JPWO2006088126A1 - 遺伝子検知方法 - Google Patents

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Abstract

標的遺伝子中の特定の塩基の変異または存否を判定する遺伝子検知方法が開示されている。標的遺伝子のサンプル、および該標的遺伝子に対して野生型または標準型の塩基配列を有する対照遺伝子のサンプルのそれぞれを、(i)5’末端にRNAポリメラーゼプロモーター配列を有するプライマーを含むプライマー対を用いるPCR反応に供して増幅し、(ii)前記PCR反応で得られた二本鎖DNAをインビトロ転写反応に供して一本鎖RNAを形成し、(iii)前記一本鎖RNAに、前記対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに蛍光色素が結合された蛍光標識プローブをハイブリダイゼーションさせてRNA/DNAハイブリッドを形成させた後、(iv)標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドと対照遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドの蛍光強度を比較する。

Description

本発明は、各種の目的から、遺伝子中の特定の(位置の)塩基の変異や塩基の存否を判定する遺伝子検知方法に関する。
ヒトゲノムプロジェクトの終了により、ヒトの全塩基配列が決定され各種遺伝子の存在とその機能が明らかにされるに従い、それぞれの遺伝子の変異ないしは異常を検出することは、所謂ポストゲノムの薬剤や治療・診断法等の開発における手段としても重要性を増している。例えば、ヒトにおける1塩基レベルの変異、すなわち一塩基多型(SNP)を検出し、このSNP情報を基にして患者の個人差に合わせたオーダーメード(テーラーメード)医療が可能になるものと期待されている。
また、近年は、食品の偽装表示を防止し、安全で消費者の要求に応じた農産物、水産物、畜産物などを確保する点からそれらの食品の原材料をDNA分析する必要性も高まっている。
さらに、自然または人為的な環境の変化に応じて、地中、水中、大気中などに存在する微生物などの有害性や無毒化や確認する手段として、当該微生物の遺伝子の変化(例えば、有害性に関与する特定の塩基の存否)を知ることも重要になっている。
如上の目的で遺伝子検知に従来より主として行なわれてきた技術は、PCR反応により標的遺伝子を増幅し、これをダイレクトシークエンシングやキャピラリー電気泳動法により解析して変異の存在を判別するものである。さらに、蛍光色素で標識された核酸プローブをプライマーとして用いてPCR反応をモニタリングすることにより標的遺伝子を定量して多型・変異を解析するリアルタイムPCR法も知られている〔例えば、特開2002−275号公報(特許文献1)、特開2002−119291号公報(特許文献2)〕。
しかしながら、これらの従来技術においては、PCRにより得られるDNA量には限界があり、再現性および信頼性の高い結果を得るためには、高度な知識と熟練された技術を必要とする。また、DNAシークエンサーなどの高額な分析機器を必要とし、解析に長時間を有するなどの問題点も有している。電気泳動操作を行なう場合には、分析に更なる手間を要することになる。
特開2002−275号公報 特開2002−119291号公報
本発明の目的は、少量のサンプルで高精度の分析を可能とし、遺伝子中の特定の塩基の変異や特定の塩基の存否(有無)を簡便に判定することのできる新しい遺伝子検知技術を提供することにある。
本発明者は、検討を重ねた結果、標的遺伝子をRNAに転写し、このRNAを蛍光標識プローブとハイブリダイゼーションさせ、さらに、好ましくは、得られたハイブリッドをリボヌクレアーゼで処理することによる如上の目的が達成され得ることを見出した。
かくして、本発明は、標的遺伝子中の特定の塩基の変異または特定の塩基の存否を判定する遺伝子検知方法であって、前記標的遺伝子のサンプル、および該標的遺伝子に対して野生型または標準型の塩基配列を有する対照遺伝子のサンプルのそれぞれを、(i)5’末端にRNAポリメラーゼプロモーター配列を有するプライマーを含むプライマー対を用いるPCR反応に供して増幅し、(ii)前記PCR反応で得られた二本鎖DNAをインビトロ転写反応に供して一本鎖RNAを形成し、(iii)前記一本鎖RNAに、前記対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに蛍光色素が結合された蛍光標識プローブをハイブリダイゼーションさせてRNA/DNAハイブリッドを形成させた後、(iv)標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドと対照遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドの蛍光強度を比較する、以上の諸工程を含むことを特徴とする方法を提供するものである。
本発明の好ましい態様に従えば、前記(iii)のRNA/DNAハイブリッド形成工程において、前記対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに、前記蛍光色素を消光する機能を有する消光色素が結合された蛍光消光プローブを、前記一本鎖RNAにハイブリダイゼーションさせる。
本発明の別の好ましい態様に従えば、前記工程(iii)で得られたRNA/DNAハイブリッドをRNアーゼを用いるRNA分解反応に供した後、工程(iv)の蛍光強度の比較を行なう。
本発明に従えば、遺伝子サンプルのPCR産物をインビトロ転写反応に供することにより、従来法の100倍以上の濃度で一本鎖RNAとして遺伝子サンプルを調製することができる。すなわち、PCRのみによる従来法において問題であったサンプル量の制限による信頼性の低下が克服される。また、発明の方法は電気泳動の操作を回避した技法であり、従来法と比べ分析時間を大幅に短縮することができる。本発明の方法における一連の操作は、特に専門的な知識や熟練された技術を必要とせずに簡便かつ迅速に行なうことが可能である。さらに、本発明は、遺伝子シークエンサーなどの特化された分析機器を必要としない点からも、多岐の研究施設で適応しうる分析技術である。
本発明の遺伝子検知方法を構成する各工程を示す。 本発明の適用例としてHBVの遺伝子配列(A)と、RNA/DNAハイブリッドを示す(実施例1)。 本発明に従い、HBVの遺伝子変異が蛍光消光率により検出されることを示す(実施例1)。 本発明の適用例として、アルデヒドロヒドロゲナーゼの遺伝子配列と、その変異検出に用いられる蛍光標識プローブを示す(実施例2)。 本発明に従い、HBV遺伝子およびADRB2遺伝子の変異が蛍光消光率により同時に検出されることを示す(実施例3)。 本発明の適用例としてHBVの遺伝子に蛍光標識プローブに加えて、蛍光消光プローブを併存させた場合のハイブリッドを示す(実施例1)。 本発明に従いHBV遺伝子の変異を検出するに際して、蛍光標識プローブと蛍光消光プローブを併存させることにより、消光率が大きくなり、より高感度に変異検出ができることを示す(実施例1)。 本発明に従うマグロの品種判別の実施例における各種マグロの遺伝子配列と、使用した蛍光標識プローブと消光標識プローブを示す(実施例4)。 本発明に従い、蛍光消光率を測定することによりマグロの品種判別を行った結果を例示する(実施例4)。
以下、図1に示す本発明の遺伝子検知方法を構成する各工程に沿って本発明の実施の形態を詳述する。
PCR反応
本発明に従う遺伝子検知においても、標的遺伝子のサンプル(被検遺伝子のサンプル)、および対照遺伝子のサンプル(上記の標的遺伝子に対して野生型または標準型の塩基配列を有する遺伝子のサンプル)は、先ず、PCR(ポリメラーゼ・チェイン・リアクション)反応に供されるが、本発明の特徴は、後の工程で、PCR産物を鋳型にして一本鎖RNAを大量に合成してサンプル量を飛躍的の増大させることができることにある。このため、それぞれの遺伝子サンプルのPCR反応による増幅に際して、プライマーとして通常のPCR反応におけるようにそれぞれの遺伝子に特異的なプライマーの他に、5’末端にRNAポリメラーゼプロモーター配列を有するプライマーを用いる。
本発明におけるPCR反応は、RNAポリメラーゼプロモーター配列を有するプライマーを用いること以外は、格別のものではなく、二本鎖DNAから成る標的遺伝子のサンプルまたは対照遺伝子のサンプルのそれぞれに、如上のプライマーの他、dNTP、耐熱性のDNAポリメラーゼを加えて、よく知られているように、二本鎖DNAの熱変性、プライマーのアニーリングおよびポリメラーゼによる伸長反応を繰り返す(通常、30〜40サイクル)ことによって行なわれる。
本発明に従う遺伝子検知方法のPCR工程において、プライマーの5’末端に付加するRNAポリメラーゼプロモーター配列は、DNA依存性RNAポリメラーゼ(トランスクリプターゼ)のプロモーター配列である。好ましいRNAポリメラーゼプロモーター配列の例としてはT7RNAポリメラーゼ認識配列〔5’−TAATACGACTCACTATAGGG(配列番号:1)−3’〕が挙げられるが、これに限られるものではなく、この他に、SP3RNAポリメラーゼなども使用できる。
本発明の方法のPCR工程において使用される耐熱性DNAポリメラーゼとしては、当該分野で一般的に用いられているものが使用でき、例えば、商品名Pyrobestで宝酒造(株)から市販されているものが挙げられるが、これに限られるものではない。
インビトロ転写反応
本発明に従えば、如上のPCR反応で得られた二本鎖DNAはインビトロ転写反応に供される。ここで、PCR産物である二本鎖DNAは5’末端側にRNAポリメラーゼプロモーター配列を有しているので、RNAポリメラーゼの作用により転写反応を受けて、PCR産物を鋳型とする一本鎖RNAになる。
このインビトロ転写反応は、市販のインビトロ転写反応キットを用いて実施することができる。本発明において使用されるのに好適なインビトロ転写反応キットとしては、例えば、「T7 RiboMAXTM Express Large
Scale RNA Production System」(Promega社)が挙げられるが、これに限られるものではない。
PCR反応のみではDNAの増幅に限界があり得られるDNAは微量であるが、本発明ではPCR産物をインビトロ転写反応に供することにより遺伝子サンプル(標的遺伝子サンプルおよび対照遺伝子サンプル)の量を一本鎖RNAとして大幅に増加させる(一般的には100倍以上の濃度に)ことができる。
ハイブリダイゼーション
本発明に従う遺伝子検知方法においては、如上のインビトロ転写反応で得られた一本鎖RNAを、次に、蛍光標識プローブとハイブリダイゼーションさせて、RNA/DNAハイブリッド(ダブレックス)を形成させる。蛍光標識プローブは、対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに蛍光色素が結合されたものである。ここで、蛍光色素は、当該プローブの末端(5’末端または3’末端)の塩基と共有結合しており、そして、検出対象となる塩基はその蛍光色素の結合している塩基に可及的に近接するように、すなわち、その末端に存在するかまたは末端塩基から3塩基以内の位置にあるように蛍光標識プローブを設計するのが好ましい。
図2は、以上のような標的遺伝子の塩基配列と蛍光標識プローブの関係を例示するものである。図2の(A)は、テーラーメード医療を目指す一塩基多型の例として、ラミブジン療法が効果的な野生型のヒト肝炎ウイルス(HBV)遺伝子の塩基配列(配列番号:2)と、ラミブジン療法が非効果的な変異型のヒトHBVの塩基配列(配列番号:3)を示しており、野性型における塩基GがTに変異することに応じて野性型におけるアミノ酸M(リジン)がI(イソロイシン)に変異してラミブジン耐性になるものと考えられている。図2の(B)は、そのような一塩基多型を本発明に従い検出するために設計した蛍光標識プローブを示す。プローブ(5’−CAT ATA ACT GAA AGC CAA AC−3’)(配列番号:4)は、5’末端塩基に蛍光色素が結合されて標識(ラベル化)されており、図の例では、該末端塩基に対応する部位に標的遺伝子(RNA一本鎖として)の検出対象の塩基が存在している。
かくして、被検標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッド(図2の(B)では下方に示す)と対照遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッド(図2の(B)では上方)の蛍光強度を比較することにより遺伝子の変異を検出することができる。図2の例では、検出対象の塩基がGである野性型(対照遺伝子)由来のRNA/DNAハイブリッドは、当該部位が変異した(Xで示す)変異型由来のRNA/DNAハイブリッドよりも蛍光の消光の程度が大きい(後述の実施例参照)。
本発明において一本鎖DNAに共有結合される蛍光色素としては、従来より知られた各種のものが使用される。好ましい蛍光色素の例は、FITC(フルオレセインイソチオシアネート)、TAMRA(5−カルボキシテトラメチルローダミン)、FAM(5−カルボキシフルオレセイン)、HEX(6−カルボキシ−2’,4,4’,5’,7,7’−ヘキサクロロフルオレセイン)、ローダミン(Rhodamine)、Cy3〔インドジカルボシアニン−3−1−O−(2−シアノエチル)−(N,N’−ジイソプロパン)〕などであるが、これらに限られるものではない。
本発明の好ましい態様に従えば、既述のインビトロ転写反応で得られた一本鎖RNAに、蛍光標識プローブに加えて、さらに、消光標識プローブをハイブリダイゼーションさせる。消光標識プローブは、対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに、蛍光色素を消光する機能を有する消光色素(蛍光色素の蛍光放射領域に重なる吸収帯を有する分子から成る)が結合されたものから成る。
一般に、蛍光色素および消光色素は、それぞれ、蛍光標識プローブおよび消光標識の末端に結合される。蛍光色素を蛍光標識プローブの5’末端に結合させた場合は、消光色素を消光標識プローブの3’末端に結合させ、あるいはその逆とする。いずれの場合においても、検出対象となる塩基は、蛍光色素および消光色素の結合している塩基に可及的に近接するように、すなわち、その末端に存在するか、または末端塩基から3塩基以内の位置にあるようにする(図6および図9参照)。
使用できる蛍光色素と消光色素の組合せは特に限定されるものではないが、好ましい例として、蛍光色素FITCに対して消光色素BHQ−1〔4’−(2−ニトロ−4−トルイルジアゾ)−2’−メトキシ−5’−メチル−アゾベンゼン−4’’−(N−エチル)−N−エチル−2−シアノエチル−(N,N−ジイソプロパン))〕が挙げられる。この他に、蛍光色素ローダミン、TAMRA、またはCy3などに対して消光色素BHQ−2〔4’(4−ニトロ−フェニルジアゾ)−2’−メトキシ−5’−メトキシ−アゾベンゼン−4’’−(N−エチル−2−O−(4,4’−ジメトキシトリチル))−N−エチル−2−O−グリコレート〕なども使用できる。
以上のように、RNAに蛍光標識プローブおよび消光標識プローブをハイブリダイズさせたハイブリッドを用いる蛍光測定系では、著しく大きな消光率が達成され、標的遺伝子中の特定の塩基の変異や存否をより高い精度で検出することができる。
一本鎖DNAに蛍光色素が結合された蛍光標識プローブは、既述のようにPCR反応をモニタリングするリアルタイムPCR法におけるプライマーとして従来も用いられていたが(特許文献1および2)、本発明のように、遺伝子サンプルを一本鎖RNAにし、これに蛍光標識プローブをハイブリダイズさせ、さらに、好ましくは、消光標識プローブもハイブリダイズさせ、遺伝子検知のために蛍光強度を比較するのに使用される例はなかった。
本発明の遺伝子検知方法は、1塩基レベルの遺伝子変異、すなわち一塩基多型を検出するのに適している。図1や図2は単一個の1塩基変異が存在する場合を示しているが、本発明の方法は、複数個の1塩基変異が存在する標的遺伝子サンプルについても同様に適用できる。そのような場合、検出対象となる1塩基間は互いに少なくとも約30塩基離れていることが好ましく、それらの検出対象塩基のそれぞれに可及的に近接するように蛍光色素を結合させ、該蛍光色素を互いに別異のものとすることが好ましい。さらに、本発明は、1塩基変異を有する複数の標的遺伝子について、それらの変異を同時に検出する場合にも適用できる。
RNA分解
本発明に従えば、上記のようにして得られた標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドと対照遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドの蛍光強度を比較することにより遺伝子変異を検出することができるが、本発明の特に好ましい態様においては、それらのRNA/DNAハイブリッドをRNアーゼ(RNase:リボヌクレアーゼ)を用いるRNA分解反応に供した後に、蛍光強度の比較を行なう。これによって、蛍光標識プローブとハイブリダイズしていないRNAの部分が分解除去される結果、蛍光強度(蛍光消光率)の差がより顕著になり、その比較による変異の検出が容易になり精度よく行なわれる。さらに、既述のように、蛍光標識プローブの蛍光放出領域と重複する吸収帯を有する分子を結合させた蛍光消光プローブを近接するように併存させることで、著しく大きな消光率が達成され、より高い精度での変異検出を可能とする。
以下、本発明の特徴を更に具体的に説明するため実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって制限されるものではない。
<B型肝炎ウイルスに見られる遺伝子変異の検出>
1.1 DNAサンプルの調製(PCR)
検知遺伝子として図2の(A)に示すB型肝炎ウイルス遺伝子〔野性型(対照遺伝子)および変異型(標的遺伝子)〕を含むプラスミド遺伝子(pUC18のSmaIサイトに連結されたB型肝炎ウイルス遺伝子)を鋳型としてそれぞれPCR反応を行い、解析対象(検出対象)部位を含む遺伝子断片を得た。PCRプライマーには5’末端にT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を付加したプライマー1(配列番号:5)および遺伝子特異的なプライマー2(配列番号:6)を用い、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(TaKaRa)により行った。反応条件を以下に示す。
PCR反応組成(100μl):鋳型DNA(<1μg)、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(2.5 unit)、プライマー1(1μM)、プライマー2(1μM)、dNTP(200μM)、1 x Pyrobest
Buffer II。
PCR条件:熱変性(95℃、5min)1サイクルを行った後、[熱変性(95℃、15sec)−アニーリング(55℃、30sec)−伸長反応(72℃、30sec)]35サイクルを行った。
プライマー1:
5’−ATGATCACTAATACGACTCACTATAGGGCTTTCCCCCACTGTTTGGC−3’
プライマー2:
5’−GGTACCCCAACTTCCAATTACATAT−3’
1.2 RNAサンプルの調製(インビトロ転写反応)
1.1に示す工程により得られたPCR産物をインビトロ転写反応に供し一本鎖RNAを調製した。転写反応は、T7 RiboMAXTM Express Large
Scale RNA Production System (Promega)により行った。RNA産物はエタノール沈殿を通じて回収し、滅菌水に再溶解させたものをRNAサンプルとした。反応条件を以下に示す。
反応組成(20μl):PCR反応液(2μL)、Enzyme Mix, T7 Express(2μL)、1 x RiboMAXTM Express T7 buffer
反応条件:合成反応(30℃、30min)の後、Dr. GenTLETM Precipitation
Carrier (TaKaRa)を用いてRNAサンプルを回収した。
1.3.1 ハイブリダイゼーションおよびRNA分解
図2(B)に示すように、5’末端に各種の蛍光色素を結合したオリゴDNA(5’−CATATAACTGAAAGCCAAAC−3’)を蛍光標識プローブとして用いた。
蛍光標識プローブ(40pmol)を1mLのハイブリダイゼーション緩衝液(10mM Tris−HCl、10mM MgCl2、pH7.0)に溶解し蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度値をF0とした。これにRNAサンプル(15μL)を添加しRNA/DNAのハイブリッドを得た。これに、リボヌクレアーゼA(0.5μg)を作用させた後の蛍光強度値を測定しF1とした。下記の演算式1を用いて補正演算し消光率(Qr)を算出した。
その結果を図3に示す。一連の結果より、RNAサンプルと蛍光標識プローブが完全相補的であるときにおいて〔すなわち、検出対象部位の塩基がGである対照(野性型)遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドにおいては〕高い消光率を与え、末端部位において相補性を有さない場合には〔すなわち、検出対象部位の塩基がG以外である標的(変異型)遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドにおいては〕消光率を著しく減少させることが示された。このように、ハイブリダイゼーション前後における蛍光強度値を測定し、これを演算補正することで遺伝子の変異を検出することができる。
1.3.2 蛍光標識プローブと蛍光消光プローブを併存させた変異検出
また、図6に示すように、5’末端に蛍光色素(FITC)を結合したオリゴDNA(5’−CCATATAACTGAAAGCCAAA−3’)および3’末端に消光分子(BHQ−1)を結合したオリゴDNA(5’−GGCCCCCAATACCACATCAT−3’)をそれぞれ蛍光標識プローブおよび蛍光消光プローブとして用いた。
蛍光標識プローブ(20pmol)および蛍光消光プローブ(100pmol)を1mLのハイブリダイゼーション緩衝液(10mM Tris−HCl、10mM MgCl2、pH7.0)に溶解し蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度値をF0とした。これにRNAサンプル(15μL)を添加しRNA/DNAのハイブリッドを得た。これに、リボヌクレアーゼA(0.5μg)を作用させた後の蛍光強度値を測定しF1とした。下記の演算式1を用いて補正演算し消光率(Qr)を算出した。
その結果を図7に示す。一連の結果より、RNAサンプルと蛍光標識プローブが完全相補的であるときにおいて〔すなわち、検出対象部位の塩基がGである正常(野性型)標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドにおいては〕高い消光率を与え、末端部位において相補性を有さない場合には〔すなわち、検出対象部位の塩基がG以外である被検(変異型)標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドにおいては〕消光率を著しく減少させることが示された。このように、ハイブリダイゼーション前後における蛍光強度値を測定し、これを演算補正することで遺伝子の変異を検出することができる。
〔数1〕
演算式1 Qr=(F0−F1)/F0×100(%)
<アルデヒドヒドロゲナーゼ遺伝子に見られる変異の検出>
2.1 DNAサンプルの調製(PCR)
検知遺伝子として図4に示すヒトアルデヒドヒドロゲナーゼ(野性型および変異型)遺伝子を含むプラスミド遺伝子(pUC18のSmaIサイトに連結されたアルデヒドデヒドロゲナーゼ遺伝子)を鋳型としてそれぞれPCR反応を行い、検出対象部位を含む遺伝子断片を得た。PCRプライマーには5’末端にT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を付加したプライマー1(配列番号:7)および遺伝子特異的なプライマー2(配列番号:8)を用い、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(TaKaRa)により行った。反応条件を以下に示す。
PCR反応組成(100μl):鋳型DNA(<1μg)、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(2.5 unit)、プライマー1(1μM)、プライマー2(1μM)、dNTP(200μM)、1 x Pyrobest
Buffer II。
PCR条件:熱変性(95℃、5min)1サイクルを行った後、[熱変性(95℃、15sec)−アニーリング(55℃、30sec)−伸長反応(72℃、30sec)]35サイクルを行った。
プライマー1:
5’−ATGATCACTAATACGACTCACTATAGGGTCAACTGCTATGATGTG−3’
プライマー2:
5’−CCACACTCACAGTTTTCACTT−3’
2.2 RNAサンプルの調製(インビトロ転写反応)
2.1に示す工程より得られたPCR産物をインビトロ転写反応に供し一本鎖RNAを調製した。転写反応は、T7 RiboMAXTM Express Large Scale RNA
Production System (Promega)により行った。RNA産物はエタノール沈殿を通じて回収し、滅菌水に再溶解させたものをRNAサンプルとした。反応条件を以下に示す。
反応組成(20μl):PCR反応液(1μL)、Enzyme Mix, T7 Express(2μL)、1x RiboMAXTM
Express T7 buffer
反応条件:合成反応(30℃、30min)の後、Dr. GenTLETM Precipitation
Carrier (TaKaRa)を用いてRNAサンプルを回収した。
2.3 ハイブリダイゼーションおよびRNA分解
図4に示すように、3’末端を蛍光色素TAMRAを結合したオリゴDNA(5’−ACACTCACAGTTTTCACTTC−3’)(配列番号9)を蛍光標識プローブとして用いた。
蛍光標識プローブ(40pmol)を1mLのハイブリダイゼーション緩衝液(10mM Tris-HCl、10mM MgCl2、pH7.0)に溶解し蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度値をF0とした。これにRNAサンプル(15μL)を添加しRNA/DNAのハイブリッドを得た。これに、リボヌクレアーゼA(0.5μg)を作用させた後の蛍光強度値を測定しF1とした。既述の演算式1を用いて補正演算し消光率(Qr)を算出した。結果を図4に示す。図に示されるように、野性型のみからなるRNAサンプル(野性型ホモ接合体)において高い消光率(55%)を与えた。一方、変異型のみからなるRNAサンプル(変異型ホモ接合体)においては消光率を著しく減少させた(2%)。また、野性型および変異型を含むヘテロ接合体においては28%の消光率を与えた。このように、ハイブリダイゼーション前後における蛍光強度値を測定し、これを演算補正することで各アレルの変異を検出することができる。
<ADRB2およびHBV遺伝子に見られる変異の同時検出>
3.1 DNAサンプルの調製(PCR)
検知遺伝子としてヒトのβ2−アドレナリンレセプター(β2−Adrenergic Receptor:ADRB2)遺伝子(野性型および変異型)を含むプラスミド遺伝子を鋳型としてそれぞれPCR反応を行い、検出対象部位を含む遺伝子断片を得た。PCRプライマーには5’末端にT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を付加したプライマー1(配列番号:9)および遺伝子特異的なプライマー2(配列番号:10)を用い、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(TaKaRa)により行った。反応条件を以下に示す。
PCR反応組成(100μl):鋳型DNA(<1μg)、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(2.5 unit)、プライマー1(1μM)、プライマー2(1μM)、dNTP(200μM)、1x Pyrobest Buffer
II
PCR条件:熱変性(95℃、5min)1サイクルを行った後、[熱変性(95℃、15sec)−アニーリング(55℃、30se)−伸長反応(72℃、30sec)]35サイクルを行った。
プライマー1:
5’−ATGATCACTAATACGACTCACTATAGGGCAACCCGGGAACGGCAG−3’
プライマー2:
5’−ATTGCCAAACACGATGGCCA−3’
HBV遺伝子についても、既述の実施例1の1.1の場合と同様にPCR反応を行なった。
3.2 RNAサンプルの調製(インビトロ転写反応)
3.2に示す工程より得られた2種類のPCR産物をインビトロ転写反応に供し一本鎖RNAを調製した。転写反応は、T7 RiboMAXTM Express Large
Scale RNA Production System (Promega)により行った。RNA産物はエタノール沈殿を通じて回収し、滅菌水に再溶解させたものをRNAサンプルとした。反応条件を以下に示す。
反応組成(20μl):PCR反応液(各1μL)、Enzyme Mix, T7 Express(2μL)、1x RiboMAXTM
Express T7 buffer
反応条件:合成反応(30℃、30min)の後、Dr. GenTLETM Precipitation
Carrier (TaKaRa)を用いてRNAサンプルを回収した。
3.3 ハイブリダイゼーションおよびRNA分解
5’末端に蛍光色素FITCを結合したHBV用オリゴDNA(5’−CCATATAACTGAAAGCCAAAC−3’)(配列番号:11)および3’末端に蛍光色素TAMRAを結合したADRB2用オリゴDNA(5’−ACCCACACCTCGTCCCTTTC−3’)(配列番号:12)を蛍光標識プローブとして用いた。
各蛍光標識プローブ(40pmol)を1mLのハイブリダイゼーション緩衝液(10mM Tris-HCl、10mM MgCl2、pH7.0)に溶解しFITCおよびTAMRAに由来する蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度値をF0とした。これにRNAサンプル(15μL)を添加しRNA/DNAのハイブリッドを得た。これに、リボヌクレアーゼA(0.5μg)を作用させた後の蛍光強度値を測定しF1とした。既述の演算式1を用いて補正演算し消光率(Qr)を算出し、これを演算補正した。結果を図5に示す。それぞれのQrは各蛍光プローブの相補性に応答した値を与え、異なる複数のSNPs部位を同時に検出することができた。これらの結果は、本発明の方法により、異なる遺伝子鎖または同一遺伝子鎖内に存在する複数箇所のSNPsを同時に検出可能であることを示している。
<遺伝子変異によるマグロの品種判別>
4.1 DNAサンプルの調製(PCR)
検知遺伝子としてマグロ魚種ミトコンドリアDNAを鋳型としてそれぞれPCR反応を行い、解析対象(検出対象)部位を含む遺伝子断片を得た。PCRプライマーには5’末端にT7 RNAポリメラーゼプロモーター配列を付加したプライマー1(配列番号:13)および遺伝子特異的なプライマー2(配列番号:14)を用い、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(TaKaRa)により行った。反応条件を以下に示す。
PCR反応組成(100μl):鋳型DNA(<1μg)、Pyrobest(登録商標)DNAポリメラーゼ(2.5 unit)、プライマー1(1μM)、プライマー2(1μM)、dNTP(200μM)、1 x Pyrobest
Buffer II。
PCR条件:熱変性(95℃、5min)1サイクルを行った後、[熱変性(95℃、15sec)−アニーリング(55℃、30sec)−伸長反応(72℃、30sec)]35サイクルを行った。
プライマー1:
5’−ATGATCACTAATACGACTCACTATAGGGACTTGCATTCCCTCTCTG−3’
プライマー2:
5’−TTAGAAGGAAAAGTAGGGTTGCTGTTAG−3’
4.2 RNAサンプルの調製(インビトロ転写反応)
4.1に示す工程により得られたPCR産物をインビトロ転写反応に供し一本鎖RNAを調製した。転写反応は、T7 RiboMAXTM Express Large
Scale RNA Production System (Promega)により行った。RNA産物はエタノール沈殿を通じて回収し、滅菌水に再溶解させたものをRNAサンプルとした。反応条件を以下に示す。
反応組成(20μl):PCR反応液(2μL)、Enzyme Mix, T7 Express(2μL)、1 x RiboMAXTM Express T7 buffer
反応条件:合成反応(30℃、30min)の後、Dr. GenTLETM Precipitation
Carrier (TaKaRa)を用いてRNAサンプルを回収した。
4.3 蛍光標識プローブと蛍光消光プローブを併存させた変異検出
図8に示すように、5’末端に蛍光色素(FITC)を結合したオリゴDNA(5’−GAAGGACAGTTGCTGCTGTA−3’)(配列番号:15)および3’末端に消光分子(BHQ−1)を結合したオリゴDNA(5’−TACAGTTGGCATTAGTGGTA−3’)(配列番号:16)をそれぞれ蛍光標識プローブおよび蛍光消光プローブとして用いた。
蛍光標識プローブ(20pmol)および蛍光消光プローブ(100pmol)を1mLのハイブリダイゼーション緩衝液(10mM Tris−HCl、10mM MgCl2、pH7.0)に溶解し蛍光強度を測定した。得られた蛍光強度値をF0とした。これにRNAサンプル(15μL)を添加しRNA/DNAのハイブリッドを得た。これに、リボヌクレアーゼA(0.5μg)を作用させた後の蛍光強度値を測定しF1とした。既述の演算式1を用いて補正演算し消光率(Qr)を算出した。この例では、太平洋産クロマグロを判別することを目的とし、その遺伝子を標的遺伝子(配列番号:17)とした。
その結果を図9に示す。一連の結果より、RNAサンプルと蛍光標識プローブが完全相補的であるときにおいて〔すなわち、検出対象部位の塩基がTである対照遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドにおいては〕高い消光率を与え、末端部位において相補性を有さない場合には〔すなわち、検出対象部位の塩基がT以外である標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドにおいては〕消光率を著しく減少させることが示された。このように、ハイブリダイゼーション前後における蛍光強度値を測定し、これを演算補正することで太平洋マグロ魚種を判別することができた。
本発明の方法は、少量のサンプルから、特化された分析機器を必要とせずに簡便に遺伝子中の特定の塩基の変異や存否の判定を可能にするので、遺伝子解析に基づく疾病の診断、予防または治療のための手段や薬剤の開発、あるいは農水畜産物の品種同定や品種改良、環境変化の評価など産業の多くの分野における利用が期待される。

Claims (3)

  1. 標的遺伝子中の特定の塩基の変異または特定の塩基の存否を判定する遺伝子検知方法であって、前記標的遺伝子のサンプル、および該標的遺伝子に対して野生型または標準型の塩基配列を有する対照遺伝子のサンプルのそれぞれを、(i)5’末端にRNAポリメラーゼプロモーター配列を有するプライマーを含むプライマー対を用いるPCR反応に供して増幅し、(ii)前記PCR反応で得られた二本鎖DNAをインビトロ転写反応に供して一本鎖RNAを形成し、(iii)前記一本鎖RNAに、前記対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに蛍光色素が結合された蛍光標識プローブをハイブリダイゼーションさせてRNA/DNAハイブリッドを形成させた後、(iv)標的遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドと対照遺伝子サンプル由来のRNA/DNAハイブリッドの蛍光強度を比較する、
    以上の諸工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 前記(iii)のRNA/DNAハイブリッド形成工程において、前記対照遺伝子の塩基配列の少なくとも一部に相補的な配列から成る一本鎖DNAに、前記蛍光色素を消光する機能を有する消光色素が結合された蛍光消光プローブを、前記一本鎖RNAにハイブリダイゼーションさせることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(iii)で得られたRNA/DNAハイブリッドをRNアーゼを用いるRNA分解反応に供した後、工程(iv)の蛍光強度の比較を行なうことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の方法。
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