JPWO2006112129A1 - 導体粉末及びその製造方法、並びに導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物、電子部品及び電子部品モジュール - Google Patents

導体粉末及びその製造方法、並びに導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物、電子部品及び電子部品モジュール Download PDF

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Abstract

ショットキー電流の値を大きくすることで電気的な接続信頼性の向上を図ることができる導体粉末、導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物を提供する。銀、金、ニッケル、スズから選択される少なくとも一種の元素を含む導体粉末であって、前記導体粉末の表面の少なくとも一部が、分子骨格中に酸素原子を有さず且つ一つの窒素原子を有するアミン化合物によって表面処理されている。更に、表面処理剤は脂肪族アミン化合物であることが好ましく、脂肪族第1級アミン化合物であることが更に好ましい。

Description

本発明は、導体粉末及びその製造方法、並びに導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物、電子部品及び電子部品モジュールに関し、更に詳しくは、導電性樹脂組成物の電気的な接続信頼性を高めることのできる導体粉末及びその製造方法、並びに、この導体粉末を含んでなる導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物、電子部品及び電子部品及び電子部品モジュールに関する。
複数の電子部品の導体間を電気的に接続するために導電性樹脂組成物が用いられることがある。この種の用途に用いられる導電性樹脂組成物には、高い接続信頼性を求められる。
その種の導電性樹脂組成物として、特許文献1には、導電性粉末と、樹脂材料とを含み、樹脂材料としてビスフェノール型エポキシ樹脂に、硬化された後の分子構造においてビスフェノール型エポキシ樹脂よりも並進・回転運動の少ない樹脂であるビフェニル型エポキシ樹脂と、3官能フェノール型エポキシ樹脂と、を加えた樹脂を用いる導電性接着剤が記載されている。
また、特許文献2には、導電粒子及び樹脂を含み、導電粒子の40重量%以上が銀とスズから実質的になり、銀:スズのモル比が2.5:1.5〜3.5:0.5の銀―スズ粉である導電性接着剤が記載されている。
特開2000−319622号公報 特開2002−265920号公報
特許文献1に記載された導電性接着剤では、上記組成を採用することにより、導体と導電性接着剤との接合強度が向上するため、導体と、導電性接着剤を硬化させた導電性接着剤硬化物との間の電気的な接続信頼性が向上するとされている。
また、特許文献2に記載された導電性接着剤では、導電粒子を銀―スズの合金粉とすることで、銀のマイグレーションを抑制し、高い信頼性を得ることができるとされている。
しかしながら、特許文献1では、導電性接着剤として、並進・回転運動が少ない、または反応基の数が多い樹脂を使用しているので、当該導電性接着剤の硬化物中の自由体積が大きくなると同時に、硬化反応に寄与できずに残った官能基の数が比較的多くなる。その結果、大きな自由体積によってバルク中の透湿速度が増加し、同時に吸水率が大きくなり、膨潤率が増大する。従って、導電性接着剤硬化物内においては、樹脂成分を介して流れるショットキー電流が低下するため、硬化物内の電気的な接続信頼性が低下する。つまり、導体と硬化物間の電気的な接続信頼性が向上する効果と、硬化物内の電気的な接続信頼性が低下する効果が相殺され、結果として、導体と硬化物により構成される装置としての電気的な接続信頼性は、あまり向上しないという問題があった。
一方、前記特許文献2では、銀−スズの合金粉を配合するため、導電性接着剤硬化物中を流れるショットキー電流が低く、銀粉末を配合したものよりも抵抗値が高いという問題があった。
このように、電気的な接続信頼性を高めるために接合強度の向上やマイグレーションの抑制を図った結果としてショットキー電流の低下を招き、結果的には電気的な接続信頼性の向上に結びついていないというのが現状である。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、樹脂成分を介して流れるショットキー電流に着目し、ショットキー電流の値を大きくすることで電気的な接続信頼性の向上を図ることができる導体粉末及びその製造方法、並びに導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物、電子部品及び電子部品モジュールを提供することを目的とする。
前述のように、導電性樹脂組成物内部での導通はショットキー電流によっている。このショットキー電流は金属表面の仕事関数に依存し、仕事関数が小さくなるとショットキー電流の値が大きくなることが知られている。更に、物質表面の仕事関数は、物質の表面に他の物質が吸着することにより、大小さまざまに変化することが知られている。
そこで、本発明者らは、これらの点に着目し、導体粉末の表面を他の物質によって処理することによって表面の仕事関数を低下させれば、導電性樹脂組成物用として好適な導体粉末を得られるのではないかとの考えに基づいて本発明をなすに至った。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、本発明の請求項1に記載の導体粉末は、銀、金、ニッケル、スズから選択される少なくとも一種の元素を含む導体粉末であって、前記導体粉末の表面の少なくとも一部が、分子骨格中に酸素原子を有さず且つ一つの窒素原子を有するアミン化合物によって表面処理されていることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項2に記載の導体粉末は、請求項1に記載の発明において、前記アミン化合物は、脂肪族アミン化合物であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項3に記載の導体粉末は、請求項2に記載の発明において、前記脂肪族アミン化合物は、脂肪族第1級アミン化合物であることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項4に記載の導体粉末の製造方法は、銀、金、ニッケル及びスズから選択される少なくとも一種の元素を含む金属粉末を準備する工程と、前記金属粉末の表面をエッチング処理する工程と、エッチング処理された前記金属粉末の表面に、分子骨格中に酸素原子を有さず且つ一つの窒素原子を有するアミン化合物を吸着させる工程と、を含むことを特徴とするものである。
ものである。
また、本発明の請求項5に記載の導電性樹脂組成物は、導体間を電気的に接続するための導電性樹脂組成物であって、樹脂材料と、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導体粉末と、を含むことを特徴とするものである。
また、本発明の請求項6に記載の導電性樹脂硬化物は、請求項5に記載の導電性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項7に記載の電子部品は、内部電極層を有する基体と、前記内部電極層に電気的に接続され且つ前記基体の表面に形成されている外部電極と、を備え、前記外部電極は請求項5に記載の導電性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とするものである。
また、本発明の請求項8に記載の電子部品モジュールは、表面の少なくとも一部に外部導体を有する第1の電子部品及び第2の電子部品と、第1の電子部品の外部導体と第2の電子部品の外部導体とを電気的に接続する請求項6に記載の導電性樹脂硬化物と、を有することを特徴とするものである。
ここで、本発明において表面処理に用いる物質(アミン化合物)について説明する。
(1)分子骨格中に酸素原子を有さないアミン化合物であること
アミン化合物は、分子骨格中に酸素原子を有すると、酸素原子が金属表面に吸着し、導体粉末表面の電子を引き抜いて仕事関数を増加させてしまう。よって、分子骨格中に酸素原子を含まないことが条件となる。
(2)分子骨格中に一つの窒素原子を有するアミン化合物であること
アミン化合物は、分子骨格中に窒素原子を有することにより、窒素のローンペアが導体粉末の表面に配位結合して電子を供給し、導体粉末表面の仕事関数を低減させていると考えられる。よって、分子骨格中に窒素原子を有することが条件となる。
一方、アミン化合物が分子骨格中に複数の窒素原子を有する場合、分子間で水素結合を形成するため、導電性樹脂組成物内において処理された導体粉末同士の激しい凝集が発生することがある。その結果、導電性樹脂組成物内での導体粉末の分散性が悪化してしまう。よって、分子骨格中に含まれる窒素原子は一つであることが好ましい。
(3)アミン化合物は脂肪族アミン化合物であることが好ましい
アミン化合物は、分子骨格中に脂肪鎖を有すると、導電性樹脂組成物内での導体粉末の分散性が向上する。これは、脂肪鎖で導体粉末の表面を被覆することによって樹脂と導体粉末との濡れ性が向上するためである。よって、分子骨格中に脂肪鎖を有する脂肪族アミン化合物であることが好ましい。
(4)アミン化合物は脂肪族第1級アミン化合物であることが好ましい
アミン化合物は、分子構造中に嵩の高い官能基を有すると立体障害が大きくなり、導体粉末表面への吸着密度が高くなりにくく、仕事関数の低減量を大きくすることが難しい。脂肪族第1級アミン化合物は、脂肪鎖の立体障害が小さいため、導体粉末表面への吸着密度が高くなり、仕事関数を効果的に低減することができる。よって、脂肪族第1級アミン化合物であることが好ましい。
本発明によれば、導体粉末が銀、金、ニッケル、スズから選択される少なくとも一種の元素を含む場合に、導体粉末表面の少なくとも一部に、分子骨格中に酸素原子を有さず且つ一つの窒素原子を有するアミン化合物によって表面処理を行うことによって、導体粉末表面の仕事関数が小さく、ショットキー電流の値が大きい導体粉末を得ることができる。
また、本発明によれば、アミン化合物で表面処理されてショットキー電流の値が大きい導体粉末を用いることによって、電気的な接続信頼性の向上を図ることができる導電性樹脂組成物、導電性樹脂硬化物、電子部品及び電子部品モジュールを得ることができる。
本発明の電子部品モジュールの一実施形態を示す断面図である。 (a)、(b)はそれぞれ本発明の電子部品モジュールの他の実施形態を示す図で、(a)はその平面図、(b)は(a)のA−A線断面図である。 本発明の電子部品の一実施形態を示す断面図である。 本発明の導電性樹脂硬化物の一実施形態の抵抗値を測定するための測定用基板を示す平面図である。
符号の説明
10 回路基板
11 導体ランド
20 積層セラミック電子部品、積層コンデンサ
21 セラミック基体
21B、21C 内部電極
22、22A、22B 外部電極
30、40 導電性樹脂硬化物
31 基板本体
32、33 貫通孔
34 第1の電極
35 第2の電極
100 試験片
110 ガラス基板
120 導電性樹脂パターン
121 端子電極
以下において、図面を参照しつつ、本発明を実施するための最良の形態について説明する。
第1の実施形態の電子部品モジュールは、例えば図1に示すように、第1の電子部品としての回路基板10と、第2の電子部品としての積層セラミック電子部品20と、を備えている。
回路基板10上には、導体ランド11が形成されている。積層セラミック電子部品20は、セラミック基体21と、セラミック基体21の左右両端面を覆って形成された外部電極22とを備え、導体ランド11と外部電極22との間が本実施形態の導電性樹脂硬化物30によって電気的に接続されている。また、導電性樹脂硬化物30は積層セラミック電子部品20を回路基板10上に固定する機能を兼ねている。
導電性樹脂硬化物30は、本実施形態の導体粉末を含んでなる導電性樹脂組成物を硬化させたものである。即ち、例えば印刷などの方法によって導電性樹脂組成物を回路基板10上に塗布した後に積層セラミック電子部品20を実装し、導電性樹脂組成物を熱硬化や紫外線硬化などで硬化させることによって導電性樹脂硬化物30を形成する。
本実施形態によれば、導電性樹脂硬化物30の内部を流れるショットキー電流の値が大きいので、積層セラミック電子部品20と回路基板10との間の電気的な接続の信頼性が向上する。
また、第2の本実施形態の試験用基板は、例えば図2の(a)、(b)に示すように、例えばガラス−エポキシ複合材料などからなる基板本体31を備え、基板本体31には2つの貫通孔32、33が形成されている。第1、第2の電極34、35は、それぞれ基板本体31上面から貫通孔32、33の内壁を通って基板本体31の裏面にわたって形成されており、例えば無電解めっきなどの手法によって形成されている。
そして、本実施形態の導電性樹脂硬化物40が基板本体31上に第1の電極34と第2の電極35とを電気的に接続するように形成されている。導電性樹脂硬化物40は、第1の実施形態の電子部品モジュールと同様に、導電性樹脂組成物の印刷後に熱や紫外線によって硬化させて形成される。
本実施形態によれば、導電性樹脂硬化物40の内部を流れるショットキー電流の値が大きいので、第1の電極34と第2の電極35との間の電気的な接続の信頼性が向上する。
第3の実施形態の電子部品(例えば、積層コンデンサ)20Aは、例えば図3に示すように、複数積層されたチタン酸バリウム系の誘電体セラミック層21Aと、これらの誘電体セラミック層21A間にそれぞれ配置された複数の第1、第2内部電極21B、21Cとを有する基体21を備えている。基体21の両端面にはそれぞれ第1、第2外部電極22A、22Bが形成され、これらの外部電極22A、22Bはそれぞれ第1、第2内部電極21B、21Cに電気的に接続されている。
第1内部電極21Bは、図3に示すように、誘電体セラミック層21Aの一端(同図の左端)から他端(右端)の近傍まで延び、第2内部電極21Cは誘電体セラミック層21Aの右端から左端の近傍まで延びている。第1、第2内部電極21B、21Cは例えばPd−Ag合金によって形成されている。
また、第1外部電極22Aは、図3に示すように、基体21内の第1内部電極21Bに電気的に接続され、第2外部電極22Bは基体21内の第2内部電極22Cに電気的に接続されている。第1、第2外部電極22A、22Bは、本実施形態の導電性樹脂組成物が第1、第2の実施形態と同様に硬化して形成されている。そして、第1、第2外部電極22A、22Bの表面には従来公知の第1めっき層23A、23B及び第2めっき層24A、24Bが順次施されている。
本実施形態によれば、導電性樹脂硬化物からなる第1、第2外部電極22A、22Bの内部を流れるショットキー電流の値が大きいので、第1、第2内部電極21B、21Cと第1、第2外部電極22A、22Bとの間の電気的な接続の信頼性が向上する。
以下において、本発明の更に具体的な実施例1〜3について説明する。
実施例1
(1)導体粉末の作製
平均粒径D50=5.5μmの球状のAg粉末(日本アトマイズ加工製、商品名HXR−Ag)15gを秤量し、100mlのエタノールに投入して1時間の超音波分散を行った。更にその後、シェーカーで24時間の攪拌を行い、濾過した。上記の超音波分散、攪拌、濾過を3回繰り返した。続いて、このAg粉末を100mlのn−ヘキサンに投入して同様の超音波分散、攪拌、濾過を3回繰り返した。以上の処理により、Ag粉末の表面に付着している有機物からなる汚染層を除去した。尚、エタノール及びn−ヘキサンは揮発性が高いので、Ag粉末の表面には残留していない。
次に、0.5wt%に希釈した1−アミノデカンのエタノール溶液100mlに上記のAg粉末を10g秤量して投入し、1時間の超音波分散の後、シェーカーで24時間攪拌した。これを濾過した後、48時間風乾させた。風乾によって得られたケーキをミルによって解砕した。これによって、Ag粉末の表面を1−アミノデカンによって処理した表1の試料番号1で示す導体粉末を得た。
(2)仕事関数の測定
(1)で作製した導体粉末の仕事関数を、大気雰囲気型紫外光電子分光(理研計器製AC−2)によって測定した。表面処理を行っていないAg粉末の表面の仕事関数も同様に測定し、表面処理前後での仕事関数の変化量を求め、その結果を表1に示した。
(3)導電性樹脂組成物の調製
t−ブチルグリシジルエーテル、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、(1)で作製した導体粉末をそれぞれ重量比10:0.4:80の割合で配合し、乳鉢で混合して導電性樹脂組成物を得た。
(4)抵抗値の測定
(3)で得られた導電性樹脂組成物を用いて、図4に示すようにガラス基板110上にミアンダ状の導電性樹脂パターン120を印刷して抵抗値測定用の試験片100を作製した。導電性樹脂パターン120のライン幅は350μm、線路長は38.5mmとした。導電性樹脂パターン120の両端には測定用の端子電極121を設けた。これを160℃で7時間の加熱によって硬化させた。これによって得られた試験片100を用い、端子電極121にプローブを当ててテスターで導通抵抗を測定し、その結果を表1に示した。
(5)印刷性の評価
(3)で得られた導電性樹脂組成物について、E型粘度計を用いて25℃における粘度を測定した。表1では、粘度200Pa・s以下を○、200Pa・sを超えたものを△とし、粘度が高すぎて測定不能だったものを×として示した。
また、本実施例では、試料番号1に準じて試料番号2〜9の試料を作製した。
試料番号2では、試料番号1と同じAg粉末を用い、表面処理剤をジ−n−ブチルアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号3では、試料番号1と同じAg粉末を用い、表面処理剤をトリ−n−ブチルアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号4では、試料番号1と同じAg粉末を用い、表面処理剤をジフェニルアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号5の試料では、金属粉末を、試料番号1のAg粉から平均粒径D50=4.5μmの球状のAu粉末(徳力科学研究所製、商品名TAU−200)に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号6の試料では、金属粉末を、試料番号1のAg粉から平均粒径D50=4.5μmの球状のAu粉末(徳力科学研究所製、商品名TAU−200)に変更し、表面処理剤をトリ−n−ブチルアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号7の試料では、金属粉末を、試料番号1のAg粉から平均粒径D50=8.5μmの球状のNi粉末(INCO製、商品名CNS)に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号8の試料では、金属粉末を、試料番号1のAg粉から平均粒径D50=1.44μmの球状のSn粉末(三井金属製、商品名Sn/Copper Powder(Sn−1.81Cu))に変更し、表面処理剤をトリ−n−ブチルアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号9では、試料番号1と同じAg粉末を用い、表面処理剤を2−ヘプチルアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
更に、比較例として下記の7種類の試料番号10〜16の試料を作製した。
試料番号10の試料では、表面処理剤をテトラエチレンペンタミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号11では、表面処理剤をトリエタノールアミンに変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号12では、表面処理剤をデカン酸に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号13では、金属粉末を、試料番号1のAg粉から平均粒径D50=4.5μmの球状のAu粉末(徳力科学研究所製、商品名TAU−200)に変更し、表面処理剤をデカン酸に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号14では、金属粉末を試料番号1のAg粉から平均粒径D50=8.5μmの球状のNi粉末(INCO製、商品名CNS)に変更し、表面処理剤をデカン酸に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号15では、金属粉末を試料番号1のAg粉から平均粒径D50=1.44μmの球状のSn粉末(三井金属製、商品名Sn/Copper Powder(Sn−1.81Cu))に変更し、表面処理剤をデカン酸に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
試料番号16では、金属粉末を試料番号1のAg粉から平均粒径D50=3.0μmの球状の還元銅粉末に変更した以外は試料番号1と同じ条件で導体粉末及び導電性樹脂組成物を作製した。そして、導体粉末の仕事関数を測定し、試料番号1と同様に仕事関数の変化量を求め、更に、導電性樹脂パターンの抵抗値の測定及び印刷性の評価を行い、それぞれの結果を表1に示した。
尚、表1において試料番号に*が付されているものは本発明の技術範囲外の比較例である。
Figure 2006112129
試料番号1及び試料番号9は、それぞれ表面処理剤として脂肪族第1級アミン化合物である1−アミノデカン、2−ヘプチルアミンを表面処理剤として用いているため、いずれも導体粉末表面の仕事関数が大きく低下し、これによってショットキー電流値が大きくなるため抵抗値が低く抑えられている。また、いずれも粘度が低く印刷性が良好である。
試料番号2及び試料番号3は、それぞれ表面処理剤としてジ−n−ブチルアミン(第2級アミン)、トリ−n−ブチルアミン(第3級アミン)を用いているため、導体粉末表面の仕事関数が低下し、これによってショットキー電流値が大きくなるため抵抗値が低く抑えられている。しかしながら、第2級あるいは第3級アミンであるため、側鎖の立体障害が大きく、導体粉末表面への表面処理剤の吸着密度が第1級アミンである1−アミノデカンほど高くならないため、仕事関数の低下量は試料番号1に及んでいない。一方、脂肪族アミン化合物であるので、導体粉末の分散性が高く、粘度が低く抑えられて印刷性が良好である。
試料番号4は、表面処理剤としてジフェニルアミン(第2級アミン)を用いているため、導体粉末表面の仕事関数が低下し、これによってショットキー電流値が大きくなるため抵抗値が低く抑えられている。しかしながら、第2級アミンである上に分子骨格内に嵩高いフェニル基を有するため、側鎖の立体障害が大きく、導体粉末表面への表面処理剤の吸着密度が高くならないため、仕事関数の低下量は試料番号1〜3に及んでいない。また、脂肪族アミン化合物ではないため粘度も比較的高く、印刷性は並である。
試料番号5、6は、導体粉末としてAu粉末を用いた場合でも、試料番号1、3と同様に効果が得られることを示している。尚、同一の表面処理剤を用いたときの導体粉末表面の仕事関数の低下量はAu粉末を用いたときの方が大きかった。
試料番号7は、導体粉末としてNi粉末を用いた場合でも、試料番号1に準じた効果が得られることを示している。
試料番号8は、導体粉末としてSn粉末を用いた場合でも、試料番号3に準じた効果が得られることを示している。
試料番号10は、表面処理剤として分子骨格中に窒素原子を5個有するテトラエチレンペンタミンを用いたため、仕事関数は大きく低下するものの、窒素分子間で水素結合を形成し、導体粉末同士の凝集が著しく、導体粉末の分散性が悪化して印刷性が悪化した。
試料番号11は、表面処理剤として分子骨格中に酸素原子を有するトリエタノールアミンを用いたため、電子吸引性が高い酸素原子が導体粉末表面の電子を引き抜いて仕事関数を増加させた。その結果、ショットキー電流値が低下して抵抗値が高くなった。また、分子骨格中に水酸基を複数個有するため、分子間で水素結合を形成し、導体粉末の凝集著しかった。その結果、導体粉末の分散性が悪化して印刷性が悪化した。
試料番号12〜15は、分子骨格中に窒素原子を有しないデカン酸を表面処理剤として用いたため、仕事関数が増加し、抵抗値が高くなった。
試料番号16は、金属粉末として本発明の範囲外の還元銅粉末を用いたため、仕事関数を低減する効果が得られなかった。
以上のように本実施例によれば、分子骨格中に酸素原子を有さず、且つ1個の窒素原子を有するアミン化合物で導体粉末の表面を処理することにより、導体粉末表面の仕事関数を低下させることができるので、抵抗値が低く、電気的な接続信頼性の高い導電性樹脂組成物及び導電性樹脂硬化物を得ることができる。
実施例2
平均粒径D50=5.5μmの球状のAg粉末(試料番号1と同じもの)を用意し、Ag粉末20gと0.5モル/リットルのHNO水溶液を、マグネチックスターラーを用いて室温で15分間攪拌し、Ag粉末表面をエッチング処理して、その汚染層を除去した。この混合物をメンブレンフィルターで吸引濾過した後、純水を加えながらメンブレンフィルターで吸引濾過してAg粉末を洗浄した。その後、Ag粉末をエタノールで洗浄した後、風乾した。風乾したものを、試料番号1と同一要領で表2に示す試料番号17の導体粉末及び導電性樹脂組成物を得て、実施例1と同一の評価を行い、その結果を表2に示した。
Figure 2006112129
試料番号17は、金属粉末表面のエッチング処理を行わない試料番号1と比較して1−アミノデカンの吸着密度が高まったため、試料番号1の導体粉末より仕事関数の低下量が増加し、導電性樹脂組成物の抵抗値が低下した。このことから、エッチング処理を施した導体粉末の方が導電性樹脂硬化物内でのショットキー電流を高めることができ、電気的な接続信頼性を高めることができる。
尚、エッチング処理する場合には、金属粉末によってエッチング処理液を適宜変更する必要がある。例えば、Ag粉末に対しては、硝酸水溶液の他に、硝酸のエタノール溶液や、硫酸と重クロム酸カリウム[KCr]飽和水溶液と塩化ナトリウム飽和水溶液との混合溶液などを用いることができる。Ni粉末に対しては、硝酸水溶液、塩酸と硫酸銅とエタノールと純水との混合液や、硝酸と硫酸銅と純水との混合液などを用いることができる。Sn粉末に対しては、塩酸水溶液、塩酸のアルコール溶液、塩酸と塩化第2鉄と純水との混合液、硝酸のエタノール溶液や、過硫酸アンモニウム[(NH]水溶液などを用いることができる。また、Au粉末に対しては、王水などを用いることができる。
実施例3
(1)導体粉末の作製
平均粒径D50=1μmの球状のAg粉末と平均粒径D50=3μmの球状のAg粉末とをそれぞれ試料番号1と同一要領で表面洗浄し、1μmのAg粉末と3μmのAg粉末を3:7の重量比で混合した。この混合Ag粉末を10g秤量した後、この混合Ag粉末を0.5wt%に希釈した1−アミノデカンのエタノール溶液100mlに投入し、試料番号1の場合と同一手順で導体粉末を得た。
(2)導電性樹脂組成物の調製
(1)で得られた導体粉末、t−ブチル型エポキシ樹脂、2−エチル−4−メチルイミダゾール及びテルピネオールを重量比70:13:3:14の割合で混練し、導電性樹脂組成物を得た。
一方、チタン酸バリウム系誘電体セラミックからなるセラミック層と、Ag−Pd合金(重量比Ag:Pd=7:3)からなる内部電極層とからなる基体(縦2.0mm×横1.2mm×高さ1.2mm、静電容量1.0μF)を用意した。この基体の端面を研磨して内部電極層を露出させ、内部電極層が露出した端面に(2)で得られた導電性樹脂組成物をディップ法によって塗布し、150℃で3時間硬化させて導電性樹脂硬化物からなる外部電極を形成した。更に、外部電極の表面にNiめっき層(厚み0.5μm)及びSnめっき層(厚み1.2μm)を施して、表3に示す試料番号21の積層コンデンサを得た。
比較例として、(1)におけるAg粉末に1−アミノデカンでの表面処理を行わなかった以外は試料番号21と同一要領で表3に示す試料番号22の積層コンデンサを得た。
次いで、試料番号21の積層コンデンサと試料番号22の積層コンデンサについて、それぞれの内部電極層と外部電極との電気的な接続性を調べた。電気的な接続性の指標として、LCRメータで測定した静電容量のバラツキ(Cv値)と誘電損失を用いた。これらの測定には、それぞれ20個ずつの積層コンデンサを用い、室温で、各積層コンデンサに1kHzの高周波電圧をそれぞれ印加してCv値と誘電損失を測定し、その結果を表3に示した。尚、表3において試料番号に*が付されているものは本発明の技術範囲外の比較例である。
Figure 2006112129
本実施例の試料番号21では、1−アミノデカンで表面処理したAg粉末を用いているため、内部電極層と外部電極の電気的接続性が向上し、静電容量のバラツキCv値が小さく、誘電損失を改善された。これは、Ag粉末を1−アミノデカンで表面処理を行うことによってAg粉末表面の仕事関数が低下した結果、外部電極内のAg粒子間及びAg粒子と内部電極層間のショットキー電流が増大したためである。
尚、本発明は、上記各実施例に何等限定されるものではない。上記各実施例に対しては、本発明の要旨の範囲内で種々の変更を加えることができる。例えば以下の点について変更が可能である。
上記各実施例では樹脂材料としてt−ブチルグリシジルエーテルを用いたが、公知の他の樹脂材料を用いても良い。樹脂材料としては、熱硬化型樹脂、熱可塑性型樹脂のいずれでも良いが、熱硬化型の方がリフロー耐熱性や密着性に優れており望ましい。熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド樹脂、シリコーン樹脂、ジアリルフタレート樹脂、ポリベンゾオキサジン、ポリビスアリルナジイミド、アルキド樹脂等が挙げられる。
このうち、エポキシ樹脂は、耐熱性、耐湿性、機械的強度、密着性、コストなどのバランスが取れており、特に好適である。エポキシ樹脂の種類としては、ビスフェノールAジグリシジルエーテル、テトラメチルビスフェノールAジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジルエーテル、ビスフェノールSジグリシジルエーテル、ビスフェノールCジグリシジルエーテル、ビスフェノールヘキサフルオロアセトンジグリシジルエーテル、ブロモ化ビスフェノールジグリシジルエーテル、α−ナフトールジグリシジルエーテル、フェノールノボラックグリシジルエーテル、クレゾールノボラックグリシジルエーテル、ビスレゾルシノールテトラグリシジルエーテル、テトラグリシジルベンゾフェノン、フロログリシノールトリグリシジルエーテル、トリヒドロキシビフェニルトリグリシジルエーテル、2,2’,4,4’−テトラグリシシドキシビフェニル、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、トリグリシジルアミノフェノール、ジアミノジフェニルメタン型グリシジルエーテル、ジシクロペンタジエン型ジグリシジルエーテル等の脂環式グリシジルエーテル、ビフェニル型ジグリシジルエーテル、ナフタレン型ジグリシジルエーテル、スピロ環型ジグリシジルエーテル等の複素環式グリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオール型ジグリシジルエーテルなどが挙げられる。
また上記実施例では硬化剤として2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールを用いたが、エポキシ樹脂の硬化剤としては他に、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、メタキシリレンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)2,4,8,10−テトラスピロ[5,5]ウンデカン、ポリアミンポリエチレンオキサイドアダクト、ポリアミンポリプロピレンオキサイドアダクト、脂肪族ポリアミン化合物、ケチミン等のアミン化合物や、メラミン、ジアリルメラミン等のメラミン化合物、アミンイミド化合物、ジアミノマレオニトリル、N−ベンジルジアミノマレオニトリル、N−イソブチルジアミノマレオニトリル等のジアミノマレオニトリル化合物や、2−メチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2,4−ジアミノ−6[2′メチルイミダゾール−(1′)]エチル−S−トリアジンイソシアヌル酸付加物、2−ヘプタデシルイミダゾール等のイミダゾール化合物、ジシアンドアミド、o−トリルビグアニド、a,ω−ジフェニルビグアニド、フェニルグアニド、a,ω−ジメチルビグアニド等のジシアンジアミド化合物や、ヘキサヒドロフタル酸、無水フタル酸、無水トリメット酸、無水ピロメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールトリメリテート、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラブロム無水フタル酸、クロレンド酸等のカルボン酸化合物や、酸無水物、プロピオン酸ヒドラジド、コハク酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、p−ヒドロキシ安息香酸ヒドラジド、サリチル酸ヒドラジド、ドデカン酸ジヒドラジド、アミノポリアクリルアミド、4,4’−オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド等の酸ヒドラジド化合物や、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、レゾール型フェノール、ポリビニルフェノール、ブチル化メラミン樹脂、ブチル化尿素樹脂、アニリン−ホルマリン樹脂等の高分子型硬化剤などが挙げられる。
尚、同系統の硬化剤は、これらを単独で用いてもよいし、適宜組み合わせて用いてもよい。必要に応じて、イミダゾール化合物、2級または3級アミン等を硬化促進剤として併用しても良い。尚、イミダゾール化合物は、硬化剤としても、硬化促進剤としても用いることができる。また、反応性を抑える目的で、各種硬化剤や硬化促進剤を予めエポキシ樹脂などでアダクトさせても良い。
導電性樹脂組成物には、前述の樹脂材料を溶解させたり、粘度を低減する目的などにより、必要に応じて溶剤を配合しても良い。
溶剤は、加熱硬化工程おいて揮発するものであることが必要である。溶剤は、単独でも混合溶剤でも良いが、沸点が110℃以上のものを少なくとも1種含むことが好ましい。沸点が110℃未満の溶剤を含む場合には、印刷中に溶剤が蒸発して、導電性樹脂組成物の粘度が変化する不具合が起こりやすいからである。溶剤の使用量については、導電性樹脂組成物が印刷時において適当な粘度になるように適宜選べば良い。
用いられ得る溶剤としては、例えば、トルエンもしくはキシレンなどの芳香族類、メチルエチルケトンもしくはメチルイソブチルケトンなどのケトン類、酢酸ブチルもしくは酢酸エチルなどのエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテルもしくはエチレングリコール−n−ヘキシルエーテル、またはそれらのアセテートなどのエチレングリコール系溶剤、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテルもしくはジエチレングリコールモノヘキシルエーテル、またはそれらのアセテート、トリエチレングリコールモノアルキル類またはそのアセテートなどのジエチレングリコール系溶剤やトリエチレングリコール系溶剤、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルもしくはジプロピレングリコールモノブチルエーテル、またはそれらのアセテートなどのプロピレングリコール系溶剤やジプロピレングリコール系溶剤、α−テルピネオール、β−テルピネオール、ブタノールもしくはベンジルアルコールなどのアルコール類、その他フェノール類などが挙げられる。
更に本発明の導電性樹脂組成物には、その他、必要に応じて、粘度調整剤、希釈剤、難燃剤、レベリング剤、チクソ性付与剤、沈降防止剤、モノエポキシ化合物、顔料、シランカップリング剤、消泡剤、腐食防止剤、粘着性付与剤など、各種の添加剤が適宜配合されても良い。これらの添加剤の配合量については、樹脂の粘度や強度などの特性を損なわないように選ばれる。
また、導体粉末の表面処理方法は、湿式、乾式のいずれでも構わないが、湿式の方が表面処理の均一性が高く望ましい。
また、本発明に係る導電性樹脂組成物は、従来から用いられている通常の方法によって製造することができる。即ち、導電性樹脂組成物は、上述したような各種成分を、ボールミル、ロールミル、プラネタリミキサー、乳鉢等の各種混練機を用いて混練することにより製造することができる。
また、上述のようにして得られた導電性樹脂組成物は、従来の場合と同様、スクリーン印刷、メタルマスク印刷またはディスペンサ塗布等の方法によって、配線基板やリードフレームなどの被着体に塗布される。
そして、面実装タイプのチップ状電子部品をマウンタなどによりマウントし、連続またはバッチ式の炉またはオーブン等によって、導電性樹脂組成物を熱硬化させれば、所望の電気的接合状態を得ることができる。
上述の熱硬化における加熱硬化条件については、導電性樹脂組成物が十分に硬化すると共に熱による劣化が問題にならない範囲であれば、特に制限はない。
また、ボイド生成を防ぐために溶剤を除去する目的で、樹脂材料の硬化温度より低い温度で、予備乾燥または予備加熱を行なっても良い。

Claims (8)

  1. 銀、金、ニッケル、スズから選択される少なくとも一種の元素を含む導体粉末であって、前記導体粉末の表面の少なくとも一部が、分子骨格中に酸素原子を有さず且つ一つの窒素原子を有するアミン化合物によって表面処理されていることを特徴とする導体粉末。
  2. 前記アミン化合物は、脂肪族アミン化合物であることを特徴とする請求項1に記載の導体粉末。
  3. 前記脂肪族アミン化合物は、脂肪族第1級アミン化合物であることを特徴とする請求項2に記載の導体粉末。
  4. 銀、金、ニッケル及びスズから選択される少なくとも一種の元素を含む金属粉末を準備する工程と、
    前記金属粉末の表面をエッチング処理する工程と、
    エッチング処理された前記金属粉末の表面に、分子骨格中に酸素原子を有さず且つ一つの窒素原子を有するアミン化合物を吸着させる工程と、
    を含むことを特徴とする導体粉末の製造方法。
  5. 導体間を電気的に接続するための導電性樹脂組成物であって、樹脂材料と、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の導体粉末と、を含むことを特徴とする導電性樹脂組成物。
  6. 請求項5に記載の導電性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする導電性樹脂硬化物。
  7. 内部電極層を有する基体と、前記内部電極層に電気的に接続され且つ前記基体の表面に形成されている外部電極と、を備え、前記外部電極は請求項5に記載の導電性樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする電子部品。
  8. 表面の少なくとも一部に外部導体を有する第1及び第2の電子部品と、第1の電子部品の外部導体と第2の電子部品の外部導体とを電気的に接続する請求項6に記載の導電性樹脂硬化物とを有することを特徴とする電子部品モジュール。
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