JPWO2006090527A1 - ビトリファイドボンド砥石およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒11を、ビトリファイドボンド12で結合したビトリファイドボンド砥石において、ビトリファイドボンド砥石の気孔16内に、常温で液状の熱硬化性を有する、例えば、不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよびアリルエステルのうちのいずれかの樹脂からなるラジカル重合を行う樹脂17を含浸した。これにより、含浸樹脂の硬化時に脱離ガス等が発生せず、砥石強度を向上することができる。
Description
本発明は、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に樹脂を含浸させたビトリファイドボンド砥石およびその製造方法に関するものである。
CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒をビトリファイドボンドによって結合したビトリファイドボンド砥石は、砥粒間に多数の気孔が形成されているため、切り屑の排出性に優れ、切れ味が良好となることから、良好な表面あらさに研削加工することができる利点がある。ところで、この種のビトリファイドボンド砥石において、気孔をさらに多くすると、砥石の切れ味をより高めることができるが、反面、砥粒保持力が低下して研削時に砥粒が脱落しやすくなり、また、砥石の曲げ強度にも限界が生ずる問題がある。
このような問題に鑑み、ビトリファイド砥石の気孔内に樹脂を含浸させることにより、砥粒保持力を高めて砥粒の脱落を抑制するようにしたビトリファイド砥石が、特開2001−205566号公報に記載されている。すなわち同公報には、多数の連続気孔を有する多孔質のビトリファイド砥石組織内に、液状フェノール樹脂が含浸され、その後乾燥機内で乾燥させて含浸した樹脂を硬化させることにより、ビトリファイド砥石組織内の空隙がフェノール樹脂で適度に埋められることが記載されている。
ところが、ビトリファイド砥石の気孔内にフェノール樹脂を含浸したものでは、砥石強度(砥石の曲げ強度)が十分に向上していないことが出願人の実験の結果確認された。その原因を種々調査した結果、フェノール樹脂の硬化反応の重合形態に起因すると思われる。すなわち、フェノール樹脂の硬化反応の重合形態は、逐次重合の重縮合に区分されるが、逐次重合の重縮合においては、気孔内に含浸させたフェノール樹脂の硬化時に、重合反応によって脱離ガスや水蒸気が発生し、これら脱離ガスや水蒸気の発生により樹脂含浸作用が妨げられて、砥石内部に空洞が発生し、砥石強度の低下に結びついているとの知見を得た。そのために、ビトリファイド砥石の気孔内にフェノール樹脂を含浸したものでは、研削時に砥粒が脱落しやすく、砥石摩耗が大きくなり、砥石寿命が短くなるものと思われる。
かかる事実に基づいて種々検討を重ねた結果、逐次重合とは重合形態において対極をなす連鎖重合のラジカル重合を行う不飽和ポリエステル樹脂を、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に含浸させると、その硬化反応時に、上記したような脱離ガス等が発生しないことが判明した。
よって、本発明は、含浸樹脂の硬化時に脱離ガス等が発生しないラジカル重合を行う樹脂を含浸させることにより、砥石強度を向上できるようにしたビトリファイドボンド砥石およびその製造方法を提供せんとするものである。
このような問題に鑑み、ビトリファイド砥石の気孔内に樹脂を含浸させることにより、砥粒保持力を高めて砥粒の脱落を抑制するようにしたビトリファイド砥石が、特開2001−205566号公報に記載されている。すなわち同公報には、多数の連続気孔を有する多孔質のビトリファイド砥石組織内に、液状フェノール樹脂が含浸され、その後乾燥機内で乾燥させて含浸した樹脂を硬化させることにより、ビトリファイド砥石組織内の空隙がフェノール樹脂で適度に埋められることが記載されている。
ところが、ビトリファイド砥石の気孔内にフェノール樹脂を含浸したものでは、砥石強度(砥石の曲げ強度)が十分に向上していないことが出願人の実験の結果確認された。その原因を種々調査した結果、フェノール樹脂の硬化反応の重合形態に起因すると思われる。すなわち、フェノール樹脂の硬化反応の重合形態は、逐次重合の重縮合に区分されるが、逐次重合の重縮合においては、気孔内に含浸させたフェノール樹脂の硬化時に、重合反応によって脱離ガスや水蒸気が発生し、これら脱離ガスや水蒸気の発生により樹脂含浸作用が妨げられて、砥石内部に空洞が発生し、砥石強度の低下に結びついているとの知見を得た。そのために、ビトリファイド砥石の気孔内にフェノール樹脂を含浸したものでは、研削時に砥粒が脱落しやすく、砥石摩耗が大きくなり、砥石寿命が短くなるものと思われる。
かかる事実に基づいて種々検討を重ねた結果、逐次重合とは重合形態において対極をなす連鎖重合のラジカル重合を行う不飽和ポリエステル樹脂を、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に含浸させると、その硬化反応時に、上記したような脱離ガス等が発生しないことが判明した。
よって、本発明は、含浸樹脂の硬化時に脱離ガス等が発生しないラジカル重合を行う樹脂を含浸させることにより、砥石強度を向上できるようにしたビトリファイドボンド砥石およびその製造方法を提供せんとするものである。
第1の発明は、CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒を、ビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石において、前記ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、ラジカル重合を行う樹脂を含浸したことを特徴とするビトリファイドボンド砥石である。
第1の発明によれば、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、ラジカル重合を行う樹脂を含浸したことにより、含浸樹脂の硬化時に、脱離ガスや水蒸気が発生しないため、樹脂含浸が的確に行うことができるようになり、砥石の曲げ強度の向上に寄与する。これにより、研削時の砥粒の脱落が抑制され、砥石の摩耗量を低減できて砥石寿命を向上できる効果がある。
第2の発明は、第1の発明に係るビトリファイドボンド砥石において、前記ラジカル重合を行う樹脂は、熱硬化性を有する常温で液状の不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよびアリルエステルのうちのいずれかの樹脂からなるものである。
第2の発明によれば、ラジカル重合を行う樹脂として、熱硬化性を有する常温で液状の不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよびアリルエステルのうちのいずれかの樹脂を用いたので、常温状態において、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、あるいはアリルエステルのいずれかの樹脂を容易に含浸できる効果がある。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係るビトリファイドボンド砥石において、前記ラジカル重合を行う樹脂は、硬さ(ショアD)が60〜85の範囲の樹脂からなるものである。
第3の発明によれば、ラジカル重合を行う樹脂として、硬さ(ショアD)が60〜85の範囲の樹脂を用いたので、フェノール樹脂に比べて樹脂硬さが軟らかいため、研削時に工作物と含浸樹脂が接触しても熱の発生を抑制することができ、工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の防止に効果がある。
第4の発明は、CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒を、ビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石の製造方法において、砥粒および結合剤等を混合した原料を型内に充填し、プレス成形するとともに焼成して砥石体を成形し、該砥石体を、ラジカル重合を行う液状の樹脂に浸して真空脱泡することにより、前記砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を含浸させ、該樹脂を硬化した後、樹脂を含浸した砥石体を砥石コアに接着するようにしたことを特徴とするビトリファイドボンド砥石の製造方法である。
第4の発明によれば、砥粒および結合剤等を混合した原料を型内に充填し、プレス成形するとともに焼成して砥石体を成形し、該砥石体を、液状のラジカル重合を行う樹脂に浸して真空脱泡することにより、砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を含浸させ、該樹脂を硬化した後、樹脂を含浸した砥石体を砥石コアに接着するようにしたので、砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を確実かつ容易に含浸させることができる。しかも、含浸樹脂の硬化時に、脱離ガスや水蒸気が発生しないので、脱離ガス等によって樹脂が含浸された砥石体の気孔内に空洞が発生することがなく、砥石体の気孔内に満遍なく樹脂が含浸される。従って、砥石の曲げ強度を向上でき、研削時の砥粒の脱落が抑制され、砥石の摩耗量を低減できるビトリファイドボンド砥石を容易に得ることができる効果がある。
第1の発明によれば、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、ラジカル重合を行う樹脂を含浸したことにより、含浸樹脂の硬化時に、脱離ガスや水蒸気が発生しないため、樹脂含浸が的確に行うことができるようになり、砥石の曲げ強度の向上に寄与する。これにより、研削時の砥粒の脱落が抑制され、砥石の摩耗量を低減できて砥石寿命を向上できる効果がある。
第2の発明は、第1の発明に係るビトリファイドボンド砥石において、前記ラジカル重合を行う樹脂は、熱硬化性を有する常温で液状の不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよびアリルエステルのうちのいずれかの樹脂からなるものである。
第2の発明によれば、ラジカル重合を行う樹脂として、熱硬化性を有する常温で液状の不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよびアリルエステルのうちのいずれかの樹脂を用いたので、常温状態において、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、不飽和ポリエステル、ビニルエステル、あるいはアリルエステルのいずれかの樹脂を容易に含浸できる効果がある。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明に係るビトリファイドボンド砥石において、前記ラジカル重合を行う樹脂は、硬さ(ショアD)が60〜85の範囲の樹脂からなるものである。
第3の発明によれば、ラジカル重合を行う樹脂として、硬さ(ショアD)が60〜85の範囲の樹脂を用いたので、フェノール樹脂に比べて樹脂硬さが軟らかいため、研削時に工作物と含浸樹脂が接触しても熱の発生を抑制することができ、工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の防止に効果がある。
第4の発明は、CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒を、ビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石の製造方法において、砥粒および結合剤等を混合した原料を型内に充填し、プレス成形するとともに焼成して砥石体を成形し、該砥石体を、ラジカル重合を行う液状の樹脂に浸して真空脱泡することにより、前記砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を含浸させ、該樹脂を硬化した後、樹脂を含浸した砥石体を砥石コアに接着するようにしたことを特徴とするビトリファイドボンド砥石の製造方法である。
第4の発明によれば、砥粒および結合剤等を混合した原料を型内に充填し、プレス成形するとともに焼成して砥石体を成形し、該砥石体を、液状のラジカル重合を行う樹脂に浸して真空脱泡することにより、砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を含浸させ、該樹脂を硬化した後、樹脂を含浸した砥石体を砥石コアに接着するようにしたので、砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を確実かつ容易に含浸させることができる。しかも、含浸樹脂の硬化時に、脱離ガスや水蒸気が発生しないので、脱離ガス等によって樹脂が含浸された砥石体の気孔内に空洞が発生することがなく、砥石体の気孔内に満遍なく樹脂が含浸される。従って、砥石の曲げ強度を向上でき、研削時の砥粒の脱落が抑制され、砥石の摩耗量を低減できるビトリファイドボンド砥石を容易に得ることができる効果がある。
第1図は本発明の実施の形態を示す砥石体を示す図である。第2図は砥石体の断面構造を示す図である。第3図は砥石体の製造ステップを示す図である。第4図は砥石体の曲げ強さの比較を示す図である。第5図は砥石体を貼り付けたカップ形のビトリファイドボンド砥石を示す断面図である。第6図は第5図のA方向から見た図である。第7図は樹脂の硬さの比較を示す図である。第8図は樹脂の硬さの有効範囲を示す図である。第9図は本発明の他の実施の形態を示すビトリファイドボンド砥石車の外観図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。第1図および第2図において、10は、CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒11をビトリファイドボンド12で結合したリング状の砥石体を示す。砥石体10は、超砥粒11をビトリファイドボンド12で結合した砥粒層13と、超砥粒を含まない下地層14とを重ねて一体的に結合した2層構造からなる。砥粒層13は、超砥粒11をビトリファイドボンド12で、例えば3〜5mmの厚さに結合したもので、ビトリファイドボンド12中には必要に応じて酸化アルミニウム(Al2O3)等の粒子が骨材として混入される。また、下地層14は、セラミックス粒子等の下地粒子をビトリファイドボンドで、例えば1〜3mmの厚さに結合したものである。ビトリファイドボンド12の採用により、超砥粒11の間に多数の気孔16が形成されるため、切り屑の排出性に優れ、切れ味が良好となるため、砥石摩耗量を少なくして良好な表面あらさに研削加工することができる。
次に、リング状の砥石体10を製造するプロセスを第3図に基づいて説明する。このプロセスで用いる砥石体10の仕様を、表1に示す。
まず、原料混合ステップ21において、砥石体10の原料である粒度が♯40〜♯800のCBNあるいはダイヤモンドからなる超砥粒11と、ビトリファイドボンドからなる結合剤12と、必要に応じてWA砥粒等からなる骨材とが、予め設定された混合割合で混合される。超砥粒11および結合剤(ビトリファイドボンド)12は、砥石体10の焼成後において、砥粒および骨材の合計体積率が10〜60%、また、結合剤体積率が10〜35%の範囲となるように超砥粒11および結合剤12が調合される。
次いで、成形ステップ22に移り、プレス金型内に砥粒層13および下地層14のそれぞれの原料が順次充填されてプレスされ、2層構造からなるリング状の砥石体10の素材が成形される。続く焼成ステップ23においては、砥石体10の素材が、800℃〜1000℃で焼成され、超砥粒11がビトリファイドボンド12によって結合された多数の気孔16を有する樹脂含浸前の砥石体10が製造される。
次いで、含浸ステップ24においては、液状のポリエステル樹脂を収容した容器が用いられる。液状のポリエステル樹脂としては、不飽和ポリエステルと硬化促進剤と硬化剤を、重量比でおおよそ100:1:1の割合で混合されたものである。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂として、大日本インキ化学工業株式会社製XO−TP−03−38(品名:ポリライト)を使用した。なお、硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトが、硬化剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド等が好適である。このような液状のポリエステル樹脂を収容した容器内に、焼成後の砥石体10を浸し、その状態で真空脱泡を行うことにより、第2図に示すように、液状のポリエステル樹脂17が砥石体10の気孔16内に含浸される。このときのポリエステル樹脂17の体積率は25〜60%が好適である。
上記した不飽和ポリエステルは、常温で液状の熱硬化性樹脂であって、その重合形態が、連鎖重合のラジカル重合に区分され、気孔16内に含浸させた樹脂(ポリエステル樹脂)の硬化時に、重合反応によって脱離ガスや水蒸気が発生しない性質を有するものである。
最後に硬化ステップ25において、砥石体10は、乾燥機内で60℃の温度で3時間以上乾燥され、これによって、砥石体10の気孔16内に含浸されたポリエステル樹脂17が硬化され、砥石体10が完成される。なお、ポリエステル樹脂17は、常温でも硬化するので、上記した乾燥機による乾燥処理は必ずしも必要としないが、硬化不良を防止するうえで乾燥機による乾燥処理は有効である。このようにして、ポリエステル樹脂17の割合に応じて、砥石体10の気孔16内がポリエステル樹脂17で埋められる。
第4図は、ポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10と、フェノール樹脂を含浸した砥石体との抗折強さ(曲げ強さ)を比較したものであり、同図より、ポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10は、フェノール樹脂を含浸した砥石体に比較して、2倍近い抗折強さを有することが容易に理解できる。このような砥石体10の大幅な抗折強さの向上が、研削時の砥粒の脱落を抑制でき、砥石の摩耗を抑制できるようになり、その結果、砥石寿命を大幅に向上することが可能になった。
次に、上記した砥石体10を用いて工作物を平面研削する例について説明する。第5図および第6図は、カップ形のビトリファイドボンド砥石30を示すもので、このビトリファイドボンド砥石30は、鉄、アルミニウムあるいはチタン合金等の金属や、セラミックス、あるいは繊維強化樹脂等で成形されたカップ形状の砥石コア31の端面31aに、上記したようにして製造されたリング状の砥石体10を、例えばエポキシ系の接着剤により貼り付けたものである。砥石コア31の中心部には、図略の砥石軸に嵌合する装着穴32が形成されている。
なお、ビトリファイドボンド砥石30に貼り付けられる砥石体10は、リング状に限らず、砥石コア31の中心を曲率中心とする円弧状もしくは矩形状の複数のセグメント形砥石体を環状に配置したものでもよい。
表2は、上記したポリエステル樹脂を含浸した砥石体10を貼り付けたビトリファイドボンド砥石30(実施例)と、フェノール樹脂を含浸した砥石体を貼り付けたビトリファイドボンド砥石(比較例)との研削結果の対比を示すものである。
すなわち、実施例として示すポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10は、砥粒として、粒度♯40のCBN砥粒を用い、砥粒の体積率を30%とし、結合剤として、ビトリファイドを用い、その体積率を17%とし、含浸樹脂として、重合形態が連鎖重合中のラジカル重合に属する熱硬化性のポリエステル樹脂を用い、樹脂体積率を53%としたものである。また、ポリエステル樹脂は、不飽和ポリエステルと、硬化促進剤と、硬化剤を、重量比で、ほぼ100:1:1の割合で配合したもので、常温で液状をなし、硬化後の樹脂の硬さ(ショアD)は、82〜85である。なお、樹脂硬さ(ショアD)の測定は、株式会社テクロック製GS−720G(品名:デュロメーター)の測定機を用いた。
一方、比較例として示すフェノール樹脂を含浸した砥石体は、含浸樹脂として、重合形態が逐次重合中の重縮合に属する熱硬化性で、樹脂の硬さ(ショアD)が87〜90のフェノール樹脂を用いた点を除き、砥粒種類および砥粒粒度ならびに砥粒等の体積率、結合剤およびその体積率を同じ条件とした。ただし、比較例における樹脂体積率の53%は、重合反応における脱離ガスや水蒸気の発生に伴う空洞分を含む数値であり、実際の樹脂体積率は空洞分だけ減少した値となる。
なお、砥石体に樹脂を充填した後に硬化させる乾燥処理は、実施例のポリエステル樹脂を含浸した砥石体10については、60℃で6時間乾燥させたのに対し、比較例のフェノール樹脂を含浸した砥石体については、同じ硬化条件では十分な硬化が起こらなかったため、180℃で24時間乾燥させた。
これらポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10を貼り付けたビトリファイドボンド砥石30と、フェノール樹脂を含浸した砥石体を貼り付けたビトリファイドボンド砥石を用いて、工作物を研削加工した結果、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30のほうが、工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象が発生しないことが確認された。
なお、実施した研削条件は、上記したカップ形砥石を用い、研削能率を0.24mm2/sとした。
この結果、フェノール樹脂を含浸したビトリファイドボンド砥石については、工作物の研削焼け、砥石への溶着の現象が見られ、評価として満足すべき結果が得られなかったのに対し、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30については、砥石摩耗量が少なく、工作物の研削焼けや、砥石への溶着の現象が見られないことが分かった。そこで、さらに研削能率を上げてテストを繰り返したところ、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30においては、研削能率を5倍に上げても、工作物の研削焼けや、砥石への溶着も生ずることなく研削加工できることが確認できた。このことからポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30が、砥石摩耗量の抑制、さらには工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象を抑制するうえできわめて有効であることが実証された。
これは、含浸樹脂として、重合形態が連鎖重合で、かつラジカル重合を行う熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂を用いたことにより、砥石体10の気孔16内に含浸させたポリエステル樹脂17の硬化時に、重合反応によって脱離ガスや水蒸気が発生せず、気孔16内に満遍なくポリエステル樹脂17が含浸されていることにより、第4図で示したように、砥石強度が向上されていることに起因していると考えられる。
しかも、第7図に示すように、気孔16内に含浸された不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製XO−TP−03−38の場合)の硬化後の樹脂硬さ(ショアDが82〜85)が、フェノール樹脂の硬化後の樹脂硬さ(ショアDが87〜90)に較べて軟らかいために、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30によって研削した場合には、研削時に工作物と含浸樹脂が接触しても熱の発生を抑制できるようになり、これが、前述した工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象を抑制するうえで効果を発揮しているものと考えられる。
そこで、上記した実施例のもの(樹脂硬さ(ショアD)が82〜85の不飽和ポリエステル樹脂)とは、硬化後の樹脂硬さが異なる不飽和ポリエステル樹脂、すなわち、硬化後の樹脂硬さ(ショアD)が、ほぼ70、60、50の3種類の不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル樹脂17を砥石体10に含浸して、その抗折強さの関係をそれぞれ測定したところ、第8図から明らかなように、不飽和ポリエステル樹脂を含浸したものでも、樹脂硬さ(ショアD)が50以下のものでは、樹脂が軟らかすぎるため、前述した比較例として示した樹脂硬さ(ショアD)が87〜90のフェノール樹脂を含浸したものに比較して、抗折強さにおいて優位性は認められず、樹脂硬さ(ショアD)が60以上になると抗折強さに効果があることが確認された。従って、樹脂硬さ(ショアD)は、60〜85の範囲が好適であり、望ましくは、実施例で示した82〜85が最適である。
第9図は、本発明の他の実施の形態を示すもので、かかる実施の形態においては、CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒をビトリファイドボンドで結合した円弧状のセグメント形砥石体40の気孔内に、前述したと同様に、液状のポリエステル樹脂を含浸して硬化させ、この砥石体40を、鉄、アルミニウムあるいはチタン合金等の金属や、セラミックス、あるいは繊維強化樹脂等で成形された円盤状の砥石コア41の外周面に複数接着してセグメントタイプのビトリファイドボンド砥石車42を構成したものである。
表3は、かかるビトリファイドボンド砥石車42を用いて、工作物を平面研削するに適した砥石体40の仕様の一例を示すものである。
すなわち、この実施の形態におけるセグメント形砥石体40は、粒度が♯120のCBNからなる超砥粒を用い、砥粒等体積率を38%とした。また、結合剤としてビトリファイドを使用し、結合剤体積率を24%とした。気孔内には先の実施の形態と同様に、大日本インキ化学工業株式会社製(XO−TP−03−38)の不飽和ポリエステルと硬化促進剤と硬化剤を、重量比でおおよそ100:1:1の割合で混合したものを使用して、砥石体40の気孔内にポリエステルを含浸し、その樹脂体積率を38%とした。
このような組成の砥石体40を、第9図に示すように円盤状の砥石コア41の外周面に複数貼り付けた砥石車42を用いて、工作物を平面研削すると、工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象を抑制できる高能率の研削加工を実現することができた。
上記した実施の形態においては、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、不飽和ポリエステル樹脂を含浸させた例について述べたが、含浸樹脂としては、熱硬化性でラジカル重合を行うビニルエステルおよびアリルエステルにおいても、砥石の曲げ強度(抗折強さ)を向上するうえで有効である。
さらに、本発明は、これら不飽和ポリエステル、ビニルエステル、アリルエステルの樹脂に限定されるものではなく、砥石の曲げ強度の向上に寄与するラジカル重合を行う熱硬化性および熱可塑性を含むその他の樹脂についても、排除するものではない。
また、上記した実施の形態においては、砥石体10を、超砥粒11をビトリファイドボンド12で結合した砥粒層13と、超砥粒を含まない下地層14とを重ねて一体的に結合した2層構造からなるもので説明したが、砥粒層一層だけのビトリファイドボンド砥石でも、同様な効果が期待できるものである。
なお、実施の形態で述べた砥石体10、40の仕様等は、本発明に好適な一例を示したもので、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更できることは勿論である。
次に、リング状の砥石体10を製造するプロセスを第3図に基づいて説明する。このプロセスで用いる砥石体10の仕様を、表1に示す。
次いで、成形ステップ22に移り、プレス金型内に砥粒層13および下地層14のそれぞれの原料が順次充填されてプレスされ、2層構造からなるリング状の砥石体10の素材が成形される。続く焼成ステップ23においては、砥石体10の素材が、800℃〜1000℃で焼成され、超砥粒11がビトリファイドボンド12によって結合された多数の気孔16を有する樹脂含浸前の砥石体10が製造される。
次いで、含浸ステップ24においては、液状のポリエステル樹脂を収容した容器が用いられる。液状のポリエステル樹脂としては、不飽和ポリエステルと硬化促進剤と硬化剤を、重量比でおおよそ100:1:1の割合で混合されたものである。具体的には、不飽和ポリエステル樹脂として、大日本インキ化学工業株式会社製XO−TP−03−38(品名:ポリライト)を使用した。なお、硬化促進剤としては、ナフテン酸コバルトが、硬化剤としては、メチルエチルケトンパーオキサイド等が好適である。このような液状のポリエステル樹脂を収容した容器内に、焼成後の砥石体10を浸し、その状態で真空脱泡を行うことにより、第2図に示すように、液状のポリエステル樹脂17が砥石体10の気孔16内に含浸される。このときのポリエステル樹脂17の体積率は25〜60%が好適である。
上記した不飽和ポリエステルは、常温で液状の熱硬化性樹脂であって、その重合形態が、連鎖重合のラジカル重合に区分され、気孔16内に含浸させた樹脂(ポリエステル樹脂)の硬化時に、重合反応によって脱離ガスや水蒸気が発生しない性質を有するものである。
最後に硬化ステップ25において、砥石体10は、乾燥機内で60℃の温度で3時間以上乾燥され、これによって、砥石体10の気孔16内に含浸されたポリエステル樹脂17が硬化され、砥石体10が完成される。なお、ポリエステル樹脂17は、常温でも硬化するので、上記した乾燥機による乾燥処理は必ずしも必要としないが、硬化不良を防止するうえで乾燥機による乾燥処理は有効である。このようにして、ポリエステル樹脂17の割合に応じて、砥石体10の気孔16内がポリエステル樹脂17で埋められる。
第4図は、ポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10と、フェノール樹脂を含浸した砥石体との抗折強さ(曲げ強さ)を比較したものであり、同図より、ポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10は、フェノール樹脂を含浸した砥石体に比較して、2倍近い抗折強さを有することが容易に理解できる。このような砥石体10の大幅な抗折強さの向上が、研削時の砥粒の脱落を抑制でき、砥石の摩耗を抑制できるようになり、その結果、砥石寿命を大幅に向上することが可能になった。
次に、上記した砥石体10を用いて工作物を平面研削する例について説明する。第5図および第6図は、カップ形のビトリファイドボンド砥石30を示すもので、このビトリファイドボンド砥石30は、鉄、アルミニウムあるいはチタン合金等の金属や、セラミックス、あるいは繊維強化樹脂等で成形されたカップ形状の砥石コア31の端面31aに、上記したようにして製造されたリング状の砥石体10を、例えばエポキシ系の接着剤により貼り付けたものである。砥石コア31の中心部には、図略の砥石軸に嵌合する装着穴32が形成されている。
なお、ビトリファイドボンド砥石30に貼り付けられる砥石体10は、リング状に限らず、砥石コア31の中心を曲率中心とする円弧状もしくは矩形状の複数のセグメント形砥石体を環状に配置したものでもよい。
表2は、上記したポリエステル樹脂を含浸した砥石体10を貼り付けたビトリファイドボンド砥石30(実施例)と、フェノール樹脂を含浸した砥石体を貼り付けたビトリファイドボンド砥石(比較例)との研削結果の対比を示すものである。
一方、比較例として示すフェノール樹脂を含浸した砥石体は、含浸樹脂として、重合形態が逐次重合中の重縮合に属する熱硬化性で、樹脂の硬さ(ショアD)が87〜90のフェノール樹脂を用いた点を除き、砥粒種類および砥粒粒度ならびに砥粒等の体積率、結合剤およびその体積率を同じ条件とした。ただし、比較例における樹脂体積率の53%は、重合反応における脱離ガスや水蒸気の発生に伴う空洞分を含む数値であり、実際の樹脂体積率は空洞分だけ減少した値となる。
なお、砥石体に樹脂を充填した後に硬化させる乾燥処理は、実施例のポリエステル樹脂を含浸した砥石体10については、60℃で6時間乾燥させたのに対し、比較例のフェノール樹脂を含浸した砥石体については、同じ硬化条件では十分な硬化が起こらなかったため、180℃で24時間乾燥させた。
これらポリエステル樹脂17を含浸した砥石体10を貼り付けたビトリファイドボンド砥石30と、フェノール樹脂を含浸した砥石体を貼り付けたビトリファイドボンド砥石を用いて、工作物を研削加工した結果、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30のほうが、工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象が発生しないことが確認された。
なお、実施した研削条件は、上記したカップ形砥石を用い、研削能率を0.24mm2/sとした。
この結果、フェノール樹脂を含浸したビトリファイドボンド砥石については、工作物の研削焼け、砥石への溶着の現象が見られ、評価として満足すべき結果が得られなかったのに対し、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30については、砥石摩耗量が少なく、工作物の研削焼けや、砥石への溶着の現象が見られないことが分かった。そこで、さらに研削能率を上げてテストを繰り返したところ、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30においては、研削能率を5倍に上げても、工作物の研削焼けや、砥石への溶着も生ずることなく研削加工できることが確認できた。このことからポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30が、砥石摩耗量の抑制、さらには工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象を抑制するうえできわめて有効であることが実証された。
これは、含浸樹脂として、重合形態が連鎖重合で、かつラジカル重合を行う熱硬化性の不飽和ポリエステル樹脂を用いたことにより、砥石体10の気孔16内に含浸させたポリエステル樹脂17の硬化時に、重合反応によって脱離ガスや水蒸気が発生せず、気孔16内に満遍なくポリエステル樹脂17が含浸されていることにより、第4図で示したように、砥石強度が向上されていることに起因していると考えられる。
しかも、第7図に示すように、気孔16内に含浸された不飽和ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業株式会社製XO−TP−03−38の場合)の硬化後の樹脂硬さ(ショアDが82〜85)が、フェノール樹脂の硬化後の樹脂硬さ(ショアDが87〜90)に較べて軟らかいために、ポリエステル樹脂17を含浸したビトリファイドボンド砥石30によって研削した場合には、研削時に工作物と含浸樹脂が接触しても熱の発生を抑制できるようになり、これが、前述した工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象を抑制するうえで効果を発揮しているものと考えられる。
そこで、上記した実施例のもの(樹脂硬さ(ショアD)が82〜85の不飽和ポリエステル樹脂)とは、硬化後の樹脂硬さが異なる不飽和ポリエステル樹脂、すなわち、硬化後の樹脂硬さ(ショアD)が、ほぼ70、60、50の3種類の不飽和ポリエステル樹脂を主成分とするポリエステル樹脂17を砥石体10に含浸して、その抗折強さの関係をそれぞれ測定したところ、第8図から明らかなように、不飽和ポリエステル樹脂を含浸したものでも、樹脂硬さ(ショアD)が50以下のものでは、樹脂が軟らかすぎるため、前述した比較例として示した樹脂硬さ(ショアD)が87〜90のフェノール樹脂を含浸したものに比較して、抗折強さにおいて優位性は認められず、樹脂硬さ(ショアD)が60以上になると抗折強さに効果があることが確認された。従って、樹脂硬さ(ショアD)は、60〜85の範囲が好適であり、望ましくは、実施例で示した82〜85が最適である。
第9図は、本発明の他の実施の形態を示すもので、かかる実施の形態においては、CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒をビトリファイドボンドで結合した円弧状のセグメント形砥石体40の気孔内に、前述したと同様に、液状のポリエステル樹脂を含浸して硬化させ、この砥石体40を、鉄、アルミニウムあるいはチタン合金等の金属や、セラミックス、あるいは繊維強化樹脂等で成形された円盤状の砥石コア41の外周面に複数接着してセグメントタイプのビトリファイドボンド砥石車42を構成したものである。
表3は、かかるビトリファイドボンド砥石車42を用いて、工作物を平面研削するに適した砥石体40の仕様の一例を示すものである。
このような組成の砥石体40を、第9図に示すように円盤状の砥石コア41の外周面に複数貼り付けた砥石車42を用いて、工作物を平面研削すると、工作物の研削焼けや、砥石への溶着等の現象を抑制できる高能率の研削加工を実現することができた。
上記した実施の形態においては、ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、不飽和ポリエステル樹脂を含浸させた例について述べたが、含浸樹脂としては、熱硬化性でラジカル重合を行うビニルエステルおよびアリルエステルにおいても、砥石の曲げ強度(抗折強さ)を向上するうえで有効である。
さらに、本発明は、これら不飽和ポリエステル、ビニルエステル、アリルエステルの樹脂に限定されるものではなく、砥石の曲げ強度の向上に寄与するラジカル重合を行う熱硬化性および熱可塑性を含むその他の樹脂についても、排除するものではない。
また、上記した実施の形態においては、砥石体10を、超砥粒11をビトリファイドボンド12で結合した砥粒層13と、超砥粒を含まない下地層14とを重ねて一体的に結合した2層構造からなるもので説明したが、砥粒層一層だけのビトリファイドボンド砥石でも、同様な効果が期待できるものである。
なお、実施の形態で述べた砥石体10、40の仕様等は、本発明に好適な一例を示したもので、これに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で変更できることは勿論である。
本発明に係るビトリファイドボンド砥石およびその製造方法は、工作物を研削する研削盤に用いるのに適している。
Claims (4)
- CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒を、ビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石において、前記ビトリファイドボンド砥石の気孔内に、ラジカル重合を行う樹脂を含浸したことを特徴とするビトリファイドボンド砥石。
- 請求項1において、前記ラジカル重合を行う樹脂は、熱硬化性を有する常温で液状の不飽和ポリエステル、ビニルエステルおよびアリルエステルのうちのいずれかの樹脂からなるビトリファイドボンド砥石。
- 請求項1または請求項2において、前記ラジカル重合を行う樹脂は、硬さ(ショアD)が60〜85の範囲の樹脂からなるビトリファイドボンド砥石。
- CBNあるいはダイヤモンド等の超砥粒を、ビトリファイドボンドで結合したビトリファイドボンド砥石の製造方法において、砥粒および結合剤等を混合した原料を型内に充填し、プレス成形するとともに焼成して砥石体を成形し、該砥石体を、ラジカル重合を行う液状の樹脂に浸して真空脱泡することにより、前記砥石体の気孔内にラジカル重合を行う樹脂を含浸させ、該樹脂を硬化した後、樹脂を含浸した砥石体を砥石コアに接着するようにしたことを特徴とするビトリファイドボンド砥石の製造方法。
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