JPWO2006121109A1 - インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
この種のインクジェット記録装置では、キャリッジの移動に伴って加速度が生じ、インクの供給経路に圧力変化が発生する。この圧力が直接インクジェットヘッドのノズルに伝わると、インク液滴の性状が変化し、ドット抜けなどの印字不良が発生することがある。そこで、この対策として、特許文献1に示すように、インクジェットヘッドの上部に圧力変化を緩和するダンパ機構を有するインク貯留室を設け、キャリッジの移動に伴う加速度の影響を小さくする方法が採用されている。
特許文献1に記載の構成では、インクタンクからチューブを介して供給されたインクは、ダンパフレーム内の楕円形状の圧力吸収室(インク貯留室)に、下側から接線方向に接続された流路から流入し、その圧力吸収室の下部に形成された流出口からインクジェットヘッドへ流れる。圧力吸収室(インク貯留室)の一つの側面は、可撓性のフィルム材で構成されている。
また、多色インクなど複数種類のインクを用いる場合、ダンパ機構もインクの種類毎に必要となり、各ダンパ機構の配置、およびダンパ機構とインクジェットヘッドとの接続構造などが、複雑で大きくなる問題がある。
上記第1方向は、例えば、インクジェットヘッドが走査させられる方向である走査方向と直交する方向とすることができる。バッファタンクにおいて、インクタンクに収容されているインクを複数のチューブから受け取る部分と、貯留しているインクをインクジェットヘッドに供給する部分とが、走査方向と直交する方向に隔たって設けられる場合が多い。その場合には、バッファタンク内において、インクが概して走査方向と交差する方向に移動することになり、それが望ましいからである。そういった場合に、走査方向と直交する方向を第1方向とすることにより、インク貯留室の容積を有効に活用することができる。第1方向は、上下方向および走査方向と直交する方向とすることが望ましい。
また、インク貯留室の形状が、第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有している場合には、インク入口とインク出口とを、第1方向と第2方向との少なくとも一方において離間させるのみで、インク貯留室の容積を有効に活用することができる。この場合、第2方向を、上下方向および第1方向と直交する方向とすることが望ましく、また、第3方向を上下方向とすることができる。さらに付言すれば、上記「第1方向および第2方向においてインク入口とインク出口とが離間させられた状態」は、例えば、第1方向においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ直線が第1方向に対して傾斜させられた状態と表現することもできる。上記直線を第1方向に対して傾斜させることにより、インクの流路を長くすることができる場合が多い。インク貯留室が前記四角形状を成すものである場合はその端的な例である。上記直線と第1方向とのなす角度は、例えば、10度以上にすることが望ましく、20度以上にすることがさらに望ましい。
なお、インクジェットヘッドと複数のインク貯留室とは互いに接触して並べられていてもよく、それらの間に隙間が存在してもよく、一部のものが接触して並べられるとともに残りのものの間に隙間が存在してもよい。
本態様のインクジェット記録装置における第1方向、第2方向、第3方向は、例えば、最初に記載した態様のインクジェット記録装置に関して記載した方向と同様な方向とすることができる。
それに対し、上記態様のインクジェット記録装置によれば、装置全体の高さを抑えながらインク貯留室の容量を確保でき、インク圧力の変動等を効果的に抑えるダンパ効果が得られる。
特に、インク貯留室の上または下向きの面が可撓性フィルムで覆われ、その可撓性フィルムの撓みによってインク圧力の変動等が抑えられる場合には、可撓性フィルムの面積を大きくすることが容易であるため、一層効果的に圧力変動等が抑制される。
この従来型のインクジェット記録装置に対し、上記態様のインクジェット記録装置においては、インク導出路の上部空間に溜まるエアによってインクが流体的に切断されにくくなり、エアがインクジェットヘッドに吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低くなる。
(インクジェット記録装置の主要構成)
最初に、インクジェット記録装置の主要構成について図1を参照して説明する。図1はインクジェット記録装置の主要構成を示す平面説明図である。
インクジェット記録装置1の内部には、2本のガイド軸6,7が設けられており、そのガイド軸6,7には、キャリッジを兼用するヘッドホルダ9が取付けられている。ヘッドホルダ9には、記録用紙Pへインクを吐出して記録を行うインクジェットヘッド30が保持されている。ヘッドホルダ9は、モータ10により回転する無端ベルト11に取付けられており、モータ10の回転駆動により、ガイド軸6,7に沿って往復移動させられる。
また、インクジェット記録装置1の本体の静止位置には、マゼンタインクが収容されたインクタンク5Mと、シアンインクが収容されたインクタンク5Cと、ブラックインクが収容されたインクタンク5Bと、イエローインクが収容されたインクタンク5Yとが備えられている。各インクタンク5M〜5Yは、それぞれ可撓性のチューブ14M、14C、14B、14Yによってチューブジョイント20と接続されている。
次に、ヘッドホルダの主要構造について説明する。
なお、以下の説明では、インクを吐出する側を下面および下方向とし、その反対側を上面および上方向とする。また、図1において図面左端側を左方向、右端側を右方向、図面下辺側を前方、図面上辺側を後方とする。
また、添字M、C、B、Yは、それぞれマゼンタインク、シアンインク、ブラックインク、イエローインクに関するものであることを示す。
ヘッドホルダ9内の底壁9cの上には、バッファタンク40が収容されている。バッファタンク40は、上下方向に関しては、インクケース71とインクケース72とが互いに平行に配置され、互いに連結された構成を有している。また、前後方向に関しては、インク導入部40e、バッファ部40bおよびインク導出部40dが、記載の順序に並べられた構成を有している。
バッファ部40bにおいて上側のインクケース71の内部には、内部を上下に区画する壁71c(図11,図12参照)が設けられており、この壁71cを境として、上側にはイエローインクを貯留するイエローインク貯留室41(図6)が、下側にはマゼンタインクを貯留するマゼンタインク貯留室42(図7)がそれぞれ形成され、互いに隣接している。
下側のインクケース72の内部には、内部を上下に区画する壁72c(図13,図14参照)が設けられており、この壁72cを境として、上側にはシアンインクを貯留するシアンインク貯留室43(図9)が、下側にはブラックインクを貯留するブラックインク貯留室44(図10)がそれぞれ形成され、互いに隣接している。
これらインク貯留室41〜44は、互いに平行であって上下方向に並べられた状態にあり、上下のインクケース71,72に2つずつ分けて形成される。つまり、バッファタンク40には、上から順にイエロー、マゼンタ、シアン及びブラックの各インクが貯留されることとなる。
インク導出路91M〜91Bは、上下のインクケース71,72にそれぞれ対応して形成された筒状壁91e,91f内を仕切壁91gによってインク毎に分割して形成されている。両ケースの筒状壁91e,91f、仕切壁91gを一致させて超音波溶着、接着等で接合することにより、各インク導出路91M〜91Bが、上下のインクケース71,72にわたって連続して形成されると同時に、上下のインクケース71,72が互いに連結され一体化される。
すなわち、上下のインクケース71,72の後方側の部分には、それら上下のインクケース71,72を上下方向に貫通するインク導出路91M〜91Bが形成されているのである。
図2に示すように、チューブジョイント20には、チューブ14M〜14Yが接続された接続部21M、21C、21B、21Yが前後方向に一列に配列され、それぞれ左方に突出して形成されている。各接続部21M〜21Yの内部には、接続されたチューブからインクを導入するインク流路がそれぞれ形成されている。
延出部40aの下面には、インク導入口22M、22C、22B及び22Yにそれぞれ前端が接続されたインク導入路61M、61C、61B及び61Yが形成されている。各インク導入路は、それぞれ前後方向に延びた溝状(本実施形態において凹溝とされている)に形成されており、延出部40aの下面において左右方向に並んで配置されている。
延出部40aは壁71cと一体的に連接して形成されており、インク導入路61M〜61Yの後端は、延出部40aを上下に貫通したインク導入孔62M、62C、62B、62Yを介して延出部40aの上下面に形成されたインク導入路63M、63C、63B、63Yにそれぞれ接続されている。
左端のインク導入路63Y及び右端のインク導入路63Mは、後述するようにそれぞれインクケース71のイエローインク貯留室41とマゼンタインク貯留室42とに接続され、中央のインク導入路63C、63Bは、それぞれインクケース72のシアンインク貯留室43とブラックインク貯留室44とに接続される。
インクケース71、72の対向面の、中央のインク導入路63C、63Bの後端と平面視において重なる位置には、筒状壁92a、92bが突設され(図7,図8)、その筒状壁92a、92bを貫通するインク導入路64B、64Cの上端が、インク導入路63C、63Bの後端と接続している。
両筒状壁92a、92bどうしを超音波溶着、接着等などの接合手段で接合することにより、上のインクケース71のインク導入路63C、63Bがインク導入路64B、64Cを介して下のインクケース72のインク貯留室43,44に接続されると同時に、上記筒状壁91e,91fの接合と共同して上下のインクケース71,72が互いに連結され一体化される。
次に、各インク貯留室41〜44の主要構造について図を参照して説明する。
図6に示すように、バッファ部40bにおいてインクケース71の壁71c(図11)参照)の上面には、横断面が略四角形状であり、上面が同形状に開口した扁平な空間からなるイエローインク貯留室41が形成されている。イエローインク貯留室41は、周囲4辺を左側壁41i、右側壁41h、後側壁41k及び前側壁41mにより区画されている。インク貯留室41には、左側壁41iと前側壁41mとがなす角部に、インク導入路63Yの後端がインク入口41bとして開口している。
つまり、イエローインク入口41bとイエローインク出口41cとは、周囲の状況が許す限りにおいて、イエローインク貯留室41の対角位置近くに設けられている。換言すると、イエローインク貯留室41内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
さらには、走査方向および上下方向に直交する方向(第1方向の一例である)においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ直線が第1方向に対して傾斜させられた状態と表現することもできる。なお、同様なことが他のインク貯留室42〜44にも該当する。
マゼンタインク貯留室42について、図7を参照して説明する。なお、図7はインクケース71を下方から見た図であるので、図中の左方向が「右方向」、図中の右方向が「左方向」となる。
図7に示すように、インクケース71の壁71cの下面には、横断面が略四角形状であり、下面が同形状に開口した扁平な空間からなるマゼンタインク貯留室42が形成されている。マゼンタインク貯留室42は、左側壁42i、右側壁42h、後側壁42k及び前側壁42mにより区画されており、図12に示すように、壁71cを介してイエローインク貯留室41と隣接して設けられている。
インクケース71の上面(詳しくは、壁71cの上面)には、マゼンタインク出口42cと対応する位置であってイエローインク貯留室41の外の位置に接続路65Mが形成されている。接続路65Mの一端は、インクケース71を貫通したマゼンタインク出口42cと接続され、他端は、インクケース71を上面から下面へ貫通してマゼンタインク導出路91Mに接続されている。
接続路65Mの他端は、インク導出路91Mの上端よりも下において開口させられている。すなわち、接続路65Mの後方端部の下面のインク導出路91M側周縁は、インクをインク導出路91Mの底部に導くように、インク導出路91M内に対してガイド壁64Mにより仕切られているのである。
つまり、マゼンタインク入口42bとマゼンタインク出口42cとは、マゼンタインク貯留室42内のインクが流れる大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
また、イエローインク貯留室41とマゼンタインク貯留室42とは、インクケース71の壁71cを介して隣接する関係にあり、イエローインク入口41b及びイエローインク出口41cと、マゼンタインク入口42b及びマゼンタインク出口42cとが、壁71cに沿って互いに異なる位置に配置されている。つまり、インクケース71を平面視したとき、イエローインクの入口41bと出口41cとを結ぶ線と、マゼンタインクの入口42bと出口42cとを結ぶ線とは、互いにほぼ異なる方向の対角線のように交差して位置する。
換言すれば、走査方向および上下方向に直交する方向(第1方向の一例である)においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ2つの直線が第1方向に対して互いに逆向きに傾斜させられた状態と表現することもできる。なお、同様なことが他のインク貯留室43,44にも該当する。
すなわち、インクケース71は、上下に開口した壁部と、上下の開口を封止するフィルム材とを含んで構成されている。上記壁部は、上下を区画する隔壁たる壁71cと、上下の側壁41h〜mおよび側壁42h〜mとを含んで構成されている。
シアンインク貯留室43について、図8及び図9を参照して説明する。なお、図9は下方から見た図であるので、図中の左方向が「右方向」、図中の右方向が「左方向」となる。
図8に示すように、インクケース72の上面72a(図13参照)には、マゼンタインク貯留室42と対応する位置に同形状のシアンインク貯留室43が、左側壁43i、右側壁43h、後側壁43k及び前側壁43mにより区画されて、上方に開口形成されている。底部43aには、リブ42d、42e(図7)と同形状のリブ43d、43eが設けられている。
シアンインク貯留室43の開口面は、マゼンタインク貯留室42同様に、略長方形の可撓性を有するフィルム83により封止されている。
つまり、インクケース71とインクケース72とは、マゼンタインク貯留室42のフィルム82とシアンインク貯留室43のフィルム83とが間隔をおいて平行に対向するように、互いに連結されている。
つまり、インクケース71の上面71aに形成されているインク導入路63C(図7)は、インクケース71とインクケース72との積層方向に貫通するインク導入路64C(図7)及びインク導入路66Cを介して、シアンインク貯留室43のシアンインク入口43bに連通されている。
シアンインク貯留室43のシアンインク出口43cは、シアンインク貯留室43内の左後方の角部近傍の底部43aに開口形成されており、インクケース72を厚さ方向に貫通してインクケース72の下面に形成されている接続路68C(図9)と接続されている。
図9に示すように、接続路68Cは、一旦、ブラックインク貯留室44の外においてその左後方の角部に沿ってL字型に形成されている。この接続路68C及びブラックインク貯留室44の後方部分は、インク導出路91M〜91Bと平面視において重なって位置しており、接続路68Cの他端68Caは、インクケース72を下から上へ貫通することで、インク導出路91Cと接続している。
ブラックインク貯留室44について、図9を参照して説明する。
図9に示すように、インクケース72の下部には、横断面が略四角形状であり、下面が同形状に開口した扁平な空間からなるブラックインク貯留室44が形成されている。ブラックインク貯留室44は、左側壁44i、右側壁44h、後側壁44k及び前側壁44mにより区画されており、図9に示すように、壁72cを介してシアンインク貯留室43と隣接して設けられている。
また、ブラックインク貯留室44の右前方の角部に隣接してインク導入路66Cが、左後方の角部に隣接して接続路68Cが、区画されてそれぞれ設けられている。
ブラックインク貯留室44内のブラックインクを流出させるブラックインク出口44cは、ブラックインク貯留室44内の右後方の角部近傍の底部44aに開口形成されており、インクケース72を上下方向に貫通し、インク導出路91Cに連通されている。
つまり、ブラックインク入口44bとブラックインク出口44cとは、ブラックインク貯留室44の略対角位置に設けられている。換言すると、ブラックインク貯留室44内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されている。
つまり、インクケース72を平面視したとき、シアンインクの入口43bと出口43cとを結ぶ線と、ブラックインクの入口44bと出口44cとを結ぶ線とは、互いにほぼ異なる方向の対角線のように交差して位置する。
ブラックインク貯留室44、インク導入路66C、及び接続路68Cの上方に開放している面は、可撓性を有するフィルム84(図9、図14)で封止されている。インク導入路66C、接続路68C及びブラックインク貯留室44を確定する側壁の下面は同じ平面上に形成されており、フィルム84がその面に接着、熱溶着などの接合手段により接合され、それにより、上記ブラックインク貯留室44、インク導入路66C、及び接続路68Cがそれぞれ区画されている。
インク供給口39M〜39Bの上方に位置するインク導出路91M〜91Bは、インクケース71の上面にそれぞれ開放されており、インクケース71の上面に溝状に形成された排気通路93(図10)を介して、バッファ部40bの側部に配置された排気弁装置45に接続されている。その排気弁装置45は、容体たる排気弁箱45aと、各排気通路93毎に開閉可能な排気弁47M〜47Bを備えている。
各排気弁47は通常は閉塞した状態にあり、チューブ14M〜14Yから供給されたインクが、各インク貯留室41〜44、インク導出路91M〜91B内を流れる際に、インク中に含まれる気泡を浮上させ、各インク導出路91M〜91Bの上端に蓄積させる。この気泡を、各排気弁47を適宜開放制御することにより外部に排出させることができる。
イエローインクは、図10のY−Y断面に示される経路に沿って流れる。図11に示すように、インク導入口22Y(図5)からインク導入路61Y、63Yを経て、イエローインク入口41b(図6)からイエローインク貯留室41に導入される。
図6に示すように、イエローインク貯留室41に導入されたイエローインクは、イエローインク入口41bからイエローインク出口41cに向かってイエローインク貯留室41内の大部分の空間を横切って流れる。イエローインク貯留室41から流出したイエローインクは、図11に示すように、インク導出路91Yを経て、インク供給口39Yからインクジェットヘッド30に供給される。
図7に示すように、マゼンタインク貯留室42に導入されたマゼンタインクは、マゼンタインク入口42bからマゼンタインク出口42cに向かって流れる。マゼンタインク貯留室42から流出したマゼンタインクは、図12に示すように、インク導出路91Mを経て、インク供給口39Mからインクジェットヘッド30へ供給される。
図8に示すように、シアンインク貯留室43に導入されたシアンインクは、シアンインク入口43bからシアンインク出口43cに向かって流れる。シアンインク貯留室43から流出したシアンインクは、図13に示すように、インク導出路91Cを経て、インク供給口39Cからインクジェットヘッド30へ供給される。
図9に示すように、ブラックインク貯留室44に導入されたブラックインクは、ブラックインク入口44bからブラックインク出口44cに向かって流れる。ブラックインク貯留室44から流出したブラックインクは、図14に示すように、インク導出路91Bを介して、インク供給口39Bからインクジェットヘッド30へ供給される。
また、各インク貯留室において、インク入口から出口へほぼ直線的にインクが流れるので、インク中の気泡が成長することが少なく、インクタンクからのインクを速やかにインクジェットヘッドへ供給することができる。特に、インク入口とインク出口とを結ぶ線の両側にリブを配置することで、インクの流れを一層良好にし、気泡によるインクの不吐出を少なくすることができる。
なお、ブラックインク貯留室44を、互いに平行に並べた複数のインク貯留室の最も外側に配置することで、他のインク貯留室よりも容積を大きくし、インクの使用量に適合した容積とすることができる。
イエローインク貯留室41とマゼンタインク貯留室42とは、インクケース71の壁71cを介して、シアンインク貯留室43とブラックインク貯留室44とは、インクケース72の壁72cを介して隣接する関係にあり、それぞれ壁71c、72cと反対側を開放した形状で、その各開放面を可撓性のフィルム81〜84で覆って構成されている。
本実施形態において、「1つのインクケースを形成する壁部」が、ケース内部を2つに区画する隔壁たる壁(71cまたは72c)と、その壁の上下それぞれに設けられた2組の左側壁、右側壁、後側壁及び前側壁とを含んで構成されている。その「壁部」は、上下のそれぞれに開放されており、壁部の開放された2つの面の各々がフィルムに覆われることによってインク貯留室が形成されている。
また、インクケース71の「壁部」は、インクケース71の上面の各インク導入路63等およびインク導入路64B,Cが形成された部分をも含んで構成されている。そして、インク導入路63Mの後端部(インク入口42bに接続される)および各インク導入孔64B,Cは、インクケース71の壁部を貫通するように設けられている。さらにまた、インクケース71,72の「壁部」は、インク導入路91M〜91Bを形成する筒状壁91e,91fおよび仕切壁91gをも含んで構成されており、インク導入路91M〜91Bはインクケース71,72の「壁部」を貫通するように設けられている。
2つのインク貯留室の各インク入口41b〜44bと各インク出口41c〜44cを、壁71c、72cに沿って互いに異なる位置に配置されている。すなわち、2つのインク貯留室は、1つのケース内の1つの壁を介して隣接する関係にあり、その2つのインク貯留室の各インク入口及びインク出口を、壁に沿って互いに異なる位置に配置しているため、1つのケースに1つのインク貯留室を設けた場合に比べて、小さなスペースでインク貯留室を配置することができる。
さらに、本実施形態のバッファタンク40において、2つのインクケース71、72を平行に対向するように、互いに連結しているため、インクの流路をコンパクトに配置でき、インクケース71、72の積層方向の厚さも小さく配置することができる。
各インク貯留室に対応する各インク導出路は、インクジェットヘッドと対向するバッファタンクの一側に並んで開口させられ、少なくとも前記ケースの一方の面の前記各インク貯留室のインク出口は、前記ケースの他方の面へ貫通してインク導出路に接続されているため、インクの流路をコンパクトに配置でき、インクジェットヘッドとバッファタンクを含む全体の大きさを小さくすることができる。
また、インクケース71の一方の面にチューブ14M〜14Yの各々と接続するインク導入路63Y〜63Mがまとめて設けてあり、インクケース71とチューブとの接続部を含めた全体の大きさも小さくすることができる。
また、インク貯留室の開放面を覆うフィルムを四辺形などの単純な形状にすることができるので、インクの圧力変化に対してフィルムのほぼ全面を有効に変形させて圧力変化の緩和をすることができ、さらに製造において、大きなシート状のフィルム素材から所定の寸法に切断して貼り付けるだけでよいので、フィルムの無駄がなくなるとともに、正確な位置決めも不要となる。
複数のインク導入路63Y〜63Mは1つのインクケース71の一方の面に配列して形成されているため、更にインクの流路をコンパクトに配置できるとともに、インク導入路の列の両端のもの63Y,63Mをその導入路が形成されたケースのインク貯留室に、中央よりのもの63B,63Cを他のケースであるインクケース72のインク貯留室43,44にそれぞれ接続するので、複数のケース71、72の対向面側に位置する各インク貯留室42,43に対してインク導入路63Y〜63Mを干渉しないように配置しやすく、上述の効果を容易に享受することができる。
なお、ブラックインク貯留室44も単純な四辺形にすることもできるが、図9に示すように、インク導入路66C及び接続路68Cも含めた四辺形にすることで、それら全体を覆うフィルムを四辺形などの単純な形状にした方が上記の通り製造上有利である。
本実施形態において、各インク貯留室41〜44のインク入口とインク出口との離間距離は、第1方向において、インク貯留室の内のり寸法の90%以上にされている。また、第2方向において、イエローインク貯留室41については、それの内のり寸法の30%以上にされている。マゼンタ,シアンインク貯留室42,43については、それの内のり寸法の80%以上にされている。ブラックインク貯留室44については、それの内のり寸法の40%以上にされている。すなわち、インク入口とインク出口とが、インク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されているのである。
また、各インク入口と各インク出口とは、各インク貯留室のできる限り対角位置の近くに設けられている。すなわち、第1方向においてインク入口とインク出口とが離間させられるとともに、インク入口とインク出口とを結ぶ直線が第1方向に対して傾斜した状態とされているのである。傾斜角度は、イエローインク貯留室41については15度以上にされ、マゼンタ,シアンインク貯留室42,43については40度以上にされ、ブラックインク貯留室44については30度以上にされている。また、互いに隣接する2つのインク貯留室の各々のインク入口とインク出口とを結ぶ直線は、第1方向に対して互いに逆向きに傾斜するようにされている。
本実施形態の各インク貯留室41〜44は、その形状が、第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有しており、インク入口とインク出口とを、第1方向および第2方向において離間させるだけで、インク入口とインク出口とが挟むインク貯留室内の空間を大きくすることができ、インク貯留室の容積をさらに有効に活用することができる態様とされている。
なお、上下方向を「第2方向」とし、走査方向と平行な方向を「第3方向」とすることもできる。
上記実施形態においては、インク導出路91M〜91Bの上部に蓄積するエアの排出については詳細に説明しなかった。これはエアの排出部分については特に限定がなく、従来公知の技術も採用可能であるからであるが、以下に説明する別の実施形態におけるエアの排出部分が特に好適なものの一例である。なお、本実施形態のインクジェット記録装置のエア排出部分以外の構成は前記実施形態と同様であるため、同様の構成要素については同じ符号を付し説明を省略する。図15〜図24に、それぞれ前出の図2,図6〜14に対応する図を示す。また、図15〜図24は、前記実施形態と同様の構成要素を示すものであるが、エア排出部分を詳細に説明する関係上、エア排出口46等に符号が付されている。上記図15において、4−4線が記載されており、その断面は前記実施形態の図4と同様である。
インク導出路91M〜91Bは、それぞれほぼ同じ長さで上下方向に並び(図21〜図24)、その側面にインク貯留室41〜44がそれぞれ接続されており、これにより各インク貯留室41〜44からインク導出路91M〜91B内にインクが導き出される。このとき、インク導出路91M〜91Bの上部空間が、インクに含まれ分離したエアが蓄積される蓄積部として機能するようになっている。
つまり、インク導出路91M〜91Bは、それぞれ、エア排出口46M〜46Bと接続する上部側と、インク供給口部39M〜39Bと接続する下部側とに分けて上下のインクケース71,72に形成されている。
このように、インク貯留室41〜44が互いに平行かつ上下方向に並べられた状態にあるので、各インク貯留室41〜44を、インクジェットヘッド30に対してのインクの供給についてほぼ均一な特性を持たせることができる。それに加えて、バッファタンク40の高さあるいはプリンタ全体の高さをを抑えながらインク貯留室41〜44の容量を確保できる。よって、インク圧力の変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行うことを実現できる。
インク供給口部39M〜39Yの上方に位置するインク導出路91M〜91Bの上端部は、図20〜図25に示すように、上のインクケース71の上面(一部平面)に形成されるエア排出口46M〜46Bに接続され、上のインクケース71の上面に沿って、凹溝として形成された排気通路93M,93C,93B,93Yを介して、バッファ部40bの一側部に配置された、各インク色毎の、排気弁装置45の排気孔の上端にそれぞれ接続されている。排気弁装置45は、インク導出路91M〜91Bとほぼ平行に形成されている。このようにして、インク導出路91M〜91B上端のエア排出口46M〜46Bと排気弁装置45とがインクケース71上面に形成した排気通路93M〜93Yで接続される。なお、各排気通路93M〜93Yは、それらの開放上面を可撓性のフィルム81で覆うことで画定されている。
排気弁装置45(図20)は、排気弁箱45aと、それの内部に収容された各排気通路93M〜93Y毎に開閉可能な各排気弁47M〜47Bを備えているが、いずれも同様の構成であるので、以下、図25を参照して、マゼンタインクについての排気部分である排気弁47Mについてのみ説明する。
排気弁47Mの、排気通路93Mに連通する排気孔101は、図25に示すように、上下方向に長くかつ上下に開口するもので、排気入口101aと排気出口101bとを有し弁体102が摺動可能である弁室として機能し、インク色毎に(4つ)形成される。各排気孔101は、上側の大径孔部101Aと、下側に位置する小径孔部101Bとを有し、それらが排気出口101bを通じて連通している。
(排気装置の動作)
以上の構成によれば、印字が行われている通常時には、弁体102は、コイルスプリング103によって常時下向きに押圧されており、シール材102cが弁部102aおよび弁座面に当接した状態(シール材102cが弁部102aと排気出口101bの開口端面101Cとの間で押圧挟持された状態)で排気出口101bが閉じられ、排気弁47Mが弁閉止状態となる。
(1)本実施形態において、複数のインク導出路がそれぞれほぼ同じ長さで上下方向に延びる形状にされているため、各インク導出路において、インクジェットヘッドのインク流入口へ流入しようとするインクから良好にエアを分離し、インク導出路の上部空間にエアを蓄積し、排気弁にて開閉されるエア排出口を通じて外部に排出することができる。
(2)インクケースにエア排出口や排気通路を形成することで、簡単な構成で、(1)に記載の効果を実現することができる。
(3)インクケース71,72に、2つずつのインク貯留室、インク導出路91の上部側(91e、91g)または下部側(91f、91g)を形成しているので、それらを接合することで、上下方向に並べられた状態のインク貯留室およびそれらに接続されたインク導出路91を簡単に形成することができる。
(4)4つのインク貯留室41〜44の、互いに平行な面に可撓性の膜(フィルム81〜84)を備えるので、それら4つのインク貯留室の上下方向の高さを抑えながら膜の面積を大きくとることができ、インク圧力の変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行う上で有利な構造を得ることができる。
(5)インク導出路91と排気弁装置45とがほぼ平行に形成され、またインク導出路91上端のエア排出口46と排気弁装置45とが、インクケース上面に形成した排気通路で接続されるので、簡単な構成で、上記(1)〜(4)の効果が得られる。
(6)本実施形態において、インクジェットヘッド30とともに記録媒体に対して走査させられるバッファタンク40が4つのインク貯留室41〜44を備えており、インクジェットヘッド30から吐出されるインクの圧力変動等を効果的に抑えて高品質の記録を行うことができる。
前記2つの実施形態において、インク貯留室41〜44から出たインクは、平らな面を経て、各インク導出路91の下部に流れるようにされていた(図11〜図14、図21〜図24参照)。それに対し、本実施形態においては、インクが傾斜した面(図26〜29において48Ya等で示す)を経て、各インク導出路91の下部に流れるように構成されている。
なお、本実施形態のインクジェット記録装置の構成は上記2つの実施形態と同様であるため、同様の構成要素については同じ符号を付し説明を省略し、異なる部分を中心に説明する。なお、図26〜図29は、それぞれ前出の図11〜14に対応する図である。
そして、各インク貯留室41〜44内のインクは、それらインク案内通路部48M〜48Bを経て、インク導出路91M〜91Bのインク貯留室41〜44よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部94M〜94Bに流入させられる。すなわち、各インク案内通路部48M〜48Bの各々を含んで、「各インク貯留室内のインクがインク導出路下部に流入する部分」が構成されているのである。
なお、インク案内通路部48M〜48Bとインク貯留室41〜44との対応関係をまとめて記載すれば、インク案内通路部48Mがインク貯留室42に、インク案内通路部48Yがインク貯留室41に、インク案内通路部48Cがインク貯留室43に、インク案内通路部48Bがインク貯留室44にそれぞれ対応し、それぞれ互いに連通している。
よって後述するように、インク導出路91M〜91Bの上部空間にエアが多量に蓄積されたとしても、そのエアがインクジェットヘッド30に吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低減される。
本実施形態において、各インク貯留室41〜44の構成は前記2つの実施形態と同様であり、各インク貯留室のインク出口とインク導出路91との間にインク連通部たる傾斜案内面が設けられている点において異なっている。以下に、各インク貯留室41〜44とインク導出路91との接続について、本実施形態と前記2つの実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態において、インクの流れ方は、前記2つの実施形態と同様であるが、各インク貯留室から流出したインクは、インク案内通路部を経てインク導出路に流入するようにされている。
インク貯留室41から流出したイエローインクは、図26に示すように、インク案内通路部48Yを経てインク導出路91Yに至り、インク供給口部39Yからインクジェットヘッド30に供給される。インク貯留室42から流出したマゼンタインクは、図27に示すように、インク案内通路部48Mを経てインク導出路91Mに至り、インク供給口部39Mからインクジェットヘッド30へ供給される。インク貯留室43から流出したインクは、図28に示すように、インク案内通路部48Cを経てインク導出路91Cに至り、インク供給口部39Cからインクジェットヘッド30へ供給される。インク貯留室44から流出したブラックインクは、図29に示すように、インク案内通路部48Bを経てインク導出路91Bに至り、インク供給口部39Bからインクジェットヘッド30へ供給される。
図30,図32に、インク導出路91M〜91Bの上部に多量のエアが蓄積された状態を示す。インク導出路91M〜91Bの上部に多量のエアが蓄積され、インク導出路91M〜91B内のインク液面が降下してくると、その液面と、インク貯留室41〜44内のインクとのつながり部分が細くなる。図30のイエローインクの場合(マゼンタインクも同様)、インク導出路91Y内のインク液面がガイド壁64Yよりも下がると、インク貯留室41のインク出口41cから導出されるインクは、インク導出路91Y内のエアの圧力によってインク案内通路部48Y内に押し込められるが、インク液面が傾斜案内面48Yaの上端よりもわずか下がっても、インク導出路91Y内のインク液面は、傾斜案内面48Yaによってインク案内通路部48Y内のインクとごく近い位置にあり、さらに、インクの表面張力、インクジェットヘッドが印字にともないインクを引く力などの作用により、インク導出路91Y内のインク液面とインク案内通路部48Y内のインクとのつながりが維持される。
(a)本実施形態では、インク連通部は、インク案内通路部の下側壁部分に形成されインク導出路に近づくに従い高さが低くなる1つの傾斜平面からなる傾斜案内面とされているが、傾斜案内面は1つの傾斜平面で構成される必要はなく、2つあるいはそれ以上の数の傾斜平面を組み合わせて、インクのつながりを維持するように屈曲した屈曲凸面あるいは屈曲凹面とすることも可能である。
(b)傾斜平面を用いた傾斜案内面に代えて、湾曲凸面や湾曲凹面等の湾曲面を用いた案内面でもってインク連通部を構成することも可能であるし、さらに、インク案内通路部の下側壁部分に形成され前記インク導出路に近づくに従い底面の高さが低くなるように傾斜した単数または複数の溝状の案内凹部を用いてインク連通部を構成することも可能である。
(1)傾斜案内面48Ya等を設けることで、インク貯留室からインク案内通路部に導き出されたインクは、前記傾斜案内面に案内されてインク導出路内へ流れ込みやすくなる。よって、インク案内通路部の下側壁部分に傾斜案内面を形成するだけで、インク貯留室内のインクと前記インク貯留室よりも下方における前記インク導出路内のインクとのつながりが維持されやすくあるいはつながり易くなる。
(2)インク案内通路部の下側壁部分に、前記インク導出路に近づくに従い底面の高さが低くなるように傾斜した単数または複数の溝状の案内凹部を設けた場合には、インク貯留室からのインクが案内凹部に案内されて、インク導出路内に流れ込みやすくなる。特に案内凹部が溝状であるので、その溝内部を通じてインクのつながりを維持あるいはつながり易くする上で有利な構造となる。
(3)本実施形態のインクジェット記録装置において、複数のインク貯留室およびインクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるが、その際にインク導出路の上部空間に蓄積されるエアがインクジェットヘッドに吸い込まれて印字不能あるいは印字不良になる確率が低減される。
(4)上側インクケースと下側インクケースとを接合してバッファタンクとすることで、インク貯留室、エア排出口部、インク導出路およびインク案内通路部の形成が簡単になる。
(2)インクケース71、72を並べる方向は、左右方向にすることもできる。この構成を使用した場合、幅方向にコンパクトに配置することができるとともに、前述した3つの実施形態のうちの少なくとも1つのものの効果を奏することができる。
Claims (29)
- 複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクと、
それらインクタンクに収容されているインクを種類別に供給する複数のチューブと、
それらチューブを介して供給されたインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクと、
を含み、
前記インク貯留室の各々からインクジェットヘッドにインクが供給され、前記バッファタンク及び前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるインクジェット記録装置であって、
前記インク貯留室の各々に、前記チューブの各々を介して供給されたインクがそれぞれのインク貯留室内に導入されるインク入口と、それぞれのインク貯留室内に貯留されているインクが前記インクジェットヘッドと連通する複数のインク導出路の各々へ供給されるインク出口とがそれぞれ形成されており、
前記各インク貯留室における前記インク入口と前記インク出口とが、それぞれのインク貯留室内の大部分の空間を挟んで互いにほぼ最も離れた位置にそれぞれ形成されたインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク貯留室の各々が、前記インク入口と前記インク出口とを結ぶ方向と平行な方向に扁平な空間を備え、その空間の扁平な方向と平行な1つの面が可撓性のフィルム材で構成され、
前記複数のインク貯留室が、それらの扁平な方向が互いに平行な姿勢で並べられた請求項の範囲第1項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク貯留室のうちの少なくとも2つのインク貯留室が、壁部によって形成された1つのケース内の前記壁部の一部である隔壁を介して互いに隣接する関係にあり、それら2つの前記インク貯留室の各々の前記インク入口及び前記インク出口が、前記隔壁に平行な方向において互いに異なる位置に形成された請求の範囲第1項または第2項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記バッファタンクが、前記2つのインク貯留室を有する前記ケースを複数含み、それら複数のケースが互いに平行に連結された請求の範囲第3項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記ケースの互いに反対向きの2つの面の一方に、各一端が前記各チューブとそれぞれ接続される複数のインク導入路が形成され、そのケースの前記互いに反対向きの2つの面の他方に形成された前記インク貯留室に、前記複数のインク導入路の少なくとも1つの他端が前記ケースの壁部を貫通して接続された請求の範囲第3項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数個のケースのうち1つの互いに反対向きの2つの面の一方に、各一端が前記各チューブとそれぞれ接続される複数のインク導入路が形成され、
それら複数のインク導入路の他端が、前記複数のケースの前記複数のインク貯留室の各々に、それら複数のケースの少なくとも一方の前記壁部を貫通してそれぞれ接続された請求の範囲第4項に記載のインクジェット記録装置。 - 複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクと、
それらインクタンクに収容されているインクを種類別に供給する複数のチューブと、
それらチューブを介して供給されたインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクと
を含み、
前記複数のインク貯留室の各々からインクジェットヘッドにインクが供給され、前記バッファタンクおよびインクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出されるインクジェット記録装置であって、
前記複数のインク貯留室の各々に、前記複数のチューブの各々を介して供給されたインクが各インク貯留室内に導入されるインク入口と、そのインク貯留室内に貯留されているインクが前記インクジェットヘッドと連通する複数のインク導出路の各々へ供給されるインク出口とがそれぞれ形成され、
前記バッファタンクが、前記複数のインク貯留室を内部に有する複数のケースが積層されて構成され、それらケースの1つの互いに反対向きの2つの面の一方に、各一端が前記各チューブとそれぞれ接続される複数のインク導入路が形成され、それらインク導入路のうち少なくとも一部のものの各他端が、前記複数のケースの少なくとも1つをそれらケースの積層方向に貫通して前記複数のインク貯留室の各々の前記インク入口に連通させられたインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク貯留室の各々が、前記インク入口と前記インク出口とを結ぶ方向と平行な方向に扁平な空間を備え、その空間の扁平な方向と平行な1つの面が可撓性のフィルム材で構成され、
前記複数のインク貯留室が、それらの扁平な方向が互いに平行な姿勢で並べられた請求の範囲第7項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のケースの少なくとも2つが、それぞれ2つずつの前記インク貯留室をそれぞれのケース内の1つの隔壁を介して隣接して含み、それら少なくとも2つのケースが互いに平行に連結されて前記バッファタンクが構成された請求の範囲第7項または第8項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記2つずつのインク貯留室が、前記複数のケースの各々の内部の1つの隔壁を介して互いに隣接する関係にあり、それぞれ隔壁と反対側が開放された形状で、それら開放面が前記可撓性のフィルム材で覆われており、それら2つずつのインク貯留室の前記インク入口と前記インク出口が、前記隔壁に平行な方向において互いに異なる位置に形成され、
前記2つずつのインク貯留室を有する複数のケースのうち互いに隣接するものが、それらの前記フィルム材が間隔をおいて互いに平行に対向する状態で、それら互いに隣接するケースが互いに連結された請求の範囲第9項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク貯留室の各々に対応する前記複数のインク導出路の各々が、前記バッファタンクの前記インクジェットヘッドと対向する一側に並んで開口させられ、
前記複数のインク貯留室のうちの少なくとも2つのインク貯留室が、壁部によって形成された1つのケース内の前記壁部の一部である隔壁を介して互いに隣接する関係にあり、かつ、それら2つのインク貯留室が形成されたケースの、互いに逆向きの2つの面の一方の前記インク貯留室の前記インク出口がそのケースの前記互いに逆向きの2つの面の他方の側へ貫通して前記インク導出路に接続された請求の範囲第3項ないし第6項、第9項または第10項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記バッファタンクが、前記2つのインク貯留室を有する前記ケースを複数含み、それら複数のケースが互いに平行に積層されて連結しており、
前記複数のインク貯留室のうち、前記複数のケースの、それらケースが互いに対向する側の面である対向面の側に位置するインク貯留室の前記インク入口及び前記インク出口が、前記複数のインク導入路のうち少なくとも一部のものの前記各他端および前記複数のインク導出路が前記ケースを貫通する位置よりもその各インク貯留室の内側に位置する請求の範囲第9項ないし第11項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のケースの1つの、互いに反対向きの2つの面の一方に、一端が前記各チューブと接続される複数のインク導入路が配列して形成され、
それらインク導入路の列の両端の2つのインク導入路が、それら2つのインク導入路が形成されたケース内の2つのインク貯留室に接続され、
前記インク導入路の列の両端よりも内側に位置する2以上のインク導入路が、前記複数のインク導入路が形成されたケース以外の1以上のケース内の前記インク貯留室に接続された請求の範囲第12項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク導出路の各々の上端が、開閉可能な排気弁を介して外部に接続された請求の範囲第1項ないし第13項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のインク貯留室が互いに平行でかつ上下方向に並べられた状態にあり、前記複数のインク導出路が、それぞれほぼ同じ長さで前記上下方向に延び、その側面に前記複数のインク貯留室の各々が接続され、それらインク導出路の上部空間がエアの蓄積部であり、それらの各下端が、前記インクジェットヘッドの複数のインク流入口の各々と接続されるインク供給口として開口させられるとともに、それらの各上端が、ほぼ平面上に配置された複数のエア排出口にそれぞれ接続され、それらエア排出口の各々が開閉可能な複数の排気弁を経て外部に開口させられた請求の範囲第1項ないし第14項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のインク導出路の、前記複数のインク貯留室よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部のインク供給口を通じて前記インクジェットヘッドのインク流入口にインクが供給され、前記複数のインク貯留室の各々の内のインクと前記インク導出部下部内のインクとのつながりを維持あるいはつながり易くするインク連通部を含む請求の範囲第1項ないし第15項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクと、
それらインクタンクから供給されるインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室を有するバッファタンクと、
前記複数のインク貯留室からそれぞれ供給されるインクを記録媒体に対して吐出するインクジェットヘッドと、
前記バッファタンクと前記インクジェットヘッドとを前記記録媒体の送り方向と交差する方向に走査させる走査装置と
を含み、かつ、前記インクジェットヘッドおよび前記複数のインク貯留室が互いに直角な第1方向および第2方向の寸法に対してそれら2方向に直角な第3方向の寸法が小さい扁平な形状を有し、それらインクジェットヘッドと複数のインク貯留室とが前記第3方向に並べられたインクジェット記録装置。 - 複数種類のインクを種類別に貯留する複数のインク貯留室と、それらインク貯留室の各々からインクが導き出される複数のインク導出路と、それらインク導出路の各々に接続される複数のインク流入口を有するインクジェットヘッドとを含むインクジェット記録装置であって、
前記複数のインク貯留室が互いに平行でかつ上下方向に並べられた状態にあり、前記複数のインク導出路が、それぞれほぼ同じ長さで上下方向に延び、その側面に前記インク貯留室がそれぞれ接続され、それらの上部空間がエアの蓄積部であり、それらの各下端が、前記インクジェットヘッドの各インク流入口とそれぞれ接続されるインク供給口として開口させられるとともに、それらの各上端が、ほぼ平面上に配置された複数のエア排出口にそれぞれ接続され、それらエア排出口の各々が対応する開閉可能な排気弁を経て外部に開口させられたインクジェット記録装置。 - 前記複数のエア排出口が、前記複数のインク貯留室のうち上層の前記インク貯留室を形成するケースの平面に形成され、
前記複数の排気弁が、前記ケースの一側に配置され、
前記複数のエア排出口と前記複数の排気弁とが、前記ケースの平面に沿って形成された複数の排気通路を介して接続された請求の範囲第18項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク貯留室が、複数のケースに分けて形成され、前記複数のインク導出路が、それぞれ前記エア排出口と接続される上部側と、前記インク供給口と接続される下部側とに分けて前記複数のケースに形成され、
前記インク導出路の上部側と下部側とが接合された状態で、前記複数のインク貯留室が前記上下方向に並べられた状態とされた請求の範囲第18項または第19項に記載のインクジェット記録装置。 - 前記複数のインク貯留室の各々が、互いに平行な面に、それらインク貯留室内のインクの圧力によって変形可能な可撓性の膜をそれぞれ備える請求の範囲第18項ないし第20項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のインク貯留室および前記複数のインク導出路がケースに形成され、前記複数の排気弁が、そのケースの一側に前記インク導出路とほぼ平行に形成された排気弁箱内に収容され、前記複数のインク導出路の各々の上端のエア排出口と前記複数の排気弁の各々とが前記ケースの上面に形成された排気通路で接続された請求の範囲第18項ないし第21項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記複数のインク貯留室の各々に、インクを種類別に収容する複数のインクタンクから、各インクが種類別にインク供給チューブを介して供給され、
前記複数のインク貯留室の各々から前記インクジェットヘッドにインクが供給され、前記複数のインク貯留室および前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクが吐出される請求の範囲第18項ないし第22項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - インクを貯留するインク貯留室と、上下方向に延び前記インク貯留室からインクが導き出されるインク導出路とを有し、そのインク導出路の前記インク貯留室よりも下方に位置する部分であるインク導出路下部のインク供給口を通じてインクジェットヘッドのインク流入口にインクが供給されるインクジェット記録装置であって、
前記インク貯留室内から導き出されるインクと前記インク導出路下部内のインクとのつながりを維持あるいはつながり易くするインク連通部を含むインクジェット記録装置。 - 前記インク連通部が、前記インク貯留室内のインクが前記インク導出路下部に流入する部分の下側壁部分に形成され、前記インク導出路下部に近づくに従い高さが低くなる傾斜案内面を含む請求の範囲第24項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク連通部が、前記インク貯留室内のインクが前記インク導出路下部に流入する部分の下側壁部分に形成されて前記インク導出路下部に近づくに従い底面の高さが低くなるように傾斜した1つ以上の溝状の案内凹部を含む請求の範囲第24項に記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク貯留室を複数含み、それら複数のインク貯留室に、複数種類のインクを種類別に収容する複数のインクタンクからの各インクが種類別にインク供給チューブを介して供給され、
前記複数のインク貯留室の各々から前記インクジェットヘッドにインクが供給され、前記複数のインク貯留室および前記インクジェットヘッドが記録媒体に対して走査させられながらインクを吐出する請求の範囲第24項ないし第26項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。 - 前記インク導出路が、そのインク導出路の上部にエア排出口を有し、そのエア排出口を通じて前記インク導出路の上部空間に蓄積されるエアを排出する請求の範囲第24項ないし第27項のいずれかに記載のインクジェット記録装置。
- 前記インク貯留室が、バッファタンクに複数設けられて複数種類のインクを種類別に貯留し、そのバッファタンクが、上側ケースと下側ケースとが接合されて成り、
前記上側ケースに、前記エア排出口とそれに連通する前記インク導出路の上側部分とが形成される一方、前記下側ケースに、前記インク供給口とそれに連通する前記インク導出路の下側部分の他、前記インク連通部が形成された請求の範囲第28項に記載のインクジェット記録装置。
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