JPWO2006103996A1 - 数値解析装置および数値解析プログラム - Google Patents
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Abstract
Description
10 入力部
11 出力部
12 演算部
13 出力処理部
14 記憶部
20 演算制御モジュール
21 算入モジュール
22 二階時間微分量算出モジュール
23 一階時間微分量算出モジュール
24,24a 物理量算出モジュール
図1は、この発明の実施の形態1にかかる数値解析装置の一例である動解析装置の概要構成を示すブロック図である。図1に示すように、この動解析装置1は、キーボードやポインティングデバイスによって実現され、各種情報を入力する入力部10と、液晶ディスプレイやプリンタなどによって実現され、処理結果を出力する出力部11と、各種プログラムやデータを格納するとともに、演算結果などを一時的に格納する記憶部14と、動解析処理の実行制御を行う制御部Cとを有する。
によって変位(t+Δt)を求めていた。しかし、このオイラー法では、単振動などの動解析を行うと発散してしまう場合があった。そこで、式(3)を次式(5)によって求める修正オイラー法が考え出された。すなわち、
である。この修正オイラー法では、v(t+Δt)を、基準時刻tと、基準時刻tから解析微小時間Δt経過後の時刻(t+Δt)との間の平均速度(1/2・(v(t)+v(t+Δt)))に置き換えて動解析を行うようにしている。この修正オイラー法によれば、オイラー法に比較して発散の程度を小さくすることができるが、依然として発散した動解析となってしまい、精度が低い動解析結果となってしまっていた。したがって、オイラー法や修正オイラー法を用いた動解析では、解析微小時間Δtを極端に小さくし、多大な時間をかけて精度を確保せざるを得なかった。これに対し、上述した式(1)〜(3)を繰り返し行う動解析処理では、解析微小時間Δtが短くても精度の高い動解析結果を得ることができる。
となる。なお、このばね−質点系では、ばね定数k=4π2(N/m)、質量m=1.0(kg)、初期変位x(0)=2.0(m)、初期速度v(0)=0.0(m)である。この運動方程式の解析方程式は、次式(7)に示すように、
となり、パラメータを代入すると、次式(8)に示す解析方程式となる。すなわち、
となる。なお、このばね−質点系の代数解は、次式(9)に示すように、
として表される。解析微小時間Δt=0.01(s)としている。
つぎに、実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、現時点の速度などの一階時間微分量および現時点の加速度などの二階微分量をもとに次の時点の一階時間微分量を求め、さらにこの次の時点の一階時間微分量および現時点の変位などの物理量を用いて次の時点の物理量を求めるようにしていたが、この実施の形態2では、現時点の一階時間微分量、現時点の二階時間微分量および現時点の物理量をもとに、一度で次の時点の物理量を求めるようにしている。ただし、次の時点の二階時間微分量を算出する際に用いる次の時点の一階時間微分量は、現時点において求めておく。
によって求めることができる。
図17は、動解析対象であるばね質点ダッシュポット系の概要構成を示す模式図である。このばね質点ダッシュポット系に固有の運動方程式は、次式(11)で示される。
ただし、m:質点の質量(1500.00)
c:ダッシュポットの粘性減衰係数(4242.64)
k:バネ係数(12000)
f:外力の振幅(1000.0)
T:外力の周期(1.00)
t:基準時刻
x:質点の変位
v:質点の速度
α:質点の加速度
t0:解析開始時刻
x0:質点の初期変位(0.10)
v0:質点の初期速度(1.00)
α0:質点の初期加速度
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(12)で示したα(t)に、各種パラメータおよび、t=t0、x(t0)=x0、v(t0)=v0を代入してα(t0)を求め、式(2)および式(3)で示す演算を行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後のv(t+Δt)およびx(t+Δt)を求める。このv(t+Δt)およびx(t+Δt)を用いて次の解析微小時間Δt経過後の加速度α(t+Δt)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
図19は、動解析対象である、単振動と回転運動とが伴った運搬機の概要構成を示す模式図である。この運搬機に固有の運動方程式は、次式(13),(14)で示される。
ただし、m:運搬機の質量(1500.00)
J:運搬機の慣性モーメント(3125)
k1:バネ定数1(3000)
k2:バネ係数2(3000)
L1:重心からの距離1(2.00)
L2:重心からの距離2(2.00)
x:運搬機の変位(初期値x0=0.10)
v:運搬機の速度(初期値v0=0.00)
α:運搬機の加速度
θ:運搬機の角変位(初期値θ0=0.26)
ω:運搬機の角速度(初期値ω0=0.00)
d2θ/dt2:運搬機の角加速度
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、各式(15),(16)に、各種パラメータおよび、初期変位v(t0)=0.00、初期角変位θ0(t0)=0.25を代入して、それぞれα(t0)および(d2θ/dt0 2)を求め、式(10)で示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後のx(t+Δt)およびθ(t+Δt)を求める。このx(t+Δt)およびθ(t+Δt)を用いて次の解析微小時間Δt経過後の加速度α(t+Δt)および(d2θ(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。なお、実施の形態1のように、式(2)および式(3)を用いる場合、それぞれ運搬機の速度v(t+Δt)および運搬機の角速度ω(t+Δt)を式(3)によって求める。この場合、運搬機の初期速度v(t0)=0.00および運搬機の角速度ω(t0)=0.00とする。
図22は、動解析対象である、ねじり軸、継手、ギア等の動力伝達器で連結された複数の回転体の概要構成を示す模式図である。この解析対象の運動方程式は、次式(17),(18)で示される。
ただし、I1:回転体1の慣性モーメント(9500)
I2:回転体2の慣性モーメント(53900)
k12:捩りバネ定数(98980000)
θ1:回転体1の角変位(初期値=0.000)
θ2:回転体2の角変位(初期値=0.026)
ω1:回転体1の角速度(初期値=0.000)
ω2:回転体2の角速度(初期値=0.000)
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、各式(19),(20)に、各種パラメータおよび、初期角変位θ10=0.000、初期角変位θ20=0.026を代入して、それぞれ(d2θ1/dt2)および(d2θ2/dt2)を求め、式(10)で示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後のθ1(t+Δt)およびθ2(t+Δt)を求める。このθ1(t+Δt)およびθ2(t+Δt)を用いて次の解析微小時間Δt経過後の(d2θ1(t+Δt)/dt2)および(d2θ2(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。なお、実施の形態1のように、式(2)および式(3)を用いる場合、それぞれの角速度ω1(t+Δt),ω2(t+Δt)を式(3)によって求める。この場合、初期角速度ω1(t+Δt),ω2(t+Δt)=0.000とする。
図25は、動解析対象である、調速機のすべり子およびタービンの概要構成を示す模式図である。この調速機に固有の運動方程式は、次式(21),(22)で示される。
ただし、mgv:調速機のすべり子の等価質量(10.00)
cgv:調速機の粘性減衰係数(50.66)
kgv:調速機のバネ定数(1579.14)
Agv:タービンの回転速度が1rad/s増すことによって調速機のすべり子に働く上向きの力(10.00)
Jgv:タービンの等価慣性モーメント(2.50)
Bgv:調速機のすべり子が単位長下がるために生じるタービンのトルク増加(1000.00)
xgv:調速機のすべり子の変位(初期値=0.00)
vgv:調速機のすべり子の速度(初期値=0.00)
αgv:調速機のすべり子の加速度
φgv:タービンの角変位(初期値=0.00)
ωgv:タービンの角速度(初期値=0.20)
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、各式(23),(24)に、各種パラメータおよび、初期変位xgv(t0)=0.00、初期角変位φgv(t0)=0.00、初期速度vgv(t0)=0.00、初期角速度ωgv(t0)=0.20を代入して、加速度αgvおよび角加速度(d2φgv/dt2)を求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.0005(s))経過後の速度vgv(t+Δt)およびωgv(t+Δt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の変位xgv(t+Δt)および角変位φgv(t+Δt)を求める。これら求められたvgv(t+Δt)、ωgv(t+Δt)、xgv(t+Δt)、およびφgv(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.0005(s))経過後の加速度αgv(t+Δt)および角加速度(d2φgv(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
図28は、動解析対象である、旋削機などのバイトの概要構成を示す模式図である。この旋削機に固有の運動方程式は、次式(25)で示される。
ただし、mb:バイトの質量(10.00)
cb:粘性減衰係数(20.00)
kb:バネ定数(1000.00)
V:切削速度(2.00)
Pb:背分力(100.00)
xb:バイトの変位(初期値=0.00)
vb:バイトの速度(初期値=1.00)
αb:バイトの加速度
μ(V−vb)Pb:0.0075(V−vb)2−0.055(V−vb)+0.400
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(26)に、各種パラメータおよび、初期変位xb(t0)=0.00、初期速度vb(t0)=1.00を代入して、加速度αbを求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.02(s))経過後の速度vb(t+Δt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.02(s))経過後の変位xb(t+Δt)を求める。これら求められたvb(t+Δt)、xb(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.02(s))経過後の加速度αb(t+Δt)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
図30は、動解析対象である、クランクを有する往復機械の概要構成を示す模式図である。このクランクを有する往復機械に固有の運動方程式は、次式(27)で示される。
ただし、mpi:往復質量(15.00)
Icr:クランク軸周りの全回転質量の慣性モーメント(7.73)
Rcr:クランク軸の腕の長さ(0.13)
ε:Rcr/Lcon
Lcon:接続の長さ(0.25)
Ppi:外力(0.00)
Trcr:抵抗トルク
θcr:クランクの角変位(初期値=0.26)
dθcr/dt:クランクの角速度(初期値=12.57)
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(28)に、各種パラメータおよび、初期角変位θcr(t0)=0.26、初期角速度(dθcr/dt0)=12.57を代入して、角加速度(d2θcr/dt0 2)を求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.001(s))経過後の角速度(dθcr(t+Δt)/dt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.001(s))経過後の角変位θcr(t+Δt)を求める。これら求められた(dθcr(t+Δt)/dt)、θcr(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.001(s))経過後の角加速度(d2θcr(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
ただし、xpi:ピストンの変位
Rcr:クランク軸の腕の長さ(0.13)
ε:Rcr/Lcon
Lcon:接続の長さ(0.25)
θcr:クランクの角変位
であり、これらはSI単位系で示している。図32は、この式(29)をもとに求めた往復機械のピストンの動解析結果を示す図である。この動解析結果は、図32に示すように、フィードバック処理等からなる補正処理等が数多く組み合わされた精密かつ時間のかかる高精度な動解析装置の出力結果とほぼ同じ動特性が得られている。
図33は、動解析対象である、ブレーキディスクの概要構成を示す模式図である。このブレーキディスクに固有の運動方程式は、次式(30)で示される。
ただし、JB:ブレーキディスクの慣性モーメント(3.00)
fB:押付力(500.00)
uB:摩擦係数(0.30)
θB:ブレーキディスクの角変位(初期値=0.00)
dθB(t)/dt:ブレーキディスクの角速度(初期値=139.63)
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(30)に、各種パラメータおよび、初期角変位θB(t0)=0.00、初期角速度(dθB(t)/dt0)=139.63を代入して、角加速度(d2θB/dt0 2)を求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の角速度(dθB(t+Δt)/dt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の角変位θB(t+Δt)を求める。これら求められた(dθB(t+Δt)/dt)、θB(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の角加速度(d2θB(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
図35は、動解析対象である、剛体リンクで接続されたマニピュレータ状機器の概要構成を示す模式図である。この剛体リンクで接続されたマニピュレータ状機器に固有の運動方程式は、次式(32),(33)で示される。
ただし、Llink:リンク1,2の長さ(5.000)
g:重力加速度(9.807)
θlink1:リンク1の角変位(初期値=0.087)
dθlink1/dt:リンク1の角速度(初期値=0.000)
θlink2:リンク2の角変位(初期値=−0.087)
dθlink2/dt:リンク2の角速度(初期値=0.000)
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(34),(35)に、各種パラメータおよび、初期角変位θlink1(t0)=0.087、初期角変位θlink2(t0)=−0.087、初期角速度(dθlink1(t)/dt0)=0.000、初期角速度(dθlink2(t)/dt0)=0.000を代入して、角加速度(d2θlink1/dt0 2)、(d2θlink2/dt0 2)を求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の角速度(dθlink1(t+Δt)/dt)、(dθlink2(t+Δt)/dt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の角変位θlink1(t+Δt)、θlink2(t+Δt)を求める。これら求められた(dθlink1(t+Δt)/dt)、(dθlink2(t+Δt)/dt)、θlink(t+Δt)、θlink2(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の角加速度(d2θlink1(t+Δt)/dt2)、(d2θlink2(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
として近似できる。この式をもとに動解析を行っても図36,図37とほぼ同じ結果を得ることができる。この場合、実施の形態2と同様な処理を適用することができる。
図38は、動解析対象である、重力等を相互に及ぼし合う粒子あるいは天体の概要構成を示す模式図である。この重力等を相互に及ぼし合う粒子あるいは天体に固有の運動方程式は、次式(38)〜(41)で示される。
ただし、m1g:地球の質量(5.97×1024)
m2g:月の質量(7.35×1022)
G:重力定数(6.67×10−11)
αx1:地球のx方向加速度
αy1:地球のy方向加速度
αx2:月のx方向加速度
αy2:月のy方向加速度
r:地球と月の距離
であり、これらはSI単位系で示している。
ただし、x1:地球のx方向変位(初期値=0.00×1000)
x2:地球のy方向変位(初期値=0.00×1000)
y1:月のx方向変位(初期値=3.84×08)
y2:月のy方向変位(初期値=0.00×1000)
vx1:地球のx方向速度(初期値=0.00×1000)
vy1:地球のy方向速度(初期値=0.00×1000)
vx2:月のx方向速度(初期値=0.00×1000)
vy2:月のy方向速度(初期値=1.04×1003)
によって示される。したがって、式(45)〜(48)に、各種パラメータおよび、地球のx方向初期変位x1(t0)=0.00×1000、地球のy方向初期変位y1(t0)=0.00×1000、月のx方向初期変位x2(t0)=3.84×1008、月のy方向初期変位y2(t0)=0.00×1000を代入して、加速度αx1,αy1,αx2,αy2を求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の速度vx1(t+Δt),vy1(t+Δt),vx2(t+Δt),vy2(t+Δt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の変位x1(t+Δt),x2(t+Δt),y1(t+Δt),y2(t+Δt)を求める。これら求められたvx1(t+Δt),vy1(t+Δt),vx2(t+Δt),vy2(t+Δt),x1(t+Δt),x2(t+Δt),y1(t+Δt),y2(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の加速度αx1(t+Δt),αy1(t+Δt),αx2(t+Δt),αy2(t+Δt)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
この発明では、三体問題についても精度の高い数値解析処理を短時間に行うことができる。三体問題とは、文字通り、3つの物体があるとき、万有引力を用いてそれぞれの物体の振る舞いを求める問題であり、ここでは、太陽、地球、および月のそれぞれに対する動解析を行う。
として表すことができる。ただし、M1は太陽101の質量であり、a1は太陽101の加速度である。なお、a1はベクトルa1(ax1,ay1)である。
地球102による万有引力f12は、
で表される。Gは、万有引力定数を示し、M2は地球102の質量であり、P1およびP2はそれぞれ太陽101および地球102の位置ベクトルP1(x1,y1),P2(x2,y2)である。また、万有引力f12は、ベクトルである。なお、{G・M2・M1/(|P2−P1|2)}は、万有引力の絶対値を意味し、{(P2−P1)/|P2−P1|}は、太陽101から地球102への単位ベクトルを意味する。
式(50)は、次式に整理される。
同様にして、月103による万有引力f13は、
で表される。ここで、M3は月の質量であり、P3は月の位置ベクトルP3(x3,y3)である。また、万有引力f13は、ベクトルである。
ここで、
であるので、式(49),(51)〜(53)からF1,f12,f13を消去すると、
となる。ここで、{G・M2/(|P2−P1|3)}*(P2−P1)は地球102の引力による加速度分であり、{G・M3/(|P3−P1|3)}*(P3−P1)は、月103の引力による加速度分である。
となる。ここで、{G・M3/(|P3−P2|3)}*(P3−P2)は月103の引力による加速度分であり、{G・M1/(|P1−P2|3)}*(P1−P2)は、太陽101の引力による加速度分である。なお、a2はベクトルa2(ax2,ay2)である。
さらに同様にして月の加速度a3は、
となる。ここで、{G・M1/(|P1−P3|3)}*(P1−P3)は太陽101の引力による加速度分であり、{G・M2/(|P2−P3|3)}*(P2−P3)は、地球102の引力による加速度分である。なお、a3はベクトルa3(ax3,ay3)である。
太陽101と地球102との間の初期距離 :1.496×1011(m)
地球102と月103との間の初期距離 :3.844×108(m)
地球102の初期速度 :2.978×104(m/s)
月103の初期周期 :27.3217(日)
月103の地球102に対する初期相対速度 :1023(m/s)
太陽101の質量M1 :1.989×1030(kg)
地球102の質量M2 :5.974×1024(kg)
月103の質量M3 :7.347×1022(kg)
万有引力定数G :6.67259×10−11(N・m2/kg2)
である。
図43は、動解析対象である、遠心ポンプを有するシステムのサージタンクの概要構成を示す模式図である。このサージタンクの水位変動に固有の運動方程式は、次式(57)で示される。
ただし、g:重力加速度(9.807)
lsurge:管路の長さ(10.000)
Asurge:管路断面積(0.008)
Atank:サージタンク断面積(0.100)
Qsurge:流量(0.012)
h′(Qsurge)=2.67×109Qsurge 3−1.2×108Qsurge 2+1.2×105Qsurge+472.487
:(揚程カーブを流量で微分したもの)
Vsurge:圧力損失係数(0.144)
xsurge:サージタンクの水位変動(初期値=0.02)
vsurge:サージタンクの水位変動速度(初期=0.00)
αsurge:サージタンクの水位変動加速度
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(58)に、各種パラメータおよび、サージタンクの初期水位変動xsurge(t0)=0.02、サージタンクの初期水位変動速度vsurge(t0)=0.00を代入して、サージタンクの水位変動加速度αsurgeを求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の水位変動速度vsurge(t+Δt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の水位変動xsurge(t+Δt)を求める。これら求められたvsurge(t+Δt),xsurge(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.01(s))経過後の水位変動加速度αsurge(t+Δt)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
図45は、動解析対象である、LCR回路の概要構成を示す模式図である。このLCR回路の電荷に固有の運動方程式は、次式(59)で示される。
ただし、g:重力加速度(9.807)
Llcr:インダクタンス(0.20)
Rlcr:抵抗(5.00)
clcr:キャパシタンス(0.002)
Elcr:電圧(初期値=5.00)
q :電荷(初期値=0.00)
i :電流(初期値=0.00)
であり、これらはSI単位系で示している。
によって示される。したがって、式(60)に、各種パラメータおよび、初期電荷q(t0)=0.00、初期電流i(t0)=0.00を代入して、電荷の二階時間微分量(d2q/dt2)を求める。その後、式(2)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.001(s))経過後の電流i(t+Δt)を求める。さらに、式(3)に示す演算をそれぞれ行って解析微小時間Δt(=0.001(s))経過後の電荷q(t+Δt)を求める。これら求められたi(t+Δt),q(t+Δt)を用いて、解析微小時間Δt(=0.001(s))経過後の電荷の二階時間微分量(d2q(t+Δt)/dt2)を求め、上述した処理を所定回数繰り返す。
Claims (36)
- 解析対象の2階微分方程式を数値解析する数値解析装置であって、
前記2階微分方程式の初期条件を含むパラメータ設定および前記数値解析の解析微小変数量を設定する設定手段と、
解析開始変数値である基準変数値における前記2階微分方程式の2階微分量を算出する2階微分量算出手段と、
前記2階微分量算出手段が算出した2階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、この乗算した値に前記基準変数値における前記2階微分方程式の1階微分量を加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の1階微分量として算出する1階微分量算出手段と、
前記1階微分量算出手段が算出した1階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、この乗算した値に前記基準変数値における前記2階微分方程式の物理量を加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の物理量として算出する物理量算出手段と、
前記基準変数値に前記解析微小変数量を加算した変数値を新たな基準変数値として設定し、2階微分量算出手段、前記1階微分量算出手段、および前記物理量算出手段に対してそれぞれ設定された基準変数値を用いて前記2階微分量、前記1階微分量、および前記物理量を算出させる制御を繰り返し行う演算制御手段と、
を備えたことを特徴とする数値解析装置。 - 前記解析微小変数量および前記基準変数値は、それぞれ解析微小時間および基準時刻であり、前記1階微分量および前記2階微分量は、それぞれ1階時間微分量および2階時間微分量であることを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。
- 前記設定手段は、前記数値解析の終了条件を設定し、
前記演算制御手段は、前記数値解析の終了条件を満足する場合に前記数値解析を終了させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。 - 前記物理量算出手段によって算出された各基準変数値毎の物理量を、前記解析微小変数量の増分に対応させて出力する出力処理手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。
- 前記出力処理手段は、前記解析微小変数量の増分に対応する、物理量算出手段によって算出された各基準変数値毎の物理量をグラフ化処理することを特徴とする請求項4に記載の数値解析装置。
- 前記2階微分方程式は、変数量項を含むことを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。
- 前記2階微分方程式は、時間項を含むことを特徴とする請求項2に記載の数値解析装置。
- 前記2階微分方程式は、多元連立方程式であることを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。
- 表計算プログラムを用いて数値解析を行うことを特徴とする請求項1に記載の数値解析装置。
- 解析対象の2階微分方程式を数値解析する数値解析装置であって、
前記2階微分方程式の初期条件を含むパラメータ設定および前記数値解析の解析微小変数量を設定する設定手段と、
解析開始変数値である基準変数値における前記2階微分方程式の2階微分量を算出する2階微分量算出手段と、
前記2階微分量算出手段が算出した2階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、この乗算した値に前記基準変数値における前記2階微分方程式の1階微分量を加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の1階微分量として算出する1階微分量算出手段と、
前記2階微分量算出手段が算出した2階微分量に前記解析微小変数量の2乗値を乗算し、前記1階微分量算出手段が算出した1階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、これらの乗算した値と前記基準変数値における前記2階微分方程式の物理量とを加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の物理量として算出する物理量算出手段と、
前記基準変数値に前記解析微小変数量を加算した変数値を新たな基準変数値として設定し、2階微分量算出手段、前記1階微分量算出手段、および前記物理量算出手段に対してそれぞれ設定された基準変数値を用いて前記2階微分量、前記1階微分量、および前記物理量を算出させる制御を繰り返し行う演算制御手段と、
を備えたことを特徴とする数値解析装置。 - 前記解析微小変数量および前記基準変数値は、それぞれ解析微小時間および基準時刻であり、前記1階微分量および前記2階微分量は、それぞれ1階時間微分量および2階時間微分量であることを特徴とする請求項10に記載の数値解析装置。
- 前記設定手段は、前記数値解析の終了条件を設定し、
前記演算制御手段は、前記数値解析の終了条件を満足する場合に前記数値解析を終了させる制御を行うことを特徴とする請求項10に記載の数値解析装置。 - 前記物理量算出手段によって算出された各基準変数値毎の物理量を、前記解析微小変数量の増分に対応させて出力する出力処理手段を備えたことを特徴とする請求項10に記載の数値解析装置。
- 前記出力処理手段は、前記解析微小変数量の増分に対応する、物理量算出手段によって算出された各基準変数値毎の物理量をグラフ化処理することを特徴とする請求項13に記載の数値解析装置。
- 前記2階微分方程式は、変数量項を含むことを特徴とする請求項10に記載の数値解析装置。
- 前記2階微分方程式は、時間項を含むことを特徴とする請求項11に記載の数値解析装置。
- 前記2階微分方程式は、多元連立方程式であることを特徴とする請求項10に記載の数値解析装置。
- 表計算プログラムを用いて数値解析を行うことを特徴とする請求項10に記載の数値解析装置。
- 解析対象の2階微分方程式を数値解析する数値解析プログラムであって、
前記2階微分方程式の初期条件を含むパラメータ設定および前記数値解析の解析微小変数量を設定する設定手順と、
解析開始変数値である基準変数値における前記2階微分方程式の2階微分量を算出する2階微分量算出手順と、
前記2階微分量算出手順が算出した2階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、この乗算した値に前記基準変数値における前記2階微分方程式の1階微分量を加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の1階微分量として算出する1階微分量算出手順と、
前記1階微分量算出手順が算出した1階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、この乗算した値に前記基準変数値における前記2階微分方程式の物理量を加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の物理量として算出する物理量算出手順と、
前記基準変数値に前記解析微小変数量を加算した変数値を新たな基準変数値として設定し、2階微分量算出手順、前記1階微分量算出手順、および前記物理量算出手順に対してそれぞれ設定された基準変数値を用いて前記2階微分量、前記1階微分量、および前記物理量を算出させる制御を繰り返し行う演算制御手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする数値解析プログラム。 - 前記解析微小変数量および前記基準変数値は、それぞれ解析微小時間および基準時刻であり、前記1階微分量および前記2階微分量は、それぞれ1階時間微分量および2階時間微分量であることを特徴とする請求項19に記載の数値解析プログラム。
- 前記設定手順は、前記数値解析の終了条件を設定し、
前記演算制御手順は、前記数値解析の終了条件を満足する場合に前記数値解析を終了させる制御を行うことを特徴とする請求項19に記載の数値解析プログラム。 - 前記物理量算出手順によって算出された各基準変数値毎の物理量を、前記解析微小変数量の増分に対応させて出力する出力処理手順を備えたことを特徴とする請求項19に記載の数値解析プログラム。
- 前記出力処理手順は、前記解析微小変数量の増分に対応する、物理量算出手順によって算出された各基準変数値毎の物理量をグラフ化処理することを特徴とする請求項22に記載の数値解析プログラム。
- 前記2階微分方程式は、変数量項を含むことを特徴とする請求項19に記載の数値解析プログラム。
- 前記2階微分方程式は、時間項を含むことを特徴とする請求項20に記載の数値解析プログラム。
- 前記2階微分方程式は、多元連立方程式であることを特徴とする請求項19に記載の数値解析プログラム。
- 表計算プログラムを用いて数値解析を行うことを特徴とする請求項19に記載の数値解析プログラム。
- 解析対象の2階微分方程式を数値解析する数値解析プログラムであって、
前記2階微分方程式の初期条件を含むパラメータ設定および前記数値解析の解析微小変数量を設定する設定手順と、
解析開始変数値である基準変数値における前記2階微分方程式の2階微分量を算出する2階微分量算出手順と、
前記2階微分量算出手順が算出した2階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、この乗算した値に前記基準変数値における前記2階微分方程式の1階微分量を加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の1階微分量として算出する1階微分量算出手順と、
前記2階微分量算出手順が算出した2階微分量に前記解析微小変数量の2乗値を乗算し、前記1階微分量算出手順が算出した1階微分量に前記解析微小変数量を乗算し、これらの乗算した値と前記基準変数値における前記2階微分方程式の物理量とを加算し、この加算した値を前記解析微小変数量増分後の物理量として算出する物理量算出手順と、
前記基準変数値に前記解析微小変数量を加算した変数値を新たな基準変数値として設定し、2階微分量算出手順、前記1階微分量算出手順、および前記物理量算出手順に対してそれぞれ設定された基準変数値を用いて前記2階微分量、前記1階微分量、および前記物理量を算出させる制御を繰り返し行う演算制御手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする数値解析プログラム。 - 前記解析微小変数量および前記基準変数値は、それぞれ解析微小時間および基準時刻であり、前記1階微分量および前記2階微分量は、それぞれ1階時間微分量および2階時間微分量であることを特徴とする請求項28に記載の数値解析プログラム。
- 前記設定手順は、前記数値解析の終了条件を設定し、
前記演算制御手順は、前記数値解析の終了条件を満足する場合に前記数値解析を終了させる制御を行うことを特徴とする請求項28に記載の数値解析プログラム。 - 前記物理量算出手順によって算出された各基準変数値毎の物理量を、前記解析微小変数量の増分に対応させて出力する出力処理手順を備えたことを特徴とする請求項28に記載の数値解析プログラム。
- 前記出力処理手順は、前記解析微小変数量の増分に対応する、物理量算出手順によって算出された各基準変数値毎の物理量をグラフ化処理することを特徴とする請求項31に記載の数値解析プログラム。
- 前記2階微分方程式は、変数量項を含むことを特徴とする請求項28に記載の数値解析プログラム。
- 前記2階微分方程式は、時間項を含むことを特徴とする請求項29に記載の数値解析プログラム。
- 前記2階微分方程式は、多元連立方程式であることを特徴とする請求項28に記載の数値解析プログラム。
- 表計算プログラムを用いて数値解析を行うことを特徴とする請求項28に記載の数値解析プログラム。
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