JPH09326761A - 空間光伝送装置及び方法 - Google Patents

空間光伝送装置及び方法

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JPH09326761A
JPH09326761A JP8142939A JP14293996A JPH09326761A JP H09326761 A JPH09326761 A JP H09326761A JP 8142939 A JP8142939 A JP 8142939A JP 14293996 A JP14293996 A JP 14293996A JP H09326761 A JPH09326761 A JP H09326761A
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JP
Japan
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light
signal
signal light
receiving
spatial
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JP8142939A
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English (en)
Inventor
Takeshi Hayashi
武史 林
Yutaka Tsuchiya
裕 土屋
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気中における大気の影響による受光パワー
の揺らぎの影響を少なくし、受信信号の安定した伝送を
可能にすることである。 【解決手段】 異なる波長の光をそれぞれ放射する複数
の信号光源(31〜3n)と、この複数の信号光源を同一
の電気信号により変調し、この複数の信号光源のそれぞ
れから信号光を送出する信号光送出手段(41〜4n
と、この信号光送出手段により送出された信号光を投光
する投光手段(51〜5n,6,72〜7n)と、この投光
手段により投光された信号光を受光し、受光信号の出力
を行う受光手段(8,9)と、前記受光信号を復調する
復調手段(10)とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大気中に光を伝搬
させることにより光伝送を行う空間光伝送装置とその方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、自由空間に光を伝播させて行う空
間光伝送は、大気中でも一般的に行なわれており、大気
中における空間光伝送装置として特開昭63−1539
26号公報、特開昭63−151230号公報等に開示
された装置が存在している。
【0003】このような大気中における空間光伝送は大
気の影響を受けやすく、受光器での受光パワーの揺らぎ
が生じ、安定な受信信号が得られない。特に、長距離の
空間光伝送ではこの現象は著しい。
【0004】即ち、大気中における空間光伝送は、気温
の変化や風等によって大気屈折率が場所的、時間的に不
規則に変動するので、空間光伝送に用いられる光ビーム
が大気の影響を非常に受けやすい。従って、光ビームの
ビーム径が大気屈折率の変動する領域のサイズより小さ
ければ、ビーム到来位置(ビーム到来角度)の変動(ス
ポットダンシング)が生じ、また、ビーム径がそれより
大きければ、光ビーム内パワー密度が場所的、時間的に
不規則に変動する現象(シンチレーション)が生じるこ
とになる。
【0005】通常、空間光伝送では、光ビームの方向調
整の容易さ、伝送中の光ビームのずれに対するマージン
確保のため、図8に示すように第1局から第2局へ、第
2局の受光器の受光面の大きさよりも大きなビーム径の
光ビームを照射している。
【0006】しかしながら、シンチレーションが発生す
ると、図7のような光ビーム内の部分的な光ビームの受
光では、受光パワーの変動が生じてしまう。さらに、
雨、霧、煙、粉塵等のエアロゾルや大気を構成するガス
分子による散乱、ラマン散乱、偏光等の変化もあり、こ
れらによっても受光パワーの変動が生じる。
【0007】図9に受光パワーの変動の例を示す。この
図9は、縦軸が受光パワー(単位μw)、横軸が時間
(秒)、伝送距離が約1Km、受光レンズ径100mm、焦
点距離180mm、送信側から送られた信号は受信側で約
2mのビーム径になっており、それを受光レンズで集光
し、Pinホトダイオードで受光したときの1秒間の受光
パワーの変動を示すものである。
【0008】空間光伝送において、このような受光パワ
ーの変動はS/N比を劣化させ受信信号の品質を低下さ
せるので、ディジタル伝送では誤りの発生確率を増加さ
せることになる。従って、安定した空間光伝送を行うた
めに受光面積の大きい受光器を採用したり、複数の受光
器によるダイバーシティーが採用されている。また、デ
ィジタル伝送では、誤り訂正技術により受光パワーの揺
らぎによる伝送エラーを訂正することも行われている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、受光面積の大
きい受光器を用いたり、複数の受光器を用いることは、
受信装置の規模を大きくし、結果的にコストの高騰につ
ながる。また、誤り訂正技術を用いると、送信側・受信
側で誤り訂正符号・復号装置が必要となり、装置の複雑
化、高コスト化が避けられないとう問題があった。
【0010】本発明は、大気中における大気の影響によ
る受光パワーの揺らぎの影響を少なくし、受信信号の安
定した伝送を可能にする空間光伝送装置及びその方法を
提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の空間光伝
送装置は、異なる波長の光をそれぞれ放射する複数の信
号光源と、この複数の信号光源を同一の電気信号により
変調し、この複数の信号光源のそれぞれから信号光を送
出する信号光送出手段と、この信号光送出手段により送
出された信号光を投光する投光手段と、この投光手段に
より投光された前記信号光を受光し、受光信号の出力を
行う受光手段と、この受光手段により出力される前記受
光信号を復調する復調手段とを備えることを特徴とす
る。
【0012】この請求項1記載の空間光伝送装置によれ
ば、異なる波長の光を放射する複数の信号光源を同一の
電気信号により変調して、この複数の信号光源のそれぞ
れから信号光を送出しこの信号光を投光する。従って、
1つの信号光源により伝送を行なった場合に比べ受信側
での受光パワーの変動を減少させることができる。
【0013】また、請求項2記載の空間光伝送装置は、
請求項1記載の空間光伝送装置の前記投光手段に、前記
信号光送出手段により送出された前記信号光をほぼ平行
の光線とする投光レンズを備え、この投光レンズにより
ほぼ平行の光線とした信号光を前記受光手段に対して投
光することを特徴とする。
【0014】また、請求項3記載の空間光伝送装置は、
請求項2記載の空間光伝送装置の前記投光手段に、更
に、前記投光レンズによりほぼ平行の光線とした複数の
前記信号光を同一光軸上に合波する合波手段を備えるこ
とを特徴とする。
【0015】また、請求項4記載の空間光伝送装置は、
請求項3記載の空間光伝送装置の前記合波手段は、複数
の前記投光レンズのそれぞれの信号光出射側に配置され
たビームスプリッターにより構成され、これらのビーム
スプリッターにより、前記投光レンズのそれぞれから出
射される前記信号光を同一光軸上に合波させるように反
射することを特徴とする。
【0016】また、請求項5記載の空間光伝送装置は、
請求項1記載の空間光伝送装置の前記投光手段が、複数
の前記信号光送出手段により送出された前記信号光を同
一光軸上に合波する合波手段と、この合波手段により合
波された前記信号光をほぼ平行の光線とする投光レンズ
を備え、この投光レンズによりほぼ平行の光線とした前
記信号光を前記受光手段に対して投光することを特徴と
する。
【0017】また、請求項6記載の空間光伝送装置は、
請求項5記載の空間光伝送装置の前記合波手段を、ファ
イバ溶融結合型の光結合器としたことを特徴とする。
【0018】この請求項6記載の空間光伝送装置によれ
ば、ファイバ溶融結合型の光結合器を用いているため、
信号光の合波の際にビームスプリッター等の調整が必要
なくなり光軸合わせを容易行うことができる。
【0019】また、請求項7記載の空間光伝送装置は、
請求項5記載の空間光伝送装置の前記合波手段を、導波
路型の光結合器としたことを特徴とする。
【0020】この請求項7記載の空間光伝送装置によれ
ば、導波路型の光結合器を用いているため、信号光の合
波の際にビームスプリッター等の調整が必要なくなり光
軸合わせを容易行うことができる。
【0021】また、請求項8記載の空間光伝送装置は、
異なる波長の光をそれぞれ放射する複数の信号光源と、
入力される複数の電気信号を時分割多重して時分割多重
信号とする時分割多重手段と、前記複数の信号光源を前
記時分割多重信号により変調し、前記複数の信号光源の
それぞれから信号光を送出する信号光送出手段と、この
信号光送出手段により送出された前記信号光を投光する
投光手段と、この投光手段により投光された前記信号光
を受光し、受光信号の出力を行う受光手段と、前記受光
信号を分離して前記複数の電気信号に対応した信号に分
離する時分割多重信号分離手段と、この時分割多重信号
分離手段により分離されたそれぞれの信号を復調する復
調手段とを備えることを特徴とする。
【0022】この請求項8記載の空間光伝送装置によれ
ば、異なる波長の光を放射する複数の信号光源を時分割
多重した電気信号により変調して、この複数の信号光源
のそれぞれから信号光を送出しこの信号光を受信側に投
光する。従って、1つの信号光源により伝送を行なった
場合に比べ受信側での受光パワーの変動を減少させるこ
とができる。
【0023】また、請求項9記載の空間光伝送装置は、
広帯域の光を放射する単一の信号光源と、この信号光源
を電気信号により変調し、この信号光源から信号光を送
出する信号光送出手段と、この信号光送出手段により送
出された信号光を投光する投光手段と、この投光手段に
より投光された前記信号光を受光し、受光信号の出力を
行う受光手段と、この受光手段により出力される前記受
光信号を復調する復調手段とを備えることを特徴とす
る。
【0024】この請求項9記載の空間光伝送装置によれ
ば、信号光源として、広帯域の光を放射する単一の光源
を用いるため、信号光送出手段も一つだけ備えればよ
く、送信側の構成を簡単にすることができる。
【0025】また、請求項10記載の空間光伝送方法
は、送信局において、波長の異なる複数の信号光源を同
一の電気信号により変調してこの複数の信号光源のそれ
ぞれから信号光を送出し、この送出された信号光を受信
局に対して投光すると共に、受信局において、送信局か
ら投光された信号光を受光し、この受光により出力され
る受光信号を復調することを特徴とする。
【0026】この請求項10記載の空間光伝送方法によ
れば、異なる光を放射する波長の複数の信号光源を同一
の電気信号により変調して、この複数の信号光源のそれ
ぞれから信号光を送出し、この信号光を投光するため、
同一の信号を波長の異なる複数の信号光により同時に伝
送することができる。従って、1つの信号光源により伝
送を行なった場合に比べ受信側での受光パワーの変動を
減少させることができる。
【0027】また、請求項11記載の空間光伝送方法
は、送信局側において、入力される複数の電気信号を時
分割多重し、この時分割多重した時分割多重信号により
波長の異なる複数の信号光源を変調してこの複数の信号
光源のそれぞれから信号光を送出し、この送出された信
号光を受信局に対して投光すると共に、受信局側におい
て、送信局から投光された信号光を受光し、この受光に
より出力される受光信号を分離して前記複数の電気信号
に対応した信号とし、この信号を復調することを特徴と
する。
【0028】この請求項11記載の空間光伝送方法によ
れば、大気の影響を受けることなく複数の信号を多重的
に伝送することができる。
【0029】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を説明する前
に、まず、本発明の原理について説明する。
【0030】上述したような受光パワーを変動させる現
象は、伝播する光の波長に依存するため波長が変化する
と受光パワーの変動の仕方も異なったものとなる。この
事実をもとに、発明者は研究を重ね、その成果として、
波長の異なる光を同時に同じ電気信号で変調し、同時に
伝送して受光側で受光することにより受光パワーの変動
を少なくすることができるとの着想を得た。
【0031】この着想が正しいことは、次のように確認
され、この着想をもとに発明者により本発明が完成され
た。
【0032】即ち、n個の波長の異なる光源を用いた場
合、各光源から放射された光による受光パワーの平均値
と揺らぎの標準偏差が光源によらず一定であるとし、受
光パワーの平均値をP、標準偏差をσとすると、n個の
波長の光が受光されたときの全パワーの揺らぎの標準偏
差σallは、
【数1】 と表される。ここで、ρは各光源間の相関係数を示す。
【0033】ρが光源によらず一定とすると、(1)式
は、
【数2】 となる。また、平均値Pallは、
【数3】 となるため、全受光パワーにおけるS/N比に相当する
量Pall/σallは、
【数4】 となる。
【0034】また、n=1、つまり1つの光源(波長)
のみのときは、
【数5】 である。
【0035】式(4)より、相関係数ρ=1のときは、
all/σallはP/σで、n=1の時と同じなり、受光
パワーの変動は軽減されない。
【0036】しかし、ρ<1になると、Pall/σall
大きくなり、ρ=0、つまり各光源間に相関がまったく
ないときは、P/σの√n倍になり、受光パワーの変動
がこの分軽減されることになる。このことから、受光パ
ワーの変動を効果的に軽減するには、なるべく相関の少
ない複数の波長を選択することが必要になる。
【0037】なお、広帯域の光を放射する光源を使った
場合にも、上述の場合と同様に受光パワーの変動を防止
することができる。この場合は、レーザーのような波長
の帯域の狭い場合の波長幅をΔλnとし、伝送に用いる
波長の帯域の広い光源の場合の波長幅をΔλw=n・Δ
λnとして上述の場合と同様に考えればよい。この場
合、各波長成分間で相関がないとすればP/σは√n、
つまり光源の波長の帯域の幅に比例することになる。こ
のことは実験によっても確認された。即ち、この実験で
は、遠方に設置された広帯域の光を放射する光源からの
光をバンドパスフィルター(BPF)を備えた受光器で受光
し、その透過域の幅を変化させたときの受光パワーの平
均と変動を測定した。図7は、この測定の結果を示すも
のであり、干渉フィルターの半値幅の平方根の逆数に対
する、受光パワーの平均値で正規化した揺らぎの標準偏
差をプロットしたものである。
【0038】測定の結果、干渉フィルターの半値幅が大
きくなると受光パワーの平均値で正規化した揺らぎの標
準偏差は小さくなり、ほぼフィルターの半値幅の平方根
の逆数に比例することが分かった。正規化標準偏差が干
渉フィルターの透過波長幅の平方根の逆数にほぼ比例し
ているということは、各波長成分間で相関がほとんどな
いということを意味する。つまり、広帯域の光を放射す
る光源を用いれば、波長の帯域の幅の平方根の逆数に比
例して受光パワーの変動は小さくなるため、上述のよう
に広帯域の光源を使った場合にも、受光パワーの変動を
防止することができることが確認された。
【0039】次に、上述の本発明の原理に基づく本発明
の実施の形態を、図面を参照して説明する。
【0040】図1は、本発明の第1の実施の形態にかか
る空間光伝送装置のブロック図である。図1において、
符号1で示すものは送信側である第1局、符号2で示す
ものは受信側である第2局である。
【0041】第1局1には、それぞれ波長の異なる信号
光を放射するn個の信号光源31〜3nが設けられてい
る。また、各信号光源31〜3nに対応して、駆動回路4
1〜4nが設けられている。この駆動回路41〜4nは、入
力された電気信号により信号光源31〜3n変調するため
のものである。
【0042】また、各信号光源31〜3nの信号光の出射
側には、投光レンズ51〜5nが設けられており、投光レ
ンズ51の信号光の出射側にはミラー6が、投光レンズ
2〜5nの信号光の出射側にはビームスプリッター72
〜7nが設けられている。第2局2には、第1局1から
伝送された信号光を受光するための受光レンズ8及び受
光素子9が設けられていると共に、受光素子9により受
光された信号光を復調するための復調回路10が設けら
れている。なお、各信号光源31〜3nとして、LD(L
aser Diode),LED(Light Emi
ttingDiode)等を用いることができる。
【0043】この空間光伝送装置により、空間光伝送を
行う場合には、まず、第1局1において、各駆動回路4
1〜4nにより、入力された電気信号に基づき各信号光源
1〜3nを変調する。各信号光源31〜3nから放射され
た波長の異なる信号光は、各投光レンズ51〜5nにより
ほぼ平行の光線にされ、ミラー6及びビームスプリッタ
ー72〜7nを用いて同一光軸上に合波され、第2局2に
対して伝送される。伝送された信号光は、第2局2にお
いて、受光レンズ8を介して受光素子9に入力される。
受光素子9で信号光から電気信号に変換され、復調回路
10で復調されて出力される。
【0044】この実施の形態の空間光伝送装置によれ
ば、異なる波長の光を放射する複数の信号光源を同一の
電気信号により変調して、この複数の信号光源のそれぞ
れから信号光を送出し、この信号光を投光するため、同
一の信号を波長の異なる複数の信号光により同時に伝送
することができる。従って、1つの光源により伝送を行
なった場合に比べ受信側での受光パワーの変動を減少さ
せることができる。これにより、安定的な空間光伝送が
可能となる。
【0045】なお、ビームスプリッター72〜7nは、波
長選択性の良いものを用いると複数の信号光の合波を効
率よく行うことができる。また、この複数の信号光の合
波を投光レンズ5の前で行う構成にすることも可能であ
る。また、受光側にバンドパスフィルター(図示せず)を
挿入する場合は伝送したすべての波長の信号光が透過す
るバンドパスフィルターを用いる必要がある。
【0046】次に、この発明の第2の実施の形態にかか
る空間光伝送装置の説明を行う。なお、第1の実施の形
態にかかる空間光伝送装置の構成と同一の構成には、第
1の施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を付して
説明を省略する。
【0047】図2は、第2の実施の形態にかかる空間光
伝送装置のブロック図である。この空間光伝送装置は、
第1の実施の形態の空間光伝送装置の信号光源31〜3n
をファイバーモジュール型光源111〜11nに変更し、
また、投光レンズ51〜5n、ミラー6及びビームスプリ
ッター72〜7nに変えてn×1スターカプラー12を備
えたものである。
【0048】ここで、n×1スターカプラー12には、
ファイバ溶融結合型n×1スターカプラー12a(図3
参照)及び導波路型n×1スターカプラー12b(図4
参照)のいずれを用いることも可能である。ファイバ溶
融結合型n×1スターカプラー12aは、n本のファイ
バ20の一部を溶融させ、コア21を接近させることに
より光結合器を形成したものであり、導波路型n×1ス
ターカプラー12bは、基板22上に形成された導波路
を接近させることにより光結合器を形成したものであ
る。なお、結合部の特性として波長選択制を持たせるこ
とも可能である。
【0049】この空間光伝送装置により、空間光伝送を
行う場合には、各駆動回路41〜4nにより、入力された
電気信号に基づき、各ファイバーモジュール型光源11
1〜11nを変調する。各ファイバーモジュール型光源1
1〜11nから放射された波長の異なる信号光は、n×
1スターカプラー12に入力され、このn×1スターカ
プラー12により合波された後、投光レンズ5によりほ
ぼ平行の光線とされ、第2局2に対して伝送される。
【0050】なお、受光側である第2局2の構成は、上
述の第1の実施の形態にかかる空間光伝送装置の第2局
2の構成と同一である。この場合も第2局2でバンドパ
スフィルター(図示せず)を使用する場合には、第1の
実施の形態にかかる空間光伝送装置と同様に信号光源の
波長がすべて透過するようなバンドパスフィルターを使
用する必要がある。
【0051】この空間光伝送装置によれば、信号光の合
波にn×1スターカプラー12を用いているためビーム
スプリッター等の調整が必要なくなり光軸合わせを容易
行うことができる。
【0052】次に、この発明の第3の実施の形態にかか
る空間光伝送装置の説明を行う。なお、第1及び第2の
実施の形態にかかる空間光伝送装置の構成と同一の構成
には、第1及び第2の実施の形態の説明で用いた符号と
同一の符号を付して説明を省略する。
【0053】この空間光伝送装置においては、上述の第
1及び第2の実施の形態にかかる空間光伝送装置のよう
に、異なる波長の光を放射する複数の信号光源を用いる
のではなく、広帯域の光を放射する単一の信号光源3を
用いる。ここで、広帯域の光を放射する信号光源とは、
LED,SLD(Super luminescent
light−emitting diode)等であ
り、大気のゆらぎによってスポットダンシングが生じた
場合にも、この光源から放射される広帯域の光により受
光パワーの変動を低減させることが可能なものである。
この場合には、信号光源3を駆動する駆動回路4、投光
レンズ5をそれぞれ1個備えるだけでよく、送信側の第
1局1の構成は簡単になり、光軸合わせ等の調整も容易
になる。
【0054】なお、受光側である第2局2の構成は、上
述の第1及び第2の実施の形態にかかる空間光伝送装置
の第2局2の構成と同一である。この場合も第2局2で
バンドパスフィルター(図示せず)を使用する場合には、
第2の実施の形態にかかる空間光伝送装置と同様に信号
光源の波長がすべて透過するようなバンドパスフィルタ
ーを使用する必要がある。
【0055】次に、この発明の第4の実施の形態にかか
る空間光伝送装置の説明を行う。なお、第1の実施の形
態にかかる空間光伝送装置の構成と同一の構成には、第
1の実施の形態の説明で用いた符号と同一の符号を付し
て説明を省略する。
【0056】図5は、本発明の第4の実施の形態にかか
る空間光伝送装置のブロック図である。この空間光伝送
装置は、第1局1に時分割多重装置13を、第2局2に
時分割多重信号分離装置14を備えると共に、時分割多
重信号分離装置14により分離された各信号光を復調す
るための復調回路101〜10nを備える。
【0057】ここで、時分割多重装置13は、複数の入
力信号(1〜n)を時分割多重して各駆動回路41〜4n
に入力するする装置であり、時分割多重信号分離装置1
4は、受光素子9により検出された時分割多重信号を各
入力信号に対応した信号に分離する装置である。なお、
その他の構成は、第1の実施の形態にかかる空間光伝送
装置と同一である。
【0058】図6(a)のタイムチャートに示す信号
(1〜n)が時分割多重装置13に入力された場合に
は、この時分割多重装置13において、各信号(1〜
n)を異なるタイスロットルに入れ、図6(b)のタイ
ムチャートに示すように1つの信号に多重化する。
【0059】この多重化された多重化信号に基づき各駆
動回路41〜4nにより各信号光源31〜3nを変調する。
各信号光源31〜3nから放射された波長の異なる信号光
は、各投光レンズ51〜5nによりほぼ平行の光線にさ
れ、ミラー6及びビームスプリッター72〜7nを用いて
合波され、第2局2に対して伝送される。伝送された信
号光は、受信側の受光レンズ8を介して受光素子9に入
力される。受光素子9で信号光から電気信号に変換さ
れ、この電気信号は時分割多重信号分離装置14に入力
される。なお、受光側にバンドパスフィルター(図示せ
ず)を挿入する場合は伝送したすべての波長の信号光が
透過するバンドパスフィルターを用いる必要がある。
【0060】時分割多重信号分離装置14は、時分割多
重信号を、図6(a)のタイムチャートに示す各信号光
に対応する電気信号に分離し、各復調回路101〜10n
で復調して出力信号(1〜n)として出力する。
【0061】この実施の形態のかかる空間光伝送装置に
よれば、大気の影響を受けることなく、複数の信号を多
重的に伝送することができる。
【0062】なお、この実施の形態にかか空間光伝送装
置においても、上述の第2の実施の形態にかかる空間光
伝送装置と同様に、信号光の合波を行うためにn×1ス
ターカプラーを用いることも可能である。
【0063】
【発明の効果】本発明によれば、大気屈折率や雨、霧、
煙、粉塵等のエアロゾルや大気構成ガス分子による散
乱、吸収、ラマン散乱、偏光等の変化によって受光パワ
ーが変動する大気中での空間光伝送装置において、この
受光パワーの変動を比較的簡単な構成で軽減することが
でき、これにより長距離から、室内のような短距離に至
るまで、より安定な空間光伝送が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態にかかる空間光伝送
装置を示す図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態にかかる空間光伝送
装置を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施の形態にかかる空間光伝送
装置に用いられるファイバ溶融結合型n×1スターカプ
ラーの概略図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態にかかる空間光伝送
装置に用いられる導波路型n×1スターカプラーの概略
図である。
【図5】本発明の第4の実施の形態にかかる空間光伝送
装置を示す図である。
【図6】時分割多重した場合の信号のタイムチャートを
示す図である。
【図7】干渉フィルターの半値幅の平方根の逆数に対す
る、受光パワーの平均値で正規化した揺らぎの標準偏差
をプロットしたグラフ図である。
【図8】空間光伝送装置と光ビームの状態を示す図であ
る。
【図9】時間の経過による受光パワーの変動を示す図で
ある。
【符号の説明】
1…第1局、2…第2局、31〜3n…信号光源、41
n…駆動回路、51〜5n…投光レンズ、6…ミラー、
2〜7n…ビームスプリッター、8…受光レンズ、9…
受光素子、10…復調回路、111〜11n…ファイバー
モジュール型光源、12…n×1スターカプラー、12
a…ファイバ溶融結合型n×1スターカプラー、12b
…導波路型n×1スターカプラー、13…時分割多重装
置、14…時分割多重信号分離装置。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04B 10/18 H04J 14/00 14/02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 異なる波長の光をそれぞれ放射する複数
    の信号光源と、 この複数の信号光源を同一の電気信号により変調し、こ
    の複数の信号光源のそれぞれから信号光を送出する信号
    光送出手段と、 この信号光送出手段により送出された信号光を投光する
    投光手段と、 この投光手段により投光された前記信号光を受光し、受
    光信号の出力を行う受光手段と、 この受光手段により出力される前記受光信号を復調する
    復調手段とを備えることを特徴とする空間光伝送装置。
  2. 【請求項2】 前記投光手段は、前記信号光送出手段に
    より送出された前記信号光をほぼ平行の光線とする投光
    レンズを備え、この投光レンズによりほぼ平行の光線と
    した信号光を前記受光手段に対して投光することを特徴
    とする請求項1記載の空間光伝送装置。
  3. 【請求項3】 前記投光手段は、更に、前記投光レンズ
    によりほぼ平行の光線とした複数の前記信号光を同一光
    軸上に合波する合波手段を備えることを特徴とする請求
    項2記載の空間光伝送装置。
  4. 【請求項4】 前記合波手段は、複数の前記投光レンズ
    のそれぞれの信号光出射側に配置されたビームスプリッ
    ターにより構成され、これらのビームスプリッターによ
    り、前記投光レンズのそれぞれから出射される前記信号
    光を同一光軸上に合波させるように反射することを特徴
    とする請求項3記載の空間光伝送装置。
  5. 【請求項5】 前記投光手段は、複数の前記信号光送出
    手段により送出された前記信号光を同一光軸上に合波す
    る合波手段と、 この合波手段により合波された前記信号光をほぼ平行の
    光線とする投光レンズを備え、この投光レンズによりほ
    ぼ平行の光線とした前記信号光を前記受光手段に対して
    投光することを特徴とする請求項1記載の空間光伝送装
    置。
  6. 【請求項6】 前記合波手段は、ファイバ溶融結合型の
    光結合器であることを特徴とする請求項5記載の空間光
    伝送装置。
  7. 【請求項7】 前記合波手段は、導波路型の光結合器で
    あることを特徴とする請求項5記載の空間光伝送装置。
  8. 【請求項8】 異なる波長の光をそれぞれ放射する複数
    の信号光源と、 入力される複数の電気信号を時分割多重して時分割多重
    信号とする時分割多重手段と、 前記複数の信号光源を前記時分割多重信号により変調
    し、前記複数の信号光源のそれぞれから信号光を送出す
    る信号光送出手段と、 この信号光送出手段により送出された前記信号光を投光
    する投光手段と、 この投光手段により投光された前記信号光を受光し、受
    光信号の出力を行う受光手段と、 前記受光信号を分離して前記複数の電気信号に対応した
    信号に分離する時分割多重信号分離手段と、 この時分割多重信号分離手段により分離されたそれぞれ
    の前記信号を復調する復調手段とを備えることを特徴と
    する空間光伝送装置。
  9. 【請求項9】 広帯域の光を放射する単一の信号光源
    と、 この信号光源を電気信号により変調し、この信号光源か
    ら信号光を送出する信号光送出手段と、 この信号光送出手段により送出された信号光を投光する
    投光手段と、 この投光手段により投光された前記信号光を受光し、受
    光信号の出力を行う受光手段と、 この受光手段により出力される前記受光信号を復調する
    復調手段とを備えることを特徴とする空間光伝送装置。
  10. 【請求項10】 送信局において、波長の異なる複数の
    信号光源を同一の電気信号により変調してこの複数の信
    号光源のそれぞれから信号光を送出し、この送出された
    信号光を受信局に対して投光すると共に、 受信局において、送信局から投光された信号光を受光
    し、この受光により出力される受光信号を復調すること
    を特徴とする空間光伝送方法。
  11. 【請求項11】 送信局側において、入力される複数の
    電気信号を時分割多重し、この時分割多重した時分割多
    重信号により波長の異なる複数の信号光源を変調してこ
    の複数の信号光源のそれぞれから信号光を送出し、この
    送出された信号光を受信局に対して投光すると共に、 受信局側において、送信局から投光された信号光を受光
    し、この受光により出力される受光信号を分離して前記
    複数の電気信号に対応した信号とし、この信号を復調す
    ることを特徴とする空間光伝送方法。
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