JPWO2006095411A1 - 光空間通信方法、光送信装置、光受信装置、光空間通信システム - Google Patents

光空間通信方法、光送信装置、光受信装置、光空間通信システム Download PDF

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Abstract

光送信局の送信パネルに配列された複数の発光素子における光の送信タイミングを、光受信局の側における集光光学系等に起因する個々の光の光路差が解消されるように調整し、個々の発光素子から光受信局に至る光の光路差に起因する変調速度の制約や、受信感度の劣化を解消して、長距離で高速な光空間通信を実現する。

Description

本発明は、光空間通信技術に関し、特に、比較的長距離の光空間通信技術に適用して有効な技術に関する。
近年、青色ダイオードの開発によって、光の三原色である赤、緑、青の発光ダイオードが出揃ったことにより、様々な分野でそれまで、電球及びカラーフィルム等によっていたものが発光ダイオードに置き換わりつつある。たとえば、道路上の信号機はよく知られた事例である。
この発光ダイオードは電球と比べ、単に長い寿命、省電力であるだけでなく、高速に点滅できるという特性を持っており、このことに多くの関心が集中している。
すなわち、人間の目などの感覚器に感じないほど高速に点滅できるため、照明器具としてだけでなく、光通信手段として利用できるため照明器具を介した通信技術として応用が期待されている。
従来の光空間通信では発光ダイオードやレーザーダイオード(以下、発光素子と記す)の光の点滅によって情報を伝えることが知られている。光空間通信では、光ファイバーのような光伝送路を介して通信するのにくらべて伝送距離に応じた光強度は著しく減衰するため、近距離での通信に利用されるに止まっている。
これらの光空間通信では、光ファイバー導波路と異なり、空間を伝播させているため、大気中の浮遊物等の影響を受けて減衰しやすく、長距離通信には様々な技術的課題を生じる。
このため、より遠方との通信を実現するためには、送信出力を上げるとともに、光の拡散による減衰を防止するため、レーザー光のような直進性のある光を利用することが必要となる。
しかし、レーザー光のように直進性のある光をより強く空間に放射することは一般に危険であるため、結局、安全性の観点から、光ファイバー通信に劣ると考えられている。
すなわち、空間伝送中の光の安全性や減衰を考慮しつつ、情報通信に必要な光信号レベルを確保するためには、各々の光出力が安全上の観点から十分に低い複数の発光素子を平面状に配列して光信号を放射させ、受信側で複数の発光素子からの光を収束して受信することが考えられる。
ところが、複数の発光素子から放射される個々の光に光路差が生じるため、受信側において、この光路差による信号波形の歪みが発生し、変調速度限界、すなわち通信速度が低下する、という技術的課題がある。
また、光空間通信では、セキュリティ管理が困難な外部空間に光として情報を送信するため、秘話性の確保が必要となる。この場合、暗号方式によって通信の秘密は保持することは可能であるが、有線通信と比較すれば、より一層の秘話性の確保が必要となる。
従来、特許文献1には、複数の発光ダイオードを配列した光無線通信用光射出装置において、個々の発光ダイオードが収容される格子枠部と、この格子枠部の開口部に配置されたレンズアレイ部とを備え、個々の発光ダイオードからの射出光が平行光束となるようにして、隣接する発光ダイオード間の射出光の混信や、外部のノイズ光の影響を排除した光無線通信を実現しようとしている。
しかしながら、この特許文献1では、複数の発光ダイオードから射出される複数の光の光路差に起因する変調速度限界の低下、すなわち通信速度の低下、さらには秘話性の確保等の技術的課題は認識されていない。
特許文献2には、大口径の光アンテナの代わりに、複数の光アンテナにて光空間伝送における空間光Pを受信することで空間光Pの検出レベルを向上させるとともに、各光アンテナにおける受信信号レベルが最大となるように、複数のアンテナ間における受信信号の位相を調整する技術が開示されている。
しかし、この特許文献2では、複数の発光素子を用いた光空間通信における変調速度限界の低下については配慮が見られない。
特開平10−242912号公報 特開平11−55187号公報
本発明の目的は、光空間通信をより長距離化、大容量化し、信頼性を向上させることができ、従来のような光ファイバの敷設なしに光ファイバ通信クラスの通信性能を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光空間通信における高い秘話性を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、送信する前記情報に遅延差を与える光空間通信方法を提供する。
本発明の第2の観点は、送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する光空間通信方法を提供する。
本発明の第3の観点は、送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記発光素子の中心発振波長を複数用意し、前記光の伝播速度の波長依存性を利用して、前記受信手段の位置において前記光を集光した場合に前記光による正常な前記情報通信が行われるように制御する光空間通信方法を提供する。
本発明の第4の観点は、送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段と前記受信手段との間に、前記光の複数の通信経路を設定し、前記通信経路が交差する位置に前記受信手段が存在する場合に、正常な前記情報通信が可能となるように、前記送信手段における前記光の送信変調を制御する光空間通信方法を提供する。
本発明の第5の観点は、光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
複数の発光素子と、
個々の前記発光素子から放射され前記受信装置に到達する複数の光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
を含む光送信装置を提供する。
本発明の第6の観点は、光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
放射する光の中心発振波長の異なる複数の発光素子と、
前記光受信装置の位置で前記光を集光した場合に正常な受信波形が得られるように個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、を含む光送信装置を提供する。
本発明の第7の観点は、光送信装置とともに光空間通信システムを構成する光受信装置であって、
前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光を収束する集光手段と、前記光送信装置と前記光受信装置との間における個々の前記光の光路差をなくす光路調整手段と、を含む光受信装置を提供する。
本発明の第8の観点は、光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
前記光受信装置は、前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光の光路差をなくす光路調整手段を含む光空間通信システムを提供する。
本発明の第9の観点は、光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
前記光送信装置は、
複数の発光素子と、
個々の前記発光素子から前記光受信装置に到達する複数の光の光路差をなくすように、個々の前記発光素子における前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
を含む光空間通信システムを提供する。






















高出力の光を空間に放射することは危険であるが、光の危険度は、単位面積あたりの出力パワーで評価される。そこで、一定の広がりに低出力の発光素子を分散させて発光させ、受信側でこれらを集光することで通信可能な距離を伸ばすことが可能となる。
しかし、この方法は単に光を空間的に広げているだけであるため光通信手段として利用する際に問題を生じる。つまり、各経路を通過した光の伝播速度の差が信号波形を歪めてしまうため、変調速度限界を生じさせてしまう点である。
たとえば、光路差が1mあるだけで3ns程度の時間差が生じることから。空間的広がりを大きくとろうとすると、変調信号はより小さくする必要がある。
このため、本発明では、光の経路長を考慮して、送信側において個々の発光素子の光の点滅時間を調整することにより、送信側から受信側までの個々の光の光路長を揃え、受信側はこれらの光路長の揃った光を一点に集めて受信する。これにより、受信感度を上げることが可能になり、光空間通信の長距離化を実現することができる。
すなわち、送信部に遅延発生手段を設けて、複数の発光素子の各々毎に変調信号にてドライブする際に、個々の発光素子から放射される光の受信部まで光路長が揃うように、送信部側において、個々の発光素子毎に発光の遅延タイミングが最適となるように調整する。
さらに通信距離を長距離化した場合、発光素子の出力光のスペクトル特性がある広がりをもっている場合は、伝送速度が波長によって異なるため空間伝播の距離が長くなるにつれて、波形がゆがむ分散効果も問題となる。そこで、本発明では、受信部に光フィルタを設け、この光フィルタにより中心波長の光のみを選択的に抽出することで、余分な波形を除去することにより、波形のゆがみを軽減して光信号の正確な受信を実現する。
また、この光フィルタの使用は、変調による発光素子の発振波長の変動によるスペクトルの増大がある場合にも効果がある。
この場合、光フィルタは発光素子の光のうち一部のみを通過させ、不要な部分を除去するため、通信に利用される光は一部分であるが、除去した光についても、その伝播遅延分の調整を行うことができれば、再び合波して利用したほうが、受信感度の向上の観点からは都合がよい。そこで、一定間隔毎に波長分離してそれぞれの遅延を加えてから集光させてもよい。ここで遅延は、光路に微妙な差をもうけて調整した曲面ミラー等を利用することができる。
一方、光空間通信において秘話性を確保するには、空間中を伝播する光が受信局以外に拡散しないようにすること、及び、受信局の位置でのみデータ識別できるようにすることが有効である。このために、本発明では、送信部に配列した複数の発光素子の各々の出力光の波長を複数種に設定し、個々の光の波長による伝播速度の違いから、集光による光路差以外にも伝播速度のずれを生じさせる。このことを利用すると送信部から特定距離の位置においてのみ受信感度を満たす信号を集光できることになるため、当該特定距離の位置に受信局を配置することで、秘話性の向上を実現することができる。
さらには、光送信局から放射される光を、複数の異なる経路を経由して受信局に受信させ、個々の経路を経由して光受信局に到来する光からデータを取り出すようにすれば、受信データは、光受信局以外では、容易に得ることができなくなり、傍聴の危険性が小さくなる。
また、波長が異なる複数の光を一括して送信し、受信側において、波長フィルタによって分離して個別にデータを再生することで伝送容量を大きくすることもできる。
このような空間的な広がりをもって光を伝播させることは、空気中の浮遊物、障害物による通信のエラーを防止できることになる。
しかし、大きな障害物や、濃霧などの影響を考慮した場合、通信障害が懸念される。そこで本発明では、送信側と受信側との間に光の冗長経路を設け、個々の冗長経路で受信した複数の受信データのうちいずれかを選択することで通信障害を回避する。
受信部の集光特性等を考慮して送信側において遅延調整を行う場合、送信部は受信部の受光状態をモニタして遅延調整を行うこともできる。その場合、受信部での受信状態を計測して送信側に通知する通知手段を設け、送信側はこの通知手段を利用して、遅延制御の設定値を求め、各発光素子の遅延設定値を設定する。
このとき、各発光素子間の遅延差を求める方法として、たとえば、全発光素子を一定周期の信号、例えば1/0の交番で一律に変調した状態で、これらの発光素子の中の1つかまたは複数のグループを選択し、この遅延をずらして行ったとき、1/0の交番の振幅が最大になるように遅延量を選択する。なお、1/0の交番の周期は、想定される光路差による遅延差を下回らないように設定される。
また、受信部の内部にて、受信信号を集光する際の経路を複数設け、この複数の経路を切替えられるようにし、送信局と受信局にて、その経路の切替状態および集光の際の経路遅延特性を送信局に通知することにより、送信側は、遅延制御の遅延内容を受信側の経路遅延特性に応じて適宜変更することで、信号データの漏洩を防止できる。この経路の切替えを通信先アドレスに対応して変更することも可能である。
本発明の一実施の形態である光空間通信システムの構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムにおける光送信局の構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムにおける光受信局側の構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例の作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例の作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例における受信回路部の構成例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である光空間通信システムの構成の一例を示す概念図であり、図2は、本実施の形態の光空間通信システムにおける光送信局の構成の一例を示す概念図、図3は、本実施の形態の光空間通信システムにおける光受信局側の構成の一例を示す概念図である。
本実施の形態の光空間システムは、光送信局10と光受信局20を含んでいる。
光送信局10は、送信回路部11と、送信パネル12を備えている。送信パネル12には複数の発光素子13が配列されており、個々の発光素子13から光受信局20の側に向けて光13aが放射される。
光受信局20は、受信回路部21と集光光学系22を備えている。
図2に例示されるように、光送信局10において、送信回路部11は、分岐バッファ11a、発光素子ドライバ11b、遅延制御部11c、遅延駆動部11dを備えている。
分岐バッファ11aは、送信データ31を複数の発光素子13用の分岐送信データ31aに分岐させる。
発光素子ドライバ11bは、分岐バッファ11aから入力される分岐送信データ31aにて発光素子13を駆動して光13aを放射させる。
遅延制御部11cは、外部から入力される制御設定データ32に基づいて遅延駆動部11dにおける遅延時間を制御する。
分岐バッファ11aと個々の発光素子ドライバ11bの間に設けられた遅延駆動部11dは、遅延制御部11cから指令によって分岐送信データ31aの発光素子13に対する入力タイミングを個別に遅延させることで、個々の発光素子13における光13aの出力タイミングを制御する。
一方、図3に例示されるように、受信回路部21は、受光素子21a、受光素子バイアス回路部21b、前置増幅器21c、等化器21d、公知増幅器21e、データ検出部21f、タイミング抽出部21gを備えている。
受光素子21aは、受光素子バイアス回路部21bにて駆動されることにより、入射する光13aを電気信号に変換する。
この受光素子21aから出力される電気信号は、前置増幅器21cで増幅された後、等化器21dにて波形等化が行われ、さらに公知増幅器21eで増幅された後、データ検出部21fにて受信データ31bに変換される。
タイミング抽出部21gは、前置増幅器21cから出力された電気信号から受信クロック31cを抽出するとともに、この受信クロック31cの一部は、データ検出部21fにおける受信データ31bの抽出に供される。
たとえば1m×1mの正方形の送信パネル12に等間隔で並んだ16個の発光素子13を考える。光受信局20側でこれらの平行に直進する光13aを集光する際、単純なレンズの構造の集光光学系22で集光させると、図4に例示されるように光路差(ΔL=L2−L1)を生じる。この集光による光路差ΔLは、この場合、最大で、(√5−1)×0.5=0.618mの行路差であり、約2nsの光13aの受光素子21aに対する入力タイミングの遅延差が生じることにとなる。但し、大気の屈折率はほぼ1とする。よって変調速度がたとえば、2.5Gとすれば、1タイムスロット400psの幅しかないため、この光路差ΔLを少なくとも100ps以下に調整するように制御すれば、受光素子21aにて光13aを受光した波形より問題なくデータを識別することができる。
すなわち、本実施の形態では、送信回路部11の遅延制御部11cに対して制御設定データ32を入力することで、個々の発光素子13から放射され、光受信局20に到達する光13aの光路差を100ps以下に調整するように制御する。
たとえば、図5に例示されるように、集光光学系22の光軸付近に対応する送信パネル12の中央部に位置する発光素子13と、その周辺部に位置する発光素子13において、光受信局20までの光13aの光路の短い中央部の発光素子13における光13aの発光タイミング(T1,T2)を、その周辺部の発光素子13の発光タイミング(T3)よりも遅くなるように制御することで、受信回路部21の受光素子21aに入射する複数の光13aの光路長を揃える。
送信に用いる光13aの波長は空間に放射することを考慮して、通常、人体の眼球の感度等を考慮し、可視波長帯を避けることが好ましく、また、大気に吸収されにくい、長波長帯を利用することで、伝送損失を抑制する必要がある。また大気中に含まれる水分等によるOH基吸収が大きく影響するため、1.4ミクロン帯は避けることになる。
しかしあまり、光13aを長波長にしすぎると光が拡散し易くなるため予め光送信局10の側で光学的光束調整を備えて利用する必要がある。したがって、光13aを可視光波長帯より長波長側にはずれた波長か、短波長側を選択することが好ましい。
個々の発光素子13の光13aの出力を安全なレベルである−5dBmとし受光素子の2.4Gbpsでの受信レベルを−28dBmとすると、−5+10LOG(16)−(−28)=35dBのシステムゲインがあることになる。
空間伝播による伝送損失を1kmあたり1dB/kmとすれば35km分相当の損失を補償するパワー確保できることになる。
これにより、個々の発光素子13から放射される光13aの光路差の影響を排除して、光ファイバと同等の高速かつ長距離の光空間通信が可能となる。
なお、光送信局10の複数の発光素子13の光13aの各波長発振位相はランダムであり互いにを同期しておらず、発振周波数にはばらつきが当然に存在する。
さらに光送信局10と光受信局20との間の距離を長距離化した場合、発光素子13が出力する光13aのスペクトル特性がある広がりをもっている場合は、伝送速度が波長によって異なるため空間伝播の距離が長くなるにつれて、波形がゆがむ分散効果の問題が生じる。
このため、図6および図7に例示される、本実施の形態の変形例のように、たとえば、光受信局20の側では、集光光学系22の後段に波長フィルタ23を配置し、光13aから、中心波長13bのみを波長フィルタ23(光フィルタ)により抽出することで余分な波形(不要スペクトル成分13c)を除去することで波形のゆがみを軽減して、正確な波形の信号の受信をできる。
また、この波長フィルタ23は、変調による発光素子13の発振波長の変動によるスペクトルの増大がある場合にも効果がある。
すなわち、伝播速度の違いによって波形をゆがめる不要なスペクトル成分を波長フィルタ23で除去することで波長スペクトルの広がった安価な発光素子13を、空間伝播による群速度分散の影響を抑圧して利用できるようになるため、変調速度制限を緩和して、通信速度の向上を実現できる。
この場合、波長フィルタ23は発光素子13の光13aのうち一部のみを通過させ、不要な部分を除去するため、通信に利用される光13aは一部分であるが、除去した光13aについても、その伝播遅延分の調整を行うことができれば、再び合波して、利用したほうが、受信信号レベルの増大によるノイズ耐性等の観点から、都合がよい。
そこで、図8に例示されるように、波長分離器24、光路長補正器25および集光光学系26を、集光光学系22と受光素子21aの間の光13aの光路上に配置し、一定間隔毎に光13aを波長分離して、それぞれの遅延を加えてから受光素子21aに集光させてもよい。ここで遅延を制御する光路長補正器25としては、反射する光13aの光路長に微妙な差をもうけて調整した曲面ミラー等を利用することができる。また、光路長補正器25としては、たとえば、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)等の光学素子を用いることもできる。
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態において、光送信局10と光受信局20との間における光空間通信での秘話性の確保を実現する例を示す。
すなわち、秘話性を確保する場合には、空間伝播させる光13aが光受信局20以外に拡散しないようにすること及び、光受信局20の位置でのみデータ識別できるようにするために光送信局10の送信パネル12に配列した複数の発光素子13−1、発光素子13−2、発光素子13−3の各々から放射される光13−1a、光13−2a、光13−3aの波長を互いに異なる複数種類の波長に設定すると、波長による伝播速度の違いから、光受信局20側における集光による経路差以外にも伝播速度のずれが生じる。このことを利用すると特定の距離においてのみ受信感度を満たす信号を集光できることになるため、秘話性の向上を確保することができる。
すなわち、発光素子は発振波長の異なるものを複数の発光素子13−1〜発光素子13−3を用い、伝送路分散を発生させることにより、光13−1a、光13−2a、光13−3aの各々の波長を適当に選ぶことで、図10に示すように、当該光13−1a〜光13−3aにて搬送される複数のデータD0〜D3が、光受信局20の位置で集光した場合にのみ揃って正常に受信されるようにすることができる。
すなわち、図10の左端のように、光送信局10における送信時の光13−1a〜13−3aを集光しても、データ列はわざとずれているので合波してもデータ列は復元できない。図10の中央のように、光受信局20の位置付近に限って光13−1a〜13−3aを集光した場合に、データ列が重なりあるため合波してデータ列を復元できる。図10の右端のように、光受信局20よりさらに離れて漏れた光13−1a〜13−3aを集光してもデータ列はもはやずれているので合波してもデータ列は復元できない。
これにより、光送信局10と光受信局20との間における光空間通信において、高い秘話性を実現することができる。
図11を参照して、この複数経路の利用による秘話性の確保の別の例を示す。この図11の例では、送信したいデータを2つのデータ列に分けて、一方は、光送信局10から光受信局20に直接に送信し、他方は、ミラー40を経由した経路で送信するように、別々の経路で送る。光受信局20は、直接の経路と、ミラー40を経由した経路の両方のデータを受信して初めてもとのデータを復元できる。
このように、二つの異なる経路の交差する地点で光受信局20が受信し、2つの経路からくるデータから情報を復元する。光送信局10から送信される光13aが拡散光である場合でも、ミラー40の位置を適切に選ぶことで、唯一、1箇所のみで受信できるようにする。
さらには、図12に例示されるように、複数の経路を経由して光受信局20に受信させ、その2つの情報からデータを取り出すようにすれば、受信データは、光受信局20以外では容易に得ることができなくなり、傍聴の危険性が小さくなる。すなわち、図12の例では、光送信局10において、送信データ31を複数の送信回路部11を用いて複数の光13aを光受信局20に送信し、光受信局20では、複数の集光光学系22を用いて複数の光13aの各々を別個に受信し、受信回路部21で受信データを合成して受信データ31bおよび受信クロック31cを出力するものである。
図13に例示されるように、光送信局10の側において発光素子13から波長が異なる光13aを一括して送信し、受信側において、波長フィルタ等の波長分離器24によって分離して波長毎に設けられた複数の受光素子21aにて受信することで伝送容量を大きくすることもできる。すなわち、光13aの波長としてn種類設定し、光受信局20において各波長毎に個別に光13aを検出した場合、単一波長の場合のn倍の通信速度を実現できる。
上述の図12に例示されるように、空間的な広がりをもって光を伝播させることは、空気中の浮遊物、障害物による通信のエラーを防止できることになる。
しかし、大きな障害物や、濃霧などの影響を考慮した場合には、同一のデータを搬送する複数の冗長経路を設け、受信した2つの受信データのうちいずれかを選択することで、大きな障害物や、濃霧などに起因する通信障害が回避される。
すなわち、図14の例では、送信側および受信側において、互いに対応する複数の光送信局10および光受信局20を設け、同一のデータを、多重経路で送信し、受信側に設けられた切替処理部41にて、いずれかの通信経路のデータを選択して受信データ31bとして出力するものである。
さらに、図15および図16に例示されるような方法で通信経路の多重化を実現してもよい。
図15の例では、一つの光送信局10から放射された光13aを光分岐部42およびミラー43にて複数の経路に分岐させ、受信側では、各分岐経路に対応して複数の光受信局20と、当該光受信局20のいずれかの出力を選択する切替処理部41を設けている。そして、いずれか一方の経路の光13aから受信データ31b、受信クロック31cを取り出すものである。この場合、光13aの複数の経路のうち、いずれか一方が遮断されても、他方の経路の光13aを受信して安定な通信を継続できる。
図16の例では、一つの光送信局10から出力された光13aを、光分岐部42およびミラー43にて複数の経路に分岐させ、受信側では、複数経路に分岐した光13aを、ミラー45および合波部44にて合波して一つの光受信局20にて受光する構成としたものである。効果は、上述の図15と同様であり、さらに、この図16の例では、受信側でも一つの光受信局20を設けるだけでよく、構成を簡素化できる。
次に、光送信局10の側における複数の発光素子13の各々における光13aに送信遅延タイミングの制御を、光受信局20の側で実測された受信状態に基づいて制御する例を示す。一般に、光空間通信の通信拠点では、各々の通信拠点に光送信局10と光受信局20の対を配置し、当該拠点間での情報の送受信が行われる。そこで、以下の例では、自拠点の光受信局20における光の受信状況の情報を、自拠点の光送信局10から光13aに乗せて相手側の拠点に送り、相手側の通信拠点では、受け取った受信状況に基づいて、自拠点での光送信局10の遅延タイミングの制御を行う。
図17は、このような遅延制御を実現する光空間通信の通信拠点S1と通信拠点S2の各々を構成する光送信局10および光受信局20の対の構成例である。上述の図1および図2と同様の構成要素は同一の符号を付している。
この場合、光送信局10では、上述の図2の構成の他に、さらに、自局送信部遅延調整自動制御部14、遅延調整信号発生部16、受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17と、セレクタ15を備えている。
遅延調整信号発生部16は、受信状態の観測用の調整信号16aを発生する。
受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17は、受信回路部21−1から得られる感度モニタ信号31dに基づいて受光感度モニタ情報通知フレーム17aを生成する。
セレクタ15は、送信データ31、遅延調整信号発生部16、受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17の出力の一つを選択して送信回路部11に入力する。
自局送信部遅延調整自動制御部14は、自通信拠点の光受信局20から得られる遅延モニタ値27aに基づいて、送信回路部11に入力するための制御設定データ32を生成する。
また、光受信局20では、上述の図2の構成の他に、さらに、受信回路部21−1と、遅延モニタ値通知部27および遅延調整用信号受信検出部28を備えている。
受信回路部21−1は、相手側の通信拠点の光送信局10から光13aに乗って到来する調整信号16aを検出することで光13aの受信感度を検出する感度モニタ機能を備えている。
遅延調整用信号受信検出部28は、相手側の通信拠点の光送信局10から光13aに乗って到来する受光感度モニタ情報通知フレーム17aを検出する機能を備えている。
遅延モニタ値通知部27は、受光感度モニタ情報通知フレーム17aの内容から、自局送信部遅延調整自動制御部14を制御するための遅延モニタ値27aを生成する機能を備えている。
すなわち、図18に例示されるように、受信回路部21−1は、上述の図3の受信回路部21の構成に加えて、さらに、遅延計測用信号周波数フィルタ21h、増幅/ピークホールド回路21iおよびA/Dコンバータ21jを備えている。そして、遅延計測用信号周波数フィルタ21hにおいて、光送信局10の遅延調整信号発生部16において生成されて光受信局20に到来する感度モニタ試験用の特定周波数の信号を抽出し、増幅/ピークホールド回路21iおよびA/Dコンバータ21jにてデジタル化して、感度モニタ信号31dとして出力する。この感度モニタ信号31dは、送信側の受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17に入力される。
受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17では、上述のように、感度モニタ信号31dの情報を含む受光感度モニタ情報通知フレーム17aを生成する。
以下、図17の構成の動作を説明する。通常の送信データ31の通信に先立って、随時、光送信局10および光受信局20の対を備えた通信拠点S1では、遅延調整信号発生部16から出力される調整信号16aをセレクタ15にて選択して送信回路部11に送信データとして入力し、光13aとして相手側の通信拠点S2の光受信局20に送信する。
これを受けた、相手側の通信拠点S2の光受信局20の側では、調整信号16aの受信状態に基づく感度モニタ信号31dを検出し、この感度モニタ信号31dの情報を受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17を介して、受光感度モニタ情報通知フレーム17aとして、調整信号16aの送信元の通信拠点S1の光受信局20に送る。
調整信号16aの送信元の通信拠点S1の光受信局20では、相手側の通信拠点S2から到来する受光感度モニタ情報通知フレーム17aを遅延調整用信号受信検出部28にて検出し、遅延モニタ値通知部27を介して、遅延モニタ値27aとして自局送信部遅延調整自動制御部14に入力し、自局送信部遅延調整自動制御部14から送信回路部11に入力される制御設定データ32を設定する。
これにより、調整信号16aの送信元の通信拠点S1では、受信側の通信拠点S2における受信感度が最大となるように、送信回路部11における個々の発光素子13の遅延タイミングが設定されることになる。調整信号16aの送信側と受信側とを入れ換えて、通信拠点S2と通信拠点S1との間でも同様の処理が行われる。
このとき、調整信号16aの送受信にて個々の発光素子13の間の遅延差を求める方法として、たとえば、全ての発光素子13を一定周期の信号(例えば1/0の交番)で一律に変調した状態で、これらの発光素子13の中の1つかまたは複数のグループを選択し、この遅延をずらして行ったとき、1/0の交番の振幅が最大になる遅延量を選択する。なお、1/0の交番の周期は、想定される光路差による遅延差を下回らないように設定される。
図19に、上述の図17の変形例を示す。この図19の例では、さらに、光受信局20の内部において、一次的集光手段22a、切替手段22b、二次的集光手段22c、二次的集光手段22dおよび切替手段22eと、集光部特性切替制御部29が設けられている。
また、光送信局10では、受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17の代わりに、受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム生成部18が設けられている。
そして、光受信局20の内部にて、集光部特性切替制御部29により、切替手段22bおよび切替手段22eを操作することで、受信光である光13aを集光する際の経路が、二次的集光手段22c、二次的集光手段22dのように複数経路に切替えられるようになっている。
この集光手段の切替状態は、切替状態信号29aとして、集光部特性切替制御部29から受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム生成部18に伝達される。受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム生成部18では、感度モニタ信号31dと、切替状態信号29aの情報を含む受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aを生成する。この受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aは、セレクタ15、送信回路部11を介して光13aとして相手側の通信拠点の光受信局20に送信される。
すなわち、光送信局10と光受信局20の対を備えた個々の通信拠点S1とS2の間で、二次的集光手段22cまたは二次的集光手段22dに切り替えた時の調整信号16aの状態および集光の際の経路遅延特性を受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aによって互いに相手側の通信拠点S2(S1)に通知する。
相手側の通信拠点S2(S1)の光受信局20では、遅延調整用信号受信検出部28にて受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aを検出し、遅延モニタ値通知部27にて自局送信部遅延調整自動制御部14に遅延モニタ値27aを通知することで、制御設定データ32を制御する。
これにより、個々の通信拠点S1、S2では、受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aを検出する遅延調整用信号受信検出部28および遅延モニタ値通知部27にて認識し、光送信局10における送信回路部11の制御のための制御設定データ32の設定内容を、相手側の通信拠点S2(S1)における光受信局20の側の二次的集光手段22cまたは二次的集光手段22dの特性に合わせて、適宜変更することで、通信拠点間で光13aを媒介として授受される信号データの漏洩を防止できる。
この二次的集光手段22c、二次的集光手段22dの切替え操作が通信先のアドレスに対応して自動的に行われるようにすることも当然に可能である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
本発明によれば、光空間通信をより長距離化、大容量化し、信頼性を向上させることができ、従来のような光ファイバの敷設なしに光ファイバ通信クラスの通信性能を実現できる。
また、光空間通信における高い秘話性を実現することが可能となる。
本発明は、光空間通信技術に関し、特に、比較的長距離の光空間通信技術に適用して有効な技術に関する。
近年、青色ダイオードの開発によって、光の三原色である赤、緑、青の発光ダイオードが出揃ったことにより、様々な分野でそれまで、電球及びカラーフィルム等によっていたものが発光ダイオードに置き換わりつつある。たとえば、道路上の信号機はよく知られた事例である。
この発光ダイオードは電球と比べ、単に長い寿命、省電力であるだけでなく、高速に点滅できるという特性を持っており、このことに多くの関心が集中している。
すなわち、人間の目などの感覚器に感じないほど高速に点滅できるため、照明器具としてだけでなく、光通信手段として利用できるため照明器具を介した通信技術として応用が期待されている。
従来の光空間通信では発光ダイオードやレーザーダイオード(以下、発光素子と記す)の光の点滅によって情報を伝えることが知られている。光空間通信では、光ファイバーのような光伝送路を介して通信するのにくらべて伝送距離に応じた光強度は著しく減衰するため、近距離での通信に利用されるに止まっている。
これらの光空間通信では、光ファイバー導波路と異なり、空間を伝播させているため、大気中の浮遊物等の影響を受けて減衰しやすく、長距離通信には様々な技術的課題を生じる。
このため、より遠方との通信を実現するためには、送信出力を上げるとともに、光の拡散による減衰を防止するため、レーザー光のような直進性のある光を利用することが必要となる。
しかし、レーザー光のように直進性のある光をより強く空間に放射することは一般に危険であるため、結局、安全性の観点から、光ファイバー通信に劣ると考えられている。
すなわち、空間伝送中の光の安全性や減衰を考慮しつつ、情報通信に必要な光信号レベルを確保するためには、各々の光出力が安全上の観点から十分に低い複数の発光素子を平面状に配列して光信号を放射させ、受信側で複数の発光素子からの光を収束して受信することが考えられる。
ところが、複数の発光素子から放射される個々の光に光路差が生じるため、受信側において、この光路差による信号波形の歪みが発生し、変調速度限界、すなわち通信速度が低下する、という技術的課題がある。
また、光空間通信では、セキュリティ管理が困難な外部空間に光として情報を送信するため、秘話性の確保が必要となる。この場合、暗号方式によって通信の秘密は保持することは可能であるが、有線通信と比較すれば、より一層の秘話性の確保が必要となる。
従来、特許文献1には、複数の発光ダイオードを配列した光無線通信用光射出装置において、個々の発光ダイオードが収容される格子枠部と、この格子枠部の開口部に配置されたレンズアレイ部とを備え、個々の発光ダイオードからの射出光が平行光束となるようにして、隣接する発光ダイオード間の射出光の混信や、外部のノイズ光の影響を排除した光無線通信を実現しようとしている。
しかしながら、この特許文献1では、複数の発光ダイオードから射出される複数の光の光路差に起因する変調速度限界の低下、すなわち通信速度の低下、さらには秘話性の確保等の技術的課題は認識されていない。
特許文献2には、大口径の光アンテナの代わりに、複数の光アンテナにて光空間伝送における空間光Pを受信することで空間光Pの検出レベルを向上させるとともに、各光アンテナにおける受信信号レベルが最大となるように、複数のアンテナ間における受信信号の位相を調整する技術が開示されている。
しかし、この特許文献2では、複数の発光素子を用いた光空間通信における変調速度限界の低下については配慮が見られない。
特開平10−242912号公報 特開平11−55187号公報
本発明の目的は、光空間通信をより長距離化、大容量化し、信頼性を向上させることができ、従来のような光ファイバの敷設なしに光ファイバ通信クラスの通信性能を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の他の目的は、光空間通信における高い秘話性を実現することが可能な技術を提供することにある。
本発明の第1の観点は、送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、送信する前記情報に遅延差を与える光空間通信方法を提供する。
本発明の第2の観点は、送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する光空間通信方法を提供する。
本発明の第3の観点は、送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記発光素子の中心発振波長を複数用意し、前記光の伝播速度の波長依存性を利用して、前記受信手段の位置において前記光を集光した場合に前記光による正常な前記情報通信が行われるように制御する光空間通信方法を提供する。
本発明の第4の観点は、送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段と前記受信手段との間に、前記光の複数の通信経路を設定し、前記通信経路が交差する位置に前記受信手段が存在する場合に、正常な前記情報通信が可能となるように、前記送信手段における前記光の送信変調を制御する光空間通信方法を提供する。
本発明の第5の観点は、光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
複数の発光素子と、
個々の前記発光素子から放射され前記受信装置に到達する複数の光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
を含む光送信装置を提供する。
本発明の第6の観点は、光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
放射する光の中心発振波長の異なる複数の発光素子と、
前記光受信装置の位置で前記光を集光した場合に正常な受信波形が得られるように個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、を含む光送信装置を提供する。
本発明の第7の観点は、光送信装置とともに光空間通信システムを構成する光受信装置であって、
前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光を収束する集光手段と、前記光送信装置と前記光受信装置との間における個々の前記光の光路差をなくす光路調整手段と、を含む光受信装置を提供する。
本発明の第8の観点は、光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
前記光受信装置は、前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光の光路差をなくす光路調整手段を含む光空間通信システムを提供する。
本発明の第9の観点は、光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
前記光送信装置は、
複数の発光素子と、
個々の前記発光素子から前記光受信装置に到達する複数の光の光路差をなくすように、個々の前記発光素子における前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
を含む光空間通信システムを提供する。
高出力の光を空間に放射することは危険であるが、光の危険度は、単位面積あたりの出力パワーで評価される。そこで、一定の広がりに低出力の発光素子を分散させて発光させ、受信側でこれらを集光することで通信可能な距離を伸ばすことが可能となる。
しかし、この方法は単に光を空間的に広げているだけであるため光通信手段として利用する際に問題を生じる。つまり、各経路を通過した光の伝播速度の差が信号波形を歪めてしまうため、変調速度限界を生じさせてしまう点である。
たとえば、光路差が1mあるだけで3ns程度の時間差が生じることから。空間的広がりを大きくとろうとすると、変調信号はより小さくする必要がある。
このため、本発明では、光の経路長を考慮して、送信側において個々の発光素子の光の点滅時間を調整することにより、送信側から受信側までの個々の光の光路長を揃え、受信側はこれらの光路長の揃った光を一点に集めて受信する。これにより、受信感度を上げることが可能になり、光空間通信の長距離化を実現することができる。
すなわち、送信部に遅延発生手段を設けて、複数の発光素子の各々毎に変調信号にてドライブする際に、個々の発光素子から放射される光の受信部まで光路長が揃うように、送信部側において、個々の発光素子毎に発光の遅延タイミングが最適となるように調整する。
さらに通信距離を長距離化した場合、発光素子の出力光のスペクトル特性がある広がりをもっている場合は、伝送速度が波長によって異なるため空間伝播の距離が長くなるにつれて、波形がゆがむ分散効果も問題となる。そこで、本発明では、受信部に光フィルタを設け、この光フィルタにより中心波長の光のみを選択的に抽出することで、余分な波形を除去することにより、波形のゆがみを軽減して光信号の正確な受信を実現する。
また、この光フィルタの使用は、変調による発光素子の発振波長の変動によるスペクトルの増大がある場合にも効果がある。
この場合、光フィルタは発光素子の光のうち一部のみを通過させ、不要な部分を除去するため、通信に利用される光は一部分であるが、除去した光についても、その伝播遅延分の調整を行うことができれば、再び合波して利用したほうが、受信感度の向上の観点からは都合がよい。そこで、一定間隔毎に波長分離してそれぞれの遅延を加えてから集光させてもよい。ここで遅延は、光路に微妙な差をもうけて調整した曲面ミラー等を利用することができる。
一方、光空間通信において秘話性を確保するには、空間中を伝播する光が受信局以外に拡散しないようにすること、及び、受信局の位置でのみデータ識別できるようにすることが有効である。このために、本発明では、送信部に配列した複数の発光素子の各々の出力光の波長を複数種に設定し、個々の光の波長による伝播速度の違いから、集光による光路差以外にも伝播速度のずれを生じさせる。このことを利用すると送信部から特定距離の位置においてのみ受信感度を満たす信号を集光できることになるため、当該特定距離の位置に受信局を配置することで、秘話性の向上を実現することができる。
さらには、光送信局から放射される光を、複数の異なる経路を経由して受信局に受信させ、個々の経路を経由して光受信局に到来する光からデータを取り出すようにすれば、受信データは、光受信局以外では、容易に得ることができなくなり、傍聴の危険性が小さくなる。
また、波長が異なる複数の光を一括して送信し、受信側において、波長フィルタによって分離して個別にデータを再生することで伝送容量を大きくすることもできる。
このような空間的な広がりをもって光を伝播させることは、空気中の浮遊物、障害物による通信のエラーを防止できることになる。
しかし、大きな障害物や、濃霧などの影響を考慮した場合、通信障害が懸念される。そこで本発明では、送信側と受信側との間に光の冗長経路を設け、個々の冗長経路で受信した複数の受信データのうちいずれかを選択することで通信障害を回避する。
受信部の集光特性等を考慮して送信側において遅延調整を行う場合、送信部は受信部の受光状態をモニタして遅延調整を行うこともできる。その場合、受信部での受信状態を計測して送信側に通知する通知手段を設け、送信側はこの通知手段を利用して、遅延制御の設定値を求め、各発光素子の遅延設定値を設定する。
このとき、各発光素子間の遅延差を求める方法として、たとえば、全発光素子を一定周期の信号、例えば1/0の交番で一律に変調した状態で、これらの発光素子の中の1つかまたは複数のグループを選択し、この遅延をずらして行ったとき、1/0の交番の振幅が最大になるように遅延量を選択する。なお、1/0の交番の周期は、想定される光路差による遅延差を下回らないように設定される。
また、受信部の内部にて、受信信号を集光する際の経路を複数設け、この複数の経路を切替えられるようにし、送信局と受信局にて、その経路の切替状態および集光の際の経路遅延特性を送信局に通知することにより、送信側は、遅延制御の遅延内容を受信側の経路遅延特性に応じて適宜変更することで、信号データの漏洩を防止できる。この経路の切替えを通信先アドレスに対応して変更することも可能である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態である光空間通信システムの構成の一例を示す概念図であり、図2は、本実施の形態の光空間通信システムにおける光送信局の構成の一例を示す概念図、図3は、本実施の形態の光空間通信システムにおける光受信局側の構成の一例を示す概念図である。
本実施の形態の光空間システムは、光送信局10と光受信局20を含んでいる。
光送信局10は、送信回路部11と、送信パネル12を備えている。送信パネル12には複数の発光素子13が配列されており、個々の発光素子13から光受信局20の側に向けて光13aが放射される。
光受信局20は、受信回路部21と集光光学系22を備えている。
図2に例示されるように、光送信局10において、送信回路部11は、分岐バッファ11a、発光素子ドライバ11b、遅延制御部11c、遅延駆動部11dを備えている。
分岐バッファ11aは、送信データ31を複数の発光素子13用の分岐送信データ31aに分岐させる。
発光素子ドライバ11bは、分岐バッファ11aから入力される分岐送信データ31aにて発光素子13を駆動して光13aを放射させる。
遅延制御部11cは、外部から入力される制御設定データ32に基づいて遅延駆動部11dにおける遅延時間を制御する。
分岐バッファ11aと個々の発光素子ドライバ11bの間に設けられた遅延駆動部11dは、遅延制御部11cから指令によって分岐送信データ31aの発光素子13に対する入力タイミングを個別に遅延させることで、個々の発光素子13における光13aの出力タイミングを制御する。
一方、図3に例示されるように、受信回路部21は、受光素子21a、受光素子バイアス回路部21b、前置増幅器21c、等化器21d、公知増幅器21e、データ検出部21f、タイミング抽出部21gを備えている。
受光素子21aは、受光素子バイアス回路部21bにて駆動されることにより、入射する光13aを電気信号に変換する。
この受光素子21aから出力される電気信号は、前置増幅器21cで増幅された後、等化器21dにて波形等化が行われ、さらに公知増幅器21eで増幅された後、データ検出部21fにて受信データ31bに変換される。
タイミング抽出部21gは、前置増幅器21cから出力された電気信号から受信クロック31cを抽出するとともに、この受信クロック31cの一部は、データ検出部21fにおける受信データ31bの抽出に供される。
たとえば1m×1mの正方形の送信パネル12に等間隔で並んだ16個の発光素子13を考える。光受信局20側でこれらの平行に直進する光13aを集光する際、単純なレンズの構造の集光光学系22で集光させると、図4に例示されるように光路差(ΔL=L2−L1)を生じる。この集光による光路差ΔLは、この場合、最大で、(√5−1)×0.5=0.618mの行路差であり、約2nsの光13aの受光素子21aに対する入力タイミングの遅延差が生じることにとなる。但し、大気の屈折率はほぼ1とする。よって変調速度がたとえば、2.5Gとすれば、1タイムスロット400psの幅しかないため、この光路差ΔLを少なくとも100ps以下に調整するように制御すれば、受光素子21aにて光13aを受光した波形より問題なくデータを識別することができる。
すなわち、本実施の形態では、送信回路部11の遅延制御部11cに対して制御設定データ32を入力することで、個々の発光素子13から放射され、光受信局20に到達する光13aの光路差を100ps以下に調整するように制御する。
たとえば、図5に例示されるように、集光光学系22の光軸付近に対応する送信パネル12の中央部に位置する発光素子13と、その周辺部に位置する発光素子13において、光受信局20までの光13aの光路の短い中央部の発光素子13における光13aの発光タイミング(T1,T2)を、その周辺部の発光素子13の発光タイミング(T3)よりも遅くなるように制御することで、受信回路部21の受光素子21aに入射する複数の光13aの光路長を揃える。
送信に用いる光13aの波長は空間に放射することを考慮して、通常、人体の眼球の感度等を考慮し、可視波長帯を避けることが好ましく、また、大気に吸収されにくい、長波長帯を利用することで、伝送損失を抑制する必要がある。また大気中に含まれる水分等によるOH基吸収が大きく影響するため、1.4ミクロン帯は避けることになる。
しかしあまり、光13aを長波長にしすぎると光が拡散し易くなるため予め光送信局10の側で光学的光束調整を備えて利用する必要がある。したがって、光13aを可視光波長帯より長波長側にはずれた波長か、短波長側を選択することが好ましい。
個々の発光素子13の光13aの出力を安全なレベルである−5dBmとし受光素子の2.4Gbpsでの受信レベルを−28dBmとすると、−5+10LOG(16)−(−28)=35dBのシステムゲインがあることになる。
空間伝播による伝送損失を1kmあたり1dB/kmとすれば35km分相当の損失を補償するパワー確保できることになる。
これにより、個々の発光素子13から放射される光13aの光路差の影響を排除して、光ファイバと同等の高速かつ長距離の光空間通信が可能となる。
なお、光送信局10の複数の発光素子13の光13aの各波長発振位相はランダムであり互いにを同期しておらず、発振周波数にはばらつきが当然に存在する。
さらに光送信局10と光受信局20との間の距離を長距離化した場合、発光素子13が出力する光13aのスペクトル特性がある広がりをもっている場合は、伝送速度が波長によって異なるため空間伝播の距離が長くなるにつれて、波形がゆがむ分散効果の問題が生じる。
このため、図6および図7に例示される、本実施の形態の変形例のように、たとえば、光受信局20の側では、集光光学系22の後段に波長フィルタ23を配置し、光13aから、中心波長13bのみを波長フィルタ23(光フィルタ)により抽出することで余分な波形(不要スペクトル成分13c)を除去することで波形のゆがみを軽減して、正確な波形の信号の受信をできる。
また、この波長フィルタ23は、変調による発光素子13の発振波長の変動によるスペクトルの増大がある場合にも効果がある。
すなわち、伝播速度の違いによって波形をゆがめる不要なスペクトル成分を波長フィルタ23で除去することで波長スペクトルの広がった安価な発光素子13を、空間伝播による群速度分散の影響を抑圧して利用できるようになるため、変調速度制限を緩和して、通信速度の向上を実現できる。
この場合、波長フィルタ23は発光素子13の光13aのうち一部のみを通過させ、不要な部分を除去するため、通信に利用される光13aは一部分であるが、除去した光13aについても、その伝播遅延分の調整を行うことができれば、再び合波して、利用したほうが、受信信号レベルの増大によるノイズ耐性等の観点から、都合がよい。
そこで、図8に例示されるように、波長分離器24、光路長補正器25および集光光学系26を、集光光学系22と受光素子21aの間の光13aの光路上に配置し、一定間隔毎に光13aを波長分離して、それぞれの遅延を加えてから受光素子21aに集光させてもよい。ここで遅延を制御する光路長補正器25としては、反射する光13aの光路長に微妙な差をもうけて調整した曲面ミラー等を利用することができる。また、光路長補正器25としては、たとえば、VIPA(Virtually Imaged Phased Array)等の光学素子を用いることもできる。
次に、図9および図10を参照して、本実施の形態において、光送信局10と光受信局20との間における光空間通信での秘話性の確保を実現する例を示す。
すなわち、秘話性を確保する場合には、空間伝播させる光13aが光受信局20以外に拡散しないようにすること及び、光受信局20の位置でのみデータ識別できるようにするために光送信局10の送信パネル12に配列した複数の発光素子13−1、発光素子13−2、発光素子13−3の各々から放射される光13−1a、光13−2a、光13−3aの波長を互いに異なる複数種類の波長に設定すると、波長による伝播速度の違いから、光受信局20側における集光による経路差以外にも伝播速度のずれが生じる。このことを利用すると特定の距離においてのみ受信感度を満たす信号を集光できることになるため、秘話性の向上を確保することができる。
すなわち、発光素子は発振波長の異なるものを複数の発光素子13−1〜発光素子13−3を用い、伝送路分散を発生させることにより、光13−1a、光13−2a、光13−3aの各々の波長を適当に選ぶことで、図10に示すように、当該光13−1a〜光13−3aにて搬送される複数のデータD0〜D3が、光受信局20の位置で集光した場合にのみ揃って正常に受信されるようにすることができる。
すなわち、図10の左端のように、光送信局10における送信時の光13−1a〜13−3aを集光しても、データ列はわざとずれているので合波してもデータ列は復元できない。図10の中央のように、光受信局20の位置付近に限って光13−1a〜13−3aを集光した場合に、データ列が重なりあるため合波してデータ列を復元できる。図10の右端のように、光受信局20よりさらに離れて漏れた光13−1a〜13−3aを集光してもデータ列はもはやずれているので合波してもデータ列は復元できない。
これにより、光送信局10と光受信局20との間における光空間通信において、高い秘話性を実現することができる。
図11を参照して、この複数経路の利用による秘話性の確保の別の例を示す。この図11の例では、送信したいデータを2つのデータ列に分けて、一方は、光送信局10から光受信局20に直接に送信し、他方は、ミラー40を経由した経路で送信するように、別々の経路で送る。光受信局20は、直接の経路と、ミラー40を経由した経路の両方のデータを受信して初めてもとのデータを復元できる。
このように、二つの異なる経路の交差する地点で光受信局20が受信し、2つの経路からくるデータから情報を復元する。光送信局10から送信される光13aが拡散光である場合でも、ミラー40の位置を適切に選ぶことで、唯一、1箇所のみで受信できるようにする。
さらには、図12に例示されるように、複数の経路を経由して光受信局20に受信させ、その2つの情報からデータを取り出すようにすれば、受信データは、光受信局20以外では容易に得ることができなくなり、傍聴の危険性が小さくなる。すなわち、図12の例では、光送信局10において、送信データ31を複数の送信回路部11を用いて複数の光13aを光受信局20に送信し、光受信局20では、複数の集光光学系22を用いて複数の光13aの各々を別個に受信し、受信回路部21で受信データを合成して受信データ31bおよび受信クロック31cを出力するものである。
図13に例示されるように、光送信局10の側において発光素子13から波長が異なる光13aを一括して送信し、受信側において、波長フィルタ等の波長分離器24によって分離して波長毎に設けられた複数の受光素子21aにて受信することで伝送容量を大きくすることもできる。すなわち、光13aの波長としてn種類設定し、光受信局20において各波長毎に個別に光13aを検出した場合、単一波長の場合のn倍の通信速度を実現できる。
上述の図12に例示されるように、空間的な広がりをもって光を伝播させることは、空気中の浮遊物、障害物による通信のエラーを防止できることになる。
しかし、大きな障害物や、濃霧などの影響を考慮した場合には、同一のデータを搬送する複数の冗長経路を設け、受信した2つの受信データのうちいずれかを選択することで、大きな障害物や、濃霧などに起因する通信障害が回避される。
すなわち、図14の例では、送信側および受信側において、互いに対応する複数の光送信局10および光受信局20を設け、同一のデータを、多重経路で送信し、受信側に設けられた切替処理部41にて、いずれかの通信経路のデータを選択して受信データ31bとして出力するものである。
さらに、図15および図16に例示されるような方法で通信経路の多重化を実現してもよい。
図15の例では、一つの光送信局10から放射された光13aを光分岐部42およびミラー43にて複数の経路に分岐させ、受信側では、各分岐経路に対応して複数の光受信局20と、当該光受信局20のいずれかの出力を選択する切替処理部41を設けている。そして、いずれか一方の経路の光13aから受信データ31b、受信クロック31cを取り出すものである。この場合、光13aの複数の経路のうち、いずれか一方が遮断されても、他方の経路の光13aを受信して安定な通信を継続できる。
図16の例では、一つの光送信局10から出力された光13aを、光分岐部42およびミラー43にて複数の経路に分岐させ、受信側では、複数経路に分岐した光13aを、ミラー45および合波部44にて合波して一つの光受信局20にて受光する構成としたものである。効果は、上述の図15と同様であり、さらに、この図16の例では、受信側でも一つの光受信局20を設けるだけでよく、構成を簡素化できる。
次に、光送信局10の側における複数の発光素子13の各々における光13aに送信遅延タイミングの制御を、光受信局20の側で実測された受信状態に基づいて制御する例を示す。一般に、光空間通信の通信拠点では、各々の通信拠点に光送信局10と光受信局20の対を配置し、当該拠点間での情報の送受信が行われる。そこで、以下の例では、自拠点の光受信局20における光の受信状況の情報を、自拠点の光送信局10から光13aに乗せて相手側の拠点に送り、相手側の通信拠点では、受け取った受信状況に基づいて、自拠点での光送信局10の遅延タイミングの制御を行う。
図17は、このような遅延制御を実現する光空間通信の通信拠点S1と通信拠点S2の各々を構成する光送信局10および光受信局20の対の構成例である。上述の図1および図2と同様の構成要素は同一の符号を付している。
この場合、光送信局10では、上述の図2の構成の他に、さらに、自局送信部遅延調整自動制御部14、遅延調整信号発生部16、受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17と、セレクタ15を備えている。
遅延調整信号発生部16は、受信状態の観測用の調整信号16aを発生する。
受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17は、受信回路部21−1から得られる感度モニタ信号31dに基づいて受光感度モニタ情報通知フレーム17aを生成する。
セレクタ15は、送信データ31、遅延調整信号発生部16、受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17の出力の一つを選択して送信回路部11に入力する。
自局送信部遅延調整自動制御部14は、自通信拠点の光受信局20から得られる遅延モニタ値27aに基づいて、送信回路部11に入力するための制御設定データ32を生成する。
また、光受信局20では、上述の図2の構成の他に、さらに、受信回路部21−1と、遅延モニタ値通知部27および遅延調整用信号受信検出部28を備えている。
受信回路部21−1は、相手側の通信拠点の光送信局10から光13aに乗って到来する調整信号16aを検出することで光13aの受信感度を検出する感度モニタ機能を備えている。
遅延調整用信号受信検出部28は、相手側の通信拠点の光送信局10から光13aに乗って到来する受光感度モニタ情報通知フレーム17aを検出する機能を備えている。
遅延モニタ値通知部27は、受光感度モニタ情報通知フレーム17aの内容から、自局送信部遅延調整自動制御部14を制御するための遅延モニタ値27aを生成する機能を備えている。
すなわち、図18に例示されるように、受信回路部21−1は、上述の図3の受信回路部21の構成に加えて、さらに、遅延計測用信号周波数フィルタ21h、増幅/ピークホールド回路21iおよびA/Dコンバータ21jを備えている。そして、遅延計測用信号周波数フィルタ21hにおいて、光送信局10の遅延調整信号発生部16において生成されて光受信局20に到来する感度モニタ試験用の特定周波数の信号を抽出し、増幅/ピークホールド回路21iおよびA/Dコンバータ21jにてデジタル化して、感度モニタ信号31dとして出力する。この感度モニタ信号31dは、送信側の受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17に入力される。
受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17では、上述のように、感度モニタ信号31dの情報を含む受光感度モニタ情報通知フレーム17aを生成する。
以下、図17の構成の動作を説明する。通常の送信データ31の通信に先立って、随時、光送信局10および光受信局20の対を備えた通信拠点S1では、遅延調整信号発生部16から出力される調整信号16aをセレクタ15にて選択して送信回路部11に送信データとして入力し、光13aとして相手側の通信拠点S2の光受信局20に送信する。
これを受けた、相手側の通信拠点S2の光受信局20の側では、調整信号16aの受信状態に基づく感度モニタ信号31dを検出し、この感度モニタ信号31dの情報を受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17を介して、受光感度モニタ情報通知フレーム17aとして、調整信号16aの送信元の通信拠点S1の光受信局20に送る。
調整信号16aの送信元の通信拠点S1の光受信局20では、相手側の通信拠点S2から到来する受光感度モニタ情報通知フレーム17aを遅延調整用信号受信検出部28にて検出し、遅延モニタ値通知部27を介して、遅延モニタ値27aとして自局送信部遅延調整自動制御部14に入力し、自局送信部遅延調整自動制御部14から送信回路部11に入力される制御設定データ32を設定する。
これにより、調整信号16aの送信元の通信拠点S1では、受信側の通信拠点S2における受信感度が最大となるように、送信回路部11における個々の発光素子13の遅延タイミングが設定されることになる。調整信号16aの送信側と受信側とを入れ換えて、通信拠点S2と通信拠点S1との間でも同様の処理が行われる。
このとき、調整信号16aの送受信にて個々の発光素子13の間の遅延差を求める方法として、たとえば、全ての発光素子13を一定周期の信号(例えば1/0の交番)で一律に変調した状態で、これらの発光素子13の中の1つかまたは複数のグループを選択し、この遅延をずらして行ったとき、1/0の交番の振幅が最大になる遅延量を選択する。なお、1/0の交番の周期は、想定される光路差による遅延差を下回らないように設定される。
図19に、上述の図17の変形例を示す。この図19の例では、さらに、光受信局20の内部において、一次的集光手段22a、切替手段22b、二次的集光手段22c、二次的集光手段22dおよび切替手段22eと、集光部特性切替制御部29が設けられている。
また、光送信局10では、受光感度モニタ情報通知フレーム生成部17の代わりに、受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム生成部18が設けられている。
そして、光受信局20の内部にて、集光部特性切替制御部29により、切替手段22bおよび切替手段22eを操作することで、受信光である光13aを集光する際の経路が、二次的集光手段22c、二次的集光手段22dのように複数経路に切替えられるようになっている。
この集光手段の切替状態は、切替状態信号29aとして、集光部特性切替制御部29から受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム生成部18に伝達される。受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム生成部18では、感度モニタ信号31dと、切替状態信号29aの情報を含む受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aを生成する。この受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aは、セレクタ15、送信回路部11を介して光13aとして相手側の通信拠点の光受信局20に送信される。
すなわち、光送信局10と光受信局20の対を備えた個々の通信拠点S1とS2の間で、二次的集光手段22cまたは二次的集光手段22dに切り替えた時の調整信号16aの状態および集光の際の経路遅延特性を受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aによって互いに相手側の通信拠点S2(S1)に通知する。
相手側の通信拠点S2(S1)の光受信局20では、遅延調整用信号受信検出部28にて受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aを検出し、遅延モニタ値通知部27にて自局送信部遅延調整自動制御部14に遅延モニタ値27aを通知することで、制御設定データ32を制御する。
これにより、個々の通信拠点S1、S2では、受光感度モニタ情報/集光器情報通知フレーム18aを検出する遅延調整用信号受信検出部28および遅延モニタ値通知部27にて認識し、光送信局10における送信回路部11の制御のための制御設定データ32の設定内容を、相手側の通信拠点S2(S1)における光受信局20の側の二次的集光手段22cまたは二次的集光手段22dの特性に合わせて、適宜変更することで、通信拠点間で光13aを媒介として授受される信号データの漏洩を防止できる。
この二次的集光手段22c、二次的集光手段22dの切替え操作が通信先のアドレスに対応して自動的に行われるようにすることも当然に可能である。
なお、本発明は、上述の実施の形態に例示した構成に限らず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
(付記1)
送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、送信する前記情報に遅延差を与えることを特徴とする光空間通信方法。
(付記2)
付記1記載の光空間通信方法において、
前記受信手段では、特定の波長範囲の前記光を選択的に透過させる波長フィルタを介して前記光を受信することを特徴とする光空間通信方法。
(付記3)
送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御することを特徴とする光空間通信方法。
(付記4)
送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記発光素子の中心発振波長を複数用意し、前記光の伝播速度の波長依存性を利用して、前記受信手段の位置において前記光を集光した場合に前記光による正常な前記情報通信が行われるように制御することを特徴とする光空間通信方法。
(付記5)
送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
前記送信手段と前記受信手段との間に、前記光の複数の通信経路を設定し、前記通信経路が交差する位置に前記受信手段が存在する場合に、正常な前記情報通信が可能となるように、前記送信手段における前記光の送信変調を制御することを特徴とする光空間通信方法。
(付記6)
光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
複数の発光素子と、
個々の前記発光素子から放射され前記受信装置に到達する複数の光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
を含むことを特徴とする光送信装置。
(付記7)
光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
放射する光の中心発振波長の異なる複数の発光素子と、
前記光受信装置の位置で前記光を集光した場合に正常な受信波形が得られるように個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、を含むことを特徴とする光送信装置。
(付記8)
光送信装置とともに光空間通信システムを構成する光受信装置であって、
前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光を収束する集光手段と、前記光送信装置と前記光受信装置との間における個々の前記光の光路差をなくす光路調整手段と、を含むことを特徴とする光受信装置。
(付記9)
付記8記載の光受信装置において、
さらに、前記光に混在する不要な信号成分を除去する波長フィルタを備えたことを特徴とする光受信装置。
(付記10)
光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
前記光受信装置は、前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光の光路差をなくす光路調整手段を含むことを特徴とする光空間通信システム。
(付記11)
光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
前記光送信装置は、
複数の発光素子と、
個々の前記発光素子から前記光受信装置に到達する複数の光の光路差をなくすように、個々の前記発光素子における前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
を含むことを特徴とする光空間通信システム。
(付記12)
付記11記載の光空間通信システムにおいて、
前記受信装置は、前記光送信装置から到来する前記光の受信状態を計測して前記光送信装置に伝達する受信状態通知手段を備え、
前記遅延発生手段は、前記受信状態通知手段から通知された前記受信状態に基づいて、個々の前記発光素子における前記光の送信タイミングを制御することを特徴とする光空間通信システム。
(付記13)
付記11記載の光空間通信システムにおいて、
さらに、前記光送信装置から前記光受信装置に向けて送信される前記光の光路を多重化する光路多重化手段を含むことを特徴とする光空間通信システム。
本発明によれば、光空間通信をより長距離化、大容量化し、信頼性を向上させることができ、従来のような光ファイバの敷設なしに光ファイバ通信クラスの通信性能を実現できる。
また、光空間通信における高い秘話性を実現することが可能となる。
本発明の一実施の形態である光空間通信システムの構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムにおける光送信局の構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムにおける光受信局側の構成の一例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例の作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例の作用を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例における受信回路部の構成例を示す概念図である。 本発明の一実施の形態である光空間通信システムの変形例を示す概念図である。

Claims (13)

  1. 送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
    前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、送信する前記情報に遅延差を与えることを特徴とする光空間通信方法。
  2. 請求項1記載の光空間通信方法において、
    前記受信手段では、特定の波長範囲の前記光を選択的に透過させる波長フィルタを介して前記光を受信することを特徴とする光空間通信方法。
  3. 送信手段に含まれる複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
    前記送信手段では、個々の前記発光素子から前記受信手段に至る個々の前記光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御することを特徴とする光空間通信方法。
  4. 送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
    前記発光素子の中心発振波長を複数用意し、前記光の伝播速度の波長依存性を利用して、前記受信手段の位置において前記光を集光した場合に前記光による正常な前記情報通信が行われるように制御することを特徴とする光空間通信方法。
  5. 送信手段の複数の発光素子から放射された複数の光を受信手段で集光し、前記光を介した情報通信を行う光空間通信方法であって、
    前記送信手段と前記受信手段との間に、前記光の複数の通信経路を設定し、前記通信経路が交差する位置に前記受信手段が存在する場合に、正常な前記情報通信が可能となるように、前記送信手段における前記光の送信変調を制御することを特徴とする光空間通信方法。
  6. 光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
    複数の発光素子と、
    個々の前記発光素子から放射され前記受信装置に到達する複数の光の光路差に応じて、個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
    を含むことを特徴とする光送信装置。

  7. 光受信装置とともに光空間通信システムを構成する光送信装置であって、
    放射する光の中心発振波長の異なる複数の発光素子と、
    前記光受信装置の位置で前記光を集光した場合に正常な受信波形が得られるように個々の前記発光素子からの前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、を含むことを特徴とする光送信装置。
  8. 光送信装置とともに光空間通信システムを構成する光受信装置であって、
    前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光を収束する集光手段と、前記光送信装置と前記光受信装置との間における個々の前記光の光路差をなくす光路調整手段と、を含むことを特徴とする光受信装置。
  9. 請求項8記載の光受信装置において、
    さらに、前記光に混在する不要な信号成分を除去する波長フィルタを備えたことを特徴とする光受信装置。
  10. 光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
    前記光受信装置は、前記光送信装置に設けられた複数の発光素子から到来する複数の光の光路差をなくす光路調整手段を含むことを特徴とする光空間通信システム。
  11. 光送信装置と光受信装置とを含む光空間通信システムであって、
    前記光送信装置は、
    複数の発光素子と、
    個々の前記発光素子から前記光受信装置に到達する複数の光の光路差をなくすように、個々の前記発光素子における前記光の送信タイミングを制御する遅延発生手段と、
    を含むことを特徴とする光空間通信システム。
  12. 請求項11記載の光空間通信システムにおいて、
    前記受信装置は、前記光送信装置から到来する前記光の受信状態を計測して前記光送信装置に伝達する受信状態通知手段を備え、
    前記遅延発生手段は、前記受信状態通知手段から通知された前記受信状態に基づいて、個々の前記発光素子における前記光の送信タイミングを制御することを特徴とする光空間通信システム。
  13. 請求項11記載の光空間通信システムにおいて、
    さらに、前記光送信装置から前記光受信装置に向けて送信される前記光の光路を多重化する光路多重化手段を含むことを特徴とする光空間通信システム。
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