インク導出路91M〜91Bの上部空間にエアが多量に蓄積されたとしても、そのエアがインクジェットヘッド30に吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低減される。
また、各インク導出路91M〜91Bは、それぞれ上下側インクケース71,72にわたって上下方向に延びるように平行に形成され、その各下端が、傾斜案内面48Ma〜48Baよりも下方へ延び、補強フレーム33の各インク通路口(図4に33aのみ示す)を介してインクジェットヘッド30の各インク流入口(図4に32aのみ示す)にそれぞれ接続されるインク供給口部39M〜39Bとして開口されている。一方、その各上端部は、ほぼ平面に配置した複数のエア排出口46M,46C,46Y,46Bにそれぞれ接続され、各エア排出口46M〜46Bを開閉可能な排気弁47M〜47Bを介して外部に開口されている。なお、図4は前記2つの実施形態のものであり、傾斜案内面48Ma〜48Baが設けられていないが、それ以外の部分については本実施形態と同様である。
(各インク貯留室41〜44とインク導出路91との接続)
本実施形態において、各インク貯留室41〜44の構成は前記2つの実施形態と同様であり、各インク貯留室のインク出口とインク導出路91との間にインク連通部たる傾斜案内面が設けられている点において異なっている。以下に、各インク貯留室41〜44とインク導出路91との接続について、本実施形態と前記2つの実施形態と異なる部分を中心に説明する。
イエローインク貯留室41のインク出口41cは、インク貯留室41の底面から上側インクケース71の下面71bへ貫通して、インク案内通路部48Yを通じてインク導出路91Y(図17,図26参照)に接続されている。インク出口41cの下面のインク導出路91Y側周縁には、インク出口41cの下方の空間をインク導出路91Y側に対して仕切るガイド壁64Yが垂下して形成されている。そのガイド壁64Yの下端は、インク導出路91Yの上端よりも下であって傾斜案内面48Yaの上端と間隔をおき、インク出口41cの下方の空間を、傾斜案内面48Yaを経てインク導出路下部94Y(最終的には、インク導出路91Yの底部)に接続されている。
マゼンタインク貯留室42のインク出口42cは、インク入口42bと対角の位置になる左後方の角部近傍の底部42aに開口させられている。そのインク出口42cは、上側インクケース71を貫通して接続路65Mの一端と接続され、その接続路65Mの他端は、インク案内通路部48Mを通じて、上側インクケース71を上面から下面へ貫通してインク導出路91Mに接続されている。接続路65Mの他端開口部のインク導出路91M側周縁には、接続路65Mの他端開口部の下方の空間をインク導出路91M側に対して仕切るガイド壁64Mが垂下して形成されている。そのガイド壁64Mの下端は、インク導出路91Mの上端よりも下であって傾斜案内面48Maの上端と間隔をおき、接続路65Mの他端開口部の下方の空間を、傾斜案内面48Maを経てインク導出路下部94M(最終的には、インク導出路91Mの底部)に接続されている。
シアンインク貯留室43のインク出口43cは、インク貯留室43内の左後方の角部近傍の底部43aに開口されており、下側インクケース72を厚さ方向に貫通して下側インクケース72の下面に形成されている接続路68C(図19参照)と接続されている。この接続路68Cおよびインク貯留室44の後方部分は、インク導出路91M〜91Bと平面視において重なって位置しており、接続路68Cの他端68Caは、下側インクケース72を下から上へ貫通することで、インク導出路91Cの上端よりも下の位置でインク案内通路部48Cに開口し、傾斜案内面48Caを経てインク導出路下部94C(最終的には、インク導出路91Cの底部)に接続されている(図28参照)。
インク貯留室44内のブラックインクを流出させるブラックインクのインク出口44cは、インク貯留室44内の右後方の角部近傍の底部44aに開口されており、下側インクケース72を上下方向に貫通し、インク導出路91Cの上端よりも下の位置でインク案内通路部48Bに開口し、傾斜案内面48Caを経てインク導出路下部94B(最終的には、インク導出路91Bの底部)に接続されている。
(各インクの流れ方)
本実施形態において、インクの流れ方は、前記2つの実施形態と同様であるが、各インク貯留室から流出したインクは、インク案内通路部を経てインク導出路に流入するようにされている。
インク貯留室41から流出したイエローインクは、図26に示すように、インク案内通路部48Yを経てインク導出路91Yに至り、インク供給口部39Yからインクジェットヘッド30に供給される。インク貯留室42から流出したマゼンタインクは、図27に示すように、インク案内通路部48Mを経てインク導出路91Mに至り、インク供給口部39Mからインクジェットヘッド30へ供給される。インク貯留室43から流出したインクは、図28に示すように、インク案内通路部48Cを経てインク導出路91Cに至り、インク供給口部39Cからインクジェットヘッド30へ供給される。インク貯留室44から流出したブラックインクは、図29に示すように、インク案内通路部48Bを経てインク導出路91Bに至り、インク供給口部39Bからインクジェットヘッド30へ供給される。
このように、インク貯留室41〜44から流出した各インクは、それぞれインク案内通路部48M〜48Bを経てインク導出路91M〜91Bに流れ込むので、各インク導出路91M〜91Bにおいて、インク導出路48M〜48Bに流れ込むインクから良好にエアを分離し、およびインクジェットヘッドの各インク流入口部に設けたフィルタで捕捉したエアを浮上させ、インク導出路91M〜91Bの上部空間にエアを蓄積し、排気弁装置45にて開閉されるエア排出口部を通じて外部に排出することができる。
(インクの供給状態)
図30,図32に、インク導出路91M〜91Bの上部に多量のエアが蓄積された状態を示す。インク導出路91M〜91Bの上部に多量のエアが蓄積され、インク導出路91M〜91B内のインク液面が降下してくると、その液面と、インク貯留室41〜44内のインクとのつながり部分が細くなる。図30のイエローインクの場合(マゼンタインクも同様)、インク導出路91Y内のインク液面がガイド壁64Yよりも下がると、インク貯留室41のインク出口41cから導出されるインクは、インク導出路91Y内のエアの圧力によってインク案内通路部48Y内に押し込められるが、インク液面が傾斜案内面48Yaの上端よりもわずか下がっても、インク導出路91Y内のインク液面は、傾斜案内面48Yaによってインク案内通路部48Y内のインクとごく近い位置にあり、さらに、インクの表面張力、インクジェットヘッドが印字にともないインクを引く力などの作用により、インク導出路91Y内のインク液面とインク案内通路部48Y内のインクとのつながりが維持される。
また、図32のブラックインクの場合(シアンインクも同様)、インク導出路91B内のインク液面が傾斜案内面48Baのぼぼ上端に達するまで下降しても、インク貯留室44のインク出口44cからインク案内通路部48Bに露出するインクは、傾斜案内面48Baによってインク導出路91B内のインク液面とごく近い位置にあり、さらに、インクの表面張力、インクジェットヘッドが印字にともないインクを引く力などの作用により、インク導出路91B内のインク液面とインク貯留室44内のインクとのつながりが維持される。
仮に、インク案内通路部48Y,48Bの下の傾斜案内面48Ya,48Baが水平な面として形成されていると、インク導出路91Y、91B内の液面が下がったとき、その水平な面を経てインク貯留室41,44からインク導出路91Y、91Bへインクが移動することが困難になり、早期にインクの供給が切断されてしまうが、上記構成によって、しばらくの間インクの供給が維持される。
図31,図33に示すように、インク導出路91Y、91B内の液面がさらに下がってインク貯留室41,44内のインクとのつながりが切れた状態で(この状態でもインク導出路91Y、91B内のインクで印字は継続できる)、第1のキャップ部材122によってノズルからインクを吸引すると、インク導出路91Y、91B内のインク液面が急速に下がり、その上部空間の圧力が低下する。すると、図31のイエローインクの場合(マゼンタインクも同様)、インク案内通路部48Yのインクがインク導出路91Y側に引き込まれ、傾斜案内面48Yaに沿って流れ、インク導出路91Y内のインク液面と早期につながる。また、図32のブラックインクの場合(シアンインクも同様)、インク出口44cからインク案内通路部48Bに露出するインクは、負圧によって引き上げられ傾斜案内面48Baにに沿って流れ、インク導出路91B内のインク液面と早期につながる。
仮に、インク案内通路部の下の傾斜案内面48Ya,48Baが上述のように水平な面として形成されていると、その水平な面を経てインク貯留室41,44からインク導出路91Y、91Bへインクが移動するのに時間がかかり、その間にインク導出路91Y、91Bの上部空間のエアがインクジェットヘッドに引き込まれ、インクジェットヘッドを噴射不能あるいは噴射不良にしてしまうことがある。本実施の形態では、インク貯留室41,44のインクが傾斜案内面48Ya,48Baを経て早期にインク導出路91Y、91Bのインクとつながるので、インクジェットヘッドの回復処理のためのインクが不足することなく供給され、回復処理を確実に行うことができる。
本実施形態は次のように変更することも可能である。
(a)本実施形態では、インク連通部は、インク案内通路部の下側壁部分に形成されインク導出路に近づくに従い高さが低くなる1つの傾斜平面からなる傾斜案内面とされているが、傾斜案内面は1つの傾斜平面で構成される必要はなく、2つあるいはそれ以上の数の傾斜平面を組み合わせて、インクのつながりを維持するように屈曲した屈曲凸面あるいは屈曲凹面とすることも可能である。
(b)傾斜平面を用いた傾斜案内面に代えて、湾曲凸面や湾曲凹面等の湾曲面を用いた案内面でもってインク連通部を構成することも可能であるし、さらに、インク案内通路部の下側壁部分に形成され前記インク導出路に近づくに従い底面の高さが低くなるように傾斜した単数または複数の溝状の案内凹部を用いてインク連通部を構成することも可能である。
[本実施形態における効果]
(1)傾斜案内面48Ya等を設けることで、インク貯留室からインク案内通路部に導き出されたインクは、前記傾斜案内面に案内されてインク導出路内へ流れ込みやすくなる。よって、インク案内通路部の下側壁部分に傾斜案内面を形成するだけで、インク貯留室内のインクと前記インク貯留室よりも下方における前記インク導出路内のインクとのつながりが維持されやすくあるいはつながり易くなる。
(2)インク案内通路部の下側壁部分に、前記インク導出路に近づくに従い底面の高さが低くなるように傾斜した単数または複数の溝状の案内凹部を設けた場合には、インク貯留室からのインクが案内凹部に案内されて、インク導出路内に流れ込みやすくなる。特に案内凹部が溝状であるので、その溝内部を通じてインクのつながりを維持あるいはつながり易くする上で有利な構造となる。
(3)本実施形態のインクジェット記録装置において、複数のインク貯留室およびインクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるが、その際にインク導出路の上部空間に蓄積されるエアがインクジェットヘッドに吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低減される。
(4)上側インクケースと下側インクケースとを接合してバッファタンクとすることで、インク貯留室、エア排出口部、インク導出路およびインク案内通路部の形成が簡単になる。
[他の実施形態3](1)上記3つの実施形態では、上から順にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各インクが貯留されているが、貯留するインクの順番を変更してもよい。この構成を使用した場合でも、前述した3つの実施形態の効果を奏することができる。
(2)インクケース71、72を並べる方向は、左右方向にすることもできる。この構成を使用した場合、幅方向にコンパクトに配置することができるとともに、前述した3つの実施形態のうちの少なくとも1つのものの効果を奏することができる。

Claims (29)

  1. 複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクと、
    それらインクタンクに収容されているインクを種類別に供給する複数のチューブと、
    それらチューブを介して供給されたインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクと、
    を含み、
    前記インク貯留室の各々からインクジェットヘッドにインクが供給され、前記バッファタンク及び前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるインクジェット記録装置であって、
    前記インク貯留室の各々に、前記チューブの各々を介して供給されたインクがそれぞれのインク貯留室内に導入されるインク入口と、それぞれのインク貯留室内に貯留されているインクが前記インクジェットヘッドと連通する複数のインク導出路の各々へ供給されるインク出口とがそれぞれ形成されており、
    前記各インク貯留室における前記インク入口と前記インク出口とが、それぞれのインク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されたインクジェット記録装置。
  2. 前記複数のインク貯留室の各々が、前記インク入口と前記インク出口とを結ぶ方向と平行な方向に扁平な空間を備え、その空間の扁平な方向と平行な1つの面が可撓性のフィルム材で構成され、
    前記複数のインク貯留室が、それらの扁平な方向が互いに平行な姿勢で並べられた請求項の範囲第1項に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記複数のインク貯留室のうちの少なくとも2つのインク貯留室が、壁部によって形成された1つのケース内の前記壁部の一部である隔壁を介して互いに隣接する関係にあり、それら2つの前記インク貯留室の各々の前記インク入口及び前記インク出口が、前記隔壁に平行な方向において互いに異なる位置に形成された請求の範囲第1項または第2項に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記バッファタンクが、前記2つのインク貯留室を有する前記ケースを複数含み、それら複数のケースが互いに平行に連結された請求の範囲第3項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記ケースの互いに反対向きの2つの面の一方に、各一端が前記各チューブとそれぞれ接続される複数のインク導入路が形成され、そのケースの前記互いに反対向きの2つの面の他方に形成された前記インク貯留室に、前記複数のインク導入路の少なくとも1つの他端が前記ケースの壁部を貫通して接続された請求の範囲第3項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記複数個のケースのうち1つの互いに反対向きの2つの面の一方に、各一端が前記各チューブとそれぞれ接続される複数のインク導入路が形成され、
    それら複数のインク導入路の他端が、前記複数のケースの前記複数のインク貯留室の各々に、それら複数のケースの少なくとも一方の前記壁部を貫通してそれぞれ接続された請求の範囲第4項に記載のインクジェット記録装置。
  7. 複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクと、
    それらインクタンクに収容されているインクを種類別に供給する複数のチューブと、
    それらチューブを介して供給されたインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクと
    を含み、
    前記複数のインク貯留室の各々からインクジェットヘッドにインクが供給され、前記バッファタンクおよびインクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるインクジェット記録装置であって、
    前記複数のインク貯留室の各々に、前記複数のチューブの各々を介して供給されたインクが各インク貯留室内に導入されるインク入口と、そのインク貯留室内に貯留されているインクが前記インクジェットヘッドと連通する複数のインク導出路の各々へ供給されるインク出口とがそれぞれ形成され、
    前記バッファタンクが、前記複数のインク貯留室を内部に有する複数のケースが積層されて構成され、それらケースの1つの互いに反対向きの2つの面の一方に、各一端が前記各チューブとそれぞれ接続される複数のインク導入路が形成され、それらインク導入路のうち少なくとも一部のものの各他端が、前記複数のケースの少なくとも1つをそれらケースの積層方向に貫通して前記複数のインク貯留室の各々の前記インク入口に連通させられたインクジェット記録装置。
  8. 前記複数のインク貯留室の各々が、前記インク入口と前記インク出口とを結ぶ方向と平行な方向に扁平な空間を備え、その空間の扁平な方向と平行な1つの面が可撓性のフィルム材で構成され、
    前記複数のインク貯留室が、それらの扁平な方向が互いに平行な姿勢で並べられた請求の範囲第7項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記複数のケースの少なくとも2つが、それぞれ2つずつの前記インク貯留室をそれぞれのケース内の1つの隔壁を介して隣接して含み、それら少なくとも2つのケースが互いに平行に連結されて前記バッファタンクが構成された請求の範囲第7項または第8項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 前記2つずつのインク貯留室が、前記複数のケースの各々の内部の1つの隔壁を介して互いに隣接する関係にあり、それぞれ隔壁と反対側が開放された形状で、それら開放面が前記可撓性のフィルム材で覆われており、それら2つずつのインク貯留室の前記インク入口と前記インク出口が、前記隔壁に平行な方向において互いに異なる位置に形成され、
    前記2つずつのインク貯留室を有する複数のケースのうち互いに隣接するものが、それらの前記フィルム材が間隔をおいて互いに平行に対向する状態で、それら互いに隣接するケースが互いに連結された請求の範囲第9項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 前記複数のインク貯留室の各々に対応する前記複数のインク導出路の各々が、前記バッファタンクの前記インクジェットヘッドと対向する一側に並んで開口させられ、
    前記複数のインク貯留室のうちの少なくとも2つのインク貯留室が、壁部によって形成された1つのケース内の前記壁部の一部である隔壁を介して互いに隣接する関係にあり、かつ、それら2つのインク貯留室が形成されたケースの、互いに逆向きの2つの面の一方の前記インク貯留室の前記インク出口がそのケースの前記互いに逆向きの2つの面の他方の側へ貫通して前記インク導出路に接続された請求の範囲第3項ないし第6項、第9項または第10項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  12. 前記バッファタンクが、前記2つのインク貯留室を有する前記ケースを複数含み、それら複数のケースが互いに平行に積層されて連結しており、
    前記複数のインク貯留室のうち、前記複数のケースの、それらケースが互いに対向する側の面である対向面の側に位置するインク貯留室の前記インク入口及び前記インク出口が、前記複数のインク導入路のうち少なくとも一部のものの前記各他端および前記複数のインク導出路が前記ケースを貫通する位置よりもその各インク貯留室の内側に位置する請求の範囲第9項ないし第11項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  13. 前記複数のケースの1つの、互いに反対向きの2つの面の一方に、一端が前記各チューブと接続される複数のインク導入路が配列して形成され、
    それらインク導入路の列の両端の2つのインク導入路が、それら2つのインク導入路が形成されたケース内の2つのインク貯留室に接続され、
    前記インク導入路の列の両端よりも内側に位置する2以上のインク導入路が、前記複数のインク導入路が形成されたケース以外の1以上のケース内の前記インク貯留室に接続された請求の範囲第12項に記載のインクジェット記録装置。
  14. 前記複数のインク導出路の各々の上端が、開閉可能な排気弁を介して外部に接続された請求の範囲第1項ないし第13項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  15. 前記複数のインク貯留室が互いに平行でかつ上下方向に並べられた状態にあり、前記複数のインク導出路が、それぞれほぼ同じ長さで前記上下方向に延び、その側面に前記複数のインク貯留室の各々が接続され、それらインク導出路の上部空間がエアの蓄積部であり、それらの各下端が、前記インクジェットヘッドの複数のインク流入口の各々と接続されるインク供給口として開口させられるとともに、それらの各上端が、ほぼ平面上に配置された複数のエア排出口にそれぞれ接続され、それらエア排出口の各々が開閉可能な複数の排気弁を経て外部に開口させられた請求の範囲第1項ないし第14項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  16. 前記複数のインク導出路の、前記複数のインク貯留室よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部のインク供給口を通じて前記インクジェットヘッドのインク流入口にインクが供給され、前記複数のインク貯留室の各々の内のインクと前記インク導出部下部内のインクとのつながりを維持あるいはつながり易くするインク連通部を含む請求の範囲第1項ないし第15項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  17. 複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクと、
    それらインクタンクから供給されるインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクと、
    前記複数のインク貯留室からそれぞれ供給されるインクを記録媒体に対して吐出するインクジェットヘッドと、
    前記バッファタンクと前記インクジェットヘッドとを前記記録媒体の送り方向と交差する方向に走査させる走査装置と
    を含み、かつ、前記インクジェットヘッドおよび前記複数のインク貯留室が互いに直角な第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有し、それらインクジェットヘッドと複数のインク貯留室とが前記第3方向に並べられたインクジェット記録装置。
  18. 複数種類のインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室と、それらインク貯留室の各々からインクが導き出される複数のインク導出路と、それらインク導出路の各々に接続される複数のインク流入口を有するインクジェットヘッドとを含むインクジェット記録装置であって、
    前記複数のインク貯留室が互いに平行でかつ上下方向に並べられた状態にあり、前記複数のインク導出路が、それぞれほぼ同じ長さで上下方向に延び、その側面に前記インク貯留室がそれぞれ接続され、それらの上部空間がエアの蓄積部であり、それらの各下端が、前記インクジェットヘッドの各インク流入口とそれぞれ接続されるインク供給口として開口させられるとともに、それらの各上端が、ほぼ平面上に配置された複数のエア排出口にそれぞれ接続され、それらエア排出口の各々が対応する開閉可能な排気弁を経て外部に開口させられたインクジェット記録装置。
  19. 前記複数のエア排出口が、前記複数のインク貯留室のうち上層の前記インク貯留室を形成するケースの平面に形成され、
    前記複数の排気弁が、前記ケースの一側に配置され、
    前記複数のエア排出口と前記複数の排気弁とが、前記ケースの平面に沿って形成された複数の排気通路を介して接続された請求の範囲第18項に記載のインクジェット記録装置。
  20. 前記複数のインク貯留室が、複数のケースに分けて形成され、前記複数のインク導出路が、それぞれ前記エア排出口と接続される上部側と、前記インク供給口と接続される下部側とに分けて前記複数のケースに形成され、
    前記インク導出路の上部側と下部側とが接合された状態で、前記複数のインク貯留室が前記上下方向に並べられた状態とされた請求の範囲第18項または第19項に記載のインクジェット記録装置。
  21. 前記複数のインク貯留室の各々が、互いに平行な面に、それらインク貯留室内のインクの圧力によって変形可能な可撓性の膜をそれぞれ備える請求の範囲第18項ないし第20項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  22. 前記複数のインク貯留室および前記複数のインク導出路がケースに形成され、前記複数の排気弁が、そのケースの一側に前記インク導出路とほぼ平行に形成された排気弁箱内に収容され、前記複数のインク導出路の各々の上端のエア排出口と前記複数の排気弁の各々とが前記ケースの上面に形成された排気通路で接続された請求の範囲第18項ないし第21項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  23. 前記複数のインク貯留室の各々に、インクを種類別に収容する複数のインクタンクから、各インクが種類別にインク供給チューブを介して供給され、
    前記複数のインク貯留室の各々から前記インクジェットヘッドにインクが供給され、前記複数のインク貯留室および前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出される請求の範囲第18項ないし第22項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  24. インクを貯留するインク貯留室と、上下方向に延び前記インク貯留室からインクが導き出されるインク導出路とを有し、そのインク導出路の前記インク貯留室よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部のインク供給口を通じてインクジェットヘッドのインク流入口にインクが供給されるインクジェット記録装置であって、
    前記インク貯留室内から導き出されるインクと前記インク導出路下部内のインクとのつながりを維持あるいはつながり易くするインク連通部を含むインクジェット記録装置。
  25. 前記インク連通部が、前記インク貯留室内のインクが前記インク導出路下部に流入する部分の下側壁部分に形成され、前記インク導出路下部に近づくに従い高さが低くなる傾斜案内面を含む請求の範囲第24項に記載のインクジェット記録装置。
  26. 前記インク連通部が、前記インク貯留室内のインクが前記インク導出路下部に流入する部分の下側壁部分に形成されて前記インク導出路下部に近づくに従い底面の高さが低くなるように傾斜した1つ以上の溝状の案内凹部を含む請求の範囲第24項に記載のインクジェット記録装置。
  27. 前記インク貯留室を複数含み、それら複数のインク貯留室に、複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクからの各インクが種類別にインク供給チューブを介して供給され、
    前記複数のインク貯留室の各々から前記インクジェットヘッドにインクが供給され、前記複数のインク貯留室および前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクを吐出する請求の範囲第24項ないし第26項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  28. 前記インク導出路が、そのインク導出路の上部にエア排出口を有し、そのエア排出口を通じて前記インク導出路の上部空間に蓄積されるエアを排出する請求の範囲第24項ないし第27項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
  29. 前記インク貯留室が、バッファタンクに複数設けられて複数種類のインクを種類別に貯留し、そのバッファタンクが、上側ケースと下側ケースとが接合されて成り、
    前記上側ケースに、前記エア排出口とそれに連通する前記インク導出路の上側部分とが形成される一方、前記下側ケースに、前記インク供給口とそれに連通する前記インク導出路の下側部分の他、前記インク連通部が形成された請求の範囲第28項に記載のインクジェット記録装置。



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